JP2003012612A - ペリレンの製造方法 - Google Patents

ペリレンの製造方法

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JP2003012612A
JP2003012612A JP2001197932A JP2001197932A JP2003012612A JP 2003012612 A JP2003012612 A JP 2003012612A JP 2001197932 A JP2001197932 A JP 2001197932A JP 2001197932 A JP2001197932 A JP 2001197932A JP 2003012612 A JP2003012612 A JP 2003012612A
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perylene
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alkali
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JP2001197932A
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Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
Maki Sugano
真樹 菅野
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Artience Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機EL素子用材料として有用なアミノペリレ
ン誘導体の製造方法を提供すること。 【解決手段】3,4,9,10位にそれぞれカルボキシ
ル基を有するペリレンにアンモニアを反応させた後、ア
ルカリの存在下、臭素を反応させ、さらにアルカリの存
在下、芳香族ハロゲン化合物を反応させることを特徴と
する3,4,9,10位にそれぞれジ置換アミノ基を有
するペリレンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノペリレン誘
導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、有機エレク
トロルミネッセンス(EL)素子用材料として有用なア
ミノペリレン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機物質を使用したEL素子は、
固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての
用途が有望視され、様々な開発が行われている。有機E
L素子用材料として用いることができるペリレン誘導体
としては、例えば、特開平10−36832号公報、特
開平10−251633号公報、特開平11−1448
69号公報、USP6013383号に記載のアミノペ
リレン誘導体が知られている。これらの誘導体のうちの
一部は、フルカラーの赤色発光材料として特に有用であ
るが、これら公報に記載されているアミノペリレン誘導
体は、その製造方法が不明であったり、あるいは、ハロ
ゲン化ペリレンを原料とした製造方法が記載されている
のみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ハロゲン化ペリレ
ンを原料とした製造方法を用いてアミノペリレン誘導体
を製造する場合、先ず、ペリレンのハロゲン化によって
ハロゲン化ペリレンの混合物を得た後、目的とするハロ
ゲン化ペリレンを分離精製し、次工程の反応(ジアリー
ルアミノ化反応)を行う。しかしながら、上記のハロゲ
ン化反応によって得られるハロゲン化ペリレンの混合物
は、ハロゲンの置換数の異なるハロゲン化ペリレンや置
換位置の異なる位置異性体の混合物として得られるた
め、ペリレンの3,4,9,10位に置換基を有する異
性体のみを分離することが極めて困難であった。そこ
で、特定構造のアミノペリレンのみを選択的に得るため
の有用な原料とその製造方法が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の諸
問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、3,4,9,10位
にそれぞれカルボキシル基を有するペリレンとアンモニ
アもしくは芳香族1級アミンとを反応させることを特徴
とする3,4,9,10位にそれぞれカルバモイル基を
有するペリレンの製造方法に関する。
【0006】また、本発明は、3,4,9,10位にそ
れぞれカルバモイル基を有するペリレンにアルカリの存
在下、臭素を反応させることを特徴とする3,4,9,
10位にそれぞれ未置換またはモノ置換のアミノ基を有
するペリレンの製造方法に関する。
【0007】また、本発明は、3,4,9,10位にそ
れぞれ未置換またはモノ置換のアミノ基を有するペリレ
ンにアルカリの存在下、芳香族ハロゲン化合物を反応さ
せることを特徴とする3,4,9,10位にそれぞれジ
置換アミノ基を有するペリレンの製造方法に関する。
【0008】また、本発明は、3,4,9,10位にそ
れぞれカルボキシル基を有するペリレンにアンモニアも
しくは芳香族1級アミンを反応させた後、アルカリの存
在下、臭素を反応させることを特徴とする3,4,9,
10位にそれぞれ未置換またはモノ置換のアミノ基を有
するペリレンペリレンの製造方法に関する。
【0009】また、本発明は、3,4,9,10位にそ
れぞれカルバモイル基を有するペリレンにアルカリの存
在下、臭素を反応させた後、アルカリの存在下、芳香族
ハロゲン化合物を反応させることを特徴とする3,4,
9,10位にそれぞれジ置換アミノ基を有するペリレン
の製造方法に関する。
【0010】また、本発明は、3,4,9,10位にそ
れぞれカルボキシル基を有するペリレンにアンモニアも
しくは芳香族1級アミンを反応させた後、アルカリの存
在下、臭素を反応させ、さらにアルカリの存在下、芳香
族ハロゲン化合物を反応させることを特徴とする3,
4,9,10位にそれぞれジ置換アミノ基を有するペリ
レンの製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、詳細にわたって本発明を説
明する。先ず、下記化学式[2]が代表例である3,
4,9,10位にそれぞれカルバモイル基を有するペリ
レンの製造方法として、下記化学式[1]が代表例であ
る3,4,9,10位にそれぞれカルボキシル基を有す
るペリレンを原料とし、これらにアンモニア水を反応さ
せる方法をあげることができる。この際、アンモニアと
の反応を円滑に進行させるため、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド等の縮合剤を用いるのが好ましい。また、反
応溶媒としては、水の他、メタノールやエタノール、ジ
メチルホルムアミド、ジクロロメタン等の有機溶媒、さ
らにはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒が適してい
る。反応は通常、室温〜200℃位の範囲で行う。ま
た、反応終了後は、抽出や再結晶といった業界公知の方
法によって精製を行うことで、3,4,9,10位にそ
れぞれカルバモイル基を有するペリレンを得ることがで
きる。
【0012】なお、本発明において、3,4,9,10
位にそれぞれカルボキシル基を有するペリレンとして、
反応中に3,4,9,10位にそれぞれカルボキシル基
を有するペリレンを発生することのできる対応する酸無
水物、酸イミドもしくはエステル化合物を使用すること
もできる。
【0013】また、本発明において、アンモニアの代わ
りにアニリンやp−メチルアニリン、4−アミノスチル
ベン等の芳香族1級アミンを用いても良い。この場合の
反応で得られるペリレン誘導体は、カルバモイル基中の
水素原子が芳香族基に置換されたペリレン誘導体である
が、このようなペリレン誘導体を含めて本明細書では、
3,4,9,10位にそれぞれカルバモイル基を有する
ペリレンと定義する。 化学式[1]
【0014】
【化1】
【0015】化学式[2]
【0016】
【化2】
【0017】次に、下記化学式[3]が代表例である
3,4,9,10位にそれぞれ未置換またはモノ置換の
アミノ基を有するペリレンの製造方法としては、3,
4,9,10位にそれぞれカルバモイル基を有するペリ
レンを原料としてアルカリの存在下、臭素を反応させる
方法をあげることができる。ここで、3,4,9,10
位にそれぞれ未置換のアミノ基を有するペリレンを製造
するためには、先に説明した3,4,9,10位にそれ
ぞれカルバモイル基を有するペリレンにおけるカルバモ
イル基中の水素原子が芳香族基に置換されていないもの
を原料に用い、一方、3,4,9,10位にそれぞれモ
ノ置換のアミノ基を有するペリレンを製造するために
は、先に説明した3,4,9,10位にそれぞれカルバ
モイル基を有するペリレンにおけるカルバモイル基中の
水素原子が芳香族基に置換されているものを原料に用い
る。
【0018】ここで、アルカリとしては、水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物
をあげることができる。また、溶媒としては、メタノー
ルやエタノール、2−プロパノール等のアルコール溶液
が好ましい。反応は、先ずこれらアルコール中にアルカ
リを溶解し、臭素を添加することで次亜臭素酸を生成せ
しめた後、3,4,9,10位にそれぞれカルバモイル
基を有するペリレンを添加することが好ましい。この際
の反応温度としては、3,4,9,10位にそれぞれカ
ルバモイル基を有するペリレン添加時には−5〜30℃
が好ましく(さらに好ましくは−5〜5℃)、添加した
後に60℃〜80℃に加熱することが好ましい。
【0019】なお、本発明において、3,4,9,10
位にそれぞれ未置換またはモノ置換のアミノ基を有する
ペリレンは、通常、アミノ基中の水素を2つ有する未置
換のアミノ基として得られることが好ましいが、必要に
応じてアミノ基中の水素が1つ芳香族基で置換されたモ
ノ置換のアミノ基としてもよい。 化学式[3]
【0020】
【化3】
【0021】次に、下記一般式[1]が代表例である
3,4,9,10位にそれぞれジ置換アミノ基を有する
ペリレンの製造方法としては、3,4,9,10位にそ
れぞれ未置換またはモノ置換のアミノ基を有するペリレ
ンにアルカリの存在下、芳香族ハロゲン化合物を反応さ
せる方法をあげることができる。ここで、芳香族ハロゲ
ン化合物としては、一般式[1]のR1〜R8に相当する
炭素数3〜30の置換もしくは未置換の1価の芳香族炭
化水素基もしくは芳香族複素環基と、ハロゲン原子との
結合からなる芳香族ハロゲン化合物があげられる。
【0022】なお、本発明において、3,4,9,10
位にそれぞれジ置換アミノ基を有するペリレンは、2つ
の芳香族置換基を有するアミノ基が好ましいが、必要に
応じて一方のみが芳香族置換基であってもよい。また、
ジ置換アミノ基がプロトンなどのプロトン性化合物が付
加したアンモニウム塩となっていてもよい。 一般式[1]
【0023】
【化4】
【0024】(式中、R1〜R8は、それぞれ、独立に炭
素数3〜30の置換もしくは未置換の1価の芳香族炭化
水素基もしくは芳香族複素環基である。R1〜R8は、隣
接する置換基同士で一体となって、環を形成してもよ
い。) ここで、1価の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜
30の1価の単環、縮合環、環集合炭化水素基があげら
れる。炭素数6〜30の1価の単環芳香族炭化水素基と
しては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p
−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メ
シチル基等の炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基
があげられる。
【0025】また、1価の縮合環炭化水素基としては、
1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、
2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンス
リル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、
2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレ
ル基等の炭素数10〜30の1価の縮合環炭化水素基が
あげられる。
【0026】また、1価の環集合炭化水素基としては、
o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェ
ニリル基等の炭素数12〜30の1価の環集合炭化水素
基があげられる。
【0027】また、1価の芳香族複素環基としては、2
−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエ
ニル基、1−ピローリル基、2−ピローリル基、3−ピ
ローリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピ
リジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−
イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチア
ゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2
−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−
キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キ
ノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル
基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−
インドリル基、N−カルバゾリル基、N−アクリジニル
基といった炭素数3〜30の1価の芳香族複素環基があ
げられる。
【0028】本発明において、ペリレンの3,4,9,
10位以外の水素、あるいは、R1〜R8の芳香族炭化水
素基もしくは芳香族複素環基の水素は、置換基によって
置換されていても良い。
【0029】このような置換基としては、1価の脂肪族
炭化水素基、1価の脂肪族複素環基、アルコキシル基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
置換アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、2−シアノエ
テニル基、2,2−ジシアノエテニル基、1,2,2−
トリシアノエテニル基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、ベンジル基、スチリル基
等があげられる。
【0030】ここで、1価の脂肪族炭化水素基として
は、炭素数1〜18の1価の脂肪族炭化水素基を指し、
そのようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、シクロアルキル基があげられる。
【0031】したがって、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデ
シル基、オクタデシル基といった炭素数1〜18のアル
キル基があげられる。
【0032】また、アルケニル基としては、ビニル基、
1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル
基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル
基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデ
セニル基といった炭素数2〜18のアルケニル基があげ
られる。
【0033】また、アルキニル基としては、エチニル
基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニ
ル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニ
ル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基といった
炭素数2〜18のアルキニル基があげられる。
【0034】また、シクロアルキル基としては、シクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロオクタデシル基といった炭素数3〜18のシクロ
アルキル基があげられる。
【0035】また、1価の脂肪族複素環基としては、2
−ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モ
ルホリニル基といった炭素数3〜18の1価の脂肪族複
素環基があげられる。
【0036】また、アルコキシル基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基、オクチルオキシ基、オクタデシルオ
キシ基といった炭素数1〜18のアルコキシル基があげ
られる。
【0037】また、アリールオキシ基としては、フェノ
キシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフ
チルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリル
オキシ基、1−ピレニルオキシ基といった炭素数6〜1
8のアリールオキシ基があげられる。
【0038】また、アルキルチオ基としては、メチルチ
オ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシ
ルチオ基、オクチルチオ基、オクタデシルチオ基といっ
た炭素数1〜18のアルキルチオ基があげられる。
【0039】また、アリールチオ基としては、フェニル
チオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブ
チルフェニルチオ基、1−ピレニルチオ基といった炭素
数6〜18のアリールチオ基があげられる。
【0040】また、置換アミノ基としては、N−メチル
アミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミ
ノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブ
チルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベン
ジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−
N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、
N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス
(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニ
リル)アミノ基、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリ
ル]アミノ基、N−p−ビフェニリル−N−フェニルア
ミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N
−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−フェナン
トリル−N−フェニルアミノ基等の炭素数1〜18の置
換アミノ基があげられる。
【0041】化学式[1]〜[3]および一般式[1]
として、ペリレンのテトラアミノ置換体を代表例として
示したが、少なくともペリレンの3,4,9,10位が
ジ置換アミノ基であれば、必要に応じてペンタアミノ置
換体など5以上のアミノ置換体であってもよい。
【0042】また、ハロゲン原子としては、フッ素原子
および塩素原子があげられる。
【0043】また、アシル基としては、アセチル基、プ
ロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニ
ル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シ
ンナモイル基等の炭素数2〜18のアシル基があげられ
る。
【0044】また、アルコキシカルボニル基としては、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基等の炭素数2〜18のアルコキシ
カルボニル基があげられる。
【0045】また、アリールオキシカルボニル基として
は、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニ
ル基等の炭素数7〜18のアリールオキシカルボニル基
があげられる。
【0046】また、アルキルスルホニル基としては、メ
シル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等
の炭素数1〜18のアルキルスルホニル基があげられ
る。
【0047】また、アリールスルホニル基としては、ベ
ンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等の炭素数
6〜18のアリールスルホニル基があげられる。
【0048】3,4,9,10位にそれぞれジ置換アミ
ノ基を有するペリレンの製造方法において用いる芳香族
ハロゲン化合物としては、芳香族臭素化合物もしくは芳
香族ヨウ素化合物を用いることが好ましい。
【0049】そのような、芳香族臭素化合物の具体例と
しては、ブロモベンゼン、o−ブロモトルエン、m−ブ
ロモトルエン、p−ブロモトルエン、o−ブロモアニソ
ール、m−ブロモアニソール、p−ブロモアニソール、
p−ブロモベンゾニトリル、4−フルオロブロモベンゼ
ン、2−ブロモ−1,4−キシレン、2−ブロモビフェ
ニル、3−ブロモビフェニル、4−ブロモビフェニル、
1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ブ
ロモ−4−メチルナフタレン、9−ブロモアントラセ
ン、3−ブロモスチルベン、4−ブロモスチルベン、4
−ブロモ−4’−メチルスチルベン等を例示することが
できる。
【0050】また、芳香族ヨウ素化合物の具体例として
は、ヨードベンゼン、o−ヨードトルエン、m−ヨード
トルエン、p−ヨードトルエン、o−ヨードアニソー
ル、m−ヨードアニソール、p−ヨードアニソール、p
−ヨードベンゾニトリル、4−フルオロヨードベンゼ
ン、2−ヨード−1,4−キシレン、2−ヨードビフェ
ニル、3−ヨードビフェニル、4−ヨードビフェニル、
1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ヨ
ード−4−メチルナフタレン、9−ヨードアントラセ
ン、3−ヨードスチルベン、4−ヨードスチルベン、4
−ヨード−4’−メチルスチルベン等を例示することが
できる。
【0051】また、反応の際には、通常、銅触媒もしく
はパラジウム触媒を用いる。銅触媒としては、銅粉、第
一塩化銅、第一週か銅、第一ヨウ化銅を用いるのがこと
が好ましく、パラジウム触媒としては、酢酸パラジウ
ム、パラジウムアセチルアセトナート等の2価の有機パ
ラジウム化合物ならびにトリス(ジベンジリデンアセト
ン)二パラジウム等の0価の有機パラジウム化合物を用
いるのが好ましい。また、反応時に用いるアルカリとし
ては、上記銅触媒もしくはパラジウム触媒によって使い
分けることが好ましいが、銅触媒を用いる場合には、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸カルシウム等の無機水酸化物もしくは
炭酸塩を用いるのが好ましい。一方、パラジウム触媒を
用いる場合には、ナトリウム−tert−ブトキシド、
カリウム−tert−ブトキシド等の有機アルコキシド
を用いるのが好ましい。また、銅触媒を用いる場合に
は、18−クラウン−6等のクラウンエーテルや1,1
0−フェナントロリン等の助触媒を用いてもよく、パラ
ジウム触媒を用いる場合には、トリトリルホスフィン、
トリ−tert−ブチルホスフィン等の有機ホスフィン
を用いることが好ましい。
【0052】以上述べたように、本発明の製造方法は、
特定構造の有機EL素子用材料を選択的に得る方法とし
て有用である。
【0053】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではな
い。尚、例中、部とは、特に断りのない限り重量部を表
す。 実施例1 3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸テトラア
ミド(化学式[2])の合成 3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸10部を
含む2−プロパノール溶液200部を氷で冷やし、かき
まぜながらジシクロヘキシルカルボジイミド19.5部
を加えた。この混合物を15分間かき混ぜ、濃アンモニ
ア水10部を加えた。さらにかき混ぜながら室温まで加
温した。この溶液に水200部を加えた後、クロロホル
ム200部で抽出した。クロロホルム溶液を3N−塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナト
リウム水溶液の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、溶媒を除去し得られた固体をエタノール−水から
再結晶し、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸テトラアミド8.5部を得た。IR、NMR、マスス
ペクトル、元素分析により構造を確認した。 実施例2 3,4,9,10−テトラアミノペリレン(化学式
[3])の合成 3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸テトラア
ミド10.6部、水酸化ナトリウム4.6部、メタノー
ル230部からなる溶液に、臭素6部を加えて良く混和
し、水浴上で1時間加熱した後、酢酸酸性にした。しか
る後メタノールを留去した残査に酢酸エチル200部を
添加して生成物を抽出し、この酢酸エチル溶液を水洗し
た。硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを除去
し得られた固体をエタノールから再結晶し、3,4,
9,10−テトラアミノペリレン6.8部を得た。I
R、NMR、マススペクトル、元素分析により構造を確
認した。 実施例3 3,4,9,10−テトラキス(ジフェニルアミノ)ペ
リレンの合成 3,4,9,10−テトラアミノペリレン5部、ヨード
ベンゼン28.7部、1,10−フェナントロリン0.
8部、第一塩化銅0.5部、キシレン40部からなる溶
液を加熱還流し、均一な溶液になったことを確認した
後、水酸化カリウム5.3部を加え5時間加熱した。さ
らに水酸化カリウム4.3部を加え15時間加熱後、室
温まで冷却し、この溶液にトルエン150部を加え、濾
過した。濾液を蒸発乾固して得た残査をカラムクロマト
グラフィーで精製した後、クロロホルム−メタノールよ
り再結晶すると、3,4,9,10−テトラキス(ジフ
ェニルアミノ)ペリレン9.6部を得た。IR、NM
R、マススペクトル、元素分析により構造を確認した。 実施例4 3,4,9,10−テトラアミノペリレン(化学式
[3])の合成 3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸10部を
含むエタノール溶液300部を氷で冷やし、かきまぜな
がらジシクロヘキシルカルボジイミド19.5部を加え
た。この混合物を15分間かき混ぜ、濃アンモニア水1
0部を加えた。さらにかき混ぜながら室温まで加温し
た。この溶液に水200部を加えた後、クロロホルム2
00部で抽出した。クロロホルム溶液を3N−塩酸、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム
水溶液の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を除去し得られた残査に、水酸化ナトリウム4部、
エタノール200部からなる溶液に、臭素5.5部を加
えて良く混和し、水浴上で1時間加熱した後、酢酸酸性
にした。しかる後エタノールを留去した残査に酢酸エチ
ル200部を添加して生成物を抽出し、この酢酸エチル
溶液を水洗した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸
エチルを除去し得られた固体をエタノールから再結晶
し、3,4,9,10−テトラアミノペリレン5.2部
を得た。IR、NMR、マススペクトル、元素分析によ
り構造を確認した。 実施例5 3,4,9,10−テトラキス(ジ−p−トリルアミ
ノ)ペリレンの合成 3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸テトラア
ミド10.6部、水酸化ナトリウム4.6部、メタノー
ル230部からなる溶液に、臭素6部を加えて良く混和
し、水浴上で1時間加熱した後、酢酸酸性にした。しか
る後メタノールを留去した残査に酢酸エチル200部を
添加して生成物を抽出し、この酢酸エチル溶液を水洗し
た。硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチルを除去
し得られた残査に、p−ブロモトルエン30.4部、酢
酸パラジウム0.01部、トリ−tert−ブチルホス
フィン0.035部、ナトリウム−tert−ブトキシ
ド23.4部、キシレン40部からなる溶液を100℃
にて1時間加熱した。その後、室温まで冷却し、この溶
液を濾過した。濾液を蒸発乾固して得た残査をカラムク
ロマトグラフィーで精製した後、クロロホルム−メタノ
ールより再結晶すると、3,4,9,10−テトラキス
(ジ−p−トリルアミノ)ペリレン14.5部を得た。
IR、NMR、マススペクトル、元素分析により構造を
確認した。 実施例6 3,4,9,10−テトラキス(ジ−p−トリルアミ
ノ)ペリレンの合成 3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸10部を
含むエタノール溶液300部を氷で冷やし、かきまぜな
がらジシクロヘキシルカルボジイミド19.5部を加え
た。この混合物を15分間かき混ぜ、濃アンモニア水1
0部を加えた。さらにかき混ぜながら室温まで加温し
た。この溶液に水200部を加えた後、クロロホルム2
00部で抽出した。クロロホルム溶液を3N−塩酸、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム
水溶液の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を除去し得られた残査に、水酸化ナトリウム4部、
エタノール200部からなる溶液に、臭素5.5部を加
えて良く混和し、水浴上で1時間加熱した後、酢酸酸性
にした。しかる後エタノールを留去した残査に酢酸エチ
ル200部を添加して生成物を抽出し、この酢酸エチル
溶液を水洗した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸
エチルを減圧下除去し、得られた残査に、p−ブロモト
ルエン23.9部、酢酸パラジウム0.01部、トリ−
tert−ブチルホスフィン0.035部、ナトリウム
−tert−ブトキシド16.6部、キシレン200部
からなる溶液を100℃にて1時間加熱した。その後、
室温まで冷却し、この溶液を濾過した。濾液を蒸発乾固
して得た残査をカラムクロマトグラフィーで精製した
後、クロロホルム−メタノールより再結晶すると、3,
4,9,10−テトラキス(ジ−p−トリルアミノ)ペ
リレン12.4部を得た。IR、NMR、マススペクト
ル、元素分析により構造を確認した。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造方法
は、特定構造の有機EL素子用材料を選択的に得る方法
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/06 610 C09K 11/06 610

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4,9,10位にそれぞれカルボキシ
    ル基を有するペリレンとアンモニアもしくは芳香族1級
    アミンとを反応させることを特徴とする3,4,9,1
    0位にそれぞれカルバモイル基を有するペリレンの製造
    方法。
  2. 【請求項2】3,4,9,10位にそれぞれカルバモイ
    ル基を有するペリレンにアルカリの存在下、臭素を反応
    させることを特徴とする3,4,9,10位にそれぞれ
    未置換またはモノ置換のアミノ基を有するペリレンの製
    造方法。
  3. 【請求項3】3,4,9,10位にそれぞれ未置換また
    はモノ置換のアミノ基を有するペリレンにアルカリの存
    在下、芳香族ハロゲン化合物を反応させることを特徴と
    する3,4,9,10位にそれぞれジ置換アミノ基を有
    するペリレンの製造方法。
  4. 【請求項4】3,4,9,10位にそれぞれカルボキシ
    ル基を有するペリレンにアンモニアもしくは芳香族1級
    アミンを反応させた後、アルカリの存在下、臭素を反応
    させることを特徴とする3,4,9,10位にそれぞれ
    未置換またはモノ置換のアミノ基を有するペリレンの製
    造方法。
  5. 【請求項5】3,4,9,10位にそれぞれカルバモイ
    ル基を有するペリレンにアルカリの存在下、臭素を反応
    させた後、アルカリの存在下、芳香族ハロゲン化合物を
    反応させることを特徴とする3,4,9,10位にそれ
    ぞれジ置換アミノ基を有するペリレンの製造方法。
  6. 【請求項6】3,4,9,10位にそれぞれカルボキシ
    ル基を有するペリレンにアンモニアもしくは芳香族1級
    アミンを反応させた後、アルカリの存在下、臭素を反応
    させ、さらにアルカリの存在下、芳香族ハロゲン化合物
    を反応させることを特徴とする3,4,9,10位にそ
    れぞれジ置換アミノ基を有するペリレンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2890668A4 (en) * 2012-08-30 2016-09-07 Basf Se USEFULLY PREPARED NAPHTHALINE AND PERYLENE DERIVATIVES AS BUILDING BLOCKS FOR ORGANIC ELECTRONIC MATERIALS AND DYES
WO2020039708A1 (ja) 2018-08-23 2020-02-27 国立大学法人九州大学 有機エレクトロルミネッセンス素子

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