JP2003001891A - インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタにおいて、印画品位
を低下させることなく、小型化を図る。 【解決手段】 印画紙を収納するトレイであって、垂直
面に対して±１５度以内に印画面が配置されるように印
画紙を収納する給紙トレイ１２と、給紙トレイ１２から
送り出された印画紙が印画時に通過する搬送路であっ
て、水平面に対して±１５度以内に印画面が配置された
状態で印画紙を搬送する印画搬送路２２と、印画搬送路
２２を搬送する印画紙に対して印画を行う印画ヘッド１
６と、印画搬送路２２において、上方に印画ヘッド１６
が設けられた位置より給紙トレイ１２側に配置され、印
画紙を搬送するとともに、給紙トレイ１２から送り出さ
れた印画紙が印画搬送路２２に入り込むことにより印画
紙に発生するカールの方向と逆方向のカール力を印画紙
に付与するカール矯正ローラ１８とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、省スペースを可能
としたインクジェットプリンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１０は、従来のインクジェットプリン
タの一例を示す図であり、（ａ）は外観斜視図を示し、
（ｂ）は側面の内部構成を示す。給紙トレイ２は、プリ
ンタ本体１内に収納されている。また、排紙トレイ３
は、プリンタ本体１の背面側に突出して設けられてい
る。

【０００３】給紙トレイ２の右側上方には、給紙ローラ
４が設けられており、給紙トレイ２内の印画紙は、給紙
ローラ４の回転によって給紙トレイ２外に搬送される。
さらに、給紙トレイ２から送り出された印画紙は、上下
に配置された一対の搬送ローラ５によって挟持され、図
１０（ｂ）中、右側に搬送される。このとき、印画ヘッ
ド６は、搬送されている印画紙に対して印画を行う。印
画が行われた印画紙は、搬送ローラ５によって所定の排
紙トレイ３の位置まで送られ、排紙トレイ３に収納され
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来の
技術では、インクジェットプリンタの横幅が広くなって
しまうという問題がある。これは、印画ヘッド６の周囲
部の小型化を図ったとしても、給紙トレイ２及び排紙ト
レイ３は、それぞれ水平又は水平に近い状態で配置され
るためである。給紙トレイ２及び排紙トレイ３は、収納
可能な用紙の面積以上に大きくする必要があるので、小
型化を図るには一定の限界がある。

【０００５】よって、例えばインクジェットプリンタを
卓上に設置しようとすると、その専有面積が大きいため
に、卓上の多くの領域を使用してしまうという問題があ
る。また、給紙トレイ２や排紙トレイ３のいずれか（図
１０の例では排紙トレイ３）がプリンタ本体１から突出
している場合において、突出した給紙トレイ２や排紙ト
レイ３が卓上からはみ出して設置することも考えられる
が、このような設置をすると、人と接触しやすく危険で
あり、給紙トレイ２や排紙トレイ３の損傷の原因にもな
るという問題がある。

【０００６】ここで、給紙トレイ２及び排紙トレイ３を
垂直又はそれに近い状態に配置すれば、給紙トレイ２及
び排紙トレイ３の水平方向における専有面積が小さくな
るので、小型化を図ることができると考えることができ
る。この場合、印画紙を垂直又はそれに近い状態で搬送
しつつ印画を行うこととなる。図１１は、このときのイ
ンクジェット方式の印画ヘッド６と、吐出されたインク
液Ｉと、印画紙Ｐとの関係を示す図である。

【０００７】図１１において、印画ヘッド６先端部のノ
ズルと、印画紙Ｐの印画面との間のギャップは、例えば
１〜３ｍｍ程度設けられているため、吐出されたインク
液Ｉには重力方向（下方向）の力が作用する。したがっ
て、インク液Ｉは、印画紙Ｐの印画面まで水平に飛ぶの
ではなく、重力の影響を受けて放物状の軌跡を描く。

【０００８】すなわち、図１０のように吐出されたイン
ク液が重力の影響を受けない場合には、印画紙に着弾し
たインク液は円形状となるが、図１１のような場合は、
重力の影響によって楕円状になってしまい、印画品位が
劣るという問題がある。このため、インクジェット方式
のプリンタでは、印画紙Ｐを垂直に搬送している途中で
印画を行うことはできず、印画紙Ｐを水平に搬送してい
る状態で印画を行う必要がある。

【０００９】このように、インクジェット方式では、特
有の制約により、他の方式のプリンタよりも小型化を図
るのが困難であった。なお、例えばインクリボン方式で
印画を行う場合には、インク液を吐出して印画を行うも
のではないため、上記のような問題は生じない。

【００１０】また、従来のインクジェット方式のプリン
タを縦置きにした場合、設置上、不安定であるととも
に、さらに上記のような印画品位の問題も発生するの
で、このような設置をすることはできない。

【００１１】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、インクジェットプリンタにおいて、印画品位を低
下させることなく、小型化を図ることができるようにす
ることである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、以下の解決手
段によって、上述の課題を解決する。請求項１の発明
は、印画紙を収納するトレイであって、垂直面に対して
±１５度以内に印画面が配置されるように印画紙を収納
する給紙トレイと、前記給紙トレイから送り出された印
画紙が印画時に通過する搬送路であって、水平面に対し
て±１５度以内に印画面が配置された状態で印画紙を搬
送する印画搬送路と、前記印画搬送路の上方に設けら
れ、前記印画搬送路を搬送する印画紙に対して印画を行
う印画ヘッドと、前記印画搬送路において、上方に前記
印画ヘッドが設けられた位置より前記給紙トレイ側に配
置され、印画紙を搬送するとともに、前記給紙トレイか
ら送り出された印画紙が前記印画搬送路に入り込むこと
により印画紙に発生するカールの方向と逆方向のカール
力を印画紙に付与するカール矯正ローラとを備えること
を特徴とするインクジェットプリンタである。

【００１３】請求項２の発明は、請求項１に記載のイン
クジェットプリンタにおいて、前記印画ヘッドにより印
画が行われた印画紙を収納するトレイであって、垂直面
に対して±１５度以内に印画面が配置されるように印画
紙を収納する排紙トレイを備えることを特徴とする。

【００１４】請求項３の発明は、請求項１又は請求項２
に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記給紙ト
レイから送り出された印画紙が前記印画搬送路に入り込
む部分には、ガイドが設けられ、前記ガイドには、印画
紙を前記印画ヘッド側に送り出す方向に回転する案内ロ
ーラが設けられていることを特徴とする。

【００１５】本発明においては、給紙トレイでは、垂直
面から±１５度以内の角度に印画紙の印画面が配置され
るので、給紙トレイの部分の専有面積を小さくすること
ができる。また、給紙トレイから印画紙が送り出される
と、印画搬送路に搬送され、印画搬送路を搬送されてい
るときに印画紙に印画が行われる。印画搬送路では、水
平面から±１５度以内の角度に印画紙の印画面が配置さ
れるので、インクジェット方式の印画ヘッドであっても
吐出されたインク液が重力等の影響を受けず、高い印画
品位を確保することができる。

【００１６】さらに、給紙トレイから送り出された印画
紙が印画搬送路内に入り込むときには、印画紙は、略直
角に搬送角度が変更される。このとき、印画紙にはカー
ルが発生する。しかし、印画前に印画紙はカール矯正ロ
ーラを通過するので、このカール矯正ローラによって、
印画紙には、カールの方向と逆方向のカール力が付与さ
れる。したがって、印画前に、印画紙に発生したカール
を取り除くことができる。これにより、印画紙のジャム
や印画品位の低下を防止することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の一実施形態について説明する。図１は、本発明による
インクジェットプリンタの一実施形態を示す外観の側面
図である。図１において、インクジェットプリンタの給
紙トレイ１２及び排紙トレイ１３は、プリンタ本体１１
の上側両端部に配置されている。

【００１８】図１に示すように、給紙トレイ１２及び排
紙トレイ１３は、それぞれの支持部１２ａ及び１３ａを
支点としてプリンタ本体１１に回動可能に取り付けられ
ている。給紙トレイ１２に印画紙を装着するときには、
図１のように給紙トレイ１２を時計回りに回動させ、図
中、１点鎖線で示す位置まで移動させ、上部を露出させ
る。給紙トレイ１２の上部は、印画紙を装着可能に開放
されており、この部分から印画紙を装着する。

【００１９】また、印画された印画紙は、排紙トレイ１
３に収納される。印画された印画紙を取り出すときは、
図１のように排紙トレイ１３を反時計回りに回動させ、
図中、１点鎖線で示す位置まで移動させ、上部を露出さ
せる。そして、排紙トレイ１３の上部から印画紙を取り
出すことができるように形成されている。

【００２０】給紙トレイ１２及び排紙トレイ１３は、そ
れぞれ図１の位置に配置されているときには、略垂直に
配置されている。したがって、これらの給紙トレイ１２
及び排紙トレイ１３内の印画紙は、垂直面に対して略平
行に収納されている。なお、給紙トレイ１２及び排紙ト
レイ１３は、必ずしも垂直である必要はなく、垂直面か
ら±１５度以内に、印画紙の印画面が配置されるもので
あれば、プリンタ本体の小型化に影響を及ぼさない。

【００２１】図２は、図１のインクジェットプリンタの
内部構成を示す側面図である。給紙トレイ１２の図中、
左側には、給紙ローラ１４が設けられている。給紙ロー
ラ１４は、給紙トレイ１２が所定位置に配置されたとき
に、給紙トレイ１２の最上部に位置する印画紙と接触す
るように設けられている。この給紙ローラ１４は、駆動
モータ（図示せず）の駆動により回転される。給紙ロー
ラ１４が図中、時計回りに回転されると、給紙ローラ１
４表面の摩擦力によって給紙トレイ１２内の最上部の印
画紙を下方向に搬送する。

【００２２】給紙トレイ１２の下側には、略垂直に形成
された給紙搬送路２１が設けられている。さらに、この
給紙搬送路２１の２か所には、それぞれ一対の搬送ロー
ラ１５が設けられている。搬送ローラ１５は、給紙トレ
イ１２側から送り出されてくる印画紙を挟持するととも
に、その表面の摩擦力によって、印画紙を送り出すもの
である。

【００２３】さらに、給紙搬送路２１に連結して、印画
搬送路２２が設けられている。印画搬送路２２は、略水
平に形成されている。すなわち、給紙搬送路２１を搬送
される印画紙は、印画搬送路２２に入り込むと、略９０
度、搬送角度が変更される。そして、印画搬送路２２を
印画紙が搬送されているときに、印画が行われる。

【００２４】印画搬送路２２の上方には、印画ヘッド１
６が設けられている。印画ヘッド１６は、インクジェッ
ト方式のヘッドである。印画ヘッド１６が例えばサーマ
ル方式のものである場合は、印画ヘッド１６内部に設け
られたインク液室（図示せず）にインクが案内されると
ともに、このインク液室内でヒーター（図示せず）によ
ってインク液が加熱される。

【００２５】そして、加熱時のエネルギーによりインク
液滴を、印画ヘッド１６の下端部に設けられたノズル１
６ａから印画紙側に吐出させる。吐出させたインク液を
印画紙に着弾させることで、印画紙に画像を形成し、印
画を行う。

【００２６】印画搬送路２２を搬送される印画紙は、図
中、左側の排紙搬送路２３側に送られる。排紙搬送路２
３は、給紙搬送路２１と略対称形状に形成されている。
排紙搬送路２３の出入口付近には、それぞれ一対の搬送
ローラ１５が設けられており、印画紙は、この搬送ロー
ラ１５に挟持されて図中、上方向に送られる。そして、
排紙トレイ１３内に収容される。

【００２７】なお、給紙搬送路２１及び排紙搬送路２３
は、必ずしも垂直である必要はなく、垂直から±１５度
以内の範囲であれば、プリンタの小型化に影響を及ぼさ
ない。

【００２８】続いて、給紙搬送路２１から印画搬送路２
２へ印画紙を搬送するときに、印画紙をスムーズに搬送
するための構造について説明する。先ず、給紙搬送路２
１と印画搬送路２２との連結部分には、ガイド１７が設
けられている。図３は、ガイド１７の形状をより詳細に
示す斜視図である。ガイド１７は、印画紙が通過するた
めの一定の間隙を介して一対の略円弧状の部材が配置さ
れたものである。

【００２９】ガイド１７の形状には特に制限はないが、
給紙搬送路２１から搬送されてくる印画紙を印画搬送路
２２側にスムーズに案内する観点から決定される。ガイ
ド１７の曲率半径を大きくすればするほど、給紙搬送路
２１から印画搬送路２２へと搬送方向を変えたときに印
画紙にかかるストレスを軽減することができるが、必要
以上に大きくすると、小型化を図ることができない。ま
た、ガイド１７の材質は、金属材料又は樹脂材料のいず
れであっても良い。

【００３０】さらに、ガイド１７の印画紙搬送面側に
は、低摩擦層（図示せず）が形成されている。低摩擦層
を形成するには、種々の方法が挙げられるが、例えばガ
イド１７の表面に、ＰＴＦＥ（ポリテトラフルオロエチ
レン；四ふっ化エチレン樹脂）等のフッ素樹脂層を形成
するか、又はガイド１７全体をこれらの材質から形成す
ることが挙げられる。このようにガイド１７の少なくと
も印画紙搬送面側に低摩擦層を設ければ、給紙搬送路２
１を搬送される印画紙の先端部がガイド１７に当接した
ときに、印画紙の先端部をスムーズに曲げて、印画搬送
路２２側に案内することができる。

【００３１】さらに、図２に示すように、印画ヘッド１
６より給紙搬送路２１側、かつ印画紙搬送路２２の入口
付近には、上下に配置された一対のカール矯正ローラ
（以下単に矯正ローラという）１８が設けられている。
さらに、印画ヘッド１６より排紙搬送路２３側、かつ印
画紙搬送路２２の出口付近には、搬送ローラ１９が設け
られている。これらの矯正ローラ１８及び搬送ローラ１
９は、例えば少なくとも表面がゴム部材から形成されて
おり、印画紙を挟持して印画中の印画紙に適度な張力を
付与するとともに、印画紙を排紙搬送路２３側に搬送す
るものである。

【００３２】さらに、矯正ローラ１８は、印画紙に生じ
たカールを矯正する機能を有するローラである。ここ
で、矯正ローラ１８の上下のローラは、その外径が同一
に形成されているが、上側のローラは、下側のローラよ
り速く回転される。これにより、矯正ローラ１８に挟持
されて搬送される印画紙には、上面側が下面側より速く
前方に送られる力が働く。これにより、印画紙には、下
方向のカール力が付与される。

【００３３】印画紙が給紙搬送路２１から印画搬送路２
２に送られたときに、本実施形態の例では、印画紙は、
垂直方向から水平方向に搬送角度が変化する。このた
め、印画紙の先端部には上方向のカール力が働き、印画
紙の先端部は、上方向にカールした状態となる。この状
態のまま印画ヘッド１６側に送られると、印画紙先端部
のカールによってジャムが発生したり、又は印画品位が
低下するおそれがある。よって、印画紙の搬送角度の変
化に伴い印画紙に発生するカールを除去すべく、そのカ
ールの方向と逆方向のカール力を印画紙に付与するた
め、矯正ローラ１８を設けている。

【００３４】印画紙は、矯正ローラ１８を通過する前
は、その先端部が上方向にカールした状態であるが、矯
正ローラ１８を通過することで、その先端部が下方向に
カールする力が加えられる。これにより、印画紙は、印
画前に平坦状に戻される。よって、印画紙先端部を円滑
に印画ヘッド１６の下側に案内することができるととも
に、印画紙のカールによる印画品位の低下を防止するこ
とができる。

【００３５】なお、印画搬送路２２と排紙搬送路２３と
の連結部分においても、ガイド１７が設けられている。
ここで、印画搬送路２２から排紙搬送路２３へと搬送角
度が変化することに伴い、上記と同様に印画紙がカール
する。ただし、印画搬送路２２から排紙搬送路２３に送
られた印画紙は、排紙トレイ１３に収納されるだけであ
るので、印画紙に生じたカールを除去しなくても、印画
品位には影響を及ぼさない。しかし、搬送ローラ１９
を、矯正ローラ１８と同様に構成し、搬送ローラ１９に
よって印画紙の先端部が下方向を向くカールを付与すれ
ば、印画搬送路２２から排紙搬送路２３に送られたとき
に、印画紙に生じるカールをなくすことができる。さら
に、排紙トレイ１３への印画紙の収納時に、印画紙を円
滑に収納することができる。

【００３６】また、上記構成においては、印画ヘッド１
６は、その下側を搬送される印画紙に対して印画を行う
ため、印画ヘッド１６のノズルから吐出されたインク液
は、重力の影響を受けることはない。よって、高品位な
印画品位を確保することができる。

【００３７】図４は、本発明の他の実施形態であるイン
クジェットプリンタの内部構成を示す側面図である。図
４の例では、印画紙は、印画搬送路２２を通過した後、
下方向に送られ、されらに水平方向に搬送された後、排
紙搬送路２３に送られるようにしたものである。このよ
うに、印画搬送路２２を通過して印画が行われた後、直
ちに排紙搬送路２３に送るのではなく、他の搬送路を経
由して排紙搬送路２３に送られるようにしても良い。た
だし、印画紙の搬送路の簡略化の観点からは、図２で示
す例の方が好ましい。

【００３８】なお、印画搬送路２２は、印画紙の搬送路
上のどの位置に設けても良い。例えば、図４において、
最下部の水平部分の搬送路を印画搬送路２２としても良
い。

【００３９】図５は、印画ヘッド１６と印画搬送路２２
との関係を示す図である。図５中、（ａ）は、印画搬送
路２２が水平に配置されている状態を示し、（ｂ）は、
印画搬送路２２が水平面に対して所定の角度を有する場
合を示す。図２又は図４の例では、図５（ａ）に示すよ
うに、印画搬送路２２を水平に配置している。これに対
し、図５（ｂ）では、印画搬送路２２が傾斜している。
ここで、図５（ａ）において、着弾されたインク液の印
画紙搬送方向における長さをＡとしたとき、図５（ｂ）
における長さは、Ｂ（＞Ａ）となる。

【００４０】ただし、図５（ｂ）に示すように、印画搬
送路２２が水平面に対して傾斜していても、それが印画
品位に影響を与えない程度の傾斜であれば、このように
印画搬送路２２が水平面に対して角度を有していても良
い。印画搬送路２２の角度としては、水平面に対して±
１５度以内であれば、印画品位に影響を与えない。

【００４１】図６は、図５（ｂ）に示すように、印画搬
送路２２が水平面に対して角度を有する場合の例を示
す。図５（ｂ）のように印画搬送路２２が水平ではない
場合、図２に示すように印画搬送路２２と排紙搬送路２
３とを直接連結するのではなく、図４及び図６に示すよ
うに、印画搬送路路２２から、一旦下方向に印画紙を搬
送させることが好ましい。図５（ｂ）に示すように、印
画搬送路２２が右上がりに傾斜している場合、印画搬送
路２２と排紙搬送路２３とを直接連結するとともに排紙
搬送路２３を垂直にすると、印画搬送路２２と排紙搬送
路２３とのなす角が鋭角となってしまい、印画紙にかか
るストレスが大きくなってしまうからである。

【００４２】なお、図６では、印画ヘッド１６からのイ
ンク液の吐出方向と印画搬送路２２の方向とが略直角に
なるように、印画ヘッド１６を傾斜して取り付けてい
る。図５（ｂ）に示すように、印画ヘッド１６からのイ
ンク液の吐出方向が略垂直になるように印画ヘッド１６
を取り付けても良いが、図６のように印画ヘッド１６を
傾斜させて、インク液の吐出方向と印画搬送路２２の方
向とが略直角になるようにしても良い。

【００４３】図７（ａ）、（ｂ）は、それぞれ矯正ロー
ラの他の実施形態を示す図である。上述の例では、矯正
ローラ１８の上下のローラは、同一外径とし、上側のロ
ーラを下側のローラより速く回転させるようにした。こ
れに対し、図７（ａ）の例は、上側のローラの外径を下
側のローラの外径より大きくした矯正ローラ１８Ａを示
すものである。

【００４４】この場合、上側と下側とのローラを同一の
角速度で回転させることができる。両者が同一の角速度
で回転すると、上側のローラの外周速度の方が下側のロ
ーラの外周速度より速くなる。よって、印画紙には、上
面側が下面側より速く前方に送られる力が働く。これに
より、印画紙には、下方向のカール力が付与される。

【００４５】また、図７（ｂ）の例は、上側のローラと
下側のローラとの回転中心が、横方向において長さＬだ
けずれている矯正ローラ１８Ｂを示すものである。この
ように上側のローラと下側のローラとを配置しても、矯
正ローラ１８Ｂを通過する印画紙には、下方向のカール
力が付与される。

【００４６】図８（ａ）、（ｂ）は、それぞれガイドの
他の実施形態を示す斜視図である。先ず、図８（ａ）の
例は、上側及び下側の部材を、それぞれ２分割したガイ
ド１７Ａを示すものである。このように、上側及び下側
の部材は、１つの部材から形成する必要はなく、図８
（ａ）の例のように２つの部材から形成しても良く、さ
らには３つ以上の部材から形成しても良い。

【００４７】また、図８（ｂ）の例は、印画紙の幅方向
において、部材を複数に分割して形成したガイド１７Ｂ
を示すものである。このように、印画紙の幅方向におい
ても、１つの部材から形成する必要はなく、複数の部材
から形成しても良い。

【００４８】図９（ａ）、（ｂ）は、それぞれガイドの
さらに他の実施形態を示す側面図であり、案内ローラ１
７ａを設けた例を示すものである。図９（ａ）の例は、
上側に案内ローラ１７ａを設け、下側を円弧状の部材か
ら形成したガイド１７Ｃを示すものである。そして、案
内ローラ１７ａは、所定の駆動手段により図中、時計回
りに回転される。この場合、印画紙の先端部がガイド１
７Ｃに到達したとき、案内ローラ１７ａが回転すること
によって、印画紙の先端部を、図中、左側（印画搬送路
２２側）に案内することができるようになる。

【００４９】また、図９（ｂ）の例は、下側の部材か
ら、案内ローラ１７ａの一部が突出するようにしたガイ
ド１７Ｄを示すものである。案内ローラ１７ａは、上記
の例と同様に、所定の駆動手段により図中、反時計回り
に回転される。このようにすれば、印画紙の先端部がガ
イド１７Ｄに到達したときに案内ローラ１７ａと当接す
る。そして、案内ローラ１７ａの回転によって、印画紙
の先端部は、図中、左側（印画搬送路２２側）に案内さ
れる。

【００５０】なお、本実施形態では、排紙トレイ１３を
設けた例を示したが、例えば、印画搬送路２２で印画が
行われた印画紙を、そのまま水平に搬送して、プリンタ
本体１１外に排出するようにしても良い。

【００５１】

【発明の効果】本発明によれば、給紙トレイの部分の専
有面積を小さくすることができる。また、インクジェッ
ト方式の印画ヘッドであっても吐出されたインク液が重
力等の影響を受けず、高い印画品位を確保することがで
きる。さらにまた、印画紙の搬送角度を例えば略直角に
変更しても、印画前に印画紙に発生したカールが取り除
かれるので、印画紙のジャムや印画品位の低下を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるインクジェットプリンタの一実施
形態を示す外観の側面図である。

【図２】図１のインクジェットプリンタの内部構成を示
す側面図である。

【図３】ガイドの形状をより詳細に示す斜視図である。

【図４】本発明の他の実施形態であるインクジェットプ
リンタの内部構成を示す側面図である。

【図５】印画ヘッドと印画搬送路との関係を示す図であ
り、（ａ）は、印画搬送路が水平に配置されている状態
を示し、（ｂ）は、印画搬送路が水平面に対して所定の
角度を有する場合を示す。

【図６】印画搬送路が水平面に対して角度を有する場合
のインクジェットプリンタの内部構成を示す側面図であ
る。

【図７】（ａ）、（ｂ）は、それぞれ矯正ローラの他の
実施形態を示す図である。

【図８】（ａ）、（ｂ）は、それぞれガイドの他の実施
形態を示す斜視図である。

【図９】（ａ）、（ｂ）は、それぞれガイドのさらに他
の実施形態を示す側面図であり、案内ローラを設けた例
を示すものである。

【図１０】従来のインクジェットプリンタの一例を示す
図であり、（ａ）は外観斜視図を示し、（ｂ）は側面の
内部構成を示す。

【図１１】インクジェット方式の印画ヘッドと、吐出さ
れたインク液と、印画紙との関係を示す図である。

【符号の説明】

１１ プリンタ本体 １２ 給紙トレイ １２ａ 支持部 １３ 排紙トレイ １３ａ 支持部 １４ 給紙ローラ １５ 搬送ローラ １６ 印画ヘッド １６ａ ノズル １７、１７Ａ、１７Ｂ、１７Ｃ、１７Ｄ ガイド １７ａ 案内ローラ １８、１８Ａ、１８Ｂ カール矯正ローラ １９ 搬送ローラ ２１ 給紙搬送路 ２２ 印画搬送路 ２３ 排紙搬送路 Ｉ インク液 Ｐ 印画紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印画紙を収納するトレイであって、垂直
   面に対して±１５度以内に印画面が配置されるように印
   画紙を収納する給紙トレイと、 前記給紙トレイから送り出された印画紙が印画時に通過
   する搬送路であって、水平面に対して±１５度以内に印
   画面が配置された状態で印画紙を搬送する印画搬送路
   と、 前記印画搬送路の上方に設けられ、前記印画搬送路を搬
   送する印画紙に対して印画を行う印画ヘッドと、 前記印画搬送路において、上方に前記印画ヘッドが設け
   られた位置より前記給紙トレイ側に配置され、印画紙を
   搬送するとともに、前記給紙トレイから送り出された印
   画紙が前記印画搬送路に入り込むことにより印画紙に発
   生するカールの方向と逆方向のカール力を印画紙に付与
   するカール矯正ローラとを備えることを特徴とするイン
   クジェットプリンタ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のインクジェットプリン
   タにおいて、 前記印画ヘッドにより印画が行われた印画紙を収納する
   トレイであって、垂直面に対して±１５度以内に印画面
   が配置されるように印画紙を収納する排紙トレイを備え
   ることを特徴とするインクジェットプリンタ。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に記載のインクジ
   ェットプリンタにおいて、 前記給紙トレイから送り出された印画紙が前記印画搬送
   路に入り込む部分には、ガイドが設けられ、 前記ガイドには、印画紙を前記印画ヘッド側に送り出す
   方向に回転する案内ローラが設けられていることを特徴
   とするインクジェットプリンタ。