JP2003002758A - ラピリ焼結体及びその製造方法 - Google Patents

ラピリ焼結体及びその製造方法

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JP2003002758A
JP2003002758A JP2001190208A JP2001190208A JP2003002758A JP 2003002758 A JP2003002758 A JP 2003002758A JP 2001190208 A JP2001190208 A JP 2001190208A JP 2001190208 A JP2001190208 A JP 2001190208A JP 2003002758 A JP2003002758 A JP 2003002758A
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JP2001190208A
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Makoto Kagaya
誠 加賀谷
Wataru Iimura
弥 飯村
Naoyuki Hattori
直行 服部
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OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
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OOTAKE SERAMU KK
OTAKE SERAMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緑化生育基盤材や調湿(壁)材などに利用で
きるラピリ焼結体を提供する。 【解決手段】 例えば粒径が2.5mm以下の細粒ラピ
リ及び粒径が3〜6mmの中粒ラピリからなる粒状のラ
ピリを含む骨材と、ラピリにクラックが発生するラピリ
クラック発生温度より低温で焼結する低温焼結材とを混
合して配合物を調整する。この配合物の表面に、例えば
粒径が6〜13mmの粗粒ラピリを敷設してラピリの層
を積層し、これを加圧成形する。成形体をラピリクラッ
ク発生温度より低温で焼成してラピリ焼結体を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラピリ(火山礫)
の特性を生かしたラピリ焼結体及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ラピリ(火山礫)は、軽量で保水性(吸
水性)に優れ、断熱、調湿効果等を有し、環境にやさし
い素材であるが、単体ではハンドリングの面から使用さ
れ難くいこともあり、その特性を生かして利用されてい
るとはいい難い。例えば、本出願人が先に提案したラピ
リを用いたコンクリート(特許第2992577号公報
参照)があるだけで、他の分野には利用されていないの
が現状である。特性から考えると緑化生育基盤材や調湿
(壁)材などに利用できれば、建物の緑化等に貢献でき
る。
【0003】都市化により森林が減少して緑が少なくな
ってきたうえ、更に、道路、駐車場等が舗装されて街か
ら緑が消えつつある。緑がなくなると、精神的な安らぎ
などがなくなり、生活環境が殺伐とした雰囲気になって
しまう。近年、住宅地でさえも、土が露出している部分
が少なくなり、緑化を行え難い。また、都心部では、ビ
ルやマンションなどの建物が立ち並び、これら建物の間
には道路があるだけで、街の中には建物と道路しかなく
土が露出している部分がほとんどない。このため、建物
の屋上等を緑化することが考えられる。また、街から緑
がなくなると、例えば街路樹がない場合とある場合とで
は気温が3℃も違うことがあり得ると予想されている。
このヒートアイランド化を防止するうえでも、緑化を行
いたい。
【0004】しかし、例えば建物の屋根、屋上等を緑化
する場合、屋根、屋上等に木をのせ緑化を図ることが考
えられるが、現実的には行え難く、現状では植木鉢を置
いたりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、こ
のような実状に鑑みなされたものであり、その目的は、
緑化生育基盤材や調湿(壁)材などに利用できるラピリ
焼結体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のラピリ焼結体は、粒状のラピリと、ラピリ
にクラックが発生するラピリクラック発生温度より低温
で焼結する低温焼結材とを含有する配合物の表面に、単
体で敷設可能な大きさの粗粒ラピリを敷設してラピリ層
を積層し、この積層体を前記ラピリクラック発生温度よ
り低温で焼結してなるものである。
【0007】前記粒状のラピリが、粒径が2.5mm以下
の細粒ラピリと、粒径が3〜6mmの中粒ラピリとからな
ることが好ましい。前記細粒ラピリと前記中粒ラピリと
が、これらラピリの合計重量に対して細粒ラピリが70
〜80重量%、中粒ラピリが30〜20重量%の割合で
含有することが好ましい。
【0008】前記粗粒ラピリが、粒径が6mm以上のラ
ピリであることが好ましい。前記粗粒ラピリが、粒径が
6〜13mmのラピリであることが好ましい。
【0009】前記低温焼結材が、少なくともSiO
Al及びCaOを含有し、かつ、NaO、B
及びLiOの少なくとも2種を含有する組成の窯
業原料粉又はガラス粉であることが好ましい。
【0010】また、本発明のラピリ焼結体の製造方法
は、粒状のラピリを含む骨材と、ラピリにクラックが発
生するラピリクラック発生温度より低温で焼結する低温
焼結材とを混合して配合物を調整し、この配合物の表面
に、単体で敷設可能な大きさの粗粒ラピリの粗粒ラピリ
を敷設してラピリ層を積層し、この積層体を加圧成形し
た後、成形体を前記ラピリクラック発生温度より低温で
焼成したものである。
【0011】前記積層体が、金型内に粗粒ラピリを敷き
詰めた後、前記配合物を充填してなることが好ましい。
前記粒状のラピリが、粒径が2.5mm以下の細粒ラピリ
と、粒径が3〜6mmの中粒ラピリとからなることが好ま
しい。前記細粒ラピリと前記中粒ラピリとが、これらラ
ピリの合計重量に対して細粒ラピリが70〜80重量
%、中粒ラピリが30〜20重量%の割合で含有するこ
とが好ましい。前記配合物が、水分を加えた細粒ラピリ
と水分を加えた中粒ラピリとを水分を加えながら混合し
てラピリの水分量が30〜33%の混合物を作成し、こ
の混合物に前記低温焼結材を加えて混練した混練物であ
ることが好ましい。
【0012】前記粗粒ラピリが、粒径が6mm以上のラ
ピリであることが好ましい。前記粗粒ラピリが、粒径が
6〜13mmのラピリであることが好ましい。前記低温
焼結材が、少なくともSiO、Al及びCaO
を含有し、かつ、NaO、B及びLiOの少
なくとも2種を含有する組成の窯業原料粉又はガラス粉
であることが好ましい。前記成形体を700〜760℃
に加熱して焼成することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の内容を詳細に説明
する。本発明のラピリ焼結体は、粒状のラピリと、ラピ
リにクラックが発生するラピリクラック発生温度より低
温で焼結する低温焼結材とを含有する配合物の表面に、
単体で敷設可能な大きさの粗粒ラピリを敷設してラピリ
層を積層し、この積層体を前記ラピリクラック発生温度
より低温で焼結してなるものである。
【0014】本発明におけるラピリとは、火山礫であ
り、火山礫であれば特に限定されず、好ましくは秋田
県、群馬県、鹿児島県に産するものがよく、特に好まし
くは群馬産の火山礫がよい。具体的には例えば、秋田県
鹿角市十和田大湯田代岱の産出品等である。
【0015】粒状のラピリとしては、粒状で低温焼結材
を用いて焼結されるものであれば特に限定されず、好ま
しくは、粒径が2.5mm以下の細粒ラピリと、粒径が3
〜6mmの中粒ラピリとからなるものであることがよい。
このように細粒ラピリと中粒ラピリとを骨材として用い
ることで、吸水性、透水性が確保できる多孔体(焼結
体)が得られる。
【0016】細粒ラピリと中粒ラピリとの割合は、特に
限定されないが、細粒ラピリと中粒ラピリとの合計重量
に対して細粒ラピリが70〜80重量%、中粒ラピリが
30〜20重量%であることが好ましい。細粒ラピリの
割合が、80重量%を超えると透水性が悪くなり、70
%未満では、細粒ラピリと中粒ラピリとを結合する焼結
材やバインダと、粗粒ラピリとの接触面積が減り、粗粒
ラピリの層を積層し難いと共に、焼結体にボロ付きが生
じることがあるので、それぞれ好ましくない。
【0017】粗粒ラピリとしては、単体で敷設可能な大
きさのものであればよく、その粒度等は特に限定されな
いが、好ましくは、粒径が6mm以上のラピリがよく、
特に好ましくは粒径が6〜13mmのラピリである。こ
の粗粒ラピリが配合物の表面に敷設されてラピリ層が積
層される。このように、表面に粗粒ラピリが現れること
により、ラピリだけを敷き詰めたように仮想でき、ラピ
リの特性をそのまま活かせることができ、草等の根が張
ることができる。
【0018】本発明において低温焼結材とは、ラピリに
クラックが発生するラピリクラック発生温度より低温で
焼結するものである。ここでいうラピリクラック発生温
度とは、ラピリ粒を加熱してゆくと茶色〜茶褐色に変化
し、800℃を超える頃から粒にひび(クラック)が入
り、850〜900℃で崩壊し、1000℃を超えると
溶融現象が起こるため、粒にひび(クラック)が入りは
じめる温度をいう。
【0019】低温焼結材としては、約780℃以下の温
度で焼結するものであることが好ましく、例えば、少な
くともSiO、Al及びCaOを含有し、か
つ、NaO、B及びLiOの少なくとも2種
を含有する組成の窯業原料粉又はガラス粉等が挙げられ
る。具体的には例えば、廃ガラス等のガラス粉、五水硼
砂、ペタライト、コレマナイト等が挙げられる。低温焼
結材の含有量としては、低温焼結材の種類と焼結温度に
よって可変するので、一概には決められないが、例え
ば、ラピリ100重量部に対して40〜70重量部であ
ることが好ましく、特に好ましくは45〜65重量部で
ある。低温焼結材の含有量が70重量部を超えると、N
O、B及びLiOが低温焼結材の融点を降
下させる作用を有するため、焼成時にセッターや匣鉢に
成形体がくっついてしまったり、浸蝕されたりする。他
方、低温焼結材の含有量が40重量部未満では、骨材間
や粗粒ラピリの融着結合強度が不十分で多孔質焼結体の
強度が低く、ボロ付きが生じるので、それぞれ好ましく
ない。
【0020】本発明の配合物は、有機結合材/又は粘土
質可塑材等のバインダを含有してもよい。バインダとし
ては、特に限定されず、具体的には例えば、有機系のC
MC、アクリルポリマー、PVA、デンプン等の1%以
下の溶液、カオリン、ベントナイト、水ガラス等が挙げ
られる。バインダの含有量としては、ラピリ粒100重
量部に対して35〜65重量部であることが好ましく、
特に好ましくは40〜60重量部である。バインダの含
有量が65重量部を超えると、バインダ例えばベントナ
イトの持つ粘りと可塑性により、プレス成形後成形体が
金型に付着し離型が悪くなったり、ハンドリング時成形
体に腰がなく変形したりする。他方、バインダの含有量
が35重量部未満であると、混練物に粘りがなく、乾燥
後成形体の強度が不十分で多孔質焼結体の強度が低く、
ボロ付きが生じるので、それぞれ好ましくない。
【0021】ラピリ焼結体の製造方法としては、細粒ラ
ピリ及び中粒ラピリを含む骨材と、ラピリにクラックが
発生するラピリクラック発生温度より低温で焼結する低
温焼結材とを混合して配合物を調整し、この配合物の表
面層に、粗粒ラピリの層を積層し、この積層体を加圧成
形した後、ラピリクラック発生温度より低温で焼成する
方法が挙げられる。
【0022】配合物は、細粒ラピリ及び中粒ラピリを含
む骨材と、低温焼結材とを混合して調整できるならばど
のように作成してもよく、例えば、水分を加えた細粒ラ
ピリと水分を加えた中粒ラピリとを水分を加えながら混
合してラピリの水分量が30〜33%の混合物を作成
し、この混合物に低温焼結材を加えて混練して混練物と
して作成してもよい。具体的には例えば、細粒ラピリ及
び中粒ラピリをそれぞれ水分量が29%になるように調
整し、これらラピリをモルタルミキサに投入して、水を
加えて例えば20秒〜2分撹拌混合する。この混合時の
ラピリの水分量が31%になるように水を加える(混練
時添加水分2%)。混合後、焼結材及びバインダを2〜
3回に分けて投入し、ラピリ粒に焼結材及びバインダが
よく絡まるように3〜4回手反しを行いながら粘りがで
るまで混練して混練物を作成する。
【0023】。ラピリ層の積層は、例えば、金型内に粗
粒ラピリを敷き詰めた後、この金型内に混練物(配合
物)を充填し、これをプレス成形することで、グリーン
体(焼結前の成形体)が得られる。プレス圧力は、あま
り圧を掛けすぎるとラピリ焼結体の表面の凹凸がフラッ
トになったり、ラピリ焼結体が多孔体にならなかったり
する範囲で任意に決められ、例えば、配合物と粗粒ラピ
リとの充填量を決めておき、成形体の厚みまでプレスを
する方法がある。
【0024】成形体の焼成は、クラック発生温度より低
温で行う必要があり、780℃以下、好ましくは700
〜760℃で行うことがよい。焼成時間(昇温速度と保
持時間)は、焼成量と焼成炉の大きさに応じて許容範囲
が可変するので一概により決められないが、通常、50
〜60℃/時間で昇温し、3〜4時間保持して行う。
【0025】本発明において、細粒ラピリと、中粒ラピ
リと、低温焼結材とを含有する配合物の表面層に、粗粒
ラピリの層を積層し、この積層体をラピリクラック発生
温度より低温で焼結することにより、焼成時にラピリを
劣化、溶融させることなく、焼結材が低温でラピリと強
固に融着結合し、品質の安定した多孔体であるラピリ焼
結体が得られる。したがって、本発明のラピリ焼結体
は、ラピリ本来の特性を損なうことなく、また、ハンド
リング性にもよいラピリ単体に類似した表面状態を持っ
た一体型のラピリ焼結体であり、ラピリの特性をそのま
ま活かした軽量で保水性(吸水性)に優れたもので、緑
化生育基盤材や調湿(壁)材として最適である。また、
軽量化及び易施工性が求められていた一般木造住宅の傾
斜屋根の緑化が可能となり、かつ、断熱性と緑化による
光合成で省エネ効果が期待できる。例えば、平屋根、傾
斜屋根、屋上、ベランダ、垂直壁等の壁の緑化生育基盤
材や調湿(壁)材等として利用できるものである。この
ように水分を保持して緑化を図れることにより、ヒート
アイランド化を防止することが可能となる。また、ラピ
リは軟らかくて滑り難く、衝撃吸収性が高いので、本発
明のラピリ焼結体を歩道、公園、広場などの舗装材とし
て利用すれば、足やひざに負担が少ないものとなり、快
適環境づくりに貢献することができる。また、土壌改良
材等にも利用できるものである。
【実施例】以下、本発明の内容を実施例によってさらに
具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定される
ものではない。
【0026】(実施例1)まず、ベントナイト、ガラス
粉、五水硼砂、ペタライトをそれぞれ秤量し、乾式混合
して、焼結材及びバインダを含む焼結バインダを得た。
ベントナイト、ガラス粉、五水硼砂、ペタライトの含有
量は、それぞれ重量%で、50、20、5、25であ
る。ベントナイトとしては、モンモリロナイトを主成分
とする粘土鉱物で陶磁器などに用いられているものを用
いた。ガラス粉としては一般のソーダライムガラス(窓
ガラスや板ガラス)、ワンウエーの無色透明の瓶ガラス
を150メッシュ以下に粉砕したものを用いた。五水硼
砂としては、硼酸ナトリウムの結晶(白色固体)を用い
た。ペタライトとしては、リチウム、アルミニウム、二
酸化珪素からなる白色鉱物を用いた。
【0027】細粒ラピリ10800gと中粒ラピリ3000gと
をそれぞれ秤量し、これらラピリをモルタルミキサに投
入し、水600gを加えて1分間撹拌混合した。ラピリと
しては、鹿角市十和田大湯田代岱産で、その物理及び化
学的特性は下記の火山礫を用いた。 物理的性質 絶乾比重:0.729、表乾比重:1.242、吸水
率:70.5%(24時間後)、単位容積質量:43
7.0kg/m、実積率:60.0%、浮粒率:1
1.5% 化学的成分 SiO:75.5 %、MgO:0.02%、TiO
:0.23%、CaO:0.25%、Al:1
0.71%、NaO:4.98%、FeO:4.28
%、KO:3.81%、MnO:0.07% なお、細粒ラピリ及び中粒ラピリは水分が約29%保持
されていたものを用いた。次に、モルタルミキサに、前
記作成した焼結バインダ13800gを投入し、ラピリ粒に
焼結バインダがよく絡まるように3〜4回手反しを行い
ながら粘りがでるまで混練して混練物を作成した。この
混練物を8mm目粉通し機で塊をほぐして成形原料とし
た。
【0028】200×100の金型内に、ほぼ均一にな
るように粒径が6〜13mmの粗粒ラピリを並べて充填
した後、金型内に成形原料(混練物)の一部を充填して
積層させ、粗粒ラピリの層と成形原料の層の二層からな
る積層体を作成した。粗粒ラピリの含有量は、細粒ラピ
リと中粒ラピリとの合計100重量部に対して11重量
部である。作成した積層体を成形圧55kg/cm
プレス成形し、200×100×20mmtのグリーン
体を作成した。これを充分乾燥させ、電気炉にて毎時5
0℃で昇温させ、730℃で4時間焼成した後、炉内自
然冷却して、ラピリ焼結体を得た。
【0029】得られたラピリ焼結体について下記の物性
試験(密度測定及び曲げ強度試験)を行った。 (密度測定)ラピリ焼結体の吸水率、気孔率、嵩比重及
び見掛比重をJIS-R-2205 耐火れんがの試験方法に基づ
いて測定した。 (曲げ強度試験)ラピリ焼結体の曲げ強度を植栽用イン
ターロッキングブロック協会試験方法に準拠して測定し
た。その結果、得られたラピリ焼結体は、曲げ強度1
0.5kg/cm、吸水率36.07%、気孔率3
9.41%、嵩比重1.09、見掛比重1.80でであ
る。ラピリ焼結体の表面状態はラピリを敷き詰めたよう
な凹凸があり、これは草花の生育にふさわしい。
【0030】(実施例2)前記実施例1で作成したラピ
リ焼結体を用いて下記の緑化試験を行った。 秋田県仙北郡西仙北町刈和野(積雪寒冷地域)におい
て、平成12〜13年にかけての冬の4ヶ月間一般住宅
の傾斜屋根の一部に、スナゴケを植栽したラピリ焼結体
を敷設した。その結果、秋田県地方は平年の3倍以上の
降雪に見舞われたが、コケの剥離や枯れ死はほとんど認
められず、良好な生育状況が観察された。
【0031】神奈川県横浜市緑区(温暖地域)におい
て、平成12〜13年にかけての冬の4ヶ月間一般住宅
の傾斜屋根の一部に、スナゴケを植栽したラピリ焼結体
を敷設した。その結果、冬期間の降雨量が少ないが、越
冬した植生状況は良好で、ラピリ焼結体上にスナゴケが
活着しることが観察された。これは、ラピリ焼結体の高
い吸水性能、保水性能によりスナゴケへの水分の補給が
継続的に行われたことに起因すると考えられ、ラピリ焼
結体は生育基盤材として利用できることが分かった。
【0032】沖縄県国頭郡本部町(高温地域)におい
て、平成12〜13年にかけての冬の4ヶ月間鉄筋コン
クリート建造物の平屋根(屋上)に傾斜付架台を設置
し、この架台上に、スナゴケ、セダム、ハマギクを植栽
したラピリ焼結体を敷設した。また、那覇市首里城江良
町(高温地域)において、平成12〜13年にかけての
冬の4ヶ月間鉄筋コンクリート建造物の平屋根(屋上)
の一部に防水シートを敷設し、このシート上に、スナゴ
ケ、セダム、ハマギクを植栽したラピリ焼結体を敷設し
た。その結果、傾斜をつけた場合と平面の場合とでは植
物の生育の差はほとんど認められなかった。いずれの場
合も、スナゴケよりセダムやハマギクの方が生育の勢い
が良好であった。これは、スナゴケが寒冷地域の山形産
であるため、日射量の影響があったと思われる。
【0033】このように、本発明のラピリ焼結体は、建
物等への設置が容易であり、寒冷地域、温暖地域及び高
温地域においてスナゴケ等を植栽しても、雪や乾燥等に
かかわらず、植物を生育することができ、植物の生育基
盤材として利用できることが分かった。
【0034】(実施例3)前記実施例1で作成したラピ
リ焼結体を用いて緑化を行った場合の温湿度を測定し
た。温湿度の測定は、前記実施例2の那覇市首里城江
良町において、鉄筋コンクリート建造物の平屋根(屋
上)の一部に防水シートを敷設し、このシート上に、ス
ナゴケ、セダム、ハマギクを植栽したラピリ焼結体を敷
設し、屋上、ラピリ焼結体敷設直下の室内(直下部
室内)、ラピリ焼結体敷設直下ではない室内(直下外
部室内)の3箇所で行った。その結果、屋上の温度が2
4.9℃、湿度が54.7%であるとき、直下部室内の
温度が24.1℃、湿度が52.6%、直下外部室内の
温度が24.8℃、湿度が49.6%であった。
【0035】このように、屋上に植物を植栽したラピリ
焼結体を敷設した直下部の室温は、直下外部の室温より
0.7℃低く、湿度は3%高いことが分かる。これは、
ラピリ焼結体が、気温が高くなるほど室温上昇と乾燥を
抑制する機能を有していると考えられる。したがって、
植物を植栽したラピリ焼結体を敷設することにより、冷
房、空調エネルギー節減とこれに伴うヒートアイランド
現象を防止することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、緑化生育
基盤材や調湿(壁)材などに利用できるラピリ焼結体が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04C 1/39 C04B 35/16 Z (72)発明者 服部 直行 愛知県瀬戸市塩草町136番地 オオタケセ ラム株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AA05 AB02 BA04 BB01 4G019 FA01 FA11 GA01 4G030 AA02 AA03 AA08 AA36 AA37 AA53 GA11 GA27 HA05 HA17 HA25

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状のラピリと、ラピリにクラックが発
    生するラピリクラック発生温度より低温で焼結する低温
    焼結材とを含有する配合物の表面に、単体で敷設可能な
    大きさの粗粒ラピリを敷設してラピリ層を積層し、この
    積層体を前記ラピリクラック発生温度より低温で焼結し
    てなることを特徴とするラピリ焼結体。
  2. 【請求項2】 前記粒状のラピリが、粒径が2.5mm以
    下の細粒ラピリと、粒径が3〜6mmの中粒ラピリとから
    なる請求項1に記載のラピリ焼結体。
  3. 【請求項3】 前記細粒ラピリと前記中粒ラピリとが、
    これらラピリの合計重量に対して細粒ラピリが70〜8
    0重量%、中粒ラピリが30〜20重量%の割合で含有
    する請求項2記載のラピリ焼結体。
  4. 【請求項4】 前記粗粒ラピリが、粒径が6mm以上の
    ラピリである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のラ
    ピリ焼結体。
  5. 【請求項5】 前記粗粒ラピリが、粒径が6〜13mm
    のラピリである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    ラピリ焼結体。
  6. 【請求項6】 前記低温焼結材が、少なくともSi
    、Al及びCaOを含有し、かつ、Na
    O、B及びLiOの少なくとも2種を含有す
    る組成の窯業原料粉又はガラス粉である請求項1乃至5
    のいずれか1項に記載のラピリ焼結体。
  7. 【請求項7】 粒状のラピリを含む骨材と、ラピリにク
    ラックが発生するラピリクラック発生温度より低温で焼
    結する低温焼結材とを混合して配合物を調整し、この配
    合物の表面に、単体で敷設可能な大きさの粗粒ラピリの
    粗粒ラピリを敷設してラピリ層を積層し、この積層体を
    加圧成形した後、成形体を前記ラピリクラック発生温度
    より低温で焼成したことを特徴とするラピリ焼結体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記積層体が、金型内に前記粗粒ラピリ
    を敷き詰めた後、前記配合物を充填してなる請求項7に
    記載のラピリ焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記粒状のラピリが、粒径が2.5mm以
    下の細粒ラピリと、粒径が3〜6mmの中粒ラピリとから
    なる請求項7又は8に記載のラピリ焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記細粒ラピリと前記中粒ラピリと
    が、これらラピリの合計重量に対して細粒ラピリが70
    〜80重量%、中粒ラピリが30〜20重量%の割合で
    含有する請求項9記載のラピリ焼結体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記配合物が、水分を加えた前記細粒
    ラピリと水分を加えた前記中粒ラピリとを水分を加えな
    がら混合してラピリの水分量が30〜33%の混合物を
    作成し、この混合物に前記低温焼結材を加えて混練した
    混練物である請求項9又は10に記載のラピリ焼結体の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記粗粒ラピリが、粒径が6mm以上
    のラピリである請求項7乃至11のいずれか1項に記載
    のラピリ焼結体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記粗粒ラピリが、粒径が6〜13m
    mのラピリである請求項7乃至11のいずれか1項に記
    載のラピリ焼結体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記低温焼結材が、少なくともSiO
    、Al及びCaOを含有し、かつ、NaO、
    及びLiOの少なくとも2種を含有する組成
    の窯業原料粉又はガラス粉である請求項7乃至13のい
    ずれか1項に記載のラピリ焼結体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記成形体を700〜760℃に加熱
    して焼成する請求項7乃至14のいずれか1項に記載の
    ラピリ焼結体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005187273A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Showa Mining Co Ltd 焼結体
CN112409011A (zh) * 2020-11-30 2021-02-26 东北大学 一种以硼泥为原料的亚纳米硅晶石及其制备方法

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