JP2003004709A - 車輪の超音波検査方法及び装置 - Google Patents

車輪の超音波検査方法及び装置

Info

Publication number
JP2003004709A
JP2003004709A JP2001190227A JP2001190227A JP2003004709A JP 2003004709 A JP2003004709 A JP 2003004709A JP 2001190227 A JP2001190227 A JP 2001190227A JP 2001190227 A JP2001190227 A JP 2001190227A JP 2003004709 A JP2003004709 A JP 2003004709A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
wheel
array probe
incident
scan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001190227A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetoshi Hyodo
繁俊 兵藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2001190227A priority Critical patent/JP2003004709A/ja
Publication of JP2003004709A publication Critical patent/JP2003004709A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/07Analysing solids by measuring propagation velocity or propagation time of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2696Wheels, Gears, Bearings

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロート部やフランジ部を含む、車輪のリム
部の全断面を検査し得ると共に、探触子の複合化に伴う
装置の煩雑さを解消し得る超音波検査方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係る超音波検査方法は、車輪の
フランジ側リム面に沿って超音波アレイ探触子を配置
し、該超音波アレイ探触子を構成する各振動子の発振タ
イミングを制御することにより、車輪のリム部全断面を
検査する。前記発振タイミングは、車輪のリム部断面に
おいて、フランジ側リム面の直線部に垂直に超音波が入
射する第1のリニアスキャンと、スロート部に向けて順
次入射角度が変化して超音波が入射する第1のステアリ
ングスキャンと、前記直線部とフランジ先端部の円弧部
の間に位置する中間部に超音波が入射する第2のリニア
スキャン又は第2のステアリングスキャンとがなされる
ように制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪の品質保証に
適用される超音波検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、超音波を用いた検査方法は、
品質保証技術として定着し、広く産業分野で適用されて
いる。特に、溶接部の検査や、管や板等その形状が単純
な鉄鋼製品では、早くから規格化が進み、溶接施工時の
強度保証や、製品の品質保証に用いられ、戦力化されて
いる。
【0003】しかし、本検査方法は、超音波の伝播及び
欠陥部での反射を利用した技術であり、検査対象の形状
が複雑な場合には、全断面に超音波を入射させることに
制限が生じたり、任意の方向に伝播させることが困難で
あったりする他、欠陥以外のコーナ部の反射信号や外表
面からの反射信号(形状エコーと称する)が存在するた
め、高精度な検査を行う上で大きな障害となる。特に、
検査対象が車輪の場合には、一般的な規格が制定されて
いない上、形状が複雑なため、全断面に亘る検査・品質
保証は困難であるという問題がある。
【0004】一方、車輪としては、最も応力が集中する
レールとの接触面である踏面近傍の品質検査は重要であ
る。近年、米国の輪重の拡大に伴う車輪の割損事故に端
を発し、車輪の検査規格も見直された。この規格では、
踏面とリム面からの垂直方向の検査が規定されている
が、スロート部近傍やフランジ部の検査方法は規定され
ておらず、技術的な開示もなされていない。
【0005】国内では、図8に示すように、車輪のリム
部10に、垂直探触子100、200を多数複合配置し
て検査する方法が適用されている。なお、図8のリム部
10内に矩形で示す領域は、前記探触子100、200
による概略の検査領域を示している。
【0006】しかし、前記検査方法では、フランジ部が
検査できず、特に、探触子を複合配置する場合には、探
触子追従機構部のサイズ替え(車輪のサイズに応じた探
触子の位置設定の変更等)が煩雑であるという問題を有
する。
【0007】また、割損事故防止等のため、最も重要で
ある踏面近傍(特に、踏面の表皮下10mm〜40m
m)の品質検査に万全を期するべく、微小欠陥(0.5
mmφ相当)を検出能良く、且つ効率良く検査すること
も望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、斯かる従来
技術の問題点を解決するべくなされたもので、スロート
部やフランジ部を含む、車輪のリム部の全断面を検査し
得ると共に、探触子の複合化に伴う装置の煩雑さを解消
し得る超音波検査方法及び装置を提供することを第1の
課題とする。
【0009】また、本発明は、車輪の表皮下10mm〜
40mmの範囲における0.5mmφ相当の微小欠陥を
検出能良く、且つ効率良く検査し得る超音波検査方法及
び装置を提供することを第2の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るべく本発明は、車輪のフランジ側リム面に沿って第1
の超音波アレイ探触子を配置し、車輪のリム部断面にお
いて、フランジ側リム面の直線部に垂直に超音波が入射
する第1のリニアスキャンと、スロート部に向けて順次
入射角度が変化して超音波が入射する第1のステアリン
グスキャンと、前記直線部とフランジ先端部の円弧部の
間に位置する中間部に超音波が入射する第2のリニアス
キャン又は第2のステアリングスキャンとがなされるよ
うに、前記第1の超音波アレイ探触子を構成する各振動
子の発振タイミングを制御することを特徴とする車輪の
超音波検査方法を提供するものである。
【0011】斯かる発明によれば、車輪のフランジ側リ
ム面に沿って超音波アレイ探触子を配置し、各振動子の
発振タイミングを制御する構成であるため、各振動子か
ら発振される超音波の合成波面を任意に偏向させたり集
束させたりすることが可能である。従って、スロート部
やフランジ部にも超音波を伝播させるようにして、リム
部の全断面を検査するように制御することが可能である
と共に、1つの超音波アレイ探触子で検査できるため、
装置の煩雑さを解消することも可能である。また、本発
明に係る方法と、踏面からの垂直方向の検査方法とを組
み合わせることにより、更に検査精度を向上させること
ができる。
【0012】より具体的には、前記発振タイミングは、
車輪のリム部断面において、フランジ側リム面の直線部
に垂直に超音波が入射する第1のリニアスキャンと、ス
ロート部に向けて順次入射角度が変化して超音波が入射
する第1のステアリングスキャンと、前記直線部とフラ
ンジ先端部の円弧部の間に位置する中間部に超音波が入
射する第2のリニアスキャン又は第2のステアリングス
キャンとがなされるように制御される。
【0013】前記発振タイミングの制御によれば、第1
のリニアスキャン(リニアスキャンとは、アレイ探触子
を構成する幾つかの振動子を1発振単位とし、該1発振
単位で同時に超音波を発振すると共に、アレイの配列方
向に沿って、順次発振単位をずらせていくことにより、
発振する超音波ビームを平行走査する方法)により、フ
ランジ側リム面からの垂直方向の検査を行うことができ
る。また、第1のステアリングスキャン(ステアリング
スキャンとは、アレイ探触子を構成する幾つかの振動子
を1発振単位とし、該1発振単位中の振動子のそれぞれ
について微小時間だけタイミングをずらして超音波を発
振すると共に、このタイミングのずれ量を順次変更して
いくことにより、発振する超音波ビームの入射角を変更
しつつ走査する方法)により、スロート部及びその近傍
のフランジ部の検査を行うことができる。さらに、第2
のリニアスキャン又は第2のステアリングスキャンによ
り、フランジ部の先端部の検査を行なうことができる。
従って、前記第1のリニアスキャン、第1のステアリン
グスキャン及び第2のリニアスキャン(又は第2のステ
アリングスキャン)が順次なされるように超音波アレイ
探触子の振動子の発振タイミングを制御すれば、車輪の
リム部の全断面を検査することが可能である。
【0014】好ましくは、車輪の踏面に沿って第2の超
音波アレイ探触子が更に配置され、車輪のリム部断面に
おいて、踏面の直線部に垂直に超音波が入射するリニア
スキャンがなされるように前記第2の超音波アレイ探触
子を構成する各振動子の発振タイミングが制御される。
【0015】斯かる発明によれば、1つの超音波アレイ
探触子によって踏面からの垂直方向の検査が可能であ
り、全体としても2つの超音波アレイ探触子によって、
全断面の検査が可能であり、装置の煩雑さを解消するこ
とができる。
【0016】また、前記第1の超音波アレイ探触子又は
/及び前記第2の超音波アレイ探触子から発振される超
音波ビームのビーム径(D)と、水中での波長(λ)と
が、1/(D・λ)≧1を満足するように制御すること
も可能である。
【0017】斯かる発明によれば、後述するように、車
輪の表皮下10mm〜40mmの範囲における0.5m
mφ相当の微小欠陥を検出能良く、且つ効率良く検査す
ることが可能であり、前記第2の課題を解決することが
できる。また、第1の超音波アレイ探触子又は/及び第
2の超音波アレイ探触子を、前述したリム部の全断面検
査と、表皮下10mm〜40mmの範囲における微小欠
陥検出に併用することが可能であり、デバイスとしては
第1の超音波アレイ探触子又は第2の超音波アレイ探触
子1つ、或いは第1及び第2の超音波アレイ探触子の2
つで済むため、装置の煩雑さを解消することができ、効
率の良い検査方法が提供される。
【0018】また、前記第2の課題を解決するべく、本
発明は、発振される超音波ビームのビーム径(D)と、
水中での波長(λ)とが、1/(D・λ)≧1を満足す
る超音波探触子を用いて車輪を検査することを特徴とす
る車輪の超音波検査方法を提供する。
【0019】また、前記第1の課題を解決するべく、本
発明は、車輪のフランジ側リム面に沿って配置された第
1の超音波アレイ探触子を備え、車輪のリム部断面にお
いて、フランジ側リム面の直線部に垂直に超音波が入射
する第1のリニアスキャンと、スロート部に向けて順次
入射角度が変化して超音波が入射する第1のステアリン
グスキャンと、前記直線部とフランジ先端部の円弧部の
間に位置する中間部に超音波が入射する第2のリニアス
キャン又は第2のステアリングスキャンとがなされるよ
うに、前記第1の超音波アレイ探触子を構成する各振動
子の発振タイミングを制御し得ることを特徴とする車輪
の超音波検査装置としても提供される。
【0020】また、好ましくは、本発明に係る車輪の超
音波検査装置は、車輪の踏面に沿って配置された第2の
超音波アレイ探触子を更に備え、車輪のリム部断面にお
いて、踏面の直線部に垂直に超音波が入射するリニアス
キャンがなされるように前記第2の超音波アレイ探触子
を構成する各振動子の発振タイミングが制御され得る。
【0021】特に、前記第1の超音波アレイ探触子又は
/及び前記第2の超音波アレイ探触子から発振される超
音波ビームのビーム径(D)と、水中での波長(λ)と
が、1/(D・λ)≧1を満足するように制御され得る
構成とすれば、前記第1及び第2の課題を共に解決する
ことが可能である。
【0022】また、前記第2の課題を解決するべく、本
発明は、発振される超音波ビームのビーム径(D)と、
水中での波長(λ)とが、1/(D・λ)≧1を満足す
る超音波探触子を備えることを特徴とする車輪の超音波
検査装置を提供する。
【0023】以下、前記超音波探触子のパラメータ設定
の意義について説明する。
【0024】図7は、車輪の踏面の表皮下20mmにお
いて、0.5mmφのFBH(平底穴)人工欠陥を施
し、発振された超音波ビームのビーム径(D)と、水中
での波長(λ)とをパラメータにして、欠陥検出能(S
/N)を評価した本発明者らによる実験結果の一例を示
す。なお、図7に示す2〜10MHzは、実験に用いた
超音波の発振周波数(波長λに反比例する)を表してい
る。図7に示すように、1/(D・λ)とS/Nは、略
比例関係にあることが見出され、所定の検出能(S/N
≧3)を維持するには、1/(D・λ)を所定値以上に
設定すれば良いことが分かった。これは、単にビーム径
(D)を微小化して検出能を高めるのではなく、ビーム
径(D)をある程度大きく設定して検査効率を高める
(つまり検査ピッチを大きくすることができる)と同時
に、検出能も維持し得る指標を与えるパラメータとし
て、1/(D・λ)が有効であることを示している。
【0025】本発明者らは、踏面の表皮下10mm、3
0mm、40mmについても、同様の実験を行った。そ
の結果を表1に示す。表1に示すように、踏面の表皮下
10mm〜40mmにおいて、S/N≧3であるために
は、1/(D・λ)≧1でなければならないことが分か
る。
【表1】
【0026】本発明は、以上に述べた本発明者らの知見
に基づき完成されたものであり、上記パラメータの値を
採用することにより、微小欠陥を検出能良く、且つ効率
良く検査することが可能である。
【0027】なお、本発明は、前述したいずれかの超音
波検査方法によって検査がなされたことを特徴とする車
輪、及び前述したいずれかの超音波検査方法によって検
査がなされる工程を含むことを特徴とする車輪の製造方
法としても提供され得る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の一実施形態について説明する。図2は、本発明に
係る超音波検査装置の一実施形態を示す概略構成図であ
る。図2に示すように、本実施形態に係る超音波検査装
置1は、検査対象たる車輪Wのフランジ側リム面に沿っ
て配置された第1の超音波アレイ探触子11と、車輪W
の踏面に沿って配置された第2の超音波アレイ探触子1
2とを備えている。第1のアレイ探触子11及び第2の
アレイ探触子12は、各振動子の発振タイミングを制御
することが可能な所謂フェーズドアレイ(Phased Arra
y)探触子とされている。また、第1及び第2のアレイ
探触子11、12へ発振制御信号を送信すると共に、受
信した反射信号を増幅する等の機能を奏するアレイ探傷
器13と、アレイ探傷器13に対する各種パラメータ設
定を行ったり、アレイ探傷器13からの信号を受信して
Aスコープ、Bスコープ、Cスコープ等の画像を作成す
る等の機能を奏するパーソナルコンピュータ14と、後
述するターンテーブル17の回転指示信号等を与えるた
めの制御盤15と、検査結果を記録するための記録計1
6とを備えている。さらに、車輪Wが載置され、リム部
全周の検査を行うべく車輪Wを回転させるターンテーブ
ル17と、車輪W、ターンテーブル17及び超音波アレ
イ探触子11、12を水浸させるための水槽18とを備
えている。
【0029】ここで、図3に、検査対象である車輪のリ
ム部断面形状の一例を示す。図3に示すように、リム部
10の断面形状は、フランジ20側リム面の第1の直線
部A、中間部B、フランジ先端部の円弧部C、踏面の直
線部D、スロート部の曲面部E及び中間部Fとから形成
されている。ここで、中間部Bは、本実施形態において
は直線とされている(以下、中間部Bを第2の直線部B
という)が、これに限るものではなく、円弧部Cと同等
乃至これよりも大きな曲率半径を有する曲線とされてい
る場合もある。
【0030】ここで、スロート部(E、F)は、レール
との接触により応力が集中する部位であり、重要な部分
であるが、この部位を踏面の直線部Dから検査するに
は、形状が複雑なため、超音波を入射させることが極め
て困難である。また、超音波は、材料に伝播する際に外
表面で大きなエネルギーを反射し(特に、水浸法の場合
は著しい)、表皮下の微細な反射信号は、表面反射信号
に隠れて識別できないため、スロート部の中間部Fから
曲面部Eを検査するのも困難である。
【0031】以上の観点より、本実施形態に係る超音波
検査装置1は、フランジ側リム面に沿って第1の超音波
アレイ探触子11を配置し、フランジ側リム面の第1の
直線部Aからスロート部(E、F)に向けて超音波を斜
めに入射させる斜角法を採用している。図1は、第1の
超音波アレイ探触子11による検査範囲を示す説明図で
ある。図1に示すように、第1の超音波アレイ探触子1
1は、フランジ側リム面からの垂直検査も考慮し、所謂
リニアスキャンによる垂直検査(図1の領域Xが検査範
囲)と、所謂ステアリングスキャンによる斜角検査(図
1の領域Yが検査範囲)を各振動子の発振タイミングを
制御することで実現している。なお、超音波アレイ探触
子11を構成する各振動子の発振タイミングを制御し、
上記リニアスキャン及びステアリングスキャンを実現す
るに際しては、フェイズドアレイ探触子に関する公知の
手法を適用可能である。
【0032】以上のように、ステアリングスキャンによ
る斜角検査によれば、フランジ部20の断面積の略50
%を検査することが可能である。また、フランジ側リム
面の第1の直線部Aから垂直検査を実施するので、フラ
ンジ部20を除くリム部10の全断面が検査可能であ
る。そこで、フランジ部20の全断面を検査するには、
残されたフランジ部20の先端部を検査することが必要
である。
【0033】本実施形態に係る第1の超音波アレイ探触
子11は、前記フランジ部20の先端部を検査するべ
く、フランジ側リム面の第2の直線部Bを利用して超音
波を入射させる方法を採用している。すなわち、第2の
直線部Bに対して垂直に超音波が入射されるように、第
1の超音波アレイ探触子11から斜めに超音波を発振さ
せ、フランジ部20の先端に向けてリニアスキャンがな
されるように各振動子の発振タイミングが制御されてい
る(図1の領域Zが検査範囲)。ここで、第1の直線部
Aや先端部の円弧部Cにまで前記リニアスキャンの範囲
を広げれば、斯かる直線部Aや円弧部Cにおいては、超
音波の入射が垂直でなくなるため、超音波は屈折し、斜
め入射することになり、フランジ部20内で拡散して伝
播することになる。従って、上記リニアスキャンの走査
範囲を適宜設定することにより、前記ステアリングスキ
ャンで未検査であった領域まで検査することができ、結
果としてフランジ部20を含むリム部10の全断面の検
査が可能になる。なお、本実施形態では、第2の直線部
Bに対して垂直に超音波が入射するリニアスキャンがな
される場合について説明したが、本発明はこれに限るも
のではなく、フランジ部20の先端部を検査し得るよう
に走査範囲を適宜設定したステアリングスキャンを適用
することも可能である。
【0034】また、車輪の踏面に沿って配置された第2
の超音波アレイ探触子12は、踏面の直線部Dに垂直に
超音波が入射するリニアスキャンがなされるように各振
動子の発振タイミングが制御され、これにより、検査精
度の更なる向上が図られている。
【0035】さらに、第1の超音波アレイ探触子11及
び第2の超音波アレイ探触子12は、車輪の表皮下10
mm〜40mmの範囲における0.5mmφ相当の微小
欠陥を検出能良く、且つ効率良く検査するべく、各探触
子のビーム径(D)と、水中での波長(λ)とが、1/
(D・λ)≧1を満足するように制御することも可能と
されている。斯かるパラメータは、フェイズドアレイ探
触子の発振周波数の選定や焦点化(フォーカシング)制
御を用いることで設定可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を説明することにより、本発明
の特徴をより一層明らかにする。 (実施例1)図2に示すものと同様の超音波検査装置を
使用して、車輪のリム部の検査を行った。ここで、車輪
のフランジ側リム面に沿って配置した第1の超音波アレ
イ探触子は、発振周波数5MHzで、幅0.7mmの振
動子を128チャンネル直線状に配置したものであり、
検査有効幅を約90mmとした。リニアスキャン及びス
テアリングスキャンは、16チャンネルの振動子を1発
振単位として行った。また、幅方向の検査範囲や深さ方
向の有効検査深さは、人工欠陥を使用して予め校正し
た。
【0037】以上の条件により、まず、フランジ側リム
面の第1の直線部(図3のAに相当)に第1のリニアス
キャンを行った。次に、第1の直線部と第2の直線部
(図3のBに相当)の境界より第1の直線部側に位置す
る16チャンネルの振動子を選択し、第1のステアリン
グスキャン(入射角度0〜45°)を行った。さらに、
第2の直線部に垂直に入射する角度とした後、第1の直
線部と第2の直線部の境界近傍から、フランジ部の先端
部近傍までの間、第2のリニアスキャンを行った。以上
のようにして、垂直検査とフランジ部断面の検査とを1
つのアレイ探触子を使用して検査した。
【0038】図4は、前記第1のステアリングスキャン
による検査結果をBスコープで示す(縦軸は超音波ビー
ムの伝播時間、横軸は走査位置を示す)。図4に示すよ
うに、フランジ部の略50%に相当する領域の断面検査
が実施でき、スロート部に設けた3mmφ球面の人工欠
陥が検出できていることが分かる。
【0039】また、図5は、前記第2のリニアスキャン
による検査結果をBスコープで示す(縦軸は超音波ビー
ムの伝播時間、横軸は走査位置を示す)。図5に示すよ
うに、前記第1のステアリングスキャンの未検査領域に
ついての断面検査が実施でき、フランジ部に設けた球面
の人工欠陥が検出できていることが分かる。
【0040】なお、本実施例では、踏面に沿っても第2
の超音波アレイ探触子を配置しており、リニアスキャン
により踏面の直線部分(図3のDに相当)に垂直に超音
波を入射して検査を行った。
【0041】以上のように、本実施例では、2つの超音
波アレイ探触子を用いて、計4種類のスキャンを行うこ
とにより、リム部の全断面の検査が可能となることが分
かった。また、2つの超音波アレイ探触子を用いるの
で、多くの探触子のサイズ替えを必要とせず、機構部の
段取替え等も極めて容易である。
【0042】(実施例2)前記実施例1における第2の
リニアスキャンを、第2のステアリングスキャン(入射
角度−30°〜+30°)に変え、以下同様の条件で検
査を行った。図6は、第2のステアリングスキャンによ
る検査結果をBスコープで示す(縦軸は超音波ビームの
伝播時間、横軸は走査位置を示す)。図6に示すよう
に、実施例1における第1のステアリングスキャンの未
検査領域についての断面検査が実施でき、フランジ部に
設けた球面の人工欠陥が検出できていることが分かる。
【0043】(実施例3)前記実施例1における、第1
の超音波アレイ探触子の第1のリニアスキャン及び第2
の超音波アレイ探触子のリニアスキャンについて、1発
振単位(16チャンネル)を構成する各振動子の発振タ
イミングをそれぞれ微小時間だけずらすフォーカシング
制御を施した。斯かるフォーカシング制御により、各リ
ニアスキャンによって発振される超音波ビームのビーム
径をX0(近距離音場限界距離)若しくは焦点位置にお
いて3mmφ相当とし(発振周波数5MHz)、車輪の
表皮下10mm〜40mmの範囲における検査を行っ
た。その結果、0.5mmφ相当の微小欠陥をS/N≧
3で検出することが可能であった。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る超
音波検査方法及び装置によれば、スロート部やフランジ
部にも超音波を伝播させるようにして、リム部の全断面
を検査するように制御することが可能であると共に、1
つの超音波アレイ探触子で検査できるため、装置の煩雑
さを解消することも可能である。また、踏面からの垂直
方向の検査方法と組み合わせた場合には、更に検査精度
を向上させることができる。
【0045】また、本発明は、発振される超音波ビーム
のビーム径(D)と、水中での波長(λ)とが、1/
(D・λ)≧1を満足する超音波探触子を用いて車輪を
検査する方法及び装置を提供するものであり、斯かる発
明によれば、車輪の表皮下10mm〜40mmの範囲に
おける0.5mmφ相当の微小欠陥を検出能良く、且つ
効率良く検査することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る第1の超音波アレイ探
触子による検査範囲を示す説明図である。
【図2】 図2は、本発明に係る超音波検査装置の一実
施形態を示す概略構成図である。
【図3】 図3は、検査対象である車輪のリム部断面形
状の一例を示す。
【図4】 図4は、本発明の実施例に係る第1のステア
リングスキャンによる検査結果をBスコープで示す。
【図5】 図5は、本発明の実施例に係る第2のリニア
スキャンによる検査結果をBスコープで示す。
【図6】 図6は、本発明の実施例に係る第2のステア
リングスキャンによる検査結果をBスコープで示す。
【図7】 図7は、発振された超音波ビームのビーム径
(D)と、水中での波長(λ)とをパラメータにして、
欠陥検出能(S/N)を評価した結果を示す。
【図8】 図8は、従来の車輪の検査方法を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 ・・・超音波検査装置 10・・・リム
部 11・・・第1の超音波アレイ探触子 12・・・第2
の超音波アレイ探触子 20・・・フランジ部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪のフランジ側リム面に沿って第1の
    超音波アレイ探触子を配置し、 車輪のリム部断面において、 フランジ側リム面の直線部に垂直に超音波が入射する第
    1のリニアスキャンと、 スロート部に向けて順次入射角度が変化して超音波が入
    射する第1のステアリングスキャンと、 前記直線部とフランジ先端部の円弧部の間に位置する中
    間部に超音波が入射する第2のリニアスキャン又は第2
    のステアリングスキャンとがなされるように、前記第1
    の超音波アレイ探触子を構成する各振動子の発振タイミ
    ングを制御することを特徴とする車輪の超音波検査方
    法。
  2. 【請求項2】 車輪の踏面に沿って第2の超音波アレイ
    探触子を更に配置し、 車輪のリム部断面において、踏面の直線部に垂直に超音
    波が入射するリニアスキャンがなされるように前記第2
    の超音波アレイ探触子を構成する各振動子の発振タイミ
    ングを制御することを特徴とする請求項1に記載の車輪
    の超音波検査方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の第1の超音波アレ
    イ探触子又は/及び前記請求項2に記載の第2の超音波
    アレイ探触子から発振される超音波ビームのビーム径
    (D)と、水中での波長(λ)とが、1/(D・λ)≧
    1を満足するように制御されることを特徴とする車輪の
    超音波検査方法。
  4. 【請求項4】 発振される超音波ビームのビーム径
    (D)と、水中での波長(λ)とが、1/(D・λ)≧
    1を満足する超音波探触子を用いて車輪を検査すること
    を特徴とする車輪の超音波検査方法。
  5. 【請求項5】 車輪のフランジ側リム面に沿って配置さ
    れた第1の超音波アレイ探触子を備え、 車輪のリム部断面において、 フランジ側リム面の直線部に垂直に超音波が入射する第
    1のリニアスキャンと、 スロート部に向けて順次入射角度が変化して超音波が入
    射する第1のステアリングスキャンと、 前記直線部とフランジ先端部の円弧部の間に位置する中
    間部に超音波が入射する第2のリニアスキャン又は第2
    のステアリングスキャンとがなされるように、前記第1
    の超音波アレイ探触子を構成する各振動子の発振タイミ
    ングを制御し得ることを特徴とする車輪の超音波検査装
    置。
  6. 【請求項6】 車輪の踏面に沿って配置された第2の超
    音波アレイ探触子を更に備え、 車輪のリム部断面において、踏面の直線部に垂直に超音
    波が入射するリニアスキャンがなされるように前記第2
    の超音波アレイ探触子を構成する各振動子の発振タイミ
    ングを制御し得ることを特徴とする請求項5に記載の車
    輪の超音波検査装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項5に記載の第1の超音波アレ
    イ探触子又は/及び前記請求項6に記載の第2の超音波
    アレイ探触子から発振される超音波ビームのビーム径
    (D)と、水中での波長(λ)とが、1/(D・λ)≧
    1を満足するように制御され得ることを特徴とする車輪
    の超音波検査装置。
  8. 【請求項8】 発振される超音波ビームのビーム径
    (D)と、水中での波長(λ)とが、1/(D・λ)≧
    1を満足する超音波探触子を備えることを特徴とする車
    輪の超音波検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から4のいずれかに記載の超音
    波検査方法によって検査がなされたことを特徴とする車
    輪。
  10. 【請求項10】 請求項1から4のいずれかに記載の超
    音波検査方法によって検査がなされる工程を含むことを
    特徴とする車輪の製造方法。
JP2001190227A 2001-06-22 2001-06-22 車輪の超音波検査方法及び装置 Withdrawn JP2003004709A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001190227A JP2003004709A (ja) 2001-06-22 2001-06-22 車輪の超音波検査方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001190227A JP2003004709A (ja) 2001-06-22 2001-06-22 車輪の超音波検査方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003004709A true JP2003004709A (ja) 2003-01-08

Family

ID=19029034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001190227A Withdrawn JP2003004709A (ja) 2001-06-22 2001-06-22 車輪の超音波検査方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003004709A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012176613A1 (ja) 2011-06-22 2012-12-27 新日鐵住金株式会社 超音波探傷方法、及び超音波アレイ探触子
WO2012176612A1 (ja) * 2011-06-22 2012-12-27 新日鐵住金株式会社 車輪の超音波探傷方法
CN104597129A (zh) * 2015-01-29 2015-05-06 成都主导科技有限责任公司 一种车轮轮辋的超声波检测系统

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5618223B2 (ja) * 2011-06-22 2014-11-05 新日鐵住金株式会社 超音波探傷方法、及び超音波アレイ探触子
WO2012176612A1 (ja) * 2011-06-22 2012-12-27 新日鐵住金株式会社 車輪の超音波探傷方法
CN103765205A (zh) * 2011-06-22 2014-04-30 新日铁住金株式会社 车轮的超声波探伤方法
CN103765206A (zh) * 2011-06-22 2014-04-30 新日铁住金株式会社 超声波探伤方法和超声波阵列探头
EP2728346A1 (en) * 2011-06-22 2014-05-07 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Vehicle wheel ultrasonic flaw detection method
JP5601603B2 (ja) * 2011-06-22 2014-10-08 新日鐵住金株式会社 車輪の超音波探傷方法
WO2012176613A1 (ja) 2011-06-22 2012-12-27 新日鐵住金株式会社 超音波探傷方法、及び超音波アレイ探触子
AU2012274664B2 (en) * 2011-06-22 2015-03-05 Nippon Steel Corporation Ultrasonic testing method of wheel.
EP2728346A4 (en) * 2011-06-22 2015-03-18 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp ULTRASONIC TEST PROCEDURE FOR ANOMALY IN A VEHICLE WHEEL
CN103765205B (zh) * 2011-06-22 2016-04-20 新日铁住金株式会社 车轮的超声波探伤方法
US9341598B2 (en) 2011-06-22 2016-05-17 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Ultrasonic testing method of wheel
US9389206B2 (en) 2011-06-22 2016-07-12 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Ultrasonic testing method and ultrasonic array probe
CN104597129A (zh) * 2015-01-29 2015-05-06 成都主导科技有限责任公司 一种车轮轮辋的超声波检测系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4910770B2 (ja) 管体の超音波探傷装置および超音波探傷方法
JP4544240B2 (ja) 管体の超音波探傷装置および超音波探傷方法
JP4816731B2 (ja) 超音波探傷方法、溶接鋼管の製造方法及び超音波探傷装置
KR101134431B1 (ko) 초음파 탐상 장치 및 방법
KR20150021530A (ko) 결함 검출 장치, 결함 검출 방법 및 기억 매체
JP2008164394A (ja) 超音波検査方法及びこれに用いる超音波検査装置
JP4770386B2 (ja) 超音波探傷装置の超音波探触子
EP3985387A1 (en) Ultrasound flaw detection method, ultrasound flaw detection device, manufacturing equipment line for steel material, manufacturing method for steel material, and quality assurance method for steel material
JP4912806B2 (ja) レーザスポット溶接部の評価方法
JP5574731B2 (ja) 超音波探傷試験方法
JP2010025676A (ja) 超音波探傷方法及び装置
JP6871534B2 (ja) 対比試験片及び超音波フェーズドアレイ探傷試験方法
JP5285845B2 (ja) 欠陥検出装置および欠陥検出方法
JP2002062281A (ja) 欠陥深さ測定方法および装置
WO2020250379A1 (ja) 超音波探傷方法、超音波探傷装置、鋼材の製造設備列、鋼材の製造方法、及び鋼材の品質保証方法
JP2003004709A (ja) 車輪の超音波検査方法及び装置
JP5115024B2 (ja) 超音波斜角探傷装置のカップリングチェック方法
KR101942792B1 (ko) 강재의 품질 평가 방법 및 품질 평가 장치
JP6460136B2 (ja) 超音波探傷装置及び超音波探傷方法
JPH11316215A (ja) 超音波探傷装置及び超音波探傷方法
JP5402894B2 (ja) 超音波探傷装置の超音波探触子
JP2002243703A (ja) 超音波探傷装置
JPH07244028A (ja) 球状被検体の超音波探傷装置およびその方法
JP2007263956A (ja) 超音波探傷方法および装置
JP7006444B2 (ja) 超音波探傷方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902