JP2003017214A - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

スパークプラグ及びその製造方法

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JP2003017214A JP2001197304A JP2001197304A JP2003017214A JP 2003017214 A JP2003017214 A JP 2003017214A JP 2001197304 A JP2001197304 A JP 2001197304A JP 2001197304 A JP2001197304 A JP 2001197304A JP 2003017214 A JP2003017214 A JP 2003017214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発火部の接合強度や発火部寿命等を一層向上
させることができるスパークプラグを提供する。 【解決手段】 貴金属発火部31’が、中心電極3の軸
線方向において、その先端に全周レーザー溶接部10を
介して固着される。中心電極3の本体部3Mの外周面3
pと、貴金属発火部31’の外周面31p’との同軸度
が0.15mm以下とされる。中心電極3の先端面3s
に貴金属チップ31'を同軸度が0.15mm以下とな
るように位置決めしつつ重ね合わせて重ね合せ組立体1
70を作り、その重ね合せ組立体170に対しレーザー
ビームLBを照射して、貴金属チップ31'とチップ被
固着面とにまたがる全周レーザー溶接部10をチップ外
周面周方向に沿って形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスパークプラグ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火用に使用されるスパーク
プラグにおいては、近年、耐火花消耗性向上のために、
Ni基あるいはFe基の耐熱合金で構成された中心電極
の先端にPtやIr等を主体とする貴金属チップを溶接
して貴金属発火部を形成したタイプのものが使用されて
いる。例えば接地電極と対向して火花放電ギャップを形
成することになる中心電極の先端面に貴金属チップを接
合する場合、その製造方法として、円柱状の貴金属チッ
プを中心電極の先端面(チップ被固着面)に重ね合わ
せ、中心電極を回転させながら貴金属チップの外周に沿
ってレーザー光を照射することにより、全周レーザー溶
接部を形成する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記全周レーザー溶接
部を有したスパークプラグにおいては、レーザー溶接部
の形成形態や精度に特に注意を払う必要がある。しかし
ながら、従来は、レーザー照射の条件等にもっぱら注意
が向けられており、溶接強度や火花放電ギャップ調整の
利便性、さらには発火部の寿命等を最適化する観点にお
いて、必ずしも十分な結果が得られていなかった。
【0004】本発明の課題は、溶接される貴金属チップ
と中心電極、さらには溶接後の発火部と中心電極との相
対的な位置関係に着目して、発火部の接合強度や発火部
寿命等を一層向上させることができるスパークプラグの
構造およびその製造方法とを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために本発明のスパークプラグは、円筒面
状の外周面をなす本体部を有する中心電極と、その中心
電極の軸線方向における先端に全周レーザー溶接部を介
して固着されるとともに、円筒面状の外周面を有する貴
金属発火部と、貴金属発火部の軸線方向における先端面
に側面が対向する形で配置され、該貴金属発火部との間
に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備え、中心
電極の本体部の外周面と、貴金属発火部の外周面との同
軸度が0.15mm以下とされたことを特徴とする。
【0006】また、上記の課題を解決するために本発明
のスパークプラグの製造方法は、円筒面状の外周面をな
す本体部を有する中心電極と、その中心電極の軸線方向
における先端に全周レーザー溶接部を介して固着される
とともに、円筒面状の外周面を有する貴金属発火部と、
貴金属発火部の軸線方向における先端面に側面が対向す
る形で配置され、該貴金属発火部との間に火花放電ギャ
ップを形成する接地電極とを備えたスパークプラグの製
造方法であって、中心電極の軸線方向における先端面
に、円筒状の外周面を有する貴金属チップを、同軸度が
0.15mm以下となるように位置決めしつつ重ね合わ
せて重ね合わせ組立体を作るチップ位置決め工程と、該
重ね合わせ組立体に対し、上記中心電極の中心軸線に関
する周方向にレーザービームを照射することにより、中
心電極の先端面の形成部位と、貴金属チップとにまたが
り、かつ貴金属チップの円筒状の外周面の先端側部分を
残す形にて全周レーザー溶接部を形成する溶接工程とを
含むことを特徴とする。
【0007】中心電極に、発火部となるべき貴金属チッ
プをレーザー溶接により接合する場合、中心電極の先端
面に貴金属チップを載置して、中心電極と貴金属チップ
との境界面近傍において、レーザー光を周方向に相対移
動させながら照射し、中心電極母材と貴金属チップとに
またがる全周溶接部を形成して接合を行なう。そして、
レーザー溶接部により中心電極と貴金属チップとを接合
したスパークプラグの性能や寿命に影響を及ぼす要因を
種々検討したところ、各々円筒面状の貴金属チップの外
周面と中心電極の本体をなす本体部外周面との同軸度に
より、レーザー溶接部による貴金属チップの接合状態が
大きく変化することが判明した。そして、さらに鋭意検
討を重ねた結果、該同軸度をある限界値以下、具体的に
は0.15mm以下に留めることにより、溶接強度や、
貴金属発火部の寿命や耐久性が劇的に改善されることを
見出して、本発明のスパークプラグを完成するに至った
のである。
【0008】また、中心電極の本体部と貴金属チップと
を上記のような同軸度にて接合した構造を得るには、本
発明の方法のように、溶接前の段階で、同軸度が0.1
5mm以下となるように中心電極本体部と貴金属チップ
とを位置決めし、その状態で全周レーザー溶接部を形成
することが重要である。
【0009】同軸度が上記限界値を超えて大きくなった
場合、貴金属チップの中心軸線が中心電極の中心軸線か
ら偏心しているために、中心電極と貴金属チップとの境
界面付近において、重ね合わせ組立体の周方向の熱容量
分布も不均一となる。そのため、一定条件でレーザービ
ームを照射しても、その熱容量分布の影響により、形成
されるレーザー溶接部の深さ及び幅(軸線方向における
溶接部の長さ)が不均一化しやすくなり、溶接強度の低
下につながる。また、中心電極の先端に形成される発火
部の中心軸線が中心電極の本体部の中心軸線から偏心す
ることで、接地電極側の発火部に対する偏心も生じやす
くなり、スパークプラグ使用時に発火部の偏摩耗等を招
きやすくなる。さらに、中心軸線を挟む形でレーザー溶
接部の深さや幅にアンバランスが生じると、発火部の中
心軸線が中心電極の本体部の中心軸線に対して傾斜する
こともあり、この場合は偏摩耗等の不具合が一層生じや
すくなる。
【0010】しかしながら、同軸度が0.15mm以下
となるように中心電極本体部と貴金属チップとを位置決
めしてレーザー溶接を行なうことにより、得られる貴金
属発火部と中心電極本体部との同軸度も0.15mm以
下とすることができ、これにより、上記のような不具合
の発生をことごとく解決することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図1に示す本発明の一例たるスパ
ークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が
突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶
縁体2、先端に形成された貴金属発火部(以下、単に発
火部ともいう)31を突出させた状態で絶縁体2の内側
に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接
等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返され
て、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配
置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4
には上記発火部31に対向する貴金属発火部(以下、単
に発火部ともいう)32が形成されており、それら発火
部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電
ギャップgとされている。
【0012】なお本明細書でいう「発火部」とは、接合
された貴金属チップのうち、溶接による組成変動の影響
を受けていない部分(例えば、溶接により接地電極ない
し中心電極の材料と合金化した部分を除く残余の部分)
を指すものとする。また、「主成分」(「主に〜構成さ
れる」あるいは「主体に〜構成される」等も同義)と
は、着目している材料中にて、最も重量含有率の高い成
分を意味する。
【0013】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3及び端子金
具8を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体
金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されて
おり、スパークプラグ100のハウジングを構成すると
ともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエ
ンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成され
ている。
【0014】なお、対向する発火部32については、こ
れを省略する構成としてもよい。この場合には、発火部
31と、発火部を有さない接地電極4の側面との間に火
花放電ギャップgが形成されることとなる。中心電極3
及び接地電極4のチップ被固着面形成部位、この実施例
では少なくともその表層部がNi又はFeを主成分とす
る耐熱合金(例えばINCONEL 600あるいはINCONEL 601:
いずれも商標名)にて構成されている。一方、上記発火
部31及び対向する発火部32は、Ir、Pt及びRh
のいずれかを主成分とする貴金属を主体に構成されてい
る。これらの貴金属の使用により、中心電極の温度が上
昇しやすい環境下においても、発火部の耐消耗性を良好
なものとすることができる。また、上記のような耐熱合
金を母材とする中心電極3及び接地電極4に対する溶接
性も良好である。例えばPtをベースにした貴金属を使
用する場合には、Pt単体の他、Pt−Ni合金(例え
ばPt−1〜30質量%Ni合金)、Pt−Ir合金
(例えばPt−1〜20質量%Ir合金)、Pt−Ir
−Ni合金等を好適に使用できる。また、Irを主成分
とするものとしては、Ir−Ru合金(例えばIr−1
〜30質量%Ru合金)、Ir−Pt合金(例えばIr
−1〜10質量%Pt合金)、Ir−Rh合金(例えば
Ir−5〜25質量%Rh合金)、Ir−Rh−Ni合
金(例えば、Ir−1〜40質量%Rh−0.5〜8質
量%Ni合金)等を使用できる。なお、Ir系の貴金属
材料を使用する場合には、元素周期律表の3A族(いわ
ゆる希土類元素)及び4A族(Ti、Zr、Hf)に属
する金属元素の酸化物(複合酸化物を含む)を0.1〜
15質量%の範囲内で含有させることができる。これに
より、Ir成分の酸化・揮発を効果的に抑制でき、ひい
ては発火部の耐火花消耗性を良好なものとすることがで
きる。上記酸化物としてはYが好適に使用される
が、このほかにもLa、ThO、ZrO等を
好ましく使用することができる。この場合、金属成分は
Ir合金のほか、Ir単体を使用してもよい。
【0015】図1に示すように、中心電極3は、円筒面
状の外周面をなす本体部3Mを有する(ここでは、段部
3Jにより接続された径の異なる2つの同心的な円筒状
面として形成されている)。図3(a)に示すように、
貴金属発火部31は、中心電極3の軸線O2の方向にお
いて、その先端に全周レーザー溶接部10を介して固着
されている。そして、中心電極3の本体部3Mの外周面
3pと、貴金属発火部31の外周面31pとの同軸度が
0.15mm以下とされている。上記同軸度は、本体部
3Mの外周面3pの中心軸線O2と、貴金属発火部31
の外周面31pの中心軸線O1との隔たりδを反映した
パラメータであり、その定義は、JIS:B0021の
18.13.2に規定されたものを使用する。同軸度
は、精度確保上、必要十分な数だけ設定した上記2つの
外周面の軸直交断面において、その外形線形状を公知の
形状プロファイル測定装置を用いて測定し、その形状プ
ロファイルから算出することができるが、簡便な方法と
しては、図9(a)に示すように、発火部31近傍の画
像を撮影し、発火部31の外周面31pの外形線の位置
を公知の画像解析的手法により決定し、外周面外形線と
直交する検査線MLを所定の間隔で複数設定するととも
に、その外周面外形線との各交点EP1,EP2の座標
を求める。他方、中心電極3の本体部3Mについて同様
に外周面外形線を決定し、両外形線間に位置する各検査
線ML2の中心点に対し直線回帰を行なう(例えば最小
二乗法に基づく直線式で求める)ことで、外周面3pの
中心軸線O2の位置を求める。そして、該中心軸線O2
から、発火部31側についてそれぞれ測定されたEP
1,EP2までの各距離の平均値をそれぞれW1,W2
として、O1とO2との隔たりδ’を|W1−W2|/
2として求める。そして、この測定を、中心電極3を軸
線周りの種々の視角にて行い、δ’の測定値が最大とな
る視角での該δ′の値を、最終的な同軸度δとして算出
する。
【0016】中心電極3側の発火部31は、レーザー溶
接を用いて形成される。図2(a)に示すように、中心
電極3の先端面3sをチップ被固着面として、ここにチ
ップ径D、チップ厚さHの貴金属チップ31'を重ね合
わせて重ね合せ組立体170を作り、(b)及び(c)
に示すように、その重ね合せ組立体170に対しレーザ
ービームLBを照射して、貴金属チップ31'とチップ
被固着面とにまたがり、かつ貴金属チップ31'の厚さ
方向において放電面31a(図10参照)に到達しない
全周レーザー溶接部10をチップ外周面周方向に沿って
形成する。他方、接地電極4側の発火部32も同様に貴
金属チップのレーザー溶接により形成できるが、該発火
部32については、例えばPt系金属のような比較的低
融点のものを使用する場合、抵抗溶接を用いてもよい。
【0017】重ね合わせ組立体170を作る際には、円
筒面状の外周面3pをなす本体部3Mを有する中心電極
3の軸線O2方向における先端面3sに、円筒状の外周
面31p’を有する貴金属チップ31’を、同軸度が
0.15mm以下となるように位置決めしつつ重ね合わ
せる(チップ位置決め工程)。そして、該重ね合わせ組
立体170に対し、中心軸線O2に関する周方向にレー
ザービームLBを照射することにより、中心電極3の先
端面3sの形成部位と、貴金属チップ31’とにまたが
り、かつ貴金属チップ31’の円筒状の外周面31p’
の先端側部分を残す形にて全周レーザー溶接部10を形
成する。
【0018】円筒面状の貴金属チップ31’の外周面3
1p’と中心電極3の本体部3Mの外周面3pとの同軸
度δにより、レーザー溶接部10による発火部31の接
合状態は大きく影響を受ける。したがって、上記のよう
に、該同軸度δを0.15mm以下に留めることによ
り、発火部31の溶接強度や、寿命ないし耐久性を大幅
に改善することができる。しかしながら、同軸度δが
0.15mmを超えて大きくなった場合、貴金属チップ
31’は、中心電極3の中心軸線O2に対して片側に寄
った形で位置決めされるから、中心電極3と貴金属チッ
プ31との境界面付近において、重ね合わせ組立体17
0のレーザービーム照射部分の熱容量が周方向にて不均
一となる。その結果、一定条件でレーザービームLBを
照射しても、その熱容量分布の影響により、図4(b)
に示すように、形成されるレーザー溶接部10の深さや
幅(軸線O2方向における溶接部10の幅)が不均一化
しやすくなり、溶接強度の低下につながる。
【0019】具体的には、投影される中心軸線O1及び
O2の距離が最大となる投影平面と平行で、かつ中心軸
線O2を含む切断面により中心電極3を切断したとき
に、中心軸線O1の両側に現われる全周レーザー溶接部
10の2つの断面S1,S2のうち、中心軸線O1に対
して貴金属発火部31の中心軸線O2が偏心している側
(及び/又は傾斜している側:後述)に位置するものを
第一断面S1、他方の側に位置するものを第二断面S2
として、中心軸線O1と直交する向きにおける第一断面
S1の深さをT1、同じく第二断面S2の深さをT2と
して、T1>T2となる形で、溶接部深さのアンバラン
スを生ずる。なお、本明細書において溶接部深さは、発
火部31の外周面から中心軸線O1と直交する向きに測
定した各断面S1及びS2の発火部31側への侵入距離
をいう。また、中心軸線O2方向における第一断面S1
の溶接幅をd1、同じく第二断面S2の溶接幅をd2と
して、d1>d2となる形で、溶接幅にもアンバランス
が生じる。
【0020】しかしながら、同軸度が0.15mm以下
となるように中心電極3の本体部3Mと貴金属チップ3
1’とを位置決めしてレーザー溶接を行なうことによ
り、得られる貴金属発火部31と本体部3Mとの同軸度
も0.15mm以下とすることができ、これにより、上
記のような溶接部深さのアンバランスを解消することが
可能となる。
【0021】また、貴金属発火部31と本体部3Mとの
同軸度が0.15mmを超えている場合、図5(b)に
示すように、本体部3Mと同軸的に位置合わせされる接
地電極4側の貴金属発火部32の中心軸線O3に対し、
貴金属発火部31が偏心して位置決めされるので、火花
放電の発生位置に偏りを生じ、発火部、特に接地電極4
側の発火部32の消耗が発火面全体にわたって均一に生
じにくくなる(以下、本明細書ではこれを「偏消耗」と
称する)。その結果、局所消耗の進行により発火部の寿
命が早期に尽きやすくなる。しかしながら、貴金属発火
部31と本体部3Mとの同軸度を0.15mm以下とな
すことにより、このような偏消耗も生じにくい。
【0022】なお、本体部3Mの中心軸線O2と貴金属
発火部31の中心軸線O1との偏心は、図3(a)に示
すように、O1/O2が平行にずれる要素以外にも、図
3(b)に示すように、O1/O2が傾斜形態にずれる
要素を含む場合がある。このような傾斜を生じている
と、例えば図6(b)に示すように、中心電極3側の発
火部31の、傾斜方向における片側のエッジが接地電極
4側の発火部32に向けてせり上がり、火花放電ギャッ
プgが該位置で狭くなって偏消耗を招くことにつなが
る。
【0023】また、火花放電ギャップgを形成する際
の、以下のような工程上の不具合を招来する場合もあ
る。すなわち、図6(c)に示すように、火花放電ギャ
ップgは、ギャップ形成用の治具KFを発火部31の端
面に対し側方から挿入・位置決めし、該治具KFに向け
て接地電極4に曲げ加工を施すことにより形成する方法
が一般的である。しかし、貴金属発火部31の中心軸線
O1が傾斜していると、その傾斜によりせり上がった発
火部31の端面外周縁部に治具KFが引っかかったり、
曲げ加工時につぶれが生じやすくなったりする不具合に
つながる。
【0024】そこで、上記の傾斜を、図3(b)に示す
ように、中心電極3の本体部3Mの中心軸線O2と平行
な任意の仮想平面のうち、該仮想平面への正射影投影に
おける、本体部3Mの外周面3pの中心軸線O2と、貴
金属発火部31の外周面31pの中心軸線O1とのなす
角度θが最も大きく現われるものを投影平面OVPとし
て採用したときの、当該投影平面OVPにおける角度θ
が5゜以下となるように小さくすることで、図6(a)
に示すように、上記のような不具合を効果的に解消する
ことができる。
【0025】なお、上記傾斜角度θの測定は、図9
(b)に示すように、発火部31近傍の画像を撮影し、
中心電極3の本体部3Mについて公知の画像解析的手法
により外周面外形線を決定する。そして、外周面外形線
と直交する検査線MP1を所定の間隔で複数設定すると
ともに、両外形線間に位置する各検査線MP1の中心点
に対し直線回帰を行なうことで、外周面3pの中心軸線
O2を求める。他方、発火部31に対しては、上記中心
軸線O2と発火部31の放電面31sとの交点F1を基
準点とし、その基準点から予め設定された寸法だけ図中
下側(中心電極3側)にシフトさせた所定区間Zの複数
位置において、検査線MP2を所定の間隔で上記検査線
MP1と平行な向きに複数設定するとともに、発火部3
1の外形線間に位置する各検査線MP2の中心点に対し
直線回帰を行なうことで、外周面31pの中心軸線O1
を求め、上記中心軸線O2との交差角度を求める。この
測定を、中心電極3における軸線O2周りの種々の視角
にて行い、交差角度の測定値が最大となる視角での該角
度値を、最終的な傾斜角度θとして算出する。
【0026】以下、スパークプラグ100の製造方法の
具体例について説明する。図2(b)に示すように、該
貴金属チップ31と中心電極3との重ね合せ組立体17
0を、レーザー照射ユニット200(図10参照)の出
射光学部に対しチップ31’(中心電極3)の中心軸線
O1(O2)の周りにおいて相対的に回転させながら、
重ね合せ組立体170に向けて、パルス状のレーザービ
ームLBのスポット内にチップ被固着面(この場合、中
心電極3の先端面)とチップ外周面との交差縁Qが入
り、かつチップ被固着面に対する照射角度φが−5゜〜
+60゜の範囲(水平より上方側を+とする;例えば+
45゜)となるように照射する。この場合、組立体17
0又はレーザー照射ユニット200の一方のみを回転さ
せるようにしてもよいし、双方ともに(例えば互いに逆
方向に)回転させることも可能である。
【0027】この場合、その回転速度は以下のように調
整することが望ましい。まず、重ね合せ組立体170と
レーザー照射ユニット200との相対回転速度は、図2
のようにレーザー照射ユニット200を1つのみ使用す
る場合には、10rpm以上(望ましくは60rpm以
上、さらに望ましくは120rpm以上)とするのがよ
い。全周レーザー溶接を行なうためには、重ね合せ組立
体170とレーザー照射ユニット200とを最低1周分
は相対回転させなければならないが、その相対回転速度
が10rpm未満になると、1周分の溶接時間ひいては
1個のスパークプラグを製造するためのピースタイムが
長くなる問題がある。
【0028】また、レーザー溶接では、金属溶融部がレ
ーザー照射を受けている位置に偏って生ずるので、例え
ばこのような溶融部が、貴金属チップ31’の中心軸線
O1に関して片側に、過剰に大きな体積で形成される
と、当該側で貴金属チップ31’は支えを失い、例えば
回転による遠心力や貴金属チップ31’の自重により溶
融部がつぶれ、中心軸線O1の傾斜や偏りを生じやすく
なる。そして、重ね合せ組立体170とレーザー照射ユ
ニット200との相対回転速度が10rpm未満になる
と、回転速度が遅いために、重ね合せ組立体170の周
方向に連なって形成される単位溶接部同士の重なりが大
きくなり、レーザー照射位置付近に偏って生ずる金属溶
融部の体積も過度に増大しやすくなる。その結果、中心
軸線O1の傾斜や偏りが顕著となり、得られる発火部3
1と本体部3Mとの同軸度δを0.15mm以下に留め
ることが困難となる。他方、上記相対回転速度の上限値
については、重ね合せ組立体170を回転させる場合、
溶接時に生ずる金属溶融部の遠心力による過度の変形を
防止するために、150rpm程度に留めるのがよい。
【0029】また、上記同軸度δを0.15mm以下と
するためには、以下のような手法を用いることが望まし
い。まず、チップ位置決め工程においては、図7(a)
に示すように、中心電極3の本体部3Mの外周面3pに
着脱可能に装着される装着部50eと、その装着部50
eにおいて本体部3Mに装着されることにより、自身が
保持する貴金属チップ31’を本体部3Mの外周面3p
に対し同心的に位置決めするチップ保持部50hとを有
するチップ位置決め治具50を使用する。すなわち、装
着部50eにおいて治具50を本体部3Mに装着するこ
とで、中心電極3の本体部3Mの外周面3pを軸合わせ
の基準として使用することができ、治具50のチップ保
持部50hに保持された貴金属チップ31’の中心軸線
O1を、本体部3Mの中心軸線O2に対し、同軸度0.
15mmの公差内にて正確かつ簡便に位置決めすること
が可能となる。
【0030】具体的には、チップ位置決め治具50の装
着部50eは、本体部3Mの外周面3pに倣う円筒面状
の装着面50bにおいて本体部3Mに装着されるものと
することができる。他方、チップ保持部50hは、装着
面50bと同心的に形成された円筒面状のチップ保持面
50aにおいて貴金属チップ31’の外周面31p’を
保持するものとすることができる。円筒面状の装着面5
0b及びチップ保持面50aを用いることで、貴金属チ
ップ31’の中心軸線O1と、本体部3Mの中心軸線O
2との同軸的位置合わせをより精度よく行なうことがで
きる。この場合、装着面50b及びチップ保持面50a
が、貴金属チップ31’の保持状態において、同軸度
0.15mm以下の精度にて形成されていなければなら
ないことはいうまでもない。また、ここでいう「円筒面
状」とは、貴金属チップ31’あるいは本体部3Mの各
外周面31p及び3pの周方向の一部区間のみカバーす
る形態も概念として含む。
【0031】本実施形態では、チップ位置決め治具50
を以下のように機能するものとして構成している。すな
わち、図7(b)に示すように、貴金属チップ31’の
外周面31p’周方向に沿って複数配置される、チップ
位置決め治具50は、各々該外周面31p’に対し半径
方向に接近・離間可能な複数のチップ把持部材49を備
える。そして、それらチップ把持部材49の把持面50
aがそれぞれチップ保持面50aを構成し、中心電極3
の先端面3s上に、貴金属チップ31’を位置決め配置
して把持解除することにより、重ね合わせ組立体170
を形成する。このとき、軸線O2方向において各チップ
把持部材49の後方側には、中心電極3の本体部3Mの
外周面3pに対向する側に、円筒面状のガイド面50b
が、装着面50bとして形成されている。まず、中心電
極3の本体部3Mは、図示しない保持具により、中心軸
線O1と直交する向きに遊動可能に保持しておく。そし
て、チップ位置決め治具50は、把持した貴金属チップ
31’に対し中心電極3の先端部を軸線O1方向後方側
から相対的に接近させる(ここでは、治具50を下降さ
せて、貴金属チップ31’を中心電極3の先端部に向け
て接近させる)ことにより、チップ31’を先端面3s
上に載置する。このとき、中心電極3の本体部3Mは、
円筒面状のガイド面50b内に進入するが、該ガイド面
50bは貴金属チップ31’に対し本体部3Mを同心的
に位置決めしつつガイドする役割を果たす。すなわち、
貴金属チップ31’に対して本体部3Mが偏心して位置
している場合は、ガイド面50b内への進入に伴い、本
体部3Mが軸線と直交する向きに遊動し、偏心矯正を行
なうことができる。
【0032】なお、図8に示すように、本体部3Mとチ
ップ31’との同軸位置決め用の装着部を特に有さない
チップ位置決め治具55を用いてもよいが、この場合
は、チップ位置決め治具55と本体部3Mとを、軸合わ
せ方向において任意位置に位置決め可能な形で相対移動
させるための機構(例えば本体部3Mを軸線O2と直交
する向きに移動させるX−Yテーブルなど)が新たに必
要となる。この点において、図7の軸合わせ機構ははる
かに簡便であるといえる。
【0033】また、レーザー溶接を行なう際には、金属
溶融部の体積が一時的に過度に大きくなることでチップ
偏心を招く不具合を抑制するために、以下のような手法
を採用することがより有効である。すなわち、図2
(b)に示すように、重ね合せ組立体170に対しレー
ザービームパルスLBを照射することにより、全周溶接
部10を、各レーザービームパルスLBに対応する単位
溶接部10uが順次重ね連なる形となるように形成す
る。このとき、図11に示すように、周方向に連続した
全周溶接部10を完成させるために、単位溶接部配列の
端部間接続を行なう配列接続用溶接重なり部LPWが形
成される。この配列接続用溶接重なり部LPWにおいて
は、単位溶接部10uの重複形成数が他の部分よりも多
くなるので、それら重複して形成される単位溶接部10
1〜103,110〜112の少なくとも1のものにつ
いて、これを形成する際に用いる1パルス当りのレーザ
ー照射エネルギーを、その他の単位溶接部を形成する際
に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーよりも
低く設定する。このようにすると、配列接続用溶接重な
り部LPWにおいてレーザービームによる全入熱量が過
剰となることが抑制され、金属溶融部の体積の過大化ひ
いては形成される発火部31の偏心を効果的に抑制する
ことができる。
【0034】例えば、図10に示すように、重ね合せ組
立体170を中心電極3の中心軸線O2の回りに回転さ
せつつ、位置固定された単一のレーザー照射ユニット2
00からパルス状レーザー光LBを照射すると、貴金属
チップ31’の周方向において、貴金属チップ31’と
チップ固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照
射パルスP1、P2・・・・・・に対応する単位溶接部101、
102・・・・・・が順次重ね連なるようにして全周レーザー
溶接部10が形成される(図10(b)〜(d)参
照)。
【0035】例えば、パルス状レーザー光LBのパルス
発生周波数fが12パルス/秒(、重ね合せ組立体17
0の回転速度が60rpmとすると、重ね合せ組立体1
70の1回転につきちょうど12パルス分のパルス状レ
ーザー光LBが照射され、これに対応する12個の単位
溶接部101〜112が貴金属チップ31’の周方向に
順次重ね連なる形で形成される。これら12個の単位溶
接部101〜112の周方向における重なり状態は、一
般的に図11のようになる。先頭溶接部10t(図10
では101〜103)と末尾溶接部10e(図10では
110〜112)とを除くその他の溶接部では、単位溶
接部が形成される際に既に形成された単位溶接部との重
なり数(以下、既成単位溶接部との重なり数という)は
自身の直前に形成された3個である(例えば、第4番目
の単位溶接部104では、101〜103の3個)。
【0036】一方、末尾溶接部10eでは、既成単位溶
接部との重なり数は4個以上に増加する。例えば、最後
尾の第12番目の単位溶接部112の場合、自身の直前
に形成された109〜111の3個の他、当初に形成さ
れた先頭溶接部10tの3個(101〜103)とも重
なり合うことになるので、既成単位溶接部との重なり数
は合計6個となる。同様に、第11番目の単位溶接部1
11における既成単位溶接部との重なり数は5個、第1
0番目の単位溶接部110における既成単位溶接部との
重なり数は4個となる。なお、先頭溶接部10t(10
1〜103)の場合、既成単位溶接部との重なり数は0
〜2個であるが、上記の通り末尾溶接部10eが形成さ
れる際にこれと重なり合うことになる。
【0037】そして、先頭溶接部10tを形成したとき
の入熱が、重ね合せ組立体170を1周回転する間に十
分に熱引きされない場合、末尾溶接部10eを形成する
ためのパルス状レーザー光LBの照射時点においても、
先頭溶接部10tを形成したときの入熱の一部が残留熱
として存在する。そこで、例えば、末尾溶接部10eを
形成するためのレーザー照射エネルギー(末尾溶接部1
0eのための新規入熱)にこの残留熱が重畳されても溶
融金属の発生量が過剰とならないように、末尾溶接部1
0eを形成する際に用いる1パルス当たりのレーザー照
射エネルギー(以下、補正照射エネルギーという)Eh
を、上記通常照射エネルギーEtよりも低く設定する
(図10(a)参照)。これにより、各単位溶接部を形
成する際の新規入熱と残留熱とを合わせた全熱量(トー
タルエネルギー)の均一化を図ることができるのであ
る。
【0038】次に、重ね合わせ組立体170において、
貴金属チップ31’を中心電極3の先端面3sに軸線O
1方向に押し付けながら全周レーザー溶接部10を形成
することが、溶接部形成中における貴金属チップ31’
の位置ずれひいては偏心を防止する上で有効である。こ
の場合、例えば、図12(a)に示すような、先端TP
1にて点接触形態となる治具JG1を用いて押し付けを
行なうことも可能であるが、図12(b)に示すよう
に、該押し付けを、貴金属チップ31’の、中心電極3
への重ね合わせ側と反対側の面31s’に対し面接触形
態にて接触する押付治具JG2(ここでは円柱状の治具
JG2の先端面TP2にて面接触状態を実現している)
を用いて行なうことが、貴金属チップ31’位置ずれ防
止効果を高める上でより望ましい。
【0039】
【実施例】本発明の効果を確認するために、以下の試験
を行った。まず、INCONEL 600を用い、図2に示す形状
の中心電極3を作製した。ただし、図2(a)におい
て、本体部3Mの外径D1を2.5mm、先端面3sの
直径D2を1.3mm、テーパ面3tのテーパ角度を4
5°とした。他方、合金溶解/圧延により作製したIr
−5wt%Pt合金板からの打抜き加工により、チップ
厚さHが0.6mm、チップ径Dが0.8mmの貴金属
チップを作製した。次に、図10(a)のレーザー照射
強度線図において、パルス幅tを6ミリ秒に設定し、1
パルス当りの照射エネルギーを後述する表1に示す試験
No.毎の溶け込み深さとなるように適宜調整したパルス
状YAGレーザー光LBを、パルス周波数fが12pp
s(周期τ=1000/12ミリ秒)にて中心電極3上
に組み立てられた貴金属チップ31’の外周面に沿って
照射し、貴金属チップ31’の周方向にて全周レーザー
溶接部10を形成し、さらに、必要な他の部品を組み立
てて、図1に示すスパークプラグの試験品を作成した。
なお、末尾部のレーザーパルスLBの強度は、図10
(a)に示すように所定の比率にて段階的に減少させて
いる。また、貴金属チップ31’は、図7の治具50を
用いて本体部3Mに位置合わせするとともに、チップ3
1’の把持面50aとガイド面50bとの形成同軸度を
種々に異ならせた治具を用いることにより、貴金属チッ
プ31’の中心軸線O1と本体部3Mの中心軸線O2と
の同軸度を、表1に示す0.05〜0.25mmの種々
の値にて変化させた。また、溶接後において、すでに説
明した方法により発火部31と本体部3Mとの同軸度を
測定したところ、位置決め時の同軸度と略同じになって
いることがわかった。さらに、傾斜角度θの測定も同様
に行い、その測定結果を表1に合わせて示してある(な
お、各条件とも試験品数nは3としている)。
【0040】
【表1】
【0041】上記スパークプラグ試験品を、2000c
cのエンジンに取り付けて、エンジン回転数6500r
pm、スロットル全開状態にて実機耐久試験を行った。
そして試験100時間終了後において、発火部31に剥
離が認められなかったものを溶接強度良好(○)、そう
でなかったものを溶接強度不良(×)として評価した。
また、100時間経過時点において失火が発生しなかっ
たものを耐久性良好(○)、そうでなかったものを耐久
性不良(×)として評価した。該結果を表1に示す。こ
の結果からも明らかな通り、同軸度δが0.15mm以
下、傾き角度θが5゜以下の試験品において、溶接強度
及び耐久性のいずれも良好であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す縦断
面図及びその要部拡大図。
【図2】図1のスパークプラグの、中心電極側発火部の
製造工程説明図。
【図3】同軸度δと傾斜角度θの説明図。
【図4】発火部偏心の溶接部深さに及ぼす影響を示す説
明図。
【図5】偏心により発火部に偏消耗が発生する様子を説
明する図。
【図6】傾斜により発火部に生ずる不具合を総合的に説
明する図。
【図7】貴金属チップの位置合わせ治具の一実施例をそ
の使用方法とともに示す説明図。
【図8】貴金属チップの位置合わせ治具の別実施例をそ
の使用方法とともに示す説明図。
【図9】同軸度と傾斜角度の測定方法の概念説明図。
【図10】レーザー照射強度線図並びにスパークプラグ
の中心電極先端部の拡大斜視図、平面模式図及び縦断面
図。
【図11】貴金属チップ及び全周レーザー溶接部を円周
方向に展開して示す説明図。
【図12】レーザー溶接時に使用する貴金属チップの押
さえ治具の実施例をいくつか示す斜視図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒面状の外周面(3p)をなす本体部
    (3M)を有する中心電極(3)と、 その中心電極(3)の前記本体部(3M)の軸線(O
    2)方向における先端に全周レーザー溶接部(10)を
    介して固着されるとともに、円筒面状の外周面(31
    p)を有する貴金属発火部(31)と、 前記貴金属発火部(31)の軸線(O1)方向における
    先端面に側面が対向する形で配置され、該貴金属発火部
    (31)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接
    地電極(4)とを備え、 前記中心電極(3)の前記本体部(3M)の外周面(3
    p)と、前記貴金属発火部(31)の外周面(31p)
    との同軸度が0.15mm以下とされたことを特徴とす
    るスパークプラグ(100)。
  2. 【請求項2】 前記本体部(3M)の中心軸線(O2)
    と平行な任意の仮想平面のうち、該仮想平面への正射影
    投影における、前記本体部(3M)の中心軸線(O2)
    と、前記貴金属発火部(31)の中心軸線(O1)との
    なす角度θが最も大きく現われるものを投影平面(OV
    P)として採用したときの、当該投影平面(OVP)に
    おける前記角度θが5゜以下であることを特徴とする請
    求項1記載のスパークプラグ(100)。
  3. 【請求項3】 円筒面状の外周面(3p)をなす本体部
    (3M)を有する中心電極(3)と、 その中心電極(3)の前記本体部(3M)の軸線(O
    2)方向における先端に全周レーザー溶接部(10)を
    介して固着されるとともに、円筒面状の外周面(31
    p)を有する貴金属発火部(31)と、 前記貴金属発火部(31)の軸線(O1)方向における
    先端面に側面が対向する形で配置され、該貴金属発火部
    (31)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接
    地電極(4)とを備えたスパークプラグ(100)の製
    造方法であって、 前記中心電極(3)の中心軸線(O2)方向における先
    端面(3s)に、円筒状の外周面(31p’)を有する
    貴金属チップ(31’)を、前記本体部(3M)の外周
    面(3p)と前記貴金属チップ(31’)の外周面(3
    1p’)との同軸度が0.15mm以下となるように位
    置決めしつつ重ね合わせて重ね合わせ組立体(170)
    を作るチップ位置決め工程と、 該重ね合わせ組立体(170)に対し、前記中心電極
    (3)の中心軸線(O2)に関する周方向にレーザービ
    ーム(LB)を照射することにより、前記中心電極
    (3)の先端面(3s)の形成部位と、前記貴金属チッ
    プ(31’)とにまたがり、かつ前記貴金属チップ(3
    1’)の円筒状の外周面(31p’)の先端側部分を残
    す形にて全周レーザー溶接部(10)を形成する溶接工
    程とを含むことを特徴とするスパークプラグ(100)
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記チップ位置決め工程において、前記
    中心電極(3)の前記本体部(3M)の外周面(3p)
    に着脱可能に装着される装着部(50e)と、その装着
    部(50e)において前記本体部(3M)に装着される
    ことにより、自身が保持する前記貴金属チップ(3
    1’)を前記本体部(3M)の前記外周面(3p)に対
    し同心的に位置決めするチップ保持部(50h)とを有
    するチップ位置決め治具(50)を使用することを特徴
    とする請求項3記載のスパークプラグ(100)の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記チップ位置決め治具(50)の前記
    装着部(50e)は、前記本体部(3M)の外周面(3
    p)に倣う円筒面状の装着面(50b)において前記本
    体部(3M)に装着される一方、前記チップ保持部(5
    0h)は、前記装着面(50b)と同心的に形成された
    円筒面状のチップ保持面(50a)において前記貴金属
    チップ(31’)の外周面(31p’)を保持するもの
    であることを特徴とする請求項4記載のスパークプラグ
    (100)の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記チップ位置決め治具(50)は、前
    記貴金属チップ(31’)の外周面(31p’)周方向
    に沿って複数配置される、各々該外周面(31p’)に
    対し半径方向に接近・離間可能な複数のチップ把持部材
    (49)を備え、それらチップ把持部材(49)の把持
    面(50a)がそれぞれ前記チップ保持面(50a)を
    構成するとともに、前記中心軸線(O2)と直交する向
    きに遊動可能に保持された前記中心電極(3)の先端面
    (3s)上に、前記貴金属チップ(31’)を位置決め
    配置して把持解除することにより、前記重ね合わせ組立
    体(170)を形成するものであり、かつ、前記貴金属
    チップ(31’)の軸線(O1)方向において各チップ
    把持部材(49)の後方側には、前記中心電極(3)の
    前記本体部(3M)の外周面(3p)に対向する側に、
    把持した貴金属チップ(31’)に対し前記中心電極
    (3)の前記先端部(3s)を軸線(O1)方向後方側
    から相対的に接近させる際に、前記中心電極(3)の前
    記本体部(3M)を、前記貴金属チップ(31’)に対
    し同心的に位置決めしつつガイドする円筒面状のガイド
    面(50b)が、前記装着面(50b)として形成され
    ていることを特徴とする請求項5記載のスパークプラグ
    (100)の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記重ね合せ組立体(170)に対しレ
    ーザービームパルス(LB)を照射することにより、前
    記全周溶接部(10)を、各レーザービームパルス(L
    B)に対応する単位溶接部(10u)が順次重ね連なる
    形となるように形成するとともに、 周方向に連続した全周溶接部(10)を完成させるため
    の、単位溶接部配列の端部間接続を行なう配列接続用溶
    接重なり部(LPW)が形成され、該配列接続用溶接重
    なり部(LPW)にて重複して形成される単位溶接部
    (101〜103,110〜112)の少なくとも1の
    ものについて、これを形成する際に用いる1パルス当り
    のレーザー照射エネルギーを、その他の単位溶接部を形
    成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギ
    ーよりも低く設定することを特徴とする請求項3ないし
    6のいずれか1項に記載のスパークプラグ(100)の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記重ね合わせ組立体(170)におい
    て、前記貴金属チップ(31’)を前記中心電極(3)
    の先端面(3s)に前記軸線(O1)方向に押し付けな
    がら前記全周レーザー溶接部(10)を形成するととも
    に、該押し付けを、前記貴金属チップ(31’)の、前
    記中心電極(3s)への重ね合わせ側と反対側の面(3
    1s’)に対し面接触形態にて接触する押付治具(JG
    2)を用いて行なうことを特徴とする請求項3ないし7
    のいずれか1項に記載のスパークプラグ(100)の製
    造方法。
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