JP2016092589A - 符号化装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正負符号で符号化効率に差が発生するエントロピー符号化を用いる場合の符号化効率を更に高める技術を提供する。
【解決手段】 2次元的に配列された係数データを符号化する符号化装置であって、2次配列の係数データをラスタースキャン順に入力する入力部、入力した着目係数データの周囲であって、符号化済み位置にある複数の周囲係数データから、着目係数データの予測値を算出する第1の予測部、着目係数データで示される値と予測値の予測誤差を算出する算出部と、複数の周囲係数データで特定される勾配を表す勾配情報から、予測誤差の正負符号を予測する第2の予測部と、第2の予測部で予測した正負符号に従い、算出された予測誤差に対し、正負符号を再割り当てる割り当て部と、割り当て後の予測誤差をエントロピー符号化する符号化部とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像や画像のウェーブレット変換結果等、2次元的に配列された係数データを符号化する技術に関するものである。
画像データの符号化方式の一つとしてJPEG−LSがある。JPEG−LSは、ロスレス符号化とニアロスレス符号化を選択でき、符号化対象画素の周囲画素の状態に基づいて予測符号化とランレングス符号化を切り替えることで高い圧縮率を実現している。JPEG−LSにおける予測符号化は、符号化対象画素の画素値を、周囲画素から予測し、その予測誤差をゴロム・ライス符号化する。また、予測誤差を効率的に符号化するために、正の予測誤差と負の予測誤差の発生頻度に基づいて予測誤差の正負の符号を反転させる方法が開示されている(特許文献1)。
特許第3847891号
画像データの画素値、または、画像データを周波数変換した係数値を入力として、符号化対象係数の係数値を周囲係数から予測し、予測誤差をエントロピー符号化する場合を考える。ゴロム・ライス符号化では、予測誤差の絶対値が同じであっても、その正負の符号が異なると生成される符号長は異なるので、改善の余地が残る。
本発明は係る問題に鑑みなされたものであり、正負符号で符号化効率に差が発生するエントロピー符号化を用いる場合の符号化効率を更に高める技術を提供しようとするものである。
この課題を解決するため、例えば本発明の符号化装置は以下の構成を備える。すなわち、
2次元的に配列された係数データを符号化する符号化装置であって、
前記2次元的に配列された係数データをラスタースキャン順に入力する入力手段と、
該入力手段で入力した着目係数データの周囲であって、符号化済み位置にある複数の周囲係数データから、前記着目係数データの予測値を算出する第1の予測手段と、
前記着目係数データで示される値と前記予測値との予測誤差を算出する算出手段と、
前記複数の周囲係数データで特定される勾配を表す勾配情報から、前記予測誤差の正負符号を予測する第2の予測手段と、
前記第2の予測手段で予測した正負符号に従い、前記算出手段で算出された予測誤差に対し、正負符号を再割り当てる割り当て手段と、
該割り当て手段で得られた予測誤差をエントロピー符号化する符号化手段とを有する。
本発明によれば、画像、画像をウェーブレット変換して得られた変換係数等、隣接する係数間にある程度の関連性の或る2次元配列の係数データに適用した場合、これまでよりも符号化効率を高くすることができる。
画像符号化装置の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の符号化部105の構成の一例を示す図。 情報処理部109のハードウェア構成を示す図。 カメラの撮像部の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の符号化部105で行われる処理のフローチャート。 第1の実施形態のサブバンド符号化部218で行われる処理のフローチャート。 第1の実施形態のステップ610の詳細を示すフローチャート。 着目係数と周囲係数の位置関係を示す図。 ウェーブレット変換によるサブバンド分割を説明する図。 ゴロム・ライス符号化を説明する図。 第2の実施形態の符号化部105の構成の一例を示す図。 第2の実施形態の符号化部105で行われる処理のフローチャート。 第2の実施形態のステップ1210の詳細を示すフローチャート。
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。本発明は、画像や、画像をウェーブレット変換して得られた変換係数等、隣接するデータ間にある程度の関連性が有る2次元的に配列された係数データに対し、ラスタースキャン順にエントロピー符号化する技術である。それ故、以下では、理解を容易にするため、符号化対象のデータが、画像をウェーブレット変換して得られた例と、画像とした例を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施形態の一つであることに、注意されたい。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、画像データをウェーブレット変換で複数のサブバンドに分割し、サブバンド分割されたウェーブレット係数を予測符号化、及び、ランレングス符号化で符号化する画像符号化装置に適用される。以下、本第1の実施形態の画像符号化装置について説明する。
図1は、第1の実施形態の画像符号化装置の構成の一例を示す図である。カメラ100は、操作部101と、撮像部102と、情報処理部109と、記憶部107と、I/Oインターフェース108とを有している。情報処理部109は、取得部103、画像処理部104、符号化部105、出力部106を有する。
図4(a)はカメラ100の外観を示す図である。図4(a)に示すように、カメラ100は撮像部102を備えている。図4(b)は撮像部102の内部構成を示す図である。撮像部102は、ズームレンズ401、フォーカスレンズ402、403、開口絞り404、シャッター405を有している。また光学ローパスフィルタ406、iRカットフィルタ407、カラーフィルタ408、撮像素子409およびA/D変換部410を有している。ユーザは絞り404を調整することにより、撮像部102に入射される入射光量を調節できる。撮像素子409は、CMOSやCCDなどの受光素子である。撮像素子409で被写体の光量を検知すると、検知された光量がA/D変換部410によってデジタル値に変換され、デジタルデータとして情報処理部109へと出力される。
図3は情報処理部109の内部構成を示す図である。情報処理部109は、CPU301、RAM302、ROM303を有し、各構成部はシステムバス304により相互に接続されている。
CPU301はカメラ100内の各部を統括的に制御するプロセッサである。RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM303は、図1に示す情報処理部109の各構成部を実行するプログラムを格納している。情報処理部109は、ROM303に格納されたプログラムを、CPU301がプログラムコードとして読み込み実行することで、図1に示す各構成部としての役割を実現する。なお情報処理部109の構成は、上記に示すもの以外に、図1に示す各構成部の役割を果たす専用の処理回路などを備えたものであっても良い。
操作部101は、カメラ本体に備えられたボタンやダイヤル、タッチパネルなどの入力装置であり、ユーザが操作して、撮影の開始、停止および撮影条件の設定などの命令を行える。記憶部107は、撮像部102により取得されたRAW画像データ、および、画像データを保存することができる、メモリカードなどの不揮発性の記憶媒体である。I/Oインターフェース108はユニバーサルシリアルバス(USB)によって実装されたシリアルバス接続を利用でき、対応するUSBコネクタを有する。もちろん、光ファイバーによるLAN接続や、無線接続などを利用しても良い。表示部305は、撮影画像や文字の表示を行う。表示部305には一般的に液晶ディスプレイが用いられる。またタッチパネル機能を有していても良く、その場合はタッチパネルを用いたユーザ指示を操作部101の入力として扱うことも可能である。
以下、本実施形態に示す情報処理部109の処理について説明する。まず取得部103は、撮像部102から出力されたRAW画像データを取得し、画像処理部104にRAW画像データを出力する。次に画像処理部104は、RAW画像データを、デモザイク処理して1画素につきR,G,B成分で構成される画像データを生成し、符号化部105に画像データを出力する。
次に符号化部105は、画像データの符号化処理を行う。本実施形態では1画素を構成するRGBの各成分が8ビットで表現されており、色成分毎にモノクロ画像として符号化する場合を例に説明する。つまり、R成分のみで構成されるモノクロ画像、G成分のみで構成されるモノクロ画像、B成分のみで構成されるモノクロ画像をそれぞれ符号化する例である。しかしながら本発明は、他の色表現、及び、RAW画像データに対しても適用できる。例えば、1画素がYCbCr各8ビットで表現される輝度色差成分に対しては、成分毎にモノクロ画像として符号化すれば良い。また、R/G0/G1/Bのベイヤ配列から成る各画素14ビットのRAW画像データに対しては、色成分毎にモノクロ画像として符号化すれば良い。
次に、本実施形態に示す符号化部105の処理について説明する。符号化部105は、図2に示すように、色成分入力部201、ウェーブレット変換部202、量子化部203、サブバンド符号化部218、符号出力部214を有する。サブバンド符号化部218は、モード選択部204、予測変換選択部205、第1予測変換部206、第2予測変換部207、第3予測変換部208、第4予測変換部209、第1符号予測部210、第2符号予測部211、第3符号予測部212、第4符号予測部213、ゴロム符号化部214、ランレングス符号化部215、符号生成部216を有する。図5は符号化部105で行われる全体的な処理を示したフローチャートである。
色成分入力部201は、画像処理部104から出力された画像データを成分毎に入力する。本実施形態では、RGB各8ビットの画像データが色成分毎に入力される。以下、R成分、G成分、B成分を各々モノクロ画像として扱い同様の処理を行うため、以降の処理は、8ビットのモノクロ画像の処理として説明する(ステップS501)。
ウェーブレット変換部202は、色成分入力部201から出力されたモノクロ画像データを入力として、ウェーブレット変換を行う。画像データはウェーブレット変換により複数の分解レベルに分けられ、各分解レベルは複数のサブバンドから構成される。分解レベルは、低周波成分を再帰的に水平・垂直方向に2分割した分割回数を示しており、分解レベルが1増えると水平・垂直解像度は半分になる。
図9は、ウェーブレット変換を3回実行した例を示している。分解レベル1(1回目のウェーブレット変換)でサブバンドでHL1、LH1、HH1、LL1が得られる。そして、1回目のウェーブレット変換で得られたサブバンドLL1に対して2回目のウェーブレット変換を行うので、分解レベル2のサブバンドとして、HL2、LH2、HH2、LL2が得られる。そして、2回目のウェーブレット変換で得られたサブバンドLL2に対して3回目のウェーブレット変換を行うので、分解レベル3のサブバンドとして、HL3、LH3、HH3、及び、LL3が得られる。ここで、サブバンドHL2の水平・垂直解像度はサブバンドHL1の半分となる。サブバンドLHは、ウェーブレット変換が適用された局所領域の水平方向の周波数特性(水平方向成分)を示す。またサブバンドHLは垂直方向の周波数特性(垂直方向成分)、サブバンドHHは斜め方向の周波数特性(斜め方向成分)を示す。サブバンドLLは低周波成分である。本実施形態では、国際標準であるJPEG2000(ISO/IEC15444|ITU−T T.800)でも利用されている実数型の9/7フィルタを用いるものとするが、これに限定されるものではない。整数型の5/3フィルタ等、この他のウェーブレット変換フィルタを用いても構わない。またウェーブレット変換の処理単位については、ライン単位の処理であっても、画像単位の処理であっても構わない。なお、実施形態では、ウェーブレット変換の実行回数は特に問わないが、説明を簡単なものとするため、図9と同じ3回として説明を続ける。また、上記ではサブバンドをHL1,LH1,…と分解レベルを添え数字で示したが、図5のフローチャートでは分解レベルを括弧表現のHL(1)、LH(1)と表現している点に注意されたい。
ウェーブレット変換部202は、ウェーブレット変換された各サブバンドのウェーブレット係数を量子化部203に出力する(ステップS502)。
量子化部203は、ウェーブレット変換部202から出力された各サブバンドのウェーブレット係数を入力し、サブバンド毎に異なるステップ幅で量子化する。また、サブバンドのライン毎に異なるステップ幅で量子化を行うなど他の量子化方法を用いても構わない。量子化されたウェーブレット係数をサブバンド毎にサブバンド符号化部218に送出する(ステップS503)。
サブバンド符号化部218は、サブバンド毎に量子化後のウェーブレット係数を符号化する。サブバンド符号化部218の詳細は後述する。ステップS504で、サブバンド符号化部218は、ウェーブレット変換の分解回数iを設定する。本実施形態ではウェーブレット変換の実行回数を3としているので、i=3となる。そして、ステップS505で、サブバンド符号化部218は、量子化部203から出力されたサブバンドLL(3)の量子化後のウェブレット変換係数の符号化処理を行い、得られた符号化データを符号出力部217に出力する。以降、「サブバンドxxの量子化後のウェーブレット係数の符号化処理を行う」ことを、単に「サブバンドxxの符号化を行う」と言う。
サブバンド符号化部218は、ステップS506にて「i=0」であるか否かを判断する。ここでは「i=3」なので、ステップS507に移る。ステップS507で、サブバンド符号化部218は、量子化部203から出力されたサブバンドHL(3)の符号化を行い、得られた符号化データを符号出力部217に出力する。
同様に、ステップS508で、サブバンド符号化部218は、量子化部203から出力されたサブバンドLH(3)の符号化を行い、得られた符号化データを符号出力部217に出力する。そして、ステップS509にて、サブバンド符号化部218は、量子化部203から出力されたサブバンドHH(3)の符号化を行い、得られた符号化データを符号出力部217に出力する。この後、サブバンド符号化部218は、ウェーブレット係数で分解した回数iを1減じる。この結果、i=2となる。処理はステップS506に戻り、再び「i=0」であるか否かが判断される。ここでは「i=2」なので、ステップ507に移る。以下、着目するウェーブレット変換の分解レベルiについてステップS507乃至510の処理を、ステップS506にて「i=0」となったと判断されるまで繰り返す。
さて、ステップS506で、「i=0」であると判断した場合には、処理はステップS511に移る。この段階で、サブバンド符号化部218は符号出力部217に、LL(3)、HL(3)、LH(3)、HH(3)、HL(2)、LH(2)、HH(2)、HL(1)、LH(1)、HH(1)の10個のサブバンドの符号化データを既に出力していることに注意されたい。
符号出力部217は、上記の10個のサブバンドの符号データを統合し、所定のヘッダを付加して、圧縮画像データファイルを生成し、出力部106に出力し、記憶部107に保存する。保存された圧縮画像データは、I/Oインターフェース108を介して、カメラ外のデバイスに出力しても構わない。すなわち、出力先の種類は問わない。
ここまでで、画像データをウェーブレット変換でサブバンド分割し、サブバンド毎に符号化するときの全体的な処理フローについて説明した。ここからは、各サブバンドのウェーブレット係数を符号化するサブバンド符号化部218の構成の詳細と処理フローについて説明する。
サブバンド符号化部218は、図2に示すように、モード選択部204、予測変換選択部205、第1予測変換部206、第2予測変換部207、第3予測変換部208、第4予測変換部209を有する。また、更に、第1符号予測部210、第2符号予測部211、第3符号予測部212、第4符号予測部213、ゴロム符号化部214、ランレングス符号化部215、符号生成部216を有する。図6は、サブバンド符号化部218における処理のフローチャートである。以下、図6のフローチャートに従って、サブバンド符号化部218の各構成要素の処理の詳細を説明する。なお、図6のフローチャートは、サブバンド符号化部218における、1つのサブバンドに対する処理手順を示しているものと理解されたい。
まずステップS601で、サブバンド番号Sを入力する。サブバンド番号Sはサブバンドを識別する番号であり、符号化の対象となるサブバンドがLL成分、HL成分、LH成分、HH成分の何れであるかを識別するためのものである。ここでは、単純に、LL成分にS=1、HL成分にS=2、LH成分にS=3、HH成分にS=4の識別番号が設定されているものとする。
実施形態では、これまでの説明からわかるように、CPU301によるプログラムを実行した際の関数(またはプロシージャ)が、サブバンド符号化部218として機能している。上記サブバンド番号Sは、上位処理にて、その関数をコールする際の引数として利用されると考えると分かりやすい。
ステップS602で、着目サブバンド内のウェーブレット係数データが全て符号化されたかを判定する。全て符号化された場合は符号化処理を終了し、未符号化の係数データがある場合は、ステップS603に移る。ステップS603で、着目サブバンドのウェーブレット係数データをライン単位に入力する。サブバンド符号化部218は、サブバンドのウェーブレット係数をライン単位に入力し、ラスタスキャン順に符号化する。そのため、ステップS604にて、符号化対象の着目係数データを、入力した1ライン分のウェーブレット係数の左端の係数データとして設定する。
そして、ステップS605にて、入力した1ライン分の全ウェーブレット係数の符号化を終えたか否かを判定する。つまり、ラインの右端の係数の符号化を完了したか否かを判定する。
1ライン分の全ウェーブレット係数の符号化を終えたと判定された場合、処理はステップS606に進み、符号化対象のラインを次ラインに設定し、ステップS602に戻る。一方、1ライン分の全ウェーブレット係数の符号化が未完であると判断した場合には、ステップS607に進み、モード選択部204による符号化モードの判定が行われる。
符号化モードの判定を説明する前に、着目係数データとその周囲係数データの位置関係を図8に示す。ここでは、xが着目係数(符号化対象のウェーブレット係数)となる。また、符号化処理はラスタスキャン方向に順に行われるため、左側の係数a、左上の係数c、上の係数b、右上の係数dは、既に符号化済みの係数である。なお、着目係数xがラインの左端に位置しているとき係数aは存在しない。着目係数xがラインの右端に位置しているときは右上係数dは存在しない。更に、着目係数xがサブバンドの最初のライン上にある場合、左上係数c、上係数b、右上係数dは存在しない。このように存在しない係数は、予め設定された値であるものと見なして判定する。なお、この値は、復号する側と共通であれば良く、どのような値であっても良く、例えば0である。
符号化モードは、着目係数xの周囲の既符号化係数a,b,c,dが次の条件を満たすか否かで決定される。
条件:係数a=b=c=d
・上記条件を満たすとき、ランレングスモードとして決定し、着目係数xを起点とするランレングス符号化を開始する。従って、サブバンドの最初のラインの最初の係数(サブバンドの左上隅の係数)はランレングスモードで符号化が開始される。なぜなら、その周囲の係数a,b,c,dは全て同じであるからである。
・上記条件を満たさないとき、予測符号化モードとして決定し、着目係数xを予測誤差符号化する。
ステップS608では、着目係数に対する符号化モードが、ランレングスモード、予測符号化モードのいずれであるかを判定する。符号化モードがランレングスモードであると判定された場合、処理はステップS613に進み、ランレングス符号化部215によるランレングス符号化処理を実行する。
ランレングス符号化部215は、着目係数がその左隣と同じ係数である場合にラン長RLを1増加させては、右隣の係数を新たな着目係数とすることを繰り返す。そして、着目係数が左隣の係数と異なる、又は、着目係数がラインの右端に到達したとき、ラン長RLをMELCODE符号化して終端処理を行う。また、このとき、ラン長RLを0に初期化する。なお、このランレングス符号化そのものはJPEG−LSと同様の処理であるため、ここでの詳細説明は割愛する。
一方、ステップS608にて、着目係数に対する符号化モードが予測符号化モードとして判定された場合、ステップS609に進む。このステップS609では、予測変換選択部205が、第1予測変換部206、第2予測変換部207、第3予測変換部208、第4予測変換部209のいずれを用いるかを選択する。この選択は、ステップS601で入力されたサブバンド番号Sに基づいて決定される。例えば、着目係数がサブバンドLL成分の係数である場合、予測変換選択部205は第1予測変換部206が選択される。また、予測変換選択部205は、着目係数がサブバンドHL成分の係数であれば第2予測変換部207を選択する。そして、予測変換選択部205は、着目係数がサブバンドLH成分の係数であれば第3予測変換部208、サブバンドHH成分であれば第4予測変換部209を選択する。
第1予測変換部206は、予測変換にMED(Median Edge Detection)予測を用いて係数予測を行う。図8の周囲係数a,b,cを用いた着目係数xの予測値pの算出は以下の通りである。なお、着目係数x、並びに、周囲係数a,b,cの値もx,a,b,cで表現する。そして、“min(…)”は括弧内で数値の中で最小の値を返す関数、“max(…)”は括弧内の数値の中で最大値を返す関数を表している。
・c≦min(a,b)のとき、p=max(a,b)
・c>max(a,b)のとき、p=min(a,b)
・上記以外のとき、p=a+b−c
ここで予測誤差は次のようにして算出される。
予測誤差=x−p
第2予測変換部207は、予測値算出法として垂直方向に基づく予測法を用いる。HL成分は垂直方向の周波数特性を有することから、垂直方向予測が符号化効率の向上に有効である。それ故、着目係数xの予測値pを以下のようにして求める。
p=b
ここで予測誤差は次のようにして算出される。
予測誤差=x−p
第3予測変換部208は、予測値算出法として水平方向に基づく予測法を用いる。LH成分は水平方向の周波数特性を有することから、水平方向予測が符号化効率の向上に有効である。それ故、着目係数xの予測値pは以下のようにして求める。
p=a
ここで予測誤差は次のようにして算出される。
予測誤差=x−p
第4予測変換部208は予測値算出を行わない。すなわち、予測無しとし、着目係数xをそのまま予測誤差とする。
予測誤差 = x
次にステップS610において、サブバンドに応じて予測誤差の正負の符号を予測し、必要に応じて正負符号の再割り当てを行う。図7はステップS610の詳細を示すフローチャートである。
ステップS701で、ステップS609で出力された予測誤差を取得する。そして、ステップS702で、予測誤差の正負符号を予測する。ここで予測誤差の正負符号を予測するため、サブバンド毎に異なる予測処理を行う。
まず予測変換処理に応じて、特定の符号予測処理が選択される。即ち、第1予測変換部206が選択されたとき(符号化対象の係数がLLサブバンドの場合)、第1符号予測部210が選択される。第2予測変換部207が選択されたとき(符号化対象の係数がHLサブバンドの場合)、第2符号予測部211が選択される。第3予測変換部208が選択されたとき(符号化対象の係数がLHサブバンドの場合)、第3符号予測部212が選択される。第4予測変換部209が選択されたとき(符号化対象の係数がHHサブバンドの場合)、第4符号予測部213が選択される。
第1符号予測部210は、第1予測変換部206で用いられるMED予測に対しての処理である。第1符号予測部210では、正負符号の予測は行わない。
第2符号予測部211は、第2予測変換部207で用いられる垂直方向の予測に対しての処理である。第2符号予測部211では、図8の周囲係数を用いて正負符号を予測する。即ち、(a−c)≧0、かつ、(a−b)≧0であれば、予測誤差は正であると予測する。予測変換が垂直方向であるため、垂直方向の勾配算出による勾配情報を用いることで、予測誤差の符号を効果的に推測できる。より分かりやすく言えば、周囲係数a,b,cについて、垂直下方向にその値が増加する傾向にある場合、着目係数xは上隣の係数bより大きくなる可能性が高いと見なす。
第3符号予測部212は、第3予測変換部208で用いられる水平方向の予測に対しての処理である。第3符号予測部212では、図8の周囲係数を用いて正負符号を予測する。即ち、(b−c)≧0、かつ、(b−a)≧0であれば、予測誤差が正であると予測する。予測変換が水平方向であるため、水平方向の勾配算出による勾配情報を用いることで、予測誤差の符号を効果的に推測できる。より分かりやすく言えば、周囲係数a,b,cについて、水平右方向にその値が増加する傾向にある場合、着目係数xは左隣の係数aより大きくなる可能性が高いと見なす。
第4符号予測部213は、第4予測変換部209で予測変換を行わないことに対しての処理である。第4符号予測部213では、図8の周囲係数を用いて正負符号を予測する。即ち、a≧0、かつ、b≧0、かつ、c≧0であれば、予測誤差が正であると予測する。周囲係数a,b,cが正の値であるとき、着目係数の係数値が正の値である可能性が高いことを示している。より分かりやすく言えば、第4符号予測部213は予測を行わず、入力した係数を予測誤差、つまり、そのまま出力する。従って、周囲係数a,b,cが全て正であれば、着目係数xも正である可能性が高いと見なす。
ステップS703では、ステップS702で予測した正負符号が正(プラス)のとき、ステップS704に移る。ステップS702で予測した予測誤差の符号が負(マイナス)のとき、ステップS704の処理はスキップし、ステップS705に移る。
ステップ704で、予測誤差の正負符号の反転処理を行う。例えば、予測誤差が+5であり、正負符号の予測(以下、予測正負符号)が正であった場合、その予測誤差の符号反転を行い、−5とする。そして、ステップ705で、処理後の予測誤差を出力する。
上記において、予測誤差の符号、予測正負符号、処理後の予測誤差の正負符号の関係を、
{予測誤差の符号、予測正負符号}→{処理後の予測誤差の正負符号}
として表現すると、次の4通りである。
{正,正}→負 (予測正負符号が予測誤差の正負符号と一致した場合)
{正,負}→正 (予測正負符号が予測誤差の正負符号と不一致の場合)
{負,正}→正 (予測正負符号が予測誤差の正負符号と不一致の場合)
{負,負}→負 (予測正負符号が予測誤差の正負符号と一致した場合)
上記からわかるように、ステップS703の処理は、予測正負符号と、予測誤差の正負符号が一致するか否かを判定していることと等価である。そして、実際の予測誤差の符号に一致する正負符号を予測できた場合、処理後の予測誤差の正負符号は「負」となる。逆に正負符号の予測がはずれた場合の処理後の予測誤差の正負符号は「正」となる。ゴロム符号では、絶対値が同じであれば、負の値の方の符号語が短い。故に、正負符号の予測が当たった場合には符号量を減らすことが可能となるのは理解できよう。
図2に戻って、第1符号予測部210、第2符号予測部211、第3符号予測部212、第4符号予測部213で選択された符号予測処理から出力された予測誤差は、ゴロム符号化部214に送出される。
ゴロム符号化部214で、予測誤差をゴロム・ライス符号化する(ステップS611)。ゴロム符号化部214は、まず予測誤差(Diff)を非負の整数値(MV)に変換する。変換式は以下の通りである。
・Diff≧0のとき、MV=2×Diff
・上記以外(Diff<0)のとき、MV=−2×Diff−1
次に、パラメータkを用いて非負の整数値(MV)をゴロム・ライス符号化する。ゴロム・ライス符号化の手順は以下の通りである。
(1)MVを2進数表現して、MVをkビット右シフトした値の0を並べ、その後に1を付加する。
(2)(1)の後ろに、MVの下位kビットを取りだして付け加える。
図10にゴロム・ライス符号化のパラメータkと非負の整数値(MV)と符号語の関係を示す。ゴロム・ライス符号化の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、0と1を反対にして符号を構成しても構わないし、上記手順で述べた(1)と(2)の順番を入れ替えて符号を構成しても良い。なお、ここでは符号化パラメータkの決定方法については特に特定しないが、符号化側と復号側で同じパラメータを利用できれば良い。例えば、予めサブバンド毎に適切と思われるパラメータkを選定する方法でも良いし、符号化の過程で動的に変化するようにしても構わない。
例えば、パラメータk=0の場合を考える。予測誤差(Diff)が−2のとき、非負の整数値(MV)は3となり、予測誤差(Diff)が+2のとき、非負の整数値(MV)は4となる。非負の整数値(MV)が3のとき、符号語は0001となり4ビットで表現され、非負の整数値(MV)が4のとき、符号語は00001となり5ビットで表現される。即ち、予測誤差の絶対値が同じ2であっても、符号量は−2で4ビット、+2で5ビットと異なる。このような変換を用いるときは、予測誤差が負(マイナス)となるように正負の符号を反転させれば、符号化効率の改善が図れることになる。(ステップ611)
上記のようにして、着目係数xに対する予測符号化処理を終えると、ステップS612にて、着目ラインにおける着目係数xの右隣の係数を新たな着目係数とし、ステップS605に処理を戻す。
図2に戻って、符号生成部216で、サブバンドのウェーブレット係数の符号データを出力する。
上述の符号化処理により本実施形態によれば、サブバンド分割されたウェーブレット係数に対して、サブバンド毎に周囲係数の勾配を算出し、予測誤差の正負の符号を予測する。符号長が小さくなるように予測誤差の符号を割り当てることで、予測誤差をゴロム・ライス符号化するときの符号量を削減することができる。
なお、復号装置では、上記の符号化処理と逆の処理を行う。ランレングス符号化データの復号処理は説明するまでもないであろう。予測符号化データについては、復号対象の係数がいずれのサブバンド内にあるのかに応じて、着目係数の周囲の復号済みの係数を参照して予測値を算出する。また、予測正負符号も算出する。そして、着目係数の予測誤差を示すゴロム符号化データを復号し、その復号結果の予測誤差の正負符号と、予測正負符号が一致していたら、復号した予測誤差の正負符号を反転する。後は逆ウェーブレット変換して画像を生成すればよい。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態は、画像データをウェーブレット変換で複数のサブバンドに分割し、サブバンド分割されたウェーブレット係数を予測符号化、及び、ランレングス符号化で符号化する画像符号化装置について説明した。第2の実施形態では、第1の実施形態におけるウェーブレット変換を除外し、画像を構成する画素データを符号化対象係数として符号化する画像符号化装置について説明する。
以下、本第2の実施形態に示す画像符号化装置について説明する。なお、装置の基本構成は第1の実施形態における図1と同じであるので、その説明は省略する。
図11は第2の実施形態における符号化部105の構成である。符号化部105は、色成分入力部1101、モード選択部1102、予測変換部1103、符号予測選択部1104、第1符号予測部1105、第2符号予測部1106、第3符号予測部1107、ゴロム符号化部1108を有する。また、符号化部105は、更に、符号生成部1109、符号出力部1110、ランレングス符号化部1111を有する。
図12は第2の実施形態における符号化部105の処理手順を示すフローチャートである。以下、これらを参照して第2の実施形態の符号化部105の符号化処理を説明する。
色成分入力部1101は、画像処理部104から出力された画像データを成分毎に入力する。本実施形態では、RGB各8ビットの画像データが色成分毎に入力される。以下、R成分、G成分、B成分を各々モノクロ画像として扱い同様の処理を行うため、以降の処理は、8ビットのモノクロ画像の処理として説明する(ステップS1201)。
ステップS1202で、入力した色成分の画素が全て符号化されたかを判定する。全て符号化済みであると判定された場合には、ステップS1214に移り、符号出力部1110は、生成された符号データに、適当なファイルヘッダを付加し、ファイルとして記憶媒体に保存する。なお、出力先の種類は問わない。
一方、未符号化の画素が存在する場合には処理をステップS1203に進める。このステップS1203では、画素値をライン単位に入力する。画素値はライン単位に入力され、ラスタスキャン順に順次符号化される。それ故、ステップS1204にて、符号化対象の着目画素を、そのラインの左端の画素に設定する。そして、ステップS1205で、着目ライン内の全画素が符号化されたかを判定する。着目ライン内の全画素の符号化をされた場合は、ステップS1206で次のラインを着目ラインに設定し、ステップS1202に戻る。
未符号化画素が存在する場合にはステップS1207に移り、モード選択部1102による符号化モード選択を行う。
この符号化モードの選択内容を、図8を参照して説明する。図8におけるxが符号化対象の着目画素である。符号化処理は、画素を単位にラスタスキャン順に符号化されるため、図示の左画素a、左上画素c、上画素b、右上画素dは、既に符号化済みの画素である。着目画素xがラインの左端に位置しているとき画素aは存在しない。着目画素xがラインの右端に位置しているときは右上画素dは存在しない。更に、着目画素xが画像の最初のライン上にある場合、左上係数c、上係数b、右上係数dは存在しない。このように存在しない係数は、予め設定された値であるものと見なして判定する。なお、この値は、復号する側と共通であれば良く、どのような値であっても良く、例えば0である。
符号化モードには、第1の実施形態と同様、予測符号化モード、及び、ランレングス符号化モードがある。第1の実施形態と同様、モード選択部1102は、着目画素xの周囲画素a,b,c,dが全て同じ画素値、すなわちa=b=c=dであるか否かを判定し、符号化モードを選択する。
ステップS1208では、着目画素に対する符号化モードが、ランレングスモード、予測符号化モードのいずれであるかを判定する。符号化モードがランレングスモードであると判定された場合、処理はステップS1213に進み、ランレングス符号化部1111によるランレングス符号化処理を開始する。
ランレングス符号化部1111は、着目画素がその左隣と同じ係数である場合にラン長RLを1増加させては、右隣の画素を新たな着目画素とすることを繰り返す。そして、着目画素が左隣の画素と異なる、又は、着目画素がラインの右端に到達したとき、ラン長RLをMELCODE符号化して終端処理を行う。また、このとき、ラン長RLを0に初期化する。なお、このランレングス符号化そのものはJPEG−LSと同様の処理であるため、ここでの詳細説明は割愛する。
一方、ステップS1208で、着目画素に対する符号化モードが予測符号化モードとして判定された場合、ステップS1209に進む。このステップS1209では、予測変換選択部1103が、予測変換を行う(予測値を算出する)。予測変換にはMED(Median Edge Detection)予測を用いる。図8の周囲画素a、b、cを用いた着目画素xの予測値pは次のようにして与えられる。なお、着目画素x、並びに、周囲画素a,b,cの画素値もx、a,b,cと表現する。
・c≦min(a,b)のとき、p=max(a,b)
・c>max(a,b)のとき、p=min(a,b)
・上記以外のとき、p=a+b−c
ここで予測誤差は次のようにして算出される。
予測誤差=x−p
上述した予測変換部1103の処理がステップS1209で行われる。
次にステップS1210において、予測方向に応じて予測誤差の正負符号を予測する処理を行う。図13はステップS1210の詳細を示すフローチャートである。以下、同図に従い、正負符号の予測処理を説明する。
ステップS1301で、ステップS1209で出力された予測誤差を取得する。そして、符号予測選択部1104は、ステップS1209の予測変換で用いた予測方向PDを取得する。
実施形態では、MED予測において、例えば、着目画素xについて左隣画素aを予測値pとした場合、水平方向の予測をしたことを示すためにPD=1とする。また、着目画素xの予測値pを上隣の画素bとした場合、垂直方向の予測をしたことを示すPD=2とする。そして、それ以外の場合には、PD=3と設定する。即ち予測方向PDは、水平方向の予測、垂直方向の予測、その他の予測を識別するために用いる(ステップS1302)。
ステップS1303で、予測誤差の正負の符号を予測する。ステップS1302で取得される予測方向PDを基に符号予測処理を選択する。即ち、水平方向の予測変換(予測方向PD=1)のとき、第1符号予測部1105が選択される。また垂直方向の予測変換(予測方向PD=2)のとき、第2符号予測部1106が選択される。その他の予測変換(PD=3)のとき、第3符号予測部1107が選択される。
第1符号予測部1105は、水平方向の予測変換(PD=1)に対しての処理である。第1符号予測部1105では、図8の周囲画素を用いて正負の符号を予測する。即ち、((b−c)≧0、かつ、(b−a)≧0)であれば、予測誤差が正の符号を持つと予測する。予測変換が水平方向であるため、水平方向の勾配情報を用いることで、予測誤差の符号を効果的に推測できる。より分かりやすく言えば、周囲画素a,b,cについて、水平右方向に画素値が増加する傾向にある場合、着目画素xは画素aより大きくなる可能性が高いと見なす。
第2符号予測部1106は、垂直方向の予測変換(PD=2)に対しての処理である。第2符号予測部1106では、図8の周囲画素を用いて正負の符号を予測する。即ち、((a−c)≧0、かつ、(a−b)≧0)であれば、予測誤差が正の符号を有すると予測する。予測変換が垂直方向であるため、垂直方向の勾配情報を用いることで、予測誤差の符号を効果的に推測できる。より分かりやすく言えば、周囲画素a,b,cについて、垂直下方向に画素値が増加する傾向にある場合、着目画素xは画素bより大きくなる可能性が高いと見なす。
第3符号予測部1107は、その他の予測変換(PD=3)に対しての処理である。第3符号予測部1107では、符号の予測は行わない。
ステップS1304で、ステップS1303で予測した予測誤差の符号が正(プラス)のとき、ステップS1305に移る。ステップS1303で予測した予測誤差の符号が負(マイナス)のとき、ステップS1306に移る。
ステップS1305で、予測誤差の符号を反転する。例えば、予測誤差が+5のとき、符号を反転させて予測誤差を−5とする。そして、ステップS1306で、処理後の予測誤差を出力する。
図11に戻って、第1符号予測部1105、第2符号予測部1106、第3符号予測部1107のうち、選択された1つの符号予測部から出力された予測誤差は、ゴロム符号化部1108に送出される。ゴロム符号化部1108で、予測誤差をゴロム・ライス符号化する。ゴロム・ライス符号化については、第1の実施形態と共通するので、ここでの説明は省略する(ステップS1211)。そして、ステップS1212で着目画素の右隣の画素を、新たな着目画素として設定し、ステップS1205に戻る。
図11に戻って、符号生成部1109で画素値の符号データを生成し、符号出力部1110で符号データを出力部106に出力する。
上述の符号化処理により本実施形態によれば、画像データの画素値に対して、予測方向に基づいて周囲係数の勾配を算出し、予測誤差の正負の符号を予測する。符号長が小さくなるように予測誤差の符号を割り当てることで、予測誤差をゴロム・ライス符号化するときの符号量を削減することができる。
以上、本発明に係る2つの実施形態を説明した。本実施形態では、カラー画像を符号化する例を示し、各色成分の成分画像をモノクロ画像として扱って符号化した。それ故、符号化対象は1成分のみで表されるモノクロ画像であっても構わないのは明らかである。また、第1の実施形態では、符号化部105による符号化する対象のデータはウェーブレット変換で得られた係数データであったのに対し、第2の実施形態のそれは画素値(正確には成分値)であった。しかし、符号化対象とするデータがウェーブレット変換係数値か画素値かは、実装する符号化部105にとっては問題とはならない。むしろ、符号化部105にとって重要な点は、符号化する対象のデータが2次元配列の係数データであることが重要な点であることは、これまでの説明から当業者であれば容易に理解できよう。
また、実施形態では、JPEG−LSに適用する例を説明した。JPEG−LSにて規定される、予測符号化モードとランレングス符号化モードを条件に応じて切り換えることは、符号化効率の観点からすれば望ましいものではあるものの、予測符号化モードのみで実現しても構わない。すなわち、ランレングス符号化モードは、本発明にとって必須の要件ではない。
また、実施形態ではゴロムライス符号化を用いる例を説明した。しかしながら、符号化対象の係数の絶対値が同じあってもその正負符号に依存した符号化効率となる符号化であれば、適用可能であるので、必ずしもゴロムライス符号化に限定されるものではない。実施形態では、絶対値が同じであれば、負の値の方の符号語が短い場合を説明したが、正の値の方の符号語が短い場合は、正負符号を逆に考えれば良い。
更にまた、第1の実施形態では、第1符号予測部210は、ウェーブレット変換係数のLLサブバンドについて行うものとし、予測誤差の正負符号の予測は行わないとした。しかし、LLサブバンドは通常の画像データと見なしても構わない。それ故、第1の実施形態における第1符号予測部210は、第2の実施形態と同様に正負符号を予測し、その上で符号化しても良い。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100…カメラ、101…操作部、102…撮像部、103…取得部、104…画像処理部、105…符号化部、106…出力部、107…記憶部、108…I/O、109…状法処理部、201…色成分入力部、202…ウェーブレット変換部202、203…量子化部、204…モード選択部204、205…予測変換選択部、206…第1予測変換部、207…第2予測変換部、208…第3予測変換部、209…第4予測変換部、210…第1符号予測部210、211…第2符号予測部、212…第3符号予測部212、213…第4符号予測部213、214…ゴロム符号化部214

Claims (22)

  1. 2次元的に配列された係数データを符号化する符号化装置であって、
    前記2次元的に配列された係数データをラスタースキャン順に入力する入力手段と、
    該入力手段で入力した着目係数データの周囲であって、符号化済み位置にある複数の周囲係数データから、前記着目係数データの予測値を算出する第1の予測手段と、
    前記着目係数データで示される値と前記予測値との予測誤差を算出する算出手段と、
    前記複数の周囲係数データで特定される勾配を表す勾配情報から、前記予測誤差の正負符号を予測する第2の予測手段と、
    前記第2の予測手段で予測した正負符号に従い、前記算出手段で算出された予測誤差に対し、正負符号を再割り当てる割り当て手段と、
    該割り当て手段で得られた予測誤差をエントロピー符号化する符号化手段と
    を有することを特徴とする符号化装置。
  2. 前記割り当て手段は、
    前記第2の予測手段で予測した正負符号が正であるか否かを判定する手段と、
    該判定手段で判定した正負符号が正であるとき、前記算出手段で算出した予測誤差の正負符号を反転し、判定した正負符号が負であるときには前記算出手段で算出した予測誤差の正負符号を反転しない符号反転手段と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  3. 前記割り当て手段は、前記第2の予測手段で予測した正負符号と、前記算出手段で算出した予測誤差の正負符号が一致する場合、前記予測誤差の正負符号を負にし、不一致の場合には正にする手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  4. 前記符号化手段は、ゴロムライス符号化に従って符号化する手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の符号化装置。
  5. 前記第1の予測手段は、MED(Median Edge Detection)予測、水平方向予測、垂直方向予測、予測無しのいずれかを選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の符号化装置。
  6. 前記第2の予測手段は、
    前記複数の周囲係数データで表わされる前記着目係数の周囲における、水平方向の勾配、垂直方向の勾配を求め、
    前記第1の予測手段がMED予測であって、且つ、その予測値として着目係数の水平方向に位置する周囲係数を用いた場合には、前記水平方向の勾配に基づき前記着目係数の正負符号を予測し、
    前記第1の予測手段がMED予測であって、且つ、その予測値として着目係数の垂直方向に位置する周囲係数を用いた場合には、前記垂直方向の勾配に基づき前記着目係数の正負符号を予測する
    ことを特徴とする請求項5に記載の符号化装置。
  7. 前記2次元的に配列された係数データは、画像を表す画素データであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の符号化装置。
  8. 画像データをウェーブレット変換する変換手段を更に有し、
    前記入力手段は、前記変換手段で得られたサブバンドの係数データを入力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の符号化装置。
  9. 前記第2の予測手段は、前記着目係数データがHLサブバンドの係数データである場合には、垂直方向の勾配から前記予測誤差の正負符号を予測し、
    前記第2の予測手段は、前記着目係数データがLHサブバンドの係数データである場合には、水平方向の勾配から前記予測誤差の正負符号を予測する
    ことを特徴とする請求項8に記載の符号化装置。
  10. 前記算出手段は、前記着目係数データがHHサブバンドの係数データにあるときには、前記着目係数データを予測誤差として出力し、
    前記第2の予測手段は、前記着目係数データがHHサブバンドの係数データにあるときには、前記複数の周囲係数データそれぞれが正であるとき、前記着目係数データの正負符号を正として予測する
    ことを特徴とする請求項9に記載の符号化装置。
  11. 2次元的に配列された係数データを符号化する符号化装置の制御方法であって、
    入力手段が、前記2次元的に配列された係数データをラスタースキャン順に入力する入力工程と、
    第1の予測手段が、前記入力工程で入力した着目係数データの周囲であって、符号化済み位置にある複数の周囲係数データから、前記着目係数データの予測値を算出する第1の予測工程と、
    算出手段が、前記着目係数データで示される値と前記予測値との予測誤差を算出する算出工程と、
    第2の予測手段が、前記複数の周囲係数データで特定される勾配を表す勾配情報から、前記予測誤差の正負符号を予測する第2の予測工程と、
    割り当て手段が、前記第2の予測工程で予測した正負符号に従い、前記算出工程で算出された予測誤差に対し、正負符号を再割り当てる割り当て工程と、
    符号化手段が、該割り当て工程で得られた予測誤差をエントロピー符号化する符号化工程と
    を有することを特徴とする符号化装置の制御方法。
  12. 前記割り当て工程は、
    前記第2の予測工程で予測した正負符号が正であるか否かを判定する工程と、
    該判定工程で判定した正負符号が正であるとき、前記算出工程で算出した予測誤差の正負符号を反転し、判定した正負符号が負であるときには前記算出工程で算出した予測誤差の正負符号を反転しない符号反転工程と
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の符号化装置の制御方法。
  13. 前記割り当て工程は、前記第2の予測工程で予測した正負符号と、前記算出工程で算出した予測誤差の正負符号が一致する場合、前記予測誤差の正負符号を負にし、不一致の場合には正にする工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の符号化装置の制御方法。
  14. 前記符号化工程は、ゴロムライス符号化に従って符号化する工程であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の符号化装置の制御方法。
  15. 前記第1の予測工程は、MED(Median Edge Detection)予測、水平方向予測、垂直方向予測、予測無しのいずれかを選択することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の符号化装置の制御方法。
  16. 前記第2の予測工程は、
    前記複数の周囲係数データで表わされる前記着目係数の周囲における、水平方向の勾配、垂直方向の勾配を求め、
    前記第1の予測工程がMED予測であって、且つ、その予測値として着目係数の水平方向に位置する周囲係数を用いた場合には、前記水平方向の勾配に基づき前記着目係数の正負符号を予測し、
    前記第1の予測工程がMED予測であって、且つ、その予測値として着目係数の垂直方向に位置する周囲係数を用いた場合には、前記垂直方向の勾配に基づき前記着目係数の正負符号を予測する
    ことを特徴とする請求項15に記載の符号化装置の制御方法。
  17. 前記2次元的に配列された係数データは、画像を表す画素データであることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の符号化装置の制御方法。
  18. 変換手段が、画像データをウェーブレット変換する変換工程を更に有し、
    前記入力工程は、前記変換工程で得られたサブバンドの係数データを入力することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の符号化装置の制御方法。
  19. 前記第2の予測工程は、前記着目係数データがHLサブバンドの係数データである場合には、垂直方向の勾配から前記予測誤差の正負符号を予測し、
    前記第2の予測工程は、前記着目係数データがLHサブバンドの係数データである場合には、水平方向の勾配から前記予測誤差の正負符号を予測する
    ことを特徴とする請求項18に記載の符号化装置の制御方法。
  20. 前記算出工程は、前記着目係数データがHHサブバンドの係数データにあるときには、前記着目係数データを予測誤差として出力し、
    前記第2の予測工程は、前記着目係数データがHHサブバンドの係数データにあるときには、前記複数の周囲係数データそれぞれが正であるとき、前記着目係数データの正負符号を正として予測する
    ことを特徴とする請求項19に記載の符号化装置の制御方法。
  21. コンピュータに読み込ませ実行させることで、前記コンピュータに請求項11乃至20のいずれか1項に記載の方法の各工程を実行させるためのプログラム。
  22. 請求項21に記載のプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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