JP2003013345A - 立体構造状ネット - Google Patents

立体構造状ネット

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JP2003013345A
JP2003013345A JP2002145493A JP2002145493A JP2003013345A JP 2003013345 A JP2003013345 A JP 2003013345A JP 2002145493 A JP2002145493 A JP 2002145493A JP 2002145493 A JP2002145493 A JP 2002145493A JP 2003013345 A JP2003013345 A JP 2003013345A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネット目空間を画成する立体紐部さらにはネ
ット全体の保形性がよく、耐圧縮性に優れ、空隙保有率
が高く、軽量で、しかも良好な弾性力を保持でき、クッ
ション材やマット材、スペーサーその他に好適に使用で
きる立体構造状ネットを得る。 【解決手段】 経編編成され、網状の表裏の素地1,2
と、両素地を連結する連結糸3とよりなり、表裏の素地
1,2においてそれぞれ網目を形成する各紐条部11,
21に連結糸3を掛け渡して立体紐部4を形成し、この
立体紐部4により立体的なネット目空間Sを画成し、立
体紐部4における編方向の任意の個所で、連結糸3が表
裏素地1,2の一方から他方側に向って相対応する編目
列より1列もしくは数列離れた編目列に移行させて斜め
に掛け渡して編成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経編編成による立
体構造状ネット、特にネット目空間を画成する立体紐部
の保形性がよくて形が崩れ難くかつ耐圧縮性に優れる立
体構造状ネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、例えば衣料用の通気性スペーサー等(例えば肩パッ
ド)として使用される経編編成によるネットやメッシュ
状編地として、実開平2−74647号公報に見られる
ように、少なくとも一方が網状をなす表裏の素地を連結
糸により連結し、ネット目空間を画成する紐部を立体構
造にして、厚みおよび空隙保有率を高くしたネットが知
られている。
【0003】前記のような立体構造のネットは、ネット
目空間の開口径が大きくなればなるほど、またネットの
厚み(連結糸が掛け渡された紐部の高さ)が大きくなれ
ばなるほど保形性が低下し、曲り変形や倒れ等が生じ易
くなり、厚み方向の具有弾性力が劣ることになる。その
ため、大きな耐圧縮性や弾性力を具有することが要求さ
れる場合には、ネットの厚みやネット目空間の開口径
(差し渡し)は、あまり大きくすることができないもの
で、その用途は限定されている。
【0004】また本発明者は、経編編成による立体構造
状ネットとして、表裏の素地の編成に挿入糸を使った編
成技術により、ネット目空間を画成する立体の紐部を、
複数ウエールの編目列で構成することにより、立体紐部
の耐圧縮性を高くして組織安定を図った立体構造のネッ
トを提案している(特開平5−187011号)。
【0005】しかし、この場合においても、ネット目空
間の開口径が大きくなればなるほど、またネットの厚み
が大きくなればなるほど、保形性が低下して立体紐部の
倒れが生じ易く、厚み方向の耐圧縮力や具有弾性力が劣
ることになる。
【0006】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、ネット目空間を画成する立体の紐部の保形性がよく
て容易に変形せず、耐圧縮性に優れ、空隙保有率が高く
て軽量で、しかも良好な弾性力を保持でき、スペーサー
等の衣料用のネットもしくは医療用の保護ネットとし
て、またクッション材やマット材として、また各種成形
構造物の補強用芯材や中間材等の工業材料として、さら
には法面の植生ネットや保護ネットその他の各種の用途
に広く好適に使用することができる立体構造状ネットを
提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は上記
の課題を解決するものであり、請求項1の発明は、経編
編成により形成され、網状をなす表裏の素地とこれら両
素地を所要の間隔を存して連結する連結糸とよりなり、
表裏の素地においてそれぞれ網目を形成する各紐条部が
編方向に連続する複数ウエールの編目列により構成され
るとともに、表裏の対応する紐条部同士の間にそれぞれ
連結糸が編目列に対応する複数列で掛け渡されて立体紐
部が形成され、該立体紐部によりネット目空間が画成さ
れてなる立体構造状ネットであって、前記連結糸は、前
記立体紐部の表裏紐条部の対応する編目列に掛け渡され
るとともに、前記立体紐部における編方向の任意の個所
において、表裏の素地の一方から他方側に向って、対応
する編目列より1もしくは数列離れた編目列に移行して
斜めに掛け渡されてなることを特徴とする。
【0008】この立体構造状ネットによれば、ネット目
空間を画成する立体紐部自体が、複数ウエールの編目列
と複数列での連結糸の掛け渡しによる立体構造のため
に、連結糸が1列の場合に比して保形性がよいのに加え
て、任意の個所における連結糸の斜めの掛け渡し部分、
すなわち対応する編目列より1もしくは数列離れた編目
列に移行する斜めの掛け渡し部分により、表裏の紐条部
の過度の開きや曲りが規制されて、立体紐部の保形性が
さらに良好なものになり、ネット目空間が部分的に過度
に拡がったりすることがなく、ネット全体に亘って略均
一かつ良好な耐圧縮性を保持できる。またこのため、保
形性や耐圧縮性を低下させることなくネット目空間の口
径およびネットの厚みを大きくすることが可能になる。
【0009】請求項2の発明は、経編編成により形成さ
れ、網状をなす表裏の素地とこれら両素地を所要の間隔
を存して連結する連結糸とよりなり、表裏の素地は、そ
れぞれ網目を形成する紐条部が編方向に連続する1もし
くは複数ウエールの編目列により構成されるとともに、
表裏一方の素地の網目が他方の素地の網目より大きく形
成され、この一方の素地の各紐条部とこれに対応する他
方の素地の紐条部とに連結糸が掛け渡されて立体紐部が
形成され、この立体紐部により前記大きい網目に相当す
るネット目空間が画成され、このネット目空間の内方に
前記他方の素地の紐条部による小さい網目が形成されて
なる立体構造状ネットであって、前記連結糸は、前記立
体紐部の表裏紐条部の対応する編目列に掛け渡されると
ともに、前記立体紐部における編方向の任意の個所にお
いて、表裏の素地の一方から他方側に向って対応する編
目列より1もしくは数列離れた編目列に移行して、ネッ
ト目空間の内方で小さい網目を形成する紐条部に斜めに
掛け渡されてなることを特徴とする。
【0010】この立体構造状ネットによれば、ネット目
空間の内方で小さい網目を形成する表裏一方の連結糸を
有さない紐条部により、ネット目空間を画成する立体紐
部に属する紐条部、ひいては立体紐部の曲り変形等を規
制できるとともに、ネット目空間が部分的に過度に拡が
るのを防止できる。さらにその上、立体紐部の任意の個
所における斜めの掛け渡し部分、すなわち対応する編目
列から1もしくは数列離れた編目列に移行して、前記ネ
ット目空間の内方で小さい網目を形成する紐条部に対し
て斜めに掛け渡された部分により、立体紐部の倒れ等を
防止でき、立体状態およびネット目空間の保形を良好に
なし得る。またそのため、ネットの厚みやネット目空間
の口径を大きくしても、厚み方向の荷重や圧力に対して
強く、空隙率を高く軽量にして、しかも保形性や耐圧縮
性さらには弾力性を良好に保持できるものとなる。
【0011】また、請求項3の発明は、前記同様に経編
編成により表裏の素地と連結糸とより形成され、表裏の
素地は、それぞれ網目を形成する紐条部が両素地それぞ
れの編方向に連続する1もしくは複数ウエールの編目列
により構成されるとともに、両素地それぞれの複数網目
毎に対応する紐条部の部分に連結糸が掛け渡されて立体
紐部が形成され、この立体紐部により表裏の素地の網目
より大きいネット目空間が画成され、このネット目空間
の内方に表裏の素地の紐条部による小さい網目が形成さ
れてなる立体構造状ネットにおいて、前記同様に、前記
連結糸は、前記立体紐部の表裏紐条部の対応する編目列
に掛け渡されるとともに、前記立体紐部における編方向
の任意の個所において、表裏の素地の一方から他方側に
向って対応する編目列より1もしくは数列離れた編目列
に移行して、ネット目空間の内方で小さい網目を形成す
る紐条部に斜めに掛け渡されてなることを特徴とする。
【0012】この発明の場合には、立体的なネット目空
間の内方で小さい網目を形成する連結糸を有さない紐条
部が表裏両側に存しているので、このネット目空間内方
の紐条部により、ネット目空間を画成する立体紐部に属
する表裏の紐条部の曲がり変形防止作用と、前記連結糸
の斜めの掛け渡し部分、特にネット目空間の内方で小さ
い網目を形成する紐条部に対する斜めの掛け渡し部分に
よる傾倒防止作用とにより、立体紐部の保形をさらに良
好になし、ネット目空間が過度に拡がったりすることが
なく、厚み方向の荷重や圧力に対して強く、耐圧縮性に
優れ、良好な弾性力を具有できる。また立体空隙率が高
く軽量なものとなる。
【0013】さらに前記の各発明において、請求項4の
ように、表裏素地において網目を形成する各紐条部が、
それぞれ編方向の所要間隔毎に隣接する左右の紐条部と
交互に結節されてジグザグ状をなし、それぞれ多角形の
網目を形成してなるものが好適である。
【0014】このように形成されていると、立体構造を
なすネットであるにも拘らず、ネットの拡幅調整や折畳
みが容易に可能になる上、ダブルラッシェル機での経編
編成による製造も容易になる。
【0015】請求項5の発明は、前記の表裏の素地の紐
条部が、それぞれ表裏で互いに編方向に位置をずらせて
結節されており、この表裏の紐条部に連結糸が掛け渡さ
れることにより、ネット目空間を画成する立体紐部が交
互に左右に傾斜しているものとすることができる。
【0016】この場合、ネットに対し厚み方向の荷重や
圧力が作用したとき、立体紐部自身がその倒れを相互に
規制するように作用し、これが前記連結糸の斜めの掛け
渡し部分による曲り変形の規制作用と相俟って、ネット
目空間の形状およびネットの立体構造がさらに安定した
ものとなる。すなわち、厚み方向の荷重や圧力に対して
強く、耐圧強度や保形性に優れるとともに、良好な弾性
力を具有できる。
【0017】前記の各発明の立体構造状ネットにおい
て、請求項6のように、連結糸の斜めの掛け渡し部分
が、ネット目空間内において略X状をなすように掛け渡
されてなるものとするのが好ましい。この場合、ネット
目空間の拡開を表裏で略均等に規制できるとともに、立
体紐部の方向性を抑制でき、厚み方向の荷重を受けたと
きに各立体紐部が同じ側に倒れたり変形するのを防止で
き、全体として略均一な方向性のない耐圧縮性が得られ
る。
【0018】特に、請求項7のように、前記のネット目
空間内において略X状をなす連結糸の斜めの掛け渡し部
分が、対応する編目列での掛け渡し部分と交互に編方向
所定コース毎に存して、ネット目空間の開きを規制する
ように設けられてなるものであると、ネット目空間の開
きが小さくて保形性がさらに良好に保持され、全体に略
均一な方向性のない耐圧縮強度が得られ、しかも軽量
で、クッション材等として特に好適に使用できる。
【0019】また前記の各発明の立体構造状ネットにお
いて、請求項8のように、連結糸の斜めの掛け渡し部分
が、立体紐部の内部および/または立体紐部同士の結節
部の内部において立体紐部の幅方向で略X状をなすよう
に掛け渡されてなるものとするのが好ましい。
【0020】この場合にも、立体紐部あるいは結節部の
保形力が高まり、かつ立体紐部の方向性や倒れ等も抑制
され、ネットの厚みやネット目空間の口径を大きくして
も、さらに優れた耐圧縮性および弾力性を保有できる。
特に前記請求項6または7の構成と組合せた場合、立体
紐部の立体状態およびネット目空間の拡開状態を良好に
保持でき、かつ全体として略均一な耐圧縮性や弾力性が
得られる。
【0021】さらに請求項9のように、上記各発明の立
体構造状ネットにおいて、表裏の素地の少なくとも一方
を平地組織で編成した平地部分を、両耳部を含む任意の
個所に設定しておくことができる。またこの立体構造状
ネットにおいて、平地部分における表裏の少なくとも一
方側の素地の構成糸および/または表裏素地間に掛け渡
された連結糸の少なくとも一部が、柔軟性を有する糸よ
りなるものとするのが好ましい。
【0022】前記のように耳部等に平地部分を設定した
立体構造状ネットの場合、例えば編成後に熱セット加工
を行なう際、両耳部の平地部分を利用してピンセットす
ることができ、加工が容易になる上、シート材等の他部
材と組合せて使用する場合に、前記の平地部分を縫合等
による接合部として利用できる。またこの平地部分を利
用して接着剤や両面接着テープによる接合も容易に可能
になり、シート等の他部材との組合せが容易になる。
【0023】特に、請求項10のように両耳部を含む任
意の個所の平地部分に柔軟性を有する糸を使用した場合
は、平地部分を扁平化させ易く、該部の厚みを小さくで
きるため、ミシン針が通り易く縫合が容易になる。また
前記の平地部分で折曲して折畳むことも可能になる。特
に耳部が柔軟な繊維の糸で編成された平地になっている
と、編成後に編幅方向に拡げて立体構造状ネットを拡開
する際、耳部が編方向に収縮し易いため、ネットの全域
に渡ってネット目空間を略均等な所定の形状に拡開しセ
ットすることができる。
【0024】さらに、請求項11のように、前記の立体
構造状ネットにおける平地部分の中央部が、連結糸を有
さない組織で編成されて表裏の素地のみよりなる場合、
この表裏素地を接合することにより、さらに厚みを小さ
くできる。また表裏素地間の空間に、ロープや金属線材
あるいは中空パイプや有孔パイプ、綿やウレタンフォー
ム等の長尺体を挿入することが可能であり、法面等の保
護ネットや植生ネットとして使用する場合、ネットの張
設が容易になるし、またスペーサーに使用する場合はク
ッション性が良くなる。
【0025】請求項12の発明は、経編編成により、表
裏一方側の素地を鎖編糸と挿入糸とにより形成した平地
とし、他方側の素地を網状として、該素地の網目を形成
する紐条部を編方向に連続する複数ウエールの編目列に
より構成し、この網状の素地において網目を形成する紐
条部と前記一方側の素地とに連結糸を掛け渡して片面側
にネット目空間を画成する立体紐部を形成した立体構造
状ネットであって、前記連結糸は、前記の網状の素地に
おける紐条部と前記の平地の素地との対応する編目列に
掛け渡されるとともに、前記立体紐部における編方向の
任意の個所において、表裏の素地の一方から他方側に向
って対応する編目列より1もしくは数列離れた編目列に
移行して斜めに掛け渡されてなる立体構造状ネットとし
たものである。
【0026】この立体構造状ネットの場合、平地による
シートとしての機能と、片面側の立体紐部による立体構
造のネットとしての機能とを併せ持ち、しかもこの片面
側のネットを構成する複数の編目列と複数列の連結糸に
よる立体紐部が、連結糸の斜めの掛け渡し部分、例えば
隣接する立体紐部もしくはその内方の素地部分との間の
斜めの掛け渡し部分による傾倒防止作用により、立体構
造の保形をさらに良好になし、平面的に安定して、しか
も厚み方向の耐圧縮性に優れ、良好な弾性力を具有でき
るものとなる。そのためクッション性を有するスペーサ
ー等として特に好適なものとなる。
【0027】また請求項13のように、前記の立体構造
状ネットにおいて、表裏の素地を網状として編成した立
体構造のネット部を、両耳部を含む任意の個所に設定す
ることができる。この場合、片面平地の部分と立体構造
のネット部の効果で、平面安定性と柔軟性を併せ持つこ
とになる上、その編成は、網状に形成する素地の挿入糸
を、平地を編成するように配するだけでよく、軽量で折
畳みのできるスペーサー等に好適なものを容易に得るこ
とができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面に示
す実施例に基いて説明する。
【0029】図1は、合成繊維糸により経編編成された
1実施例の立体構造状ネット(A)の一部を略示してお
り、図2は同上一部の拡大斜視図を示し、図3は同上の
編組織のラッピング図を示している。
【0030】図において、(1)および(2)は網状を
なす表裏の素地を示し、(3)はこれら両素地(1)
(2)を所要の間隔を存して連結する連結糸を示してい
る。(11)は表側の素地(1)の網目を画成する紐条部
を、また(21)は裏側の素地(2)の網目を画成する紐
条部を示し、それぞれ後述するように複数ウエール(図
の場合は2ウエール)の編目列により構成されている。
さらにこれらの表裏で対応する紐条部(11)と紐条部
(21)の間に、連結糸(3)が紐条部の編目列と同じ複
数列で掛け渡されて、表裏の両素地(1)(2)が連結
されており、これによりネット目空間(S)を画成する
立体紐部(4)が形成されている。(5)は立体紐部
(4)(4)同士の結節部を示している。
【0031】前記の網状をなす表裏の素地(1)(2)
の各紐条部(11)(21)は、それぞれ鎖編糸と、鎖編ウ
エールに対し横振り挿入される挿入糸とにより構成され
る複数ウエールの編目列よりなり、この紐条部(11)
(21)が、それぞれ左右に隣接する紐条部(11)(21)
と網目に相当する所要間隔毎に交互に結節されてジグザ
グ状をなして編方向に連続しており、これにより表裏の
網目がそれぞれ四角形や菱形あるいは略六角形等の多角
形をなしている。(15)および(25)は、紐条部(11)
(11)同士および(21)(21)同士の結節部を示してい
る。
【0032】また連結糸(3)は、基本的には表裏の紐
条部(11)(21)に対応する編目列で掛け渡されて複数
ウエールに渡る幅を持ち、表裏で対応する編目列での通
常の掛け渡し部分(31)が紐条部(11)(21)とともに
編方向にジグザグ状に連続して、立体紐部(4)がその
長手方向および内外にも通気および通水可能な実質的に
立体空隙を有する立体状をなすように形成されている。
【0033】そして、前記立体紐部(4)における編方
向の任意の個所(任意のコース位置)において、前記連
結糸(3)が表裏の素地(1)(2)の一方から他方側
に向って、表裏で相対応する編目列より1もしくは数列
離れた編目列に移行して斜めに掛け渡されている。この
斜めの掛け渡し部分(32)は、後述するように、ネット
目空間(S)内において略X状をなすように掛け渡され
るか、あるいは立体紐部(4)の内部および/または立
体紐部(4)(4)同士の結節部(5)の内部において
略X状をなすように掛け渡される。
【0034】上記実施例の立体構造状ネット(A)は、
2列の針床を有するダブルラッシェル機により経編編成
されて構成されるもので、その編成の具体例を図3に示
すラッピング図に基いて説明する。
【0035】ダブルラッシェル機のフロント側において
は、それぞれ鎖編糸を2本づつ交互に導糸する2種の鎖
編筬(L2 )および(L3 )と、挿入糸を2ウエール毎
に導糸する挿入糸筬(L1 )とにより、鎖編筬(L2 )
および(L3 )による鎖編ウエールに対してそれぞれ挿
入糸を横振り挿入しながら、2ウエールに渡る編目列に
より表側の網状の素地(1)の紐条部(11)をそれぞれ
編成するとともに、網目に相当する所要コース毎に鎖編
筬(L2 )(L3 )の鎖編糸をそれぞれ左右交互に2ウ
エール分横に移行させて編目形成することにより、左右
に隣接する紐条部(11)と交互に結節し、その後、元の
ウエール位置に戻す編成を繰返す。
【0036】また、バック側においても、それぞれ鎖編
糸を2本づつ交互に導糸する2種の鎖編筬(L6 )およ
び(L7 )と、挿入糸を2ウエール毎に導糸する挿入糸
筬(L8 )とにより、鎖編筬(L6 )(L7 )による鎖
編ウエールに対してそれぞれ挿入糸を横振り挿入しなが
ら、2ウエールに渡る編目列により裏側の網状をなす素
地(2)の紐条部(21)をそれぞれ編成するとともに、
網目に相当するコース毎のフロント側と同じコース位置
で鎖編糸を左右交互に2ウエール分横に移行させて編目
形成することにより、左右に隣接する紐条部(21)と交
互に結節し、その後、元のウエール位置に戻す編成を繰
返す。
【0037】さらに、連結糸については、それぞれ2本
づつ交互に導糸する2種の連結糸筬(L4 )および(L
5 )により、表側の紐条部(11)を構成するフロント側
の鎖編筬(L2 )(L3 )によるそれぞれ2ウエールの
編目列と、これに対応する裏側の紐条部(21)を構成す
るバック側の鎖編筬(L6 )(L7 )によるそれぞれ2
ウエールの編目列とに交互に掛け渡して表裏で編目形成
することにより、両素地(1)(2)を連結糸(3)に
より連結するように編成する。
【0038】そして、前記の連結糸筬(L4 )および
(L5 )による対応する編目列での掛け渡しを基本組織
として、図3に示すように、編方向の任意の個所、例え
ばフロントおよびバックの各鎖編筬の移行による紐条部
(11)(11)同士および紐条部(21)(21)同士の結節
部(15)および(25)、すなわち隣接する立体紐部
(4)(4)同士の結節部(5)およびその前後のコー
ス位置において、それぞれ前記の連結糸筬(L4 )およ
び(L5 )の連結糸を、フロントとバックの一方(通常
バック側)から他方側へ掛け渡す際に、前記鎖編筬と同
方向または前記鎖編筬とは反対方向に、対応する編目列
より2ウエール分横に移行させて、隣接する紐条部に相
当する編目列へ斜めに掛け渡して編成し、次に元のウエ
ール位置へ戻して編成する。
【0039】こうして図3の編組織で編成することによ
り、連結糸(3)は、表裏の紐条部(11)(21)と連結
糸の通常の掛け渡し部分(31)とにより構成される立体
紐部(4)が画成するネット目空間(S)内において、
特に編方向両端の結節部(5)の前後位置と編方向の中
央位置で斜めに掛け渡されることになる。
【0040】この編成後、前記の編地をネット状をなす
ように適当に拡幅して表裏の素地(1)(2)の網目、
つまりはネット目空間(S)を開口させるよう拡張して
熱セットすることにより、構成糸として使用した糸に適
度に保形力が付与されて、かつ連結糸(3)の一部がネ
ット目空間(S)内の編方向の両端部と中央部とにおい
て、略X状をなすように斜めに掛け渡された、図1およ
び図2に示す立体構造状ネット(A)が得られる。
【0041】この立体構造状ネット(A)は、連結糸
(3)の斜めの掛け渡し部分(32)により、表裏の紐条
部(11)(21)の過度の開きや曲りが規制されて、かつ
立体紐部(4)の倒れが相互に防止され、また結節部
(5)も補強され、立体紐部(4)の保形性がさらに良
好なものになる。またネット目空間(S)が部分的に過
度に拡がったりすることがなく、ネット全体に亘って略
均一かつ良好な耐圧縮性を保持できるものとなる。した
がって、このネットを単独で、あるい他のシート材等
と接合して、スペーサーやクッション材あるいは法面の
植生用ネットとして使用できる。
【0042】図4の編組織は、上記実施例と同様に、フ
ロント側では鎖編筬(L2 )(L3)と挿入糸筬(L1
)により、またバック側では鎖編筬(L6 )(L7 )
と挿入糸筬(L8)により、それぞれ表裏素地(1)
(2)の2ウエールの編目列よりなる紐条部(11)(2
1)を編成する組織において、両素地(1)(2)を連
結する連結糸(3)の斜めの掛け渡し部分(32)を、ネ
ット目空間(S)内の編方向両端の結節部(5)の前後
位置で略X状にクロスするように配して編成した場合を
示している。
【0043】すなわち、表裏の素地を連結する連結糸
(3)は、2本ずつ交互に導糸する連結糸筬(L4 )と
(L5 )により、表裏で対応する紐条部(11)と(21)
の編目列に交互に掛け渡して、表裏の素地(1)(2)
を連結する編成を基本として、フロントおよびバック側
の鎖編筬(L2 )(L3 )および(L6 )(L7 )の移
行による表裏の紐条部同士の結節部、すなわち立体紐部
同士の結節部(5)の前後のコース位置において、フロ
ントおよびバック側の一方から他方側へ掛け渡す際に、
それぞれ前記鎖編筬(L2 )(L3 )および(L6 )
(L7 )の移行方向と同方向に、対応する編目列より2
ウエール分横に移行させ、次に元のウエール位置へ戻す
ように斜めに掛け渡して編成している。
【0044】これにより、連結糸(3)は、立体紐部
(4)により画成されるネット目空間(S)内における
編方向両端の結節部(5)の前後位置で斜めに掛け渡さ
れて、略X状をなすことになる。すなわち、図2のネッ
トにおけるネット目空間(S)内の中央部の斜めの掛け
渡し部分(32)を有さない立体構造状ネット(A)が得
られ、結節部(5)の両端部を補強できることになる。
なお前記の連結糸の斜めの掛け渡し部分(32)を、結節
部(5)の前後位置の一方側のみに設けることも可能で
ある。
【0045】また、図5の編組織は、上記実施例と同様
に、フロント側では鎖編筬(L2 )(L3 )と挿入糸筬
(L1 )により、またバック側では鎖編筬(L6 )(L
7 )と挿入糸筬(L8 )により、それぞれ表裏素地
(1)(2)の2ウエールの編目列よりなる紐条部(1
1)(21)を編成する組織において、両素地を連結する
連結糸(3)の斜めの掛け渡し部分(32)を、ネット目
空間(S)内においてその編方向の1もしくは数コース
毎交互に配して編成する場合を示している。
【0046】すなわち、表裏の素地を連結する連結糸
(3)は、1本ずつ交互に導糸する連結糸筬(L4 )と
(L5 )により、表裏で対応する紐条部(11)と(21)
の編目列に交互に掛け渡して表裏の素地(1)(2)を
連結する編成を基本として、各コースにおいて、フロン
トおよびバックの一方から他方側へ掛け渡す際に、前記
連結糸筬(L4 )(L5 )をそれぞれ互いに反対方向
に、対応する編目列より2ウエール分横に移行させるよ
うに掛け渡し、またフロントおよびバックの他方側から
一方側へは横に移行させず対応ウエールで掛け渡す編成
を繰返している。
【0047】これにより、連結糸(3)は、立体紐部
(4)により画成されるネット目空間(S)内におい
て、各コースにおいて、対応する編目列に掛け渡される
通常の掛け渡し部分(31)と斜めの掛け渡し部分(32)
とが交互に存在し、斜めの掛け渡し部分(32)がネット
目空間(S)内で略X状をなす図6のごとき立体構造状
ネット(A)が得られる。
【0048】この立体構造状ネット(A)は、ネット目
空間(S)の拡開が斜めの掛け渡し部分(32)により規
制されて、開きが小さくて保形性が良好に保持され、立
体紐部(4)の倒れがなく、全体に略均一な方向性のな
い耐圧縮強度が得られ、しかも軽量で、マットやベッド
用等のクッション材あるいはスペーサー等として特に好
適に使用できるものとなる。
【0049】図7の編組織は、上記実施例と同様に、フ
ロント側の鎖編筬(L2 )(L3 )と挿入糸筬(L1
)、およびバック側の鎖編筬(L6 )(L7 )と挿入
糸筬(L8 )により、表裏素地(1)(2)の2ウエー
ルの編目列による紐条部(11)(21)を編成し、この両
素地(1)(2)を連結糸(3)で連結する立体構造状
ネットにおいて、特に連結糸(3)の組織と糸使いによ
り、厚み方向の弾力性と構造安定性を向上させるように
した場合を示している。
【0050】この編組織において、フルセットで導糸す
る連結糸筬(L4 )と、フルセットまたは1本おきに導
糸する連結糸筬(L5 )とを用い、一方の連結糸筬(L
4 )については、これにより導糸される連結糸を、フロ
ントおよびバックの一方から他方側および他方から一方
側へ、それぞれ表裏で対応する紐条部(11)(21)の編
目列に掛け渡して編成し、また他方の連結糸筬(L5 )
については、各コース毎に、フロントおよびバックの一
方から他方側へ掛け渡す際に、対応する紐条部(11)
(21)の編目列から隣接する紐条部の編目列へ1ウエー
ル分横に移行させるように掛け渡して編成している。
【0051】こうして編成される立体構造状ネットは、
表裏の紐条部とこれに掛け渡される連結糸とにより構成
される各立体紐部において、連結糸筬(L4 )により導
糸される連結糸は全てネット表裏面に対し略直角方向を
なして各編目列で掛け渡され、また連結糸筬(L5 )に
より1本おきに導糸される連結糸は、立体紐部により画
成されるネット目空間(S)内で略X状をなすように各
コース毎に斜めに掛け渡されることになる。さらに連結
糸がフルセットで導糸される場合は、立体紐部内でもX
状に掛け渡されることになる。そのため、立体紐部の耐
圧縮性が高く、かつ倒れ抑制の効果も大きく、構造安定
性およびクッション性に優れた立体構造状ネットが得ら
れる。
【0052】特に、前記の編組織において、連結糸筬
(L4 )の連結糸に熱セット性の低いナイロン糸を用
い、連結糸筬(L5 )および表裏素地を編成する各筬の
糸にそれぞれ熱セット性のよいポリエステル糸等の糸を
使用して、編成後に熱セットすることにより、ナイロン
糸の熱セット性が抑えられてネット厚み方向に良好なク
ッション性を保持するとともに、ポリエステル糸等が熱
セットされて表裏素地の保形性がよく、構造がさらに安
定したものになる。したがって、スペーサーやクッショ
ン材として好適に使用することができる。
【0053】図8の編組織は、上記実施例と同様に、フ
ロント側は鎖編筬(L2 )(L3 )と挿入糸筬(L1 )
により、またバック側は鎖編筬(L6 )(L7 )と挿入
糸筬(L8 )により、表裏素地(1)(2)の紐条部
(11)(21)を2ウエールの編目列により構成するよう
に編成する組織において、両素地を連結する連結糸
(3)の斜めの掛け渡し部分(32)を、特に立体紐部
(4)の内部で編方向の所定コース毎に略X状に配して
編成する場合を示している。
【0054】この編組織の場合、連結糸筬(L5 )は使
わず、連結糸は、1本おきに導糸する連結糸筬(L4 )
を使用し、1もしくは数コース毎(図は1コース毎)
に、フロントおよびバックの一方から他方側へ掛け渡す
際、対応する紐条部の編目列から数ウエール(図は1ウ
エール)分横の編目列に移行させて掛け渡すように編成
している。
【0055】これにより、連結糸(3)は、複数の編目
列による立体紐部(4)において、表裏対応する編目列
での掛け渡し部分(31)と、斜めの掛け渡し部分(32)
とが交互に存することになり、図9に示すように、立体
紐部(4)内でその幅方向で略X状をなすことになる。
【0056】こうして、立体紐部(4)を拡開しネット
目空間(S)を広げて熱セットすることにより、立体紐
部(4)の構造安定性が良好になり、方向性が解消され
て一方側への傾きや倒れが生じ難くなり、厚み方向の耐
圧縮性がさらに良好なものになる。また、連結糸筬が
(L4 )(L5 )の2枚筬使いの場合、連結糸を2倍以
上にすることにより、さらに構造安定性が高く、厚み方
向の耐圧縮性に優れたものが得られる。
【0057】図10に示す編組織は、前記の実施例と同
様に、フロント側の鎖編筬(L2 )(L3 )と挿入糸筬
(L1 )、およびバック側の鎖編筬(L6 )(L7 )と
挿入糸筬(L8 )により、表裏素地(1)(2)の2ウ
エールの編目列による紐条部(11)(21)を編成し、さ
らに連結糸(3)の斜めの掛け渡し部分(32)を立体紐
部(4)と立体紐部(4)(4)同士の結節部(5)の
内部で編方向の所定コース毎に略X状をなすように配し
て編成する場合を示している。
【0058】この実施例の場合、連結糸は、3本おきに
1本ずつ位置をずらせて導糸する連結糸筬(L4 )と
(L5 )により、1もしくは数コース毎(図は1コース
毎)に、フロントおよびバックの一方から他方側へ掛け
渡す際に、紐条部の対応する編目列から1ウエール分横
の編目列に移行させて掛け渡す編成を基本として、各鎖
編筬(L2 )(L3 )および(L6 )(L7 )の移行に
よる表裏の紐条部同士の結節部、すなわち立体紐部同士
の結節部(5)およびその前後のコース位置において、
対応する編目列より2ウエール分横に移行させるように
交互に掛け渡して編成している。
【0059】これにより、連結糸(3)は、立体紐部
(4)の内部に表裏対応する編目列での掛け渡し部分
(31)と、斜めの掛け渡し部分(32)とが交互に存する
とともに、結節部(5)の内部では、図11に示すよう
に、結節部(5)およびその前後では、結節される両立
体紐部(4)(4)の編目列にわたって斜めに掛け渡さ
れて略X状をなすことになる。
【0060】こうして、ネット目空間(S)を広げて熱
セットすることにより、立体紐部(4)およびその結節
部(5)の構造安定性および結合強度が高く、連結糸の
本数が少なくても嵩高かつ軽量でしかも良好な立体構造
を保持できる。また結節部(5)の繊維密度が高くな
り、構造安定性が増し、該ネットを法面の植生用に使用
した場合、ネットの潰れや倒れ防止の効果に優れる。
【0061】上記した各実施例のように、立体紐部
(4)を2ウエール以上の複数ウエールの幅を持たせた
構成としたことにより、単に1ウエールの編目列による
立体紐部の場合に比して、編成が容易に可能であって、
強度や耐圧縮性を高くでき、また連結糸(3)の密度も
高くできる上、表裏の素地による受圧面積、接合面積を
大きくでき、さらに表面の風合をよくする。
【0062】すなわち、立体紐部の強度や耐圧縮性を高
めるには、比較的剛性のある太いモノフィラメント等の
糸を使用する必要があるが、太いモノフィラメント糸の
場合、編成技術上、編ゲージを粗くしなければならず、
編成しにくい。また太いモノフィラメン糸は編ループも
締まりにくく、また表面の凹凸が大きくなって表面の滑
らかさもなくなる。
【0063】これに対して、2ウエール以上の複数ウエ
ールの幅を持つ立体紐部とした場合には、使用する糸を
太くせずに、それと同じかそれ以上の強度や耐圧縮性を
有する立体紐部を構成できることになる。しかも、立体
紐部を構成する表裏の紐条部自体も、複数ウエールの幅
を持つことでその表面積が大きくなり、法面の植生用等
に使用した場合、土砂流出防止効果が大きくなる。また
細い糸を使って耐圧縮性を高めることができるので、表
面積を大きくできることもあって、表面において比較的
平滑な風合を出すことができ、さらに使用上の受圧およ
び接合面積を大きくすることができる。これは、後述す
る実施例についても言える。
【0064】図12および図13は表裏の少なくとも一
方、例えば図のように表裏両側に、立体紐部(4)によ
るネット目空間(S)より小さい網目(13)(23)を形
成した立体構造状ネット(A)において、表裏の素地
(1)(2)を連結する連結糸(3)の一部を所要の個
所で斜めに掛け渡した実施例を示している。
【0065】この実施例の立体構造状ネット(A)は、
その基本構成として、上記の実施例と同様に、表裏それ
ぞれの網状をなす素地(1)(2)の網目(13)(23)
を形成する各紐条部(11)(21)が、1もしくは複数ウ
エール(図は2ウエール)の編目列により構成されると
ともに、両素地(1)(2)それぞれの複数網目毎に対
応する紐条部(11)(21)の部分に連結糸(3)が掛け
渡されて表裏の素地(1)(2)が連結されており、こ
の掛け渡し部分(31)により表裏の素地(1)(2)の
網目より大きいネット目空間(S)が画成され、表裏の
素地(1)(2)の連結糸(3)を有さない紐条部(1
1)(21)の部分で前記ネット目空間(S)の内方にこ
れより小さい複数の網目(13)(23)が形成されてい
る。
【0066】この実施例のネット(A)の場合、表裏の
素地(1)(2)の紐条部(11)(21)がそれぞれネッ
ト目空間(S)の相対向辺間にX状に交差するように架
渡されて4個の網目を形成するように、両素地(1)
(2)の網目(13)(23)の大きさが設定されている。
【0067】そして、連結糸(3)は、立体紐部(4)
における表裏の紐条部(11)(21)の対応する編目列に
掛け渡して編目形成する編成を基本として、その結節部
(5)およびその前後のコース位置と、ネット目空間
(S)内方における連結糸を有さない紐条部(11)(1
1)同士および紐条部(21)(21)同士の結節部(15)
および(25)で表裏に掛け渡された通常の掛け渡し部分
(31)を有するとともに、これら両結節部(15)(25)
と前記結節部(5)の間で連結糸(3)が略X状をなす
ように斜めに掛け渡されている。(32)は斜めの掛け渡
し部分を示す。
【0068】この立体構造状ネット(A)は、ダブルラ
ッシェル機により図13に例示する編組織のごとく編成
する。この編成例について説明する。
【0069】表側の素地(1)を編成するフロント側で
は、それぞれ鎖編糸を2本づつ交互に導糸する2種の鎖
編筬(L2 )および(L3 )と、挿入糸を2ウエール毎
に導糸する挿入糸筬(L1 )とにより、鎖編筬(L2 )
および(L3 )による鎖編ウエールに対してそれぞれ挿
入糸を横振り挿入しながら、2ウエールに渡る編目列に
より表側の網状をなす素地(1)の紐条部(11)をそれ
ぞれ編成するとともに、網目(13)に相当する所要コー
ス毎に鎖編糸を左右交互に2ウエール分横に移行させる
ことにより、左右に隣接する紐条部(11)と交互に結節
し、その後、元のウエール位置に戻して編成する。
【0070】バック側においても、上記同様に鎖編糸を
2本づつ交互に導糸する2種の鎖編筬(L6 )および
(L7 )と、挿入糸を2ウエール毎に導糸する挿入糸筬
(L8)とにより、鎖編筬(L6 )(L7 )による鎖編
ウエールに対してそれぞれ挿入糸を横振り挿入しなが
ら、2ウエールに渡る編目列により裏側の網状をなす素
地(2)の紐条部(21)をそれぞれ編成するとともに、
網目(23)に相当する所要コース毎に鎖編糸を左右交互
に2ウエール分横に移行させて編目形成することによ
り、左右に隣接する紐条部(21)と交互に結節し、その
後、元のウエール位置に戻して編成する。
【0071】前記のように編成される表裏の素地(1)
(2)の紐条部(11)(21)は、それぞれ左右に隣接す
る紐条部(11)(21)と網目(13)(23)に相当する所
要間隔毎に交互に結節されてジグザグ状をなして編方向
に連続しており、これにより網目(13)(23)がそれぞ
れ四角形や菱形あるいは略六角形等の多角形をなしてい
る。
【0072】また、連結糸(3)については、それぞれ
8ウエール毎に2本ずつ交互に導糸する2種の連結糸筬
(L4 )および(L5 )により、表裏の素地(1)
(2)の紐条部(11)(21)を構成するそれぞれ2ウエ
ールの編目列に交互に掛け渡して編目形成することによ
り、両素地(1)(2)を連結糸(3)で連結するとと
もに、上記した鎖編筬(L2 )(L3 )および(L6 )
(L7 )の移行による表裏それぞれの紐条部同士の結節
部(15)および(25)の一つおきに、それぞれ左右に隣
接する紐条部(11)(21)に相当する2ウエールの編目
列の位置に交互に移行させて掛け渡す編成を基本として
いる。
【0073】さらに、前記の連結糸(3)の移行コース
の前後において、フロントおよびバックの一方から他方
側へ掛け渡す際に、隣接する紐条部(11)(21)の編目
列と元の編目列との2ウエールにわたる間で交互に斜め
に掛け渡して編成し、さらに前記一つおきの結節部の間
の他の結節部のコース位置、すなわち本来連結糸を有さ
ない紐条部同士の結節部(15)(25)および立体紐部の
結節部(5)とその前後のコース位置においては、隣接
する紐条部のウエール位置に移行させた後、元のウエー
ル位置に戻し、次に反対側の紐条部のウエール位置に移
行させて斜めに掛け渡すように編成している。
【0074】このように編成することにより、両素地
(1)(2)それぞれの紐条部(11)(21)の複数の網
目毎に連結糸(3)が掛け渡されて、表裏の素地(1)
(2)の網目より大きいネット目空間(S)を画成する
立体紐部(4)が形成され、さらにネット目空間(S)
内において、連結糸(3)の一部が略X状をなすように
掛け渡されたネットが得られる。特に図12のように、
表裏それぞれの連結糸を有さない紐条部同士の結節部
(15)(25)と立体紐部(4)の結節部(5)の間で略
X状をなすように斜めに掛け渡され、かつ前記結節部
(15)(25)間にも連結糸が掛け渡された立体構造状ネ
ット(A)が得られる。
【0075】この立体構造状ネット(A)は、立体紐部
(4)の構造安定性およびネット目空間(S)の形状が
安定し、全体として大きいネット目空間(S)を有する
ものであっても、軽量で耐圧縮性や構造安定性に優れた
ものとなる。しかも大きな立体空隙率を得ることができ
る。
【0076】なお、上記の編成において、表裏一方の素
地、例えば表側の素地(1)の網目を他方の素地(2)
の網目より大きく形成し、この一方の素地(1)の各紐
条部(11)とこれに対応する他方の素地(2)の紐条部
(21)とに連結糸(3)を掛け渡して立体紐部(4)を
形成し、この立体紐部(4)により前記大きい網目に相
当するネット目空間(S)を画成し、このネット目空間
(S)の内方に前記他方の素地(2)の紐条部(21)に
よる小さい網目(23)を形成した立体構造状ネットにし
ておいて、立体紐部(4)における編方向の任意の個所
において、前記連結糸が表裏の素地からそれぞれ他方側
に向って対応する編目列より1もしくは数列離れた編目
列に移行させるようにして、ネット目空間(S)の内方
の小さい網目を形成する紐条部に斜めに掛け渡すことも
可能である。
【0077】例えば、上記した図13の編組織におい
て、表裏一方の例えば表側の紐条部(11)を編成する鎖
編筬(L2 )(L3 )の一方を、8ウエール毎に2本ず
つ導糸することとして、他方側になる裏側の紐条部(2
1)の結節部間隔の2倍のコース毎に交互に左右の紐条
部(11)の2ウエールの編目列の位置に4ウエール分移
行させて編成するとともに、連結糸筬(L4 )(L5 )
を前記鎖編筬の編目列に合せて移行させて編成する組織
を基本として、上記同様に立体紐部(4)の結節部
(5)およびその前後等の任意のコース位置で連結糸
(3)を斜めに掛け渡すようにして編成することにより
得ることができる(図示せず)。
【0078】上記したいずれの実施例の立体構造状ネッ
ト(A)においても、その基本構成における表側の紐条
部(11)(11)同士の結節部(15)と、裏側の紐条部
(21)(21)の結節部(25)とを、表裏で相互に編方向
に位置をずらせて編成することにより、図14に略示す
るように、立体紐部(4)自体が交互に左右に傾斜した
略トラス構造をなすものとすることができる。
【0079】この場合、空隙保有率が高く軽量であっ
て、しかも耐圧強度や保形性に優れ、かつ良好な弾力性
を保有でき、立体構造状ネット(A)としての特性を良
好に維持できることになる。さらに表裏素地(1)
(2)を連結している連結糸(3)が、前記の斜めの掛
け渡しによって、斜めの掛け渡し部分(32)同士、また
は斜めの掛け渡し部分(32)と通常の掛け渡し部分(3
1)とが相互にクロスすることになるため、この立体構
造状ネット(A)を立体構造のフィルターとして使用し
た場合、前記の立体紐部(4)の傾斜と連結糸(3)の
クロス構造によってフィルター効率の大きいものとな
る。
【0080】前記の表裏の結節部(15)(25)の位置を
表裏でずらせるコース数や位置を適宜変更することによ
り、結節部(15)(25)が表裏で互い違いの位置にくる
ようにしたり、表裏で僅かに位置をずらせた構成とする
等、その形態を任意に設定できる。
【0081】図15〜図17の編組織は、図18および
図19に略示するように、図12で略示した4角形の立
体構造状ネットを亀甲形としたもので、立体紐部(4)
を有する亀甲形立体構造状ネットの中に連結糸を有さな
い亀甲形ネットを重ねて編成した立体構造状ネット
(A)において、表裏の素地(1)(2)を連結する連
結糸(3)の一部を所要の個所で斜めに掛け渡した実施
例を示している。
【0082】この編組織によれば、フロント側およびバ
ック側とも、それぞれ鎖編糸を2本ずつ交互に導糸する
鎖編筬(L2 )(L3 )および(L6 )(L7 )と、1
ウエールおきに導糸する挿入糸筬(L1 )(L8 )を用
いて、表裏素地(1)(2)の2ウエールの編目列によ
る紐条部(11)(21)を編成するとともに、それぞれ所
要コース毎に、鎖編筬を隣接する紐条部の編目列の位置
に移行させて、左右に隣接する紐条部と交互に結節し、
その後、元の位置に戻す編成を繰返すが、特に鎖編筬の
移行による結節部のうち、一つおきの結節部において、
隣接する紐条部の編目列の位置への移行を数コースに亘
って繰返すことにより、図18および図19のように結
節部(15)(25)を長くして、結節されていない紐条部
(11)の部分を短くすることにより、網目を形成する立
体紐部(4)により略亀甲形の網目と、連結糸を有さな
い亀甲形の網目を重ねるように形成して編成している。
【0083】そして、前記の形状をなす表裏素地(1)
(2)を連結する連結糸(3)については、図17の組
織のように、短い結節部(15)(25)の個所で、隣接す
る紐条部(11)(21)に対応するウエール位置へ移行さ
せて連結編成するとともに、前記の長い結節部(15)
(25)のコース位置において、それぞれ前記の連結糸筬
(L4 )および(L5 )の連結糸を、フロントとバック
の一方(通常バック側)から他方側へ掛け渡す際に、コ
ース毎交互に対応する編目列より2ウエール分横へ移行
させ、次に元のウエール位置へ戻すようにして、斜めに
掛け渡しながら連結編成する。
【0084】これにより、図18および図19に示すよ
うに、表裏の素地(1)(2)が亀甲形の比較的大きい
網目(13a)(23a)とこれより小さい菱形の網目(13
b)(23b)の特異な形態の網状をなし、かつ両素地
(1)(2)を連結する連結糸(3)は、ネット表裏面
に対し略垂直の掛け渡し部分(31)が、紐条部(11)
(21)の一部を除いて配されて立体的なネット目空間
(S)を画成する立体紐部(4)が形成されるととも
に、長い結節部(15)(15)および(25)(25)間に斜
めの掛け渡し部分(32)が略X状をなすように配された
特異な立体構造状ネット(A)が得られる。
【0085】この立体構造状ネット(A)は、大きい網
目(13a)(23a)によるネット目空間(S)の拡開が
斜めの掛け渡し部分(32)により規制されて、かつ立体
紐部(4)を単位面積当りに対し比較的多く配置するこ
とができ、また保形性も良好に保持され、受圧面を分散
できることもあって、ネット全体に略均一な方向性のな
い耐圧強度が得られ、マットやベッド用等のクッション
材あるいはスペーサー等として特に好適に使用できる。
さらにまた、表裏の素地(1)(2)において紐条部
(11)(21)が占める面積をより大きくすることが可能
で、これにより接着等の手段で他のシート材等と接合し
て複合材を作る場合にも有効なものとなる。
【0086】上記したいずれの発明の実施例において
も、縦横に連結糸を入れないものも編成できる(図示省
略)。図20および図21に示す立体構造状ネット
(A)のように、少なくとも経編編成における編幅方向
の両側端の耳部を含む任意の部分において表裏の素地
(1)(2)の少なくとも一方を平地の組織で編成し、
主に編方向に連続あるいは断続する平地部分(a1 )を
形成しておくことができる。(A1 )はネット部を示
す。前記の平地部分(a1 )を両耳部のみに形成してお
くだけでもよいが、使用上は両耳部のほか、その中間の
1もしくは複数個所に形成しておくのが望ましい。ネッ
ト部(A1 )及び平地部分(a1 )において、連結糸を
任意のコースで斜めに掛け渡して編成する点は、上記し
た各実施例と同様である。
【0087】この立体構造状ネット(A)の場合、編成
後の熱セット加工の際、耳部の平地部分(a1 )を利用
してピンセットして張設状態に保持でき、またシート材
等の他部材と組合せる場合に、平地部分(a1 )を縫合
あるいは接着剤や両面接着テープによる接合部として利
用でき、シート等の他部材との組合せが容易になる。さ
らに平地部分(a1 )を連結金具等の器具の取付け部と
して利用できる。
【0088】また、前記の平地部分(a1 )における表
裏の素地(1)(2)の双方もしくはいずれか一方側の
構成糸として、合成繊維のマルチフィラメント糸や天然
繊維糸等の比較的柔軟性を有する糸を用いることがで
き、さらに平地部分(a1 )の表裏素地(1)(2)間
に掛け渡された連結糸(3)として、前記同様の柔軟性
を有する糸を用いることも、また柔軟性を有する糸と比
較的剛性のあるモノフィラメント糸を混在させて用いる
こともできる。
【0089】この場合、平地部分(a1 )を扁平化させ
易く、該部の厚みを小さくできるため、ミシン針が通り
易く縫合が容易になる。また前記の平地部分(a1 )で
折曲して折畳むことも容易に可能になる。特に耳部等の
平地部分が柔軟な繊維の糸で編成された平地になってい
ると、編成後に編幅方向に拡げ易くかつ立体構造状ネッ
トを拡開する際、耳部においても編方向に収縮し易いた
め、ネットの全域に渡ってネット目空間を略均等な所定
の良好な形状に拡開してセットすることができる。
【0090】前記平地部分(a1 )の構成糸として、さ
らに必要に応じて、熱融着性糸、カーボン糸等の高張力
糸、抗菌糸、高収縮性糸、弾性糸および保水性糸等の1
種以上を用いることもできる。
【0091】さらに前記のように平地部分(a1 )を形
成する立体構造状ネット(A)において、図22のよう
に、平地部分(a1 )の少なくとも幅方向中央部を、連
結糸(3)を有さない組織で編成して表裏の素地(1)
(2)のみにより二層構造に形成しておくことができ
る。
【0092】この場合、この平地部分(a1 )における
表裏素地(1)(2)を、縫合あるいは接着手段により
接合することにより、該平地部分(a1 )の厚みを小さ
くできる。また表裏素地(1)(2)間の内部空間に、
ロープや金属線材あるいは中空パイプや有孔パイプ、綿
やウレタンフォーム等の長尺体(図示省略)を挿入する
ことが可能になる。このようにすることにより、法面等
の保護ネットや植生ネットとして使用する場合、ネット
の敷設、張設が容易になる上、通気、集排水機能および
引張強度を高めることができる。またスペーサーとして
使用する場合は、別の耐圧機能等を付与することができ
る。
【0093】さらに、前記のように平地部分を形成する
場合、平地部分(a1 )の表裏一方の素地を網状として
編成しておくことも可能である。
【0094】図23は本発明のさらに他の実施例を示し
ている。この実施例のネット(A)は、経編編成によ
り、表裏一方側の素地、例えば裏側の素地(2)を鎖編
糸と挿入糸とにより形成した平地とし、他方側の素地
(1)を網状にして形成し、この網状の素地(1)にお
いて網目を形成する複数ウエールの紐条部(11)と他方
側素地(2)とに連結糸(3)を掛け渡して片面側にネ
ット目空間を画成する立体紐部(4)を形成してなるも
ので、特に立体紐部(4)における編方向の任意の個所
において、前記連結糸(3)が表裏の素地(1)(2)
の一方から他方側に向って対応する編目列より1もしく
は数列離れた編目列に移行して斜めに掛け渡した構造を
なしている。
【0095】この立体構造状ネット(A)は、例えば図
24の編組織に示すように、フロント側では、鎖編糸を
2本ずつ交互に導糸する鎖編筬(L2 )(L3 )と1ウ
エールおきに導糸する挿入糸筬(L1 )を用いて、2ウ
エールの編目列による紐条部(11)を編成するととも
に、所要コース毎に、鎖編筬を隣接する紐条部の編目列
の位置に数コースにわたって移行させて、左右に隣接す
る紐条部と交互に結節し、その後元の位置に戻す編成を
繰返して、亀甲形状の網目を形成するように編成し、ま
たバック側では、それぞれフルセットで導糸される鎖編
筬(L6 )と2枚の挿入糸筬(L7 )(L8 )により、
平地組織よりなる裏側素地(2)を編成する。
【0096】さらに、表裏素地(1)(2)を連結する
連結糸(3)については、連結糸筬(L4 )(L5 )に
より、それぞれ2本ずつ交互に導糸して、表側素地
(1)の紐条部(11)の編目列と対応する裏側素地
(2)の編目列に掛け渡して連結する編成を基本とし
て、結接部(15)の個所のコース位置において、フロン
トとバックの一方(通常バック側)から他方側へ掛け渡
す際に、コース毎交互に対応する編目列より2ウエール
分横へ移行させ、次に元のウエール位置へ戻すようにし
て、斜めに掛け渡しながら連結編成する。
【0097】これにより、図23の立体構造状ネット
(A)が得られる。このネット(A)は、シートとして
の機能と、片面側の立体紐部(4)による立体構造のネ
ットとしての機能とを併せ持ち、しかもこの片面側のネ
ットを構成する立体紐部(4)が連結糸(3)の斜めの
掛け渡し部分(32)、例えば隣接する立体紐部(4)も
しくはその内方の素地部分との間の斜めの掛け渡し部分
(32)による傾倒防止作用により、立体紐部(4)の保
形をさらに良好になし、平面的に安定して、しかも厚み
方向の耐圧縮性に優れ、良好な弾性力を具有できるもの
となる。
【0098】なお、図示を省略しているが、上記の各実
施例の立体構造状ネットにおいて、編方向の一定間隔毎
に、部分的に連結糸が表裏素地間に掛け渡されない部分
を有するように編成しておくことができる。このように
編成することにより、編方向に対し略直角方向に連続す
る空間を形成することができ、この部分で折畳んだり、
ロープ等を挿入したりすることができ、さらに使用上好
適な立体構造状ネットを得ることができる。
【0099】また前記の片面を平地とする立体構造状ネ
ットにおいて、図示を省略しているが、表裏の素地を網
状として編成した立体構造のネット部を、両耳部を含む
任意の個所に設定しておくことができる。この場合、網
状に形成する素地の挿入糸を、平地を挿入するように配
するだけで経編編成でき、しかも軽量で折畳みのできる
スペーサー等に好適なものとなる。
【0100】さらに上記した各実施例の立体構造状ネッ
トにおいて、表裏の素地(1)(2)を連結する連結糸
(3)が、部分的に、例えば編方向の一定間隔毎に表裏
に掛け渡されない部分を持つように編成しておくことが
できる。これにより、前記連結糸が掛け渡されない部分
で編方向に対し直角方向の空間を形成することができ、
この部分で折畳んだりロープを挿入したりすることがで
き、さらに好適な立体構造状ネットを得ることができ
る。
【0101】上記の各実施例の立体構造状ネット(A)
において、表裏の素地(1)(2)を構成する糸条は、
用途によっても異なり、特に限定されるものではない
が、通常は合成繊維糸が使用され、ナイロン糸や炭素繊
維糸その他の各種の合成繊維のマルチフィラメント糸や
モノフィラメント糸あるいはその引き揃え糸が好適に用
いられる。また弾性糸、金属性繊維、熱収縮性糸等も用
いられる。もちろん天然繊維の糸を用いることもでき
る。また連結糸(3)としては、前記表裏の素地(1)
(2)を連結して立体状に支えるのに適するように、前
記同様に合成繊維糸や天然繊維糸から弾性や強度等を考
慮して適宜選択され、主に立体構造の保持や弾性力保持
の点からモノフィラメント糸が好適に用いられる。これ
らはいずれも単糸で使用するほか、複数本の引き揃え糸
として用いることができる。
【0102】これらの糸条は、編成後の熱セットもしく
は合成樹脂加工により、適度に剛性および耐圧縮性を与
えることができる。また表裏の素地(1)(2)を連結
する連結糸(3)の本数が多くなり密度が高くなるほ
ど、厚み方向の耐圧強度や弾性力が増す。またナイロン
等の同質素材では太い糸の場合ほど腰が強くなる。各構
成糸にモノフィラメントを使用せず、マルチフィラメン
ト糸等の繊維糸を使用して編成することにより、よりソ
フトな感触、風合を呈するネットが得られる。
【0103】これらの糸条の太さや素材は、用途によっ
て要求される強度や張力、弾性等を考慮して決定され
る。例えば、クッション材やマット材あるいは工業用材
料としては、ダブルラッシェル機により14〜6ゲージ
(針本数/インチ)で編成する場合、網状の素地には5
0〜2000デニール、好ましくは200〜1000デ
ニールの糸が、また連結糸としては100〜5000デ
ニール、好ましくは100〜3000デニールの糸が好
適に用いられる。
【0104】物理的強度を高めたい場合は、4.5〜3
ゲージにして上記よりさらに太い糸を使用でき、強度も
高めることができる。また表裏で太さの異なる糸を用い
て編成することもでき、素地の強度をさらに高めること
ができる。さらに衣料用や医療用のネット等の目的によ
っては、前記よりさらに細い糸を使用することもでき
る。
【0105】また上記の表裏の素地(1)(2)を構成
する糸条および連結糸の全部または一部にマルチフィラ
メントや天然繊維の弾性糸を用いることにより、伸縮性
を持った中空立体構造のネットとすることも可能であ
る。この場合、弾性糸を使用していないネットでは得ら
れないフィット性や弾力性が得られる。また1もしくは
数ウエール毎に、弾性糸、天然糸および合成繊維糸の糸
種を変更して、保形とソフト感のある立体構造とするこ
とも可能である。
【0106】本発明の立体構造状ネット(A)の厚み、
ネット目空間(S)や立体紐部(4)の大きさは、その
用途等によって異なり、例えばマットの芯材やスペーサ
ーとしての使用上は、ネットの厚み数mm〜数10m
m、ネット目空間(S)の開口径(さし渡し)数mm〜
数100mm、紐条部の幅0.5〜200mmの範囲の
ものが一般に用いられるが、もちろん前記寸法外での実
施も可能である。
【0107】上記の立体構造状ネット(A)は、スペー
サー等の衣料用のネットもしくは医療用の保護ネットと
して、またクッション材やマット材として、各種成形構
造物の補強用芯材や中間材等の工業材料として、さらに
は法面の植生ネットや保護ネットその他の各種の用途に
広く好適に使用することができる。
【0108】
【発明の効果】上記したように本発明の立体構造状ネッ
トによれば、ネット目空間を画成する立体紐部の構造安
定性が良好に保持され、特に立体紐部が複数の編目列と
複数列の連結糸の掛け渡し部分で形成し、内部に空隙を
有する立体構造とした場合において、その立体紐部自体
の内部および/または立体紐部同士の結節部で両紐部に
わたってX状をなすように連結糸が掛け渡されるか、あ
るいは立体紐部で画成されたネット目空間内でX状をな
すように掛け渡されることにより、立体紐部の構造安定
性および保形性が著しく向上し、これによりネット目空
間の口径および厚み方向寸法を大きくし、空隙率を高く
して、しかも耐圧縮性や厚み方向の弾性が良好なものと
なる。特に立体紐部に複数ウエールの幅を持たせること
により、空隙率が大きくても、表裏素地の面積を大きく
することができる。
【0109】したがって、衣料用の通気性スペーサーそ
の他の衣料用品として、また医療用ネットとして、また
マット材やクッション材あるいは各種工業製品の中間材
や芯材等として好適に利用できる。さらに、構造安定性
がよく、引張に対しても強く、耐圧縮性、さらには弾性
力も高くなるので、これらの特性を利用して各種の広い
用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体構造状ネットの1実施例の略示斜
視図である。
【図2】同上の1部の拡大斜視図である。
【図3】同上の具体的編組織の1例を示す各構成糸のラ
ッピング図である。
【図4】本発明の他の実施例の編組織を示す各構成糸の
ラッピング図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例の編組織を示す各構
成糸のラッピング図である。
【図6】同上のネットの連結糸の掛け渡し状態を示す一
部の略示説明図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の編組織を示す各構
成糸のラッピング図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の編組織を示す各構
成糸のラッピング図である。
【図9】同上のネットの連結糸の掛け渡し状態を示す一
部の略示説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例の編組織を示す各
構成糸のラッピング図である。
【図11】同上のネットの連結糸の掛け渡し状態を示す
一部の略示説明図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例を示す一部の拡大
斜視図である。
【図13】同上の編組織を示す各構成糸のラッピング図
である。
【図14】さらに他の実施例のネットの連結糸の掛け渡
し状態を示す一部の略示説明図である。
【図15】本発明の他の実施例の立体構造状ネットの編
組織における表側素地の構成糸のラッピング図である。
【図16】同上ネットの編組織における裏側素地の構成
糸のラッピング図である。
【図17】同上ネットの編組織における連結糸のラッピ
ング図である。
【図18】同上ネットの一部の略示拡大平面図である。
【図19】同上ネットの一部の略示拡大斜視図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例の立体構造状ネッ
ト略示平面図である。
【図21】同上ネットの一部の略示拡大断面図である。
【図22】平地部分を形成する他の実施例のネットの一
部の略示拡大断面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例の立体構造状ネッ
ト略示斜視図である。
【図24】同上ネットの編組織を示す各構成糸のラッピ
ング図である。
【符号の説明】
(A) 立体構造状ネット (S) ネット目空間 (1)(2) 表裏の素地 (11)(21) 表裏の紐条部 (15)(25) 表裏紐条部の結節部 (13)(23) 表裏の網目 (3) 連結糸 (31) 通常の掛け渡し部分 (32) 斜めの掛け渡し部分 (4) 立体紐部 (5) 結節部 (A1 ) ネット部 (a1 ) 平地部分

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経編編成により形成され、網状をなす表裏
    の素地とこれら両素地を所要の間隔を存して連結する連
    結糸とよりなり、表裏の素地においてそれぞれ網目を形
    成する各紐条部が編方向に連続する複数ウエールの編目
    列により構成されるとともに、表裏の対応する紐条部同
    士の間にそれぞれ連結糸が複数列で掛け渡されて立体紐
    部が形成され、該立体紐部によりネット目空間が画成さ
    れてなる立体構造状ネットであって、 前記連結糸は、前記立体紐部の表裏紐条部の対応する編
    目列に掛け渡されるとともに、前記立体紐部における編
    方向の任意の個所において、表裏の素地の一方から他方
    側に向って対応する編目列より1もしくは数列離れた編
    目列に移行して斜めに掛け渡されてなることを特徴とす
    る立体構造状ネット。
  2. 【請求項2】経編編成により形成され、網状をなす表裏
    の素地とこれら両素地を所要の間隔を存して連結する連
    結糸とよりなり、表裏の素地は、それぞれ網目を形成す
    る紐条部が編方向に連続する1もしくは複数ウエールの
    編目列により構成されるとともに、表裏一方の素地の網
    目が他方の素地の網目より大きく形成され、この一方の
    素地の各紐条部とこれに対応する他方の素地の紐条部と
    に連結糸が掛け渡されて立体紐部が形成され、この立体
    紐部により前記大きい網目に相当するネット目空間が画
    成され、このネット目空間の内方に前記他方の素地の紐
    条部による小さい網目が形成されてなる立体構造状ネッ
    トであって、 前記連結糸は、前記立体紐部の表裏紐条部の対応する編
    目列に掛け渡されるとともに、前記立体紐部における編
    方向の任意の個所において、表裏の素地の一方から他方
    側に向って対応する編目列より1もしくは数列離れた編
    目列に移行して、ネット目空間の内方で小さい網目を形
    成する紐条部に斜めに掛け渡されてなることを特徴とす
    る立体構造状ネット。
  3. 【請求項3】経編編成により形成され、網状をなす表裏
    の素地とこれら両素地を所要の間隔を存して連結する連
    結糸とよりなり、表裏の素地は、それぞれ網目を形成す
    る紐条部が両素地それぞれの編方向に連続する1もしく
    は複数ウエールの編目列により構成されるとともに、両
    素地それぞれの複数網目毎に対応する紐条部の部分に連
    結糸が掛け渡されて立体紐部が形成され、この立体紐部
    により表裏の素地の網目より大きいネット目空間が画成
    され、このネット目空間の内方に表裏の素地の紐条部に
    よる小さい網目が形成されてなる立体構造状ネットであ
    って、 前記連結糸は、前記立体紐部の表裏紐条部の対応する編
    目列に掛け渡されるとともに、前記立体紐部における編
    方向の任意の個所において、表裏の素地の一方から他方
    側に向って対応する編目列より1もしくは数列離れた編
    目列に移行して、ネット目空間の内方で小さい網目を形
    成する紐条部にも斜めに掛け渡されてなることを特徴と
    する立体構造状ネット。
  4. 【請求項4】表裏の素地において網目を形成する各紐条
    部が、それぞれ編方向の所要間隔毎に隣接する左右の紐
    条部と交互に結節されてジグザグ状をなし、それぞれ多
    角形の網目を形成している請求項1〜3のいずれかに記
    載の立体構造状ネット。
  5. 【請求項5】表裏の素地の紐条部が、それぞれ表裏で互
    いに編方向に位置をずらせて結節されており、この表裏
    の対応する紐条部に連結糸が掛け渡されることにより、
    ネット目空間を画成する立体紐部が交互に左右に傾斜し
    ていることを特徴とする請求項4に記載の立体構造状ネ
    ット。
  6. 【請求項6】連結糸の斜めの掛け渡し部分が、ネット目
    空間内において略X状をなすように掛け渡されてなる請
    求項1〜5のいずれかに記載の立体構造状ネット。
  7. 【請求項7】ネット目空間内において略X状をなす連結
    糸の斜めの掛け渡し部分が、対応する編目列での掛け渡
    し部分と交互に編方向所定コース毎に存して、ネット目
    空間の開きを規制するように設けられてなる請求項6に
    記載の立体構造状ネット。
  8. 【請求項8】連結糸の斜めの掛け渡し部分が、立体紐部
    の内部および/または立体紐部同士の結節部の内部にお
    いて立体紐部の幅方向で略X状をなすように、所定コー
    ス毎に掛け渡されてなる請求項1〜7のいずれかに記載
    の立体構造状ネット。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の立体
    構造状ネットにおいて、表裏の素地の少なくとも一方を
    平地組織で編成した平地部分を、両耳部を含む任意の個
    所に設定してなる立体構造状ネット。
  10. 【請求項10】平地部分における表裏の少なくとも一方
    側の素地の構成糸および/または表裏素地間に掛け渡さ
    れた連結糸の少なくとも一部が、柔軟性を有する糸より
    なる請求項9に記載の立体構造状ネット。
  11. 【請求項11】平地部分の中央部が連結糸を有さない組
    織で編成された表裏の素地のみよりなる請求項9または
    10に記載の立体構造状ネット。
  12. 【請求項12】経編編成により、表裏一方側の素地を鎖
    編糸と挿入糸とにより形成した平地として形成し、他方
    側の素地を網状として、該素地の網目を形成する紐条部
    を編方向に連続する複数ウエールの編目列により構成
    し、この網状の素地の網目を形成する紐条部と前記一方
    側の素地とに連結糸を掛け渡して片面側にネット目空間
    を画成する立体紐部を形成した立体構造状ネットであっ
    て、 前記連結糸は、前記の網状の素地における紐条部と前記
    の平地の素地との対応する編目列に掛け渡されるととも
    に、前記立体紐部における編方向の任意の個所におい
    て、表裏の素地の一方から他方側に向って対応する編目
    列より1もしくは数列離れた編目列に移行して斜めに掛
    け渡されてなることを特徴とする立体構造状ネット。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の立体構造状ネットに
    おいて、表裏の素地を網状として編成した立体構造のネ
    ット部を、両耳部を含む任意の個所に設定してなる立体
    構造状ネット。
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JP2009057670A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Maeda Kosen Co Ltd 経編ネット地及びそれよりなる土木用資材
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