JP2003005352A - 平版印刷版原版 - Google Patents

平版印刷版原版

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JP2003005352A
JP2003005352A JP2001194327A JP2001194327A JP2003005352A JP 2003005352 A JP2003005352 A JP 2003005352A JP 2001194327 A JP2001194327 A JP 2001194327A JP 2001194327 A JP2001194327 A JP 2001194327A JP 2003005352 A JP2003005352 A JP 2003005352A
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晃央 小田
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秀夫 三宅
Tomoyoshi Mitsumoto
知由 光本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で記録可能であり、且つ、アブレーシ
ョンによる記録層の飛散が抑制された感熱性のポジ型記
録層を有する平版印刷版原版を提供する。 【解決手段】 支持体上に、水不溶性且つアルカリ可溶
性高分子化合物及び赤外線吸収染料を含む下部感熱層
と、水不溶性且つアルカリ可溶性高分子化合物及び赤外
線吸収染料を含み、加熱によりアルカリ性水溶液に対す
る溶解性が増大する上部感熱層とを順次積層してなるポ
ジ型平版印刷版原版であって、下部感熱層における赤外
線吸収染料濃度に対する上部感熱層における赤外線吸収
染料濃度の比率が、1.6から10.0の範囲であるこ
とを特徴とする。ここで、上部感熱層の膜厚が0.4g
/m2以下であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版原版に関
し、詳しくは、赤外線レーザ露光によってアルカリ可溶
化する記録層を有するポジ型平版印刷版原版に関する。 【0002】 【従来の技術】近年におけるレーザの発展は目ざまし
く、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・
半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる
様になっている。コンピュータ等のディジタルデータか
ら直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは
非常に有用である。 【0003】赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料は、
アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂と、光を吸収し
熱を発生するIR染料等とを必須成分とし、IR染料等
が、未露光部(画像部)では、バインダー樹脂との相互
作用によりバインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させ
る溶解阻止剤として働き、露光部(非画像部)では、発
生した熱によりIR染料等とバインダー樹脂との相互作
用が弱まりアルカリ現像液に溶解して平版印刷版を形成
する。しかしながら、このような赤外線レーザ用ポジ型
平版印刷版材料では、様々な使用条件における未露光部
(画像部)の現像液に対する耐溶解性と、露光部(非画
像部)の溶解性との間の差が未だ十分とは言えず、使用
条件の変動による現像過剰や現像不良が起きやすいとい
う問題があった。また、取扱い時に表面に触れる等によ
っても、微細な傷が生じるなど、表面状態が変動しやす
いが、このような微細な傷やわずかな表面変動が生じた
場合にも、溶解性が向上してしまい、現像時に未露光部
(画像部)が溶解してキズ跡状となり、耐刷の劣化や着
肉性不良を引き起こすという問題があった。 【0004】このような問題は、赤外線レーザ用ポジ型
平版印刷版材料とUV露光により製版するポジ型平版印
刷版材料との製版メカニズムの本質的な相違に由来す
る。すなわち、UV露光により製版するポジ型平版印刷
版材料では、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂
と、オニウム塩やキノンジアジド化合物類とを必須成分
とするが、このオニウム塩やキノンジアジド化合物類
は、未露光部(画像部)でバインダー樹脂との相互作用
により溶解阻止剤として働くだけでなく、露光部(非画
像部)では、光によって分解して酸を発生し、溶解促進
剤として働くという二つの役割を果たすものである。こ
れに対し、赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料におけ
るIR染料等は、未露光部(画像部)の溶解阻止剤とし
て働くのみで、露光部(非画像部)の溶解を促進するも
のではない。従って、赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版
材料において、未露光部と露光部との溶解性の差を出す
ためには、バインダー樹脂として、あらかじめアルカリ
現像液に対する溶解性の高いものを使用せざるを得ず、
耐傷性に劣る、現像前の状態が不安定なものとなるとい
った問題を抱えている。 【0005】これらの点を改善する手段として、特開平
10−250255号公報には、重層構成の感熱層が提
案されている。しかしながらそれらは、実質的に溶解性
の変化を画像形成のキープロセスに用いているものでは
なく、上層をアブレーションさせることにより現像液の
浸透性を変化させる機能を利用するものであり、アブレ
ーションに起因する光学系の汚染によるレーザーの出力
低下や、装置内部の汚染など様々な弊害を生じる。ま
た、特開2000−35662号公報には、重層構成の
感熱層において上層及び下部感熱層のいずれにも光熱変
換材料を含有する構成が開示されている。このような構
造、特にここで示される実施の態様の如く、カーボンブ
ラックを光熱変換材料として用いる場合には、最上層の
含有量を多くして高感度化を図るとアブレーションによ
る問題を生じやすくなり、また、アブレーションを防止
する観点で最上層のカーボンブラックの量を低くすると
感度が著しく低下するといった問題がでてくるため、単
に光熱変換剤を二つの層に含有させるのみでは、上記問
題点を解決することは困難であった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
考慮されてなされたものであり、本発明の目的は、高感
度で記録可能であり、且つ、アブレーションによる記録
層の飛散が抑制された感熱性のポジ型記録層を有する平
版印刷版原版を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、特定の光熱変換剤を重層
構造の感熱層に特定量含有させることにより上記課題を
解決し得ることを見出し、本発明を完成した。即ち、本
発明の平版印刷版原版は、支持体上に、水不溶性且つア
ルカリ可溶性高分子化合物及び赤外線吸収染料を含む下
部感熱層と、水不溶性且つアルカリ可溶性高分子化合物
及び赤外線吸収染料を含み、加熱によりアルカリ性水溶
液に対する溶解性が増大する上部感熱層とを順次積層し
てなるポジ型平版印刷版原版であって、上部感熱層にお
ける赤外線吸収染料濃度が下部感熱層における赤外線吸
収染料濃度よりも高いこと、具体的には下部感熱層にお
ける赤外線吸収染料濃度に対する上部感熱層における赤
外線吸収染料濃度の比率が、1.6から10.0の範囲
であることを特徴とする。ここで、上部感熱層の膜厚が
0.4g/m2以下であること、赤外線吸収染料として
シアニン色素を用いることが効果の観点から、好ましい
態様である。 【0008】本発明の作用機構は明確ではないが、重層
構造の感熱層を設け、そのいずれにも光熱変換材料を含
有させることで、高感度化を図ると共に、この光熱変換
剤として、赤外吸収染料を選択したため、バインダー中
に分子レベルで相溶し感熱層中で均一分散が可能とな
り、光熱変換剤が局在化して局所的に極めて高温となる
ことに起因するアブレーションの発生を抑制しながら、
均一な発熱による高感度化が可能になると考えられる。 【0009】さらに、平版印刷版用支持体としては、熱
伝導性の高いアルミニウム板が用いられることが一般的
であるが、熱伝導性の高い支持体の近傍では感熱層にお
いて発生した熱が支持体へ拡散し、結果的に支持体近傍
での発熱は効果的に画像形成に活かされないことにな
る。本発明においては、重層構造の感熱層のうち、上部
感熱層における赤外線吸収染料の濃度を下部感熱層にお
ける濃度よりも高くすることで、画像形成に赤外線吸収
染料により発生する熱が効率よく用いられ、高感度での
記録が可能となる。 【0010】また、本発明の好ましい態様として、上部
感熱層塗布量を0.4g/m2以下とすることで、赤外
線吸収染料濃度が高い上部感熱層において、露光後に現
像液が感熱層中へ浸透し、感光層を溶解する効果を低下
させる疎水性化合物である赤外吸収染料の絶対量が所定
量に制御され、表面近傍の高感度化を保持しながら、赤
外線吸収染料に起因する現像性の低下を防止することが
できるという利点をも有することになり、さらなる高感
度化、画像形成性の向上が達成できるものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。 [感熱層]本発明の平版印刷版原版は積層構造、即ち、
上部感熱層、及び下部感熱層の2層のポジ型感熱層を有
することを特徴とする。これら上部感熱層、及び下部感
熱層は、いずれも、水不溶性且つアルカリ可溶性高分子
化合物及び赤外線吸収染料を含有する。以下に、本発明
の平版印刷版原版の感熱層を構成する各成分について順
次説明する。 【0012】〔赤外線吸収染料〕本発明において、感熱
層に用いられる赤外線吸収染料は、赤外光を吸収し熱を
発生する染料であれば特に制限はなく、赤外線吸収染料
として知られる種々の染料を用いることができる。 【0013】本発明に係る赤外線吸収染料としては、市
販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協
会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが
利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染
料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロ
シアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、
メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。本
発明において、これらの染料のうち赤外光、もしくは近
赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発
光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。 【0014】そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸
収する染料としては例えば特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、 特開昭58−112792号等
に記載されているスクワリリウム色素、英国特許43
4,875号記載のシアニン染料等を挙げることができ
る。 【0015】また、染料として米国特許第5,156,
938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、ま
た、米国特許第3,881,924号記載の置換された
アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1
42645号(米国特許第4,327,169号)記載
のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−1810
51号、同58−220143号、同59−41363
号、同59−84248号、同59−84249号、同
59−146063号、同59−146061号に記載
されているピリリウム系化合物、特開昭59−2161
46号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,4
75号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公
平5−13514号、同5−19702号公報に開示さ
れているピリリウム化合物等が、市販品としては、エポ
リン社製のEpolight III−178、Epoli
ght III−130、Epolight III−125等
が、特に好ましく用いられる。また、染料として特に好
ましい別の例として米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。 【0016】これらの赤外線吸収染料は、上部感熱層、
及び下部感熱層のいずれにも添加される。下部感熱層に
用いる赤外線吸収染料と上部感熱層に用いる赤外線吸収
染料は、互いに同じ物を用いてもよく、また異なる物を
用いてもよい。各層への添加量としては、各感熱層に含
まれる全固形分に対し0.01〜60重量%、好ましく
は0.1〜40重量%、特に好ましくは0.5〜30重
量%の濃度割合で添加することができる。染料の添加量
が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また5
0重量%を超えると感熱層の均一性が失われ、感熱層の
耐久性が悪くなる。 【0017】本発明においては、下部感熱層に含まれる
赤外線吸収染料濃度よりも上部感熱層に含まれる赤外吸
収染料濃度が高いこと、即ち、上部感熱層の赤外線吸収
染料濃度をa重量%(固形分換算)、下部感熱層の赤外
線吸収染料濃度をb重量%(固形分換算)としたとき、
a/b>1であること、が重要である。更に、下部感熱
層における赤外線吸収染料濃度に対する上部感熱層にお
ける赤外線吸収染料濃度の比率(a/b)、すなわち上
部感熱層における赤外線吸収染料濃度を下部感熱層にお
ける赤外線吸収染料濃度で除した値が、1.6から1
0.0の範囲であることが高感度な印刷原版を作製する
上で重要である。更に好ましい値としては、3.0から
6.0の範囲である。上記値(a/b)が1.6より小
さい場合においても、下部感熱層に含まれる赤外線吸収
染料濃度よりも上部感熱層に含まれる赤外吸収染料濃度
が高いことで高感度化が期待できるが、その効果は比較
的小さい。上記値が10.0より大きい場合は、現像時
の上部感熱層の現像性が低下する傾向にある。また、ア
ブレーションが非常に起き易くなり、露光装置がアブレ
ーションによる飛沫で汚染される虞がでてくるため好ま
しくない。この感熱層における赤外線吸収染料濃度は、
各感熱層塗布液の配合量から算出することができる。ま
た、一般的には、感光層を適切な溶媒により溶解させ、
溶液中の赤外線吸収染料及び他の成分の固形分含有量を
分析することで測定することが可能である。 【0018】[不溶性且つアルカリ可溶性高分子]本発明
において、上部感熱層及び下部感熱層に使用される水不
溶性且つアルカリ水溶性の高分子化合物(以下、適宜、
アルカリ可溶性高分子と称する)とは、高分子中の主鎖
および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、こ
れらの共重合体またはこれらの混合物を包含する。従っ
て、本発明に係る感熱層は、上層、下層ともに、アルカ
リ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものであ
る。本発明の下部感熱層、及び上部感熱層に使用される
アルカリ可溶性高分子は、従来公知のものであれば特に
制限はないが、(1)フェノール性水酸基、(2)スル
ホンアミド基、(3)活性イミド基のいずれかの官能基
を分子内に有する高分子化合物であることが好ましい。
例えば、以下のものが例示されるが、これらに限定され
るものではない。 【0019】(1)フェノール性水酸基を有する高分子
化合物としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド
樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレ
ゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾー
ルホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m
−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合
ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロー
ルアセトン樹脂が挙げられる。フェノール性水酸基を有
する高分子化合物としてはこの他に、側鎖にフェノール
性水酸基を有する高分子化合物を用いることが好まし
い。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物と
しては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合を
それぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モ
ノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノ
マーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられ
る。 【0020】フェノール性水酸基を有する重合性モノマ
ーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられ
る。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アク
リルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリル
アミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミ
ド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロ
キシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルア
クリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、
m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキ
シフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、
m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2
−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2
−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2
−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2
−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、
2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレー
ト、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレ
ート等を好適に使用することができる。かかるフェノー
ル性水酸基を有する樹脂は、2種類以上を組み合わせて
使用してもよい。更に、米国特許第4,123,279
号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムア
ルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置
換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮
重合体を併用してもよい。 【0021】(2)スルホンアミド基を有するアルカリ
可溶性高分子化合物としては、スルホンアミド基を有す
る重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の
重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が
挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマー
としては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの
水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2 −
と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低
分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その
中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基
と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換ス
ルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。 【0022】(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶
性高分子化合物は、活性イミド基を分子内に有するもの
が好ましく、この高分子化合物としては、1分子中に活
性イミド基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上
有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重
合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合さ
せて得られる高分子化合物が挙げられる。 【0023】このような化合物としては、具体的には、
N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N
−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適
に使用することができる。 【0024】更に、本発明のアルカリ可溶性高分子化合
物としては、前記フェノール性水酸基を有する重合性モ
ノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、及
び活性イミド基を有する重合性モノマーのうちの2種以
上を重合させた高分子化合物、或いはこれら2種以上の
重合性モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得
られる高分子化合物を使用することが好ましい。フェノ
ール性水酸基を有する重合性モノマーに、スルホンアミ
ド基を有する重合性モノマー及び/又は活性イミド基を
有する重合性モノマーを共重合させる場合には、これら
成分の配合重量比は50:50から5:95の範囲にあ
ることが好ましく、40:60から10:90の範囲に
あることが特に好ましい。 【0025】本発明において、アルカリ可溶性高分子が
前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スル
ホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド
基を有する重合性モノマーと、他の重合性モノマーとの
共重合体である場合には、アルカリ可溶性を付与するモ
ノマーは10モル%以上含むことが好ましく、20モル
%以上含むものがより好ましい。共重合成分が10モル
%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやす
く、現像ラチチュードの向上効果が十分達成されないこ
とがある。 【0026】前記フェノール性水酸基を有する重合性モ
ノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又
は活性イミド基を有する重合性モノマーと共重合させる
モノマー成分としては、下記(m1)〜(m12)に挙
げる化合物を例示することができるが、これらに限定さ
れるものではない。 (m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有す
るアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル
類。 (m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、
アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジル
アクリレート、等のアルキルアクリレート。 (m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−
クロロエチル、グリシジルメタクリレート、等のアルキ
ルメタクリレート。 (m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N
−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリ
ルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等
のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。 【0027】(m5)エチルビニルエーテル、2−クロ
ロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル
等のビニルエーテル類。 (m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、
ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。 (m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 (m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プ
ロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニル
ケトン類。 (m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジ
エン、イソプレン等のオレフィン類。 (m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等。 (m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド。 (m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン
酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。 【0028】アルカリ水可溶性高分子としては、赤外線
レーザー等による露光での画像形成性に優れる点で、フ
ェノール性水酸基を有することが好ましく、例えば、フ
ェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルム
アルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、
フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−
混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等の
ノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が好ましく
挙げられる。 【0029】また、フェノール性水酸基を有するアルカ
リ水可溶性高分子としては、更に、米国特許第4,12
3,279号明細書に記載されているように、t−ブチ
ルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアル
キル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデ
ヒドとの縮重合体が挙げられる。 【0030】アルカリ水可溶性高分子の共重合の方法と
しては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロッ
ク共重合法、ランダム共重合法等を用いることができ
る。 【0031】本発明においてアルカリ可溶性高分子が、
前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スル
ホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド
基を有する重合性モノマーの単独重合体或いは共重合体
の場合、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子
量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重
量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均
分子量が800〜250,000であり、分散度(重量
平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものであ
る。また、本発明においてアルカリ可溶性高分子がフェ
ノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールアルデヒド樹
脂等の樹脂である場合には、重量平均分子量が500〜
20,000であり、数平均分子量が200〜10,0
00のものが好ましい。 【0032】下部感熱層で用いられるアルカリ可溶性高
分子としては、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
さらに、このアクリル樹脂としてスルホアミド基を有す
るものが特に好ましい。また、上部感熱層で用いられる
アルカリ可溶性高分子としては、未露光部では強い水素
結合性を生起し、露光部においては、一部の水素結合が
容易に解除されるという観点から、フェノール性水酸基
を有する樹脂が望ましい。更に好ましくはノボラック樹
脂である。 【0033】これらアルカリ可溶性高分子化合物は、そ
れぞれ1種類或いは2種類以上を組み合わせて使用して
もよく、前記感熱層全固形分中、30〜99重量%、好
ましくは40〜95重量%、特に好ましくは50〜90
重量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子の
添加量が30重量%未満であると感熱層の耐久性が悪化
し、また、99重量%を超えると感度、耐久性の両面で
好ましくない。 【0034】〔その他の成分〕前記上部感熱層又は下部
感熱層を形成するにあたっては、上記の必須成分の他、
本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応
じて、種々の添加剤を添加することができる。添加剤は
下部感熱層のみに含有させてもよいし、上部感熱層のみ
に含有させてもよい。更に、両方の層に含有させてもよ
い。以下に、添加剤の例を挙げて説明する。例えばオニ
ウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化
合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の熱分解性で
あり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性高分子化合
物の溶解性を実質的に低下させる物質を併用すること
は、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点で
は、好ましい。オニウム塩としてはジアゾニウム塩、ア
ンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スル
ホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げ
ることができる。 【0035】本発明において用いられるオニウム塩とし
て、好適なものとしては、例えば S. I. Schlesinger,
Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974) 、T. S. Bal et a
l, Polymer, 21, 423(1980) 、特開平5−158230
号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055
号、同4,069,056 号、特開平3-140140号の明細書に記載
のアンモニウム塩、D. C. Necker et al, Macromolecul
es, 17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Co
nf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)、米国
特許第4,069,055 号、同4,069,056 号に記載のホスホニ
ウム塩、J. V.Crivello et al, Macromorecules, 10
(6), 1307 (1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28,
p31 (1988)、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,04
9 号、同第410,201 号、特開平2-150848号、特開平2-29
6514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,
Polymer J. 17, 73 (1985)、J. V. Crivello et al. J.
Org.Chem., 43, 3055 (1978)、W. R. Watt et al, J.
Polymer Sci., Polymer Chem.Ed., 22, 1789 (1984) 、
J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279 (198
5) 、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 14(5)
,1141(1981)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sc
i., Polymer Chem. Ed., 17, 2877 (1979) 、欧州特許
第370,693 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,44
2 号、米国特許第4,933,377 号、同3,902,114 号、同41
0,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,44
4 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,
604,580 号、同3,604,581 号に記載のスルホニウム塩、
J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307
(1977)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Pol
ymer Chem. Ed., 17, 1047 (1979) に記載のセレノニウ
ム塩、C. S. Wen et al, Teh,Proc. Conf. Rad. Curing
ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)に記載のアルソニウム
塩等があげられる。オニウム塩のなかでも、ジアゾニウ
ム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩
としては特開平5−158230号公報記載のものがあ
げられる。 【0036】オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化
ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレン
スルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5
−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホ
ン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2
−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスル
ホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロ
カプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキ
シ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホ
ン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることがで
きる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプ
ロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼ
ンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適
である。 【0037】好適なキノンジアジド類としてはo−キノ
ンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用い
られるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個の
o−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解により
アルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物
を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは
熱分解により結着剤の溶解抑制能を失うことと、o−キ
ノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化するこ
との両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明
に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例え
ば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システム
ズ」(John Wiley & Sons. Inc.)第339〜352
頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポ
リヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応
させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はス
ルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403
号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)
−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−
(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピ
ロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,
046,120 号及び同第3,188,210 号に記載されているベン
ゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド
又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホ
ン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂と
のエステルも好適に使用される。 【0038】さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジ
ド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアル
デヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂
とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−
4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹
脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有
用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許
に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特
開昭48−63802 号、特開昭48−63803 号、特開昭48−96
575 号、特開昭49−38701 号、特開昭48−13354 号、特
公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481
号、米国特許第2,797,213 号、同第3,454,400 号、同
第3,544,323 号、同第3,573,917 号、同第3,674,495
号、同第3,785,825 号、英国特許第1,227,602 号、同第
1,251,345 号、同第1,267,005 号、同第1,329,888 号、
同第1,330,932 号、ドイツ特許第854,890 号などの各明
細書中に記載されているものをあげることができる。 【0039】o−キノンジアジド化合物の添加量は好ま
しくは層を形成する全固形分に対し、1〜50重量%、
更に好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜
30重量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用
できるが、数種の混合物として使用してもよい。 【0040】o−キノンジアジド化合物以外の添加剤の
添加量は、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは
5〜30重量%、特に好ましくは10〜30重量%であ
る。本発明の添加剤とアルカリ可溶性高分子とは、同一
層へ含有させることが好ましい。 【0041】また、画像のディスクリミネーションの強
化や表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開
2000−187318明細書に記載されているよう
な、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基
を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合
成分とする重合体を併用すること好ましい。このような
化合物は、下部感熱層、上部感熱層のどちらに含有させ
てもよいが、より効果的なのは上部に位置する感熱層に
含有させることである。添加量としては、感熱層材料中
に占める割合が0.1〜10重量%が好ましく、より好
ましくは0.5〜5重量%である。 【0042】本発明における印刷版材料中には、キズに
対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低
下させる化合物を添加することもできる。具体的には、
US6117913号公報に用いられているような、長
鎖アルキルカルボン酸のエステルなどを挙げることが出
来る。このような化合物は、下部感熱層、上部感熱層の
どちらに含有させてもよいが、より効果的なのは上部に
位置する感熱層に含有させることである。添加量として
好ましいのは、層を形成する材料中に占める割合が0.
1〜10重量%。より好ましくは0.5〜5重量%であ
る。 【0043】また、本発明における下部感熱層或いは上
部感熱層中には、必要に応じて低分子量の酸性基を有す
る化合物を含んでもよい。酸性基としてはスルホン酸、
カルボン酸、リン酸基を挙げることが出来る。中でもス
ルホン酸基を有する化合物が好ましい。具体的には、p
−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳香
族スルホン酸類や脂肪族スルホン酸類を挙げることが出
来る。このような化合物は、下部感熱層、上部感熱層の
どちらに含有させてもよい。添加量として好ましいの
は、層を形成する材料中に占める割合が0.05〜5重
量%。より好ましくは0.1〜3重量%である。5%よ
り多いと各層の現像液に対する溶解性が増加してしま
い、好ましくない。 【0044】また、本発明においては、下部感熱層或い
は上部感熱層の溶解性を調節する目的で種々の溶解抑制
剤を含んでもよい。溶解抑制剤としては、特開平11−
119418公報に示されるようなジスルホン化合物又
はスルホン化合物が好適に用いられ、具体例として、
4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホンを用いるこ
とが好ましい。このような化合物は、下部感熱層、上部
感熱層のどちらに含有させてもよい。添加量として好ま
しいのは、それぞれ層を構成する材料中に占める割合が
0.05〜20重量%。より好ましくは0.5〜10重
量%である。 【0045】また、更に感度を向上させる目的で、環状
酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することも
できる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,128 号
明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エン
ドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テトラク
ロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイ
ン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無
水ピロメリット酸などが使用できる。フェノール類とし
ては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−
エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″
−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,
3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−
テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。更
に、有機酸類としては、特開昭60−88942 号、特開平2
−96755 号公報などに記載されている、スルホン酸類、
スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン
酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的に
は、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニ
ルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニ
ル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジ
ピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香
酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウ
ンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。上記の
環状酸無水物、フェノール類及び有機酸類の層を構成す
る材料中に占める割合は、0.05〜20重量%が好ま
しく、より好ましくは0.1〜15重量%、特に好まし
くは0.1〜10重量%である。 【0046】また、本発明に係る下部感熱層或いは上部
感熱層塗布液中には、現像条件に対する処理の安定性を
広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平
3−208514号公報に記載されているような非イオ
ン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開
平4−13149号公報に記載されているような両性界
面活性剤、EP950517公報に記載されているよう
なシロキサン系化合物、特開平11−288093号公
報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合
体を添加することができる。非イオン界面活性剤の具体
例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタン
モノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリ
ン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル等が挙げられる。両面活性剤の具体例として
は、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポ
リアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カ
ルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型
(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)
製)等が挙げられる。シロキサン系化合物としては、ジ
メチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック
共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、
DBE−224,DBE−621,DBE−712,D
BP−732,DBP−534、独Tego社製、Te
go Glide100等のポリアルキレンオキシド変
性シリコーンを挙げることが出来る。上記非イオン界面
活性剤及び両性界面活性剤の感熱層塗布液材料中に占め
る割合(固形分)は、0.05〜15重量%が好まし
く、より好ましくは0.1〜5重量%である。 【0047】本発明における下部感熱層或いは上部感熱
層中には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための
焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加える
ことができる。焼き出し剤としては、露光による加熱に
よって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し
得る有機染料の組合せを代表として挙げることができ
る。具体的には、特開昭50−36209号、同53−
8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染
料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−7
4728号、同60−3626号、同61−14374
8号、同61−151644号及び同63−58440
号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩
形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかる
トリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物
とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に
優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。 【0048】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料をあげることができる。具体的にはオイルイエロ
ー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#
312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オ
イルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラ
ックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント
化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリス
タルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレ
ット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダ
ミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン
(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)などを挙げることができる。また、特開昭62−2
93247号公報に記載されている染料は特に好まし
い。これらの染料は、印刷版材料全固形分に対し、0.
01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%の割合
で感光層材料中に添加することができる。更に本発明の
印刷版材料中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与す
るために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリ
ル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシ
ル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸
トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒ
ドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴ
マー及びポリマー等が用いられる。 【0049】本発明の方法が適用される平版印刷版原版
の上部感熱層、下部感熱層は、通常上記各成分を溶媒に
溶かして、適当な支持体上に塗布することにより形成す
ることができる。ここで使用する溶媒としては、エチレ
ンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳
酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレ
ア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげるこ
とができるがこれに限定されるものではない。これらの
溶媒は単独あるいは混合して使用される。 【0050】また、塗布に用いる溶剤としては、上部感
熱層に用いるアルカリ可溶性高分子と下部感熱層に用い
るアルカリ可溶性高分子に対して溶解性の異なるものを
選ぶことが好ましい。つまり、下部感熱層を塗布した
後、それに隣接して上層である感熱層を塗布する際、最
上層の塗布溶剤として下部感熱層のアルカリ可溶性高分
子を溶解させうる溶剤を用いると、層界面での混合が無
視できなくなり、極端な場合、重層にならず均一な単一
層になってしまう場合がある。このように、隣接する2
つの層の界面で混合が生じたり、互いに相溶して均一層
の如き挙動を示す場合、2層を有することによる本発明
の効果が損なわれる虞があり、好ましくない。このた
め、上部の感熱層を塗布するのに用いる溶剤は、下部感
熱層に含まれるアルカリ可溶性高分子に対する貧溶剤で
あることが望ましい。各層を塗布する場合の溶媒中の上
記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは
1〜50重量%である。 【0051】塗布、乾燥後に得られる支持体上の感熱層
の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、上部感
熱層は0.05〜0.40g/m2の範囲であり、下部
感熱層は0.3〜3.0g/m2の範囲であることが好
ましい。上部感熱層が0.05g/m2未満である場合
には、感度が低下する傾向があり、0.4g/m2を超
えると感熱層中の疎水性成分である赤外線吸収染料の含
有量が多くなり現像時における現像液の浸透が抑制さ
れ、画像形成性が低下する可能性がある。また、下部感
熱層の塗布量は上記の範囲を外れると、少なすぎる場合
も多すぎる場合にも画像形成性が低下する傾向がある。
前記の2層の感熱層の合計塗布量が0.5〜3.0g/
2であることが好ましく、塗布量が0.5g/m2未満
であると被膜特性が低下し、3.0g/m2を超えると
感度が低下する傾向にある。塗布量が少なくなるにつれ
て、見かけの感度は大になるが、感光膜の皮膜特性は低
下する。 【0052】塗布する方法としては、種々の方法を用い
ることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗
布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げるこ
とができる。本発明における感熱層中には、塗布性を良
化するための界面活性剤、例えば特開昭62−1709
50号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤
を添加することができる。好ましい添加量は、下部感熱
層或いは上部感熱層全固形分中0.01〜1重量%、さ
らに好ましくは0.05〜0.5重量%である。 【0053】〔支持体〕本発明に使用される平版印刷版
原版の支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸
度的に安定な板状物が挙げられ、例えば、紙、プラスチ
ック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、ア
ルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例
えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオ
ン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金
属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラ
スチックフィルム等が含まれる。 【0054】本発明の支持体としては、ポリエステルフ
ィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法
安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に
好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板
及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸
着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム
合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.3mmである。 【0055】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処
理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、
種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化
する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び
化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラ
スト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いること
ができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又
は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。
また、特開昭54−63902号公報に開示されている
ように両者を組み合わせた方法も利用することができ
る。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応
じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所
望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸
化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用
いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種
々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、
蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。そ
れらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決めら
れる。 【0056】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、
印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚
れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された後、アル
ミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発
明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,7
14,066号、同第3,181,461号、第3,2
80,734号及び第3,902,734号に開示され
ているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナ
トリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持
体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電
解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開
示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第
3,276,868号、同第4,153,461号、同
第4,689,272号に開示されているようなポリビ
ニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。 【0057】本発明に適用される平版印刷版原版は、支
持体上に少なくともポジ型上部感熱層と下部感熱層の2
層を積層して設けたものであるが、必要に応じて支持体
と下部感熱層との間に下塗層を設けることができる。下
塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例え
ば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラ
ビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基
を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニル
ホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン
酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエ
チレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有
してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキル
リン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を
有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィ
ン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸
などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなど
のアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩など
のヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれる
が、2種以上混合して用いてもよい。 【0058】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、
メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混
合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニ
ウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノ
ール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤
もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解さ
せた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸
着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗
層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化
合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方
法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は
0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%
であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜5
0℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは
2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、
トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質
や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の
範囲に調整することもできる。また、画像記録材料の調
子再現性改良のために黄色染料を添加することもでき
る。有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適
当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上
記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性
能が得られない。また、200mg/m2より大きくて
も同様である。 【0059】上記のようにして作成されたポジ型平版印
刷版原版は、本発明に係る製版方法に従って画像様に露
光され、その後、現像処理を施される。像露光に用いら
れる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発
光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レー
ザが特に好ましい。 【0060】[アルカリ現像処理工程]本発明において
平版印刷版原版の現像に用いる現像液および補充液とし
ては、従来から知られている、緩衝作用を有する有機化
合物と塩基とを主成分とし、実質上、二酸化ケイ素を含
有しないアルカリ現像液を用いることが好ましい。本発
明では、このような現像液を以下、「非シリケート現像
液」と称する。なお、ここで「実質上」とは不可避の不
純物及び副生成物としての微量の二酸化ケイ素の存在を
許容することを意味する。本発明の平版印刷版原版の現
像工程に、このような非シリケート現像液を適用するこ
とで、傷の発生制御効果が向上し、画像部に欠陥のな
い、良好な平版印刷版を得ることができる。アルカリ水
溶液としては、特にpH12.5〜13.5のものが好
ましい。 【0061】本発明に係る製版方法に用いる「非シリケ
ート現像液」は、前記したように緩衝作用を有する有機
化合物と塩基とを主成分とするものである。緩衝作用を
有する有機化合物としては、特開平8−220775号
公報に緩衝作用を有する化合物として記載されている糖
類(特に一般式(I)又は(II)で表されるもの)、オ
キシム類(特に一般式(III)で表されるもの)、フェ
ノール類(特に一般式(IV)で表されるもの)及びフッ
素化アルコール類(特に一般式(V)で表されるもの)
等が挙げられる。一般式(I)〜(V)で表される化合
物のなかでも、好ましいものは、一般式(I)又は(I
I)で表される糖類、一般式(V)で表されるフェノー
ル類であり、さらに好ましくは一般式(I)又は(II)
で表される糖類のうち、サッカロース等の非還元糖又は
スルホサリチル酸である。非還元糖には、還元基同士の
結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類
が結合した配糖体、糖類に水素添加して還元した糖アル
コール等が包含される。本発明ではこれらのいずれも好
適に用いられる。 【0062】前記トレハロース型少糖類としては、例え
ば、サッカロースやトレハロースが挙げられ、前記配糖
体としては、例えば、アルキル配糖体、フェノール配糖
体、カラシ油配糖体等が挙げられる。前記糖アルコール
としては、例えば、D,L−アラビット、リビット、キ
シリット、D,L−ソルビット、D,L−アンニット、
D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、ア
ロズルシット等が挙げられる。さらには、二糖類の水素
添加で得られるマルチトール、オリゴ糖の水素添加で得
られる還元体(還元水あめ)等も好適に挙げることがで
きる。 【0063】上記のうち、非還元糖としては、糖アルコ
ール、サッカロースが好ましく、中でも特に、D−ソル
ビット、サッカロース、還元水あめが、適度なpH領域
に緩衝作用がある点でより好ましい。これらの非還元糖
は、単独でも、二種以上を組合せてもよく、現像液中に
占める割合としては、0.1〜30重量%が好ましく、
1〜20重量%がより好ましい。 【0064】前記緩衝作用を有する有機化合物には、塩
基としてアルカリ剤を、従来公知のものの中から適宜選
択して組合せることができる。前記アルカリ剤として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、
リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二
カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナト
リウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等の無機
アルカリ剤、クエン酸カリウム、クエン酸三カリウム、
クエン酸ナトリウム等が挙げられる。さらに、モノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソ
プロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モ
ノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の
有機アルカリ剤も好適に挙げることができる。 【0065】これらのアルカリ剤は、単独で用いても、
二種以上を組合せて用いてもよい。なかでも、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムが好ましい。その理由は、非
還元糖に対する添加量を調整することにより、広いpH
領域においてpH調整が可能となるためである。また、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等もそれ自身に緩衝作用があるので好
ましい。 【0066】更に、自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量の平版印刷版を処理でき
ることが知られている。本発明においてもこの補充方式
が好ましく適用される。現像液および補充液には、現像
性の促進や制御、現像カスの分散および印刷版画像部の
親インキ性を高める目的で、必要に応じて種々の界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤が挙げられる。更に現像液および補充液には
必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、
亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩
等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤
を加えることもできる。 【0067】上記現像液及び補充液を用いて現像処理さ
れた印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス
液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処
理される。本発明の平版印刷版の製版方法における後処
理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いるこ
とができる。 【0068】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化及び標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用い
られている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理
部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽及びス
プレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送し
ながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズル
から吹き付けて現像処理するものである。また、最近は
処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等に
よって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知られて
いる。このような自動処理においては、各処理液に処理
量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理する
ことができる。また、実質的に未使用の処理液で処理す
るいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。 【0069】本発明においては、画像露光し、現像し、
水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた
平版印刷版に不必要な画像部(例えば、原画フィルムの
フィルムエッジ跡等)がある場合には、その不必要な画
像部の消去が行われる。このような消去は、例えば、特
公平2−13293号公報に記載されているような消去
液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置し
たのちに水洗することにより行う方法が好ましいが、特
開平59−174842号公報に記載されているような
オプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画
像部に照射したのち現像する方法も利用できる。 【0070】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニング処理する場合には、該バーニング処理前
に、特公昭61−2518号、同55−28062号、
特開昭62−31859号、同61−159655号の
各公報に記載されているような整面液で処理することが
好ましい。その方法としては、該整面液を浸み込ませた
スポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整
面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方
法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、
塗布した後でスキージ、或いは、スキージローラーで、
その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与
える。 【0071】整面液の塗布量は、一般に0.03〜0.
8g/m2(乾燥重量)が適当である。整面液が塗布さ
れた平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニン
グプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より
販売されているバーニングプロセッサー:「BP−13
00」)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及
び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、
180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好まし
い。 【0072】バーニング処理された平版印刷版は、必要
に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来より行われてい
る処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等
を含有する整面液が使用された場合には、ガム引き等の
いわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様
な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機
等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。 【0073】 【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 (実施例1) 〔支持体の作製〕Si:0. 06質量%、Fe:0.3
0質量%、Cu:0. 014質量%、Mn:0.001
質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質
量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不
可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、
溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅
1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平
均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550
℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったと
ころで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板と
した。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行
った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmのアルミニウム
板に仕上げた。このアルミニウム板を幅1030mmに
した後、以下に示す表面処理を連続的に行った。 【0074】(a)機械的粗面化処理 比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨
スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しなが
ら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗
面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は
50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナ
イロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであっ
た。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒
に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3
本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200
mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブ
ラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラを
アルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kW
プラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はア
ルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転
数は200rpmであった。 【0075】(b)アルカリ剤によるエッチング処理 上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.
6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度
70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミ
ニウム板を6g/m2 溶解した。その後、スプレーによ
る水洗を行った。 【0076】(c)デスマット処理 温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイ
オンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマ
ット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デ
スマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を
用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。 【0077】(d)電気化学的粗面化処理 60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面
化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10g/L
水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウム
イオンを0.007質量%含む。)、温度80℃であっ
た。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気
量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で130C
/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の
5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行っ
た。 【0078】(e)アルカリエッチング処理 アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミ
ニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチ
ング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g
/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化
を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とす
るスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッ
ジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、
スプレーによる水洗を行った。 【0079】(f)デスマット処理 温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデス
マット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行っ
た。 【0080】(g)陽極酸化処理 二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一および第二電
解部長各6m、第一および第二給電部長各3m、第一お
よび第二給電電極長各2.4m)を用いて陽極酸化処理
を行った。第一および第二電解部に供給した電解液とし
ては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度1
70g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含
む。)、温度43℃であった。その後、スプレーによる
水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2
あった。 【0081】(h)アルカリ金属ケイ酸塩処理 陽極酸化処理により表面に陽極酸化皮膜が形成されたア
ルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1
質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸漬することで
アルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行い、
表面を親水化した。その後、スプレーによる水洗を行っ
た。この時のシリケート付着量は3.5mg/m2であ
った。 【0082】〔中間層(下塗り層)の形成〕上記のよう
にして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニ
ウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃
で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の
被覆量は15mg/m2であった。 【0083】<下塗り液組成> ・下記高分子化合物 0.3g ・メタノール 100 g ・水 1 g 【0084】 【化1】 【0085】〔感熱層の形成〕ついで、得られた下塗り
済の支持体に以下の下部感熱層用塗布液を乾膜の塗布量
が0.85g/m2になるよう塗布し、TABAI社
製、PERFECT OVEN PH200にてWin
d Controlを7に設定して140℃で50秒間
乾燥した。その後、上部感熱層用塗布液を乾膜の塗布量
が0.15g/m 2になるよう塗布したのち、120℃
で1分間乾燥し、平版印刷版原版1を得た。この時の下
部感熱層における赤外線吸収染料濃度に対する上部感熱
層における赤外線吸収染料濃度の比率は3.67であっ
た。 【0086】 〔下部感熱層用塗布液〕 ・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/ アクリロニトリル/メタクリル酸メチル (36/34/30:重量平均分子量50000) 2.133g ・シアニン染料A(下記構造) 0.109g ・4,4’−ビズヒドロキシフェニルスルホン 0.063g ・無水テトラヒドロフタル酸 0.190g ・p−トルエンスルホン酸 0.008g ・2−メトキシ−4−(N−フェニルアミノ)ベンゼン ジアゾニウム・ヘキサフルオロホスフェート 0.03 g ・エチルバイオレットの対イオンを 6−ヒドロキシナフタレンスルホンに変えたもの 0.05 g ・フッ素系界面活性剤(メガファックF176、 大日本インキ工業(株)社製、20%MIBK溶液) 0.035g ・メチルエチルケトン 26.6 g ・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6 g ・γ−ブチロラクトン 13.8 g 【0087】 【化2】 【0088】 〔上部感熱層用塗布液〕 ・m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、重量平均分子量 4500、未反応クレゾール0.8重量%含有) 0.237g ・シアニン染料A(上記構造) 0.047g ・フッ素系界面活性剤(メガファックF176、 大日本インキ化学工業(株)製、20%MIBK溶液) 0.110g ・メチルエチルケトン 15.1 g ・1−メトキシ−2−プロパノール 7.7 g 【0089】(実施例2〜3、比較例1〜2)上記実施
例1において、表1の如く上部感熱層及び下部感熱層の
赤外吸収染料の添加量を変化させた感熱層塗布液を用い
た他は、実施例1と同様にして、平版印刷版原版2〜5
を得た。 【0090】 【表1】 【0091】(比較例3)実施例1の上部、下部感熱層
塗布液において、赤外線吸収染料シアニン染料Aに代え
て赤外線吸収性顔料であるカーボンブラックを用いた以
外は実施例1と同様に行い、平版印刷版原版6を得た。 【0092】〔感度評価〕得られた本発明の平版印刷版
原版1〜6の感度を以下のようにして測定した。平版印
刷版用原版1〜6を、Creo社製Trendsett
erにてビーム強度2〜7Wの範囲、ドラム回転速度1
50rpmでベタ画像を描き込んだ後、富士写真フイル
ム(株)製現像液DT−1(1:8で希釈したもの)及
び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP2W
(1:1で希釈したもの)を仕込んだ富士写真フイルム
(株)製PSプロセッサー900Hを用い、液温を30
度に保ち、現像時間12sで現像した。この時の現像液
の電導度はそれぞれ45mS/cmであった。現像後の
版を50倍のルーペで観察し、ポツ状の残膜が観測され
ないところの露光ビーム強度から、実際の露光エネルギ
ーを計算し、感度とした。露光エネルギーが小さいもの
ほど高感度であると評価する。結果を下記表2に示す。 【0093】〔アブレーション性評価〕得られた本発明
の平版印刷版原版1〜6のアブレーション性を以下のよ
うにして測定した。平版印刷版用原版1〜6の感熱層の
表面に、100μmのPETフィルムを密着させ、Cr
eo社製Trendsetterにて200mJ/cm
2のエネルギー、ドラム回転速度150rpmでベタ画
像を描き込んだ後、PETフィルムをはがし、感熱層の
成分がアブレーションにより飛散しPETフィルムに付
着した程度を目視で以下の基準に従って評価した。 ○:付着物が見られない △:僅かに付着物が見られる ×:明らかに付着物が見られる 結果を下記表2に併記する。 【0094】 【表2】【0095】本発明の実施例1〜3の平版印刷版原版
は、いずれも高感度で記録が可能であり、且つ、露光時
のアブレーションによる飛散物が抑制されていることが
わかる。これに対して、下部感熱層における赤外線吸収
染料濃度に対する上部感熱層における赤外線吸収染料濃
度の比率が40.8である比較例1は感度が不充分であ
り、下層に赤外線吸収染料を含まない比較例2は感度に
劣り、且つ、アブレーションの抑制が不充分であった。
また、光熱変換剤として赤外吸収染料に代えて赤外線吸
収性顔料であるカーボンブラックを用いた比較例3は高
感度で記録可能であるが、アブレーションが著しく、実
用上問題となるレベルであることがわかる。 【0096】 【発明の効果】本発明の平版印刷版原版は、高感度で記
録可能であり、且つ、露光時におけるアブレーションに
よる記録層の飛散が抑制されるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光本 知由 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA04 AB03 AC08 AD03 CB28 CB41 CB45 CC11 DA13 FA10 FA17 2H096 AA06 BA11 EA04 EA23 GA08

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に、水不溶性且つアルカリ可溶
    性高分子化合物及び赤外線吸収染料を含む下部感熱層
    と、水不溶性且つアルカリ可溶性高分子化合物及び赤外
    線吸収染料を含み、加熱によりアルカリ性水溶液に対す
    る溶解性が増大する上部感熱層とを順次積層してなるポ
    ジ型平版印刷版原版であって、 下部感熱層における赤外線吸収染料濃度に対する上部感
    熱層における赤外線吸収染料濃度の比率が、1.6から
    10.0の範囲であることを特徴とするポジ型平版印刷
    版原版。
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CN112693212A (zh) * 2019-10-23 2021-04-23 乐凯华光印刷科技有限公司 一种环保型单层热敏版及其制备方法和应用方法
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