JP2003011235A - 光造形装置 - Google Patents

光造形装置

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JP2003011235A
JP2003011235A JP2001195147A JP2001195147A JP2003011235A JP 2003011235 A JP2003011235 A JP 2003011235A JP 2001195147 A JP2001195147 A JP 2001195147A JP 2001195147 A JP2001195147 A JP 2001195147A JP 2003011235 A JP2003011235 A JP 2003011235A
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resin composition
resin
elevator
heating means
tank
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Kenji Yamano
健治 山野
Atsunori Watabe
厚則 渡部
Ryoji Yamamura
良二 山村
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Denken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータ上に積層された樹脂組成物が、成
形作業の途中でゾル化してしまうことを防止して、立体
造形物を精度良く成形することができ、また、樹脂組成
物の余剰分を、成形作業の間に速やかに回収し、そのま
ま再利用することができる等、種々の利点を有する光造
形装置を提供する。 【解決手段】 この光造形装置は、可逆的急速相転移性
樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分とを含
む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を実施す
るための装置であって、加熱手段を有する樹脂組成物貯
留用のタンクと、上下方向へ移動可能なように構成され
たエレベータと、加熱手段を有する樹脂供給部と、エレ
ベータ上へ樹脂組成物を塗布するためのリコータとを有
し、エレベータと樹脂供給部との間に断熱手段を介在さ
せることによって、エレベータ上に積層された樹脂組成
物の、成形作業中におけるゾル化を、好適に回避できる
ように構成されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性成分を含
む樹脂組成物に光を照射することによって立体的な造形
物を形成するという、光造形法を実施するための光造形
装置に関し、特に、可逆的急速相転移性樹脂成分を含む
光造形法用樹脂組成物を使用した光造形法を、好適に実
施することができる光造形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光造形法用の樹脂組成物とし
て、様々な種類のものが開発され、実用に供されてい
る。例えば、特開2001−49129号公報には、温
度変化によって可逆的かつ急速にゾル−ゲル相転移を引
き起こす機能を有する「可逆的急速相転移性樹脂成分」
と、光照射により硬化する「光硬化性成分」とを含むこ
とを特徴とする光造形法用樹脂組成物に関連する技術が
開示されている。
【0003】また、この公報には、「可逆的急速相転移
性樹脂成分を含む光造形法用樹脂組成物」の具体例とし
て、「常温でゲル状態であり、かつ、約80℃でゾル状
態に変移する組成物(成分:ウレタンアクリレート系紫
外線硬化樹脂、シンジオタクチックポリメチルメタクリ
レート、及び、アイソタクチックポリメチルメタクリレ
ート)」を好適に使用できること、更に、このような光
造形法用樹脂組成物を用いれば、サポート等の部品の成
形を行うこと無く、しかも優れた成形サイクルにて、多
様な形状、構造の造形物を成形できる、ということが記
載されている。
【0004】この公報に記載されているような、「常温
でゲル状態であり、かつ、約80℃でゾル状態に変移す
る、可逆的急速相転移性樹脂成分を含む光造形法用樹脂
組成物」を使用した光造形法は、例えば、図4に示すよ
うな光造形装置50を用いることによって実施すること
ができる。
【0005】図4の光造形装置50は、基本的には、図
示されているように樹脂供給部51、供給口52、ガイ
ド53、リコータ54、エレベータ55、サイドエッジ
56、エンドプレート62、及び、図示しないタンク、
樹脂供給管、露光手段、制御手段等によって構成されて
いる。
【0006】そして、この光造形装置50は、(イ)エ
レベータの降下、(ロ)樹脂組成物の搬送・供給、
(ハ)塗布及び表面の均し、(ニ)光照射、という工程
を順次実行するとともに、これら一連の手順を必要な回
数だけ繰り返し実行することによって、上記樹脂組成物
を使用した光造形法を実施できるようになっている。
【0007】尚、これらの各工程における作業は、それ
ぞれ次のような要領で実施される。 [イ エレベータの降下]図5の(1)又は(3)に示
すように、エレベータ上面55a、又は、既にエレベー
タ55上に積層された下位の樹脂組成物層64aの上面
が、これらの図において一点鎖線で示す基準面B(樹脂
供給部51、サイドエッジ56、及び、エンドプレート
62の上面と一致する面)よりも、一層分(例えば、
0.2mm)だけ低くなるように、エレベータ55を降
下させる。
【0008】[ロ 樹脂組成物の搬送・供給]リコータ
54が樹脂供給部51の供給口52よりも外側(図5に
おいて右側)にある状態において、樹脂供給部51より
も高い位置に設置されたタンク(図示せず)から、樹脂
供給管63を介して、所定量の樹脂組成物64を圧送
し、樹脂供給部51の上面に供給する。尚、タンクが樹
脂供給部51よりも高い位置に設置されているのは、樹
脂組成物64の自重を利用することにより、僅かな補助
力を付加するだけで、樹脂組成物64を簡単に送出する
ことができるからである。
【0009】[ハ 塗布及び表面の均し]図5の(2)
又は(4)に示されているように、リコータ54を、樹
脂供給部51側からエンドプレート62側へと移動させ
る。このとき、リコータ54は、その最下部54aが、
常に基準面Bに沿って移動するように構成されているの
で、樹脂組成物64は、リコータ54の移動に従って、
エレベータ上面55a、又は、既にエレベータ55上に
積層された下位の樹脂組成物層64aの上面の全面に、
均一な厚さ(エレベータ55を基準面Bから降下させた
量に相当する厚さ)にて塗布され、これと同時に、滑ら
かな平面となるように表面が均されることになる。
【0010】[ニ 光照射]均一な厚さにてエレベータ
55上に塗布された樹脂組成物64に、図示しない露光
手段を用いて描画的な光照射を行い、その一部を光硬化
させる。
【0011】以上のような工程イ〜ニを、必要な回数だ
け繰り返し実行し、これによって、作製しようとする立
体造形物の成形が終了したら、最後に、(ホ)未硬化樹
脂の除去、(ヘ)後露光等の処理を適宜行う。
【0012】ところで、この種の光造形装置50におい
ては、樹脂組成物の搬送経路上(タンク、樹脂供給管6
3、樹脂供給部51、リコータ54等)に、加熱手段が
設けられている。これは、ここで使用される樹脂組成物
が、「常温」という温度条件下では「ゲル状態」、つま
り、寒天状となっており、この状態では、タンクから樹
脂供給管63や樹脂供給部51を介してエレベータ上面
55a等へ供給し、更に、その表面を均す、といった作
業を行うことは困難だからであり、樹脂組成物を、搬送
経路上において常に加熱し、流動性を有するゾル状態へ
と変移させ、この状態を維持させることができれば、タ
ンクからエレベータ55まで、樹脂組成物を円滑に搬送
できるからである。
【0013】尚、エレベータ55には、加熱手段は設け
られておらず、エレベータ55上に供給され、リコータ
54によって表面を均された樹脂組成物は、30秒から
1分程度経過すると、常温下でゲル化、即ち、ゾル状態
からゲル状態へと変移することになる。そして、ゲル状
態に変移したその樹脂組成物に対して描画的な光照射を
行うことにより、樹脂組成物を部分的に光硬化させる。
このとき、光照射が行われなかった部分については、当
然、光硬化しないことになるが、常温下でゲル化してい
るため、この樹脂組成物の層の上に、新たに樹脂組成物
層を形成した場合、下位の層は、光硬化した部分のみな
らず、光硬化していない部分を含めて、全面的に上位の
層を支えることとなる。そして、光硬化していないゲル
状態の部分は、工程(ホ)において加熱することによ
り、簡単に除去することができる。
【0014】従って、オーバーハングを有する造形物
や、第1の部材の中空内部に、これとは物理的に独立し
た第2の部材を有するような、複雑な造形物などであっ
ても、サポート等の部品の成形を行うことなく、好適に
作製することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような光造形装置50には、次のような問題、乃至は、
未解決の課題がある。まず、この光造形装置50には、
「エレベータ上に積層された樹脂組成物が、成形作業中
においてゾル化してしまう」という問題(第一の問題
点)があり、また、「作業中に生じる樹脂組成物の余剰
分をどのように処理するか」という未解決の課題(第二
の問題点)がある。更に、「ウォーミングアップ時間の
短縮」という未解決の課題(第三の問題点)のほか、
「リコータによる樹脂組成物表面の引っ掻き」という問
題(第四の問題点)もある。以下、これらの問題点につ
いて、それぞれ簡単に説明する。
【0016】[エレベータ上に塗布された樹脂組成物の
ゾル化]この光造形装置50を用いた光造形法を実施す
る場合、既にエレベータ上に積層された樹脂組成物のう
ち、光照射が行われずに、ゲル状態にある部分は、最上
層の光照射が終了するまでの間、上位の層を継続的に支
えていられるように、常にゲル状態に維持される必要が
ある。
【0017】しかしながら、前述した通り、この光造形
装置50には、樹脂供給管63、樹脂供給部51、リコ
ータ54等に加熱手段が設けられているため、これらの
加熱手段から発せられる熱を受けて、エレベータ上に積
層された樹脂組成物が、意に反してゾル化してしまうこ
とがある。最上層の光照射が終了する前に、下位の層を
構成する樹脂組成物がゾル化してしまうと、上位の層を
支えきれず、「傾き」や「歪み」が生じてしまい、精密
な成形を阻害してしまう恐れがある。
【0018】[樹脂組成物の余剰分の処理]前述の通
り、この光造形装置50においては、樹脂組成物はタン
クから樹脂供給管63を介して樹脂供給部51の上面に
供給されるようになっているが、その量は、エレベータ
55上に均一な厚さで塗布するために必要な量よりも、
若干多めに供給されるようになっている。
【0019】従って、リコータ54の移動によるエレベ
ータ上面55a等への塗布が行われた後には、樹脂組成
物の余剰分が生じることになり、それらの余剰分は、図
4に示すエンドプレート62上に蓄積していくことにな
る。そして、これら余剰の樹脂組成物がある程度蓄積し
たら、作業者は手作業でこれを除去する必要が生じる
が、このような作業は繁雑であるばかりでなく、使用さ
れる樹脂組成物は非常に高価なものであるため、それら
余剰の樹脂組成物を再利用しないこととすると、非経済
的であり、省資源化の要請にも反することとなる。
【0020】[ウォーミングアップ時間の短縮]また、
この光造形装置50においては、前述したように、樹脂
組成物を貯留するタンクに加熱手段が設けられており、
常温下でゲル状態になっている樹脂組成物をタンク内に
投入した後、これをタンク内で十分に加熱し、流動性を
有するゾル状態に変移させた上で、樹脂供給部51へと
送出するようになっているが、大量の樹脂組成物をタン
ク内へ一度に投入した場合には、ウォーミングアップ完
了まで(即ち、円滑に送出できるような流動性が得られ
るまで)、かなりの時間がかかり、成形作業の遅延化を
招いてしまう。
【0021】[リコータによる樹脂組成物表面の引っ掻
き]図5の(2)及び(4)に示されているように、エ
レベータ55上への樹脂組成物64の塗布は、リコータ
54を、樹脂供給部51側からエンドプレート62側へ
と移動させることによって行われるようになっており、
このとき、塗布された樹脂組成物64の表面は、滑らか
な平面となるように均されることになる。
【0022】前述した通り、リコータ54は、その最下
部54aが、常に、図中一点鎖線で示す基準面Bに沿っ
て移動するように構成されているので、この「均し」に
よって形成される樹脂組成物64の平滑な表面は、基準
面Bと一致していることになる。従って、次の工程に備
えてリコータ54を反対方向へ(エンドプレート62側
から樹脂供給部51側へ)移動させる際に、樹脂組成物
64の余剰分がリコータ54の最下部54aに付着して
いるような場合には、樹脂組成物64の表面が引っ掻か
れ、傷つけられてしまうことがある。そして、このよう
な「傷」は、成形の精度に悪影響を及ぼしかねない。
【0023】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決すべくなされたものであって、エレベータ上に積
層された樹脂組成物が、成形作業の途中でゾル化してし
まうことを防止し、その結果、「傾き」や「歪み」を好
適に回避して、立体造形物を精度良く成形することがで
き、また、樹脂組成物の余剰分を、成形作業の間に速や
かに回収し、そのまま再利用することができ、更に、ウ
ォーミングアップ時間を短縮でき、樹脂組成物をタンク
内へ投入した後、短時間のうちに成形作業を開始するこ
とができる等、種々の利点を有する光造形装置を提供す
ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の光造形装置は、温度変化によって可逆的かつ急速にゾ
ル−ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急速相
転移性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分
とを含む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を
実施するための装置であって、加熱手段を有する樹脂組
成物貯留用のタンクと、上下方向へ移動可能なように構
成されたエレベータと、加熱手段を有する樹脂供給部
と、エレベータ上へ樹脂組成物を塗布するためのリコー
タとを有しており、エレベータと樹脂供給部との間に断
熱手段を介在させることによって、エレベータ上に積層
された樹脂組成物の、成形作業中におけるゾル化を、好
適に回避できるように構成されていることを特徴として
いる。
【0025】尚、この光造形装置に、加熱手段を有する
樹脂回収部が備えられている場合には、エレベータと樹
脂回収部との間にも、断熱手段を介在させることが好ま
しい。
【0026】また、本発明の請求項3に記載の光造形装
置は、加熱手段を有する樹脂回収部を必須の要件として
含んでおり、タンクがこの樹脂回収部よりも低い位置に
設置され、樹脂回収部によって回収された余剰分の樹脂
組成物が、加熱されながらゾル状態のまま、タンクに戻
されるように構成されていることを特徴としている。
【0027】更に、本発明の請求項4に記載の光造形装
置は、タンクの加熱手段として機能する多数のフィン
が、タンク内に貯留された樹脂組成物と直に接触するよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0028】また、本発明の請求項5に記載の光造形装
置は、リコータが樹脂組成物の塗布のための移動を終え
た後、反対方向へ移動する前に、既に塗布された樹脂組
成物と、反対方向へ移動しようとするそのリコータとの
接触を避けるために、エレベータが、所定量降下するよ
うに構成されていることを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の
第1の実施形態に係る光造形装置の要部を示す断面斜視
図である。この図において、1は、樹脂組成物を供給す
るための樹脂供給部であり、2は、樹脂組成物の供給口
である。4は、樹脂組成物を均すためのリコータであ
り、ガイド3に沿って、所定方向(この図に示すX方
向)へ移動可能なように構成されている。
【0030】5は、樹脂組成物の成形が行われるエレベ
ータであり、上下方向(この図に示すZ方向)へ移動可
能なように構成されている。また、6は、サイドエッ
ジ、7は、樹脂供給部1から供給された樹脂組成物の余
剰分を回収するための樹脂回収部であり、8は、樹脂組
成物の回収口である。そして、9,10は、それぞれ熱
伝導率の低い素材によって構成された、断熱手段として
機能する第1の断熱プレート及び第2の断熱プレートで
ある。
【0031】尚、この光造形装置は、上記のような要素
のほか、樹脂回収部7よりも低い位置に配置された、樹
脂組成物貯留用のタンク15(図3参照)、このタンク
15から樹脂供給部1へと樹脂組成物を搬送するための
樹脂供給管13(図2参照)及びポンプ、樹脂回収部7
からタンク15へと樹脂組成物の余剰分を戻すための樹
脂回収管11(図2参照)、光照射を行うための露光手
段、制御手段等を有している。
【0032】ここで、温度変化によって可逆的かつ急速
にゾル−ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急
速相転移性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性
成分とを含む光造形法用の樹脂組成物(常温でゲル状態
であり、かつ、約80〜100℃でゾル状態に変移する
組成物)及びこの光造形装置を使用して実施される光造
形法について説明する。まず、図2の(1)に示されて
いるように、エレベータ5を基準面Bから一層分(例え
ば、0.2mm)降下させる(塗布のための降下)。そ
して、リコータ4が樹脂供給部1の供給口2よりも外側
(図2において右側)にある状態において、タンク15
(図3参照)から樹脂供給管13を介して、所定量の樹
脂組成物14を圧送し、供給口2から樹脂供給部1の上
面に供給する。
【0033】次に、図2の(2)に示すように、リコー
タ4を、樹脂供給部1側から樹脂回収部7側へと移動さ
せることによって、エレベータ上面5a(或いは、既に
エレベータ5上に積層された下位の樹脂組成物層の上
面)の全面に、樹脂組成物14を均一な厚さにて塗布、
供給する。
【0034】そして、この状態で露光手段を用いて描画
的な光照射を行い、樹脂組成物の一部を光硬化させる。
樹脂組成物への光照射が終了したら、エレベータ5を更
に一層分降下させる。本実施形態に係る光造形装置は、
以上のような工程を、順次、複数回繰り返すことによっ
て、最終的には、立体的な造形物を層状に形成していく
ことができるようになっている。
【0035】尚、タンク15から樹脂供給管13を介し
て樹脂供給部1に供給される樹脂組成物14の量は、エ
レベータ5上への塗布に必要な量よりも多めに設定され
ているので、リコータ4による塗布工程の際には、樹脂
組成物14の余剰分が生じることになるが、本実施形態
に係る光造形装置においては、塗布工程の終端側(図2
において左側)に、回収口8を有する樹脂回収部7が設
けられており、リコータ4が、エレベータ5上への樹脂
組成物14の塗布を終了した後、この樹脂回収部7まで
達すると、図2の(3)に示されているように、樹脂組
成物14の余剰分14cが回収口8より回収されるよう
になっている。
【0036】また、前述したように、この光造形装置に
おける樹脂組成物貯留用のタンク15は、 樹脂回収部
7よりも低い位置に配置され、樹脂回収管11は、樹脂
回収部7からタンクにかけて、下方へ延出するような構
成となっているので、回収口8より回収された樹脂組成
物14の余剰分14cは、樹脂回収管11を通り、自重
のみによってタンク15へと戻され、速やかに再利用さ
れるようになっている。
【0037】尚、この光造形装置の樹脂供給管13、樹
脂供給部1、樹脂回収部7、樹脂回収管11には、それ
ぞれ加熱手段が設けられており、樹脂組成物は、これら
の加熱手段によって常に加熱されることにより、流動性
を有するゾル状態に維持され、タンク15から樹脂供給
部1へ、及び、樹脂回収部7からタンク15へと、目詰
まり等を生じさせることなく、樹脂組成物14を円滑に
搬送できるようになっている。
【0038】更に、本実施形態における光造形装置は、
樹脂供給部1とエレベータ5との間に、第1の断熱プレ
ート9が配置され、また、樹脂回収部7とエレベータ5
との間に、第2の断熱プレート10が配置されているの
で、樹脂供給部1及び樹脂回収部7から、エレベータ5
及びその上に積層された樹脂組成物14への熱伝導を好
適に遮断することができ、その結果、積層後における樹
脂組成物14のゾル化を防止することができるようにな
っている。
【0039】また、図3に示すように、樹脂組成物貯留
用のタンク15の内部には、樹脂組成物を加熱してゾル
化するための手段として、ヒーター16が備えられてい
る。このヒーター16は、タンク15内へ樹脂組成物を
投入すると、投入された樹脂組成物中に埋没し、表面が
樹脂組成物と直に接触するような構造となっている。ま
た、図示されているように、このヒーター16の表面に
は、多数のフィンが設けられ、その表面積が大きくなる
ように工夫されているので、ヒーター16と樹脂組成物
の接触面積が増大することになり、これにより、樹脂組
成物を効率良く加熱し、短時間(30分程度)でゾル化
させることができ、ウォーミングアップ時間を大幅に短
縮することができる。
【0040】更に、本実施形態に係る光造形装置は、リ
コータ4を樹脂回収部7側から樹脂供給部1側へと移動
させる際に、エレベータ5が所定量降下するように構成
されており、その前の工程においてリコータ4が樹脂供
給部1側から樹脂回収部7側へと移動した際に均された
樹脂組成物の表面を、リコータ4が引っ掻き、傷つけて
しまうことを回避することができるようになっている
(接触回避のための降下)。
【0041】尚、エレベータ5を降下させる量は、エレ
ベータ5上に積層する樹脂組成物の一層分でも良いし、
また、それ以上多くても良い。より具体的には、積層さ
れる樹脂組成物の一層分が0.2mmに設定されている
場合において、エレベータ5の降下量を0.2mmに設
定することができるほか、それよりも多く、例えば、
0.5mm程度降下させるように構成しても良い。
【0042】エレベータ5の降下量を、樹脂組成物の一
層分と等しくなるように設定した場合には、「塗布のた
めの降下」と「接触回避のための降下」とを、別々に行
う必要はなく、一度の動作でこれらの目的を同時に達成
させることができる。
【0043】より具体的には、リコータ4が樹脂回収部
7側にある状態おいて、エレベータ5を、樹脂組成物塗
布のため、及び、リコータ4と樹脂組成物の接触回避の
ために一層分降下させ、次に、リコータ4を樹脂供給部
1側へと移動させ、この状態で樹脂組成物を樹脂供給部
1へ供給し、続いてリコータ4を樹脂回収部7側へと移
動させることによって、樹脂組成物をエレベータ5上等
へ塗布するとともにその表面を均し、最後に、塗布され
た樹脂組成物の表面に光照射を行う。そして、これら一
連の手順を、必要な回数だけ繰り返し実行する。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る光
造形装置は、常温でゲル状態であり、かつ、約80℃で
ゾル状態に変移するような可逆的急速相転移性樹脂成分
と、光照射により硬化する光硬化性成分とを含む光造形
法用の樹脂組成物を使用した光造形法を、従来の光造形
装置における問題点を解決した上で、好適に実施できる
という効果を期待することができる。
【0045】より具体的には、本発明に係る光造形装置
においては、樹脂供給部及び樹脂回収部とエレベータと
の間に、それぞれ断熱手段が介在するような構造となっ
ているので、樹脂供給部等に備えられている加熱手段か
ら、エレベータ上に積層された樹脂組成物への熱伝導を
効果的に遮断し、樹脂組成物のゾル化が防止され、その
結果、立体的な造形物の精密な成形が可能となる。
【0046】また、本発明に係る光造形装置において
は、樹脂回収部が設けられるとともに、樹脂組成物貯留
用のタンクが、樹脂回収部よりも低い位置に配置されて
いるので、エレベータ上へ樹脂組成物を塗布した際に生
じた余剰分を好適に回収し、更に、回収された余剰の樹
脂組成物を、ポンプなどの補助力を利用しなくても、自
重のみによってタンクへと戻すことができる。
【0047】更に、タンク内には、表面積を増大させる
ために多数のフィンを形成した加熱手段が備えられ、こ
れによってゲル状の樹脂組成物を効率良く加熱し、短時
間でゾル化することができ、ウォーミングアップ時間を
大幅に短縮することができる。
【0048】また、リコータが樹脂回収部側から樹脂供
給部側へと移動する際には、リコータと樹脂組成物とが
接触しないように、エレベータが所定量降下するように
構成されているので、均された樹脂組成物の表面がリコ
ータによって引っ掻かかれ、傷ついてしまうといった事
態を回避することができ、精密な成形を行うことができ
るという効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る光造形装置の
要部断面斜視図。
【図2】 図1に示した光造形装置を使用して実施され
る光造形法の説明図。
【図3】 図1に示した光造形装置に用いられるタンク
の構造を示す一部切欠斜視図。
【図4】 従来の光造形装置50の要部斜視断面図。
【図5】 従来の光造形装置50の作動態様の説明図。
【符号の説明】
1,51:樹脂供給部、 2,52:供給口、 3,53:ガイド、 4,54:リコータ、 5,55:エレベータ、 5a,55a:エレベータ上面 6,56:サイドエッジ、 7:樹脂回収部、 8:回収口、 9:第1の断熱プレート、 10:第2の断熱プレート、 11:樹脂回収管、 13,63:樹脂供給管、 14,64:樹脂組成物、 14c:余剰分、 15:タンク、 16:ヒーター、 50:光造形装置、 54a:最下部、 62:エンドプレート、 64a:樹脂組成物層、 B:基準面、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 良二 大分県大分郡挾間町大字高崎97番地の1 デンケンエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4F213 AA44 AC06 AE02 WA25 WA97 WL02 WL12 WL23 WL25 WL34 WL73 WL74 WL87 WL92

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度変化によって可逆的かつ急速にゾル−
    ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急速相転移
    性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分と、
    を含む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を実
    施するための装置であって、 加熱手段を有する樹脂組成物貯留用のタンクと、上下方
    向へ移動可能なように構成されたエレベータと、加熱手
    段を有する樹脂供給部と、前記エレベータ上へ樹脂組成
    物を塗布するためのリコータとを有し、 前記エレベータと樹脂供給部との間に、断熱手段を介在
    させたことを特徴とする光造形装置。
  2. 【請求項2】温度変化によって可逆的かつ急速にゾル−
    ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急速相転移
    性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分と、
    を含む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を実
    施するための装置であって、 加熱手段を有する樹脂組成物貯留用のタンクと、上下方
    向へ移動可能なように構成されたエレベータと、加熱手
    段を有する樹脂供給部と、前記エレベータ上へ樹脂組成
    物を塗布するためのリコータと、加熱手段を有する樹脂
    回収部とを有し、 前記エレベータと樹脂供給部との間、及び/又は、前記
    エレベータと樹脂回収部との間に、断熱手段を介在させ
    たことを特徴とする光造形装置。
  3. 【請求項3】温度変化によって可逆的かつ急速にゾル−
    ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急速相転移
    性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分と、
    を含む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を実
    施するための装置であって、 加熱手段を有する樹脂組成物貯留用のタンクと、上下方
    向へ移動可能なように構成されたエレベータと、加熱手
    段を有する樹脂供給部と、前記エレベータ上へ樹脂組成
    物を塗布するためのリコータと、加熱手段を有する樹脂
    回収部とを有し、 前記タンクは、前記樹脂回収部よりも低い位置に設置さ
    れ、当該樹脂回収部によって回収された余剰分の樹脂組
    成物が、加熱されながら、ゾル状態のまま戻されるよう
    に構成されていることを特徴とする光造形装置。
  4. 【請求項4】温度変化によって可逆的かつ急速にゾル−
    ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急速相転移
    性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分と、
    を含む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を実
    施するための装置であって、 加熱手段を有する樹脂組成物貯留用のタンクと、上下方
    向へ移動可能なように構成されたエレベータと、加熱手
    段を有する樹脂供給部と、前記エレベータ上へ樹脂組成
    物を塗布するためのリコータとを有し、 前記タンクの加熱手段は、多数のフィンが、タンク内に
    貯留された樹脂組成物と直に接触するように構成されて
    いることを特徴とする光造形装置。
  5. 【請求項5】温度変化によって可逆的かつ急速にゾル−
    ゲル相転移を引き起こす機能を有する可逆的急速相転移
    性樹脂成分と、光照射により硬化する光硬化性成分と、
    を含む光造形法用の樹脂組成物を使用して光造形法を実
    施するための装置であって、 加熱手段を有する樹脂組成物貯留用のタンクと、上下方
    向へ移動可能なように構成されたエレベータと、加熱手
    段を有する樹脂供給部と、前記エレベータ上へ樹脂組成
    物を塗布するためのリコータとを有し、 前記リコータが樹脂組成物の塗布のための移動を終えた
    後、反対方向への移動の前に、既に塗布された樹脂組成
    物と当該リコータとの接触を避けるために、前記エレベ
    ータが、所定量降下するように構成されていることを特
    徴とする光造形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005053024A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Ctt Corporation:Kk 3次元積層造形装置及び3次元積層造形方法
CN106623918A (zh) * 2016-09-27 2017-05-10 华南理工大学 一种机械式激光选区熔化自动换向倾斜式铺粉装置与方法
KR102429252B1 (ko) * 2021-02-08 2022-08-04 주식회사 쓰리디컨트롤즈 블레이드 엣지부 각도 전환이 가능한 3차원 프린터 및 그의 동작 방법

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JP2000025118A (ja) * 1998-07-08 2000-01-25 Teijin Seiki Co Ltd 立体造形装置、立体造形方法及び立体造形制御プログラムを記録した媒体

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