JP2003021829A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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JP2003021829A
JP2003021829A JP2001206796A JP2001206796A JP2003021829A JP 2003021829 A JP2003021829 A JP 2003021829A JP 2001206796 A JP2001206796 A JP 2001206796A JP 2001206796 A JP2001206796 A JP 2001206796A JP 2003021829 A JP2003021829 A JP 2003021829A
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substrate
display device
crystal display
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Ryuichi Tanimura
竜一 谷村
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで基板上に均一に歩留まりよく作製
できると共に作製による環境への影響も少ないブラック
マトリクスを備えた液晶表示装置を提供すること。 【解決手段】 液晶表示装置は、表示面となる第1基板
と、第1基板に対向する第2基板と、第1および第2基
板の間に封入される液晶と、第2基板の内面に設けられ
て複数の領域に区画する遮光壁と、区画された複数の領
域にそれぞれ設置されたカラーフィルターとを備え、遮
光壁は第2基板上に成膜された金属層と、前記金属層の
表面を酸化させた酸化膜とをパターン化することにより
形成され、酸化膜はその膜厚が約400〜530Åであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液晶表示装置およ
びその製造方法に関し、詳しくは、カラー液晶表示装置
に使用されるカラーフィルターおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー液晶表示装置(LCD)が
開発されている。特に、薄膜トランジスタ(TFT)や
金属−絶縁体−金属(Metal-Insulator-Metal)素子を
各画素に配置して、これをアクティブ素子としたTFT
−LCDやMIM−LCDなどの開発が盛んである。
【0003】通常、カラー液晶表示装置では、TFTや
MIMが設けられた基板と対向する基板(対向基板)上
にR、G、B各色のカラーフィルターが配列される。配
列された各カラーフィルターの境界部には、他の画素の
光が混入しないよう遮光壁が形成される。この遮光壁
は、表示面において黒色に見えるのでブラックマトリク
スと称されている。
【0004】ブラックマトリクスは表示面においてかな
りの面積を占めており、表示面側から入射する光(外
光)がブラックマトリクスで反射するとコントラストを
低下させて表示品位を下げる原因となる。このため、ブ
ラックマトリクスは、外光に対する反射率が低いことが
望まれる。
【0005】ブラックマトリクスの作製方法としては、
対向基板上に遮光材が分散されたポリアミック酸溶液な
どの樹脂を薄く塗布し、この塗布層をフォトリソグラフ
ィ法によりパターン化する方法が知られている(例え
ば、特開平2−239204号公報参照)。
【0006】また、基板上に金属薄膜を成膜し、この金
属薄膜をフォトリソグラフィ法によりパターン化したの
ち、パターン化された金属薄膜を陽極酸化してから金属
イオンを有する溶液に浸漬し、金属イオンを酸化・還元
させて黒色に着色する方法も知られている(例えば、特
開平6−67210号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の金属
薄膜からブラックマトリクスを作製する方法では、金属
薄膜の成膜、金属薄膜のパターン化、金属イオン溶液中
への浸漬という多くの工程を経るため、ブラックマトリ
クスの作製に要するコストが高くなる。また、黒色に着
色するために金属イオン溶液を用いるが、金属イオン溶
液には有害なものが多く、環境に与える影響を考慮して
適切に廃液処理を行う必要があるので廃液処理に要する
コストが高くなる。
【0008】この発明は以上のような事情を考慮してな
されたものであり、低コストで基板上に均一に歩留まり
よく作製できると共に作製による環境への影響も少ない
ブラックマトリクスを備えた液晶表示装置およびその製
造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、表示面とな
る第1基板と、第1基板に対向する第2基板と、第1お
よび第2基板の間に封入される液晶と、第2基板の内面
に設けられて複数の領域に区画する遮光壁と、区画され
た複数の領域にそれぞれ設置されたカラーフィルターと
を備え、遮光壁は第2基板上に成膜された金属層と、前
記金属層の表面を酸化させた酸化膜とをパターン化する
ことにより形成され、酸化膜はその膜厚が約400〜5
30Åである液晶表示装置を提供するものである。
【0010】つまり、この発明では、酸化膜を約400
〜530Å程度の膜厚で形成することにより、低反射率
で見かけ上黒色の遮光壁(ブラックマトリクス)を作製
できる。従って、着色工程を省くことが可能となり、工
程数の減少による製造コストの削減を図ることができ
る。また、金属イオン溶液も不要となるので廃液処理に
要するコストが削減され、ひいては遮光壁の作製による
環境への影響も少なくできる。なお、酸化膜の膜厚を約
400〜530Åとすると、遮光壁が低反射率で見かけ
上黒色となる原理については後で詳述する。
【0011】
【発明の実施の形態】上記のこの発明による液晶表示装
置において、酸化膜は陽極酸化法で成膜されたものであ
ることが好ましい。というのは、陽極酸化法を用いると
金属層の表面に均一な膜厚の酸化膜を成膜でき、第2基
板の内面に均一に歩留まりよく遮光壁を作製できるから
である。
【0012】また、上記のこの発明による液晶表示装置
において、金属層はタンタルからなっていてもよい。し
かし、金属層の材料としては、タンタルに限定されるも
のではなく、例えば、アルミニウム、チタン、タングス
テンなどの陽極酸化が可能な金属を用いてもよい。
【0013】この発明は別の観点からみると、上記のこ
の発明による液晶表示装置を製造するための製造方法で
あって、第2基板の表面にタンタルからなる金属層を形
成し、陽極酸化溶液中で前記金属層と陰極の間に化成電
圧を印加することにより前記金属層の表面を酸化させて
酸化膜を形成し、形成された酸化膜および金属層をフォ
トリソグラフィ法によりパターン化して遮光壁を得る工
程を備える液晶表示装置の製造方法を提供するものでも
ある。
【0014】上記の製造方法によれば、金属層の表面を
一斉に陽極酸化するので金属層の表面に均一な膜厚の酸
化膜が形成され、第2基板の内面に均一に歩留まりよく
遮光壁を作製できる。また、カラーフィルターは酸化膜
上に直接貼り付けられることとなり、酸化膜とカラーフ
ィルターとの密着性が向上するという利点もある。
【0015】また、上記のこの発明による液晶表示装置
の製造方法において、印加される化成電圧は約25〜3
3Vであることが好ましい。というのは、金属層がタン
タルからなる場合、陽極酸化溶液中で金属層と陰極の間
に約25〜33Vの化成電圧を印加することにより、金
属層の表面に膜厚約400〜530Å程度の酸化膜を成
膜できるからである。
【0016】また、上記のこの発明による液晶表示装置
の製造方法において、印加される化成電圧は約28〜3
0Vであることがより好ましい。というのは、金属層が
タンタルからなる場合、陽極酸化溶液中で金属層と陰極
の間に約28〜30Vの化成電圧を印加することによ
り、金属層の表面に膜厚約450〜480Å程度の酸化
膜を成膜でき、より一層低反射率の遮光壁を作製できる
からである。なお、酸化膜の膜厚を約450〜480Å
の範囲内とすると遮光壁の反射率がより一層低くなるこ
とについては後で詳述する。
【0017】ここで、金属層表面の酸化膜が約400〜
530Å程度の膜厚で形成されると低反射率で見かけ上
黒色の遮光壁となる原理について図5に基づいて説明す
る。
【0018】図5に示されるように、第2基板201上
に形成された遮光壁131に対して外光が入射すると、
酸化膜121bの表面で反射される入射光Aの波長と酸
化膜121bを透過して金属層121aの表面で反射さ
れる入射光Bの波長が互いに干渉して打ち消し合うよう
に作用する。このため、遮光壁131の表面の反射率が
低くなり、さらには見かけ上黒色となるのである。そし
て、このように2つの波長を互いに打ち消し合うように
作用させるうえで好ましい酸化膜の膜厚が上述の約40
0〜530Åとなるのである。
【0019】次に、陽極酸化溶液中で金属層と陰極との
間に印加する化成電圧と、それによって形成される酸化
膜の膜厚との関係を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示されるように、陽極酸化溶液とし
ては、酒石酸アンモニウム、硫酸、クエン酸、マレイン
酸を用い、化成電圧を約23〜35Vの間で変化させ
た。この結果、陽極酸化溶液の種類による膜厚の変化は
測定誤差の範囲内と思われるものであり、酸化膜の膜厚
は陽極酸化溶液の種類に関係なく化成電圧によって一義
的に決定されることが分かった。つまり、化成電圧を決
定すれば、陽極酸化溶液の種類に関係なくほぼ同等の膜
厚の酸化膜を形成できることになる。
【0022】次に、化成電圧の変化により酸化膜膜厚が
変化する関係、および酸化膜膜厚の変化により酸化膜表
面の平均反射率が変化する関係を図6示す。
【0023】図6に示される平均反射率は、キセノンラ
ンプから発した光を積分球の内面で拡散反射させて酸化
膜表面に均一に照射し、反射した光のうち試料面に垂直
な軸と8度の角度をなす方向の光を受光する方法で測定
した。また、白色校正として、硫酸バリウム(BaSO
4)の標準白色校正板の反射率を100%としている。
【0024】図6に示されるように、酸化膜の膜厚が約
400〜530Åの範囲内において、可視光線の波長範
囲内(約400〜700nm)における平均反射率が約
4%以下となり、良好な表示品位の液晶表示装置を得る
ことができた。なお、図6からも明らかなように、酸化
膜の膜厚が約400〜530Åの範囲内となるのは、化
成電圧が約25〜33Vの範囲内にあるときである。
【0025】また、酸化膜の膜厚が約450〜480Å
の範囲内において、可視光線の波長範囲内における平均
反射率が約3%以下となり、さらに良好な表示品位の液
晶表示装置を得ることができた。そして、酸化膜の膜厚
が約450〜480Åとなるのは、化成電圧が約28〜
30Vの範囲内であることが分かった。従って、上記の
この発明による液晶表示装置の製造方法おいて、より好
ましい化成電圧は約28〜30Vである。
【0026】また、この発明は別の観点から見ると、上
記の製造方法によって製造された透過型の液晶表示装置
を提供するものでもある。
【0027】また、この発明は別の観点からみると、表
示面となる第1基板と、第1基板に対向する第2基板
と、第1および第2基板の間に封入される液晶と、第2
基板の内面に設けられて複数の領域に区画する遮光壁
と、区画された複数の領域にそれぞれ設置されたカラー
フィルターとを備え、遮光壁は第2基板上に成膜された
金属層の表面を酸化させることにより得られた酸化膜を
パターン化することにより形成され、酸化膜はその膜厚
が400〜530Åである液晶表示装置を提供するもの
でもある。
【0028】つまり、上記のこの発明による液晶表示装
置は、金属層が第1基板側から入射する外光を反射する
反射板となり、酸化膜が各カラーフィルターの遮光壁と
なる反射型の液晶表示装置を提供するものである。
【0029】なお、上記のこの発明による液晶表示装置
においても、酸化膜を約400〜530Å程度の膜厚で
形成すると低反射率で見かけ上黒色の遮光壁を作製でき
ることと、それにより着色工程が省かれて環境への影響
を少なくできることは同様である。また、上記のこの発
明による液晶表示装置においても、上述したのと同様の
理由から、酸化膜は陽極酸化法で成膜されたものである
ことが好ましい。また、上記のこの発明による液晶表示
装置においても、金属層の材料としては、例えば、タン
タル、アルミニウム、チタン、タングステンなどの陽極
酸化が可能な金属を用いることができる。
【0030】また、この発明は別の観点から見ると、上
記のこの発明による液晶表示装置を製造するための製造
方法であって、第2基板の表面にタンタルからなる金属
層を形成し、陽極酸化溶液中で前記金属層と陰極の間に
約25〜33vの化成電圧を印加することにより前記金
属層の表面を酸化させて酸化膜を形成し、形成された酸
化膜をフォトリソグラフィ法によりパターン化して遮光
壁を得る工程を備える液晶表示装置の製造方法を提供す
るものでもある。
【0031】つまり、上記の製造方法によれば、表面に
酸化膜を有する金属層を第2基板上に形成したのち、酸
化膜のみをパターン化することにより反射型液晶表示装
置の反射板と遮光壁とを同時に作製できる。従って、反
射型液晶表示装置を製造する場合において、工程数の減
少による製造コストの削減を図ることができる。なお、
上記の製造方法では、酸化膜と金属層の一部をパターン
化(エッチング除去)することにより、半透過型液晶表
示装置を製造することもできる。
【0032】なお、陽極酸化溶液中で金属層と陰極との
間に約25〜33Vの化成電圧を印加することにより膜
厚が約400〜530Åの酸化膜を形成できること、金
属層の表面を一斉に陽極酸化することにより均一な膜厚
の酸化膜が成膜されて第2基板の内面に均一に歩留まり
よく遮光壁を作製できることは同様である。また、カラ
ーフィルターが酸化膜の上に直接貼り付けられるので酸
化膜とカラーフィルターとの密着性が向上することも同
様である。
【0033】また、上記のこの発明による液晶表示装置
の製造方法においても、上述したのと同様の理由から、
より好ましい化成電圧は約28〜30Vである。
【0034】また、この発明は別の観点からみると、上
記の製造方法によって製造された反射型の液晶表示装置
を提供するものでもある。
【0035】
【実施例】以下に図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。なお、この実施例によってこの発明が限定
されるものではない。また、以下に説明する複数の実施
例において共通する部材には同じ符号を用いて説明す
る。
【0036】実施例1 この発明の実施例1による液晶表示装置およびその製造
方法について図1および図2に基づいて説明する。図1
は実施例1による液晶表示装置の部分破断平面図、図2
は図1に示される液晶表示装置の第2基板にブラックマ
トリクス(遮光壁)およびカラーフィルターを作製する
工程を示す工程図である。
【0037】図1に示されるように、この発明の実施例
1による液晶表示装置101は、表示面となる第1基板
211と、第1基板211に対向する第2基板201
と、第1および第2基板211、201の間に封入され
る液晶(図示せず)と、第2基板201の内面に設けら
れて複数の領域に区画するブラックマトリクス131
と、区画された複数の領域にそれぞれ設置されたR、
G、Bのカラーフィルター151、152、153とを
備え、ブラックマトリクス131は第2基板201上に
成膜された金属層121a(図2(e)参照)と、前記
金属層121aの表面を陽極酸化法で酸化させた酸化膜
121b(図2(e)参照)とをパターン化することに
より形成され、酸化膜121bはその膜厚が約400〜
530Åである。
【0038】詳しくは、図1に示される液晶表示装置1
01は、複数の走査線及び複数の信号線が直交して配置
されたいわゆるパッシブマトリクス型液晶表示装置であ
る。
【0039】液晶表示装置101は第1基板211と第
2基板201から構成され、第1基板211には、スト
ライプ状に透明電極(図示せず)が配置されている。一
方、第2基板201には内面にストライプ状の透明電極
161が形成され、その下にR,G,Bのカラーフィル
ター151、152、153が形成され、さらのその下
にブラックマトリクス131が形成されている。
【0040】また、第1及び第2基板211、201の
外面には用途に応じた光学フィルム171が貼り付けら
れ、液晶層に電圧を印加することにより表示が行われる
構造となっている。
【0041】以下に、図2(a)〜(e)に基づいて実
施例1による液晶表示装置101の第2基板201(カ
ラーフィルター基板)にブラックマトリクス131およ
びカラーフィルター151、152、153を作製する
工程について説明する。
【0042】まず、図2(a)に示されるように、第2
基板201としてコーニング1737(寸法:約400
×320mm、厚さ:約0.7mm)を使用し、この第
2基板201上にスパッタリング法などにより、全面に
膜厚約700ÅのSiO2膜を形成し密着層111(下
地膜)とした。その後、密着層111上にスパッタリン
グ法などにより、膜厚約1500Åのタンタル膜を成膜
し金属層121aとした。なお、金属層121aと第2
基板201との間には密着層111があるため、金属層
121aと基板101との間には良好な密着性が得られ
た。
【0043】次に、図2(b)に示されるように、陽極
酸化溶液として酒石酸アンモニウムを用い、前記溶液中
で金属層121aと陰極の間に約25〜33Vの化成電
圧を印加することにより、金属層121aの表面に対し
て酸化処理を行った。この結果、金属層121aの表面
に膜厚約400〜530Åの酸化膜121bが形成され
た。
【0044】このように酸化膜121bを膜厚約400
〜530Åの範囲内で形成することにより、可視光線
(約400〜700nm)の波長範囲における平均反射
率を約4%以下とすることができた。なお、この際に用
いる陽極酸化溶液は硫酸、クエン酸又はマレイン酸など
でもよい。
【0045】次に、図2(c)に示されるように、スピ
ンコーターを用いてレジスト膜141を塗布し、さらに
フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニング
した。次に、図2(d)に示されるように、レジスト膜
のパターンに対応して酸化膜121bと金属層121a
の余分な部分をエッチング除去し、金属層121aと酸
化膜121bからなるブラックマトリクス131を形成
した。
【0046】なお、実施例1では金属層121aの全面
に対して陽極酸化を行ってからパターニングしたが、金
属層121aを任意のパターンにパターニングしてから
陽極酸化を行ってもよい。その場合、電気的に接続され
ていない部分が部分的に形成されるようにパターニング
すると、電気的に接続されていない部分は酸化膜121
bの無いメタル色となり、一方、電気的に接続されてい
る部分は酸化膜121bが形成されて反射率の低い部分
となる。この手法は、第1基板211と第2基板201
を貼り合わせる際のマーカーや基板識別記号などの作製
に利用できる。
【0047】次に、図2(e)に示されるように、レジ
スト膜141(図2(d)参照)を剥離してから感光性
樹脂のカラーフィルター膜(フォトレジスト膜)を有す
るフィルムシート(図示せず)を第2基板201上に加
熱、圧着してカラーフィルター膜だけを転写し、フォト
リソグラフィ法によりパターニングを行って赤のカラー
フィルター151を形成した。同様の工程を緑、青につ
いて繰り返し行い、R、G、Bのカラーフィルター15
1、152、153を形成した。
【0048】この方法では、酸化膜121b上にカラー
フィルター膜を直接転写するので双方の密着性が向上す
る。従って、密着層を形成する工程が省略され、第2基
板201の作製コストをより一層削減できるようにな
る。
【0049】その後、図示は行わないが、第2基板20
1の内面を平坦化するため、アクリルなどの樹脂をスピ
ンコーターを用いて全面に塗布した。その後、樹脂層の
表面にスパッタリング法などによりITOなどからなる
透明電極膜を形成し、さらに、フォトリソグラフィ法な
どによって第1基板211の構造に対応するようにパタ
ーニングして第2基板201を作製した。
【0050】以上の製造方法によれば、高い遮光性を有
する低反射率のブラックマトリクス131を第2基板2
01の内面に均一に低コストで作製でき、高いコントラ
ストの液晶表示装置101を製造できる。また、生産ラ
インにおいて、人体及び環境に悪影響を与える金属イオ
ン溶液などのような溶剤を用いないので、廃液処理など
に要する処理コストを削減できる。
【0051】実施例2 この発明の実施例2による液晶表示装置およびその製造
方法について図3および図4に基づいて説明する。図3
は実施例2による液晶表示装置の部分破断平面図、図4
は図3に示される液晶表示装置の第2基板にブラックマ
トリクス(遮光壁)およびカラーフィルターを作製する
工程を示す工程図である。
【0052】図3に示されるように、この発明の実施例
2による液晶表示装置102は、表示面となる第1基板
211と、第1基板211に対向する第2基板201
と、第1および第2基板211、201の間に封入され
る液晶(図示せず)と、第2基板201の内面に設けら
れて複数の領域に区画するブラックマトリクス131
と、区画された複数の領域にそれぞれ設置されたR、
G、Bのカラーフィルター151、152、153とを
備え、ブラックマトリクス131は第2基板201上に
成膜された金属層121a(図4(e)参照)の表面を
陽極酸化法で酸化させることにより得られた酸化膜12
1b(図4(e)参照)をパターン化することにより形
成され、酸化膜121bはその膜厚が約400〜530
Åである。
【0053】つまり、実施例2による液晶表示装置10
2は、酸化膜121bのみをパターン化してブラックマ
トリクス131とし、一方、残った金属層121aを第
1基板211側から入射する外光を反射させるための反
射板として利用することにより反射型の液晶表示装置を
構成したものである。なお、その他の構成は上述の実施
例1による液晶表示装置101(図1参照)と同じであ
る。
【0054】以下に、図4(a)〜(e)に基づいて実
施例2による液晶表示装置102の第2基板(カラーフ
ィルター基板)201にブラックマトリクス131およ
びカラーフィルター151、152、153を作製する
工程について説明する。
【0055】まず、図4(a)に示されるように、第2
基板201としてコーニング1737(寸法:約400
×320mm、厚さ:約0.7mm)を使用し、この基
板201上にスパッタリング法などにより、全面に膜厚
約700ÅのSiO2膜を形成し密着層111(下地
膜)とした。
【0056】その後、密着層111上にスパッタリング
法などにより、膜厚約1500Åのタンタル膜を成膜し
金属層121aとした。なお、金属層121aと第2基
板201との間には密着層111があるため、金属層1
21aと第2基板201との間には良好な密着性が得ら
れた。また、実施例2では金属層121aの材料として
タンタルを用いたが、陽極酸化が可能で高反射率のアル
ミニウム、チタン、タングステンなどをその材料として
用いてもよい。
【0057】次に、図4(b)に示されるように、陽極
酸化溶液として酒石酸アンモニウムを用い、前記溶液中
で金属層121aと陰極の間に約25〜33Vの化成電
圧を印加することにより、金属層121aの表面に対し
て酸化処理を行った。この結果、金属層121aの表面
に膜厚約400〜530Åの酸化膜121bが形成され
た。
【0058】このように酸化膜121bを膜厚約400
〜530Åの範囲内で形成することにより、可視光線
(約400〜700nm)の波長範囲における平均反射
率を約4%以下とすることができた。なお、この際に用
いる陽極酸化溶液は硫酸、クエン酸又はマレイン酸など
でもよい。
【0059】次に、図4(c)に示されるように、スピ
ンコーターを用いてレジスト膜141を塗布し、さらに
フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニング
した。
【0060】次に、図4(d)に示されるように、レジ
スト膜のパターンに対応して酸化膜121bの余分な部
分のみをハーフエッチング除去し、酸化膜121bから
なるブラックマトリクス131を形成した。一方、残し
た金属層121aは第1基板211(図3参照)側から
入射する外光を反射するための反射板とした。なお、こ
の際に金属層121aの半分程度がさらにエッチング除
去されるようにすれば半透過型の液晶表示装置を製造す
ることもできる。
【0061】次に、図4(e)に示されるように、レジ
スト膜141(図4(d)参照)を剥離してから感光性
樹脂のカラーフィルター膜(フォトレジスト膜)を有す
るフィルムシート(図示せず)を第2基板201上に加
熱、圧着してカラーフィルター膜だけを転写し、フォト
リソグラフィ法によりパターニングを行って赤のカラー
フィルター151を形成した。同様の工程を緑、青につ
いて繰り返し行い、R、G、Bのカラーフィルター15
1、152、153を形成した。
【0062】この方法では、酸化膜121b上にカラー
フィルター膜を直接転写するので双方の密着性が向上す
る。従って、密着層を形成する工程が省略され、第2基
板201の作製コストをより一層削減できるようにな
る。
【0063】その後、図示は行わないが、第2基板20
1の内面を平坦化するため、アクリルなどの樹脂をスピ
ンコーターを用いて全面に塗布した。その後、樹脂層の
表面にスパッタリング法などによりITOなどからなる
透明電極膜を形成し、さらに、フォトリソグラフィ法な
どによって第1基板211の構造に対応するようにパタ
ーニングして第2基板201を作製した。
【0064】以上の製造方法によれば、高い遮光性を有
する低反射率のブラックマトリクス131を第2基板2
01の内面に均一に低コストで作製でき、高いコントラ
ストの液晶表示装置102を製造できる。また、生産ラ
インにおいて、人体及び環境に悪影響を与える金属イオ
ン溶液などのような溶剤を用いないので、廃液処理など
に要する処理コストを削減できる。さらには、ブラック
マトリクス131と反射板とを同時に作製でき、工程数
の減少による製造コストの削減を図ることができる。
【0065】以上、実施例1および2において説明した
液晶表示装置101、102はパッシブマトリクス型で
あるが、この発明によるブラックマトリクス131の構
成およびその製造方法は、第1基板211にTFT素子
やMIM素子を作り込んだアクティブマトリクス型の液
晶表示装置にも適用できる。
【0066】
【発明の効果】この発明によれば、各カラーフィルター
の遮光壁が金属層とその表面の酸化膜とからなり、酸化
膜はその膜厚が約400〜530Åであるので、低反射
率で見かけ上黒色の遮光壁を作製でき、この結果、着色
工程を省くことが可能となって工程数の減少による製造
コストの削減を図ることができ、さらには、製造工程に
おいて有害な金属イオン溶液を用いないので廃液処理に
要するコストが削減されると共に環境への影響も少なく
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による液晶表示装置の部分
破断平面図である。
【図2】図1に示される液晶表示装置の第2基板にブラ
ックマトリクスおよびカラーフィルターを作製する工程
を示す工程図である。
【図3】この発明の実施例2による液晶表示装置の部分
破断平面図である。
【図4】図3に示される液晶表示装置の第2基板にブラ
ックマトリクスおよびカラーフィルターを作製する工程
を示す工程図である。
【図5】この発明による液晶表示装置の遮光壁(ブラッ
クマトリクス)が低反射率で見かけ上黒色となる原理を
説明する説明図である。
【図6】この発明による液晶表示装置の製造方法におい
て、化成電圧を変化させることにより酸化膜膜厚が変化
する関係、および酸化膜膜厚の変化により酸化膜表面の
平均反射率が変化する関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
201・・・第2基板 111・・・密着層 121a・・・金属層 121b・・・酸化膜 131・・・ブラックマトリクス 141・・・レジスト膜 151,152,153・・・カラーフィルター

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示面となる第1基板と、第1基板に対
    向する第2基板と、第1および第2基板の間に封入され
    る液晶と、第2基板の内面に設けられて複数の領域に区
    画する遮光壁と、区画された複数の領域にそれぞれ設置
    されたカラーフィルターとを備え、遮光壁は第2基板上
    に成膜された金属層と、前記金属層の表面を酸化させた
    酸化膜とをパターン化することにより形成され、酸化膜
    はその膜厚が400〜530Åである液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 酸化膜は陽極酸化法で成膜されたもので
    ある請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 金属層がタンタルからなる請求項1又は
    2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の液
    晶表示装置を製造するための製造方法であって、第2基
    板の表面にタンタルからなる金属層を形成し、陽極酸化
    溶液中で前記金属層と陰極の間に化成電圧を印加するこ
    とにより前記金属層の表面を酸化させて酸化膜を形成
    し、形成された酸化膜および金属層をフォトリソグラフ
    ィ法によりパターン化して遮光壁を得る工程を備える液
    晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 印加される化成電圧が25〜33Vであ
    る請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 印加される化成電圧が28〜30Vであ
    る請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1つに記載の製
    造方法によって製造された透過型の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 表示面となる第1基板と、第1基板に対
    向する第2基板と、第1および第2基板の間に封入され
    る液晶と、第2基板の内面に設けられて複数の領域に区
    画する遮光壁と、区画された複数の領域にそれぞれ設置
    されたカラーフィルターとを備え、遮光壁は第2基板上
    に成膜された金属層の表面を酸化させることにより得ら
    れた酸化膜をパターン化することにより形成され、酸化
    膜はその膜厚が400〜530Åである液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 酸化膜は陽極酸化法で成膜されたもので
    ある請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 金属層がタンタルからなる請求項8又
    は9に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか1つに記載
    の液晶表示装置を製造するための製造方法であって、第
    2基板の表面にタンタルからなる金属層を形成し、陽極
    酸化溶液中で前記金属層と陰極の間に25〜33vの化
    成電圧を印加することにより前記金属層の表面を酸化さ
    せて酸化膜を形成し、形成された酸化膜をフォトリソグ
    ラフィ法によりパターン化して遮光壁を得る工程を備え
    る液晶表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 印加される化成電圧が28〜30Vで
    ある請求項11に記載の液晶表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の製造方法
    によって製造された反射型の液晶表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009015305A (ja) * 2007-06-07 2009-01-22 Seiko Epson Corp 光学素子及び投写型表示装置
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US7576359B2 (en) 2005-08-12 2009-08-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Liquid crystal display device and method for manufacturing the same
US7858986B2 (en) 2008-01-22 2010-12-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Thin film transistor array panel and method for manufacturing the same

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