JP2003001235A - 通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システム - Google Patents

通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システム

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JP2003001235A
JP2003001235A JP2001192286A JP2001192286A JP2003001235A JP 2003001235 A JP2003001235 A JP 2003001235A JP 2001192286 A JP2001192286 A JP 2001192286A JP 2001192286 A JP2001192286 A JP 2001192286A JP 2003001235 A JP2003001235 A JP 2003001235A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染修復のための適切な修復計画データを入
手して、汚染修復を効率良く行う。 【解決手段】 一以上の修復サイト端末装置4から個別
の汚染計測データを通信ネットワークNを介して収集
し、この汚染計測データを演算装置6がファジイ推論に
より定性的又は定量的に評価してその評価データから汚
染修復計画を立案し、通信ネットワークNを介して前記
各端末装置4へ個別に配信するため、本システムのユー
ザは、適切な汚染修復計画データに基づいて、効率の良
い汚染修復を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌や地下水の汚
染を修復するためのデータを汚染領域毎に個別に提供す
るシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工場からの廃棄物等による土壌や
地下水の汚染が問題になっている。そして、このような
汚染の修復は、汚染領域の地盤に所要数の井戸を掘削し
て、汚染地盤領域内の汚染地下水をポンプで汲み上げて
浄化し、この浄化した水を汚染地盤領域内に復水し浸透
させるといった方法があるが、汚染の状況や土質特性、
周辺の環境等が、地域によって異なっているため、従来
は、汚染領域毎に、個別に汚染修復計画を立案して、局
所的に修復が行われている。また、ある企業が、修復す
べき複数の汚染領域を保有している場合は、これらの修
復に優先度を考慮しなければならないことがあり、従来
は、各汚染領域を管理する環境管理担当者が、汚染計測
データ等を本社に送り、本社で修復の優先度を判断して
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような各汚染領域での個別の修復計画では、修復を実行
するための労力やコストの面でのロスが多く、効率が悪
い。しかも、個別対応のため、装置の故障等が発生した
場合等の緊急時の対応が難しいといった問題も指摘され
る。
【0004】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その技術的課題は、汚染修復のための適切
な修復計画データを入手して、汚染修復を効率良く行う
ことにある。
【0005】また、他の技術的課題は、装置の故障等が
発生した場合等の緊急時の対応を適切に行うことを可能
にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
請求項1の発明に係る通信ネットワークによる汚染修復
計画データ提供システムは、ユーザが保有する特定の汚
染領域の汚染計測データが入力される修復サイト端末装
置と、一以上の修復サイト端末装置に通信ネットワーク
を介して接続されたサーバ及びこのサーバに接続された
演算装置とを備え、前記サーバが、前記各修復サイト端
末装置からの個別の汚染計測データを前記通信ネットワ
ークを介して収集するデータ収集手段及び前記演算装置
から出力されたデータを前記通信ネットワークを介して
前記ユーザ又はユーザが保有する修復サイト端末装置へ
個別に配信するデータ配信手段を備え、前記演算装置が
サーバのデータ収集手段によって収集された個別の汚染
計測データを分析して定性的又は定量的に評価しその評
価データから汚染修復計画を立案して出力する立案手段
を備える。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明に係る
通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システ
ムにおいて、演算装置がサーバのデータ収集手段に収集
された個別の汚染計測データ及び立案された汚染修復計
画に基づいて制御データを出力する制御データ出力手段
を備え、ユーザの保有する修復装置の駆動が修復サイト
端末装置に配信された制御データに基づいて制御され
る。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明に係る
通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システ
ムにおいて、各修復サイト端末装置に入力される汚染計
測データが、その地域の土質特性データ及び周辺の汚染
状況のデータを含むものである。
【0009】請求項4の発明は、請求項1の発明に係る
通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システ
ムにおいて、演算装置による汚染計測データの評価が、
個別の汚染計測データを入力として、一定のファジイ制
御ルールに基づくファジイ推論により行われる。
【0010】請求項5の発明は、請求項1の発明に係る
通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システ
ムにおいて、演算装置による修復計画の立案が、エネル
ギ計画モデル又は資源平滑化モデルを組み込んだ推論エ
ンジンにより行われる。
【0011】請求項6の発明は、請求項1の発明に係る
通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システ
ムにおいて、通信ネットワークにユーザコンピュータが
接続され、演算装置による修復計画の立案の条件が、前
記ユーザコンピュータからの指示により変更可能となっ
ている。
【0012】請求項7の発明は、請求項1の発明に係る
通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供システ
ムにおいて、通信ネットワークに管理コンピュータが接
続され、ユーザの保有する修復装置の稼動状況データ
が、前記通信ネットワークを介して前記管理コンピュー
タに入力される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る通信ネット
ワークによる汚染修復計画データ提供システムの好まし
い実施の形態を概略的に示す説明図、図2は本形態によ
るシステムを更に詳細に示す説明図である。
【0014】まず図1において、参照符号1は本システ
ムにおけるデータ収集手段及びデータ配信手段としての
サーバであり、このサーバ1には、LANやDOPAな
どによる通信ネットワークNを介して、管理コンピュー
タ2と、本システムを利用するユーザとしての企業が保
有するユーザコンピュータ3、修復サイト端末装置4及
び携帯端末装置5が接続されている。サーバ1には、コ
ンピュータからなる修復計画立案装置6が接続されてお
り、修復サイト端末装置4には、地下水汲み上げポンプ
等の汚染修復装置の駆動を制御するシーケンサ7が接続
されている。
【0015】図2に示される企業C〜Eは、本システム
を利用して汚染修復計画データの提供を受けるユーザで
あり、ユーザコンピュータ3は、各企業C〜Eの本社C
1,D1,E1の管理部門等に設置されたコンピュータ
である。修復サイト端末装置4は、前記企業C〜Eの各
事業所(例えば汚染源になっていると予想される工場な
ど)C2,C3,D2,E2,E3に設置されていて、
その敷地及び近隣の地盤C2,C3,D2,E2
,E3等の汚染計測データが入力され、サーバ1を
介して、管理コンピュータ2、ユーザコンピュータ3、
携帯端末装置5及び修復計画立案装置6とのデータの送
受信を行うことができる。
【0016】サーバ1は、ユーザである各企業C〜Eの
ID及びパスワードなど、固有のユーザ識別データを登
録管理するユーザ管理データファイルと、各企業C〜E
の本社C1,D1,E1の管理部門等に設置されたユー
ザコンピュータ3あるいは各事業所C2,C3,D2,
E2,E3に設置された各修復サイト端末装置4からの
個別の汚染計測データを通信ネットワークNを介して収
集するデータ収集手段と、修復計画立案装置6から出力
された汚染修復計画データを前記通信ネットワークNを
介して各修復サイト端末装置4へ個別に配信するデータ
配信手段を備える。修復計画立案装置6は、サーバ1に
収集された汚染計測データから、ファジイ推論によって
汚染状況を定性的又は定量的に評価し、更にその評価結
果から、ファジイ推論によって汚染修復計画を立案する
推論エンジンを備える。
【0017】なお、修復計画立案装置6は、本システム
を運用する修復情報提供会社Aに設置され、ユーザであ
る企業C〜Eは、それぞれ修復情報提供会社Aと予め本
システムの維持管理に関する一次契約を結んでいる。管
理コンピュータ2は、本システムを維持管理する管理会
社Bに設置され、管理会社Bと修復情報提供会社Aはシ
ステムの維持管理に関する二次契約を結んでいる。ま
た、サーバ1は基本的には修復情報提供会社Aが運営す
るが、機密保持契約を結んだ第三者に運営を委託するこ
ともできる。
【0018】また、ユーザとなった企業C〜Eには、I
D及びパスワードなど、固有のユーザ識別データが発行
されると共に、サーバ1のユーザ管理データファイルに
登録される。このため、ユーザからサーバ1へアクセス
する際には、IDコード及びパスワード等を入力するこ
とによって、このユーザ識別データが、サーバ1のユー
ザ管理データファイルに登録されたユーザ登録データと
照合され、一致した場合に、修復計画立案装置6等との
データの送受信を行うことができるようになっている。
【0019】汚染修復は、例えば汚染領域の地盤に所要
数の井戸を掘削して、汚染された地下水をポンプ(図示
省略)で汲み上げて浄化し、この浄化した水を放流又は
復水するといった方法が採用される。シーケンサ7は、
推論エンジンで立案されサーバ1を介して各ユーザコン
ピュータ3に個別に配信された汚染修復計画のデータに
基づいて、前記ポンプ等の運転を制御するものである。
また、前記井戸には、地下水中の汚染物質の濃度を計測
するセンサ8が配置されており、汚染濃度が定期的(例
えば1日に2回程度)に計測され、そのデータが修復サ
イト端末装置4送られるようになっている。
【0020】修復計画立案装置6による汚染地下水等の
修復計画において、各汚染領域から収集される汚染計測
データを定性的又は定量的に評価して、より適切な修復
計画データを各汚染領域へ提供するためには、例えば汚
染濃度が同じであっても、汚染物質が工場等の敷地外部
へ拡散しているかどうか、あるいは汚染領域の地盤性状
が修復に適しているかどうか、あるいは各汚染領域を全
国規模で比較した場合に、修復の緩急の優先度はどの程
度か、といった種々の条件を勘案しながら、総合的に判
断することが求められる。
【0021】修復計画立案装置6におけるメモリには、
予め、汚染の状況を判断するためのファジイ制御ルール
と、修復の状況を評価するためのファジイ制御ルールが
保存されており、修復計画立案装置6における推論エン
ジンは、これらのファジイ制御ルールにより、ファジイ
推論演算を実行する。すなわち修復計画立案装置6は、
本システムのユーザのうち、例えば企業Cのユーザコン
ピュータ3から推論要求を受信すると、各事業所C2,
C3の敷地及び近隣の地盤C2,C3の汚染計測デ
ータから、メモリに保存されている上記各ファジイ制御
ルールによってファジイ推論を行い、汚染物質が敷地外
部へ拡散しているかどうか、汚染領域の地盤性状が修復
に適しているかどうか、修復の緩急の優先度はどの程度
か、といった種々の条件を考慮して総合的に判断する。
【0022】すなわち、まず例えば汚染物質の濃度のほ
か、敷地外部への汚染物質拡散の有無や、地盤性状や、
汚染濃度の変化量や、汚染地下水を汲み上げることによ
る地盤沈下といった近隣地盤への影響などの各種データ
を、メンバーシップ関数に適用し、予め定められたファ
ジイ制御ルールを用いてファジイ推論演算による汚染計
測データの評価を実行し、推論結果として評価データを
出力する。
【0023】ファジイ制御ルールによる具体的な評価例
を示すと、次のようになる。 (a)汚染の状況評価 (if 敷地外への拡散is有 and地盤性状is不
適)is 汚染の評価is危険 (b)修復への貢献度評価 (if 汚染物質の濃度変化is目標範囲 and周辺
への影響is目標範囲)is 修復の状況is目標範囲 (c)総合評価 if 汚染の評価is危険 and修復の状況is目標
範囲)is 総合評価is危険
【0024】修復計画立案装置6における推論エンジン
には、上記評価データを入力として、汚染修復計画の立
案を行うためのエネルギ計画モデル及び資源平滑化モデ
ルが組み込まれている。
【0025】図3は、エネルギ計画モデルの概念を示す
説明図である。すなわち、エネルギ計画モデルとは、各
汚染地域の汚染修復のためのエネルギの需要(具体的に
は電力需要)を満たすようなエネルギ供給構造を求める
モデルで、図3に示されるように、まず、ステップS1
01において、各汚染地域(例えば図2における各事業
所の敷地及び近隣の地盤C2,C3,D2,…)
における地下水汲み上げによる汚染物質回収データ及び
地下水汲み上げポンプの運転により消費された電力デー
タ等を計測し、ステップS102において、これらのデ
ータから、単位回収量当たりの消費エネルギを算出す
る。そして、同じ消費エネルギでも前記各汚染地域にお
ける地盤特性や汚染状況等により修復効率が異なるた
め、ステップS103において、これらの状況を考慮し
て消費エネルギを最適化する補正を行い、ステップS1
04においては、各汚染地域C2,C3,D2
…で、補正されたエネルギデータを考慮してエネルギ消
費計画を再度策定する。
【0026】図4は、資源平滑化モデルの概念を示す説
明図である。ここでいう資源とは、例えば地下水汲み上
げポンプの運転により消費された電力や、汲み上げ後に
浄化した地下水の放流費用や、その他、汚染修復に必要
な消耗品等の費用を含むもので、資源平滑化モデルと
は、消費可能な資源の制約及び時間の制約のもとで、一
連の作業の効率を最適化するためのモデルである。
【0027】すなわち、この資源平滑化モデルによれ
ば、まずステップS201において、例えば企業Aの場
合は、その各事業所C2,C3における敷地及び近隣の
地盤C2,C3の汚染を修復するための時間配分に
よる資源消費量Q,Qが個別に策定される。次に、
ステップS202において、資源消費量Q,Qを合
計する。そして、合計された資源消費量Q+Qの時
間配分のうち、この企業Aにおける種々の制約から許容
される資源消費量の最大値Qを超過する時間帯があれ
ば、その時間帯の超過消費量Qa,Qbを、ステップS
203において資源消費量Qの少ない時間帯へ再配分
し、全ての時間帯で資源消費量Qが最大値Q の範囲内
に収まるように、再度消費計画の策定を行う。
【0028】図5は、修復計画立案装置6の処理を概略
的に示すフローチャートである。この図5に示されるよ
うに、修復計画立案装置6は、いずれかのユーザ(企業
C〜E)のユーザコンピュータ3から、通信ネットワー
クN及びサーバ1を介して汚染修復計画策定の指示があ
ると、(ステップS1=YES)、修復対象領域におけ
る汚染濃度分布データ、修復目標濃度や、その濃度達成
までの要求期間、汚染修復に消費可能なエネルギの制約
条件、修復対象領域の地盤性状など、計画策定に必要な
種々のデータをユーザコンピュータ3へ要求し(ステッ
プS2)、これらのデータが受信されると(ステップS
3=YES)、これに基づいて、先に説明したファジイ
推論による各事業所向けの汚染修復計画を個別に策定し
(ステップS4)、その汚染修復計画データをサーバ1
及び通信ネットワークNを介してユーザコンピュータ3
へ送信し(ステップS5)、処理はステップS1へリタ
ーンする。
【0029】汚染修復計画の策定は、ファクシミリや電
子メール等の適切な手段によって、修復情報提供会社A
に指示することもできるが、この場合は、修復情報提供
会社Aの担当者が、修復計画立案装置6にキーボード6
1などによって、策定に必要なデータを入力することに
なる。
【0030】次に、修復計画立案装置6は、ステップS
5においてユーザコンピュータ3へ送信した汚染修復計
画データについて、変更の指示がなければ(ステップS
1=NO)、定常処理へ移行する。
【0031】定常処理においては、ユーザの各事業所C
2,C3,…に設置された修復サイト端末装置4からの
日常的な汚染計測データが、サーバ1及び通信ネットワ
ークNを介して受信されると(ステップS6=YE
S)、この汚染計測データと、ステップS3において予
め入力された汚染濃度分布データ、修復目標濃度デー
タ、その濃度達成までの要求期間等から、汚染修復のた
めの地下水汲み上げポンプ等を制御する制御値を演算し
(ステップS7)、その制御データを、サーバ1及び通
信ネットワークNを介して各修復サイト端末装置4へ配
信し(ステップS8)、処理はステップS1へリターン
する。
【0032】各事業所C2,C3,…では、各修復サイ
ト端末装置4に送られた制御データに基づいて、シーケ
ンサ7を介して地下水汲み上げポンプ等の運転を制御
し、汚染修復作業を実施する。そして、先に説明したよ
うに、修復対象の地盤C2,C3,…における地下
水の汚染状況は、センサ8によって定期的に計測されて
いるため、地下水汲み上げ等の汚染修復作業の実施によ
り変化する汚染計測データは、処理がステップS1から
再びステップS6へ移行して最新の汚染計測データが受
信されることによって、修復計画立案装置6へフィード
バックされ、ステップS7で、この新たな汚染計測デー
タに基づいて制御データが補正される。
【0033】また、修復サイト端末装置4からの日常的
な汚染計測データが、サーバ1及び通信ネットワークN
を介して受信されると(ステップS6=YES)、ステ
ップS9では、この汚染計測データと、ステップS3に
おいて予め入力された汚染濃度分布データ、修復目標濃
度データ、その濃度達成までの要求期間等から、汚染修
復の進捗状況のデータを演算し、ステップS10におい
て、その修復状況データを、最新の汚染計測データと共
に、サーバ1及び通信ネットワークNを介してユーザコ
ンピュータ3へ配信し、処理はステップS1へリターン
する。したがって、ユーザコンピュータ3から、IDコ
ード及びパスワード等による固有のユーザ識別データを
入力することによってサーバ1をアクセスすれば、汚染
修復の進捗状況や、最新の汚染計測データを、いつでも
ユーザコンピュータ3のディスプレイやプリンタ等に出
力することができる。そして、このデータは、修復計画
立案装置6に新たな汚染計測データが受信される度に演
算し直され、更新されることになる。
【0034】図6は、ユーザコンピュータ3のディスプ
レイに表示された修復状況データの例を示すものであ
る。すなわち、このユーザが保有する汚染修復対象領域
毎に、例えば目標濃度a、実測濃度b、汚染修復の進捗
状況cと共に、修復計画の変更の可否を問うボタンdが
表示される。
【0035】ところで、ステップS10においてユーザ
コンピュータ3に送信された汚染修復の進捗状況データ
や、予期しないコストの発生、あるいは地盤沈下等のよ
うな予期しないトラブルの発生等によっては、修復計画
の変更を余儀なくされる場合がある。このような場合
は、図6に示される画面上のボタンdを押すことによっ
て、ユーザコンピュータ3から、修復計画立案装置6へ
計画変更を指示することができる。
【0036】このような計画変更の指示があった場合は
(ステップS1=YES)、処理は先に説明した初期の
計画策定のステップS2〜S5と同様の処理によって、
各事業所向けの汚染修復計画を個別に策定し直し、その
変更された汚染修復計画データをサーバ1及び通信ネッ
トワークNを介してユーザコンピュータ3へ送信し、ス
テップS1へリターンする。そして、この変更された汚
染修復計画データが、当該ユーザで承認されれば(ステ
ップS1=NO)、定常時の処理に復帰し、すなわちス
テップS6からの処理が繰り返される。
【0037】上述のような修復計画に従って、汚染修復
が進められることによって、センサ8で計測される地下
水の汚染濃度データが、要求された目標濃度まで低下し
た時点で、汚染修復作業が終了することになる。
【0038】なお、図5のフローチャートには示されて
いないが、例えば何台のポンプが稼動しているか、ある
いは正常に作動しているかといった装置稼動状況は、シ
ーケンサ7を介して常時監視されており、そのデータ
は、本システムを維持管理する管理会社Bの管理コンピ
ュータ2へサーバ1及び通信ネットワークNを介して送
信される。そして、万一、ポンプの異常運転や故障な
ど、装置の異常を生じた場合は、修復サイト端末装置4
から、異常を報知するデータが出力され、サーバ1及び
通信ネットワークNを介して、管理コンピュータ2及び
修復計画立案装置6へ送信される。
【0039】図7は、管理コンピュータ2のディスプレ
イに表示された管理画面の例を示すものである。すなわ
ち、この画面には、当該ユーザの保有する汚染修復対象
領域毎に、装置の稼動状況が出力表示され、いずれかの
装置に異常が発生した場合はその旨の出力表示がなされ
る。一方、修復計画立案装置6は、異常を報知するデー
タが受信されると、該当する装置のシーケンサ7に接続
された修復サイト端末装置4へ直ちに駆動停止指令を送
信し、この指令によって、シーケンサ7が、装置の運転
を停止する。
【0040】この場合、管理会社Bの担当者が、現場へ
赴いて修理するなどして、装置等が復旧すると、そのデ
ータが、修復サイト端末装置4からサーバ1及び通信ネ
ットワークNを介して、管理コンピュータ2及び修復計
画立案装置6へ送信される。修復計画立案装置6は、こ
の復旧データの受信によって、該当する装置のシーケン
サ7に接続された修復サイト端末装置4へ直ちに駆動指
令を送信し、この指令によって、シーケンサ7が、装置
の運転を再開する。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明に係る通信ネットワーク
による汚染修復計画データ提供システムによれば、一以
上の修復サイト端末装置から個別の汚染計測データを通
信ネットワークを介して収集し、この汚染計測データを
演算装置が定性的又は定量的に評価してその評価データ
から汚染修復計画を立案し、前記通信ネットワークを介
して前記各端末へ個別に配信するため、本システムのユ
ーザは、適切な汚染修復計画データを得ると共に、汚染
修復計画策定のための労力及びコストを削減することが
できる。
【0042】請求項2の発明に係る通信ネットワークに
よる汚染修復計画データ提供システムによれば、ユーザ
の保有する修復装置の駆動が、演算装置から修復サイト
端末装置に送られた制御データに基づいてフィードバッ
ク制御されるため、効率の良い汚染修復を行うことがで
きる。
【0043】請求項3の発明に係る通信ネットワークに
よる汚染修復計画データ提供システムによれば、各修復
サイト端末装置に入力される汚染計測データが、その地
域の土質特性データ及び周辺の汚染状況のデータを含む
ものであるため、本システムのユーザは、汚染の状況や
土質特性、周辺の環境、修復の優先度等を考慮した汚染
修復計画データを得ることができる。
【0044】請求項4の発明に係る通信ネットワークに
よる汚染修復計画データ提供システムによれば、演算装
置による汚染計測データの評価が、個別の汚染計測デー
タを入力として、一定のファジイ制御ルールに基づくフ
ァジイ推論により行われるため、汚染の状況や土質特
性、周辺の環境、修復の優先度といった種々の条件を勘
案しながら、定性的又は定量的に評価することができ
る。
【0045】請求項5の発明に係る通信ネットワークに
よる汚染修復計画データ提供システムによれば、演算装
置による修復計画の立案が、エネルギ計画モデル又は資
源平滑化モデルを組み込んだ推論エンジンにより行われ
るため、地盤特性や汚染状況等により異なる修復効率を
勘案し、かつ種々の制約において最も効率の良い修復計
画を得ることができる。
【0046】請求項6の発明に係る通信ネットワークに
よる汚染修復計画データ提供システムによれば、演算装
置による修復計画の立案の条件が、ユーザからの指示に
より随時変更可能であるため、汚染修復の進捗状況や、
コストその他の予期しない事情等が発生した場合に、ユ
ーザからの指示によって、修復計画を適切に変更するこ
とができる。
【0047】請求項7の発明に係る通信ネットワークに
よる汚染修復計画データ提供システムによれば、ユーザ
の保有する修復装置の稼動状況データが、前記通信ネッ
トワークを介して前記管理コンピュータに入力されるた
め、修復装置に異常が発生した場合に、迅速に対応して
装置を復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信ネットワークによる汚染修復
計画データ提供システムの好ましい実施の形態を示す概
略構成説明図である。
【図2】本発明に係る通信ネットワークによる汚染修復
計画データ提供システムの好ましい実施の形態を示す説
明図である。
【図3】上記実施の形態における演算装置の推論エンジ
ンに組み込まれたエネルギ計画モデルの概念を示す説明
図である。
【図4】上記実施の形態における演算装置の推論エンジ
ンに組み込まれた資源平滑化モデルの概念を示す説明図
である。
【図5】上記実施の形態における演算装置による処理を
示すフローチャートである。
【図6】上記実施の形態におけるユーザコンピュータの
ディスプレイに表示された修復状況データの例を示す説
明図である。
【図7】上記実施の形態における管理コンピュータ2の
ディスプレイに表示された管理画面の例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 サーバ 2 管理コンピュータ 3 ユーザコンピュータ 4 修復サイト端末装置 5 携帯端末装置 6 修復計画立案装置(演算装置) 7 シーケンサ N 通信ネットワーク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザが保有する特定の汚染領域の汚染
    計測データが入力される修復サイト端末装置と、 一以上の修復サイト端末装置に通信ネットワークを介し
    て接続されたサーバ及びこのサーバに接続された演算装
    置とを備え、 前記サーバが、前記各修復サイト端末装置からの個別の
    汚染計測データを前記通信ネットワークを介して収集す
    るデータ収集手段及び前記演算装置から出力されたデー
    タを前記通信ネットワークを介して前記ユーザ又はユー
    ザが保有する修復サイト端末装置へ個別に配信するデー
    タ配信手段を備え、 前記演算装置がサーバのデータ収集手段によって収集さ
    れた個別の汚染計測データを分析して定性的又は定量的
    に評価しその評価データから汚染修復計画を立案して出
    力する立案手段を備えることを特徴とする通信ネットワ
    ークによる汚染修復計画データ提供システム。
  2. 【請求項2】 演算装置がサーバのデータ収集手段に収
    集された個別の汚染計測データ及び立案された汚染修復
    計画に基づいて制御データを出力する制御データ出力手
    段を備え、ユーザの保有する修復装置の駆動が修復サイ
    ト端末装置に配信された制御データに基づいて制御され
    ることを特徴とする請求項1に記載の通信ネットワーク
    による汚染修復計画データ提供システム。
  3. 【請求項3】 各修復サイト端末装置に入力される汚染
    計測データが、その地域の土質特性データ及び周辺の汚
    染状況のデータを含むことを特徴とする請求項1に記載
    の通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供シス
    テム。
  4. 【請求項4】 演算装置による汚染計測データの評価
    が、個別の汚染計測データを入力として、一定のファジ
    イ制御ルールに基づくファジイ推論により行われること
    を特徴とする請求項1に記載の通信ネットワークによる
    汚染修復計画データ提供システム。
  5. 【請求項5】 演算装置による修復計画の立案が、エネ
    ルギ計画モデル又は資源平滑化モデルを組み込んだ推論
    エンジンにより行われることを特徴とする請求項1に記
    載の通信ネットワークによる汚染修復計画データ提供シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 通信ネットワークにユーザコンピュータ
    が接続され、演算装置による修復計画の立案の条件が、
    前記ユーザコンピュータからの指示により変更可能であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の通信ネットワーク
    による汚染修復計画データ提供システム。
  7. 【請求項7】 通信ネットワークに管理コンピュータが
    接続され、ユーザの保有する修復装置の稼動状況データ
    が、前記通信ネットワークを介して前記管理コンピュー
    タに入力されることを特徴とする請求項1に記載の通信
    ネットワークによる汚染修復計画データ提供システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011065257A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Takenaka Komuten Co Ltd 土壌汚染評価支援装置およびプログラム
JP2011065258A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Takenaka Komuten Co Ltd 物理量予測装置およびプログラム
JP2016507720A (ja) * 2012-11-06 2016-03-10 イノベーション イン サイエンシーズ アンド テクノロジーズ エス.アール.エル.Innovationin Sciences & Technologies S.R.L. 環境修復のための複合システムのネットワーク及びそのネットワークを制御するための方法

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