JP2003000990A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JP2003000990A
JP2003000990A JP2001188418A JP2001188418A JP2003000990A JP 2003000990 A JP2003000990 A JP 2003000990A JP 2001188418 A JP2001188418 A JP 2001188418A JP 2001188418 A JP2001188418 A JP 2001188418A JP 2003000990 A JP2003000990 A JP 2003000990A
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washing
water
laundry
course
electrolytic
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Application number
JP2001188418A
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English (en)
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Haruo Mamiya
春夫 間宮
Katsuji Onishi
勝司 大西
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品コストをあまり高くすることなく、ま
た、製品サイズをあまり大きくすることなく洗剤の使用
量を減らすことができる洗濯機を提供すること。 【解決手段】 洗剤ゼロコースにおける洗濯物の定格負
荷量を標準コースにおける洗濯物の定格負荷量よりも少
なくしている。即ち、洗濯兼脱水槽5の大きさや洗濯手
段の性能は、標準コースの定格負荷量に応じたものと
し、電解装置31の性能は洗剤ゼロコースの定格負荷量
に応じたものとしている。したがって、電解装置31を
大きくする必要がなく、コストの上昇、洗濯機本体の大
型化を抑えることができる。さらに、標準コースにおい
ては一度に多くの洗濯物が洗濯できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全自動洗濯機、ド
ラム式洗濯機、二槽式洗濯機などの洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】洗濯機では、通常、洗剤を用いて洗濯を
行っている。例えば、全自動洗濯機では、洗濯兼脱水槽
内に洗剤の溶けた水(洗濯液)を溜め、底部に配置され
たパルセータを回転させて水流を発生させ洗濯物を攪拌
することにより洗濯物の洗いを行っている。即ち、パル
セータによる機械力と洗剤の効果で洗濯物の汚れを落と
すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、洗濯機での
洗濯運転にかかる費用としては、電気代や水道代の他、
洗剤代がある。よって、洗剤の使用量を少なくして洗剤
代を削減することにより、洗濯運転にかかる費用を抑え
ることができる。
【0004】そこで、洗濯槽内に溜めた水を電気分解す
る電解装置を設け、電解装置で電気分解しながら洗濯物
に機械力を与えて洗濯物を洗う洗濯コースを行う洗濯機
を実現することが考えられる。
【0005】このとき、電解装置があまり大型化してし
まうと、コストが高くなって製品価格が高くなったり、
洗濯機自身が大型化してしまったりする虞がある。
【0006】本発明は、製品コストをあまり高くするこ
となく、また、製品サイズをあまり大きくすることなく
洗剤の使用量を減らすことができる洗濯機を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記課
題を解決する本願の第1の発明に係る洗濯機は、洗濯物
を収容する洗濯槽と、この洗濯槽への給水手段と、前記
洗濯槽内の洗濯物を機械力によって洗濯する洗濯手段
と、前記洗濯槽内に溜められた水を電気分解する電解手
段と、前記給水手段、洗濯手段及び電解手段の動作を制
御する制御手段とを備え、前記制御手段の制御により、
前記洗濯槽内に洗剤が溶けた水を溜めて前記洗濯手段を
動作させ洗濯物を洗う第1洗濯コースと、前記洗濯槽内
に溜めた水を前記電解手段の動作によって電気分解しな
がら前記洗濯手段を動作させ洗濯物を洗う第2洗濯コー
スとを選択的に実行する洗濯機であって、前記第2洗濯
コースにおける洗濯物の定格負荷量を前記第1洗濯コー
スにおける洗濯物の定格負荷量よりも少なくしたことを
特徴としている。
【0008】第2洗濯コースにおいては、洗濯槽内に電
気分解が可能な水、例えば、水道水が溜められると、電
解手段及び洗濯手段が動作して洗いが開始される。電気
分解によりできた電解水中には活性酸素が発生している
とともに、次亜塩素酸(HClO)及び次亜塩素酸イオ
ン(HClO−)が発生している。洗濯物に付着した汚
れは、洗濯手段の機械力により落とされる。洗濯物から
落とされた汚れは、活性酸素の効果により分解され、汚
れが洗濯物に再付着することが防止される。さらに、次
亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの効果により洗濯物の除
菌が行われる。
【0009】この第2洗濯コースは、主に皮脂や汗によ
る比較的軽い汚れが付着した赤ちゃんの衣類、下着、ワ
イシャツなどの洗濯に適しており、油分を多く含んでい
るような頑固な汚れが付着した衣類の洗濯には適さな
い。これは、たんぱく質などの有機物の汚れは、活性酸
素によって良く分解されるが、油汚れは活性酸素によっ
て分解され難いからである。
【0010】このため、第2洗濯コースで洗濯される洗
濯物の量は、第1洗濯コースで洗濯される洗濯物の量よ
りも少なくなる。
【0011】上記構成では、第2洗濯コースにおける洗
濯物の定格負荷量(定格容量)を第1洗濯コースにおけ
る洗濯物の定格負荷量(定格容量)よりも少なくしてい
る。即ち、洗濯槽の大きさや洗濯手段の性能は、第1洗
濯コースの定格負荷量に応じたものとし、電解手段の性
能は第2洗濯コースの定格負荷量に応じたものとしてい
る。
【0012】したがって、電解手段を大きくする必要が
なく、コストの上昇、洗濯機本体の大型化を抑えること
ができる。さらに、第1洗濯コースにおいては一度に多
くの洗濯物が洗濯できる。
【0013】ところで、第1洗濯コースの定格負荷量が
第2洗濯コースの定格負荷量よりも大きく設定されてい
ることや洗濯槽が第1洗濯コースの定格負荷量に合わせ
た大きさとされていることから、第2洗濯コースを実行
する場合において、使用者によって誤って第2洗濯コー
スの定格負荷量よりも多くの洗濯物が投入される虞があ
る。こうなると、所望の洗浄性能が得られなくなる虞が
出てくる。
【0014】このため、上記第1の発明に係る洗濯機に
おいては、さらに、前記洗濯槽内に入れられた洗濯物の
負荷量を検知する負荷量検知手段と、前記第2洗濯コー
スを実行する場合において、前記負荷量検知手段によっ
て検知された負荷量が第2洗濯コースにおける定格負荷
量よりも大きいときには、洗濯物を入れすぎていること
を報知する報知手段と、を備えることが好ましい。
【0015】即ち、第2洗濯コースにおいて、使用者が
誤って定格負荷量よりも多く洗濯物を入れた場合には、
入れすぎであることが報知されるので、使用者は洗濯物
を適切な負荷量に修正することができる。したがって、
定格負荷量よりも多くの洗濯物が入れられた状態で第2
洗濯コースの洗濯運転が行われるのを防止することがで
きる。
【0016】さらに、前記負荷量検知手段による負荷量
検知を、前記第2洗濯コースの運転開始後、前記給水手
段により前記洗濯槽内に給水する前に行うことが好まし
い。
【0017】このようにすれば、水で濡れる前に入れす
ぎた洗濯物を取り出すことができるので、取り出した洗
濯物の置き場所に困らない。
【0018】なお、制御手段は、入れすぎ報知とともに
洗濯運転の進行を止めるようにしてもよく、このように
すれば、万一、使用者が入れすぎ報知に気付かなくて
も、洗濯物を入れすぎたまま洗濯運転が行われるのを防
止できる。
【0019】上記第1の発明に係る洗濯機においては、
さらに、前記洗濯槽を外槽と、外槽内に回転自在に支持
され、脱水時に高速回転する洗濯兼脱水槽とで構成する
とともに、前記洗濯槽内の洗濯物のアンバランス状態を
検知するアンバランス検知手段を備え、前記制御手段
は、第2洗濯コースにおいて、前記定格負荷量に対応す
る水位を最高水位として前記負荷量検知手段によって検
知された負荷量に応じて洗いやすすぎの水位を決定し、
洗いやすすぎを行うために前記給水手段を動作して決定
した水位まで給水するとともに、前記最高水位に決めら
れている状態において、脱水時にアンバランス検知手段
によりアンバランス状態が検知されると、前記給水手段
を動作して前記最高水位よりも高いほぐし水位まで給水
し、このほぐし水位で前記洗濯手段を動作して洗濯物を
ほぐす構成とすることが好ましい。
【0020】定格負荷量よりも少々多くの洗濯物が入れ
られた場合には、種々の要因により、誤って定格負荷量
以内であると検知されることがある。このような場合に
は、洗いやすすぎの水位は定格負荷量に応じた水位、即
ち、第2洗濯コースでの最高水位となるが、この状態で
は負荷量に対して水量が不足になってしまい、洗濯物が
団子状態になりやすく、洗濯槽内で洗濯物がアンバラン
スになりやすい。こうなると、脱水時にアンバランス状
態が検知され、脱水が中断される。そして、最高水位よ
りも高いほぐし水位まで給水されて、このほぐし水位で
洗濯手段の機械力により洗濯物がほぐされる。このよう
に、最高水位設定時にアンバランス状態が検知された場
合には、最高水位よりも高いほぐし水位でほぐしが行わ
れるので、洗濯物が少々定格負荷量よりも多く入れられ
た場合であっても、十分に洗濯物をほぐすことができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る洗濯機の一実
施形態である全自動洗濯機について図面に基づき説明す
る。なお、左右の方向は正面視によるものとする。
【0022】図1は、本実施形態の全自動洗濯機の構成
を示す側面断面図である。この洗濯機の筐体1の内部に
は、有底円筒形状の外槽2が前吊棒3および後吊棒4
(図では各1本ずつが見えているが実際には各2本ずつ
存在する)により前方に向けて傾斜するように吊支され
ている。この外槽2の上部前方への突出に対応して、筐
体1の前面上部も張り出している。なお、筐体1の前面
は大きく開口しており、この開口部16は着脱可能に前
面パネル17によって覆われている。このため、前面パ
ネル17の上部が外槽2の上部の張り出しに対応して張
り出すことになる。
【0023】外槽2の内部には、周壁に多数の脱水孔を
有する洗濯兼脱水槽5が脱水槽軸6を中心に回転自在に
軸支されている。外槽2および洗濯兼脱水槽5は本発明
の洗濯槽を構成している。洗濯兼脱水槽5の底部には、
外槽2内に水流を発生させ洗濯物を撹拌するためのパル
セータ7(本発明の洗濯手段に相当)が配置されてい
る。外槽2の底部には、パルセータ7および洗濯兼脱水
槽5を駆動する駆動機構10が設けられている。この駆
動機構10は、脱水槽軸6、脱水槽軸6に内装された、
パルセータ7の回転軸である翼軸9、脱水槽軸6および
翼軸9と同軸的に設けられたモータ8、モータ8の動力
を翼軸9のみに伝えるか、翼軸9と脱水槽軸6の両方に
伝えるかを切り換えるクラッチを備える。そして、この
駆動機構10により、主として洗い運転や濯ぎ運転時に
はパルセータ7のみを一方向または両方向に回転させ、
脱水運転時には洗濯兼脱水槽5とパルセータ7とを一体
に一方向(これを正転方向とする)に回転させる。な
お、洗濯兼脱水槽5は、モータ8が1回転することによ
り1回転する。一方、翼軸9の途中には減速機構(図示
せず)が備えられているので、パルセータ7は、減速機
構による減速比に従って回転する。
【0024】外槽2の上部後方には、内部に収容した洗
剤等を投入するための洗剤容器12を備えた注水口11
が設けられている。前記洗剤容器12は、洗剤を収容す
る洗剤収容部12aと柔軟仕上剤を収容する仕上剤収容
部12bとに区画されている。
【0025】図5に示すように、注水口11の右側には
水道水を供給するための2連の給水バルブ13が設けら
れている。この給水バルブ13の第1バルブ13a(本
発明の給水手段に相当)は洗剤収容部12aにつながっ
ており、第2バルブ13bは仕上剤収容部12bにつな
がっている。第1バルブ13aが開放されると、外部の
給水栓等から洗剤収容部12aに水道水が流れ込み、下
方の洗濯兼脱水槽5内に向けて水道水が吐き出される。
このとき、洗剤収容部12aに洗剤が入れられていれ
ば、水道水とともに洗剤が洗濯兼脱水槽5内に投入され
る。一方、第2バルブ13bが開放されると、外部の給
水栓等から仕上剤収容部12bに水道水が流れ込み、下
方の洗濯兼脱水槽5内に向けて水道水が吐き出される。
このとき、仕上剤収容部12bに柔軟仕上剤が入れられ
ていれば、水道水とともに柔軟仕上剤が洗濯兼脱水槽5
内に投入される。
【0026】注水口11の左側には風呂水ポンプ59
(本発明の給水手段に相当)が設けられている。この風
呂水ポンプ59は、第1バルブ13aと同様、洗剤収容
部12aにつながっている。風呂水ポンプ59が駆動さ
れると、洗剤収容部12aに風呂水が流れ込み、下方の
洗濯兼脱水槽5内に向けて風呂水が吐き出される。
【0027】外槽2の底部の前端部、つまり最底部には
排水管14の一端が接続されており、この排水管14は
排水バルブ15により開閉されるようになっている。排
水管14の他端は、図示しないが、起立自在な排水ホー
スを介して外部の排水溝に連なっている。排水バルブ1
5の開閉動作は上述したクラッチの切り換え動作と関連
しており、付設されたトルクモータ26(図7参照)が
動作していないときには排水バルブ15は閉鎖した状態
で、パルセータ7は洗濯兼脱水槽5と切り離されて単独
で回転可能となっており、トルクモータ26を作動させ
てワイヤを途中まで牽引すると、排水バルブ15が閉鎖
した状態でパルセータ7と洗濯兼脱水槽5とが連結さ
れ、ワイヤをさらに牽引すると、パルセータ7と洗濯兼
脱水槽5とが連結されたまま排水バルブ15が開放す
る。
【0028】上述のように本実施形態の洗濯機では、外
槽2および洗濯兼脱水槽5を前方に傾斜させることによ
って、その上面開口が鉛直上方よりも前方を向いてい
る。すなわち、外槽2の中心軸線CLは鉛直線VLに対
して、予め定める傾斜角度αだけ傾くように配置されて
いる。そのため、この洗濯機の前方に立った使用者が洗
濯兼脱水槽5の底部を視認しやすく、また洗濯物を取り
出しやすくすることができる。ここで、傾斜角度αを5
〜20度程度の範囲とすれば、十分に洗濯物を取り出し
やすくできるとともに、筐体1の突出をあまり大きくせ
ずにすむ。本実施例ではこの傾斜角度αを約10度に設
定している。
【0029】さて、外槽2の外周壁下部には、電解装置
31(本発明の電解手段に相当)が備えられている。こ
の電解装置31はユニット化されており、外槽2とは別
体に作られ、ネジなどにより外槽2に取り付けられてい
る。この電解装置31は、外槽2の前側に備えられてお
り、前面パネル17を取り外すだけで、電解装置31が
表われる。このような構成により、電解装置31の修
理、交換などが容易に行える。
【0030】この電解装置31は、外槽2とは別室とし
て設けられた電解槽32と、この電解槽32内に配置さ
れた一対の電極33と、電解槽32の上部69と外槽2
とをつなぐ上部通水路34と、電解槽32の下部と外槽
2とをつなぐ下部通水路35とを有している。
【0031】電解装置31は、外槽2内に溜められた水
の水位が洗濯水位になったときに、一対の電極33の少
なくとも一部が水没するような高さ位置に取り付けられ
ている。
【0032】一対の電極33は第1電極33aと第2電
極33bとからなり、第1電極33aおよび第2電極3
3bはともに方形の薄型板状をしている。電解槽32
は、外槽2の周壁面に対する奥行寸法(D1参照)が小
さくなるような薄型箱状に形成されている。そして、第
1電極33aおよび第2電極33bは、それぞれの電極
表面が外槽周壁に対面するような方向で、所定間隔をお
いて並んで電解槽32内に配置されている。このような
構成により、外槽2から外側への電解装置31の張り出
し量を抑えることができるので、脱水において、外槽2
が振動した時に電解装置31が筐体1に衝突するのを防
止できる。よって、筐体1の大型化を抑えることができ
る。
【0033】ところで、電解装置31の電解槽32を外
槽2に一体に形成し、電極33を外槽2の内部に取り付
けることも考えられる。このような場合、狭い外槽2の
内部では、電極33を組み付け難く、また、電極33を
メンテナンスやリサイクルする際に取り外し難い。そこ
で、本実施の形態の電解装置31は、外槽2の外側に取
り付けられている水処理ユニット60を有している。
【0034】水処理ユニット60は、組立時に一体的に
扱えるようにされ、例えば、単独で上述の電解装置31
を構成するように、電解槽32と、電解槽32内に配置
された一対の電極33と、電解槽32から延び出した一
対の通水路34,35とを有する。電解槽32と一対の
通水路34,35とは、合成樹脂により一体に形成され
ている。
【0035】水処理ユニット60は、図2に示すよう
に、外槽2の前側の下部に、正面視で右寄りに取り付け
られ、筐体1内の隅部と外槽2との間の空きスペースを
利用して配置されている。また、水処理ユニット60に
は通電回路30(図7参照)が電気的に接続されてい
る。通電回路30は、トランス61等を有している。ト
ランス61は、通常、大重量であるが、正面視で右寄り
となる、筐体1のコーナをなして高強度の前面部62に
安定して固定される。また、トランス61を外槽2の底
部64に取り付けてもよく、この場合、トランス61の
大重量を利用して、外槽2の振動を抑制するのに好まし
い。
【0036】水処理ユニット60およびトランス61
は、筐体1のサービス用開口部16の近傍にあり、サー
ビス用開口部16を通して、組立作業、修理や交換等の
メンテナンス作業、リサイクルのための分解作業等が容
易になる。また、水処理ユニット60およびトランス6
1は互いに接近しているので、相互の電気的接続も容易
である。さらに、水処理ユニット60およびトランス6
1は、ビス締めにより着脱可能に固定されるので、上述
の作業にとって好ましい。
【0037】また、水処理ユニット60およびトランス
61は、モータ回転制御用電装部品、例えば、モータ8
に内蔵されたモータ用回転センサ24(図7参照)、筐
体1の左側の前面部63に取り付けられたインバータ駆
動部23(図7参照)を含む制御用回路基板65、これ
らを接続する配線部品(図示せず)等から離れた位置に
固定されている。これにより、トランス61等から電解
時に生じるノイズがモータ8の回転制御に及ぼす悪影響
を抑制できる。
【0038】電極33は、図3に示すように、薄型箱状
の電解槽32の最大面、例えば、前面部71と平行に配
置され、この前面部71に対応した大きさの平板状をな
している。このような電極33は大面積にでき、所要の
表面積を少数の電極33で実現できる。電極33は、ベ
ース材の表面に酸化触媒となる薄膜部材をコーティング
してなり、互いに対向して配置されている。ベース材
は、例えばチタン製であり、薄膜部材としては、例えば
白金が用いられている。薄膜部材としては、他に、金、
パラジューム、白金イリジューム、酸化チタンなどがあ
る。各平板状電極33は、これの板面に沿う方向の両側
となる対向端部で保持されて、所定の電極間ピッチに保
たれている。一対の電極33に、互いに逆の極性とされ
る電圧が印加されて水を電解する。
【0039】なお、電極33は、互いに逆の極性とされ
る一対に限定されない。例えば、3枚の電極33を、そ
の板面同士を対向させて並べて配置してもよい。また、
5枚の電極33を、その板面同士を対向させて並べて配
置してもよい。これらの場合には、互いに隣接する2つ
の電極33が互いに逆極性となるように、電極33の極
性を交互に入れ換えて配置すればよい。要は、少なくと
も一対の電極33があればよく、以下、一対の電極33
が設けられる場合を説明する。
【0040】電極33は、その上下両端部を電解槽32
により保持される。電極33の上端部が、電解槽32の
内部に形成された凹部77内に保持される。この凹部7
7は、電解槽32の上面部75に内部側へ向けて立設さ
れた一対のリブ間に区画されている。また、電極33の
下端部が、端子カバー85を介して電解槽32の下面部
76に保持される。端子カバー85は、糸屑が溜まらな
いように、電極33の下端部を覆いつつ、電解槽32の
下面部76と電極33の下端部との間を封止する。な
お、電極33は、左右の両側で保持されてもよい。
【0041】電極間ピッチ(D2参照)、より具体的に
は電極33同士の間隔(D3参照)は、例えば、2ミリ
以上且つ5ミリ以下の寸法とするのが好ましい。間隔が
2ミリ未満の場合には、糸屑が電極33同士の間に入る
と付着し易くなり、電解効率が低下し易くなることがあ
るからであり、また、耐久性も低下することがある。ま
た、間隔が5ミリを超えると、電解効率を高く維持する
ために高い電圧を印加する必要があり、実用的に構成す
ることが困難になる。間隔は2ミリ以上且つ5ミリ以下
であれば、高い耐久性と高い電解効率とを、実用的に実
現することができる。
【0042】電解槽32は、外槽2と異なる材質とする
ことが考えられる。その一方で、電解槽32を、外槽2
と同種の材質とすることも考えられる。この場合、リサ
イクル時の電解槽32の扱いが容易になる。例えば、電
解槽32の材料は、オレフィン樹脂、例えば、ポリプロ
ピレン(PP)を含む。この樹脂は、外槽2にも利用さ
れ、洗剤や漂白剤等の薬剤を含む水に対して耐薬品性を
高くできる。また、電解槽32の材料は、ガラス繊維等
の補強材を含むのが、水温上昇時の強度低下を抑制でき
て好ましい。
【0043】電解槽32は、図3および図4に示すよう
に、下面部76と、この下面部76の周囲から立ち上が
る前面部71、後面部72、右側面部73および左側面
部74と、上面部75とを有している。これら各面部7
1〜76により囲まれる内部に電極33が配置され、水
が溜められるようになっている。電解槽32は、前面部
71および後面部72が対向する方向に沿って、薄くな
るように形成されている。電極33は、前面部71に略
平行に配置されている。電解槽32は、上下に分割可能
な一対の分割体78,79(図2参照)により構成され
ている。
【0044】電解槽32の上部69は、傾斜がついてい
て、一方の側方が高くなっていて、電解槽32の上面部
75が正面視で右上がりに傾斜している。その高くなっ
た位置に対応する後面部72から上部通水路34が延び
出している。電解槽32の下端位置となる後面部72か
ら下部通水路35が延び出している。
【0045】一対の通水路34,35は、互いに略平行
に、上下方向に沿って並んでいる。通水路34,35は
断面円形の管からなり、電解槽32の後面部72と一体
に形成されている。なお、一対の通水路34,35は、
電解槽32内と外槽2内とを連通し、水を通すことので
きる空間を区画する部材であればよく、形状は管に限定
されないし、電解槽32と別体に形成されることや、外
槽2と一体に形成されることも考えられる。
【0046】下部通水路35を通って水は外槽2内から
電解槽32へ流入し、下部通水路35は流入路として機
能する。また、上部通水路34を通って電解槽32で処
理された水が外槽2へ流出するようになっている。上部
通水路34は流出路として機能する。このような流れ
は、例えば、パルセータ7の回転による外槽2内の水流
により生じさせることができる。
【0047】なお、一対の通水路34,35での水の流
れ方は、特に限定されず、上述の流れ方向と逆となって
いることも考えられる。また、流入と流出とに対応する
一対の通水路34,35があればよく、これらのうちの
少なくとも一方の通水路を、複数の通水路により構成し
て、例えば、3つ以上の通水路を設けることも考えられ
る。また、一対の通水路を一体に形成することも考えら
れる。また、単一の通水路を設けることも考えられる。
例えば、単一の通水路内に、流入と流出とのための一対
の水路を区画せずに設け、通水路を流入と流出とで兼用
することも考えられる。以下では、上述のように下部通
水路35を流入路とし、上部通水路34を流出路とする
場合を説明する。
【0048】また、一対の通水路34,35は、図3に
示すように、パッキン81を介して外槽2に連結されて
いる。パッキン81は両通水路34,35について同様
であり、通水路34について説明する。
【0049】パッキン81は、筒状のゴム等の弾性部材
からなる。通水路34の外周面に、パッキン81の内周
が嵌め入れられている。パッキン81の外周が、外槽2
の外側面66(周壁面)にある接続孔67に、外槽2の
外側から嵌め入れられている。パッキン81は、管状の
通水路34と接続孔67との間で長い封止距離を確保す
る。パッキン81は、その筒の径方向に所定量圧縮され
た状態で取り付けられ、接続孔67の内周と通水路34
の外周との間を封止する。パッキン81は、その筒の径
方向、および軸方向に沿って弾性変形できる。これによ
り、パッキン81は、対応する接続孔67および通水路
34のそれぞれの寸法誤差を吸収できる。また、パッキ
ン81は、一対の通水路34,35同士のピッチと、一
対の接続孔67同士のピッチとの間の寸法誤差を吸収で
きる。パッキン81は、外槽2に温水を溜めたときに生
じる熱変形を吸収し、破損や漏水を防止することができ
る。なお、パッキン81として、上述の筒状のものの
他、Oリングやシート状のもの等を利用することもでき
る。
【0050】また、電解槽32には、一対の通水路3
4,35の近傍に、外槽2にビス締めするための複数、
例えば、4つの取付部80が形成されている。取付部8
0の挿通孔を通るビス86が、外槽2の外側面66に立
設されたボス68に外側からねじ込まれている。
【0051】電極33の端子84は、図4に示すよう
に、電解槽32の下面部76を通して外部へ導出されて
いる。これにより、仮に結露や洗濯槽からの溢水によ
り、水滴が電解槽32の外壁に付着するとしても、この
ような水滴が一対の電極33の端子84同士を短絡する
ことが生じ難くされる。これにより、端子84間の絶縁
を確保することができる。また、一対の電極33の端子
84同士の間を仕切る仕切板87が設けられている。仕
切板87は、上述の水滴の移動を阻止し、絶縁性を確保
できる。仕切板87は、電解槽32に一体に形成された
取付部80と兼用され、部品点数を削減できる。
【0052】水処理ユニット60の組み立ては、以下の
ようになされる。電解槽32の分割体78,79を分離
させた状態で、一方の分割体78に電極33を組み込
む。一対の分割体78,79を合わせ、その合わせ目を
封止し、水処理ユニット60の組立が完了する。箱状の
電解槽32を有する水処理ユニット60では、外槽2へ
の組み付け前にそれ単体で、例えば、封止性能や電解性
能を試験することができる。そして、一対の通水路3
4,35を、パッキン81を介して、外槽2の接続孔6
7に外側から嵌め入れる。電解槽32の取付部80を外
槽2のボス68にビス締め固定する。電極33の端子8
4と通電回路30とを電気的に接続する。また、逆の操
作により、水処理ユニット60を外槽2から取り外すこ
とができる。メンテナンス作業やリサイクルのための分
解作業が容易である。
【0053】このように水処理ユニット60は、外槽2
の外側に取り付けられているので、水処理ユニット60
の外槽2への組み付け作業、水処理ユニット60に対す
るメンテナンス作業、リサイクルのための分解作業等
を、外槽2の外側から容易に行なうことができる。ま
た、外槽2と洗濯兼脱水槽5との間に電極33を配置す
る場合には、外槽2内のスペースやそこに溜める水が余
分に必要となるが、これに対して、水処理ユニット60
を外槽2の外側に取り付ける場合には、上述のスペース
や水が余分に必要となることを防止することができる。
【0054】ここで、上述のような作業し易い水処理ユ
ニット60としては、外槽2と別体で形成されて一体的
に扱うことができるものであればよい。例えば、水処理
ユニット60は、一対の電極33と、外槽2に取り付け
るための取付部80とを含み、単体または外槽2と協働
して、洗濯に使用する水を電気分解することにより、洗
剤を混入することなく水に洗浄性能を持たせる機能を有
するものであればよい。
【0055】また、水処理ユニット60を外槽2から着
脱可能にすることにより、取り外しの作業性をより高め
ることができる。特に、貴金属を含む電極33の場合に
は、リサイクルし易くて好ましい。
【0056】さらに、水処理ユニット60が電解槽32
と一対の電極33とを含むことにより、水処理ユニット
60を組立やメンテナンスの際に単体で扱うことがで
き、作業がより一層容易になる。
【0057】また、箱状の電解槽32内に電極33を両
持ちで保持することにより、水処理ユニット60を扱う
際に厳重な注意をせずに済む。従って、組立、メンテナ
ンス、分解等の作業をより一層し易くできる。また、洗
濯兼脱水槽5が外槽2内に収容されていて脱水時に振動
するような場合であっても、電極33は両持ちで強固に
保持される。これにより、電極33が電解槽32内で脱
落することを、生じ難くできる。
【0058】水処理ユニット60と外槽2との間に介在
するパッキン81を設けることにより、水処理ユニット
60を外槽2に組み付ける際に、パッキン81の弾性変
形により、外槽2とこれに対応する水処理ユニット60
の部分との間の寸法誤差を吸収できて、容易に組み付け
ることができ、しかも、水処理ユニット60と外槽2と
の間の封止も達成できる。従って、封止のための接着を
省略することもできるので、組立の手間を軽減でき、ま
た、取り外しや分解も容易にできる。
【0059】また、一対の通水路34,35を設けるこ
とにより、電解槽32と外槽2との間の水の流入と流出
とを分担でき、水を電解槽32と外槽2との間で効率よ
く流すことができるので、処理された水を無駄なく外槽
2内に供給して洗濯に有効利用でき、洗浄力、抗菌力を
高めることができる。また、外槽2からの水を電解槽3
2内で流動させて、効率よく電解することができる。
【0060】一対の通水路34,35を互いに離間させ
ることにより、例えば、処理された水が電解槽32から
出て後にすぐに電解槽32に戻ることを抑制できる。
【0061】外槽2の外側面66に設けた薄型箱状の電
解槽32に、高さ位置の異なる一対の通水路34,35
を設けることにより、水の淀みや空気溜まりの発生を抑
制でき、水を上下に流して効率良く電解できる(図3の
矢印参照)。
【0062】また、電解槽32内で水が上に向けて流れ
る場合には、傾斜状に高くなった電解槽32の上部69
に上部通水路34を設けることにより、電解槽32内を
上方へ向けて流れる水を傾斜に沿わせて上部通水路34
へ案内でき、速やかに流出させて、水を流動させ易くで
きる。また、電解槽32の下端の下部通水路35は、電
解槽32内の水の淀みの発生を抑制できる。これによ
り、電解槽32内の水を流動させ易くすることができ
て、好ましい。
【0063】このように、電極33は、水が流れる場所
に設置されるのが好ましく、効率よく電解できる。特
に、電極33は、水が外槽2内に対して循環できる場所
に設置されるのがより好ましく、電解された水の利用効
率を高めることができる。例えば、外槽2内の水を入口
から吸い込み出口から出すことにより強制的に循環させ
る循環機構を設け、この循環機構に電極33を配置する
ことが考えられる。循環機構は、外槽2の下部と上部と
をつなぐ通水可能な管からなる水路と、この水路に水を
流す電動ポンプとにより構成できる。このような循環機
構の構成は、本願出願人の他の出願である特願2000
−196894等に開示されたものである。なお、この
他、水を循環させる公知の構成を利用することもでき
る。
【0064】また、電解槽32が外槽2の外面に対する
奥行き寸法が小さい薄型箱状とされることにより、外槽
2の外面からの水処理ユニット60の出っ張りを少なく
できる。例えば、外槽2の外面としての外側面66に沿
うような薄型の電解槽32の場合には、上述のように脱
水時の水処理ユニット60と筐体1との衝突を防止する
ための筐体1の大型化を抑制でき、省スペースを図るこ
とができる。また、外槽2の外面としての底部64に沿
うような薄型の電解槽32の場合には、使用後に電解槽
32から排水するための配管等の構造を簡素化でき、省
スペースを図ることができる。
【0065】また、電解槽32を外槽2の下部、例え
ば、底部64および外側面66の下部に設けることによ
り、外槽2内に低い水位で溜まった水をも利用できる。
例えば、外槽2への給水の途中から電解処理し、電解の
ための時間を短縮することができる。また、低水位で水
を電解して利用するコースを実現することができる。
【0066】また、電解槽32を外槽2の外側面66に
設け、且つ通水路35を電解槽32の下端に設けること
により、外槽2からの排水時に、電解槽32の内部の水
を通水路35を通して外槽2へ流出させることができ
る。
【0067】なお、電解槽32の少なくとも一部を、外
槽2と一体に形成することも考えることができる。この
ような場合、電解槽32は、外槽2の外面に外側へ突出
するように、または、外槽2の内面に窪みをなすよう
に、設けられることが好ましい。これにより、外槽2の
内形を概ね維持できるので、外槽2内のスペース効率が
低下することや、必要以上に水を消費することを防止で
きる。また、電解槽32の内面と外槽2の内面とが連続
する場合には、内面同士を傾斜させて、水が外槽2内と
電解槽32内との間で流れ易くするのが好ましい。
【0068】ところで、外槽2からの水には、糸屑が混
ざっていることがある。このような糸屑が電極33に付
着すると、電極33の耐久性を低下させたり、電解効率
を低下させることが懸念される。このため、以下のよう
にして、糸屑が水処理ユニット60に入っても問題ない
ようにしている。
【0069】電極33のコーナ部82には丸み83(図
4に一部のみ図示)が付けられている。これにより、電
極33にエッジが生じることを防止できるので、糸屑が
電極33のコーナ部82に引っかかり難く、且つ離脱し
易くなる。従って、仮に糸屑が引っかかるとしても、水
流によりコーナ部82から自律的に離脱することができ
る。
【0070】丸み83としては、電極33の板面に直交
する方向から見たときに見える丸みの他、板面に沿う方
向から見たときに見える丸みも含む。丸みは、少なくと
も一部のコーナ部にあればよいが、より多くのコーナ
部、特に、水中にある全てのコーナ部に設けるのが好ま
しい。
【0071】電極33同士の間隔(D3)は、糸屑が付
着しない距離にされている。この距離としては、例え
ば、2ミリ以上が好ましい。2ミリ未満の距離では糸屑
が詰まり易いからである。また、電極33と電解槽32
との間隔(D4)は、上述の距離としてもよいし、また
は0、すなわち、電極33と電解槽32との間に隙間を
開けないようにしてもよい。
【0072】これにより、糸屑の付着による水の流動性
の低下を防止できる。また、水の電極33への接触が糸
屑により妨げられることも防止できる。その結果、糸屑
に起因する電解効率の低下を防止でき、電解効率を高く
維持することができる。また、糸屑が水処理ユニット6
0内に入ることを許容できるので、糸屑用のフィルタを
設けずに済み、糸屑に対するメンテナンスも不要にでき
る。
【0073】ところで、洗濯機には、図2に示すよう
に、洗浄力を高めるために、外槽2の底部64から気泡
を発生させる気泡発生装置88が設けられているものが
ある。この気泡発生装置88と水処理ユニット60とを
組み合わせる場合には、より一層効率よく電解すること
ができる。
【0074】気泡発生装置88は、エアポンプ89と、
このエアポンプ89の空気吐出口に接続されて空気(エ
ア)を送るためのエアホース90と、エアホース90の
端部が接続されて外槽2内に空気を吹き出すためのノズ
ル(図示せず)とを有している。洗濯時に気泡発生装置
88を動作させると、ノズルから空気が吹き出し、洗濯
兼脱水槽5の孔を通りその内部に入り、パルセータ7の
下方に気泡が発生する。この気泡は、回転するパルセー
タ7により攪拌されて、多数の微細な気泡に砕かれる。
この微細な気泡が洗濯物に接触して破裂する際に、超音
波を発生する。このときに超音波領域の衝撃波が生じ、
これにより、洗濯物に付着している汚れ成分の剥離が促
進されるので、気泡を加えない場合に比べて洗浄能力を
高めることができる。
【0075】気泡発生装置88は、洗浄力を高めるもと
もとの機能に加えて、電解槽32の下部70から電解槽
32内にエアを供給するためのエア供給手段としての機
能を有する。エア供給手段は、水処理ユニット60の電
解槽32内での水を上方へ向けて流れるように促すこと
により水流を発生させる。上述のエアホース90は、途
中で分岐していて、一方の端部がノズルに至り、他方の
端部が電解槽32につながっている。
【0076】電解槽32の下部70には、図4に示すよ
うに、エアホース90からのエアが供給される単一のエ
ア供給口91が形成されている。エア供給口91は複数
でもよい。電解処理時に、エアポンプ89は動作され
る。エア供給口91から電解槽32内へ供給されるエア
は、気泡Eとなり、電解槽32内を浮き上がり、上部通
水路34を通って外槽2へと流れる(図4の一点鎖線の
矢印参照)。これに伴い、エアの流れによって電解槽3
2内に溜まった水が流動されるようになる(図4の破線
矢印参照)。特に、電解槽32の上部69が傾斜してそ
の高い位置に通水路34がある場合には、気泡が電解槽
32から速やかに流出するので、水もより一層流れ易く
なる。気泡が電極33の間に溜まることもない。その結
果、電解効率を高めることができる。従って、所定の電
解能力を得るために必要な電圧を低くすることができ、
トランス61等の電装部品を小型化したり、低コストな
ものを利用することができ、また、その消費電力量を削
減することもできる。
【0077】また、エア供給口91は、平面視で電極3
3と重ならないようにして配置され、また、電極33に
向かわないようにして配置されている。これにより、エ
アは、電極33に触れないように供給される。従って、
エアに起因する電解効率の低下を抑制できる。また、エ
ア供給口91は、電解槽32の下面部76の隅に、電極
33の端から水平方向に所定距離離れているのが好まし
い。この所定距離は、エアが電極33に通常触れない距
離、例えば、10ミリとされている。
【0078】また、エア供給口91と上部通水路34と
は、正面視で対角線上になるように配置されている。こ
れにより、エアが電解槽32内を流れる距離が長くなる
ので、水を動かし易くできる。エア供給口91と下部通
水路35とは、正面視で左右に分かれて配置されてい
る。これにより、下部通水路35から遠くにある流れ難
い水をエアにより流れ易くできる。
【0079】このように、電解槽32内の水を流れ易く
できて、効率よく電解することができる。しかも、この
ためのエアは外槽2内に導かれて、洗浄力の向上にも寄
与することができる。なお、上述のエアポンプ89は、
電解槽32にだけエアを供給するものとしても構わな
い。以下では、気泡発生装置88を省略した場合を説明
する。図1に戻って説明する。
【0080】筐体1の上面は、上面板18で構成されて
いる。この上面板18の中央には洗濯物の投入口18a
が設けられており、この投入口18aは上蓋19にて開
閉自在に覆われている。上面板18の前部には操作パネ
ル48が設けられている。
【0081】図6は操作パネル48の平面図である。操
作パネル48には操作部21および表示部28が備えら
れている。操作部21としては、本体に電源を投入する
ための電源キー49、洗濯運転を開始するためのスター
トキー36、洗濯コースを選択するためコースキー群3
7、除菌プラスキー42、風呂水キー43などが設けら
れている。
【0082】コースキー群37は、標準コースを設定す
るための標準コースキー38、自分流コースを設定する
ための自分流コースキー39、洗剤ゼロコースを設定す
るための洗剤ゼロコースキー40、おいそぎコース、が
んこ汚れコース、毛布コース、弱洗いコース、ドライコ
ースの中から希望するコースを選択するための選択キー
41からなる。スタートキー36は、洗濯運転を一時停
止するための一時停止キーの機能を兼ねる。
【0083】標準コースは標準的な洗濯運転を行う洗濯
コースである。この標準コースは本発明の第1洗濯コー
スに相当する。自分流コースは使用者が設定した内容で
洗濯運転を行う洗濯コースである。おいそぎコースは洗
濯運転の時間が短い洗濯コースである。がんこ汚れコー
スは高濃度の洗剤液を用いて洗濯を行う洗濯コースであ
る。毛布コースは毛布や掛けふとんなどの大物を洗う洗
濯コースである。弱洗いコースはランジェリーなどの傷
みやすい衣類を洗う洗濯コースである。ドライコースは
ドライ洗剤を用いてドライマーク衣類を洗うための洗濯
コースである。これらの洗濯コースは、洗剤を使用する
コースであり、洗剤が混入された水道水や風呂水(洗剤
液)を外槽2内に溜め、洗剤液を用いパルセータ7の回
転によって水流を発生させて洗濯物を洗う。
【0084】洗剤ゼロコースは、洗剤を使用しないコー
スであり、外槽2内に溜めた水道水や風呂水を電解装置
31によって電気分解して電解水を生成し、この電解水
を用いパルセータ7の回転によって水流を発生させて洗
濯物を洗う。この洗剤ゼロコースは、本発明の第2洗濯
コースに相当する。
【0085】除菌プラスキー42は、標準コース、自分
流コース、おいそぎコース、がんこ汚れコース、毛布コ
ース、弱洗いコースにおいて、洗剤で洗った洗濯物の除
菌を行いたい場合に操作するキーである。
【0086】風呂水キー43は、風呂水を使用して洗濯
を行いたい場合に操作するキーである。使用者はこの風
呂水キー43を操作して、洗い行程(洗い)から最後の
すすぎ行程(すすぎ2)までの行程のうちどの行程まで
風呂水を使用するかを選択することができる。ただし、
後述するように、除菌プラスキー42により除菌設定が
なされたとき、および、洗剤ゼロコースキー40により
洗剤ゼロコースが設定されたときには、風呂水の使用が
制限される。
【0087】表示部28としては、各コースキー38,
39,40で設定された洗濯コースや選択キー41で選
択された洗濯コースを表示するコース表示LED45、
除菌プラスキー42により除菌設定がなされていること
を示す除菌表示LED46、風呂水キー43により風呂
水の使用が設定された行程を示す風呂水表示部47、洗
剤ゼロコースや除菌設定時において、電解・除菌の進行
具合を示す電解進行表示部50、洗濯物の負荷量に応じ
た洗剤量を表示するための洗剤量表示部44、運転の残
り時間や異常表示などをセグメント表示するセグメント
表示部52(本発明の報知手段に相当)などが設けられ
ている。洗剤量表示部44では、洗剤カップの絵柄内に
複数個のLEDが備えられ、洗剤量に対応した個数のL
EDが点灯することにより洗剤量を表示する。
【0088】図7は本実施形態の全自動洗濯機の電気系
構成図である。制御の中心には、CPU、RAM、RO
M、タイマ等を含んで構成される制御部20(本発明の
制御手段に相当)が据えられている。この制御部20は
マイクロコンピュータで構成される。制御部20には、
操作部21から操作信号が入力され、外槽2の内部に貯
留された水の水位を検出するための水位センサ22から
水位検出信号が入力される。制御部20には、上蓋19
の開閉状態を検知する開閉検知スイッチ57が接続され
ている。上蓋19が開いていると、この状態を制御部2
0はスイッチ57の内部回路のオンオフにより検知する
ことができる。さらに、制御部20には、洗濯兼脱水槽
5内の洗濯物のアンバランスが原因で脱水時に外槽2が
異常振動するとこれを検知するアンバランス検知スイッ
チ58(本発明のアンバランス検知手段に相当)からア
ンバランス検知信号が入力される。制御部20は、イン
バータ駆動部23を介してモータ8の回転を制御すると
ともに、負荷駆動部25を介してトルクモータ26、給
水バルブ13、及び風呂水ポンプ59の動作を制御す
る。トルクモータ26は前述したようにクラッチ27と
排水バルブ15の動作を制御する。また、制御部20
は、表示部28、および運転の終了や異常を知らせるブ
ザー29(本発明の報知手段に相当)の動作を制御す
る。モータ8には、その回転に応じたパルス信号を出力
する回転センサ24が設けられており、そのパルス信号
は制御部20に入力されている。この回転センサ24
は、モータ8すなわち、洗濯兼脱水槽5の回転速度を検
出するために設けられたものである。
【0089】一対の電極33は、トランス61などから
なる通電回路30を介して制御部20の出力側に接続さ
れている。制御部20から通電を指示する信号が出力さ
れると、通電回路30が動作して一対の電極33に通電
される。通電回路30には、電流検出回路51が接続さ
れている。この電流検出回路51は、電極33へ通電さ
れる通電電流の大きさを検出し、検出した電流値を制御
部20へ出力する。
【0090】制御部20のROM20a内には、上記の
各洗濯コースのシーケンスが記憶されている。コースキ
ー群37の操作によって洗濯コースが選ばれると、この
洗濯コースに対応したシーケンスがROM20a内から
読み出される。そして、制御部20は、このシーケンス
に従ってモータ8等の各種負荷を制御し、選ばれた洗濯
コースの洗濯運転を実行する。
【0091】さて、本実施形態の全自動洗濯機は、電解
装置31を備えた上記構成により、標準コースなど洗剤
を用いて洗う洗濯運転コースにおいて、洗濯物のすすぎ
と同時に洗濯物の除菌を行うことができるようにしたこ
とを第1の特徴点としている。以下、この第1の特徴点
について標準コースを例にとって説明する。
【0092】図8のフローチャートは、標準コースの洗
濯運転動作を示すものである。使用者により標準コース
が設定され、スタートキー36が押されると、標準コー
スの洗濯運転が開始される。
【0093】まず、洗濯兼脱水槽5内に給水されない状
態において、洗濯兼脱水槽5に投入された洗濯物の量つ
まり負荷量を検知する(ステップS1)。具体的には、
パルセータ7を短時間回転させ、それによる惰性回転が
継続する時間(回転センサ24からのパルス信号の総
数)に応じて負荷量を決定している。この場合、パルセ
ータ7および制御部20にて本発明の負荷量検知手段が
構成されることになる。もちろん、負荷量検知はこの方
法に限らず、いかなる方法を用いてもよい。
【0094】本実施形態の全自動洗濯機では、標準コー
スにおける定格負荷量(一度に洗濯が可能な洗濯物の負
荷量)を8kgとしている。そして、この定格負荷量に
あわせて、洗濯兼脱水槽5の大きさ(容積)やモータ8
の性能(出力)などを、予め実験などを行うことにより
設定している。
【0095】ステップS1で負荷量が検知されると、図
9に示す標準コースにおける負荷量と水位(水量)との
関係のテーブルに基づいて、検知された負荷量に応じた
洗濯水位を設定する(ステップS2)。なお、定格負荷
量は8kgとしているので、最高水位は6〜8kgに対
応した水位、59l(リットル)としている。次に、検
知した負荷量に応じた洗剤量を洗剤量表示部44に表示
する(ステップS3)。使用者は、この洗剤表示部44
の表示を見て、適量の洗剤を洗濯兼脱水槽5内に投入す
る。こうして、負荷量に応じた水位の設定および洗剤量
の表示が終わると、本格的な洗濯運転へと移る。
【0096】まず、洗い行程を実行する。制御部20
は、給水バルブ13の第1バルブ13aを開放し、設定
した洗濯水位まで給水する(ステップS4)。これによ
り、水道水に洗剤が溶解してできた洗剤液が外槽2内に
溜まる。洗濯水位まで給水すると第1バルブ13aを閉
鎖する。
【0097】次に、制御部20は、パルセータ7を所定
速度で左右両方向に反転回転することによって外槽2内
で水流を発生させ、洗濯物の洗いを行う(ステップS
5)。洗濯物に付着した汚れは、洗剤の効果、および水
流(パルセータ7の機械力)の効果によって落とされ
る。また、洗剤の効果により、落ちた汚れの洗濯物への
再付着が防止される。そして、所定の洗い時間(例えば
10分)が経過すると、パルセータ7は停止して、洗い
を終了する。制御部20は、排水バルブ15を開放し、
外槽2内からの洗濯液を排水する(ステップS6)。
【0098】こうして、洗い行程が終了すると、中間脱
水を行う(ステップS7)。制御部20は、洗濯兼脱水
槽5を一方向へ高速回転することにより、洗濯物の脱水
を行う。
【0099】中間脱水が終了すると、制御部20は、今
回の標準コースの洗濯運転で、除菌の設定がなされてい
るか否かを判定する(ステップS8)。使用者は、標準
コースにおいてすすぎと同時に洗濯物の除菌を行いたい
場合、洗濯運転を開始する前に、除菌プラスキー42を
押して除菌の設定をする。
【0100】ステップS8において、除菌の設定がなさ
れていないと判定した場合には、通常のすすぎを行う。
標準コースでは、すすぎ行程を2回実行する。まず、1
回目のすすぎ行程として、脱水すすぎを行う(ステップ
S9)。即ち、制御部20は、洗濯兼脱水槽5を、例え
ば30rpm程度にゆっくりと回転させながら、第1バ
ルブ13aを開放して給水する。これにより、中間脱水
によって洗濯兼脱水槽5の内壁にへばり付いた洗濯物に
満遍なく水を含ませる。次に、制御部20は、洗濯兼脱
水槽5を、例えば1000rpm程度に高速回転させ、
洗濯物を脱水する。これにより、洗濯物に含まれた洗剤
分を水とともに吹き飛ばして除去する。なお、脱水すす
ぎは、給水と同時に洗濯兼脱水槽5を高速回転させて脱
水する形態のものとしても良い。
【0101】こうして、1回目のすすぎ行程が終了する
と、最後のすすぎ行程を実行する。まず、制御部20
は、第1バルブ13aを開放して、設定した洗濯水位ま
で給水する(ステップS10)。この給水の間、ある程
度の水位まで水が溜められると、制御部20は、第2バ
ルブ13bをオン/オフ制御し、仕上剤収容部12bに
予め収容された柔軟仕上剤を洗濯兼脱水槽5内に投入す
る。
【0102】洗濯水位まで給水されると、制御部20
は、第1バルブ13aを閉鎖する。そして、給水を止め
た状態でパルセータ7を左右に反転回転して洗濯物を攪
拌し、洗濯物のためすすぎを行う(ステップS11)。
これにより、洗濯物がすすがれる。パルセータ7を回転
させてすすぎを開始してから所定のすすぎ時間(例えば
2分30秒)が経過すると、パルセータ7を停止して、
ためすすぎを終了する。制御部20は、排水バルブ15
を開放し、外槽2内からのすすぎ液を排水する(ステッ
プS12)。なお、この最後のすすぎ行程は、洗濯水位
に達しても給水を継続する注水すすぎとしてもよい。
【0103】こうして、最後のすすぎ洗い行程が終了す
ると、最終脱水を行う(ステップS13)。この最終脱
水では中間脱水よりも脱水時間を長くとり、洗濯物を十
分に脱水する。そして、この最終脱水が終わると、標準
コースの洗濯運転を終了する。
【0104】一方、ステップS8において、除菌の設定
がなされていると判定した場合には、すすぎと同時に洗
濯物を除菌するすすぎを行う。上述の通常のすすぎと同
様、すすぎ行程は2回実行する。まず、1回目のすすぎ
行程を実行する。この1回目のすすぎ行程では、脱水す
すぎではなく、ためすすぎを行う。即ち、設定された洗
濯水位まで給水後、給水を止めた状態で洗濯物を攪拌
し、洗濯物をすすぐ(ステップS14、S15)。そし
て、パルセータ7を動作させてから所定のすすぎ時間
(例えば、4分)が経過すると、ためすすぎを終了して
排水を行う(S16)。ためすすぎは、脱水すすぎに比
べて、使用する水の量は多くなるが、その分すすぎ能力
は高くなる。したがって、通常のすすぎの場合の脱水す
すぎ(1回目のすすぎ行程)終了後に比べ、洗濯物の中
の洗剤分はより希釈される。なお、この1回目のすすぎ
行程は注水すすぎとしてもよい。
【0105】1回目のすすぎ行程を終了すると、2回目
の中間脱水を実行した後(ステップS17)、最後のす
すぎ行程へ移行する。この最後のすすぎ行程では、ま
ず、洗濯兼脱水槽5内への給水を開始する(ステップS
18)。制御部20は、洗濯兼脱水槽5内の水位が洗濯
水位に達すると給水を停止するが、この給水中、洗濯水
位よりも低い所定水位(例えば、図9のテーブルにおい
て2ランク下の水位)まで達すると、すすぎと同時に洗
濯物を除菌する電解すすぎを開始する(ステップS1
9)。勿論、この所定水位においては、電解装置31の
一対の電極33は水没している。
【0106】この電解すすぎは、電気分解によって発生
した次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの効果により洗濯物
の除菌を行うものであるが、出願人が行った実験などの
結果、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの濃度が高い電解
水を一気に洗濯物に作用させた方が、濃度の低い電解水
を徐々に作用させるよりも、洗濯物の除菌効果が高くな
ることが判明した。したがって、この電解すすぎでは、
まず、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの濃度が高い電解
水を生成するつけおき行程を実行し、続いて、この濃度
が高くなった電解水を一気に外槽2内に広げて洗濯物に
作用させる除菌すすぎ行程を実行するようにしている。
以下、この電解すすぎの動作を図10のフローチャート
に基づいて詳細に説明する。
【0107】電解すすぎが開始されると、まず、つけお
き行程を実行する。即ち、制御部20はパルセータ7を
停止したまま、電解装置31を動作させて電気分解を開
始する(ステップU1)。
【0108】水道水には、鉄、カルシウム、マグネシウ
ム、塩素などの含有物が微量に含まれており、電気分解
によって電解槽32内で生成された電解水中には活性酸
素が発生しているとともに、次亜塩素酸(HClO)お
よび次亜塩素酸イオン(HClO−)が発生している。
このとき、パルセータ7は停止しているので、外槽2内
および電解槽32内の水は停留する。よって、電解槽3
2内や外槽2内の電解槽32の近傍箇所には、徐々に次
亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの濃度が高い電解水が生成
されてくる。
【0109】電気分解を開始してから1分が経過したと
判断すると(ステップU2)、制御部20は、つけおき
行程の実行時間であるつけおき時間を決定する。また、
除菌すすぎ行程の実行時間、即ちパルセータ7により攪
拌動作を行う時間である攪拌時間を決定する。さらに、
電解装置31を動作させる時間である電解動作時間を決
定する(ステップU3)。
【0110】水道水の導電率は、塩素などの含有量が異
なることなどにより地域によって異なってくる。このた
め、本実施形態の全自動洗濯機では、通電回路30の過
電流に対する保護の点から、後述する通電制御によって
電極33への通電電流の大きさ(以後、通電電流値とい
う)が目標電流値4A(アンペア)を越える場合には、
通電電流値に応じた間欠通電により平均的な電流値が4
A程度となるように制御する。一方、4A以下である場
合には連続通電することになる。この場合、水道水の導
電率が低くければ通電電流値が小さくなるので、電解能
力が小さくなる。よって、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオ
ンが発生しにくくなり、所定の濃度になるまでに時間が
長くかかってしまう。また、外槽2内の水量が多くなる
ほど、外槽2内に拡がったときに電解水はより希釈され
るので、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの濃度をより高
くしておく必要がある。さらに、洗濯物の負荷量が多く
なるほど、電解水を洗濯物全体に作用させるのに時間が
必要となる。
【0111】そこで、図11に示すようなテーブルが用
意されている。制御部20は、このテーブルを用いて、
1分経過時に電流検出回路51によって検知された通電
電流値、および設定された洗濯水位(水量)に基づいて
つけおき時間を決定する。即ち、通電電流値が小さいほ
ど、また、洗濯水位が高いほど、つけおき時間を長くす
る。また、このつけおき時間に対応するように電解動作
時間を決定する。即ち、つけおき時間が長くなるほど、
電解動作時間を長くする。さらに、洗濯水位、つまり洗
濯物の負荷量に基づいて攪拌時間を決定する。即ち、負
荷量が多いために洗濯水位が高いほど、攪拌時間を長く
する。
【0112】こうして、決められたつけおき時間が経過
するまでつけおき行程が実行され、電解槽32内や外槽
2内の電解槽32の近傍箇所には、次亜塩素酸や次亜塩
素酸イオンの濃度が高い電解水が蓄積される。
【0113】つけおき時間が経過するとつけおき行程を
終了し、次に除菌すすぎ行程を実行する。即ち、つけお
き時間が経過したと判断すると(ステップU4)、制御
部20は、パルセータ7を左右に反転回転させる。ま
た、エアポンプ89が設けられている場合には、エアポ
ンプ89を動作させてエアを電解槽32内に供給する。
これにより、外槽2内と電解槽32内との間で水が循環
し始め、電解槽32内や外槽2内の電解槽32の近傍箇
所に蓄積された次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの濃度が
高い電解水が一気に外槽2内に拡がる。そして、濃度の
高い電解水が一気に洗濯物に作用し、洗濯物が除菌され
る。
【0114】電解動作時間はつけおき時間より長く設定
しており、このため、除菌すすぎ行程が開始されても電
気分解が継続される。よって、電解水は生成され続け、
つけおき行程で蓄積した次亜塩素酸のみならず、新しく
発生した次亜塩素酸も洗濯物に作用する。ただし、長時
間の通電による電極33の消耗を抑制するため、電解動
作時間は、つけおき時間と攪拌時間とを合わせた電解す
すぎ時間よりも短く設定している。このため、除菌すす
ぎ行程の途中に電解動作時間が経過する。
【0115】電解動作時間が経過したと判断すると(ス
テップU6)、制御部20は、電解装置31の動作を停
止する(ステップU7)。この後は、パルセータ7の動
作のみによって除菌すすぎ行程が継続される。この間も
既に生成された電解水中で洗濯物が攪拌されるため、洗
濯物がさらに除菌される。
【0116】攪拌時間が終了する2分前、即ち電解すす
ぎが終了する2分前になったと判断すると(ステップU
8)、制御部20は、第2バルブ13bをオン/オフ制
御し、仕上剤収容部12bに給水して柔軟仕上剤を洗濯
兼脱水槽5内に投入する(ステップU9)。このとき、
同時に第1バルブ13aも開放して給水することによ
り、柔軟仕上剤を薄めるようにしている。この柔軟仕上
剤の投入により、除菌された洗濯物はさらにやわらかく
仕上られる。こうして、攪拌時間が経過したと判断する
と(ステップU10)、制御部20は、パルセータ7を
停止して、電解すすぎを終了する(ステップU11)。
【0117】このようにして、電解すすぎが終了する
と、排水を行い(ステップS20)、最後のすすぎ行程
を終了する。そして、最終脱水を実行して(ステップS
13)、洗濯運転を終了する。
【0118】さて、制御部20は、電解すすぎにおいて
電解装置31を動作している間、一対の電極33に流れ
る電流の通電制御を行っており、この通電制御の処理に
ついて、以下、図12のフローチャートに従って説明す
る。
【0119】電解装置31の動作が開始されると、ま
ず、電極31に通電する(ステップK1)。次に、電流
検出回路51によって通電電流値を検知する。(ステッ
プK2)。検知した通電電流値が保護電流値12Aを超
えていれば、直ちに通電を停止し、通電制御を中止する
(ステップK3、K4)。保護電流値は、通電回路30
を構成するトランジスタを保護するために設定されてい
る。保護電流値を超えると直ちに通電を停止することに
より、過電流によるトランジスタの破壊が防止される。
【0120】通電時間4秒が経過するまで、ステップK
2、K3の動作を繰り返す。そして、通電時間が経過す
ると、直前に検知した通電電流値が目標電流値4Aを超
えているか否かを判定する(ステップK6)。目標電流
値以下であれば、この通電電流値が下限電流値0.3A
より小さい否かを判定し(ステップK7)、下限電流値
よりも小さくなければ、あるいは、小さくてもそれが所
定の回数(例えば3回)に達していなければ(ステップ
K8でNO)、ステップK1に戻る。即ち、通電は停止
されることなく、電極33へは連続通電されることにな
る。
【0121】一方、ステップK6で目標電流値を超えて
いると判定すると、通電を停止するとともに(ステップ
K10)、通電電流値に応じて通電停止時間を決定する
(ステップK11)。即ち、通電時間と通電停止時間の
1サイクルにおける通電電流の平均値が目標電流値とな
るようにする。例えば、計算式などを用いて演算する。
本実施形態では、目標電流値を4A、通電時間を4秒に
設定しているので、例えば、通電電流が6Aであれば通
電停止時間は2秒となり、通電電流が8Aであれば通電
停止時間は4秒となる。
【0122】そして、通電電流値が上限電流値8Aを超
えているか否かを判定し(ステップK12)、上限電流
値を超えていなければ、あるいは、超えていてもそれが
所定の回数(例えば3回)に達していなければ(ステッ
プK13でNO)、ステップK11で決めた通電停止時
間が経過すると(ステップK14でYES)、ステップ
K1に戻る。このように、目標電流値を超えるような通
電電流が流れる場合には、電極33へ間欠通電が行われ
て、通電電流の平均値が目標電流値となるように制御さ
れる。
【0123】なお、通電停止期間中にも、通電電流値の
検知を行う(ステップK16)。そして、この検知の結
果、電流が流れていると判定すると、通電回路30の通
電・停止を切り替えるスイッチング素子が故障している
と判断して、通電制御を中止する。このような場合に
は、通電回路30においてスイッチング素子への通電を
断つようにする。
【0124】こうして、電解装置31の動作が終了し、
ステップK9やステップK15でこれが判断されると、
通電制御を終了する。
【0125】なお、目標電流値、上限電流値、下限電流
値と比較する通電電流値を、通電時間経過直前に検知し
た通電電流値としている(比較する通電電流値を通電開
始から所定時間後に検知している)のは、通電初期には
突入電流が流れ電流値が高くなるため、突入電流の影響
がない正確な通電電流値を用いるためである。
【0126】さて、電解すすぎにおいては、すすぎ水中
の洗剤濃度が高くなる場合がある。例えば、洗い行程で
洗剤が多く用いられ、この洗剤を十分にすすぐことがで
きずに洗濯物中に多く残った状態で最後のすすぎに電解
すすぎが行われる場合などである。このように洗剤濃度
が高い状態で電気分解が行われた場合には、洗剤中の成
分の影響により、通常の水(水道水)とは違って所望の
電気分解が行われない虞がある。また、その洗剤の成分
によって非常に導電率が良くなる場合が多く、この場
合、過電流が流れ、このまま動作を続けていると電解装
置31の通電回路30が破損する虞がある。そこで、本
実施形態の全自動洗濯機においては、過電流を判断する
ためであって洗剤濃度が高いことを判断するための上限
電流値を設定している。
【0127】また、電極33にコーティングされた薄膜
材料は、電解装置31を動作させるたびに消耗していく
ので、長年使用していくうちに、やがては完全になくな
ってしまう。そして、このように薄膜材料がなくなった
状態で電気分解がなされた場合には、ベース材が溶け出
してしまい、これが洗濯中の衣類に付着して洗濯物が汚
れてしまう虞がある。薄膜材料が消耗してなくなってし
まい、ベース材だけになってしまった場合には、正常時
と同じように電圧を加えても、電極33には極端に電流
が流れなくなる。そこで、本実施形態の全自動洗濯機に
おいては、さらに、電極33にコーティングされた薄膜
材料がなくなったと判断するための下限電流値を設定し
ている。
【0128】例えば、すすぎ水中の洗剤濃度が高くなる
ことによってすすぎ水の導電率が非常に良くなり、通電
電流値が8Aを超えると、上述の通電制御におけるステ
ップK12で上限電流値を超えている判定し、且つ、ス
テップK13で所定回数になったと判定することにな
る。こうなると、既に電極33の極性を反転させた(電
流の通電方向を反転させた)か否かを判定し(ステップ
K19)、極性を反転させていなければ反転させて(ス
テップK20)、ステップK1に戻り、再度、通電制御
を開始する。一方、既に極性の反転を行っていれば、即
ち、極性を反転させても上限電流値を超えるという状況
が変らなければ、通電制御を中止する。
【0129】また、例えば、電極33の薄膜材料が完全
になくなってしまうことにより、電極33に非常に電流
が流れにくくなって、通電電流値が0.3Aより小さく
なると、ステップK7で下限電流値よりも小さいと判定
し、且つ、ステップK8で所定回数になったと判定する
ことになる。こうなると、電極33への通電を停止し
(ステップK18)、上述の上限電流値を超えた場合と
同様に、ステップK19で既に極性の反転を行っている
と判定すれば、通電制御を中止する。
【0130】なお、電解すすぎの途中で電極33への通
電制御が中止され、電解装置31の動作を中止しても、
すすぎ自身は続行する。これにより、少なくともすすぎ
性能は確保するようにしている。ただし、つけおき行程
は、すすぎ性能にはあまり寄与しないので、電解装置3
1の動作を中止した場合には、つけおき行程を中止して
除菌すすぎ行程(このときは単にすすぎになる)に移る
ようにしても良い。また、通電制御が中止された場合に
は、水を入れ替えて再度電解すすぎを行っても良い。
【0131】このように、本実施形態の全自動洗濯機で
は、すすぎ水を電気分解し、生成した電解水を洗濯物に
作用させる電解すすぎを行うようにしているので、すす
ぎと同時に洗濯物の除菌を行うことができる。さらに、
電解すすぎを最後のすすぎ行程で行うようにしているの
で、洗い行程で使用した洗剤が十分に希釈した状態で電
気分解を行うことができ、不所望な電気分解や過電流の
発生を防止できる。よって、十分に洗濯物の除菌を行う
ことができる。
【0132】また、除菌プラスキー42を設け、使用者
がすすぎと同時に洗濯物の除菌を行うか否かを選択でき
るようにしたので、必要なときのみ除菌が行え、消費電
力を抑えることができる。さらに、除菌プラスキー42
により除菌の設定がなされていないときには、一回目の
すすぎ行程で脱水すすぎを行うようにしたので、節水が
図れるとともに、除菌の設定がなされているときには、
一回目のすすぎ行程でためすすぎ(除菌設定がされてな
いときの一回目のすすぎ行程よりもすすぎ能力が高いす
すぎ)を行うようにしたので、最後のすすぎ行程で行わ
れる電解すすぎの前に、洗濯物の洗剤を十分に希釈で
き、電解すすぎにおいて、不所望な電気分解や過電流の
発生を防止できる。
【0133】また、電解すすぎを、つけおき行程と除菌
すすぎ行程とで構成し、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン
の濃度が高い電解水を一気に洗濯物に作用させるように
しているので、洗濯物の除菌効果を高めることができ
る。さらに、つけおき行程のつけおき時間を、電極33
への通電電流が小さいほど長くするようにしたので、つ
けおき行程で、十分に次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンの
濃度の高い電解水を生成することができる。さらに、つ
けおき時間を、洗濯水位が高いほど、即ち使用する水量
が多いほど長くし、つけおき行程によってより濃度が高
い電解水を生成するようにしたので、除菌すすぎ行程に
おいて、水量が多くて希釈度合いが高くなっても、適切
な濃度の電解水を洗濯物に作用させることができる。
【0134】さらに、電解すすぎにおいて電解装置31
を動作させる電解動作時間を、電極33への通電電流が
小さいほど長くするようにしたので、電流が流れにくい
すすぎ水であっても、十分に電解水を生成することがで
きる。さらに、電解動作時間を、洗濯水位が高いほど長
くするようにしたので、水量に対応した十分な電解水を
生成することができる。さらに、除菌すすぎ行程の実行
時間、即ち攪拌時間を、洗濯物の負荷量が多いほど長く
するようにしているので、洗濯物が多い場合であって
も、洗濯物全体に電解水を作用させることができ、ムラ
なく洗濯物を除菌できる。さらに、電解すすぎ時間を
(特に、攪拌時間に限ったとしても)、除菌設定されて
いない場合に最終すすぎ行程で行うためすすぎのすすぎ
時間、および除菌設定された場合に1回目のすすぎ行程
で行うためすすぎのすすぎ時間よりも長くしているの
で、洗濯物に十分に電解水を作用させることができ、洗
濯物の除菌効果を高めることができる。
【0135】また、電解すすぎを、洗濯水位まで給水す
ると給水を止めてすすぎを行うためすすぎとしているの
で、電気分解で生成した電解水が余計に希釈されたり、
排水されたりすることがなく、十分に洗濯物の除菌を行
うことができる。
【0136】また、電解すすぎを行う最終すすぎに行程
で柔軟仕上剤を投入する場合は、電気分解により電解水
を十分に生成し、電気分解を終了した後に投入するよう
にしているので、柔軟仕上剤の成分の影響により、不所
望な電気分解が行われたり過電流が発生したりするのを
防止することができる。
【0137】また、電極33への通電電流の上限電流値
を設定し、通電電流値が上限電流値を超えるときには、
電気分解を中止するようにしたので、過電流に対する通
電回路30の保護が図れるとともに、洗剤濃度が高い状
態で電気分解が行われるのを防止でき、不所望な電気分
解が行われるのを防止できる。さらに、電極33の薄膜
材料がなくなったことを検知するための下限電流値を設
定し、通電電流が下限電流値よりも小さくなったときに
は、電気分解を中止するようにしたので、電極33のベ
ース材が溶け出して洗濯物に付着するのを防止すること
ができる。
【0138】さて次に、本実施形態の全自動洗濯機は、
洗濯コースとして洗剤ゼロコースを備えたことを第2の
特徴点としている。以下、洗剤ゼロコースの洗濯運転動
作について、図13〜図15のフローチャートに従い説
明する。
【0139】この洗剤ゼロコースは、皮脂汚れや汗汚れ
を中心とした比較的軽い汚れの衣類を洗濯するのに適す
るコースであり、電気分解による電解水で洗濯すること
により洗剤を使用しないコースである。洗剤を使用しな
いため、肌の敏感な赤ちゃんの衣類の洗濯に最適であ
る。なお、洗剤ゼロコースは、言い換えれば電解洗濯コ
ースであり、本実施形態では、洗剤を使用しないので洗
剤ゼロコースと称している。
【0140】使用者により洗剤ゼロコースが設定され、
スタートキー36が押されると、制御部20の制御のも
と、洗剤ゼロコースの洗濯運転が開始される。
【0141】まず、負荷量検知・水位設定処理を行う
(ステップF1)。この負荷量検知・水位設定処理の動
作は、図14に示す通りである。即ち、まず、洗濯兼脱
水槽5内に給水されない状態において、洗濯兼脱水槽5
に投入された洗濯物の負荷量を検知する(ステップF1
01)。本実施形態の全自動洗濯機では、洗剤ゼロコー
スにおける定格負荷量を4.5kgとしている。そし
て、この定格負荷量にあわせて、電解装置31の性能
(出力)などを、予め実験などを行うことにより設定し
ている。なお、電解装置31は、上述の標準コースのよ
うに洗濯物の除菌を行うだけであれば、標準コースの定
格負荷量である8kgの洗濯物に対しても十分除菌を行
えるような性能を有している。
【0142】ステップF101で負荷量が検知される
と、検知した負荷量が定格負荷量4.5kgを超えてい
るか否かを判定する(ステップF102)。定格負荷量
を超えていなければ、図9に示す、洗剤ゼロコースにお
ける負荷量と水位(水量)との関係のテーブルに基づい
て、検知された負荷量に応じた洗濯水位を設定する(ス
テップF103)。なお、定格負荷量は4.5kgとし
ているので、最高水位は3〜4.5kgに対応した水
位、43l(リットル)としている。なお、この洗剤ゼ
ロコースでは、洗剤を使用しないため洗剤量表示は行わ
ない。
【0143】一方、ステップF102で、定格負荷量を
超えていると判定すると、洗濯物を入れ過ぎていること
を知らせるための入れ過ぎサインを出力する(ステップ
F104)。即ち、ブザー29を間欠動作して、「ピ
ィ、ピィ、ピィ、ピィ」というブザー音を鳴らすととも
に、例えば「U8」というようなユーザエラー(使用者
の操作ミスで起こるエラー)の表示をセグメント表示部
52に出す。ブザー音は停止するが、スタートキー36
が押されたと判定するまで、ユーザエラー表示は継続す
る。なお、入れ過ぎサインのブザー音は、ブザーのオン
オフ時間を変えるなどすることにより、他の故障異常や
ユーザエラーを知らせる異常音とは異なるようにしてい
る。
【0144】使用者が入れ過ぎサインに気付き、スター
トキー36を押すと、ステップF105でこれを判定
し、入れ過ぎサインの出力、即ちユーザエラー表示を停
止するとともに、洗濯運転を中断する(ステップF10
6)。そして、使用者によって入れ過ぎた洗濯物が取り
除かれ、スタートキー36が再び押されると、ステップ
F107でこれを判定し、洗濯運転を再び開始する。
【0145】さて、洗濯水位が設定されて、負荷量検知
・水位設定処理が終了すると、次に、予洗い行程を実行
する。まず、第1バルブ13aを開放して洗濯兼脱水槽
5内への給水を開始する(ステップF2)。洗濯兼脱水
槽5内の水位が洗濯水位に達すると第1バルブ13aを
閉鎖し給水を停止するが、この給水中、洗濯水位よりも
低い所定水位(例えば、図9のテーブルにおいて2ラン
ク下の水位)まで達すると、電解予洗いを開始する(ス
テップF3)。勿論、この所定水位においては、電解装
置31の電極33は水没している。
【0146】まず、パルセータ7を左右反転回転するこ
とによって外槽2内で水流を発生させる。同時に、電解
装置31を動作する。また、エアポンプ89が設けられ
ている場合には、エアポンプ89を動作させてエアを電
解槽32内に供給する。
【0147】上述したように、電気分解を行うことによ
って、電解水中には、次亜塩素酸および次亜塩素酸イオ
ンは勿論のこと、電極33の近傍においては活性酸素が
発生している。また、この電解水は弱アルカリ性の性質
を有する。パルセータ7の攪拌動作やエアポンプ89の
エアー供給により水が電解槽32内と外槽2内との間で
行き来し、外槽2内は徐々に電解水で満たされることに
なる。洗濯物に付着した汚れは、アルカリ水の効果およ
び水流(パルセータ7の機械力)の効果により落とされ
る。洗濯物から落とされた汚れは、電解槽32内で活性
酸素が作用して分解され、汚れが洗濯物に再度付着する
ことが防止される。なお、次亜塩素酸および次亜塩素酸
イオンは、大半が汚れ中の雑菌に作用してしまうため、
ここでの洗濯物の除菌効果はあまり期待できない。
【0148】そして、電解予洗いを開始してから所定の
予洗い時間(例えば3分)が経過すると、電解装置31
の動作を停止するとともにパルセータ7を停止し、外槽
2内から排水を行って、予洗い行程を終了する(ステッ
プF4)。こうして、この予洗い行程により、洗濯物の
汚れが大まかに取り除かれる。
【0149】この電解予洗い行程においても、電解すす
ぎ行程と同様、電極33への通電制御がなされる。この
ため、この洗剤ゼロコースにおいて、使用者により誤っ
て洗剤が投入され、予洗いの水の洗剤濃度が高くなった
などの原因により、通電電流値が非常に大きくなった場
合には、電解予洗いの途中で電解装置31の動作が中止
される。しかし、パルセータ7の動作は続けられ、予洗
い自身は続けられる。このとき、洗剤が原因であれば、
洗剤の効果により電解水が作用しない分の汚れ落ちが補
われる。また、洗剤が原因でない場合でも、多少汚れ落
ちは悪くなるが、予洗いとしての効果を果たすことがで
きる。
【0150】なお、本格的な洗いを行う前に洗濯物の汚
れを大まかに落とすという予洗いの目的から考えれば、
この予洗い行程では、電解装置31の寿命や消費電力等
を考慮し、電解装置31を動作せず電気分解を行わない
構成としても良い。
【0151】予洗い行程が終了すると、中間脱水を実行
する(F5)。この中間脱水の動作は、図15に示す通
りである。即ち、洗濯兼脱水槽5を起動し、一方向に高
速回転させる(ステップF501)。これにより、洗濯
兼脱水槽5内の洗濯物が脱水される。そして、所定の脱
水時間が経過すると、洗濯兼脱水槽5を停止して中間脱
水を終了する(ステップF502、F503)。
【0152】さて、脱水動作中はアンバランス検知スイ
ッチ58によって洗濯兼脱水槽5内の洗濯物のアンバラ
ンス即ち、このアンバランスが原因で起こる外槽2の異
常な揺れを検知している。そして、アンバランス検知ス
イッチ58によって外槽2の異常な揺れを検知すると、
ステップF504で洗濯物がアンバランス状態であると
判定し、洗濯兼脱水槽5を停止して脱水を中断する(ス
テップF505)。そして、洗濯兼脱水槽5内の洗濯物
のアンバランスを解消すべく、アンバランス修正動作
(ほぐし動作)を行う(ステップF506)。
【0153】アンバランス修正動作では、まず、第1バ
ルブ13aを開放して給水を開始する(ステップF56
1)。次に、設定された洗濯水位がこの洗剤ゼロコース
における最高水位か否かを判定する(ステップF56
2)。最高水位でない場合には、設定された洗濯水位ま
で給水すると、第1バルブ13aを閉鎖して給水を停止
する(ステップF563、F565)。
【0154】一方、ステップF562で設定された洗濯
水位が最高水位であると判定した場合には、最高水位よ
りも高いほぐし水位を設定する。そして、このほぐし水
位まで給水して第1バルブ13aを閉鎖する(ステップ
F564、F565)。このほぐし水位は、例えば、標
準コースにおける洗剤ゼロコースの最高水位よりも2ラ
ンク上の51l(リットル)の水位とする。このよう
に、設定された洗濯水位が最高水位である場合、ほぐし
水位を最高水位よりも高くするのは、次のような理由に
よる。即ち、定格負荷量よりも少々多くの洗濯物が入れ
られた場合には、種々の要因により、負荷量検知におい
て誤って定格負荷量以内であると検知されることがあ
る。このような場合には、洗濯水位は定格負荷量に応じ
た水位、即ち、洗剤ゼロコースでの最高水位となるが、
この状態では負荷量に対して水量が不足になってしま
い、洗濯物が団子状態になりやすく、洗濯槽内で洗濯物
がアンバランスになりやすい。よって、最高水位が設定
された情況下でアンバランスが検知された場合には、上
述のように少し定格負荷量よりも多くなっていることが
予想される。この場合、最高水位の水量では、実際の負
荷量に対して水不足になり、十分にほぐすことができな
い虞があるからである。
【0155】次に、給水が終了すると、パルセータ7を
起動して反転回転することにより洗濯物を攪拌する(ス
テップF566)。これによって洗濯物がほぐれ、洗濯
兼脱水槽5内の洗濯物のアンバランスが解消される。こ
うして、所定のほぐし時間が経過すると、パルセータ7
を停止し、排水を行った後、アンバランス修正動作を終
了する(ステップF567〜F569)。アンバランス
が解消されると、再び脱水動作を再開する。
【0156】このように、洗濯水位が最高水位に設定さ
れている場合に、アンバランス検知なされると、最高水
位より高いほぐし水位まで給水し、この水位で洗濯物を
攪拌するようにしているので、洗濯物が少し定格負荷量
より多い状態であっても確実にほぐすことができる。
【0157】さて、中間脱水を終了すると、電解洗い行
程を実行する(ステップF6〜F8)。電解洗い行程で
の動作は上述した電解予洗い行程での動作と同じである
が、電解装置31およびパルセータ7を動作させる電解
洗い時間を予洗い時間よりも長く設定している。例え
ば、予洗い時間3分に対して電解洗い時間は10分に設
定している。こうして、この電解洗い行程により、洗濯
物の汚れが十分に取り除かれる。
【0158】この電解洗い行程においても、電極33へ
の通電制御がなされる。このため、上述したように、使
用者によって誤って洗剤が投入され、洗濯物に洗剤分が
多く残ったまま電解洗いが行われ、洗い水の電解濃度が
高くなるなどの原因により、通電電流値が非常に大きく
なった場合には、電解洗いの途中で電解装置31の動作
が中止される。このとき、パルセータ7の動作は継続さ
れ、洗い自身は続けられる。この電解洗い行程では、予
洗い行程の場合とは違って、洗濯物の汚れを十分に落と
す必要がある。このため、洗剤の投入が原因であれば、
洗剤の効果によって洗浄性能が確保できるかもしれない
が、その洗剤量が十分ではない場合や洗剤の投入が原因
ではない場合(後述する入浴剤など他の導電率を良くす
る物質の投入が原因である)には、電解装置31を止め
てしまっては十分な洗浄性能を確保できない虞がある。
したがって、通電電流が大きくなり、電解洗い行程の途
中で電解装置31の動作を中止した場合には、後述する
追加電解洗い行程が実行される。
【0159】電解洗い行程が終了すると、2回目の中間
脱水が実行される(ステップF9)。この2回目の中間
脱水の動作は、最初の中間脱水の動作と同じである。
【0160】2回目の中間脱水が終了すると、通電電流
値が上限電流値を超えることによって電解洗い行程の途
中で電解装置31の動作が中止されたか否かを判定する
(ステップF10)。中止されていなければ、電解すす
ぎ行程へと移行する。一方、電解洗い行程の途中で電解
装置31の動作が中止されたと判定した場合には、追加
電解洗い行程を実行する(ステップF11〜F13)。
この追加電解洗い行程の動作は、予洗い行程や電解洗い
行程と同じであるが、電解装置31およびパルセータ7
を動作させる追加洗い時間を予洗い時間よりも長く電解
洗い時間よりも短く設定している。本実施形態では、例
えば、追加洗い時間を5分に設定している。これは、電
解洗い行程によって多少は洗われているので電解洗い時
間ほどの時間は必要なく、しかし、予洗い行程よりは十
分に洗う必要があるためである。
【0161】この追加電解洗い行程が行われた場合に
は、さらに3回目の中間脱水を行った後(ステップF1
4)、電解すすぎ行程を実行する(ステップF15〜F
17)。
【0162】この電解すすぎ行程の動作は、標準コース
において除菌の設定がなされ、最終すすぎ行程で電解す
すぎを行う場合の動作と同様である。つけおき時間、攪
拌時間、電解動作時間は図11に示す通りであるが、標
準コースに比べて定格負荷量(最高水位)が少ないた
め、つけおき時間および電解動作時間は通電電流値のみ
に基づくものとし、攪拌時間は一定としている。また、
攪拌時間は、標準コースにおける同じ水位や通電電流値
に対応する攪拌時間より長くしている。
【0163】こうして、電解すすぎ行程が終了すると、
中間脱水よりも脱水時間の長い最終脱水を行う(ステッ
プF18)。この最終脱水の脱水動作も、脱水時間が長
いだけで、中間脱水の動作と同様である。そして、最終
脱水が終了すると、洗剤ゼロコースの洗浄運転を終了す
る。
【0164】なお、電解予洗いの実行時間(電解装置3
1の動作時間)、および電解洗いの実行時間を通電電流
の大きさに応じて変更するようにしても良い。この場
合、通電電流値が小さいほど実行時間を長くする。ま
た、電解予洗いの実行時間(電解装置31の動作時
間)、および電解洗いの実行時間を洗濯物の負荷量、水
量(水位)に応じて変更するようにしても良い。この場
合、負荷量や水量が多いほど実行時間を長くする。この
ようにすると、洗浄性能をより確実に確保できる。
【0165】このように、本実施形態の全自動洗濯機で
は、電解装置31を備え、洗剤ゼロコースにおいて、電
気分解で生成した電解水を用いた電解洗いおよび電解す
すぎを行うことにより、洗濯物の汚れを落とし、洗濯物
の除菌をするようにしているので、洗剤の使用量を大幅
に削減することができる。
【0166】また、電解洗い行程に先立って予洗い行程
を実行するよう構成し、予洗いによって洗濯物の大まか
な汚れを落とした上で、本格的な電解洗いを行うように
したので、電解洗いを効率よく行うことができる。よっ
て、電解装置31の性能を必要以上に高くせずにすみ、
電解装置31が大型化しない。さらに、この予洗い行程
においても電気分解を行うようにしたので、予洗いの洗
浄性能が良くなる。
【0167】また、洗剤ゼロコースの定格負荷量を標準
コースの定格負荷量よりも小さくしているので、電解装
置31が大きくならず、コストの上昇を抑えるととも
に、洗濯機本体が大型化するのを防止できる。さらに、
洗剤ゼロコースにおいて、定格負荷量を超える洗濯物が
投入された場合には、入れ過ぎサインを出力して使用者
に報知するようにしているので、洗濯物を入れ過ぎた状
態で洗剤ゼロコースの洗濯運転が行われるのを防止で
き、洗浄性能を確保することができる。さらに、入れ過
ぎを判定するための負荷量検知を、運転開始後直ちに、
即ち給水を開始する前に行い、給水前に入れ過ぎの報知
を行なうようにしたので、入れ過ぎた洗濯物を濡らさず
に取り出すことができる。
【0168】また、電極33への通電電流値が大きくて
電解洗い行程の途中に電気分解が中止された場合には、
追加電解洗い行程、即ち、水を入れ替えて再度電解洗い
を行うようにしているので、電解洗い行程において電気
分解が中止された場合でも洗浄性能を確保することがで
きる。
【0169】ところで、本実施形態の全自動洗濯機で
は、使用者が風呂水キー43を用いて設定することによ
り、風呂水を使用して洗濯運転を行うことができる。通
常の洗濯コース(標準コースなど)の場合は、洗い行程
から最後のすすぎ行程まで、すべての行程において風呂
水を使用することができる。しかし、標準コースなどで
除菌プラスキー42により除菌設定がなされた場合に
は、最終のすすぎ行程で行われる電解すすぎには風呂水
の使用を禁止するようにしている。同じく洗剤ゼロコー
スの電解すすぎ行程で行われる電解すすぎにも風呂水の
使用を禁止するようにしている。これは、電解すすぎに
風呂水が使用されると、風呂水中の雑菌に電解水が作用
してしまい、洗濯物の除菌効果が低下してしまうからで
ある。以下、この風呂水使用の設定動作について図16
〜図18に基づいて詳細に説明する。
【0170】風呂水キー43によるキー入力があると、
図16に示す風呂水設定処理が実行される。即ち、現在
の設定状態が風呂水の使用「なし」の設定であれば、風
呂水の使用を「洗い」に設定する(ステップG1、G
2)。現在の設定状態が「洗い」であれば、洗剤ゼロコ
ースが設定されているか否かを判定する(ステップG
3、G4)。そして、洗剤ゼロコースが設定されていな
ければ、風呂水の使用を「すすぎ1」に設定し(ステッ
プG5)、設定されていれば、風呂水の使用を「なし」
に設定する(ステップG6)。現在の設定状態が「すす
ぎ1」であれば、除菌の設定がなされているか否かを判
定する(ステップG7、G8)。そして、除菌の設定が
されていなければ、風呂水の使用を「すすぎ2」に設定
し(ステップG9)、除菌の設定がされていれば、風呂
水の使用を「なし」に設定する(ステップG6)。現在
の設定状態が「すすぎ2」であれば、風呂水の使用を
「すっきりシャワー」に設定する(ステップG10、G
11)。ステップG10で「すすぎ2」でないと判定す
れば、即ち現在の設定が「すっきりシャワー」であれ
ば、ステップG6で風呂水の使用を「なし」に設定す
る。
【0171】使用者は、通常、コースキー群37の操作
により洗濯コースを設定し、また、必要であれば除菌プ
ラスキー42の操作により除菌の設定をした後に、風呂
水キー43の操作により風呂水使用の設定を行う。しか
し、コース変更をするなど、場合によっては風呂水使用
の設定の後に洗濯コースの設定や除菌の設定がなされる
場合も出てくる。この場合の風呂水使用の設定処理につ
いて説明する。
【0172】まず、各コースキーによるキー入力がある
と、図17に示す風呂水設定処理を実行する。洗剤ゼロ
コースが設定されたか否かを判定し(ステップG10
1)、洗剤ゼロコースが設定されたのでなければ、現在
の設定を維持する(ステップG102)。一方、洗剤ゼ
ロコースが設定されたのであれば、現在の設定が「すす
ぎ1」以上、即ち、「すすぎ1」、「すすぎ2」、また
は「すっきりシャワー」であるか否かを判定し(ステッ
プG103)、「すすぎ1」以上であれば、風呂水の使
用を「洗い」に変更する(ステップG104)。設定が
「なし」、または「洗い」であれば、その設定を維持す
る(ステップG102)。
【0173】次に、除菌プラスキー42によるキー入力
があると、図18に示す風呂水設定処理を実行する。現
在の設定が「すすぎ2」以上、即ち、「すすぎ2」また
は「すっきりシャワー」であるか否かを判定し(ステッ
プG201)、「すすぎ2」以上であれば、風呂水の使
用を「すすぎ1」に変更する(ステップG202)。設
定が「なし」、「洗い」、または「すすぎ1」であれ
ば、その設定を維持する(ステップG203)。
【0174】このようにして、風呂水の使用が「洗い」
に設定されると、風呂水表示部47の「洗い」のLED
が点灯する。この状態で、洗濯運転が開始されると、標
準コースにおいては、洗い行程の給水時に風呂水ポンプ
59が動作し、風呂水が供給される。また、洗剤ゼロコ
ースにおいては、予洗い行程および電解洗い行程の給水
時に風呂水が供給される。
【0175】さらに、風呂水の使用が「すすぎ1」に設
定されると、風呂水表示部47の「洗い」および「すす
ぎ1」のLEDが点灯し、標準コースにおいては、洗い
行程および1回目のすすぎ行程に風呂水が供給される。
また、「すすぎ2」が設定されると、「すすぎ2」まで
のLEDが点灯し、洗い行程から最後のすすぎ行程まで
の給水時に風呂水が供給される。なお、「すっきりシャ
ワー」が設定された場合には、「シャワー」までのLE
Dが点灯し、最後のすすぎ行程まで風呂水が供給される
とともに、最後のすすぎ行程が終了した後、仕上すすぎ
行程を実行する。仕上すすぎ行程では、洗濯兼脱水槽5
がゆっくりと回転するとともに、水道水が供給され、洗
濯物に掛けられる。
【0176】ここで、標準コースにおいて、除菌の設定
がなされた場合には、上記図16の風呂水設定処理で説
明したように、風呂水キー43の操作により「すすぎ
1」までしか設定できなくなる。また、上記図18の風
呂水設定処理で説明したように、「すすぎ2」以上に設
定されていても「すすぎ1」の設定に変更される。した
がって、最後のすすぎ行程よりも以前の行程では、風呂
水が使用できるので節水が図れるとともに、最後のすす
ぎ行程では水道水が供給され、電解すすぎには水道水が
使用されることになるので、電解水中の次亜塩素酸など
が風呂水の雑菌に費やされるようなことがなく、洗濯物
に十分に作用して、洗濯物を十分に除菌することができ
る。
【0177】また、洗剤ゼロコースが設定された場合に
は、上記図16の風呂水設定処理で説明したように、風
呂水キー43の操作により「洗い」までしか設定できな
くなる。また、上記図17の風呂水設定処理で説明した
ように、「すすぎ1」以上に設定されていても「洗い」
の設定に変更される。したがって、電解すすぎ行程より
も以前の行程(電解洗い行程や予洗い行程)では、風呂
水が使用できるので節水が図れるとともに、電解すすぎ
行程では水道水が供給され、電解すすぎには水道水が使
用されることになるので、洗濯物を十分に除菌すること
ができきる。
【0178】ところで、上述したように、洗剤ゼロコー
スにおいては、予洗い行程および電解洗い行程に風呂水
を使用できるようにしている。この場合、入浴剤が入っ
た風呂水が電気分解を行う予洗いや電解洗いに使用され
る場合が出てくる。そして、入浴剤が入った風呂水を電
気分解した場合、その濃度が高いと、入浴剤の成分の影
響により、洗剤の場合と同様、所望の電気分解が行われ
なかったり、過電流が流れたりする虞がある。
【0179】これに対し、入浴剤入りの風呂水が使用さ
れ、その濃度によって通電電流が大きくなると、上述し
た予洗いや電解洗い中に行われる電極33の通電制御の
ステップK12においてこれを検知し、電解装置31の
動作を中止するようにする。したがって、入浴剤入りの
風呂水が使用されたとしても、入浴剤の影響によって、
不所望な電気分解が行われたり、過電流が流れたりする
のを防止できる。
【0180】また、図13のフローチャートには示して
いないが、風呂水の使用が「洗い」に設定されていた場
合、予洗い行程の途中で電気分解が中止されたか否かを
判定し、中止された場合には、電解洗い行程の給水時に
水道水を供給するようにする。これにより、予洗い行程
において入浴剤入りの風呂水が原因で電気分解が中止さ
れたような場合に、再びこのような風呂水が使用される
ことがなく、電解洗い行程において電気分解を確実に行
うことができる。
【0181】さらに、電解洗い行程の途中で電気分解が
中止されたことにより実行する追加電解洗い行程には、
電解洗い行程で風呂水が使用されたとしても、必ず水道
水を供給するようにしている。これにより、電解洗い行
程において入浴剤入りの風呂水が原因で電気分解が中止
されたような場合にも、追加電解洗い行程において電気
分解を確実に行うことができる。
【0182】以上、本発明の洗濯機の一実施形態につい
て説明したが、本発明は、例えば、以下に示すように、
上記の実施形態に限定されるものではない。
【0183】本発明の洗濯機は、全自動洗濯機に限定さ
れない。外槽と外槽内に設けられた横軸型のドラムとで
洗濯槽を構成する、いわゆるドラム式洗濯機でもよい。
また、洗濯槽を一槽とし脱水槽を別に設けた、いわゆる
二槽式洗濯機でもよい。
【0184】本発明の洗濯手段は、パルセータ7に限ら
れるものではない。例えば、全自動洗濯機において、洗
濯兼脱水槽の回転で生じる水流を利用して洗濯物を洗濯
する場合は洗濯兼脱水槽が洗濯手段となる。ドラム式洗
濯機においては、ドラムやドラムに設けられた洗濯物攪
拌用のバッフルが洗濯手段となる。要は、機械力により
洗濯物を洗濯する手段であればよい。
【0185】本発明の電解手段は、本実施形態のように
洗濯槽とは別に設けるものではなく、洗濯槽内に設ける
ものでもよい。また、洗濯運転によって洗濯槽内の水が
循環される場所に設けるものでもよい。要は、洗濯槽内
に溜めた水を電気分解するものであればよい。
【0186】本発明の電解すすぎは、電解洗い同様、つ
けおき行程を有さず、電気分解しながら機械力によるす
すぎを行う除菌すすぎ行程だけからなるものでもよい。
【0187】本発明は、水道水のみを電気分解するもの
に限られない。水道水の電気分解を促進するため、食塩
や炭酸水素ナトリウムを水道水に加えて電解溶液とし、
これを電気分解するようにしてもよい。
【0188】本発明は、洗剤を用いる洗い行程での使用
量よりも大幅に少なく、過電流が発生せず、電気分解に
洗剤分の影響が出ない程度であれば、電解洗いに行程に
洗剤を投入するものであってもよい。
【0189】その他、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更
や修正を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による全自動洗濯機の側面
断面図。
【図2】図1に示す全自動洗濯機の正面一部断面図。
【図3】水処理ユニットの一部断面側面図。
【図4】水処理ユニットの正面からみた概略構造を示す
模式図。
【図5】給水機構の構成を示す上面板後部の透視平面
図。
【図6】操作部、表示部の構成を示す操作パネルの平面
図。
【図7】本実施形態の全自動洗濯機の電気系構成図。
【図8】本実施形態の全自動洗濯機における、標準コー
スの洗濯運転動作を示すフローチャート。
【図9】標準コース、洗剤ゼロコースにおける、負荷量
と水位との関係を示すテーブル。
【図10】本実施形態の全自動洗濯機における、電解す
すぎの動作を示すフローチャート。
【図11】電解すすぎにおいて、つけおき時間、攪拌時
間、電解動作時間を決定するためのテーブル。
【図12】本実施形態の全自動洗濯機における、電極の
通電制御を示すフローチャート。
【図13】本実施形態の全自動洗濯機における、洗剤ゼ
ロコースの洗濯運転動作を示すフローチャート。
【図14】洗剤ゼロコースにおける、負荷量検知・水位
設定処理の流れを示すフローチャート。
【図15】洗剤ゼロコースにおける、中間脱水の動作を
示すフローチャート。
【図16】本実施形態の全自動洗濯機における、風呂水
キーが操作されたときの風呂水使用の設定処理の流れを
示すフローチャート。
【図17】コースキーが操作されたときの風呂水使用の
設定処理の流れを示すフローチャート。
【図18】除菌プラスキーが操作されたときの風呂水使
用の設定処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 筐体 2 外槽(洗濯槽) 5 洗濯兼脱水槽(洗濯槽) 7 パルセータ(洗濯手段、負荷量検知手段) 13 給水バルブ 13a 第1バルブ(給水手段) 13b 第2バルブ 20 制御部(制御手段、負荷量検知手段) 29 ブザー(報知手段) 31 電解装置(電解手段) 32 電解槽 33 一対の電極 42 除菌プラスキー 43 風呂水キー 51 電流検出回路 52 セグメント表示部(報知手段) 58 アンバランス検知スイッチ(アンバランス検知
手段) 59 風呂水ポンプ(給水手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B155 AA01 AA10 AA15 BA16 BB14 BB18 CB06 DB12 GA25 JB06 KA02 KA32 LB35 MA02 MA05 MA06 MA08 MA10 4D061 DA03 DB10 EA02 EB01 EB04 EB14 EB19 EB20 EB30 EB37 EB39 GA12 GC15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗濯物を収容する洗濯槽と、この洗濯槽
    への給水手段と、前記洗濯槽内の洗濯物を機械力によっ
    て洗濯する洗濯手段と、前記洗濯槽内に溜められた水を
    電気分解する電解手段と、前記給水手段、洗濯手段及び
    電解手段の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御
    手段の制御により、前記洗濯槽内に洗剤が溶けた水を溜
    めて前記洗濯手段を動作させ洗濯物を洗う第1洗濯コー
    スと、前記洗濯槽内に溜めた水を前記電解手段の動作に
    よって電気分解しながら前記洗濯手段を動作させ洗濯物
    を洗う第2洗濯コースとを選択的に実行する洗濯機であ
    って、 前記第2洗濯コースにおける洗濯物の定格負荷量を前記
    第1洗濯コースにおける洗濯物の定格負荷量よりも少な
    くしたことを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】 前記洗濯槽内に入れられた洗濯物の負荷
    量を検知する負荷量検知手段と、前記第2洗濯コースを
    実行する場合において、前記負荷量検知手段によって検
    知された負荷量が第2洗濯コースにおける定格負荷量よ
    りも大きいときには、洗濯物を入れすぎていることを報
    知する報知手段と、をさらに備えたことを特徴とする請
    求項1に記載の洗濯機。
  3. 【請求項3】 前記負荷量検知手段による負荷量検知
    を、前記第2洗濯コースの運転開始後、前記給水手段に
    より前記洗濯槽内に給水する前に行うことを特徴とする
    請求項2に記載の洗濯機。
  4. 【請求項4】 前記洗濯槽を外槽と、外槽内に回転自在
    に支持され、脱水時に高速回転する洗濯兼脱水槽とで構
    成するとともに、前記洗濯槽内の洗濯物のアンバランス
    状態を検知するアンバランス検知手段を備え、 前記制御手段は、第2洗濯コースにおいて、前記定格負
    荷量に対応する水位を最高水位として前記負荷量検知手
    段によって検知された負荷量に応じて洗いやすすぎの水
    位を決定し、洗いやすすぎを行うために前記給水手段を
    動作して決定した水位まで給水するとともに、前記最高
    水位に決められている状態において、脱水時にアンバラ
    ンス検知手段によりアンバランス状態が検知されると、
    前記給水手段を動作して前記最高水位よりも高いほぐし
    水位まで給水し、このほぐし水位で前記洗濯手段を動作
    して洗濯物をほぐすことを特徴とする請求項2または3
    に記載の洗濯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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