JP2003014789A - 電流センサ及び電流センサのコア - Google Patents
電流センサ及び電流センサのコアInfo
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Abstract
た小型かつ低コストな電流センサ、及び電流センサのコ
アを提供すること。 【解決手段】 略櫛歯状に形成された一対のコア片22
を所定の間隔をおいて対向配置し、各電源ライン27
u,27v,27wが挿通される被検出部H1,H2,
H3を区画形成するとともに、各被検出部H1,H2,
H3毎に磁気ギャップS1,S2,S3,S4を形成す
る。そして、磁気ギャップS1,S4に、ホール素子2
5,26をそれぞれ介在配備する。
Description
通電状態を検知する電流センサ、及び電流センサのコア
に関わるものである。
り生じる磁束を検出することにより、電源ラインの通電
状態、例えば、短絡或いは断線状態、又は電流値などを
検知する電流センサが知られている。
す。この電流センサ90は、一部が開放されて磁気ギャ
ップSが形成されたコア91と、当該コア91の磁気ギ
ャップS中に介在配備されたホール素子92とを備えて
いる。コア91には電源ライン93が挿通され、この挿
通される電源ライン93に流れる電流により生じる磁束
が、コア91を通って磁気ギャップS中のホール素子9
2にて検出され、その電源ライン93の通電状態が検知
されるように構成されている。
て複数の電源ライン93の通電状態を検知する場合、図
15に示すように、各電源ライン93u,93v,93
w毎に、コア91u,91v,91w及びホール素子9
2u,92v,92wをそれぞれ設定していた。すなわ
ち、一対のコア91及びホール素子92を内蔵した電流
センサ90を複数用いるか、或いは、複数のコア91及
びホール素子92を内蔵した電流センサ90を用いてい
た。
うに各電源ライン93u,93v,93w毎にコア91
u,91v,91w及びホール素子92u,92v,9
2wをそれぞれ設定すると、部品点数が増加し、低コス
ト化を図ることができないという問題があった。そし
て、この問題は、通電状態を検知しようとする電源ライ
ン93の増加にともなって顕著になる。
を内蔵した電流センサ90を複数用いる場合は、電流セ
ンサ90の組み付けが複数回要求され、電流センサ90
の組み付け作業性が悪いという問題があった。
2を内蔵した電流センサ90を用いる場合は、部品点数
の増加により構成が複雑化し、また、電流センサ90の
大型化が避けられないという問題があった。
ール素子92u,92v,92wが各電源ライン93
u,93v,93wの通電状態をそれぞれ個別に検知す
るように構成されていたため、ホール素子92u,92
v,92wに冗長性がないという問題があった。
のであり、その目的は、複数の電源ラインの通電状態を
検知可能な小型かつ低コストな電流センサ、及び電流セ
ンサのコアを実現することにある。
めに、請求項1に記載の発明は、一部が開放されて磁気
ギャップが形成されたコアと、当該コアの磁気ギャップ
中に介在配備され、コアを通る磁束を電気信号に変換し
て外部に出力する磁電変換部とを備えた電流センサにお
いて、前記コアに、電源ラインが挿通される被検出部を
複数区画形成するとともに、各被検出部毎に磁気ギャッ
プを形成し、少なくとも1以上の磁気ギャップに前記磁
電変換部を設けたことを特徴とする。
の発明において、前記被検出部を、3つ形成したことを
特徴とする。請求項3に記載の発明は、一部が開放され
て磁気ギャップが形成された電流センサのコアにおい
て、電源ラインが挿通される被検出部を複数区画形成す
るとともに、各被検出部毎に磁気ギャップを形成したこ
とを特徴とする。
の発明において、前記被検出部を、3つ形成したことを
特徴とする。このようにコアに被検出部及び磁気ギャッ
プを形成すると、区画形成された各被検出部に挿通され
る電源ライン毎に、少なくとも1の磁気ギャップを通る
回周磁路が複数形成されるとともに、複数の電源ライン
に共通する回周磁路が形成されるようになる。そして、
この複数の電源ラインに共通する回周磁路の磁気ギャッ
プに磁電変換部を設けることにより、1の磁電変換部に
て複数の電源ラインの通電状態を検知することができ
る。
インの通電状態を検知可能な電流センサを実現すること
ができる。そして、少なくとも1つのコア及び磁電変換
部にて複数の電源ラインの通電状態を検知することがで
きるため、部品点数の増加を抑制して低コスト化を図る
ことができる。また、部品点数の増加を抑制したもので
あることから、構成が簡易となりさらに小型化を図るこ
とができる。さらに、磁電変換部の電源回路や処理回路
を共通化してより一層の小型化及び低コスト化を図るこ
とができる。
1つの電源ラインの通電状態を複数の磁電変換部にて検
知することができる。換言すれば、上記従来のように各
電源ライン毎にそれぞれ個別の磁電変換部が設定された
構成ではなく、各電源ライン毎に複数の磁電変換部が設
定された構成となる。従って、磁電変換部に冗長性を持
たせることができる。
とにより、3本の電源ラインの通電状態を検知可能な小
型かつ低コストな電流センサを実現することができる。
具体化した電流センサの第1実施形態を、図1に基づい
て説明する。
サ20は、コア21と磁電変換部としてのホール素子2
5,26とを備えている。なお、この電流センサ20
は、コア21及びホール素子25が筐体内に収容配置さ
れたものであるが、図示を省略する。
合金或いはパーマロイなどの磁性体材料よりなる一対の
コア片22からなる。コア片22は、外形が左右対称の
略櫛歯状に形成され、図示の如く略同形状の凸部23
a,23b,23c,23dが等間隔に4箇所に形成さ
れ、これにより略同形状の凹部24a,24b,24c
が3個所に形成されている。
置され、各凸部23a間に磁気ギャップS1が、各凸部
23b間に磁気ギャップS2が、各凸部23c間に磁気
ギャップS3が、各凸部23d間に磁気ギャップS4が
それぞれ形成されている。一方、コア片22の各凹部2
4a間、各凹部24b間及び各凹部24c間にはそれぞ
れ空間が形成され、これら各空間が、各電源ラインが挿
通される被検出部H1,H2,H3となる。
は、ホール素子25,26がそれぞれ介在配備されてい
る(図1参照)。各ホール素子25,26は図示しない
基板に実装されたものであり、この基板を介して外部装
置(図示しない)と電気的に接続されている。そして、
各ホール素子25,26は、それぞれ磁気ギャップS
1,S4を通る磁束を検出し、電圧に変換して外部装置
に出力する。
は、電源ライン27u,27v,27wがそれぞれ挿通
され(図1参照)、この各電源ライン27u,27v,
27wに流れる電流により生じる磁束がホール素子2
5,26にて検出され、各電源ライン27u,27v,
27wの短絡或いは断線状態、又は電流値などが検出さ
れる。
u,27v,27wが挿通される被検出部H1,H2,
H3が複数区画形成されるとともに、各被検出部H1,
H2,H3毎に、少なくとも1以上の磁気ギャップS
1,S2,S3,S4が形成されている。そして、各被
検出部H1,H2,H3及び各磁気ギャップS1,S
2,S3,S4は、一対のコア片22を対向配置するこ
とにより形成され、各被検出部H1,H2,H3は、磁
気ギャップS1,S2,S3,S4を介して区画形成さ
れている。
0の作用について説明する。なお、以下の説明において
は理解を容易にするために、各磁気ギャップS1,S
2,S3,S4の寸法、及び各被検出部H1,H2,H
3の寸法はそれぞれ完全同一であるものとする。また、
各電源ライン27u,27v,27wに流れる電流は定
格電流であり、その電流値は同一とする。
25が磁気ギャップS1にて検出する磁束密度は、磁気
回路上、各電源ライン27u,27v,27wに流れる
電流により磁気ギャップS1に生じる磁束密度(以下、
それぞれ個別磁束密度Xu,Xv,Xwという)の総和
(以下、合成磁束密度Xsumという)となる。同様
に、ホール素子26が磁気ギャップS4にて検出する磁
束密度は、各電源ライン27u,27v,27wに流れ
る電流により磁気ギャップS4に生じる個別磁束密度Y
u,Yv,Ywの総和(以下、合成磁束密度Ysumと
いう)となる。
umにおいて、個別磁束密度Xu,Xv,Xw,Yu,
Yv,Ywの寄与度は異なる。すなわち、下記(1)式
に示すように、ホール素子25が検出する合成磁束密度
Xsumにおいては、電源ライン27w、電源ライン2
7v、電源ライン27uの順に寄与度a,b,cが大き
くなる。また、下記(2)式に示すように、ホール素子
26が検出する合成磁束密度Ysumにおいては、電源
ライン27u、電源ライン27v、電源ライン27wの
順に寄与度d,e,fが大きくなる。 Xsum=aXu+bXv+cXw(但し、1>a>b>c≧0)・・・(1) Ysum=dYu+eYv+fYw(但し、0≦d<e<f<1)・・・(2) そのため、各電源ライン27u,27v,27wに異常
が生じた場合は、各個別磁束密度Xu,Xv,Xw,Y
u,Yv,Ywの寄与度a,b,c,d,e,fに基づ
いて合成磁束密度Xsum,Ysumが変動する。従っ
て、この合成磁束密度Xsum,Ysumの変動を、各
個別磁束密度Xu,Xv,Xw,Yu,Yv,Ywの寄
与度a,b,c,d,e,fに基づいて判別することに
より、各電源ライン27u,27v,27wの通電状態
を検知することができる。
電源ライン27u,27v,27wの個別磁束密度X
u,Xv,Xw,Yu,Yv,Yw及び寄与度a,b,
c,d,e,f並びにホール素子25,26の合成磁束
密度Xsum,Ysum等の関係については、予め外部
装置(図示しない)に基準信号として格納されている。
そして、ホール素子25,26が検出する合成磁束密度
Xsum,Ysumの変動は、この基準信号に基づいて
外部装置にて判別される。
wに、各々独立した直流電流が流れる場合の電流検知に
ついて具体的に説明する。この場合、ホール素子25,
26が検出する合成磁束密度Xsum,Ysumの変動
は、ピーク強度(磁束密度の絶対値)の変動として検出
される。従って、この合成磁束密度Xsum,Ysum
のピーク強度の変動を、各個別磁束密度Xu,Xv,X
w,Yu,Yv,Ywの寄与度a,b,c,d,e,f
に基づいて判別することにより、各電源ライン27u,
27v,27wの通電状態を検知することができる。以
下、詳述する。
wにそれぞれ定格電流が流れている場合のホール素子2
5,26が検出する合成磁束密度Xsum,Ysumを
基準値とする。このときのホール素子25の基準値とホ
ール素子26の基準値は等しいものとする。
7v,27wが断線した場合、ホール素子25,26の
検出する合成磁束密度Xsum,Ysumはいずれも基
準値より小さくなる。そして、ホール素子25の検出す
る合成磁束密度Xsumの変動量は、上述した個別磁束
密度Xu,Xv,Xwの寄与度a,b,cから、電源ラ
イン27uが断線した場合の変動量が最も大きく、電源
ライン27vが断線した場合、電源ライン27wが断線
した場合の順に小さくなる。従って、ホール素子25の
検出する合成磁束密度Xsumと基準値との大小関係及
びその変動量を、各個別磁束密度Xu,Xv,Xwの寄
与度a,b,cから判別することにより、各電源ライン
27u,27v,27wの断線の有無及び断線個所を検
知することができる。従って、1つのホール素子25に
て3つの電源ライン27u,27v,27wの断線状態
を検知することができる。
束密度Ysumの変動量は、上述した個別磁束密度Y
u,Yv,Ywの寄与度d,e,fから、電源ライン2
7wが断線した場合の変動量が最も大きく、電源ライン
27vが断線した場合、電源ライン27uが断線した場
合の順に小さくなる。従って、ホール素子26の検出す
る合成磁束密度Ysumと基準値との大小関係及びその
変動量を、各個別磁束密度Yu,Yv,Ywの寄与度
d,e,fから判別することにより、各電源ライン27
u,27v,27wの断線の有無及び断線個所を検知す
ることができる。従って、1つのホール素子26にて3
つの電源ライン27u,27v,27wの断線状態を検
知することができる。
は、上述した個別磁束密度Xu,Xv,Xw,Yu,Y
v,Ywの寄与度a,b,c,d,e,fから、合成磁
束密度Xsumが合成磁束密度Ysumより小さくな
る。同様の理由により、電源ライン27vが断線した場
合は合成磁束密度Xsumが合成磁束密度Ysumと等
しくなり、電源ライン27wが断線した場合は合成磁束
密度Xsumが合成磁束密度Ysumより大きくなる。
従って、合成磁束密度Xsum,Ysumと基準値との
大小関係、及び、合成磁束密度Xsumと合成磁束密度
Ysumとの大小関係を判別することにより、各電源ラ
イン27u,27v,27wの断線の有無及び断線個所
を検知することができる。従って、2つのホール素子2
5,26にて3つの電源ライン27u,27v,27w
の断線状態を検知することができる。そして、この場
合、上述したようにホール素子25,26はそれぞれ単
独で各電源ライン27u,27v,27wの断線状態を
検知することができるため、ホール素子25,26に冗
長性を持たせることができる。
v,27wが短絡した場合、合成磁束密度Xsum,Y
sumは基準値より大きくなる。そして、電源ライン2
7uが短絡した場合は、上述した個別磁束密度Xu,X
v,Xw,Yu,Yv,Ywの寄与度a,b,c,d,
e,fから、合成磁束密度Xsumが合成磁束密度Ys
umより大きくなる。同様の理由により、電源ライン2
7vが短絡した場合は合成磁束密度Xsumと合成磁束
密度Ysumとが等しくなり、電源ライン27wが短絡
した場合は合成磁束密度Xsumが合成磁束密度Ysu
mより小さくなる。従って、合成磁束密度Xsum,Y
sumと基準値との大小関係、及び、合成磁束密度Xs
umと合成磁束密度Ysumとの大小関係を判別するこ
とにより、各電源ライン27u,27v,27wの短絡
の有無及び短絡個所を検知することができる。すなわ
ち、2つのホール素子25,26にて3つの電源ライン
27u,27v,27wの短絡状態を検知することがで
きる。
に、1つのホール素子25,26にて複数の電源ライン
27u,27v,27wの短絡の有無、及び短絡した電
源ライン27u,27v,27wを特定することも可能
である。但し、短絡状態を検知する場合は、短絡の程度
により合成磁束密度Xsum,Ysumのピーク強度の
変動が異なるため、検出精度が低下するおそれがある。
従って、実用上は、上述したように2つのホール素子2
5,26を用いて判別することが望ましい。
wのいずれか1のみに電流が流れている場合には、各電
源ライン27u,27v,27wの電流値をホール素子
25にて測定することができる。すなわち、1つのホー
ル素子25(ホール素子26)にて、3つの電源ライン
27u,27v,27wの電流値を測定することができ
る。
より、各電源ライン27u,27v,27wに流れる電
流値を測定することもできる。この場合、断線及び短絡
状態の検知に関しては、上述したように1つのホール素
子25(ホール素子26)にて3本の電源ライン27
u,27v,27wの断線状態を、また、2つのホール
素子25,26にて3本の電源ライン27u,27v,
27wの短絡状態を検知することができるため、ホール
素子25,26に冗長性を持たせることができる。
7wに、3相モータの駆動電源となる位相差が120°
相違する定格3相交流電流(U相、V相、W相)が流れ
る場合の電流検知について具体的に説明する。
る合成磁束密度Xsum,Ysumは、各個別磁束密度
Xu,Xv,Xw,Yu,Yv,Ywの合成波となり、
合成磁束密度Xsum,Ysumの変動は、ピーク強度
(磁束密度の絶対値)及び位相の変動として検出され
る。従って、この合成磁束密度Xsum,Ysumのピ
ーク強度及び位相の変動を、各個別磁束密度Xu,X
v,Xw,Yu,Yv,Ywの寄与度a,b,c,d,
e,fに基づいて判別することにより、各電源ライン2
7u,27v,27wの通電状態を検知することができ
る。なお、この3相交流電流の電流検知においては、各
ホール素子25,26の検出する合成磁束密度Xsu
m,Ysumの変動は、センサ出力波形の変動として把
握できることから、センサ出力波形のピーク強度及び位
相の変動に基づいて説明する。
wに電流が流れる場合(正常時)における電流波形を図
3(a)に、このときの各ホール素子25,26の検出
する合成磁束密度Xsum,Ysumのセンサ出力波形
(B1,B2,(B1+B2))を図3(b)に示す。
図3(b)からも明らかなように、正常時においては、
ホール素子25のセンサ出力(B1)とホール素子26
のセンサ出力(B2)の合成出力(B1+B2)は、ゼ
ロとなる。
7v,27wが断線すると、上述したように各個別磁束
密度Xu,Xv,Xw,Yu,Yv,Ywの寄与度a,
b,c,d,e,fに基づいて、センサ出力波形(B
1,B2,(B1+B2))が変動する。具体的には、
電源ライン27uが断線すると、電流波形が図4(a)
に示すように変動し、これにより各ホール素子25,2
6のセンサ出力波形(B1,B2,(B1+B2))が
図4(b)に示すように変動する。同様に、電源ライン
27vが断線すると、電流波形が図5(a)に示すよう
に変動し、各ホール素子25,26のセンサ出力波形
(B1,B2,(B1+B2))が図5(b)に示すよ
うに変動する。同様に、電源ライン27wが断線する
と、電流波形が図6(a)に示すように変動し、各ホー
ル素子25,26のセンサ出力波形(B1,B2,(B
1+B2))が図6(b)に示すように変動する。そし
て、各電源ライン27u,27v,27wの断線時にお
けるセンサ出力波形(B1,B2,(B1+B2))
は、それぞれピーク強度又は位相が相違する。
センサ出力(B1)のピーク強度及び位相の変動を判別
することにより、各電源ライン27u,27v,27w
の断線の有無、及び断線した電源ライン27u,27
v,27wを特定することができる。すなわち、1つの
ホール素子25にて3つの電源ライン27u,27v,
27wの断線状態を検知することができる。なお、ホー
ル素子26についても同様である。
6の合成出力(B1+B2)のピーク強度及び位相の変
動を判別することにより、各電源ライン27u,27
v,27wの断線の有無、及び断線した電源ライン27
u,27v,27wを特定することもできる。この場
合、正常時におけるホール素子25,26の合成出力
(B1+B2)がゼロであることから、断線の有無をオ
ン−オフで判別することができ、断線状態を高精度に検
知することができる。すなわち、2つのホール素子2
5,26にて3つの電源ライン27u,27v,27w
の断線状態を高精度に検知することができる。そして、
この場合、上述したようにホール素子25,26はそれ
ぞれ単独で各電源ライン27u,27v,27wの断線
状態を検知することができるため、ホール素子25,2
6に冗長性を持たせることができる。
v,27wが短絡すると、上述したように各個別磁束密
度Xu,Xv,Xw,Yu,Yv,Ywの寄与度a,
b,c,d,e,fに基づいてセンサ出力波形(B1,
B2,(B1+B2))が変動する。具体的には、電源
ライン27uが短絡すると、電流波形が図7(a)に示
すように変動し、これにより各ホール素子25,26の
センサ出力波形(B1,B2,(B1+B2))が図7
(b)に示すように変動する。同様に、電源ライン27
vが短絡すると、電流波形が図8(a)に示すように変
動し、各ホール素子25,26のセンサ出力波形(B
1,B2,(B1+B2))が図8(b)に示すように
変動する。同様に、電源ライン27wが短絡すると、電
流波形が図9(a)に示すように変動し、各ホール素子
25,26のセンサ出力波形(B1,B2,(B1+B
2))が図9(b)に示すように変動する。そして、各
電源ライン27u,27v,27wの短絡時におけるセ
ンサ出力波形は、それぞれピーク強度又は位相が相違す
る。
26のセンサ出力(B1,B2)及びこれらの合成出力
(B1+B2)のピーク強度及び位相の変動を判別する
ことにより、各電源ライン27u,27v,27wの短
絡の有無、及び短絡した電源ライン27u,27v,2
7wを特定することができる。すなわち、2つのホール
素子25,26にて3つの電源ライン27u,27v,
27wの短絡状態を検知することができる。
に、1つのホール素子25(ホール素子26)にて複数
の電源ライン27u,27v,27wの短絡の有無、及
び短絡した電源ライン27u,27v,27wを特定す
ることも可能である。但し、短絡状態を検知する場合
は、短絡の程度によりセンサ出力のピーク強度及び位相
の変動が異なるため、検出精度が低下するおそれがあ
る。従って、実用上は、上述したように2つのホール素
子25,26を用い、合成出力(B1+B2)の変動を
判別することが望ましい。この場合、正常時におけるホ
ール素子25,26の合成出力(B1+B2)がゼロで
あることから、漏電状態を高精度に検知することができ
る。
より、各電源ライン27u,27v,27wに流れる電
流値を測定することもできる。この場合、断線及び短絡
状態の検知に関しては、上述したように1つのホール素
子25(ホール素子26)にて3本の電源ライン27
u,27v,27wの断線状態を、また、2つのホール
素子25,26にて3本の電源ライン27u,27v,
27wの短絡状態を検知することができるため、ホール
素子25,26に冗長性を持たせることができる。
以下に示す作用効果が奏される。 ・ コア21に、電源ライン27u,27v,27wが
挿通される被検出部H1,H2,H3を区画形成すると
ともに、各被検出部H1,H2,H3毎に少なくとも1
以上の磁気ギャップS1,S2,S3,S4を形成し、
磁気ギャップS1,S4にホール素子25,26を設け
た。
25(ホール素子26)及び1つのコア21にて、3つ
の電源ライン27u,27v,27wの断線状態を検知
することができる。また、2つのホール素子25,26
及び1つのコア21にて、3つの電源ライン27u,2
7v,27wの断線状態及び漏電状態を検知することが
できる。
w相当数のホール素子25,26及びコア21を用意す
る必要がなく、通電状態を検知しようとする電源ライン
の増加にともなう部品点数の増加を抑制することがで
き、低コスト化を図ることができる。また、部品点数の
増加を抑制したため、構成が簡易となり小型化を図るこ
とができる。さらに、ホール素子25,26の基板等を
共通化することでき、小型化及び省スペース化に寄与す
ることができる。加えて、1つの電源ライン27u,2
7v,27wの通電状態を、複数のホール素子25,2
6にて監視することができるため、ホール素子25,2
6に冗長性を持たせることができる。
2,H3を区画形成した。このように構成することによ
り、3相モータなどの駆動電源となる3相交流電流の電
流検知に好適に用いることができる電流センサを実現す
ることができる。
の間隔をおいて対向配置した。このように構成すると、
磁気ギャップS1,S2,S3,S4及び被検出部H
1,H2,H3を簡易に形成することができる。従っ
て、複雑な形状のコア21であっても容易に具現化する
ことができる。しかも、構成の簡易なコア片22とする
ことにより、製造が容易となるとともに、歩留まりを向
上させることができ、低コスト化に寄与することができ
る。
た電流センサの第2実施形態を説明する。なお、以降の
各実施形態においては、各実施形態に固有の構成のみを
説明し、他の構成についての説明は省略する。また、上
記第1実施形態と同じ構成については同一の符号を記
す。
ンサ30において、コア31は平面略U字状に形成され
ている。コア31の内周には、図示の如く略同形状の凸
部32a,32b,32cが等間隔に対面形成され、こ
れにより、略同形状の凹部33a,33b,33cが等
間隔に対面形成されている。そして、コア31の各凸部
32a間に磁気ギャップS1が、各凸部32b間に磁気
ギャップS2が、各凸部32c間に磁気ギャップS3が
それぞれ形成されている。一方、コア31の各凹部33
a間、各凹部33b間及び各凹部33c間にはそれぞれ
空間が形成され、これら各空間が、各電源ラインが挿通
される被検出部H1,H2,H3となる。そして、コア
31の磁気ギャップS1,S2の略中央位置に、ホール
素子25,26がそれぞれ介在配備されている。
1には電源ライン27u,27v,27wが挿通される
被検出部H1,H2,H3が複数区画形成されるととも
に、各被検出部H1,H2,H3毎に、少なくとも1以
上の磁気ギャップS1,S2,S3が形成されている。
そして、各被検出部H1,H2,H3は、磁気ギャップ
S1,S2,S3を介して区画形成されている。
実施形態と同様の作用効果が奏される。 (第3実施形態)以下、本発明を具体化した電流センサ
の第3実施形態を説明する。
ンサ40において、コア41は平面略円状に形成されて
いる。コア41には、図示の如くコア中心から120°
の間隔で放射状に延出するスポーク部42a,42b,
42cが形成されている。そして、これらスポーク部4
2a,42b,42cによりコア41の内周空間が区画
され、被検出部H1,H2,H3がそれぞれ形成されて
いる。一方、コア41は一部が開放されて磁気ギャップ
S1,S2,S3が3箇所に形成されている。そして、
コア41の磁気ギャップS1,S2の略中央位置に、ホ
ール素子25,26がそれぞれ介在配備されている。そ
の他の構成は上記第1実施形態と同様の構成となってい
る。
1には、電源ライン27u,27v,27wが挿通され
る被検出部H1,H2,H3が複数区画形成されるとと
もに、各被検出部H1,H2,H3毎に、少なくとも1
以上の磁気ギャップS1,S2,S3が形成されてい
る。そして、各被検出部H1,H2,H3は、スポーク
部42a,42b,42cにより区画形成されている。
実施形態と同様の作用効果が奏される。なお、本発明は
前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、この
発明の趣旨から逸脱しない範囲で、各部の構成を変更し
ても構わない。
えば、図12に示すように、略同形状に形成された一対
のコア片52を所定の間隔を置いて対向配置してコア5
1を構成したり、図13に示すように、非同一形状のコ
ア片62及びコア片63を所定の間隔をおいて対向配置
してコア61を構成すること。このように構成しても、
電源ライン27u,27v,27wが挿通される被検出
部H1,H2,H3が複数区画形成され、また、各被検
出部H1,H2,H3毎に少なくとも1以上の磁気ギャ
ップS1,S2,S3,S4,S5,S6が形成されて
いることから、上記各実施形態と同様の作用効果が奏さ
れる。
と。被検出部Hの形成個数は特に限定するものではな
く、被検出部Hが2以上形成されていれば、1つのホー
ル素子にて、複数の電源ラインの通電状態を検知するこ
とができるという、本発明の作用効果が発揮される。例
えば、モータ用の電流センサとして用いるのであれば、
被検出部Hを3つ又は5つ形成することが実用的であ
る。
きる技術的思想について、それらの作用効果とともに以
下に記載する。 (A) 前記磁電変換部を2以上設けたことを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載の電流センサ。
1つの電源ラインの通電状態を複数の磁電変換部にて検
知することができるため、磁電変換部に冗長性を持たせ
ることができ、複数の電源ラインの通電状態を高精度に
検知することができるようになる。
変換部を2以上設けたことを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載の電流センサ。このように被検出部を3つ
形成し、磁電変換部を2以上設けると、1つのコアと2
つの磁電変換部にて3本の電源ラインの通電状態を検知
することができるため、小型かつ低コストな電流センサ
を実現することができる。
ア片からなり、当該一対のコア片を対向配置して、電源
ラインが挿通される被検出部を複数区画形成するととも
に、各被検出部毎に磁気ギャップを形成したことを特徴
とする請求項1或いは請求項2、又は、上記(A)或い
は(B)に記載の電流センサ。
配置して、被検出部及び磁気ギャップを形成すると、複
雑な形状のコアであっても容易に具現化することがで
き、製造が容易となるとともに、歩留まりを向上させる
ことができる。そのため、より一層低コスト化に寄与す
ることができる。
形成された電流センサのコアにおいて、略同形状の一対
のコア片からなり、当該一対のコア片を対向配置して、
電源ラインが挿通される被検出部を複数区画形成すると
ともに、各被検出部毎に磁気ギャップを形成したことを
特徴とする電流センサのコア。
配置して、被検出部及び磁気ギャップを形成すると、複
雑な形状のコアであっても容易に具現化することがで
き、製造が容易となるとともに、歩留まりを向上させる
ことができる。そのため、より一層低コスト化に寄与す
ることができる。
発明によれば、コアに被検出部を複数区画形成するとと
もに、被検出部毎に磁気ギャップを形成し、少なくとも
1以上の磁気ギャップに磁電変換部を設けることによ
り、1の磁電変換部にて複数の電源ラインの通電状態を
検知することができる。従って、部品点数の増大を抑制
した、小型かつ低コストな電流センサを提供することが
できる。また、磁電変換部を2以上設けた場合は、1つ
の電源ラインの通電状態を複数の磁電変換部にて検知す
ることができ、磁電変換部に冗長性を持たせることがで
き、複数の電源ラインの通電状態を高精度に検知可能な
電流センサを実現することができる。
変換部にて複数の電源ラインの通電状態を検知可能とし
た小型かつ低コストな電流センサを実現可能なコアを提
供することができる。
図。
(b)3相交流電流の正常時のセンサ出力波形。
形、(b)3相交流電流のU相断線時のセンサ出力波
形。
形、(b)3相交流電流のV相断線時のセンサ出力波
形。
形、(b)3相交流電流のW相断線時のセンサ出力波
形。
形、(b)3相交流電流のU相短絡時のセンサ出力波
形。
形、(b)3相交流電流のV相短絡時のセンサ出力波
形。
形、(b)3相交流電流のW相短絡時のセンサ出力波
形。
図。
図。
図。
面図。
2,H3…被検出部、S,S1,S2,S3,S4…磁
気ギャップ、21…コア、22…コア片、25,26…
磁電変換部としてのホール素子。
Claims (4)
- 【請求項1】 一部が開放されて磁気ギャップが形成さ
れたコアと、当該コアの磁気ギャップ中に介在配備さ
れ、コアを通る磁束を電気信号に変換して外部に出力す
る磁電変換部とを備えた電流センサにおいて、 前記コアに、電源ラインが挿通される被検出部を複数区
画形成するとともに、各被検出部毎に磁気ギャップを形
成し、 少なくとも1以上の磁気ギャップに、前記磁電変換部を
設けたことを特徴とする電流センサ。 - 【請求項2】 前記被検出部を、3つ形成したことを特
徴とする請求項1に記載の電流センサ。 - 【請求項3】 一部が開放されて磁気ギャップが形成さ
れた電流センサのコアにおいて、 電源ラインが挿通される被検出部を複数区画形成すると
ともに、各被検出部毎に磁気ギャップを形成したことを
特徴とする電流センサのコア。 - 【請求項4】 前記被検出部を、3つ形成したことを特
徴とする請求項3に記載の電流センサのコア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001201678A JP2003014789A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 電流センサ及び電流センサのコア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001201678A JP2003014789A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 電流センサ及び電流センサのコア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003014789A true JP2003014789A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19038597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001201678A Pending JP2003014789A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 電流センサ及び電流センサのコア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003014789A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7719258B2 (en) | 2008-10-13 | 2010-05-18 | National Taiwan University Of Science And Technology | Method and apparatus for current measurement using hall sensors without iron cores |
JP2014126443A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Toyota Auto Body Co Ltd | 熱線付きガラスの給電検査装置及び熱線付きガラスの給電検査方法 |
JP2015034701A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-19 | アイシン精機株式会社 | 電流センサ |
JP2017090168A (ja) * | 2015-11-06 | 2017-05-25 | アイシン精機株式会社 | 電流センサ |
-
2001
- 2001-07-03 JP JP2001201678A patent/JP2003014789A/ja active Pending
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JP2015034701A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-19 | アイシン精機株式会社 | 電流センサ |
JP2017090168A (ja) * | 2015-11-06 | 2017-05-25 | アイシン精機株式会社 | 電流センサ |
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