JP2003004062A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

固定型等速自在継手

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JP2003004062A
JP2003004062A JP2001191553A JP2001191553A JP2003004062A JP 2003004062 A JP2003004062 A JP 2003004062A JP 2001191553 A JP2001191553 A JP 2001191553A JP 2001191553 A JP2001191553 A JP 2001191553A JP 2003004062 A JP2003004062 A JP 2003004062A
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ball
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constant velocity
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JP2001191553A
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Akira Nakagawa
亮 中川
Katsuyuki Ikei
勝幸 池井
Hisaaki Kura
久昭 藏
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定型等速自在継手の許容負荷トルクを向上
し、かつ、十分なトラック溝深さを確保して、ボールが
トラック溝から外れて球面部に乗り上げることや、打音
を防止する。 【解決手段】 外輪1と、内輪2と、8個のボール3
と、保持器4とで構成され、外輪1の案内溝1bの溝底
が曲線状になった部位の中心O1が内径面1aの球面中
心に対して、内輪2の案内溝2bの溝底が曲線状になっ
た部位の中心O2が外径面2aの球面中心に対して、そ
れぞれ、軸方向に等距離F(=Fo=Fi)だけ反対側
にオフセットされた固定等速自在継手であって、前記オ
フセット量Fと、前記外輪1の案内溝1bの溝底が曲線
状になった部位の中心O1または前記内輪2の案内溝2
bの溝底が曲線状になった部位の中心O2と前記ボール
3の中心O3とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比R1
(=F/PCR)が、0.069≦R1≦0.121の
範囲で、かつ、各案内溝1b,2bとボール3との接触
角αを37°以下に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、8個のボールを
備えた固定型等速自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】図5(A)(B)に示すのは、固定型等
速自在継手として代表的なツェパー型等速自在継手であ
る。この等速自在継手は、内径面11aに6本の曲線状
の案内溝11bを軸方向に形成した外側継手部材として
の外輪11と、外径面12aに曲線状の6本の案内溝1
2bを軸方向に形成し内径面に軸部15を連結するため
の歯型(セレーションまたはスプライン)12cを形成
した内側継手部材としての内輪12と、外輪11の案内
溝11bと内輪12の案内溝12bとが協働して形成さ
れる各ボールトラックに配された6個のボール13と、
ボール13を保持する保持器14とで構成される。
【0003】外輪11の案内溝11bの中心Aは内径面
11aの球面中心Oに対して、内輪12の案内溝12b
の中心Bは外径面12aの球面中心Oに対して、それぞ
れ、軸方向に等距離だけ反対側(案内溝11bの中心A
は継手の開口側、案内溝12bの中心Bは継手の奥部
側)にオフセットされている。保持器14の案内面とな
る外輪11の内径面11aおよび内輪12の外径面12
aの球面中心Oは、いずれも継手中心面O−O内にあ
る。
【0004】外輪11と内輪12とが角度θだけ角度変
位すると、保持器14に案内されたボール13は常にど
の作動角θにおいても、角度θの2等分面(θ/2)内
に維持され、そのため継手の等速性が確保される。
【0005】上記の固定型等速自在継手において、高角
(最大作動角50°)対応の等速自在継手は、ボール1
3が6個のアンダーカットフリージョイントであった
が、ボール個数を増やし、ボール径を小さくすること
で、強度、耐久性が同等で、よりコンパクトな8個ボー
ルのアンダーカットフリージョイントが開発されている
(例えば、特開平9−317784号公報参照)。
【0006】上記特開平9−317784号公報には、
8個ボールの固定型等速自在継手において、トラックオ
フセット量(F)と、外側継手部材の案内溝の中心また
は内側継手部材の案内溝の中心とボールの中心とを結ぶ
線分の長さ(PCR)との比R1(=F/PCR)につ
いて記述されており、その適正値についても開示されて
いる。
【0007】上記の開示を要約すると、次のとおりであ
る。 1.オフセット量が大き過ぎる場合 トラック溝が浅くなり、高作動角域において、許容負
荷トルクが低下する。 保持器の柱が細くなり、保持器の強度が低下する。 2.オフセット量が小さ過ぎる場合 トラック荷重の増加により、耐久性の低下を招く。 最大作動角が低下する。 したがって、トラックオフセット量は、最適な領域、す
なわち、トラックオフセット量(F)と、外側継手部材
の案内溝の中心または内側継手部材の案内溝の中心とボ
ールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比R1
(=F/PCR)を、0.069≦R1≦0.121の
範囲内に設定することが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−317784号公報では、トラックボールの接
触角については、述べられていない。トラックの許容負
荷トルクを大きくするには、オフセット量を小さくする
ことが有効であるが、オフセット量を小さくすることに
より、新たな問題点が発生する。すなわち、ボール径を
小さく設定することや、継手をよりコンパクトに設計
し、強度的に最弱な部品である保持器の肉厚を確保しよ
うとすると、必然的に外輪および内輪のトラック溝深さ
が浅くなる。トラック溝深さが十分確保されていない
と、高作動角時や高負荷時に、ボールの接触楕円がトラ
ック溝部から外れ、球面部に乗り上げてしまい、角部の
欠けや異常摩耗の不具合が発生する。
【0009】そこで、本発明の目的は、8個ボールの固
定型等速自在継手において、十分なトラック溝深さを確
保して、ボールの接触楕円がトラック溝から外れて球面
部に乗り上げることのない継手を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
の課題を解決するために、内径面に8本の曲線状の案内
溝を形成した外側継手部材と、外径面に8本の曲線状の
案内溝を形成し内径面に軸部を連結するための歯型を形
成した内側継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継
手部材の案内溝とが協働して形成されるボールトラック
に配された8個のボールと、ボールを保持する保持器と
を備え、外側継手部材の案内溝の中心が内径面の球面中
心に対して、内側継手部材の案内溝の中心が外径面の球
面中心に対して、それぞれ、軸方向に等距離(F)だけ
反対側にオフセットされた固定型等速自在継手であっ
て、前記オフセット量(F)と、前記外側継手部材の案
内溝の中心または前記内側継手部材の案内溝の中心と前
記ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比R
1(=F/PCR)が、0.069≦R1≦0.121
の範囲で、かつ、各案内溝とボールとの接触角が37°
以下であることを特徴とするものである。
【0011】すなわち、上記特開平9−317784号
公報で開示されるように、オフセット量(F)と、前記
外側継手部材の案内溝の中心または前記内側継手部材の
案内溝の中心と前記ボールの中心とを結ぶ線分の長さ
(PCR)との比R1(=F/PCR)が、0.069
≦R1≦0.121の範囲内になるように設定したもの
を前提とする。
【0012】しかし、トラックオフセット量を小さくす
ると、外内輪トラック溝間のくさび角(2τ)の反転開
始角度が小さくなり、くさび角(2τ)の反転時にボー
ルがトラックの中で遊びやすくなることから、打音の発
生が懸念される。そこで、このくさび反転開始角度を、
少なくとも車両などの常用角(一般に9°以下)以上に
設定するために、各案内溝とボールとの接触角を37°
以下に設定する。
【0013】ここで、上記くさび角(2τ)とは、ボー
ルと外輪トラックとの負荷側接触点の共通法線と、ボー
ルと内輪トラックの負荷側接触点の共通法線とのなす角
度をいう。
【0014】オフセット量(F)と、前記外側継手部材
の案内溝の中心または前記内側継手部材の案内溝の中心
と前記ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との
比R1(=F/PCR)と、接触角αと、くさび反転開
始角度との関係を、下表に示す。
【0015】
【表1】
【0016】この表1から、接触角αが小さいほど、く
さび反転開始角度を大きくすることができることが分か
る。また、オフセット量(F)が大きいほど、くさび反
転開始角度を大きくできることが分かる。
【0017】したがって、上記の構成のように、オフセ
ット量(F)と、前記外側継手部材の案内溝の中心また
は前記内側継手部材の案内溝の中心と前記ボールの中心
とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比R1(=F/PC
R)を、0.069≦R1≦0.121の範囲内に設定
するとともに、各案内溝とボールとの接触角αを37°
以下としたことにより、ボールの接触楕円がトラック溝
部から外れて球面部に乗り上げてしまうことがなくなる
とともに、少なくとも車両などの常用角以下の作動角に
おいて、トラックの中でのボールの遊びがなくなり、打
音の発生がなくなる。
【0018】請求項2に記載された固定型等速自在継手
は、請求項1に記載の固定型等速自在継手において、前
記外側継手部材および内側継手部材の各案内溝に、直線
状の溝底を有するストレート部を設けたものである。
【0019】このように、外側継手部材および内側継手
部材の各案内溝に、直線状の溝底を有するストレート部
を設けた場合も、上記と同様に、ボールの接触楕円がト
ラック溝部から外れて球面部に乗り上げてしまうことが
なくなるとともに、少なくとも車両などの常用角以下の
作動角において、トラックの中でのボールの遊びがなく
なり、打音の発生がなくなるという作用効果が得られ
る。
【0020】上記のように、トラック接触角αを小さく
すると、同時に、接触点から角部(トラックと内径のつ
なぎ部まで)の距離が長くなり、許容負荷トルクを大き
くできる効果もある。
【0021】その反面、トラックとボールの接触面圧が
大きくなるため、接触角を小さくし過ぎると、継手の耐
久性の低下を招く恐れがある。
【0022】そこで、請求項3の発明は、上記の問題点
を解決するために、請求項1または2に記載の固定型等
速自在継手において、上記外側継手部材および内側継手
部材の各案内溝とボ−ルとの接触角を、基本トルクを負
荷したときの接触面圧が2.7GPa以下となるように
下限を決定したものである。
【0023】ここで、上記の「基本トルク」なる用語
は、外側継手部材および内側継手部材の各案内溝とボー
ルとの接触応力(ヘルツの応力)から決められたトルク
値で、100rpmで1,500時間寿命が得られるト
ルクを意味し、通称、連続トルクという。このトルク
は、等速自在継手の寿命計算に用いる基準トルクであ
る。
【0024】すなわち、外側継手部材および内側継手部
材の各案内溝とボ−ルとの接触角を、基本トルクを負荷
したときの接触面圧が2.7GPa以下となるように下
限を決定することにより、従来品と同等以上の耐久性が
得られる。
【0025】請求項4の発明は、請求項1から3に記載
の固定型等速自在継手において、上記外側継手部材およ
び内側継手部材の各案内溝とボールとの接触角を29°
〜37°の範囲に設定したものである。
【0026】このように、外側継手部材および内側継手
部材とボールとの接触角を29°以上に設定したことに
より、各案内溝とボ−ルとの接触面圧が抑えられ、従来
品と同等以上の耐久性が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に例示した本発明の実
施の形態を説明する。
【0028】図1(A)は一部を断面にした固定型等速
自在継手の縦断面図であり、図1(B)は横断面図を示
す。なお、図1(B)は図(A)のO−O線に沿った横
断面図である。図2はトラックオフセット角について説
明するための、図1(A)の要部拡大縦断面図である。
【0029】図1(A)(B)および図2に示すよう
に、固定型等速自在継手は、内径面1aに8本の曲線状
の案内溝1bを軸方向に形成した外側継手部材としての
外輪1と、外径面2aに8本の曲線状の案内溝2bを軸
方向に形成し内径面に軸部5を連結するための歯型(セ
レーションまたはスプライン)2cを形成した内側継手
部材としての内輪2と、外輪1の案内溝1bと内輪2の
案内溝2bとが協働して形成されるボールトラックに配
された8個のボール3と、これらの8個のボール3を所
定間隔で保持する保持器4とで構成される。
【0030】この実施形態において、外輪1の案内溝1
bの溝底が曲線状になった部位の中心(外輪トラックセ
ンター)O1は内径面1aの球面中心に対して、内輪2
の案内溝2bの溝底が曲線状になった部位の中心(内輪
トラックセンター)O2は外径面2aの球面中心に対し
て、それぞれ、軸方向に等距離(Fo)(Fi)だけ反
対側にオフセットされている。
【0031】保持器4の外径面4aの球面中心、およ
び、保持器4の外径面4aの案内面となる外輪1の内径
面1aの球面中心は、いずれも、継手中心Oおよびボー
ル3の中心O3を含む継手中心面O−O内にある。ま
た、保持器4の内径面4bの球面中心、および、保持器
4の内径面4bの案内面となる内輪2の外径面2aの球
面中心は、いずれも、継手中心面O−O内にある。それ
故、外輪1の上記オフセット量(Fo)は、案内溝1b
の溝底が曲線状になった部位の中心O1と継手中心面O
−Oとの間の軸方向距離となり、内輪2の上記オフセッ
ト量(Fi)は、案内溝2bの溝底が曲線状になった部
位の中心O2と継手中心面O−Oとの間の軸方向距離と
なり、両者は等しい。
【0032】なお、本実施例においては、保持器4の外
径面4aの球面中心と保持器4の内径面4bの球面中
心、およびボール3の中心O3が直線状に並んでいる
が、ボール3の中心O3に対して、保持器4の外径面4
aの球面中心と保持器4の内径面4bの球面中心を、軸
方向にそれぞれ反対の方向に等距離だけずらしてもよ
い。
【0033】外輪1の案内溝1bの溝底が曲線状になっ
た部位の中心O1と内輪2の案内溝2bの溝底が曲線状
になった部位の中心O2とは、継手中心面O−Oに対し
て軸方向に等距離(Fo=Fi)だけ反対側(案内溝1
bの溝底が曲線状になった部位の中心O1は継手の開口
側、案内溝2bの溝底が曲線状になった部位の中心O2
は継手の奥部側)にずれた位置にある。外輪1の案内溝
1bの溝底が曲線状になった部位の中心O1とボール3
の中心O3を結ぶ線分の長さ、内輪2の案内溝2bの溝
底が曲線状になった部位の中心O2とボール3の中心O
3を結ぶ線分の長さが、それぞれPCRであり、両者は
等しい。
【0034】また、外輪1の案内溝1bの溝底が曲線状
になった部位の中心O1とボール3の中心O3とを結ぶ
線分と、継手中心Oとボール3の中心O3とを結ぶ線分
とのなす外輪トラックオフセット角Bo、内輪2の案内
溝2bの溝底が曲線状になった部位の中心O2とボール
3の中心O3とを結ぶ線分と、継手中心Oとボール3の
中心O3とを結ぶ線分とのなす内輪トラックオフセット
角Biは、それぞれ等しい。
【0035】上記の構成において、外輪1と内輪2とが
角度θだけ角度変位すると、保持器4に案内されたボー
ル3は常にどの作動角θにおいても、角度θの2等分面
(θ/2)内に維持され、継手の等速性が確保される。
【0036】前述のように、案内溝1b,2bのオフセ
ット量F(=Fo=Fi)は、比R1(=F/PCR)
が、0.069≦R1≦0.121の範囲内になるよう
に設定するのが、許容負荷トルクの確保、保持器強度の
確保、トラック荷重の低減、耐久性の確保、最大作動角
の確保の諸点から好ましい、この実施形態では、R1=
0.104(または0.1038)に設定してある。比
較品(図5に示すような6個ボールの固定型等速自在継
手)における一般的な値は0.14であり、この実施形
態品のR1は比較品よりもかなり小さい。
【0037】この実施形態の固定型等速自在継手は、ボ
ール3の個数が8個であり、比較品(6個ボール)に比
べ、継手の全負荷容量に占めるボール1個当りの負荷割
合が少ないので、同じ呼び形式の比較品(6個ボ−ル)
に対して、ボール3の直径を小さくしている。
【0038】図3は、外輪1、内輪2およびボール3の
部分拡大横断面図を示している。外輪1の内径面1aの
軸方向に形成された案内溝1bは横断面形状がゴシック
アーチ状に形成されており、内輪2の外径面2aの軸方
向に形成された案内溝2bは横断面形状がゴシックアー
チ状に形成されている。したがって、ボール3は、外輪
1の案内溝1bと2点C11,C12で接触し、内輪2
の案内溝2bと2点C21,C22で接触している。ボ
ール3の中心O3と継手中心Oを通る線分に対するボー
ル3の中心O3と各案内溝1b,2bとの接触点C1
1,C12,C21,C22とのなす角度αが、接触角
である。各接触点C11,C12,C21,C22の接
触角αはすべて等しく、29°〜37°に設定されてい
る。この29°〜37°の接触角αは、従来の6個ボー
ルのアンダーカットフリージョイント、6個ボールの固
定型ジョイント、8個ボールの固定型ジョイントなどに
おける37°〜45°に比較して小さい。
【0039】図4は、くさびの反転開始角度について説
明する要部拡大縦断面図である。くさびの反転開始角度
であるくさび角(2τ)は、ボール3と外輪1の案内溝
1bとの接触点C1における共通法線H1と、ボール3
と内輪2の案内溝2bとの接触点C2における共通法線
H2とのなす角度で与えられる。
【0040】図4において、外輪1の案内溝1bとボー
ル3との接触点C1は、曲線状の案内溝1bによって、
ボール3の中心O3を通る継手中心Oに対して角度τだ
け傾いており、内輪2の案内溝2bとボール3との接触
点C2は、曲線状の案内溝2bによって、ボール3の中
心O3を通る継手中心Oに対して角度τだけ傾いてい
る。したがって、くさび角(2τ)は、前記両角度τを
加算した2τで与えられ、継手の作動角が高くなるにつ
れて、ある位相で小さくなり、やがて反転する。このく
さび角(2τ)の反転し始める作動角は、9°以上に設
定されている。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上のように、内径面に8本
の曲線状の案内溝を形成した外側継手部材と、外径面に
8本の曲線状の案内溝を形成し内径面に軸部を連結する
ための歯型を形成した内側継手部材と、外側継手部材の
案内溝と内側継手部材の案内溝とが協働して形成される
ボールトラックに配された8個のボールと、ボールを保
持する保持器とを備え、外側継手部材の案内溝の中心が
内径面の球面中心に対して、内側継手部材の案内溝の中
心が外径面の球面中心に対して、それぞれ、軸方向に等
距離(F)だけ反対側にオフセットされた固定型等速自
在継手であって、前記オフセット量(F)と、前記外側
継手部材の案内溝の中心または前記内側継手部材の案内
溝の中心と前記ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PC
R)との比R1(=F/PCR)が、0.069≦R1
≦0.121の範囲で、かつ、各案内溝とボールとの接
触角が37°以下であることを特徴とするものであるか
ら、十分なトラック溝深さが確保されて、ボールの接触
楕円がトラック溝から外れて球面部に乗り上げることが
なくなり、しかも、少なくとも車両などの常用角以下の
作動角において、トラック内でのボールの遊びがなくな
り打音の発生もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態に係る固定型等速
自在継手の全体縦断面図、(B)は(A)の横断面図で
ある。
【図2】本発明のトラックオフセット角について説明す
るための図1の固定型等速自在継手における要部の拡大
縦断面図である。
【図3】本発明の接触角について説明するための図1の
固定型等速自在継手における要部の拡大横断面図であ
る。
【図4】本発明のくさび角について説明するための図1
の要部の拡大縦断面図である。
【図5】(A)は従来の固定型等速自在継手の縦断面
図、(B)は(A)の横断面図である。
【符号の説明】
1 外側継手部材(外輪) 1a 内径面 1b 案内溝 2 内側継手部材(内輪) 2a 外径面 2b 案内溝 2c 歯型 3 ボ−ル 4 保持器 4a 外径面 4b 内径面 O 継手中心(ジョイントセンター) O−O 軸手中心Oを含む軸手中心面 O1 外輪の案内溝溝底曲線部位の中心(外輪トラック
センター) O2 内輪の案内溝溝底曲線部位の中心(内輪トラック
センター) O3 ボールの中心 Fo 外輪のオフセット量 Fi 内輪のオフセット量 Bo 外輪トラックオフセット角 Bi 内輪トラックオフセット角 C1,C11,C12,C2,C21,C22 接触点 α 接触角 2τ くさび角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藏 久昭 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径面に8本の曲線状の案内溝を形成し
    た外側継手部材と、外径面に8本の曲線状の案内溝を形
    成し内径面に軸部を連結するための歯型を形成した内側
    継手部材と、外側継手部材の案内溝と内側継手部材の案
    内溝とが協働して形成されるボールトラックに配された
    8個のボールと、ボールを保持する保持器とを備え、外
    側継手部材の案内溝の中心が内径面の球面中心に対し
    て、内側継手部材の案内溝の中心が外径面の球面中心に
    対して、それぞれ、軸方向に等距離(F)だけ反対側に
    オフセットされた固定型等速自在継手であって、 前記オフセット量(F)と、前記外側継手部材の案内溝
    の中心または前記内側継手部材の案内溝の中心と前記ボ
    ールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比R1
    (=F/PCR)が、0.069≦R1≦0.121の
    範囲で、かつ、各案内溝とボールとの接触角が37°以
    下であることを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 【請求項2】 前記外側継手部材および内側継手部材の
    各案内溝に、直線状の溝底を有するストレート部を設け
    た請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 【請求項3】 上記外側継手部材および内側継手部材
    の各案内溝とボ−ルとの接触角を、基本トルクを負荷し
    たときの接触面圧が2.7GPa以下となるように下限
    を決定した請求項1または2に記載の固定型等速自在継
    手。
  4. 【請求項4】 上記外側継手部材および内側継手部材の
    各案内溝とボールとの接触角を29°〜37°の範囲に
    設定した請求項1から3のいずれかに記載の固定型等速
    自在継手。
JP2001191553A 2001-04-24 2001-06-25 固定型等速自在継手 Pending JP2003004062A (ja)

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