JP2003016493A - 料金収受システムの車載器 - Google Patents

料金収受システムの車載器

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JP2003016493A
JP2003016493A JP2001204308A JP2001204308A JP2003016493A JP 2003016493 A JP2003016493 A JP 2003016493A JP 2001204308 A JP2001204308 A JP 2001204308A JP 2001204308 A JP2001204308 A JP 2001204308A JP 2003016493 A JP2003016493 A JP 2003016493A
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Kenji Kobayashi
健二 小林
Junichi Takahashi
旬一 高橋
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ETC用の車載器において、ICカードを抜
き忘れて車内に放置すると盗難の恐れがある。また、I
Cカードを挿し忘れて料金所を通過すると料金収受が出
来ない。このため、車載器の利用者はICカードの抜き
挿しを確実に行うことが要求され、利用上大変不便であ
る。 【解決手段】 車載器を、車両に固定する設置部と、搭
乗者が携帯する携帯部に分け、携帯部にICカードを挿
入する。設置部と携帯部は同一車内程度の近距離で通信
が可能となる近距離通信手段を持ち、搭乗者が携帯部を
携帯して車両に搭乗すると、設置部は近距離通信手段を
使ってICカードの内容を読み書きできるようになる。
これにより、ICカードを車載器に抜き挿しする操作は
必要なくなり、ICカードの抜き忘れ、挿し忘れがなく
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有料道路の自動料
金収受システムに関わり、特に収受情報を格納するIC
カードと車載器の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本では、有料道路の料金所に設
置した路側装置と、車両に搭載した車載器との間で路車
間通信を行い、料金収受に関する情報(以下、収受情報
と呼ぶ)を交換することで電子的に料金を収受する自動
料金収受システム(以下、ETCと呼ぶ)が実施されて
いる。ETCの料金収受の方法にはクレジットカード方
式とプリペイド方式があり、それぞれ次のような収受情
報を路側装置と車載器の間で交換することで料金を収受
する。クレジットカード方式では、利用者を特定できる
個人情報を車載器に保持し、料金収受時にこの個人情報
を路側装置に伝え、路側装置では個人情報で特定したア
カウントに利用料金を記録し、後日、利用者から料金を
徴収する。また、路側装置からはETCを利用した記録
(以下、利用記録と呼ぶ)を車載器に伝え、車載器では
その利用記録を保存し、後日請求される料金と照らし合
わせることができる。
【0003】プリペイド方式では、現金に相当する残金
情報を、利用者が料金を前払いすることと引き換えに車
載器に書き込み、保持する。料金収受時には車載器が保
持している残金情報を路側装置に伝え、路側装置では残
金情報から利用料金を差し引いた金額情報を車載器に返
す。車載器では、路側装置から返された金額情報を新た
な残金情報として保持する。以後、残金情報の内容が0
になるまで、利用者はETCを利用できる。
【0004】ETCでは、上記の個人情報、利用記録、
残金情報、金額情報を含んだ収受情報を路側装置と車載
器の間で交換し、料金を収受する。これらの収受情報は
不正利用者による改ざんやコピーを防ぐ必要があるた
め、特開昭63−44293号公報や特開平1−113
893号公報では収受情報をICカードに記録し、料金
収受時にはこのICカードを車載器に挿入して使用する
ことを述べている。ICカードを使うことにより、IC
カード内部に記憶した収受情報の改ざんやコピーは困難
になる。
【0005】なお、路車間通信では、上記の収受情報の
他に車両の大きさなどの情報(以下、車両情報と呼ぶ)
を車載器から路側装置に伝え、路側装置で料金算定に利
用する場合がある。ただしこの車両情報は車両に固有の
情報であるため、車載器から取り外せるICカードには
記録せず、車両に固定した車載器に記憶する。
【0006】次に、この従来の技術での収受情報の流れ
を図20にしたがって説明する。図20は、従来の技術
によるETCの通信の手順を示す図である。500は路
側装置であり、501は車載器であり、502はICカ
ードである。510、511、516は車載器501と
ICカード502の間で行われる通信であり、512、
513、514、515は路側装置500と車載器50
1の間で行われる通信である。図20において、通信は
図の上方に位置するものから順に行われる。この従来例
において、クレジットカード方式の料金収受処理では、
次のような手順で収受情報を交換し、料金を収受する。
まず車載器501にICカード502を挿入すると、車
載器501は通信510によってICカード502に個
人情報の読み出しを要求し、ICカード502は通信5
11によって個人情報を車載器501に伝える。次に、
車載器501を搭載した車両が路側装置500を設置し
た料金所に差し掛かり、路側装置500と車載器501
の間で路車間通信が可能になると、路側装置500は路
車間通信512で車載器に収受処理の実行を要求し、車
載器501は路車間通信513で個人情報を路側装置5
00に伝え、路側装置500は個人情報で特定したアカ
ウントに利用料金を加算して記録し、また利用記録を生
成して路車間通信514で車載器501に伝え、車載器
501は利用記録を受信すると受信完了の通知を生成し
て路車間通信515で路側装置500に伝え、路車間通
信を終了する。路車間通信の終了後、車載器501は利
用記録と、利用記録の書きこみ要求をICカード502
に伝え、ICカード502は要求に従い利用記録をIC
カード502内部に保存する。
【0007】また、この従来例において、プリペイド方
式の料金収受では、次のような手順で収受情報を交換
し、料金を収受する。まず車載器501にICカード5
02を挿入すると、車載器501は通信510によって
ICカード502に残金情報の読み出しを要求し、IC
カード502は通信511によって残金情報を車載器5
01に伝える。次に、車載器501を搭載した車両が路
側装置500を設置した料金所に差し掛かり、路側装置
500と車載器501の間で路車間通信が可能になる
と、路側装置500は路車間通信512で車載器に収受
処理の実行を要求し、車載器501は路車間通信513
で残金情報を路側装置500に伝え、路側装置500は
残金情報から利用料金を減算して返信の金額情報を生成
し、路車間通信514でこの金額情報を車載器501に
伝え、車載器501は金額情報を受信すると受信完了の
通知を生成して路車間通信515で路側装置500に伝
え、路車間通信を終了する。路車間通信の終了後、車載
器501は通信516により、金額情報と、残金情報を
上書きする要求をICカード502に伝え、ICカード
502は要求に従いICカード502内部に保持してい
た残金情報を金額情報で上書きして新たな残金情報とす
る。
【0008】以上の通信の手順により、路側装置500
と車載器501とICカード502は収受情報を交換
し、料金の収受処理を完了する。なお、上記では収受情
報の交換に関わる通信のみを説明しているが、実際のE
TCでは上記で説明した以外にも車載器と路側装置の接
続処理や認証処理などの通信を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のICカードに記
録する収受情報は現金またはクレジットカードに相当す
る情報を含んでおり、ICカードを盗まれることは現金
またはクレジットカードの盗難と同等の被害を受けるこ
とになる。そこで車載器の利用者は、ICカードを車載
器に挿入したまま車両から離れないように注意する必要
がある。一方、車載器が料金収受処理をするにはICカ
ードに記録した収受情報が必要であるため、ICカード
を車載器に挿さないまま料金所を通過すると、料金収受
処理が行われない。よって車載器の利用者は、料金所を
通過する前に車載器にICカードを挿すように注意する
必要がある。本発明が解決しようとする課題は、車載器
の使用時と使用終了時にICカードを抜き挿しする操作
を無くし、これにより車載器の利用者がICカードの抜
き忘れや挿し忘れをしない車載器を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明では車載器を、車両に固定する設置部
と、ICカードを挿入して利用者が携帯する携帯部の2
つに分離し、設置部と携帯部の間に近距離通信手段を設
ける。この近距離通信手段は同一車内程度の近距離で通
信が可能であり、利用者が携帯部を携帯して車両に搭乗
すると、設置部は近距離通信手段を通じて、携帯部に挿
入したICカードの内容を読み書きすることができる。
これにより、利用者が車両に搭乗している間、車載器は
料金収受処理を実行可能になる。
【0011】また、車載器の利用者が携帯部を携帯した
まま車両から離れると、車載器はICカードを読み書き
できなくなり、車載器は使用できなくなる。この際、従
来のように車載器からICカードを抜く操作は必要ない
ため、ICカードを車内に置き忘れることを防げる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例の形態を
図1、図2、図3、図4、図5、図6に従って説明す
る。図1は、本発明による車載器の一実施例の構成を示
すブロック図である。1は車両に固定して使用する車載
器の設置部であり、料金所に設置した路側装置(図示せ
ず)との間で路車間通信をする路車間通信手段11と、
路車間通信により料金収受の処理を行う料金収受処理手
段12と、車載器の携帯部と通信する近距離通信手段1
3とからなる。料金収受処理手段12はさらに、料金収
受処理を制御する料金収受処理制御手段122と、路車
間通信の内容を暗号化および復号化する路車間通信暗復
号化手段121とからなる。2は利用者が携帯する車載
器の携帯部であり、設置部1と通信する近距離通信手段
21と、ICカードを挿入してそのICカードの内容を
読み書きして近距離通信手段に伝えるICカードリーダ
ー22とからなる。
【0013】上記の近距離通信は、たとえば社団法人電
波産業会が策定した「第二世代省電力データ通信システ
ム/ワイヤレスLANシステム」(ARIB STD−
T66)や、赤外線通信などで実現できる。23はこの
ICカードリーダー22に挿入するICカードであり、
料金収受処理に使用する収受情報を記憶する収受情報記
憶手段234と、設置部1からの要求に従い収受情報記
憶手段234の収受情報の読み書きを制御するICカー
ド制御手段232とからなる。
【0014】次に本発明による車載器の路車間通信の動
作を、図2に従って説明する。図2は設置部1の路車間
通信の動作を示すフローチャートである。図2のフロー
チャートの処理は、路側装置が料金収受処理の要求と路
側装置の持つ収受情報を暗号化して送信することを契機
に、開始処理S201から始め、処理S202、処理S
203、処理S204、処理S205、処理S206の
順に実行し、終了処理S207で終了する。以下の各処
理の説明において、料金収受処理の要求をreqで表し、
路側装置の収受情報をdataRで表し、それらを暗号化し
た結果をe(req,dataR)と表す。また、ICカード23に
保持している収受情報をdataOで表す。
【0015】図2のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S202において、路車間通信手段11に
よって路側装置からの通信e(req,dataR)を受信する。次
に処理S203において、路者間通信暗復号化手段12
1によって受信内容e(req,dataR)を復号化し、料金収受
処理の要求reqと路側装置の収受情報dataRを得る。次に
処理S204において、料金収受処理制御手段122に
よって、料金収受処理の要求reqと路側装置の収受情報d
ataRとICカード23から読み出した車載器の収受情報
dataOとに所定の料金収受処理fを加え、路側への返信re
tを生成する。次に処理S205において、生成した返
信retを路者間通信暗復号化手段121によって暗号化
し、暗号化された返信e(ret)を得る。次に処理S206
において、暗号化された返信e(ret)を、路車間通信手段
11によって路側装置に送信する。以上の動作で、車載
器の設置部1は路側装置との間で収受情報を交換する。
【0016】次にICカード23への書き込み処理、お
よびICカード23からの読み出し処理の動作を、図
3、図4および図5に従って説明する。図3は、設置部
1が携帯部2を介してICカード23から収受情報の読
み出しを指示する動作を示したフローチャートである。
図3のフローチャートの処理は、設置部1と携帯部2の
間で近距離通信が可能になった時点から、路車間通信が
始まる時点までの間の任意の時点に開始することができ
る。処理は、開始処理S301から始め、処理S30
2、処理S303、処理S304、処理S305の順に
実行した後、終了処理S306で終了する。以下の各処
理の説明において、ICカード23への読み出し要求を
reqRで表し、ICカードから読み出す収受情報をdataCR
で表す。
【0017】図3のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S302において、収受処理制御手段12
2によって読み出し要求reqRを生成する。次に処理S3
03において、近距離通信手段13によりreqRを携帯部
2に送信する。次に処理S304において、収受処理制
御手段122は携帯部2からの返信dataCRの有無を判断
し、返信dataCRがない場合は再びこの処理を繰り返す。
携帯部2から返信dataCRがあれば、処理S305におい
て近距離通信手段13によってdataCRを受信し、収受処
理制御手段122に渡す。以上の動作で、設置部1はI
Cカード23から収受情報を読み出す。
【0018】図4は、設置部1が携帯部2を介してIC
カード23へ収受情報の書き込みを指示する動作を示し
たフローチャートである。図4のフローチャートの処理
は、路車間通信によりICカード23に書き込むべき収
受情報が発生した時点から、近距離通信が可能な間の任
意の時点に開始することができる。処理は、開始処理S
401から始め、処理S402、処理S403の順に実
行した後、終了処理S404で終了する。以下の各処理
の説明において、ICカード23への書き込み要求をre
qWで表し、ICカード23に書き込む収受情報をdataCW
で表す。
【0019】図4のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S402において収受処理制御手段122
によって書き込み要求reqWと収受情報dataCWを生成す
る。次に処理S404において、近距離通信手段13に
より書き込み要求reqWと収受情報dataCWを携帯部2に送
信する。以上の動作で、設置部1はICカード23に収
受情報を書き込む。
【0020】図5は、携帯部2とICカード23が収受
情報を収受情報記憶手段234に書き込む処理、および
読み出す処理の動作を示したフローチャートである。図
5のフローチャートの処理は、設置部1から読み出し要
求、または書き込み要求を受けた時点で開始される。処
理は、開始処理S501から始め、処理S502、処理
S503の順に実行し、処理S503の結果によって、
処理S504、または処理S505、処理S506に分
岐し、それぞれ実行後に終了処理S507で終了する。
以下の各処理の説明において、設置部1から送られた通
信をXで表す。また、ICカード23から読み出す収受
情報をdataCRで表し、ICカード23に書き込む収受情
報をdataCWで表す。
【0021】図4のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理502において近距離通信手段21によっ
て設置部1から送られた通信Xを受信し、受信内容のXを
ICカードリーダー22を経由してICカード23に渡
す。次に処理S503において、Xの内容がICカード
23への書き込み要求と収受情報dataCWならば処理S5
04に分岐する。また、Xの内容がICカードからの読
み出し要求ならば処理S505に分岐する。処理S50
4に分岐したならば、ICカード制御手段232は収受
情報dataCWを収受情報記憶手段234に書き込み、次に
終了処理S507に移る。処理S505に分岐したなら
ば、ICカード制御手段232は収受情報記憶手段23
4から収受情報dataCRを読み出し、ICカードリーダー
22を経由して近距離通信手段21に渡す。次に処理S
506において、近距離通手段21によりdataCRを設置
部1に送信する。以上の動作で、携帯部1はICカード
23に収受情報を書き込み、またはICカード23から
収受情報を読み出す。
【0022】次に、収受処理全体の通信の手順を図6に
したがって説明する。図6は、本実施例の収受処理の通
信の手順を示す図である。500は路側装置であり、1
は車載器の設置部であり、2は車載器の携帯部であり、
23は携帯部2に挿入されたICカードである。51
0、511、516は携帯部2とICカード23の間で
行われる通信であり、512、513、514、515
は路側装置500と設置部1の間で行われる路車間通信
であり、520、521、526は設置部1と携帯部2
の間で行われる近距離通信である。図6において、通信
は図の上方に位置するものから順に行われる。
【0023】次にクレジットカード方式の料金収受処理
の場合の、各通信の内容と手順を説明する。まず近距離
通信により設置部1と携帯部2の間で通信が可能になる
と、設置部1は近距離通信520によって個人情報の読
み出し要求を携帯部2に伝え、携帯部2は通信510に
よって個人情報の読み出し要求をICカード23に伝
え、ICカード23は通信511によって個人情報を携
帯部2に返し、携帯部2は近距離通信521によって個
人情報を設置部1に伝える。
【0024】次に、設置部1を搭載した車両が路側装置
500を設置した料金所に差し掛かり、路側装置500
と設置部1の間で路車間通信が可能になると、路側装置
500は路車間通信512によって収受処理の実行要求
を設置部1に伝え、設置部1は路車間通信513で個人
情報を路側装置500に伝え、路側装置500は個人情
報で特定したアカウントに利用料金を記録し、また利用
記録を生成して路車間通信514によって設置部1に伝
え、設置部1は利用記録を受信すると受信完了通知を生
成して路車間通信515によって路側装置500に伝
え、設置部1と路側装置500は路車間通信を終了す
る。路車間通信の終了後、設置部1は利用記録と、利用
記録の書きこみ要求を近距離通信56によって携帯部2
に伝え、携帯部2は通信516によって利用記録と、利
用記録の書きこみ要求をICカード23に伝え、ICカ
ード23は要求に従い利用記録をICカード23内部に
保存する。
【0025】次に、プリペイド方式の料金収受処理の場
合の、各通信の内容と手順を説明する。まず近距離通信
により設置部1と携帯部2の間で通信が可能になると、
設置部1は近距離通信520によって残金情報の読み出
し要求を携帯部2に伝え、その際、携帯部2にICカー
ド23が挿入されていれば、携帯部2は通信510によ
ってICカード23に読み出し要求を伝え、ICカード
23は通信511によって残金情報を携帯部2に伝え、
携帯部2は近距離通信521によって残金情報を設置部
1に伝える。
【0026】次に、設置部1を搭載した車両が路側装置
500を設置した料金所に差し掛かり、路側装置500
と設置部1の間で路車間通信が可能になると、路側装置
500は路車間通信512によって収受処理の実行要求
を設置部1に伝え、設置部1は路車間通信513で残金
情報を路側装置500に伝え、路側装置500は残金情
報から利用料金を差し引いた金額情報を計算し、路車間
通信514によって金額情報を設置部1に伝え、設置部
1は金額情報を受信すると受信完了の通知を生成して路
車間通信515によって路側装置500に伝え、設置部
1と路側装置500は路車間通信を終了する。路車間通
信の終了後、設置部1は近距離通信526により、金額
情報と、残金情報を上書きする要求を携帯部2に伝え、
携帯部2は通信516によって金額情報と、残金情報を
上書きする要求をICカード23に伝え、ICカード2
3は要求に従いICカード23内部に保持していた残金
情報を金額情報で上書きして新たな残金情報とする。以
上の通信の手順により、路側装置500と設置部1と携
帯部2とICカード23の間で収受情報を交換し、料金
収受処理を完了する。
【0027】次に、本発明の別の実施例の形態を図7、
図8、図9、図10に従って説明する。図7は、本発明
による車載器の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。1は車両に固定して使用する車載器の設置部であ
り、料金所に設置した路側装置(図示せず)との間で路
車間通信をする路車間通信手段11と、路車間通信によ
り料金収受の処理を行う料金収受処理手段12と、車載
器の携帯部と通信する近距離通信手段13とからなる。
料金収受処理手段12はさらに、料金収受処理を制御す
る料金収受処理制御手段122と、路車間通信の内容を
暗号化および復号化する路車間通信暗復号化手段121
と、近距離通信の内容を暗号化および復号化する近距離
通信暗復号化手段123と、認証情報を記憶する認証情
報記憶手段124とからなる。
【0028】2は利用者が携帯する車載器の携帯部であ
り、設置部1と通信する近距離通信手段21と、ICカ
ードを挿入してそのICカードの内容を読み書きして近
距離通信手段に伝えるICカードリーダー22とからな
る。23はこのICカードリーダー22に挿入するIC
カードであり、料金収受処理に使用する収受情報を記憶
する収受情報記憶手段234と、認証情報を記憶する認
証情報記憶手段235と、設置部1からの要求に従い収
受情報記憶手段234の収受情報の読み書きを制御する
ICカード制御手段232と、近距離通信の内容を暗号
化および復号化する近距離通信暗復号化手段231とか
らなる。
【0029】本実施例の構成要素である、路車間通信手
段11と近距離通信手段13と料金収受処理制御手段1
22と路車間通信暗復号化手段121と近距離通信手段
21とICカードリーダー22と収受情報記憶手段23
4とICカード制御手段232は、第1の実施例と同じ
機能を持ち、第1の実施例と同様に動作することで料金
収受処理を実行できる。本実施例で新たに加えた設置部
1の近距離通信暗復号化手段123は、収受処理制御手
段122から渡された情報を暗号化して近距離通信手段
13に渡し、また近距離通信手段13から渡された情報
を復号化して収受処理制御手段122に渡す。
【0030】また本実施例で新たに加えた携帯部2の近
距離通信暗復号化手段231は、ICカード制御手段2
32から渡された情報を暗号化して近距離通信手段21
に渡し、また近距離通信手段21から渡された情報を復
号化してICカード制御手段232に渡す。これによ
り、設置部1の収受処理制御手段122と、ICカード
23のICカード制御手段232との間の通信の内容は
暗号化され、近距離通信の内容が他者に盗聴されたり改
ざんされることを防ぐことができる。
【0031】なお、設置部1の近距離通信暗復号化手段
123と携帯部2の近距離通信暗復号化手段231は、
常に同じ暗号鍵を使うことでも料金収受処理を実行でき
るが、近距離通信を始めるたびに暗号鍵を更新する事
で、他者による盗聴や改ざんをさらに厳重に防ぐことが
できる。暗号鍵の更新は、設置部1と携帯部2との間で
認証を行い、認証が成立した後に両者の間で暗号鍵を受
け渡すことで実現できる。次に、この認証と暗号鍵の受
け渡しの動作と通信の手順の例を図8、図9、図10に
従って説明する。
【0032】図8は携帯部2が設置部1を認証する認証
処理と、暗号鍵を受け渡す処理の動作を示すフローチャ
ートであり、設置部1と携帯部2の間で近距離通信が可
能になった時点から、設置部1がICカード23への読
み書き要求を出すまでの間の任意の時点に開始する。処
理は、開始処理S801から始め、処理S802、処理
S803、処理S804、処理S805、処理S806
の順に実行し、処理S807で認証の成立を判断する。
認証が成立した場合には処理S808、処理S809、
処理S810、処理S811、処理S812の順に実行
して、設置部1に対して新規の暗号鍵(以後、セッショ
ン鍵と呼ぶ)を渡し、終了処理S813で終了する。な
お、処理S807で認証が成立しない場合は、処理S8
08以降は実行しない。
【0033】以下の各処理の説明において、認証要求を
reqAで表し、ICカード制御手段232が生成する乱数
をchalで表し、認証情報記憶手段234に記憶された認
証情報をautで表し、乱数chalと認証情報autとから所定
の演算gの結果求められる値をg(chal,aut)で表し、認証
成立後に近距離通信暗復号化手段231に設定するセッ
ション鍵をkeyで表し、セッション鍵を暗号化した結果
をe(key)で表し、設置部1からの返信をrespで表す。
【0034】図8のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S802においてICカード制御手段23
2は認証要求reqAと乱数chalを生成し、ICカードリー
ダー22を経由して近距離通信手段21に渡す。なお、
認証が成立する前は、近距離通信暗復号化手段231に
は暗号鍵が設定されておらず、通信文の暗号化は行わな
い。
【0035】次に処理S803において、近距離通信手
段21によって認証要求reqAと乱数chalを設置部1に送
信する。次に処理S804において、ICカード制御手
段232は乱数chalと、認証情報記憶手段235に記憶
された認証情報autとから、所定の演算gを行い、g(cha
l,aut)を得る。次に処理S805において、ICカード
制御手段232は設置部1からの返信respの有無を確認
し、返信respがあれば処理S806に移る。返信respが
ない場合は処理S805を繰り返す。返信respがあれば
処理806において、近距離通信手段21によって返信
respを受信する。
【0036】次に処理S807において、ICカード制
御手段232は返信respとg(chal,aut)を比較し、一致
した場合には処理S808に移る。返信respとg(chal,a
ut)が一致しなかった場合には、近距離通信を中断し、
一定時間経過後に処理S802に移る。返信respとg(ch
al,aut)が一致したならば、処理S808においてIC
カード制御手段232は乱数によってセッション鍵key
を生成する。
【0037】次に処理S809において、ICカード制
御手段232は近距離通信暗復号化手段231に認証情
報autを暗号鍵として設定する。次に処理S810にお
いて、近距離通信暗復号化手段231によってセッショ
ン鍵keyを暗号化し、e(key)を得る。次に処理S811
において、近距離通信手段21によってe(key)を設置部
1に送信する。次に処理S812において、近距離通信
暗復号化手段231にセッション鍵keyを暗号鍵として
設定する。以上の動作で、携帯部2は認証処理と暗号鍵
の受け渡し処理を実行する。
【0038】図9は設置部1が携帯部2の認証要求に応
える処理と暗号鍵を受け取る処理の動作を示すフローチ
ャートであり、携帯部2が認証要求reqAを送信したこと
を契機に開始する。処理は、開始処理S901から始
め、処理S902、処理S903、処理S904、処理
S905、処理S906、処理S907、処理S90
8、処理S909の順に実行した後、終了処理S910
で終了する。
【0039】以下の各処理の説明において、認証開始要
求をreqAで表し、携帯部2から送られる乱数をchalで表
し、認証情報記憶手段に記憶された認証情報をautで表
し、乱数chalと認証情報autとから所定の演算gの結果求
められる値をg(chal,aut)で表し、携帯部2から送られ
る暗号化されたセッション鍵をe(key)で表し、e(key)を
復号化して得られるセッション鍵をkeyで表す。
【0040】図9のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S902において近距離通信手段13によ
って認証要求reqAと乱数chalを受信し、料金収受処理手
段12に渡す。なお、認証が成立する前は、近距離通信
暗復号化手段123には暗号鍵が設定されておらず、通
信内容の復号化は行わない。次に処理S903におい
て、収受処理制御手段122は受信した乱数chalと、認
証情報記憶手段124に記憶された認証情報autとから
所定の演算gを行い、g(chal,aut)を得る。
【0041】次に処理S904において、近距離通信手
段13によってg(chal,aut)を携帯部2に送信する。次
に処理S905において、近距離通信暗復号化手段12
3に認証情報autを暗号鍵として設定する。次に処理S
906において、携帯部2から暗号化されたセッション
鍵e(key)が送られたことを確認し、e(key)が送られてい
れば処理907に移る。送られていなければ処理907
を繰り返す。
【0042】携帯部2から暗号化されたセッション鍵e
(key)が送られたならば、処理S907において、近距
離通信手段13によってセッション鍵e(key)を受信し、
料金収受処理手段12に渡す。次に処理S908におい
て、受信したe(key)を近距離通信暗復号化手段123に
よって復号化し、セッション鍵keyを得る。次に処理S
909において、セッション鍵keyを近距離通信暗復号
化手段123に暗号鍵として設定する。以上の動作で、
設置部1は、携帯部2からの認証要求へ応答する処理と
暗号鍵の受け取りの処理を実行する。
【0043】図10は、本実施例における認証とセッシ
ョン鍵の受け渡しの手順を示す図である。1は車載器の
設置部であり、2は車載器の携帯部であり、23は携帯
部2に挿入したICカードである。1000、100
3、1004は携帯部2とICカード23の間で行われ
る通信であり、1001、1002、1005は携帯部
2と設置部1の間で行われる近距離通信である。図10
において、通信は図の上方に位置するものから順に行わ
れる。
【0044】本実施例の認証処理における、各通信の内
容と手順を次に説明する。以下の各通信の手順の説明に
おいて、認証要求をreqAで表し、ICカード制御手段2
32が生成する乱数をchalで表し、暗号化したセッショ
ン鍵をe(key)で表し、設置部1からの返信をrespで表
す。
【0045】まず携帯部2にICカード23が挿入され
ると、ICカード23は通信1000によって認証要求
reqAと乱数chalを携帯部2に伝え、その際、設置部1と
携帯部2の間で近距離通信が可能ならば、携帯部2は通
信1001によって認証要求reqAと乱数chalを設置部1
に伝え、設置部1は通信1002によって認証要求reqA
に対する返信respを携帯部2に返し、携帯部2は通信1
003によって返信respをICカード23に伝える。返
信respの内容によって、ICカード23が認証が成立し
たと判断したならば、ICカード23は通信1004に
よって暗号化したセッション鍵e(key)を携帯部2に伝
え、携帯部2は通信1005によってe(key)を設置部1
に伝える。以上の手順で、ICカードは設置部1を認証
し、暗号鍵を設置部1に受け渡す。
【0046】上記において、設置部1の認証情報記憶手
段124と携帯部2の認証情報記憶手段235には、あ
らかじめ同一の認証情報を記憶しておき、また他者にこ
の認証情報を知られないように管理する。これにより、
図8の処理S807において返信respとg(chal,aut)は
一致し、認証が成立する。認証が成立したならば携帯部
2は図8の処理S808以降の動作でセッション鍵を設
置部1に渡し、以後、設置部1と携帯部2の間の通信は
セッション鍵によって暗号化される。また、不正利用者
が設置部1になりすまして携帯部2のICカード23を
読み書きしようとしても、前記認証情報を持たないた
め、認証が成立しない。そのため、セッション鍵を受け
取ることが出来ず、不正利用者は携帯部2との間で通信
することが出来ない。
【0047】上記の認証処理は携帯部2が設置部1を片
方向認証する例であり、これに加えて設置部が携帯部を
認証する双方向認証をしても良いことは言うまでもな
い。また、近距離通信暗復号化手段231はICカード
23上ではなく、携帯部2上にあっても良い。
【0048】次に、本発明のさらに別の実施例の形態を
図11、図12、図13、図14、図15、図16、図
17、図18、図19に従って説明する。図11は、本
発明による車載器の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。1は車両に固定して使用する車載器の設置部であ
り、料金所に設置した路側装置(図示せず)との間で路
車間通信をする路車間通信手段11と、路車間通信の内
容を近距離通信によって車載器の携帯部に伝える近距離
通信手段13と、携帯部との間で行う認証処理を制御す
る認証処理制御手段14と、認証情報を記憶する認証情
報記憶手段15とからなる。
【0049】2は利用者が携帯する車載器の携帯部であ
り、設置部1と通信する近距離通信手段21と、料金収
受の処理を行う料金収受処理手段12と、ICカードを
挿入してそのICカードの内容を読み書きして料金収受
処理手段12に伝えるICカードリーダー22とからな
る。料金収受処理手段12はさらに、料金収受処理を制
御する料金収受処理制御手段122と、路車間通信の内
容を暗号化および復号化する路車間通信暗復号化手段1
21と、認証情報を記憶する認証情報記憶手段124
と、車両情報を記憶する車両情報記憶手段125とから
なる。23はICカードリーダー22に挿入するICカ
ードであり、料金収受処理に使用する収受情報を記憶す
る収受情報記憶手段234と、料金収受処理手段12の
要求に従い収受情報記憶手段234の収受情報の読み書
きを制御するICカード制御手段232とからなる。
【0050】次に本発明による車載器の路車間通信の動
作を、図12に従って説明する。図12は設置部1と携
帯部2の路車間通信の動作を示すフローチャートであ
る。図12のフローチャートの処理は、路側装置が料金
収受処理の要求と路側装置の持つ収受情報を暗号化して
送信することを契機に、開始処理S1201から始め、
処理S1202、処理S1203、処理S1204、処
理S1205、処理S1206、処理S1207、処理
S1208、処理S1209、処理S1210の順に実
行し、終了処理S1211で終了する。以下の各処理の
説明において、料金収受処理の要求をreqで表し、路側
装置の収受情報をdataRで表し、暗号化された料金収受
処理の要求reqと収受情報dataRをe(req,dataR)で表す。
また、ICカード23に記憶している収受情報をdataO
で表し、車両情報記憶手段125に記憶している車両情
報をdataVで表す。
【0051】図12のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S1202において、路車間通信手段11
によって路側装置からの通信e(req,dataR)を受信する。
次に処理S1203において、近距離通信手段13によ
って通信e(req,dataR)を携帯部2に送信する。次に処理
S1204において、携帯部2の近距離通信手段21に
よって通信e(req,dataR)を受信し、路車間通信暗復号化
手段に渡す。次に処理S1205において、路者間通信
暗復号化手段121によって通信e(req,dataR)を復号化
し、料金収受処理の要求reqと路側装置の収受情報dataR
を得る。
【0052】次に処理S1206において、料金収受処
理制御手段122によって、料金収受処理の要求reqと
路側装置の収受情報dataRとICカード23から読み出
した車載器の収受情報dataOと車両情報記憶手段125
に記憶している車両情報dataVとに、所定の料金収受処
理hを加え、路側への返信retを生成する。次に処理S1
207において、生成した返信retを路者間通信暗復号
化手段121によって暗号化し、暗号化された返信e(re
t)を得る。次に処理S1208において、暗号化された
返信e(ret)を近距離通信手段21によって設置部1に送
信する。
【0053】次に処理S1209において、設置部1の
近距離通信手段13によって返信e(ret)を受信し、路車
間通信手段11に渡す。次に処理S1210において、
路車間通信手段11によって返信e(ret)を路側装置に送
信する。以上の動作で、車載器の設置部1と携帯部2は
路側装置との間で収受情報を交換する。
【0054】次にICカード23への書き込み処理、お
よびICカード23からの読み出し処理の動作を、図1
3、図14および図15に従って説明する。図13は、
料金収受処理手段12がICカード23から収受情報を
読み出す処理の動作を示したフローチャートである。図
13のフローチャートの処理は、ICカード23がIC
カードリーダー22に挿入された時点から、路車間通信
が始まる時点までの間の任意の時点に開始することがで
きる。処理は、開始処理S1301から始め、処理S1
302、処理S1303、処理S1304、処理S13
05の順に実行した後、終了処理S1306で終了す
る。以下の各処理の説明において、ICカード23への
読み出し要求をreqRで表し、ICカードから読み出す収
受情報をdataCRで表す。
【0055】図13のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S1302において、収受処理制御手段1
22によって読み出し要求reqRを生成する。次に処理S
1303において、収受処理制御手段122はICカー
ドリーダー22を通じてICカード23に渡す。次に処
理S1304において、収受処理制御手段122はIC
カード23からの返信dataCRの有無を判断し、返信data
CRがない場合は再びこの処理を繰り返す。ICカード2
3から返信dataCRがあれば、処理S1305において収
受処理制御手段122はICカードリーダー22を通じ
て返信dataCRを受け取る。以上の動作で、設置部1はI
Cカード23から収受情報を読み出す。
【0056】図14は、料金収受処理手段12がICカ
ード23へ収受情報を書き込む処理の動作を示したフロ
ーチャートである。図14のフローチャートの処理は、
料金収受の処理によりICカード23に書き込むべき収
受情報が発生した時点から、ICカード23をICカー
ドリーダー22から抜くまでの間の任意の時点に開始す
ることができる。処理は、開始処理S1401から始
め、処理S1402、処理S1403の順に実行した
後、終了処理S1404で終了する。以下の各処理の説
明において、ICカード23への書き込み要求をreqW、
ICカード23に書き込む収受情報をdataCWで表す。
【0057】図14のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S1402において収受処理制御手段12
2によって書き込み要求reqWと収受情報dataCWを生成す
る。次に処理S1403において、収受処理制御手段1
22はICカードリーダー22を通じて書き込み要求re
qWと収受情報dataCWをICカード23に渡す。以上の動
作で、収受処理制御手段122はICカード23に収受
情報を書き込む。
【0058】図15は、ICカード23が収受情報を収
受情報記憶手段234に書き込む処理、および読み出す
処理の動作を示したフローチャートである。図15のフ
ローチャートの処理は、料金収受処理手段12から読み
出し要求、または書き込み要求を受けた時点で開始され
る。処理は、開始処理S1501から始め、処理S15
02、処理S1503の順に実行し、処理S1503の
結果によって、処理S1504、または処理S150
5、処理S1506に分岐し、それぞれ実行後に終了処
理S1507で終了する。以下の各処理の説明におい
て、設置部1から送られた通信をXで表す。また、収受
情報記憶手段234から読み出す収受情報をdataCRで表
し、収受情報記憶手段234に書き込む収受情報をdata
CWで表す。
【0059】図15のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理1302においてICカードリーダー22
を通じて料金収受処理手段12から送られた通信Xを受
け取る。次に処理S1503において、Xの内容がIC
カード23への書き込み要求と収受情報dataCWならば処
理S1504に分岐する。また、Xの内容がICカード
からの読み出し要求ならば処理S1505に分岐する。
処理S1504に分岐したならば、ICカード制御手段
232は収受情報dataCWを収受情報記憶手段234に書
き込み、次に終了処理S1507に移る。処理S150
5に分岐したならば、ICカード制御手段232は収受
情報記憶手段234から収受情報dataCRを読み出す。次
に処理S1506において、ICカードリーダー22を
通じてdataCRを収受処理制御手段122に渡す。以上の
動作で、ICカード23は収受情報記憶手段234に収
受情報を書き込み、または収受情報記憶手段234から
収受情報を読み出す。
【0060】次に、収受処理全体の通信の手順を図16
にしたがって説明する。図16は、本実施例の収受処理
の通信の手順を示す図である。500は路側装置であ
り、1は車載器の設置部であり、2は車載器の携帯部で
あり、23は携帯部2に挿入されたICカードである。
510、511、516は携帯部2とICカード23の
間で行われる通信であり、512、513、514、5
15は路側装置500と設置部1の間で行われる通信で
あり、532、533、534、535は設置部1と携
帯部2の間で行われる近距離通信である。図16におい
て、通信は図の上方に位置するものから順に行われる。
【0061】次にクレジットカード方式の料金収受処理
の場合の、各通信の内容と手順を説明する。まずICカ
ード23を携帯部2に挿入すると、携帯部2は通信51
0によって個人情報の読み出し要求をICカード23に
伝え、ICカード23は通信511によって個人情報を
携帯部2に返し、携帯部2の料金収受処理手段12は個
人情報を受け取る。
【0062】次に設置部1を搭載した車両が路側装置5
00を設置した料金所に差し掛かり、路側装置500と
設置部1の間で路車間通信が可能になると、路側装置5
00は通信512によって収受処理の実行要求を設置部
1に伝え、その際に設置部1と携帯部2の間で近距離通
信が可能ならば、設置部1は通信532で収受処理の実
行要求を携帯部2に伝え、携帯部2は通信533によっ
て個人情報と車両情報を設置部1に伝え、設置部1は通
信513によって個人情報と車両情報を路側装置500
に伝え、路側装置500は個人情報で特定したアカウン
トに、車両情報から算定した利用料金を記録し、また利
用記録を生成して通信514によって設置部1に伝え、
設置部1は通信534によって利用記録を携帯部2に伝
え、携帯部2は利用記録を受信すると受信完了の通知を
生成して通信535によって設置部1に伝え、設置部1
は通信515によって受信完了の通知を路側装置500
に伝え、設置部1と路側装置500は路車間通信を終了
する。路車間通信の終了後、携帯部2は利用記録と、利
用記録の書きこみ要求を通信516によってICカード
23に伝え、ICカード23は要求に従い利用記録をI
Cカード23内部に保存する。
【0063】次に、プリペイド方式の料金収受処理の場
合の、各通信の内容と手順を説明する。まずICカード
23を携帯部2に挿入すると、携帯部2は通信510に
よって残金情報の読み出し要求をICカード23に伝
え、ICカード23は通信511によって残金情報を携
帯部2に伝える。次に設置部1を搭載した車両が路側装
置500を設置した料金所に差し掛かり、路側装置50
0と設置部1の間で路車間通信が可能になると、路側装
置500は通信512によって収受処理の実行要求を設
置部1に伝え、その際に設置部1と携帯部2の間で近距
離通信が可能ならば、設置部1は通信532によって収
受処理の実行要求を携帯部2に伝え、携帯部2は通信5
33によって残金情報と車両情報を設置部1に伝え、設
置部1は通信513によって残金情報と車両情報を路側
装置500に伝え、路側装置500は車両情報から算定
した利用料金を残金情報から差し引いた金額情報を計算
し、金額情報を通信514によって設置部1に伝え、設
置部1は通信534によって金額情報を携帯部2に伝
え、携帯部2は金額情報を受信すると受信完了の通知を
生成して通信535によって設置部1に伝え、設置部1
は通信515によって受信完了の通知を路側装置500
に伝え、設置部1と路側装置500は路車間通信を終了
する。
【0064】路車間通信の終了後、携帯部2は通信51
6により、金額情報と、残金情報を金額情報で上書きす
る要求をICカード23に伝え、ICカード23は要求
に従いICカード23内部に保持していた残金情報を金
額情報で上書きして新たな残金情報とする。以上の通信
の手順により、路側装置500と設置部1と携帯部2と
ICカード23の間で収受情報を交換し、料金収受処理
を完了する。
【0065】なお、本実施例では、車両の大きさなどの
情報を含んだ車両情報を携帯部2で保持しているため、
携帯部2が他の車両の設置部1とともに使用可能である
と、料金徴収の対象となる車両と、携帯部2で保持する
車両情報の内容とが一致しないことがありえる。この場
合、そのまま料金収受を行うと間違った利用料金を請求
することになり、不正使用に利用される可能性もある。
そのため、携帯部2が、他の車両に固定した設置部との
組み合わせでは動作しないようにすることが必要であ
り、本実施例では料金収受処理を始める前に次に説明す
る認証処理を行う。
【0066】次に、本実施例で携帯部2が設置部1を認
証するの動作と手順を図17、図18、図19にしたが
って説明する。図17は携帯部2が設置部1を認証する
認証処理の動作を示すフローチャートであり、設置部1
と携帯部2の間で近距離通信が可能になった時点から、
路車間通信を始めるまでの間の任意の時点に開始する。
処理は、開始処理S1701から始め、処理S170
2、処理S1703、処理S1704、処理S170
5、処理S1706の順に実行し、処理S1707で認
証の成立を判断する。認証が成立した場合には終了処理
S1708で終了し、以後、近距離通信を用いて料金収
受処理が実行できるようになる。認証が成立しない場合
は、一定時間経過するのを待ち、処理S1702に移
り、認証処理を続ける。
【0067】以下の各処理の説明において、認証要求を
reqA2で表し、ICカード制御手段232が生成する乱
数をchal2で表し、認証情報記憶手段124に記憶され
た認証情報をaut2で表し、乱数chal2と認証情報aut2と
から所定の演算kの結果求められる値をk(chal2,aut2)で
表し、設置部1からの返信をrespで表す。図17のフロ
ーチャートの処理を開始すると、まず処理S1702に
おいて収受処理制御手段122は認証要求reqA2と乱数c
hal2を生成し、近距離通信手段21に渡す。
【0068】次に処理S1703において、近距離通信
手段21によって認証要求reqA2と乱数chal2を設置部1
に送信する。次に処理S1704において、収受処理制
御手段122は乱数chal2と、認証情報記憶手段124
に記憶された認証情報aut2とから、所定の演算kを行
い、k(chal2,aut2)を得る。次に処理S1705におい
て、収受処理制御手段122は設置部1からの返信resp
の有無を確認し、返信respがあれば処理S1706に移
る。返信respがない場合は処理S1705を繰り返す。
返信respがあれば処理S1706において、近距離通信
手段21によって返信respを受信する。次に、処理S1
707において収受処理制御手段122は返信respとk
(chal2,aut2)を比較し、一致した場合には終了処理S1
708で処理を終了する。返信respとh(chal2,aut2)が
一致しなかった場合には、一定時間経過するのを待ち、
処理S1702に移る。以上の動作で、携帯部2は設置
部1を認証する。
【0069】図18は設置部1が携帯部2の認証要求に
応える処理の動作を示すフローチャートであり、携帯部
2が認証要求reqA2を送信したことを契機に開始する。
処理は、開始処理S1801から始め、処理S180
2、処理S1803、処理S1804の順に実行した
後、終了処理S1805で終了する。以下の各処理の説
明において、認証開始要求をreqA2、携帯部2から送ら
れる乱数をchal2、認証情報記憶手段に記憶された認証
情報をaut2、乱数chal2と認証情報aut2とから所定の演
算kの結果求められる値をk(chal2,aut2)で表す。
【0070】図18のフローチャートの処理を開始する
と、まず処理S1802において近距離通信手段13に
よって認証要求reqA2と乱数chal2を受信し、認証処理制
御手段14に渡す。次に処理S1803において、認証
処理制御手段14は受信した乱数chal2と、認証情報記
憶手段15に記憶された認証情報aut2とから所定の演算
kを行い、k(chal2,aut2)を得る。次に処理S1804に
おいて、近距離通信手段13によってk(chal2,aut2)を
携帯部2に送信する。以上の動作で、設置部1は、携帯
部2からの認証要求へ応答する処理を実行する。
【0071】図19は、本実施例の認証の手順を示す図
である。1は車載器の設置部であり、2は車載器の携帯
部であり、23は携帯部2に挿入されたICカードであ
る。1900、19001は設置部1と携帯部2の間で
行われる通信である。図19において、通信は図の上方
に位置するものから順に行われる。本実施例の認証処理
における、各通信の内容と手順を次に説明する。以下の
各通信の手順の説明において、認証要求をreqA2で表
し、ICカード制御手段232が生成する乱数をchal2
で表し、設置部1からの返信をrespで表す。
【0072】まず設置部1と携帯部2の間で近距離通信
が可能になると、携帯部2は設置部1に通信1900に
よって認証要求reqA2と乱数chal2を設置部1に伝え、設
置部1は通信1901によって認証要求reqAに対する返
信respを携帯部2に返し、携帯部2は返信respの内容に
よって認証が成立したと判断したならば認証処理を終了
し、以後、近距離通信を使った収受処理が可能になる。
携帯部2が認証は成立しないと判断したならば、一定時
間経過するのを待ち、再び認証の手順を最初から開始す
る。
【0073】上記において、設置部1の認証情報記憶手
段124と携帯部2の認証情報記憶手段235には、あ
らかじめ同一の認証情報を記憶しておき、また他者にこ
の認証情報を知られないように管理する。これにより、
図17の処理S1707において返信respとk(chal2,au
t2)は一致し、認証が成立し、以後近距離通信を用いて
収受処理を実行できるようになる。
【0074】もし、携帯部2を、対となる設置部1とと
もに使用せず、他の設置部とともに使用すると、携帯部
2の保持する認証情報と他の設置部の保持する認証情報
が違うため、図17の処理S1707において返信resp
とk(chal2,aut2)は一致せず、認証が成立しない。その
場合、設置部1と携帯部2は認証処理を繰り返し、収受
処理は実行できない。
【0075】上記の認証処理は携帯部2が設置部1を片
方向認証する例であり、これに加えて設置部が携帯部を
認証する双方向認証をしても良いことは言うまでもな
い。この実施例では、車両に固定する設置部1に車両情
報を保持していないため、設置部1が盗難にあった場合
でも車両情報が漏出して悪用される危険性が無い。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、利用者がICカードを
挿入した携帯部を携帯して車両に搭乗することで車載器
は使用可能になり、また、携帯部を携帯したまま車両か
ら離れることで車載器は使用不可になる。従来のように
車載器の使用開始、使用終了のたびにICカードを抜き
挿しする操作を必要とせず、そのため、利用者が車両か
ら離れる際にICカードを車内に置き忘れる恐れが無く
なる。
【0077】また、車載器にICカード挿入孔を設ける
と、車載器の防水、防塵性能を下げるおそれがあり、こ
れは特に二輪車で車載器を使用する上で問題となるが、
本発明によれば車両に固定する設置部にはICカードの
挿入孔を設ける必要がなく、防水、防塵上の問題は起き
ない。携帯部にはICカードを挿入するために挿入孔を
設けるが、二輪車の搭乗者が携帯するため、防水、防塵
のための特別の処置を必要としない。
【0078】また、従来は車両に固定する車載器内部に
車両情報が記憶されており、車載器が盗難に会うと車載
器内部の車両情報が他者に漏出して、車両の種別を偽っ
た料金収受を行うなどの不正使用に利用される恐れがあ
ったが、本発明によれば設置部には車両情報を保持しな
いため、設置部が盗難に会っても車両情報は他者に漏出
しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の構成を示すブロック
図である。
【図2】 本発明の第1の実施例の路車間通信処理の動
作を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施例の設置部がICカード
から収受情報を読み出す処理の動作を示すフローチャー
トである。
【図4】 本発明の第1の実施例の設置部がICカード
に収受情報を書き込む処理の動作を示すフローチャート
である。
【図5】 本発明の第1の実施例の携帯部がICカード
から収受情報を読み出し、および書き込む処理の動作を
示すフローチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施例の収受処理の通信の手
順を示す図である。
【図7】 本発明の第2の実施例の構成を示すブロック
図である。
【図8】 本発明の第2の実施例の携帯部が設置部を認
証する処理と、セッション鍵を受け渡す処理の動作を示
すフローチャートである。
【図9】 本発明の第2の実施例の設置部が携帯部から
の認証要求に応える処理とセッション鍵を受け取る処理
の動作を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の第2の実施例の認証処理の通信の
手順を示す図である。
【図11】 本発明の第3の実施例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図12】 本発明の第3の実施例の路車間通信処理の
動作を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第3の実施例の料金収受処理手段
がICカードから収受情報を読み出す処理の動作を示す
フローチャートである。
【図14】 本発明の第1の実施例の料金収受処理手段
がICカードに収受情報を書き込む処理の動作を示すフ
ローチャートである。
【図15】 本発明の第1の実施例のICカードが収受
情報を読み出し、および書き込む処理の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図16】 本発明の第3の実施例の収受処理の通信の
手順を示す図である。
【図17】 本発明の第3の実施例の携帯部が設置部を
認証する処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】 本発明の第3の実施例の設置部が携帯部か
らの認証要求に応える処理の動作を示すフローチャート
である。
【図19】 本発明の第3の実施例の認証処理の通信の
手順を示す図である。
【図20】 従来の収受処理の通信の手順を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 …設置部 11 …路車間通信手段 12 …料金収受処理手段 121 …路車間通信暗復号化手段 122 …料金収受処理制御手段 123 …近距離通信暗復号化手段 124 …認証情報記憶手段 125 …車両情報記憶手段 13 …近距離通信手段 14 …認証処理制御手段 15 …認証情報記憶手段 2 …携帯部 21 …近距離通信手段 22 …ICカードリーダー 23 …ICカード 231 …近距離通信暗復号化手段 232 …ICカード制御手段 234 …収受情報記憶手段 235 …認証情報記憶手段 500 …路側装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04L 9/32 H04L 9/00 675D (72)発明者 高橋 旬一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディア開発本 部内 Fターム(参考) 3E027 EA01 EB02 EC08 5B035 AA13 BB09 BC00 CA23 5B058 CA15 KA31 YA01 YA20 5H180 AA01 BB04 CC12 EE10 FF13 5J104 AA01 NA35 PA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】料金所に設置した路側装置と車両に搭載し
    た車載器の間で路車間通信を行い、前記車載器に装着さ
    れたICカードに格納された収受情報を用いて、料金収
    受処理を電子的に行う料金収受システムにおいて、前記
    車載器は、車両に固定された設置部と、搭乗者が携帯す
    る携帯部とからなり、前記携帯部は、ICカードを装着
    し情報を入出力するICカードリーダーライタと、IC
    カードリーダーライタを通して入出力した情報を同一車
    内程度の近距離で通信可能な近距離通信によって設置部
    に伝える携帯部側近距離通信手段とからなり、前記設置
    部は、路側装置と車載器との間で路車間通信をするため
    の路車間通信手段と、前記携帯部と通信をするための設
    置部側近距離通信手段とを備えることを特徴とする料金
    収受システムの車載器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の料金収受システムの車載器
    において、前記設置部は近距離通信の内容を暗号化およ
    び復号化する近距離通信暗復号化手段を備え、設置部と
    携帯部との間の通信を暗号化することを特徴とする料金
    収受システムの車載器。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のいずれかに記載の
    料金収受システムの車載器において、前記設置部が、認
    証情報を記憶するための認証情報記憶手段を備え、前記
    認証情報記憶手段にあらかじめ格納された認証情報に基
    づいて、設置部と携帯部の間で認証処理を行うことを特
    徴とする料金収受システムの車載器。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3いずれかに記載の料
    金収受システムの車載器において、前記携帯部は、路側
    装置が料金を算定する際に参照する車両情報を記憶する
    車両情報記憶手段を備えたことを特徴とする料金収受シ
    ステムの車載器。
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