JP2003010219A - 腕吊り用具 - Google Patents

腕吊り用具

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JP2003010219A
JP2003010219A JP2001195701A JP2001195701A JP2003010219A JP 2003010219 A JP2003010219 A JP 2003010219A JP 2001195701 A JP2001195701 A JP 2001195701A JP 2001195701 A JP2001195701 A JP 2001195701A JP 2003010219 A JP2003010219 A JP 2003010219A
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Emi Tonozuka
絵美 外塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 片腕の不自由な人が一人で簡単に装着でき、
不自由な腕を確実に安定して支持することができ、装着
者の首や肩が凝って痛くならず、それ自体が大げさでな
く使用者が痛々しく見えないようにすること。 【解決手段】 ベルト部材1と、その一端に備えた不自
由な手首を支持する手首支持部Aと、その他端に備えた
不自由な肘を支持する肘支持部Bとからなる。ベルト部
材1には、その途中に長さを調節するベルト調節部材3
を挿入する。手首支持部A及び肘支持部Bは網材2b、
2cで主たる部分を構成した環状にし、それぞれその縁
部を帯状の補強材4a、4bで縁取りし、かつ手首保持
部Aには口でくわえて一時保持し又は操作するためのく
わえ片5を取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片腕が不自由な使
用者が、一人で簡単にその不自由な腕を支持すべく装着
することができる腕吊り用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで腕が、病気や不慮の骨折などに
よって不自由となった場合には、三角巾を用いて不自由
になった腕を吊って保護するのが一般的であった。この
三角巾はその両端を互いに結び合わせて輪を作り、この
輪の中に不自由となった腕を通して、これを首に掛けて
吊るすようにして用いるものである。
【0003】しかしこのような三角巾を用いて、片手が
不自由になった人が一人で腕を吊るのは大変な作業であ
って、ましてこれを結び直して吊った腕の高さを調節す
ることなどは殆ど不可能なことである。またこれを使用
している人は、三角巾の両端を結び合わせて輪にした状
態で、その中間部の幅広い部分に腕を通しているだけな
ので、使用している間に腕を支えている布部分が狭ま
り、腕の支持状態が不安定になり、場合によっては腕が
三角巾から抜け落ちてしまったりするものでもあった。
またこのように三角巾を用いている場合は、首に掛けて
吊って保持しているので首が凝って痛くなってきたり、
これを装着した人は見た目が痛々しく、いかにも病人ら
しくなり、本人の気も滅入ってしまうなどの問題もあっ
た。
【0004】このような問題に対して、実開平5−39
520号公報は改良案を提示している。これは、上縁か
ら一側縁にかけて連続して開口し、開口した上隅部にお
ける前面部および後面部のそれぞれに吊り環具を取り付
けた腕袋と、外面に多数の係合ループを形成し、かつ先
端外面には多数の係合突片を有する面ファスナー部材を
取り付けてなり一端を腕袋の上縁一端に止着してなる吊
りベルトと、からなり、吊りベルトの他端を腕袋の二つ
の吊り環具に挿通し、折り返した先端を面ファスナー部
材により該吊りベルトの中間部に着脱自在に止着してな
る腕吊り具である。
【0005】この腕吊り具によると、確かに片腕が不自
由になった人が、一人で片手で不自由な腕を吊ることが
できるもので、吊った腕の高さは、吊りベルトの長さを
吊り環具によって適宜に止着することで調節可能であ
り、三角巾のように結び直したりする必要はない。また
吊った腕は肘から手首にかけて安定した状態で保持され
るので、腕が抜け落ちたりする恐れはなく、更に吊った
腕は吊りベルトで首から背にまわして肩で保持するので
首への負担は軽減されたと思われる。それ故、前述の問
題点はかなり解消されたと考えられる。
【0006】しかしこの腕吊り具は、全体にそれ自体が
かなり大げさで、ケース状の腕袋中に不自由な腕を入れ
て吊るのでその重量もかなり重くなってくると考えら
れ、首から背中にまわして保持して、その負担を軽減し
たと云っても、やはり装着者にはかなりの負担が掛かっ
てしまうことは避けられない。また装着した姿が痛々し
く、いかにも病人っぽくなってしまい本人の気も滅入っ
てしまうこと、などの解消はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解決し、片腕が不自由な人が一人で
簡単に装着可能であり、不自由な腕を確実に安定して支
持可能であり、かつその構成上、首や肩の負担になら
ず、加えて装着した姿が痛々しいものでない腕吊り用具
を提供することを解決の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、ベルト部
材と、該ベルトの一端に備えた不自由な腕の手首を支持
する手首支持部と、該ベルトの他端に備えた不自由な腕
の肘を支持する肘支持部とからなり、該ベルト部材を、
不自由な腕の肘を支持した肘支持部からその腕の側の肩
を通じて背中に回し、更に反対側の腕の脇の下を通して
身体の前に引出し、その端部の手首保持部で不自由な腕
の手首を支持し得るように長さ調節可能に構成した腕吊
り用具であって、上記手首支持部及び上記肘支持部を、
手首及び肘をそれぞれ荷重をその一部に集中させないで
受けるための幅を持った環状に構成し、かつ上記手首保
持部にこれを口でくわえて一時保持又は操作するための
くわえ片を取り付けた腕吊り用具である。
【0009】本発明の2は、本発明の1の腕吊り用具に
於いて、前記ベルト部材の、装着時に肩から背中に当接
することとなる部位を他の部位より幅広に構成した腕吊
り用具である。
【0010】本発明の3は、本発明の1又は2の腕吊り
用具に於いて、前記肘保持部及び前記手首保持部を、そ
の主たる部材を網材で構成し、外縁部を補強材で構成し
た腕吊り用具である。
【0011】本発明の4は、本発明の1、2又は3の腕
吊り用具に於いて、前記くわえ片を、前記手首保持部
の、装着時に肘側となる外側上部に取り付けた腕吊り用
具である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、病気や不慮の骨折など
によって不自由となった腕を、使用者が一人で肩から背
中に回して保持するために使用する腕吊り用具である。
その基本構成は、ベルト部材と、ベルト調節部材と、手
首支持部と、肘支持部と、くわえ片とからなる。
【0013】前記ベルト部材は、不自由な腕の肘を支持
する肘支持部から該腕の側の肩を通じて背中に回し、更
に反対側の腕の脇の下を通して身体の前に引出し、不自
由な腕の手首を支持する手首保持部を吊って支持するた
めの充分な長さ、強さ、幅、柔軟性及び軽量性等を有す
る部材であれば良い。その材質としては、布、革又はブ
ラスチック類等を自由に採用することができ、これらの
中から適宜に選択して重量が軽くかつ伸縮性が比較的小
さいものに構成すれば良い。
【0014】また前記ベルト部材は、その肩から背中に
当たる部位を、他の部位より幅広に構成して受ける重量
を広く分散させるようにするのが好ましい。これは、ベ
ルト部材自体のその部位を他の部位より幅広に構成する
ことで実現できることは云うまでもないが、この部位に
他の幅広のシート状又はパッド状部材を取り付けること
で実現することもできる。そしてこのように該当する部
位を幅広にすることにより装着時に肩凝り等が生じるの
を未然に防止することができる。
【0015】前記ベルト調節部材は、前記ベルト部材の
長さを使用者の体格に合わせて、適度な長さに自由に調
節できるものであればどのような構成のものでも良い。
たとえば、前記ベルト部材のいずれかの部位で該ベルト
部材を二つに分割し、金属又はプラスチック等の部材で
形成した半円弧状の一対のリング部材を二つ一緒に重ね
合わせながら該ベルト部材の一方側の端部に取り付ける
構成とすることができる。該一対のリング部材はそれぞ
れその直線部を該ベルト部材の一方側の端部に沿って構
成した筒状部に挿通させることで、該当する部位に取り
付ける。該ベルト部材の他方側の端部は解れ防止を施す
以外には特別な部材を取り付ける必要はない。これはこ
の種の既存の一般的な手段である。
【0016】このように構成するとベルト部材の他方側
の端部を、まず該一対にリング部材に通し、次にその一
方のリング部材の外側と他方のリング部材の内側との間
を通して強く引くと、ベルト部材の一方側と他方側とは
簡単に結合状態となる。長さの調節は、ベルト部材の他
方側のリング部材から引き出し長さを調節することで行
えるのは云うまでもない。このようなベルト調節部材に
よれば、腕吊り用具を装着したままの状態で、前記ベル
ト部材の長さを片手で自由に調節できるようになる。
【0017】前記手首保持部は、手首を受けるのに適当
な幅、即ち、その荷重を一部に集中させない適切な幅を
持った環状の帯状部材に構成し、適度の余裕をもって不
自由な手首を支え得るように構成する。既述のように、
この手首保持部は、前記ベルト部材の一端に取り付け
る。
【0018】また前記手首保持部は、たとえば、その主
たる部材に網材を採用して、その外縁部を補強材で補強
した構成とすることができる。ここで該補強材の材料と
しては、前記ベルト部材に採用したものと同じものを用
いることができ、同じものを採用するとその体裁が良い
ものとなる。
【0019】前記手首保持部をこのような構成にする
と、重量が軽くなると共に、通気性が良くなり、これに
支持される手首が夏季のような高温多湿の時期にも蒸れ
るようなことがなくなり、また汗で濡れるようなことも
少なくなる。またその外縁部は補強材によって補強さ
れ、内側の網材のたるみが抑えられ、不自由な手首を確
実に保持することができるようになる。前記網材は、冬
季用のものを構成する場合は、毛糸で編んだものとして
も良い。このようにすると充分保温性を持った物に構成
し得、かつファッション性をも保持したものになる。
【0020】前記肘保持部は、前記手首保持部と同様
に、肘部を受けるのに適当な幅、即ち、その荷重を一部
に集中させない適切な幅を持った環状の帯状部材に構成
し、適度の余裕をもって不自由な肘部を支え得るように
構成する。この肘保持部は、対象のサイズとの関係で、
前記手首保持部よりやや大きい容積を必要とするので、
云うまでもなく、手首保持部よりやや大ぶりに構成する
のが好ましい。このようにするとゆったりと安定して肘
部を保持することができる。この肘保持部は前記ベルト
部材の端部に取り付ける。前記手首保持部と反対側の端
部であることは云うまでもない。
【0021】また前記肘保持部は、たとえば、前記手首
保持部と同様に、その主たる部材に網材を採用して前記
手首保持部と同様に構成することができる。そのとき前
記肘保持部と前記手首保持部とは、その主たる部材及び
補強材に同一材質を用いて構成すると体裁の良いものに
なることは言うまでもない。
【0022】前記くわえ片は、前記手首保持部の環状部
の中に不自由な方の手首を通す際に利用するものであ
り、まず自由の利く方の手で不自由な方の手を掴んだ上
で、予め自由の利く方の腕を通してある該手首保持部
を、その一部に付設したそれを口でくわえて、不自由な
手の手首側に移動させるべく利用するものであり、口に
くわえ易く、衛生的であり、必要な強度を有する物であ
れば、特定の構成に限定されない。
【0023】たとえば、このくわえ片としては、布、革
及びブラスチック等の中から適宜のそれを選択して採用
することができる。そして口で容易にくわえることがで
きるような形状に構成し、前記手首保持部の装着時にそ
の肘側となる部位の外側上部に取り付けるのが適当であ
る。
【0024】またこのくわえ片を取り付ける部位は、当
然のこととして、右腕が不自由な人のための腕吊り用具
と、左腕が不自由な人の腕吊り用具とでは、180度反
対側の部位となる。また前記くわえ片は小さいものなの
で、予め、180度反対側の部位にもう一つ取り付けて
おくこととしても良い。このようにしておけば、左右の
腕のいずれが不自由な人でも一種類の腕吊り用具で対応
できることとなる。
【0025】次に本発明の腕吊り用具の使用の仕方につ
いて説明する。 先ず腕吊り用具を自由の利く方の手で掴んで、その肘
保持部の環状部の中に不自由な方の腕の肘を通す。これ
は、云うまでもなく、該肘保持部の環状部の中に不自由
な方の腕の手首から入れて、徐々に肘まで移動させ、肘
を肘保持部で支えられるようにセットするものである。 次いで腕吊り用具の手首保持部側を自由の利く方の手
で持って、ベルト部材の該当する部位とともに不自由な
腕の肩から背中に廻し、手首保持部を背中に垂下させた
状態にする。 その後、自由の利く方の手を背中に回して、ベルト部
材の端部付近又は手首保持部を掴んで、自由の利く方の
腕の脇の下から体の前に持ってくる。このとき、ベルト
部材が捻れていないことを確認する。捻れていれば、云
うまでもなく、これを直して体の前に持ってくる。 そして自由の利く方の手の手首に該手首保持部の環状
部を外装状態に掛け、この状態で自由の利く方の手で不
自由な方の手の手首を掴み、その後、該手首保持部の一
部に取り付けたくわえ片を口にくわえ、これを介して該
手首保持部を不自由な手の手首側に移動させ、不自由な
手の手首を該手首保持部の環状部の中に入れた状態にす
る。 予めベルト部材の長さは調節しておくべきであるが、
このようにセットした後に、ベルト部材の長さをベルト
調節部材で微調整すれば、不自由な腕の手首と肘とをそ
れぞれ手首保持部と肘保持部とに通し、ベルト部材を介
して肩から背中で吊って安定した状態で支持することが
できることとなる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の腕吊り用具の実施例を図面を
参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の1、2、
3及び4を適用した腕吊り用具の一実施例の一部切欠概
略斜視図、図2は一実施例の腕吊り用具を人が装着した
状態を示す説明図である。
【0027】図1に示すように、この実施例の腕吊り用
具は、ベルト部材1と、その一端の手首保持部Aと、他
端の肘保持部Bとで構成する。
【0028】図1に示すように、前記ベルト部材1は、
この実施例では、布製の材料を採用して、ベルト幅を2
5mm、厚さを2mm、長さを700mmに構成した。そして
一方の端部より50mmの部位で二本に分け、その長い方
(長さ650mm)1aの中間部の内側になる面には、網
目口径3mm、長さ370mm、幅75mm、厚さ1.5mmの
布製の網材2aを重ねた状態に取り付けて、後述する装
着時に肩から背中に当接することとなる部位を他の部位
より幅広に構成した。またその短い方(長さ50mm)1
bの一端には、金属製の内径28mmの一対の半円弧状の
リング部材3a、3bを重ね合わせた状態でその直線部
で回動自在に取り付け、長い方1aの一端には解れ防止
を施してベルト調節部材3を構成した。
【0029】前記手首保持部Aは以下のように構成し
た。図1に示すように、網目口径3mm、縦170mm、横
90mm、厚さ1.5mmの布製の網材2bを採用し、その
長手方向の両側に長さ420mm、幅20mm、厚さ0.8
mmのベルト部材1と同じ材質の布製の補強材4a、4a
を取り付けた。なお該補強材4a、4aは、それぞれ上
記網材2bの両端から等しい長さに突出するように取り
付けた。こうして網材2bの四隅から突出することとな
った補強材4a、4aの端部は、該網材2bをその中央
部付近で折り返した上で、その外端相互を重ね合わせた
状態で前記ベルト部材1の短い方1bの外端部に取り付
けた。これによって網材2bは環状となって手首を支え
る手首保持部Aを構成した。
【0030】前記肘保持部Bは以下のように構成した。
図1に示すように、手首保持部Aに採用したものより一
回り大きいサイズの網目口径3mm、縦170mm、横11
0mm、厚さ1.5mmの布製の網材2cを採用し、前記手
首保持部Aの場合と同様にして、その長手方向の両側に
長さ420mm、幅20mm、厚さ0.8mmのベルト部材1
と同じ材質の布製の補強材4b、4bを取り付けた。な
お該補強材4b、4bは、それぞれ上記網材2cの両端
から等しい長さに突出するように取り付けた。そして網
材2cの四隅から突出した補強材4b、4bの端部相互
を、該網材2cをその中央部付近で折り返した上で、重
ね合わせて前記ベルト部材1の長い方1aの一端に取り
付けた。これによって網材2cは環状となって肘を支え
る肘保持部Bを構成した。
【0031】他方、図1に示すように、前記ベルト部材
1の長い方1aの他端は、短い方1bのベルト調節部材
3の一対のリング部材3a、3bの輪の中を通して適度
な長さの部位で折り返し、一つ目のリング部材3aの輪
の上から二つ目のリング部材3bの輪の中に通して強く
引き、ベルト部材1の長い方1aと短い方1bとを適当
な長さに調節しつつ結合固定した。これによつてベルト
部材1の各端部に手首保持部Aと肘保持部Bとが取り付
けられたものとなった。
【0032】更に、図1及び図2に示すように、前記手
首保持部Aの装着時に肘側となる部位の外側上部に、く
わえ片5を取り付けた。このくわえ片5はその材料とし
て牛革を採用し、縦45mm、横30mm、厚さ2mmのサイ
ズに構成し、これを縦長に手首保持部5より突出する状
態に取り付けたものである。
【0033】この実施例の腕吊り用具は、図2に示すよ
うに、身体に装着して使用する。これは実施の形態で既
に述べた手順で装着することができる。
【0034】略述すると、先ず該腕吊り用具を自由の利
く方の手で掴んで、その肘保持部Bの環状部中に不自由
な腕の肘を通す。次いで腕吊り用具の手首保持部A側を
自由の利く方の手で持って、ベルト部材1の該当する部
位とともに不自由な腕の肩から背中に廻し、その手首保
持部Aを背中に垂下させる。その後、自由の利く方の手
を背中に回して、ベルト部材1の端部付近又は手首保持
部Aを掴んで、自由の利く方の腕の脇の下から体の前に
持ってくる。そして自由の利く方の手の手首に該手首保
持部Aの環状部を外装し、この状態で自由の利く方の手
で不自由な方の手の手首を掴み、更に、該手首保持部A
の一部に取り付けたくわえ片5を口にくわえ、これを介
して該手首保持部Aを不自由な手の手首側にスライド移
動させ、不自由な手の手首を該手首保持部Aの環状部の
中に入れた状態にする。
【0035】予めベルト部材1の長さは調節しておくべ
きであるが、このようにセットした後に、ベルト部材1
の長さをベルト調節部材3で微調整すれば、不自由な腕
の手首と肘とをそれぞれ手首保持部Aと肘保持部Bとに
通し、ベルト部材1を介して肩から背中で吊って安定し
た状態で支持することができることとなる。図2はこの
状態を示している。
【0036】なおベルト調節部材3によるベルト部材1
の長さの微調整の仕方はよく知られているが、敢えて述
べれば、次の通りである。まず前記ベルト部材1の長い
方1aに於ける一対のリング部材の輪の間に位置する部
位を若干引いて、これとベルト調節部材3との結合状態
を少し緩める。ベルト部材1の長さが短い場合は、その
後、長い方1aの端部側を上記輪の間に引き込んで、こ
れを反対側に強く引き出し、長さを長くするとともに、
その状態で固定する。ベルト部材1が長い場合は、長い
方1aの上記と反対側を上記輪の間に引き込んで、これ
を端部側に強く引き出し、長さを短くするとともに、そ
の状態で固定する。
【0037】<実施例による腕吊り用具のテスト使用結
果>実施例の腕吊り用具を片腕が不自由な人4人にテス
ト装着して貰い、その使用結果をまとめた。 いずれの人も一人でこれを簡単に装着することがで
き、不自由な腕を確実に安定して支持させることができ
た。また装着中に手首保持部Aや肘保持部Bから手首や
肘がずれてしまうこともなかった。 4人の内の2人の人に外出のため連続して8時間装着
して貰ったが、肩や背中が凝って痛くなることはなかっ
た。 4人の内の3人の人に6月の梅雨時に連続して6時間
装着して貰ったが、殆ど汗をかくことがなく、快適に不
自由な片腕を保持することができた。 周囲の人も装着中に痛々しい感じを受けることが殆ど
なく、いずれの人も気が滅入ってしまうようなことはな
かった。
【0038】
【発明の効果】従って、本発明の1の腕吊り用具によれ
ば、片腕が不自由な人が一人でこれを簡単に装着するこ
とができ、不自由な腕を確実に安定して支持させること
ができるものとなる。特に装着時に、くわえ片をくわえ
て手首保持部を不自由な手の手首側に移動させ得るの
で、非常に好都合である。
【0039】またその重量をできるだけ軽く構成したの
で、装着時に首や肩が凝って痛くなることがない。更に
それ自体が大げさなものではないので、装着した状態が
痛々しくなく、装着した人が病人っぽくなって気が滅入
ってしまうことがないものである。
【0040】本発明の2の腕吊り用具によれば、ベルト
部材の肩から背中で受ける部位を他の部位より幅広とし
たので、装着時に不自由な腕の重量をより広い面積で受
けとめることとなって、肩や背中が凝って痛くなること
がないものである。
【0041】本発明の3の腕吊り用具によれば、その重
量が軽くなると共に、通気性が良くなって夏季などに蒸
れることがなく汗をかくこともなくなる。また補強材に
よって網材のたるみが抑えられ、確実に不自由な腕の手
首や肘を保持することができるものとなる。
【0042】本発明の4の腕吊り用具によれば、くわえ
片の位置をより適切な位置に設定したので、これを口で
くわえて操作することがより適切に行えるようになった
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の腕吊り用具の一部切欠概略斜視図。
【図2】一実施例の腕吊り用具を人が装着した状態の説
明図。
【符号の説明】
1 ベルト部材 1a 長い方 1b 短い方 2a、2b、2c 網材 3 ベルト調節部材 3a、3b リング部材 4a、4b 補強材 5 くわえ片 A 手首保持部 B 肘保持部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト部材と、該ベルトの一端に備えた
    不自由な腕の手首を支持する手首支持部と、該ベルトの
    他端に備えた不自由な腕の肘を支持する肘支持部とから
    なり、該ベルト部材を、不自由な腕の肘を支持した肘支
    持部からその腕の側の肩を通じて背中に回し、更に反対
    側の腕の脇の下を通して身体の前に引出し、その端部の
    手首保持部で不自由な腕の手首を支持し得るように長さ
    調節可能に構成した腕吊り用具であって、上記手首支持
    部及び上記肘支持部を、手首及び肘をそれぞれ荷重をそ
    の一部に集中させないで受けるための幅を持った環状に
    構成し、かつ上記手首保持部にこれを口でくわえて一時
    保持又は操作するためのくわえ片を取り付けた腕吊り用
    具。
  2. 【請求項2】 前記ベルト部材の、装着時に肩から背中
    に当接することとなる部位を他の部位より幅広に構成し
    た請求項1の腕吊り用具。
  3. 【請求項3】 前記肘保持部及び前記手首保持部を、そ
    の主たる部材を網材で構成し、外縁部を補強材で構成し
    た請求項1又は2の腕吊り用具。
  4. 【請求項4】 前記くわえ片を、前記手首保持部の、装
    着時に肘側となる外側上部に取り付けた請求項1、2又
    は3の腕吊り用具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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