JP2003011123A - 廃プラスチック再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性プラスチックからなる廃プラスチッ
クを再び成型原料としてリサイクルし得るようにする廃
プラスチックの再生装置であって、廃プラスチックを粉
砕することなく、良質の材料を再生できるようにし、成
形工場における廃プラスチックの再利用を容易ならしめ
る。 【解決手段】 廃プラスチックを収容するための底面７
が漏斗状に形成された円筒形の容器１と、該容器中にて
昇降動し廃プラスチックを圧潰する円錐形のピストン５
と、該容器中にて廃プラスチックを溶融するため該容器
に設けられたヒータ９と、前記ピストンの昇降動により
加圧された溶融状の廃プラスチックを該容器の底部から
抽出させるとともに該廃プラスチックをペレット状に成
形する造粒装置１０とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性プラスチッ
クからなる廃プラスチックを再び成型原料としてリサイ
クルし得るようにする廃プラスチックの再生装置に関す
るものである。 【０００２】 【従来の技術】プラスチックの成形工場にて射出成形に
よって発生するスプールやランナ、或いは不良成形品等
の廃プラスチックは、従来では一般に固定刃と回転刃と
からなる周知の破砕装置によって破砕することで減容
し、再利用している。 【０００３】しかしながら、廃プラスチックを破砕する
際に微細な粉が発生し、その粉塵が工場内に飛散し易い
ことから、作業環境を悪化させ作業者の健康に悪影響を
及ぼすおそれがあった。また、機能性プラスチックとし
て、導電性を持たせたり、帯電防止のために金属粉やカ
ーボン繊維、或いはガラス繊維等を混入したものが知ら
れているが、これらの廃プラスチックから粉砕により微
粉が発生し工場内に飛散すると、工場内の種々の電気設
備を誤作動させる原因となるものであった。また、粉砕
によっては、上記カーボン繊維やガラス繊維が破断され
繊維長が短くなるので、そのまま再生利用することが困
難になるという問題がある。 【０００４】さらには、破砕した廃プラスチックを再利
用するために、その破砕原料を乾燥機に通して水分を除
去してから空気輸送等によって成形機に送給する過程で
も、上記微粉が乾燥機や原料輸送用ホース内等に付着す
るため、特に異なる色彩の原料を使用する場合に、この
ように粉砕された再生原料を使用した後は、乾燥機やホ
ース内を入念に清掃しなければならず、非常に手間がか
かるという問題があった。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、廃プ
ラスチックの粉砕による上記のような種々の弊害をなく
し、成形工場における廃プラスチックの再利用を容易な
らしめ、リサイクルを促進しようとするものである 【０００６】 【課題を解決するための手段】そのために本発明に係る
廃プラスチック再生装置は、廃プラスチックを収容する
ための底面が漏斗状に形成された円筒形の容器と、該容
器中にて昇降動し廃プラスチックを圧潰する円錐形のピ
ストンと、該容器中にて廃プラスチックを溶融するため
該容器に設けられたヒータと、前記ピストンの昇降動に
より加圧された溶融状の廃プラスチックを該容器の底部
から抽出させるとともに該廃プラスチックをペレット状
に成形する造粒装置とからなることを特徴とする。 【０００７】 【発明の実施の形態】次に図面に従い本発明の実施の形
態を説明する。図１は本発明に係る廃プラスチック再生
装置の縦断面図で、１は支脚２によって鉛直に支持され
内面がバフ仕上された円筒形の容器、３は該容器中に廃
プラスチックを投入するために該容器の上部一側を拡径
して形成したホッパー状の投入口、４は該容器の上部に
垂設された流体シリンダ、５は該容器中に垂下する該流
体シリンダのロッド６の下端に設けられた円錐形のピス
トンである。容器１の底面７はピストン５の円錐形下面
の傾斜角ａよりもやや急傾斜なるように傾斜角ｂにて傾
斜した漏斗状に形成され、その下端には抽出口８が形成
される。なお、９は容器１の側壁に埋設されたヒータで
ある。 【０００８】また、１０は抽出口８の下部に設けられた
造粒装置である。該造粒装置は、図２に示したように、
押出機１１とダイ１２と切断機１３とからなる。押出機
１１は外周にバンドヒータ１４が設けられたシリンダ１
５中にモータ１６によって回転駆動されるスクリュー１
７が設けられ、該シリンダの先端部にダイ１２が固定さ
れ、さらにその先に冷却部１８，切断機１３が設けられ
たものである。なお、１９は冷却部１８に設けられ冷却
水を循環させる水冷ジャケットである。 【０００９】そこで、射出成形時に発生した成形不良品
やスプール，ランナ等の廃プラスチックを投入口３に入
れてピストン５を昇降動することにより該廃プラスチッ
クを圧潰するとともに、ヒータ９によって容器１を加熱
し該廃プラスチックを溶融する。なお、該ヒータの設定
温度は、投入口から下方に行くに従って徐々に高くする
とともに、熱効率を考慮してむやみに高い温度設定は行
わず、投入する廃プラスチックのガラス転移点よりやや
高めとなるように設定することが望ましい。 【００１０】こうして溶融させた廃プラスチックはピス
トン５の加圧によって抽出口８から押出機１１に圧送さ
れ、スクリュー１７の回転によりダイ１２から直径２ｍ
ｍ程度の線状となって押し出される。そして冷却部１８
を経て冷却され、切断機１３により一定長に切断するこ
とによりペレット状に成形されてボックス２０に回収さ
れ、プラスチック製品の成形用に再利用される。 【００１１】図３は本発明の他の実施形態を示したもの
であるが、この実施形態では抽出口８の下部に直にダイ
１２と切断機１３とからなる造粒装置１０が設けられ、
容器１内にて溶融した廃プラスチックがピストン５の加
圧によって直接ダイ１２から押し出されこれを流体シリ
ンダ２１により往復動する切断機１３により切断するこ
とによりペレット状に成形しようとするものである。 【００１２】なお、上記のように、容器１の底面７の傾
斜をピストン５の円錐形下面の傾斜よりも急にしたこと
から、該ピストン５が昇降動するにつれて溶融状の廃プ
ラスチックを抽出口８にスムースに圧送することができ
る。また、廃プラスチックへの伝熱を促進するためにピ
ストン５中にもヒータを内蔵させてもよい。 【００１３】また、図４に示した装置は、投入口３に回
転軸２２によって十字羽根状の回転蓋体２３を回転自在
に設け、該回転蓋体２３上に予め計量された廃プラスチ
ックがコンベヤ２４によって搬入されて投入されるよう
にすることで、常態では該回転蓋体２３により該投入口
３が閉じられ、該投入口３からの放熱が抑えられるよう
にしたものである。この場合、コンベヤ２４の回転と同
期させて回転蓋体２３を回転させても、廃プラスチック
の自重によって該回転蓋体２３が開くようにしてもよ
い。 【００１４】 【発明の効果】このように本発明に係る廃プラスチック
再生装置は、廃プラスチックを容器中にてピストンによ
って圧潰し加熱溶融することによって、粉砕した場合の
ように粉末が生じることなく、微粉が他の材料に混入し
たり粉塵となって飛散することによる種々の悪影響を及
ぼすおそれがない。また、圧潰と溶融を経てペレット化
することにより、粉砕時のようにカーボン繊維やガラス
繊維等を破断させることなく、良質の材料を再生できる
など、リサイクルを促進させる有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施形態を示した廃プラスチック再生
装置の縦断面図。 【図２】図１の廃プラスチック再生装置の造粒装置の縦
断面図。 【図３】本発明の他の実施形態を示した廃プラスチック
再生装置の縦断面図。 【図４】本発明の実施形態を示した廃プラスチック再生
装置の縦断面図。 【符号の説明】 １ 容器 ３ 投入口 ４ 流体シリンダ ５ ピストン ７ 底面 ８ 抽出口 ９ ヒータ １０ 造粒装置 １１ 押出機 １２ ダイ １３ 切断機

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 廃プラスチックを収容するための底面が
   漏斗状に形成された円筒形の容器と、該容器中にて昇降
   動し廃プラスチックを圧潰する円錐形のピストンと、該
   容器中にて廃プラスチックを溶融するため該容器に設け
   られたヒータと、前記ピストンの昇降動により加圧され
   た溶融状の廃プラスチックを該容器の底部から抽出させ
   るとともに該廃プラスチックをペレット状に成形する造
   粒装置とからなることを特徴とした廃プラスチック再生
   装置。