JP2003004408A - 距離センサ - Google Patents

距離センサ

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JP2003004408A
JP2003004408A JP2001186747A JP2001186747A JP2003004408A JP 2003004408 A JP2003004408 A JP 2003004408A JP 2001186747 A JP2001186747 A JP 2001186747A JP 2001186747 A JP2001186747 A JP 2001186747A JP 2003004408 A JP2003004408 A JP 2003004408A
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distance
signal
circuit
potential
detection electrode
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Takashi Urano
高志 浦野
Tsutomu Kotani
勉 小谷
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被測定体との距離を正確に検出できる距離セン
サを提供する。 【解決手段】距離センサは、距離検知電極12と、シー
ルドケース14と、誘電体510とを含む。シールドケ
ース14は、検知窓16を含む。誘電体510は、検知
窓16に対応して配置されている。距離検知電極12
は、誘電体510と一体に備えられ、シールドケース1
4の内部に収納されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、距離センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】非接触で距離を測定するセンサとして
は、静電容量型の距離センサが知られている。この静電
容量型の距離センサ(以下距離センサと称する)は、被
測定体と対向する距離検知電極を含み、距離検知電極か
ら出力された信号を処理して、被測定体との距離を検出
する。
【0003】距離センサは、被測定体と距離検知電極と
の重なり有効面積をS、間隔をd、真空の誘電率を
ε0、被測定体と距離検知電極との間に介在する物質の
比誘電率をεsとすると、静電容量Cが、 C=ε0*εs*S/d と表される。
【0004】距離センサの感度は、 ΔC/Δd=−ε0*εs*S/d2 と表され、、有効面積S、比誘電率εsに比例し、間隔
dの2乗に反比例する。
【0005】近年、距離センサには、小型化が要求され
ている。しかし、距離センサを小型化した場合には、有
効面積Sが小さくなり、十分に大きな感度が得られない
ので、距離検知電極から出力される信号が小さくなり、
被測定体との距離を正確に検出することが困難になると
いう問題があった。
【0006】また、従来の距離センサにおいては、被測
定体と距離検知電極との間に介在する物質は、空気であ
った。この空気の比誘電率εsはおよそ1であり、非常
に小さい。このため、十分に大きな感度が得られないの
で、距離検知電極と被測定体との間の距離を正確に検出
することが困難になるという問題があった。
【0007】また、従来の距離センサにおいては、間隔
dが大きくなると、十分に大きな感度が得られないの
で、距離検知電極と被測定体との間の距離を正確に検出
することが困難になるという問題があった。
【0008】更に、空気の誘電率εsは、温度や湿度に
より大きく変化する。このため、環境変化により、温度
や湿度が変動すると、距離検知電極から出力される信号
が変化し、被測定体との距離を正確に検出することが困
難になるという問題があった。
【0009】特に、被測定面と距離検知電極との間に介
在する空気層、即ち空間距離が大きくなると、距離検知
電極から出力される信号が空気の誘電率εsの変化の影
響を大きく受けて著しく変化し、被測定体との距離を正
確に検出することが非常に困難になるという問題があっ
た。
【0010】また、従来の距離センサにおいて、間隔d
を微小な範囲に設定することにより感度を高くした場合
には、距離検知電極の取付け精度が距離センサの特性に
大きな影響を与えることになる。このため、距離検知電
極を高い精度で取付ける必要があり、組立の困難性を招
くという問題があった。例えば、間隔dが3ミリ以下で
ある場合には、距離検知電極を精度良く取付けること
は、非常に困難である。
【0011】また、距離センサに与えられる振動や衝撃
を考慮すると、距離検知電極のずれを、長期にわたって
ゼロに維持することは、実際的に不可能であり、事実
上、距離センサの特性のばらつきを回避することができ
ないという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、被測
定体との距離を正確に検出できる距離センサを提供する
ことである。
【0013】本発明のもう一つの課題は、特性にばらつ
きが生じない距離センサを提供することである。
【0014】本発明の更にもう一つの課題は、小型化の
可能な距離センサを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係る距離センサは、距離検知電極と、シ
ールドケースと、誘電体とを含む。シールドケースは、
検知窓を含む。誘電体は、検知窓に対応して配置されて
いる。距離検知電極は、誘電体と一体に備えられ、シー
ルドケースの内部に収納されている。
【0016】本発明に係る距離センサにおいて、シール
ドケースが検知窓を含み、距離検知電極を一体に備えた
誘電体が検知窓に対応して配置されているから、検知窓
を被測定体に対向させることにより、距離検知電極と被
測定体との間の距離を、誘電体の高い誘電率を利用し
て、検出できる。
【0017】また、距離検知電極は、誘電体と一体に備
えられているから、被測定体と距離検知電極との間に配
置された誘電体の比誘電率εsを大きくすることによ
り、十分に大きな感度を得ることができる。このため、
距離検知電極から出力される信号が大きくなり、距離検
知電極と被測定体との間の距離を正確に検出できる。
【0018】また、距離検知電極は、シールドケースの
内部に収納されているから、ノイズの影響を受けにくく
なり、S/N比が大きくなる。
【0019】更に、シールドケースは、距離の検出に必
要な検知窓を有するのみでよいから、より完全なシール
ドが達成でき、S/N比が極めて大きくなる。
【0020】また、本発明に係る距離センサは、被測定
体と距離検知電極との間に誘電体が配置されているの
で、被測定体と距離検知電極との間に占める空気層の層
厚(空間距離)が小さくなる。このため、距離検知電極
から出力される信号が変化しにくくなり、距離検知電極
と被測定体との間の距離を正確に検出できる。
【0021】また、本発明に係る距離センサは、距離検
知電極と誘電体とが一体に形成されている。このため、
誘電体を検知窓に対応して配置することにより、距離検
知電極も自動的に位置決めされるので、距離検知電極の
配置及び位置決めが容易になる。
【0022】また、本発明に係る距離センサは、距離検
知電極が誘電体と一体に形成され、誘電体が検知窓に対
応して配置されている。このため、誘電体の取付け精度
と同じ高い精度で距離検知電極を取付けることが可能に
なるので、特性にばらつきが生じない。
【0023】また、本発明に係る距離センサは、距離検
知電極が誘電体と一体に形成されている。このため、振
動や衝撃が加えられた場合であっても、距離検知電極に
ずれが生じないので、距離センサの特性にばらつきが生
じない。
【0024】また、本発明に係る距離センサは、誘電体
が検知窓を塞いでいるので、防塵性を有する。さらに、
本発明に係る距離センサは、誘電体が検知窓を塞いでい
るので、防湿性を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る距離センサの
構成を示す分解斜視図、図2は図1に示した距離センサ
の断面図である。
【0026】図1において、本実施例に係る距離センサ
は、距離検知電極12と、シールドケース14と、誘電
体510と、回路基板19とを含む。
【0027】シールドケース14は、金属平板で構成さ
れた上蓋141と下蓋142とからなり、検知窓16を
含む。シールドケース14は、金属平板で構成してもよ
いし、高周波の電波が進入しない程度に細かい金属メッ
シュで構成してもよい。
【0028】検知窓16は、シールドケース14の側面
144に形成されている。図示の検知窓16は、シール
ドケース14の側面144の上縁で開口する切欠状であ
るが、貫通孔状に形成することもできる。またその形状
は、図示の矩形状に限らず、他の多角形状、円弧状また
は円形状等、任意の形状を取ることができる。
【0029】誘電体510は、第1の平板部511と、
第2の平板部513と、中間部512とを含み、第1の
平板部511、第2の平板部513及び中間部512が
一体に形成されている。第1の平板部511は、板厚が
d1に設定され、一面が第2の平板部513の他面に対
向している。中間部512は、第1の平板部511の一
面と、第2の平板部513の他面との間に備えられ、第
1の平板部511及び第2の平板部513を連結してい
る。誘電体510は、有機系、無機系、複合系のいずれ
であってもよい。
【0030】距離検知電極12は、箔状の金属でなり、
電極部121と、リード部122とを含む。電極部12
1は、第1の平板部511の他面に形成され、誘電体5
10と一体に備えられている。リード部122は、ばね
性を有し、電極部121の主面から弧を描いて延びてい
る。距離検知電極12の形状は任意であり、板状、線
状、円形状、矩形状など、多様な態様を採用し得る。
【0031】回路基板19には、リード部122をはん
だ付けするためのランド123が形成されている。回路
基板19には、距離センサとして必要な信号処理回路の
一部または全部を構成する電子部品及び導体パターン等
が搭載される。図では、これらの電子部品及び導体パタ
ーンは、省略してある。
【0032】回路基板19は、下蓋142に搭載され
る。中間部512は、検知窓16に凹凸嵌合し、検知窓
16を塞いでいる。第1の平板部511の一面は、シー
ルドケース14の内側面に備えられ、第2の平板部51
3の他面はシールドケース14の外側面に備えられる。
リード部122は、ランド123に圧接された状態では
んだ付けされる。シールドケース14は、上蓋141の
開口面と下蓋142の開口面とが向合うように重合わさ
れている。
【0033】本実施例に係る距離センサでは、シールド
ケース14が検知窓16を含み、距離検知電極12を一
体に備えた誘電体510が検知窓16に対応して配置さ
れているから、検知窓16を被測定体に対向させること
により、距離検知電極12と被測定体との間の距離を、
誘電体510の高い誘電率を利用して検出できる。
【0034】また、距離検知電極12は、誘電体510
と一体に備えられているから、被測定体と距離検知電極
12との間に配置された誘電体510の比誘電率εs
大きくすることにより、十分に大きな感度を得ることが
できるので、距離検知電極12から出力される信号が大
きくなり、距離検知電極12と被測定体との距離を正確
に検出できる。
【0035】また、距離検知電極12は、シールドケー
ス14の内部に収納されているから、ノイズの影響を受
けにくくなり、S/N比が大きくなる。
【0036】更に、シールドケース14は、距離の検出
に必要な検知窓16を有するのみでよいから、より完全
なシールドが達成でき、S/N比が極めて大きくなる。
【0037】また、本実施例に係る距離センサは、被測
定体と距離検知電極12との間に誘電体510が配置さ
れているので、被測定体と距離検知電極12との間に占
める空気の体積が小さくなる。このため、距離検知電極
12から出力される信号が変化しにくくなり、距離検知
電極12と被測定体との距離を正確に検出できる。
【0038】また、本実施例に係る距離センサは、距離
検知電極12と誘電体510とが一体に形成されてい
る。このため、誘電体510を検知窓16に対応して配
置することにより、距離検知電極12が位置決めされる
ので、距離検知電極12の配置が容易になる。
【0039】また、本実施例に係る距離センサは、距離
検知電極12が誘電体510と一体に形成され、誘電体
510が検知窓16に対応して配置されている。このた
め、誘電体510の取付け精度と同じ高い精度で距離検
知電極12を取付けることが可能になるので、特性にば
らつきが生じない。
【0040】また、本実施例に係る距離センサは、距離
検知電極12が誘電体510と一体に形成されている。
このため、振動や衝撃が加えられた場合であっても、距
離検知電極12にずれが生じないので、距離センサの特
性にばらつきが生ない。
【0041】また、本実施例に係る距離センサは、誘電
体510が検知窓16を塞いでいるので、防塵性を有す
る。
【0042】また、本実施例に係る距離センサは、誘電
体510が検知窓16を塞いでいるので、防湿性を有す
る。
【0043】また、本実施例に係る距離センサは、第1
の平板部511の板厚d1を所望の値に設定することに
より、距離検知電極12と検知窓16との距離を定める
ことができる。このため、距離検知電極12を配置する
ことが容易になると同時に、特性のばらつきが生じな
い。
【0044】また、本実施例に係る距離センサは、第1
の平板部511、第2の平板部513及び中間部512
を用いて、誘電体510及び距離検知電極12を位置決
めする。このため、距離検知電極12を取付けるための
冶具が不要になるので、製造コストを抑えることができ
る。
【0045】また、本実施例に係る距離センサは、第1
の平板部511と、第2の平板部513との間にシール
ドケース14の側面144が挟み込まれている。このた
め、はんだや接着剤を用いなくても、誘電体510及び
距離検知電極12を取付けることができるので、製造が
容易になる。
【0046】図3は本発明に係る距離センサの別の実施
例を示す断面図である。図3においては、図1、図2に
現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参
照符号を付してある。
【0047】本実施例に係る距離センサにおいて、誘電
体520は、第1の平板部511の一面上に突設された
突起部521を含む。突起部521は、検知窓16に嵌
合している。上記構造によれば、第1の平板部511及
び突起部521を用いて、誘電体520及び距離検知電
極12を位置決めすることができる。このため、距離検
知電極12を取付けるための冶具が不要になるので、製
造コストを抑えることができる。
【0048】図4は本発明に係る距離センサの更に別の
実施例を示す断面図である。図4においては、図1、図
2に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一
の参照符号を付してある。
【0049】本実施例に係る距離センサにおいて、誘電
体530は、嵌合部531を含み、嵌合部531が、検
知窓16に嵌合している。この構造によれば、嵌合部5
31を用いて、誘電体530及び距離検知電極12を位
置決めすることができる。このため、距離検知電極12
を取付けるための冶具が不要になるので、製造コストを
抑えることができる。
【0050】また、嵌合部531にシールドケース14
の側面144が挟み込まれている。このため、はんだや
接着剤を用いなくても、誘電体530及び距離検知電極
12を取付けることができるので、製造が容易になる。
【0051】図5は、図1に示した距離センサ50の使
用状態における構成を具体的に示す図である。図5にお
いて、被測定体40は、感光体ドラム、帯電した絶縁フ
ィルム等である。被測定体40の被測定面Sは直流高圧
電源VDCの一端に接続され、直流高圧電源VDCの他端
は、接地電位である第1基準電位GND1に接続されて
いる。この直流高圧電源VDCの内部インピーダンスは十
分に小さいので、無視できる。被測定面Sの表面電位V
sは、第1基準電位GND1に対して、例えば、0Vか
ら−1000Vまで変化する。
【0052】距離センサ50の距離検知電極12は、被
測定面Sとの距離を、非接触状態で測定すべく、被測定
面Sと対向するように配置され、被測定面Sに容量結合
されている。距離検知電極12と被測定面Sとの距離は
L2であり、その静電容量がC2となる。
【0053】回路基板19には、変位検出回路22が形
成されている。変位検出回路22は、信号発生器221
と、非反転増幅回路222とを含む。
【0054】信号発生器221は、第1基準電位GND
1に接地されている。非反転増幅回路222は、オペア
ンプA2と、抵抗R3とを含む。オペアンプA2の反転
入力端子は、距離検知電極12に接続されるとともに、
抵抗R3を介して出力端子に接続されている。オペアン
プA2の非反転入力端子は信号発生器221の出力端子
に接続されている。オペアンプA2の出力端子は、非反
転増幅回路222の出力端子となる。
【0055】距離センサの静電容量C2は、誘電率をε
0*εsとし、実効面積をS2とすると、 C2=ε0*εs*S2/L2 となる。ここで、距離検知電極12と被測定面Sとの間
には空気及び誘電体510のみが存在するので、誘電率
ε0*εsは一定であり、実効面積S2も一定である。そ
のため、静電容量C2は、距離L2の変化のみに依存
し、静電容量C2は、距離L2の逆数に比例する。静電
容量C2が距離L2の変化に依存して変化するので、距
離検知電極12から出力される信号は、被測定面Sとの
距離L2に対応する距離信号s2となる。
【0056】信号発生器221は、信号s21を出力す
る。信号s21は、周期と振幅が一定のAC信号であ
り、例えば、周波数が10kHzの正弦波とすることが
できる。
【0057】非反転増幅回路222は、信号発生器22
1から入力された信号s21を増幅して出力する。信号
s21の周波数をfとすると、距離検知電極12と被測
定面Sとの間のインピーダンスXcは、 Xc=1/(2πf*C2) (1) となり、非反転増幅回路222の増幅率は(Xc+R
3)/Xcとなる。この非反転増幅回路222の出力端
子から出力される電圧Voutは、信号s21の振幅を
Vmとすると、 Vout={(Xc+R3)/Xc}*Vm (2) と表せる。
【0058】信号s21の振幅Vm、周波数fは一定で
あるから、 Vout={(Xc+R3)/Xc}*Vm =(1+R3/Xc)*Vm =(1+R3*2πf*C2)*Vm =(1+R3*2πf*ε0*εs*S2/L2)*Vm (3) となり、電圧Voutは、距離L2の変化のみに依存し
て変化するAC信号となる。従って、距離L2を検出す
ることができる。
【0059】図6は、図1に示した距離センサ50の使
用状態における構成を、更に具体的に示すブロック図で
ある。図6において、図5に現れた構成部分と同一の構
成部分については、同一の参照符号を付し、重複説明は
省略する。
【0060】図6に図示された変位検出回路22は、信
号発生器221及び非反転増幅回路222の他、第2の
増幅器223と、第2の整流平滑回路224と、減算回
路225と、第2のレベルシフト回路226と、第1の
除算回路227とを含む。
【0061】図7は図6に示した距離センサに用い得る
信号発生器221の構成を具体的に示す回路図である。
図7に示す信号発生器221は、オペアンプA1と、抵
抗R1、R2と、信号源VGとを含む。信号源VGの一
端は第1基準電位GND1に接地されている。オペアン
プA1は、非反転入力端子が接地されている。オペアン
プA1の反転入力端子は、抵抗R1を介して信号源VG
の他端に接続されるとともに、抵抗R2を介して出力端
子に接続されている。オペアンプA1の出力端子は、信
号発生器221の出力端子となる。
【0062】図8は、図6に示した距離センサの動作波
形図である。以下、図6、図8を用いて、距離センサの
動作を説明する。まず、図7に示す信号発生器221で
は、信号源VGから入力された信号を、オペアンプA1
で反転増幅し、信号s21を出力する。信号s21を図
8(a)に示す。信号s21は、周期と振幅が一定のA
C信号であり、例えば、周波数が10kHzの正弦波と
することができる。
【0063】非反転増幅回路222は、信号発生器22
1から入力された信号s21を増幅して出力する。信号
s21の周波数をfとすると、距離検知電極12と被測
定面Sとの間のインピーダンスXcは、上掲式(1)で
表現され、非反転増幅回路222の増幅率は(Xc+R
3)/Xcとなる。この非反転増幅回路222の出力端
子から出力される電圧Voutは、上掲式(2)であら
わされ、上掲式(3)で表される電圧Voutが出力さ
れる。電圧Voutは、距離L2の変化のみに依存して
変化するAC信号となる。
【0064】第2の増幅器223、第2の整流平滑回路
224、減算回路225、シールドケース14は、信号
s21と同じ電位の第2基準電位GND2に接地されて
いる。第2の増幅器223は、非反転増幅回路222か
ら入力されたAC信号を交流増幅して信号s22を出力
する。信号s22を図8(b)に示す。
【0065】第2の整流平滑回路224は、信号s22
を整流平滑して信号s23を出力する。信号s23を図
8(c)に示す。この第2の整流平滑回路224は、第
2基準電位GND2に接地されているため、第2基準電
位GND2を基準にして、信号s22を整流し、平滑す
る。
【0066】減算回路225は、信号s23から信号s
21を減算して出力する。この減算回路225から出力
される信号は、直流の信号となる。
【0067】第2のレベルシフト回路226は、減算回
路225から入力された信号のレベルを調整して信号V
bを出力する。信号Vbを図8(d)に示す。
【0068】第2のレベルシフト回路226は、可変抵
抗を用いてゲインを調整可能にした非反転増幅回路等を
用いて構成してもよい。場合によっては、省略すること
も可能である。
【0069】第1の除算回路227は、信号Vbを基準
電圧Vrefで除算して、変位信号Vcを出力する。基
準電圧Vrefは、距離検知電極12が基準位置にある
とき、レベルシフト回路226から出力される信号と同
じ値に設定されている。したがって、変位信号Vcは、
基準位置からの変位に対応する信号となる。変位信号V
cを図8(e)に示す。
【0070】本実施例に係る距離センサは、高周波信号
を用いて距離検知電極12と被測定体40との距離を検
出している。このため、被測定体40の浮遊容量の影響
を受けないので、距離検知電極12と被測定体40との
距離を正確に検出できる。
【0071】また、本実施例に係る距離センサは、直流
高圧電源VDCの内部インピーダンスが静電容量C2のイ
ンピーダンスよりも十分に小さい。このため、距離検知
電極12から出力される信号が十分に大きくなるので、
距離検知電極12と被測定体40との距離を正確に検出
できる。
【0072】図9は本発明に係る距離センサを用いた表
面電位検出装置の使用状態における構成を概略的に示す
図である。図9において、表面電位検出装置は、図1、
図2に示した距離センサ50と、電位センサ60と、絶
縁体400と、信号処理回路20とを含む。電位センサ
60は、電位検知電極11と、第1のシールドケース1
3とを含む。第1のシールドケース13は、第1の検知
窓15を含む。
【0073】第1のシールドケース13及びシールドケ
ース14(以下、第2のシールドケースと称す)は、絶
縁体400により、互いに電気的に絶縁され、かつ、機
械的に結合されている。
【0074】電位検知電極11は、被測定面Sの表面電
位Vsを、非接触状態で測定すべく、被測定面Sと対向
するように配置され、被測定面Sに容量結合されてい
る。電位検知電極11は、第1のシールドケース13の
内部に収納され、第1の検知窓15に対応して設けられ
ている。
【0075】電位検知電極11からは、電位検知電極1
1と被測定面Sとの距離に対応する距離成分と、被測定
面Sの電位に対応する電位成分とを含む電位距離信号s
1が出力される。距離検知電極12からは、距離検知電
極12と被測定面Sとの距離に対応する距離信号s2が
出力される。
【0076】信号処理回路20は、電位距離信号s1及
び距離信号s2が入力され、距離信号s2を用いて、電
位距離信号s1から距離成分を除去し、被測定面Sの電
位に対応する信号s3を生成する。
【0077】したがって、本実施例に係る表面電位検出
装置は、電位検知電極11と被測定面Sとの距離が変動
した場合であっても、距離信号s2を用いて、電位距離
信号s1から距離成分を除去し、被測定面Sの電位に対
応する信号s3を生成できるので、被測定面Sの電位V
sを距離依存性を有することなく正確に検出することが
できる。
【0078】特に、本実施例に係る表面電位検出装置
は、電位検知電極11が収納された第1のシールドケー
ス13と、距離検知電極12が収納された第2のシール
ドケース14とを機械的に結合してあるので、距離検知
電極12と被測定面Sとの相対距離が電位検知電極11
と被測定面Sとの相対距離と同時に変化する。したがっ
て、距離検知電極12で得られた距離信号s2と、電位
検知電極11で得られた電位距離信号s1の距離成分と
は同じ距離を示すことになる。このため、電位距離信号
s1の距離成分を距離信号s2によって除去し、被測定
体の電位を距離依存性を有することなく正確に検出する
ことができる。
【0079】また、本実施例に係る表面電位検出装置
は、第1のシールドケース13と第2のシールドケース
14とが電気的に絶縁されているので、第1のシールド
ケース13と第2のシールドケース14とを別々の電位
に接地することができる。このため、第1のシールドケ
ース13に収納された電位検知電極11と、第2のシー
ルドケース14に収納された距離検知電極12との相互
干渉を回避し、被測定体の電位を正確に検出することが
できる。
【0080】また、本実施例に係る表面電位検出装置
は、電位検知電極11が第1のシールドケース13に収
納され、距離検知電極12が第2のシールドケース14
に収納されているので、電位検知電極11及び距離検知
電極12がノイズの影響を受けにくくなり、S/N比が
大きくなる。
【0081】しかも、上記構成によれば、高電圧をフィ
ードバックする必要がなくなるので、回路構成が簡単に
なるとともに、大型で高価な高耐電圧部品、例えば,高
圧発生用トランス、整流用の高耐圧ダイオード、整流用
の高耐圧コンデンサ、DC/DCコンバータ用高耐圧ト
ランスが不要になる。このため、本実施例に係る表面電
位検出装置を用いた表面電位検出装置は、小型で安価な
低耐圧部品、例えば、耐圧が数十V程度の表面実装型部
品を用いた簡単な回路で構成することができ、表面電位
検出装置を用いた表面電位検出装置が小型、軽量にな
り、安価になる。
【0082】また、本実施例に係る表面電位検出装置を
用いた表面電位検出装置は、電位検知電極11と被測定
面Sとの間の容量を大きな振幅で振動させることができ
るので、検出感度が高くなり、S/N比が大きくなる。
【0083】本実施例に係る表面電位検出装置におい
て、信号処理回路20は、受動回路素子、能動回路素子
を用いて構成した専用回路として構成してもよいし、そ
の一部または全部をコンピュータによって構成してもよ
い。また、電位検知電極11及び距離検知電極12の構
造についても、それが、所定の要求特性を満たすもので
ある限り、特に限定はない。例えば、電位検知電極11
は、チョッパ型のものであってもよいし、電子回路的手
法により結合容量を変化させるものであってもよい。
【0084】図10は図9に示した表面電位検出装置の
更に具体的な実施例を示す分解斜視図、図11は図10
に示した表面電位検出装置の断面図、図12は図10に
示した表面電位検出装置の一部の構成を更に具体的に示
す斜視図である。
【0085】図10、図11において、第1のシールド
ケース13は、金属平板で構成された第1の上蓋131
と、第1の下蓋132とからなり、第1の検知窓15
と、第1の切欠き17とを含む。第2のシールドケース
14は、上蓋141(以下、第2の上蓋と称す)と下蓋
142(以下、第2の下蓋と称す)とからなり、検知窓
16(以下、第2の検知窓と称す)と、第2の切欠き1
8とを含む。
【0086】第1のシールドケース13及び第2のシー
ルドケース14は、絶縁体400を介して、第1のシー
ルドケース13の側面133と、第2のシールドケース
14の側面143とが対向するように配置されている。
【0087】第1の検知窓15は、第1のシールドケー
ス13の側面134に形成され、第1の検知窓15及び
第2の検知窓16は、同一面側に形成されている。第1
の切欠き17は、側面133における側面134から遠
い側に設けられている。第2の切欠き18は側面143
における側面144から遠い側に設けられている。電位
検知電極11は、第1の検知窓15に対応して設けられ
ている。
【0088】信号処理回路20は、回路を構成する電子
部品(図示せず)と、図12に示すメカニカルチョッパ
216とを含む。メカニカルチョッパ216は、音叉を
構成すべく対向して配置された2つの脚に、圧電素子2
17、218が貼付けられている。
【0089】回路基板19は、1枚の基板でなる。この
回路基板19は、第1の基板部191と、第2の基板部
192と、連結部193とを含み、連結部193が第1
の基板部191と第2の基板部192とを連結してい
る。回路基板19は、一面にのみ、回路を構成する電子
部品が搭載され、回路パターンが形成されている。
【0090】回路基板19は、第1の切欠き17と第2
の切欠き18とをまたいで設けられ、第1の基板部19
1が第1の下蓋132の開口面に配置され、第2の基板
部192が第2の下蓋142の開口面に配置され、連結
部193が第1の切欠き17及び第2の切欠き18に対
応して配置されている。メカニカルチョッパ216は、
電位検知電極11と第1の検知窓15との間に設けられ
ている。
【0091】第1のシールドケース13は、第1の上蓋
131の開口面と第1の下蓋132の開口面とが向合う
ように重合わされている。第2のシールドケース14
は、第2の上蓋141の開口面と第2の下蓋142の開
口面とが向合うように重合わされている。電位検知電極
11、メカニカルチョッパ216及び第1の基板部19
1は、第1のシールドケース13の内部に収納され、距
離検知電極12及び第2の基板部192は、第2のシー
ルドケース14の内部に収納されている。
【0092】本実施例に係る表面電位検出装置は、回路
基板19が第1のシールドケース13と第2のシールド
ケース14との間隔を保持しているので、両者を電気的
に絶縁しつつ、機械的に結合することができる。
【0093】また、本実施例に係る表面電位検出装置
は、側面133と側面143との間に絶縁体400が設
けられているので、外部から与えられた応力により回路
基板19が撓んだ場合でも、第1のシールドケース13
と第2のシールドケース14とが接触することがなく、
両者の絶縁を確実に保つことができる。
【0094】また、本実施例に係る表面電位検出装置を
用いた表面電位検出装置は、切欠き17、18が設けら
れているので、第1のシールドケース13及び第2のシ
ールドケース14を回路基板19に、容易に位置決めす
ることができる。
【0095】また、本実施例に係る表面電位検出装置を
用いた表面電位検出装置は、切欠き17、18が検知窓
15、16から遠い部分に設けられているので、ノイズ
の影響を受けにくくなり、S/N比が大きくなる。
【0096】また、本実施例に係る表面電位検出装置を
用いた表面電位検出装置は、回路基板19の連結部19
3を小さくすることにより、切欠き17、18を小さく
することができる。このため、切欠き17、18から電
波が進入しにくくなるので、ノイズの影響を受けにくく
なり、S/N比が大きくなる。
【0097】また、本実施例に係る表面電位検出装置を
用いた表面電位検出装置は、回路を構成する電子部品が
同一の回路基板に搭載されているので、回路基板に電子
部品を搭載する作業が容易になる。
【0098】また、本実施例に係る表面電位検出装置を
用いた表面電位検出装置は、回路を構成する電子部品が
同一の回路基板に搭載されているので、回路パターンに
よる配線が可能となり、コネクタや、ワイヤを用いる必
要がなくなる。このため、部品点数を減らすことがで
き、低コスト化を図ることができる。また、コネクタ
や、ワイヤを用いる必要がなくなるので、線路から生じ
るノイズを低減することができ、S/N比が大きくな
る。
【0099】また、実施例に示すように、電位検知電極
11と距離検知電極12との距離は、小さくすることが
好ましい。電位検知電極11と距離検知電極12との距
離が小さい場合には、電位検知電極11と被測定面Sと
の間の相対距離と、距離検知電極12と被測定面Sとの
間の相対距離との差が小さくなるので、検出精度が高く
なる。
【0100】図13は本発明に係る距離センサを用いた
表面電位検出装置の別の実施例を示す分解斜視図であ
る。図14は、図13に示した表面電位検出装置の断面
図である。
【0101】図13、図14においては、図9〜図12
に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の
参照符号を付してある。図13、図14に示す表面電位
検出装置は、図9〜図12に示した構成に加えて、絶縁
基板61とねじ70と金属部材80とを含む。
【0102】絶縁基板61は、剛性の高い基板であり、
一方面にエンボス62が形成されている。第1の下蓋1
32、第2の下蓋142には、エンボス62に対応する
穴が形成されている。回路基板19には、ねじ70に対
応する穴が形成されている。
【0103】そして、本実施例に係る表面電位検出装置
は、第1の下蓋132、第2の下蓋142に形成された
穴とエンボス62とが対応するように、第1の下蓋13
2及び第2の下蓋142が絶縁基板61に搭載され、接
着剤等で固定されている。回路基板19は、エンボス6
2の上に搭載され、エンボス62にはめ込まれたねじ7
0で固定される。
【0104】メカニカルチョッパ216は、金属部材8
0を介して第1の下蓋132に固定され、第1の下蓋1
32と電気的に接続される。そして、第1の下蓋132
及び第2の下蓋142に、第1の上蓋131及び第2の
上蓋141が重合わされる。
【0105】本実施例に係る表面電位検出装置は、回路
基板19がエンボス62を介して第1の下蓋132及び
第2の下蓋142に搭載されているので、回路基板19
の両面に回路を構成する電子部品を搭載し、回路パター
ンを形成することができる。
【0106】また、本実施例に係る表面電位検出装置
は、絶縁基板61が剛性を有するため、外部から応力が
加えられた場合であっても、表面電位検出装置が撓むこ
とがない。
【0107】図15は、図9に示した表面電位検出装置
の構成を更に具体的に示すブロック図である。
【0108】図15において、信号処理回路20は、電
位検出回路21と、変位検出回路22と、演算回路23
とを含む。電位検出回路21は、インピーダンス変換回
路211と、第1の増幅器212と、第1の整流平滑回
路213と、第1のレベルシフト回路214と、変調信
号発生回路215と、メカニカルチョッパ216とを含
む。
【0109】回路を構成する電子部品であるインピーダ
ンス変換回路211、第1の増幅器212、第1の整流
平滑回路213、第1のレベルシフト回路214、変調
信号発生回路215、信号発生器221、非反転増幅回
路222、第2の増幅器223、第2の整流平滑回路2
24、減算回路225、第2のレベルシフト回路22
6、第1の除算回路227、演算回路23は、回路基板
19の一面に搭載されている。
【0110】そして、インピーダンス変換回路211、
第1の増幅器212、第1の整流平滑回路213、第1
のレベルシフト回路214、変調信号発生回路215、
信号発生器221、第2の整流平滑回路224、減算回
路225、第2のレベルシフト回路226、第1の除算
回路227、演算回路23は、第1のシールドケース1
3に収納され、非反転増幅回路222、第2の増幅器2
23は、第2のシールドケース14に収納されている。
【0111】電位検知電極11と被測定面Sとの距離L
1は、距離L2と同じ値に設定されており、その静電容
量がC1となる。
【0112】図16は、図15に示した表面電位検出装
置の電位検出回路21及び演算回路23の動作波形図で
ある。以下、図15、図16を用いて、表面電位検出装
置の動作を説明する。
【0113】第1のシールドケース13は、接地電位で
ある第1基準電位GND1に接地されている。電位検出
回路21の変調信号発生回路215は、一定の周波数の
信号、例えば、700Hzの信号を出力する。メカニカ
ルチョッパ216は、変調信号発生回路215から入力
された信号の周波数で、被測定面Sと電位検知電極11
との間に挿入される。メカニカルチョッパ216が挿入
されると、被測定面Sと電位検知電極11との間の誘電
率がΔε0だけ変化し、静電容量C1がΔC1だけ変化
する。
【0114】電位検知電極11に発生する電荷ΔQは、
実効面積をS1とし、被測定面Sと電位検知電極11と
の間の電位差をV1とすると、 ΔQ=(Δε0S1/L1)*V1 =ΔC1*V1 と表せる。したがって、電位検知電極11に誘起される
変調電流iは、 i=ΔQ/Δt =(Δε0S1/L1)*V1/Δt =ΔC1*V1/Δt と表せる。変調電流iは、電位検知電極11と被測定面
Sとの距離に対応する距離成分L1と、被測定面の電位
に対応する電位成分V1とを含む。そして、電位検知電
極11は、変調電流iを電位距離信号s1として出力す
る。
【0115】インピーダンス変換回路211は、電位検
知電極11から入力された電位距離信号s1を電圧信号
に変換すると同時に、ハイ・インピーダンスをロー・イ
ンピーダンスに変換し、扱い易い信号にして出力する。
【0116】第1の増幅器212は、インピーダンス変
換回路211から入力された信号をAC増幅して信号s
11を出力する。信号s11を図16(a)に示す。信
号s11は、変調信号発生回路215から出力される信
号と同一の周波数、例えば、700Hzの略正弦波信号
となる。
【0117】第1の整流平滑回路213は、信号s11
をDC信号に変換して、被測定面Sの電位Vsに対応す
る成分と変位信号に比例する成分とが乗算された信号を
出力する。
【0118】第1のレベルシフト回路214は、第1の
整流平滑回路213から入力された信号のDCレベルを
調整して、電位変位信号Vaを出力する。電位変位信号
Vaを図16(b)に示す。
【0119】第1のレベルシフト回路214は、第2の
レベルシフト回路226と同様の非反転増幅回路を用い
て構成することができる。場合によっては、省略するこ
とも可能である。
【0120】演算回路23は、電位変位信号Vaと変位
信号Vcとが入力され、電位変位信号Vaから変位信号
Vcを除算して、信号s3を生成する。信号s3を図1
6(c)に示す。この信号s3は、被測定面Sの表面電
位Vsに対応する信号となる。
【0121】次に、表面電位検出装置と被測定面Sとの
距離が変動した場合に、電位検知電極11と被測定面S
との距離L1に対応する距離成分を除去して出力する方
法について説明する。図17に、被測定面Sの表面電位
Vsと信号Vbとの関係を示し、図18に、被測定面S
の表面電位Vsと電位変位信号Vaとの関係を示す。
【0122】図17、図18に示すように、信号Vbは
表面電位Vsには依存せず、距離L2に依存する。電位
変位信号Vaは、表面電位Vsに比例し、かつ、距離L
1に依存する。
【0123】本実施例においては、被測定面Sと電位検
知電極11との距離L1が、被測定面Sと距離検知電極
12との距離L2と同一であるため、距離L1(=L
2)が変化したとき静電容量C1、C2は同じ割合だけ
変化する。そのため、距離L1が変動したときの信号V
bの変化量は、電位変位信号Vaの変化量に比例する。
【0124】したがって、距離L1=x1、x2である
とき、電位変位信号Va=Va(x1)、Va(x
2)、信号Vb=Vb(x1)、Vb(x2)とする
と、 Va(x1)/Va(x2)=Vb(x1)/Vb(x
2) と表せる。ここで、x1を基準位置、Vb(x1)を基
準電圧(Vref)と定めれば、 Va(x1)=Va(x2)/(Vb(x2)/Vref) =Va(x2)/Vc となる。
【0125】表面電位検出装置においては、距離L1が
基準位置(x1)から変動したx2にあるとき、Va
(x2)、Vb(x2)が検出される。したがって、V
a(x2)、Vb(x2)を上式に代入すれば、被測定
面Sの電位Vsを距離依存性を有することなく正確に検
出することができる。
【0126】このように表面電位検出装置の信号処理回
路20は、変位検出回路22が変位信号Vc=Vb/V
refを出力し、電位検出回路21が電位変位信号Va
を出力する。そして、信号処理回路20の演算回路23
は、電位変位信号Vaから変位信号Vcを除算すること
により、電位検知電極11と被測定面Sとの距離L1に
対応する成分を除去することができ、被測定面Sの表面
電位Vsに対応する信号s3を出力することができる。
【0127】図19に、表面電位Vsの検出結果を示
す。図19は、基準位置(x1)を3mmとし、距離L
1が基準位置から変動した場合の表面電位Vsの検出結
果を示す図である。図19において、本発明に係る表面
電位検出装置により検出した信号s3を実線で示し、従
来の高圧フィードバック型の電位検出装置により検出し
た結果を一点鎖線で示す。
【0128】図19に示すように、本発明に係る表面電
位検出装置は、被測定面Sと電位検知電極11との距離
L1が変動した場合であっても、被測定面Sの電位Vs
を距離依存性を有することなく正確に検出することがで
きる。
【0129】また、本実施例に係る表面電位検出装置
は、インピーダンスが高い部分である電位検知電極1
1、インピーダンス変換回路211、第1の増幅器21
2が第1のシールドケース13に収納され、インピーダ
ンスが高い部分である距離検知電極12、非反転増幅回
路222、第2の増幅器223が第2のシールドケース
14に収納され、第1のシールドケース13が第1基準
電位GND1に接地され、第2のシールドケース14が
第2基準電位GND2に接地されている。このため、イ
ンピーダンスが高い部分がノイズの影響を受けにくくな
るので、S/N比が大きくなる。
【0130】また、本実施例に係る表面電位検出装置
は、回路基板19の一面にのみ電子部品が搭載され、回
路パターンが形成されている。このため、回路基板19
を第1のシールドケース13及び第2のシールドケース
14に配置する際に、第1のシールドケース13及び第
2のシールドケース14と、回路基板19の他面との間
を絶縁する必要がなくなるので、製造が容易になる。
【0131】また、本発明に係る表面電位検出装置にお
いて、インピーダンスが低い部分である第1の整流平滑
回路213、第1のレベルシフト回路214、変調信号
発生回路215、信号発生器221、第2の整流平滑回
路224、減算回路225、第2のレベルシフト回路2
26、第1の除算回路227、演算回路23は、第1の
シールドケース13に収納されていなくてもよく、第1
のシールドケース13及び第2のシールドケース14の
外部に設けてもよい。
【0132】また、本発明に係る表面電位検出装置にお
いて、距離検知電極12と被測定面Sとの距離L2は、
電位検知電極11と被測定面Sとの距離L1と異なった
値でもよい。但し、実施例に示したように、これらの距
離が同じ値である場合には、信号処理が容易になる。
【0133】図20は、本発明に係る距離センサを用い
た表面電位検出装置の更に別の実施例を示すブロック図
である。図20においては、図15に現れた構成部分と
同一の構成部分については、同一の参照符号を付してあ
る。
【0134】図20に示す表面電位検出装置は、電位検
知電極11と、距離検知電極12と、第1のシールドケ
ース13と、第2のシールドケース14と、電位検出回
路31と、変位検出回路22と、演算回路23とを含
む。
【0135】電位検出回路31は、インピーダンス変換
回路211と、第1の増幅器212と、第1の整流平滑
回路213と、第1のレベルシフト回路214と、変調
信号発生回路215と、静止電極317と、インピーダ
ンス発生器318とを含む。
【0136】被測定面Sと電位検知電極11とは、静止
電極317を介して対向し、静電容量C1を構成してい
る静止電極317は、導電性材料、例えば、金属材料に
より構成することができる。インピーダンス発生器31
8の一端は静止電極317に電気的に接続されており、
他端は第1のシールドケース13に電気的に接続されて
いる。インピーダンス発生器318と静止電極317と
は、第1のシールドケース13に収納されている。
【0137】本実施例に係る表面電位検出装置は、変調
信号発生回路215が一定の周波数の信号、例えば、7
00Hzの信号を出力する。インピーダンス発生器31
8は、変調信号発生回路215から入力された信号の周
波数で、静止電極317のインピーダンスを周期的に変
化させる。この静止電極317のインピーダンスは、例
えば、周波数700Hzの正弦波状に変化する。
【0138】静止電極317のインピーダンスが変化す
ると、静電容量C1が変化し、電位検知電極11から電
位距離信号s1が出力される。この動作は、基本的に
は、図14〜図19を参照して説明した表面電位検出装
置の動作と異なることはない。
【0139】図21は本発明に係る距離センサを用いた
トナー濃度検出装置を示す図である。トナー濃度検出装
置は、距離センサ50と、トナー濃度センサ71とを含
む。距離センサ50は図1〜図8に示した本発明に係る
距離センサである。
【0140】図21に図示されたトナー濃度検出装置
は、カラー複写機、カラープリンタ等のカラー画像形成
装置において、カラートナー及びブラックトナーの濃度
を、感光体ドラム上で検出するのに用いることができ
る。
【0141】カラー画像形成装置では、イエロー(Y
e)、マゼンタ(Mg)、シアン(Sy)の3色のカラ
ートナーと共に、ブラックトナーを用い、ブラックを含
む全てのカラーを再現できるようにしてある。トナー濃
度センサ71は、カラー画像形成装置において、良好な
色再現性を確保するため、感光体ドラム40に付着した
トナー層41を構成するカラートナー及びブラックトナ
ーの濃度を検出するのに用いられる。
【0142】トナー濃度センサ71は、ケース711の
内部に発光素子712及び受光素子713を配置した構
造になっている。ケース711はシールド機能を持つ必
要はない。ケース711の一側面は、距離センサ50の
一側面に、接着剤等の接合部材401によって結合され
ている。
【0143】発光素子712から出射された赤外線等の
光は、感光体ドラム40の表面に付着されたトナー層4
1の表面で反射し、受光素子713に入射される。トナ
ー層41の表面で反射される反射光は、トナー層41の
種類、即ち、トナー層41がイエロー(Ye)である
か、マゼンタ(Mg)であるか、シアン(Sy)である
か、または、ブラックであるかによって、異なった分光
反射率を示す。従って、発光素子712及び受光素子7
13により、各色の分光波長に従った光学系を構成する
ことにより、トナー層41の色ごとのトナー濃度検出信
号を得ることができる。受光素子713で得られたトナ
ー濃度検出信号は、信号処理装置200に供給される。
【0144】図示されたトナー濃度センサ71は、発光
素子712から出射された光を、トナー層41の表面で
反射させ、受光素子713に導く光学経路を含んでいる
ので、この経路の光学的距離の変動が、トナー濃度検出
精度に直接に影響する。光学的距離は、トナー濃度セン
サ71から感光体ドラム40上のトナー層41の表面ま
での距離L3に依存して変化する。
【0145】そこで、図21のトナー濃度検出装置で
は、トナー濃度センサ71に距離センサ50を一体的に
組み合わせ、トナー濃度センサ71からトナー層41の
表面までの距離を、距離センサ50によって検出し、そ
の検出信号に基づいて、トナー濃度センサ71から信号
処理装置200に供給されるトナー濃度検出信号に、距
離補正を加える。これにより、トナー濃度を、距離によ
る影響を受けることなく、高精度で検出できる。
【0146】図22は、本発明に係る距離センサ50
を、カラー画像形成装置に含まれる現像ゾーンにおい
て、磁気ロール723と現像剤調整バー724との間の
距離L4を検出するのに用いた例を示している。磁気ロ
ール723は、混合ホイール721と感光体ドラム40
との間に配置され、混合コイール721で混合された現
像剤を、その表面に磁気的に吸着して、磁気ブラシMB
を立てる。現像剤は、カラートナーまたはブラックトナ
ーと、磁性粉とを混合したものである。
【0147】磁気ブラシMBの高さは現像剤の量に相当
し、現像剤の寡多はプリント品質に直接的影響を及ぼ
す。そこで、図22の例では、磁気ロール723から距
離L4を隔てて現像剤調整バー724を配置し、現像剤
調整バー724を移動させて距離L4を調整し、それに
よって磁気ブラシMBの高さ、即ち、現像剤量を調整す
るようになっている。
【0148】距離L4の調整に当っては、距離L4を検
出しなければならない。その手段として、現像剤調整バ
ー724に本発明に係る距離センサ50を搭載してあ
る。
【0149】図22において、磁気ロール723、混合
ホイール721、現像剤調整バー724、トナー小出し
ブラシ725等は、外箱720の内部に収納されてい
る。
【0150】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)被測定体との距離を正確に検出できる距離センサ
を提供することができる。 (b)特性にばらつきが生じない距離センサを提供する
ことができる。 (c)小型化の可能な距離センサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る距離センサの構成を示す分解斜視
図である。
【図2】図1に示した距離センサの断面図である。
【図3】本発明に係る距離センサの別の実施例を示す断
面図である。
【図4】本発明に係る距離センサの更に別の実施例を示
す断面図である。
【図5】図1に示した距離センサの使用状態における構
成を具体的に示す図である。
【図6】図1に示した距離センサの使用状態における別
の構成を具体的に示すブロック図である。
【図7】図6に示した距離センサの一部の構成を更に具
体的に示す回路図である。
【図8】図6に示した距離センサの動作波形図である。
【図9】本発明に係る距離センサを用いた表面電位検出
装置の使用状態における構成を概略的に示す図である。
【図10】図9に示した表面電位検出装置の更に具体的
な実施例を示す分解斜視図である。
【図11】図10に示した表面電位検出装置の断面図で
ある。
【図12】図10に示した表面電位検出装置の一部の構
成を更に具体的に示す斜視図である。
【図13】本発明に係る距離センサを用いた表面電位検
出装置の別の実施例を示す分解斜視図である。
【図14】図13に示した表面電位検出装置の断面図で
ある。
【図15】図9に示した表面電位検出装置の構成を更に
具体的に示すブロック図である。
【図16】図15に示した表面電位検出装置の電位検出
回路及び演算回路の動作波形図である。
【図17】被測定面Sの表面電位Vsと信号Vbとの関
係を示す図である。
【図18】被測定面Sの表面電位Vsと電位変位信号V
aとの関係を示す図である。
【図19】表面電位Vsの検出結果を示す図である。
【図20】本発明に係る距離センサを用いた表面電位検
出装置の更に別の実施例を示すブロック図である。
【図21】図21は本発明に係る距離センサを用いたト
ナー濃度検出装置を示す図である。
【図22】本発明に係る距離センサを、カラー画像形成
装置に含まれる現像ゾーンにおいて、磁気ロールと現像
剤調整バーとの間の距離を検出するのに用いた例を示す
図である。
【符号の説明】
12 距離検知電極 14 シールドケース 16 検知窓 141 上蓋 142 下蓋 510 誘電体 19 回路基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 距離検知電極と、シールドケースと、誘
    電体とを含む距離センサであって、 前記シールドケースは、検知窓を含み、 前記誘電体は、前記検知窓に対応して配置され、 前記距離検知電極は、前記誘電体と一体に備えられ、前
    記シールドケースの内部に収納されている距離センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された距離センサであっ
    て、 前記誘電体は、前記検知窓を塞いでいる距離センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された距離センサ
    であって、 前記誘電体は、前記検知窓に、凹凸嵌合により取付けら
    れている距離センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかに記載された
    距離センサであって、 前記誘電体は、第1の平板部と、突起部とを含み、 前記突起部は、前記第1の平板部の一面上に突設され、
    前記検知窓に嵌合されている距離センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3の何れかに記載された
    距離センサであって、 前記誘電体は、第1の平板部と、第2の平板部と、中間
    部とを含み、 前記第1の平板部は、一面が前記第2の平板部の他面に
    対向し、 前記中間部は、前記第1の平板部の前記一面と、前記第
    2の平板部の前記他面との間に備えられ、前記検知窓に
    嵌合されている距離センサ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載された距離センサ
    であって、 前記距離検知電極は、前記第1の平板部の他面に形成さ
    れている距離センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501106A (ja) * 2007-04-26 2011-01-06 イデント テクノロジー アーゲー 四肢の位置又は位置の変化を表す信号を生成するセンサ装置及び方法
JP2011197991A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Sony Corp センサ装置および表示装置

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