JP2003019506A - 金属板の圧延における板反り制御方法 - Google Patents
金属板の圧延における板反り制御方法Info
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- JP2003019506A JP2003019506A JP2001200333A JP2001200333A JP2003019506A JP 2003019506 A JP2003019506 A JP 2003019506A JP 2001200333 A JP2001200333 A JP 2001200333A JP 2001200333 A JP2001200333 A JP 2001200333A JP 2003019506 A JP2003019506 A JP 2003019506A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、金属板（主として厚板材）の熱間
圧延において発生する板反りの制御手段を提供する。 【解決手段】 上作業ロールを圧延方向に移動可能とす
る可変オフセット機構を備えた圧延機により、金属板を
熱間圧延する方法において、前記上作業ロールを圧延さ
れる金属板の上・下面の温度差に応じ、圧延方向に沿っ
て前・後に移動させ、圧延中の金属板の上・下中立位置
を制御する金属板の圧延における板反り制御方法。
圧延において発生する板反りの制御手段を提供する。 【解決手段】 上作業ロールを圧延方向に移動可能とす
る可変オフセット機構を備えた圧延機により、金属板を
熱間圧延する方法において、前記上作業ロールを圧延さ
れる金属板の上・下面の温度差に応じ、圧延方向に沿っ
て前・後に移動させ、圧延中の金属板の上・下中立位置
を制御する金属板の圧延における板反り制御方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板（主として
厚板材）の熱間圧延において発生する板反りの制御手段
を提供するものであり、金属板の熱間圧延における板反
りの制御方法に関するものである。
厚板材）の熱間圧延において発生する板反りの制御手段
を提供するものであり、金属板の熱間圧延における板反
りの制御方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】金属板（厚板材）の圧延時に発生する板
反りは圧延能率の低下、圧延設備の破損、製品平坦度の
不良など、圧延工程の生産性や製品品質低下の原因とな
っている。一般に、板反りは圧延材の板厚方向における
上・下非対称性に起因して発生することが知られてお
り、上・下非対称性をもたらす原因としては、圧延材の
上・下面温度差による変形抵抗の差、上・下作業ロール
径やロール回転数差によるロール周速差、上・下の表面
スケール性状差による摩擦係数差などが挙げられる。
反りは圧延能率の低下、圧延設備の破損、製品平坦度の
不良など、圧延工程の生産性や製品品質低下の原因とな
っている。一般に、板反りは圧延材の板厚方向における
上・下非対称性に起因して発生することが知られてお
り、上・下非対称性をもたらす原因としては、圧延材の
上・下面温度差による変形抵抗の差、上・下作業ロール
径やロール回転数差によるロール周速差、上・下の表面
スケール性状差による摩擦係数差などが挙げられる。
【０００３】したがって、板反りを防止する目的で、従
来よりこれら非対称要因の解消を図るか、または非対称
要因を特定して、これらを積極的に取り上げ板反り防止
の対策として用いる方法が種々提案されている。例え
ば、特開昭６３―２４８５０６号では、圧延材の板厚方
向温度分布や圧下率などから板反りの方向と大きさを予
見し、これを解消するように上・下ロール周速差を設定
することによって、板反りを制御する方法が提案されて
いる。また、圧延機に付帯する冷却装置や加熱炉の燃焼
制御装置によって、積極的に圧延材に上・下温度差を付
与することにより、板反りを防止する方法や油圧延など
の手段によって、圧延材と作業ロール間の摩擦係数を制
御する方法など多数の提案が成されている。
来よりこれら非対称要因の解消を図るか、または非対称
要因を特定して、これらを積極的に取り上げ板反り防止
の対策として用いる方法が種々提案されている。例え
ば、特開昭６３―２４８５０６号では、圧延材の板厚方
向温度分布や圧下率などから板反りの方向と大きさを予
見し、これを解消するように上・下ロール周速差を設定
することによって、板反りを制御する方法が提案されて
いる。また、圧延機に付帯する冷却装置や加熱炉の燃焼
制御装置によって、積極的に圧延材に上・下温度差を付
与することにより、板反りを防止する方法や油圧延など
の手段によって、圧延材と作業ロール間の摩擦係数を制
御する方法など多数の提案が成されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】一般に、圧延中の金属
板（厚板材）の板反りは圧延材の先端において、圧延材
の噛込みから僅かな時間内で発生する現象である。しか
しながら、上記の特開昭６３−２４８５０６号などで提
案されている上・下作業ロールのロール周速差を板反り
の制御手段として用いる方法では、圧延材を噛込んだ際
のステップ状の負荷トルクによって瞬間的に作業ロール
の回転数が急降下する現象、いわゆるインパクトドロッ
プにより圧延前に予め設定したロール周速差が消滅して
しまう問題があった。
板（厚板材）の板反りは圧延材の先端において、圧延材
の噛込みから僅かな時間内で発生する現象である。しか
しながら、上記の特開昭６３−２４８５０６号などで提
案されている上・下作業ロールのロール周速差を板反り
の制御手段として用いる方法では、圧延材を噛込んだ際
のステップ状の負荷トルクによって瞬間的に作業ロール
の回転数が急降下する現象、いわゆるインパクトドロッ
プにより圧延前に予め設定したロール周速差が消滅して
しまう問題があった。
【０００５】また、ロール周速差によって上・下の中立
位置がことなるためにロール周速の高速側で負荷トルク
が増大することから、ミルモータの能力限界付近で圧延
する場合には、ミルモータの出力トルク限界によっても
板反りを制御するに足る所定のロール周速差が得られな
いという問題もある。一方、冷却装置や加熱炉の燃焼制
御装置によって圧延材に上・下温度分布を付与する方法
も、材質面からの制約やスケール性状による熱伝達係数
のばらつきなどの外乱を受けるため、再現性の高い工業
的な板反り制御手段とはなり得ていないのが実状であ
る。本発明は、以上の点に鑑み、上・下作業ロールの周
速差や上・下温度分布を付与する従来技術の手段や方法
に依らずに、再現性の高い確実な板反り制御手段を提供
することを目的とする。
位置がことなるためにロール周速の高速側で負荷トルク
が増大することから、ミルモータの能力限界付近で圧延
する場合には、ミルモータの出力トルク限界によっても
板反りを制御するに足る所定のロール周速差が得られな
いという問題もある。一方、冷却装置や加熱炉の燃焼制
御装置によって圧延材に上・下温度分布を付与する方法
も、材質面からの制約やスケール性状による熱伝達係数
のばらつきなどの外乱を受けるため、再現性の高い工業
的な板反り制御手段とはなり得ていないのが実状であ
る。本発明は、以上の点に鑑み、上・下作業ロールの周
速差や上・下温度分布を付与する従来技術の手段や方法
に依らずに、再現性の高い確実な板反り制御手段を提供
することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記したかか
る従来技術の課題を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、上・下作業ロールを圧延方
向に移動可能とする可変オフセット機構を備えた圧延機
によって、上・下作業ロールを圧延される金属板の板反
り状況に応じ金属板圧延方向に沿って前・後独立に移動
させることにより、圧延材の上・下中立角を制御するこ
とを特徴とする金属材の圧延における板反り制御方法に
ある。
る従来技術の課題を解決するためになされたものであっ
て、その要旨するところは、上・下作業ロールを圧延方
向に移動可能とする可変オフセット機構を備えた圧延機
によって、上・下作業ロールを圧延される金属板の板反
り状況に応じ金属板圧延方向に沿って前・後独立に移動
させることにより、圧延材の上・下中立角を制御するこ
とを特徴とする金属材の圧延における板反り制御方法に
ある。
【０００７】本発明の具体的手段についって述べれば下
記の如きものである。 （１）上作業ロールを圧延方向に移動可能とする可変オ
フセット機構を備えた圧延機により、金属板を熱間圧延
する方法において、前記上作業ロールを圧延される金属
板の上・下面の温度差に応じ、圧延方向に沿って前・後
に移動させ、圧延中の金属板の上・下中立位置を制御す
る金属板の圧延における板反り制御方法。 （２）金属板の熱間圧延において、下作業ロールを圧延
方向に移動可能とする可変オフセット機構を備えた圧延
機により、下作業ロールを圧延される金属板の板反り状
況に応じ、予め圧延方向に沿って前・後に移動させ、圧
延材の上・下中立位置を制御する金属板の圧延における
板反り制御方法。 （３）金属板の熱間圧延において、上・下作業ロールを
圧延方向に移動可能とする可変オフセット機構を備えた
圧延機により、上・下作業ロールを圧延される金属板の
板反り状況に応じ、予め圧延方向に沿って上・下作業ロ
ールをそれぞれ逆方向に前・後に移動させ、圧延材の上
・下中立位置を制御する金属板の圧延における板反り制
御方法。
記の如きものである。 （１）上作業ロールを圧延方向に移動可能とする可変オ
フセット機構を備えた圧延機により、金属板を熱間圧延
する方法において、前記上作業ロールを圧延される金属
板の上・下面の温度差に応じ、圧延方向に沿って前・後
に移動させ、圧延中の金属板の上・下中立位置を制御す
る金属板の圧延における板反り制御方法。 （２）金属板の熱間圧延において、下作業ロールを圧延
方向に移動可能とする可変オフセット機構を備えた圧延
機により、下作業ロールを圧延される金属板の板反り状
況に応じ、予め圧延方向に沿って前・後に移動させ、圧
延材の上・下中立位置を制御する金属板の圧延における
板反り制御方法。 （３）金属板の熱間圧延において、上・下作業ロールを
圧延方向に移動可能とする可変オフセット機構を備えた
圧延機により、上・下作業ロールを圧延される金属板の
板反り状況に応じ、予め圧延方向に沿って上・下作業ロ
ールをそれぞれ逆方向に前・後に移動させ、圧延材の上
・下中立位置を制御する金属板の圧延における板反り制
御方法。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明は上記した手段により熱間
圧延時の金属の厚板材での板反りの解消を図ったもので
あるが、本発明の依って来るところの原理について説明
する。板の圧延においては図１に示すように圧延に伴う
減厚により、圧延機入側から出側に向かって厚板材の進
行速度が次第に増大し、この圧延材の進行速度と作業ロ
ールの周速が等しくなる中立角φｎ、あるいは中立位置
ｘｎが存在する。このとき中立位置より出側では圧延材
の進行速度がロール周速よりも速く、入側では圧延材の
進行速度よりもロール周速が遅くなる。
圧延時の金属の厚板材での板反りの解消を図ったもので
あるが、本発明の依って来るところの原理について説明
する。板の圧延においては図１に示すように圧延に伴う
減厚により、圧延機入側から出側に向かって厚板材の進
行速度が次第に増大し、この圧延材の進行速度と作業ロ
ールの周速が等しくなる中立角φｎ、あるいは中立位置
ｘｎが存在する。このとき中立位置より出側では圧延材
の進行速度がロール周速よりも速く、入側では圧延材の
進行速度よりもロール周速が遅くなる。
【０００９】これらの領域は中立位置を境としてそれぞ
れ先進域、並びに後進域と呼ばれ、先進の程度を表すパ
ラメータとして先進率ｆｓが（１）式で定義されてい
る。 ｆｓ＝（ｖｏ−ｖｉ）／ｖｒ ・・・・（１） ここで、ｖｏ：圧延材の出側速度、ｖｉ：圧延材の入側
速度、ｖｒ：作業ロールの周速である。また、先進率ｆ
ｓと中立位置ｘｎには体積速度一定の法則により（２）
式の近似関係が成立することから、中立位置ｘｎの大小
によって先進率ｆｓが増減する、即ち圧延材ｌの出側速
度が増減することが自明である。
れ先進域、並びに後進域と呼ばれ、先進の程度を表すパ
ラメータとして先進率ｆｓが（１）式で定義されてい
る。 ｆｓ＝（ｖｏ−ｖｉ）／ｖｒ ・・・・（１） ここで、ｖｏ：圧延材の出側速度、ｖｉ：圧延材の入側
速度、ｖｒ：作業ロールの周速である。また、先進率ｆ
ｓと中立位置ｘｎには体積速度一定の法則により（２）
式の近似関係が成立することから、中立位置ｘｎの大小
によって先進率ｆｓが増減する、即ち圧延材ｌの出側速
度が増減することが自明である。
【００１０】
ｆｓ＝（Δｈ／ｈｏ）×（ｘｎ／ｌ） ・・・・（２）
ここで、Δｈ：圧下量、ｈｏ：圧延材の出側板厚、ｌ：
投影接触弧長である。一方、良く知られたＫａｒｕｍａ
ｎ（Ｏｒｏｗａｎ）の圧延理論に依れば、圧延材の入、
出側に張力が作用する場合のロールバイト内の釣り合い
条件は（３）式で与えられる。
投影接触弧長である。一方、良く知られたＫａｒｕｍａ
ｎ（Ｏｒｏｗａｎ）の圧延理論に依れば、圧延材の入、
出側に張力が作用する場合のロールバイト内の釣り合い
条件は（３）式で与えられる。
【００１１】
【数１】
ここで、Ｓｏ：出側に作用する張力、Ｓｉ：入側に作用
する張力、ｌ：ロール接触投影長、ｐ：ロール接触弧内
の面圧分布、μ：作業ロールと圧延材間の摩擦係数であ
り、左辺は後進域の摩擦力が圧延材を圧延順方向に送る
力、右辺第１項は先進域の摩擦力が圧延材を圧延逆方向
に戻す力、右辺第２項はロール面圧ｐが圧延材を押し戻
す力である。
する張力、ｌ：ロール接触投影長、ｐ：ロール接触弧内
の面圧分布、μ：作業ロールと圧延材間の摩擦係数であ
り、左辺は後進域の摩擦力が圧延材を圧延順方向に送る
力、右辺第１項は先進域の摩擦力が圧延材を圧延逆方向
に戻す力、右辺第２項はロール面圧ｐが圧延材を押し戻
す力である。
【００１２】（３）式によれば、圧延材を圧延方向に進
めたり戻したりする力が釣り合うように先進域と後進域
の長さ、即ち中立位置ｘｎが決まることから、図１に示
すように、出側張力Ｓｏが圧延進行方向に作用する場合
には圧延材を引き戻す先進域が長くなって出側の材料進
行速度が速くなるが、圧延逆方向に圧縮力として作用す
る場合には出側の進行速度は遅くなる結論が導きだされ
る。
めたり戻したりする力が釣り合うように先進域と後進域
の長さ、即ち中立位置ｘｎが決まることから、図１に示
すように、出側張力Ｓｏが圧延進行方向に作用する場合
には圧延材を引き戻す先進域が長くなって出側の材料進
行速度が速くなるが、圧延逆方向に圧縮力として作用す
る場合には出側の進行速度は遅くなる結論が導きだされ
る。
【００１３】本発明は、このような圧延課程における物
理現象に着目して発明されたものであり、圧延材の上・
下面に作用する出側張力を上・下独立に増減、または正
逆操作することにより圧延材の上・下面の出側進行速度
を異ならしめて、板反りの制御を行おうとするものであ
る。
理現象に着目して発明されたものであり、圧延材の上・
下面に作用する出側張力を上・下独立に増減、または正
逆操作することにより圧延材の上・下面の出側進行速度
を異ならしめて、板反りの制御を行おうとするものであ
る。
【００１４】圧延材の出側張力を操作する手段としては
作業ロールを介して圧延方向に推力を発生させるもので
あれば型式や構造にこだわるものではなく、上・下作業
ロールまたは必要に応じて上・下補強ロールを上・下独
立に圧延方向にオフセット可能な構造を備えた手段であ
れば、例えば、特開平１０−５８０１１号や特開２００
０―１４０９０８号で提案されている装置を対象とする
圧延機の特徴に応じて採用することも可能である。
作業ロールを介して圧延方向に推力を発生させるもので
あれば型式や構造にこだわるものではなく、上・下作業
ロールまたは必要に応じて上・下補強ロールを上・下独
立に圧延方向にオフセット可能な構造を備えた手段であ
れば、例えば、特開平１０−５８０１１号や特開２００
０―１４０９０８号で提案されている装置を対象とする
圧延機の特徴に応じて採用することも可能である。
【００１５】以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳
細に説明する。図２に本発明を実現する圧延機の装置構
成の１例を示したものである。上・下作業ロール１，２
と上・下補強ロール３，４を有する４重式リバース圧延
機において、上作業ロール１は上補強ロール３の軸受箱
５に組み込まれた油圧装置６によって上補強ロール３に
接触保持されており、下作業ロール２はハウジング１５
に組み込まれた油圧装置８によって下補強ロール４に接
触しながら作業ロールを介して補強ロールに駆動トルク
を伝達する構造となっている。
細に説明する。図２に本発明を実現する圧延機の装置構
成の１例を示したものである。上・下作業ロール１，２
と上・下補強ロール３，４を有する４重式リバース圧延
機において、上作業ロール１は上補強ロール３の軸受箱
５に組み込まれた油圧装置６によって上補強ロール３に
接触保持されており、下作業ロール２はハウジング１５
に組み込まれた油圧装置８によって下補強ロール４に接
触しながら作業ロールを介して補強ロールに駆動トルク
を伝達する構造となっている。
【００１６】前述したオフセットの変更は上・下作業ロ
ールの軸受箱９，１０の側面、または上・下作業ロール
の軸受箱９，１０の側面と対向するハウジング側に装着
された油圧シリンダ１１、１２によって行われる。また
必要があれば上・下補強ロールの軸受箱５，７の側面、
または上・下補強ロールの軸受箱５，７の側面と対向す
るハウジング側に装着された油圧シリンダ１３，１４に
よっても行われ、圧延中の水平方向荷重に抗して位置制
御可能な押圧力を有している。
ールの軸受箱９，１０の側面、または上・下作業ロール
の軸受箱９，１０の側面と対向するハウジング側に装着
された油圧シリンダ１１、１２によって行われる。また
必要があれば上・下補強ロールの軸受箱５，７の側面、
または上・下補強ロールの軸受箱５，７の側面と対向す
るハウジング側に装着された油圧シリンダ１３，１４に
よっても行われ、圧延中の水平方向荷重に抗して位置制
御可能な押圧力を有している。
【００１７】以下に、本発明の実施形態の１例として、
板反りを誘発する非対称要因として圧延材の下面温度が
上面温度よりも高いために、下面の延伸が大きくなるこ
とによって上方向に板反りが発生する場合の板反り防止
方法を述べる。なお、圧延材の上・下面温度差は温度計
による測定や加熱炉燃焼制御の実績、または計算によっ
て予め予測されているものとし、圧延材を噛み込む以前
の段階では、それぞれの軸受箱、またはそれぞれの軸受
箱の側面に対向するハウジング側に装着された油圧シリ
ンダ１１、１２、１３、１４は、シリンダロッドを突き
出して圧延方向のギャップを殺すことで負荷噛込みの衝
撃荷重による作業ロール並びに補強ロールの水平移動を
拘束する役目を担うものとする。
板反りを誘発する非対称要因として圧延材の下面温度が
上面温度よりも高いために、下面の延伸が大きくなるこ
とによって上方向に板反りが発生する場合の板反り防止
方法を述べる。なお、圧延材の上・下面温度差は温度計
による測定や加熱炉燃焼制御の実績、または計算によっ
て予め予測されているものとし、圧延材を噛み込む以前
の段階では、それぞれの軸受箱、またはそれぞれの軸受
箱の側面に対向するハウジング側に装着された油圧シリ
ンダ１１、１２、１３、１４は、シリンダロッドを突き
出して圧延方向のギャップを殺すことで負荷噛込みの衝
撃荷重による作業ロール並びに補強ロールの水平移動を
拘束する役目を担うものとする。
【００１８】次に、圧延材を噛み込んだ時点では下作業
ロールの軸受箱１０の側面、または対向するハウジング
側に装着された油圧シリンダ１２によって、下作業ロー
ル３に圧延進行方向とは逆方向の押圧力を与える。その
際、下作業ロール３に与えられた押圧力の一部が圧延材
１の下面に対して前方圧縮力として作用することにな
り、前述した（３）式の釣り合い条件に従って下面の中
立位置ｘｎが出側に移動（矢印方向）することによって
下面の先進率ｆｓが低下するため、下面の延伸が制限さ
れ上方向の板反りが防止できる。また、油圧シリンダ１
２の推力を増減させることで板反りの高さを自在に制御
することも可能である。
ロールの軸受箱１０の側面、または対向するハウジング
側に装着された油圧シリンダ１２によって、下作業ロー
ル３に圧延進行方向とは逆方向の押圧力を与える。その
際、下作業ロール３に与えられた押圧力の一部が圧延材
１の下面に対して前方圧縮力として作用することにな
り、前述した（３）式の釣り合い条件に従って下面の中
立位置ｘｎが出側に移動（矢印方向）することによって
下面の先進率ｆｓが低下するため、下面の延伸が制限さ
れ上方向の板反りが防止できる。また、油圧シリンダ１
２の推力を増減させることで板反りの高さを自在に制御
することも可能である。
【００１９】また、下方向の板反りを防止する場合に
は、上作業ロールの軸受箱９の側面、または対向するハ
ウジング側に装着された油圧シリンダ１１によって上作
業ロール２に圧延進行逆方向の押圧力を作用させれば良
い。本発明は圧延金属厚板の板反りの原因となる該厚板
の上・下面温度差の状態に応じ、作業ロールを圧延方向
（水平方向）に対して前・後にシフトすることにより、
板反りを制御しようとするものであり、その操作方法に
ついては上作業ロールのみをシフトすることによって対
応する場合、下作業ロールのみをシフトすることによっ
て対応する場合があり、さらには前記温度差が大きい場
合には上・下作業ロールをそれぞれ反対方向にシフトす
ることによって対応することも有効な手段であり、この
場合は両者の効果が加算されるのでその効果は倍増す
る。
は、上作業ロールの軸受箱９の側面、または対向するハ
ウジング側に装着された油圧シリンダ１１によって上作
業ロール２に圧延進行逆方向の押圧力を作用させれば良
い。本発明は圧延金属厚板の板反りの原因となる該厚板
の上・下面温度差の状態に応じ、作業ロールを圧延方向
（水平方向）に対して前・後にシフトすることにより、
板反りを制御しようとするものであり、その操作方法に
ついては上作業ロールのみをシフトすることによって対
応する場合、下作業ロールのみをシフトすることによっ
て対応する場合があり、さらには前記温度差が大きい場
合には上・下作業ロールをそれぞれ反対方向にシフトす
ることによって対応することも有効な手段であり、この
場合は両者の効果が加算されるのでその効果は倍増す
る。
【００２０】本発明者らは本発明の効果を確認するた
め、以下の実験を行った。対象とした金属板は厚鋼板で
あり、圧延には作業ロール径１２００ｍｍ、補強ロール
径２３５０ｍｍの４重圧延機を用い、板厚：４０ｍｍ、
板幅：３０００ｍｍ、板長：２０ｍの圧延材を板厚：２
５ｍｍに減厚する圧延を行なった。圧延材の上・下面温
度に差がでるように加熱炉燃焼制御装置によって温度差
を付与し、下面温度が上面温度よりも高くなるようにし
た。圧延材の噛込直後に油圧シリンダによって下作業ロ
ールに圧延逆方向の押圧力を作用させた。その結果を図
３に示す。図３はそれぞれ本発明を適用した場合と比較
のために本発明を適用しなかった場合の圧延直前の上・
下面温度差と、板反り高さの関係を表したものであり、
本発明を適用した場合は明らかに上板反りの高さが低下
しており、下作業ロールに作用させる押圧力が大きいほ
どその効果も高いことが判る。
め、以下の実験を行った。対象とした金属板は厚鋼板で
あり、圧延には作業ロール径１２００ｍｍ、補強ロール
径２３５０ｍｍの４重圧延機を用い、板厚：４０ｍｍ、
板幅：３０００ｍｍ、板長：２０ｍの圧延材を板厚：２
５ｍｍに減厚する圧延を行なった。圧延材の上・下面温
度に差がでるように加熱炉燃焼制御装置によって温度差
を付与し、下面温度が上面温度よりも高くなるようにし
た。圧延材の噛込直後に油圧シリンダによって下作業ロ
ールに圧延逆方向の押圧力を作用させた。その結果を図
３に示す。図３はそれぞれ本発明を適用した場合と比較
のために本発明を適用しなかった場合の圧延直前の上・
下面温度差と、板反り高さの関係を表したものであり、
本発明を適用した場合は明らかに上板反りの高さが低下
しており、下作業ロールに作用させる押圧力が大きいほ
どその効果も高いことが判る。
【００２１】
【実施例】圧延には４重圧延機を用いたが、その圧延機
の作業ロール径は１２００ｍｍであり、補強ロール径２
３５０ｍｍであった。圧延した厚鋼板は、板厚：６０ｍ
ｍ、板幅：３０００ｍｍ、板長：２０ｍであり、その圧
延材を板厚：２０ｍｍに減厚する圧延を行なった。実施
例における厚鋼板の上下面温度差、作業ロールシフト
量、厚鋼板の反りの高さ等を比較例と共に表１に示し
た。
の作業ロール径は１２００ｍｍであり、補強ロール径２
３５０ｍｍであった。圧延した厚鋼板は、板厚：６０ｍ
ｍ、板幅：３０００ｍｍ、板長：２０ｍであり、その圧
延材を板厚：２０ｍｍに減厚する圧延を行なった。実施
例における厚鋼板の上下面温度差、作業ロールシフト
量、厚鋼板の反りの高さ等を比較例と共に表１に示し
た。
【００２２】
【表１】
【００２３】表１中比較例１，２は上・下作業ロールを
いずれも移動させなかった例であり、発明例１，４は上
作業ロールを移動した例、発明例２，５は下作業ロール
を移動した例である。また、発明例３，６は上・下作業
ロールの両方を同時に移動した例である。発明例の１〜
６においては問題なく（上作業ロール、または、下作業
ロールに先端が衝突しない）通板できる反り高さに抑え
ることができた。
いずれも移動させなかった例であり、発明例１，４は上
作業ロールを移動した例、発明例２，５は下作業ロール
を移動した例である。また、発明例３，６は上・下作業
ロールの両方を同時に移動した例である。発明例の１〜
６においては問題なく（上作業ロール、または、下作業
ロールに先端が衝突しない）通板できる反り高さに抑え
ることができた。
【００２４】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれば
金属板（厚板材）におけるの上・下の板反り状況に応
じ、作業ロールを圧延方向に対して前・後にシフトする
ことにより、板板反りを制御することができ、板反りに
よる圧延の能率低下、設備破損、および製品平坦度不良
を低減して圧延の生産性向上、並びに品質向上に多大の
効果をもたらす。
金属板（厚板材）におけるの上・下の板反り状況に応
じ、作業ロールを圧延方向に対して前・後にシフトする
ことにより、板板反りを制御することができ、板反りに
よる圧延の能率低下、設備破損、および製品平坦度不良
を低減して圧延の生産性向上、並びに品質向上に多大の
効果をもたらす。
【図１】圧延に於ける圧延材進行速度と作業ロール周速
の関係を示す図
の関係を示す図
【図２】本発明を適用した４重圧延機の構成例を示す図
【図３】本発明の実験例を示す図
Claims (3)
- 【請求項１】 上作業ロールを圧延方向に移動可能とす
る可変オフセット機構を備えた圧延機により、金属板を
熱間圧延する方法において、前記上作業ロールを圧延さ
れる金属板の上・下面の温度差に応じ、圧延方向に沿っ
て前・後に移動させ、圧延中の金属板の上・下中立位置
を制御することを特徴とする金属板の圧延における板反
り制御方法。 - 【請求項２】 金属板の熱間圧延において、下作業ロー
ルを圧延方向に移動可能とする可変オフセット機構を備
えた圧延機により、下作業ロールを圧延される金属板の
板反り状況に応じ、予め圧延方向に沿って前・後に移動
させ、圧延材の上・下中立位置を制御することを特徴と
する金属板の圧延における板反り制御方法。 - 【請求項３】 金属板の熱間圧延において、上・下作業
ロールを圧延方向に移動可能とする可変オフセット機構
を備えた圧延機により、上・下作業ロールを圧延される
金属板の板反り状況に応じ、予め圧延方向に沿って上・
下作業ロールをそれぞれ逆方向に前・後に移動させ、圧
延材の上・下中立位置を制御することを特徴とする金属
板の圧延における板反り制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001200333A JP2003019506A (ja) | 2001-07-02 | 2001-07-02 | 金属板の圧延における板反り制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001200333A JP2003019506A (ja) | 2001-07-02 | 2001-07-02 | 金属板の圧延における板反り制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003019506A true JP2003019506A (ja) | 2003-01-21 |
Family
ID=19037471
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001200333A Withdrawn JP2003019506A (ja) | 2001-07-02 | 2001-07-02 | 金属板の圧延における板反り制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003019506A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007260775A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-10-11 | Nippon Steel Corp | 金属板材の圧延方法及び圧延装置 |
-
2001
- 2001-07-02 JP JP2001200333A patent/JP2003019506A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007260775A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-10-11 | Nippon Steel Corp | 金属板材の圧延方法及び圧延装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080902 |