JP2003020630A - エレベータシャフト構築工法及び構築用部材 - Google Patents

エレベータシャフト構築工法及び構築用部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】エレベータシャフト構築工法において、積層す
る部材の高さレベル調整の簡略化、水平方向の設置ずれ
の低減、及び堤体内へのコンクリート打設時の圧力によ
る構築部材の移動の防止。 【解決手段】エレベータシャフト構築用部材3、4、5
の上端面11に固定穴12を設け、この固定穴12にガ
イドピン18を挿入固定し、前記部材3、4、5の下端
面16に凹所を設ける。上端面11と下端面16を重合
する際に凹所にガイドピン18の頭部を挿入して、この
ガイドピン18の頭部を軸方向に移動可能にする。積層
する部材3、4、5の高さレベルを調整し、ガイドピン
18を凹所に挿入して、積層した部材の水平方向のずれ
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートダム
の堤体内等のマスコンクリート構造物中に設けられるエ
レベータシャフトを構築するために用いられるプレキャ
ストコンクリート製の構築用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートダムの堤体には、その堤体
内に設けられた種々の高さ位置において縦横に延びる複
数の通廊に連なるエレベータシャフトが設置される場合
がある。このエレベータシャフトはエレベータ本体の垂
直方向の移動通路となり、その開口部は各通廊に連結さ
れる。
【0003】従来の工法では、前記エレベータシャフト
は、コンクリート型枠及び支保工を用い、この型枠外部
に鉄筋を配置し、その後、型枠の周囲にコンクリートを
打設して養生する工程を経て構築していた。この方法に
よると、型枠や鉄筋の組立、コンクリート打設後の型枠
の解体等の作業はほとんど手作業であり、予め組んであ
る大型枠を用いて施工する場合であっても、細部ではバ
ラ型枠が必要であり、また鉄筋の組立が必要なことか
ら、作業に多くの手間を要し、かつ熟練した作業者が必
要であった。
【0004】また上述の従来の方法によれば、型枠の周
辺に多数の鉄筋が突出するので、作業者がこの鉄筋に接
触して怪我をする恐れがある。
【0005】従来、以上の問題を解決する目的で、プレ
キャストコンクリートによりエレベータシャフトの躯体
をいくつかの部材に分けて工場等で製作し、それを現場
で組立て、型枠の設置、解体、鉄筋の組立等の手作業の
工程を省く工法が提供されている。
【0006】このようなプレキャストコンクリート製の
部材を使用する工法では、工程の簡略化、安全性の確
保、工期の短縮等、様々な利点を有する反面、各部材を
工場等で製作するため、これらの部材は予め決められた
所定の寸法のものとなる。このため現場ではその場に合
わせて部材の寸法の微調整が必要となり、特に積層時の
高さの微調整をいかにして行うかが問題となる。
【0007】特にエレベータシャフトでは、所定の高さ
でマスコンクリート構造物中の通廊と連結するため、エ
レベータシャフト側面に開口部が必要である。前記エレ
ベータシャフト構築用部材は実際の施工時と、工場等で
の形成時との間に僅かながら誤差を生じるため、前記エ
レベータシャフトの開口部が予定の高さより、上方また
は下方にずれることがあった。
【0008】この問題を解決するために、例えば特開平
11−81457号公報記載では、積層する構築用部材
の積層面にプレートを挟み、このプレートの厚みにより
微調整をする工法が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】しかし、上記プレートを挟む工法によれば
高さ方向の調整が可能であるが、これはプレートの厚さ
の変更による調整である。よってプレート厚みの変更が
可能な所定範囲での調整は可能であるが、それ以上の任
意な寸法の調整は不可能であった。
【0010】また上記の工法では、エレベータシャフト
の構築後、周囲にコンクリートを打設する際に、コンク
リートの打設圧によって設置した構築用部材が水平方向
に移動する可能性があり、この問題に対する有効な対策
はとられていなかった。
【0011】本発明には上記のような事情に鑑みてされ
たものであり、コンクリートダム堤体等のマスコンクリ
ート構造物中に設けられるエレベータシャフト構築作業
の安全性、及び作業効率の向上を図ることを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
【0012】本発明は、前述の技術的課題を解決するた
めに以下のように構成されている。すなわち、マスコン
クリート構造物中に設けられるエレベータシャフトをプ
レキャスト製のエレベータシャフト構築用部材を用いて
構築するに際に、エレベータシャフト構築用部材の積層
面の互いに相対する一対の端面の上端面に固定穴、下端
面の前記固定穴に対応する位置に凹所をそれぞれ形成し
た後、前記エレベータシャフト構築用部材を積層する工
法であって、既設置のエレベータシャフト構築用部材の
固定穴に、頭部が表面より露出するガイドピンを固定す
る工程、エレベータシャフト構築用部材の上端面に設け
た固定穴に吊下げ具を撤去可能に挿入固定し、この吊下
げ具を利用して積層するエレベータシャフト構築用部材
を吊り上げ、既設置のエレベータシャフト構築用部材の
上部に移動する工程、エレベータシャフト構築用部材下
端面の凹所にガイドピンの頭部を挿入してエレベータシ
ャフト構築用部材の位置調整を行う工程、最上部のエレ
ベータシャフト構築用部材の固定穴に挿入固定した吊下
げ具を撤去する工程、を含み、これらの工程を繰り返し
実施してエレベータシャフトを構築することを特徴とす
るものである。
【0013】また、前記エレベータシャフト構築用部材
は、その互いに相対する端面のうち上端面には吊下げ
具、もしくはガイドピンの何れかを固定する固定穴を有
し、下端面には前記上端面に有する固定穴に対応する位
置に、頭頂部が表面より露出しているガイドピンの頭部
を挿入する凹所を有する。
【0014】前記ガイドピンは、その頭部からガイドピ
ンが挿入固定されたエレベータシャフト構築用部材の表
面までの距離を任意に調整可能とすることができる。
また前記ガイドピンにおいて、その頭部が錐体もしくは
半球体等のくさび形状とすることができる。前記構築用
部材の下端面に有する凹所については工場での構築用部
材製造の際、プレキャスト製造用型枠に凸所を設けて形
成する他、、凹部を備えた部材をプレキャストコンクリ
ートの中に埋め込むことで形成することができる。
【0015】また前記構築用部材において、その上端面
に設けた前記固定穴については、吊下げ具、またはガイ
ドピンの挿入固定を可能とする必要があるので、例えば
雌ねじを形成したものとすることができる。これに対し
て吊下げ具については、挿入固定した後これを撤去する
必要があるため、例えば前記雌ねじに螺合する雄ねじを
形成したものとして、前記構築用部材から着脱自在に設
けることが望ましい。
【0016】上記構築用部材を積層する際に接続位置の
基準となる前記ガイドピンは、ガイドピン頭部からガイ
ドピンが挿入固定された上端面の表面までの距離が任意
に調整可能とすることが好ましい。
【0017】上記ガイドピンの頭部から挿入固定された
上端面の表面までの距離の調整機能としては、例えばガ
イドピンの端部に雄ネジを有し、固定穴を雌ネジとする
ことにより、ガイドピンの固定位置を任意とすることが
可能である。
【0018】また上記ガイドピンは、その頭部が錐体も
しくは半球体等のくさび形形状を成すことにより、積層
時、下端面の凹所の中心点とガイドピンの頭部の頭頂点
の位置が自動的に一致し、水平方向のずれを補整するこ
とができる。
【0019】このように本発明によれば長さ調節可能な
ガイドピン、およびこれを挿入する凹所を有するプレキ
ャスト製の構築用部材を使用することにより、各構築用
部材の位置調整、特に開口部と連結する通廊との接続位
置の微調整が可能になる。また吊下げ具を着脱自在に構
築用部材の上端面に固定することで、前記構築用部材の
積層作業が効率的に安全に実施できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1は、最下部に位置するベース部
材5上に、複数のエレベータシャフト構築用の積層部材
3及び開口部用部材4を積み重ねることによりエレベー
タシャフト1を構築する状態を示している。図2は、堤
体、及びエレベータシャフト構築に係る概略図である。
【0021】図1には、コンクリートダムの堤体内に設
けられる断面が長方形のエレベータシャフト1と、これ
に連通する図示しない通廊への入り口である開口部2が
示されている。その周囲のダムの堤体は、図2に示すよ
うに下部から順次コンクリートを打設することにより構
築される。
【0022】エレベータシャフト1は、上記のように四
角形の枠状の複数の積層部材3、開口部用部材4、及び
ベース部材5から構成され、積層部材3は、エレベータ
シャフト断面形状と同一の一体型形状部材である。な
お、積層部材3は、これを例えばコ字形に分割して形成
し、積層時にエレベータシャフト断面形状と同一になる
ように連結するようにしてもよい。また開口部用部材4
は、通廊に連結される開口部2を形成するためのもので
あり、断面形状の一辺に切り欠きがあるので、その全体
は略C字形状である。
【0023】最下部のベース部材5は、積層部材3と同
一形状であり底面のコンクリート面に設置して使用す
る。このベース部材5がエレベータシャフト1の設置位
置の基準となり、その上に順次エレベータシャフト1構
築用の積層部材3、開口部用部材4を積層する。これら
の設置位置、レベル等を慎重に調整し、周囲にアンカ
(図外)を打設する等により積層部材3、開口部用部材
4を固定する。
【0024】開口部2が通廊に連結される箇所も、前記
と同様に堤体の各層コンクリート打設と並行して構築さ
れる。
【0025】また図2に示すように、エレベータシャフ
ト1は、上記堤体内のコンクリート打設工事と並行して
実施され、堤体が各層構築されるのと同時に、積層部材
3等の各構築部材の積層が進行する。ここでは図2
(a)に示すように、積層部材3の高さまでその周囲に
コンクリートが打設されている。各積層部材3には、積
層される一対の上端面11の四隅のそれぞれに固定穴1
2が設けられている。この固定穴12には、吊下げ具3
1またはガイドピン18が挿入され、積層部材3が順次
積み重ねられる。吊下げ具31が固定穴12に挿入固定
されているときは、図2(b)に示すようにクレーン等
による吊下げ移動によって、積層部材3を所定位置に移
動して積層する。積層部材3の設置が終了したら、図2
(c)に示すように、これらの周囲にコンクリートを打
設する。コンクリート打設は、図2(d)のように最上
部の積層部材3の上端近くまで達するように実施され
る。その後は、再び積層部材3を積層してコンクリート
打設を繰り返すことでエレベータシャフトの構築が進行
する。勿論、開口部用部材4が適切な場所に配置され
る。
【0026】この場合、図3に示すように、少なくとも
積層部材3及び開口部用部材4の下端面16には、前記
固定穴12に対応する位置に凹所17が形成されてい
る。すなわち上端面にある固定穴12の延長線上の下端
面に、凹所17が位置する。前記固定穴12及び凹所1
7は、これらの積層部材3、開口部用部材4の積層時
に、互いに接する上端面11と下端面16において、そ
れぞれ対向する位置にある。これらの数は特に限定され
るものではないが、この実施の形態では、それぞれ四カ
所とし、ここでは四隅に固定穴12、凹所17が設けら
れている。
【0027】上端面11の固定穴12には、図3に示す
ように、筒状体内部に雌ネジ山21が形成されたインサ
ート13が埋設されている。このインサート13は、抜
け防止のために八角錐形状とされ、底部が径大で上部に
向けって次第に径小となり、かつ外周面に回転防止のリ
ブを有している。これはプレキャスト製造時のコンクリ
ート打設前に、各積層部材3、開口部用部材4、及びベ
ース部材5のそれぞれの所定位置に所定数を据え付けら
れ、その周りにコンクリートを流し込み固定される。
【0028】すなわち、積層用部材3,開口部用部材4
及びベース部材5の凹所17は、プレキャスト時に、積
層部材3等の製造用型枠内に、凹所17に対応する箇所
に凸部を有する部材を設置し、コンクリートを流し込ん
で凹所17を有するように製作され、低部が径大のため
に固定穴12内に抜け落ちずに保持される。この底部を
八角形に形成したことにより、局部鉛直荷重をコンクリ
ートに支圧分散させることができる。
【0029】また、このインサート13の雌ネジ21に
螺合する吊下げ具31が設けられる。この吊下げ具31
は、図5に示すように、インサート13内に挿入固定で
きるように外周面に雄ねじ31aが形成される。この雄
ねじ31aがインサート13内に形成した雌ねじ21に
螺合することで、吊下げ具31がインサート13と一体
となる。一方、上端にはリング体31bが設けられてい
る。このリング体31bに図示しないロープ等を挿通さ
せ、このロープをクレーン等のフックに掛止することで
積層用部材3を吊下げ具31を介して吊り上げ、これを
所定の位置に搬送することができる。
【0030】図3(a)は、ガイドピン18が前記凹所
17と固定穴12の間にセットされる状態を示し、
(b)はガイドピン18がインサート13内に挿入され
た状態を示す。図4は、ガイドピン18を積層部材3等
に固定するためのインサート13の詳細を示し、図5
は、ガイドピン18の詳細を示す。ガイドピン18の下
部周面には、インサート13の内側に形成した雌ねじ2
1に螺合する雄ネジ26が形成してある。前記吊下げ具
31が螺合していたインサート13の雌ねじ21には、
吊下げ具31を取り外した後に、雄ねじ26が螺合して
ガイドピン18が挿入固定される。このガイドピン18
の頭部は、半球形であるので積層部材3の積層が傾斜し
た状態で実施されても、偏芯荷重が加わることを解消で
きる。また傾斜地での施工によって積層部材に作用する
剪断荷重は、ガイドピン18と凹所17により負担する
ことができ、ダム勾配に合わせた傾斜地での施工であっ
ても、施工の時間短縮と正確さが得られる。上述のよう
にガイドピン18を回転させることでこれをインサート
13に固定できるが、ガイドピン18を挟持し易くする
ために、頭部に互いに対向するように切り欠き部27を
設けているる。前記ガイドピン18はこのようなネジ式
のため回転によって軸方向に伸縮する。したがってガイ
ドピン18は、積層部材3の表面から任意の長さにおい
て自在に固定可能であり、これにより部材の高さ方向の
レベル調整をすることができる。ここでは例えば、ガイ
ドピン18の収縮は、5mm〜15mmの範囲で行えるよう
にする。
【0031】ガイドピン18の固定時には、図3(b)
に示すように、最初に積層する部材の下端面16にある
凹所17を、既に積層されている部材の上端面の固定穴
12に挿入固定されたガイドピン13の位置に合わせ
る。次に、この凹所17にガイドピン13を挿入して積
層部材3または開口部用部材4を積層する。
【0032】積層部材3等を積層する際には、積層面に
微少な隙間が発生し、特にレベル調整を行い、積層部材
3、3間に間隙6が生じた場合、必要に応じてこの間隙
6から堤体用コンクリート打設時にコンクリートが漏出
しないように、この間隙6にモルタル等で目止め処置を
行う。
【0033】また、上記のガイドピン18頭部は積層部
材3等の表面より突出する部位において、図4(a)に
示すよう円錐形状部28を成し、これとガイドピン18
が挿入される積層部材3の下端面16に形成した凹所1
7が接合する際、この円錐形状部28によって、くさび
が打ち込まれたのと同様な効果が発揮される。すなわち
積層部材3等の固定時には、ガイドピン18の頭頂点と
凹所17中央点が重なる。これにより積層部材3及び開
口部用部材4の水平方向のズレを低減することが可能で
ある。
【0034】上記のようにして積層部材3、または開口
部用部材4を積層してこれを固定した後、これらの部材
に装着されていた吊下げ具31を取り外し、替わりに固
定穴12には新規のガイドピン18を挿入固定する。そ
の後、その上に新規の積層部材3を積層していく。な
お、高さの調整のために通常の積層部材3(またはベー
ス部材5)とは異なる高さの部材を別途製造し、これを
上記の積層部材3とともに積層することで、所定の高さ
に合わせるようにしてもよい。
【0035】また、通廊に連結される部位の開口部用部
材4においても、一体型形状の積層部材3と同様の固定
穴及び凹所を有しているので、これらに対しても積層部
材3の場合と同様の工程を実施して積層する。
【0036】以上の工程を繰り返し行うことにより、プ
レキャストコンクリートの積層部材3、開口部用部材4
をベース部材5の上部に積層し、エレベータシャフト1
を構築していく。本実施の形態によれば、エレベータシ
ャフト1の構築工事において現場での型枠及び支保工の
組み立て、配筋、コンクリート打設、コンクリート養生
後の型枠及び支保工撤去等の一連の作業がなくなるの
で、工期が短縮されるとともに、作業の安全性が確保さ
れる。
【0037】またコンクリート打設の不良部分がなく高
品質な仕上がりが期待でき、高度な専門技能をもった作
業者がいなくても施工が可能である。さらに予めエレベ
ータシャフト構築用部材の高さレベルを出し、ガイドピ
ンの長さを調整し積層することにより、任意に高さ調節
が可能であるので、積層時にもガイドピンと凹所を重合
するため水平方向のズレが減される。前記ガイドピンが
凹所と重合することにより、積層する部材の二層に渡り
ガイドピンが挿入され、積層後にエレベータシャフトに
水平方向に加力されても各積層部材3または開口部用部
材4間にズレが発生しない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればエ
レベータシャフト構築に際し、ガイドピンを使用するこ
とにより、積層する各部材の高さ方向のレベル合わせが
簡略化され、かつ水平方向のズレを低減させることがで
きるのでエレベータシャフトの精度を高めることができ
る。このエレベータシャフトの周囲にコンクリートを打
設する際には、その打設圧により積層部材が動くことが
ガイドピンにより防止されるので、完成度の高いエレベ
ータシャフトが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータシャフトの一実施形態を示
す図である。
【図2】本発明のエレベータシャフトの施工順序を示す
図であり、(a)は積層部材の周囲にダムの堤体となる
コンクリートを打設した状態を示し、(b)は積層部材
を既設の積層部材上に積層する状態を示す。(c)は積
層した積層部材の周囲にさらにコンクリートを打設する
状態を示し、(d)はコンクリート打設が積層部材の上
部まで完了した状態を示す図である。
【図3】ガイドピンと積層部材上下端面の接続図であ
り、(a)はガイドピンが凹所と固定穴の間にセットさ
れる状態を示し、(b)はガイドピンがセットされた状
態を示す図である。
【図4】ガイドピンを挿入固定するインサートの詳細図
であり、(a)は、その平面図、(b)はその正面図で
ある。
【図5】ガイドピンを示す図であり、(a)はその平面
図、(b)はその正面図、(c)はその頭部の側面図で
ある。
【図6】部材を吊り上げる吊下げ具の詳細図であり
(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
1 エレベータシャフト 2 通廊用開口部 3 積層部材 4 開口部用部材 5 ベース部材 6 間隙 11 上端面 12 固定穴 13 インサート 16 下端面 17 凹所 18 ガイドピン 21 雌ネジ 26 雄ネジ 27 切り欠き部 28 円錐形上部 31 吊下げ具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 健一 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 赤坂 雄司 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 Fターム(参考) 3F305 AA01 BA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスコンクリート構造物中に設けられるエ
    レベータシャフトをプレキャスト製のエレベータシャフ
    ト構築用部材を用いて構築するに際に、エレベータシャ
    フト構築用部材の積層面の互いに相対する一対の端面の
    上端面に固定穴、下端面の前記固定穴に対応する位置に
    凹所をそれぞれ形成した後、前記エレベータシャフト構
    築用部材を積層する工法であって、 既設置のエレベータシャフト構築用部材の前記固定穴
    に、頭部が表面より露出するガイドピンを固定する工
    程、 エレベータシャフト構築用部材の上端面に設けた固定穴
    に吊下げ具を撤去可能に挿入固定し、この吊下げ具を利
    用して積層するエレベータシャフト構築用部材を吊り上
    げ、既設置のエレベータシャフト構築用部材の上部に移
    動する工程、 エレベータシャフト構築用部材下端面の凹所にガイドピ
    ンの頭部を挿入してエレベータシャフト構築用部材の位
    置調整を行う工程、 最上部のエレベータシャフト構築用部材の固定穴に挿入
    固定した吊下げ具を撤去する工程、を含み、これらの工
    程を繰り返し実施してエレベータシャフトを構築するこ
    とを特徴とするエレベータシャフト構築工法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のエレベータシャフト構築
    工法で使用するエレベーターシャフト構築用部材であっ
    て、積層時に他のエレベータシャフト構築用部材と接合
    される上端面と下端面を備え、この上端面には吊下げ
    具、もしくはガイドピンの何れかを固定する固定穴を有
    し、一方、下端面には前記上端面に設けた固定穴と対応
    する位置に、前記ガイドピンの頭部が挿入される凹所を
    有することを特徴とするエレベータシャフト構築用部
    材。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のエレベータシャフト構築
    工法で使用するガイドピンであって、そのガイドピンの
    頭部が錐体もしくは半球体等のくさび形状であるガイド
    ピン
  4. 【請求項4】上記ガイドピンにおいて、その頭部からガ
    イドピンが挿入固定されたエレベータシャフト構築用部
    材の表面までの距離が任意に調整可能であり、挿入固定
    されたエレベータシャフト構築用部材の積層面のずれを
    防止することを特徴とする請求項3に記載のガイドピ
    ン。
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