JP2003009565A - 角度/位置検出装置およびそれを用いたモータ制御装置 - Google Patents

角度/位置検出装置およびそれを用いたモータ制御装置

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JP2003009565A
JP2003009565A JP2001193497A JP2001193497A JP2003009565A JP 2003009565 A JP2003009565 A JP 2003009565A JP 2001193497 A JP2001193497 A JP 2001193497A JP 2001193497 A JP2001193497 A JP 2001193497A JP 2003009565 A JP2003009565 A JP 2003009565A
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angle
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signal
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Takaharu Watanabe
隆治 渡辺
Hitoshi Ueda
仁志 上田
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Sony Corp
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DCオフセットを効果的に除去する角度検出
器を提供する。 【解決手段】 角度検出器は、モータの回転角度を示す
90度位相がずれた少なくとも2相の検出信号を出力す
る2つの検出素子(10)と、2つの検出素子から出力
されるアナログ検出信号を変換する2つのAD変換手段
(21,22)と、AD変換手段で変換した2つのディ
ジタル信号に含まれるDC成分を除去する2つのフィル
タ手段(23,24)と、フィルタ手段の2つの出力信
号からモータの回転位置または回転角度を算出する演算
手段(25)と、モータの状態に応じてフィルタ手段を
適応的に制御する制御手段(26)とを有する。フィル
タ手段はHPF部分とLPF部分とを有し、HPF部分
においてAD変換信号にDC成分が加算され、LPF部
分は可変利得増幅手段およびDCオフセット除去したD
C値を保持する手段を有し、制御手段はモータの状態に
応じて所定の値のDC成分をハイパスフィルタ部分に印
加し、可変利得増幅手段の利得を変化させてフィルタ手
段の時定数を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータなどの回転
体の回転位置または回転角度などを検出する角度/位置
検出装置に関する。本発明は特に、角度/位置検出装置
に含まれるDCオフセットを除去して精度を高めた角度
/位置検出装置に関する。本発明はまた、そのような角
度/位置検出装置におけるDCオフセット除去方法に関
する。本発明はさらに、そのような角度/位置検出装置
を適用して回転体、たとえば、モータの制御を行う制御
装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モータを用いる各種の機器、たとえば、
ビデオ信号記録再生装置(VTR装置)、音声記録再生
装置などにおいては、ビデオテープなどの磁気記録媒体
を搬送するVTRキャプスタンモータの位置を正確に検
出して磁気記録媒体の位置を正確に位置決めするため、
VTRキャプスタンモータの位置および角度またはいず
れか一方を検出する検出装置(以下、角度/位置検出装
置)を用いている。そのような角度/位置検出装置とし
て、エンコーダ、FG(Frequency Generator )装置な
どが知られている。
【0003】エンコーダ、FG装置はVTRキャプスタ
ンモータなどのモータの軸の回転とともに回転して、そ
の回転に応じたパルス信号または交流信号を連続的に発
生する。そのようなパルス信号または交流信号はモータ
の1回転内の回転位置または回転角度を示す信号であ
る。VTRキャプスタンモータの回転位置または回転角
度を示す信号を検出する素子として、たとえば、MRセ
ンサを用いた場合は交流信号であるが、信号処理はディ
ジタル的に行うことが多く、そのような交流信号はディ
ジタル信号に変換されてパルス状の信号に変換される。
したがって、以下、パルス信号を代表して信号処理につ
いて述べる。
【0004】そのようなパルス信号を積算すればモータ
の総回転数とそのときの回転位置または回転角度が判る
から、たとえば、VTRキャプスタンモータによって磁
気テープがどれだけ搬送されたかが判る。
【0005】たとえばFG装置において、90度位相が
異なる2種の位置(または角度)検出信号、たとえば、
2相のFG信号を発生させ、2種のFG信号の位相関
係、すなわち、一方のFG信号の位相が他方のFG信号
の位相より遅れているか進んでいるかを判定すると、V
TRキャプスタンモータなどのモータが正(順)回転し
たか、逆回転したかが検出できる。もちろん、そのとき
の一方のFG信号からモータの回転位置または角度も判
る。
【0006】90度位相がずれた2相のFG信号から角
度を検出してモータの回転位置または角度位置を検出す
るFG装置の位置/角度検出信号を用いて、VTRキャ
プスタンモータなどのモータを駆動制御する装置、たと
えば、VTR装置において、FG信号にDC成分のず
れ、すなわち、DCオフセットがあるとVTRキャプス
タンモータの位置検出を正しく行うことができない。た
とえば、VTR装置においてそのような誤った位置検出
信号を用いてモータを制御すると、精度不良、あるい
は、モータの異常動作を招く可能性がある。
【0007】したがって、VTR装置などにFG装置を
用いた場合、FG装置において、2相のFG信号から角
度演算を行う前に、適切にDCずれ成分を除去する必要
がある。
【0008】FG装置において、DCオフセットを除去
するに際して、2相のFG信号のいずれかに生じるDC
オフセットが発生する原因を考察する必要がある。これ
まで追求されてきたDCオフセットの原因の主要なもの
を下記に挙げる。 (1)2相用の2つの位置検出素子の個々のばらつき (2)FG装置内の増幅回路(増幅アンプ)の個々のば
らつき(増幅アンプを使用している場合) (3)FG装置に使用している電源電圧の変動、 (4)FG装置内のAD変換器のばらつき (5)温度変化に起因するFG装置内の電子回路などの
特性変動 (6)FG装置の構成要素のの経時変化
【0009】角度/位置を検出するFG装置にDCオフ
セットがある場合の不具合の様子を図1および図2
(A)〜(C)を参照して述べる。図1は、余弦波成分
(cosθ)を示す第1相のFG信号FG1と正弦波成
分(sinθ)を示す第2相のFG信号FG2との波形
とそれらの関係を示した図である。図2(A)〜(C)
は、余弦波成分(cosθ)を示す第1相のFG信号F
G1をX紬に示し、正弦波成分(sinθ)を示す第2
相のFG信号FG2をY紬に示し、両者の交点をX−Y
二次元座標平面にプロットした図である。この2信号F
G1,FG2から角度を計算してモータの角度信号(ま
たはモータの回転位置信号)θを得る。角度信号θは下
記の演算により求めることができる。
【0010】
【数1】 θ=arctan(FG2/FG1)、(FG1≠0) θ=90° 、(FG1=0、かつ、FG2>0) θ=270°、(FG1=0、かつ、FG2<0) θ=任意の角度、(FG1=0、かつ、FG2=0) ・・・(1)
【0011】単位時間あたりのモータの角度信号θの変
化量を計算すると、モータの回転速度が分かる。このよ
うにして算出した角度信号(または位置信号)および回
転速度信号を用いると、モータの速度制御や位置制御が
可能となる。
【0012】図2(A)〜(C)において、モータが正
回転している場合、X−Y平面上の点が左周り(反時計
周り)に回転し、モータが逆回転している場合はX−Y
平面上の点が右回り(時計周り)に回転する。したがっ
て、モータの回転の向き(方向)、すなわち、正回転か
逆回転かも判る。
【0013】図2(A)に破線が示したように、実線で
示した位置からDCオフセットが小さい時は位置検出の
問題は起きない。
【0014】図2(B)に破線で示したように、実線で
示した位置からDCオフセットが大きい時で角速度の逆
転が起きるので、位置検出の問題が起きる。モータが正
回転するとFG1、FG2信号はA→B→C→D点のよ
うに移動するが、A→B点の場合は角速度の方向は合っ
ているが、C→D点の場合角速度の符号が反転する。こ
のような信号に基づいて算出した角度信号(または位置
信号)は、実際はモータが正回転方向に回転しているに
もかかわらずモータが逆回転(反転)してると検出され
た信号となり、制御手段がその検出信号を用いてモータ
を制御するとモータの速度を上げるほうに制御するの
で、モータが暴走する可能性がある。
【0015】図2(C)は、角速度の反転が起こる限界
のDCずれ量を推定した例を図解している。DCオフセ
ット量が大きい場合、検出信号が大きく誤ったものとな
り、その検出信号を用いてモータを制御すると、上記の
ごとくモータが暴走する可能性がある。しかし、DCオ
フセット量が小さい場合にもモータの速度(位置)を正
しく検出できず、そのような検出信号を用いてモータを
制御すると制御不良を招く可能性がある。したがってD
Cオフセットを除去することが必要になる。
【0016】上述したように、DCオフセットが発生す
る要因は種々あり、DCオフセットを除去するにはその
要因に則して行うことが望ましい。以下、そのようなD
Cオフセット除去方法の従来方法について例示する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】DCオフセット除去方
法として、FG装置を組み込んだ装置、たとえば、VT
R装置の製造時に、FG装置内のDCオフセットを測定
して、測定したDCオフセットを調整する方法が知られ
ている。しかしながら、AD変換器に入力されるアナロ
グ信号での段階で調整すると、FG装置にDA変換器を
組み込むことが必要となり、FG機器の価格が高騰し、
さらにFG装置の消費電力が増加するという問題があ
る。
【0018】以上、角度/位置検出装置としてFG装置
を例示して述べたが、FG装置以外の此の角度/位置検
出装置、たとえば、エンコーダなどにおいても上記DC
オフセットの問題に遭遇している。
【0019】本発明は、DCオフセットの影響がなく正
確な角度および/または位置を検出可能な、高精度で、
低価格で、消費電力が少ない角度/位置検出装置を提供
することにある。本発明はまた、そのような角度/位置
検出装置におけるDCオフセット除去方法を提供するこ
とにある。本発明はさらに、そのような角度/位置検出
装置を用いた装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点によ
れば、回転体の回転位置または回転角度を示す90度位
相がずれた少なくとも2相の検出信号を出力する2つの
検出素子と、上記2つの検出素子から出力される2つの
アナログ検出信号を変換する2つのAD変換手段と、上
記2つのAD変換手段で変換した2つのディジタル信号
に含まれるDC成分を除去する2つのフィルタ手段と、
上記2つのフィルタ手段の2つの出力信号から、少なく
とも前記回転体の回転位置または回転角度を算出する演
算手段と、上記回転体の状態に応じて前記フィルタ手段
を適応的に制御する制御手段とを有する角度/位置検出
装置が提供される。
【0021】前記フィルタ手段は、ハイパスフィルタ部
分と、ローパスフィルタ部分とを有し、前記ハイパスフ
ィルタ部分において前記AD変換手段の変換信号にDC
成分が加算され、前記ローパスフィルタ部分は、可変利
得増幅手段およびDCオフセット除去したDC値を保持
する手段を有し、前記制御手段は、前記回転体の状態に
応じて、所定の値のDC成分を前記ハイパスフィルタ部
分に印加し、前記可変利得増幅手段の利得を変化させて
前記フィルタ手段の時定数を変化させる。
【0022】前記制御手段は、前記回転体が回転してい
るときは前記フィルタ手段を動作させ、前記回転体が停
止しているときは前記フィルタ手段における前記可変利
得増幅手段の利得を0にしてDC値を保持させる。
【0023】前記制御手段は、前記回転体の起動後の所
定時間は前記可変利得増幅手段の利得を小さくして前記
フィルタ手段の時定数を短くし、一定時間経過後は前記
可変利得増幅手段の利得を大きくして前記フィルタ手段
の時定数を長くし、前記回転体が停止しているときは前
記フィルタ手段における前記可変利得増幅手段の利得を
0にして前記フィルタ手段においてDC値を保持させ
る。
【0024】前記制御手段は、前記回転体の回転時に前
記回転体の回転方向と前記演算手段で演算した前記回転
体の回転の向きが逆の場合は、前記回転体を回転させる
駆動手段の付勢力を下げ、前記フィルタ手段の時定数を
所定時間だけ極端に短くする。特定的には、前記回転体
はモータであり、前記制御手段は、前記モータ回転時に
前記モータの回転方向と前記演算手段で演算した前記モ
ータの回転の向きが逆の場合は、前記モータに印加する
電圧を下げ、前記フィルタ手段の時定数を所定時間だけ
極端に短くする。
【0025】前記制御手段は、前記回転体を定常回転さ
せ、前記フィルタ手段で算出し保持しているDC値から
前記フィルタ手段に現在印加しているDC値加算量を減
じて、その値を新たなDC加算量としてメモリ手段に保
持する。
【0026】前記制御手段は、電源投入後の初期動作時
に、前記メモリ手段に保持した前記DC加算量を前記フ
ィルタ手段に設定する。
【0027】本発明の第2の観点によれば、モータと、
前記モータの回転角度および/または位置を検出する上
記角度/位置検出装置と、モータ制御手段と、前記モー
タを駆動する駆動手段とを有するモータ制御装置が提供
される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て述べる。本願発明者は、回転体、たとえば、モータの
回転角度または回転位置(以下、角度/位置と表す)を
検出する角度/位置検出装置にDCオフセットが含まれ
た場合、その影響を排除する方法を種々考察した。特
に、本発明においては、そのような角度/位置検出装置
が回転体と協動して動作する観点から、回転体の動作に
関連させてDCオフセットを除去することを考案した。
【0029】以下の記述において、回転体として、VT
Rキャプスタンモータなどのモータを例示し、本発明の
角度/位置検出装置はモータの回転角度/位置を検出す
るFG装置について例示する。本実施の形態において
は、モータとして3相DCモータ50を用いた場合につ
いて述べる。
【0030】FG装置 図3は本発明の角度/位置検出装置の1実施の形態とし
て、VTR装置のVTRキャプスタンモータの回転角度
/位置を検出するFG装置の構成を示す図である。図3
に図解したFG装置は、MRセンサ10と、下記に述べ
る各種演算処理を行うマイクロコンピュータ(μC)2
0と、不揮発性メモリ30とを有している。
【0031】FG装置で検出した3相DCモータ50の
回転角度/位置信号に基づいて、3相DCモータ50の
回転位置制御を行う場合、VTR装置は、上記FG装置
の他に、マイクロコンピュータ(μC)20を用いたモ
ータ制御部分28、ローパスフィルタ(LPF)41、
電力増幅回路43、および、3相変換部45を有する。
図3の図解において、μC20はFG装置の他、モータ
制御部分28としても機能する。
【0032】FG装置の構成について述べる。MRセン
サ10は、モータ、たとえば、VTRキャプスタンモー
タに用いる3相DCモータ50の回転軸51の先端に設
けられ、周波数信号発生部52の近傍に設けられてい
る。周波数信号発生部52の周縁には交互に所定のピッ
チでN極とS極の磁性体が設けられており、周波数信号
発生部52がモータ回転軸51の回転とともに回転する
と、周波数信号発生部52の近傍に設けられたMRセン
サ10に交番磁界を発生する。
【0033】MRセンサ10 MRセンサ10はその交番磁界の変化に応じて交流信号
を発生する。本実施の形態においては、図1に図解した
ように、2相のFG信号FG1,FG2を生成するた
め、MRセンサ10は、図2のごとく接続されたMR検
出素子11〜14から構成されている。図1に図解した
ように、第1相のFG信号FG1は、本実施の形態では
余弦波(cosθ)信号であり、第2相のFG信号FG
2は、本実施の形態では正弦波(sinθ)信号であ
る。このように、第1相のFG信号FG1と第2相のF
G信号FG2とは位相が90度ずれている。位相が異な
る2つの信号を用いるのは3相DCモータ50の回転の
向き(回転方向)を検出するためである。
【0034】なお、第1相のFG信号FG1と第2相の
FG信号FG2とは必ずしも正確に90度位相がずれて
いる必要はなく、3相DCモータ50の回転方向(向
き)を検出可能な所定の範囲の位相ずれ、たとえば、3
0〜120度程度の位相ずれであっても構わない。この
ような位相ずれのある第1相のFG信号FG1および第
2相のFG信号FG2を生成するためには、MRセンサ
10を構成するMR検出素子11〜14の位置をずらせ
ばよい。ただし、以下の実施の形態においては、第1相
のFG信号FG1と第2相のFG信号FG2とが90度
位相ずれている場合について述べる。
【0035】図3には図解していないが、MRセンサ1
0の出力信号である第1相のFG信号FG1および第2
相のFG信号FG2を増幅する増幅回路をMRセンサ1
0の後段に設けることもできる。特に、MRセンサ10
とμC20との距離が長い場合、あるいは、MRセンサ
10で検出した第1相のFG信号FG1および第2相の
FG信号FG2のレベルが低い場合など、MRセンサ1
0の後段に増幅回路を設けて、増幅した第1相のFG信
号FG1および第2相のFG信号FG2をマイクロコン
ピュータ(μC)20内のAD変換器21,22に入力
することが好ましい。
【0036】マイクロコンピュータ(μC)20 マイクロコンピュータ(μC)20は、2つのAD変換
器21,22、2つのハイパスフィルタ(HPF)2
3,24、角度演算器25、サーボ演算角度検出器制御
部(CPU)26、および、パルス幅変調(PWM)回
路27を有している。なお、μC20のサーボ演算角度
検出器制御を行うCPU26において、ハイパスフィル
タ23,24のフィルタ処理および角度演算器25の演
算処理を行うこともできる。
【0037】AD変換器21,22 AD変換器21,22はそれぞれ、MRセンサ10から
出力されたアナログ信号形態の第1相のFG信号FG1
および第2相のFG信号FG2を所定のサンプリング周
期でディジタル信号に変換する。サンプリング周期は、
サンプリング理論に従って、周波数信号発生部52で発
生する周波数の少なくとも2倍の周波数の周期である。
このAD変換器21,22における変換時にDCオフセ
ットが含まれることがある。
【0038】本実施の形態においては、2個のAD変換
器21,22を用いた構成を例示しているが、1個のA
D変換器21のみ設け、タイミングを異ならせて、第1
相のFG信号FG1および第2相のFG信号FG2を順
次入力して2つのFG信号FG1,FG2をAD変換す
る、多重化処理の回路構成にすることもできる。ただ
し、本実施の形態においては2個のAD変換器21,2
2を併設した場合について述べる。
【0039】2つのHPF23,24はそれぞれAD変
換器21,22で変換されたディジタル信号である第1
相のFG信号FG1および第2相のFG信号FG2に含
まれるDCオフセット成分を除去する。HPF23,2
4の回路構成を図4を参照して述べる。
【0040】HPF23,24(HPF200) 2つのHPF23,24は、図4に図解したHPF20
0のように、基本的に同じ回路構成をしている。HPF
200は、最上位ビット反転部201と、第1加算部2
02と、第2加算部(または減算部)203と、可変利
得増幅部204と、第3加算部205と、D型フリップ
フロップ(D−FF)206とを有する。
【0041】HPF200の入力信号(パラメータ)は
余弦波入力信号CosSin_In,余弦波DC加算信
号CosDC_add,ハイパスフィルタ係数HPFc
oefの3つである。HPF200の出力信号は余弦波
出力信号CosSin_Out,余弦波DC検出信号C
osDC_detの2つである。
【0042】余弦波DC加算信号CosDC_addは
DCオフセット除去用のデータである。その詳細は後述
する。フィルタ係数HPFcoefはHPF200の時
定数を変化させるためのパラメータである。フィルタ係
数HPFcoefとHPF200の時定数との関係につ
いては詳細を後述する。
【0043】HPF200の外部、たとえば、サーボ演
算角度検出器制御部26から制御可能なのは、余弦波D
C加算信号CosDC_addとフィルタ係数HPFc
oefの2つであり、HPF200の外部から観測可能
なのは余弦波DC検出信号CosDC_detである。
【0044】HPF200においては、第1の加算部2
02において、最上位ビット反転部201で符号反転さ
れた余弦波入力信号CosSig_Inに余弦波DC加
算信号CosDC_addを加算し、第2の加算部(減
算部)203で余弦波入力信号CosSig_Inに余
弦波DC加算信号CosDC_addを加算した結果に
余弦波DC検出信号CosDC_detを減じてDCオ
フセット除去処理を行い、第3の加算部205で、第2
の加算部(減算部)203で減じた余弦波DC検出信号
CosDC_detを可変利得増幅部204の出力に加
算している。
【0045】余弦波DC加算信号CosDC_add
は、DCオフセットを除去するための加算信号である。
不揮発性メモリ30にDCオフセット除去用データを格
納しておき、サーボ演算角度検出器制御部26がそれを
読みだしてDC加算信号CosDC_addとして、H
PF200(具体的には、HPF23,24)に与え
る。
【0046】第2加算部(または減算部)203、可変
利得増幅部204、第3加算部205、D型フリップフ
ロップ206からなり、ノードN1〜N3において図3
の如く接続された回路は、一次IIR型のフィルタ回路
を構成している。最上位ビット反転部201からノード
N3までの回路は、ローパスフィルタ(LPF)の特性
を示し、最上位ビット反転部201からノードN1まで
の回路は、ハイパスフィルタ(HPF)の特性となる。
本明細書において、このようなLPFおよびHPFをそ
れぞれHPF200内の局部LPFおよび局部HPFと
呼ぶ。
【0047】代表例として、AD変換器21において第
1相のFG信号FG1がディジタル信号に変換されてH
PF200に入力された場合についてHPF200の動
作を述べる。
【0048】AD変換された第1相のFG信号FG1が
余弦波入力信号CosSig_InとしてHPF200
の最上位ビット反転部201に入力される。最上位ビッ
ト反転部201は、AD変換された第1相のFG信号F
G1の最上位(MSB)ビットを反転してAD変換結果
である符号無しデータを符号付データに変換する。な
お、AD変換器21において最上位ビット反転部201
の処理を行った信号を出力する場合は、換言すれば、A
D変換器21に最上位ビット反転部201の回路を組み
込んである場合は、上述した最上位ビット反転部201
は設ける必要はない。第1加算部202は、最上位ビッ
ト反転部201の出力信号に余弦波DC加算信号Cos
DC_addを加算する。
【0049】第1加算部202の結果がノードN1から
局部HPFの出力信号としての余弦波出力信号CosS
in_Outとして出力される。ただし、この実施の形
態における局部HPFには第2加算部(減算部)203
が含まれており、第1加算部202の出力信号から、局
部LPFの出力信号、すなわち、ノードN3における余
弦波DC検出信号CosDC_detを減じた差分信号
を局部HPFの出力信号としている。
【0050】一次IIR型LPF210内の第2加算部
(減算部)203において、第1加算部202の出力信
号から局部LPFの出力信号であるノードN3における
余弦波DC検出信号CosDC_detを減じた後、利
得増幅部204において第2加算部(減算部)203で
算出した差分信号に利得(ゲイン)を乗じて増幅する。
可変利得増幅部204の利得は可変であり、HPF20
0の外部から、たとえば、サーボ演算角度検出器制御部
26から与えるハイパスフィルタ係数HPFcoefに
よって利得増幅部204の利得を変化させる。表1に、
例示として、フィルタ係数HPFcoefの値0〜3に
対する利得増幅部204の利得の例を示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示すように、フィルタ係数HPFc
oefの値0〜3に応じて利得増幅部204の利得を変
化させることは、その内部で実質的に時定数を変化させ
ることを意味する。本実施の形態ではHPF200の外
部から、たとえば、サーボ演算角度検出器制御部26か
ら、VTR装置の状態、たとえばVTRキャプスタンモ
ータの状態に応じてフィルタ係数HPFcoefの値を
0〜3の範囲で利得増幅部204に与えることにより、
フィルタ係数HPFcoefを受けた利得増幅部204
は事前に表1に例示したように、フィルタ係数HPFc
oefの値に応じた利得を選択して、その利得で第2加
算部203の出力信号を増幅する。
【0053】以下、表1に示した具体的な例示について
説明する。なおサーボ演算角度検出器制御部26には、
図解を省略したが、下記の動作処理を行うためのVTR
装置の状態、特に、3相DCモータ50としてのVTR
キャプスタンモータの動作状態などの信号が入力されて
いるものとする。
【0054】(a)VTRキャプスタンモータが停止し
ているときにサーボ演算角度検出器制御部26はフィル
タ係数HPFcoef=0を利得増幅部204に与える
と、利得増幅部204は利得=0を選択する。利得=0
は時定数が無限大であることを意味しており、その場合
は、D−FF206のDC値は保持される(ホールドさ
れる)。
【0055】(b)VTRキャプスタンモータが定常動
作時にサーボ演算角度検出器制御部26はフィルタ係数
HPFcoef=1を利得増幅部204に与えると、利
得増幅部204は利得=1/1000を選択する。利得
=1/1000は時定数が1秒であることを意味してお
り、その場合は、HPF200は時定数=1秒で動作す
る。
【0056】(c)VTRキャプスタンモータの起動時
にサーボ演算角度検出器制御部26はフィルタ係数HP
Fcoef=2を利得増幅部204に与えると、利得増
幅部204は利得=1/100を選択する。利得=1/
100は時定数が100msであることを意味してお
り、その場合は、HPF200は時定数=100msで
動作する。
【0057】(d)VTRキャプスタンモータの逆転を
検出時にサーボ演算角度検出器制御部26はフィルタ係
数HPFcoef=3を利得増幅部204に与えると、
利得増幅部204は利得=1/10を選択する。利得=
1/10は時定数が10msであることを意味してお
り、その場合は、HPF200は時定数=10msで動
作する。
【0058】(e)フィルタ係数HPFcoefが0か
ら1の範囲でHPF200はDC値をホールドし、HP
Fcoef=1でHPF200はスルー状態となり、H
PFcoefが0から1の間の数値の場合は0に近い値
になるほど時定数は長くなる。したがって、利得の値を
0にすることでVTR装置(またはHPF200)の電
源が入っている限り、現状のDC除去量を無限時間ホー
ルドすることができる。
【0059】このように、本実施の形態は、HPF20
0の外部から、たとえば、サーボ演算角度検出器制御部
26からフィルタ係数HPFcoefを指定し、利得増
幅部204が指定されたフィルタ係数HPFcoefに
応じて予め記憶されている時定数を選択して一次IIR
型LPF210の時定数を変化させて、DCオフセット
を除去する特性を変化可能にしている。換言すれば、H
PF200は外部の指示によって時定数を変化させ、D
Cオフセット除去特性を調整可能な構成になっている。
【0060】なお、サーボ演算角度検出器制御部26は
上述したようにフィルタ係数HPFcoefをHPF2
00に指定するのではなく、直接、時定数そのものを指
定するようにしてもよい。そのように構成すれば、上述
したように、事前に利得増幅部204にフィルタ係数H
PFcoefに対応させて複数の時定数を記憶しておく
必要もなく、サーボ演算角度検出器制御部26は、多数
の時定数をHPF200に設定することができるように
なり、種々の時定数をきめ細かく設定でき、HPF20
0のDCオフセット除去特性を高い自由度で調整でき
る。
【0061】利得増幅部204の出力信号が第3加算部
205においてノードN3における余弦波DC検出信号
CosDC_detが加算される。第3加算部205に
おいて余弦波DC検出信号CosDC_detを加算す
るのは、上述したように、第2の加算部(減算部)20
3において、余弦波DC検出信号CosDC_detを
減じたのでそれを補償するためである。
【0062】第3の加算部205の出力信号がD−FF
206に入力されて保持される。D−FF206にはD
C値が蓄積されることになり、その値が余弦波DC検出
信号CosDC_detとしてHPF200(一次II
R型LPF210)から出力される。なお、D−FF2
06は、初期状態においてFG装置の電源がオフ状態か
らオンになったとき、0にクリアされているものとす
る。
【0063】以上を要約すると、第1加算部202の出
力信号が一次IIR型LPF210においてローパスフ
ィルタ処理されて、余弦波DC検出信号CosDC_d
etとして一次IIR型LPF210から出力されるこ
とを意味している。
【0064】以上、第1相のFG信号FG1について述
べたが、第2相のFG信号FG2についても同様であ
る。
【0065】角度演算器25 角度演算器25は、HPF23,24の出力を参照して
VTRキャプスタンモータの角度(θ)を算出する。角
度演算の方法は式1を参照して述べた従来と同様であ
る。その方法の概要を述べる。FG装置において、モー
タ1回転当たり、たとえば、300波の第1および第2
層のFG信号FG1、FG2が発生する。角度演算器2
5は、周波数特性を向上させるため、1波のFG内の信
号を角度に変換してサーボ制御に使用する角度信号を発
生する。VTRキャプスタンモータ50の周波数信号発
生部52が基準位置を通過したとき、基準のリセットパ
ルスが角度演算器25に入力される。角度演算器25は
各回転ごと、基準のリセットパルスが入力されるたび、
1回転当たりの角度データをクリアする。角度演算器2
5は、HPF23の出力信号CosSig out(ま
たは、HPF24の出力信号SinSig out)を
所定のしきい値レベルで識別して2値化し、ディジタル
パルス信号に変換する。角度演算器25はこのパルスを
計数して角度データに加算する。この加算結果がVTR
キャプスタンモータ50のFG装置の1波内の角度を示
している。
【0066】パルス信号の発生時間間隔を測定すれば、
瞬間的な角速度信号が得られる。また、1回転する時間
を測定すれば、VTRキャプスタンモータ50の1回転
当たりの平均速度が算出できる。
【0067】VTRキャプスタンモータ50の回転の向
きは、図5に図解したように、本来90度位相がずれて
いるHPF23の出力信号CosSig outとHP
F24の出力信号SinSig outのいずれかが先
に到来するを検出して判断する。このようにして算出し
た回転の向きを含むモータ50の1FG波形内の角度信
号、角速度信号を角度信号θと称して、サーボ演算角度
検出器制御部(CPU)26に出力する。
【0068】また、角度演算器25は、上記1回転毎の
角度データを累積していき、そのときのVTRキャプス
タンモータ50の合計角度移動量(または位置変化量)
を算出する。ただし、VTRキャプスタンモータ50の
合計角度移動量(または位置変化量)を算出は、角度信
号θを入力したサーボ演算角度検出器制御部(CPU)
26で行うこともできる。
【0069】サーボ演算角度検出器制御部 サーボ演算角度検出器制御部26は、表1を参照して述
べたVTR装置の状態に応じた制御を行う他、角度演算
器25で算出した角度信号θを参照してVTR装置のV
TRキャプスタンモータの速度制御、位置制御演算を行
う。速度制御および位置制御演算は従来と同様である。
【0070】PWM回路 サーボ演算角度検出器制御部(CPU)26の制御演算
結果は、PWM回路27においてパルス幅変調されて、
PWM変調制御信号S27としてLPF41に出力され
る。
【0071】LPF41はPWM変調制御信号S27の
低周波成分を通過させ、その結果を電力増幅回路43が
3相DCモータ50を駆動可能なレベルの電圧信号に増
幅して、3相変換部45に出力する。3相変換部45
は、3相DCモータ50を駆動する3相の駆動信号に変
換して3相DCモータ50に印加する。
【0072】3相DCモータ50の制御信号としては、
上述した他、論理信号として、モータオン信号、モータ
正回転/逆回転(FWD/RVS)信号が、サーボ演算
角度検出器制御部(CPU)26から出力される。
【0073】不揮発性メモリ30は、FG装置における
DCオフセット量を記憶するなどのために設けられてお
り、演算部28またはサーボ演算角度検出器制御部(C
PU)26の指令により、不揮発性メモリ30へのデー
タの書き込みまたは不揮発性メモリ30からの読み出し
が行われる。不揮発性メモリ30から読み出されたデー
タは上述したように、余弦波DC加算信号CosDC_
addとしてHPF200(具体的には、HPF23,
24)に与えられる。
【0074】DCオフセット除去方法の例 FG装置を用いて3相DCモータ50の角度/位置を検
出する場合にFG装置にDCオフセットが含まれる場合
のDCオフセットの除去方法の概要を下記の表2に示
す。表2は図4にHPF200として代表回路例を示し
たHPF23,24の時定数をモータの駆動時は停止時
に応じて変化させるか否か、モータ駆動時の起動時と定
常時にどのようなサーボ方式を用いるのか、それらの場
合の利点と欠点、判定結果を簡単に示している。
【0075】
【表2】
【0076】方法1 表2の方法1はモータの回転、停止に関わらずDCオフ
セット値を常に除去する方法である。この方法では信号
のDC成分を常に除去しているためDCオフセットの影
響は受けないが、モータ停止時には位置情報の意味を持
っているFG信号をGNDレベルに引き込んでしまうた
め、次回のモータ起動時には、起動後しばらくの間は角
度を正確に検出できないという不具合がある。かりにF
G信号に振幅変動があり起動後、信号の振幅が小さくな
ったときには、検出角速度の逆転が起き、その検出信号
を用いてモータを制御するとモータが暴走することもあ
りうる。したがって方法1は実際には採用できない。換
言すれば、モータの回転・停止に係わらず無条件にDC
オフセット除去を行うことが好ましくないことを意味し
ている。
【0077】改正方法1 方法1の欠点を改善したものが改正方法1である。改正
方法1においては、モータ起動後、一定時間は角度信号
からモータ駆動せずに、DCオフセットの収束を待ち、
一定時間経過後、角度信号θをもとにモータを駆動す
る。表2においては、角度信号θをもとにモータを動か
すことを角度サーボと命名している。
【0078】方法2 方法2は一度DCオフセット量を調整した後(調整しな
くてもよい)、HPF23,24においてDCオフセッ
ト成分をいかなる時にも除去しない方法である。方法2
では温度変化等によるDC変動が大きい場合にはモータ
暴走の不具合を生じるが、DC変動量が小さい場合はこ
の方法でも問題はない。
【0079】方法3 方法3はモータ回転時にはDCオフセットを補正し、モ
ータ停止時にはDC値ホールドとする方法である。方法
3では、モータ回転中はDCオフセット補正しているの
で、温度特性によるDC変動の影響は受けないという利
点がある。モータ停止時にはDC値をホールドしている
のでモータ停止期間中にDCオフセットがなければ、次
回の最初のモータ起動も問題ない。温度によるDC変化
量が小さければ、方法3のみを実施すれば問題はない。
方法3が優れている点は、DCオフセットの悪影響を受
けるのが、モータ停止時にDCオフセットがあった後の
モータ最初の起動のみという点である。
【0080】以上の考察から、本発明の実施の形態とし
ては改正方法1および方法3を適用した。
【0081】方法3の実施の形態 方法3の具体的例として、モータ起動後の一定時間、H
PF23,24の時定数を短くすることによりDCオフ
セットの引き込みを速くし、その後、HPF23,24
の時定数を長くすることによりモータの起動が安定し、
モータの定常走行特性も安定させることができる。
【0082】DCオフセット対応策 DCオフセットが非常に大きい場合、モータが反転して
いると勘違いしてモータを制御するとモータが暴走する
可能性がある。実際にその現象が起きる可能性があるの
は、方法3を実施している場合には、モータ停止時や、
VTR装置の電源オフ時に、大きな環境変化が起きてD
C値が大きくずれた後の最初のモータ起動時に起きると
予想される。そこで、たとえば、サーボ演算角度検出器
制御部26またはモータ制御部分28において、検出角
速度がモータの走行方向と逆であることが分かった場合
には、サーボ演算角度検出器制御部26またはモータ制
御部分28は、3相DCモータ50に印加する電圧を低
下させ、かつ、HPF時定数を一定時間大幅に短くす
る。この処理でHPF23,24において短時間でDC
オフセットを引き込み、安定した起動動作を実現でき
る。
【0083】本願発明者はDCオフセットの除去方法と
して大きく2つに分けて考えた。第1の方法は、VTR
装置の製造時等にDCオフセットを調整し、その調整値
を不揮発性メモリ30に記憶しておき、VTR装置の電
源立ち上げ時にはこの調整値を使用する方法である。第
2の方法は、VTR装置の動作中に起きるDCオフセッ
トをリアルタイムで除去する方法である。以下、これら
のDCオフセット除去方法、および、モータ駆動の方式
について詳細に述べる。
【0084】FG装置におけるDCオフセットの調整方
FG装置のDCオフセットの調整を行うのは、VTR装
置またはFG装置の製造時や、ユーザから調整の要求が
あった時、もしくは、VTR装置またはFG装置が自己
診断調整が必要だと判断した時に自動で調整してもよ
い。
【0085】その第1の処理方法を図6および図7にフ
ローチャートとして示した。図6は初期状態の余弦DC
加算量CosDC addおよび正弦DC加算量Sin
DC addの設定方法を図解している。初期状態、す
なわち、FG装置またはVTR装置の電源をオンにした
とき(ステップ1)、サーボ演算角度検出器制御部26
が不揮発性メモリ30からFG装置固有のDCオフセッ
ト量を補正するデータを読み出し(ステップ2)、図4
に図解した余弦DC加算量CosDC addおよび正
弦DC加算量SinDC addとして、HPF23,2
4に入力する(ステップ3)。
【0086】図7はFG装置の製造時、ユーザから調整
が要求されたときなどに行う調整処理を示すフローチャ
ートである。ステップ1〜3は上記処理方法と同じであ
る。ステップ4において、たとえば、ユーザから調整が
要求されたとき、たとえば、サーボ演算角度検出器制御
部26は3相DCモータ50を回転させ、HPF23,
24をオン状態にする(ステップ5)。サーボ演算角度
検出器制御部26は3相DCモータ50の回転が安定す
るまで待ち、HPF23,24のDC除去値が収束する
のを待つ(ステップ6)。サーボ演算角度検出器制御部
26は、HPF23,24それぞれのDC除去値Cos
DC det,SinDC detとDC加算値Cos
DC add,SinDC addから下記式2に基づ
いて、新たなDC加算値CosDC add,SinD
addを計算する(ステップ7)。
【0087】
【数2】 CosDC add(新)=CosDC add(現在) −CosDC det SinDC add(新)=SinDC add(現在) −SinDC det ・・・(2)
【0088】サーボ演算角度検出器制御部26は計算し
た新たなCosDC add(新)およびSinDC
add(新)を不揮発性メモリ30に記憶する(ステッ
プ8)。
【0089】不揮発性メモリ30に記憶されたCosD
add(新)およびSinDC add(新)は、次
回のVTR装置またはFG装置の初期状態、すなち、電
源投入時に、図6に図解した処理によって不揮発性メモ
リ30から読みだされてHPF23,24に設定され
る。これらのDC加算値CosDC add(新),S
inDC add(新)は、適正な値であるため、HP
F23,24において適切にDCオフセット除去が行わ
れ、角度演算器25で算出した角度信号θを用いて3相
DCモータ50を起動すると、初回から3相DCモータ
50の起動が良好に行われる。
【0090】具体例 以下、表3〜表5を参照して具体例を例示する。
【0091】
【表3】
【0092】表3の諸元のとき、入力電圧0.1Vに対
するAD変換器21,22におけるAD変換値のずれ
は、(0.1/3.0)×256デジット(桁)=8.
5デジットとなる。3相DCモータ50を回転させ、H
PF23,24をオンにして、HPF23,24のCo
sDC det,SinDC detが安定した時、下
記になる。
【0093】
【表4】
【0094】式2を適用して新たなDC加算値を計算す
ると下記表5に示す値になる。したがって、不揮発性メ
モリ30には表5に示した下記のデータを書き込む。
【0095】
【表5】
【0096】この値は、第1相のFG信号FG1および
第2相のFG信号FG2のDCオフセットを補正する値
である。
【0097】このように実際にAD変換器21,22の
入力端で見たDCオフセット量を推定計算できることが
分かる。推定計算したDCずれ量を不揮発性メモリ30
に記憶し、電源投入時に不揮発性メモリ30に記憶させ
ているCosDC add(新)およびSinDC
dd(新)を読みだして、HPF23,24に印加する
ことにより、DCオフセットの除去をVTR装置、FG
装置の電源投入直後から行うことができる。
【0098】次いで一般動作におけるDCオフセットの
補正方法について述べる。図8(A)〜(C)および図
9(A)〜(B)は、HPF23,24の時定数制御、
および、モータ制御のタイミングチャートである。
【0099】図8(A)〜(C)を参照して定常的な制
御方式について述べる。図8(A)〜(C)は、モータ
動作時にHPF23,24オン、モータ停止時にDCホ
ールドする制御の例を示したタイミングチャートであ
る。表6にHPF23,24(HPF200)の利得増
幅部204の利得とその動作を示した。
【0100】
【表6】
【0101】図8(A)図解した例1は、モータ動作時
にはいつでも同じHPF時定数を使用する。
【0102】図8(B)に図解した例2は、モータ起動
後一定時間のみHPF23,24の時定数を短くする。
起動後なるべく速くDCずれを補正するためである、モ
ータ定常時にはHPF23,24の時定数を長くし、H
PF23,24によるDCオフセット除去をしすぎるこ
とによる不利益を軽減させる。この不利益とは、具体的
にはHPF23,24でDCオフセット除去をした後の
FG信号の振幅が小さくなる、モータが一瞬停止あるい
はモータの速度が少し落ちただけでDCの誤引き込みし
てしまうなどである。
【0103】図8(C)に図解した例3は、例2をさら
に改善したもので、モータ起動後、モータの速度が遅い
ときにはHPF23,24の時定数を長くしておき、加
速完了後にHPF23,24の時定数短くしてDCずれ
を高速で引き込み、定常時はHPF23,24の時定数
を下げる。このように制御する理由は、モータ起動後、
モータがまだゆっくり回っているときに、DC引き込み
が間違って行われることをなくすためであり、案2より
も安定したモータ制御、特に安定したモータ起動特性が
実現できる。
【0104】そもそもFG信号のDCオフセットを除去
するには、FG信号(モータ)は止まっていてはだめ
で、ある程度以上の周波数で動いている時に初めてDC
を検出して、DCを除去できるという事実を考えれば、
図8(C)に図解した例3の制御が効果的なのは当然で
ある。より一般的に、何らかの方法でFG周波数を検出
し、それに従ってHPFの時定数を切り替えるという制
御方式でも良い。たとえば、FG周波数の1/10にH
PFのカットオフ周波数を持っていく方法でもよい。
【0105】次に図9(A)〜(B)を参照して過渡的
な制御方式について表6を参照して説明する。表6は、
上述したように、にHPF23,24(HPF200)
の利得増幅部204の利得とその動作を示したものであ
る。
【0106】図9(A)に図解した例4は、図8(C)
に図解した例3の制御方式を用いて制御中に、DCずれ
が非常に大きくて角速度の反転が起きた場合である。こ
の場合、モータの暴走を食い止めるために、モータに加
える電圧を0Vにして、かつ、FGのDCを急速に引き
込むため、HPF23,24の時定数を一定時間(8m
sec)大きく上げている。この制御方式により、例え
モータ起動時にDCずれが非常に大きい場合にもモータ
暴走させずに起動が行える。
【0107】図9(B)図解した例5は、HPF23,
24をモータ停止時にもオンする制御方式である。モー
タ起動時には一定時間角度サーボをかけられない。この
区間の制御方式の具体例としては、モータ駆動電圧を固
定電圧にして、モータを起動させモータの速度が上がっ
てしばらく待ち、DC値が引き込んだら角度サーボを行
えばよい。
【0108】実際の機器の動作波形 図10〜図13は実際の機器の動作波形を示すグラフで
ある。VTRキャプスタンモータの停止からX1(FG
周波数360Hz)定常走行になる時の波形である。F
Gエッジ信号1波は、FG1信号アナログ信号1波に対
応するデジタル信号である。この周期をみるとモータ速
度が分かる。
【0109】図10はDCオフセットがないときのモー
タの起動波形を示すグラフである。図10において、D
Cオフセットがないときは、起動後すぐに速度が安定し
モータ駆動電圧のうねりも少ない。通常はこのような起
動特性である。
【0110】図11はDCオフセットがあるときでDC
オフセット除去処理をしない場合のモータの起動波形を
示すグラフである。図11において、DCオフセット除
去処理を行わない場合、モータ停止時にDCがずれてい
る(DCオフセットしている)。DCオフセット量はF
G1/FG2ともに0−p値の1倍で、角速度に反転が
生じ、モータが暴走している。
【0111】図12はFG1/FG2ともに0−p(ピ
ーク)値の1/21/2 倍のDCオフセットがあり、DC
オフセット除去対策を講じたときのモータの起動波形を
示すグラフである。図12において、モータ停止時はH
PF23,24オフ、モータオンから60msecまで
の間はHPF23,24の時定数を短くし、その後はH
PF23,24の時定数を長くするという制御を行い、
DCずらし量をFG1/FG2ともに0−p値の1/√
2培(角速度反転ぎりぎり)にした。起動後、モータ駆
動電圧のうねりが急速になくなっているのは、HPF2
3,24によりDC成分を除去している効果である。起
動後しばらくの間は、モータ駆動電圧にうねりがある
が、これはDCずれがあるために、モータが一定速度で
回っていても速度変化していると検出されて、サーボ演
算により駆動電圧を変化させているためである。この駆
動電圧変動によりモータ速度も変化する。それではVT
R装置においてVTRキャプスタンモータを用いて安定
したビデオテープの走行ができない。このため、DCず
れはないほうが良い。あったとしても、起動後なるべく
速くDCずれを除去するのが望ましい。モータ走行時に
HPF23,24をオンしておけばこのDCずれは除去
できる。
【0112】図13は角速度逆転時の暴走対策処理を入
れた時の波形を示すグラフである。図13において、D
Cずらし量をFG1/FG2ともに0−p値の1倍(角
速度反転は生じる)にしてある。DCオフセット除去対
策なしの場合は図11に例示したように、モータが暴走
するが、図13に図解した例ではモータ起動後、角速度
反転検出し、モータ駆動電圧を下げた後、モータ駆動波
形はしばらくうねってから収束する。モータの速度をF
Gエッジ信号の周期で見ても、モータ速度のあばれは少
ないのが分かる。
【0113】シミュレーション波形 図14はDCずれあるときの、HPFのDC引き込みの
シミュレーション波形である。モータ停止時に生じたD
Cずれをモータ起動後、HPF23,24をオンにして
DCずれを引き込み、検出角速度が安定する様子が確認
できる。
【0114】HPF23,24の内部DC値は時刻0に
て、データ0からスタートし、 FG1(cos)信号入力=cos(2×π×f×T)
+1/2 FG2(sin)信号入力=sin(2×π×f×T)
一1/2 入力信号周波数/f =200Hzの場合である。
【0115】図14の図解から時間と共に入力信号のD
C値(cos信号側は1/2,sin信号側は−1/
2)に、HPF23,24のDC除去値(CosDC_
det,SinDC_det値)が引き込んでいく様
子、DC除去後のHPF出力信号(cosOutpu
t,sinOutput)の信号DCレベルが0センタ
に近づいていく事、検出角速度の変動(あばれ)がなく
なっていく事が確認できた。
【0116】図15はFG1,FG2をX−Y軸にプロ
ットしたグラフであり、FGリサージュ波形が時間と共
に、0センタで回転する様になる事が分かる。実際には
モータの速度が上がらないうちに、時定数短いHPFを
入れてしまうとDCの誤引き込みを生じるのでモータ起
動後少しの時間は時定数を上げすぎないほうが良い。
【0117】
【発明の効果】本発明の角度/位置検出装置によれば、
回転体の状態に応じてDCオフセットを除去するフィル
タの時定数を変化させることにより、DCオフセットを
有効に除去できる。
【0118】本発明の角度/位置検出装置におけるDC
オフセット除去方法は、ディジタル的に行うので、アナ
ログ信号にて調整する場合に比べて、装置の価格が低
く、消責電力が少なく、精度が高い。
【0119】本発明の角度/位置検出装置を用いた場合
にDCオフセット調整後に生じたDCオフセットは、回
転体をある程度回転させると除去できる。本発明の角度
/位置検出装置において回転体の動作中に起きるDCオ
フセットは完全に除去できる。本発明の角度/位置検出
装置において、回転体の回転が停止中には、前回回転し
ていた時のDCずれ量を記憶手段に記憶しているので、
回転体の回転停止時にDCずれが大きくなければ、次の
起動も安定して行える。本発明の角度/位置検出装置に
おいて、回転体停止中に生じたDCずれの大きさが小さ
い時には、そのDCずれを回転体の起動後すぐに除去で
きる。特に回転体の起動時にはDCオフセットを除去す
るフィルタの時定数を小さくし、一定時間経過後はフィ
ルタの時定数を長くし、回転体が停止したときはフィル
タにおけるDC値を保持することにより、回転体の起動
時に生じているDCずれの除去をさらに迅速に行うこと
ができ、さらに、定常時のフィルタ処理をかけるすぎる
という不具合も起きない。
【0120】本発明の角度/位置検出装置を用いた制御
装置において、たとえば、モータの起動時などにDCオ
フセットなどの存在によりモータの回転時にモータの回
転の向きと逆方向の回転向きを検出した場合に、モータ
の印加電圧を低くし、DCオフセット除去用フィルタの
時定数を一定時間だけ非常に大幅に短くすることによ
り、通常なら角度サーボをかけるとモータの回転が暴走
してしまう場合でも、モータを暴走させずに駆動させる
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はFG波形を図解した波形図である。
【図2】図2(A)〜(C)はFGにDCオフセットが
ある場合の検出の可否を説明するグラフである。
【図3】図3は本発明の角度/位置検出装置の1実施の
形態としての角度検出器の構成図である。
【図4】図4は図3に図解した角度検出器におけるHP
Fの構成図である。
【図5】図5はモータの回転の向きを判定する方法を示
すグラフである。
【図6】図6は通常動作時にFGのDCオフセットを調
整する方法の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は機器の製造時などにFGのDCオフセッ
トを調整する方法の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8(A)〜(C)はモータ動作時にHPFオ
ン、モータ停止時にDCホールドする第1形態の制御例
を示したタイミングチャートである。
【図9】図9(A)〜(B)はHPFの時定数を制御
し、モータを制御する第2の形態のタイミングを示すタ
イミングチャートである。
【図10】図10は本発明の角度検出器を用いて実際の
モータを起動させたときの第1の動作結果を示すグラフ
である。
【図11】図11は本発明の角度検出器を用いて実際の
モータを起動させたときの第2の動作結果を示すグラフ
である。
【図12】図12は本発明の角度検出器を用いて実際の
モータを起動させたときの第3の動作結果を示すグラフ
である。
【図13】図13は本発明の角度検出器を用いて実際の
モータを起動させたときの第4の動作結果を示すグラフ
である。
【図14】図14はHPFのDC引き込み特性を示すグ
ラフである。
【図15】図15は角度検出器の2相の信号のリサージ
ュ波形図である。
【符号の説明】
10・・MRセンサ 11〜14・・MR検出素子 20・・マイクロコンピュータ(μC) 21,22・・AD変換器 23,24・・HPF 200・・HPF 210・・一次IIR型LPF 201・・最上位ビット反転部 202・・第1加算部 203・・第2加算部(減算部) 204・・可変利得増幅部 205・・第3加算部 206・・D型フリップフロップ(D−FF) N1〜N3・・ノード 25・・角度演算器 26・・サーボ演算角度検出器制御部(CPU) 27・・PWM回路 30・・不揮発性メモリ 41・・LPF 43・・電力増幅回路 45・・3相変換部 50・・3相DCモータ 51・・モータ回転軸 52・・周波数信号発生部(FG)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F077 AA11 CC02 NN24 PP14 QQ05 QQ10 TT33 TT42 TT52 TT66 5H303 AA24 AA26 CC01 CC06 DD01 EE03 EE07 FF04 FF16 GG08 GG09 GG29 HH02 LL03 MM08 5H550 AA10 BB08 GG01 JJ16 JJ17 JJ26 LL35

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の回転位置または回転角度を示す9
    0度位相がずれた少なくとも2相の検出信号を出力する
    2つの検出素子と、 上記2つの検出素子から出力される2つのアナログ検出
    信号を変換する2つのAD変換手段と、 上記2つのAD変換手段で変換した2つのディジタル信
    号に含まれるDC成分を除去する2つのフィルタ手段
    と、 上記2つのフィルタ手段の2つの出力信号から、少なく
    とも前記回転体の回転位置または回転角度を算出する演
    算手段と、 上記回転体の状態に応じて前記フィルタ手段を適応的に
    制御する制御手段とを有する角度/位置検出装置。
  2. 【請求項2】前記フィルタ手段は、ハイパスフィルタ部
    分と、ローパスフィルタ部分とを有し、 前記ハイパスフィルタ部分において前記AD変換手段の
    変換信号にDC成分が加算され、 前記ローパスフィルタ部分は、可変利得増幅手段および
    DCオフセットを除去したDC値を保持する手段を有
    し、 前記制御手段は、前記回転体の状態に応じて、所定の値
    のDC成分を前記ハイパスフィルタ部分に印加し、前記
    可変利得増幅手段の利得を変化させて前記フィルタ手段
    の時定数を変化させる、 請求項1記載の角度/位置検出装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、回転体が回転していると
    きは前記フィルタ手段を動作させ、回転体が停止してい
    るときは前記フィルタ手段における前記可変利得増幅手
    段の利得を0にしてDC値を保持させる、 請求項2記載の角度/位置検出装置。
  4. 【請求項4】前記制御手段は、前記回転体の起動後の所
    定時間は前記可変利得増幅手段の利得を小さくして前記
    フィルタ手段の時定数を短くし、一定時間経過後は前記
    可変利得増幅手段の利得を大きくして前記フィルタ手段
    の時定数を長くし、前記回転体が停止しているときは前
    記フィルタ手段における前記可変利得増幅手段の利得を
    0にして前記フィルタ手段においてDC値を保持させ
    る、 請求項2記載の角度/位置検出装置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、前記回転体の回転時に前
    記回転体の回転方向と前記演算手段で演算した前記回転
    体の回転の向きが逆の場合は、前記回転体を回転させる
    駆動手段の付勢力を下げ、前記フィルタ手段の時定数を
    所定時間だけ極端に短くする、 請求項2記載の角度/位置検出装置。
  6. 【請求項6】前記回転体はモータであり、 前記制御手段は、前記モータ回転時に前記モータの回転
    方向と前記演算手段で演算した前記モータの回転の向き
    が逆の場合は、前記モータに印加する電圧を下げ、前記
    フィルタ手段の時定数を所定時間だけ極端に短くする、 請求項5記載の角度/位置検出装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、前記回転体を定常回転さ
    せ、前記フィルタ手段で算出し保持しているDC値から
    前記フィルタ手段に現在印加しているDC値加算量を減
    じて、その値を新たなDC加算量としてメモリ手段に保
    持する、 請求項1記載の角度/位置検出装置。
  8. 【請求項8】前記制御手段は、電源投入後の初期動作時
    に、前記メモリ手段に保持した前記DC加算量を前記フ
    ィルタ手段に設定する、 請求項7記載の角度/位置検出装置。
  9. 【請求項9】前記回転体はモータである、 請求項1記載の角度/位置検出装置。
  10. 【請求項10】モータと、 前記モータの回転角度および/または位置を検出する角
    度/位置検出装置と、モータ制御手段と、 前記モータを駆動する駆動手段と を有するモータ制御装置であって、 前記角度/位置検出装置は、 前記モータの回転位置または回転角度を示す90度位相
    がずれた少なくとも2相の検出信号を出力する2つの検
    出素子と、 上記2つの検出素子から出力される2つのアナログ検出
    信号を変換する2つのAD変換手段と、 上記2つのAD変換手段で変換した2つのディジタル信
    号に含まれるDC成分を除去する2つのフィルタ手段
    と、 上記2つのフィルタ手段の2つの出力信号から、少なく
    とも前記モータの回転位置または回転角度を算出する演
    算手段と、 上記モータの状態に応じて前記フィルタ手段を適応的に
    制御する角度検出制御手段とを有し、 上記モータの動作状態に応じて前記フィルタ手段を適応
    的に制御する制御手段とを有するモータ制御装置。
  11. 【請求項11】前記角度/位置検出装置の前記フィルタ
    手段は、ハイパスフィルタ部分と、ローパスフィルタ部
    分とを有し、 前記ハイパスフィルタ部分において前記AD変換手段の
    変換信号にDC成分が加算され、 前記ローパスフィルタ部分は、可変利得増幅手段および
    DCオフセットを除去したDC値を保持する手段を有
    し、 前記角度検出制御手段は、前記モータの状態に応じて、
    所定の値のDC成分を前記ハイパスフィルタ部分に印加
    し、前記可変利得増幅手段の利得を変化させて前記フィ
    ルタ手段の時定数を変化させる、 請求項10記載のモータ制御装置。
  12. 【請求項12】前記角度検出制御手段は、前記モータが
    回転しているときは前記フィルタ手段を動作させ、前記
    モータが停止しているときは前記フィルタ手段における
    前記可変利得増幅手段の利得を0にしてDC値を保持さ
    せる、 請求項11記載のモータ制御装置。
  13. 【請求項13】前記角度検出制御手段は、前記モータの
    起動後の所定時間は前記可変利得増幅手段の利得を小さ
    くして前記フィルタ手段の時定数を短くし、一定時間経
    過後は前記可変利得増幅手段の利得を大きくして前記フ
    ィルタ手段の時定数を長くし、前記モータが停止してい
    るときは前記フィルタ手段における前記可変利得増幅手
    段の利得を0にして前記フィルタ手段においてDC値を
    保持させる、 請求項11記載のモータ制御装置。
  14. 【請求項14】前記角度検出制御手段は、前記モータの
    回転時に前記モータの回転方向と前記演算手段で演算し
    た前記モータの回転の向きが逆の場合は、前記モータ駆
    動手段を介して前記モータに印加する電圧を低下させ、
    前記フィルタ手段の時定数を所定時間だけ極端に短くす
    る、 請求項11記載のモータ制御装置。
  15. 【請求項15】DC加算量を保持するメモリ手段をさら
    に有し、 前記モータ制御手段は前記モータを定常回転させ、 前記角度検出制御手段は、前記フィルタ手段で算出し保
    持しているDC値から前記フィルタ手段に現在印加して
    いるDC値加算量を減じて、その値を新たなDC加算量
    として前記メモリ手段に保持する、 請求項10記載のモータ制御装置。
  16. 【請求項16】前記角度検出制御手段は、電源投入後の
    初期動作時に、前記メモリ手段に保持した前記DC加算
    量を前記フィルタ手段に設定する、 請求項15記載のモータ制御装置。
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