JP2003003887A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2003003887A JP2001187255A JP2001187255A JP2003003887A JP 2003003887 A JP2003003887 A JP 2003003887A JP 2001187255 A JP2001187255 A JP 2001187255A JP 2001187255 A JP2001187255 A JP 2001187255A JP 2003003887 A JP2003003887 A JP 2003003887A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の始動性を向上しつつ、始動に係わ
る無駄エネルギー消費の低減可能な内燃機関の制御装置
を提供する。 【解決手段】 クランク軸12が一回転する間に、等間
隔に第1パルス信号S1を発生する第1クランク間隔検
出手段と、同じ一回転する間に1回の第2パルス信号S
2を発生する第2クランク間隔検出手段と、吸気管内圧
PMを測定する吸気管内圧検出手段21と、第2クラン
ク間隔検出手段が始動開始してから発生する第2パルス
信号S2に基くクランク軸12の2回転中に、吸気管内
圧の圧力変化特性を判定する判定手段と、始動開始して
から最初に発生する第2パルス信号S2に応じて決定さ
れる第1パルス信号S1の所定発生タイミングにて、機
関の状態に応じた始動時噴射量を噴射する燃料噴射手段
Fとを備え、圧力変化特性を判定した後は、その判定結
果に基いて噴射と点火を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の制御装置
に関し、特に4サイクル単気筒の内燃機関の始動に係わ
る制御装置の始動性向上に好適な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の制御装置としては、例えば4
サイクル単気筒内燃機関に、クランク軸の2回転中(詳
しくは720°CA)に1回クランク信号を発信するク
ランク信号を備え、始動性向上のため、セルモータ等で
機関を駆動直後のクランク角センサの信号が検出される
までの間、クランク信号が検出される前に仮噴射を行な
い、適当な仮設定の点火時期で点火を行なうものがある
(特開2000−265894号公報)。
【0003】なお、点火制御は、セルモータ駆動直後の
み720°CAの略半分360°CA程度毎に点火を行
なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来構成では、クラン
ク角信号を検出する前の噴射が無駄、あるいはクランク
角信号検出後の噴射と重なって内燃機関の燃焼室へ過剰
な噴射燃料を供給する場合がある。一方、点火制御につ
いては、略360°CA毎に点火を行なうので点火コイ
ルの通電に無駄エネルギーの消費がなされていた。
【0005】そこで、クランク角信号を検出するまで
は、噴射制御と点火制御の停止する構成にすることが考
えられるが、この構成では、クランク角信号が検出され
てから噴射制御および点火制御によってそれぞれ燃料噴
射弁からの燃料噴射、点火プラグの点火が開始されるの
で、初爆までに早くて(720×2)°CA、遅いと
(720×2.5)°CA程度かかる。
【0006】なお、クランク信号が検出される前に噴射
を行なう前者の構成は、この後者の構成に比べて初爆ま
での期間は短くなるが、クランク信号が検出される前に
行なう噴射が最適時期ではないため、早くて(720×
1.5)°CA、遅いと、この不適切な噴射によって
(720×2.5)°CA程度となる可能性がある。
【0007】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、内燃機関の始動性を向上
しつつ、始動に係わる無駄エネルギーの消費が低減可能
な内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1による
と、内燃機関のクランク軸が一回転する間に、等間隔に
第1のパルス信号を発生する第1のクランク間隔検出手
段と、一回転する間に1回の第2のパルス信号を発生す
る第2のクランク間隔検出手段と、内燃機関の吸気管内
圧を測定する吸気管内圧検出手段と、第2のクランク間
隔検出手段が内燃機関の始動を開始してから発生する第
2のパルス信号に基くクランク軸の2回転中に、吸気管
内圧検出手段により検出される吸気管内圧の圧力変化特
性を判定する判定手段と、機関の状態に応じた始動時噴
射量を噴射する燃料噴射手段とを備え、燃料噴射手段
は、内燃機関の始動を開始してから最初に発生する第2
のパルス信号に応じて決定される第1のパルス信号の所
定発生タイミングにて始動時噴射量を噴射し、その後判
定手段によって圧力変化特性を判定した後は、その判定
結果に基いて噴射と点火を行なう。
【0009】すなわち、内燃機関のクランク軸が一回転
する間に1回発信する第2のクランク間隔検出手段によ
って内燃機関の始動を開始してから最初に発生する第2
のパルス信号に基き、クランク軸が一回転する間に等間
隔に発生する前記第1のパルス信号の所定発生タイミン
グにて、燃料噴射手段によって、機関の状態に応じた始
動時噴射量が噴射される。
【0010】このため、機関の状態に応じた始動時噴射
量、例えば内燃機関の温度状態に応じた始動時噴射量
が、最初に発生した第2のパルス信号に基き第1のパル
ス信号の所定発生タイミングで噴射できるので、クラン
ク軸が一回転する間に1回発生する第2のパルス信号が
機関の上死点を検出するとき、第2のパルス信号の発生
に対応する排気行程または圧縮行程のうち、排気行程す
なわち吸気行程では、その始動時噴射量は、適正な時期
すなわち所定発生タイミングに噴射可能である。一方、
圧縮行程では吸気管へ燃料噴射しても燃焼室へ導入され
ず吸気管内に滞留し、次回の吸気行程でその始動時噴射
量が無駄なく燃焼室へ供給可能である。
【0011】このため、一回転する間に1回発生する第
2のクランク間隔検出手段によって始動に必要な始動時
噴射量が第1のパルス信号に応じて決定される所定発生
タイミングにて噴射されることで、確実に初爆に寄与す
るか、または点火の無駄火を最大1回だけ行なうだけで
次回の吸気行程後に初爆が可能である。
【0012】本発明の請求項2によると、判定手段によ
る圧力変化特性の判定とは、始動開始より最初に発生す
る第2のパルス信号を基準とするクランク軸の2回転中
の2番目の第2のパルス信号の発生までの間に、吸気管
内圧検出手段により第1のパルス信号の発生に対応させ
て検出した吸気管内圧の累積値と、2番目の第2のパル
ス信号の発生から最後の第2のパルス信号の発生までの
間に、吸気管内圧検出手段により第1のパルス信号の発
生に対応させて検出した吸気管内圧の累積値とを比較し
て、内燃機関の圧縮行程がいずれの期間にあるかを判定
する。
【0013】すなわち、最初の第2のパルス信号の発生
から2番目の第2のパルス信号の発生までの期間に検出
される吸気管内圧の累積値、および2番目の第2のパル
ス信号の発生から最後の第2のパルス信号の発生までの
期間に検出される吸気管内圧の累積値のうち、一方は爆
発および排気行程を、他方は吸気および圧縮行程を必ず
含まれる。このとき、吸気行程を含む吸気管内圧の累積
値は、吸気管内の吸気負圧発生に起因して他方の累積値
より小さくなるので、累積値が小さい方の期間を吸気お
よび圧縮行程の期間であると特定して判定できる。
【0014】このため、判定手段によって圧力変化特性
を判定した後は、累積値が小さい方の期間を吸気および
圧縮行程の期間、つまり圧縮行程を特定して確実に点火
を行なうことが可能である。
【0015】本発明の請求項3によると、内燃機関の始
動を開始して、判定手段による最初の判定をするまで
は、クランク軸の2回転中の2番目の第2のパルス信号
の発生を検出後、第1のパルス信号の所定発生タイミン
グで点火開始のための通電を行なう。
【0016】これにより、内燃機関の始動を開始して2
番目の第2のパルス信号の発生を検出後、第1のパルス
信号の所定発生タイミングで点火開始のための通電を行
なうので、最後の第2のパルス信号の発生を検出して点
火する準備が可能である。このため、吸気管へ噴射され
た始動時燃料が、内燃機関の始動を開始して最初の第2
のパルス信号の発生に基き第1のパルスに応じて決定さ
れる所定発生タイミング、つまり爆発および排気行程の
期間の排気行程に噴射されるとき、吸気行程の適正な時
期に始動時噴射量として噴射されたことになるので、最
後の第2のパルス信号の発生を検出して初爆が可能な点
火ができる。
【0017】なお、爆発および排気行程の期間を一方と
して、他方である吸気および圧縮行程の期間の圧縮行程
に吸気管へ始動時噴射量が噴射されたときには、この点
火のみ無駄火となる。最後の第2のパルス信号の発生を
検出するとき、判定手段によって圧力変化特性の判定が
行われるので、それ以後は、その判定結果に基いて噴射
と点火がそれぞれ排気行程、圧縮行程に関連付けられて
行なわれるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内燃機関の燃料供
給装置を、いわゆる点火式内燃機関の燃料供給装置に適
用して、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態の一実施例に係わる内燃機関
の燃料供給装置が適用された内燃機関及びその周辺装置
の概略構成を表すシステム構成図である。図2、図3、
および図4は、本発明の実施形態の内燃機関の制御装置
における始動に係わる制御処理を表すフローチャートで
あって、それぞれ、TDC信号としての第2のパルスに
係わる判定処理を示すフローチャート、行程特定のため
行なう吸気管内圧変化特性の判定処理を示すフローチャ
ート、始動開始時の点火制御処理を示すフローチャート
である。図5は、本発明の実施形態の内燃機関の制御装
置における始動に係わる制御処理を表すタイムチャート
である。
【0019】まず、図1に基いて内燃機関のシステム全
体の概略構成を以下説明する。内燃機関100の吸気管
2の最上流部には、エアクリーナ3が設けられ、このエ
アクリーナ3の下流側に、図示しないアクセルペダルの
操作に連動して開閉されるスロットルバルブ11が設け
られている。このスロットルバルブ11が開閉されるこ
とにより、吸気管2内を流れる吸入空気量が調節され
る。
【0020】このスロットルバルブ11の下流側には、
内燃機関100の各気筒に空気を導入する吸気マニホル
ド4が接続されている。各気筒の吸気マニホルド4内の
吸入ポートに導入された吸入空気は、内燃機関100の
各気筒に形成された吸気バルブ6を介して燃焼室7へ流
入する。また、内燃機関100の吸気マニホルド4の近
傍の吸気管2には、燃料噴射弁5が取付けられている。
【0021】この燃料噴射弁5は、燃料噴射手段として
の燃料供給装置部Fによって燃料噴射弁5から噴射され
る燃料が供給される。この燃料噴射弁5から噴射される
燃料は、制御回路30によって駆動される燃料噴射弁5
の開弁期間を可変にすることで調量され、吸入空気とと
もに混合気となって内燃機関100の燃焼室7へ供給さ
れる。
【0022】なお、燃料供給装置部Fは、燃料タンク5
1と、燃料ポンプ52と、燃料噴射弁5と、燃料ポンプ
52および燃料噴射弁5の制御手段としての制御回路3
0とを含んで構成されている。燃料を貯留する燃料タン
ク51内または燃料タンク51の外には、燃料を汲み上
げる燃料ポンプ52が配置されている。この燃料ポンプ
52は、バッテリ90または発電機60から給電されて
駆動する電動モータであって、例えばいわゆるインライ
ンポンプが用いられている。この燃料ポンプ52から吐
出される燃料は燃料噴射弁5に供給される。
【0023】ここで、スロットルバルブ11には、スロ
ットルバルブ11の弁軸開度を検出するスロットルセン
サ11aが設けられ、スロットルバルブ11の下流側に
は、吸気管2内の吸気圧PMを検出する吸気圧センサ2
1が設けられている。このスロットルセンサ11aは、
スロットル開度に応じたアナログ信号と共に、スロット
ルバルブ11がほぼ全閉であることを検出するアイドル
スイッチからのオン−オフ信号も出力される。また、内
燃機関100のクランク軸12には、その回転に伴うク
ランク角〔°CA(CAは、Crank Angleの
略語)〕を検出するクランク角センサ22が設けられて
いる。このクランクセンサ22で検出されたクランク角
信号が後述する制御回路30に送信されると、制御回路
30では、このクランク角センサ22で検出されるクラ
ンク角に応じて内燃機関100の機関回転数が算出され
る。
【0024】ここで、クランク角センサ22に対向して
クランク軸12に配設されるロータ22aは、図5に示
すタイムチャートのパルス信号のように、例えば30°
CA周期の第1のパルス信号S1と、2回転すなわち7
20°CAを24分割に等間隔に発信する第1のパルス
信号S1のうちピストン位置が上死点となるいわゆるT
DC信号と同期(詳しくは立ち下がり同期)する第1の
パルスに同期して発生する第2のパルス信号S2が36
0°CA周期で発信可能な歯部を有する。なお、図5に
示すタイムチャートでは、ロータ22aとクランク角セ
ンサ22によって形成される生波形信号を、制御回路3
0によって成形されたパルス信号S1、S2が表わされ
ている。
【0025】これら第1のパルス信号、第2のパルス信
号、および吸気圧センサ21によって検出される吸気管
2内の吸気圧PMの信号は、制御回路30に入力され、
この制御回路30によって始動に係わる各種の制御処理
が行なわれる。
【0026】なお、本発明の特徴である始動に係わる各
種の制御処理を行なう構成および動作の詳細については
後述する。
【0027】また、内燃機関100のシリンダヘッドに
は、各気筒毎に点火プラグ13が配設されている。この
点火プラグ13は、点火手段として点火装置部Igによ
って、クランク角センサ22で検出されるクランク角に
同期して制御回路30から出力される点火指令信号に基
いて、点火コイル14から高電圧が印加される。
【0028】なお、点火装置部Igは、点火プラグ13
と、点火プラグ13に高電圧を印加する点火コイル14
と、点火回路40と、制御手段としての制御回路30と
を含んで構成されている。なお、点火プラグ13、およ
び点火コイル14は周知の構造であるので説明は省略す
る。点火回路40は、例えば、外部から給電されるエネ
ルギーを電荷として蓄積可能なコンデンサ(図示せず)
を備え、このコンデンサに蓄えられた電荷を点火コイル
14の1次コイルに急激に放電することで、点火コイル
14の2次コイルに高電圧を発生させて点火を行うもの
である。これにより、点火コイル14の1次コイル側に
は、点火回路40から供給される高エネルギーの電荷が
印加され、この印加によって点火コイル14を介して点
火プラグ13が点火される。この点火によって燃焼室7
内の混合気の点火燃焼が行われる。
【0029】一方、内燃機関100の排気ガスは、排気
バルブ8を介して排気マニホルドから排気管9に導出さ
れ外部に排出される。
【0030】制御手段としての制御回路(以下、ECU
と呼ぶ)30は、図示しない制御プログラムを格納した
リードオンリメモリ(ROM)、各種データを格納する
ランダムアクセスメモリ(RAM)、各種演算処理を実
行する中央処理装置としてのマイクロプロセッサ(CP
U)、入出力回路およびそれらを接続する入力ポート、
出力ポートを相互に双方向性バスで接続した公知の構成
のマイクロコンピュータとして構成されている。
【0031】このECU30は、バッテリ90若しくは
発電機60から給電され、燃料供給装置部F、点火装置
部Igを制御する。詳しくは、このECU30には、吸
気圧センサ21からの吸気圧PM、クランク角センサ2
2からのクランク角、スロットルセンサ11aからの弁
軸開度の信号等が入力されている。これら各種センサの
情報に基いて、ECU30は内燃機関の運転状態を検出
し、この運転状態に応じて燃料噴射量および燃料噴射時
期を算出するとともに、運転状態に応じた点火時期を算
出する。これら燃料噴射量および燃料噴射時期に対応す
るECU30からの駆動信号によって燃料噴射弁5から
噴射する燃料噴射量および燃料噴射時期が適宜、制御さ
れる。また、この点火時期に対応する駆動信号によっ
て、点火回路40および点火コイル14を介して、点火
プラグ13の点火時期が適宜、制御される。
【0032】なお、図1に示すように、始動装置は、い
わゆるセルモータによる始動手段80、およびキック機
能等によって内燃機関100および発電機60を駆動す
る人力始動手段70の少なくとも一方を有する。なお、
発電機60は、クランク軸12と一体的に駆動が可能な
ものであって周知の構造であるので説明は省略する。こ
のセルモータによる始動手段80は、例えば、図1に示
すように、始動モータ81と、中間ギヤ82と、クラン
ク軸12と一体回転可能なスタータギヤ83とからな
る。スタータギヤ83は、中間ギヤ82を介して、始動
モータ81の出力軸81aが始動モータ81の始動時の
み噛み合うように構成されている。これにより、始動時
には、始動モータ81により中間ギヤ82およびスター
タギヤ83を介してクランク軸12を強制的に回転して
内燃機関100を駆動させるとともに、発電機60を発
電させることが可能である。一方、人力手動手段70
は、例えばキック機能によるものであって、図1に示す
ように、キックレバー71と、キックレバーギヤ72
と、中間ギヤ73と、クランク軸12と一体回転可能な
始動ギヤ74とからなる。始動ギヤ74は中間ギヤ73
と噛み合い、さらにこの中間ギヤ73にキックレバーギ
ヤ72がキックレバー71回転時のみ噛み合うように構
成されている。キックレバー71によりキックレバーギ
ヤ72が回転し、これにより中間ギヤ73および始動ギ
ヤ74を介してクランク軸12を強制的に回転させるの
で、例えばバッテリ90の容量不足により始動モータ8
1が作動できない状態等においても、キックレバー71
による人力よって内燃機関100を駆動させるととも
に、発電機60を発電させることが可能である。
【0033】ここで、本発明の特徴である始動に係わる
各種の制御処理を行う構成および動作について、図1か
ら図5に従って説明する。
【0034】まず、上述の実施形態に係わる点火式内燃
機関及びその周辺装置において、本発明の内燃機関の制
御装置の要部は、図1に示すように、内燃機関100の
クランク軸12が一回転する間に、等間隔(詳しくは3
0°CA)に第1のパルス信号S1を発信する第1のク
ランク間隔検出手段としておよび1回の第2のパルス信
号S2を発生する第2のクランク間隔検出手段としての
クランク角センサ22とロータ22aと、その第1のパ
ルス信号S1の発生に対応して吸気管2内の吸気管内圧
を測定する吸気管内圧検出手段としての吸気圧センサ2
1と、その第2のクランク間隔検出手段としてのクラン
ク角センサ22とロータ22aが内燃機関100の始動
を開始してから発生する第2のパルス信号S2に基くク
ランク軸12の2回転中に、吸気圧センサ21により検
出される吸気管内圧PMの圧力変化特性を判定する判定
手段(詳しくは、ECU30によって行われる制御処理
の構成)と、始動を開始してから最初に発生する第2の
パルス信号S2に応じて決定される第1のパルス信号S
1の所定発生タイミングにて、冷却水温等の内燃機関1
00の状態に応じた始動時噴射量を噴射する燃料噴射手
段Fとを含んで構成されている。
【0035】次に、本発明の特徴である始動に係わる各
種の制御処理を、図2、図3および図4に従って説明す
る。
【0036】なお、機関始動後の通常運転時の燃料噴射
制御(以下、始動後モードと呼ぶ)については、周知の
制御処理によるものであって、例えばECU30は吸入
吸気量および機関回転数から求めた1噴射当たりの空気
量に基いて燃料噴射弁5の基本噴射量を算出し、その基
本噴射量を吸気圧PM、吸気温、冷却水温、空燃比信号
等に対応する各種補正係数で補正するとともに、バッテ
リ電圧に応じて電圧補正して燃料噴射量を求める。そし
て始動後モードにおいて、算出した噴射量の燃料を第1
のパルス信号S1の所定発生タイミングで噴射させるべ
く、第2のパルス信号(詳しくは、TDC信号)S2お
よび第1のパルス信号S1に基いて燃料噴射弁5を開閉
制御する。
【0037】まず、図2において内燃機関100の始動
前にイグニッションスイッチ(図示せず)がオン状態と
なると、このオンによってクリアされD=0と初期設定
される。その後、図2に示すように、S201(Sはス
テップを表す)では、クランク角センサ22から360
°CA周期で出力される第1のパルス信号としてのTD
C信号S2が入力されているか否かが判定される。TD
C信号S2が入力されれば、TDC信号S2のオン状
態、つまりTDC信号S2を基準として第2のパルス信
号S2(詳しくは、30°周期で出力され、720°C
Aを24等分割するパルス信号)が、カウントされ(図
5参照)、S202に移行する。逆に始動を開始してT
DC信号S2が未だ入力されていなければ、第2のパル
ス信号S2のカウントはなされず、当該処理を終了す
る。
【0038】S202では、カウンタDが「+1」イン
クリメントされて当該処理を終了する。
【0039】これにより、燃料噴射手段Fの燃料噴射弁
5の燃料噴射時期、および燃料噴射量を決定する第1の
パルス信号S1が始動開始により最初に発生したTDC
信号S2と関連付けられ、よってECU30による内燃
機関の運転状態に応じた燃料噴射が可能となる。なお、
機関始動の際には、内燃機関の状態、例えば冷却水温等
の機関温度に応じた始動時噴射量が適正な量とタイミン
グで噴射できる。
【0040】したがって、始動を開始してから発信され
る第2のパルス信号としてのTDC信号S2によって、
適正な始動時噴射量の噴射の準備ができるとともに、T
DC信号S2がオン状態となった証としてカウンタDが
「+1」インクリメントされる。
【0041】次に、TDC信号S2がオン状態となった
証として「+1」インクリメントされるカウンタDに基
いて、4サイクル機関の行程特定をするための吸気管内
圧変化特性の判定処理を、図3に従って説明する。
【0042】図3に示すように、S301では、カウン
タDが1であるか否かを判断する。測定対象とする行程
としての720°CAを、TDC信号S2に関連付けて
第1のパルス信号S1の30°CA毎にカウントできる
状態にあるかを確認し、カウントがなされると同時に、
吸気管内圧PMを、30°CA周期の第1のパルス信号
の発生に対応してECU30に記憶させるためである。
カウンタDが1であれば、S302へ移行する。逆に、
カウンタDが1でなければ、S304へジャンプして移
行する。このジャンプ移行によって、Dが0(クリア)
状態つまり始動開始して未だ入力されていないとき、当
該処理を終了する。
【0043】S302では、測定対象とする行程として
の720°CAのうち、この720°CAに対応する2
回転中の最初のTDC信号S2の発生から2番目のTD
C信号S2(詳しくは、カウントDが2になる)の発生
までの間に、第1のパルス信号の発生に対応して30°
CA周期毎に吸気圧センサ21によって検出された吸気
管内圧PMがECU30に記憶され、S303にてその
累積値としてのA=ΣPMが求められる。
【0044】S304では、2番目のTDC信号S2
(詳しくは、カウントDが2になる)が検出されている
か否か、すなわちカウントDが2であるか否かが判断さ
れる。2番目のTDC信号S2が検出されれば、S30
5へ移行する。逆に2番目のTDC信号S2の発生の未
検出状態、つまりカウントDが2でなければ、当該処理
を終了する。
【0045】S305では、2番目のTDC信号S2の
発生から2回転中の最後のTDC信号S2(詳しくは、
カウントDが3になる)の発生までの間に、第1のパル
ス信号の発生に対応して30°CA周期毎に吸気圧セン
サ21によって検出された吸気管内圧PMがECU30
に記憶され、S306にてその累積値としてのB=ΣP
Mが求められる。
【0046】S307では、測定対象の720°CAに
到達するTDC信号S2(詳しくは、カウントDが3に
なる)が検出されているか否か、すなわちカウントDが
3であるか否かが判断される。カウントDが3であれ
ば、S308へ移行する。逆に、最後のTDC信号S2
の発生の未検出状態、つまりカウントDが3でなけれ
ば、当該処理を終了する。
【0047】S307にて測定対象の720°CAに到
達する最後のTDC信号S2が検出されると、直ちに移
行するS308では、4サイクル機関の行程特定をする
ための吸気管内圧変化特性を、TDC信号S2で区分さ
れる、最初のTDC信号S2から2番目のTDC信号S
2の発生するまでの期間に係わる吸気管内圧PMの累積
値Aと、2番目のTDC信号S2から最後のTDC信号
S2の発生するまでの期間に係わる吸気管内圧PMの累
積値Bの差から判断する。
【0048】ここで、累積値A,Bのうち、一方は爆発
および排気行程を、他方は吸気および圧縮行程を必ず含
むので、吸気行程を含む吸気管内圧の累積値は、吸気管
内の吸気負圧発生に起因して他方の累積値より小さくな
る。すなわち、累積値AとBの大小関係を判定して、累
積値が小さい方の期間を吸気および圧縮行程の期間つま
り圧縮行程であると特定して判定できる。
【0049】すなわちA>Bであるか否かを判断し、A
>Bであれば、2番目から最後のTDC信号S2に係わ
る累積値Bの方が圧縮行程であると判定され、S309
で、即最後のTDC信号S2にて点火がなされる。一
方、A<Bであれば、最初から2番目のTDC信号S2
に係わる累積値Aの方が圧縮行程であると判定され、最
後のTDC信号S2の次に発生するTDC信号S2にて
点火が行われる(S310参照)。
【0050】なお、A>Bであれば、測定対象の720
°CA直後に点火が行われ、初爆可能である。これによ
り、早いと、(720×1)°CA、遅くとも、カウン
タDが「+1」インクリメントされる待機期間の最大期
間である360°CAが付加された(720×1.5)
°CAまでに初爆ができるので、始動性が向上する。
【0051】一方、A<Bであるときは、上記に比し初
爆可能な点火が360°CA位相だけずれて、早いと
(720×1.5)°CA、遅くとも(720×2)°
CAまでに初爆ができる。なお、この場合、後述の始動
開始時の点火制御が720°CA直後に点火が行われる
ので、1回の無駄火のみが生じる。
【0052】始動時の点火制御処理として、図4に示す
始動開始時点火制御が行なわれることが望ましい。
【0053】S401では、図4に示すように、始動を
開始してTDC信号S2が入力されているカ否かつまり
カウンタDが1であるか否かを判断する。TDC信号S
2が未入力であれば、S402へ移行する。逆に、TD
C信号S2が既に入力されていれば、当該処理を終了す
る。
【0054】S402では、強制的にこの1回のみ第1
のパルス信号S1の所定発生タイミングにて点火開始の
ための通電を点火手段Igによって行なう。
【0055】以上説明した本実施形態の始動に係わる各
種の制御処理の作用を、図5のタイムチャートに従って
説明する。
【0056】図5は、本発明の実施形態の内燃機関の制
御装置における始動に係わる制御処理を表すタイムチャ
ートであって、図5(a)は、クランク角センサ22と
ロータ22aによる30°CA周期の第1のパルス信号
S1と、360°CA周期の第2のパルス信号としての
TDC信号S2とからなるECU30による成形後のク
ランク角に係わるパルス信号の信号波形を表わし、図5
(b)は、TDC信号S2に基づいてカウントされた第
1のパルス信号を表わし、図5(c)は、そのカウント
された第1のパルス信号の発生に対応して吸気圧センサ
21によって検出された吸気管2内の吸気管内圧PMを
表わし、2回転中の最後のTDC信号S2において、吸
気管内圧変化特性を累積値AとBの大小関係比較として
判定するブロック図を示す。また、図5(d1)は、判
定結果がA>Bの場合での行程特性を表わす図であり、
一方図5(d2)は、判定結果がA<Bの場合での行程
特性を表わす図である。また図5(e)は、燃料噴射、
および点火のタイミングを示す。
【0057】図5(a)、図5(b)に示すように、始
動開始して最初のTDC信号S2の発生が検出されるま
での間は、TDC信号S2に基づいて第1のパルス信号
がカウントされることはない。したがって、行程特定の
ための吸気管内圧変化特性を検出を行なうことはない。
【0058】一方、始動開始して最初のTDC信号S2
が検出されると、図5(a)に示す720°CAに対応
する2回転中に生じる吸気管内圧変化特性が、最初のT
DC信号S2の発生から2番目のTDC信号S2(カウ
ンタD2)の発生までの期間と、2番目のTDC信号S
2の発生から最後のTDC信号S2(カウンタD3)の
発生までの期間とで区分されて求められた吸気管内圧P
Mのそれぞれの累積値AおよびBを比較して、A>Bな
らば図5(d1)に示す行程に、A<Bならば図5(d
2)に示す行程に明確に判定することができる。
【0059】このため、始動開始して最初のTDC信号
S2の発生を検出後、図5(e)に示すように、第1の
パルス信号S1に応じて決定される適正な所定発生タイ
ミングにて、適正な始動のための燃料噴射量を始動時噴
射するとき、A>Bであれば、測定対象の720°CA
直後に点火が行われ、初爆可能である。これにより、早
いと、(720×1)°CA、遅くとも、(720×
1.5)°CAまでに初爆ができるので、始動性が向上
する。一方、A<Bであるときは、上記に比し初爆可能
な点火が360°CA位相だけずれて早いと、(720
×1.5)°CA、遅くとも、(720×2)°CAま
でに初爆ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一実施例に係わる内燃機関
の制御装置が適用された内燃機関及びその周辺装置の概
略構成を表すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態の内燃機関の制御装置におけ
る始動に係わる制御処理を表すフローチャートであっ
て、TDC信号としての第2のパルスに係わる判定処理
を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の内燃機関の制御装置におけ
る始動に係わる制御処理を表すフローチャートであっ
て、行程特定のため行なう吸気管内圧変化特性の判定処
理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態の内燃機関の制御装置におけ
る始動に係わる制御処理を表すフローチャートであっ
て、始動開始時の点火制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図5】本発明の実施形態の内燃機関の制御装置におけ
る始動に係わる制御処理を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
5 燃料噴射弁 7 燃焼室 11、11a スロットルバルブ、スロットルセンサ 12 クランク軸 13 点火プラグ 14 点火コイル 21 吸気圧センサ(吸気管内圧検出手段) 22、22a 第1のクランク間隔検出手段および 第
1のクランク間隔検出手段としてのクランク角センサ、
ロータ 30 ECU(制御手段としての制御回路) 40 点火回路 51 燃料タンク 52 燃料ポンプ 70 人力始動手段 80 セルモータによる始動手段 81 始動モータ 90 バッテリ 100 内燃機関 F 燃料供給装置部(燃料噴射手段) Ig 点火装置部(点火手段) S1 第1のパルス信号 S2 第2のパルス信号(TDC信号) PM 吸気管内圧 A、B 第1のパルス信号に対応した吸気管内圧の累積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 364 F02D 45/00 364D F02P 5/15 F02P 5/15 E Fターム(参考) 3G022 CA01 FA02 GA01 GA02 GA05 GA07 GA08 GA12 3G084 BA13 BA16 BA28 CA01 DA02 DA09 DA22 DA28 DA33 EA05 EA06 EA11 EB06 EB12 EC02 FA11 FA33 FA38 FA39 3G301 HA01 JA02 JA13 JA20 KA01 LB01 MA11 NB01 NC06 ND01 PA01Z PA07Z PE03Z PE04Z PE05Z PF16Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸が一回転する間
    に、等間隔に第1のパルス信号を発生する第1のクラン
    ク間隔検出手段と、前記一回転する間に1回の第2のパ
    ルス信号を発生する第2のクランク間隔検出手段と、 内燃機関の吸気管内圧を測定する吸気管内圧検出手段
    と、 前記第2のクランク間隔検出手段が内燃機関の始動を開
    始してから発生する第2のパルス信号に基く前記クラン
    ク軸の2回転中に、前記吸気管内圧検出手段により検出
    される吸気管内圧の圧力変化特性を判定する判定手段
    と、 機関の状態に応じた始動時噴射量を噴射する燃料噴射手
    段とを備え、 前記燃料噴射手段は、内燃機関の始動を開始してから最
    初に発生する前記第2のパルス信号に応じて決定される
    前記第1のパルス信号の所定発生タイミングにて前記始
    動時噴射量を噴射し、その後前記判定手段によって前記
    圧力変化特性を判定した後は、その判定結果に基いて噴
    射と点火を行なうことを特徴とする内燃機関の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段による前記圧力変化特性の
    判定とは、始動開始より最初に発生する前記第2のパル
    ス信号を基準とする前記クランク軸の2回転中の2番目
    の前記第2のパルス信号の発生までの間に、前記吸気管
    内圧検出手段により前記第1のパルス信号の発生に対応
    させて検出した吸気管内圧の累積値と、前記2番目の前
    記第2のパルス信号の発生から最後の前記第2のパルス
    信号の発生までの間に、前記吸気管内圧検出手段により
    前記第1のパルス信号の発生に対応させて検出した吸気
    管内圧の累積値とを比較して、内燃機関の圧縮行程がい
    ずれの期間にあるかを判定することであることを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の始動を開始して、前記判定手
    段による最初の判定をするまでは、前記クランク軸の2
    回転中の前記2番目の前記第2のパルス信号の発生を検
    出後、前記第1のパルス信号の所定発生タイミングで点
    火開始のための通電を行なうことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7997245B2 (en) 2007-08-29 2011-08-16 Keihin Corporation Fuel injection control apparatus

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