JP2003016638A - 磁気ディスク媒体の特性測定方法 - Google Patents

磁気ディスク媒体の特性測定方法

Info

Publication number
JP2003016638A
JP2003016638A JP2001200962A JP2001200962A JP2003016638A JP 2003016638 A JP2003016638 A JP 2003016638A JP 2001200962 A JP2001200962 A JP 2001200962A JP 2001200962 A JP2001200962 A JP 2001200962A JP 2003016638 A JP2003016638 A JP 2003016638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic disk
disk medium
layer
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001200962A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyunichi Nakamigawa
順一 中三川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001200962A priority Critical patent/JP2003016638A/ja
Publication of JP2003016638A publication Critical patent/JP2003016638A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク媒体における準浮上型磁気ヘッ
ドとの小さな摩擦力を高精度に測定し、良好な潤滑特
性、耐久性が得られるようにする。 【解決手段】 可撓性を有する磁気ディスク媒体10を所
定回転数で回転させ、その回転接線方向Dに準浮上型磁
気ヘッド16を配置し、該磁気ヘッド16に作用する力を微
小荷重ロードセル22を使用して検出し、磁気ヘッド16と
磁気ディスク媒体10との小さな摩擦力を測定する。20
0時間磁気ヘッド16を走行させた後に測定した摩擦力を
20mN以下に規定することにより耐久性に優れた磁気
ディスク媒体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性を有する磁
気ディスク媒体で、特に準浮上型の磁気ヘッドを用いる
磁気ディスク装置に対応する磁気ディスク媒体の特性を
好適に測定できる磁気ディスク媒体の特性測定方法に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、パーソナルコンピュータ等のデー
タを記録する記録媒体としては、可撓性の磁気ディスク
媒体である2HDのフレキシブルディスク(以下、2H
D−FDとする)が多く使用されており、数多くのパー
ソナルコンピュータに2HD−FD用のディスクドライ
ブが標準搭載されている。しかしながら、近年では、取
り扱うデータの量が飛躍的に増加しており、2HD−F
Dでは記録容量が十分でない場合も多い。そのため、手
軽に取り扱える可撓性の磁気ディスク媒体の大容量化が
望まれている。 【0003】このような要求に応え、磁気記録媒体の記
録容量を大きくするための技術が各種開発され、可撓性
の磁気ディスク媒体でも2HD−FDの記録容量を遙か
に越え、例えば100MB以上の記録容量を有する磁気
ディスク媒体が実用化されている。このような大容量の
磁気ディスク媒体は、高密度なデータの記録や高速での
データ転送に対応するため、磁気ディスク媒体を高速で
回転させ、磁気ディスク媒体の回転によって浮上する準
浮上型の磁気ヘッドを用いる磁気ディスク装置によって
データの記録/再生が行われる。 【0004】周知のように、磁気ディスク媒体には非常
に重要なデータ(情報)が記録される場合があり、ま
た、データの記録/再生が繰り返し行われるのが通常で
ある。従って、大容量の磁気ディスク媒体にも、優れた
耐久性が要求されるのは当然のことである。さらに、デ
ータの記録/再生の際に、磁気ディスク装置の磁気ヘッ
ドにかかる負担も小さい方が好ましい。このような要求
に対し、より優れた特性を有する磁気ディスク媒体の出
現が望まれている。 【0005】磁気ディスク媒体を高速回転させ、その表
面に対して磁気ヘッドを所定時間(例えば高温環境で2
00〜300時間)シークさせつつ走行させると、磁気
ディスク媒体に傷が入り、データが記録あるいは再生で
きずにエラーが発生する場合がある。磁気ディスク媒体
に傷が入る原因としては、走行により潤滑剤が揮発し、
潤滑性能の低下が一つとしてある。潤滑性能を評価する
方法として、磁気ディスク媒体の回転状態での磁気ヘッ
ドとの接触における摩擦力を測定することがあげられ
る。 【0006】従来における、磁気ディスク媒体と接触型
磁気ヘッドとの摩擦力の測定は、磁気ディスク媒体の製
造直後の特性検査として行われており、また、その測定
方法は磁気ディスク媒体を回転駆動するスピンドルモー
タの負荷電流を検出し、その値から負荷トルクに換算
し、磁気ディスク媒体なしの無負荷値との差から磁気デ
ィスク媒体と磁気ヘッドとの摩擦力を算出していた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
測定方法では、高精度、高感度での摩擦力測定ができな
かった。つまり、スピンドルモータの駆動負荷は、磁気
ヘッドとの摩擦力と相関関係があるだけでなく、その他
の要素が影響して測定精度が低いものである。従って、
摩擦力の測定に基づいて磁気ディスク媒体の潤滑特性な
どを改善しようとした場合に不十分であった。 【0008】ところで、前述のように、磁気ディスク媒
体と磁気ヘッドとの接触状態を軽減するために、磁気デ
ィスク媒体の回転に応じて発生する気流により磁気ヘッ
ドが浮上する方向の力を受け、接触圧力を軽減する準浮
上型の磁気ヘッドが使用されるが、その接触抵抗をさら
に軽減するために、磁気ディスク媒体の磁性層には潤滑
剤が配合され、また、その他の磁性層組成、表面性、加
工条件を調整することにより良好な接触状態、耐久性を
得るようにしている。 【0009】上記潤滑剤の素材、配合量、その他の条件
は、磁気ディスク媒体および磁気ヘッドの耐久性に大き
く影響を与えるものであるが、その組み合わせは多種と
なり、しかも、長時間の走行後においても良好な潤滑性
を維持していることが必要であり、耐久性の優れた磁気
ディスク媒体を得るための要件を規定するのは困難であ
る。これらの点からも前述の磁気ディスク媒体と磁気ヘ
ッドとの接触における小さな摩擦力の測定は重要であ
り、潤滑性、耐久性が規定できるような精度で測定でき
ることが望まれる。 【0010】そこで、本発明は上記点に鑑みなされたも
ので、磁気ディスク媒体における準浮上型磁気ヘッドと
の小さな摩擦力を高精度に測定できる磁気ディスク媒体
の特性測定方法を提供することを目的とするものであ
る。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク媒
体の特性測定方法は、可撓性を有する磁気ディスク媒体
を所定回転数で回転させ、その回転接線方向に準浮上型
磁気ヘッドを配置し、該磁気ヘッドに作用する力を微小
荷重ロードセルを使用して検出し、磁気ヘッドと磁気デ
ィスク媒体との摩擦力を測定することを特徴とするもの
である。 【0012】また、本発明の特性測定方法により規定さ
れる磁気ディスク媒体は、所定回転数で回転する磁気デ
ィスク媒体に準浮上型磁気ヘッドを200時間走行させ
た後に、前記磁気ディスク媒体の特性測定方法で測定し
たときの磁気ヘッドとの摩擦力が20mN以下であるも
のが良好な潤滑特性、耐久性を有する。 【0013】 【発明の効果】本発明の磁気ディスク媒体の特性測定方
法によれば、可撓性を有する磁気ディスク媒体を所定回
転数で回転させ、その回転接線方向に準浮上型磁気ヘッ
ドを配置し、該磁気ヘッドに作用する力を微小荷重ロー
ドセルを使用して検出し、磁気ヘッドと磁気ディスク媒
体との摩擦力を測定するために、小さな摩擦力を高精度
に測定することができ、磁気ディスク媒体の特性、具体
的には磁気ディスク媒体自体の耐久性等を適正に評価す
ることができる。 【0014】また、本発明の特性測定方法により規定さ
れる磁気ディスク媒体は、200時間走行後の摩擦力を
20mN以下としたものが、長時間の使用においても潤
滑性能を維持することができ、耐久性が高く、良好な磁
気特性を有するなど優れた特性を有する。摩擦力が高く
なると、トラッキングエラーが発生しやすく、データの
記録あるいは再生ができなくなる場合があるが、摩擦力
を小さく抑えることでそれらも改善でき磁気ディスク媒
体の信頼性を向上することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気ディスク媒体
の特性測定方法および本発明の磁気ディスク媒体の実施
の形態を図面に基づいて説明する。 【0016】本発明の磁気ディスク媒体は、磁気ディス
ク装置によってデータの記録/再生を行う際には、高速
で回転され、この回転に起因して生じる空気流によって
少なくともヘッドエレメント部が浮上する準浮上型の磁
気ヘッドを用いるものであり、100MB以上の記録容
量を有する。 【0017】図1に示すように、磁気ディスク媒体10
は、磁気ディスク装置において、センターコア12を回
転手段14に係合して所定速度で回転されつつ、磁気ヘ
ッド16すなわちHCA(Head Carriage Assembly)によ
るデータの記録/再生に供される。 【0018】磁気ヘッド16は、磁気ディスク媒体10
を挟むように配置されたアッパー側とロアー側のヘッド
部16a,16aを上下に対向して備え、両ヘッド部1
6a,16aは公知のヘッドエレメントが形成されたス
ライダ、スライダを支持するジンバルを有し、両ヘッド
部16a,16aがそれぞれ上下のサスペンション1
7,17の先端に固着され、サスペンション17の後端
部がシーク手段18に保持され、このシーク手段18に
よって磁気ヘッド16が磁気ディスク媒体10の半径方
向(図1の矢印方向)に移動され、シーク動作が行われ
る。 【0019】このような大容量の磁気ディスク媒体10
を高速回転してデータの記録/再生を行う磁気ディスク
装置においては、磁気ヘッド16のヘッド部16a,1
6aはジンバルなどのバネ付勢力で磁気ディスク媒体1
0の表面に弱い力で付勢される一方、磁気ディスク媒体
10の高速回転に伴って発生するエア流によって浮上
し、微小間隙を保持して対峙するようになっている。な
お、ヘッド部16aの回転前部では完全に浮上し、後端
部側では浮上量は少なく、ときどき接触することで、準
浮上型ヘッドと呼ばれる。そのため、磁気ディスク媒体
10の表面と磁気ヘッド16との間に摩擦が生じ、ま
た、その摩擦の大きさは、磁気ディスク媒体10の表面
の凹凸や硬さ等の表面状態によって変化すると推定され
る。この摩擦力が大きいほど、磁気ディスク媒体10の
表面や磁気ヘッド16が損傷する確率が高くなる。 【0020】例えば、最近の研究によれば、図2に模式
的に示すように、矢印C方向に高速回転する磁気ディス
ク媒体10に対し、磁気ヘッド16(ヘッド部16a)
の後端部が磁気ディスク媒体10と接触することで、磁
気ディスク媒体10の表面がミクロ的に変形し、その変
形が大きい場合には、磁気ディスク媒体10の表面が損
傷する場合がある。このような磁気ディスク媒体10の
損傷は、情報の記録や再生エラーの原因となっている。 【0021】すなわち、この摩擦力の大きさから、磁気
ヘッド16の走行による磁気ディスク媒体10の表面の
ミクロな変形の度合いを知見することができ、同じ条件
で測定したのであれば、この摩擦力が小さいほど、前記
ミクロな変形が小さく、耐久性に優れた磁気ディスク媒
体10であると判定することができる。 【0022】本発明の磁気ディスク媒体の特性測定方法
は、上記知見を基になされたものであり、磁気ディスク
媒体を所定回転数で回転させ、その回転接線方向に磁気
ヘッドを配置し、該磁気ヘッドに作用する力を微小荷重
ロードセルを使用して検出し、磁気ディスク媒体と磁気
ヘッドとの摩擦力を測定することにより、磁気ディスク
媒体の特性を適正に評価することを実現したものであ
る。 【0023】図3に、本発明の特性測定方法の一例を模
式的に示す。この測定方法は、磁気ディスク媒体10を
所定速度で矢印C方向に回転しながら、その表面に磁気
ヘッド16(ヘッド部16a)を回転接線方向Dに向け
て配置し、その際の磁気ディスク媒体10と磁気ヘッド
16との摩擦力を測定して、磁気ディスク媒体10の特
性を測定するものである。 【0024】図示例においては、磁気ヘッド16のサス
ペンション20は中間点を支点20aとして保持し、こ
のサスペンション20の他端部に微小荷重ロードセル2
2(歪みゲージ式変換器)を係合して、測定手段24を
構成している。その測定は、磁気ディスク媒体10を所
定の速度で回転させ、磁気ヘッド16に作用する磁気デ
ィスク媒体10の回転方向の力をロードセル22で測定
し、これを用いて磁気ディスク媒体10と磁気ヘッド1
6との摩擦力を算出している。なお、この測定は、図1
のような磁気ディスク装置で200時間の走行試験を行
った後に、行うものである。 【0025】上記測定において磁気ヘッド16を半径方
向にシークさせながら摩擦力を測定してもよい。そのシ
ークの速度には限定はなく、対象となる磁気ヘッド16
の構成や、磁気ディスク装置におけるシーク速度等に応
じて、適宜決定すればよい。より高精度な測定を行うた
めには、シーク速度は、実際に対象となる磁気ディスク
装置に則した条件とするのが良好であり、0.1〜10
mm/secが好ましく、より好ましくは0.2〜1m
m/secである。 【0026】また、摩擦力の測定時における磁気ディス
ク媒体10の回転速度にも特に限定はなく、磁気ディス
ク媒体10が対応する磁気ディスク装置における通常の
速度の範囲であればよいが、通常は、1800rpm以
上が好ましく、より好ましくは1800〜7200rp
mである。 【0027】摩擦力の測定時における磁気ヘッド16の
磁気ディスク媒体10の半径方向位置に限定はなく、有
効記録領域(データエリア)であればいいが、通常は、
有効記録領域の半径方向の1/2の位置で摩擦力の測定
を行うのが好ましい。 【0028】本発明により規定される磁気ディスク媒体
10は、所定の時間(200時間)、磁気ヘッド16を
走行させた後に、前記測定方法で測定した摩擦力が20
mN以下であるものが良好な潤滑特性、耐久性を有す
る。 【0029】前述のように、本発明の測定方法において
は、磁気ディスク媒体を所定の速度で回転して測定した
際における、磁気ディスク媒体と磁気ヘッドの摩擦力が
小さい方が、優れた特性を有する磁気ディスク媒体であ
ると判定できる。ここで、本発明者らの検討によれば、
この摩擦力を前記所定値以下とすることにより、磁気デ
ィスク媒体と磁気ヘッドとの接触による媒体表面の変形
をきわめて良好に低減することができ、従って、これに
より、耐久性に優れ、磁気ヘッドに与える負担も少な
い、優れた特性を有する磁気ディスク媒体を得ることが
できる。 【0030】前記磁気ディスク媒体において、本発明の
測定方法における摩擦力測定時の回転速度、シーク速度
は、共に前述の例に準ずればよい。より具体的には、後
述する実施例の数値が例示される。 【0031】前記磁気ディスク媒体において、この摩擦
力を実現する方法には特に限定はなく、各種の方法が利
用可能である。一例として、磁気ディスク媒体が含有す
る潤滑剤の種類や配合量、乾燥温度、塗布からカレンダ
処理までの時間等を検討する方法が好適である。 【0032】磁気ディスク媒体において、利用可能な潤
滑剤には特に限定はなく、各種の磁気ディスク媒体に用
いられる公知のものが全て利用可能である。例えば、カ
プリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エ
ライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン
酸などの脂肪酸類、ブチルステアレート、オクチルステ
アレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレ
ート、ブチルミリステアレート、オクチルミリステアレ
ート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチル
ステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−
オクチルドデシルパルミレート、2−ヘキシルドデシル
パルミレート、イソヘキサデシルステアレート、オレイ
ルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステ
アレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコール
ジデカノエートなどのエステル類等が例示される。 【0033】磁気ディスク媒体は、上記摩擦力等の規定
以外は基本的に公知の磁気ディスク媒体である。中で
も、実質的に非磁性の下層と、その上に形成される強磁
性粉末もしくは強磁性六方晶フェライト微粉末をバイン
ダー中に分散してなる磁性層を有する磁気ディスク媒体
は好適に利用される。この磁気ディスク媒体は、磁性層
を厚さ0.5μm以下の薄膜にできる上に、高強度で表
面平滑性にも優れる。そのため、この磁気ディスク媒体
を用いることにより、高記録密度でしかもより高い耐久
性を有する優れた磁気ディスク媒体を得ることができ
る。 【0034】以下、磁気ディスク媒体に形成される磁性
層および非磁性層について、好適な一例を説明する。 【0035】[磁性層]磁気ディスク媒体の磁性層の抗
磁力Hcは、143kA/m(1800Oe)以上が好
ましく、より好ましくは159kA/m(2000O
e)以上であり、特に好ましくは183〜279kA/
m(2300〜3500Oe)である。143kA/m
以上とすることにより、高記録密度をより良好に達成す
ることが可能になる。 【0036】(強磁性粉末)上層磁性層に使用する強磁
性粉末としては、強磁性金属粉末または六方晶フェライ
ト粉末が用いられる。強磁性金属粉末としては、長軸長
が150nm以下のものが好ましい。また、六方晶フェ
ライト粉末としては、35nm以下のものが好ましい。 【0037】強磁性金属粉末は、α−Feを主成分とす
る強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性金属粉末
には所定の原子以外に、Al,Si,S,Sc,Ca,
Ti,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,
Sn,Sb,Te,Ba,Ta,W,Re,Au,H
g,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,P,
Co,Mn,Zn,Ni,Sr,Bなどの原子を含んで
もよい。特に、Al,Si,Ca,Y,Ba,La,N
d,Sm,Co,Ni,Bの少なくとも1つをα−Fe
以外に含むのが好ましく、Co,Y,Al,Nd,Sm
の少なくとも1つを含むのがより好ましい。Coの含有
量は、Feに対し40原子%以下が好ましく、より好ま
しくは15〜35原子%、特に好ましくは20〜35原
子%である。Yの含有量は、Feに対して1.5〜12
原子%が好ましく、より好ましくは3〜10原子%、特
に好ましくは4〜9原子%である。Alの含有量は、F
eに対して1.5〜30原子%が好ましく、より好まし
くは5〜20原子%、特に好ましくは8〜15原子%で
ある。また、これらの強磁性粉末には、分散剤、潤滑
剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ
処理を行ってもよい。 【0038】強磁性六方晶フェライトとしては、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライ
ト、カルシウムフェライトおよびこれらの各種の各置換
体、Co置換体等が例示される。具体的には、マグネト
プランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチ
ウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネ
トプランバイト型フェライト、さらに一部スピネル相を
含有した複合マグネトプランバイト型のバリウムフェラ
イトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。
その他、所定の原子以外に、Al,Si,S,Nb,T
i,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,S
n,Sb,Te,W,Re,Au,Bi,La,Ce,
Pr,Nd,P,Co,Mn,Zn,Ni,B、Geな
どの原子を含んでもよい。一般には、Co−Zn,Co
−Ti,Co−Ti−Zr,Co−Ti−Zn,Ni−
Ti−Zn,Nb−Zn−Co,Sn−Zn−Co,S
n−Co−Ti,Nb−Zn等の元素を添加したものを
使用することができる。原料・製法によっては特有の不
純物を含有するものもある。粉体サイズは六角板径で好
ましくは平均板径が10〜35nmである。 【0039】磁性層に含有される強磁性粉末をBET法
による比表面積で表せば、通常45〜80m2/gであ
る。強磁性金属粉末の結晶子サイズは、通常8〜18n
mであり、10〜18nmが好ましく、より好ましくは
11〜17.5nmである。強磁性金属粉末の平均長軸
長は、30〜150nmが好ましく、より好ましくは3
0〜100nmである。強磁性金属粉末の針状比は、3
〜15が好ましく、より好ましくは5〜12である。強
磁性粉末の飽和磁化σs は、通常100〜200A・m
2/kg(100〜200emu/g)であり、120
〜180A・m2/kg(120〜180emu/g)
が好ましい。六方晶フェライトの板状比は、通常2〜2
0であり、2〜5が好ましい。その飽和磁化σs は、通
常30〜70A・m2/kg(30〜70emu/g)
であり、40〜60A・m2/kg(40〜60emu
/g)が好ましい。強磁性粉末は必要に応じ、Al,S
i,Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施しても
よい。 【0040】強磁性粉末自体のSFDは小さい方が好ま
しく、0.8以下が好ましい。すなわち強磁性粉末のH
cの分布を小さくすることが好ましい。特にSFDが
0.8以下であると、電磁変換特性が良好で出力が高
く、また、磁化反転がシャープでピークシフトも少なく
なり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hcの分
布を小さくする方法としては、強磁性金属粉末において
はゲータイトの粒度分布を良くする、焼結を防止するな
どの方法がある。 【0041】(研磨剤)磁気ディスク媒体の磁性層には
公知の研磨剤を含有させてもよく、中でも、ダイヤモン
ドおよびアルミナ粒子の使用が好ましい。所望により上
記以外の研磨剤を併用してもよい。このような研磨剤と
しては、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−
酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸
化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など、主としてモー
ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用さ
れる。これらの研磨剤は必要に応じ下層に添加してもよ
い。下層に添加することで表面形状を制御したり、研磨
剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁
性層に併用ないし下層へ添加する研磨剤の粒径、量は、
むろん最適値に設定すべきである。 【0042】(磁性層に配合されるカーボンブラック)
磁性層に配合される構成材料には、上記の研磨剤のほか
に、カーボンブラックを加えてもよい。好ましいカーボ
ンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマ
ル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等が例示さ
れる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は
10〜400ml/100g、平均粒子径は5〜300
nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10重量%、
タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。カーボン
ブラックを使用する場合は、強磁性体量に対して0.1
〜30重量%で用いるのが好ましい。カーボンブラック
は磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強
度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラ
ックにより異なる。 【0043】[非磁性層(下層)]磁気ディスク媒体の
下層は、実質的に非磁性であればその構成は制限される
べきものではないが、通常少なくとも樹脂からなり、好
ましくは粉体、例えば無機粉末あるいは有機粉末が樹脂
中に分散されたものが挙げられる。無機粉末は、好まし
くは非磁性粉末であるが、下層が実質的に非磁性である
範囲で磁性粉末も使用し得る。下層が実質的に非磁性で
あるとは、上層の電磁変換特性を実質的に低下させない
範囲で下層が磁性を有することを許容するということで
ある。 【0044】(非磁性粉末)非磁性粉末としては、金属
酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭
化物、金属硫化物などの無機化合物から選択することが
できる。中でも、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が
多いことなどから、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、
硫酸バリウムが好ましく、より好ましくは二酸化チタ
ン、α−酸化鉄である。これら非磁性粉末の平均粒子サ
イズは、0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じ
て粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単
独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして、同様の効果を
持たせることができる。 【0045】(下層に配合されるカーボンブラック等)
下層にカーボンブラックを混合させることにより、公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすることができると共に、所望のマイクロビッ
カース硬度を得ることができる。また、下層にカーボン
ブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらす
ことも可能である。カーボンブラックの種類は、ゴム用
ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセ
チレンブラック等を用いることができる。 【0046】[結合剤]磁気ディスク媒体の磁性層およ
び下層に用いられる結合剤の種類、量に関しては従来の
公知技術が利用できる。結合剤としては、従来公知の熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物が使用される。 【0047】熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が
−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200
000、好ましくは10000〜100000、重合度
が約50〜1000程度のものが用いられる。このよう
な例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ
ール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、
塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メ
タクリル酸エステル、エチレン、スチレン、ブタジエ
ン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエー
テルなどの単量体から導かれる構成単位を含む重合体や
共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。 【0048】また、熱硬化性樹脂や反応型樹脂として
は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。 【0049】以上の樹脂は単独または組合わせて使用で
きるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種とポ
リウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシア
ネートを組み合わせたものがあげられる。このような結
合剤としては、より優れた分散性と耐久性を得るために
は必要に応じ、−COOM、−SO3M、−OSO3M、
−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2、−OH、−N
2、−N+3、エポキシ基、−SH、−CNなどから
選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合または付
加反応で導入したものを用いることが好ましい(前記特
性基において、Mは水素原子またはアルカリ金属塩基
を、Rは炭化水素基をそれぞれ示す)。このような特性
基の量は、10-1〜10-8モル/gであり、10-2〜1
-6モル/gが好ましい。 【0050】磁気ディスク媒体の下層、磁性層に用いら
れる結合剤は、下層にあっては非磁性粉末、磁性層にあ
っては強磁性金属粉末に対し、それぞれ5〜50重量%
の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で用いられ
る。 【0051】磁気ディスク媒体は、基本的に下層および
磁性層からなるが、下層および磁性層の少なくとも一方
を複層化してもよい。従って、結合剤量、結合剤中に占
める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシ
アネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成
する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹
脂の物理特性などを必要に応じ各層で変えることはもち
ろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多
層構成に関する公知技術を利用できる。例えば、各層で
結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすた
めには磁性層の結合剤量を増量すること、ヘッドに対す
るヘッドタッチを良好にするためには、下層の結合剤量
を多くして柔軟性を持たせることなどが挙げられるが、
適用に際しては、本発明の効果が発揮させる範囲で最適
化されるのが好ましい。 【0052】下層および磁性層の少なくとも一方には、
ポリイソシアネートを添加して各層を硬化させることが
耐久性を向上させる上で好ましい。具体的には、トリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシ
アネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシ
アネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート
等を使用することができる。これらを単独または硬化反
応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各
層とも用いることができる。 【0053】[添加剤]磁気ディスク媒体の磁性層と下
層には、前述の潤滑剤など、潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果などを有する各種の添加剤を加えて
もよい。添加剤としては、シリコーンオイル、極性基を
もつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シ
リコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステ
ル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エ
ステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステ
ルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、
フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、
ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェ
ニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル
硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜
24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分
岐していてもかまわない)、および、これらの金属塩
(Li,Na,K,Cuなど)または、炭素数12〜2
2の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ−ル
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽
和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、
炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜1
2の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールの
いずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐してい
てもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたは
ジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレ
ンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エス
テル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22
の脂肪族アミンなどが挙げられる。 【0054】また、これらの添加剤の全てまたはその一
部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程で添加して
もよい。例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、
磁性体と結合剤と有機溶剤による混練工程で添加する場
合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、
塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じ
て磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤
の一部または全部を塗布することにより目的が達成され
る場合がある。また、目的によってはカレンダ処理(カ
レンダロールによる加熱加圧処理)した後、またはスリ
ット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもでき
る。 【0055】[層構成]磁気ディスク媒体の層構成をよ
り詳しく説明する。磁気ディスク媒体の支持体の厚み
は、2〜100μmが好ましく、より好ましくは2〜8
0μmである。支持体と下層との間に密着性向上のため
の下塗層を設けてもよい。下塗層の厚みは、0.01〜
0.5μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.
5μmである。 【0056】磁気ディスク媒体は、支持体両面に下層と
磁性層を設けてなる両面磁性層ディスク状媒体であって
も、片面のみにそれらを設けたディスク状媒体であって
もよい。後者の場合、帯電防止やカール補正などの効果
を出すために下層、磁性層側と反対側にバックコート層
を設けてもよい。この厚みは、0.1〜4μmが好まし
く、より好ましくは0.3〜2.0μmである。これら
の下塗層、バックコート層は公知のものが使用できる。 【0057】磁気ディスク媒体の磁性層の厚みは、用い
る磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信
号の帯域により最適化されるものである。この磁性層の
厚みは、0.01〜0.5μmが好ましく、より好まし
くは0.03〜0.3μm、特に好ましくは0.03〜
0.10μmである。磁性層を異なる磁気特性を有する
2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関
する構成が利用できる。 【0058】下層の厚みは、通常0.2〜5μmであ
り、0.3〜3μmが好ましく、より好ましくは1〜
2.5μmである。なお、下層は実質的に非磁性であれ
ばその効果を発揮するものであり、例えば不純物として
あるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、本発明と実
質的に同一の構成と見なすことができることは既に述べ
た。具体的には、例えば下層の残留磁束密度が0.01
テスラ(100ガウス)以下または抗磁力が7.96k
A/m(100Oe)以下であるような場合であり、好
ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことである。 【0059】[支持体]本発明の磁気ディスク媒体に用
いられる非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾールな
どの公知のフィルムが挙げられる。これらの支持体には
あらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処
理、熱処理、除塵処理等を行ってもよい。 【0060】[磁気ディスク媒体の製法]本発明の磁気
ディスク媒体の製造方法は、各層を形成するための塗布
液の調整、支持体への塗布液の塗布、配向処理、乾燥、
冷却、カレンダ処理、打抜処理、後硬化、研磨処理、組
み立て等の工程からなる。 【0061】 【実施例】次に本発明の実施例、比較例により具体的に
本発明を説明する。実施例中、「部」との表示は「重量
部」を表す。 【0062】[実施例1]磁性層形成用の塗料(磁性塗
料)および非磁性下層形成用の塗料(非磁性塗料)の材
料として、それぞれ下記のものを用意した。なお、以下
に示す各成分の量は、共に強磁性金属粉末および非磁性
粉末100重量部当たりの量である。 【0063】 <磁性塗料> 強磁性金属微粉末 100部 組成:Fe70%、Co30% Hc:182kA/m,BET法による比表面積:55m2/g, σs:140A・m2/g, 結晶サイズ:155nm,長軸長:0.075μm,針状比:5, 焼結防止剤:Al化合物(Al/Fe:原子比8%), Y化合物(Y/Fe:原子比6%), 塩化ビニル共重合体(MR110:日本ゼオン社製) 12部 ポリウレタン樹脂(UR8300:東洋紡社製) 3部 αアルミナ(HIT55:住友化学社製) 10部 カーボンブラック(#50:旭カーボン社製) 5部 フェニルホスホン酸 3部 イソヘキサデシルステアレート(iHDS) 3部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 180部 【0064】 <非磁性塗料> 非磁性粉末(α−Fe23:ヘマタイト) 100部 長軸長:0.15μm,BET法による比表面積:50m2/g, pH:9,表面処理剤:Al23(8重量%), カーボンブラック(#3250B:三菱化成社製) 18部 塩化ビニル共重合体(MR104:日本ゼオン社製) 15部 ポリウレタン樹脂(UR8300:東洋紡社製) 7部 フェニルホスホン酸 4部 イソヘキサデシルステアレート(iHDS) 4.5部 オレイン酸 1.3部 ステアリン酸 0.8部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部 【0065】上記2つの塗料のそれぞれについて、各成
分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散さ
せた。得られた分散液にポリイソシアネートを、非磁性
層の塗布液には10部、磁性層の塗布液には10部を加
え、さらにそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μm
の平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性
層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調整し
た。 【0066】得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の厚さ
が1.5μmになるように、さらにその直後にその上
に、磁性層塗布液を乾燥後の厚さが0.2μmになるよ
うに、厚さ62μmで中心線表面粗さが0.01μmの
ポリエチレンテレフタレート支持体上に同時重層塗布を
行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50H
z、磁場強度0.025テスラ、また周波数50Hz、
磁場強度0.012テスラの2つの磁場強度交流磁場発
生装置の中を通過され、ランダム配向処理を行い、最高
温度100℃で乾燥後、塗布後5時間後に、7段のカレ
ンダで温度90℃、線圧300kg/cmにて処理を行
い、3.5インチ径に打ち抜き、表面研磨処理を施した
後、センターコアを付加し、磁気ディスク媒体の測定サ
ンプルを得た。 【0067】[実施例2]この実施例は潤滑剤量が多い
例で、磁性塗料中のイソヘキサデシルステアレート(i
HDS)を7部とし、非磁性塗料中のイソヘキサデシル
ステアレート(iHDS)を9部としたもので、その他
は実施例1と同様にして試料を作成した。 【0068】[実施例3]この実施例はカレンダ処理ま
での時間が短い例で、磁性塗料中のイソヘキサデシルス
テアレート(iHDS)を5部とし、非磁性塗料中のイ
ソヘキサデシルステアレート(iHDS)を6.5部と
し、塗布後から1時間後にカレンダ処理したもので、そ
の他は実施例1と同様にして試料を作成した。 【0069】[比較例1]この比較例は乾燥温度が高い
例で、塗布後の乾燥を最高120℃で乾燥させたもの
で、その他は実施例1と同様にして試料を作成した。 【0070】[比較例2]この比較例は、磁性塗料と非
磁性塗料中の潤滑剤をネオペンチルグリコールデカノエ
ート(NPG)としたもので、その他は実施例1と同様
にして試料を作成した。 【0071】[比較例3]この比較例は、塗布後から2
0時間後にカレンダ処理したもので、その他は実施例1
と同様にして試料を作成した。 【0072】上記のような各実施例および比較例のよう
な磁気ディスク媒体の試料におけるそれぞれの磁性層
(上層)、非磁性層(下層)の潤滑剤の種類、配合量、
乾燥温度、カレンダまでの経過時間を表1に示すと共
に、摩擦力の測定値および耐久試験の結果を表1に示
す。 【0073】[摩擦力の測定]図3に示す方法で、作製
した磁気ディスク媒体の摩擦力を測定した。なお、磁気
ディスク媒体の回転は、図1に示されるような、市販の
HiFDドライブの回転手段を用い、また、この装置の
磁気ヘッドをロードセル(共和電業社製:LVS−10
GA)に係合したサスペンションに取り付けた。 【0074】磁気ディスク媒体の回転速度は3600r
pmとし、磁気ディスク媒体の200時間走行後の磁気
ヘッドにかかる磁気ディスク媒体の回転方向の力をロー
ドセルによって測定し、この力から磁気ディスク媒体と
磁気ヘッドとの摩擦力を算出した。 【0075】[耐久性の測定]図1に示されるような市
販のHiFDドライブを用い、ある決まった1トラック
(例えば中央トラック)上の走行(5秒間)と、ランダ
ムシーク動作(20秒間)を組み合わせた走行パターン
を連続して行い、訂正不能なエラーやトラッキングエラ
ーが発生するまでの時間を測定した。 【0076】 【表1】 【0077】上記表1によれば、実施例1〜3では、2
00時間走行後の摩擦力が20mN以下であり、200
時間の耐久性試験でもエラーの発生はなく、良好な潤滑
性が得られ高い耐久性を示した。実施例2は、実施例1
に比べて潤滑剤の配合量が多いことにより、摩擦力が低
い値となっている。実施例3は、実施例2より潤滑剤の
配合量は少ないが、磁性層塗布からカレンダ処理までの
時間が短いことで摩擦力がさらに低い値となっている。 【0078】これらに対して、比較例1は、実施例1に
比べて乾燥温度が高いために、摩擦力が大きくなり、耐
久性が低下している。比較例2は、実施例1に比べて異
なる潤滑剤の使用に伴い摩擦力が大きくなり、耐久性が
さらに低下している。比較例3は、実施例1に比べて乾
燥温度が高いと共に、カレンダ処理までの時間が長いた
めに、摩擦力がさらに大きくなり、耐久性がさらに低下
している。 【0079】上記のように、200時間後の小さな摩擦
力を高精度に測定することにより、摩擦力の特性を規定
でき、長時間使用においても良好な潤滑性を維持し得る
磁気ディスク媒体を得て、高い耐久性を確保できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明が対象とする磁気ディスク媒体にデータ
の記録/再生を行う磁気ディスク装置の一例を模式的に
示す図 【図2】準浮上型の磁気ヘッドで記録/再生を行ってい
る際の磁気ディスク媒体表面の状態を模式的に示す図 【図3】本発明の磁気ディスク媒体の特性測定方法の一
例を示す概略図 【符号の説明】 10 磁気ディスク媒体 12 センターコア 14 回転手段 16 磁気ヘッド(HCA) 16a スライダ 17,20 サスペンション 18 シーク手段 22 ロードセル 24 測定手段

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 可撓性を有する磁気ディスク媒体を所定
    回転数で回転させ、その回転接線方向に準浮上型磁気ヘ
    ッドを配置し、該磁気ヘッドに作用する力を微小荷重ロ
    ードセルを使用して検出し、磁気ヘッドと磁気ディスク
    媒体との摩擦力を測定することを特徴とする磁気ディス
    ク媒体の特性測定方法。
JP2001200962A 2001-07-02 2001-07-02 磁気ディスク媒体の特性測定方法 Withdrawn JP2003016638A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001200962A JP2003016638A (ja) 2001-07-02 2001-07-02 磁気ディスク媒体の特性測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001200962A JP2003016638A (ja) 2001-07-02 2001-07-02 磁気ディスク媒体の特性測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003016638A true JP2003016638A (ja) 2003-01-17

Family

ID=19037998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001200962A Withdrawn JP2003016638A (ja) 2001-07-02 2001-07-02 磁気ディスク媒体の特性測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003016638A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1498875A1 (en) * 2003-07-14 2005-01-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording and reproduction method
US9764268B2 (en) 2012-12-14 2017-09-19 Entegris, Inc. Gas purification filter unit

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1498875A1 (en) * 2003-07-14 2005-01-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording and reproduction method
US7092210B2 (en) 2003-07-14 2006-08-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording and reproduction method
US9764268B2 (en) 2012-12-14 2017-09-19 Entegris, Inc. Gas purification filter unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6706909B2 (ja) 磁気テープおよびその製造方法
WO2019159465A1 (ja) 磁気記録テープとその製造方法、磁気記録テープカートリッジ
WO2007114394A1 (ja) 磁気記録媒体、リニア磁気記録再生システムおよび磁気記録再生方法
JP7217766B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2009259402A (ja) 磁気記録媒体および磁気テープカートリッジ
JP2004273070A (ja) 磁気記録媒体
US6991862B2 (en) Magnetic recording medium
JP2003016638A (ja) 磁気ディスク媒体の特性測定方法
JP2003263718A (ja) ディスク状磁気記録媒体
JP4383316B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気テープカートリッジ
JPH02110826A (ja) 磁気ディスク
JP7277408B2 (ja) 磁気記録媒体、磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置
JP6005500B2 (ja) 磁気記録媒体の測定方法、および、磁気記録媒体の製造方法
JP6743991B1 (ja) カートリッジおよび記録再生装置
JPH097159A (ja) 磁気記録ディスク及び磁気記録再生方法
WO2023100871A1 (ja) 磁気テープ収容体
WO2023190541A1 (ja) 磁気記録媒体およびカートリッジ
JP4335093B2 (ja) 磁気記録媒体
KR100322819B1 (ko) 자기기록매체
JP2005038499A (ja) 磁気ディスク
JP2000030242A (ja) 磁気記録媒体
JP2002312922A (ja) 磁気記録媒体
JPH09293229A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JP2002342901A (ja) 磁気ディスク媒体の特性測定方法
JP2002100035A (ja) 磁気ディスク媒体の特性測定方法および磁気ディスク媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902