JP2003002162A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置

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JP2003002162A
JP2003002162A JP2001187811A JP2001187811A JP2003002162A JP 2003002162 A JP2003002162 A JP 2003002162A JP 2001187811 A JP2001187811 A JP 2001187811A JP 2001187811 A JP2001187811 A JP 2001187811A JP 2003002162 A JP2003002162 A JP 2003002162A
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Japan
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webbing
seat belt
belt device
seat
sliding surface
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JP2001187811A
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Kiyoshi Ogawa
清志 小川
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NSK Autoliv Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タングプレートによるウエビング折り返し部
分に生じる摺動抵抗を低減させ、緊急引込み装置による
ウエビング引き込みのための伝達効率を向上させること
が可能なシートベルト装置を提供する。 【解決手段】 乗員503をウエビング70によって座
席501に拘束するシートベルト装置であり、車両50
2の衝突検出に対応してウエビング70の弛みを取り除
く少なくとも一つの緊急引込み装置と、ウエビング70
を移動可能に挿通する挿通穴51を有し、座席501の
腰部近傍に位置するバックル506に結合されるタング
プレート505と、を備え、挿通穴51のウエビング摺
動面53が金属面から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車両衝突の際に乗
員を座席に拘束して乗員の安全を図るシートベルト装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、衝突の際の乗員保護等を目的
としてシートベルト装置が設けられている。このシート
ベルト装置は、一般的に、ウエビング(ベルト)を挿通
するタングプレートと、当該タングプレートが挿脱され
ると共に、挿入されたタングプレートを係脱可能にロッ
クするバックル本体を備え、乗員に対しウエビングをた
すきがけにして、当該乗員を座席に拘束する3点式が一
般的であり、車両衝突の際の乗員移動量を減じ、乗員へ
の傷害軽減やハンドルやインパネ等の車室内構造物との
二次衝突を防止するものである。
【0003】このシートベルト装置には、例えば、事故
等により発生した加速によって、乗員が前方に倒れ込む
前に、前記ウエビングの弛みを巻取って乗員を座席に固
定し、乗員の安全を確保する巻取装置(リトラクタ)が
設けられている。この巻取装置には、車両の衝突検出に
対応して前記ウエビングの弛みを取り除く緊急引込み装
置(プリテンショナ)が設けられているものがある。
【0004】この構成を備えたシートベルト装置では、
巻取装置に設けられた緊急引込み装置によってウエビン
グを引き込む際には、先ず、ショルダーベルトが引き込
まれ、さらにラップベルトが引き締められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のシートベルト装置では、巻取装置に設けられた緊急
引込み装置によってウエビングを引き込む際に、当該ウ
エビングの前記タングプレートによって折り返される部
分に摺動抵抗が発生する。したがって、前記緊急引込み
装置によるウエビング引き込みのための伝達効率を低下
させる虞れがある。
【0006】本発明は、このような従来のシートベルト
装置を改良するものであり、タングプレートによるウエ
ビング折り返し部分に生じる摺動抵抗を低減させ、緊急
引込み装置によるウエビング引き込みのための伝達効率
を向上させることが可能なシートベルト装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、乗員をウエビングによって座席に拘束す
るシートベルト装置であって、車両の衝突検出に対応し
て前記ウエビングの弛みを取り除く少なくとも一つの緊
急引込み装置と、前記ウエビングを移動可能に挿通する
挿通部を有し、前記座席の腰部近傍に位置するバックル
に結合されるタングプレートと、を備え、前記挿通部の
ウエビング摺動面が金属面からなるシートベルト装置を
提供するものである。
【0008】この構成を備えたシートベルト装置は、ウ
エビングが折り返される前記ウエビング挿通部のウエビ
ング摺動面が金属面からなるため、この部分におけるウ
エビングの摺動抵抗を低減させることができる。
【0009】前記タングプレートは、プレート部と樹脂
モールド部を有し、前記樹脂モールド部は、前記ウエビ
ング摺動面以外の一部に形成されてなることができる。
【0010】前記挿通部のウエビング摺動面は、クロム
メッキ処理することで、金属面とすることができる。
【0011】そしてまた、前記挿通部のウエビング摺動
面は、前記プレート部のウエビング摺動面以外の部分の
厚さより大きい径を備えた略円形断面をから形成するこ
とができる。この形状を備えることで、さらにウエビン
グの摺動抵抗を低減させることができる。
【0012】また、本発明に係るシートベルト装置は、
前記ウエビングの一端側を巻取る巻取装置をさらに備
え、前記緊急引込み装置が、当該巻取装置に内蔵されて
いる構成としてもよい。
【0013】さらにまた、前記緊急引込装置は、前記ウ
エビングの他端側の弛みを取り除く位置に設置されてい
てもよい。
【0014】そしてまた、前記巻取装置に内蔵された緊
急引込み装置と、ウエビングの他端側の弛みを取り除く
緊急引込装置の両方を備えることで、前記利点に加え、
ショルダーベルト側の弛みと、ラップベルト側の弛みを
効率よく取り除くことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態に係る
シートベルト装置について、図面を参照して説明する。 (実施の形態1)図1は、実施の形態1に係るシートベ
ルト装置の実施形態を示す模式図であり、(a)は、シ
ートベルト装置の正面図、同(b)は、その側面図、図
2は、図1に示すタングプレートの平面図、図3は、図
2に示すIII−III線に沿った拡大断面図、図4は、プリ
テンショナ内蔵式ベルト巻取装置をその軸方向側面(図
5のIV−IV方向)から見た状態を概略的に示す説明図で
あり、図5は、図4に示すリトラクタのV−V線に沿っ
た断面図である。
【0016】図1〜図5に示すように、実施の形態1に
係るシートベルト装置は、座席501の右側方下部(車
両のBピラー下部)には、ベルト巻取装置100が配置
される。ベルト巻取装置100(リトラクタ)には、後
述するプリテンショナ(緊急引込み装置)が内蔵されて
いる。このプリテンショナは、ECU510によって車
両衝突等の重大な事態が乗じた場合に点火駆動される。
【0017】ベルト巻取装置100は、図示しないボビ
ンにウエビング70の一端側を取り付けて巻回してい
る。ウエビング70の他端側は、乗員503の肩上方に
位置する、車両のBピラー上部に取り付けられたスルー
部(上部スリップガイド)508を経て、タングプレー
ト505のウエビング挿通穴51に挿通され、このタン
グプレート505によって折り返されて、Bピラー下部
に配置されたアンカープレート(下部取り付け部)50
9に取り付けられている。タングプレート505と係合
するバックル506は、バックルアンカー511によっ
て座席501あるいは車両502に固定される。
【0018】乗員503は、座席501に着座した後、
ウエビング70をベルト巻取装置100から引出し、タ
ングプレート505をバックル506に挿入し、連結し
てウエビング70を装着する。これにより、ウエビング
70は、乗員503の右肩口から左腰部を経て右腰部に
至り、乗員503を座席501に拘束する。
【0019】タングプレート505は、特に図2及び図
3に示すように、一方の端部に、ウエビング70を挿通
させる挿通穴51が形成され、他方の端部に、バックル
506に係合するための開口部52が形成されたプレー
ト部54と、プレート部54の一方の端部側(挿通穴5
1が形成されている側)であって、挿通穴51のウエビ
ング摺動面53以外の部分に形成されたモールド部55
と、から構成されている。ウエビング摺動面53は、プ
レート部54のウエビング摺動面53以外の部分の厚さ
(図3に符号tで示す)より大きい径(図3に符号dで
示す)、すなわちt<dを有した略円形断面を備えてい
る。これは、ウエビング70との接触面積を増大させる
ことにより、荷重が特定の部分に集中するのを避けるた
めである。このウエビング摺動面53は、クロムメッキ
処理されている。したがって、ウエビング摺動面53に
おけるウエビング70の摺動抵抗を低減させることがで
きる。
【0020】プリテンショナ内蔵式のベルト巻取装置1
00は、特に図4及び図5に示すように、ウエビング7
0を巻取るベルト巻取装置本体Cと、このベルト巻取装
置本体Cの軸方向の一端部に設けられた緊急ロック機構
Dと、もう一端部に順次設けられたプリテンショナB及
び巻取りばね装置Aを備える。
【0021】ベルト巻取装置本体Cは、ウエビング70
を巻取りまたは引き出し自在な巻取りリール22を備え
る。巻取りリール22は、その巻取軸であるベルト巻取
りシャフト24に連結された巻取りバネ装置Aによりウ
エビング70が巻き取られる方向に常時付勢されてい
る。さらに、ウエビング70が所定値以上の加速度で引
き出されようとすると、リトラクタシャフト24の軸方
向一端に連結している緊急ロック機構Dが作動し、リト
ラクタシャフト24の回転が阻止され、ウエビング70
が引き出されないように構成されている。
【0022】なお、リトラクタシャフト24の巻取りリ
ール22部は、捻りシャフト24aとされており、緊急
ロック機構Dの動作後過大な力が加わると捻りシャフト
24aが捻られて塑性変形し、このシャフト24aの図
中左方でスリーブ44aを介して相対回転不能に連結さ
れた巻取りリール22がウエビング70の引出し方向に
回転可能となるようになされている。
【0023】プリテンショナBのケーシングは、ハウジ
ング26に蓋体としてプレート28を気密に嵌め込むこ
とにより形成している。このケーシングには、車両の衝
突時等急な減速が発生したときに、ウエビング70を強
制的に巻き取って、該ウエビング70の弛みを瞬時に解
消するための機構が内蔵されている。以下、この機構の
構成を動作と共に説明する。
【0024】まず、乗員が車両に乗り、着座してウエビ
ング70を装着した初期状態では、プリテンショナB
は、図5に示す初期状態にある。この初期状態の場合、
プレート44bの突起部とスリーブ44aは離間してい
るので、クラッチ装置44はプリテンショナBには何ら
関与せず、巻取りバネ装置Aにより、ウエビング70が
引き出され、また、巻取り自在になっている。
【0025】この初期状態において、車両に衝突時等の
急激な速度減が生じたとする。これにより、圧力印加装
置32は瞬時に加圧ガスを発生し、この加圧ガスが圧力
室30に放出される。これにより、押出し部材42に下
方から急激な押圧力が作用し、転動体36の列全体が移
動通路38aから上方に向かって瞬時のうちに押し出さ
れる。
【0026】この押し出しの力は初期状態において転動
体列を押えている引張り媒体40の力に優る。転動体列
は、引張り媒体40の移動通路横断部の中間部を押しな
がら周回通路38bへと移動する。すなわち、転動体列
が動き易い直線通路38aでの直進運動から周回通路3
8bでの円周起動に沿った周回運動に変わる。
【0027】このとき引張り媒体40は、その一端がク
ラッチ44のプーリー44cの外周に固定され、他端は
プーリー44cに1回以上巻回した上でクランプ46に
固定されている。このため、周回運動に移行した転動体
列により押された引張り媒体40は、その押された分、
すなわち転動体列の移動距離の2倍の長さ分だけクラッ
チ外側の引張り媒体部分を引き込む。これにより、クラ
ッチ44のプーリー44cがその引き込み量に対応した
角度だけ回転する。つまり、引張り媒体40は、いわゆ
る「つるべ」方式で2倍の増速作用を発揮し、クラッチ
外周となるプーリー44cをその増速状態で反時計方向
に回転させる。
【0028】これにより、プーリー44cとプレート4
4bとにズレが生じ、プーリー44c内周の複数のカム
面がそれぞれプレート44bの複数の突起部を変形して
内方に押出し、突起部はスリーブ44aに噛込まれ、ク
ラッチ装置44が噛み合う。これにより、引張り媒体4
0で代表される増速機構(即ちプリテンショナーB)と
リトラクタシャフト24とが結合し、クラッチ装置44
の回転と一体にリトラクタシャフト24も反時計方向に
回転する。
【0029】転動体列の周回運動が進むにつれて、引張
り媒体40による引き込み量も多くなり、リトラクタシ
ャフト24の回転は一気に進む。リトラクタシャフト2
4の回転トルクによって、リトラクタシャフト24と嵌
合されたウエビング70の巻取りリール22が強制的に
回転し、ウエビング70が極めて短時間の内に巻取られ
る。この時、ウエビング70のショルダーベルト側が、
巻取装置100内へと引き込まれるが、タングプレート
505のウエビング摺動面53は、クロムメッキ処理に
より、ウエビング70に対する摺動抵抗が低減されてい
る。したがって、ウエビング70は、タングプレート5
05の挿通穴51をスムーズに移動可能であり、ウエビ
ング引込伝達効率を向上することができ、安定したウエ
ビング70の引込を行うことができる。
【0030】以上の動作によって、ウエビング70の弛
みが除かれ、乗員503は座席503に拘束される。衝
突による減速度あるいはウエビング70の急な移動によ
って緊急ロック機構Dは作動し、ウエビング70の引出
しを阻止するが、ウエビング70の巻取りは可能であ
る。
【0031】ウエビング70の巻取が終り、その後、衝
突時の乗員の慣性移動によりウエビング70が引出され
ると巻取りリール22がウエビング引出し方向に回転さ
せられる。この回転がスリーブ44aを介してリトラク
タシャフト24に伝達され、今度は該シャフト24は引
出し方向に回転する。このとき、図4におけるシャフト
24右側の緊急ロック機構Dによってウエビング引出し
方向の回転を阻止しているので、前述したように、ウエ
ビング荷重がある値を超えると、捻りシャフト24aが
捻られ塑性変型する。
【0032】リトラクタシャフト24がウエビング引出
し方向に回転すると、リトラクタシャフト24に結合し
ているプーリー44cが逆方向に回転して、引張り媒体
をプーリー44cの外周に巻上げ(巻付け)、引張り媒
体40を介して転動体を初期位置方向に押戻す。
【0033】転動体36が、転動体36の初期位置より
も更に押戻されると、転動体36によってクランプ46
に与えられていた付勢力がなくなるため、クランプの上
端側が移動可能となり、クランプの解除状態となる。引
張り媒体40の一端がクランプから外れると、クラッチ
44の回転を制限するものがなくなり、クラッチ44に
結合したリトラクタシャフト724の更なる回転が許容
される。
【0034】従って、シートベルト装置は、過大な加速
度を検出すると、ウエビング70を短時間で締め上げて
乗員を座席に拘束し、その後、ウエビング70の締め上
げを解除する。
【0035】なお、プリテンショナの構成は上述のもの
に限られない。例えば、特開平9−164912号に示
されるような、ラックアンドピニオン式のプリテンショ
ナであっても良い。
【0036】また、実施の形態1では、ウエビング摺動
面53をクロムメッキ処理した場合について説明した
が、これに限らず、ウエビング摺動面53は、ウエビン
グ70に対する摺動抵抗を低減することができ、タング
プレート505としての機能を損なわなければ、他の金
属面から構成することもできる。
【0037】そしてまた、実施の形態1では、ウエビン
グ摺動面53の直径dを、プレート部54のウエビング
摺動面53以外の部分の厚さtより大きく構成した場合
について説明したが、これに限定されるものではない。 (実施の形態2)次に、本発明の実施の形態2について
図面を参照して説明する。
【0038】図6は、実施の形態2に係るシートベルト
装置の実施形態を示す模式図であり、(a)は、シート
ベルト装置の正面図、同(b)は、その側面図、図7
は、ラップアウタプリテンショナの例を説明する一部断
面で示す平面図、図8は、図7のVIII−VIII線に沿った
断面図、図9は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図で
あり、ラップアウタプリテンショナの動作状態を説明す
る図である。
【0039】なお、実施の形態2では、実施の形態1と
同様の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省
略する。
【0040】図6〜図9に示すように、実施の形態2に
係るシートベルト装置の、実施の形態1に係るシートベ
ルトと異なる点は、ウエビング70の他端側が、ラップ
アウタプリテンショナ900に取り付けられている点で
ある。すなわち、実施の形態2に係るシートベルト装置
は、ウエビング70の一端側が、ベルト巻取装置100
の図示しないボビンに取り付けられ、ウエビング70の
他端側が、スルー部508を経て、タングプレート50
5のウエビング挿通穴51に挿通され、このタングプレ
ート505によって折り返されて、Bピラー下部に配置
されたラップアウタプリテンショナ900に取り付けら
れている。
【0041】ラップアウタプリテンショナ900は、大
別して、ベース921、スライダ922、マニホールド
923、ガス発生器924、キャップ925等によって
構成される。
【0042】ベース921は、例えば、断面四角形のパ
イプの一端(左端)側がテーパ部を介して平坦に形成さ
れ、他端(右端)側が、テーパ部を介して2つの平坦部
921cに形成されてなる。なお、円筒形に限定される
ものではなく、角筒状でも良い。
【0043】ベース921の左端の平坦部には、ラップ
アウタプリテンショナ900を車両のホデーパネルに固
定するアンカーボルトを通す穴921aが設けられる。
【0044】ベース921中央の角筒部921b内に
は、角筒部921b内を該筒の中心軸方向に滑動(摺
動)するスライダ922が設けられる。角筒部921b
の上面には後述のアンカーボルト922bの移動を可能
とするべく、中心軸方向に延在する長手の窓921dが
開口する。スライダ922は、外形が角柱状で、上記中
心軸方向に長手の部材である。スライダ922の右方端
近傍には傾斜面922eが形成され、この傾斜面922
eとベース921内側との相互間には、コロ922dが
設けられる。この傾斜面922eとコロ922dは、ス
ライダ922の左方への移動を可能にするが右方への移
動を妨げる。
【0045】スライダ922の右側面の中央には、円筒
状の穴(シリンダ)922aが角筒部921bの軸方向
に形成されている。スライダ922の左端側には、ウエ
ビング70の一端を固定するアンカープレート509が
アンカーボルト922bによって取り付けられる。アン
カーボルト922bは、ベース921上面の窓921d
とアンカーボルト922bとの隙間を確保するスペーサ
922cを介してスライダ922のねじ溝922fに螺
着され、スライダ922の動きを妨げない。
【0046】ベース921右端の平坦部921c内に
は、マニホールドケース923が取り付けられる。マニ
ホールドケース923は円筒状のノズル部923aと、
ガス発生器924を収納するロート状の傾斜面を有する
収納部923bとを含む。ノズル部923aはスライダ
922のシリンダ922a内に挿入される。ノズル部9
23aの左方の先端部外周には、環状の溝が形成され、
該溝内にOリングのシール923cが配設される。シー
ル923cはシリンダ922aとノズル部923aとの
気密を確保し、スライダ922が移動する際のガス漏れ
を防止する。
【0047】マニホールドケース923の収納部923
b内には、該収納部の外周に形成されたねじ山と螺合す
るキャップ925によってガス発生器924が取り付け
られる。キャップ925の外周にはつば925aが形成
されている。ガス発生器924を組み込んだマニホール
ドケース923をベース921に挿入した後、同時にマ
ニホールドケース923のノズル部923aをスライダ
922のシリンダ922aに挿入する。つば925aを
ベース921の穴921dに挿入し、ベース921の平
坦部921cをかしめる。これによって、マニホールド
ケース923がベース921に固定される。
【0048】次に、図9を参照してラップアウタプリテ
ンショナ900の動作について説明する。
【0049】ガス発生部924にECU510から図示
しない点火信号が供給されると、図示しないプラグによ
って火薬が点火され、膨張ガスが発生する。このガス
は、マニホールド923の膨張室を通り、ノズル923
a先端の開口部からスライダのシリンダ922aの底部
に突き当たる。シール923cによってシリンダ922
a及びマニホールド923間は密閉されているので、膨
張ガスは、シリンダを押し出し、スライダ922を左方
に移動させる。これにより、アンカーボルト922bが
移動する。このボルトの移動は、アンカープレートを車
両後方に向かって移動させ、ウエビング70を締め上げ
(引き込む)、乗員を拘束するように作用する。
【0050】この時、ウエビング70のラップベルト部
分が、ラップアウタープリテンショナ900内へと引き
込まれるが、タングプレート505のウエビング摺動面
53がクロムメッキ処理なされていることによって、ウ
エビング70に対する摺動抵抗が低減されているため、
実施の形態1と同様に、ウエビング引込伝達効率を向上
することができ、安定したウエビング70の引込を行う
ことができる。
【0051】次に、スライダ922が左方へ移動した
後、右方に戻ろうとするとスライダ922の傾斜面92
2eによってコロ922dが傾斜面22eとベース内面
921bの間にくい込むように作用し、スライダ922
の戻りを防止する。
【0052】このように、本発明の実施の形態2によれ
ば、車両が衝突すると、各種プリテンショナ(巻取装置
100に内蔵されたプリテンショナと、ラップアウタプ
リテンショナ900)によってウエビングの弛みを効率
よく取り除いて乗員を座席に拘束し、乗員の二次衝突を
防止する。拘束された状態から乗員が前方に慣性移動し
て所定ウエビング荷重を超えるとエネルギ吸収機構がウ
エビングを繰出し、乗員へのウエビング荷重の増加を抑
制する。
【0053】なお、プリテンショナには、各種構成のも
のを使用可能であり、上述したプリテンショナに限定さ
れるものではない。例えば、電動モータであっても良
い。配置場所も、ベルト巻取装置、バックル部、アンカ
ー部に限られない。エネルギ吸収機構として捻れ軸を用
いた例を説明したが、エネルギ吸収機構はこの構成に限
定されるものではなく、他のエネルギ吸収機構であって
もよい。
【0054】また、実施の形態2では、プリテンショナ
内蔵式の巻取装置100と、ラップアウタプリテンショ
ナ900を組み合わせた場合について説明したが、これ
に限らず、プリテンショナを内蔵していないタイプの巻
取装置を使用してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るシー
トベルト装置は、タングプレートのウエビング挿通部に
おけるウエビング摺動面が金属面から構成されているた
め、タングプレートによるウエビング折り返し部分に生
じる摺動抵抗を低減させることができる。この結果、緊
急引込み装置によるウエビング引き込みのための伝達効
率を向上させることができ、信頼性の高いシートベルト
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシートベルト装置
の実施形態を示す模式図であり、(a)は、シートベル
ト装置の正面図、同(b)は、その側面図である。
【図2】図1に示すタングプレートの平面図である。
【図3】図2に示すIII−III線に沿った拡大断面図であ
る。
【図4】プリテンショナ内蔵式ベルト巻取装置をその軸
方向側面(図5のIV−IV方向)から見た状態を概略的に
示す説明図である。
【図5】図4に示すリトラクタのV−V線に沿った断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るシートベルト装置
の実施形態を示す模式図であり、(a)は、シートベル
ト装置の正面図、同(b)は、その側面図である。
【図7】ラップアウタプリテンショナの例を説明する一
部断面で示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】図7のVIII−VIII線に沿った断面図であり、ラ
ップアウタプリテンショナの動作状態を説明する図であ
る。
【符号の説明】
51 挿通穴 52 開口部 53 ウエビング摺動面 54 プレート部 55 モールド部 70 ウエビング 100 ベルト巻取装置 200 ラップアウタプリテンショナ 505 タングプレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員をウエビングによって座席に拘束す
    るシートベルト装置であって、 車両の衝突検出に対応して前記ウエビングの弛みを取り
    除く少なくとも一つの緊急引込み装置と、 前記ウエビングを移動可能に挿通する挿通部を有し、前
    記座席の腰部近傍に位置するバックルに結合されるタン
    グプレートと、を備え、 前記挿通部のウエビング摺動面が金属面からなるシート
    ベルト装置。
  2. 【請求項2】 前記タングプレートは、プレート部と樹
    脂モールド部を有し、前記樹脂モールド部は、前記ウエ
    ビング摺動面以外の一部に形成されている請求項1記載
    のシートベルト装置。
  3. 【請求項3】 前記挿通部のウエビング摺動面が、クロ
    ムメッキ処理されてなる請求項1または請求項2記載の
    シートベルト装置。
  4. 【請求項4】 前記挿通部のウエビング摺動面は、前記
    プレート部のウエビング摺動面以外の部分の厚さより大
    きい径を備えた略円形断面を有してなる請求項1ないし
    請求項3のいずれか一項に記載のシートベルト装置。
  5. 【請求項5】 前記ウエビングの一端側を巻取る巻取装
    置をさらに備え、前記緊急引込み装置が、当該巻取装置
    に内蔵されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか一
    項に記載のシートベルト装置。
  6. 【請求項6】 前記緊急引込装置が、前記ウエビングの
    他端側の弛みを取り除く請求項1ないし請求項5のいず
    れか一項に記載のシートベルト装置。
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