JP5428597B2 - 保水材パッケージ及び保水構造体 - Google Patents
保水材パッケージ及び保水構造体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5428597B2 JP5428597B2 JP2009160849A JP2009160849A JP5428597B2 JP 5428597 B2 JP5428597 B2 JP 5428597B2 JP 2009160849 A JP2009160849 A JP 2009160849A JP 2009160849 A JP2009160849 A JP 2009160849A JP 5428597 B2 JP5428597 B2 JP 5428597B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- water retention
- ceramic
- material package
- accommodating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
Description
第1図〜第2図に第1の実施の形態を示す。第1図は実施の形態に係る保水材パッケージの斜視図、第2図は第1図のII−II線断面図である。
前述の通り、分画部26は2方向に延在してもよい。その一例を第18図に示す。第18図の保水材パッケージ21Aでは、分画部26が直交2方向に延在しており、収容部27は2方向に配列されている。
第3,4図を参照して、保水材パッケージ連結体の実施の形態について説明する。第3図は保水材パッケージ連結体30の斜視図、第4図は第3図のIV−IV線断面図である。
第5図は別の実施の形態に係る保水材パッケージ連結体40の斜視図である。この保水材パッケージ連結体40の保水材パッケージ41は、底面が正方形に近い形状の直方体形状のものである。この保水材パッケージ41が複数個、線状体42によって連結されて保水材パッケージ40とされている。保水材パッケージ41は第3図の実施の形態と同じく、ネットよりなる収容材内に保水用セラミックスを収容したものである。線状体42の材料は線状体32と同様である。
第5図の保水材パッケージ連結体40は保水材パッケージ41を1列だけ設けているが、第19図の保水材パッケージ連結体40Aのように保水材パッケージ41を多列多行に配列し、隣接する保水材パッケージ同士を線状体42で連結してもよい。
上記の保水材パッケージ21又は保水材パッケージ連結体30,40を地表面等の対象面に敷設することにより、保水構造体となる。必要に応じ、この保水構造体の上方に、散水管を配設したり、保水構造体近傍にスプリンクラーを配設し、保水用セラミックス23を湿潤させる。
本発明で用いる保水用セラミックスは、その保水用セラミックスの全体積の53〜70%好ましくは55〜68%が、孔径1〜100μm、好ましくは15〜40μmの微細気孔よりなることが好ましい。上述の通り、このように微細な気孔を多量に含むことにより、保水用セラミックスの保水性及び水の蒸発性が良好となる。
この保水用セラミックスを構成するセラミックスの組成は
SiO2:50〜80wt%とりわけ55〜70wt%
Al2O3:10〜30wt%とりわけ15〜25wt%
Na2O及びK2Oの合計:1〜10wt%とりわけ3〜7wt%
であることが好ましい。
次に保水用セラミックスの好適な製造方法について説明する。
窯業系原料:75〜95wt%、特に80〜95wt%
アルミナセメント:3〜15wt%、特に5〜15wt%
吸水性ポリマー:0.5〜10wt%、特に1〜5wt%
炭酸リチウム:10wt%以下、特に1〜10wt%、とりわけ1〜5wt%
である。
保水用セラミックスは、気孔径及びその割合が厳密に制御された多孔質セラミックスであり、雨水を吸水することにより治水し、また、吸水した水を日射によって蒸散させる性能を有する。
A−1.ビルの省エネ・CO2削減:
保水用セラミックスをビル屋上に敷設することにより、保水用セラミックスによる雨水の治水・蒸散で、屋上スラブ温度を下げ、階下の空調の使用電力量を減らすことができる。
保水用セラミックスは、芝生等の植物と同様の保水、冷却の性能を有すると共に、高耐久・長寿命かつ自然降雨を利用する維持管理不要な材料であるため、屋上緑化代替の有力候補となる。
保水用セラミックスは、熱伝導率が0.2W/m・K程度の低熱伝導性で断熱性が高いので、これをビル屋上に敷設することにより、屋上スラブ温度を一定に保つことができる。また、紫外線も防ぐことができる。
B−1.ヒートアイランド対策:
保水用セラミックスは、ビル屋上を占有する各種機器(室外機・熱源など)の下にも敷設できるので、本発明の保水用セラミックスを各所に敷設することにより、都市の蒸散面積を増やし、街区全体の温度をより一層低減することができる。
保水用セラミックスは、芝生と比較して高い治水能力があるので、ビル屋上に可能な限り敷設すれば、ゲリラ豪雨のピークカットが期待できる。
保水用セラミックスは、従来、廃棄物とされていた長石キラを主原料(例えば原料の90%)として製造することができる。長石キラはタイル原料の長石を採掘する時の副産物であり、従来は廃棄物とされていたものである。
第11図(a)に示すように、底部及び4側面が断熱材11で構成された箱型容器内にコンクリートスラブ12を敷設し、その上に、多孔質セラミックス(例えば、後掲の実験例2と同様にして製造された多孔質セラミックス)13を厚さ10cmに敷設し、試験体1とした。多孔質セラミックスの敷設面積は1m2である。なお、底部断熱材11とコンクリートスラブ12との間には、温度センサ14を設けた。
多孔質セラミックス :0.20W/m・K
コンクリートスラブ :0.15W/m・K
土 :0.63W/m・K
多孔質セラミックスをビル屋上に敷設した場合(ケース1)と、これを敷設していない従来仕様(ケース2)と、芝生や低木を植えた屋上緑化の場合(ケース3)とで、単位面積当たりの初期費用(敷設ないし植栽費用)と20年間の維持(メンテナンス)費用を試算し、その比較結果を第14図に示した。
東京都23区内のビル屋上全てに多孔質セラミックスを敷設すると、治水・蒸散に機能する都市の蒸散面積を10%増加させることができる。
多孔質セラミックスと芝生について、10月2日〜10月16日の15日間にわたる期間の単位体積当たりの蒸散量と吸水量の累計を比較した第15図より明らかなように、多孔質セラミックスは芝生よりも2倍以上の吸水・蒸散量を有する。
多孔質セラミックスは、例えば、従来廃棄物とされていた長石キラ90重量%と、その他の材料10重量%で製造することができる。単位面積当たりの多孔質セラミックスの重量を40kg/m2とすると、5000m2の敷設に必要となる長石キラの量は、
5000(m2)×40(kg/m2)×0.9÷1000=180ton
となる。
カリ長石:愛知県瀬戸産 長石
8号珪砂:勝野窯業製
長石キラ:愛知県瀬戸産 長石
吸水性ポリマー:三洋化成株式会社製
(篩によって粒径20μmアンダー(吸水性ポリマーA)、粒径
20〜50μm(吸水性ポリマーB)、粒径50〜100μm
(吸水性ポリマーC)に分級した。)
アルミナセメント:ラファージュ株式会社製
炭酸リチウム:試薬特級
CuO:試薬特級
水以外の原料を表1の割合で秤量し、ミキサ(ホソカワミクロン製ナウタミキサ)で乾式にて攪拌混合した。次いで、水を表1の割合でこの混合粉末に添加し、混練した。これを直径70mm、最大厚さ15mmの略円盤形状に成形し、80℃にて24時間乾燥した。これをローラーハースキルン(最高焼成温度は表1に示す通り。炉通過時間は60分)にて焼成し、多孔質セラミックスを製造した。
表1の通り、上記の好ましい組成よりなる実験例1〜5の多孔質セラミックスは、蒸発性能及び蒸発効果持続日数に優れ、耐凍結融解性能、吸水性も良好である。
2 囲枠
3 発泡スチロール板
4 コンクリート板
5,13,61,62,63,64,65 多孔質セラミックス
11 断熱材
12 コンクリートスラブ
14 温度センサ
21,21A 保水材パッケージ
22 収容材
23 保水用セラミックス
24,25 ネット
26 分画部
27 収容部
30,40,40A 保水材パッケージ連結体
31,41 保水材パッケージ
32,42 線状体
50 対象面
51,52 スペース
Claims (4)
- 通気性及び通水性を有した収容材内に保水用セラミックスを収容してなり、該保水用セラミックスからの水の蒸発により冷却効果を得るための保水材パッケージであって、
該収容材内が分画部によって複数の収容部に分画されており、
該保水材パッケージは該分画部において屈曲可能となっていることにより、簀巻き状に巻回可能であるか、又は折り畳むことが可能であり、
該収容材は、2枚のシート状物が重ね合わされ、その全周縁部で該シート状物同士が結合されると共に、該分画部で該シート状物同士が結合されることにより、その内部に複数の該収容部が分画形成されたものであり、
前記保水用セラミックスは、該収容材内に複数の該収容部が分画形成された後に、各収容部内に充填されたものであることを特徴とする保水材パッケージ。 - 通気性及び通水性を有した収容材内に保水用セラミックスを収容してなり、該保水用セラミックスからの水の蒸発により冷却効果を得るための保水材パッケージであって、
該収容材内が分画部によって複数の収容部に分画されており、
該保水材パッケージは該分画部において屈曲可能となっており、
前記収容材はネットよりなり、
該保水材パッケージの一方の面を構成するネットと他方の面を構成するネットとが、該保水材パッケージの周縁部及び前記分画部において結合されており、
少なくとも一部の該分画部は、互いに略平行に延在しており、
該収容材は、2枚の該ネットが重ね合わされ、その全周縁部で該ネット同士が結合されると共に、該分画部で該ネット同士が結合されることにより、その内部に複数の該収容部が分画形成されたものであり、
前記保水用セラミックスは、該収容材内に複数の該収容部が分画形成された後に、各収容部内に充填されたものであることを特徴とする保水材パッケージ。 - 請求項1又は2において、前記保水用セラミックスは、全体積の53〜70%が孔径1〜100μmの気孔よりなることを特徴とする保水材パッケージ。
- 請求項1ないし3のいずれか1項の保水材パッケージが多段に積重されてなる保水構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009160849A JP5428597B2 (ja) | 2009-07-07 | 2009-07-07 | 保水材パッケージ及び保水構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009160849A JP5428597B2 (ja) | 2009-07-07 | 2009-07-07 | 保水材パッケージ及び保水構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011017139A JP2011017139A (ja) | 2011-01-27 |
JP5428597B2 true JP5428597B2 (ja) | 2014-02-26 |
Family
ID=43595108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009160849A Expired - Fee Related JP5428597B2 (ja) | 2009-07-07 | 2009-07-07 | 保水材パッケージ及び保水構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5428597B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101485479B1 (ko) | 2013-06-27 | 2015-01-22 | 한국철도기술연구원 | 도로 긴급 복구 장치 및 그 방법 |
JP6854624B2 (ja) * | 2016-10-13 | 2021-04-07 | 増岡窯業原料株式会社 | 保水性ブロック |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3056097U (ja) * | 1998-07-23 | 1999-02-02 | イソライト工業株式会社 | 植栽用連接状通気管 |
JP3127588U (ja) * | 2006-09-26 | 2006-12-07 | 白水興産株式会社 | 屋根・壁面緑化構造体 |
-
2009
- 2009-07-07 JP JP2009160849A patent/JP5428597B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011017139A (ja) | 2011-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5544763B2 (ja) | 保水用セラミックス、その製造方法及び保水構造体 | |
EP1886981B1 (en) | Water holding molding | |
JP2010100513A5 (ja) | ||
JP5233850B2 (ja) | 保水構造体 | |
JP2008002225A (ja) | 吸水・保水性炭化物被覆骨材及びこれを用いた吸水・保水性舗装材 | |
JP5428597B2 (ja) | 保水材パッケージ及び保水構造体 | |
JP5240077B2 (ja) | 保水構造体 | |
JP2007197914A (ja) | 建造物の冷却材及び冷却方法 | |
Deska et al. | Investigation of the influence of hydrogel amendment on the retention capacities of green roofs | |
JP5715398B2 (ja) | 保水設備 | |
JP5661398B2 (ja) | 保水構造体 | |
JP5326836B2 (ja) | 保水構造体 | |
JP5310280B2 (ja) | 保水用セラミックス及び保水構造体 | |
JP2012144846A (ja) | 保水設備 | |
JP2012067566A (ja) | 保水設備 | |
JP2015148139A (ja) | 保水設備 | |
JP3839016B2 (ja) | ブロック置き敷き露天床構造 | |
WO2022010355A1 (en) | Covering element, method of constructing of a covering element for growing selected plant species | |
JP5304368B2 (ja) | 保水蒸散材及び保水蒸散構造体 | |
JP2001161159A (ja) | 緑化構造物及び構造物の緑化方法 | |
JP2007077660A (ja) | 珪藻頁岩を含有する外壁材、敷設材、およびこれらを用いた建物、並びに、珪藻頁岩を含有するとともに内部に機能物質を保持させた機能固形物 | |
JP2012067564A (ja) | 保水設備 | |
JP2002180562A (ja) | 建物の冷却構造 | |
EP3215687B1 (en) | Cooling element | |
JP5661396B2 (ja) | 保水構造体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20110520 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120329 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130402 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130723 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130918 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131118 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |