JP2002342901A - 磁気ディスク媒体の特性測定方法 - Google Patents

磁気ディスク媒体の特性測定方法

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JP2002342901A
JP2002342901A JP2001148636A JP2001148636A JP2002342901A JP 2002342901 A JP2002342901 A JP 2002342901A JP 2001148636 A JP2001148636 A JP 2001148636A JP 2001148636 A JP2001148636 A JP 2001148636A JP 2002342901 A JP2002342901 A JP 2002342901A
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medium
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Jiyunichi Nakamigawa
順一 中三川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性を有し記録密度の高い磁気ディスク媒
体における温度膨張係数や湿度膨張係数や熱収縮率など
の寸法変形特性を高精度に測定する。 【解決手段】 磁気ディスク媒体10のトラックに記録さ
れたサーボ信号を、半径方向位置を固定した磁気ヘッド
16により読み取り、読み取ったサーボ信号のトラック位
置のずれより磁気ディスク媒体10の寸法変形を測定す
る。所定の環境に保存した後の磁気ディスク媒体を測定
した変形率の3次以上の成分を0.01%以下に規定す
ることにより寸法安定性に優れる磁気ディスク媒体が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性を有する磁
気ディスク媒体で、特に準浮上型の磁気ヘッドを用いる
磁気ディスク装置に対応する磁気ディスク媒体の寸法変
形特性を好適に測定できる磁気ディスク媒体の特性測定
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、パーソナルコンピュータ等のデー
タを記録する記録媒体としては、可撓性の磁気ディスク
媒体である2HDのフレキシブルディスク(以下、2H
D−FDとする)が多く使用されており、数多くのパー
ソナルコンピュータに2HD−FD用のディスクドライ
ブが標準搭載されている。しかしながら、近年では、取
り扱うデータの量が飛躍的に増加しており、2HD−F
Dでは記録容量が十分でない場合も多い。そのため、手
軽に取り扱える可撓性の磁気ディスク媒体の大容量化が
望まれている。
【0003】このような要求に応え、磁気記録媒体の記
録容量を大きくするための技術が各種開発され、可撓性
の磁気ディスク媒体でも2HD−FDの記録容量を遙か
に越え、例えば100MB以上の記録容量を有する磁気
ディスク媒体が実用化されるようになっている。このよ
うな大容量の磁気ディスク媒体は、高密度なデータの記
録や高速でのデータ転送に対応するため、磁気ディスク
媒体を高速で回転させ、磁気ディスク媒体の回転によっ
て浮上する準浮上型の磁気ヘッドを用いる磁気ディスク
装置によってデータの記録/再生が行われる。
【0004】そして、記録容量増大に対応してトラック
ピッチ等が微細化し、磁気ディスク媒体の保存環境によ
っては、特に高温度、高湿度環境での保存状態では、磁
気ディスク媒体がこれらの環境に応じて変形し、円環状
に設定したトラックが楕円形状、波形状等となってサー
ボトラッキング機能などに影響を与え、高精度の記録/
再生特性が損なわれる恐れがある。
【0005】従来における磁気ディスク媒体の変形の測
定、例えば温度膨張係数や湿度膨張係数や熱収縮率は、
コンパレータ(XYステージ付き測定顕微鏡)を用いて
測定していた。このコンパレータは測定精度が数μm
と、高密度磁気ディスク媒体のトラックピッチ等の要求
精度に対して不十分になりつつある。また磁気ディスク
媒体の変形の異方性における3次成分以上の測定は困難
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ディス
ク媒体には非常に重要なデータ(情報)が記録される場
合があり、また、データの記録/再生が繰り返し行われ
るのが通常である。従って、大容量の磁気ディスク媒体
にも、優れた信頼性が要求されるのは当然のことであ
る。このような要求に対し、より優れた特性を有する磁
気ディスク媒体の出現が望まれている。
【0007】特に、サーボ信号を書き込んだ後の保存条
件によって、磁気ディスク媒体は熱変形または湿度変形
するものであり、その際、メディアの熱処理条件、リフ
ターの有無、センターコアとの結合態様などによって、
磁気ディスク媒体の受ける変形態様が異なり、大きな変
形または高次の異方性の変形が発生すると、サーボトラ
ッキング不良等が発生して記録/再生特性が損なわれる
問題が生ずる。
【0008】具体的には、サーボ信号を書き込む以前
に、磁気記録媒体に熱処理を施し歪みの除去、硬化の促
進を行っていないと、その後の変形が大きくなり、ま
た、シェル内にリフターが設置されたものでは、保存時
にリフターの接触押圧力によって媒体が変形しやすく、
特に高温高湿で変形が固定されやすく、また、センター
コアとの接合が接着剤と粘着テープによるものとでは拘
束性に差があり、これらの条件の複合によって変形態様
が異なるものである。そして、これらの変形が許容でき
るものかどうかの規定を行うことが困難である。
【0009】上記のような磁気ディスク媒体の変形によ
り、同心円状に設定されたトラックは、回転中心に対す
る真円形状からずれた形状となる。このトラックの変形
には、チャッキング誤差等による中心位置のずれに伴う
偏心した1次成分と、ディスクの1方向への延びあるい
は縮みと他方向への延びあるいは縮みとが異なることに
よる楕円形状への変化に伴う2次成分と、部分的に異な
る変形に伴う波形状等に変化した3次以上の成分の異方
性を有する。そして、1次成分と2次成分とは通常の磁
気ディスク装置でのサーボトラッキング機能等によって
キャンセル可能であるが、3次以上の高次成分について
のキャンセルは困難である。従って、磁気ディスク媒体
の変形に3次以上の成分が多く含まれると、磁気ヘッド
のトラックフォローイングができなくなり、データの記
録/再生特性の信頼性が低下する問題がある。
【0010】そこで、本発明は上記点に鑑みなされたも
ので、可撓性を有し記録密度の高い磁気ディスク媒体に
おける温度膨張係数や湿度膨張係数や熱収縮率などの寸
法変形特性を高精度に測定できる磁気ディスク媒体の特
性測定方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク媒
体の特性測定方法は、トラックの全周に所定の間隔でサ
ーボ信号が記録された可撓性を有する磁気ディスク媒体
を回転させ、半径方向位置を固定した磁気ヘッドにより
前記サーボ信号を読み取り、読み取ったサーボ信号のト
ラック位置のずれより該磁気ディスク媒体の変形を測定
することを特徴とするものである。
【0012】上記の磁気ディスク媒体の変形測定の解析
から、温度膨張係数、湿度膨張係数、熱収縮率、それら
の異方性などを求めることができる。
【0013】また、本発明の特性測定方法により規定さ
れる磁気ディスク媒体は、サーボ信号を記録し所定の環
境に保存した後の磁気ディスク媒体を、前記磁気ディス
ク媒体の特性測定方法で測定したときの磁気ディスク媒
体の寸法変形における変形率の3次以上の成分が0.0
1%以下であるものが良好な寸法安定性を有する。保存
環境としては、温度60℃、相対湿度90%の高温高湿
環境に1週間保存するのが好適である。
【0014】
【発明の効果】本発明の磁気ディスク媒体の特性測定方
法によれば、磁気ディスク媒体に記録したサーボ信号を
半径方向位置を固定した磁気ヘッドにより読み取り、読
み取ったサーボ信号のトラック位置のずれより磁気ディ
スク媒体の変形を測定することにより、磁気ディスク媒
体の変形を高次成分についてまで精度よく測定すること
ができ、磁気ディスク媒体の寸法変形特性を適正に評価
することができる。
【0015】また、本発明の特性測定方法により規定さ
れる磁気ディスク媒体は、所定の環境に保存した後の磁
気ディスク媒体を測定した変形率の3次以上の成分が
0.01%以下であるものが、高温高湿保存後も良好な
トラックフォローイングが行え、データの記録/再生が
高精度に可能であり、信頼性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気ディスク媒体
の特性測定方法および磁気ディスク媒体の実施の形態を
図面に基づいて説明する。
【0017】本発明の磁気ディスク媒体は、磁気ディス
ク装置によってデータの記録/再生を行う際には、高速
で回転され、この回転に起因して生じる空気流によって
少なくともヘッドエレメント部が浮上する準浮上型の磁
気ヘッドを用いるものであり、100MB以上の記録容
量を有する。
【0018】図1に示すように、磁気ディスク媒体10
は、磁気ディスク装置において、センターコア12を回
転手段14に係合して所定速度で回転されつつ、磁気ヘ
ッド16すなわちHCA(Head Carriage Assembly)によ
りデータの記録/再生に供される。磁気ヘッド16は、
磁気ディスク媒体10を挟むように配置されたアッパー
側とロアー側のヘッド部16a,16aを上下に対向し
て備え、両ヘッド部16a,16aは公知のヘッドエレ
メントが形成されたスライダ、スライダを支持するジン
バルを有し、両ヘッド部16a,16aがそれぞれ上下
のサスペンション17,17の先端に固着され、サスペ
ンション17の後端部がシーク手段18に保持され、こ
のシーク手段18によって磁気ヘッド16が磁気ディス
ク媒体10の半径方向(図1の矢印方向)に移動され、
シーク動作が行われる。
【0019】このような大容量の磁気ディスク媒体10
を高速回転してデータの記録/再生を行う磁気ディスク
装置においては、磁気ヘッド16のヘッド部16a,1
6aはジンバルなどのバネ付勢力で磁気ディスク媒体1
0の表面に弱い力で付勢される一方、磁気ディスク媒体
10の高速回転に伴って発生するエア流によって浮上
し、微小間隙を保持して対峙するようになっている。な
お、ヘッド部16aの回転前部では完全に浮上し、後端
部側では浮上量は少なく、ときどき接触することで、準
浮上型ヘッドと呼ばれる。
【0020】本発明の磁気ディスク媒体の特性測定方法
は、磁気ディスク媒体に予めサーボトラックライター等
でトラック全周に所定の間隔でサーボ信号を書き込み、
所定環境(60℃、90RH%、1週間)に保存した後
の磁気ディスク媒体のサーボ信号を、磁気ヘッドを固定
した再生装置で読み取り、読み取ったサーボ信号のトラ
ック位置のずれより該磁気ディスク媒体の変形を測定す
るもので、磁気ディスク媒体の変形を高精度に測定する
ことにより、磁気ディスク媒体の寸法変形特性を適正に
評価することを実現したものである。
【0021】図2に、本発明の特性測定方法における再
生装置の一例を模式的に示す。この再生装置20は、磁
気ディスク媒体10を所定速度で回転しながら、半径方
向位置すなわちシーク位置を固定した磁気ヘッド16に
よって、磁気ディスク媒体10に書き込まれたサーボ信
号を読み取る。再生装置20は不図示の基盤全体を低膨
張素材(例えばスーパーアンバー)で作製し、環境条件
の影響を低減する。磁気ヘッド16のヘッド部16aを
保持したサスペンション17が固定治具22に支持さ
れ、半径方向位置が固定されている。磁気ヘッド16で
読み取ったサーボ信号は測定手段24に送出され、信号
の解析処理が行われて、温度膨張係数、湿度膨張係数、
熱収縮率、それらの変形率の高次成分等が求められる。
【0022】測定手段24では、読み込んだサーボ信号
のトラック番号、セクタ番号などから、トラック位置の
半径方向のずれ量を検出し、測定データをFFT解析
(高速フーリエ変換解析)により周波数解析を行うこと
で、寸法変形特性の3次成分以上の成分測定が可能とな
る。前記サーボ信号はディスク1周当たりに90〜12
0個程度、所定の間隔で配置されており、1円周に渡っ
て細かく測定が可能である。
【0023】また、前記熱収縮率測定は、サーボ信号を
書き込んだ磁気ディスク媒体10を所定環境(60℃、
90RH%、1週間)に保存した後に行ってその環境条
件に対応する寸法変形特性を求める。その際、保存前の
磁気ディスク媒体のサーボ信号を固定磁気ヘッドで読み
込み、その測定データと、所定環境での保存後の磁気デ
ィスク媒体のサーボ信号を、同様の固定磁気ヘッドで読
み込み、両者のデータを比較することにより、測定精度
を高めている。
【0024】なお、磁気ヘッド16は、少なくとも測定
時に半径方向位置を固定していればよいものであり、所
定のトラック位置に移動させることが必要な場合には、
そのシーク移動後に固定する。
【0025】測定時における磁気ディスク媒体10の回
転速度は特に限定はなく、磁気ディスク媒体10が対応
する磁気ディスク装置における通常の速度の範囲であれ
ばよいが、通常は、1800rpm以上が好ましく、よ
り好ましくは1800〜7200rpmである。測定時
における磁気ヘッド16の磁気ディスク媒体10の半径
方向の位置に限定はなく、有効記録領域(データエリ
ア)であればいいが、通常は、有効記録領域の半径方向
の1/2の位置で測定を行うのが好ましい。
【0026】本発明により規定される磁気ディスク媒体
は、サーボ信号を書き込んだ後の磁気ディスク媒体を所
定の環境(60℃、90RH%)に1週間保存した後
に、前記測定方法で測定して求めた変形率の3次以上の
成分が0.01%以下であるものが、良好な寸法安定性
を有する。
【0027】磁気ディスク媒体のチャッキング誤差によ
る偏心(1次)や、ディスクの変形の2次成分は、通常
磁気ディスク装置でキャンセルされるが、3次以上の高
次成分のキャンセルはあまり行われない。従って、磁気
ディスク媒体の変形時に3次以上の成分が大きいと、サ
ーボフォローイングができなくなるが、変形率の3次以
上の成分を0.01%以下とすることで高温高湿保存後
もデータの記録/再生が可能となる。
【0028】前記磁気ディスク媒体において、上記変形
率の3次以上の成分を0.01%以下とする実現方法に
は特に限定はなく、各種の方法が利用可能である。一例
として、磁気記録媒体の適正な熱処理の実施、シェルの
リフター構造の選択、センターコアの固着形態の選択、
その他、素材の選択などの公知の方法が各種組み合わせ
て利用可能である。
【0029】磁気ディスク媒体は、上記変形特性の規定
以外は基本的に公知の磁気ディスク媒体である。中で
も、実質的に非磁性の下層と、その上に形成される強磁
性粉末もしくは強磁性六方晶フェライト微粉末をバイン
ダー中に分散してなる磁性層を有する磁気ディスク媒体
は好適に利用される。この磁気ディスク媒体は、磁性層
を厚さ0.5μm以下の薄膜にできる上に、高強度で表
面平滑性にも優れる。そのため、この磁気ディスク媒体
を用いることにより、高記録密度でしかもより高い耐久
性を有する優れた磁気ディスク媒体を得ることができ
る。
【0030】以下、磁気ディスク媒体に形成される磁性
層および非磁性層について、好適な一例を説明する。
【0031】[磁性層]磁気ディスク媒体の磁性層の抗
磁力Hcは、143kA/m(1800Oe)以上が好
ましく、より好ましくは159kA/m(2000O
e)以上であり、特に好ましくは183〜279kA/
m(2300〜3500Oe)である。143kA/m
以上とすることにより、高記録密度をより良好に達成す
ることが可能になる。
【0032】(強磁性粉末)上層磁性層に使用する強磁
性粉末としては、強磁性金属粉末または六方晶フェライ
ト粉末が用いられる。強磁性金属粉末としては、長軸長
が150nm以下のものが好ましい。また、六方晶フェ
ライト粉末としては、35nm以下のものが好ましい。
【0033】強磁性金属粉末は、α−Feを主成分とす
る強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性金属粉末
には所定の原子以外に、Al,Si,S,Sc,Ca,
Ti,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,
Sn,Sb,Te,Ba,Ta,W,Re,Au,H
g,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,P,
Co,Mn,Zn,Ni,Sr,Bなどの原子を含んで
もよい。特に、Al,Si,Ca,Y,Ba,La,N
d,Sm,Co,Ni,Bの少なくとも1つをα−Fe
以外に含むのが好ましく、Co,Y,Al,Nd,Sm
の少なくとも1つを含むのがより好ましい。Coの含有
量は、Feに対し40原子%以下が好ましく、より好ま
しくは15〜35原子%、特に好ましくは20〜35原
子%である。Yの含有量は、Feに対して1.5〜12
原子%が好ましく、より好ましくは3〜10原子%、特
に好ましくは4〜9原子%である。Alの含有量は、F
eに対して1.5〜30原子%が好ましく、より好まし
くは5〜20原子%、特に好ましくは8〜15原子%で
ある。また、これらの強磁性粉末には、分散剤、潤滑
剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ
処理を行ってもよい。
【0034】強磁性六方晶フェライトとしては、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライ
ト、カルシウムフェライトおよびこれらの各種の各置換
体、Co置換体等が例示される。具体的には、マグネト
プランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチ
ウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネ
トプランバイト型フェライト、さらに一部スピネル相を
含有した複合マグネトプランバイト型のバリウムフェラ
イトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。
その他、所定の原子以外に、Al,Si,S,Nb,T
i,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,S
n,Sb,Te,W,Re,Au,Bi,La,Ce,
Pr,Nd,P,Co,Mn,Zn,Ni,B、Geな
どの原子を含んでもよい。一般には、Co−Zn,Co
−Ti,Co−Ti−Zr,Co−Ti−Zn,Ni−
Ti−Zn,Nb−Zn−Co,Sn−Zn−Co,S
n−Co−Ti,Nb−Zn等の元素を添加したものを
使用することができる。原料・製法によっては特有の不
純物を含有するものもある。粉体サイズは六角板径で好
ましくは平均板径が10〜35nmである。
【0035】磁性層に含有される強磁性粉末をBET法
による比表面積で表せば、通常45〜80m2/gであ
る。強磁性金属粉末の結晶子サイズは、通常8〜18n
mであり、10〜18nmが好ましく、より好ましくは
11〜17.5nmである。強磁性金属粉末の平均長軸
長は、30〜150nmが好ましく、より好ましくは3
0〜100nmである。強磁性金属粉末の針状比は、3
〜15が好ましく、より好ましくは5〜12である。強
磁性粉末の飽和磁化σs は、通常100〜200A・m
2/kg(100〜200emu/g)であり、120
〜180A・m2/kg(120〜180emu/g)
が好ましい。六方晶フェライトの板状比は、通常2〜2
0であり、2〜5が好ましい。その飽和磁化σs は、通
常30〜70A・m2/kg(30〜70emu/g)
であり、40〜60A・m2/kg(40〜60emu
/g)が好ましい。強磁性粉末は必要に応じ、Al,S
i,Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施しても
よい。
【0036】強磁性粉末自体のSFDは小さい方が好ま
しく、0.8以下が好ましい。すなわち強磁性粉末のH
cの分布を小さくすることが好ましい。特にSFDが
0.8以下であると、電磁変換特性が良好で出力が高
く、また、磁化反転がシャープでピークシフトも少なく
なり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hcの分
布を小さくする方法としては、強磁性金属粉末において
はゲータイトの粒度分布を良くする、焼結を防止するな
どの方法がある。
【0037】(研磨剤)磁気ディスク媒体の磁性層には
公知の研磨剤を含有させてもよく、中でも、ダイヤモン
ドおよびアルミナ粒子の使用が好ましい。所望により上
記以外の研磨剤を併用してもよい。このような研磨剤と
しては、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−
酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸
化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など、主としてモー
ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用さ
れる。これらの研磨剤は必要に応じ下層に添加してもよ
い。下層に添加することで表面形状を制御したり、研磨
剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁
性層に併用ないし下層へ添加する研磨剤の粒径、量は、
むろん最適値に設定すべきである。
【0038】(磁性層に配合されるカーボンブラック)
磁性層に配合される構成材料には、上記の研磨剤のほか
に、カーボンブラックを加えてもよい。好ましいカーボ
ンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマ
ル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等が例示さ
れる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は
10〜400ml/100g、平均粒子径は5〜300
nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10重量%、
タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。カーボン
ブラックを使用する場合は、強磁性体量に対して0.1
〜30重量%で用いるのが好ましい。カーボンブラック
は磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強
度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラ
ックにより異なる。
【0039】[非磁性層(下層)]磁気ディスク媒体の
下層は、実質的に非磁性であればその構成は制限される
べきものではないが、通常少なくとも樹脂からなり、好
ましくは粉体、例えば無機粉末あるいは有機粉末が樹脂
中に分散されたものが挙げられる。無機粉末は、好まし
くは非磁性粉末であるが、下層が実質的に非磁性である
範囲で磁性粉末も使用し得る。下層が実質的に非磁性で
あるとは、上層の電磁変換特性を実質的に低下させない
範囲で下層が磁性を有することを許容するということで
ある。
【0040】(非磁性粉末)非磁性粉末としては、金属
酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭
化物、金属硫化物などの無機化合物から選択することが
できる。中でも、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が
多いことなどから、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、
硫酸バリウムが好ましく、より好ましくは二酸化チタ
ン、α−酸化鉄である。これら非磁性粉末の平均粒子サ
イズは、0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じ
て粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単
独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして、同様の効果を
持たせることができる。
【0041】(下層に配合されるカーボンブラック等)
下層にカーボンブラックを混合させることにより、公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすることができると共に、所望のマイクロビッ
カース硬度を得ることができる。また、下層にカーボン
ブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらす
ことも可能である。カーボンブラックの種類は、ゴム用
ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセ
チレンブラック等を用いることができる。
【0042】[結合剤]磁気ディスク媒体の磁性層およ
び下層に用いられる結合剤の種類、量に関しては従来の
公知技術が利用できる。結合剤としては、従来公知の熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物が使用される。
【0043】熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が
−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200
000、好ましくは10000〜100000、重合度
が約50〜1000程度のものが用いられる。このよう
な例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ
ール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、
塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メ
タクリル酸エステル、エチレン、スチレン、ブタジエ
ン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエー
テルなどの単量体から導かれる構成単位を含む重合体や
共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。
【0044】また、熱硬化性樹脂や反応型樹脂として
は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。
【0045】以上の樹脂は単独または組合わせて使用で
きるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種とポ
リウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシア
ネートを組み合わせたものがあげられる。このような結
合剤としては、より優れた分散性と耐久性を得るために
は必要に応じ、−COOM、−SO3M、−OSO3M、
−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2、−OH、−N
2、−N+3、エポキシ基、−SH、−CNなどから
選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を共重合または付
加反応で導入したものを用いることが好ましい(前記特
性基において、Mは水素原子またはアルカリ金属塩基
を、Rは炭化水素基をそれぞれ示す)。このような特性
基の量は、10-1〜10-8モル/gであり、10-2〜1
-6モル/gが好ましい。
【0046】磁気ディスク媒体の下層、磁性層に用いら
れる結合剤は、下層にあっては非磁性粉末、磁性層にあ
っては強磁性金属粉末に対し、それぞれ5〜50重量%
の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で用いられ
る。磁気ディスク媒体は、基本的に下層および磁性層か
らなるが、下層および磁性層の少なくとも一方を複層化
してもよい。
【0047】下層および磁性層の少なくとも一方には、
ポリイソシアネートを添加して各層を硬化させることが
耐久性を向上させる上で好ましい。具体的には、トリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシ
アネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシ
アネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート
等を使用することができる。これらを単独または硬化反
応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各
層とも用いることができる。
【0048】[添加剤]磁気ディスク媒体の磁性層と下
層には、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果
などを有する各種の添加剤を加えてもよい。添加剤とし
ては、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂
肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含
有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、
ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアル
カリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ
金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、
αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−
エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ア
ミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそ
のアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪
酸、および、これらの金属塩(Li,Na,K,Cuな
ど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコ−ル、炭素数12〜22のアルコ
キシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と
炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価
アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステ
ルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、
アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂
肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数
8〜22の脂肪族アミンなどが挙げられる。上記一塩基
性脂肪酸、アルコールは、不飽和結合を含んでも、また
分岐していてもかまわない。
【0049】潤滑剤としては、カプリン酸、カプリル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類、
ブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルス
テアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリス
テアレート、オクチルミリステアレート、ブトキシエチ
ルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−
エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパ
ルミレート、2−ヘキシルドデシルパルミレート、イソ
ヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデ
シルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸
オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエートなど
のエステル類等が例示される。
【0050】また、これらの添加剤の全てまたはその一
部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程で添加して
もよい。例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、
磁性体と結合剤と有機溶剤による混練工程で添加する場
合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、
塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じ
て磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤
の一部または全部を塗布することにより目的が達成され
る場合がある。また、目的によってはカレンダ処理(カ
レンダロールによる加熱加圧処理)した後、またはスリ
ット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもでき
る。
【0051】[層構成]磁気ディスク媒体の層構成をよ
り詳しく説明する。磁気ディスク媒体の支持体の厚み
は、2〜100μmが好ましく、より好ましくは2〜8
0μmである。支持体と下層との間に密着性向上のため
の下塗層を設けてもよい。下塗層の厚みは、0.01〜
0.5μmが好ましく、より好ましくは0.02〜0.
5μmである。
【0052】磁気ディスク媒体は、支持体両面に下層と
磁性層を設けてなる両面磁性層ディスク状媒体であって
も、片面のみにそれらを設けたディスク状媒体であって
もよい。後者の場合、帯電防止やカール補正などの効果
を出すために下層、磁性層側と反対側にバックコート層
を設けてもよい。この厚みは、0.1〜4μmが好まし
く、より好ましくは0.3〜2.0μmである。これら
の下塗層、バックコート層は公知のものが使用できる。
【0053】磁気ディスク媒体の磁性層の厚みは、用い
る磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信
号の帯域により最適化されるものである。この磁性層の
厚みは、0.01〜0.5μmが好ましく、より好まし
くは0.03〜0.3μm、特に好ましくは0.03〜
0.10μmである。磁性層を異なる磁気特性を有する
2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関
する構成が利用できる。
【0054】下層の厚みは、通常0.2〜5μmであ
り、0.3〜3μmが好ましく、より好ましくは1〜
2.5μmである。なお、下層は実質的に非磁性であれ
ばその効果を発揮するものであり、例えば不純物として
あるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、本発明と実
質的に同一の構成と見なすことができることは既に述べ
た。具体的には、例えば下層の残留磁束密度が0.01
テスラ(100ガウス)以下または抗磁力が7.96k
A/m(100Oe)以下であるような場合であり、好
ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことである。
【0055】[支持体]本発明の磁気ディスク媒体に用
いられる非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾールな
どの公知のフィルムが挙げられる。これらの支持体には
あらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処
理、熱処理、除塵処理等を行ってもよい。
【0056】[磁気ディスク媒体の製法]本発明の磁気
ディスク媒体の製造方法は、各層を形成するための塗布
液の調整、支持体への塗布液の塗布、配向処理、乾燥、
冷却、カレンダ処理、打抜処理、後硬化、研磨処理、組
み立て等の工程からなる。
【0057】
【実施例】次に本発明の実施例、比較例により具体的に
本発明を説明する。実施例中、「部」との表示は「重量
部」を表す。
【0058】[実施例1]磁性層形成用の塗料(磁性塗
料)および非磁性下層形成用の塗料(非磁性塗料)の材
料として、それぞれ下記のものを用意した。なお、以下
に示す各成分の量は、共に強磁性金属粉末および非磁性
粉末100重量部当たりの量である。
【0059】 <磁性塗料> 強磁性金属微粉末 100部 組成:Fe70%、Co30% Hc:182kA/m,BET法による比表面積:55m2/g, σs:140A・m2/g, 結晶サイズ:155nm,長軸長:0.075μm,針状比:5, 焼結防止剤:Al化合物(Al/Fe:原子比8%), Y化合物(Y/Fe:原子比6%), 塩化ビニル共重合体(MR110:日本ゼオン社製) 12部 ポリウレタン樹脂(UR8300:東洋紡社製) 3部 αアルミナ(HIT55:住友化学社製) 10部 カーボンブラック(#50:旭カーボン社製) 5部 フェニルホスホン酸 3部 イソヘキサデシルステアレート 3部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 180部
【0060】 <非磁性塗料> 非磁性粉末(α−Fe23:ヘマタイト) 100部 長軸長:0.15μm,BET法による比表面積:50m2/g, pH:9,表面処理剤:Al23(8重量%), カーボンブラック(#3250B:三菱化成社製) 18部 塩化ビニル共重合体(MR104:日本ゼオン社製) 15部 ポリウレタン樹脂(UR8300:東洋紡社製) 7部 フェニルホスホン酸 4部 イソヘキサデシルステアレート 4.5部 オレイン酸 1.3部 ステアリン酸 0.8部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(8/2混合溶剤) 250部
【0061】上記2つの塗料のそれぞれについて、各成
分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散さ
せた。得られた分散液にポリイソシアネートを、非磁性
層の塗布液には10部、磁性層の塗布液には10部を加
え、さらにそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μm
の平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性
層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調整し
た。
【0062】得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の厚さ
が1.5μmになるように、さらにその直後にその上
に、磁性層塗布液を乾燥後の厚さが0.2μmになるよ
うに、厚さ62μmで中心線表面粗さが0.01μmの
ポリエチレンテレフタレート支持体上に同時重層塗布を
行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに周波数50H
z、磁場強度0.025テスラ、また周波数50Hz、
磁場強度0.012テスラの2つの磁場強度交流磁場発
生装置の中を通過され、ランダム配向処理を行い、乾燥
後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/c
mにて表面処理を行った。3.5インチ型に打ち抜き、
この媒体を50℃で48時間熱処理し、表面研磨処理を
施した後、センターコアをリング状の両面テープで付加
し、リフターのないシェルに入れ、磁気ディスク媒体の
測定用サンプルを得た。
【0063】[実施例2]この実施例は、3.5インチ
型に打ち抜いたメディアを、リング状の両面テープでセ
ンターコアに貼り付ける代わりに、熱硬化性接着剤を用
いてセンターコアに固着したもので、その他は実施例1
と同様にして試料を作成した。
【0064】[比較例1]この比較例は、リフターのな
いシェルの代わりに、リフターのあるシェルに装填した
もので、その他は実施例1と同様にして試料を作成し
た。
【0065】[比較例2]この比較例は、メディアを
3.5インチ型に打ち抜いた後の媒体に熱処理を施して
ないもので、その他は実施例2と同様にして試料を作成
した。
【0066】[比較例3]この比較例は、比較例2と同
様に媒体に熱処理を施さず、さらにリフターのあるシェ
ルに装填したもので、その他は実施例2と同様にして試
料を作成した。
【0067】上記のような各実施例および比較例のよう
な磁気ディスク媒体の試料におけるそれぞれの媒体熱処
理、リフターの有無、センターコアとの固着態様を表1
に示すと共に、変形率の3次以上の成分の測定値および
エラー試験の結果を表1に示す。
【0068】[変形率の測定]図2に示す方法で、磁気
ディスク媒体に記録したサーボ信号を固定磁気ヘッドに
よって読み取り、その測定データをFFT解析し、変形
率の3次以上の成分を求めた。磁気ディスク媒体の保存
条件は、熱処理を施したものまたは無処理の磁気ディス
ク媒体にサーボトラックライターでサーボ信号を書き込
んだ後、温度60℃、湿度90RH%の高温高湿環境
に、1週間保存したものである。
【0069】なお、磁気ディスク媒体の回転は、図1に
示されるような、市販のHiFDドライブの回転手段を
用い、また、この装置の磁気ヘッドを、固定治具に取り
付けた。
【0070】[エラーの測定]図1に示されるような市
販のHiFDドライブを用い、上記同様の保存条件で保
存した後のサンプル磁気ディスク媒体を、ディスクエラ
ーチェック用プログラム(マイクロソフト社製のウィン
ドウズのスキャンディスク)を使用してエラーの有無を
調べた。
【0071】
【表1】
【0072】上記表1によれば、実施例1および2で
は、変形率の3次以上の成分が0.01%以下であり、
良好なトラックフォローイングが行え、エラーは発生し
なかった。実施例2は、センターコアの固着を接着剤で
行っていることにより、実施例1の両面テープによる固
着に比べて変形の吸収が少なく、3次以上の成分の比率
が大きくなっている。
【0073】これらに対して、比較例1は、実施例1に
比べてシェルにリフターが設置されているために、変形
を大きく受け、3次以上の成分が大きくなり、エラーが
発生している。比較例2は、実施例2に比べて媒体に予
め熱処理を施していないために、歪みが残存して保存時
の変形が大きく、3次以上の成分が大きくなり、エラー
が発生している。比較例3は、比較例2に対してさらに
シェルにリフターが設置されているために、さらに3次
以上の成分が大きくなり、エラーが発生している。
【0074】上記のように、高温高湿条件で保存した後
の変形率を固定磁気ヘッドを使用して高精度に測定する
ことができ、その3次以上の成分を求めて特性を規定す
るために、高温高湿条件で保存した際にもエラーが発生
するような変形を低減し、良好な記録/再生特性を維持
し得る磁気ディスク媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とする磁気ディスク媒体にデータ
の記録/再生を行う磁気ディスク装置の一例を模式的に
示す図
【図2】本発明の磁気ディスク媒体の特性測定方法の一
例を示す概略図
【符号の説明】
10 磁気ディスク媒体 12 センターコア 14 回転手段 16 磁気ヘッド 16a スライダ 17 サスペンション 18 シーク手段 20 再生装置 22 固定治具 24 測定手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラックの全周に所定の間隔でサーボ信
    号が記録された可撓性を有する磁気ディスク媒体を回転
    させ、半径方向位置を固定した磁気ヘッドにより前記サ
    ーボ信号を読み取り、読み取ったサーボ信号のトラック
    位置のずれより該磁気ディスク媒体の変形を測定するこ
    とを特徴とする磁気ディスク媒体の特性測定方法。
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Cited By (2)

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