JP2003019230A - ウッド型ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ウッド型ゴルフクラブヘッドInfo
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- JP2003019230A JP2003019230A JP2001205105A JP2001205105A JP2003019230A JP 2003019230 A JP2003019230 A JP 2003019230A JP 2001205105 A JP2001205105 A JP 2001205105A JP 2001205105 A JP2001205105 A JP 2001205105A JP 2003019230 A JP2003019230 A JP 2003019230A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アベレージゴルファーの実際の打点分布に合
わせてスウィートエリアを設定する。 【解決手段】 ヘッドの周波数伝達関数を800〜20
00Hzとする。ヘッド1を規定のライ角β、ロフト角で
水平面HPに載置し、原点Oとなるヘッドの重心Gを通
りかつ水平面HPに対して垂直なZ軸と、水平かつフェ
ース面2の図心Agに接する接線Mと平行なX軸と、Z
軸とX軸とに直角なY軸とからなる座標において、ヘッ
ド1の慣性主軸ξ,η,ζのうち、X軸とのなす角度が
最も小さい慣性主軸ξをXZ平面に投影した第1の直線
Eは、トウ側を上かつX軸に対して5゜〜30゜の角度
θ1で傾く。フェース面をXZ平面に投影した投影フェ
ース平面において、その図心を原点とする主軸のうちX
軸とのなす角度が最も小さい主軸のX軸に対する角度θ
2と、前記角度θ1とにおいて、|θ2−θ1|≦8と
する。
わせてスウィートエリアを設定する。 【解決手段】 ヘッドの周波数伝達関数を800〜20
00Hzとする。ヘッド1を規定のライ角β、ロフト角で
水平面HPに載置し、原点Oとなるヘッドの重心Gを通
りかつ水平面HPに対して垂直なZ軸と、水平かつフェ
ース面2の図心Agに接する接線Mと平行なX軸と、Z
軸とX軸とに直角なY軸とからなる座標において、ヘッ
ド1の慣性主軸ξ,η,ζのうち、X軸とのなす角度が
最も小さい慣性主軸ξをXZ平面に投影した第1の直線
Eは、トウ側を上かつX軸に対して5゜〜30゜の角度
θ1で傾く。フェース面をXZ平面に投影した投影フェ
ース平面において、その図心を原点とする主軸のうちX
軸とのなす角度が最も小さい主軸のX軸に対する角度θ
2と、前記角度θ1とにおいて、|θ2−θ1|≦8と
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アベレージゴルフ
ァーの実際の打点分布に合わせてスウィートエリアを設
定することにより、打球の飛距離、方向性を向上しうる
ウッド型ゴルフクラブヘッドに関する。
ァーの実際の打点分布に合わせてスウィートエリアを設
定することにより、打球の飛距離、方向性を向上しうる
ウッド型ゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブヘッドのフェース面には、
スイートスポットをほぼ中心としてその周辺にスイート
エリアが存在する。図10(A)、(B)に示すよう
に、スイートスポットSは、ヘッドaの重心gからフェ
ース面bにひいた法線nが該フェース面bと交わる点で
ある。スイートスポットSで打球すると、打球時のヘッ
ドaの回転ぶれが最小限に抑えられ、ヘッドの運動エネ
ルギーがボールに効率良く伝達され、打球の飛距離が最
大となりかつ意図した方向性が得られる。
スイートスポットをほぼ中心としてその周辺にスイート
エリアが存在する。図10(A)、(B)に示すよう
に、スイートスポットSは、ヘッドaの重心gからフェ
ース面bにひいた法線nが該フェース面bと交わる点で
ある。スイートスポットSで打球すると、打球時のヘッ
ドaの回転ぶれが最小限に抑えられ、ヘッドの運動エネ
ルギーがボールに効率良く伝達され、打球の飛距離が最
大となりかつ意図した方向性が得られる。
【0003】またスイートエリアSAは、スイートスポ
ットSでの反発係数(最大反発係数)に対して、該反発
係数の低下が比較的少ないフェース面b上の打点領域で
ある。従って、スイートスポットSを外して打球した場
合であっても、その打点がスイートエリアSA内であれ
ば飛距離の低下や方向性のずれが許容しうる数ヤード程
度に抑えられる。
ットSでの反発係数(最大反発係数)に対して、該反発
係数の低下が比較的少ないフェース面b上の打点領域で
ある。従って、スイートスポットSを外して打球した場
合であっても、その打点がスイートエリアSA内であれ
ば飛距離の低下や方向性のずれが許容しうる数ヤード程
度に抑えられる。
【0004】打球の飛距離及び方向性に優れたゴルフク
ラブヘッドを提供するために、フェース面のスイートエ
リアSAでボールを打球させる確率を高める技術が種々
提案されている。例えば特開平9−149954号公報
は、アベレージゴルファーのフェース面における実際の
打点分布を調査し、その打点分布がトウ側を上、ヒール
側を下とするほぼ楕円形状になることを開示している。
具体的には、図11に示すように、打点分布を近似した
楕円の長軸Lは、概ね水平面(X軸)に対して10〜4
0゜の角度αとなる。なお図11では、スイートスポッ
トSを原点とする直交座標の横軸がトウ、ヒール方向、
縦軸がクラウン、ソール方向となっている。また前記公
報では、ヘッドの慣性主軸のうち最もX軸に近接する慣
性主軸の傾きを前記楕円の長軸Lに沿うよう水平面に対
して10〜40゜の範囲に設定することにより、アベレ
ージゴルファーの打点分布形状に合わせてスイートエリ
アを設定している。
ラブヘッドを提供するために、フェース面のスイートエ
リアSAでボールを打球させる確率を高める技術が種々
提案されている。例えば特開平9−149954号公報
は、アベレージゴルファーのフェース面における実際の
打点分布を調査し、その打点分布がトウ側を上、ヒール
側を下とするほぼ楕円形状になることを開示している。
具体的には、図11に示すように、打点分布を近似した
楕円の長軸Lは、概ね水平面(X軸)に対して10〜4
0゜の角度αとなる。なお図11では、スイートスポッ
トSを原点とする直交座標の横軸がトウ、ヒール方向、
縦軸がクラウン、ソール方向となっている。また前記公
報では、ヘッドの慣性主軸のうち最もX軸に近接する慣
性主軸の傾きを前記楕円の長軸Lに沿うよう水平面に対
して10〜40゜の範囲に設定することにより、アベレ
ージゴルファーの打点分布形状に合わせてスイートエリ
アを設定している。
【0005】また特開平7−124275号公報では、
平面に投射したフェース形状の主軸の向きを、打点分布
の楕円の長軸に合わせること、具体的には、水平線に対
してトウ側を上にし20〜36゜とすることを提案して
いる。
平面に投射したフェース形状の主軸の向きを、打点分布
の楕円の長軸に合わせること、具体的には、水平線に対
してトウ側を上にし20〜36゜とすることを提案して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、さらなる
飛距離の増大と方向性を安定し得るゴルフクラブヘッド
について種々の研究を行った。飛距離の増大について
は、特公平6−6180号公報に示されるように、ヘッ
ド単体の周波数伝達関数の一次の極小値を示す周波数を
800(Hz)以上かつ1400(Hz)以下に設定した。
これは、ヘッドの周波数伝達関数の一次の極小値を示す
周波数を、ゴルフボールの周波数伝達関数の一次の極小
値を示す周波数に近似させることにより、打球時のエネ
ルギーロスを最小限に抑えて飛距離の増大を図るもので
ある。
飛距離の増大と方向性を安定し得るゴルフクラブヘッド
について種々の研究を行った。飛距離の増大について
は、特公平6−6180号公報に示されるように、ヘッ
ド単体の周波数伝達関数の一次の極小値を示す周波数を
800(Hz)以上かつ1400(Hz)以下に設定した。
これは、ヘッドの周波数伝達関数の一次の極小値を示す
周波数を、ゴルフボールの周波数伝達関数の一次の極小
値を示す周波数に近似させることにより、打球時のエネ
ルギーロスを最小限に抑えて飛距離の増大を図るもので
ある。
【0007】しかしながら、前記周波数を上述の範囲に
設定したヘッドについて、特開平9−149954号公
報のように慣性主軸を傾けて設定すると、意外にも楕円
で近似される前記スイートエリアの長軸の傾きが前記慣
性主軸の傾きと正確に一致しないことが判明した。
設定したヘッドについて、特開平9−149954号公
報のように慣性主軸を傾けて設定すると、意外にも楕円
で近似される前記スイートエリアの長軸の傾きが前記慣
性主軸の傾きと正確に一致しないことが判明した。
【0008】一般に周波数伝達関数の一次の極小値を示
す周波数が800〜1400Hzに設定されたヘッドは、
その剛性が低いため従来のものに比べて打球時の弾性変
形による効果を無視することができない。特に特開平9
−149954号公報では、図12(A)に略示するよ
うに、構えた際の違和感をなくすために、フェース部b
の形状を従来と同様、即ちフェース部bの輪郭が囲む領
域の主軸e1を水平面HPに対して0〜20゜(実施例
では5゜)の小さな角度θaで傾けるとしている(段落
「0108」、「0112」)。
す周波数が800〜1400Hzに設定されたヘッドは、
その剛性が低いため従来のものに比べて打球時の弾性変
形による効果を無視することができない。特に特開平9
−149954号公報では、図12(A)に略示するよ
うに、構えた際の違和感をなくすために、フェース部b
の形状を従来と同様、即ちフェース部bの輪郭が囲む領
域の主軸e1を水平面HPに対して0〜20゜(実施例
では5゜)の小さな角度θaで傾けるとしている(段落
「0108」、「0112」)。
【0009】このようなヘッドでは、各部の肉厚分布や
重量配分などを変化させてヘッドの慣性主軸e2を水平
面HPに対して角度θbで大きく傾けたとしても、フェ
ース部bの形状に由来してトウ側上部の領域f1及びヒ
ール側下部の領域f2が局所的に硬くなり、ヘッドの持
つ運動エネルギーを効率良くボールに伝達することがで
きなくなり、意図した理想のスイートエリアSA’を得
ることができなくなると考えられ、これは実験でも確認
することができた。なお周波数伝達関数の前記周波数が
1400Hzよりも大きいヘッドについては、剛性が高く
打球時のヘッドの弾性変形も少なく、実質的に剛体と考
えることができる。よって、スウィートエリアの長軸の
傾きは、慣性主軸の傾き角度とほぼ同じ傾き角度に設定
できたものと考えられる。
重量配分などを変化させてヘッドの慣性主軸e2を水平
面HPに対して角度θbで大きく傾けたとしても、フェ
ース部bの形状に由来してトウ側上部の領域f1及びヒ
ール側下部の領域f2が局所的に硬くなり、ヘッドの持
つ運動エネルギーを効率良くボールに伝達することがで
きなくなり、意図した理想のスイートエリアSA’を得
ることができなくなると考えられ、これは実験でも確認
することができた。なお周波数伝達関数の前記周波数が
1400Hzよりも大きいヘッドについては、剛性が高く
打球時のヘッドの弾性変形も少なく、実質的に剛体と考
えることができる。よって、スウィートエリアの長軸の
傾きは、慣性主軸の傾き角度とほぼ同じ傾き角度に設定
できたものと考えられる。
【0010】また、図12(B)に略示するように、前
記周波数を上述の範囲に設定したヘッドについて、特開
平7−124275号公報のようにフェース部bを平面
に投射した図形の主軸e1を角度θaで水平面HPに対
して大きく傾けても、ヘッドの一の慣性主軸e2の水平
面に対する角度θbが小さければ、同様にスイートエリ
アの長軸の傾きが前記主軸の傾きと正確に一致しないこ
とが判った。
記周波数を上述の範囲に設定したヘッドについて、特開
平7−124275号公報のようにフェース部bを平面
に投射した図形の主軸e1を角度θaで水平面HPに対
して大きく傾けても、ヘッドの一の慣性主軸e2の水平
面に対する角度θbが小さければ、同様にスイートエリ
アの長軸の傾きが前記主軸の傾きと正確に一致しないこ
とが判った。
【0011】発明者らは鋭意研究を重ねたところ、フェ
ース部を垂直な平面に投影した投影フェース平面の主軸
e1と、ヘッドの一の慣性主軸e2とは、それぞれ独立
したパラメータであること、そしてヘッド単体の周波数
伝達関数の一次の極小値を示す周波数Fを800(Hz)
以上かつ1400(Hz)以下とした低剛性のヘッドにあ
っては、これらを相互に関連づけて規制することが必要
であることを見出した。具体的にはフェース側の主軸e
1、ヘッドの慣性主軸e2とを平行に近づけることがヘ
ッドのスウィートエリアの楕円形状の長軸の傾きを、目
標値通りに正確に設定するために重要であることを見出
した。
ース部を垂直な平面に投影した投影フェース平面の主軸
e1と、ヘッドの一の慣性主軸e2とは、それぞれ独立
したパラメータであること、そしてヘッド単体の周波数
伝達関数の一次の極小値を示す周波数Fを800(Hz)
以上かつ1400(Hz)以下とした低剛性のヘッドにあ
っては、これらを相互に関連づけて規制することが必要
であることを見出した。具体的にはフェース側の主軸e
1、ヘッドの慣性主軸e2とを平行に近づけることがヘ
ッドのスウィートエリアの楕円形状の長軸の傾きを、目
標値通りに正確に設定するために重要であることを見出
した。
【0012】以上のように、本発明は、打球の飛距離を
向上すること、またフェース面のスイートエリアを楕円
で近似した場合に、その形状がアベレージゴルファーの
打点分布に近似するように設定すること、そしてさらに
前記スイートエリアの長軸の傾き角度をヘッドの一の慣
性主軸の傾き(目標値)と正確に一致させることができ
るウッド型ゴルフクラブヘッドを提供することを目的と
する。
向上すること、またフェース面のスイートエリアを楕円
で近似した場合に、その形状がアベレージゴルファーの
打点分布に近似するように設定すること、そしてさらに
前記スイートエリアの長軸の傾き角度をヘッドの一の慣
性主軸の傾き(目標値)と正確に一致させることができ
るウッド型ゴルフクラブヘッドを提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、ヘッド単体の周波数伝達関数の一次の極小
値を示す周波数Fが800(Hz)以上かつ1400(H
z)以下であるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、
ヘッドを規定のライ角、ロフト角で水平面に載置すると
ともに、原点となるヘッドの重心を通りかつ前記水平面
に対して垂直なZ軸と、水平かつフェース面の図心に接
する接線と平行なX軸と、前記Z軸とX軸とに直角に交
わるY軸とからなるX−Y−Z座標において、ゴルフク
ラブヘッドの重心を通りかつ直交する3本の慣性主軸の
うち、前記X軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をX
Z平面に投影した第1の直線は、トウ側を上にしかつ前
記X軸に対して5゜以上かつ30゜以下の角度θ1で傾
くとともに、前記フェース面をXZ平面に投影した投影
フェース平面において、該投影フェース平面の図心を原
点とする主軸のうちX軸とのなす角度が最も小さい主軸
は、X軸に対して角度θ2をなすとともに、前記角度θ
1とにおいて下記式を満たすことを特徴としている。 |θ2−θ1|≦8 …
載の発明は、ヘッド単体の周波数伝達関数の一次の極小
値を示す周波数Fが800(Hz)以上かつ1400(H
z)以下であるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、
ヘッドを規定のライ角、ロフト角で水平面に載置すると
ともに、原点となるヘッドの重心を通りかつ前記水平面
に対して垂直なZ軸と、水平かつフェース面の図心に接
する接線と平行なX軸と、前記Z軸とX軸とに直角に交
わるY軸とからなるX−Y−Z座標において、ゴルフク
ラブヘッドの重心を通りかつ直交する3本の慣性主軸の
うち、前記X軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸をX
Z平面に投影した第1の直線は、トウ側を上にしかつ前
記X軸に対して5゜以上かつ30゜以下の角度θ1で傾
くとともに、前記フェース面をXZ平面に投影した投影
フェース平面において、該投影フェース平面の図心を原
点とする主軸のうちX軸とのなす角度が最も小さい主軸
は、X軸に対して角度θ2をなすとともに、前記角度θ
1とにおいて下記式を満たすことを特徴としている。 |θ2−θ1|≦8 …
【0014】また請求項2記載の発明は、下記式を満
たすことを特徴とする請求項1記載のウッド型ゴルフク
ラブヘッドである。 |θ2−θ1|≦4 …
たすことを特徴とする請求項1記載のウッド型ゴルフク
ラブヘッドである。 |θ2−θ1|≦4 …
【0015】また請求項3記載の発明は、前記角度θ1
が10°以上かつ30°以下であることを特徴とする請
求項1又は2記載のウッド型ゴルフクラブヘッドであ
る。
が10°以上かつ30°以下であることを特徴とする請
求項1又は2記載のウッド型ゴルフクラブヘッドであ
る。
【0016】また請求項4記載の発明は、前記周波数F
が800(Hz)以上かつ1100(Hz)以下であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウッド
型ゴルフクラブヘッドである。
が800(Hz)以上かつ1100(Hz)以下であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウッド
型ゴルフクラブヘッドである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて図面に基づき説明する。図1には、本実施形態のウ
ッド型ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」とい
うことがある。)1の正面図、図2は図1のZY平面で
の縦断面図、図3は図1の斜視図をそれぞれ示してい
る。また図1、図2において、ヘッド1は規定のライ角
β、ロフト角γで水平面HPに載置された測定状態とさ
れている。
いて図面に基づき説明する。図1には、本実施形態のウ
ッド型ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」とい
うことがある。)1の正面図、図2は図1のZY平面で
の縦断面図、図3は図1の斜視図をそれぞれ示してい
る。また図1、図2において、ヘッド1は規定のライ角
β、ロフト角γで水平面HPに載置された測定状態とさ
れている。
【0018】前記ヘッド1は、ボールを打球する面であ
るフェース面2を外表面とするフェース部3と、フェー
ス面2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部
4と、前記フェース面2の下縁2bに連なりヘッド底面
をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5と
の間を継ぎ前記フェース面2のトウ2tからバックフェ
ースを通り前記フェース面2のヒール2eにのびるサイ
ド部6と、フェース部3とクラウン部4とサイド部6と
が交わるヒールh側の交わり部の近傍に配されかつ図示
しないシャフトの一端が装着されるネック部7とを具
え、本例では内部を中空形状とした金属製のものを例示
する。なおウッド型のゴルフクラブヘッドとしては、主
としてティーアップして打球するドライバーの他、フェ
アウエーに直接置かれたボールを打球するフェアウェー
ウッド、さらにはアイアンとドライバーの中間的な形状
を有する中空タイプのいわゆるユーティリティタイプの
ヘッドも含まれうる。
るフェース面2を外表面とするフェース部3と、フェー
ス面2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部
4と、前記フェース面2の下縁2bに連なりヘッド底面
をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5と
の間を継ぎ前記フェース面2のトウ2tからバックフェ
ースを通り前記フェース面2のヒール2eにのびるサイ
ド部6と、フェース部3とクラウン部4とサイド部6と
が交わるヒールh側の交わり部の近傍に配されかつ図示
しないシャフトの一端が装着されるネック部7とを具
え、本例では内部を中空形状とした金属製のものを例示
する。なおウッド型のゴルフクラブヘッドとしては、主
としてティーアップして打球するドライバーの他、フェ
アウエーに直接置かれたボールを打球するフェアウェー
ウッド、さらにはアイアンとドライバーの中間的な形状
を有する中空タイプのいわゆるユーティリティタイプの
ヘッドも含まれうる。
【0019】前記ヘッド1は、一般的に用いられている
種々の材料を用いて形成でき、例えばチタン、チタン合
金、ステンレス、アルミ合金等の1種以上の金属材料、
又は繊維強化樹脂といった非金属材料、さらにはこれら
を複合した複合材料などが挙げられる。なお必要な重量
配分を得るために、比重が大の錘部材などを適宜固着す
ることができる。またヘッド1の体積は、特に限定はさ
れないが、好ましくは180cm3 以上、より好ましくは
220cm3 以上、さらに好ましくは240〜500cm3
程度に大型化することが望ましい。
種々の材料を用いて形成でき、例えばチタン、チタン合
金、ステンレス、アルミ合金等の1種以上の金属材料、
又は繊維強化樹脂といった非金属材料、さらにはこれら
を複合した複合材料などが挙げられる。なお必要な重量
配分を得るために、比重が大の錘部材などを適宜固着す
ることができる。またヘッド1の体積は、特に限定はさ
れないが、好ましくは180cm3 以上、より好ましくは
220cm3 以上、さらに好ましくは240〜500cm3
程度に大型化することが望ましい。
【0020】また前記ネック部7は、その内部にシャフ
ト(図示省略)を挿入し接着剤等にて固着しうるシャフ
ト取付孔9(図2に示す)を具える。このシャフト取付
孔9の軸中心線CLはシャフトが装着された際に該シャ
フトの軸中心線と実質的に一致する。従ってシャフト取
付孔9の軸中心線CLをライ角βに合わせている。
ト(図示省略)を挿入し接着剤等にて固着しうるシャフ
ト取付孔9(図2に示す)を具える。このシャフト取付
孔9の軸中心線CLはシャフトが装着された際に該シャ
フトの軸中心線と実質的に一致する。従ってシャフト取
付孔9の軸中心線CLをライ角βに合わせている。
【0021】本発明では、打球の飛距離を向上するため
に、先ずヘッド単体の周波数伝達関数の一次の極小値を
示す周波数Fを800(Hz)以上かつ1400(Hz)以
下、より好ましくは800(Hz)以上かつ1300(H
z)以下、さらに好ましくは800(Hz)以上かつ12
00(Hz)以下、特に好ましくは800(Hz)以上かつ
1100(Hz)以下に設定する。
に、先ずヘッド単体の周波数伝達関数の一次の極小値を
示す周波数Fを800(Hz)以上かつ1400(Hz)以
下、より好ましくは800(Hz)以上かつ1300(H
z)以下、さらに好ましくは800(Hz)以上かつ12
00(Hz)以下、特に好ましくは800(Hz)以上かつ
1100(Hz)以下に設定する。
【0022】前記「周波数伝達関数」は、物体に固有の
値であり、物体に加速度α1を作用させたときの応答加
速度をα2とするとき、周波数伝達関数Hは、下記式に
より求めることができる。 周波数伝達関数H=(α1のパワースペクトル)/(α
2のパワースペクトル) 一般競技用に用いられるゴルフボールは、概ね糸巻きゴ
ルフボール又はソリッドボールの2種類であるが、いず
れもそれらの周波数伝達関数の1次の極小値を示す周波
数は室温で800〜1400Hzの範囲に含まれ得る。な
お表1には、一例として市販のゴルフボールの周波数伝
達関数の一次の極小値を示す周波数を示す。
値であり、物体に加速度α1を作用させたときの応答加
速度をα2とするとき、周波数伝達関数Hは、下記式に
より求めることができる。 周波数伝達関数H=(α1のパワースペクトル)/(α
2のパワースペクトル) 一般競技用に用いられるゴルフボールは、概ね糸巻きゴ
ルフボール又はソリッドボールの2種類であるが、いず
れもそれらの周波数伝達関数の1次の極小値を示す周波
数は室温で800〜1400Hzの範囲に含まれ得る。な
お表1には、一例として市販のゴルフボールの周波数伝
達関数の一次の極小値を示す周波数を示す。
【0023】
【表1】
【0024】上述のようにヘッドの周波数伝達関数の前
記周波数Fを限定することにより、該周波数Fをゴルフ
ボールのそれに近似させ、ヘッドの運動エネルギーをゴ
ルフボールに効率良く伝達することができ、ひいては打
球の飛距離を最大限に向上させ得る。前記周波数が80
0Hz未満になると、ヘッドの剛性が著しく低下するため
好ましくなく、逆に1400Hzを超えるとゴルフボール
の周波数伝達関数の1次の極小値を示す周波数との差が
広がるため飛距離の増大効果が得られない。従来の多く
のヘッド1では、周波数伝達関数の一次の極小値を示す
周波数は1400Hzよりも大に設定されている。
記周波数Fを限定することにより、該周波数Fをゴルフ
ボールのそれに近似させ、ヘッドの運動エネルギーをゴ
ルフボールに効率良く伝達することができ、ひいては打
球の飛距離を最大限に向上させ得る。前記周波数が80
0Hz未満になると、ヘッドの剛性が著しく低下するため
好ましくなく、逆に1400Hzを超えるとゴルフボール
の周波数伝達関数の1次の極小値を示す周波数との差が
広がるため飛距離の増大効果が得られない。従来の多く
のヘッド1では、周波数伝達関数の一次の極小値を示す
周波数は1400Hzよりも大に設定されている。
【0025】ヘッド1の周波数伝達関数の1次の極小値
を示す周波数Fを上記範囲内に設定するためには、例え
ばフェース部3ないしヘッド全体に低ヤング率の材料を
用いることや、ヘッド各部の厚さを例えば薄くするなど
ヘッドないしフェース部2の剛性を下げることで可能と
なる。一例として、フェース部3がチタン合金製の場
合、図2に示すように、フェース部3の裏面周縁に環状
の凹溝10を設け、フェース部3の周辺を薄肉化するこ
とが望ましい。例えば凹溝10でのフェース部の厚さt
1を1.7〜2.8mm、より好ましくは1.7〜2.2
mmとし、凹溝10で囲まれる中央部の厚さt2(>t
1)を2.3〜3.0mm程度に設定する。また他の部分
の各部の厚さ等を概ね次のように設定することで、周波
数伝達関数の前記周波数Fを約1000Hzとするヘッド
1を得ることができた。 クラウン部:0.8〜1.1mm ソール部 :1.0〜1.5mm サイド部 :0.8〜1.1mm ヘッド体積:350cm3 ヘッド質量:185g
を示す周波数Fを上記範囲内に設定するためには、例え
ばフェース部3ないしヘッド全体に低ヤング率の材料を
用いることや、ヘッド各部の厚さを例えば薄くするなど
ヘッドないしフェース部2の剛性を下げることで可能と
なる。一例として、フェース部3がチタン合金製の場
合、図2に示すように、フェース部3の裏面周縁に環状
の凹溝10を設け、フェース部3の周辺を薄肉化するこ
とが望ましい。例えば凹溝10でのフェース部の厚さt
1を1.7〜2.8mm、より好ましくは1.7〜2.2
mmとし、凹溝10で囲まれる中央部の厚さt2(>t
1)を2.3〜3.0mm程度に設定する。また他の部分
の各部の厚さ等を概ね次のように設定することで、周波
数伝達関数の前記周波数Fを約1000Hzとするヘッド
1を得ることができた。 クラウン部:0.8〜1.1mm ソール部 :1.0〜1.5mm サイド部 :0.8〜1.1mm ヘッド体積:350cm3 ヘッド質量:185g
【0026】本発明において、ヘッド1の周波数伝達関
数は、加振法により測定する。前記式「H=α1/α
2」において、「α1」に加振機側の加速度を、「α
2」にヘッド1の応答加速度をそれぞれ用いることによ
り求める。例えばゴルフクラブからそのヘッドの周波数
伝達関数の一次の極小値の周波数を測定する具体的な方
法は次の通りである。
数は、加振法により測定する。前記式「H=α1/α
2」において、「α1」に加振機側の加速度を、「α
2」にヘッド1の応答加速度をそれぞれ用いることによ
り求める。例えばゴルフクラブからそのヘッドの周波数
伝達関数の一次の極小値の周波数を測定する具体的な方
法は次の通りである。
【0027】(1)ゴルフクラブのシャフトからヘッド
を取り外す。 (2)図4に示すように、ヘッド1のフェース面2のス
イートスポットSに加振機の加振部材12(外径10m
m)を接着剤で固着する。スイートスポットSに固着す
るのは、加振時に偏心によるモーメントの発生を防止す
るためである。なお便宜上、スイートスポットSは、例
えば内径1.5mm、外径2.5mm垂直なパイプの上端に
フェース面を下向きとしてヘッドを載置しバランスする
位置として求めても良い。 (3)加速度ピックアップPa2を、ヘッド1の振動が
測定できるフェース面2の適当な位置に例えば瞬間接着
剤で固着する。 (4)加振側の加速度を測定する加速度ピックアップP
a1を入力治具15(本例では重量130gのステンレ
ススチール製)に取付ける。 (5)図5に示すように加振機13でヘッド1に振動を
与え、入力治具12の加速度α1およびヘッド1側の加
速度α2をFFTアナライザに取り込む。 (6)FFTアナライザで周波数伝達関数Hを(α1の
パワースペクトル/α2のパワースペクトル)にて求め
る。 (7)図6には、縦軸に周波数伝達関数、横軸を周波数
とした測定結果のグラフである。このようなグラフよ
り、周波数伝達関数の一次の極小値を示す周波数F、即
ち複数の極小値のうち最も小さい周波数で極小値を示す
周波数を読取る。
を取り外す。 (2)図4に示すように、ヘッド1のフェース面2のス
イートスポットSに加振機の加振部材12(外径10m
m)を接着剤で固着する。スイートスポットSに固着す
るのは、加振時に偏心によるモーメントの発生を防止す
るためである。なお便宜上、スイートスポットSは、例
えば内径1.5mm、外径2.5mm垂直なパイプの上端に
フェース面を下向きとしてヘッドを載置しバランスする
位置として求めても良い。 (3)加速度ピックアップPa2を、ヘッド1の振動が
測定できるフェース面2の適当な位置に例えば瞬間接着
剤で固着する。 (4)加振側の加速度を測定する加速度ピックアップP
a1を入力治具15(本例では重量130gのステンレ
ススチール製)に取付ける。 (5)図5に示すように加振機13でヘッド1に振動を
与え、入力治具12の加速度α1およびヘッド1側の加
速度α2をFFTアナライザに取り込む。 (6)FFTアナライザで周波数伝達関数Hを(α1の
パワースペクトル/α2のパワースペクトル)にて求め
る。 (7)図6には、縦軸に周波数伝達関数、横軸を周波数
とした測定結果のグラフである。このようなグラフよ
り、周波数伝達関数の一次の極小値を示す周波数F、即
ち複数の極小値のうち最も小さい周波数で極小値を示す
周波数を読取る。
【0028】以上によりヘッド単体の周波数伝達関数の
一次の極小値を示す周波数Fを得ることができる。なお
周波数伝達関数の測定に用いた機器の一例を表2に示
す。
一次の極小値を示す周波数Fを得ることができる。なお
周波数伝達関数の測定に用いた機器の一例を表2に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】また本発明では、ヘッド1の慣性主軸の傾
きと、フェース面2を所定の平面に投影して得られる投
影フェース平面VPの主軸の傾きとを相互に関連づけて
設定することを特徴事項の一つとしている。共通の点を
通るいくつかの直線に関するある剛体の慣性モーメント
は一般に等しくない。当該点に関して、剛体の慣性モー
メントを最大とする直線と慣性モーメントを最小とする
直線とが存在し、これらは互いに直交する。これらの2
本の直線と、これらの2本の直線に両方に直交する直線
を合わせた3本の直線が、この点に関する剛体の慣性主
軸となる。
きと、フェース面2を所定の平面に投影して得られる投
影フェース平面VPの主軸の傾きとを相互に関連づけて
設定することを特徴事項の一つとしている。共通の点を
通るいくつかの直線に関するある剛体の慣性モーメント
は一般に等しくない。当該点に関して、剛体の慣性モー
メントを最大とする直線と慣性モーメントを最小とする
直線とが存在し、これらは互いに直交する。これらの2
本の直線と、これらの2本の直線に両方に直交する直線
を合わせた3本の直線が、この点に関する剛体の慣性主
軸となる。
【0031】従来のヘッドでは、図11に示したよう
に、楕円に近似させたスイートエリアSAの長軸Lの傾
きαは、ヘッド1の慣性主軸の傾きに依存していた。な
おスイートエリアは、前述の通り、スイートスポットS
での反発係数(最大反発係数)に対して、該反発係数の
低下が比較的少ないフェース面上の打点領域であり、本
例では最大反発係数からの低下量が0.02以内の領域
として定める。
に、楕円に近似させたスイートエリアSAの長軸Lの傾
きαは、ヘッド1の慣性主軸の傾きに依存していた。な
おスイートエリアは、前述の通り、スイートスポットS
での反発係数(最大反発係数)に対して、該反発係数の
低下が比較的少ないフェース面上の打点領域であり、本
例では最大反発係数からの低下量が0.02以内の領域
として定める。
【0032】従来のヘッド1は、その周波数伝達関数の
前記周波数Fが大きく実質的な剛体とみなして考えるこ
とができたため、該ヘッド1のスイートエリアの前記傾
きαはヘッドの一の慣性主軸の傾きによってほぼ一義的
に設定し得た。しかしながら、周波数伝達関数の前記周
波数Fを800〜1400Hzに設定した低剛性のヘッド
では、打球時の弾性変形量が大きいためにヘッドを剛体
とみなし得ず、このためヘッド1の慣性主軸の傾きだけ
を独立して設定しても、スイートエリアSAの長軸Lの
傾きαを一義的には定め得ない。本発明では、ヘッド1
の慣性主軸の傾きと、フェース面を所定の平面に投影し
て得られる投影フェース平面VPの主軸の傾きとを相互
に関連づけて設定することにより、ヘッドの弾性変形の
影響を排除し、ヘッド1の慣性主軸の傾きとスイートエ
リアの長軸の傾きとをを実質的に同一に設定しうるヘッ
ドが提供される。
前記周波数Fが大きく実質的な剛体とみなして考えるこ
とができたため、該ヘッド1のスイートエリアの前記傾
きαはヘッドの一の慣性主軸の傾きによってほぼ一義的
に設定し得た。しかしながら、周波数伝達関数の前記周
波数Fを800〜1400Hzに設定した低剛性のヘッド
では、打球時の弾性変形量が大きいためにヘッドを剛体
とみなし得ず、このためヘッド1の慣性主軸の傾きだけ
を独立して設定しても、スイートエリアSAの長軸Lの
傾きαを一義的には定め得ない。本発明では、ヘッド1
の慣性主軸の傾きと、フェース面を所定の平面に投影し
て得られる投影フェース平面VPの主軸の傾きとを相互
に関連づけて設定することにより、ヘッドの弾性変形の
影響を排除し、ヘッド1の慣性主軸の傾きとスイートエ
リアの長軸の傾きとをを実質的に同一に設定しうるヘッ
ドが提供される。
【0033】図1〜3に示す如く、ヘッド1の慣性主軸
の傾きを特定するために前記測定状態のヘッド1に、該
ヘッドの重心Gを原点Oとする直交する3次元座標軸X
−Y−Zを定義する。座標軸は、水平面HPに対して垂
直な軸をZ軸、水平かつフェース面の図心Agに接する
接線Mと平行な軸をX軸、前記Z軸とX軸とに直角に交
わる軸をY軸とする。そして、ヘッド1は、前記原点O
を通りかつ直交する該ヘッドの3方向の慣性主軸ξ,
η,ζのうち、前記X軸とのなす角度が最も小さい慣性
主軸ξをXZ平面に投影した第1の直線E(図1に示
す)は、トウ側を上にしかつ前記X軸に対して5゜以上
かつ30゜以下の角度θ1で傾くよう設定されている。
の傾きを特定するために前記測定状態のヘッド1に、該
ヘッドの重心Gを原点Oとする直交する3次元座標軸X
−Y−Zを定義する。座標軸は、水平面HPに対して垂
直な軸をZ軸、水平かつフェース面の図心Agに接する
接線Mと平行な軸をX軸、前記Z軸とX軸とに直角に交
わる軸をY軸とする。そして、ヘッド1は、前記原点O
を通りかつ直交する該ヘッドの3方向の慣性主軸ξ,
η,ζのうち、前記X軸とのなす角度が最も小さい慣性
主軸ξをXZ平面に投影した第1の直線E(図1に示
す)は、トウ側を上にしかつ前記X軸に対して5゜以上
かつ30゜以下の角度θ1で傾くよう設定されている。
【0034】前記X軸とのなす角度が最も小さい慣性主
軸ξは、その方向余弦とX軸方向の単位ベクトルe
(1,0,0)との内積が慣性主軸の中で最も小さくな
る。前記第1の直線Eは、前記X軸に対して5゜以上か
つ30゜以下の角度θ1で傾くよう設定されるが、より
好ましくは10゜以上かつ30゜以下、さらに好ましく
は15゜以上かつ30゜以下に設定される。前記角度θ
1が、5゜未満又は30゜を超える場合、いずれもスイ
ートエリアSAがアベレージゴルファーの打点分布と近
似し得ず、打点のぶれに伴う打球の飛距離と方向性をぶ
れを最小限に抑えることが困難となる。
軸ξは、その方向余弦とX軸方向の単位ベクトルe
(1,0,0)との内積が慣性主軸の中で最も小さくな
る。前記第1の直線Eは、前記X軸に対して5゜以上か
つ30゜以下の角度θ1で傾くよう設定されるが、より
好ましくは10゜以上かつ30゜以下、さらに好ましく
は15゜以上かつ30゜以下に設定される。前記角度θ
1が、5゜未満又は30゜を超える場合、いずれもスイ
ートエリアSAがアベレージゴルファーの打点分布と近
似し得ず、打点のぶれに伴う打球の飛距離と方向性をぶ
れを最小限に抑えることが困難となる。
【0035】ヘッド1の慣性主軸ξ,η,ζの傾きの調
節は、ヘッド1の質量分布を変化させることで行うこと
ができる。図7に示す如く、例えばヘッド1のヒールh
側の下部及びトウt側の上部により多くの質量を配置す
れば良い。質量の配分は、例えば比重が大きい金属材料
からなる錘部材Wa、Wbをヘッドの中空部iを向く内
面又は外面に固着することや、前記部分の肉厚を大とし
て行いうる。また本例のようにネック部7の軸方向長さ
を小とすることも好ましく実施できる。
節は、ヘッド1の質量分布を変化させることで行うこと
ができる。図7に示す如く、例えばヘッド1のヒールh
側の下部及びトウt側の上部により多くの質量を配置す
れば良い。質量の配分は、例えば比重が大きい金属材料
からなる錘部材Wa、Wbをヘッドの中空部iを向く内
面又は外面に固着することや、前記部分の肉厚を大とし
て行いうる。また本例のようにネック部7の軸方向長さ
を小とすることも好ましく実施できる。
【0036】またスイートエリアSAはその長軸がトウ
t側の上部とヒールh側の下部との間をのびるように設
定する必要があるため、前記X軸とのなす角度が最も小
さい慣性主軸ξの方向(慣性主軸ξ上には限定されな
い)に重量を配置することが好ましい。つまり、ヘッド
1は、X軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸ξ回りの
主慣性モーメントIξが、Z軸とのなす角度が最も小さ
い慣性主軸ζ回りの主慣性モーメントIζよりも小さく
なるよう質量配分が定められる。
t側の上部とヒールh側の下部との間をのびるように設
定する必要があるため、前記X軸とのなす角度が最も小
さい慣性主軸ξの方向(慣性主軸ξ上には限定されな
い)に重量を配置することが好ましい。つまり、ヘッド
1は、X軸とのなす角度が最も小さい慣性主軸ξ回りの
主慣性モーメントIξが、Z軸とのなす角度が最も小さ
い慣性主軸ζ回りの主慣性モーメントIζよりも小さく
なるよう質量配分が定められる。
【0037】ヘッド1の前記慣性主軸ξ,ζは、本例で
は次のように測定する。 (1)先ず測定するヘッド1の3次元形状を、3次元形
状測定機で計測する。 (2)次に測定されたこの3次元形状計測データを基
に、構造解析用のプログラムを用いて有限要素法(FE
M)モデルを作成する。有限要素法モデルは、連続した
3次元構造を、微少の有限個の要素で分割しコンピュー
タに入力可能な数値データとしたものである。 (3)この有限要素法モデルを用いて、市販の解析用ソ
フトによりヘッドの重心、及びこの重心を通る直交する
3方向の慣性主軸を計算する。(この種のソフトとして
は、例えば、日本総合研究所(株)製の汎用衝突解析ソ
フトLS−DYNAがあるが、他の同種のソフトも採用
しうる。)。
は次のように測定する。 (1)先ず測定するヘッド1の3次元形状を、3次元形
状測定機で計測する。 (2)次に測定されたこの3次元形状計測データを基
に、構造解析用のプログラムを用いて有限要素法(FE
M)モデルを作成する。有限要素法モデルは、連続した
3次元構造を、微少の有限個の要素で分割しコンピュー
タに入力可能な数値データとしたものである。 (3)この有限要素法モデルを用いて、市販の解析用ソ
フトによりヘッドの重心、及びこの重心を通る直交する
3方向の慣性主軸を計算する。(この種のソフトとして
は、例えば、日本総合研究所(株)製の汎用衝突解析ソ
フトLS−DYNAがあるが、他の同種のソフトも採用
しうる。)。
【0038】また本発明では、図8に示すように前記フ
ェース面2をXZ平面に投影した投影フェース平面VP
において、該投影フェース平面VPの図心Bgを原点と
する主軸ξ’,ζ’のうちX軸とのなす角度が最も小さ
い主軸ξ’(図心を通るため「慣性」を略する。)は、
X軸に対して角度θ2をなすとともに、前記角度θ1と
において下記式を満たすように設定される。 |θ2−θ1|≦8 … より好ましくは下記式を満たすように設定される |θ2−θ1|≦4 … なお図8では、前記X軸、Z軸がともに投影フェース平
面VPの図心Bgを通るものを例示しているが、X軸又
は/及びZ軸が、図心Bgを通らない場合もあり得る。
また本例では、前記主軸ξ’がトウ側を上にして傾くも
のを例示している。
ェース面2をXZ平面に投影した投影フェース平面VP
において、該投影フェース平面VPの図心Bgを原点と
する主軸ξ’,ζ’のうちX軸とのなす角度が最も小さ
い主軸ξ’(図心を通るため「慣性」を略する。)は、
X軸に対して角度θ2をなすとともに、前記角度θ1と
において下記式を満たすように設定される。 |θ2−θ1|≦8 … より好ましくは下記式を満たすように設定される |θ2−θ1|≦4 … なお図8では、前記X軸、Z軸がともに投影フェース平
面VPの図心Bgを通るものを例示しているが、X軸又
は/及びZ軸が、図心Bgを通らない場合もあり得る。
また本例では、前記主軸ξ’がトウ側を上にして傾くも
のを例示している。
【0039】投影フェース平面VPは、Z軸方向の長さ
よりも、X軸方向の長さを大とするとともに、トウt側
が上側かつヒールh側が下側となる傾斜した横長状で形
成される。このため、投影フェース平面VPの図心Bg
を原点とする直交する2方向の主軸ξ’,ζ’のうち、
前記X軸とのなす角度が最も小さい主軸ξ’は、該主軸
ξ’回りの投影フェース平面VPの慣性モーメントを最
小とする。また本例では、Z軸とのなす角度が最も小さ
い慣性主軸ζ回りの主慣性モーメントが最大となるもの
を示している。
よりも、X軸方向の長さを大とするとともに、トウt側
が上側かつヒールh側が下側となる傾斜した横長状で形
成される。このため、投影フェース平面VPの図心Bg
を原点とする直交する2方向の主軸ξ’,ζ’のうち、
前記X軸とのなす角度が最も小さい主軸ξ’は、該主軸
ξ’回りの投影フェース平面VPの慣性モーメントを最
小とする。また本例では、Z軸とのなす角度が最も小さ
い慣性主軸ζ回りの主慣性モーメントが最大となるもの
を示している。
【0040】前記角度|θ2−θ1|が8゜よりも大で
あると、ヘッド1側の慣性主軸を規定したことによる効
果が得られず、スイートエリアSAがアベレージゴルフ
ァーの打点分布と近似させることができない。特に好ま
しくは式の通り、|θ2−θ1|の角度を0〜4゜と
する。
あると、ヘッド1側の慣性主軸を規定したことによる効
果が得られず、スイートエリアSAがアベレージゴルフ
ァーの打点分布と近似させることができない。特に好ま
しくは式の通り、|θ2−θ1|の角度を0〜4゜と
する。
【0041】前記投影フェース平面VPの主軸ξ’,
ζ’は、本例では次のように測定した。 (1)前記測定状態のヘッド1をY軸方向から写真撮影
し、投影フェース平面VPの輪郭を約60分割してデジ
タイザーで座標軸として読み取る。 (2)前記輪郭線が囲む領域を約200個の微小な四角
形領域に分割し、各頂点の座標を算出する。 (3)k番目の四角形領域の面積Ak、その図心の座標
を位置ベクトルrk =(Xk 、Yk )として、全体の図
心の位置ベクトルrG を次の式より求める。 rG =ΣAk ・rk /ΣAk … (4)図心を通り全体座標系の座標軸XZに平行な座標
軸X’、Z’回りの断面二次モーメントを下記の式〜
より計算する。 Ix =ΣAk ・z'k2 … Iz =ΣAk ・x'k2 … Ixz=ΣAk ・x'k・z'k … (x'k,z'k)=rk −rG
ζ’は、本例では次のように測定した。 (1)前記測定状態のヘッド1をY軸方向から写真撮影
し、投影フェース平面VPの輪郭を約60分割してデジ
タイザーで座標軸として読み取る。 (2)前記輪郭線が囲む領域を約200個の微小な四角
形領域に分割し、各頂点の座標を算出する。 (3)k番目の四角形領域の面積Ak、その図心の座標
を位置ベクトルrk =(Xk 、Yk )として、全体の図
心の位置ベクトルrG を次の式より求める。 rG =ΣAk ・rk /ΣAk … (4)図心を通り全体座標系の座標軸XZに平行な座標
軸X’、Z’回りの断面二次モーメントを下記の式〜
より計算する。 Ix =ΣAk ・z'k2 … Iz =ΣAk ・x'k2 … Ixz=ΣAk ・x'k・z'k … (x'k,z'k)=rk −rG
【0042】そして、下記式により主軸ξ’,ζ’の
座標軸X、Zに対する角度θ2(回転角で時計回りを正
とする)を求めることができる。 θ2=−0.5×tan-1{2Ixz/(Iz −Ix )} …
座標軸X、Zに対する角度θ2(回転角で時計回りを正
とする)を求めることができる。 θ2=−0.5×tan-1{2Ixz/(Iz −Ix )} …
【0043】以上のように、本発明ではヘッド1の周波
数伝達関数を限定するとともに、ヘッド1側の慣性主軸
と、投影フェース平面の主軸とのなす角度を一定範囲に
限定することを基本として、低剛性のヘッドにおいても
ヘッドの慣性主軸の傾きとスイートエリアの長軸の傾き
とを実質的に一致させることができるから、目標値通り
の傾きでスイートエリアを設定できる。
数伝達関数を限定するとともに、ヘッド1側の慣性主軸
と、投影フェース平面の主軸とのなす角度を一定範囲に
限定することを基本として、低剛性のヘッドにおいても
ヘッドの慣性主軸の傾きとスイートエリアの長軸の傾き
とを実質的に一致させることができるから、目標値通り
の傾きでスイートエリアを設定できる。
【0044】
【実施例】本発明の効果を確認するために、表3に示す
仕様にて複数種類のウッド型ゴルフクラブヘッドを試作
し、スイートエリアを計測するとともに、その長軸の傾
きや設計目標値(第1の直線のX軸に対する傾き)との
差を調べた。また実際にアベレージゴルファーによる試
打テストを行ない性能を評価した。
仕様にて複数種類のウッド型ゴルフクラブヘッドを試作
し、スイートエリアを計測するとともに、その長軸の傾
きや設計目標値(第1の直線のX軸に対する傾き)との
差を調べた。また実際にアベレージゴルファーによる試
打テストを行ない性能を評価した。
【0045】<ヘッドの仕様>フェース面は、図1に示
すフェース長さLfを105mm、YZ平面でのフェース
高さLwを55mmに設定した。またヘッドは、チタン合
金をロストワックス法により鋳造成形したものである。
また共通仕様としてリアルロフト角11゜、ライ角5
5.5゜、ヘッド体積350cm3 、ヘッド重量190g
とした。
すフェース長さLfを105mm、YZ平面でのフェース
高さLwを55mmに設定した。またヘッドは、チタン合
金をロストワックス法により鋳造成形したものである。
また共通仕様としてリアルロフト角11゜、ライ角5
5.5゜、ヘッド体積350cm3 、ヘッド重量190g
とした。
【0046】<スイートエリアの長軸の傾き>またスイ
ートエリアの長軸の傾きは、次のようにして求める。 (1)先ず各供試ヘッドに、同一のゴルフシャフトを装
着してウッド型ゴルフクラブを試作する。 (2)次に各供試クラブをゴルフラボラトリー社製のゴ
ルフスイングロボットに装着し、ヘッドスピード40m
/sになるように調整して、ゴルフボール(住友ゴム工
業(株)製 HI−BRID)を打球する。ゴルフボー
ルの打点位置は、図9に示すように、前記測定状態にお
いて、フェース面2の幾何学的な中心位置(フェースセ
ンター)Cから5mm間隔で水平方向(トウ、ヒール方
向)、垂直方向(クラウン、ソール方向)に複数箇所
(本例では合計34箇所)を設定する。 (3)各打点位置で打ち出されたボールの初速を計測す
るとともに、これをヘッドスピードで除して各打点位置
におけるフェース面の反発係数を求める。 (4)各打点の座標をx,y、その点での反発係数の値
をzとして、打点の各位置における3次元座標(x,
y,z)を定める。各軸は次の通りとする。 x軸:ヒール側を+、トゥ側を−としたトゥーヒール方
向の軸 y軸:クラウン側を+、ソール側を−とした上下方向の
軸 z軸:反発係数(=ボール初速/ヘッドスピード) (5)非線形回帰分析を行う解析ソフト(例えばStatso
ft,Inc. 社製のSTATISTICAで準ニュートン法により収束
基準0.0001、最大反復回数50回、損失関数を
(観測値−予測値)2 として推定した)を用いて近似さ
れた楕円体を導く。これにより、 z=a+bx+cy+dx2 +exy+fy2 とした一般式の係数aないしfが算出される。 (6)近似した楕円体をz=0として得られる楕円か
ら、楕円の長軸の傾き角度を求め、その角度をスウィー
トエリアの傾きとする。
ートエリアの長軸の傾きは、次のようにして求める。 (1)先ず各供試ヘッドに、同一のゴルフシャフトを装
着してウッド型ゴルフクラブを試作する。 (2)次に各供試クラブをゴルフラボラトリー社製のゴ
ルフスイングロボットに装着し、ヘッドスピード40m
/sになるように調整して、ゴルフボール(住友ゴム工
業(株)製 HI−BRID)を打球する。ゴルフボー
ルの打点位置は、図9に示すように、前記測定状態にお
いて、フェース面2の幾何学的な中心位置(フェースセ
ンター)Cから5mm間隔で水平方向(トウ、ヒール方
向)、垂直方向(クラウン、ソール方向)に複数箇所
(本例では合計34箇所)を設定する。 (3)各打点位置で打ち出されたボールの初速を計測す
るとともに、これをヘッドスピードで除して各打点位置
におけるフェース面の反発係数を求める。 (4)各打点の座標をx,y、その点での反発係数の値
をzとして、打点の各位置における3次元座標(x,
y,z)を定める。各軸は次の通りとする。 x軸:ヒール側を+、トゥ側を−としたトゥーヒール方
向の軸 y軸:クラウン側を+、ソール側を−とした上下方向の
軸 z軸:反発係数(=ボール初速/ヘッドスピード) (5)非線形回帰分析を行う解析ソフト(例えばStatso
ft,Inc. 社製のSTATISTICAで準ニュートン法により収束
基準0.0001、最大反復回数50回、損失関数を
(観測値−予測値)2 として推定した)を用いて近似さ
れた楕円体を導く。これにより、 z=a+bx+cy+dx2 +exy+fy2 とした一般式の係数aないしfが算出される。 (6)近似した楕円体をz=0として得られる楕円か
ら、楕円の長軸の傾き角度を求め、その角度をスウィー
トエリアの傾きとする。
【0047】<試打テスト>ヘッドスピードが40〜4
5m/sのアベレージゴルファー6名に対し、各供試ク
ラブでそれぞれ16球づつ打球してもらい、キャリーの
平均値(ヤード)を計測するとともに、ボールが地面に
落下した位置の平均位置からのバラツキ(ヤード)を下
記式により求めた(数値が小さいほどバラツキが少な
く良好である。)。 B=ΣBi/6 … (i=1〜6) ただしBiは、i番目のアベレージゴルファーのバラツ
キで下記式により求められる。 Bi=Σ√{(Xn −Xa )2 +(Yn −Ya )2 }/16 (n=1〜16) … ただし、Xn はn打球目の落下地点の左右方向のずれ量
(ヤード)、Xa は落下地点の左右方向の平均ずれ量
(ヤード)、Yn はn打球目の落下地点までのキャリー
(ヤード)、Ya は平均キャリー(ヤード)である。テ
ストの結果などを表3に示す
5m/sのアベレージゴルファー6名に対し、各供試ク
ラブでそれぞれ16球づつ打球してもらい、キャリーの
平均値(ヤード)を計測するとともに、ボールが地面に
落下した位置の平均位置からのバラツキ(ヤード)を下
記式により求めた(数値が小さいほどバラツキが少な
く良好である。)。 B=ΣBi/6 … (i=1〜6) ただしBiは、i番目のアベレージゴルファーのバラツ
キで下記式により求められる。 Bi=Σ√{(Xn −Xa )2 +(Yn −Ya )2 }/16 (n=1〜16) … ただし、Xn はn打球目の落下地点の左右方向のずれ量
(ヤード)、Xa は落下地点の左右方向の平均ずれ量
(ヤード)、Yn はn打球目の落下地点までのキャリー
(ヤード)、Ya は平均キャリー(ヤード)である。テ
ストの結果などを表3に示す
【0048】
【表3】
【0049】テストの結果、実施例のヘッドでは、スウ
ィートエリアの長軸の傾きの目標値とのずれ角が1.2
゜以下に抑えられており、ヘッドの前記第1の直線の傾
きの角度θ1と実質的に一致していることが判る。特に
好ましくは、前記第1の直線の傾き角度θ1とスイート
エリアの長軸の傾き角度αとの差を1.0゜以下とする
ことが望ましい。これに対して、比較例では、いずれも
スウィートエリアの長軸の傾きの目標値とのずれ角が大
きくなっており、設計の困難さが理解できる。。また実
施例のクラブでは、アベレージゴルファーによる試打テ
ストにおいても、飛距離、方向性のバラツキ度合いも少
なくなる事が確認できた。
ィートエリアの長軸の傾きの目標値とのずれ角が1.2
゜以下に抑えられており、ヘッドの前記第1の直線の傾
きの角度θ1と実質的に一致していることが判る。特に
好ましくは、前記第1の直線の傾き角度θ1とスイート
エリアの長軸の傾き角度αとの差を1.0゜以下とする
ことが望ましい。これに対して、比較例では、いずれも
スウィートエリアの長軸の傾きの目標値とのずれ角が大
きくなっており、設計の困難さが理解できる。。また実
施例のクラブでは、アベレージゴルファーによる試打テ
ストにおいても、飛距離、方向性のバラツキ度合いも少
なくなる事が確認できた。
【0050】
【発明の効果】上述したように、請求項1記載の発明
は、打球の飛距離を向上でき、しかもフェース面のスイ
ートエリアをアベレージゴルファーの打点分布に近似さ
せることができる。従って、アベレージゴルファーでも
スイートエリア内で容易に打球でき、打球の飛距離及び
方向性を安定させ得る。また低剛性のヘッドであって
も、前記スイートエリアを楕円で近似した場合、その長
軸の傾き角度をヘッドの一の慣性主軸の傾きと正確に一
致させることができる。従って、スイートスポットを目
標値(慣性主軸の傾き)通りに精度良く設定することが
でき、意図したクラブを容易に得ることができる。
は、打球の飛距離を向上でき、しかもフェース面のスイ
ートエリアをアベレージゴルファーの打点分布に近似さ
せることができる。従って、アベレージゴルファーでも
スイートエリア内で容易に打球でき、打球の飛距離及び
方向性を安定させ得る。また低剛性のヘッドであって
も、前記スイートエリアを楕円で近似した場合、その長
軸の傾き角度をヘッドの一の慣性主軸の傾きと正確に一
致させることができる。従って、スイートスポットを目
標値(慣性主軸の傾き)通りに精度良く設定することが
でき、意図したクラブを容易に得ることができる。
【0051】また請求項2ないし3記載の発明のよう
に、フェース面をXZ平面に投影して得られる投影フェ
ース平面の直交する2方向の慣性主軸のうち、前記X軸
とのなす角度が最も小さい慣性主軸と、前記第1の直線
とのなす角度αをさらに小範囲に限定することにより、
さらにスイートスポットの長軸の傾き角度をヘッドの一
の慣性主軸の傾きと正確に一致させることができる。
に、フェース面をXZ平面に投影して得られる投影フェ
ース平面の直交する2方向の慣性主軸のうち、前記X軸
とのなす角度が最も小さい慣性主軸と、前記第1の直線
とのなす角度αをさらに小範囲に限定することにより、
さらにスイートスポットの長軸の傾き角度をヘッドの一
の慣性主軸の傾きと正確に一致させることができる。
【0052】また請求項4記載の発明のように、周波数
伝達関数の一次の極小値の周波数Fを800(Hz)以上
かつ1100(Hz)以下に限定することより、さらに打
球の飛距離を向上することができる。
伝達関数の一次の極小値の周波数Fを800(Hz)以上
かつ1100(Hz)以下に限定することより、さらに打
球の飛距離を向上することができる。
【図1】測定状態のヘッドの正面図である。
【図2】その側面図である。
【図3】その斜視図である。
【図4】ヘッドの周波数伝達関数の測定方法を説明する
線図である。
線図である。
【図5】ヘッドの周波数伝達関数の測定方法を説明する
ブロック図である。
ブロック図である。
【図6】周波数伝達関数と周波数との関係を示すグラフ
である。
である。
【図7】ヘッドの断面図である。
【図8】投影フェース平面を示す線図である。
【図9】打点位置を説明するフェース面の線図である。
【図10】(A)はスイートスポットを説明するための
ヘッドの断面図、(B)はスイートエリアを説明するた
めのヘッドの正面図である。
ヘッドの断面図、(B)はスイートエリアを説明するた
めのヘッドの正面図である。
【図11】アベレージゴルファーの打点分布を測定した
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
【図12】(A)、(B)は、それぞれ従来のヘッドの
フェース面の略図である。
フェース面の略図である。
2 フェース面
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
G ヘッドの重心
VP 投影フェース平面
SA スイートエリア
S スイートスポット
E 第1の直線
ξ,η,ζ ヘッドの慣性主軸
ξ’ζ’ 投影フェース平面の主軸
Claims (4)
- 【請求項1】ヘッド単体の周波数伝達関数の一次の極小
値を示す周波数Fが800(Hz)以上かつ1400(H
z)以下であるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、 ヘッドを規定のライ角、ロフト角で水平面に載置すると
ともに、原点となるヘッドの重心を通りかつ前記水平面
に対して垂直なZ軸と、水平かつフェース面の図心に接
する接線と平行なX軸と、前記Z軸とX軸とに直角に交
わるY軸とからなるX−Y−Z座標において、 ゴルフクラブヘッドの重心を通りかつ直交する3本の慣
性主軸のうち、前記X軸とのなす角度が最も小さい慣性
主軸をXZ平面に投影した第1の直線は、トウ側を上に
しかつ前記X軸に対して5゜以上かつ30゜以下の角度
θ1で傾くとともに、 前記フェース面をXZ平面に投影した投影フェース平面
において、該投影フェース平面の図心を原点とする主軸
のうちX軸とのなす角度が最も小さい主軸は、X軸に対
して角度θ2をなすとともに、前記角度θ1とにおいて
下記式を満たすことを特徴とするウッド型ゴルフクラ
ブヘッド。 |θ2−θ1|≦8 … - 【請求項2】下記式を満たすことを特徴とする請求項
1記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。 |θ2−θ1|≦4 … - 【請求項3】前記角度θ1が10°以上かつ30°以下
であることを特徴とする請求項1又は2記載のウッド型
ゴルフクラブヘッド。 - 【請求項4】前記周波数Fが800(Hz)以上かつ11
00(Hz)以下であることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205105A JP2003019230A (ja) | 2001-07-05 | 2001-07-05 | ウッド型ゴルフクラブヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205105A JP2003019230A (ja) | 2001-07-05 | 2001-07-05 | ウッド型ゴルフクラブヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003019230A true JP2003019230A (ja) | 2003-01-21 |
Family
ID=19041473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001205105A Pending JP2003019230A (ja) | 2001-07-05 | 2001-07-05 | ウッド型ゴルフクラブヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003019230A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008206923A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-11 | Daiwa Seiko Inc | ゴルフクラブ |
JP2008237689A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Daiwa Seiko Inc | ゴルフクラブ |
JP2011025018A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-02-10 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの設計及び選定方法 |
JP2011059996A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッドの設計方法 |
JP2014023970A (ja) * | 2013-11-08 | 2014-02-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッドのスイートエリアの算出方法 |
JP2020108809A (ja) * | 2016-05-31 | 2020-07-16 | 住友ゴム工業株式会社 | 打点推定装置 |
-
2001
- 2001-07-05 JP JP2001205105A patent/JP2003019230A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008206923A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-11 | Daiwa Seiko Inc | ゴルフクラブ |
JP2008237689A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Daiwa Seiko Inc | ゴルフクラブ |
JP2011025018A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-02-10 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブの設計及び選定方法 |
JP2011059996A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッドの設計方法 |
JP2014023970A (ja) * | 2013-11-08 | 2014-02-06 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | ゴルフクラブヘッドのスイートエリアの算出方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050520 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050613 |