JP2003019152A - 紙おむつ用褥瘡予防シールおよび車椅子用及び携帯用クッション - Google Patents
紙おむつ用褥瘡予防シールおよび車椅子用及び携帯用クッションInfo
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- JP2003019152A JP2003019152A JP2001205725A JP2001205725A JP2003019152A JP 2003019152 A JP2003019152 A JP 2003019152A JP 2001205725 A JP2001205725 A JP 2001205725A JP 2001205725 A JP2001205725 A JP 2001205725A JP 2003019152 A JP2003019152 A JP 2003019152A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は紙おむつに後から簡単に取り付け、
仙骨部にかかる圧力を0mmHg/cm2にする事が可能な褥
瘡予防クッション及び、仙骨部の褥瘡予防可能な車椅子
用クッション、更には長時間座ってもお尻が痛くならな
い使い捨て可能な携帯用クッションを供給すること目的
とする。 【解決手段】 紙おむつの仙骨部が当たる位置に、その
外側から貼り付ける褥瘡予防用ドーナツ型クッション付
シールで、穴の大きさを直径8cmら15cm円の範囲内に
規定し、かつクッションの厚さも規定する。
仙骨部にかかる圧力を0mmHg/cm2にする事が可能な褥
瘡予防クッション及び、仙骨部の褥瘡予防可能な車椅子
用クッション、更には長時間座ってもお尻が痛くならな
い使い捨て可能な携帯用クッションを供給すること目的
とする。 【解決手段】 紙おむつの仙骨部が当たる位置に、その
外側から貼り付ける褥瘡予防用ドーナツ型クッション付
シールで、穴の大きさを直径8cmら15cm円の範囲内に
規定し、かつクッションの厚さも規定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、市販の紙おむつ
に取り付け仙骨部の褥瘡発生を予防するためのクッショ
ンと、車椅子用及び携帯用クッションに関するものであ
る。
に取り付け仙骨部の褥瘡発生を予防するためのクッショ
ンと、車椅子用及び携帯用クッションに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】おむつを使用する高齢者は日常生活にも
何らかの介助を必要とし、ベッド上での生活が主体であ
るため、褥瘡ができる危険性も高い。よって何らかの手
段により褥瘡予防をしなければならないが、それに対す
る認識度が低いことや経済的な面、あるいは褥瘡予防に
ある程度効果のある器具で簡易なものがないなどの理由
によりなかなか実施は困難であった。その褥瘡予防器具
に関しては、エアーマットなど大がかりなものが主流で
あり、身体に直接固定するものとしては腕や足に取り付
けるものが主流で、最も褥瘡のできやすい腰臀部に取り
付けるものはなかった。また簡易の褥瘡予防器具は種々
考案されているが、その中で従来から使われているゴム
製のドーナツ型のエアークッションがある。しかしこれ
は浮き袋の材質を変えただけであり、自動車のタイヤを
そのまま小さくした様な物であった。よってゴムが厚く
硬いため圧力がうまく分散されず、硬さのためそれ自体
が褥瘡発生源となることもあった。ドーナツの穴の部分
も仙骨部や大転子部・腸骨部といった特定の部位に対し
て考案されたものではないので、浮袋そのままに直径2
0cm以上あり、仙骨部及び大転子部・腸骨部に敷くとそ
こがその穴に落ち込んでしまって、かえって体重がかか
ってしまい意味をなさなかった。また空気封入口も自動
車と同じ金属製の蓋の付いたバルブであり、この部分が
褥瘡発生源になるため問題があった。著者が特許申請し
た褥瘡防止用パッド及び褥瘡防止用おむつカバーの発明
(特願平8−154961)があるが、仙骨部に関して
の除圧のための工夫などクッションについて具体的な記
載はしていない。また紙おむつに褥瘡予防を付加した発
明やアイデアは以前著者が特許申請したが(特願平9−
42801)、今回特に重要と考える仙骨部の突起部の
圧力を無くすために開ける穴の大きさに関して記述して
いない。また使用時空気を入れるタイプのエアークッシ
ョンにした場合に最も問題になるのが、空気を入れる栓
の部分でかえって褥瘡が出来てしまうと言う問題であっ
たが、その点に関しても具体的に述べていない。更にク
ッションの位置は規定された位置にしか取り付けること
は出来なかった。(実公昭59−25379)に、クッ
ションとして商品名「エアーキャップ」と呼ばれる、直
径約1cmの空気の入った半球状のエアーセルが多数付い
たシートを使用したおむつの発明があるが、身体をそ
のシートの平坦側ではなく、空気により膨出した球状の
面の上に乗せる構造により、身体とクッションが面でな
く点で接触するために有効接触面積が広く取れず、単位
面積にかかる圧力が下がらない、クッション部が構造
上厚くなりその上に乗る構造のため、仙骨部とその周囲
で体重を支えることになり、周囲よりも仙骨部の圧力が
高くなる、身体に固定するのではなく敷くだけなので
動くとずれる、最初からおむつに組み込んであるため
製造工程が複雑であり生産コストがかかる、おむつの
構造自体を新たに変えなければならないため本来のおむ
つの性能が発揮できない可能性がある、などの理由によ
りあまり有効ではないと考えられる。(実公平7−11
40)(実公平7−1139)(実公平7−2792
7)などは褥瘡予防の紙おむつの発明であるが、いずれ
もかぶれや感染により褥創が発生するという誤った前提
のもとに考案された、かぶれや感染を予防するための発
明であり、除圧による褥瘡予防のアイデアではない。そ
の上紙おむつ自体を全く新たに特殊構造で作るものであ
り、コスト的にも厳しく、また本来のおむつの性能が発
揮できない可能性があり、あまり有用でないと考えられ
る。そもそも褥瘡は局所にかかる圧力によってリンパ液
や血液の流れが遮断され、組織が酸素欠乏になり壊死が
起こることによって発生するものであり、かぶれや感染
は増悪因子になっても褥瘡の直接の原因ではないこと
は、褥瘡の専門である皮膚科医師にとっては皆周知の事
実である。よってこれらの発明は、褥瘡予防と言う観点
からみれば的外れであり、当然褥瘡予防は期待できな
い。(実開平4−3723)に、腰部及び臀部を覆うク
ッションの仙骨部に凹陥部を設けてその部位を除圧する
おむつカバーが記載されているが、仙骨部に圧力がかか
らないようにするためには、凹部の穴の大きさが特に重
要で、最適な穴の大きさは直径約8cm15cmの範囲に限
られるが(課題を解決するための手段を参照)、その点
について言及されていない。更に仙骨部など突起部の圧
力を下げるには凹部の深さも重要で、仙骨部の解剖学的
見地から、体重をかけた時点で2cm以上の深さが確保で
きないと突起部にかかる圧力を除去出来ない可能性が高
く、この重要な点に関しても言及していない。だがこの
アイデアの最も大きな問題点は、たとえ偶然的に前述し
たような適切な凹部の穴が作れたとしても、使用時仙骨
部が正確に凹部の穴の位置に来なければ効果は無いが、
個人の体型の違いを考えると、むしろずれてしまう方が
多いと考えられる点である。この理由により折角のアイ
デアも実際の使用を考えたときには使えない。更にお
むつカバーを必ず使用しなければ褥瘡予防が出来ない上
に、褥瘡予防は仙骨部に限られその他の部位には使えな
い、特殊な製品なのでコスト高になってしまう、市
販の紙おむつを使う場合もこのおむつカバーを使用しな
ければならず、このために陰部が蒸れてかぶれたり湿疹
などが出来たりする可能性がある、などの多くの問題点
がある。今まで述べたこれらの発明は、当然市販されて
いる通常の紙おむつなどにそのまま使用することができ
ない。一般に褥瘡が出来易い部位は仙骨部が最も多く、
次いで大転子部・腸骨部の順であり、それを予防するた
めに一般に2時間毎の体位交換を行っている。しかしこ
の予防法には一般には知られていない大きな落とし穴が
ある。それはこの2時間毎の体位交換をする際に、主に
仙骨部の褥瘡を予防するために側臥位にするが、実は大
転子部・腸骨部に褥瘡が出来るのはこの側臥位にするた
めで、本来ならば自分で側臥位になれない寝たきりの患
者の大転子部・腸骨部に褥瘡を作ってしまう事はないは
ずである。我々専門医は、これは仙骨部の褥瘡予防を重
要視するあまり起こってしまった医療過誤ともいう事態
であると考えている。最近では褥瘡に対する医療訴訟も
起こっていることを考えると、絶対この様な事態は避け
なければならない。これは仙骨部の褥瘡が完全に予防で
きれば防ぐ事が出来る。つまり無理に2時間毎の体位交
換をする必要がなくなるばかりでなく、圧がかかれば解
剖学的に当然褥瘡が出来やすい大転子部・腸骨部に対し
て、あえて側臥位にしてそこに体重をかけると言う事は
する必要が無くなるのである。それは仙骨部の褥瘡予防
が完全であれば、仰臥位時その他の部位にはそれ程高い
圧力がかからないので、あまり頻回に体位交換をする必
要が無くなり、かつ半側臥位や座位という形で体位変換
をすれば良くなる。半側臥位とは体をすこし側臥位にす
るだけなので、通常ならば仙骨部に圧がかかってしまう
が、仙骨部の除圧が完全に出来ればその他の部位に関し
てはこの半側臥位で十分効果がある。よってこの半側臥
位のときに大転子部・腸骨部が寝具に触れない程度に体
を傾ければ、絶対に大転子部・腸骨部には褥瘡は出来な
いと言う訳である。また車椅子用のクッションとして色
々考案されているが、お尻の下に敷くタイプの物しか存
在しない。車椅子に座った状態で褥瘡が出来るのは仙骨
部が多く、それは車椅子の背もたれ部分で圧迫された
り、擦ったりする事により発生するが、この事に着目し
て作られたものは存在しない。しかしただ単にクッショ
ンに背もたれを付けただけではさほど効果は期待できな
い。勿論車椅子自体に褥瘡予防機能を付加したものはな
い。また携帯用のクッションとしては、持ち運びに便利
である点から浮き袋のように使用時に空気を入れるエア
ークッションタイプのものが主流であるが、長時間使用
してもお尻が痛くならないためには、膨らました時にあ
る程度の厚さが必要であり、そのために敷いた時に座高
が高くなったり、座位の姿勢が不安定になったりすると
いう不都合があった。また材質も塩化ビニールを使った
ものがほとんどであり、ダイオキシン発生など環境の問
題から使用後簡単には捨てる事が出来ず、使った後空気
を抜き畳んで持ち帰らなければならないなど以外と使い
勝手が悪かった。またエアークッション以外のもので
は、携帯用ということでクッションをあまり厚く出来
ず、長時間座るとお尻が痛くなるなどの問題点が多かっ
た。
何らかの介助を必要とし、ベッド上での生活が主体であ
るため、褥瘡ができる危険性も高い。よって何らかの手
段により褥瘡予防をしなければならないが、それに対す
る認識度が低いことや経済的な面、あるいは褥瘡予防に
ある程度効果のある器具で簡易なものがないなどの理由
によりなかなか実施は困難であった。その褥瘡予防器具
に関しては、エアーマットなど大がかりなものが主流で
あり、身体に直接固定するものとしては腕や足に取り付
けるものが主流で、最も褥瘡のできやすい腰臀部に取り
付けるものはなかった。また簡易の褥瘡予防器具は種々
考案されているが、その中で従来から使われているゴム
製のドーナツ型のエアークッションがある。しかしこれ
は浮き袋の材質を変えただけであり、自動車のタイヤを
そのまま小さくした様な物であった。よってゴムが厚く
硬いため圧力がうまく分散されず、硬さのためそれ自体
が褥瘡発生源となることもあった。ドーナツの穴の部分
も仙骨部や大転子部・腸骨部といった特定の部位に対し
て考案されたものではないので、浮袋そのままに直径2
0cm以上あり、仙骨部及び大転子部・腸骨部に敷くとそ
こがその穴に落ち込んでしまって、かえって体重がかか
ってしまい意味をなさなかった。また空気封入口も自動
車と同じ金属製の蓋の付いたバルブであり、この部分が
褥瘡発生源になるため問題があった。著者が特許申請し
た褥瘡防止用パッド及び褥瘡防止用おむつカバーの発明
(特願平8−154961)があるが、仙骨部に関して
の除圧のための工夫などクッションについて具体的な記
載はしていない。また紙おむつに褥瘡予防を付加した発
明やアイデアは以前著者が特許申請したが(特願平9−
42801)、今回特に重要と考える仙骨部の突起部の
圧力を無くすために開ける穴の大きさに関して記述して
いない。また使用時空気を入れるタイプのエアークッシ
ョンにした場合に最も問題になるのが、空気を入れる栓
の部分でかえって褥瘡が出来てしまうと言う問題であっ
たが、その点に関しても具体的に述べていない。更にク
ッションの位置は規定された位置にしか取り付けること
は出来なかった。(実公昭59−25379)に、クッ
ションとして商品名「エアーキャップ」と呼ばれる、直
径約1cmの空気の入った半球状のエアーセルが多数付い
たシートを使用したおむつの発明があるが、身体をそ
のシートの平坦側ではなく、空気により膨出した球状の
面の上に乗せる構造により、身体とクッションが面でな
く点で接触するために有効接触面積が広く取れず、単位
面積にかかる圧力が下がらない、クッション部が構造
上厚くなりその上に乗る構造のため、仙骨部とその周囲
で体重を支えることになり、周囲よりも仙骨部の圧力が
高くなる、身体に固定するのではなく敷くだけなので
動くとずれる、最初からおむつに組み込んであるため
製造工程が複雑であり生産コストがかかる、おむつの
構造自体を新たに変えなければならないため本来のおむ
つの性能が発揮できない可能性がある、などの理由によ
りあまり有効ではないと考えられる。(実公平7−11
40)(実公平7−1139)(実公平7−2792
7)などは褥瘡予防の紙おむつの発明であるが、いずれ
もかぶれや感染により褥創が発生するという誤った前提
のもとに考案された、かぶれや感染を予防するための発
明であり、除圧による褥瘡予防のアイデアではない。そ
の上紙おむつ自体を全く新たに特殊構造で作るものであ
り、コスト的にも厳しく、また本来のおむつの性能が発
揮できない可能性があり、あまり有用でないと考えられ
る。そもそも褥瘡は局所にかかる圧力によってリンパ液
や血液の流れが遮断され、組織が酸素欠乏になり壊死が
起こることによって発生するものであり、かぶれや感染
は増悪因子になっても褥瘡の直接の原因ではないこと
は、褥瘡の専門である皮膚科医師にとっては皆周知の事
実である。よってこれらの発明は、褥瘡予防と言う観点
からみれば的外れであり、当然褥瘡予防は期待できな
い。(実開平4−3723)に、腰部及び臀部を覆うク
ッションの仙骨部に凹陥部を設けてその部位を除圧する
おむつカバーが記載されているが、仙骨部に圧力がかか
らないようにするためには、凹部の穴の大きさが特に重
要で、最適な穴の大きさは直径約8cm15cmの範囲に限
られるが(課題を解決するための手段を参照)、その点
について言及されていない。更に仙骨部など突起部の圧
力を下げるには凹部の深さも重要で、仙骨部の解剖学的
見地から、体重をかけた時点で2cm以上の深さが確保で
きないと突起部にかかる圧力を除去出来ない可能性が高
く、この重要な点に関しても言及していない。だがこの
アイデアの最も大きな問題点は、たとえ偶然的に前述し
たような適切な凹部の穴が作れたとしても、使用時仙骨
部が正確に凹部の穴の位置に来なければ効果は無いが、
個人の体型の違いを考えると、むしろずれてしまう方が
多いと考えられる点である。この理由により折角のアイ
デアも実際の使用を考えたときには使えない。更にお
むつカバーを必ず使用しなければ褥瘡予防が出来ない上
に、褥瘡予防は仙骨部に限られその他の部位には使えな
い、特殊な製品なのでコスト高になってしまう、市
販の紙おむつを使う場合もこのおむつカバーを使用しな
ければならず、このために陰部が蒸れてかぶれたり湿疹
などが出来たりする可能性がある、などの多くの問題点
がある。今まで述べたこれらの発明は、当然市販されて
いる通常の紙おむつなどにそのまま使用することができ
ない。一般に褥瘡が出来易い部位は仙骨部が最も多く、
次いで大転子部・腸骨部の順であり、それを予防するた
めに一般に2時間毎の体位交換を行っている。しかしこ
の予防法には一般には知られていない大きな落とし穴が
ある。それはこの2時間毎の体位交換をする際に、主に
仙骨部の褥瘡を予防するために側臥位にするが、実は大
転子部・腸骨部に褥瘡が出来るのはこの側臥位にするた
めで、本来ならば自分で側臥位になれない寝たきりの患
者の大転子部・腸骨部に褥瘡を作ってしまう事はないは
ずである。我々専門医は、これは仙骨部の褥瘡予防を重
要視するあまり起こってしまった医療過誤ともいう事態
であると考えている。最近では褥瘡に対する医療訴訟も
起こっていることを考えると、絶対この様な事態は避け
なければならない。これは仙骨部の褥瘡が完全に予防で
きれば防ぐ事が出来る。つまり無理に2時間毎の体位交
換をする必要がなくなるばかりでなく、圧がかかれば解
剖学的に当然褥瘡が出来やすい大転子部・腸骨部に対し
て、あえて側臥位にしてそこに体重をかけると言う事は
する必要が無くなるのである。それは仙骨部の褥瘡予防
が完全であれば、仰臥位時その他の部位にはそれ程高い
圧力がかからないので、あまり頻回に体位交換をする必
要が無くなり、かつ半側臥位や座位という形で体位変換
をすれば良くなる。半側臥位とは体をすこし側臥位にす
るだけなので、通常ならば仙骨部に圧がかかってしまう
が、仙骨部の除圧が完全に出来ればその他の部位に関し
てはこの半側臥位で十分効果がある。よってこの半側臥
位のときに大転子部・腸骨部が寝具に触れない程度に体
を傾ければ、絶対に大転子部・腸骨部には褥瘡は出来な
いと言う訳である。また車椅子用のクッションとして色
々考案されているが、お尻の下に敷くタイプの物しか存
在しない。車椅子に座った状態で褥瘡が出来るのは仙骨
部が多く、それは車椅子の背もたれ部分で圧迫された
り、擦ったりする事により発生するが、この事に着目し
て作られたものは存在しない。しかしただ単にクッショ
ンに背もたれを付けただけではさほど効果は期待できな
い。勿論車椅子自体に褥瘡予防機能を付加したものはな
い。また携帯用のクッションとしては、持ち運びに便利
である点から浮き袋のように使用時に空気を入れるエア
ークッションタイプのものが主流であるが、長時間使用
してもお尻が痛くならないためには、膨らました時にあ
る程度の厚さが必要であり、そのために敷いた時に座高
が高くなったり、座位の姿勢が不安定になったりすると
いう不都合があった。また材質も塩化ビニールを使った
ものがほとんどであり、ダイオキシン発生など環境の問
題から使用後簡単には捨てる事が出来ず、使った後空気
を抜き畳んで持ち帰らなければならないなど以外と使い
勝手が悪かった。またエアークッション以外のもので
は、携帯用ということでクッションをあまり厚く出来
ず、長時間座るとお尻が痛くなるなどの問題点が多かっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の持つ欠点を解消するために考案されたものであ
る。すなわち一般に市販されている全ての紙おむつに後
からボルトオンタイプで取り付けられ、しかも個人の体
型に合わせ実際に仙骨部が当たる位置に正確に取り付け
ることが出来、仙骨部の圧力をほぼ完全に除去すること
が可能な製品で、軽く、付けていても邪魔にならず、更
には仙骨部以外の箇所、つまり全身何処にでも応用でき
る褥瘡予防クッション及び、車椅子に座った状態で仙骨
部と臀部の褥瘡を予防できる車椅子用クッションや仙骨
部の褥瘡予防機能を付加した車椅子の開発である。さら
に携帯用クッションとしてはコンパクトでありながら、
長時間座ってもお尻が痛くならないなど十分な効果が得
られ、小さく畳め持ち運びに便利で、安価で、使った後
そのまま捨てても自然に分解されるなど、環境にも優し
い使い捨て携帯用クッションの開発である。
来技術の持つ欠点を解消するために考案されたものであ
る。すなわち一般に市販されている全ての紙おむつに後
からボルトオンタイプで取り付けられ、しかも個人の体
型に合わせ実際に仙骨部が当たる位置に正確に取り付け
ることが出来、仙骨部の圧力をほぼ完全に除去すること
が可能な製品で、軽く、付けていても邪魔にならず、更
には仙骨部以外の箇所、つまり全身何処にでも応用でき
る褥瘡予防クッション及び、車椅子に座った状態で仙骨
部と臀部の褥瘡を予防できる車椅子用クッションや仙骨
部の褥瘡予防機能を付加した車椅子の開発である。さら
に携帯用クッションとしてはコンパクトでありながら、
長時間座ってもお尻が痛くならないなど十分な効果が得
られ、小さく畳め持ち運びに便利で、安価で、使った後
そのまま捨てても自然に分解されるなど、環境にも優し
い使い捨て携帯用クッションの開発である。
【0004】
【課題を解決するための手段】では紙おむつに褥瘡予防
効果を持たせるためには、仙骨部や大転子部・腸骨部を
保護できる位置にクッションを取り付ければある程度の
効果は期待出来る。しかしこれだけでは不十分であるこ
とは、実際の臨床の場では周知の事実である。つまりエ
アーマットなどの褥瘡予防マットを敷いても、やはり2
時間毎の体位交換をしなければ仙骨部には褥瘡が出来て
しまうと言う事実が証明している。これはいくら褥瘡予
防マットを敷いても、仰臥位時仙骨部以外の部位の圧力
は褥瘡発生臨界値である32mmHg/cm2以下に出来て
も、仙骨部の圧力だけはそう出来ないためである。これ
を解決するための手段が今回の発明である。全体重の約
40%がかかる腰臀部は褥瘡発生危険領域であるが、特
に仙骨部はその中でも褥瘡ができやすい事で知られてい
る。一般に仙骨部と呼んでいる部位は、仙骨部の中でも
皮膚が非常に薄くかつ周囲より突出している部位で、図
10に示したように上関節突起(14)、正中仙骨稜
(15)、外側仙骨稜(16)や外側部(17)を中心
にこれらに囲まれた領域の事である。よってこの領域が
仙骨部褥瘡発生危険領域であり、その長さは上関節突起
(14)と最下部の正中仙骨稜(15)の間の距離で、
幅は下方は左右の外側仙骨稜(16)間の距離で、上方
は左右の外側部(17)間の距離であると言える。しか
しこの値を正確に測ることは困難であり、実際にその様
な公式なデータは無いに等しい。それは個人差、男女
差、人種差など種々の要素によって値がまちまちである
からだ。だが仙骨部の除圧を考える上でこの解剖学的特
長を無視して、仙骨部を全身の一部位と言うスタンスで
考えたのでは、絶対解決策はない。よってこの部位の特
長を考慮した器具の開発が重要となるが、この点に対し
て科学的なデータをもとに検討されたものは無いと言っ
て良い。そこである程度規準とする値が無ければ、仙骨
部の除圧ということは困難であるため、著者は皮膚科専
門医としての知識を基に、大まかではあるがこのデータ
の計測を試みた。その仙骨部褥瘡発生危険領域の自研例
の実測平均値は、最大幅約12cm*最大長約13cmであ
った(n=50、男性=22、女性=28、年齢は全て
20歳以上の成人、外から触れて皮膚が薄く周囲より少
し突出している部分を計測)。このデータをもとに今回
の発明に着手した。仙骨部にかかる圧力を減じるには、
ここにあまり体重がかからないように、主にこの部位以
外で体重を支える様にすれば良い。つまり臀部に敷くク
ッションの仙骨部が当たる部位に凹部を設けるか、くり
貫いて穴を開ければ良い。今回は後者を採用したが、こ
の穴の大きさは特に重要であり今回の請求項にも記載し
たが、自研例の上記結果より、穴の直径が13cmより小
さいと仙骨部(仙骨部褥瘡発生危険領域)が穴に入りき
らずに一部がクッションのエッジ部分で支えられ、その
部分に圧力がかかってしまう。よって穴の直径は13cm
以上必要と言うことになる。だが直径が15cmより大
きいと、仙骨部だけではなく臀部が少し落ち込み、仙骨
部の突起部分が寝具に直接当たってしまうという結果に
なった(体重がかかった状態でのクッションの厚さが2
cm以上になるようにセットし、仙骨部の突起部分が寝具
に触れない場合のクッションの穴の直径の最大値を測
定、被験者は前回と同様)。これは当然除圧効果がなく
なってしまう。これらの結果より穴の大きさだけで考え
れば、最適な大きさは直径約13cm(自験例の仙骨部褥
瘡発生危険領域の最大長)〜15cm(仙骨部の突起部分
が寝具に触れない穴の最大値)の狭い範囲と言うことに
なるが、これは理想的な値であり、実際は良質のクッシ
ョンを敷けば、仙骨部であっても突起部分以外ならばそ
こにクッションが当たってもさほど圧力は高くならな
い。つまり現実的には、仙骨部の中でも皮膚が非常に薄
くかつ周囲より特に突出している、最も褥瘡ができやす
い突起部分(図10の正中仙骨稜の最も突出している部
位2ヶ所)を保護出来れば良いのであり、その部位だけ
で考えると精々直径7cmの範囲でカバーできる。しか
し今回の発明であるドーナツ型クッション付シールの場
合は、直接皮膚に貼るのではないので、ズレと言う事を
考慮に入れると、当然1cm程度の余裕が必要である。
つまり最低直径8cm以上必要と言うことになる。これ
らの事を考慮して、最終的にドーナツ型クッションの穴
の大きさは、直径8cm〜15cmの範囲に決定した。この
値は解剖学的見地から導き出された値であり、このデー
タを無視した場合、偶然的に最適化されることはあって
もまれであり、仙骨部局所だけでの褥瘡予防という点か
らは、実現は非常に困難を極める。(勿論後述している
使用時のクッション自体の厚さも考慮に入れなければな
らないが。)この点に関しては学会レベルでも明確に指
摘した例は、著者自身が国際学会で発表した演題以外に
は無く、その場合もこの様な具体的な値については述べ
ていない。よってこの値は自然の法則を利用した新規的
効果を付加するアイデアであると考えるべきである。そ
のクッション自体は、塩化ビニールやウレタンなどの可
塑材でできた、空気の入った半球状のエアーセルが多数
付いたシート状のエアークッションで作成したもの塩化
ビニールやウレタンなどの可塑材でできた、空気の入っ
た柔らかいボールを多数袋に詰めたもの塩化ビニールや
ウレタンなどの可塑材でできた袋に空気を入れたものス
ポンジやスポンジ状の物質で作成したもの柔らかい小さ
いボールを袋に詰めたもの等が考えられるが、このクッ
ション自体の厚さは寝たときに腰の部分に違和感がない
ようにするためには、使用時(実際に腰に敷いて体重を
かけた時)5cm以下の厚さで体重を支えるようにしなけ
ればならない。なぜならば個人差もあるが通常使用時5
cmより厚いと腰の部分のみ持ち上がったような状態にな
り、長時間使用すると腰が痛くなってしまうからであ
る。自研例でも厚さが5cmを超えると、ほとんどの者が
違和感を訴え、何人かは比較的短時間で腰が痛くなると
いう結果が得られた。しかし使用時のクッションの厚さ
が2cm以下であると、除圧のために空けた穴に入った仙
骨部の突起部分が直接寝具に当たってしまい、この部位
の圧力が非常に高くなる可能性がある。これは仙骨部の
突起部とその周囲とは解剖学的な高さの差があるため
で、実際に体重がかかりクッションが圧縮された時点
で、仙骨部の突起部分と寝具が触れない程度にクッショ
ンの厚さが確保できないと、突起部で体重を支える事に
なって、この部位に非常に高い圧力がかかってしまう。
仙骨部の解剖学的見地から(図10参照)、使用時のク
ッションの厚さは最低2cm以上必要であり、したがって
使用時のクッションの最適な厚さは、約2cm〜5cmと言
える。この使用時(実際に腰に敷いて体重をかけた時)
のクッションの厚さが最低2cmという値が、請求項に記
載したクッションの厚さの規定という事になる。これは
種々のパラメーターに左右される非常に不確定な値であ
るが、仙骨部の突起部とその周囲との解剖学的な特長を
考慮すれば、クッションの厚さは規定せざるえない。最
終的に、今回のこのドーナツ型クッションの場合、クッ
ション自体の種類や圧縮率に関係なく、実際に体重がか
かった時点でのクッションの厚さは、最低2cm以上必要
であると結論される。しかし使用時約2cm〜5cmの厚さ
で体重を支えるためには、未使用時の状態でクッション
の厚さをどれ位にするかと言うことが問題になるが、ク
ッションの性質によって大きく異なるため、一律に規定
する事は不可能である。言い換えれば特定したクッショ
ンについてのみ、ある程度の範囲でならば未使用時の厚
さを規定できる。そのクッションの選択であるが、スポ
ンジのようなクッションで圧縮率が大きいものは厚く作
らなければならず、未使用時かさ張ってしまう。逆に圧
縮率が小さいものは薄くて済むが、クッションとして硬
くあまり適さない。この条件に合うクッション材として
は、流体、特に空気がベストであり、袋状のものに空気
を封入したもの、つまりエアークッションが軽くて柔ら
かく、かつ圧縮率も形状を工夫することによって比較的
簡単にコントロール出来、クッション自体も薄くするこ
とが可能であるなど、最適な材料と言える。空気が入る
袋は、1個の大きさを大きくするとクッション自体が厚
くなってしまうし、体重を支えるための強度という点か
らも、それぞれが独立した小さな袋を多数取り付けた方
が有利である。これは一般的に使用されている梱包用の
エアークッションで実証されている。しかし独立した小
さな多数の袋に、使用時に後から空気を入れるというこ
とは現実的に無理であるので、最初から空気が封入され
たものをクッションとして応用する以外ない。この場合
1個1個の袋が2cm以下であると、前述したようにクッ
ションとしての厚さが不足し、かえって仙骨部の突起部
分の圧力が高くなる可能性がある。この点から言って、
一般的に市販されている空気の入った、直径約3cmの半
球状のエアーセルが多数付いたシート状のエアークッシ
ョンを流用する方法が最も簡易であり、コスト面からも
有利である。しかし実際の加工の問題や体動時にカサカ
サという音がするため、寝ているときには耳つくという
問題もある。また最初から空気が封入されているためか
さ張り、それ自体は安くても流通コストがかかるなど、
製品化に種々の問題がある。最終的にエアークッション
自体が厚くならずにかつ体重をかけたときに潰れないた
めの方法として、エアークッションをドーナツ型にし
て、かつ複数個使用する場合にはそれぞれを独立させ、
使用時に空気を入れる方法を取った。そのドーナツ型エ
アークッションを複数個使用する場合であるが、使用目
的によって横に並べたり、あるいは大小同心円状に幾重
にも並べるなど、配置にも十分に考慮した。使用時のク
ッションの厚さであるが、褥瘡予防と言う点からは、絶
対前述の2cm以上にしなければならないので、空気を
入れ負荷がかからない状態でのクッションの厚さ、つま
りドーナツ型エアークッションの断面の直径をどれくら
いに設定するかということが問題になる。それは封入し
た空気の量や使用する人の体重によって異なるため絶対
値は存在しない。そこで空気を入れ負荷がかからない状
態でドーナツ型エアークッションの断面の直径が2cm〜
6cm のものを数種類試作して(材料はポリエチレンシ
ートを使用)、空気を90%以上入れた状態で、50〜
60kg前後の人が使用すると想定して実験してみると、
大体どれも1cm程度は沈んだ。よって前述の使用時約2
cm〜5cmの厚さと言うと、少なくとも断面の直径は6cm
以下でなければならないし、最低3cm以上は必要である
と言える。しかし褥瘡予防のクッションにエアークッシ
ョンを用いた場合の最も大きな問題点は、空気封入口自
体が従来の浮袋に付いているような硬い栓状の物であれ
ば、使用時そこに当たった部位に褥瘡が出来てしまうと
いうことである。そこで今回著者が採用した空気封入口
には、市販のヘリウムガス風船などでは一般的に使用さ
れている、図4にある逆流防止機能を併せ持つ構造の封
入口を応用した。これであれば前述の褥瘡発生の危険性
はなくなる。この点も従来からのエアークッションの問
題点をクリアーした画期的アイデアであると言える。具
体的にはポリエチレン製のシートを型に合わせ裁断し、
それを上下貼り合わせる。空気封入口の部分は中に折り
返すことにより空気弁となり、封入した空気が抜けなく
なる。封入はストローを差し込んで行う。またドーナツ
型エアークッション付シールを体に取り付ける際ののり
しろ部分であるが、クッション全体の形状が三つ葉型な
いしは四つ葉型になる様に、クッションの外側に作成す
る。この形状にするとビニールテープなどで上から固定
する場合、カット部分が有った方がテープと紙おむつや
おむつカバーとの接触面積が増え、固定がしっかり出来
るためである。あるいは特別にのりしろ部分を作らなく
ても、ドーナツ型エアークッションを作成する際の穴に
相当する部分のシートを切り取らず、膨らませたとき太
鼓の膜状になるところをのりしろ部分として利用するこ
とも可能である。クッションと紙おむつの取り付け方法
は、 通常のビニールテープなど片面粘着テープで上から貼
り付ける、 粘着両面テープを使用する、 ベルクロテープなど着脱可能なものを使用する、など
が考えられるが、の場合紙おむつやおむつカバーの外
側面も当然加工が必要であるため、一般的にはやが
採用し易い。 勿論請求項2の発明の様に、最初からこのドーナツ型エ
アークッションを紙おむつに組み込んでしまえば良い
が、紙おむつを付けた状態でクッションの除圧用穴の中
心が仙骨部の突起部分に正確に位置するためには、体型
に個人差があることを考慮して、その穴を大きめに作成
する、あるいは幾つかサイズを用意するなど、更に細か
い設定が必要である。よって褥瘡予防と言う観点から考
えると、やはり個人の体型に合わせ後から貼り付けた方
が有利である。また車椅子に座った状態で褥瘡が出来る
のは仙骨部が多く、それは車椅子の背もたれ部分で圧迫
されたり、擦ったりする事により発生するためである
が、上記の褥瘡予防用のドーナツ型エアークッション付
シールは座位でも当然有効であるため、車椅子に座った
状態で使用してもこの部分の褥瘡予防ができる。ここで
請求項4の車椅子用クッションについて考えた場合、通
常のお尻に敷くクッションにクッション効果のある背も
たれ部分をつけて、今回考案した直径約8cm〜15cmの
範囲で除圧用の穴を仙骨部が当たる位置に開ければ、仙
骨部分の褥瘡も臀部の褥瘡も同時に予防できる画期的な
車椅子用のクッションが完成する。しかし座った状態で
の仙骨部の位置は非常に個人差がでるため、ある程度フ
レキシブルに対応できるように、背もたれ部分、特に除
圧用の穴の位置の高さが調節出来る様に設計しなければ
ならない。また車椅子自体の構造を変える事によっても
仙骨部にかかる圧力を減らし、褥瘡予防が可能になる。
これは車椅子の背もたれ部分に、仙骨部が当たる位置を
中心に除圧用の穴を開ければ良い。この穴の大きさは後
から敷くクッションとは異なり、少しぐらい穴に臀部が
落ち込んでも仙骨部に当たるものが無いのでなんら問題
なく、最大幅は前述した約15cm(仙骨部の突起部分が
寝具に触れない穴の最大値)より大きく設定できる。逆
に最小幅は穴に対して仙骨部がずれる可能性があると言
う事を考えると、自験例の仙骨部褥瘡発生危険領域の最
大幅である12cm以上という値が望ましいと考えられ
る。穴の長さはこの場合十分長く取れるので、座高の個
人差やあるいはクッションを敷く場合を考えて余裕を持
って長く開ければ良い。このアイデアの派生として、背
もたれ部分を無くして左右の突起などで支え、仙骨部を
含めた背部の正中部には圧がかからないようにしても当
然同様の効果が得られる。今回もう一つの発明である請
求項3に記載した携帯用クッションに関しても、ドーナ
ツ型エアークッション付シールと同様に、コンパクトに
折りたためると言う点や、クッションの硬度を好みに設
定できる点などで、エアークッションが有利である。し
かし塩化ビニールやウレタンなどの可塑材でできた袋に
空気を入れる従来のものでは、特にウレタンは製作にコ
ストがかかるために使い捨てには向かないし、塩化ビニ
ールはダイオキシンの問題で素材として使い捨てには向
かない上に、どちらも堅い栓が付いた空気封入口の部分
が必要なためその分だけ小さく折りたためないと言う点
でも不利である。これらの点から携帯用クッションに関
しても、前述のドーナツ型エアークッション付シールと
同様の構造の空気封入口をもったエアークッションを、
同様にポリエチレン製シートで作成する。しかし褥瘡予
防は原則として仰臥位で使用するが、通常のクッション
は座位で使用するため、形状も当然変えなければならな
い。座位の場合坐骨突起の部分は仙骨部と同様に周囲よ
り突出するため、そこにより体重がかかり、硬い椅子に
長時間座ったときにその部位が痛くなるということはし
ばしば経験する。つまりこの問題を解決すれば、クッシ
ョンを最も効果的に作る事ができ、コンパクト化にも繋
がる。それは前述のドーナツ型エアークッション付シー
ルと同様に、最も圧力がかかる部位の圧力をある程度下
げれば良い。この場合もエアークッションをドーナツ型
にして、最も圧力がかかる部位がその穴に嵌まり込むよ
うにすれば、周囲で体重を支えそこにはあまり圧力がか
からなくなるという訳である。しかし座位になった場合
には坐骨突起が左右に1個づつ突出するため、穴が左右
1個づつ必要なわけで、結果的にドーナツ型のクッショ
ンが2個、つまりめがね型にしなければならない。また
左右の坐骨突起の間隔は個人差があるが、その間隔は大
体8cm前後であり、褥瘡予防とは異なりさほど厳格に規
定する必要も無いので、クッションの穴と穴の内側の間
隔を8cm以内に作ればほぼ目的とする効果が得られる事
になる。この請求項3の発明の椅子は、長時間座っても
お尻が痛くならない椅子に関するものである。それは左
右の坐骨突起が椅子のクッションに当たる部位に凹部を
設けるか、あるいは座った時にクッションのその部位が
周囲より容易に沈み込む様にすれば良い。後者の場合、
クッションの左右の坐骨突起が当たる部位のみ圧縮率
の高い材質で作成するか、椅子のクッションを支えて
いる底板の部分に穴を開けたり、ブラジャー型に凹部を
付けたりすれば簡単に実現できる。の場合個人の好み
に合わせて、坐骨突起部が沈み込まない様に穴に蓋が出
来る様にしたり、段階的に深さを調節出来る様にしたり
することも可能である。
効果を持たせるためには、仙骨部や大転子部・腸骨部を
保護できる位置にクッションを取り付ければある程度の
効果は期待出来る。しかしこれだけでは不十分であるこ
とは、実際の臨床の場では周知の事実である。つまりエ
アーマットなどの褥瘡予防マットを敷いても、やはり2
時間毎の体位交換をしなければ仙骨部には褥瘡が出来て
しまうと言う事実が証明している。これはいくら褥瘡予
防マットを敷いても、仰臥位時仙骨部以外の部位の圧力
は褥瘡発生臨界値である32mmHg/cm2以下に出来て
も、仙骨部の圧力だけはそう出来ないためである。これ
を解決するための手段が今回の発明である。全体重の約
40%がかかる腰臀部は褥瘡発生危険領域であるが、特
に仙骨部はその中でも褥瘡ができやすい事で知られてい
る。一般に仙骨部と呼んでいる部位は、仙骨部の中でも
皮膚が非常に薄くかつ周囲より突出している部位で、図
10に示したように上関節突起(14)、正中仙骨稜
(15)、外側仙骨稜(16)や外側部(17)を中心
にこれらに囲まれた領域の事である。よってこの領域が
仙骨部褥瘡発生危険領域であり、その長さは上関節突起
(14)と最下部の正中仙骨稜(15)の間の距離で、
幅は下方は左右の外側仙骨稜(16)間の距離で、上方
は左右の外側部(17)間の距離であると言える。しか
しこの値を正確に測ることは困難であり、実際にその様
な公式なデータは無いに等しい。それは個人差、男女
差、人種差など種々の要素によって値がまちまちである
からだ。だが仙骨部の除圧を考える上でこの解剖学的特
長を無視して、仙骨部を全身の一部位と言うスタンスで
考えたのでは、絶対解決策はない。よってこの部位の特
長を考慮した器具の開発が重要となるが、この点に対し
て科学的なデータをもとに検討されたものは無いと言っ
て良い。そこである程度規準とする値が無ければ、仙骨
部の除圧ということは困難であるため、著者は皮膚科専
門医としての知識を基に、大まかではあるがこのデータ
の計測を試みた。その仙骨部褥瘡発生危険領域の自研例
の実測平均値は、最大幅約12cm*最大長約13cmであ
った(n=50、男性=22、女性=28、年齢は全て
20歳以上の成人、外から触れて皮膚が薄く周囲より少
し突出している部分を計測)。このデータをもとに今回
の発明に着手した。仙骨部にかかる圧力を減じるには、
ここにあまり体重がかからないように、主にこの部位以
外で体重を支える様にすれば良い。つまり臀部に敷くク
ッションの仙骨部が当たる部位に凹部を設けるか、くり
貫いて穴を開ければ良い。今回は後者を採用したが、こ
の穴の大きさは特に重要であり今回の請求項にも記載し
たが、自研例の上記結果より、穴の直径が13cmより小
さいと仙骨部(仙骨部褥瘡発生危険領域)が穴に入りき
らずに一部がクッションのエッジ部分で支えられ、その
部分に圧力がかかってしまう。よって穴の直径は13cm
以上必要と言うことになる。だが直径が15cmより大
きいと、仙骨部だけではなく臀部が少し落ち込み、仙骨
部の突起部分が寝具に直接当たってしまうという結果に
なった(体重がかかった状態でのクッションの厚さが2
cm以上になるようにセットし、仙骨部の突起部分が寝具
に触れない場合のクッションの穴の直径の最大値を測
定、被験者は前回と同様)。これは当然除圧効果がなく
なってしまう。これらの結果より穴の大きさだけで考え
れば、最適な大きさは直径約13cm(自験例の仙骨部褥
瘡発生危険領域の最大長)〜15cm(仙骨部の突起部分
が寝具に触れない穴の最大値)の狭い範囲と言うことに
なるが、これは理想的な値であり、実際は良質のクッシ
ョンを敷けば、仙骨部であっても突起部分以外ならばそ
こにクッションが当たってもさほど圧力は高くならな
い。つまり現実的には、仙骨部の中でも皮膚が非常に薄
くかつ周囲より特に突出している、最も褥瘡ができやす
い突起部分(図10の正中仙骨稜の最も突出している部
位2ヶ所)を保護出来れば良いのであり、その部位だけ
で考えると精々直径7cmの範囲でカバーできる。しか
し今回の発明であるドーナツ型クッション付シールの場
合は、直接皮膚に貼るのではないので、ズレと言う事を
考慮に入れると、当然1cm程度の余裕が必要である。
つまり最低直径8cm以上必要と言うことになる。これ
らの事を考慮して、最終的にドーナツ型クッションの穴
の大きさは、直径8cm〜15cmの範囲に決定した。この
値は解剖学的見地から導き出された値であり、このデー
タを無視した場合、偶然的に最適化されることはあって
もまれであり、仙骨部局所だけでの褥瘡予防という点か
らは、実現は非常に困難を極める。(勿論後述している
使用時のクッション自体の厚さも考慮に入れなければな
らないが。)この点に関しては学会レベルでも明確に指
摘した例は、著者自身が国際学会で発表した演題以外に
は無く、その場合もこの様な具体的な値については述べ
ていない。よってこの値は自然の法則を利用した新規的
効果を付加するアイデアであると考えるべきである。そ
のクッション自体は、塩化ビニールやウレタンなどの可
塑材でできた、空気の入った半球状のエアーセルが多数
付いたシート状のエアークッションで作成したもの塩化
ビニールやウレタンなどの可塑材でできた、空気の入っ
た柔らかいボールを多数袋に詰めたもの塩化ビニールや
ウレタンなどの可塑材でできた袋に空気を入れたものス
ポンジやスポンジ状の物質で作成したもの柔らかい小さ
いボールを袋に詰めたもの等が考えられるが、このクッ
ション自体の厚さは寝たときに腰の部分に違和感がない
ようにするためには、使用時(実際に腰に敷いて体重を
かけた時)5cm以下の厚さで体重を支えるようにしなけ
ればならない。なぜならば個人差もあるが通常使用時5
cmより厚いと腰の部分のみ持ち上がったような状態にな
り、長時間使用すると腰が痛くなってしまうからであ
る。自研例でも厚さが5cmを超えると、ほとんどの者が
違和感を訴え、何人かは比較的短時間で腰が痛くなると
いう結果が得られた。しかし使用時のクッションの厚さ
が2cm以下であると、除圧のために空けた穴に入った仙
骨部の突起部分が直接寝具に当たってしまい、この部位
の圧力が非常に高くなる可能性がある。これは仙骨部の
突起部とその周囲とは解剖学的な高さの差があるため
で、実際に体重がかかりクッションが圧縮された時点
で、仙骨部の突起部分と寝具が触れない程度にクッショ
ンの厚さが確保できないと、突起部で体重を支える事に
なって、この部位に非常に高い圧力がかかってしまう。
仙骨部の解剖学的見地から(図10参照)、使用時のク
ッションの厚さは最低2cm以上必要であり、したがって
使用時のクッションの最適な厚さは、約2cm〜5cmと言
える。この使用時(実際に腰に敷いて体重をかけた時)
のクッションの厚さが最低2cmという値が、請求項に記
載したクッションの厚さの規定という事になる。これは
種々のパラメーターに左右される非常に不確定な値であ
るが、仙骨部の突起部とその周囲との解剖学的な特長を
考慮すれば、クッションの厚さは規定せざるえない。最
終的に、今回のこのドーナツ型クッションの場合、クッ
ション自体の種類や圧縮率に関係なく、実際に体重がか
かった時点でのクッションの厚さは、最低2cm以上必要
であると結論される。しかし使用時約2cm〜5cmの厚さ
で体重を支えるためには、未使用時の状態でクッション
の厚さをどれ位にするかと言うことが問題になるが、ク
ッションの性質によって大きく異なるため、一律に規定
する事は不可能である。言い換えれば特定したクッショ
ンについてのみ、ある程度の範囲でならば未使用時の厚
さを規定できる。そのクッションの選択であるが、スポ
ンジのようなクッションで圧縮率が大きいものは厚く作
らなければならず、未使用時かさ張ってしまう。逆に圧
縮率が小さいものは薄くて済むが、クッションとして硬
くあまり適さない。この条件に合うクッション材として
は、流体、特に空気がベストであり、袋状のものに空気
を封入したもの、つまりエアークッションが軽くて柔ら
かく、かつ圧縮率も形状を工夫することによって比較的
簡単にコントロール出来、クッション自体も薄くするこ
とが可能であるなど、最適な材料と言える。空気が入る
袋は、1個の大きさを大きくするとクッション自体が厚
くなってしまうし、体重を支えるための強度という点か
らも、それぞれが独立した小さな袋を多数取り付けた方
が有利である。これは一般的に使用されている梱包用の
エアークッションで実証されている。しかし独立した小
さな多数の袋に、使用時に後から空気を入れるというこ
とは現実的に無理であるので、最初から空気が封入され
たものをクッションとして応用する以外ない。この場合
1個1個の袋が2cm以下であると、前述したようにクッ
ションとしての厚さが不足し、かえって仙骨部の突起部
分の圧力が高くなる可能性がある。この点から言って、
一般的に市販されている空気の入った、直径約3cmの半
球状のエアーセルが多数付いたシート状のエアークッシ
ョンを流用する方法が最も簡易であり、コスト面からも
有利である。しかし実際の加工の問題や体動時にカサカ
サという音がするため、寝ているときには耳つくという
問題もある。また最初から空気が封入されているためか
さ張り、それ自体は安くても流通コストがかかるなど、
製品化に種々の問題がある。最終的にエアークッション
自体が厚くならずにかつ体重をかけたときに潰れないた
めの方法として、エアークッションをドーナツ型にし
て、かつ複数個使用する場合にはそれぞれを独立させ、
使用時に空気を入れる方法を取った。そのドーナツ型エ
アークッションを複数個使用する場合であるが、使用目
的によって横に並べたり、あるいは大小同心円状に幾重
にも並べるなど、配置にも十分に考慮した。使用時のク
ッションの厚さであるが、褥瘡予防と言う点からは、絶
対前述の2cm以上にしなければならないので、空気を
入れ負荷がかからない状態でのクッションの厚さ、つま
りドーナツ型エアークッションの断面の直径をどれくら
いに設定するかということが問題になる。それは封入し
た空気の量や使用する人の体重によって異なるため絶対
値は存在しない。そこで空気を入れ負荷がかからない状
態でドーナツ型エアークッションの断面の直径が2cm〜
6cm のものを数種類試作して(材料はポリエチレンシ
ートを使用)、空気を90%以上入れた状態で、50〜
60kg前後の人が使用すると想定して実験してみると、
大体どれも1cm程度は沈んだ。よって前述の使用時約2
cm〜5cmの厚さと言うと、少なくとも断面の直径は6cm
以下でなければならないし、最低3cm以上は必要である
と言える。しかし褥瘡予防のクッションにエアークッシ
ョンを用いた場合の最も大きな問題点は、空気封入口自
体が従来の浮袋に付いているような硬い栓状の物であれ
ば、使用時そこに当たった部位に褥瘡が出来てしまうと
いうことである。そこで今回著者が採用した空気封入口
には、市販のヘリウムガス風船などでは一般的に使用さ
れている、図4にある逆流防止機能を併せ持つ構造の封
入口を応用した。これであれば前述の褥瘡発生の危険性
はなくなる。この点も従来からのエアークッションの問
題点をクリアーした画期的アイデアであると言える。具
体的にはポリエチレン製のシートを型に合わせ裁断し、
それを上下貼り合わせる。空気封入口の部分は中に折り
返すことにより空気弁となり、封入した空気が抜けなく
なる。封入はストローを差し込んで行う。またドーナツ
型エアークッション付シールを体に取り付ける際ののり
しろ部分であるが、クッション全体の形状が三つ葉型な
いしは四つ葉型になる様に、クッションの外側に作成す
る。この形状にするとビニールテープなどで上から固定
する場合、カット部分が有った方がテープと紙おむつや
おむつカバーとの接触面積が増え、固定がしっかり出来
るためである。あるいは特別にのりしろ部分を作らなく
ても、ドーナツ型エアークッションを作成する際の穴に
相当する部分のシートを切り取らず、膨らませたとき太
鼓の膜状になるところをのりしろ部分として利用するこ
とも可能である。クッションと紙おむつの取り付け方法
は、 通常のビニールテープなど片面粘着テープで上から貼
り付ける、 粘着両面テープを使用する、 ベルクロテープなど着脱可能なものを使用する、など
が考えられるが、の場合紙おむつやおむつカバーの外
側面も当然加工が必要であるため、一般的にはやが
採用し易い。 勿論請求項2の発明の様に、最初からこのドーナツ型エ
アークッションを紙おむつに組み込んでしまえば良い
が、紙おむつを付けた状態でクッションの除圧用穴の中
心が仙骨部の突起部分に正確に位置するためには、体型
に個人差があることを考慮して、その穴を大きめに作成
する、あるいは幾つかサイズを用意するなど、更に細か
い設定が必要である。よって褥瘡予防と言う観点から考
えると、やはり個人の体型に合わせ後から貼り付けた方
が有利である。また車椅子に座った状態で褥瘡が出来る
のは仙骨部が多く、それは車椅子の背もたれ部分で圧迫
されたり、擦ったりする事により発生するためである
が、上記の褥瘡予防用のドーナツ型エアークッション付
シールは座位でも当然有効であるため、車椅子に座った
状態で使用してもこの部分の褥瘡予防ができる。ここで
請求項4の車椅子用クッションについて考えた場合、通
常のお尻に敷くクッションにクッション効果のある背も
たれ部分をつけて、今回考案した直径約8cm〜15cmの
範囲で除圧用の穴を仙骨部が当たる位置に開ければ、仙
骨部分の褥瘡も臀部の褥瘡も同時に予防できる画期的な
車椅子用のクッションが完成する。しかし座った状態で
の仙骨部の位置は非常に個人差がでるため、ある程度フ
レキシブルに対応できるように、背もたれ部分、特に除
圧用の穴の位置の高さが調節出来る様に設計しなければ
ならない。また車椅子自体の構造を変える事によっても
仙骨部にかかる圧力を減らし、褥瘡予防が可能になる。
これは車椅子の背もたれ部分に、仙骨部が当たる位置を
中心に除圧用の穴を開ければ良い。この穴の大きさは後
から敷くクッションとは異なり、少しぐらい穴に臀部が
落ち込んでも仙骨部に当たるものが無いのでなんら問題
なく、最大幅は前述した約15cm(仙骨部の突起部分が
寝具に触れない穴の最大値)より大きく設定できる。逆
に最小幅は穴に対して仙骨部がずれる可能性があると言
う事を考えると、自験例の仙骨部褥瘡発生危険領域の最
大幅である12cm以上という値が望ましいと考えられ
る。穴の長さはこの場合十分長く取れるので、座高の個
人差やあるいはクッションを敷く場合を考えて余裕を持
って長く開ければ良い。このアイデアの派生として、背
もたれ部分を無くして左右の突起などで支え、仙骨部を
含めた背部の正中部には圧がかからないようにしても当
然同様の効果が得られる。今回もう一つの発明である請
求項3に記載した携帯用クッションに関しても、ドーナ
ツ型エアークッション付シールと同様に、コンパクトに
折りたためると言う点や、クッションの硬度を好みに設
定できる点などで、エアークッションが有利である。し
かし塩化ビニールやウレタンなどの可塑材でできた袋に
空気を入れる従来のものでは、特にウレタンは製作にコ
ストがかかるために使い捨てには向かないし、塩化ビニ
ールはダイオキシンの問題で素材として使い捨てには向
かない上に、どちらも堅い栓が付いた空気封入口の部分
が必要なためその分だけ小さく折りたためないと言う点
でも不利である。これらの点から携帯用クッションに関
しても、前述のドーナツ型エアークッション付シールと
同様の構造の空気封入口をもったエアークッションを、
同様にポリエチレン製シートで作成する。しかし褥瘡予
防は原則として仰臥位で使用するが、通常のクッション
は座位で使用するため、形状も当然変えなければならな
い。座位の場合坐骨突起の部分は仙骨部と同様に周囲よ
り突出するため、そこにより体重がかかり、硬い椅子に
長時間座ったときにその部位が痛くなるということはし
ばしば経験する。つまりこの問題を解決すれば、クッシ
ョンを最も効果的に作る事ができ、コンパクト化にも繋
がる。それは前述のドーナツ型エアークッション付シー
ルと同様に、最も圧力がかかる部位の圧力をある程度下
げれば良い。この場合もエアークッションをドーナツ型
にして、最も圧力がかかる部位がその穴に嵌まり込むよ
うにすれば、周囲で体重を支えそこにはあまり圧力がか
からなくなるという訳である。しかし座位になった場合
には坐骨突起が左右に1個づつ突出するため、穴が左右
1個づつ必要なわけで、結果的にドーナツ型のクッショ
ンが2個、つまりめがね型にしなければならない。また
左右の坐骨突起の間隔は個人差があるが、その間隔は大
体8cm前後であり、褥瘡予防とは異なりさほど厳格に規
定する必要も無いので、クッションの穴と穴の内側の間
隔を8cm以内に作ればほぼ目的とする効果が得られる事
になる。この請求項3の発明の椅子は、長時間座っても
お尻が痛くならない椅子に関するものである。それは左
右の坐骨突起が椅子のクッションに当たる部位に凹部を
設けるか、あるいは座った時にクッションのその部位が
周囲より容易に沈み込む様にすれば良い。後者の場合、
クッションの左右の坐骨突起が当たる部位のみ圧縮率
の高い材質で作成するか、椅子のクッションを支えて
いる底板の部分に穴を開けたり、ブラジャー型に凹部を
付けたりすれば簡単に実現できる。の場合個人の好み
に合わせて、坐骨突起部が沈み込まない様に穴に蓋が出
来る様にしたり、段階的に深さを調節出来る様にしたり
することも可能である。
【0005】
【作用】以上の構成からなるドーナツ型エアークッショ
ン付シールであるが、これを使用するときは、紙おむつ
を付けた状態でその上から個人の体型に合わせ、クッシ
ョンの除圧穴の中心が仙骨部の突起部分に位置するよう
に、正確に貼り付けて使用する。仰臥位時仙骨部はドー
ナツ型エアークッションの穴の中に嵌まり込み、その結
果仙骨部の圧力は、褥瘡予防器具の目標値である褥瘡発
生臨界値の32mmHg/cm2 以下を簡単にクリアーできる
だけでなく、従来のエアーマットなどでは絶対不可能と
されている理想値0mmHg/cm2をほぼ達成出来、理論上
は仙骨部には褥瘡はできなくなる。またその周囲にかか
った体重は、ドーナツ型エアークッションのクッション
部分で分散されるため、その部位にも褥瘡はできず、結
果として仙骨部の褥瘡予防が可能となる。また車椅子用
のクッションに関しても、車椅子に除圧のための穴を開
けた場合にも、上記と同様な理由により仙骨部は背もた
れで圧迫されたり擦れたりすることは無くなり、結果的
に褥瘡は出来なくなる。請求項3の発明の携帯用クッシ
ョンや椅子の場合は、座った時に左右の坐骨突起部がそ
の穴や凹部に嵌り込む、あるいは周囲に比べ容易に沈み
込む事により、体重が周囲で支えられ左右の坐骨突起部
にかかる圧力が下がるため、長時間座ってもお尻が痛く
ならないと言う訳である。
ン付シールであるが、これを使用するときは、紙おむつ
を付けた状態でその上から個人の体型に合わせ、クッシ
ョンの除圧穴の中心が仙骨部の突起部分に位置するよう
に、正確に貼り付けて使用する。仰臥位時仙骨部はドー
ナツ型エアークッションの穴の中に嵌まり込み、その結
果仙骨部の圧力は、褥瘡予防器具の目標値である褥瘡発
生臨界値の32mmHg/cm2 以下を簡単にクリアーできる
だけでなく、従来のエアーマットなどでは絶対不可能と
されている理想値0mmHg/cm2をほぼ達成出来、理論上
は仙骨部には褥瘡はできなくなる。またその周囲にかか
った体重は、ドーナツ型エアークッションのクッション
部分で分散されるため、その部位にも褥瘡はできず、結
果として仙骨部の褥瘡予防が可能となる。また車椅子用
のクッションに関しても、車椅子に除圧のための穴を開
けた場合にも、上記と同様な理由により仙骨部は背もた
れで圧迫されたり擦れたりすることは無くなり、結果的
に褥瘡は出来なくなる。請求項3の発明の携帯用クッシ
ョンや椅子の場合は、座った時に左右の坐骨突起部がそ
の穴や凹部に嵌り込む、あるいは周囲に比べ容易に沈み
込む事により、体重が周囲で支えられ左右の坐骨突起部
にかかる圧力が下がるため、長時間座ってもお尻が痛く
ならないと言う訳である。
【0006】
【実施例】本発明をより詳細に説述するために、添付の
図面に従ってこれを説明する。図2は完成図の正面斜視
図であるが、材料はポリエチレン製シートを使用し、ク
ッション部分はドーナツ型のエアークッションを採用す
る。中心の除圧穴(3)は直接性能に関係する特に重要
な部分で、前述の直径8cm〜15cmの範囲と言うことに
なるが、今回は中間値である直径12cmで設計する。ま
た使用時のクッションの厚さは褥瘡予防と言う点から
は、絶対前述の2cm以上にしなければならないので、空
気を入れ負荷がかからない状態でのクッションの厚さ、
つまりドーナツ型エアークッション(2)の断面の直径
をどれくらいに設定するかということが問題になる。こ
こでは実験で用いたポリエチレン製のドーナツ型エアー
クッションをクッションとして用いるため、使用時約2
cm〜5cmの厚さにするには、実験結果の1cm程度沈むこ
とを考慮して、断面の直径は6cm以下でなければならな
いし、最低3cm以上は必要と言うことになる。今回の実
施例では、実際に試作して使用時違和感が無く、確実に
仙骨部にかかる圧力がほぼ0値0mmHg/cm2になる断面
の直径を検討した結果から、最終的に直径4.5cmに設
計する。またドーナツ型エアークッション付シール
(1)の固定に両面テープを使わずに市販されているビ
ニールテープなどの片面粘着テープで上から固定する場
合、のりしろ(5)に切り込みがある方が紙おむつやお
むつカバーとの接触面積が広く取れ確実に固定出来るた
め、のりしろ(5)を図2の三つ葉型や図5の四つ葉型
の様に切れ込みを入れる。具体的には設計図に沿って金
型を作成し、ポリエチレン製シートを裁断する。裁断し
たポリエチレン製シートは上下2枚ずつ計4枚合わせ貼
り合わせるが、図2の様にエアークッションはドーナツ
型になるように作成する。ここでシートを2重にするの
は、強度を上げるためと、原料のシートの製造過程で発
生するマイクロピンホールに起因するクッションからの
エアーの漏れを少なくするためである。また空気封入口
(4)は図4の様に中に折り返すことにより逆流防止弁
として働き、封入した空気が抜けなくなる。このドーナ
ツ型エアークッション付シール(1)は、図6の様に紙
おむつ(9)に固定して使用するが、裏表がないのでの
りしろ(5)のどちらか一方の面に両面テープ(6)を
貼って完成である。本発明は以上のような構造で、これ
を使用するときは、まず空気封入口(4)にストローを
差し込んで空気を90%以上入れる。次にのりしろ
(5)の両面テープ(6)のカバーを外し、紙おむつを
付けた状態でその上から個人の体型に合わせ、クッショ
ンの除圧穴(3)の中心が仙骨部の突起部分に位置する
ように、正確に貼り付けて使用する。これにより寝たと
きに褥瘡好発部位である仙骨部は、ドーナツ型エアーク
ッション(2)の除圧穴(3)にはまり込むので、そこ
には体重がかからない。よってこの部分には褥瘡は出来
ない。またその周囲には体重がかかるが、ドーナツ型エ
アークッション(2)により分散され、褥瘡発生臨界値
である320値0mmHg/cm2以下になるため、その部位
にも褥瘡は出来にくい。ここでは仙骨部についてのみ言
及したが、大転子部・腸骨部に関しても同様であり、解
剖学的構造を考慮してドーナツ型エアークッション
(2)の形、及び除圧穴(3)の形を決定する。また仙
骨部及び大転子部・腸骨部をそれぞれ専用の別々のクッ
ションでカバーする分割型で説明したが、バリエーショ
ンとして仙骨部と左右の大転子部・腸骨部のクッション
を1個のシールにまとめたタイプ(一体型)も作成可能
である。請求項2の発明は、最初からこのドーナツ型エ
アークッション(2)を紙おむつに組み込んだもので、
クッションは当然紙おむつの後面(外側)に取り付け
る。しかし紙おむつを付けた状態でクッションの除圧穴
(3)の中心が仙骨部の突起部分に正確に位置するため
には、体型に個人差があることを考慮して、除圧穴
(3)を大きめに作成する、あるいはSMLの様に幾つ
かサイズを用意するなど、更に細かい規定が必要であ
る。もう一つの発明である携帯用クッションに関して
も、ドーナツ型エアークッション付シール(1)と同様
に、ポリエチレン製のシートを使ってドーナツ型のエア
ークッションを作成するが、前述したように座位になっ
た場合には坐骨突起が左右に1個づつ突出するため、穴
が左右1個づつ必要なわけで、結果的にドーナツ型のエ
アークッションを2個横に並べた形、つまりめがね型に
しなければならない(図7)。また左右の坐骨突起の間
隔は個人差もあるが大体8cm前後であるので、クッショ
ンの穴と穴の内側の間隔が8cm以内に作れば目的とする
効果が得られる事になる。またのりしろは特に必要な
く、ドーナツの穴に相当する部分のシートは切り取って
も切り取らなくても良い。請求項4の車椅子用クッショ
ンの実施例としては、上記のめがね型携帯用エアークッ
ション(11)とドーナツ型エアークッション付シート
(1)を、図8の様に逆T字型に配列した形に作成す
る。ここでめがね型携帯用エアークッションとドーナツ
型エアークッション付シートの間のポリエチレン製シー
トは、使用時調節出来るように長めに作る。これを使用
する時はベルクロテープや両面テープで車椅子に固定す
る。この時背もたれに取り付けるクッションは、個人の
仙骨部の位置を確認して正確に車椅子の背もたれ部分に
取り付ける。出来ればこれらの製品を分解性のポリエチ
レンシートなどで作成すると、ごみ問題など環境に配慮
したエコ製品として更に有用である。請求項4の車椅子
の発明は、図9の様に座った時仙骨部が車椅子の背もた
れ部分に当たる位置を中心に穴を開けるだけの簡単な発
明であるが、車椅子の背もたれ部分で圧迫されたり擦っ
たりすることで発生していた仙骨部の褥創の予防が可能
になる。以上本発明は特定の具体例で示されかつ説明さ
れたが、これ以外に変形体も別紙記載の特許請求の範囲
内で可能であることに留意されたい。
図面に従ってこれを説明する。図2は完成図の正面斜視
図であるが、材料はポリエチレン製シートを使用し、ク
ッション部分はドーナツ型のエアークッションを採用す
る。中心の除圧穴(3)は直接性能に関係する特に重要
な部分で、前述の直径8cm〜15cmの範囲と言うことに
なるが、今回は中間値である直径12cmで設計する。ま
た使用時のクッションの厚さは褥瘡予防と言う点から
は、絶対前述の2cm以上にしなければならないので、空
気を入れ負荷がかからない状態でのクッションの厚さ、
つまりドーナツ型エアークッション(2)の断面の直径
をどれくらいに設定するかということが問題になる。こ
こでは実験で用いたポリエチレン製のドーナツ型エアー
クッションをクッションとして用いるため、使用時約2
cm〜5cmの厚さにするには、実験結果の1cm程度沈むこ
とを考慮して、断面の直径は6cm以下でなければならな
いし、最低3cm以上は必要と言うことになる。今回の実
施例では、実際に試作して使用時違和感が無く、確実に
仙骨部にかかる圧力がほぼ0値0mmHg/cm2になる断面
の直径を検討した結果から、最終的に直径4.5cmに設
計する。またドーナツ型エアークッション付シール
(1)の固定に両面テープを使わずに市販されているビ
ニールテープなどの片面粘着テープで上から固定する場
合、のりしろ(5)に切り込みがある方が紙おむつやお
むつカバーとの接触面積が広く取れ確実に固定出来るた
め、のりしろ(5)を図2の三つ葉型や図5の四つ葉型
の様に切れ込みを入れる。具体的には設計図に沿って金
型を作成し、ポリエチレン製シートを裁断する。裁断し
たポリエチレン製シートは上下2枚ずつ計4枚合わせ貼
り合わせるが、図2の様にエアークッションはドーナツ
型になるように作成する。ここでシートを2重にするの
は、強度を上げるためと、原料のシートの製造過程で発
生するマイクロピンホールに起因するクッションからの
エアーの漏れを少なくするためである。また空気封入口
(4)は図4の様に中に折り返すことにより逆流防止弁
として働き、封入した空気が抜けなくなる。このドーナ
ツ型エアークッション付シール(1)は、図6の様に紙
おむつ(9)に固定して使用するが、裏表がないのでの
りしろ(5)のどちらか一方の面に両面テープ(6)を
貼って完成である。本発明は以上のような構造で、これ
を使用するときは、まず空気封入口(4)にストローを
差し込んで空気を90%以上入れる。次にのりしろ
(5)の両面テープ(6)のカバーを外し、紙おむつを
付けた状態でその上から個人の体型に合わせ、クッショ
ンの除圧穴(3)の中心が仙骨部の突起部分に位置する
ように、正確に貼り付けて使用する。これにより寝たと
きに褥瘡好発部位である仙骨部は、ドーナツ型エアーク
ッション(2)の除圧穴(3)にはまり込むので、そこ
には体重がかからない。よってこの部分には褥瘡は出来
ない。またその周囲には体重がかかるが、ドーナツ型エ
アークッション(2)により分散され、褥瘡発生臨界値
である320値0mmHg/cm2以下になるため、その部位
にも褥瘡は出来にくい。ここでは仙骨部についてのみ言
及したが、大転子部・腸骨部に関しても同様であり、解
剖学的構造を考慮してドーナツ型エアークッション
(2)の形、及び除圧穴(3)の形を決定する。また仙
骨部及び大転子部・腸骨部をそれぞれ専用の別々のクッ
ションでカバーする分割型で説明したが、バリエーショ
ンとして仙骨部と左右の大転子部・腸骨部のクッション
を1個のシールにまとめたタイプ(一体型)も作成可能
である。請求項2の発明は、最初からこのドーナツ型エ
アークッション(2)を紙おむつに組み込んだもので、
クッションは当然紙おむつの後面(外側)に取り付け
る。しかし紙おむつを付けた状態でクッションの除圧穴
(3)の中心が仙骨部の突起部分に正確に位置するため
には、体型に個人差があることを考慮して、除圧穴
(3)を大きめに作成する、あるいはSMLの様に幾つ
かサイズを用意するなど、更に細かい規定が必要であ
る。もう一つの発明である携帯用クッションに関して
も、ドーナツ型エアークッション付シール(1)と同様
に、ポリエチレン製のシートを使ってドーナツ型のエア
ークッションを作成するが、前述したように座位になっ
た場合には坐骨突起が左右に1個づつ突出するため、穴
が左右1個づつ必要なわけで、結果的にドーナツ型のエ
アークッションを2個横に並べた形、つまりめがね型に
しなければならない(図7)。また左右の坐骨突起の間
隔は個人差もあるが大体8cm前後であるので、クッショ
ンの穴と穴の内側の間隔が8cm以内に作れば目的とする
効果が得られる事になる。またのりしろは特に必要な
く、ドーナツの穴に相当する部分のシートは切り取って
も切り取らなくても良い。請求項4の車椅子用クッショ
ンの実施例としては、上記のめがね型携帯用エアークッ
ション(11)とドーナツ型エアークッション付シート
(1)を、図8の様に逆T字型に配列した形に作成す
る。ここでめがね型携帯用エアークッションとドーナツ
型エアークッション付シートの間のポリエチレン製シー
トは、使用時調節出来るように長めに作る。これを使用
する時はベルクロテープや両面テープで車椅子に固定す
る。この時背もたれに取り付けるクッションは、個人の
仙骨部の位置を確認して正確に車椅子の背もたれ部分に
取り付ける。出来ればこれらの製品を分解性のポリエチ
レンシートなどで作成すると、ごみ問題など環境に配慮
したエコ製品として更に有用である。請求項4の車椅子
の発明は、図9の様に座った時仙骨部が車椅子の背もた
れ部分に当たる位置を中心に穴を開けるだけの簡単な発
明であるが、車椅子の背もたれ部分で圧迫されたり擦っ
たりすることで発生していた仙骨部の褥創の予防が可能
になる。以上本発明は特定の具体例で示されかつ説明さ
れたが、これ以外に変形体も別紙記載の特許請求の範囲
内で可能であることに留意されたい。
【0007】
【発明の効果】おむつを使用する高齢者は日常生活にも
何らかの介助を必要とし、ベッド上での生活が主体であ
るため、褥瘡ができる危険性も高い。よって何らかの手
段により褥瘡予防をしなければならない。その意味では
この発明は非常に有用である。何故ならばエアーマット
やウォーターマットなどの大掛かりな褥瘡予防器具を使
用せずとも、市販の紙おむつにこの発明を取り付けるだ
けで、仰臥位時仙骨部の圧力は、従来のエアーマットな
どでは絶対不可能とされている理想値0mmHg/cm2をほ
ぼ達成出来、理論上は仙骨部には褥瘡はできなくなる。
またその周囲にかかった体重は、ドーナツ型エアークッ
ションのクッション部分で分散されるため、その部位に
も褥瘡はできず、結果として仙骨部の褥瘡予防が可能と
なる。これにより体位交換の回数もかなり減らす事が出
来、またその際にも大転子部・腸骨部に圧力がかからな
いように、半側臥位程度の体位交換で済む様になる。そ
の結果大転子部・腸骨部にクッション等を使用しなくと
も褥創は出来ない。更にクッション自体も非常に軽く、
さほど厚く無く邪魔にならないので、身体の可動性を妨
げることがなく、使用したままリハビリテーションでの
歩行訓練などの運動も可能であり、あらゆる人に幅広く
使用可能である。またこの発明は、実際に市販されてい
るヘリウムガス風船を改良したもので、コスト面でも有
利であり、商品化しやすく、使用後は産業廃棄物でなく
一般の燃えるゴミとして廃棄でき、問題になっている焼
却時のダイオキシンの発生もないなど利点が多い。車椅
子用クッションは、上記のドーナツ型エアークッション
付シールと同様のメカニズムにより、従来のものでは不
可能であった仙骨部の褥瘡予防も可能になった点で画期
的である。更にめがね型携帯用エアークッションの発明
は、この構造的特長によりクッションが薄くても有効に
働き、また空気封入口を含め全部が薄いシートで出来て
いるため非常にコンパクトに畳め、海外旅行などの長時
間移動する際には携帯用として最適である。この発明は
簡単な構造で機械化による大量生産が可能なため、安く
供給でき、一般用クッションとして汎用性が高く、ノベ
ルティーグッズとしても有用であるなど、種々の利点が
ある。これを分解性のポリエチレンシートなどで作成す
ると、携帯用として使った後捨てられても自然に分解さ
れるため、環境に配慮したエコ製品として更に有用であ
る。
何らかの介助を必要とし、ベッド上での生活が主体であ
るため、褥瘡ができる危険性も高い。よって何らかの手
段により褥瘡予防をしなければならない。その意味では
この発明は非常に有用である。何故ならばエアーマット
やウォーターマットなどの大掛かりな褥瘡予防器具を使
用せずとも、市販の紙おむつにこの発明を取り付けるだ
けで、仰臥位時仙骨部の圧力は、従来のエアーマットな
どでは絶対不可能とされている理想値0mmHg/cm2をほ
ぼ達成出来、理論上は仙骨部には褥瘡はできなくなる。
またその周囲にかかった体重は、ドーナツ型エアークッ
ションのクッション部分で分散されるため、その部位に
も褥瘡はできず、結果として仙骨部の褥瘡予防が可能と
なる。これにより体位交換の回数もかなり減らす事が出
来、またその際にも大転子部・腸骨部に圧力がかからな
いように、半側臥位程度の体位交換で済む様になる。そ
の結果大転子部・腸骨部にクッション等を使用しなくと
も褥創は出来ない。更にクッション自体も非常に軽く、
さほど厚く無く邪魔にならないので、身体の可動性を妨
げることがなく、使用したままリハビリテーションでの
歩行訓練などの運動も可能であり、あらゆる人に幅広く
使用可能である。またこの発明は、実際に市販されてい
るヘリウムガス風船を改良したもので、コスト面でも有
利であり、商品化しやすく、使用後は産業廃棄物でなく
一般の燃えるゴミとして廃棄でき、問題になっている焼
却時のダイオキシンの発生もないなど利点が多い。車椅
子用クッションは、上記のドーナツ型エアークッション
付シールと同様のメカニズムにより、従来のものでは不
可能であった仙骨部の褥瘡予防も可能になった点で画期
的である。更にめがね型携帯用エアークッションの発明
は、この構造的特長によりクッションが薄くても有効に
働き、また空気封入口を含め全部が薄いシートで出来て
いるため非常にコンパクトに畳め、海外旅行などの長時
間移動する際には携帯用として最適である。この発明は
簡単な構造で機械化による大量生産が可能なため、安く
供給でき、一般用クッションとして汎用性が高く、ノベ
ルティーグッズとしても有用であるなど、種々の利点が
ある。これを分解性のポリエチレンシートなどで作成す
ると、携帯用として使った後捨てられても自然に分解さ
れるため、環境に配慮したエコ製品として更に有用であ
る。
【図1】請求項1記載の発明を紙おむつに取り付けた正
面図
面図
【図2】請求項1記載の発明の正面斜視図
【図3】請求項1、5記載の発明の正中断面図
【図4】請求項5記載の発明の空気封入口部分の拡大断
面図
面図
【図5】請求項1記載の発明ののりしろを四つ葉型にし
た正面斜視図
た正面斜視図
【図6】請求項1記載の発明の使用図
【図7】請求項3記載の発明の実施例であるめがね型携
帯用エアークッションの斜視図
帯用エアークッションの斜視図
【図8】請求項1記載の発明と請求項3の実施例である
めがね型携帯用エアークッションの発明を合わせた発明
の正面斜視図
めがね型携帯用エアークッションの発明を合わせた発明
の正面斜視図
【図9】請求項4記載の車椅子の発明の正面斜視図
【図10】仙骨の解剖図(男性、左:後面、右:右側
面)
面)
1.ドーナツ型エアークッション付シール
2.ドーナツ型エアークッション
3.除圧穴
4.空気封入口
5.のりしろ
6.両面テープ
7.袋
8.空気層
9.紙おむつ
10.ドーナツ型エアークッション付シール(四つ葉
型) 11.めがね型携帯用エアークッション 12.車椅子用エアークッション 13.褥瘡予防機能付車椅子 14.上関節突起 15.正中仙骨稜 16.外側仙骨稜 17.外側部
型) 11.めがね型携帯用エアークッション 12.車椅子用エアークッション 13.褥瘡予防機能付車椅子 14.上関節突起 15.正中仙骨稜 16.外側仙骨稜 17.外側部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// F16K 15/20 F16K 15/20 Z
Claims (5)
- 【請求項1】 紙おむつの仙骨部が当たる位置に、その
外側から貼り付ける褥瘡予防用ドーナツ型クッション付
シールで、穴の大きさを直径8cmから15cm円の範囲内
に規定し、かつクッションの厚さも規定する事で、仙骨
部の突起部分にかかる圧力をほぼ完全に除去する事を可
能にした事を特徴とする褥瘡予防用ドーナツ型クッショ
ン付シール。 - 【請求項2】 請求項1の発明を紙おむつに組み込んだ
発明。 - 【請求項3】 座位時左右の坐骨突起が当たるクッショ
ンの位置に、穴を開けたり凹部を設けたりする事によ
り、あるいは椅子のクッション部分を支えている底板の
左右の坐骨突起が当たる位置に相当する部位に、穴を開
けたり凹部を設けたりする事により、坐骨突起にかかる
圧力を減じる事を可能にしたクッションあるいは椅子の
発明。 - 【請求項4】 車椅子用に背もたれを付けたクッション
の背もたれ部分や車椅子の背もたれ部分の仙骨部が当た
る位置に穴を開けることにより、仙骨部のほぼ完全な除
圧を可能にした車椅子用クッション及び褥瘡予防機能付
車椅子の発明。 - 【請求項5】 図4の様な構造の空気封入口を使ったエ
アークッションを用いることにより、使用時空気封入口
自体に起因する褥瘡発生を防止することを可能にした請
求項1、2、3、4の発明。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205725A JP2003019152A (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | 紙おむつ用褥瘡予防シールおよび車椅子用及び携帯用クッション |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001205725A JP2003019152A (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | 紙おむつ用褥瘡予防シールおよび車椅子用及び携帯用クッション |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003019152A true JP2003019152A (ja) | 2003-01-21 |
Family
ID=19041983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001205725A Pending JP2003019152A (ja) | 2001-07-06 | 2001-07-06 | 紙おむつ用褥瘡予防シールおよび車椅子用及び携帯用クッション |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003019152A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233412A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Campagnolo Sportswear Srl | サイクリングパンツ用保護具 |
JP2013212267A (ja) * | 2012-04-02 | 2013-10-17 | Okamura Corp | 椅子 |
JP2014094062A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Unicare Corp | オムツユニット及びオムツ外装体 |
-
2001
- 2001-07-06 JP JP2001205725A patent/JP2003019152A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233412A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Campagnolo Sportswear Srl | サイクリングパンツ用保護具 |
JP2013212267A (ja) * | 2012-04-02 | 2013-10-17 | Okamura Corp | 椅子 |
JP2014094062A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Unicare Corp | オムツユニット及びオムツ外装体 |
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