JP2003002023A - 二輪車用空気圧低下検出装置および方法、ならびに二輪車用減圧判定プログラム - Google Patents
二輪車用空気圧低下検出装置および方法、ならびに二輪車用減圧判定プログラムInfo
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- Measuring Fluid Pressure (AREA)
Abstract
得ることができる二輪車用空気圧低下検出装置を提供す
る。 【解決手段】 二輪車の前後輪の車輪速度を検出する車
輪速度検出手段と、前記二輪車の車体加速度AGを求め
る加速度演算手段と、該車体加速度がゼロ近傍の所定の
範囲の場合、スリップ率SRを演算するスリップ率演算
手段と、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所定
の時間連続した場合、前記スリップ率の平均値MSRと
平均車体速度を求める平均値演算手段と、該スリップ率
の平均値と予め正常内圧時に設定された平均車体速度に
準じた基準値との差Dを求める差演算手段と、この差D
の所定個数の平均値DOLが予め設定されたしきい値の
範囲外である場合、内圧が低下していると判定する内圧
低下判定手段を備えている。
Description
検出装置および方法、ならびに二輪車用減圧判定プログ
ラムに関する。さらに詳しくは、とくに二輪車のタイヤ
の空気圧の低下を判定してドライバーに警報を発する二
輪車用空気圧低下検出装置および方法、ならびに二輪車
用減圧判定プログラムに関する。
大きく分けて圧力センサをタイヤバルブに取り付けて空
気圧を検出する直接検出型装置と車輪の回転速情報から
減圧を判定する間接方式の装置がある。
いう利点があるが、圧力センサや発信器および受信器が
必要となるため、コストが非常に高いという問題があ
る。
ないものの、コストが非常に安いというメリットがあ
り、多くの自動車メーカが採用している。その間接方式
の装置の1つとしては、特開昭63−305011公報
に記載されるものがある。この装置は、車輪速度の相対
変化からタイヤの空気圧低下を検出するものであり、車
輪速度から計算されるつぎの判定値(DEL)の変動に
より判定している。
V3)/2}/{(V1+V2+V3+V4)/4}×
100(%) ここで、V1、V2、V3およびV4は、それぞれ前左
車輪タイヤ、前右車輪タイヤ、後左車輪タイヤおよび後
右車輪タイヤの車輪速度である。
載される装置は、タイヤの内圧が低下すると動荷重半径
が減少し、そのタイヤのみ回転数が増加して前記判定値
が大きくなることを利用したものであり、対角線上のタ
イヤの和ともう一方の対角線上のタイヤの和との差をと
ることにより、前後輪スリップ率の影響などをなくすこ
とができる。
判定値の変動で内圧低下を検出することができるが、二
輪車の場合、四輪車のように対角の和をとることができ
ないため、単に前後輪の回転数比をみているだけではま
ったく内圧低下を検出することができない。
前後輪の回転数比、すなわちスリップ率は走行状態によ
って大きく変動するからである。とくに加速や減速を行
うと、スリップ率は、10%以上変化することもある。
一方、タイヤの内圧が30%低下しても回転数の増加は
数%であるため、前後輪比をみているだけでは、内圧低
下を検出することはできない。
気圧の低下を判定して安全走行を得ることができる二輪
車用空気圧低下検出装置および方法、ならびに二輪車用
減圧判定プログラムを提供することを目的とする。
低下検出装置は、二輪車の前後輪の車輪速度を検出する
車輪速度検出手段と、前記二輪車の車体加速度を求める
加速度演算手段と、該車体加速度がゼロ近傍の所定の範
囲の場合、スリップ率を演算するスリップ率演算手段
と、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所定の時
間連続した場合、前記スリップ率の平均値と平均車体速
度を求める平均値演算手段と、該スリップ率の平均値と
予め正常内圧時に設定された平均車体速度に準じた基準
値との差を求める差演算手段と、この差の所定個数の平
均値が予め設定されたしきい値の範囲外である場合、内
圧が低下していると判定する内圧低下判定手段を備えて
なることを特徴とする。
法は、二輪車の前後輪の車輪速度を検出する工程と、前
記二輪車の車体加速度を求める工程と、該車体加速度が
ゼロ近傍の所定の範囲の場合、スリップ率を演算する工
程と、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所定の
時間連続した場合、前記スリップ率の平均値と平均車体
速度を求める工程と、該スリップ率の平均値と予め正常
内圧時に設定された平均車体速度に準じた基準値との差
を求める工程と、この差の所定個数の平均値が予め設定
されたしきい値の範囲外である場合、内圧が低下してい
ると判定する工程を含むことを特徴とする。
ムは、二輪車のタイヤの空気圧の低下を判定するために
コンピュータを、前記二輪車の車体加速度を求める加速
度演算手段、該車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲の場
合、スリップ率を演算するスリップ率演算手段、前記車
体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所定の時間連続した
場合、前記スリップ率の平均値と平均車体速度を求める
平均値演算手段、該スリップ率の平均値と予め正常内圧
時に設定された平均車体速度に準じた基準値との差を求
める差演算手段、この差の所定個数の平均値が予め設定
されたしきい値の範囲外である場合、内圧が低下してい
ると判定する内圧低下判定手段として機能させることを
特徴とする。
明の二輪車用空気圧低下検出装置および方法、ならびに
二輪車用減圧判定プログラムを説明する。
自動二輪車は、前輪FWおよび後輪RWのタイヤの回転
速度を定期的に検出する車輪速度検出手段Sを備えてい
る。この車輪速度検出手段Sとしては、電磁ピックアッ
プなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から
回転速度を測定する車輪速センサを用いることができ
る。また、車輪速度検出手段Sの出力は、ABSなどの
制御ユニット1に伝達される。タイヤWiの回転数に対
応したパルス信号(以下、車輪速パルスという)が出力
される。
に、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインタ
ーフェイス1aと演算処理の中枢として機能するCPU
1bと、該CPU1bの制御動作プログラムが格納され
たROM1cと、前記CPU1bが制御動作を行う際に
データなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれ
たデータなどが読み出されるRAM1dとから構成され
ている。また、CPU1bでは、車輪速度検出手段Sか
ら出力された車輪速パルスに基づき、所定のサンプリン
グ周期ΔT(sec)、たとえばΔT=1秒ごとに前後輪F
W、RWの各タイヤの回転角速度Fiが算出される。ま
た、タイヤを交換した際などに運転者によって操作され
る初期化スイッチがある。制御ユニット1には、空気圧
が低下したタイヤWiを知らせるための液晶表示素子、
プラズマ表示素子またはCRTなどで構成された警報表
示器2、およびドライバーによって操作することができ
る初期化スイッチ3が接続されている。
速度を検出する車輪速度検出手段と、たとえば従動輪で
ある前輪の車輪速度を車体速度とし、該車体速度をサン
プリング時間で微分することにより、車体加速度を求め
る加速度演算手段と、該車体加速度がゼロ近傍の所定の
範囲の場合、スリップ率(前後輪の回転数比)を演算す
る手段と、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所
定の時間連続した場合、前記スリップ率の平均値と平均
車体速度を求める平均値演算手段と、前記スリップ率の
平均値と予め正常内圧時に設定された平均速度に準じた
基準値との差を求める差演算手段と、この差の所定個の
平均値が予め設定されたしきい値の範囲外であった場
合、内圧が低下していると判断する内圧低下判定手段と
を備えている。
圧判定プログラムは、制御ユニット1を、前記二輪車の
車体加速度を求める加速度演算手段、該車体加速度がゼ
ロ近傍の所定の範囲の場合、スリップ率を演算するスリ
ップ率演算手段、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範
囲に所定の時間連続した場合、前記スリップ率の平均値
と平均車体速度を求める平均値演算手段、該スリップ率
の平均値と予め正常内圧時に設定された平均車体速度に
準じた基準値との差を求める差演算手段、この差の所定
個数の平均値が予め設定されたしきい値の範囲外である
場合、内圧が低下していると判定する内圧低下判定手段
として機能させる。
圧の低下を検出する装置に関する。
で走行をしているときのデータのみに限定する。
速度がゼロ近傍となるような走行は多々存在する。そこ
で、たとえば3秒間連続して車体加速度がゼロ近傍であ
った場合、そのときの平均スリップ率と平均車体速度を
求める。
めておいた前記平均車体速度に準じた基準値との差を求
める。
定値以上または所定値以下の場合、内圧が低下している
と判断する。
均化しているのは、つぎの理由により内圧の低下以外に
よる誤差を小さくするためである。
回する。また、前輪と後輪のプロファイルが異なる。こ
のため、図3に示されるように、実験室での走行試験で
前輪Fと後輪Rに正常内圧のバイアスタイヤ(商品名:
D103。ダンロップ製)を装着させたのち、地面に対
してタイヤの角度を0〜30(deg)変化させて、走
行させた場合、動荷重半径が変化する。その結果、車体
を傾けて旋回すると、前後輪の回転数比が直進走行時か
ら変動する。また、同じ角度の場合、前輪Fよりも後輪
Rの方が変化量が大きいことがわかる。すなわち、前後
輪とも同じ角度で旋回していると仮定すると、前輪より
も後輪の方が回転数が大きくなることがわかる。また、
傾き角度が大きくなるほどその差も大きくなっており、
車体を傾けて旋回するほど前後輪比の変化量は大きくな
るといえる。つぎに実車での走行試験の結果を図4に示
す。図4は50km/hと80km/hで直進走行した
場合の前後輪比を100とした場合に、150R(15
0mの旋回半径)と110R(110mの旋回半径)を
旋回したときの前後輪比を示している。ほとんど車体を
倒すことなく走行した50km/hの場合は、直進時に
比べ旋回(150R、110R)時もほとんど前後輪比
が変化していないのに対し、車体を倒して旋回した80
km/hでは前後輪比が小さくなっている。このように
旋回状態によっては、正常内圧にもかかわらず、平均ス
リップ率が変動してしまう可能性がある。ただし、スリ
ップ率が大きく変動するような旋回状態というのは、車
体を傾けた旋回であり、そのような走行状態が長時間連
続することは考えにくい。よって、所定個数の平均値と
することで旋回による誤差を小さくできる。
度の影響が加味されるため、一定速走行といえども前後
輪の回転数比が変動する。この場合も、長時間連続して
同じような勾配の坂が続くことは考えにくく、平均化す
ることにより誤差を小さくできる。
検出装置の動作を手順〜に沿って説明する。
速度から車輪速度(V1n、V2n)を算出する。電磁ピ
ックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルス
の数から回転速度を測定する車輪速センサから得られた
各車輪タイヤのある時点の車輪速データを車輪速度V1
n、V2nとする。
体速度とし、該車体速度をサンプリング時間で微分する
ことにより、車体加速度を求める。前記前輪の車輪速度
Vfnより1つ前の車輪速データから、車輪速度Vfn
−1とすると、車輪加速度Afnはそれぞれつぎの式
(1)で求められる。 Afn=(Vfn−Vfn−1)/Δt/G ・・・(1)
る車輪速度VfnとVfn−1の時間間隔(サンプリン
グ時間)であり、Gは重力加速度である。
囲内、たとえば±0.01Gの場合、スリップ率(前後
輪の回転数比)を演算する。前輪の回転数をN1および
後輪の回転数をN2とすると、スリップ率SはN2/N
1となる。
て前記範囲内にあった場合、そのときの平均スリップ率
と平均車体速度を演算する。
圧時に求めておいた平均車体速度に準じた基準値との差
Dを求める。たとえば前記平均車体速度に応じた基準値
の設定の仕方は、予めテストを行い、基準値を求め設定
しておいてもよいが、実際には、タイヤのバラツキなど
があり、誤差が大きいために、初期化スイッチが押され
たときに設定するのが望ましい。初期化スイッチが押さ
れるのは、タイヤを交換した場合やタイヤの内圧を基準
内圧に調整した場合である。初期化スイッチが押される
と、各種速度に応じた基準値の設定が行われる。
秒間連続して、範囲内にあったときの平均スリップ率と
平均速度を演算し、各速度毎に10個蓄積して、その平
均値を基準値として記憶する。
0個蓄積し、その平均値DOLを求める。
れたしきい値の範囲外、たとえば上限値0.8以上また
は下限値−0.6以下の場合、内圧が低下していると判
断する。たとえば前記しきい値の範囲は、予めいろいろ
な減圧実験によって設定することができる。
る。
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
た二輪車(商品名:ST1100。本田技研工業(株)
製)を用意した。そして、前輪タイヤおよび後輪タイヤ
とも正常内圧S、前輪タイヤのみ40%減圧F40、およ
び後輪タイヤのみ40%減圧R40に設定した条件でそれ
ぞれ走行試験を行った。
サから出力される車輪速パルスに基づいて、車輪速度を
取り込み、40msごとの車体速度Vおよび車体加速度
AGを演算した(スッテプS1〜S4)。
0.01G内に存在しているか否かを判断して(ステッ
プS5)、存在している場合はスリップ率SRを演算す
る(ステップS6)。そして、3秒間これを繰り返し、
連続して前記範囲内にある場合の平均スリップ率MSR
と平均車体速度MVを演算する(ステップS8〜S
9)。
時に求めておいた平均車体速度に準じた基準値との差D
を求める(ステップS10)。
個蓄積し、その平均値DOLを求める。なお、新しい差
Dが入ってくると、一番古い差Dが捨てられる(ステッ
プS11)。
(ステップS12)、この平均値DOLが予め設定され
たしきい値の上限値0.8以上または下限値−0.6以
下であるか否かを判断する(ステップS13)。
内圧S、前輪タイヤのみ40%減圧F40、および後輪タ
イヤのみ40%減圧R40について、それぞれ場合の差D
の平均値DOLの経時変化を図6に示す。
も正常内圧Sの場合、平均値DOLの値は、絶えずゼロ
近辺で推移しているのに対し、前輪タイヤのみ40%減
圧F 40の場合は1.5前後、後輪タイヤのみ40%減圧
R40の場合は−1.0前後で推移していることがわか
る。
囲外である場合、内圧が低下していると判定して、警報
を発してドライバーに知らせる(ステップS14)こと
ができる。
タイヤが減圧しており、負の場合、後輪タイヤが減圧し
ていることもわかる。
二輪車の空気圧の低下を判定して安全走行を得ることが
できる。
の形態を示す説明図である。
ク図である。
示す図である。
係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 二輪車の前後輪の車輪速度を検出する車
輪速度検出手段と、前記二輪車の車体加速度を求める加
速度演算手段と、該車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲
の場合、スリップ率を演算するスリップ率演算手段と、
前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所定の時間連
続した場合、前記スリップ率の平均値と平均車体速度を
求める平均値演算手段と、該スリップ率の平均値と予め
正常内圧時に設定された平均車体速度に準じた基準値と
の差を求める差演算手段と、この差の所定個数の平均値
が予め設定されたしきい値の範囲外である場合、内圧が
低下していると判定する内圧低下判定手段を備えてなる
二輪車用空気圧低下検出装置。 - 【請求項2】 二輪車の前後輪の車輪速度を検出する工
程と、前記二輪車の車体加速度を求める工程と、該車体
加速度がゼロ近傍の所定の範囲の場合、スリップ率を演
算する工程と、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲
に所定の時間連続した場合、前記スリップ率の平均値と
平均車体速度を求める工程と、該スリップ率の平均値と
予め正常内圧時に設定された平均車体速度に準じた基準
値との差を求める工程と、この差の所定個数の平均値が
予め設定されたしきい値の範囲外である場合、内圧が低
下していると判定する工程を含む二輪車用空気圧低下検
出方法。 - 【請求項3】 二輪車のタイヤの空気圧の低下を判定す
るためにコンピュータを、前記二輪車の車体加速度を求
める加速度演算手段、該車体加速度がゼロ近傍の所定の
範囲の場合、スリップ率を演算するスリップ率演算手
段、前記車体加速度がゼロ近傍の所定の範囲に所定の時
間連続した場合、前記スリップ率の平均値と平均車体速
度を求める平均値演算手段、該スリップ率の平均値と予
め正常内圧時に設定された平均車体速度に準じた基準値
との差を求める差演算手段、この差の所定個数の平均値
が予め設定されたしきい値の範囲外である場合、内圧が
低下していると判定する内圧低下判定手段として機能さ
せるための二輪車用減圧判定プログラム。
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