JP2003020990A - 水平対向型内燃機関 - Google Patents

水平対向型内燃機関

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JP2003020990A
JP2003020990A JP2001205174A JP2001205174A JP2003020990A JP 2003020990 A JP2003020990 A JP 2003020990A JP 2001205174 A JP2001205174 A JP 2001205174A JP 2001205174 A JP2001205174 A JP 2001205174A JP 2003020990 A JP2003020990 A JP 2003020990A
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internal combustion
combustion engine
crankshaft
cylinders
piston
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Naoto Hara
直人 原
Masatake Suzuki
正剛 鈴木
Toshio Shimada
俊夫 島田
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平対向型内燃機関の混合気の燃焼時の等容
度を高めて熱効率を高めるとともに、吸気系や動弁機構
の構造を簡素化する。 【解決手段】 水平対向型内燃機関Eは、クランクシャ
フト15を挟んで水平方向に対向する左右のバンクBの
シリンダ13にそれぞれ摺動自在に支持した左右のピス
トン14を、コネクティングロッド17を介してクラン
クシャフト15に連接してなる。膨張行程において左右
のピストン14がクランクシャフト15から離反する方
向に移動するように、左右の燃焼室24を左右のシリン
ダ13の間に設けたことにより、ピストン14の上死点
を基準としたクランク角の増加量に対する燃焼室24の
容積の増加量を小さく抑え、これにより混合気の燃焼時
の等容度を高めて熱効率を高めることができる。しかも
膨張行程においてコネクティングロッド17に引張荷重
が加わるため、コネクティングロッド17の強度を下げ
て重量を軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
を挟んで水平方向に対向する左右のバンクのシリンダに
それぞれ摺動自在に支持した左右のピストンを、コネク
ティングロッドを介してクランクシャフトに連接した水
平対向型内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる水平対向型内燃機関は、例えば特
開2000−110661号公報により公知である。
【0003】上記特開2000−110661号公報に
記載されたものは、クランクシャフトを挟んで両側に左
右のシリンダを配置し、これらのシリンダに摺動自在に
嵌合するピストンをコネクティングロッドを介してクラ
ンクシャフトに連接している。各シリンダの燃焼室はク
ランクシャフトと反対側の端部に設けられており、従っ
て膨張行程においてピストンはクランクシャフトに接近
する方向に移動するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7には従来の一般的
な4サイクル単気筒内燃機関が模式的に示される。
【0005】この内燃機関Eは、シリンダ01と、シリ
ンダ01に摺動自在に嵌合するピストン02と、シリン
ダ01に結合されたシリンダヘッド03と、シリンダ0
1に臨むシリンダヘッド03の下面に形成された燃焼室
04と、クランクシャフト05と、ピストン02をクラ
ンクシャフト05に連接するコネクティングロッド06
とを備える。そしてピストン02はシリンダヘッド03
とクランクシャフト05とに挟まれた位置に配置され
る。
【0006】図7(A)はピストン02が上死点にある
状態を示しており、このときのクランク角θは0°であ
る。図7(C)はピストン02が下死点にある状態を示
しており、このときのクランク角θは180°である。
図7(B)はピストン02が上死点および下死点の中点
にある状態を示しており、このときのクランク角θは9
0°にならず、90°よりも小さい角度θaとなる。そ
の理由は、上死点および下死点ではコネクティングロッ
ド06がシリンダ01の軸線L上にあるのに対し、前記
中点ではシリンダ01の軸線Lに対してコネクティング
ロッド06が角度φだけ傾斜するからである。
【0007】図6には上記内燃機関Eの上死点を基準と
したクランク角θと、上死点を基準としたピストン02
の変位xとの関係が鎖線で示される。ここでピストン0
2の上死点および下死点間のストロークは2R(Rはク
ランク半径)である。図7(B)で説明したように、ピ
ストン02が上死点および下死点の中央の中点(ピスト
ン02の変位xがRの点)にあるとき、クランク角θは
90°よりも小さい角度θaとなる。それに対して実線
で示す正弦カーブ(x=Rsin(θ−90°)+R)
では、ピストン02が上死点および下死点の中点にある
とき、クランク角θは90°となる。
【0008】このように、従来の内燃機関Eでは、クラ
ンク角θに対するピストン02の変位xの関係を示すラ
イン(鎖線参照)が、実線で示す正弦カーブよりも上側
に位置していることが分かる。このことは、膨張行程の
初期においてピストン02が上死点から下降するとき、
クランク角θの増加量に対するピストン02の変位xの
増加量が正弦カーブの特性に比べて大きいことを意味し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関E
の熱効率を高めるには、混合気の燃焼時の等容度を高め
ることが望ましい。即ち、ピストン02の上死点近傍で
混合気の燃焼が開始してピストン02が下降すると、ピ
ストン02の上方の燃焼室04の容積が増加するが、そ
のときのクランク角θの増加量に対する燃焼室04の容
積の増加量が小さいほど前記等容度が高められて熱効率
が向上する。しかしながら図7に示す従来の内燃機関E
では、上死点からのクランク角θの増加量に対する燃焼
室04の容積の増加量が大きくなって等容度が低下する
ため、内燃機関Eの熱効率を高める上で不利であった。
【0010】上記特開2000−110661号公報に
記載された水平対向型内燃機関も、従来の一般的な単気
筒内燃機関を相対向するように組み合わせたものである
ため、上述した課題をそのまま内包している。
【0011】更に上記特開2000−110661号公
報に記載された水平対向型内燃機関は、左右のシリンダ
ヘッドが離れた位置にあるため、吸気系や動弁機構の構
造が複雑になるという課題があった。
【0012】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、水平対向型内燃機関の混合気の燃焼時の等容度を高
めて熱効率を高めるとともに、吸気系や動弁機構の構造
を簡素化することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、クランクシャ
フトを挟んで水平方向に対向する左右のバンクのシリン
ダにそれぞれ摺動自在に支持した左右のピストンを、コ
ネクティングロッドを介してクランクシャフトに連接し
た水平対向型内燃機関において、膨張行程において左右
のピストンがクランクシャフトから離反する方向に移動
するように、左右各々の燃焼室を左右のシリンダの間に
設けたことを特徴とする水平対向型内燃機関が提案され
る。
【0014】上記構成によれば、左右のバンクを有する
水平対向型内燃機関において、膨張行程で左右のピスト
ンがクランクシャフトから離反する方向に移動するよう
に左右各々の燃焼室を左右のシリンダの間に設けたの
で、左右燃焼室を左右のシリンダの外側に設けた従来の
水平対向型内燃機関に比べて、ピストンの上死点を基準
としたクランク角の増加量に対する燃焼室の容積の増加
量を小さく抑えることができ、これにより混合気の燃焼
時の等容度を高めて熱効率を高めることができる。しか
も膨張行程においてコネクティングロッドに引張荷重が
加わるため、圧縮荷重が加わる従来の内燃機関に比べて
座屈に対する配慮が不要になり、コネクティングロッド
の強度を下げて重量を軽減することができる。また左右
の燃焼室がエンジンの中央部に集中して配置されるの
で、燃焼室に連なる吸気系の取り回しがコンパクトにな
るだけでなく、燃焼室やそれに隣接する動弁機構からの
騒音が外部に漏れ難くなって静粛性が向上し、しかも重
量物をエンジンの中央部に集中させることができる。
【0015】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、左右のシリンダの間に配置し
たカムシャフトを左右のバンクの動弁機構に共用したこ
とを特徴とする水平対向型内燃機関が提案される。
【0016】上記構成によれば、左右のシリンダの間に
配置したカムシャフトを左右のバンクの動弁機構に共用
したので、カムシャフトの数を最小限に抑えて部品点数
の削減およびエンジンの小型化に寄与することができ
る。
【0017】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1または請求項2の構成に加えて、左右のバンク
の相対向するシリンダの軸線を略同軸上に配置したこと
を特徴とする水平対向型内燃機関が提案される。
【0018】上記構成によれば、左右のバンクの相対向
するシリンダの軸線を略同軸上に配置したので、ピスト
ンの往復動に伴う慣性偶力の発生を抑えてエンジンの振
動を低減することができる。
【0019】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項2の構成に加えて、カムシャフトを左右のバンク
の吸気通路間または排気通路間に配置したことを特徴と
する水平対向型内燃機関が提案される。
【0020】上記構成によれば、カムシャフトを左右の
バンクの吸気通路間または排気通路間に配置したので、
左右の吸気通路間または左右の排気通路間のデッドスペ
ースを有効利用してエンジンを小型化することができ
る。
【0021】また請求項5に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、点火プラグを着脱するための
ガイド筒を、シリンダの軸線に対してクランクシャフト
の軸端側に傾斜させたことを特徴とする水平対向型内燃
機関が提案される。
【0022】上記構成によれば、点火プラグ着脱用のガ
イド筒を、シリンダの軸線に対してクランクシャフトの
軸端側に傾斜させたので、ガイド筒をシリンダの軸線の
真下あるいは真上に配置する場合に比べてガイド筒がシ
リンダと干渉し難くなり、シリンダとの干渉を避けるべ
くガイド筒をシリンダの軸線から離れるように上下方向
に傾斜させる角度を小さくしてエンジンを小型化するこ
とができる。
【0023】尚、実施例の吸気ポート32は本発明の吸
気通路に対応し、実施例の排気ポート35は本発明の排
気通路に対応する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0025】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は水平対向型内燃機関の縦断面図(ピストンが
下死点にある状態)、図2は図1の2−2線縦断面図、
図3は図1の3−3線縦断面図、図4は図1に対応する
作用説明図(ピストンが上死点にある状態)、図5は本
発明の内燃機関の作用の説明図、図6はクランク角θと
ピストン変位xとの関係を示すグラフである。
【0026】図1〜図3に示すように、左右のバンク
B,Bを有する水平対向型の2気筒内燃機関Eは2分割
された左右のシリンダヘッド11,11と、各々のシリ
ンダヘッド11,11の外側に接続された左右のシリン
ダブロック12,12と、各々のシリンダブロック1
2,12の内部に支持された左右のシリンダ13,13
と、各々のシリンダ13,13に摺動自在に嵌合する左
右のピストン14,14と、左右のシリンダヘッド1
1,11の割り面に支持されたクランクシャフト15
と、各々のピストン14,14の外端に支持されたピス
トンピン16,16をクランクピン15a…に連接する
左右各2本のコネクティングロッド17…と、各々のシ
リンダブロック12,12の外端部を覆うカップ状のカ
バー18,18とを備える。
【0027】左右のシリンダ13,13はクランクシャ
フト15の軸線方向にオフセットしておらず、共通の軸
線L上に配置されている(図2参照)。各々のシリンダ
ブロック12およびシリンダ13の外端部には軸線L方
向に延びる2個のスリット19,19が形成されてお
り、これらのスリット19,19にピストンピン16が
摺動自在に案内される。
【0028】左右のシリンダヘッド11,11の合わせ
面に支持した1本のカムシャフト21に設けた従動ギヤ
22がクランクシャフト15の一端に設けた駆動ギヤ2
3に噛合しており、カムシャフト21はクランクシャフ
ト15の2分の1の回転数で回転する。各々のバンクB
のシリンダヘッド11に設けた燃焼室24には吸気バル
ブ25および排気バルブ26が設けられており、シリン
ダヘッド11に固定したロッカーアームシャフト27に
枢支した吸気ロッカーアーム28が、カムシャフト21
に設けた吸気カム29および吸気バルブ25のステムエ
ンドに当接するとともに、前記ロッカーアームシャフト
27に枢支した排気ロッカーアーム30が、カムシャフ
ト21に設けた排気カム31および排気バルブ26のス
テムエンドに当接する。
【0029】吸気バルブ25により開閉される吸気ポー
ト32の上流側はスロットルバルブ33に接続され、ス
ロットルバルブ33の直下には燃料噴射弁34が設けら
れる。また排気バルブ26により開閉される排気ポート
35は排気管36に接続される。燃焼室24に臨む点火
プラグ37を着脱するためのガイド筒38が、反対側の
バンクBのシリンダブロック12から斜めに延びてい
る。図2から明らかなように、平面視において左右のガ
イド筒38,38はシリンダ13,13の軸線Lと平行
ではなく、それらの開口端側がクランクシャフト15の
両端側に傾斜している。このレイアウトにより、ガイド
筒38,38がシリンダブロック12,12の下面と干
渉し難くなる。その結果、図1においてガイド筒38,
38の開口端側をシリンダ13,13の軸線Lに対して
下向きに傾斜させる傾斜角を小さくすることができ、エ
ンジンEの小型化に寄与することができる。
【0030】クランクシャフト15の他端側には交流発
電機39とスタータギヤ40とが設けられており、スタ
ータモータ41に設けたピニオン42の駆動力が、中間
軸43に支持した中間ギヤ44,45、スタータギヤ4
0、一方向クラッチ46および交流発電機39を介して
クランクシャフト15に伝達され、エンジンEを始動す
る。
【0031】次に、本発明の実施例の作用について説明
する。
【0032】図5は本実施例の内燃機関Eの片側のバン
クBを模式的に示したもので、図7に示す従来の内燃機
関に対応するものである。
【0033】本実施例の内燃機関Eは、シリンダ13
と、シリンダ13に摺動自在に嵌合するピストン14
と、シリンダ13に結合されたシリンダヘッド11と、
ピストン14に臨むシリンダヘッド11に形成された燃
焼室24と、クランクシャフト15と、ピストン14を
クランクシャフト15に連接するコネクティングロッド
17,17とを備える。そしてシリンダヘッド11はピ
ストン14とクランクシャフト15とに挟まれた位置に
配置される。
【0034】図5(A)はピストン14が上死点にある
状態を示しており、このときのクランク角θは0°であ
る。図5(C)はピストン14が下死点にある状態を示
しており、このときのクランク角θは180°である。
図5(B)はピストン14が上死点および下死点の中点
にある状態を示しており、このときのクランク角θは9
0°にならず、90°よりも大きい角度θbとなる。そ
の理由は、上死点および下死点ではコネクティングロッ
ド17,17がシリンダ13の軸線L上にあるのに対
し、前記中点ではシリンダ13の軸線Lに対してコネク
ティングロッド17,17が角度φだけ傾斜するからで
ある。
【0035】図6には上記内燃機関Eの上死点を基準と
したクランク角θと、上死点を基準としたピストン14
の変位xとの関係が破線で示される。ここでピストン1
4の上死点および下死点間のストロークは2R(Rはク
ランク半径)である。図5(B)で説明したように、ピ
ストン14が上死点および下死点の中点(変位がRの
点)にあるとき、クランク角θは90°よりも大きい角
度θbとなる。それに対して実線で示す正弦カーブで
は、ピストン14が上死点および下死点の中点にあると
き、クランク角θは90°となる。
【0036】このように、本実施例の内燃機関Eでは、
クランク角θに対するピストン14の変位xの関係を示
すライン(破線参照)が、実線で示す正弦カーブよりも
下側に位置しており、x<Rsin(θ−90°)+R
が成立することが分かる。このことは、膨張行程におい
てピストンが上死点から下降するとき、クランク角θの
増加量に対するピストン14の変位xの増加量が正弦カ
ーブの特性に比べて小さいことを意味している。尚、ピ
ストン14が上死点および下死点にある場合には、例外
的にx=Rsin(θ−90°)+Rが成立する。
【0037】前述したように、内燃機関Eの熱効率を高
めるには混合気の燃焼時の等容度を高めることが望まし
く、そのためには膨張行程で上死点からピストン14が
下降するときに、クランク角θの増加量に対する燃焼室
24の容積の増加量が小さいほど前記等容度が高められ
て熱効率が向上する。図6のグラフのクランク角θが0
°から180°までの膨張行程部分から明らかなよう
に、破線で示す本実施例の内燃機関Eの上死点からのピ
ストン14の変位xは、鎖線で示す従来の内燃機関Eの
ピストン02の変位xに比べて小さくなっており、従っ
て膨張行程における等容度が高められて熱効率が向上す
る。
【0038】またコネクティングロッド17,17に最
も大きな荷重が加わる膨張行程において、ピストン14
はクランクシャフト15から遠ざかる方向に移動するた
め、コネクティングロッド17,17には従来の内燃機
関Eと逆の引張荷重が作用する。このようにコネクティ
ングロッド17,17に引張荷重が加わることにより、
圧縮荷重が加わる場合に比べて強度上有利になり、これ
によりコネクティングロッド17,17を細くして軽量
化を図ることができる。
【0039】また左右の燃焼室24,24がエンジンE
の中央部に集中して配置されるので、燃焼室24,24
に連なるスロットルバルブ33,33や燃料噴射弁3
4,34等の吸気系をコンパクトに配置できるだけでな
く、吸気管の管長を短縮することもできる。更に燃焼室
24,24や動弁機構20,20から出る騒音がエンジ
ンEの外部に漏れ難くなって静粛性が向上し、しかも重
量物をエンジンEの中央部に集中して配置することがで
きる。
【0040】また左右のバンクB,Bの動弁機構20,
20を、左右のシリンダヘッド11の中央に設けた共通
のカムシャフト21で駆動するので、カムシャフト21
の数を最小限に抑えて部品点数の削減およびエンジンE
の小型化に寄与することができる。特に共通のカムシャ
フト21を、左バンクBの吸気ポート32および排気ポ
ート35と、右バンクBの吸気ポート32および排気ポ
ート35との間に配置したので、左右の吸気ポート3
2,32間のデッドスペースおよび左右の排気ポート3
5,35間のデッドスペースを有効利用してエンジンE
を小型化することができる。しかもカムシャフト21が
クランクシャフト15に近接して配置されているので、
クランクシャフト15からカムシャフト21への動力伝
達系にタイミングチェーンやタイミングベルトを用いる
必要がなくなり、動力伝達系のコンパクト化および部品
点数の削減が可能になる。
【0041】また左右のバンクB,Bの相対向するシリ
ンダ13,13を共通の軸線L上に配置し、クランクシ
ャフト15の軸方向へのオフセットを廃止したので、ピ
ストン14,14の往復動に伴う慣性偶力の発生を抑え
てエンジンEの振動を低減することができる。
【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱することなく種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0043】例えば、実施例では4サイクルの内燃機関
Eを例示したが、本発明は2サイクルの内燃機関に対し
ても適用することができる。
【0044】また実施例では左右のバンクB,Bのシリ
ンダ13,13を共通の軸線L上に配置しているが、慣
性偶力の発生があまり問題にならない小型のエンジンE
の場合には、左右のシリンダ13,13の軸線L,Lを
オフセットしても良い。
【0045】また実施例では左右のバンクB,Bの各2
本のコネクティングロッド17…を内外に交互に配置し
ているが、一方のバンクBの2本のコネクティングロッ
ド17,17をクランクシャフト15の軸方向内側に配
置し、他方のバンクBの2本のコネクティングロッド1
7,17をクランクシャフト15の軸方向外側に配置し
ても良い。
【0046】また実施例では2気筒の水平対向型内燃機
関Eを例示したが、本発明は4気筒以上の水平対向型内
燃機関Eに対しても適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、左右のバンクを有する水平対向型内燃機関に
おいて、膨張行程で左右のピストンがクランクシャフト
から離反する方向に移動するように左右各々の燃焼室を
左右のシリンダの間に設けたので、左右の燃焼室を左右
のシリンダの外側に設けた従来の水平対向型内燃機関に
比べて、ピストンの上死点を基準としたクランク角の増
加量に対する燃焼室の容積の増加量を小さく抑えること
ができ、これにより混合気の燃焼時の等容度を高めて熱
効率を高めることができる。しかも膨張行程においてコ
ネクティングロッドに引張荷重が加わるため、圧縮荷重
が加わる従来の内燃機関に比べて座屈に対する配慮が不
要になり、コネクティングロッドの強度を下げて重量を
軽減することができる。また左右の燃焼室がエンジンの
中央部に集中して配置されるので、燃焼室に連なる吸気
系の取り回しがコンパクトになるだけでなく、燃焼室や
それに隣接する動弁機構からの騒音が外部に漏れ難くな
って静粛性が向上し、しかも重量物をエンジンの中央部
に集中させることができる。
【0048】また請求項2に記載された発明によれば、
左右のシリンダの間に配置したカムシャフトを左右のバ
ンクの動弁機構に共用したので、カムシャフトの数を最
小限に抑えて部品点数の削減およびエンジンの小型化に
寄与することができる。
【0049】また請求項3に記載された発明によれば、
左右のバンクの相対向するシリンダの軸線を略同軸上に
配置したので、ピストンの往復動に伴う慣性偶力の発生
を抑えてエンジンの振動を低減することができる。
【0050】また請求項4に記載された発明によれば、
カムシャフトを左右のバンクの吸気通路間または排気通
路間に配置したので、左右の吸気通路間または左右の排
気通路間のデッドスペースを有効利用してエンジンを小
型化することができる。
【0051】また請求項5に記載された発明によれば、
点火プラグ着脱用のガイド筒を、シリンダの軸線に対し
てクランクシャフトの軸端側に傾斜させたので、ガイド
筒をシリンダの軸線の真下あるいは真上に配置する場合
に比べてガイド筒がシリンダと干渉し難くなり、シリン
ダとの干渉を避けるためにガイド筒をシリンダの軸線か
ら離れるように上下方向に傾斜させる角度を小さくして
エンジンを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平対向型内燃機関の縦断面図(ピストンが下
死点にある状態)
【図2】図1の2−2線縦断面図
【図3】図1の3−3線縦断面図
【図4】図1に対応する作用説明図(ピストンが上死点
にある状態)
【図5】本発明の内燃機関の作用の説明図
【図6】クランク角θとピストン変位xとの関係を示す
グラフ
【図7】従来の内燃機関の作用の説明図
【符号の説明】
13 シリンダ 14 ピストン 15 クランクシャフト 17 コネクティングロッド 20 動弁機構 21 カムシャフト 24 燃焼室 32 吸気ポート(吸気通路) 35 排気ポート(排気通路) 37 点火プラグ 38 ガイド筒 B バンク L シリンダの軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 1/24 F02F 1/24 H (72)発明者 島田 俊夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G024 AA02 AA04 AA10 AA12 AA18 AA21 DA09 DA20 FA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフト(15)を挟んで水平
    方向に対向する左右のバンク(B)のシリンダ(13)
    にそれぞれ摺動自在に支持した左右のピストン(14)
    を、コネクティングロッド(17)を介してクランクシ
    ャフト(15)に連接した水平対向型内燃機関におい
    て、 膨張行程において左右のピストン(14)がクランクシ
    ャフト(15)から離反する方向に移動するように、左
    右各々の燃焼室(24)を左右のシリンダ(13)の間
    に設けたことを特徴とする水平対向型内燃機関。
  2. 【請求項2】 左右のシリンダ(13)の間に配置した
    カムシャフト(21)を左右のバンク(B)の動弁機構
    (20)に共用したことを特徴とする、請求項1に記載
    の水平対向型内燃機関。
  3. 【請求項3】 左右のバンク(B)の相対向するシリン
    ダ(13)の軸線(L)を略同軸上に配置したことを特
    徴とする、請求項1または請求項2に記載の水平対向型
    内燃機関。
  4. 【請求項4】 カムシャフト(21)を左右のバンク
    (B)の吸気通路(32)間または排気通路(35)間
    に配置したことを特徴とする、請求項2に記載の水平対
    向型内燃機関。
  5. 【請求項5】 点火プラグ(37)を着脱するためのガ
    イド筒(38)を、シリンダ(13)の軸線(L)に対
    してクランクシャフト(15)の軸端側に傾斜させたこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の水平対向型内燃機
    関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015524039A (ja) * 2012-06-26 2015-08-20 コーゲン・マイクロシステムズ・ピーティーワイ・リミテッド ヒートエンジン用のエキスパンダー

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