JP2003001064A - 有害物質還元処理方法及び装置 - Google Patents

有害物質還元処理方法及び装置

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JP2003001064A
JP2003001064A JP2001185283A JP2001185283A JP2003001064A JP 2003001064 A JP2003001064 A JP 2003001064A JP 2001185283 A JP2001185283 A JP 2001185283A JP 2001185283 A JP2001185283 A JP 2001185283A JP 2003001064 A JP2003001064 A JP 2003001064A
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hydrogen
exhaust gas
electrons
electrode
discharge plasma
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JP2001185283A
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Yoshinori Shimada
義則 島田
Shigeaki Uchida
成明 内田
Chiyoe Yamanaka
千代衛 山中
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Institute for Laser Technology
Original Assignee
Institute for Laser Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質を含む排気ガスを処理するため、放
電プラズマを利用して有害物質を分解するだけでなく、
放電プラズマからの紫外光を利用して水素を安価なコス
トで発生させ、その水素の強力な還元力を併用して排気
ガスに含まれる有害物質の還元処理を可能とする方法及
び装置を得る。 【解決手段】 有害物質還元処理装置Aは、ケーシング
1に排気管2が接続され、ケーシング1の片側に高圧電
極3と反対側に水素発生手段4を対向して設け、高圧電
極3からの放電により放電プラズマを生じさせ、放電プ
ラズマからの紫外光を水素発生手段4に照射し、水素発
生手段4は半導体電極41と金属電極42をゲル材45
を介して電解質容器に接して設け、上記紫外光を半導体
電極で吸収して金属電極42側から水素を放出し、水素
と電子により反応領域で有害物質を還元処理するように
構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、排ガス等の気体
や土等の固体粒子に付着したダイオキンやPCBなどの
有害物質を分解処理する有害物質還元処理方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、有害物質を含む排気ガスを排出す
る汚染源には、種々の物質や材料等を燃焼炉で燃焼又は
焼却処理をする燃焼炉、焼却炉などがあり、又自動車等
の排気ガスも汚染源となっている。又、焼却炉から排出
された排ガスが付近の農地に雨水と一緒に溶け込んで汚
染土となり、汚染源となる場合もある。このような汚染
源から排出される人体に有害な物質は、人体だけでなく
動物や植物を含めて自然環境に悪影響を及ぼすため、こ
れを無害化あるいは削減する技術が注目されている。
【0003】このような有害物質は、燃焼炉やエンジン
等での燃焼の際にできるだけ生成されないように燃焼温
度を最適に設定するなどの種々の対策が行なわれている
が、このような対策だけで完全に無くすことはできな
い。このため、有害物質を含む排気ガス等が発生する
と、これを事後であっても除去する必要がある。このよ
うな有害物質を無害化する技術の1つとして放電プラズ
マを用いた処理技術がある。
【0004】この放電プラズマによる無害化技術は、電
極間に所定の電圧を印加して放電させ、放電空間に排気
ガスを流すと排気ガスが電離して放電プラズマが生成さ
れ、この放電プラズマ中では例えばNOX を処理すると
いうものである。このような放電プラズマを利用した処
理装置の1例として、特開平6−335621号公報に
よる「自動車用排ガス処理装置」が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記放電プラ
ズマによる排気ガスの処理は、酸化反応を促進させる作
用が主であり、有害物質の中でも特にNOX 、SOX
処理する場合はアンモニアなどのアルカリ物質と反応さ
せることにより最終的には硝酸アンモニウム、あるいは
硫酸アンモニウムが生成する。このような副生成物が生
じると、この副生成物をさらに処理しなければならない
という煩わしい問題が生じる。
【0006】さらに、ハロゲン化合物の場合は、燃焼等
による酸化では燃焼温度が不適切であったり、あるいは
燃焼温度が不均一であると分解が不十分となり易く、1
00%の完全処理は極めて困難である。燃焼による処理
が不完全な場合、燃焼温度を上げてさらに燃焼を続ける
必要が生じ、完全処理するには多くの時間と労力を要
し、かつ慎重で注意深い処理が要求される。
【0007】一方、水素は古くより各種化学物質の還元
処理剤として利用されており、有害物質を含む排気ガス
を還元処理することも可能である。しかし、外部より水
素を供給して排気ガスを還元処理するためには、高価な
水素を必要とするため一般にはこのような処理は処理コ
ストが高過ぎて実施できない。従って、水素を還元処理
剤として利用するためには外部で製造された水素を用い
るのではなく、排気ガスの処理をする過程を利用して安
価に水素を発生させる必要があり、そのための何らかの
工夫が求められていた。
【0008】そこで、本発明者等は、前述した放電プラ
ズマによる排気ガスの処理において、放電プラズマから
紫外光が発生するにも拘らず、この紫外光は何ら利用さ
れず放置されている点に注目し、これを利用して水素を
安価に発生させ、排気ガスの処理に利用することを着想
するに至ったのである。
【0009】この発明は、上記の問題に留意して、放電
プラズマを利用して有害物質を分解するだけでなく、放
電プラズマからの紫外光を利用して水素を安価なコスト
で発生させ、その水素の還元力を併用して排気ガスに含
まれる有害物質の還元処理を可能とする有害物質還元処
理方法及び装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、電極に高電圧を印加して発生す
る電子を排気ガスを含む気体中に放電して放電プラズマ
を生じさせ、紫外光が照射されるとその紫外光を吸収し
て電解質溶液を分解し水素を発生する水素発生手段に放
電プラズマからの紫外光を照射して水素を発生させ、発
生した水素を上記気体の反応領域に放出して電子と衝突
させることによりラジカル化又はイオン化し、上記電子
と水素を排気ガスを含む気体の反応領域で排気ガス中の
有害物質に作用させて有害物質を分解し、還元処理する
ことから成る有害物質還元処理方法としたのである。
【0011】上記の還元処理方法によれば、紫外光で水
素を発生する手段に対し高圧電極からの放電プラズマで
生じる紫外光を照射するため、外部から水素を供給する
ことなく水素が発生できる。放電プラズマにより排気ガ
ス中に含まれる有害物質を分解する方法で有害物質の処
理をする方法では、放電プラズマは必ず必要である。こ
のため、特別に放電プラズマに必要な電力以上の電気エ
ネルギを要求するのではなく、放電プラズマで生じる紫
外光のエネルギを転用することにより安価に水素を発生
させることができるのである。
【0012】発生した水素は、排気ガスの流れに対し電
子を衝突させて分解、還元反応を生じさせる反応領域に
放出し、そこで放電プラズマを生じている電子と衝突さ
せてラジカル化又はイオン化して水素の還元力を強め
る。排気ガス中の有害物質は放電プラズマの電子と衝突
するだけでもある程度分解されるが、完全ではない。し
かしこの還元処理方法では、電子との衝突によりどんな
種類の有害物質であれ、ある程度分解された有害物質に
ラジカル化又はイオン化した水素を作用させて還元処理
することにより、全く異質の安定した無害物質とするこ
とができる。
【0013】上記の方法を実施する装置として、高電圧
を印加して電子を発生する高圧電極と、紫外光を半導体
電極で吸収して水素を発生させる水素発生手段とを排気
ガスが流れる流路側壁の所定の反応位置に互いに対向し
て設け、高圧電極により発生した電子を排気ガスに衝突
させて生じる放電プラズマからの紫外光を水素発生手段
の半導体電極に照射して水素を発生させ、この水素を排
気ガス中で高圧電極からの電子と衝突させて水素をラジ
カル化又はイオン化した水素と電子で有害物質を還元
し、有害物質を分解処理するようにして成る有害物質還
元処理装置を採用することができる。
【0014】なお、この還元処理装置においては、高圧
電極と水素発生手段は、それぞれを左右1対に対向して
設けてもよいが、高圧電極を中心に水素発生手段をその
周りに同心円状に対向して設けてもよい。又、水素発生
手段を、半導体電極をアノード、金属電極をカソードと
して、両電極をゲル物質内に貯留された電解質溶液に接
して設け、金属電極とゲル物質の接合面間から水素を発
生させるように構成されたものとするとよい。
【0015】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1は実施形態の有害物質還元
処理装置の外観斜視図である。図示の処理装置Aは、焼
却炉や燃焼炉、あるいは自動車エンジン等から排出され
る有害物質を含む排気ガスGを大気中へ放出する排出管
の途中に設置され、排気ガスに含まれる有害物質に還元
処理を施すものである。処理装置Aは、本体ケーシング
1に排出管2、2がその前後に接続され、ケーシング1
内には高圧電極3と水素発生手段4とが互いに対向して
設置されている。
【0016】図2の(a)図断面に示すように、ケーシ
ング1を絶縁材5により高電圧側1aと低電圧側1bと
に絶縁し、図示しない高電圧電源HVから高電圧を高圧
電極3に印加し、高圧電極3から電子を対向する水素発
生手段4へ放電するように電源が供給される。ケーシン
グ1は導電性の鉄材から形成され、高圧電極3は図示の
例では板状電極である。
【0017】又、複数本の棒電極を互いに所定の間隔で
設置してもよい。高圧電極3は高電圧側のケーシング1
aに取付けられ、ケーシング1の低電圧側1bは接地さ
れている。絶縁材5は、例えばセラミックス等の非導電
性材料が用いられる。又、高圧電極3は、例えば10K
Vの短パルス高電圧が印加される。このパルス電圧のパ
ルス間隔は1ミリ秒、通電時間は1マイクロ秒である。
【0018】水素発生手段4は、この実施形態では、半
導体電極41(アノード)と金属電極42(カソード)
と、電解質溶液43とを備え、半導体電極41で紫外光
を吸収して水素と酸素を発生するものである。半導体電
極41は、図示の例では酸化チタン(TiO2 )が用い
られ、波長400nm以下の紫外光を吸収する。金属電
極42は、図示の例では白金が用いられ、紫外光を透過
させるため白金を網目格子状に形成している。
【0019】電解質溶液43は例として水が用いられ、
この水は電解室44内に収納されている。電解室44
は、図2の(b)図に示すように、電解室の全体を囲む
フレーム材と、このフレーム材の左右側面に半導体電極
41と金属電極42を取付ける面に水がしみ出す機能材
のゲル材45とから形成されている。ゲル材45は半導
体電極41や金属電極42に接触するように設けられ
る。フレーム材は所定の強度があればよく、金属製、硬
質プラスチック材製のいずれでもよい。
【0020】ゲル材は、水がわずかにしみ出す程の通水
性があり、大量に外部へ流出することはないが、各電極
との接触面では水と電極との間に電解反応を生じさせる
材料で、水を大量に含むことができる高分子吸収剤、例
えばノニオン系重合体等を用い、紫外光が透過できるよ
う厚みを薄くする。あるいは、厚みが薄い透明ポリマー
に細かな穴を開け、そこから水分がしみ出すような材料
としてもよい。
【0021】半導体電極41と金属電極42は、接続線
47で接続され、半導体電極41に紫外線が照射されて
電子の移動により両電極間に電流が流れると、電気エネ
ルギを生じるシステムを構成している。TiO2 の半導
体電極41に波長400nm以下の紫外光が照射される
と内部に電子と正孔が生成され、電子はTiO2 の表面
から内部に吸収され、白金の表面に集まり、ここで水が
電子を吸着してOH-となる。このOH- がTiO2
表面で電子を受渡すことにより電気回路が形成され、こ
れによりTiO2 の表面には酸素、白金表面には水素が
発生する。
【0022】上記構成の有害物質還元処理装置Aにより
排気ガスに含まれる有害物質は次のように還元処理され
る。図1に示す排気管2に排気ガスGが流れて還元処理
装置Aに来ると、高圧電極3に短パルス高電圧が印加さ
れ、その放電による電子が反応領域中にある排気ガスG
に衝突して放電プラズマが生じる。このプラズマからは
多量の紫外光が発生するが、この光は波長400nm以
下の紫外光であり、水素発生手段4のTiO2 の半導体
電極41がよく吸収する。従って、この紫外光が照射さ
れると水素発生手段4は、前述したように電子の移動に
より水素を発生し、この水素は反応領域中の排気ガスG
に向って放出される。
【0023】この場合、放電プラズマから発生する紫外
光は、白金の金属電極42が網目格子状であるため、そ
の隙間を通り、ゲル材45(透明)と電解質溶液43の
水(これも透明)を透過して半導体電極41へ到達す
る。又、ゲル材45は、図3の(b)図に示すように、
例えば白金の金属電極42に対して反応が生じる前には
接触しているが、水との反応で水素(ガス)が生じる
と、その水素ガスの気泡はゲル材45の接触面を変形さ
せて上方へと移動して各線状の白金電極の線材の上部か
ら外部へ流出し、反応領域へ放出される。半導体電極4
1で生じる酸素も、(a)図のように、同様に上方へと
ゲル材を変形させて移動し、上方から大気中へ放出され
る。
【0024】金属電極42側で発生した水素は反応領域
の排気ガスGへ向って放出されるが、この水素には高圧
電極3から放出される電子が衝突し、これにより水素が
ラジカル化(・H)又はイオン化(+ H)し、この水素
が排気ガス中の有害物質に作用して有害物質に還元作用
を及ぼし、有害物質を無害化又は減少させる。なお、高
圧電極3からの電子は水素をラジカル化又はイオン化す
ると同時に有害物質に直接衝突して分解する作用も有し
ている。
【0025】上記電子又は水素と電子による還元作用に
ついて具体的な例を図4〜図6に示す。図4に示すよう
に、有害物質に、猛毒のダイオキシン類やPCB類が含
まれていると、還元作用の態様は大きく分けて、A;分
解、B;結合切断、C;置換の3通りがある。有害物質
をダイオキシン類として説明すると、図5に示すよう
に、例えばA;分解の場合、ダイオキシン類にまず電子
が衝突することにより図示のように例えば右側のベンゼ
ン環が分解され、元のベンゼン環に含まれていた塩素C
lは、水素Hと置換される。
【0026】但し、図示の状態は分解の状態を分り易く
模式図的に示しており、電子の衝突によりダイオキシン
類が分解されて元の毒性が失われるのはベンゼン環に含
まれている塩素Clの数が所定以下となったときであ
る。又、電子の衝突の可能性は左側のベンゼン環にも当
然有り得るのであって、右側のみで分解作用を説明した
が、左側でも同じ分解作用は当然生じ得る。
【0027】B;結合切断の例では、左右2つのベンゼ
ン環に電子が衝突することによりこれらを結合する酸素
Oの鎖が切断され、それぞれ1つずつのベンゼン環にな
る。そして、各ベンゼン環の塩素(Cl)が全て水素に
置換されるとベンゼンとなり、塩素(Cl)がいくつか
含まれたままであれば、その塩素がどこに位置するかに
よって異なる物質となる。例えば、1,3−クロロベン
ゼン等であり、完全なベンゼンとするのが好ましい。
【0028】C;置換の例では、ダイオキシンの2つの
ベンゼン環はそのままとし、これに結合している塩素
(Cl)が水素ラジカル(・H)や水素イオン(+ H)
等と置換を行う。塩素(Cl)が置換する場所によっ
て、例えば2,3,4,8−四塩化ジベンゾ−p−ジオ
キシン(2,3,7,8−TCDD)、2,8−TCD
D、1,2,3,7,8−TCDD等いくつもの異性体
に変換される。塩素を全く含まない(無置換)形のもの
に置換するのが好ましい。
【0029】図6に示すように、放電による電子と水素
を用いて窒素酸化物の処理を行うこともできる。A;分
解の場合、電子の衝突によりNO分子それぞれが分解さ
れNにN、OにOが結合してN2 、O2 にそれぞれ還元
される。この作用は主として電子の放電による作用であ
り、水素がないと実施できないという現象ではなく、電
子のみであってもよい。
【0030】B;水素による還元の場合、電子の衝突に
よりNO分子が分解され、それぞれの窒素N、酸素Oに
対し水素ラジカル(・H)が結合してアンモニアN
3 、水H2 Oとなることを示している。
【0031】図7に第1実施形態の一部変形例を示す。
この例は、基本的な構成、作用、効果は第1実施形態と
同じであるが、ケーシング1、高圧電極3、水素発生手
段4の主要構成部が同心円状に構成され、排出管2から
の排気ガスが円筒状のケーシング1の軸心方向に流れる
ように形成されている点が異なっている。同一機能部材
には同一の符号を付して説明は省略する。
【0032】高圧電極3と水素発生手段4は同心円状に
対向して設けられているが、高圧電極3からの電子によ
る放電プラズマで発生する紫外光が放射状に放出されて
水素発生手段4に照射され、この紫外光を吸収して水素
発生手段4で水素を発生させ、この水素を反応領域F内
に放出して電子と衝突させラジカル化又はイオン化する
点は第1実施形態と同じである。なお、図示省略してい
るが、金属電極42とケーシング1とは結線されて同電
位であり、半導体電極41と金属電極42とは別の接続
線で結線され、半導体電極41とケーシング1との間は
絶縁されている。
【0033】図8に第2実施形態の有害物質還元処理装
置の概略構成を示す。この還元処理装置Bは、土壌等に
付着した汚染物質を除去するのに適する型式としたもの
であり、基本的な構成、作用、効果は第1実施形態と共
通であるが、土壌等の固体に付着した汚染物質を取り除
くのに適合するように構成の一部が異なり、以下ではそ
の異なる点を中心に説明する。この実施形態では、ダイ
オキシン類などの有害物質は土壌等に付着してコンベア
2’により運搬され、ケーシング1内の反応領域内へと
移動され、処理後再びコンベア2’で運び出される。
【0034】ケーシング1内には高圧電極3、水素発生
手段4が第1実施形態と同様に設けられており、それぞ
れの構成については第1実施形態と同じである。しか
し、この実施形態ではケーシング1の上、下方の絶縁材
5を貫通してダクト6が内部の気体を循環する形式に設
けられている。ダクト6は有害物質を含むガスGが洩れ
ないよう気密状に形成されている。なお、コンベア2’
上の土壌Pに含まれるガスGが飛散しないようこれも矩
形ダクトで囲むようにしてもよい。
【0035】コンベア2’で運搬される所定長さ範囲の
土壌Pが高圧電極3と水素発生手段4の対向する位置に
来ると、その位置の直下には撹拌ファン7が設けられて
おり、そのモータ7Mにより回転駆動されてケーシング
1内の気体をダクト6を介して循環させるように構成さ
れている。コンベア2’は、土壌Pが落下しないが、撹
拌ファン7により気体を流通させることができる程のメ
ッシュ状のベルトコンベアとして形成されている。その
詳細構造は複数本のゴムベルト上に不織布のようなメッ
シュ状の布をカバーしたものなど種々の形状とすること
ができる。
【0036】上記の構成とした第2実施形態の還元処理
装置Bでは、反応領域にコンベア2’により送り込まれ
る土壌Pに含まれる有害成分は、その位置でコンベア
2’を停止させるか、又は低速度でゆっくりと移動させ
ながら有害成分を完全に又は完全に近い状態に除去する
までダクト6内を循環させる。有害成分が十分除去され
ると、コンベア2’を少しずつ移動させて土壌Pに含ま
れる有害成分を次々と除去することができる。
【0037】なお、上記各実施形態では半導体電極41
の材料としてTiO2 の例を示したが、この他にも種々
の半導体材料を使用することができ、例えば二酸化ジル
コニウム(ZrO2 )などがあり、紫外光を吸収して水
素を発生することができればどんな材料でもよい。又、
放電プラズマからの紫外光を利用するのが基本的な考え
方であるが、付加的に紫外光を発生する手段を高圧電極
3側に設けてその紫外光を水素発生手段4へ照射し、水
素発生量を強化するようにしてもよい。
【0038】さらに、上記各実施形態のいずれの場合も
排気ガス又は循環する気体中に残留する酸素がどの程度
かによっては、水素による還元処理作用の効率が低下す
る場合があり、実際の還元処理ではこの点に留意する必
要がある。排気ガスの場合は、燃料の燃焼による酸化作
用で酸素濃度は、通常の大気中に含まれている約20%
の濃度より低下しており、また大量の水素を放電で生成
することにより還元処理の作用が低下するという影響は
小さい。
【0039】また、燃焼後に排気ガスを還元処理装置ま
で送る途中で大気が混入して酸素濃度が上昇する場合
等、あるいは第2実施形態のように固体物質に付着した
有害物質を気体の循環により除去した気体中の有害物質
を反応領域Fで還元処理する際に気体に含まれる酸素濃
度が大気中と同じである場合は、チッソパージ手段等を
ケーシング1に取付けてケーシング内の酸素濃度を低下
させるようにすることが必要となる。このような酸素濃
度低減手段はケーシング1の適宜位置に、例えば吹出ノ
ズルを設けて外部より調整すればよい。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明
の有害物質還元処理方法及び装置では高圧電極からの電
子の放電により放電プラズマを生じさせ、紫外光を吸収
して水素を発生する手段に放電プラズマからの紫外光を
照射して水素を発生させ、その水素を電子と共に反応領
域へ放出させてラジカル化又はイオン化した水素の強力
な還元力を電子による分解力と併用して作用させ、排気
ガス中の有害物質を分解、還元処理するようにしたか
ら、特別な水素供給手段からの高価な水素を使用するこ
となく、放電プラズマから発生する紫外光を無駄にせず
最大限利用して安価に水素を発生させ、放電プラズマの
分解力に水素の還元作用を併用して排気ガス中の有害物
質を有効に除去することができるという極めてユニーク
な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の有害物質還元処理装置の外観斜
視図
【図2】(a)図1の矢視II−IIから見た断面図、
(b)a図の水素発生手段の上部拡大断面図
【図3】作用の説明図
【図4】還元処理の具体例の説明図
【図5】同上の詳細例の説明図
【図6】同上の異なる例の説明図
【図7】第1実施形態の有害物質還元処理装置の変形例
の(a)外観斜視図、(b)断面図
【図8】第2実施形態の有害物質還元処理装置の(a)
外観斜視図、(b)断面図
【符号の説明】 1 ケーシング 2 排気管 3 高圧電極 4 水素発生手段 5 絶縁材 6 ダクト
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09C 1/02 F01N 3/08 C 4D004 1/08 B01D 53/34 134E 4G069 C07B 35/06 ZAB 4G075 F01N 3/02 301 B09B 3/00 304K 4H006 3/08 F23J 15/00 Z // F23J 15/00 (72)発明者 山中 千代衛 大阪市西区靱本町1丁目8番4号 財団法 人レーザー技術総合研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BA15 BD13 BD18 3G090 BA08 3G091 AB14 BA00 3K070 DA01 DA05 DA21 4D002 AA21 BA06 BA07 BA09 CA20 4D004 AA41 AB06 AB07 CA43 CB46 4G069 AA03 AA08 BA04B BA48A CC33 DA06 EA12 4G075 AA03 BA01 BA06 BD12 CA15 CA33 CA47 EB01 EB31 EB41 EC21 4H006 AA04 AA05 AC13 BD84 BE20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極に高電圧を印加して発生する電子を
    排気ガスを含む気体中に放電して放電プラズマを生じさ
    せ、紫外光が照射されるとその紫外光を吸収して電解質
    溶液を分解し水素を発生する水素発生手段に放電プラズ
    マからの紫外光を照射して水素を発生させ、発生した水
    素を上記気体の反応領域に放出して電子と衝突させるこ
    とによりラジカル化又はイオン化し、上記電子と水素を
    排気ガスを含む気体の反応領域で排気ガス中の有害物質
    に作用させて有害物質を分解し、還元処理することから
    成る有害物質還元処理方法。
  2. 【請求項2】 高電圧を印加して電子を発生する高圧電
    極と、紫外光を半導体電極で吸収して水素を発生させる
    水素発生手段とを排気ガスが流れる流路側壁の所定の反
    応位置に互いに対向して設け、高圧電極により発生した
    電子を排気ガスに衝突させて生じる放電プラズマからの
    紫外光を水素発生手段の半導体電極に照射して水素を発
    生させ、この水素を排気ガス中で高圧電極からの電子と
    衝突させて水素をラジカル化又はイオン化した水素と電
    子で有害物質を還元し、有害物質を分解処理するように
    して成る有害物質還元処理装置。
  3. 【請求項3】 前記水素発生手段が、半導体電極をアノ
    ードとし、金属電極をカソードとして、両電極をゲル物
    質を介して電解質容器内に貯留された電解質溶液に接し
    て設け、金属電極とゲル物質の接合面間から水素を発生
    させるように構成されていることを特徴とする請求項2
    に記載の有害物質還元処理装置。
  4. 【請求項4】 前記反応位置に土壌などの固体物質に有
    害物質を含む被処理物を搬送する搬送手段を設け、この
    反応位置で被処理物に気体を吹付けて有害物質を反応位
    置へ送る通風手段を備えたことを特徴とする請求項2又
    は3に記載の有害物質還元処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106082545A (zh) * 2016-07-28 2016-11-09 宁波市镇海危化品车辆清洗有限公司 槽罐车清洗污水、废气处理系统及其处理方法
CN115427609A (zh) * 2020-05-29 2022-12-02 优志旺电机株式会社 还原处理方法

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