JP2003020297A - ダイヤモンド粒子の表面処理法 - Google Patents

ダイヤモンド粒子の表面処理法

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JP2003020297A
JP2003020297A JP2001201693A JP2001201693A JP2003020297A JP 2003020297 A JP2003020297 A JP 2003020297A JP 2001201693 A JP2001201693 A JP 2001201693A JP 2001201693 A JP2001201693 A JP 2001201693A JP 2003020297 A JP2003020297 A JP 2003020297A
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diamond particles
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English (en)
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Mitsuyuki Oyanagi
大柳満之
Masaaki Komatsu
小松正明
Kenji Goto
後藤健嗣
Hiroshi Ishizuka
石塚博
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ISHIZUKA KENKYUSHO
Ishizuka Research Institute Ltd
Original Assignee
ISHIZUKA KENKYUSHO
Ishizuka Research Institute Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の主な目的は、大きな経費を要する特殊
な設備や危険な操作を伴わずに、ダイヤモンド及び金属
と化学的に結合し得る被覆層を効果的に形成するための
方法を提供すること。 【構成】 密閉可能な反応容器内を酸素含有雰囲気とし
た後、該反応容器内に被覆材金属または被覆材金属を放
出し得る金属化合物及びダイヤモンド粒子を配置して、
上記被覆材金属または金属化合物を処理温度に加熱して
金属または金属酸化物のガス乃至蒸気を発生させ、上記
ダイヤモンド粒子表面へ導いて接触させ、ダイヤモンド
粒子表面に金属炭化物を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はダイヤモンドの表面処
理法、特にダイヤモンド粒子を含有する工具や耐摩耗材
料において、ダイヤモンド粒子とこれらを固定するマト
リックス材料との結合力を向上させるために施す、ダイ
ヤモンド粒子の表面処理法に関する。
【0002】
【従来技術】 ダイヤモンド粒子乃至粉末を用いた工具
や耐摩耗材料としては、ダイヤモンドをマトリックス材
料中に分散・固定保持した構成が広く用いられている。
マトリックス材料は金属、合成樹脂、セラミックスなど
多岐にわたる。しかしダイヤモンドが化学的に不活性で
あることから、ダイヤモンドがマトリックス材料との化
学結合によって強固に固定されていることは稀であり、
多くは単に物理的に保持されているにすぎないことか
ら、最高の硬度を有する材料であるダイヤモンドの特性
を十分に発揮しているとは言い難い。
【0003】マトリックスによるダイヤモンドの保持強
度を高めるために、ダイヤモンドの表面に各種の被覆を
形成する技術が多数提案されている。例えばレジンボン
ド工具に用いられる砥粒乃至ダイヤモンド粒子には、表
面積の増加と若干の化学結合性の付与とを目的として、
粒子表面に金属の被覆層を形成することが行われてい
る。典型的には電気メッキまたは化学メッキによって、
ダイヤモンド粒子表面にニッケルや銅の被覆層を形成
し、被覆金属とマトリックス材との間における接合強度
の向上が図られている。
【0004】しかしこの場合、被覆金属とダイヤモンド
との間の化学結合力が弱いので、砥粒に大きな力が加わ
ると、上記被覆層が剥がれてダイヤモンド粒子が脱落
し、所期の性能が達成されないという欠点がある。
【0005】また樹脂に比べて保持強度の大きな金属や
ガラスを用いて集合砥粒を製作し、表面積の大きな集合
砥粒の形で樹脂中に分散・固定させる技術も実用化され
ている。しかしこれは、マトリックスを樹脂で構成する
際に、相対的に保持強度の大きな金属やガラス中にダイ
ヤモンド粒子を固定するもので、この場合ダイヤモンド
粒子は、金属やガラスによって物理的に保持されている
に過ぎない。
【0006】一方ブロンズやコバルトなどの金属を結合
材に用いるメタルボンド工具においては、結合材として
用いる混合金属粉末中に1mass%以下のチタン金属を予
め添加することも実施されている。これによって、焼結
の際にダイヤモンド表面にTiC層を生ぜしめ、この炭化
物層を介して、ダイヤモンド粒子とマトリックス金属と
の間に化学結合を形成させることによりダイヤモンド砥
粒の脱落を抑制し、この効果によって、工具寿命の延長
を図るものである。
【0007】この成果をより確実にする目的で、メタル
ボンド工具に適した砥粒として、表面に金属チタンない
し炭化チタンを被覆したダイヤモンドも市販されてい
る。
【0008】ダイヤモンドの表面に金属チタンの層を形
成することは、マトリックスによる砥粒の保持強度を高
める観点から、極めて有用な手法である。金属チタンは
ダイヤモンドの表面において固相拡散反応で炭化チタン
を形成する。炭化チタンはダイヤモンドと化学的に結合
するうえ、マトリックスを構成する多くの金属種に対す
る濡れ性も良好であることから、ダイヤモンドが炭化チ
タンを介してマトリックス金属とも化学的に結合し、そ
の結果、マトリックスによる強固な砥粒の保持が実現さ
れる。
【0009】しかし金属チタンの融点は約1660℃である
ことから、ダイヤモンドの特性を損なうことなくダイヤ
モンド粒子の表面に金属チタンの層を形成するために
は、蒸着などのPVDや揮発性化合物の分解によるCV
D等の手法に頼らざるを得ず、このため複雑な装置操作
を必要とするうえ、生産性が低いのが欠点である。
【0010】別の方法として、揮発性の金属カルボニル
化合物を用いたCVD工程によって、炭化物形成金属を
被覆する可能性も知られている (V.G. Syrkine and E.
A. Chernychev: Mat. Tech. Vol. 14、(2) p. 56-61 (1
999))。しかし猛毒のガスを扱う操作であることから、
適用分野が限定される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】 従って本発明の主な
目的は、大きな経費を要する特殊な設備や危険な操作を
伴わずに、ダイヤモンド粒子を表面処理する方法、特
に、ダイヤモンド及び金属と化学的に結合し得る被覆層
を効果的に形成するための方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】 上記の目的は本発明に
よれば、密閉可能な反応容器内を酸素含有雰囲気とした
後、該反応容器内に被覆材金属または被覆材金属を放出
し得る金属化合物及びダイヤモンド粒子を配置して、上
記被覆材金属または金属化合物を処理温度に加熱して金
属または金属酸化物のガス乃至蒸気を発生させ、上記ダ
イヤモンド粒子表面へ導いて接触させ、ダイヤモンド粒
子表面に金属炭化物を形成させることによって達成され
る。
【0013】金属炭化物はダイヤモンド(炭素)に比べる
と、金属やセラミックスとの反応性が高いことから、金
属やセラミックスをマトリックス材料として用いるダイ
ヤモンド工具、ダイヤモンド含有耐摩耗材料中におい
て、保持力の向上に寄与する。
【0014】即ち本発明によって得られた被覆ダイヤモ
ンドを用いる場合、研削工具の製作や、耐摩耗材料の製
作に際しては、マトリックス材料とダイヤモンドとの間
に金属炭化物の層を介した化学的な結合が生じ、マトリ
ックスによる保持強度が向上する。従ってダイヤモンド
粒子の脱落が抑えられ、工具や耐摩耗材料の長寿命化に
よる生産性の向上が達成される。
【0015】
【発明を実施するための形態】 被覆層形成のための被
覆材金属としては、2000℃以下の温度で物質移動に十分
な蒸気圧を生じ、ダイヤモンドと反応して安定な炭化物
を形成することのできる金属が利用可能である。このよ
うな金属の典型的な例としてはSi、Ti、Wを挙げるこ
とができる。
【0016】被覆層形成のためには、また溶融温度が15
00℃以下であってダイヤモンドとの間に少なくとも多少
の化学結合を生じる金属材、例えば銅、Cu-Co、Cu-
Cr、Cu-Ni系等における銅基合金、(Cu、Co、Ni)
と(Si、Ti)相互間で生じる金属間化合物(例えばCo2
Si、CuTi、TiNi3)等も用いることができる。
【0017】本発明方法における蒸気圧の高い金属酸化
物は、反応容器内に、予め形成された酸化物として、或
いは反応容器でこのような酸化物を形成する金属材とし
て配置することができる。前者の典型的な例としてはS
iO及びWOを挙げることができる。
【0018】一方反応容器内の雰囲気中に存在する酸素
と反応して、蒸気圧の高い酸素化合物を形成し得る金属
としてはSi、Ti、V、Zr、Cr、Mo、W、Nb、Ta
等の単体金属、また被覆材金属を放出し得る金属化合物
としてはTiSi2、MoSi2などのケイ化物を挙げること
ができる。
【0019】これらの金属やケイ化物は、酸素と結合し
て低級酸化物の蒸気となり、ダイヤモンドの表面に達し
てダイヤモンドと反応し、安定な炭化物となってダイヤ
モンド表面に付着する。この際に遊離した酸素はまた、
反応容器内に配置されている未反応の金属と反応して低
級酸化物を形成する。即ちこの閉鎖系反応では、酸素を
キャリヤーとした物質移動とダイヤモンド表面への炭化
物形成とが進行する。
【0020】上記のように、ダイヤモンドと被覆材を分
離配置する場合には、被覆材金属は、蒸気乃至ガス状態
で隔壁を通過し、低温部に置かれたダイヤモンド表面に
析出乃至沈積する。加熱されている被覆材金属が部分的
に溶融・流動して隔壁の隙間を塞ぐトラブルを避けるた
めに、ダイヤモンドを隔壁の上方に被覆材金属を下方に
配置するのが好ましい。
【0021】反応容器内に配置された上記被覆材金属ま
たは金属化合物を処理温度へ加熱するには、加熱サイク
ルに要する時間を最小限にするために、誘導加熱法が好
ましい。この場合、上記反応容器はカーボン(非晶質炭
素)で構成するのが適切である。
【0022】本発明方法において、ダイヤモンド砥粒表
面に形成される金属炭化物は、形成時の反応状況に応じ
て、膜状、島状、ウイスカー状などさまざまな形状を呈
し得る。しかし本発明にとって重要な要素はこれらの形
状ではなく、化学反応性の低いダイヤモンド砥粒表面
に、化学的に結合した金属炭化物を設けることである。
【0023】上記のように本発明方法においては、炭化
物形成金属元素を金属酸化物のガス、または金属蒸気の
形でダイヤモンド表面に運ぶという、ガス輸送法の形態
を採っている。従って、反応終了後に、残存被覆材を被
覆されたダイヤモンド粒子からふるい分けによって分離
除去できる場合には、被覆材をダイヤモンド粒子との混
合状態で反応容器に装入することができる。
【0024】しかしこのようなふるい分けによる分離が
不可能な場合、または分離が可能であっても、より均一
性の高い被覆ダイヤモンドを目的とする場合には、反応
容器内に多孔質の高融点化合物製の隔壁を配置して分割
し、一方の区画に被覆を施す粒子状乃至粉末状のダイヤ
モンドを置き、他方の区画に被覆材金属または金属化合
物を配置するのが、より効果的である。
【0025】上記隔壁を配置した反応容器構成を用いる
場合、被覆層の形成は基本的に被覆材を収容した区画を
処理温度に加熱することによって行う。被覆材金属成分
を含むガスは隔壁を通り抜けてダイヤモンド粒子上に到
達し、ダイヤモンドとの反応によって金属炭化物が粒子
表面に形成する。
【0026】上記隔壁を構成する材料としては、Si
C、TiC、TiN、Al23、MgOなどの高融点セラミ
ックスの多孔質焼結体が利用可能である。好ましい例と
しては、気孔率50%のSiC焼結体が挙げられる。かか
る隔壁の使用によってダイヤモンド砥粒と被覆材との直
接接触が防止され、ガス乃至蒸気状態の被覆材がダイヤ
モンド粒子層中に浸透してダイヤモンド粒子表面に触れ
ることがより確実になる。この結果、微粉ダイヤモンド
粒子間の小さな隙間にも被覆材が供給され、粉末表面に
均一度の高い炭化物被覆の形成が可能となる。
【0027】本発明の表面処理は、mmオーダーからμ
mオーダーにわたる広範囲の粒度のダイヤモンド粒子に
適用できる。粗粒のダイヤモンド砥粒に施した被覆は、
例えば鉄製のシャンクに固定して用いるバイトやドレッ
サーにおいて、ダイヤモンドとシャンクとの接合強度の
向上に寄与しする。一方微細砥粒に施した場合、本発明
の被覆は、樹脂や金属をマトリックスとする精密研磨工
具において保持力の改善や、ダイヤモンドを主成分とす
る焼結体の製作時において、ダイヤモンドの表面酸化や
グラファイト化を防止する保護膜として機能する。
【0028】本発明においては、被覆材金属のダイヤモ
ンド表面への移動は、時には金属蒸気としても行われる
が、本質的に金属酸化物蒸気の形態で行われる。このた
め反応容器内にはキャリヤーとしての金属酸化物の成分
である酸素の存在を必要とする。ただし酸化性の雰囲気
中ではダイヤモンドのグラファイト化が促進されるので
好ましくない。それゆえ反応容器は、加熱によって膨張
したガスを放出する一方で、少なくとも反応中に、外
気、特に外気中の酸素の侵入を防止する機能を有する、
閉じられた構成とする必要がある。
【0029】好ましい反応容器の構成例は、被覆部材と
ダイヤモンド砥粒とを炭素質材料で包囲することであ
る。この場合、本発明方法の実施において炭素質容器が
加熱された時に、酸素との反応によりCOガスが生じる
ので、反応容器内が還元性雰囲気に保たれる。
【0030】被覆材を加熱して揮発性のガスを発生させ
るには、加熱の立ち上がりが速い高周波加熱が適してい
る。加熱は主として被覆材を収容した反応容器の区画の
外周から行い、金属蒸気または低級酸化物蒸気を発生さ
せるために、原則として1500℃以上の処理温度を用い
る。被処理材ダイヤモンド粒子を収容している区画の加
熱は、炭化物形成反応を促進することが目的であるの
で、1000℃以下で充分である。
【0031】次に本発明の実施例を、添付の説明図を参
照して説明する。図1及び図2は以下の実施例1及び2
で用いた構成を示す模式図である。
【0032】
【実施例1】 反応容器として、図1に概略示すよう
に、外径40mm、内径35mm、深さ15mmのカーボンるつぼ1
を作製した。この中に、被覆材としてのSi粉末(高純度
化学研究所製、純度99.9%、平均粒径10μm) 5gと、被
加工材の平均粒径120μmの合成ダイヤモンド粉末20gと
の混合物から成る反応アセンブリー2を充填した。直径
40mm、厚さ0.75mmのカーボンシート3を蓋として、るつ
ぼを封鎖した。カーボン製の上記反応容器はまた、高周
波加熱の際の発熱体としても機能した。
【0033】上記反応アセンブリーを、電圧85V、電流
170A、周波数70KHz、高周波印加時間120秒の条件で
高周波誘導加熱(図示せず)に供した。処理温度は、反応
容器外壁面において最高2000℃であった。
【0034】反応生成物は目開き75μmの試験ふるいを
用いて、ダイヤモンドと未反応のSi粉末とに分けた。
処理済みダイヤモンド粒子についてXRD及び顕微鏡観
察、並びにアルカリ溶融を用いた定量分析を行い、ダイ
ヤモンド表面に、ダイヤモンドに対して5mass%のウイ
スカー状乃至粒状SiCの付着が確認された。
【0035】
【実施例2】 反応容器をカーボンシートで作製してダ
イヤモンド粒子の処理を行った。図2に示すように、直
径40mm、厚さ0.75mmのカーボンシート5上に、被覆材と
してSi粉末6(高純度化学研究所製、純度99.9%、平均
粒径10μm) 2gを拡げて置き、この上に隔壁として、直
径40mm、厚さ5mmの多孔性焼結SiC円板7(気孔率50%)を
載せ、円板上に被処理材として、5gの合成ダイヤモンド
粉末8(平均粒径30〜40μm)を拡げて置いた。さらに蓋
として直径40mm、厚さ0.75mmのカーボン円板9を置き、
全体の側面に厚さ0.4mmのカーボンの帯10を巻き付け
た。
【0036】実施例1と同じ条件で高周波誘導加熱を行
った。処理温度は、反応容器のSi粉末を配置した区画
外壁面において最高2000℃とした。この処理によって、
4mass%のSiCが被覆されたダイヤモンドを得た。
【0037】
【実施例3】 実施例2と同様の反応アセンブリーと反
応条件を用い、Si粉末の代わりにSiO粉末(高純度化
学研究所製、純度99.9%、平均粒径10μm)2gを多孔性
SiC円板隔壁の下方に置き、隔壁上には平均粒径30〜4
0μmのダイヤモンド粉末2.5gを置いた。
【0038】反応後のダイヤモンドはXRD、顕微鏡観
察並びにアルカリ溶融を用いた定量分析に供し、粒子表
面がダイヤモンドに対して約8mass%のSiCで一様に被
覆されていることを確認した。
【0039】得られたSi被覆ダイヤモンドを原料に用
いて焼結体を作製した。直径13mm、深さ10mmのタンタル
製容器内にSiCで被覆されたダイヤモンド粉2.0gを入
れ、モリブデン円板で蓋をした後、圧力5GPa、温度1350
℃、保持時間10分の条件で焼結を行った。
【0040】得られた焼結品は厚さ4.5mmのペレット状
で、ヌープ硬さにおいて4000〜4500kgf/mm2の値が得ら
れ、被覆シリコンから転化したSiCを介して緻密な焼結
体になっていることが確かめられた。
【0041】
【実施例4】 実施例2と同様の反応アセンブリー及び
反応条件において、多孔性SiC円板隔壁の下方に、Si粉
末の代わりにW粉末(高純度化学研究所製、純度99.9
%、平均粒径8μm)を置き、隔壁上には平均粒径12〜25
μmのダイヤモンド粉末を置いた。
【0042】反応後のダイヤモンド表面には、ダイヤモ
ンドに対して約12mass%のWCが一様にコートされてい
ることを、XRD、顕微鏡観察並びにフッ硝酸を用いた
定量分析で確認した。
【0043】
【発明の効果】本発明は、簡単な処理工程において、ダ
イヤモンド粒子の表面に金属炭化物または金属の被覆を
施すことを可能にするものである。
【0044】本発明方法で処理したダイヤモンド砥粒を
粉末冶金的に金属質マトリックス中に固定して工具や耐
摩耗材料を製作する際に、材料とダイヤモンド砥粒と
が、被覆を介した化学結合によって強力に接合され、ダ
イヤモンド粒子含有材料の強度、耐久性が大幅に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いた構成を示す模式図である。
【図2】 実施例2で用いた構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 カーボンるつぼ 2 反応アセンブリー 3 カーボンシート 5 カーボンシート 6 Si粉末 7 多孔性焼結SiC円板 8 合成ダイヤモンド粉末 9 カーボン円板 10 カーボン帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤健嗣 栃木県河内郡南河内町緑2−8−10 (72)発明者 石塚博 東京都品川区荏原六丁目19番2号 Fターム(参考) 4G077 AA01 BA03 FJ06 HA13 4K029 AA04 BA56 BA57 BD05 CA01 DB19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉可能な反応容器内を酸素含有雰囲気と
    した後、該反応容器内に被覆材金属または被覆材金属を
    放出し得る金属化合物及びダイヤモンド粒子を配置し
    て、上記被覆材金属または金属化合物を処理温度に加熱
    して金属または金属酸化物のガス乃至蒸気を発生させ、
    上記ダイヤモンド粒子表面へ導いて接触させ、ダイヤモ
    ンド粒子表面に金属炭化物を形成させることを特徴とす
    る、ダイヤモンド粒子の表面処理法。
  2. 【請求項2】上記金属または金属化合物が微粉状態でダ
    イヤモンド粒子と混合されて反応容器内に配置される、
    請求項1に記載のダイヤモンドの表面処理法。
  3. 【請求項3】上記ダイヤモンド粒子と金属または金属化
    合物を、多孔質・高融点材料性の隔壁を介して反応容器
    内に分離配置し、該隔壁を通して発生ガス乃至蒸気をダ
    イヤモンド粒子表面へ導く、請求項1に記載のダイヤモ
    ンドの表面処理法。
  4. 【請求項4】上記金属化合物が金属酸化物または金属間
    化合物である、請求項1に記載のダイヤモンドの表面処
    理法。
  5. 【請求項5】上記金属または金属化合物の処理温度への
    加熱を誘導加熱によって行う、請求項1に記載のダイヤ
    モンドの表面処理法。
  6. 【請求項6】上記反応容器が本質的にカーボンで構成さ
    れる、請求項1に記載のダイヤモンドの表面処理法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5127007B1 (ja) * 2012-02-28 2013-01-23 嘉五郎 小倉 ダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法

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JP5127007B1 (ja) * 2012-02-28 2013-01-23 嘉五郎 小倉 ダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法

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