JP2003016958A

JP2003016958A - カラー陰極線管

Info

Publication number: JP2003016958A
Application number: JP2001194113A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Miyajima; 泰弘宮島; Ritsuji Okayasu; 律司岡安
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2001-06-27
Filing date: 2001-06-27
Publication date: 2003-01-17

Abstract

(57)【要約】【課題】曲率半径が大きく板厚の薄い場合であっても
変形を防止することができるシャドウマスクにより、カ
ラー陰極線管の大画面化、平面化、高解像度化を可能と
する。【解決手段】複数の電子ビーム通過孔１１を有するシ
ャドウマスク６を蛍光体スクリーンに対向して備えたカ
ラー陰極線管において、シャドウマスク６が、電子ビー
ム通過孔１１の設けられた領域内に複数の窪み穴１２を
有し、かつ、シャドウマスク６の単位面積当たりの窪み
穴１２の容量が、シャドウマスク６の中央部で最も大で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はテレビジョン受像機
やコンピュータモニタに用いられるカラー陰極線管に関
し、特にその管内部品であるシャドウマスクに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】図３はカラー陰極線管の概略構成を示す
一部切り欠き断面図である。図３に示すように、カラー
陰極線管１は、電子銃（図示せず）を内装したネック部
２を有するファンネル３と、内面に蛍光体スクリーン４
が形成されたパネル５とから外囲器が構成され、パネル
５内では、曲面状に成型されたシャドウマスク６がフレ
ーム７に保持されて懸架され蛍光体スクリーン４と対向
している。シャドウマスク６には多数の電子ビーム通過
孔が形成されており、電子銃の射出する電子ビーム８が
これらの電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン
４を照射しＲＧＢ各色の蛍光体を発光させることによっ
て、カラー画像が映し出される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようにシャドウマ
スクが曲面状にプレス成型されることで形状を保ってい
るカラー陰極線管では、カラー陰極線管が衝撃を受ける
とシャドウマスクが管軸Ｚ（ネックの長手方向へ沿って
ネックおよび蛍光体スクリーンのほぼ中央を通る軸）方
向へ変形しやすく、この変形によってシャドウマスクの
電子ビーム通過孔の位置が変わってしまうため画像の色
ずれが生じるという問題がある。

【０００４】このようなシャドウマスクの変形を防止す
るための策としては、シャドウマスクの曲率半径を小さ
くしたり、シャドウマスクの板厚を厚くすることで、シ
ャドウマスクの機械的強度を高めることが考えられる
が、これは近年のカラー陰極線管の動向にはそぐわな
い。なぜなら、大画面化やパネルの平面化に伴ってシャ
ドウマスクの曲率半径は大きくする必要があり、また、
高い解像度を得るためには電子ビーム通過孔のピッチが
細かいことが望まれ、このためにシャドウマスクの板厚
は薄くならざるを得ないからである。換言すれば、カラ
ー陰極線管の大画面化、平面化、高解像度化に伴って、
シャドウマスクの変形による色ずれが生じやすくなると
いう傾向があった。

【０００５】本発明は、曲率半径が大きく板厚の薄い場
合であっても変形を防止することができるシャドウマス
クにより、大画面化、平面化および高解像度化を実現で
き、かつ、色ずれのない高品位なカラー陰極線管を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にかかるカラー陰極線管は、複数の電子ビー
ム通過孔を有するシャドウマスクを蛍光体スクリーンに
対向して備えたカラー陰極線管において、前記シャドウ
マスクが、前記電子ビーム通過孔の設けられた領域内に
複数の窪み穴を有し、かつ、前記シャドウマスクの単位
面積当たりの前記窪み穴の容量が、前記シャドウマスク
の中央部で最も大である。

【０００７】このようにすることにより、シャドウマス
クの中央の重量を軽減することができる。

【０００８】また、本発明にかかるカラー陰極線管は、
前記シャドウマスクの単位面積当たりの前記窪み穴の容
量が、前記シャドウマスクの中央から外へ向かって徐々
に小さくなる。

【０００９】このようにすることにより、局部的な強度
差を生じることなくシャドウマスクの中央の重量を軽減
することができる。

【００１０】さらに、本発明にかかるカラー陰極線管で
は、前記窪み穴が、前記シャドウマスクの中央から半径
Ｒの領域内に形成されており、前記半径Ｒが、前記シャ
ドウマスクに前記電子ビーム通過孔が形成されている領
域の垂直幅の１０％〜５０％である。

【００１１】このようにすることにより、シャドウマス
クの中央の重量を効果的に軽減することができる。

【００１２】また、本発明にかかるカラー陰極線管は、
前記窪み穴が、前記シャドウマスクの前記蛍光体スクリ
ーン側とは反対側の面に設けられている。

【００１３】このようにすることにより、窪み穴が形成
しやすく、かつ、シャドウマスクの機械的強度をなるべ
く損なわない構成とすることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。なお、本発明に係るカラー陰極線管の全体
概略構成は、図３とほぼ同じであるので説明を省略す
る。

【００１５】図４は、本発明に係るカラー陰極線管のシ
ャドウマスクとフレームの組み立て体の正面図（カラー
陰極線管内に組み込まれた状態で蛍光体スクリーン側か
ら見た図）である。略矩形状の領域９では複数の電子ビ
ーム通過孔が形成されている。また、領域９のうちさら
に円で囲まれた領域１０では、シャドウマスクの裏面つ
まり蛍光体スクリーン側とは反対の面（電子銃側の面）
に、貫通していない複数の窪み穴が形成されている。

【００１６】図１（ａ）に図４のシャドウマスクにおけ
る中央部Ｃの一部を電子銃側から見た図を、図１（ｂ）
にその断面図を示した。また、図２（ａ）に図４のシャ
ドウマスクにおける領域１０の周辺部Ｐの一部を電子銃
側から見た図を、図２（ｂ）にその断面図を示す。電子
ビーム通過孔１１同士の間には、窪み穴１２が形成され
ている。電子ビーム通過孔１１は、単位面積当たりの透
過率がほぼ一定になるよう設けられており、ピッチの変
化が少ない領域１０内では大きさにも変化はない。一方
で、窪み穴１２は、領域１０の中央部Ｃから外へ向けて
徐々にその大きさが小さくなるよう設けられている。図
１と図２とを比較すればわかるように、ここでは、中央
部Ｃでは横長である窪み穴が、周辺部Ｐでは縦径はその
ままで横幅が狭くなり縦長になっている。なお、窪み穴
の深さは領域１０内でほぼ一定としてもよいし、また、
中央部から外へ向かって徐々に浅くしてもよい。

【００１７】一般に、曲面状に成型されたシャドウマス
クの衝撃による変形は、中央を中心としてシャドウマス
クの中央部と周辺との中間部あたりから電子銃側へ陥没
するように生じる。これは、シャドウマスクの中央部の
衝撃による負荷を前述の中間部あたりで支えることがで
きなくなるためである。本発明のカラー陰極線管では、
特にシャドウマスクの中央部でその重量が軽くなるよう
にすることで、このように陥没する変形を防止すること
ができる。また、窪み穴の大きさを中央から外へ徐々に
小さくすることにより、シャドウマスクの領域１０の内
と外とで強度に急激な差が生じるのを防止している。さ
らに窪み穴を形成する領域を円形とすることで、バラン
スよく窪み穴を形成することができる。

【００１８】本発明の一実施の形態として、画面対角サ
イズが４１ｃｍのカラー陰極線管を挙げ、これに備えら
れる、曲率半径が１３５０ｍｍ、板厚が１３０μｍ、電
子ビーム通過孔の形成される略矩形状の領域９の垂直幅
Ｖ２３７ｍｍ×水平幅Ｈ３１３ｍｍであるシャドウマス
クについて説明する。

【００１９】電子ビーム通過孔１１の垂直（蛍光体スク
リーン面の垂直軸Ｙ方向の意。以下同様）ピッチをＰ
ｖ、水平（蛍光体スクリーン面の水平軸Ｘ方向の意。以
下同様）ピッチをＰｈとし、電子銃側の面での垂直径を
Ａｖ、水平径をＡｈとする。また、窪み穴の垂直径をＨ
ｖ、窪み穴の水平径をＨｈとする。図４に示す領域１０
は中心点から半径Ｒの円形で、ここではＲ＝１１８ｍｍ
とし、また、電子ビーム通過孔の各寸法は、Ｐｖ＝０．
２５１ｍｍ、Ｐｈ＝０．３９７ｍｍ、Ａｖ＝０．１１５
ｍｍ、Ａｈ＝０．１１５ｍｍでほぼ一定とする。

【００２０】ここで、窪み穴の水平径Ｈｈは、中心点に
おいては、Ｈｈ＝Ｐｈ／３＋Ａｈとなるように構成し、
中心点から距離ｒの点においては、Ｈｈ＝（Ｐｈ／３＋
Ａｈ）×｛（Ｒ−ｒ）／Ｒ｝となるように構成する。ま
た、窪み穴の垂直径Ｈｖは、Ｈｖ＝Ａｖとなるように構
成している。ここでは、領域１０の中心部Ｃで、Ｈｈ＝
０．２４７ｍｍ、Ｈｖ＝０．１１５ｍｍとし、領域１０
の周辺部（中心から距離ｒ＝１００の位置）Ｐで、Ｈｈ
＝０．０３８ｍｍ、Ｈｖ＝０．１１５ｍｍとする。な
お、窪み穴の最大深さＤは、中央部ＣでＤ＝０．０５８
ｍｍとしほぼ一定とする。このような構成により、シャ
ドウマスクの単位面積あたりの窪み穴の容量を、中央で
最も大きくかつ周辺へ行くほどなめらかに小さくしてい
る。

【００２１】以上述べたように、シャドウマスクに単位
面積当たりの容量が前記シャドウマスクの中央部で最も
大であるような複数の窪み穴を形成する構成とすること
によって、シャドウマスクの中央の重量を軽量化してい
るので、カラー陰極線管輸送時の落下や衝撃等によるシ
ャドウマスクの中間部にかかる負荷を低減できる。ま
た、中央部を軽量化するために形成する窪み穴の大きさ
をシャドウマスクの中央から周辺にむけてなめらかに変
化させているので、シャドウマスクが大きな強度差によ
り局部的に変形するようなこともない。したがって、曲
率半径が大きい、板厚が薄いといったシャドウマスクで
あっても衝撃による陥没変形の発生を抑えることができ
るので、平面化、大画面化、高解像度化に伴う色むらや
色ずれの発生しにくい、高品位のカラー陰極線管とする
ことができる。

【００２２】なお、本実施の形態では、シャドウマスク
の単位面積当たりの窪み穴の容量を中央と周辺とで異な
らせるために、窪み穴の最大深さは一定で大きさだけを
変化させた例を示したが、窪み穴の大きさを一定として
深さを変化させる構成としても同様の効果が得られる。
また、その場合、窪み穴の大きさや形状は、電子ビーム
通過孔と同様であってもよい。

【００２３】また、本実施の形態では、窪み穴を円形の
領域内にのみ形成する例を示したが、窪み穴はシャドウ
マスク全面に形成されていてもよい。但し、特に中央の
軽量化という点で、少なくともシャドウマスクの中央を
中心とした円形領域で、かつその半径が、少なくとも電
子ビーム通過孔領域の垂直幅Ｖの１０％以上であること
が好ましい。また、窪み穴を形成する領域を円形とする
場合、その半径の最大値は電子ビーム通過孔領域の垂直
幅Ｖの５０％となる。

【００２４】また、本実施の形態では、窪み穴をシャド
ウマスクの電子銃側の面に形成した例を示したが、窪み
穴がシャドウマスクの電子銃側およびスクリーン面側の
両面に形成されていてもよい。但し、シャドウマスクの
片面にのみ形成する方が工程管理が容易であるし、ま
た、片面にだけ形成しても充分効果がある。窪み穴を片
面にだけ形成する場合は、電子ビーム通過孔の大きさが
比較的小さい電子銃側に設けた方が、窪み穴を設けやす
く、また機械的強度をなるべく損なわないため好まし
い。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、平面化や大画面化、高
解像度化に伴って生じやすくなるシャドウマスクの変形
を抑えることができ、色むらや色ずれが発生しにくい高
品位のカラー陰極線管を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明に係るカラー陰極線管のシャドウ
マスクの中央部を電子銃側から見た図（ｂ）同中央部の断面図

【図２】（ａ）本発明に係るカラー陰極線管のシャドウ
マスクの窪み穴形成領域の周辺部を電子銃側から見た図（ｂ）同周辺部の断面図

【図３】カラー陰極線管の全体概略を示す部分断面図

【図４】本発明に係るカラー陰極線管のシャドウマスク
の正面図

【符号の説明】

１カラー陰極線管４蛍光体スクリーン６シャドウマスク１１電子ビーム通過孔１２窪み穴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の電子ビーム通過孔を有するシャド
ウマスクを蛍光体スクリーンに対向して備えたカラー陰
極線管において、前記シャドウマスクが、前記電子ビー
ム通過孔の設けられた領域内に複数の窪み穴を有し、か
つ、前記シャドウマスクの単位面積当たりの前記窪み穴
の容量が、前記シャドウマスクの中央部で最も大である
ことを特徴とするカラー陰極線管。
【請求項２】前記シャドウマスクの単位面積当たりの
前記窪み穴の容量が、前記シャドウマスクの中央から外
へ向かって徐々に小さくなることを特徴とする請求項１
記載のカラー陰極線管。
【請求項３】前記窪み穴が、前記シャドウマスクの中
央から半径Ｒの領域内に形成されており、前記半径Ｒ
が、前記シャドウマスクに前記電子ビーム通過孔が形成
されている領域の垂直幅の１０％〜５０％であることを
特徴とする請求項１〜２記載のカラー陰極線管。
【請求項４】前記窪み穴が、前記シャドウマスクの前
記蛍光体スクリーン側とは反対側の面に設けられている
ことを特徴とする請求項１〜３記載のカラー陰極線管。