JP2003013611A - 鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の補強方法及び補強構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の補強方法及び補強構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 元の鉄筋コンクリート系ラーメン構造体のラ
ーメン構造体を構成する梁及び両柱で囲まれる空間を可
及的に維持しつつ、そのラーメン構造全体の耐力を向上
させてその変形を抑制する。 【解決手段】 柱12は、元の柱13の柱脚部から柱頭
部まで鋼管22で覆い、元の柱13の間隙に無収縮モル
タル24を充填固化させて補強する。梁10の下方位置
の両側方に、下弦材30を配し、各下弦材30の両端部
を、柱12の柱頭部の鍔状補強部28に接合する。梁1
0の側方に配した腹材34の下部を下弦材30に溶接し
て、下弦材30が下辺部を構成する2つの二等辺三角形
状の構面を構成する。各二等辺三角形状の構面を構成す
る腹材34における上部を、接合用部材36を介して梁
10の上部に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
系ラーメン構造体の耐震性や耐積載荷重性等を高めるた
めの鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の補強方法及び
鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の耐震性や耐積載荷
重性等を高める補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】既存の
鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の耐震性や耐積載荷
重性を確実に高める補強手段としては、そのラーメン構
造を耐震壁やブレースにより補強する手段があるが、商
業店舗やオフィスビル等として利用される鉄筋コンクリ
ート系既存建造物の補強においては、その使用目的のた
めに必要な空間をできるだけ維持することが要求される
ため、そのような手段は、少なくともその既存建造物の
使用目的を損なわない程度以上に用いることはできな
い。
【0003】そのため、柱の柱脚部から柱頭部まで鋼板
を巻き立て、鋼板と柱との間隙にモルタルを充填固化さ
せる補強や、高張力繊維補強シートを柱に巻き付けて固
定する補強がよく行なわれている。しかしながら、この
ような補強方法は空間の維持には好都合であるが、柱頭
部の少なくとも一部の曲げ耐力及び剪断耐力を高めるこ
とができないので、必ずしもラーメン構造全体としての
耐震性や耐積載荷重性を十分に改善することはできな
い。
【0004】本発明は、従来技術に存した上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、元の鉄筋コンクリート系ラーメン構造体のラーメ
ン構造体を構成する梁及び両柱で囲まれる空間を可及的
に維持しつつ、そのラーメン構造全体の耐力を向上させ
てその変形を抑制することができる鉄筋コンクリート系
ラーメン構造体の補強方法及び鉄筋コンクリート系ラー
メン構造体の耐震性や耐積載荷重性等を高める補強構造
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の補強構造は、鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の
補強構造であって、前記ラーメン構造体を構成する梁の
側方に腹材が配され、その腹材の下側に下弦材が配され
ており、前記梁の両端に剛接合されて前記ラーメン構造
体を構成する柱の柱頭部に、前記下弦材の両端部がそれ
ぞれ緊結され、前記腹材は、下部が前記下弦材に接合さ
れることにより、その下弦材が下辺部を構成する1又は
縦列した2以上の実質的な三角形状構面を構成し、各実
質的三角形状構面を構成する腹材における上部が、前記
梁に緊結されていることを特徴とする。
【0006】また本発明の補強方法は、鉄筋コンクリー
ト系ラーメン構造体の補強方法であって、前記ラーメン
構造体を構成する梁の側方に腹材を配し、その腹材の下
側に下弦材を配し、前記梁の両端に剛接合されて前記ラ
ーメン構造体を構成する柱の柱頭部に、前記下弦材の両
端部をそれぞれ緊結し、前記腹材は、下部を前記下弦材
に接合することにより、その下弦材が下辺部を構成する
1又は縦列した2以上の実質的な三角形状構面を構成さ
せ、各実質的三角形状構面を構成する腹材における上部
を、前記梁に緊結することを特徴とする。
【0007】この補強構造又は補強方法によれば、元の
ラーメン構造体を構成する梁を上弦材として、この上弦
材と腹材及び下弦材からなる新たな梁が形成され、曲げ
耐力及び剪断耐力が向上する。また、元の梁は元の曲げ
耐力及び剪断耐力を保持するため、両者の合成梁として
の効果も有する。
【0008】更に、元のラーメン構造体を構成する両柱
の柱頭部に下弦材の両端部が緊結されているため、それ
らの柱の柱頭部付近の曲げ耐力が向上し、その結果とし
て剪断耐力も向上する。
【0009】従って、元の柱において、柱頭部付近の曲
げ耐力及び剪断耐力が、その柱頭部よりも下方の部分の
曲げ耐力及び剪断耐力よりも低い場合のように、柱頭部
付近の曲げ耐力及び剪断耐力を高めることにより柱全体
としての曲げ耐力及び剪断耐力を高めることができる場
合、この補強構造又は補強方法により、柱及び梁共に、
全体としての曲げ耐力及び剪断耐力が向上し、且つ、全
体としての剛性が高まって変形が抑制される。そのた
め、元の梁及び両柱で囲まれる空間を可及的に維持しつ
つ、そのラーメン構造全体の耐力を向上させてその変形
を抑制することができる。
【0010】勿論、本発明の補強構造は、梁の両側方に
それぞれ腹材が配され、梁の両側方に配された前記各腹
材は、下部がそれぞれ下弦材に接合されることにより、
その下弦材が下辺部を構成する1又は縦列した2以上の
実質的な三角形状構面を構成し、各実質的三角形状構面
を構成する腹材における上部が、前記梁に緊結されてい
るものであることが望ましい。また本発明の補強方法
は、梁の両側方にそれぞれ腹材を配し、梁の両側方に配
された前記各腹材は、下部をそれぞれ前記下弦材に接合
することにより、その下弦材が下辺部を構成する1又は
縦列した2以上の実質的な三角形状構面を構成させ、各
実質的三角形状構面を構成する腹材における上部を、前
記梁に緊結するものであることが望ましい。
【0011】このように元の梁の両側に腹材が配される
ことにより、元の梁及び両柱で囲まれる空間を可及的に
維持しつつ、バランス良く効果の高い補強が行われる。
【0012】更に、本発明の補強構造は、上記梁の下方
位置の両側方にそれぞれ下弦材が配されると共に、その
梁の両側方にそれぞれ腹材が配され、前記各下弦材の両
端部は、上記柱の柱頭部にそれぞれ緊結され、前記梁の
両側方に配された前記各腹材は、下部がそれぞれ前記下
弦材に接合されることにより、その下弦材が下辺部を構
成する1又は縦列した2以上の実質的な三角形状構面を
構成し、各実質的三角形状構面を構成する腹材における
上部が、前記梁に緊結されているものであることが望ま
しい。また本発明の補強方法は、上記梁の下方位置の両
側方にそれぞれ下弦材を配すると共に、その梁の両側方
にそれぞれ腹材を配し、前記各下弦材の両端部を、上記
柱の柱頭部にそれぞれ緊結し、前記梁の両側方に配され
た前記各腹材は、下部をそれぞれ前記下弦材に接合する
ことにより、その下弦材が下辺部を構成する1又は縦列
した2以上の実質的な三角形状構面を構成させ、各実質
的三角形状構面を構成する腹材における上部を、前記梁
に緊結するものであることが望ましい。
【0013】このように元の梁の両側に下弦材及び腹材
が配されることにより、元の梁及び両柱で囲まれる空間
を可及的に維持しつつ、バランス良く効果の高い補強が
行われる。
【0014】前記鉄筋コンクリート系というのは、鉄筋
コンクリートのほか、鉄骨鉄筋コンクリート、プレスト
レストコンクリート等を含む。
【0015】このような本発明の補強構造は、梁の両端
に剛接合されて上記ラーメン構造体を構成する両柱の両
方又は一方は、柱頭部の少なくとも一部、又は柱頭部及
び柱脚部のそれぞれ少なくとも一部を除き、曲げ耐力お
よび/または剪断耐力(曲げ耐力及び剪断耐力の一方又
は両方)が補強されたものとすることができる。また本
発明の補強方法は、梁の両端に剛接合されて上記ラーメ
ン構造体を構成する両柱の両方又は一方に対し、柱頭部
の少なくとも一部、又は柱頭部及び柱脚部のそれぞれ少
なくとも一部を除き、曲げ耐力および/または剪断耐力
を補強することを含むものとすることができる。
【0016】この場合、元の柱において、柱頭部付近の
曲げ耐力及び剪断耐力が、その柱頭部よりも下方の部分
の曲げ耐力及び剪断耐力よりも低く、柱頭部付近の曲げ
耐力及び剪断耐力を高めることにより柱全体としての曲
げ耐力及び剪断耐力を高めることができる。従って、こ
の補強構造により、柱及び梁共に、全体としての曲げ耐
力及び剪断耐力が向上し、且つ、全体としての剛性が高
まって変形が抑制され、元の梁及び両柱で囲まれる空間
を可及的に維持しつつ、ラーメン構造全体の耐力を向上
させてその変形を抑制することができる。
【0017】このような柱の補強は、例えば、柱の柱脚
部から柱頭部まで鋼板を巻き立て、鋼板(鋼管)と柱と
の間隙に無収縮モルタルを充填固化させることにより行
うことができるが、他の公知補強手段を利用することも
勿論可能である。
【0018】前記下弦材としては、例えば構造用鋼材と
しての溝形鋼やH形鋼等の形鋼を、必要に応じ補強して
用いることができるが、これに限るものではない。ま
た、下弦材は、直線状をなすものに限らず、例えば、上
に凸の、アーチ状、台形状(底辺を除く三辺の形状)又
は三角形状(底辺を除く二辺の形状)をなすものとする
こともできる。
【0019】柱の柱頭部に対する下弦材の端部の緊結
は、直接又は他の部材を介して行うことができ、例えば
剛接合の状態でもピン接合の状態でもよい。下弦材は、
例えば、梁の下方位置又はその梁の下方位置の側方に位
置させることができるほか、柱頭部に緊結した下弦材の
端部を除く部分の全部又は一部を前記梁の側方に位置さ
せることもできる。
【0020】このような柱の柱頭部に対する下弦材の端
部の緊結は、下弦材に作用する力を柱に円滑に流れるよ
うに行うことが望まれる。例えば、前記のように鋼板巻
き立てにより柱を補強した場合、その柱頭部に、上下一
対の環状鋼板からなる鍔状補強材を設け、その鍔状補強
材に対し下弦材の端部を接合することにより、下弦材に
作用する力を、柱と一体化した鋼板に円滑に流れるよう
にすることができる。なお、下弦材については、必要に
応じ座屈を防ぐための手段として、例えば、その適宜箇
所を前記梁に緊結したり、下弦材を梁の両側に有する場
合は両下弦材を適宜箇所で緊結することができる。
【0021】前記腹材としては、例えば構造用鋼材とし
ての溝形鋼やH形鋼等の形鋼又は鋼板を、必要に応じ補
強して用いることができるが、これに限るものではな
い。
【0022】腹材は、下部が前記下弦材に接合されるこ
とにより、その下弦材が下辺部を構成する1又は前記梁
の材軸方向に縦列した2以上の実質的な三角形状構面を
構成する。例えば腹材として形鋼(或いはその他の細長
材料)を用いる場合、下弦材を下辺部とする前記三角形
状構面の他の2辺を形鋼により構成することができる。
その2辺を構成する形鋼の下端部はそれぞれ下弦材に接
合される。また、例えば腹材として鋼板(或いはその他
の板状材料)を用いる場合、三角形状の鋼板の周縁部に
リブ状部を形成し、その鋼板の1辺を下弦材に溶接等に
より接合することにより、前記の実質的な三角形状構面
が構成される。
【0023】各実質的三角形状構面を構成する腹材にお
ける上部(例えば頂部付近)は、前記梁に緊結される。
この緊結は、直接又は、その梁上に支持された床スラブ
や梁の側面に接合された梁の材軸方向の部材等の他の部
材を介して行うことができ、例えば剛接合の状態でもピ
ン接合の状態でもよい。各実質的三角形状構面を構成す
る腹材における上部は、前記梁の上下中間部又はそれよ
りも上方に緊結されることが望ましく、梁の上部に緊結
されることがより望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しつつ説明する。
【0025】図1乃至図3は、本発明の実施の形態の一
例としての鉄筋コンクリート造の多層ラーメン構造体に
ついてのものであって、図1は、鉄筋コンクリート造の
多層ラーメン構造体の一部についての説明図、図2は図
1におけるII−II線断面図、図3は図1におけるIII−I
II線拡大断面図である。なお、本発明は、鉄骨鉄筋コン
クリート、プレストレストコンクリート等の、鉄筋コン
クリート以外の鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の補
強にも適用できることは前述のとおりである。
【0026】図1に示されるように、梁10及びその梁
10の両端に剛接合された柱12が、鉄筋コンクリート
造のラーメン構造体を構成しており、梁10上には鉄筋
コンクリート造の床スラブ14が支持されている。ま
た、梁10に直交する梁16及び小梁18が設けられて
いる。柱12の柱脚部には、下層スラブ20が位置す
る。
【0027】柱12は、鉄筋コンクリート造の元の柱1
3の柱脚部から柱頭部まで鋼管22で覆われ、その鋼管
22と元の柱13の間隙に無収縮モルタル24を充填固
化させてそれらが一体化されることにより補強されてい
る。鋼管22は、縦に2分割された断面半円弧状の鋼板
が元の柱13に巻かれて両鋼板が溶接又はファスナー
(ボルト・ナット)により接合されることによって形成
されている。
【0028】柱12の柱頭部には、上下一対の環状鋼板
部26からなる鍔状補強部28が設けられている。この
鍔状補強部28を構成する環状鋼板部26は、環状板を
2分割した形状の2枚の円弧形状の鋼板と前記の鋼管2
2を構成する断面半円弧状の両鋼板が予め溶接されてお
り、両鋼板を前記のように接合すると共にその円弧状の
鋼板の端縁部同士を溶接することにより柱頭部に鍔状補
強部28が形成されている。
【0029】梁10の下方位置の両側方には、それぞれ
H形鋼からなる下弦材30が梁10と平行に配され、各
下弦材30の両端部は、鍔状補強部28における上下一
対の環状鋼板部26及び鋼管22に3辺がそれぞれ溶接
された方形状の補強プレート32にボルト・ナットを用
いて接合されている。
【0030】梁10の側方に配された腹材34は、下部
が下弦材30に接合されることにより、その下弦材30
が下辺部を構成する2つの二等辺三角形状の構面(三角
形状の構面であればよく、二等辺三角形状であることを
必要とするものではない。)を構成する。これらの二等
辺三角形状の構面は、小梁18の位置を挟んで梁10の
材軸方向に縦列し、各二等辺三角形状の構面を構成する
腹材34における上部が、接合用部材36を介して梁1
0の上部に接合されている。
【0031】各二等辺三角形状の構面を構成する腹材3
4は、H形鋼からなり、梁10の側面に沿ってその梁1
0の材軸方向に対し傾斜した二等辺状をなす。各腹材3
4の下部及び上部は、それぞれ下弦材30及び接合用部
材36に溶接されている。
【0032】下弦材30を構成するH形鋼は、腹材34
の溶接箇所を中心とする数箇所におけるウェブの両側
に、両フランジ部及びウェブにわたるリブプレート38
が溶接されて補強されている。図2に示されるように、
両下弦材30が相対する内側に溶接されるリブプレート
38は、それぞれ対応する位置において内方に張り出し
ており、両下弦材30から内方に張り出したリブプレー
ト38が溝形鋼40により連結されることにより両下弦
材30の座屈等が防がれている。
【0033】接合用部材36は、図3に示されるよう
に、H形鋼の片側の両フランジ部の側端部に板状の鋼材
が溶接されてなり、梁10の両側上部においてそれぞれ
材軸方向に配され、梁10を貫通するボルト42を用い
て両側の接合用部材36が共に梁10の上部に接合され
ている。接合用部材36において、ボルト・ナットによ
る締結を行う位置のウェブにはボルト挿通孔44が設け
られている。また、接合用部材36は、腹材34の溶接
箇所に、両フランジ部及びウェブにわたるリブプレート
46が溶接されて補強されている。なお、腹材34の上
部やこのような接合用部材36は、梁10自体に接合す
る以外に、例えば梁10上に支持された床スラブ14に
対し梁10の両側で接合することにより、床スラブ14
を介して緊結することもできる。
【0034】前述のように、柱12は、鉄筋コンクリー
ト造の元の柱13が鋼管22及びモルタル24により補
強されてなるものであるが、この補強のみでは、柱頭部
における梁10の下面との境界部付近の曲げ耐力及び剪
断耐力は向上していない。
【0035】しかしながら、元のラーメン構造体を構成
する梁10を上弦材として、この上弦材と腹材34及び
下弦材30からなる新たな梁10が形成され、曲げ耐力
及び剪断耐力が向上する。また、元の梁10は元の曲げ
耐力及び剪断耐力を保持するため、両者の合成梁10と
しての効果も有する。更に、元のラーメン構造体を構成
する両柱12の柱頭部に下弦材30の両端部が緊結され
ているため、それらの柱12の柱頭部付近の曲げ耐力が
向上し、その結果として剪断耐力も向上する。
【0036】従って、柱12及び梁10共に、全体とし
ての曲げ耐力及び剪断耐力が向上し、且つ、全体として
の剛性が高まって変形が抑制される。そのため、下弦材
30が元の梁10の下方位置の側方に位置するためその
下方の空間の高さが若干低くなるものの、元の梁10及
び両柱12で囲まれる空間を可及的に維持しつつ、その
ラーメン構造全体の耐力を向上させてその変形を抑制す
ることができる。
【0037】なお、以上の実施の形態についての記述に
おける構成部品の個数、材質、形状、その相対配置など
は、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、こ
の発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではな
く、単なる説明例に過ぎない。また、課題を解決するた
めの手段の項において本発明について述べた例示及び数
値範囲を含む説明は、原則として以上の実施の形態につ
いての記述に適用される。
【0038】
【発明の効果】本発明の補強構造又は補強方法によれ
ば、元のラーメン構造体を構成する梁及び両柱で囲まれ
る空間を可及的に維持しつつ、そのラーメン構造全体の
耐力を向上させてその変形を抑制することができる。そ
のため商業店舗等として利用される鉄筋コンクリート系
既存建造物について、その使用目的のために必要な空間
をできるだけ維持しつつその耐震性や耐積載荷重性等を
高める上で最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄筋コンクリート造の多層ラーメン構造体の一
部についての説明図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図1におけるIII−III線拡大断面図である。
【符号の説明】
10 梁 12 柱 13 元の柱 14 床スラブ 16 梁 18 小梁 20 下層スラブ 22 鋼管 24 モルタル 26 環状鋼板部 28 鍔状補強部 30 下弦材 32 補強プレート 34 腹材 36 接合用部材 38 リブプレート 40 溝形鋼 42 ボルト 44 ボルト挿通孔 46 リブプレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の補強
    構造であって、前記ラーメン構造体を構成する梁の側方
    に腹材が配され、その腹材の下側に下弦材が配されてお
    り、前記梁の両端に剛接合されて前記ラーメン構造体を
    構成する柱の柱頭部に、前記下弦材の両端部がそれぞれ
    緊結され、前記腹材は、下部が前記下弦材に接合される
    ことにより、その下弦材が下辺部を構成する1又は縦列
    した2以上の実質的な三角形状構面を構成し、各実質的
    三角形状構面を構成する腹材における上部が、前記梁に
    緊結されていることを特徴とする補強構造。
  2. 【請求項2】上記梁の両端に剛接合されて上記ラーメン
    構造体を構成する両柱の両方又は一方が、柱頭部の少な
    くとも一部、又は柱頭部及び柱脚部のそれぞれ少なくと
    も一部を除き、曲げ耐力および/または剪断耐力が補強
    されたものである請求項1記載の補強構造。
  3. 【請求項3】上記梁の下方位置の両側方にそれぞれ下弦
    材が配されると共に、その梁の両側方にそれぞれ腹材が
    配され、前記各下弦材の両端部は、上記柱の柱頭部にそ
    れぞれ緊結され、前記梁の両側方に配された前記各腹材
    は、下部がそれぞれ前記下弦材に接合されることによ
    り、その下弦材が下辺部を構成する1又は縦列した2以
    上の実質的な三角形状構面を構成し、各実質的三角形状
    構面を構成する腹材における上部が、前記梁に緊結され
    ている請求項1又は2記載の補強構造。
  4. 【請求項4】鉄筋コンクリート系ラーメン構造体の補強
    方法であって、前記ラーメン構造体を構成する梁の側方
    に腹材を配し、その腹材の下側に下弦材を配し、前記梁
    の両端に剛接合されて前記ラーメン構造体を構成する柱
    の柱頭部に、前記下弦材の両端部をそれぞれ緊結し、前
    記腹材は、下部を前記下弦材に接合することにより、そ
    の下弦材が下辺部を構成する1又は縦列した2以上の実
    質的な三角形状構面を構成させ、各実質的三角形状構面
    を構成する腹材における上部を、前記梁に緊結すること
    を特徴とする補強方法。
  5. 【請求項5】上記梁の両端に剛接合されて上記ラーメン
    構造体を構成する両柱の両方又は一方に対し、柱頭部の
    少なくとも一部、又は柱頭部及び柱脚部のそれぞれ少な
    くとも一部を除き、曲げ耐力および/または剪断耐力を
    補強することを含む請求項4記載の補強方法。
  6. 【請求項6】上記梁の下方位置の両側方にそれぞれ下弦
    材を配すると共に、その梁の両側方にそれぞれ腹材を配
    し、前記各下弦材の両端部を、上記柱の柱頭部にそれぞ
    れ緊結し、前記梁の両側方に配された前記各腹材は、下
    部をそれぞれ前記下弦材に接合することにより、その下
    弦材が下辺部を構成する1又は縦列した2以上の実質的
    な三角形状構面を構成させ、各実質的三角形状構面を構
    成する腹材における上部を、前記梁に緊結する請求項4
    又は5記載の補強方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005200951A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Taisei Corp 架構補強用面材とこれを利用した既設梁柱架構の補強構造
CN108149943A (zh) * 2017-11-23 2018-06-12 同济大学 一种带有锚钢抗弯加固的钢筋混凝土受弯构件

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