JP5127007B1 - ダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法と、その方法によって強固に非剥離性金属被覆を施されたダイヤモンドを提供する。
【解決手段】ダイヤモンドに非剥離性の金属被覆を大気中で施す方法であって、ダイヤモンドとCr金属粉と酸化Cr粉の混合粉または単体のCr金属粉のいずれかの金属粉と崩壊助剤及び加熱装置を準備する第一工程と、金属粉と崩壊助剤とダイヤモンドを混合し容器に閉じ込める第二工程と、容器を加熱し、金属粉とダイヤモンド表面を化学反応させる第三工程と、ダイヤモンドと金属粉と崩壊助剤の混合物を冷却する第四工程と、冷却混合物から金属被覆されたダイヤモンドを分離回収する第五工程とからなる方法。崩壊助剤の作用により焼き締まりを防ぐとともに冷却混合物の崩壊を促進させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法と、その方法によって強固に非剥離性金属被覆を施されたダイヤモンドに関する。
従来、ダイヤモンドは不活性物質として評価され、それを固定するには、例えば指輪のように金属で爪を作り、その中央にダイヤモンドを載置して、光の採光の役目も有るが、先の爪を折り曲げてダイヤモンドを押さえ込んで固定していた。
工業用に至っては、従来からダイヤモンドは金属と強固な結合ができないと証されており、特に単石または多石ドレッサーなどは強固な金属に穴を穿ち粉末冶金の技術を使用して、未処理のダイヤモンドを強固に固定してダイヤモンドの一部を露出させて使用してきた。
また、ダイヤモンド一般工具は、選ばれた粒度の未処理のダイヤモンドと被削材に適合した金属合金粉末を混合して焼結して使用している。
しかしながら、従来のダイヤモンド工具におけるダイヤモンド砥粒は、焼結や電解メッキにより固定されている金属及び金属化合物の硬度による補強を頼りに研削作業を行い、作業中の衝撃により発生した間隙で容易に砥粒が脱落するので、作業性に改善の余地が有った。
また、一般的なコーティングダイヤモンドとは、レジノイドボンド工具やナイロン変成樹脂ボンド工具等、金属ボンドよりも大幅に把握力が劣る有機質のダイヤモンドに対する密着力をカバーするために、ダイヤモンドには密着性は無いが無電解メッキ技術を利用し,表面に仮コーティングし、更にその表面上に電解メッキを施し、メッキ金属を比較的厚めに(約0.03〜0.10m/m程度)コーティングし、その金属と有機物素材の密着性の固着強度を強化し、更にメッキ金属のダイヤモンドの把握力を利用することを考慮した商品で、当研究により発見された化学的結合反応で形成されている非剥離性金属被覆技術による非剥離性金属被覆されたダイヤモンドとは、利用する目的と使用範囲を自ずと異にする。
特表2002−511345号公報
そこで、本発明は、大気中において、密着性が高い金属被覆をダイヤモンドに施すことができるダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法と非剥離性金属被覆したダイヤモンドを他の金属に強固に接合することができるダイヤモンドと金属の接合方法を提供する。
(1)ダイヤモンドに非剥離性の金属被覆を大気中で施す方法であって、
ダイヤモンドとCr金属粉と酸化Cr粉の混合粉または単体のCr金属粉のいずれかの金属粉と崩壊助剤及び加熱装置を準備する第一工程と、
前記第一工程で準備した金属粉と崩壊助剤とダイヤモンドを混合し容器に閉じ込める第二工程と、
前記第二工程で用意した容器を加熱し、前記金属粉とダイヤモンド表面を化学反応させる第三工程と、
前記第三工程で加熱された容器を加熱装置から取りだして冷却し、前記ダイヤモンドと金属粉と崩壊助剤の混合物を冷却する第四工程と、
前記冷却混合物から金属被覆されたダイヤモンドを分離回収する第五工程とからなり、
前記崩壊助剤の作用により焼き締まりを防ぐとともに冷却混合物の崩壊性を促進させることを特徴とするダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法の構成とした。
(2)
前記崩壊助剤を、1150℃から1160℃においてダイヤモンドと共存しても、ダイヤモンドと反応せず、共存するCr金属粉及び/又は酸化Crとダイヤモンドの化学反応を阻害しない崩壊助剤としたことを特徴とする(1)に記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法の構成とした。
(3)
前記崩壊助剤が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、タングステン、炭化タングステン、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、立方晶窒化ホウ素、酸化ジルコニアの内から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(2)に記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法の構成とした。
(4)
前記金属粉がCr金属粉であって、Cr金属粉と前記崩壊助剤を、1:1〜1:5の重量割合で配合したことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法の構成とした。
(5)
前記第一工程のダイヤモンドを、非剥離性金属被覆を必要としない箇所に金属被覆防止剤加工を施したダイヤモンドとしたことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法の構成とした。
(6)
前記金属被覆防止剤を、純水30%と水ガラス70%の溶液に崩壊助剤の粉末を混和した金属被覆防止剤としたことを特徴とする(5)に記載のダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法の構成とした。
(7)
前記第五工程の後に、ダイヤモンドの非剥離性金属被覆部分に金属を接合する第六工程とからなることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかにダイヤモンドと金属の接合方法の構成とした。
(8)
(1)乃至(6)のいずれかに記載のダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法によって造られる非剥離性金属被覆ダイヤモンドの構成とした。
本発明は上記のような構成であるため、ダイヤモンド表面に密着性の高い金属コーティングを施すことができ、全面的な使用や適量の分量を未処理ダイヤモンド砥粒と混合し工具として使用すると、工具の加工性、形状維持性、耐摩耗性の維持等、性能の高いダイヤモンド工具を提供することができると共に被削材の高精度化が期待できる。
また、金属被覆防止剤の塗布は、はダイヤモンドの接合を必要な部分にのみに非剥離性金属被覆を施すことができ、不要な部分に鑞材が流れ付着する事無く、鑞接加工行程の単純化が計れるのみならず、すでに精密に研磨されたダイヤモンドの仕上がり面をも保護することができる。そのことで非剥離性金属被覆面を容易に判別が可能になり、鑞接行程も容易になる。
以上から、従来のような爪を用いた押さえ込みの固定や金属粉末冶金技術を用いて不安定な状況下での工業的使用をなくすことができる。
更に、金属粉を加熱、冷却すると、金属粉体同士の融着(以下、「焼き締まり」という。)により塊となり解離性が悪化し非剥離性金属被覆ダイヤモンドの回収困難が懸念されるが、崩壊助剤を使用したことで非剥離性金属被覆ダイヤモンドを冷却混合物から容易に回収できる
この技術の発見と発明の最大の特徴は、ダイヤモンドに非剥離性金属被覆を行うすべての操作の工程が大気中で行われることである。よくダイヤモンドに関する文献や資料には操作方法や処理方法について真空や置換炉、又は高圧チャンバーなどの器具内の操作が報告されているが、粉末金属のプレス機、ガス置換炉(被加工物の性質によっては真空状態のまま焼結や鑞付け等、また真空チャンバー内に水素や、窒素など不活性ガス等を導入し、ダイヤモンドの固定作業を行うが)等の大型機材を必要とせずダイヤモンド工具の製造加工ができる
本発明であるダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法のフローチャートである。
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明であるダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法のフローチャートである。
図1に示すように、本発明であるダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法1は、ダイヤモンドに非剥離性の金属被覆をする方法であって、ダイヤモンドと金属粉及び加熱装置を準備する第一工程2と、前記第一工程2で準備した金属粉とダイヤモンドを混合し容器に閉じ込める第二工程3と、前記第二工程3で用意した容器を加熱する第三工程4と、前記第三工程4で加熱された容器を加熱装置から取りだして冷却する第四工程5と、前記第四工程5で冷却された容器に閉じ込められているダイヤモンドを金属粉から分離回収する第五工程6とからなる。
前記第一工程2は、本発明の準備工程であり、非剥離性金属被覆をする未処理のダイヤモンド8と非剥離性金属被覆用金属粉9と被覆処理後の混合物の崩壊性促進に携わる金属または無機物質(以下「崩壊助剤」という。)の混合金属粉を準備する。
前記非剥離性金属被覆用金属粉9としての18Cr−8Niのステンレスパウダーは、この技術開発の発端となった金属粉であるが、選考の上、選び出されたダイヤモンドに非剥離性金属被覆用パウダーは酸化クロムや金属クロムであってもよい。但し、すべての金属は加熱により、お互いの活性化が起こり、溶けないまでも金属分9の焼き締まり反応があり非剥離性金属被覆されたダイヤモンドをも焼き締まり金属内に閉じ込められ、塊からダイヤモンドを容易に回収できなくなるため、崩壊助剤13を加えた金属粉とし、加熱冷却処理された混合物から容易に非剥離性金属被覆されたヤモンドを分離する必要がある。
尚、前記崩壊助剤13とは、ダイヤモンド8と金属粉9の反応に関与しない、又は、関与したとしてもダイヤモンドに被覆した非剥離性金属11aの表面動作を阻害しない物質即ち、1150℃から1160℃においてダイヤモンドに非剥離性金属被覆を施した後に、非剥離性金属被覆金属の表面に化学的反応を起こし、被覆反応作業の後、その金属表面が鑞付け行為を阻害されない物質すべてを云い。前記無機物質には、例えば、
炭化ケイ素 SiC
酸化ケイ素 SiO
タングステン W
炭化タングステン WC
酸化アルミニウム Al
酸化マグネシウム MgO
立方晶窒化ホウ素 CBN
酸化ジルコニア ZrO
などである。
また、前記金属粉が金属クロムである場合は、前記崩壊助剤を混合して、前記金属粉(金属クロム)と崩壊助剤の分量を1:1から1:5とした金属粉とする。
前記第二工程3は、被覆前の設置工程である。まず、酸素が流入してこない容器10を準備し、容器10に前記非剥離性金属被覆用金属粉9を満たす。次に、前記非剥離性金属被覆用金属粉9に非剥離性金属被覆をするダイヤモンド8を設置する。この場合、大型単結晶であれば、容器内の混合粉内にピンセットで埋設するが、粉体に近いものであれば、混合金属粉体と同時に混和し容器10に充填する。
例えば、単結晶ダイヤモンドを使用して、ダイヤモンドの表面全てに非剥離性金属被覆をする場合は、前記ダイヤモンド8を非剥離性金属被覆剤に崩壊助剤を混合した金属粉9内に埋設すればよく、ダイヤモンド8の一部に非剥離性金属被覆をする場合は、金属被覆をしない部分にレジストを被覆し、前記金属粉9に埋設すればよい。
但し、上記のような方法でダイヤモンド8の一部に非剥離性金属被覆をしたい場合、正確な場所に確実に被覆を施すことが難しく、また容器の大きさにより一度に被覆できるダイヤモンドの数が限られてしまうため、ダイヤモンド8に被覆防止加工を行ってからダイヤモンド8全体を前記非剥離性金属被覆用金属粉9に埋設して部分被覆をした方が効率が良い。
前記被覆防止加工とは、前記第一工程のダイヤモンド(非剥離性金属被覆処理前のダイヤモンド)の非剥離性金属被覆をしない箇所に金属被覆防止剤(レジスト)加工をする工程である。
前記被覆防止加工には被覆防止剤を使用し、前記第一工程2のダイヤモンド表面の被覆を必要としない部分に前記金属被覆防止剤を塗布する。前記金属被覆防止剤は、純水30%と水ガラス(珪酸ソーダ)70%の溶液に前記崩壊助剤13の粉末を混和した金属被覆防止剤である。
前記第三工程4は、ダイヤモンド8の被覆工程である。前記第二工程3で非剥離性金属被覆用金属粉9及びダイヤモンド8を設置した容器10に外気が流入しないよう蓋をし、電気炉及びバーナー等で加熱する。前記容器10の容量が30ccである場合の容器10の加熱時間は、1150℃から1155℃に達してから15分〜30分程度である。
尚、少なくとも前記第一工程2から第五工程6までは、大気中で行うため、夏場と冬場の加熱時間が多少異なる。即ち、夏場であれば1150から1155℃に達してから15〜20分程度で被覆は完了し、冬場であれば20〜25分程度で被覆が完了する。但し、寒冷地や温暖地など地理的なものも考慮すると概ね15〜30分の間に被覆を完了することができる。
前記第四工程5は、冷却工程である。前記容器10の加熱を止めて容器10全体を冷ます。これによって、ダイヤモンドと金属粉及び崩壊助剤の冷却混合物(塊)が形成される。この冷却について徐々に行っても、急冷してもダイヤモンド8と非剥離性金属被覆の強度は変わらないので、いずれの方法で冷却してもよい。
前記第五工程6は、取出工程である。前記第四工程5で冷却された冷却混合物からダイヤモンド8を取り出すと、ダイヤモンド8の表面のうち前記非剥離性金属被覆用金属粉9に接触していた部分に非剥離性金属被覆が施されている。尚、前記ダイヤモンド8に被覆防止剤を塗布していた場合は、その塗布部分以外のダイヤモンド8の表面に非剥離性金属被覆が施されている。前記ダイヤモンド8が大型単結晶である場合は容易に取り出すことができるが、粉体の場合は崩壊助剤の存在で容易に分離抽出するできるので、篩い分けをして取り出すことができる。
前記第六工程7は、本発明であるダイヤモンドと金属の接合方法であり、前記第五工程6の後に、ダイヤモンドの金属被覆部分に金属を接合する工程である。
前記第一工程2から第五工程6を経たダイヤモンドには密着性の高く強固に被覆された金属部分11aがあり、この金属部分11aに他の金属12を鑞接又は半田付けをすることができる。尚、前記金属12はダイヤモンドの膨張係数に近い数値を持つ金属であることが好適である。
以上のように、非剥離性金属被覆をしたダイヤモンドは、他の金属と直接鑞接又は半田付けをして接続することができるため、必要且つ充分な大きさで接合し、従来の粉末冶金など強度を増すためのダイヤモンド原石の大型化や、ダイヤモンドの作業点をカバーするための大型補強は必要としないために、小型化については最小限の材料で製品を作り出すことが可能となる。
まず、たとえてみると、単結晶ダイヤモンドとして利用する場合、レコード針、(点刻の)彫刻ペン、けがきペン、印字ペン、かみ切り、、各種ダイヤモンド・バイト、耐摩耗性部品、温度測定用端子(センサー)、形状測定端子、ガラス切り、ピボット、ダイス、触針などの分野でダイヤモンド単石を強固に固着することができる。
また、導電性ダイヤモンドとして利用する場合、テスター・測定端子や小型モーター・ブラシなどの分野で利用することができる。導電性ダイヤモンドとは、天然ダイヤモンドにもごく僅か存在しますが、導電率もほんの僅かで産出量は微量です。人工的にはボロン元素をダイヤモンド内に含有(ドーピング)させて導電率を上げ合成できるので、含有率により導電性率が異なりますが、その導電率の数値制御で測定端子として用います。金属端子ですと接触や擦りで剥がれた金属がICの機能を劣化させてしまうのを避けたり、電極部分の極小化が可能です。金属電極の場合表面酸化によるデータのばらつきを押さえることが可能である。
また、天然ダイヤモンド及び人造ダイヤモンドの砥粒として利用する、所謂ダイヤモンド工具の場合、従来のように真空蒸着やCVD等でダイヤモンドを囲んでいる金属の強度で補強しているものとは異なり、加工性(研削比)、形状維持性(精度)、工具の耐摩耗性(寿命)などが大幅に改善される。
更に、高熱伝導性と高絶縁性を利用することができる。金属同士の接触により導電性検査が許されない場合、非剥離性金属被覆面側に温度測定端子を固定し、反対側の被覆金属のない側で発熱体に接触し温度を測定する事ができる。
加えて、潤滑性と耐摩耗性を利用することができる。天然、及び人造ダイヤモンドの比較的大きな面を利用して、摺動面に対して潤滑性を利用することやピボットとして耐摩耗性軸芯として軽量化を図ることができる。
以上「0040」「0041」「0042」「0043」についてはこの技術を使用しての製品が生産されている物もあるが、この技術が公知になることで、より多くの製品の技術革新や技術発展が期待される。
尚、非剥離性金属被覆を施したダイヤモンドの使用方法についての留意点は、
1.単石で非剥離性金属被覆が施されている場合、大気中でのフラックスを用いて鑞材との接合は可能である。
2.面積にも依るが、多石を用いて1.の接合が可能である。
3.粉体、約400メッシュ以上の砥粒についての接合では、真空機器を用いた方が仕上がりが良い。
尚、崩壊助剤としての粉末金属を混合せず高熱によるダイヤモンドに対しての非剥離性金属被覆工程中においてのCr金属の表面同士の挙動は、隣接し合う金属粉の接触面において焼け締まり現象が起るが、非剥離性金属被覆したダイヤモンド上のクロム金属には焼け締まり現象が起こらないで、容易に分別可能で有るという点については以下のように考察する。
非剥離性金属処理を行っている現場での現象は、金属Cr(融点1890℃)が処理温度1150〜1160℃の時に無酸素状態(非酸化の環境)において昇華現象を起こし高温にさらされているダイヤモンド表面に活性化現象が起こり優先的に昇華したCr原子が結合すると考えられ、その現象が起きている空間は我々にしては極僅かな間隙であるが、原子単位では大きな幅で空間が存在すると推察せざるを得ない現象である。
ダイヤモンドの原子の並びは極細密充填とみなされ、その活性化された結合手は活性化された全ての他の物質とは、結合に相容れない距離であるから、ダイヤモンドは安定で不活性であると認識されていますが、考え方を変えると鉄には二価の鉄や三価の鉄があるように、Cr金属化合物にも多価の化合物があります。
例えば酸化CrのCrは三価(安全)であり、Crは五価(安全)の金属であり、硫酸CrはCr(SOとなり六価(有害物質)のCrとなる。この場合、クロム金属は酸、アルカリなど無機化合物と反応する場合は、有害物質となる可能性はあるが、この非剥離性金属被覆の現象は金属そのものの反応で有り、当反応は1150−1160℃の高温に遭遇しダイヤモンドの結合手と三価または五価の金属Crの結合手同士が炭素原子の距離をまたがって結合し、ダイヤモンド表面に金属Crが被覆される反応が行われると考察できる。
本発明であるダイヤモンドに非剥離性金属を被覆する方法によって得られる、非剥離性金属被覆ダイヤモンドは、単石はもとより砥粒となったダイヤモンドで有っても鑞材や半田付けにおいても,鑞材の強度に応じた接合強度を現し、必要な所に必要な大きさで,金属台座に溶接設置が可能である。
そのためダイヤモンド工具を扱う領域を始め、レコード針、彫刻ペン、けがきペン、かみ切り、耐摩耗性部品、各種端子等の幅広い領域に多大な貢献をもたらす。以上、上記の非剥離性金属被覆技術は、ダイヤモンドが非常に高価な時代に考案された故に、小型の範囲で処理を行う方法報告したが、量産性を求めるときには、崩壊助剤や被覆すべき主材料は変更することなく、ベルトコンベア式のトンネル炉などを駆使して、作業に対応した行程を配慮する事が考察される。
前項「0046」に記した密着性が高く強固に接合できる。と在るが、[先行技術文献]「0007」の技術データを参考にすると、レコード針生産時針先を仕上げて、目的の寸法に削り出す前の治具ロッドについて居るまま、切断強度測定器に載置し、横方向から針先を切断する方向に置き針式加重測定器でダイヤモンドと金属の接合部分の接合強度を測定した。
その強度測定は生産ロットごと行い、そのダイヤモンド溶着型レコード針の溶着強度の報告では1ミリ平方に換算すると、25ー30キログラムの強度が在るが、ほとんどすべての針の金属台座にダイヤモンドが破壊されて付着していたとの報告が有り、発明者本人が行った強度測定実験についても同じ結果が出た。
その実験とは、平面を有するダイヤモンド表面に非剥離性金属を被覆したその表面に2mmφの鉄棒を垂直に鑞接し、抗切テスト(ダイヤモンドに金属棒をたてた、その鑞接部分を強引に横方向に力を加え、壊れるまで力を加えて,その溶接強度を測定する方法)を行った。
その結果、溶接部分より5ミリの部分が折れ曲がり、ダイヤモンドは強固に接合されたままで、剥ぎ取られず強度測定はできなかったので、強引に梃子の方法を用いて剥ぎ取った結果実験に使用した五個のダイヤモンドすべての溶着部分のダイヤモンドがえぐり取られており、金属棒の溶着していた先端に、ダイヤモンドのえぐられた部分が密着していた。
これらのデータや実験から、得られた結論は、非剥離性金属を被覆した金属とダイヤモンドは化学反応により強固に結合されていると考察せざるを得ず、この実験操作の結論は,ダイヤモンドの強度を測定したと結論づけた。
1 ダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法
2 第一工程
3 第二工程
4 第三工程
5 第四工程
6 第五工程
7 第六工程
8 ダイヤモンド
9 非剥離性金属被覆用金属粉
10 容器
11 金属被覆されたダイヤモンド
11a 金属部分
12 金属
13 崩壊助剤

Claims (7)

  1. ダイヤモンドに非剥離性の金属被覆を大気中で施す方法であって、
    ダイヤモンドとCr金属粉と酸化Cr粉の混合粉または単体のCr金属粉のいずれかの金属粉と崩壊助剤及び加熱装置を準備する第一工程と、
    前記第一工程で準備した金属粉と崩壊助剤とダイヤモンドを混合し容器に閉じ込める第二工程と、
    前記第二工程で用意した容器を加熱し、前記金属粉とダイヤモンド表面を化学反応させる第三工程と、
    前記第三工程で加熱された容器を加熱装置から取りだして冷却し、前記ダイヤモンドと金属粉と崩壊助剤の混合物を冷却する第四工程と、
    前記冷却混合物から金属被覆されたダイヤモンドを分離回収する第五工程とからなり、
    前記崩壊助剤の作用により焼き締まりを防ぐとともに冷却混合物の崩壊性を促進させることを特徴とするダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法。
  2. 前記崩壊助剤を、1150℃から1160℃においてダイヤモンドと共存しても、ダイヤモンドと反応せず、共存するCr金属粉及び/又は酸化Crとダイヤモンドの化学反応を阻害しない崩壊助剤としたことを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法。
  3. 前記崩壊助剤が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、タングステン、炭化タングステン、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、立方晶窒化ホウ素、酸化ジルコニアの内から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項2に記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法。
  4. 前記金属粉がCr金属粉であって、Cr金属粉と前記崩壊助剤を、1:1〜1:5の重量割合で配合したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法。
  5. 前記第一工程のダイヤモンドを、非剥離性金属被覆を必要としない箇所に金属被覆防止剤加工を施したダイヤモンドとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のダイヤモンド表面に化学的反応により非剥離的に金属を被覆する方法。
  6. 前記金属被覆防止剤を、純水30%と水ガラス70%の溶液に崩壊助剤の粉末を混和した金属被覆防止剤としたことを特徴とする請求項5に記載のダイヤモンドの非剥離性金属被覆方法。
  7. 前記第五工程の後に、ダイヤモンドの非剥離性金属被覆部分に金属を接合する第六工程とからなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項にダイヤモンドと金属の接合方法。
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