JP2003021631A - 骨転移抑制剤のスクリーニング方法 - Google Patents

骨転移抑制剤のスクリーニング方法

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JP2003021631A JP2001140538A JP2001140538A JP2003021631A JP 2003021631 A JP2003021631 A JP 2003021631A JP 2001140538 A JP2001140538 A JP 2001140538A JP 2001140538 A JP2001140538 A JP 2001140538A JP 2003021631 A JP2003021631 A JP 2003021631A
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bone
metastasis
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Saburo Sone
三郎 曽根
Toyokazu Miki
豊和 三木
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨転移の抑制及び/または予防のための新規
薬剤の簡便なスクリーニング方法の開発。 【解決手段】 以下の工程(i)〜(iii): (i)骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す非ヒトモデル
動物を作製する工程、(ii)該モデル動物に被験物質を投
与する工程、(iii)骨転移の抑制及び/または予防効果
を測定する工程、を含む、腫瘍の骨転移を抑制及び/ま
たは予防するための薬剤のスクリーニング方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は腫瘍の骨転移を抑制
及び/または予防するための薬剤のスクリーニング方法
に関する。特に本発明は、骨転移を含む腫瘍の多臓器転
移を示す非ヒトモデル動物を作製し、該モデル動物を用
いた新規薬剤のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】肺癌は、癌に関連した死亡の中でも世界
中で一般的かつ増加しつつある原因であるが、肺癌に基
づく死亡の90%以上は転移の結果である可能性がある(Y
ano, S.ら, Int. J. Cancer 67:211-217, 1996)。肺癌
は、組織学的に、臨床的挙動の差異(腫瘍の増殖速度、
腫瘍の発達パターン、化学療法及び放射線療法に対する
感受性)に基づいて、小細胞癌(SCLC)と非小細胞癌
(NSCLC)との2つの群に分類される。しかしながら、
どちらのタイプでも、複数の臓器への転移が診断時に高
頻度に観察される。骨は、肝臓及び脳に次いで、肺癌患
者において3番目に多く転移が見られる臓器である。特
に骨転移は、病的骨折、骨髄圧迫、及び高カルシウム血
症を誘導することにより様々な重篤な症状を引き起こ
し、患者の生活の質を低下させる(Iguchi, H.ら, Cance
r Res. 56:4040-4043, 1996)。骨転移を起こした患者に
は症状を軽減するために待期放射線療法が施されるが、
これらの患者には予後を改善することができる新規治療
法が必要とされている。
【0003】近年、その分子メカニズムを解明し、治療
法を開発するために、ヒト癌細胞を有する骨転移モデル
の開発に多くの注目が集まっている。免疫不全マウスに
心臓内経路を通じて癌細胞を注射したところ、メラノー
マ(Arguello, F.ら, CancerRes. 48:6876-6881, 1988;
Nakai, M.ら, Cancer Res. 52:5395-5399, 1988)、乳癌
(Hall, D. G.及びStocia, G., J. Bone Miner. Res. 9:
221-230, 1994; Sasaki, A.ら, Cancer Res. 55:3551-3
557, 1995)、前立腺癌(Shevrin, D. H.ら, Prostate 1
9:149-154, 1991)、及び肺癌(Iguchi, H.ら, Cancer Re
s. 56:4040-4043, 1996)について骨転移を引き起こした
ことが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらのモデルでは、
腫瘍細胞を心臓の左心室に注射し、受容マウスの75%に
骨転移が生じた。しかしながら、腫瘍細胞の心臓内注射
は技術的に容易とは言えず、ある程度は突然死と関連す
る。このように、腫瘍細胞を心臓に注射することは動物
にとって負担が大きく、倫理的、また経済的な問題を伴
っていた。その結果、大きな問題となっている骨転移の
抑制及び/または予防のための新規薬剤のスクリーニン
グ方法として、簡便で再現性のよい方法は未だ開発され
ていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、腫瘍細胞
の骨転移のメカニズム等を解明し、また骨転移の治療及
び予防のために有効な薬剤を開発するために用いること
ができる骨転移モデルを、腫瘍細胞の末梢投与によって
作製することに成功した。
【0006】本発明者等は、ナチュラルキラー(NK)細
胞枯渇SCID(重症複合免疫不全)マウスに静脈内注射し
たヒト肺癌細胞株8系列について、骨及び複数の臓器に
おける転移結節形成能を調べ、骨転移と副甲状腺ホルモ
ン関連タンパク質(PTHrP)との相関を探った。小細胞
癌の細胞株(SBC-5、SBC-3、SBC-3/ADM、H69、H69/VP)
は全て、複数の臓器(肝臓、腎臓、及びリンパ節)にお
いて転移結節を形成したが、SBC-5細胞だけは増殖的に
骨転移を形成した。扁平上皮細胞癌(RERF-LC-AI)細胞
は主に肝臓及び腎臓に転移し、一方、腺癌(PC14、A54
9)は主に肺にコロニーを形成した。X線写真法による
検出で、SBC-5細胞によって形成される骨溶解性骨転移
は早くて28日目に検出され、受容マウスは全て35日目ま
でに骨転移を引き起こした。8種の細胞株におけるPTHr
Pの発現は骨転移の形成と直接的に相関していた。骨転
移の形成と他の転移関連サイトカイン(IL-1、IL-6、IL
-8、IL-10、IL-11、TNF-α、VEGF、M-CSF)の発現との
間には相関が見られなかった。SBC-5細胞による骨転移
の形成と一致するように、マウス血清中のPTHrP及びカ
ルシウムのレベルは時間依存的に増加した。このこと
は、ヒト肺癌によって産生されるPTHrPが、骨転移及び
高カルシウム血症の生起に重要な役割を果たし得ること
を示唆している。これらの結果は、SBC-5細胞の骨転移
モデルが、様々な臓器の微小環境下での転移過程の分子
態様を明らかにし、骨転移を起こした肺癌患者のための
治療法を開発するために、有用であり得ることを示して
いる。上記知見に基づいて更に検討した結果、本発明者
等は上記骨転移モデルを用い、骨転移を抑制及び/また
は予防するための新規薬剤をスクリーニングできること
等を見出し、本発明を完成させた。
【0007】従って、本発明は以下の(1)〜(10)
を提供する: (1) 腫瘍の骨転移を抑制及び/または予防するため
の物質のスクリーニング方法であって、以下の工程(i)
〜(iii): (i)骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す非ヒトモデル
動物を作製する工程、(ii)該モデル動物に候補物質を投
与する工程、(iii)骨転移の抑制及び/または予防効果
を測定する工程、を含む、上記スクリーニング方法。
【0008】(2) 上記非ヒトモデル動物を、骨転移
を起こし得る腫瘍細胞を末梢投与により導入することに
よって作製する、上記(1)に記載の方法。 (3) 上記腫瘍細胞が、PTHrPを高度に発現している
ヒト肺癌または乳癌由来細胞である、上記(2)に記載
の方法。
【0009】(4) 上記腫瘍細胞が、ヒト肺小細胞癌
(SCLC)由来の細胞である、上記(2)に記載の方法。 (5) 上記動物がげっ歯類である、上記(1)に記載
の方法。 (6) 上記動物がマウスである、上記(5)に記載の
方法。 (7) 上記動物が免疫不全マウスである、上記(6)
に記載の方法。 (8) 被験物質が、PTHrPアンタゴニスト、抗PTHrP抗
体、抗PTHrP抗体アナログ、低分子化合物である、上記
(1)に記載の方法。
【0010】(9) 腫瘍細胞の骨転移に対する治療の
有効性を評価するための方法であって、以下の工程(i)
及び(ii): (i) 骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す非ヒトモデル
動物に対して治療を施す工程、及び(ii)骨転移の大きさ
及び/もしくは程度、及び/または骨転移が原因で生ず
る症状を、対照動物と比較する工程、を含んでなる方
法。
【0011】(10) 骨転移に対する被験物質の作用
を確認するための、骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示
す非ヒトモデル動物の使用方法であって、以下の工程
(i)及び(ii): (i)動物に被験物質を投与する工程、及び(ii)骨転移の
大きさ及び/もしくは程度、及び/または骨転移が原因
で生ずる症状を、対照動物と比較する工程、を含んでな
る使用方法。
【0012】(11) 腫瘍の骨転移を抑制及び/又は
予防するための薬剤を製造するための方法であって、以
下の工程(i)及び(ii): (i)請求項1記載のスクリーニング方法により腫瘍の
骨転移を抑制及び/又は予防するための物質を同定する
工程、(ii)(i)により同定される物質を製剤上許
容される担体と混合する工程、を含む、上記薬剤の製造
方法。(12) 上記物質が、抗PTHrP抗体又は抗PTHrP
抗体アナログである上記(11)記載の方法。
【0013】
【発明の実施の形態】骨転移の形成には様々な可溶性メ
ディエーター、例えば、サイトカイン及び副甲状腺ホル
モン関連タンパク質(PTHrP)等が関与することが報告
されている。PTHrPは元来、悪性の体液性高カルシウム
血症(HHM)を伴う腫瘍に由来する17 kDaのPTH様アデニ
ル酸シクラーゼ刺激タンパク質として同定されたもので
ある(Suva, L. J.ら, Science 237:893-896, 1987; Bro
adus, A. E.ら, N. Engl. J. Med. 319:556-63, 198
8)。興味深いことに、乳癌、前立腺癌、及び肺癌を含む
様々な腫瘍細胞が、PTHrPを過剰発現している(Burtis,
W. J.ら, N. Engl. J. Med.322:1106-12, 1990)。近
年、高頻度に骨転移を起こす肺癌細胞株がPTHrPを過剰
発現することが分かり、抗PTHrP抗体によってヌードマ
ウスを処理することにより骨転移の形成が抑制された(I
guchi, H.ら, Cancer Res. 56:4040-4043, 1996)。この
ことは、PTHrPがヒト肺癌に由来する骨転移の形成に重
要な役割を果たすことを示唆している。
【0014】近年、本発明者等は、抗IL-2受容体β鎖抗
体(TMβ1)を用いたSCIDマウスにおけるNK細胞の枯渇
により、各種ヒト肺癌細胞株の静脈内注射によって引き
起こされる多臓器転移(肺、肝臓、腎臓、及びリンパ
節)の形成が生じることを示した(Yano S., 2本の論
文がある)。血液系の癌以外の固形癌では、尾に静脈内
注射した癌細胞の骨転移形成能を示す証拠について報告
がないので、本発明者等は、NK細胞枯渇SCIDマウスに静
脈内注射した異なる8系列のヒト肺癌細胞株を用いて、
骨転移が生じるか否かについて調べた。さらに本発明者
等は、ヒト肺癌細胞株におけるPTHrP及びサイトカイン
の発現と骨転移の形成との相関をも評価した。
【0015】本発明の骨転移モデル動物は、腫瘍細胞の
骨転移を示す非ヒト動物をいう。本発明において、「腫
瘍細胞の骨転移を示す」とは、その動物において、末梢
投与によって導入された腫瘍細胞由来の骨転移を1ヶ所
以上有することをいう。骨転移の他、肺、肝臓、腎臓、
リンパ節等の他の臓器に同時に転移しているものであっ
ても良く、こうした多臓器転移の場合には、骨転移と他
の臓器への転移について、薬剤の有効性の検討等を同時
に行うことができる。非ヒト動物における骨転移の有無
及び程度は、X線写真によって骨吸収像(パンチアウト
像)を検出するか、及び/又は組織学的分析によって確
認することができるが、骨転移の確認手段は特に限定さ
れるものではない。
【0016】本発明において好適に使用できる腫瘍細胞
は、末梢投与により骨転移を起こし得るものであって、
ヒトを含む種々の動物由来の例えば扁平上皮癌、小細胞
癌、腺癌、大細胞癌、腺扁平上皮癌、カルチノイド等の
肺癌、非浸潤癌、浸潤癌(浸潤性乳管癌、粘液癌、浸潤
性小葉癌、扁平上皮癌、他)等の乳癌、さらにその他癌
腫として腎癌、前立腺癌、胃癌、肝癌、大腸癌、膵癌、な
どが挙げられ、好ましくはPTHrP を高度に発現している
細胞が挙げられる。「高度に発現している」とはPTHrPが
細胞培養上清にある濃度以上検出される、特にPTHrP-C
端を測定する場合は正常人において検出される濃度より
も高濃度であることをいう。または、その腫瘍を移植し
たヌードマウスなどの非ヒト動物の血中にPTHrPがある
濃度以上検出されることをいう。例えば一般的にはPTHr
P-N端の測定(例えば三菱化学ビーシーエル)において
は1.1pmol/L以上、PTHrP-C端の測定(例えば(株)エ
スアールエル)においては55.3pmol/L以上の濃度が検出
された場合である。更に例えば、本願の実施例に記載の
方法により細胞培養上清中のPTHrP(C端)を検出した
場合に、55.3pmol/L以上、好ましくは100pmol/L以上、
より好ましくは300pmol/L以上、更に好ましくは499pmol
/L以上検出されることをいう。本発明において特に好適
にはヒトSCLC細胞株が利用できる。好適に用いられるヒ
トSCLC細胞株SBC-3及びSBC-5細胞は、平木博士(岡山大
学)から供与を受けたが、一般的にはヒューマンサイエ
ンス研究資源バンクから購入可能である。多剤耐性SCLC
細胞株SBC-3/ADMについては以前に報告されたようにし
て確立した(Nakamura, K.ら, Cancer Res. 59:5323-533
0, 1999)。ヒト肺扁平上皮癌RERF-LC-AI細胞は、秋山博
士(放射能影響研究所)から供与を受けたが、一般的に
は理研セルバンクから購入可能である。ヒト肺腺癌PC-1
4細胞、ヒトSCLC細胞H69及びそのエトポシド耐性変異体
H69/VPは、西條博士(国立ガンセンター)から供与を受
けたが、ヒト肺腺癌PC-14細胞は理研セルバンクから購
入可能であり、ヒトSCLC細胞H69はATCC(American Type
Culture Collection)から購入可能である。
【0017】腫瘍細胞の培養は、当分野において通常用
いられている方法のいずれを使用しても良く、特に限定
しない。例えば、SBC-3、SBC-3/ADM及びSBC-5細胞は、
熱不活性化した10%ウシ胎仔血清 (GIBCO, Grand Islan
d, NY)、ゲンタマイシン(Schering-Plough, Osaka, Jap
an)及び4mM HEPESを添加したイーグルMEM中にて、維持
することができる。RERF-LC-AI、PC-14、H69及びH69/VP
細胞は、熱不活性化した10%ウシ胎仔血清及びゲンタマ
イシンを添加したRPMI 1640培地(CRPMI 1640)中にて維
持することができる。細胞株は全て、好ましくは空気中
に5% CO2を含む湿潤雰囲気中、37℃にてインキュベー
トを行う。
【0018】動物に移植する細胞の調製は以下のように
行う。回収した腫瘍細胞を、例えばCa2+及びMg2+を含ま
ないリン酸緩衝化生理食塩水(CMF-PBS)により洗浄す
る。細胞の生存率は、トリパンブルー排除試験によって
測定することができ、好ましくは、90%を上回る生存率
を示す単一細胞懸濁液だけを使用する。
【0019】本発明において、非ヒト動物としては、マ
ウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ブ
タ、ミニブタ、ヒツジ、ネコ、イヌ等の哺乳動物、ニワ
トリ等の鳥類、及び魚類等の脊椎動物を挙げることがで
きるが、ヒト以外であればいずれでも良く、特に限定さ
れるものではない。本発明において、飼育及び操作上の
点から、好ましくはマウス、ラット、ハムスター等のげ
っ歯類、特に好ましくはマウスである。マウスとして
は、当分野において通常使用される種類のマウスであれ
ばいずれも好適に使用することができる。例えば、オス
のC.B-17/IcrCrj-scidマウス(6-8週齢)は、日本チャ
ールスリバー株式会社(神奈川、横浜)から入手するこ
とができ、実験を通じて特定の病原体を含まない条件下
で維持することが可能である。
【0020】本発明の骨転移モデル動物を作製する場
合、正常な動物から作製しても良いが、免疫不全動物で
あれば特に好適な結果が得られる。免疫不全動物は、当
分野において公知の手段によって入手又は作製すること
ができ、例えばSCIDマウスの場合には日本クレア株式会
社(東京、目黒)や日本チャールスリバー株式会社(神
奈川、横浜)より購入することができる。
【0021】本発明において、末梢投与とは、直接生体
内へ薬物等を投与する非経口投与をいい、例えば静脈内
投与、筋肉内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与等
をいい、経皮、吸入、脳内、点眼等の投与形態を含まな
い。本発明の骨転移モデル動物は、例えば以下のように
して作製することができる。
【0022】(i)免疫力が低下した非ヒト動物を準備す
る工程 異種の細胞(腫瘍)を動物に移植する場合、宿主の免疫
機能を低下(不全)させることが必要である。一般的に
腫瘍を移植する免疫不全モデルとしてはヌードマウス
(胸腺欠如でT細胞機能が欠如したマウス)やSCIDマウス
(T細胞に加えB細胞の機能が欠如したマウス)が使用さ
れている。しかし、これらのモデルにおいてNK細胞は機
能しており、より腫瘍の生着を確実にするにはこのNK細
胞を不活化する必要がある。その手段としてアシアロGM
1抗体またはここで使用しているTMβ1で処理する方法を
用いることが好ましい。
【0023】また、もう一つの方法として、マウスの全
身にX線照射をして免疫抑制マウスを作製することも行
われている。免疫不全の動物としては一般的に入手可能
なヌードマウス、SCIDマウス、またはヌードマウスやSC
IDマウスにアシアロGM1抗体やTMβ1を投与したマウス、
さらにX線照射マウスなどが挙げられる。
【0024】ヒト肺癌細胞株の転移を促進するために
は、ナチュラルキラー(NK)細胞をSCIDマウスにおいて
枯渇させることが好ましい。このNK細胞の枯渇は、例え
ばSCIDマウスを抗IL-2受容体抗体、特に抗IL-2受容体β
鎖抗体(TMβ1)で処理することにより引き起こすこと
ができる。抗体はヒトを含むいずれの動物由来のもので
あっても良いが、特に好ましくはマウス抗体である。抗
マウスIL-2受容体β鎖モノクローナル抗体であるTM-β1
(IgG2b)は、宮坂博士及び田中博士(大阪大学)から供
与を受けたが、特許第3040451号に記載の方法により作
製することができる(14)。例えば、腫瘍注射の2日前
に、SCIDマウスにTM-β1 Ab (1mg/1ml PBS/匹)を腹腔内
注射すればよい(Yano, S.ら, Int. J. Cancer 67:211-2
17, 1996)。
【0025】(ii)非ヒト動物に末梢投与により骨転移を
起こし得る腫瘍細胞を導入する工程末梢投与による腫瘍
細胞の導入は、好ましくは注射、特に好ましくは静脈内
注射によって行う。0.3 mlの腫瘍細胞(およそ1〜5×10
6個)を、TM-β1 Abで前処理した非麻酔状態のSCIDマウ
スの側方尾静脈に注射すればよい。所定の時間経過後、
骨転移をX線写真法 (Fuji Film, Tokyo, Japan)により
評価することができる。内臓転移を検出するために、マ
ウスを犠牲にし、肺、肝臓、腎臓及びリンパ節の転移部
位の数を肉眼で計測する。組織病理学的研究では、標準
的方法により、回収した動物の主たる臓器を10%リン酸
緩衝化ホルマリン中に固定し、切片化し、ヘマトキシリ
ン及びエオシンで染色すれば良い。
【0026】本発明のスクリーニング方法は、上記のよ
うにして作製した骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す
非ヒトモデル動物に、次いで骨転移抑制及び/または予
防のための候補物質となる被験物質を投与する。被験物
質は特に限定されず、例えばペプチド、タンパク質、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、細胞内の種々の因子等が挙げられるが、抗PTHrP抗
体が骨転移を抑制することが確認されていることから、
例えばPTHrPアンタゴニスト、抗PTHrP抗体、抗PTHrP受
容体抗体、抗PTHrP抗体アナログ、低分子化合物等が好
ましいものとして挙げられる。PTHrPアンタゴニストと
は、腫瘍細胞によって過剰発現されるPTHrPあるいはPTH
rP受容体と結合してPTHrPの作用を阻害したり、代謝を
促進したりするものが挙げられる。抗PTHrP抗体アナロ
グとしては、例えば抗体の断片や遺伝子組換え技術によ
り改変された抗体等が挙げられ、また低分子化合物とし
ては、例えばPTHrP(7-34)等が挙げられる。被験物質の
投与は、経口投与、または静脈注射、皮下注射、腹腔内
注射、筋肉内注射等を含む非経口投与の従来知られてい
る局所及び全身投与の方法の何れを用いても良く、用い
る動物の種類や骨転移の程度等に応じて適宜選択するこ
とができる。投与量及び投与時期については動物及び被
験物質の種類、骨転移の程度等に応じて適宜選択するこ
とができる。
【0027】被験物質を投与した後、該被験物質による
骨転移の抑制及び/または予防効果を測定する。測定
は、例えば骨転移の大きさ及び/もしくは程度、及び/
または骨転移が原因で生ずる症状を、対照動物と比較す
ることによって行うことができる。具体的には、X線写
真で測定することが好ましい。対照動物としては、上記
投与を行わない以外は同じ条件においた動物を意味する
が、場合によっては上記投与前の同じ動物であっても良
い。
【0028】本発明はまた、腫瘍細胞の骨転移に対する
治療の有効性を評価するための、以下の工程(i)及び(i
i)を含む方法を提供する: (i)上記の非ヒト骨転移モデル動物に治療を施す工程、
及び(ii)骨転移の大きさ及び/もしくは程度、及び/ま
たは骨転移が原因で生じる症状を、対照動物と比較する
工程。
【0029】ここで、「治療」とは薬剤による治療の
他、放射線療法等の治療を含み、更に骨転移の予防(拡
大防止等)を含む。治療が有効である場合には、骨転移
の縮小または消失、あるいは拡大の防止が見られ、また
骨転移によって生じる麻痺等の症状の軽減等が見られ
る。対照動物としては、上記治療を行わない以外は同じ
条件においた動物を意味するが、場合によっては上記治
療前の同じ動物であっても良い。
【0030】さらに、本発明は、上記の非ヒト骨転移モ
デル動物の、骨転移に対する被験物質の作用を確認する
ための使用方法であって、以下の工程(i)及び(ii)を含
む使用方法を提供する: (i)動物に被験物質を投与する工程、及び(ii)骨転移の
大きさ及び/もしくは程度、及び/または骨転移が原因
で生じる症状を、対照動物と比較する工程。ここで、被
験物質は特に限定されず、例えばペプチド、タンパク
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、細胞内の種々の因子等が挙げられる。被験物
質の投与は、経口投与、または静脈注射、皮下注射、腹
腔内注射、筋肉内注射等を含む非経口投与の従来知られ
ている局所及び全身投与の方法の何れを用いても良く、
用いる動物の種類や骨転移の程度等に応じて適宜選択す
ることができる。あるいはまた、細胞内の特定の因子を
除くか、その機能を低下させることによって、正常な状
態がその特定の因子を投与した条件になるようにするこ
ともできる。このような使用によって、被験物質が薬剤
として有効であるか否かが判定できる。
【0031】本発明の腫瘍の骨転移を抑制及び/又は予
防するための物質を有効成分として含有する薬剤は、常
法にしたがって製剤化することができ(Remington’s P
harmaceutical Science, latest edition, Mark Publis
hing Company, Easton, 米国)、医薬的に許容される担
体や添加物を共に含むものであってもよい。
【0032】このような担体及び医薬添加物の例として
は、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキ
シビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナ
トリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒
天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリ
ン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ス
テアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミ
ン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、
医薬添加物として許容される界面活性剤等が挙げられ
る。
【0033】実際の添加物は、本発明治療剤の剤型に応
じて上記の中から単独で又は適宜組み合わせて選ばれる
が、もちろんこれらに限定するものではない。例えば、
注射用製剤として使用する場合は、精製された骨転移を
抑制及び/又は予防するための物質を溶剤、例えば生理
食塩水、緩衝液、ブドウ糖溶液等に溶解し、これに吸着
防止剤、例えばTween80、Tween20、ゼラチン、ヒト血清
アルブミン等を加えたものを使用することができる。あ
るいは、使用前に溶解再構成する剤型とするために凍結
乾燥したものであってもよく、凍結乾燥のための賦形剤
としては、例えば、マンニトール、ブドウ糖等の糖アル
コールや糖類を使用することができる。
【0034】上記の通り、本発明者等は腫瘍細胞の静脈
内注射によって新規の骨転移モデル動物を確立し、該モ
デルを用いて骨転移の抑制及び/または予防のための新
規薬剤のスクリーニング、新規治療法の開発を可能とし
た。複数の骨転移を有するマウスは神経障害(後肢の両
肢麻痺または片肢麻痺)及び高カルシウム血症を呈し
た。これらは骨転移を起こした肺癌患者に高頻度に見ら
れるものであり、このことは、本発明者等の骨転移モデ
ルがヒトの肺癌の骨転移の特徴を再現していると考えら
れることを示唆している。
【0035】本発明において用いたモデルが従来のもの
よりも有利な点としては、1)骨転移の発生率が100%で
あること、2)転移形成を促進するためには免疫不全動物
が好ましいとはいうものの、必要な手順は容易であるこ
と、3)内臓転移も再現性良く形成されるため、様々な臓
器において薬剤の抗転移作用を1つのモデルで評価する
ことができること、が挙げられる。
【0036】骨転移の形成はいくつかの段階からなり、
骨髄中の毛細血管での腫瘍細胞停止(arrest)、管外遊
出、骨再吸収による腫瘍細胞侵入、及び腫瘍増殖を含
む。したがってこれらの段階をモジュレートする各種の
サイトカインが骨転移形成を促進し得る。前炎症性サイ
トカイン(IL-1、IL-6、TNF-α)は、骨再吸収及び毛細血
管で発現される接着分子の発現をアップレギュレート
し、また前血管形成サイトカイン(VEGF及びIL-8)は血管
新生を誘導し得る。さらに、M-CSF及びIL-10は、それぞ
れマクロファージ及びリンパ球を活性化し、腫瘍増殖を
抑制することができる(Yano, S.ら, Cancer Res. 57:78
4-790, 1997; Giovarelli, M.ら, J. Immunology 155:3
112-3123, 1995)。それにもかかわらず、使用したヒト
肺癌細胞におけるこれらのサイトカインの発現と骨転移
形成との間には相関がなかった。
【0037】近年、一次腫瘍におけるPTHrPの発現が、
乳癌患者の骨転移発生率と直接相関していることが報告
された(Powell, G. J.ら, Cancer Res. 51:3059-3061,
1991)。さらに、乳癌または前立腺癌の患者で、骨転移
においてPTHrPの発現が高レベルに検出された(Bundred,
N. J.ら, Eur. J. Cancer 28:690-692, 1992; Bouiza
r, Z.ら, Cancer Res. 53:5076-5078, 1993)。これらの
報告と一致するように、高レベルにPTHrPを発現してい
る細胞は、NK細胞枯渇SCIDマウスにおいて骨転移を引き
起こす可能性が非常に高い。したがって、骨再吸収を刺
激するPTHrPは、本発明で用いるモデルにおける骨転移
形成においても重要な役割を果たしているであろう。
【0038】高カルシウム血症は肺癌患者において高頻
度に観察される。これは2つの異なるメカニズムにより
引き起こされ得る。すなわち、HHMとLOH(局所骨溶解性
高カルシウム血症)である(Burtis, W. J.ら, N. Engl.
J. Med. 322:1106-12, 1990)。HHMは、腫瘍細胞によっ
て産生されるPTHrPにより媒介される。PTHrPは、間接的
に、破骨細胞による骨再吸収を刺激し、また腎臓のカル
シウム再吸収を増加させるため、血清中のカルシウムレ
ベルが上昇する。LOHでは、腫瘍細胞により局所的に産
生されるサイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-α)が破骨細胞
系列(linage)細胞の増殖及び分化を促進し、骨再吸収を
誘導し、それにより高カルシウム血症を引き起こす(Mun
dy, G. R., Bone, 12(supple) S1-S6, 1991; Yoneda,
T., M. Noda(編), Cellular and molecular biology of
bone, 375-412, New York, Academic Press, 1993; Ji
lka, R. L.ら, Science 257:88-91, 1992; Roodman, G.
D., Calcif. Tissue Int. 53, S94-S98, 1993; Tamur
a, T.ら, Proc. Natl. Acad.Sci. USA 90:11924-11928,
1993; Kurihara, N.ら, J. Immunology 144:4226-423
0, 1990; Tashjian, Jr A. H.ら, Proc. Natl. Acad. S
ci USA 82:4535-4538,1985; Oreffo, R. O.ら, Bioche
m. Biophys. Res. Commun. 158:817-823, 1989)。本発
明の研究では、SBC-5細胞注射SCIDマウスにおいて高カ
ルシウム血症が時間依存的に観察された。腫瘍細胞は、
タンパク質のレベルでもmRNAのレベルでも、高度にPTHr
Pを発現したが、一方IL-1、IL-6またはTNF-αは細胞の
培養上清中に検出されなかった。このことは、これらの
細胞を注射したマウスにおいて観察される高カルシウム
血症が、これらの細胞により産生されるPTHrPによるも
のである可能性(HHMメカニズム)を示唆している。
【0039】骨転移によって引き起こされる徴候として
の麻痺が、SBC-5細胞を注射したマウス全てに起こった
という本発明の知見は、興味深いものであった。それに
もかかわらず、SBC-3、SBC-3/ADM、H69、またはH69/VP
を有するマウスでも麻痺は低い発生率(10〜60%)で観
察されるが、放射線透過性病変(骨溶解性骨転移の特質
である)はX線写真で検出できなかった。このことは、
これらのマウスでは脳または脊髄への転移を伴っている
可能性を示唆している。
【0040】多臓器転移の形成は肺癌患者の管理におい
て重大な問題である。この研究において、試験したヒト
肺癌細胞株8系列全てがNK細胞枯渇SCIDマウスにおいて
多臓器転移を引き起こした。興味深いことに、腺癌細胞
株2系列は主に肺で転移を引き起こし、一方小細胞癌細
胞株5系列は主に肝臓、腎臓、及び全身のリンパ節で病
変を生じたが、それらの臨床的挙動はよく似ていた。本
発明者等は、臓器特異的な転移の原因となる主要分子を
同定すべく、これらの細胞株における各種サイトカイン
の発現を調べたが、サイトカインの発現と転移の可能性
との間には相関がみられなかった。試験した8細胞株の
うちSBC-5は、PTHrPを過剰発現し、骨転移以外にも複数
の内臓器官(例えば肺、肝臓、腎臓、及び全身のリンパ
節)に最も積極的に転移を引き起こした。最近の報告で
は、ヒト前立腺癌細胞にPTHrP遺伝子をトランスフェク
ションすると、アポトーシス刺激に抵抗し、in vivoで
の腫瘍増殖を促進した(Dougherty, M. K.ら, Cancer Re
s. 59:6015-6022, 1999)。したがって、PTHrPは骨だけ
でなく内臓器官に対してもSBC-5細胞の転移形成を促進
し得る。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることを
意図するものではない。尚、本実施例において用いた物
質は、リムルス・アメボサイト(limulus amebocyte)ア
ッセイ(生化学工業: 最低検出レベル 0.1 ng/ml)によ
る確認では、エンドトキシンを含まなかった。
【0042】実施例1 NK細胞枯渇SCIDマウスにおけるヒト肺癌細胞株により生
ずる転移のパターン NK細胞枯渇SCIDマウスにおける異なる8系列のヒト肺癌
細胞株により生ずる多臓器転移のパターンを調べた。NK
細胞枯渇SCIDマウスに1-5 x 106個の腫瘍細胞をマウス
の尾静脈から静脈内注射し、所定の期間経過後に該マウ
スを犠牲にし、肺、肝臓、腎臓、及びリンパ節中の転移
コロニー数を計測した。受容マウスは全て腫瘍病変を生
じ、マウスの大部分は犠牲時までに病的状態となってい
た。
【0043】
【表1】
【0044】扁平上皮癌(RERF-LC-AI)細胞は、主に肝臓
及び腎臓に転移コロニーを生じた。腺癌PC-14及びA549
細胞は、主に肺に転移を起こした。小細胞癌細胞株5系
列のうち4系列(SBC-3、SBC-3/ADM、H69及びH69/VP)
が、主に肝臓、腎臓、及び全身のリンパ節に転移を生じ
た。これらの細胞株のうち、小細胞肺癌の1細胞株(SB
C-5)だけが、骨と、他の臓器(例えば肺、肝臓、腎
臓、及び全身のリンパ節)とに転移を生じた。時には、
SBC-5の骨転移を起こした受容マウスに麻痺(後肢の両
肢麻痺または片肢麻痺)が観察された。
【0045】実施例2 SBC-5細胞により生ずる骨転移のX線解析及び組織学的
分析 実施例1で得た骨転移をX線写真で検出した。SBC-5細
胞を静脈内注射したマウスにおいては複数の骨転移が再
現性良く生じ、骨転移病変がX線写真上に放射線透過性
病変として検出された(図1A)。これは、主に骨椎(図
1B)及び四肢の骨(図1C)の骨溶解性骨転移を示す。組
織学的分析は、これらの病変が多核細胞を伴う腫瘍細胞
からなることを示している(図2A及び2B)。これらの病
変を有するマウスは後肢の麻痺及び膀胱拡大を伴う尿閉
を有していた。これは、おそらく骨転移により引き起こ
される脊髄の病的骨折及び/または圧迫が原因である。
【0046】実施例3 NK細胞枯渇SCIDマウスにおける骨転移に対する腫瘍細胞
数の影響 骨転移のための最適実験条件を決定するために、NK細胞
枯渇SCIDマウスに様々な数のSBC-5細胞を注射した。マ
ウスが病的状態に陥ると、マウスを犠牲にし、骨転移の
数をX線写真で測定した。内臓器官についての数は肉眼
で測定した。内臓転移と同様に、骨転移の数は、注射し
た細胞数に依存した(表2)。これらの結果に基づき、
この後の実験では1 x106個のSBC-5細胞を注射した。
【0047】
【表2】
【0048】実施例4 SBC-5細胞により生じた骨転移及び内臓転移の時間的動
SBC-5細胞による骨転移形成の動態を調べた。25匹のNK
細胞枯渇SCIDマウスに1x 106個のSBC-5細胞を静脈内注
射し、骨転移の形成を10、14、21、28及び35日目にX線
写真で測定した。各時点で4〜5匹のマウスを犠牲に
し、内臓器官転移を測定した。骨転移は早くて28日目に
検出され、35日目には全ての受容マウスで観察された
(表3)。骨転移形成と一致するように、体重の減少が
早くて28日目に観察された(表4)。一方、肺及び肝臓
への転移は21日目までに生じ、腎臓及びリンパ節への転
移は28日目までに生じた。35日目には、全てのマウスが
複数の臓器(例えば、肺、肝臓、腎臓、及びリンパ節)
に転移病変を生じた。尚、マウス血清中のカルシウムレ
ベルは、発光物質としてメチルキシルエノールブルー
(大塚製薬)を用いて測定した。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】実施例5 ヒト肺癌細胞株におけるPTHrP及び転移関連分子の発現 PTHrP及びIL-11は骨再吸収及び骨転移において重要な役
割を果たしていることが報告されている(20-27)。本発
明者等はヒト肺癌細胞株におけるPTHrP及びIL-11の発現
と骨転移を生ずる可能性とが相関しているか否かを判定
した。腫瘍細胞(5×105個)細胞をCRPMI 1640中で24時間
インキュベートし、上清を回収した。培養上清及びマウ
ス血清中のPTHrPのレベルは、ラジオイムノアッセイを
用いて測定できる(大塚製薬)。培養上清中のサイトカ
イン(VEGF、IL-6、IL-8、IL-10、M-CSF)のレベルはEL
ISAにより測定した(大塚製薬)。
【0052】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)解析を以下
のように行った。製造業者の説明書に従ってRNA LA PCR
Kit(宝酒造)を用いて、反応混合液20μ1中、1μgの
全RNAから第一鎖cDNAを合成した。合成した第一鎖cDNA
(20μ1)は、1 x LA PCR Buffer II、2.5 mM MgCl2
各プライマー20 pmol、及びTaKaRa LA Taq polymerase
RNA LA PCR Kit(宝酒造)2.5 Uを含む最終容量100 μ1
中で、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。使
用したPTHrPプライマーの配列は、センス鎖用が5'-ATG
CAG CGG AGA GAC TGG TTC AG-3' (配列番号1)及びアン
チセンス鎖用が5'-TCA ATG CCT CCG TGA ATC GAG CTC C
AG AGC CGT-3' (配列番号2)であった(15)。PTHrP cDNA
のPCR増幅は、以下の条件下で行った:94℃で30秒、58
℃で30秒、72℃で30秒、を30サイクル。第1サイクルの
前に、94℃で2分の変性ステップを含め、また30サイク
ルの後に伸長を72℃で7分延長した(15)。用いたIL-11プ
ライマーの配列は、センス鎖用が5'-ACT GCT GCT GCT G
AA GAC TCG GCT GTG A-3' (配列番号3)及びアンチセン
ス鎖用が5'-ATG GGG AAG AGC CAG GGC AGA AGT CTG T-
3' (配列番号4)である(16)。IL-11 cDNAのPCR増幅は、
以下の条件下で行った:94℃で30秒、58℃で30秒、72℃
で45秒、を40サイクル。第1サイクルの前に、94℃で2
分の変性ステップを含め、また30サイクルの後に伸長を
72℃で3分延長した(16)。PCR産物は1.5%アガロースゲル
電気泳動によって分析し、エチジウムブロマイド染色に
よりUV光で可視化した。
【0053】その結果、試験した8系列の細胞株は全て
IL-11 mRNAを発現したが、8細胞株間でIL-11 mRNA発現
に区別できるような差異はなかった(図3)。一方、8
細胞株のうち6系列はPTHrP mRNAを発現し、SBC-5細胞
では最も強力な発現が観察された。mRNA発現と一致する
ように、SBC-5細胞は他の細胞株と比較して10倍を上回
る高いレベルでPTHrPタンパク質を分泌した(表5)。
このことは、PTHrP発現とヒト肺癌細胞における骨転移
との直接的な関連を示している。
【0054】
【表5】 示したデータは3組の独立した実験の結果である。
【0055】実施例6 SBC-5細胞を有するマウスの血清中のPTHrP及びカルシウ
ムレベル PTHrPはHHMにおいて高カルシウム血症の原因となること
が報告されている。本発明者等は、SBC-5細胞を有する
マウスの血清中のPTHrP及びカルシウムレベルを評価し
た。血清のカルシウム及びPTHrPのレベルは時間依存的
に増加した。このことは、骨転移(または腫瘍量)とこ
れらのマーカーのレベル及び体重減少との直接的相関を
示している(表4)。これらの現象は骨転移を起こした
ヒト肺癌の臨床患者を反映したものである。
【0056】実施例7 肺癌細胞の、骨転移に関連したサイトカインの産生能 肺癌細胞の骨転移関連サイトカイン(例えばIL-1α、IL
-6、TNF-α、IL-10、M-CSF、VEGF及びIL-8)産生能を調
べた。8細胞株はこれらのサイトカインを様々なレベル
で分泌したが(表5)、このサイトカインの発現レベル
と骨転移の形成との間には相関がなかった。
【0057】実施例8 癌多臓器転移モデル動物での薬効試験 ヒト小細胞肺癌株をSCIDマウスに移植することで骨を含
むいろいろな臓器で腫瘍の増殖が見られる癌多臓器転移
モデル動物を用いて、PTHrPに対するマウスモノクロー
ナル抗体(以下単に抗PTHrP抗体と表記)の癌転移に対
する効果を検討した。
【0058】モデル動物としてヒト小細胞肺癌株SBC-5
を尾静脈より移植したSCIDマウスを用いた。SBC-5を移
植されたマウスは、上記のように肺、肝臓、腎臓、リン
パ節などさまざまな臓器に腫瘍の増殖が認められ、腫瘍
結節が観察できる。また骨組織にも腫瘍の増殖は認めら
れるが、この場合には腫瘍増殖部位で骨吸収が起こるた
めX線撮影によっていわゆるパンチアウト像が観察でき
る。ここではSBC-5移植癌多臓器転移モデルの癌転移に
対する抗PTHrP抗体の治療効果を肺、肝臓、腎臓、リン
パ節での腫瘍結節数および骨組織でのパンチアウト数を
指標として評価した。
【0059】モデル動物の作製は以下のように行った。
SBC-5は10%のFBSを添加したEMEMを用いて通常の細胞培
養によって維持した。(マウスはSCIDマウスを用い
た。)TM-β1抗体で処理しNK細胞を除去したマウスに1x
106個の細胞を尾静脈より移植することでモデル動物を
作製した。
【0060】抗PTHrP抗体の薬効は以下のように検討し
た。実験群は5群設定し、対照群と抗PTHrP抗体の投与開
始時期を変えた4処理群とした。投与は細胞移植日を0日
目として-1、7、14、21、28日目に抗PTHrP抗体(200 mg
/匹)あるいは陰性対照としてPBSを尾静脈内に行った。
4処理群の抗PTHrP抗体の投与日は、(i)-1、7、14、21、
28日目、(ii)7、14、21、28日目、(iii)14、21、28日
目、(iv)21、28日目とし、抗PTHrP抗体を投与しない投
与日にはPBSを投与した。35日目にマウスを解剖し、形
成された腫瘍結節の数を数えた。また、マウスの全身を
X線撮影し、パンチアウトの数を数えた。
【0061】その結果、抗PTHrP抗体を行った群は対照
群に比べて骨でのパンチアウト数が減少していた(図4
a)。この効果は抗PTHrP抗体の投与開始が早い群でよ
り顕著であった。その他の臓器では形成された腫瘍結節
数に変化は認められなかった(図4b−e)。このこと
から、抗PTHrP抗体は癌骨転移の治療あるいは予防に有
用であることが示された。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明者等は腫瘍
細胞を静脈内注射することにより播種した骨転移モデル
を確立した。このモデルは、腫瘍細胞が受容マウスにお
いて骨溶解性骨病変(麻痺の原因となる)と共に多臓器
転移を起こし、また高カルシウム血症を引き起こすこと
から、ヒトの小細胞肺癌の特徴をよく模擬している。さ
らに、本発明者等のデータは、腫瘍細胞により分泌され
たPTHrPが、骨転移及び高カルシウム血症の経過におい
て重要な役割を果たしていることを示している。したが
って、本発明者等の開発した骨転移モデルを用いて、骨
転移の抑制及び/または予防のための新規薬剤を簡便に
スクリーニングすることが可能であると共に、骨転移の
生物学的現象を解明し、骨転移を含む多臓器転移を起こ
した肺癌患者に対する新規の治療法を開発するためにも
有用である。
【0063】従来、骨転移モデル動物の作製は、肺癌、
乳癌等の骨転移を起こしやすい癌細胞をヌードマウス等
の免疫不全マウスの左心室に注射することにより行われ
ていた(Iguchiら, Cancer Res. (1996) 56:4040-404
3)。しかし、この方法は侵襲性が大きく、癌細胞移植時
の侵襲によりマウスが死亡してしまうなど、経済的な負
担が大きかった。また、骨転移抑制剤の効果を確認する
際にも、癌細胞移植時の侵襲があるため、薬剤の投与
量、投与時期が限定されるなど、広範な骨転移抑制剤の
スクリーニングには適していなかった。本発明の方法
は、腫瘍細胞を末梢投与によって導入するため、導入操
作自体によって動物が死亡してしまうことがなく、経済
的であり、更に必要以上に動物を犠牲にすることがない
ため、倫理的観点からも好ましい方法である。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> CHUGAISEIYAKU KABUSIKIGAISYA <120> A Method for Screening Substances Capable of Inhibiting Bone Metas tasis of Tumor Cells <130> P01-0360 <160> 4 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PTHrP primer <400> 1 atgcagcgga gagactggtt cag 23 <210> 2 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PTHrP primer <400> 2 tcaatgcctc cgtgaatcga gctccagagc cgt 33 <210> 3 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: IL-11 primer <400> 3 actgctgctg ctgaagactc ggctgtga 28 <210> 4 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: IL-11 primer <400> 4 atggggaaga gccagggcag aagtctgt 28
【配列表フリーテキスト】配列番号1:PTHrPプライマ
ー 配列番号2:PTHrPプライマー 配列番号3:IL-11プライマー 配列番号4:IL-11プライマー
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の骨転移モデルマウスのX線写真を示
す。1Aは、主に脊椎(1B)及び四肢の骨(1C)において
引き起こされた骨溶解性骨転移を示す。
【図2】骨転移の組織学的分析を示す。骨転移病変は多
核細胞を伴った腫瘍細胞からなる(2A及びB)。
【図3】各種腫瘍細胞におけるPTHrP及びIL-11のmRNA発
現を示す。
【図4】多臓器転移モデル動物における骨、及び肺、肝
臓、腎臓及びリンパ節への転移に対する抗PTHrP抗体の
効果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/04 A61P 35/04 G01N 33/15 G01N 33/15 Z // C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 2G045 AA29 CB01 CB13 CB17 DA13 FB01 FB02 FB03 FB05 GC22 4B024 AA01 AA12 BA01 CA04 CA12 DA03 HA17 4C084 AA17 MA65 NA14 ZA962 ZB262 4C085 AA14 BB07 CC21 EE01 GG02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腫瘍の骨転移を抑制及び/または予防す
    るための物質のスクリーニング方法であって、以下の工
    程(i)〜(iii): (i)骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す非ヒトモデル
    動物を作製する工程、 (ii)該モデル動物に被験物質を投与する工程、 (iii)骨転移の抑制及び/または予防効果を測定する工
    程、 を含む、上記スクリーニング方法。
  2. 【請求項2】 上記非ヒトモデル動物を、骨転移を起こ
    し得る腫瘍細胞を末梢投与により導入することによって
    作製する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記腫瘍細胞が、PTHrPを高度に発現し
    ているヒト肺癌または乳癌由来細胞である、請求項2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記腫瘍細胞が、ヒト肺小細胞癌(SCL
    C)由来の細胞である、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記動物がげっ歯類である、請求項1に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記動物がマウスである、請求項5に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 上記動物が免疫不全マウスである、請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 被験物質物質が、PTHrPアンタゴニス
    ト、抗PTHrP抗体、抗PTHrP抗体アナログ、または低分子
    化合物である、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 腫瘍細胞の骨転移に対する治療の有効性
    を評価するための方法であって、以下の工程(i)及び(i
    i): (i) 骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す非ヒトモデル
    動物に対して治療を施す工程、及び (ii)骨転移の大きさ及び/もしくは程度、及び/または
    骨転移が原因で生ずる症状を、対照動物と比較する工
    程、 を含んでなる、上記方法。
  10. 【請求項10】 骨転移に対する被験物質の作用を確認
    するための、骨転移を含む腫瘍の多臓器転移を示す非ヒ
    トモデル動物の使用方法であって、以下の工程(i)及び
    (ii): (i)動物に被験物質を投与する工程、及び (ii)骨転移の大きさ及び/もしくは程度、及び/または
    骨転移が原因で生ずる症状を、対照動物と比較する工
    程、 を含んでなる、上記使用方法。
  11. 【請求項11】 腫瘍の骨転移を抑制及び/又は予防す
    るための薬剤を製造するための方法であって、以下の工
    程(i)及び(ii): (i)請求項1記載のスクリーニング方法により腫瘍の
    骨転移を抑制及び/又は予防するための物質を同定する
    工程、 (ii)(i)により同定される物質を製剤上許容され
    る担体と混合する工程、を含む、上記薬剤の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記物質が、抗PTHrP抗体又は抗PTHrP
    抗体アナログである請求項11記載の方法。
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