JP2003009153A - 画像符号化装置及びその方法並びにプログラムコード、記憶媒体 - Google Patents

画像符号化装置及びその方法並びにプログラムコード、記憶媒体

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JP2003009153A JP2001193559A JP2001193559A JP2003009153A JP 2003009153 A JP2003009153 A JP 2003009153A JP 2001193559 A JP2001193559 A JP 2001193559A JP 2001193559 A JP2001193559 A JP 2001193559A JP 2003009153 A JP2003009153 A JP 2003009153A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる解像度レベルを必要とする領域を含む
画像データを符号化する場合に、効率の良い画像符号化
を行うこと。 【解決手段】 離散ウェーブレット変換部102、係数
量子化部103により画像データをサブバンド分割、量
子化する。一方、高解像度領域情報入力部105から高
解像度を必要とする領域を指定する領域指定情報H
(x,y)が入力され、マスク生成部106はH(x,
y)を元に、HL2、LH2、HH2の各係数が高解像
度領域の画素を参照して生成された係数であるか否かを
示すマスク情報M(S,x,y)を求める。係数値修正
部104は量子化された各サブバンドの係数について、
サブバンドSがHL2,LH2,HH2ならばM(S,
x,y)を参照して修正を施し、HL2,LH2,HH
2以外であれば修正しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データを符号
化する画像符号化装置及び方法及び記憶媒に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルカメラ、スキャナといっ
た画像入力装置の技術の向上にともない、これら入力装
置により取り込む画像データの解像度は増加の一途を辿
っている。低解像度の画像であれば画像データの量も少
なく、伝送、蓄積といった処理に支障をきたすことはな
いが、高解像度になるにつれ、画像データ量も膨大なも
のになり、伝送する際に多くの時間がかかったり、蓄積
に多くの記憶容量を必要とするという問題がある。
【0003】このため画像の伝送、蓄積に際しては高能
率符号化を用いることにより、画像の冗長性を除く、あ
るいは視覚的に許容できる範囲で画像を加工し、データ
量の削減を行うことが一般的である。復号により元の画
像を完全に再現できる符号化方式を可逆符号化、視覚的
に近い画像を得ることができるものの、完全には元の画
像を再現できない符号化方式を非可逆符号化と呼んでい
る。非可逆符号化の場合、視覚的に劣化が目立たない部
分を変化させて符号量の削減を図ることが肝要である
が、これは画像の特性に大きく依存している。画像デー
タと一口にいってもそのタイプは様々であり、人物・風
景等を銀塩写真で撮影し、スキャナで読み取る、あるい
は直接デジタルカメラで撮影するなどして生成される自
然画像、文字、線情報をラスタライズした文字・線画
像、コンピュータで生成した2次元画像データや3次元
形状をレンダリングしたCG画像などがあり、良好な再
生画質を得るためにはそれぞれに必要解像度、必要階調
数が異なると言われる。一般には文字画像、線画像は自
然画像に比べて高い解像度が必要であるとされている。
【0004】従来、高能率符号化の一手法としてウェー
ブレット変換を利用する方法が用いられている。従来方
式では、まず、離散ウェーブレット変換を用いて符号化
対象画像を複数の周波数帯域(サブバンド)に分割す
る。そして次に,各サブバンドの変換係数をさまざまな
方法で量子化,エントロピー符号化して符号列を生成す
る。画像のウェーブレット変換の方法としては、図4
(a),(b),(c)にその過程を示すように、符号
化対象画像(図4(a))に対して1次元の変換処理を
水平、垂直方向にそれぞれに適用して4つのサブバンド
に分割する方法が用いられる。さらに、低周波サブバン
ド(LLサブバンド)のみを繰り返して分割する方法が
一般的である。図5に1次元の変換を2回繰り返して行
った場合の各サブバンドの例を示す。
【0005】ウェーブレット変換を用いた画像符号化の
利点の一つとして、空間解像度の段階的復号の実現が容
易であるということが挙げられる。図5のようにウェー
ブレット変換を施し、低周波サブバンドLLから高周波
サブバンドHH2へと順々に各サブバンドの係数を符号
化・伝送した場合、復号側ではLLサブバンドの係数を
受信した段階で原画像に対して1/4の解像度の復元画
像を、また、LL,LH1,HL1,HH1を受信した
段階で1/2の解像度の復元画像を、さらにLH2,H
L2,HH2までを受信した場合には元の解像度の復元
画像をといった具合に、徐々に解像度を上げて画像を復
号することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た様な従来型の高能率符号化方法では、自然画像、文字
・線画像の混在する画像データを符号化する際に、自然
画像と文字・線画像で良好な画質を得るために必要とさ
れる解像度が異なる点を考慮していないため、効率の良
い符号化方式とは言えなかった。
【0007】本発明は以上の問題に鑑みて成されたもの
であり、異なる解像度レベルを必要とする領域を含む画
像データを符号化する場合に、効率の良い画像符号化を
行うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、例えば本発明の画像符号化装置は以下の構成を
備える。
【0009】すなわち、画像に対して符号化を行う画像
符号化装置であって、画像において、他の領域よりも高
解像度で復号を要求する領域を示す領域情報を生成する
領域情報生成手段と、画像に対して周波数変換を施し、
サブバンド毎の係数を生成する周波数変換手段と、前記
周波数変換手段によるサブバンドのうち、所定の高周波
数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もしくは
当該係数の量子化値を、前記領域情報に応じて修正する
修正手段と、前記修正手段により修正された係数、もし
くは当該係数の量子化値を含む全係数、もしくは全量子
化値に対してエントロピ符号化を行い、符号列を生成す
る符号化手段とを備える。
【0010】本発明の目的を達成するために、例えば本
発明の画像符号化装置は以下の構成を備える。
【0011】すなわち、画像に対して符号化を行う画像
符号化装置であって、画像を所定のサイズのタイルに分
割する分割手段と、前記分割手段による各タイルに対し
て周波数変換を行い、各タイルに対するサブバンド毎の
係数を生成する周波数変換手段と、前記分割手段による
各タイルに特定の領域が含まれているか否かの判定結果
を生成する判定手段と、前記周波数変換手段によるサブ
バンドのうち、所定の高周波数成分に含まれるサブバン
ドを構成する係数、もしくは当該係数の量子化値を、前
記判定手段による判定結果に応じて、修正する修正手段
と、前記修正手段により修正された係数、もしくは当該
係数の量子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対
してエントロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化
手段とを備える。
【0012】本発明の目的を達成するために、例えば本
発明の画像符号化装置は以下の構成を備える。
【0013】すなわち、画像に対して符号化を行う画像
符号化装置であって、画像を所定のサイズのタイルに分
割する分割手段と、前記分割手段による各タイルに特定
の領域が含まれているか否かの判定結果を生成する判定
手段と、前記判断手段による判定結果に応じたフィルタ
を用いて、前記分割手段による各タイルに対して周波数
変換を行い、各タイルに対するサブバンド毎の係数を生
成する周波数変換手段と、前記周波数変換手段によるサ
ブバンドのうち、所定の高周波数成分に含まれるサブバ
ンドを構成する係数、もしくは当該係数の量子化値を、
前記判定手段による判定結果に応じて、修正する修正手
段と、前記修正手段により修正された係数、もしくは当
該係数の量子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に
対してエントロピ符号化を行い、符号列を生成する符号
化手段とを備える。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明を
好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0015】[第1の実施形態]図1に本実施形態にお
ける画像符号化装置の機能構成を示す。同図において1
01は画像入力部、102は離散ウェーブレット変換
部、103は係数量子化部、104は係数値修正部、1
05は高解像度領域情報入力部、106はマスク生成
部、107はビットプレーン符号化部、108は符号列
形成部、109は符号出力部である。
【0016】又、本実施形態における画像符号化装置の
基本構成を図10に示す。
【0017】1001はCPUで、RAM1002やR
OM1003に格納されたプログラムやデータを用いて
本画像符号化装置全体の制御を行うと共に、後述の各種
の符号化処理を実行する。1002はRAMで、外部記
憶装置1004や記憶媒体ドライブ1010からロード
されるプログラムやデータを一時的に記憶するエリアを
備えると共に、CPU1001が各種の処理を実行する
際に用いるワークエリアも備える。1003はROM
で、本画像符号化装置全体の制御などを行うプログラム
やデータ等を格納する。1004はハードディスクなど
の外部記憶装置で、記憶媒体ドライブ1009から読み
込んだプログラムやデータ等を保存する。1005、1
006は夫々キーボード、マウスで、本画像符号化装置
に対して各種の指示を入力することができる。1007
はCRTや液晶画面などの表示装置で、各種のメッセー
ジや文字情報や画像情報などを表示することができる。
1008はスキャナ、デジタルカメラ等の撮像装置、C
CDなどの撮像デバイスとガンマ補正、シェーディング
補正など各種の画像調整回路を含む画像入力装置であ
る。1009は記憶媒体ドライブ1009で、CD−R
OMやDVD等の記憶媒体からプログラムやデータなど
を読み込んでRAM1002や外部記憶装置1004や
等に出力する。1010は上述の各部を繋ぐバスであ
る。
【0018】尚、後述の符号化処理のプログラムはCD
−ROMやDVDなどの記憶媒体からドライブ1009
を介して読み込み、実行するがこれに限定されるもので
はなく、ROM1003に記憶しておいても良い。
【0019】又上述の通り、本実施形態の画像符号化装
置は図10に示す基本構成を備えるが、図1に示した機
能構成を有するプログラムを記憶媒体ドライブ100
9,もしくは外部記憶装置1004等から読み込み、C
PU1001により実行することで、本画像符号化装置
を図1に示す構成を備える装置としても良い。
【0020】本実施形態では1画素の輝度値が8ビット
で表現されるモノクロ画像データを符号化するものとし
て説明する。しかしながらこれに限らず、4ビット、1
0ビット、12ビットなど、8ビット以外のビット数で
輝度値を表現している画像データにも適用できる。また
各画素をRGB、CMYKなどの複数の色成分或いはY
CrCb等の輝度と色度/色差成分で表現するカラー画
像データにも適用できる。この場合にはカラー画像デー
タ中の各成分がモノクロ画像データであると見なせば良
い。
【0021】以下、図1に示す機能構成を有する画像符
号化装置の各部の機能とその動作について説明する。
【0022】まず、本実施形態の画像符号化装置が行う
符号化処理の符号化対象となる画像データP(x,y)
が画像入力部101からラスタースキャン順に入力され
る。この画像入力部101は画像入力装置1008とし
て機能し、例えばスキャナ、デジタルカメラ等の撮像機
能を有する部分である。また、CCDなどの撮像デバイ
スとガンマ補正、シェーディング補正など各種の画像調
整回路機能を含む。
【0023】離散ウェーブレット変換部102は画像入
力部101から入力される画像データP(x,y)をR
AM1002に適宜格納しながら2次元の離散ウェーブ
レット変換を施す。そして画像データP(x、y)をL
L,LH1,HL1,HH1,LH2,HL2,HH2
の7つのサブバンドに分解し、各サブバンドの係数をR
AM1002内において、画像データP(x、y)を格
納しているエリアとは別のエリアに上記の7つのサブバ
ンドの係数を出力する。以降、各サブバンドの係数をC
(S,x,y)と表す。Sはサブバンドを表し、LL,
LH1,HL1,HH1,LH2,HL2,HH2のい
ずれかである。またx,yは各サブバンド内の左上隅の
係数位置を(0,0)とした場合の水平方向および垂直
方向の係数位置を表す。2次元離散ウェーブレット変換
は、1次元の変換(フィルタ処理)を変換対象の画像の
水平・垂直方向それぞれに適用することにより実現す
る。
【0024】図4に符号化対象画像に対して2次元の離
散ウェーブレット変換を施す処理を示す。まず符号化対
象画像(図4(a))に対して垂直方向に1次元の離散
ウェーブレット変換を適用し、低周波サブバンドLと高
周波サブバンドHに分解する(図4(b))。さらに、
夫々に水平方向の1次元離散ウェーブレット変換を適用
することにより、LL,HL,LH,HHの4つのサブ
バンドに分解する(図4(c))。本画像符号化装置で
は、N個の1次元信号x(n)(nは0からN−1とす
る)に対する1次元離散ウェーブレット変換は以下の式
により行われるものとする。
【0025】 h(n)=x(2n+1)−(x(2n)+x(2n+2))/2 (1) l(n)=x(2n)+(h(n−1)+h(n)+2)/4 (2) ここで、h(n)は高周波サブバンドの係数、l(n)
は低周波サブバンドの係数を表す。なお、ここでは説明
を省略するが、上記式の計算において必要となる1次元
信号x(n)の両端x(n)(n<0およびn≧N)は
公知の手法により1次元信号x(n)(0≦n<N)の
値から求めておく。上述の2次元離散ウェーブレット変
換により得られたサブバンドLLに対して、さらに繰り
返して2次元離散ウェーブレット変換を適用することに
より、図5のようにLL,LH1,HL1,HH1,L
H2,HL2,HH2の7つのサブバンドに分解するこ
ともできる。なお、図5のLLは図4(c)のLLを再
分解したものであり、同一のものではない。
【0026】係数量子化部103は離散ウェーブレット
変換部102により生成される各サブバンドの係数C
(S,x,y)を、各サブバンド毎に定めた量子化ステ
ップdelta(S)を用いて量子化する。量子化され
た係数値をQ(S,x,y)と表すとすると、係数量子
化部103で行われる量子化処理は以下の式により表さ
れる。
【0027】Q(S,x,y)=sign{C(S,x,y)}×floor{|C(S,x,
y)|/delta(S)} ここで、sign{I}は整数Iの正負符号を表す関数
であり、Iが正ならば1、負ならば−1を返す。また、
floor{R}は実数Rを超えない最大の整数値を表
す。
【0028】一方、画像入力部101からの画像データ
入力と同期して高解像度領域情報入力部105から、高
解像度を必要とする領域(例えば、画像中の文字領域)
を指定する領域指定情報H(x,y)が入力される。こ
の入力は本画像符号化装置の操作者が入力しても良い
し、本画像符号化装置による画像処理の結果として入力
しても良い。
【0029】前者の場合には例えば、表示装置1007
に符号化対象の画像を表示し、操作者は表示装置100
7に表示された画像を参照して高解像度を必要とする領
域をキーボード1005やマウス1006等を用いて選
択する。この選択の際にはGUIなどを用いても良い。
【0030】後者の場合には例えば、高解像度を必要と
する領域を画像中の文字領域とする場合、エッジ処理な
どの画像処理を用いてこの文字領域を推定してもよい。
又、後者の場合には、画像入力部101から画像を入力
する必要がある。
【0031】なお、H(x,y)は0または1の値を持
ち、1ならば高解像度を必要とする領域、0ならば必要
としない領域を表す。また、H(0,0)は画像の左上
隅の画素に対する領域指定情報を表す。
【0032】マスク生成部106は高解像度領域情報入
力部105から入力(指定)される領域指定情報H
(x,y)を元に、HL2サブバンド、LH2サブバン
ド、HH2サブバンドの各係数が高解像度領域の画素を
参照して生成された係数であるか否かを示すマスク情報
M(S,x,y)(但しSはHL2,LH2,HH2の
いずれか)を求める。マスク情報M(S,x,y)は、
式(1),(2)を用いて画像データP(x,y)から
C(S,x,y)を求める過程で、高解像度領域の画
素、すなわちH(x,y)=1であるP(x,y)を少
なくとも一つ使用した場合には1、使用していない場合
は0とする。なお、マスク情報M(S、0,0)はサブ
バンドSに含まれる係数のうち、左上隅の係数に対する
マスク情報を示す。
【0033】係数値修正部104は係数量子化部103
により量子化された各サブバンドの係数Q(S,x,
y)について、サブバンドSがHL2,LH2,HH2
ならば、マスク生成部106の生成するM(S,x,
y)を参照して修正を施し、修正量子化値Q’(S,
x,y)を求める。サブバンドSがHL2,LH2,H
H2以外であれば修正量子化値Q’(S,x,y)=Q
(S,x,y)である。サブバンドSがHL2,LH
2,HH2の場合には、 とする。すなわち、高解像度領域内の画素に関係する係
数であれば、Q(S,x,y)をそのまま修正量子化値
とし、高解像度領域内の画素に関係しない係数であれ
ば、0に置き換える。
【0034】ビットプレーン符号化部107は、係数値
修正部104の生成する修正量子化値Q’(S,x,
y)を符号化し、符号列を生成する。各サブバンドの係
数をブロック分割し、別々に符号化することによりラン
ダムアクセスを容易にする方法などが知られているが、
ここでは説明を簡単にするためにサブバンド単位に符号
化することとする。各サブバンドの修正量子化値Q’
(S,x,y)(以降、単に係数値と呼ぶ)の符号化
は、サブバンド内の係数値Q’(S,x,y)の絶対値
を自然2進数で表現し、上位の桁から下位の桁へとビッ
トプレーン方向を優先して2値算術符号化することによ
り行われる。各サブバンドの修正量子化値Q’(S,
x,y)を自然2進表記した場合の下からn桁目のビッ
トをQn(S,x,y)と表記して説明する。なお、2
進数の桁を表す変数nをビットプレーン番号と呼ぶこと
とし、ビットプレーン番号nはLSBを0桁目とする。
【0035】図6にビットプレーン符号化部107でサ
ブバンドSを符号化する処理のフローチャートを示す。
【0036】ステップS601はサブバンドS内の係数
の絶対値の最大値Mabs(S)を求めるステップ、ス
テップS602は最大値Mabs(S)を表すのに必要
な有効桁数NBP(S)を求めるステップ、ステップS
603は変数nに有効桁数を代入するステップ、ステッ
プS604は(n−1)を求めてnに代入するステッ
プ、ステップS605はn桁目のビットプレーンを符号
化するステップ、ステップS606はnが0であるか否
かを判定するステップである。
【0037】同図を用いてビットプレーン符号化部10
7におけるサブバンドSの符号化処理の流れについて説
明する。まず、ステップS601で符号化対象となるサ
ブバンドS内の係数の絶対値を調べ、その最大値Mab
s(S)を求める。次に、ステップS602ではMab
s(S)を2進数で表現するのに必要となる桁数N
(S)を以下の式により求める。
【0038】NBP(S)=ceil{log2(Ma
bs(S))} ここで、ceil{R}は実数Rに等しいか、あるいは
それ以上の最小の整数値を表す。ステップS603では
ビットプレーン番号nに有効桁数NBP(S)を代入す
る。ステップS604ではビットプレーン番号nから1
を引く。ステップS605ではビットプレーンnを2値
算術符号を用いて符号化する。本実施形態においては算
術符号としてQM−Coderを用いることとする。こ
のQM−Coderを用いて、ある状態(コンテクス
ト)で発生した2値シンボルを符号化する手順、或い
は、算術符号化処理のための初期化手順、終端手順につ
いては、静止画像の国際標準ITU-T Recommendation T.
81 | ISO/IEC10918-1勧告等に詳細に説明されているの
でここでは説明を省略する。また、説明を簡単にするた
め、本実施形態では単一のコンテクストで各ビットを算
術符号化するものとする。各ビットプレーンの符号化の
開始時にはビットプレーン符号化部107における不図
示の算術符号化器を初期化し、終了時に算術符号化器の
終端処理を行う。また、個々の係数について最初に符号
化される’1’の直後に、その係数の正負符号を0、1
で表し、算術符号化する。ここでは正ならば0、負なら
ば1とする。例えば、係数が−5で、この係数の属する
サブバンドSの有効桁数NBP(S)が6であった場
合、係数の絶対値は2進数000101で表され、各ビ
ットプレーンの符号化により上位桁から下位桁へと符号
化される。2番目のビットプレーンの符号化時(この場
合、上から4桁目)に最初の’1’が符号化され、この
直後に正負符号’1’を算術符号化する。
【0039】ステップS606では、ビットプレーン番
号nを0と比較し、n=0即ち、ステップS605でL
SBプレーンの符号化を行なった場合にはサブバンドの
符号化処理を終了し、それ以外の場合にはステップS6
04に処理を移す。
【0040】上述の処理により、サブバンドSの全係数
を符号化し、各ビットプレーンnに対応する符号列CS
(S,n)を生成する。生成した符号列は符号列形成部
108に送られる。送られた係数列はRAM1002に
一時的に格納される。
【0041】ビットプレーン符号化部107により全サ
ブバンドの係数の符号化が終了し、全符号列がRAM1
002に格納されると、符号列形成部108は所定の順
序でRAM1002に格納される符号列を読み出し、復
号する場合に必要な付加情報を挿入して、本画像符号化
装置の出力となる最終的な符号列を形成し、符号出力部
109に出力する。
【0042】符号列形成部108で生成される最終的な
符号列はヘッダと、レベル0、レベル1、およびレベル
2の3つに階層化された符号化データにより構成され
る。レベル0の符号化データはLLサブバンドの係数を
符号化して得られるCS(LL,NBP(LL)−1)
からCS(LL,0)の符号列から構成される。レベル
1はLH1,HL1,HH1の各サブバンドの係数を符
号化して得られる符号列CS(LH1,NBP(LH
1)−1)〜CS(LH1,0)、CS(HL1,N
BP(HL1)−1)〜CS(HL1,0)、および、
CS(HH1,NBP(HH1)−1)〜CS(HH
1,0)から構成される。また、レベル2はLH2,H
L2,HH2の各サブバンドの係数を符号化して得られ
る符号列CS(LH2,NBP(LH2)−1)〜CS
(LH2,0)、CS(HL2,NBP(HL2)−
1)〜CS(HL2,0)、および、CS(HH2,N
BP(HH2)−1)〜CS(HH2,0)から構成さ
れる。
【0043】図3に符号列形成部108により生成され
る符号列の構造を示す。
【0044】符号出力部109は符号列形成部108で
生成された符号列を装置外部へと出力する。この符号出
力部109は、例えば、記憶媒体ドライブ1010や外
部記憶装置1004といった記憶装置としての機能、ネ
ットワーク回線のインターフェース等としての機能を含
む。
【0045】以上に述べたように、高解像度の求められ
る領域については高解像度を得るために必要な変換係数
を保持し、それ以外の変換係数は0に置き換えて符号化
することにより、必要解像度の異なる領域を含む画像デ
ータを効率良く非可逆符号化することが可能となる。
【0046】又、本実施形態では係数修正部104は係
数量子化部103による量子化値Q(S、x、y)に対
して修正を行っていたが、これに限定されるものではな
く、離散ウェーブレット変換部102からの係数を直接
修正しても良い。
【0047】[第2の実施形態]図2は本実施形態にお
ける画像符号化装置の機能構成を示す図である。なお、
図1で示した部分と同じ部分については同じ符号で示
し、それらの説明を省略する。また、本実施形態におけ
る画像符号化装置の基本構成は第1の実施形態(図1
0)と同じものとする。また、本実施形態では高解像度
を必要とする領域として画像中の文字領域を用いるがこ
れに限定されるものではない。
【0048】図2において201はタイル分割部、20
2は像域判定部、203は係数値修正部である。
【0049】本実施形態では、第1の実施形態と同様
に、1画素の輝度値が8ビットで表現されるモノクロ画
像データを符号化するものとして説明する。しかしなが
らこれに限らず、4ビット、10ビット、12ビットな
ど8ビット以外のビット数で輝度値を表現している画像
データにも適用できる。また各画素をRGB、CMYK
などの複数の色成分或いはYCrCb等の輝度と色度/
色差成分で表現するカラー画像データにも適用できる。
この場合にはカラー画像データ中の各成分がモノクロ画
像データであると見なせば良い。
【0050】以下、図2に示す機能構成を有する画像符
号化装置の各部の機能とその動作について説明する。
【0051】まず、画像データP(x,y)が画像入力
部101からラスタースキャン順に入力される。この画
像入力部101は画像入力装置1008として機能し、
例えばスキャナ、デジタルカメラ等の撮像機能を有する
部分である。また、CCDなどの撮像デバイスとガンマ
補正、シェーディング補正など各種の画像調整回路機能
を含む。
【0052】タイル分割部201は画像入力部101か
らラスタースキャン順に入力される画像データP(x,
y)をRAM1002に格納し、所定の幅TWと高さT
Hのタイルに分割する。図7にタイル分割部201によ
り分割されたタイルの例を示す。同図に図示する様に左
上隅のタイルをT0とし、ラスタースキャン順にT1,
T2,…Tnと各タイルに番号を付け、各タイル内の画
素値をTi(x,y)(i=0〜n)とする。尚、Ti
(0,0)は、i番目のタイルの左上隅の画素の値を示
す。
【0053】以降、タイル分割部201で形成したタイ
ルT0〜Tnを順番に符号化する。
【0054】離散ウェーブレット変換部102はタイル
分割部201により形成されるタイルTi(x,y)を
RAM1002に適宜格納しながら2次元の離散ウェー
ブレット変換を施す。そしてタイルデータTi(x、
y)をLL,LH1,HL1,HH1,LH2,HL
2,HH2の7つのサブバンドに分解し、各サブバンド
の係数をRAM1002内において、タイルデータTi
(x、y)を格納しているエリアとは別のエリアに上記
の7つのサブバンドの係数を出力する。この離散ウェー
ブレット変換部102によるタイルデータTi(x,
y)のサブバンド分解方法は第1の実施形態において画
素データP(x,y)を分解する方法と同じである。
【0055】係数量子化部103は離散ウェーブレット
変換部102により生成される各サブバンドの係数C
(S,x,y)を、第1の実施形態と同様にして量子化
する。
【0056】像域判定部202はタイル分割部201で
分割されるタイルデータTi(x,y)を離散ウェーブ
レット変換102と同じタイミングで取得し、タイルが
文字情報を含むか否かを判定し、判定結果(像域分離情
報)Zを出力する。ここで像域分離情報Zはタイルが文
字情報を含むと判定された場合には1、文字情報を含ま
ないと判定された場合には0とする。本実施形態では像
域判定の具体的方法は問わない。例えば、表示装置10
07に各タイルデータを表示し、キーボード1005や
マウス1006を用いて本画像符号化装置の操作者に文
字情報の有無を判定させ、その判定結果を入力させても
良い。その場合、像域判定部202は入力結果を像域分
離情報Zに反映させる処理を行う。またその他にも、タ
イルデータTiに対する微分処理を行い、その処理結果
としてのエッジ情報などからタイルデータTiに文字情
報が含まれているか否かを判定し、その判定結果を像域
分離情報Zとしても良い。その場合、像域判定部202
は上述の微分処理などのエッジ情報の導出処理と、エッ
ジ情報を用いた上述の判定処理を行い、その結果を像域
分離情報Zに反映させる処理を行う。
【0057】係数値修正部203では係数量子化部10
3により量子化された各サブバンドの係数Q(S,x,
y)について、サブバンドSがHL2,LH2,HH2
ならば、像域判定部202の生成する像域分離情報Zを
参照して修正を施し、修正量子化値Q’(S,x,y)
を求める。サブバンドSがHL2,LH2,HH2以外
であればQ’(S,x,y)=Q(S,x,y)であ
る。サブバンドSがHL2,LH2,HH2の場合に
は、 とする。すなわち、タイルが文字情報を含むと判断され
た場合には、Q(S,x,y)をそのまま修正量子化値
とし、文字情報を含まないと判断された場合にはそのタ
イルのHL2,LH2,HH2サブバンドの全ての係数
を0に置き換える。
【0058】ビットプレーン符号化部107は、係数値
修正部203の生成する修正量子化値Q’(S,x,
y)を符号化し、符号列を生成する。各サブバンドの修
正量子化値Q’(S,x,y)の符号化方法は第1の実
施形態で述べた通りである。像域判定部202から出力
される判定結果Zが0である場合、係数値修正部203
によりHL2,LH2,HH2の各サブバンドの修正量
子化値は全て0となるので、この場合、各サブバンドの
有効ビット数NBP(HL2),NBP(LH2),N
BP(HH2)は全て0となり、サブバンド係数符号化
データは発生しない。
【0059】符号列形成部108はビットプレーン符号
化部107により1つのタイルの全サブバンドの係数の
符号化が終了し、全符号列がRAM1002に格納され
ると、符号列形成部108は所定の順序でRAM100
2に格納される符号列を読み出し、タイルの復号に必要
な付加情報を挿入して、タイルの符号化データを形成
し、符号出力部109に出力する。但し、タイルが画像
データの最初のタイル(タイル番号T0)であった場合
にはさらにその先頭に、画像の水平方向サンプル数、垂
直方向サンプル数、タイルのサイズTW,THなど画像
データを復号するために必要な付加情報を挿入する。
【0060】符号列形成部108で生成されるタイルの
符号化データはヘッダと、レベル0、レベル1、および
レベル2の3つに階層化された符号化データにより構成
される。レベル0の符号化データはLLサブバンドの係
数を符号化して得られるCS(LL,NBP(LL)−
1)からCS(LL,0)の符号列から構成される。レ
ベル1はLH1,HL1,HH1の各サブバンドの係数
を符号化して得られる符号列CS(LH1,NBP(L
H1)−1)〜CS(LH1,0)、CS(HL1,N
BP(HL1)−1)〜CS(HL1,0)、および、
CS(HH1,NBP(HH1)−1)〜CS(HH
1,0)から構成される。また、レベル2はLH2,H
L2,HH2の各サブバンドの係数を符号化して得られ
る符号列CS(LH2,NBP(LH2)−1)〜CS
(LH2,0)、CS(HL2,N BP(HL2)−
1)〜CS(HL2,0)、および、CS(HH2,N
BP(HH2)−1)〜CS(HH2,0)から構成さ
れる。但し、像域判定部202から出力される像域分離
情報Zが0である場合にはレベル2は各サブバンドの有
効ビット数を表す情報のみを含む。この場合のタイル符
号化データの構造を図8に示す。
【0061】像域判定部202から出力される判定結果
Zが1である場合のタイル符号化データの構造は図3に
示した第1の実施形態の符号列の構造と同じである。
【0062】符号出力部109は符号列形成部108で
生成されたタイル符号化データを装置外部へと出力す
る。この符号出力部109は、例えば、記憶媒体ドライ
ブ1010や外部記憶装置1004といった記憶装置と
しての機能、ネットワーク回線のインターフェース等と
しての機能を含む。
【0063】以上の処理により、タイル単位で高解像度
データの要否を判定し、高解像度データを必要としない
タイルについては高解像度を得るために必要な変換係数
を0に置き換えて符号化することにより、必要解像度の
異なる領域を含む画像データを効率良く非可逆符号化す
ることが可能となる。
【0064】[第3の実施形態]図9に本実施形態の画
像符号化装置の機能構成を示す。なお、図1、2で示し
た部分と同じ部分については同じ符号で示し、それらの
説明を省略する。また、本実施形態における画像符号化
装置の基本構成は第1の実施形態(図10)と同じもの
とする。
【0065】図9において901は適応離散ウェーブレ
ット変換部である。適応離散ウェーブレット変換部90
1は、像域分離情報Zに応じてサブバンド分解に使用す
るフィルタを選択する機能を有する。
【0066】本実施形態では第1、第2の実施形態と同
様に、1画素の輝度値が8ビットで表現されるモノクロ
画像データを符号化するものとして説明する。しかしな
がらこれに限らず、4ビット、10ビット、12ビット
など8ビット以外のビット数で輝度値を表現している画
像データにも適用できる。また各画素をRGB、CMY
Kなどの複数の色成分或いはYCrCb等の輝度と色度
/色差成分で表現するカラー画像データにも適用でき
る。この場合にはカラー画像データ中の各成分がモノク
ロ画像データであると見なせば良い。
【0067】また本実施形態における画像符号化装置
は、離散ウェーブレット変換部102を適応離散ウェー
ブレット変換部901に置き換えた点、像域判定部20
2の像域分離情報Zを適応離散ウェーブレット変換部9
01に入力するよう変更した点を除き、第2の実施形態
と同じであるので、変更された適応離散ウェーブレット
変換部901の動作についてのみ説明する。
【0068】適応離散ウェーブレット変換部901はタ
イル分割部201により形成されるタイルTi(x,
y)をRAM1002に適宜格納しながら2次元の離散
ウェーブレット変換を施す。そしてタイルデータTi
(x、y)をLL,LH1,HL1,HH1,LH2,
HL2,HH2の7つのサブバンドに分解し、各サブバ
ンドの係数をRAM1002内において、タイルデータ
Ti(x、y)を格納しているエリアとは別のエリアに
上記の7つのサブバンドの係数を出力する。この離散ウ
ェーブレット変換部901によるタイルデータTi
(x,y)のサブバンド分解方法は、像域判定部202
の像域分離情報Zに応じて使用するフィルタを切り替え
る点を除き、第1の実施形態において画像データP
(x,y)を分解する方法と同じである。像域判定部2
02の像域分離情報Zが0である場合、即ち、文字領域
を含まないと判断されたタイルについては第1、第2の
実施形態の離散ウェーブレット変換と同じく、式
(1)、(2)のフィルタを使用する。一方、判定結果
Zが1である場合、即ち、文字領域を含むと判断された
タイルについては式(1),(2)に代えて以下の式を
適用する。
【0069】 h(n)=x(2n)−x(2n+1) (3) l(n)=floor{x(2n)+x(2n+1)/2} (4) ここでfloor{R}は実数Rを超えない最大の整数
値を得る関数である。よって、本実施形態では2つのフ
ィルタを用いるので、外部記憶装置1004やRAM1
002にこのフィルタを記憶しておく必要がある。
【0070】適応離散ウェーブレット変換部901で生
成された各サブバンドの係数C(S,x,y)は第2の
実施形態で説明した手順により符号化され、符号出力部
109から符号化データが出力される。本実施形態で
は、符号形成部108で各タイルの符号化データに挿入
されるヘッダには使用フィルタを復号側に知らせるため
に像域判定部202の像域分離情報Zが含まれる。
【0071】以上の処理により、タイル単位で文字領域
を含むか否かを判定し、判定結果に応じて離散ウェーブ
レット変換に用いるフィルタを選択し、文字領域を含ま
ないタイルについては高解像度を得るために必要な変換
係数を0に置き換えて符号化することにより、必要解像
度の異なる領域を含む画像データを効率良く非可逆符号
化することが可能となる。
【0072】(変形例)本発明は上述した実施の形態に
限定されるものではない。例えば上述した第1乃至3の
実施形態においては、式(1),(2)による離散ウェ
ーブレット変換を用いた符号化の例を示したが、離散ウ
ェーブレット変換については本実施形態で使用したもの
に限定されるものではなく、フィルタの種類や適応方法
を変えても構わない。例えば9/7フィルタなど、より
タップ数の長いフィルタに変えても構わないし、低周波
サブバンド以外にも2次元離散ウェーブレット変換を繰
り返し適用しても構わない。また、係数の符号化方式と
してQM−Coderを用いたビットプレーン符号化方
式を示したが、上述の実施の形態に限定されるものでは
なく、例えば、MQ−Coder等、QM−Coder
以外の算術符号化方法を適用しても構わないし、MEL
CODEなどその他の2値符号化方式を適用しても構わ
ない。また、ビットプレーンを着目係数の近傍係数の状
態に応じて複数のサブビットプレーンにカテゴリ分け
し、複数回のパスで符号化しても良い。さらにはGol
omb符号などを適用して、係数を2値に分解すること
なく、多値のままエントロピ符号化しても構わない。
【0073】また、説明を簡単にするために、上記各実
施形態では、サブバンド単位のビットプレーン符号化に
ついて説明したが、ランダムアクセス性を高めるために
各サブバンドを更に小ブロックに分割してこの小ブロッ
ク単位にビットプレーン符号化を適用しても構わない。
【0074】また、符号列の形成にあたっては受信側で
徐々に解像度を上げて画像を復元できるように並べた
が、これに限らず、徐々に画質が向上するように値の大
きな係数から順に並べて符号列を形成しても構わない。
【0075】なお、本発明は複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリン
タ等)から構成されるシステムの一部として適用して
も、単一の機器(例えば複写機、ファクシミリ装置、デ
ジタルカメラ等)からなる装置の一部に適用しても良
い。
【0076】また、本発明は上記実施の形態を実現する
ための装置および方法のみに限定されるものではなく、
上記システムまたは装置内のコンピュータ(CPUあるいは
MPU)に、上記実施の形態を実現するためのソフトウェア
のプログラムコードを供給し、このプログラムコードに
従って上記システムあるいは装置のコンピュータが上記
各種デバイスを動作させることにより上記実施の形態を
実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0077】またこの場合、前記ソフトウェアのプログ
ラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現すること
になり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラ
ムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的
には上記プログラムコードを格納した記憶媒体は本発明
の範疇に含まれる。
【0078】このようなプログラムコードを格納する記
憶媒体としては、例えばフロッピィーディスク、ハード
ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気
テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いること
ができる。
【0079】また、上記コンピュータが、供給されたプ
ログラムコードのみにしたがって各種デバイスを制御す
ることにより、上記実施の形態の機能が実現される場合
だけではなく、上記プログラムコードがコンピュータ上
で稼動しているOS(オペレーティングシステム)、ある
いは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施
の形態が実現される場合にもかかるプログラムコードは
本発明の範疇に含まれる。
【0080】更に、この供給されたプログラムコード
が、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接
続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された
後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡
張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処
理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施
の形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0081】
【発明の効果】以上の説明により、本発明によって、異
なる解像度レベルを必要とする領域を含む画像データを
符号化する場合に、効率の良い画像符号化を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像符号化装
置の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における画像符号化装
置の機能構成を示す図である。
【図3】符号列形成部108により生成される符号列の
構造を示す図である。
【図4】符号化対象画像に対して2次元の離散ウェーブ
レット変換を施す処理を示す図である。
【図5】1次元のウェーブレット変換を2回繰り返して
行った場合の各サブバンドの例を示す図である。
【図6】ビットプレーン符号化部107でサブバンドS
を符号化する処理のフローチャートである。
【図7】タイル分割部201により分割されたタイルの
例を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施形態において、像域判定部
202から出力される像域分離情報Zが0である場合の
タイル符号化データの構造を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における画像符号化装
置の機能構成を示す図である。
【図10】本発明の第1乃至3の実施形態における画像
符号化装置の基本構成を示す図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像に対して符号化を行う画像符号化装
    置であって、 画像において、他の領域よりも高解像度で復号を要求す
    る領域を示す領域情報を生成する領域情報生成手段と、 画像に対して周波数変換を施し、サブバンド毎の係数を
    生成する周波数変換手段と、 前記周波数変換手段によるサブバンドのうち、所定の高
    周波数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もし
    くは当該係数の量子化値を、前記領域情報に応じて修正
    する修正手段と、 前記修正手段により修正された係数、もしくは当該係数
    の量子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対して
    エントロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化手段
    とを備えることを特徴とする画像符号化装置。
  2. 【請求項2】 他の領域よりも高解像度で復号を要求す
    る領域は文字領域を含むことを特徴とする請求項1に記
    載の画像符号化装置。
  3. 【請求項3】 前記修正手段は、前記所定の高周波数成
    分に含まれるサブバンドを構成する係数、もしくは当該
    係数の量子化値が、他の領域よりも高解像度で復号を要
    求する領域に含まれているか否かを示すマスク情報を前
    記領域情報に基づいて生成し、当該マスク情報に応じて
    前記係数、もしくは前記係数の量子化値を修正すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像符号化装置。
  4. 【請求項4】 前記修正手段は、前記所定の高周波数成
    分に含まれる各サブバンドに対して前記マスクを生成す
    ることを特徴とする請求項3に記載の画像符号化装置。
  5. 【請求項5】 前記修正手段は、前記所定の高周波数成
    分に含まれるサブバンドを構成する係数、もしくは当該
    係数の量子化値が、他の領域よりも高解像度で復号を要
    求する領域に含まれていない場合に、前記係数、もしく
    は前記係数の量子化値を修正することを特徴とする請求
    項1に記載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】 前記修正手段は、前記所定の高周波数成
    分に含まれるサブバンドを構成する係数、もしくは当該
    係数の量子化値が、他の領域よりも高解像度で復号を要
    求する領域に含まれていない場合、前記係数、もしくは
    前記係数の量子化値を0に修正することを特徴とする請
    求項5に記載の画像符号化装置。
  7. 【請求項7】 前記周波数変換手段は、離散ウェーブレ
    ット変換を用いることを特徴とする請求項1に記載の画
    像符号化装置。
  8. 【請求項8】 画像に対して符号化を行う画像符号化装
    置であって、 画像を所定のサイズのタイルに分割する分割手段と、 前記分割手段による各タイルに対して周波数変換を行
    い、各タイルに対するサブバンド毎の係数を生成する周
    波数変換手段と、 前記分割手段による各タイルに特定の領域が含まれてい
    るか否かの判定結果を生成する判定手段と、 前記周波数変換手段によるサブバンドのうち、所定の高
    周波数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もし
    くは当該係数の量子化値を、前記判定手段による判定結
    果に応じて、修正する修正手段と、 前記修正手段により修正された係数、もしくは当該係数
    の量子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対して
    エントロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化手段
    とを備えることを特徴とする画像符号化装置。
  9. 【請求項9】 画像に対して符号化を行う画像符号化装
    置であって、 画像を所定のサイズのタイルに分割する分割手段と、 前記分割手段による各タイルに特定の領域が含まれてい
    るか否かの判定結果を生成する判定手段と、 前記判断手段による判定結果に応じたフィルタを用い
    て、前記分割手段による各タイルに対して周波数変換を
    行い、各タイルに対するサブバンド毎の係数を生成する
    周波数変換手段と、 前記周波数変換手段によるサブバンドのうち、所定の高
    周波数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もし
    くは当該係数の量子化値を、前記判定手段による判定結
    果に応じて、修正する修正手段と、 前記修正手段により修正された係数、もしくは当該係数
    の量子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対して
    エントロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化手段
    とを備えることを特徴とする画像符号化装置。
  10. 【請求項10】 前記特定の領域は文字領域を含むこと
    を特徴とする請求項8又は9に記載の画像符号化装置。
  11. 【請求項11】 前記判定手段は、操作者からの特定の
    領域を示す指示の入力に基づいて前記判定結果を生成す
    ることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に
    記載の画像符号化装置。
  12. 【請求項12】 前記判定手段は、タイルのエッジ情報
    を求め、当該エッジ情報から前記判定結果を生成するこ
    とを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載
    の画像符号化装置。
  13. 【請求項13】 前記修正手段は、前記所定の高周波数
    成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もしくは当
    該係数の量子化値が、前記特定の領域に含まれていない
    場合に、前記係数、もしくは前記係数の量子化値を修正
    することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像符号
    化装置。
  14. 【請求項14】 前記修正手段は、前記所定の高周波数
    成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もしくは当
    該係数の量子化値が、前記特定の領域に含まれていない
    場合、前記係数、もしくは前記係数の量子化値を0に修
    正することを特徴とする請求項13に記載の画像符号化
    装置。
  15. 【請求項15】 前記周波数変換手段は、離散ウェーブ
    レット変換を用いることを特徴とする請求項8又は9に
    記載の画像符号化装置。
  16. 【請求項16】 前記符号列は、各タイル毎の前記判定
    結果を含むことを特徴とする請求項9に記載の画像符号
    化装置。
  17. 【請求項17】 画像に対して符号化を行う画像符号化
    方法であって、 画像において、他の領域よりも高解像度で復号を要求す
    る領域を示す領域情報を生成する領域情報生成工程と、 画像に対して周波数変換を施し、サブバンド毎の係数を
    生成する周波数変換工程と、 前記周波数変換工程によるサブバンドのうち、所定の高
    周波数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もし
    くは当該係数の量子化値を、前記領域情報に応じて修正
    する修正工程と、 前記修正工程で修正された係数、もしくは当該係数の量
    子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対してエン
    トロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化工程とを
    備えることを特徴とする画像符号化方法。
  18. 【請求項18】 画像に対して符号化を行う画像符号化
    方法であって、 画像を所定のサイズのタイルに分割する分割工程と、 前記分割工程による各タイルに対して周波数変換を行
    い、各タイルに対するサブバンド毎の係数を生成する周
    波数変換工程と、 前記分割工程による各タイルに特定の領域が含まれてい
    るか否かの判定結果を生成する判定工程と、 前記周波数変換工程によるサブバンドのうち、所定の高
    周波数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もし
    くは当該係数の量子化値を、前記判定工程による判定結
    果に応じて、修正する修正工程と、 前記修正工程で修正された係数、もしくは当該係数の量
    子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対してエン
    トロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化工程とを
    備えることを特徴とする画像符号化方法。
  19. 【請求項19】 画像に対して符号化を行う画像符号化
    方法であって、 画像を所定のサイズのタイルに分割する分割工程と、 前記分割工程による各タイルに特定の領域が含まれてい
    るか否かの判定結果を生成する判定工程と、 前記判断工程による判定結果に応じたフィルタを用い
    て、前記分割工程による各タイルに対して周波数変換を
    行い、各タイルに対するサブバンド毎の係数を生成する
    周波数変換工程と、 前記周波数変換工程によるサブバンドのうち、所定の高
    周波数成分に含まれるサブバンドを構成する係数、もし
    くは当該係数の量子化値を、前記判定工程による判定結
    果に応じて、修正する修正工程と、 前記修正工程で修正された係数、もしくは当該係数の量
    子化値を含む全係数、もしくは全量子化値に対してエン
    トロピ符号化を行い、符号列を生成する符号化工程とを
    備えることを特徴とする画像符号化方法。
  20. 【請求項20】 請求項17乃至19のいずれか1項に
    記載の画像符号化方法をコンピュータ上で実行可能なプ
    ログラムコード。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のプログラムコード
    を格納し、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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