JP2003018131A - データ通信装置およびデータ通信方法 - Google Patents
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Abstract
において、消費電力の増大を回避しつつ、送信データの
品質を向上すること。 【解決手段】 同一の情報ビット(S)を複数回(N
回)送信し、かつ、その際、N回送信される同一の情報
ビットに対するN回分の送信電力の合計が一定となるよ
うに、たとえば、各送信時における情報ビットの1パケ
ット分の送信電力(b)が、通常の1パケット分の送信
電力(a)の1/Nになるように(b=a/N)、送信
パケットの送信電力をパケットごとに制御(変更)す
る。
Description
よびデータ通信方法に関する。
制御技術として、タイプ2ハイブリッド(type 2 hybr
id)自動再送要求(ARQ:Automatic Repeat reQues
t)方式(以下「タイプ2ハイブリッドARQ方式」と
いう)がある。このタイプ2ハイブリッドARQ方式
は、ターボ符号を使用し、IR(Incremental Redundan
cy)方式とも呼ばれている。
でターボ符号化を行い、ターボ符号化された信号のう
ち、まず、情報ビット(「システマチックビット」とも
呼ばれる)(S)を送信し、受信機で誤り検出を行う。
誤りが検出されると、受信機から送信機にNACK(Ne
gative ACKnowlegement:否定応答)信号を返す。この
場合、送信機は、誤り訂正のためのFEC(前方誤り訂
正:Forward Error Correction)のパリティビット1
(P1)(冗長ビット)を送信し、受信機は、情報ビッ
トとパリティビット1を用いてターボ復号を行う。さら
に誤りが検出された場合は、受信機からのNACK信号
に応答して、送信機は、同じく誤り訂正のためのFEC
のパリティビット2(P2)を送信し、受信機は、情報
ビットとパリティビット1とパリティビット2を用いて
ターボ復号を行う。なお、誤り無しの場合は、ACK
(ACKnowlegement:肯定応答)信号が返され、次のデー
タが要求される。
方式には、次のような問題がある。
ットの品質が、復号後の信号の品質に大きな影響を与え
る。すなわち、情報ビットの品質が良くない(たとえ
ば、SN比が低い)場合は、パリティビットの品質が高
くてもうまく復号を行うことができず、高品質の復号信
号を得ることができない。したがって、タイプ2ハイブ
リッドARQ方式では、最初に情報ビットが送信され、
再送の場合にパリティビットが送信されるため、最初に
送信された情報ビットが、フェージングなどにより品質
が劣化し低いSN比で受信された場合、その後、パリテ
ィビットを多く再送しても合成後の品質は向上せず、無
駄な再送が続いてしまう可能性がある。
であり、消費電力の増大を回避しつつ、送信データの品
質を向上することができるタイプ2ハイブリッドARQ
方式に基づくデータ通信装置およびデータ通信方法を提
供することを目的とする。
は、ハイブリッド自動再送要求方式に基づくデータ通信
装置において、同一の送信データを複数回送信する送信
手段と、複数回送信される同一の送信データに対する当
該複数回分の送信電力の合計が一定となるように、送信
データの送信電力を制御する制御手段と、を有する構成
を採る。
数回(たとえば、N回)送信するため、受信側で複数回
(N回)の受信信号を合成することにより、時間ダイバ
ーシチ効果を得ることができ、送信データの品質を向上
することができる。しかも、その際、複数回(N回)送
信される同一の送信データに対する当該複数回(N回)
分の送信電力の合計が一定となるように、送信データの
送信電力を制御するため、たとえば、同一の送信データ
当たりの送信電力を従来の方式による送信電力と同じ値
にすることにより、消費電力の増大を回避することがで
きる。
おいて、前記制御手段は、複数回送信される同一の送信
データに対する1回分の送信電力が互いに等しく、か
つ、複数回送信される同一の送信データに対する当該複
数回分の送信電力の合計が、同一の送信データを1回だ
け送信する方式における各送信データの送信電力と等し
くなるように、送信データの送信電力を制御する、構成
を採る。
回)送信される同一の送信データに対する1回分の送信
電力が互いに等しく、かつ、複数回(N回)送信される
同一の送信データに対する当該複数回(N回)分の送信
電力の合計が、同一の送信データを1回だけ送信する方
式(つまり、従来の方式)における各送信データの送信
電力と等しくなるように、すなわち、同一の送信データ
に対する1回分の送信電力が、従来の方式による送信デ
ータの送信電力の値の1/Nになるように、送信データ
の送信電力を制御するため、送信データの送信に必要な
電力は従来の方式による場合と同じであるが、複数回
(N回)送信されたデータを受信側で合成することによ
り、時間ダイバーシチ効果を得ることができる。すなわ
ち、消費電力の増大を回避しつつ、送信データの品質を
向上することができる。
おいて、前記送信データは、情報ビットのパケットであ
る構成を採る。
イブリッドARQ方式において、最初に送信される情報
ビットの品質を、消費電力の増大を回避しつつ、向上す
ることができる。
おいて、ドップラ周波数を検出する検出手段と、検出さ
れたドップラ周波数に応じて、同一の送信データを送信
する回数を切り替える切り替え手段と、をさらに有する
構成を採る。
信する回数をドップラ周波数に応じて切り替える、たと
えば、ドップラ周波数が高い場合は周波数ダイバーシチ
効果が得やすいので送信回数を少なくし、ドップラ周波
数が低い場合は周波数ダイバーシチ効果が得にくいので
送信回数を多くするため、データ通信装置間の相対的な
移動状況に応じて効率的にダイバーシチ効果を得ること
ができ、送信データの品質向上を図りつつ、送信回数の
増大による伝送速度の低下を抑制することができる。
おいて、前記送信手段は、同一の送信データを複数回送
信する際の各送信時に、同一ユーザの複数の送信データ
を多重して同時に送信する、構成を採る。
同一ユーザの複数の送信データを多重して同時に送信す
るため、データの伝送効率(スループット)を向上する
ことができる。
おいて、前記制御手段は、多重されて同時に送信される
同一ユーザの複数の送信データのおのおのに対して、複
数回送信される同一の送信データに対する当該複数回分
の送信電力の合計が一定となるように、かつ、多重され
て同時に送信される同一ユーザの複数の送信データに対
する各送信時の送信電力の合計が一定となるように、送
信データの送信電力を制御する、構成を採る。
される同一ユーザの複数の送信データのおのおのに対し
て、同一の送信データ当たりの送信電力を、たとえば、
従来の方式による送信電力と同じ値にすることのみなら
ず、多重されて同時に送信される同一ユーザの複数の送
信データに対する各送信時の送信電力の合計をも、たと
えば、同じく従来の方式による送信電力と同じ値にする
ことができるため、同一の送信データに対してのみなら
ず個々の送信時に対しても送信データの送信電力を従来
の方式による場合と同じにすることができ、消費電力の
増大を回避することができる。
おいて、前記送信手段は、同一ユーザの複数の送信デー
タを多重して同時に複数回送信した後に再送として誤り
訂正用の冗長ビットを送信する場合、同一ユーザの複数
の送信データに対応する冗長ビットを順番に送信する、
構成を採る。
場合、同一ユーザの複数の送信データに対応する冗長ビ
ットを順番に(交互に)送信するため、多重されて同時
に送信された同一ユーザの複数の送信データを復号する
タイミングを平準化することができ、復号処理の遅延を
短くすることができる。
おいて、前記送信手段は、同一の送信データを複数回送
信する際の各送信時に、複数のユーザの送信データを多
重して同時に送信する、構成を採る。
複数のユーザの送信データを多重して同時に送信するた
め、データの伝送効率(スループット)を向上すること
ができる。
おいて、前記制御手段は、多重されて同時に送信される
複数のユーザの送信データのおのおのに対して、複数回
送信される同一の送信データに対する当該複数回分の送
信電力の合計が一定となるように、かつ、多重されて同
時に送信される複数のユーザの送信データに対する各送
信時の送信電力の合計が一定となるように、送信データ
の送信電力を制御する、構成を採る。
される複数のユーザの送信データのおのおのに対して、
同一の送信データ当たりの送信電力を、たとえば、従来
の方式による送信電力と同じ値にすることのみならず、
多重されて同時に送信される複数のユーザの送信データ
に対する各送信時の送信電力の合計をも、たとえば、同
じく従来の方式による送信電力と同じ値にすることがで
きるため、同一の送信データに対してのみならず個々の
送信時に対しても送信データの送信電力を従来の方式に
よる場合と同じにすることができ、消費電力の増大を回
避することができる。
おいて、前記送信手段は、複数のユーザの送信データを
多重して同時に複数回送信した後に再送として誤り訂正
用の冗長ビットを送信する場合、複数のユーザの送信デ
ータに対応する冗長ビットを順番に送信する、構成を採
る。
場合、複数のユーザの送信データに対応する冗長ビット
を順番に(交互に)送信するため、多重されて同時に送
信された複数のユーザの送信データを復号するタイミン
グを平準化することができ、復号処理の遅延を短くする
ことができる。
おいて、送信データおよび当該送信データ送信後に再送
として送信される誤り訂正用の冗長ビットの送信電力の
合計を一定に保持しつつ、誤り訂正用の冗長ビットより
も送信データに対して送信電力を多く配分する配分手
段、をさらに有する構成を採る。
ビットの送信電力の合計を一定に保持しつつ、冗長ビッ
トよりも送信データに対して送信電力を多く配分するた
め、たとえば、ターボ符号を用いる場合、その性能を向
上することができ、送信データの品質をさらに向上する
ことができる。
自動再送要求方式に基づくデータ通信方法において、同
一の送信データを複数回送信し、かつ、その際、複数回
送信される同一の送信データに対する当該複数回分の送
信電力の合計が一定となるように、送信データの送信電
力を制御する、ようにした。
数回(たとえば、N回)送信するため、受信側で複数回
(N回)の受信信号を合成することにより、時間ダイバ
ーシチ効果を得ることができ、送信データの品質を向上
することができる。しかも、その際、複数回(N回)送
信される同一の送信データに対する当該複数回(N回)
分の送信電力の合計が一定となるように、送信データの
送信電力を制御するため、たとえば、同一の送信データ
当たりの送信電力を従来の方式による送信電力と同じ値
にすることにより、消費電力の増大を回避することがで
きる。
RQ方式に基づくデータ通信装置において、同一の送信
データを複数回(N回)送信し、かつ、その際、N回送
信される同一の送信データに対するN回分の送信電力の
合計が一定となるように、送信データの送信電力を制御
することにより、消費電力の増大を回避しつつ、送信デ
ータの品質を向上することである。
を参照して詳細に説明する。
形態1に係るデータ通信装置の送信側(つまり、送信
機)の構成を示すブロック図である。
用いたタイプ2ハイブリッドARQ方式(IR方式)に
基づくデータ通信システムに用いられ、ターボ符号化部
101、バッファ103、セレクタ105、拡散部10
7、パワー制御部109、無線送信部111、送受信共
用のアンテナ113、無線受信部115、逆拡散部11
7、NACK信号検出部119、および送信パケット決
定部121を有する。送信機100は、たとえば、移動
体通信システムの基地局装置に搭載される。
る受信側(つまり、受信機)の構成を示すブロック図で
ある。
アンテナ201、無線受信部203、逆拡散部205、
セレクタ207、バッファ209、ターボ復号部21
1、誤り検出部213、NACK信号生成部215、お
よび無線送信部217を有する。受信機200は、たと
えば、同移動体通信システムの移動局装置に搭載され
る。
よって本実施の形態に対応するIR方式のデータ通信シ
ステムが構築される。
テムの動作について、図3に示す本方式の手順を参照し
て説明する。
01で、入力されるユーザデータのターボ符号化を行
う。このターボ符号化部101は、たとえば、符号化率
R=1/3であるため、1つの入力信号(ユーザデー
タ)に対して3つの出力信号、つまり、情報ビット
(S)、パリティビット1(P1)(冗長ビット)、パ
リティビット2(P2)(冗長ビット)を送出する。こ
のとき、ユーザデータは、情報ビットとしてそのまま出
力される。ターボ符号化後の信号(情報ビット、パリテ
ィビット1、パリティビット2)は、バッファ103に
それぞれ出力される。
1から出力されたターボ符号化後の信号(情報ビット、
パリティビット1、パリティビット2)を、対応するバ
ッファ領域にそれぞれ蓄積する。
後の信号(情報ビット、パリティビット1、パリティビ
ット2)は、セレクタ105によって選択された後、送
信パケットとして拡散部107に出力される。なお、セ
レクタ105は、送信パケット決定部121によって操
作される。
する手順、つまり、パケットの送信手順は、次のとおり
である。図3に示すように、まず、同一の情報ビット
(S)のパケットを時間をずらして複数回(図3の例で
は2回)送信し、再送の場合(NACK信号検出時)
は、パリティビット1(P1)のパケットを送信し、さ
らに再送の場合(NACK信号検出時)は、パリティビ
ット2(P2)のパケットを送信する。このような送信
手順は、送信パケット決定部121で、NACK信号検
出部119の検出結果に基づいて決定される。
て選択された送信パケットを拡散した後、パワー制御部
109に出力する。
ケットの送信電力(パワー)をパケットごとに制御(変
更)する。具体的には、たとえば、図3に示すように、
送信パケットが情報ビット(S)の場合は、その送信電
力の値bを通常の1パケット分の送信電力の値a(図8
参照)の1/2に変更し(b=a/2)、送信パケット
がパリティビット1(P1)またはパリティビット2
(P2)の場合は、その送信電力の値を通常の1パケッ
ト分の送信電力の値aのままとする。すなわち、情報ビ
ットのパケットは、通常の1/2の送信電力で送信さ
れ、パリティビット1とパリティビット2のパケット
は、通常の送信電力で送信される。このとき、送信パケ
ットの種別は、送信パケット決定部121からの情報に
基づいて認識される。
パケットを2回に分けて送信しているが、送信回数は特
に限定されない。この場合、同一の情報ビットの送信回
数をN回とすると、各送信時における情報ビットの1パ
ケット分の送信電力の値bは、通常の1パケット分の送
信電力の値aの1/Nに設定される(b=a/N)。
トは、無線送信部111で、アップコンバートなどの所
定の送信処理が施された後、アンテナ113から無線送
信される。
で、送信機100から無線送信された信号を受信する。
アンテナ201で受信された信号は、無線受信部203
で、ダウンコンバートなどの所定の受信処理が施された
後、逆拡散部205に出力される。
ら入力した受信信号を逆拡散した後、セレクタ207に
出力する。
を種別に応じてバッファ209に蓄積する。すなわち、
情報ビット、パリティビット1、およびパリティビット
2の種別に応じて、逆拡散後の受信信号を、対応するバ
ッファ領域に蓄積する。
時点で、ターボ復号を行う。具体的には、情報ビットを
受信した時は、受信した複数回(N回)の情報ビット
(より詳しくは、ダイバーシチ合成後の情報ビット)を
用いてターボ復号を行い、パリティビット1を受信した
時は、先に受信したN回の情報ビットと今回受信したパ
リティビット1とを用いてターボ復号を行い、パリティ
ビット2を受信した時は、先に受信したN回の情報ビッ
トと先に受信したパリティビット1と今回受信したパリ
ティビット2とを用いてターボ復号を行う。ターボ復号
後の信号は、ユーザデータとして取り出されるととも
に、誤り検出部213に出力される。
号に対する誤り検出を行う。誤り検出は、たとえば、一
例として、CRC(Cyclic Redundancy Chek)符号を用
いて行われる。誤り検出の結果は、NACK信号生成部
215に出力される。
ば、ターボ復号後の信号に誤りがあった場合は、NAC
K信号を生成し、また、ターボ復号後の信号に誤りがな
かった場合は、ACK信号を生成する。なお、ACK信
号は、専用のACK信号生成部で生成するようにしても
よい。
は、無線送信部217で、アップコンバートなどの所定
の送信処理が施された後、アンテナ201から無線送信
される。
で、受信機200から無線送信されたNACK信号また
はACK信号を受信する。アンテナ201で受信された
NACK信号またはACK信号は、無線受信部115
で、ダウンコンバートなどの所定の受信処理が施された
後、逆拡散部117に出力される。
ら入力した受信信号を逆拡散した後、NACK信号検出
部119に出力する。
の受信信号がNACK信号か否かを検出する。検出結果
(つまり、NACK信号かACK信号か)は、送信パケ
ット決定部121に出力される。
信号検出部119の検出結果に基づいて、次に送信する
パケットを決定する。具体的には、動作開始時またはA
CK信号検出時は、同一の情報ビット(S)のパケット
を時間をずらして複数回(N回)送信させるべく、情報
ビットを選択し、また、同一の情報ビットがN回送信さ
れた後にNACK信号が検出された時は、パリティビッ
ト1(P1)のパケットを送信させるべく、パリティビ
ット1を選択し、また、同一の情報ビットがN回送信さ
れかつその後引き続きパリティビット1が送信された後
にNACK信号が検出された時は、パリティビット2
(P2)のパケットを送信させるべく、パリティビット
2を選択する。すなわち、パケットを送信する順番は、
情報ビット(S)×N回→パリティビット1(P1)→
パリティビット2(P2)である。送信パケット決定部
121の決定結果は、上記のように、セレクタ105お
よびパワー制御部109に出力される。
の情報ビットを2回送信する図3の例を用いて説明す
る。この場合、送信機100は、初めに情報ビット
(S)のパケットを通常の1/2の送信電力(b=a/
2)で2回送信する。そして、受信機200からNAC
K信号が返された場合は、パリティビット1(P1)の
パケットを通常の送信電力で1回送信する。そして、さ
らに受信機200からNACK信号が返された場合は、
パリティビット2(P2)のパケットを1回送信する。
このような送信手順をとることで、情報ビットの送信に
使用する電力は全体として従来の方式による場合と同じ
であり、しかも、同一の情報ビットを2回送信するた
め、受信側で2回の受信信号を合成(ダイバーシチ合
成)することにより、時間ダイバーシチ効果を得ること
ができ、従来の方式よりも情報ビットのSN比を向上し
て性能を高めることができる。
置を用いたデータ通信システムによれば、同一の情報ビ
ットを複数回(N回)送信し、かつ、その際、N回送信
される同一の情報ビットに対するN回分の送信電力の合
計が一定となるように、たとえば、各送信時における情
報ビットの1パケット分の送信電力が、通常の1パケッ
ト分の送信電力の1/Nになるように、送信パケットの
送信電力をパケット(の種別)ごとに変更するため、情
報ビットの送信に使用する電力は従来の方式による場合
と同じであり、しかも、N回送信された情報ビットを受
信側で合成することにより、時間ダイバーシチ効果を得
ることができ、よって、消費電力の増大を回避しつつ、
情報ビットの品質を向上することができる。
電力の配分の仕方として、情報ビットのパケットおよび
パリティビットのパケットの送信に使用する総電力を一
定に保ちながら、パリティビットのパケットよりも情報
ビットのパケットに対して送信電力を多く配分して、上
記の送信手順を行うようにしてもよい。この場合、ター
ボ符号の性能を向上することができ、送信データの品質
をさらに向上することができる。
形態2に係るデータ通信装置の送信側(つまり、送信
機)の構成を示すブロック図である。この送信機100
aは、ターボ符号を用いたタイプ2ハイブリッドARQ
方式(IR方式)に基づくデータ通信システムに用いら
れ、図1に示す実施の形態1に対応する送信機100と
同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その説明を省略する。
同一の情報ビットの送信回数(N)をドップラ周波数に
応じて変更すること、および、同一ユーザの複数(M)
のデータを多重して同時に送信することである。以下、
順に説明する。
は、ドップラ周波数検出部123を有する。ドップラ周
波数検出部123は、無線受信部115から入力した受
信信号のドップラ周波数を検出する。ドップラ周波数
は、送信機と受信機間の相対移動に起因して生じるドッ
プラ効果に基づく周波数のシフト(偏移)量のことであ
る。この場合、送信機100aに対して受信機200が
遠ざかる場合は低い周波数に、また、近づいて来る場合
は高い周波数にそれぞれシフトする。ドップラ周波数検
出部123の検出結果は、送信パケット決定部121a
に出力される。
ラ周波数検出部123の検出結果(ドップラ周波数)に
基づいて、同一の情報ビットの送信回数(N)を切り替
える。具体的には、ドップラ周波数が高い場合は、周波
数ダイバーシチ効果が得やすいため、伝送速度低下の可
能性がある時間ダイバーシチ効果をそれほど高める必要
はないので、送信回数を少なくする(Nの値を小さくす
る)。送信回数を少なくすることにより、情報ビットを
N回送信するまでの時間が短縮されるため、データの送
信完了までの時間を短くすることが可能になる。逆に、
ドップラ周波数が低い場合は、周波数ダイバーシチ効果
が得にくいため、時間ダイバーシチ効果を高める必要が
あるので、送信回数を多くする(Nの値を大きくす
る)。これにより、送信機100aと受信機200間の
相対的な移動状況に応じて効率的にダイバーシチ効果を
得ることができ、送信データの品質向上を図りつつ、送
信回数の増大による伝送速度の低下を抑制することがで
きる。
は、同一ユーザの複数(ここでは2つ)のデータを多重
して同時に送信する。このため、送信機100aは、2
つのターボ符号化部101a,101bと、2つのバッ
ファ103a,103bとを有する。ターボ符号化部1
01a,101bは、共に、符号化率R=1/3であ
る。ターボ符号化部101aから出力されるターボ符号
化後の信号(情報ビット、パリティビット1、パリティ
ビット2)は、バッファ103aに蓄積され、ターボ符
号化部101bから出力されるターボ符号化後の信号
(情報ビット、パリティビット1、パリティビット2)
は、バッファ103bに蓄積される。バッファ103a
およびバッファ103bに蓄積された同一ユーザの2つ
のデータの情報ビットは、セレクタ105aによって選
択され多重された後、拡散部107に出力される。な
お、ここでは、図示しない信号分配部により、入力され
た同一ユーザの連続する2つのデータが、ターボ符号化
部101aとターボ符号化部101bにそれぞれ分配さ
れるようになっている。
作の具体例を説明する。ここでは、同一ユーザの2つの
データの情報ビットを多重して同時に2回送信する場合
を例にとって説明する。
るときに次のデータ2も同時に送信する、すなわち、同
一ユーザの連続するデータ1とデータ2とを多重して同
時に送信する。多重化に先立ち、データ1は、ターボ符
号化部101aでターボ符号化され、ターボ符号化後の
情報ビット(S(1))、パリティビット1(P1
(1))、パリティビット2(P2(1))は、対応す
るバッファ103aに蓄積され、また、データ2は、タ
ーボ符号化部101bでターボ符号化され、ターボ符号
化後の情報ビット(S(2))、パリティビット1(P
1(2))、パリティビット2(P2(2))は、対応
するバッファ103bに蓄積されているものとする。
つのデータの情報ビットS(1)とS(2)を多重して
同時に2回送信する。このとき、各送信時における同一
ユーザのデータ1の情報ビットS(1)の1パケット分
の送信電力の値b1は、通常の1パケット分の送信電力
の値aの1/2であり(b1=a/2)、また、同様
に、各送信時における同一ユーザのデータ2の情報ビッ
トS(2)の1パケット分の送信電力の値b2は、通常
の1パケット分の送信電力の値aの1/2である(b2
=a/2)。すなわち、同一の情報ビットの送信に使用
する電力は従来の方式による場合と同じであり(b1×
2=a)、かつ、各送信時における多重された情報ビッ
トの送信電力の合計も従来の方式による場合と同じであ
る(b1+b2=a)。これにより、同一ユーザの2つ
のデータの情報ビットを多重して同時に送信する場合で
あっても、同一ユーザの2つのデータの情報ビットの送
信に使用する電力は全体として従来の方式による場合と
同じであるため、消費電力の増大を回避することがで
き、しかも、同一ユーザの2つのデータの情報ビットの
おのおのに対して時間ダイバーシチ効果を得ることがで
きるため、従来の方式よりも情報ビットのSN比を向上
して性能を高めることができる。
合において、多重する情報ビットの同一ユーザのデータ
数(M)は、N以下である(M≦N)ことが好ましい。
同一の情報ビットをN回送信する場合は、上記のよう
に、各送信時における各個の情報ビットの1パケット分
の送信電力の値bを、通常の1パケット分の送信電力の
値aの1/Nにそれぞれ設定するため(b=a/N)、
個々の送信時における多重された情報ビットの送信電力
の合計を従来の1パケット分の送信電力の値a以下にす
るには、同一ユーザのデータの多重化数をN以下にする
必要があるからである。
返された場合は、図5に示すように、パケット番号
(1)のパリティビット(P1(1),P2(1))
と、パケット番号(2)のパリティビット(P1
(2),P2(2))とを交互に送信する。これによ
り、多重されて同時に送信された同一ユーザの2つのデ
ータを復号するタイミングを平準化することができ、復
号処理の遅延を短くすることができる。
置を用いたデータ通信システムによれば、個々の情報ビ
ット送信時において同一ユーザの複数のデータの情報ビ
ットを多重して同時に送信するため、データの伝送効率
(スループット)を向上することができる。
プラ周波数に応じて変更するため、送信機100aと受
信機200間の相対的な移動状況に応じて効率的にダイ
バーシチ効果を得ることができ、送信データの品質向上
を図りつつ、送信回数の増大による伝送速度の低下を抑
制することができる。
ビットのパケットおよびパリティビットのパケットの送
信に使用する総電力を一定に保ちながら、パリティビッ
トのパケットよりも情報ビットのパケットに対して送信
電力を多く配分して、上記の送信手順を行うようにして
もよいことは、実施の形態1の場合と同様である。
形態3に係るデータ通信装置の送信側(つまり、送信
機)の構成を示すブロック図である。この送信機100
bは、ターボ符号を用いたタイプ2ハイブリッドARQ
方式(IR方式)に基づくデータ通信システムに用いら
れ、図1に示す実施の形態1に対応する送信機100と
同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同
一の符号を付し、その説明を省略する。
複数(M)のユーザのデータを多重して同時に送信する
ことである。多重化に関して実施の形態2との違いは、
実施の形態2では同一ユーザの複数のデータを多重する
のに対し、本実施の形態では複数のユーザのデータを多
重する点にある。そのため、本実施の形態では、実施の
形態2と同様に、2つのターボ符号化部101a,10
1bと、2つのバッファ103a,103bとを有する
が、2つのターボ符号化部101a,101bには、互
いに異なるユーザのデータがそれぞれ入力されるように
なっている。
作の具体例を説明する。ここでは、ユーザAとユーザB
の2つのデータの情報ビットを多重して同時に2回送信
する場合を例にとって説明する。
きに他のユーザBのデータも同時に送信する、すなわ
ち、ユーザAとユーザBの2つのデータを多重して同時
に送信する。多重化に先立ち、ユーザAのデータは、タ
ーボ符号化部101aでターボ符号化され、ターボ符号
化後の情報ビット(S(a))、パリティビット1(P
1(a))、パリティビット2(P2(a))は、対応
するバッファ103aに蓄積され、また、ユーザBのデ
ータは、ターボ符号化部101bでターボ符号化され、
ターボ符号化後の情報ビット(S(b))、パリティビ
ット1(P1(b))、パリティビット2(P2
(b))は、対応するバッファ103bに蓄積されてい
るものとする。
タの情報ビットS(a)とユーザBのデータの情報ビッ
トS(b)とを多重して同時に2回送信する。このと
き、各送信時におけるユーザAのデータの情報ビットS
(a)の1パケット分の送信電力の値b1は、通常の1
パケット分の送信電力の値aの1/2であり(b1=a
/2)、また、同様に、各送信時におけるユーザBのデ
ータの情報ビットS(b)の1パケット分の送信電力の
値b2は、通常の1パケット分の送信電力の値aの1/
2である(b2=a/2)。すなわち、同一の情報ビッ
トの送信に使用する電力は従来の方式による場合と同じ
であり(b1×2=a)、かつ、各送信時における多重
された情報ビットの送信電力の合計も従来の方式による
場合と同じである(b1+b2=a)。これにより、ユ
ーザAとユーザBの2つのデータの情報ビットを多重し
て同時に送信する場合であっても、ユーザAとユーザB
の2つのデータの情報ビットの送信に使用する電力は全
体として従来の方式による場合と同じであるため、消費
電力の増大を回避することができ、しかも、ユーザAと
ユーザBの2つのデータの情報ビットのおのおのに対し
て時間ダイバーシチ効果を得ることができるため、従来
の方式よりも情報ビットのSN比を向上して性能を高め
ることができる。
合において、多重する情報ビットのデータのユーザの数
(M)は、N以下である(M≦N)ことが好ましい。同
一の情報ビットをN回送信する場合は、上記のように、
各送信時における各個の情報ビットの1パケット分の送
信電力の値bを、通常の1パケット分の送信電力の値a
の1/Nにそれぞれ設定するため(b=a/N)、個々
の送信時における多重された情報ビットの送信電力の合
計を従来の1パケット分の送信電力の値a以下にするに
は、異なるユーザのデータの多重化数をN以下にする必
要があるからである。
返された場合は、図5に示すように、パケット番号
(1)のパリティビット(P1(1),P2(1))
と、パケット番号(2)のパリティビット(P1
(2),P2(2))とを交互に送信する。これによ
り、多重されて同時に送信されたユーザAとユーザBの
2つのデータを復号するタイミングを平準化することが
でき、復号処理の遅延を短くすることができる。
置を用いたデータ通信システムによれば、個々の情報ビ
ット送信時において複数のユーザのデータの情報ビット
を多重して同時に送信するため、データの伝送効率(ス
ループット)を向上することができる。
ビットのパケットおよびパリティビットのパケットの送
信に使用する総電力を一定に保ちながら、パリティビッ
トのパケットよりも情報ビットのパケットに対して送信
電力を多く配分して、上記の送信手順を行うようにして
もよいことは、実施の形態1の場合と同様である。
を複数回(N回)送信した後で誤り検出を行い、NAC
K信号受信時にパリティビットを送信するようにしてい
るが、この方式以外に、情報ビットを送信する度に誤り
検出を行い、NACK信号受信時に次の情報ビットを送
信する方式をとることも可能である。この方式では、S
N比が高いとき、複数(N個)のパケット(情報ビッ
ト)を受信しなくても通常の1/Nの電力のパケットだ
けで情報ビットを誤りなく受信できる可能性がある。こ
の場合、データ送信完了までの遅延時間を少なくするこ
とができる。
および受信機200を有するデータ通信システムは、移
動体通信システムにおける下り回線の高速パケット伝送
に適用することができる。
タイプ2ハイブリッド自動再送要求方式において、消費
電力の増大を回避しつつ、送信データの品質を向上する
ことができる。
送信側の構成を示すブロック図
受信側の構成を示すブロック図
ARQ方式の手順を示す図
送信側の構成を示すブロック図
ARQ方式の手順を示す図
送信側の構成を示すブロック図
ARQ方式の手順を示す図
を示す図
Claims (12)
- 【請求項1】 ハイブリッド自動再送要求方式に基づく
データ通信装置において、 同一の送信データを複数回送信する送信手段と、 複数回送信される同一の送信データに対する当該複数回
分の送信電力の合計が一定となるように、送信データの
送信電力を制御する制御手段と、 を有することを特徴とするデータ通信装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は、 複数回送信される同一の送信データに対する1回分の送
信電力が互いに等しく、かつ、複数回送信される同一の
送信データに対する当該複数回分の送信電力の合計が、
同一の送信データを1回だけ送信する方式における各送
信データの送信電力と等しくなるように、送信データの
送信電力を制御する、 ことを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。 - 【請求項3】 前記送信データは、情報ビットのパケッ
トであることを特徴とする請求項1記載のデータ通信装
置。 - 【請求項4】 ドップラ周波数を検出する検出手段と、 検出されたドップラ周波数に応じて、同一の送信データ
を送信する回数を切り替える切り替え手段と、 をさらに有することを特徴とする請求項1記載のデータ
通信装置。 - 【請求項5】 前記送信手段は、 同一の送信データを複数回送信する際の各送信時に、同
一ユーザの複数の送信データを多重して同時に送信す
る、 ことを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、 多重されて同時に送信される同一ユーザの複数の送信デ
ータのおのおのに対して、複数回送信される同一の送信
データに対する当該複数回分の送信電力の合計が一定と
なるように、かつ、多重されて同時に送信される同一ユ
ーザの複数の送信データに対する各送信時の送信電力の
合計が一定となるように、送信データの送信電力を制御
する、 ことを特徴とする請求項5記載のデータ通信装置。 - 【請求項7】 前記送信手段は、 同一ユーザの複数の送信データを多重して同時に複数回
送信した後に再送として誤り訂正用の冗長ビットを送信
する場合、同一ユーザの複数の送信データに対応する冗
長ビットを順番に送信する、 ことを特徴とする請求項5記載のデータ通信装置。 - 【請求項8】 前記送信手段は、 同一の送信データを複数回送信する際の各送信時に、複
数のユーザの送信データを多重して同時に送信する、 ことを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。 - 【請求項9】 前記制御手段は、 多重されて同時に送信される複数のユーザの送信データ
のおのおのに対して、複数回送信される同一の送信デー
タに対する当該複数回分の送信電力の合計が一定となる
ように、かつ、多重されて同時に送信される複数のユー
ザの送信データに対する各送信時の送信電力の合計が一
定となるように、送信データの送信電力を制御する、 ことを特徴とする請求項8記載のデータ通信装置。 - 【請求項10】 前記送信手段は、 複数のユーザの送信データを多重して同時に複数回送信
した後に再送として誤り訂正用の冗長ビットを送信する
場合、複数のユーザの送信データに対応する冗長ビット
を順番に送信する、 ことを特徴とする請求項8記載のデータ通信装置。 - 【請求項11】 送信データおよび当該送信データ送信
後に再送として送信される誤り訂正用の冗長ビットの送
信電力の合計を一定に保持しつつ、誤り訂正用の冗長ビ
ットよりも送信データに対して送信電力を多く配分する
配分手段、 をさらに有することを特徴とする請求項3記載のデータ
通信装置。 - 【請求項12】 ハイブリッド自動再送要求方式に基づ
くデータ通信方法において、 同一の送信データを複数回送信し、かつ、その際、複数
回送信される同一の送信データに対する当該複数回分の
送信電力の合計が一定となるように、送信データの送信
電力を制御する、 ことを特徴とするデータ通信方法。
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