JP2003000279A - bHLH−PAS蛋白質、その遺伝子及びそれらの利用 - Google Patents
bHLH−PAS蛋白質、その遺伝子及びそれらの利用Info
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Abstract
を提供可能とすること。 【解決手段】以下の(a)〜(c)のいずれかの蛋白質
をコードするDNA、等。(a)特定なアミノ酸配列を
有する蛋白質。(b)特定なアミノ酸配列に対して90
%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、か
つ転写調節能を有する蛋白質。(c)特定な塩基配列の
塩基番号102〜2507で表される塩基配列からなる
DNA、特定な塩基配列の塩基番号51〜2456で表
される塩基配列からなるDNAまたは特定な塩基配列の
塩基番号35〜2440で表される塩基配列からなるD
NAのいずれかとストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、
かつ転写調節能を有する蛋白質。
Description
蛋白質に関する。
ヘリックス・ループ・ヘリックス(basic helix-loop-h
elix:以下、bHLHと記す。)モチーフとPASドメ
イン(Per-Arnt-Simホモロジードメイン)とを有する蛋
白質(以下、bHLH−PAS蛋白質と記す。)は、ホ
モもしくはヘテロ二量体を形成することによりDNAに
結合して転写調節因子として機能し、細胞増殖、発生分
化、生体機能発現などに係る遺伝子の転写調節に重要な
役割を果たしている(Annu Rev Pharmacol Toxicol 200
0;40:519-61)。例えば、Ahレセプター(Aryl hydroc
arbon receptor)は、ダイオキシン等のリガンドの結合
により活性化され、同じくbHLH−PAS蛋白質であ
るArnt(AhR nuclear translocator)とヘテロ二量
体を形成して薬物代謝酵素遺伝子等の転写制御領域に結
合しその転写を活性化する。また、Hifは低酸素状態
への生体応答において遺伝子発現を活性化し、Perや
Clockは日周リズムの制御に関与し、SRC−1や
TIF2はステロイドホルモンレセプターファミリーの
コアクチベーターとして機能する。ショウジョウバエに
おいて正中線の発達に関与するSimは、ヒト等の哺乳
動物においても発生過程の正中線に発現すること等から
その発達に関係していると考えられており、ヒトのSi
m2については遺伝病であるダウン症との関連も示唆さ
れている(Genome Res 1997;7:615-624, Chrast,R et a
l.)。さらに、成体において主に中枢神経系に発現する
NPAS1及びNPAS2は、神経機能や行動に異常を
呈するマウスの遺伝病との関係が示唆されており(Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 1997;94:713-18)、NPAS2遺
伝子が破壊されたノックアウトマウスは長期記憶に異常
が認められた(Science 2000;288:2226-2230)。このよ
うにbHLH−PAS蛋白質は、該蛋白質が発現する組
織において、その組織の発達や機能発現に必要な酵素遺
伝子や構造遺伝子等の遺伝子の転写調節に関っており、
その働きに異常が生じれば、疾病や障害等の原因とな
る。そこで、かかる疾病や障害等の診断、予防、治療に
有用な手段を開発するために、bHLH−PAS蛋白質
及び該蛋白質をコードするDNAの取得が望まれてい
た。
の下、鋭意検討した結果、脳で発現するbHLH−PA
S蛋白質をコードするDNAの単離に成功し、本発明に
至った。即ち、本発明は、 1)以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白質をコード
するDNA、 (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 2)以下の(a)〜(d)のいずれかの塩基配列を有す
るDNA、 (a)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列。 (b)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列。 (c)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列。 (d)配列番号54で示される塩基配列の塩基番号14
19〜6164で表される塩基配列。 3)前項1)又は2)に記載のDNAを含有するベクタ
ー(以下、本発明ベクターと記す。)、 4)前項1又は2に記載のDNAの上流に、プロモータ
ーが機能可能な形で結合されてなるDNAを含有するベ
クター、 5)宿主細胞内で複製可能なベクターに、前項1)又は
2)に記載のDNAを組込むことを特徴とするベクター
の製造方法、 6)前項1)もしくは2)に記載のDNA又は前項3)
に記載のベクターが宿主細胞に導入されてなる形質転換
体(以下、本発明形質転換体と記す。)、 7)宿主細胞が動物細胞である前項6記載の形質転換
体。 8)宿主細胞が大腸菌又は酵母である前項6記載の形質
転換体。 9)前項1)もしくは2)に記載のDNA又は前項3)
に記載のベクターを宿主細胞に導入することを特徴とす
る形質転換体の製造方法、 10)以下の(a)〜(e)の蛋白質(以下、一括して
本発明蛋白質と記す。)、 (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 11)以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白質をコー
ドするDNAが宿主細胞に導入されてなる形質転換体を
培養する工程を含むことを特徴とする本発明蛋白質の製
造方法、 (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 12)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドを認識する抗体、 13)本発明蛋白質を検出する方法であって、 (1)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドを認識する抗体と被検試料とを接触させる
工程、及び (2)被検試料中の蛋白質と前記抗体との複合体を検出
する工程、を含む方法、 14)本発明蛋白質に結合する物質をスクリーニングす
る方法であって、 (1)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドと被検物質とを接触させる工程、及び (2)本発明蛋白質又は前記ポリペプチドに結合する物
質を選択する工程、を含む方法、 15)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドの転写調節能を測定する方法であって、以
下のi)の遺伝子とii)の遺伝子とが宿主細胞に導入さ
れてなる形質転換体、及び、以下のiii)の遺伝子とi
i)の遺伝子とが宿主細胞に導入されてなる形質転換体
におけるレポーター遺伝子の発現量を測定し、測定され
た発現量を比較する工程を含む方法、 <各遺伝子> i)宿主細胞内で機能可能な転写調節因子のDNA結合
領域と、本発明蛋白質またはその部分アミノ酸配列を有
するポリペプチドとの融合蛋白質をコードするDNA
が、宿主細胞内で機能可能なプロモーターの下流に接続
されてなるキメラ遺伝子。 ii)i)記載のDNA結合領域が結合可能なDNAと宿
主細胞内で機能可能な最小プロモーターとを含むプロモ
ーターの下流に、レポーター蛋白質をコードするDNA
が接続されてなるレポーター遺伝子。 iii)i)記載のDNA結合領域をコードするDNAが、
i)記載のプロモーターの下流に接続されてなる遺伝
子。 16)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドの転写調節能を変化させる物質をスクリー
ニングする方法であって、 (1)i)宿主細胞内で機能可能な転写調節因子のDN
A結合領域と、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列
を有するポリペプチドとの融合蛋白質をコードするDN
Aが、宿主細胞内で機能可能なプロモーターの下流に接
続されてなるキメラ遺伝子、と ii)i)記載のDNA結合領域が結合可能なDNAと宿
主細胞内で機能可能な最小プロモーターとを含むプロモ
ーターの下流に、レポーター蛋白質をコードするDNA
が接続されてなるレポーター遺伝子とが宿主細胞に導入
されてなる形質転換体と、被検物質とを接触させ、被検
物質存在下における前記レポーター遺伝子の発現量を測
定する工程、及び (2)(1)で測定されたレポーター遺伝子の発現量
が、被検物質非存在下における当該レポーター遺伝子の
発現量とは実質的に異なる被検物質を選択する工程、を
含む方法、 17)ツーハイブリッドアッセイのための、前項1記載
のDNAの使用、 18)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドの細胞内発現量を変化させる物質をスクリ
ーニングする方法であって、 (1)前記蛋白質をコードする遺伝子の発現調節領域と
レポーター蛋白質をコードするDNAとが機能可能な形
で連結されてなるレポーター遺伝子が宿主細胞に導入さ
れてなる形質転換体と、被検物質とを接触させ、被検物
質存在下における前記レポーター遺伝子の発現量を測定
する工程、及び (2)(1)で測定されたレポーター遺伝子の発現量
が、被検物質非存在下における当該レポーター遺伝子の
発現量とは実質的に異なる被検物質を選択する工程、を
含む方法。 19)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドにスリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズすることができる10塩基以上5000塩基
以下の塩基からなるポリヌクレオチド、 20)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相
補的な塩基配列を有し、10塩基以上5000塩基以下
の塩基からなるポリヌクレオチド、 21)本発明蛋白質をコードする核酸を検出する方法で
あって、 (1)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズすることができる10塩基以上5000塩
基以下の塩基からなるポリヌクレオチドと被検試料由来
の核酸とをハイブリダイゼーション条件下に接触させる
工程、及び (2)前記ポリヌクレオチドと被検試料由来の核酸との
ハイブリッドを検出する工程、を含む方法、 22)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェイン反
応条件下でアニールすることができ、10塩基以上50
塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド、 23)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相
補的な塩基配列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド、 24)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌク
レオチドに対してポリメラーゼチェイン反応条件下でア
ニールすることができ、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド、 25)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配
列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポ
リヌクレオチド、 26)配列番号11〜42のいずれかで示される塩基配
列を有するポリヌクレオチド、 27)以下の(a)〜(f)のポリヌクレオチドから選
ばれる1以上のポリヌクレオチドを含むキット(以下、
本発明キットと記載することもある。)、 (a)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドにスリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズすることができる10塩基以上5000塩基
以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 (b)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェイン反
応条件下でアニールすることができ、10塩基以上50
塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 (c)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相
補的な塩基配列を有し、10塩基以上5000塩基以下
の塩基からなるポリヌクレオチド。 (d)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌク
レオチドに対してポリメラーゼチェイン反応条件下でア
ニールすることができ、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド。 (e)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配
列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポ
リヌクレオチド。 (f)配列番号11〜42のいずれかで示される塩基配
列を有するポリヌクレオチド。 28)本発明蛋白質をコードするゲノムDNAを増幅す
る方法であって、以下の(f)〜(j)のポリヌクレオ
チドから選ばれる1以上のポリヌクレオチドをプライマ
ーとして用いて、ゲノムDNAを鋳型としてポリメラー
ゼチェイン反応を行う工程を含む方法、 <ポリヌクレオチド群> (f)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェイン反
応条件下でアニールすることができ、10塩基以上50
塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 (g)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相
補的な塩基配列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド。 (h)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌク
レオチドに対してポリメラーゼチェイン反応条件下でア
ニールすることができ、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド。 (i)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配
列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポ
リヌクレオチド。 (j)配列番号11〜42のいずれかで示される塩基配
列を有するポリヌクレオチド。 29)本発明蛋白質をコードするcDNAを増幅する方
法であって、以下の(f)又は(g)のポリヌクレオチ
ドから選ばれる1以上のポリヌクレオチドをプライマー
として用いて、cDNAを鋳型としてポリメラーゼチェ
イン反応を行う工程を含む方法、 <ポリヌクレオチド群> (f)配列番号4〜6のいずれかで示される塩基配列又
は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリペプチド
に対してポリメラーゼチェイン反応条件下でアニールす
ることができ、10塩基以上50塩基以下の塩基からな
るポリヌクレオチド。 (g)配列番号4〜6のいずれかで示される塩基配列の
部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配列を
有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポリヌ
クレオチド。 30)本発明蛋白質をコードする遺伝子の遺伝子型を分
析する方法であって、被検試料の核酸において、本発明
蛋白質をコードする塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸
配列とは異なるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含
有しているか否かを調べる工程を含む方法、 31)標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を含有しているか否かを調べる
工程が、被検試料の核酸を鋳型として本発明蛋白質をコ
ードするDNAを増幅し、増幅されたDNAの塩基配列
を決定する工程を含む前項30)に記載の方法、 32)標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を有しているか否かを調べる工
程が、被検試料の核酸を鋳型として本発明蛋白質のアミ
ノ酸配列をコードするDNAを増幅し、増幅されたDN
Aを電気泳動してその移動度を測定する工程を含む前項
30)に記載の方法、 33)標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を有しているか否かを調べる工
程が、被検試料の核酸又は該核酸の増幅物と、配列番号
4、5、6もしくは54のいずれかで示される塩基配列
又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリペプチ
ドにスリンジェントな条件下でハイブリダイズすること
ができる10塩基以上5000塩基以下の塩基からなる
ポリヌクレオチドとの、ストリンジェントな条件下にお
けるハイブリダイゼーションのパターンを調べる工程を
含む前項30)に記載の方法、 34)標準蛋白質のアミノ酸配列が、配列番号1、2又
は3で示されるアミノ酸配列である前項30)〜33)
のいずれかに記載の方法、 35)哺乳動物細胞に、前項1又は2記載のDNAを、
当該DNAが前記細胞で発現する位置に置かれるように
提供する工程を含む哺乳動物細胞におけるdrebrin 1の
発現促進方法(以下、本発明発現促進方法と記すことも
ある。)、 36)前記哺乳動物細胞が、精神遅滞を伴なう疾患又は
アルツハイマー症に羅患していると診断されうる哺乳動
物の体内にある細胞である、前項35記載の方法、 37)前項1又は2に記載のDNAを有効成分として含
み、該有効成分が薬学的に許容される担体中に製剤化さ
れてなる遺伝子治療剤(以下、本発明遺伝子治療剤と記
すこともある。)、を提供するものである。
する。本発明蛋白質には、配列番号1〜3のいずれかで
示されるアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号1〜3
のいずれかで示されるアミノ酸配列に対して90%以上
のアミノ酸同一性を示すアミノ酸配列を有し、かつ転写
調節能を有する蛋白質、配列番号4で示される塩基配列
の塩基番号102〜2507で表される塩基配列からな
るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
するDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転
写調節能を有する蛋白質、配列番号5で示される塩基配
列の塩基番号51〜2456で表される塩基配列からな
るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
するDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転
写調節能を有する蛋白質、配列番号6で示される塩基配
列の塩基番号35〜2440で表される塩基配列からな
るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
するDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ転
写調節能を有する蛋白質が含まれる。本発明蛋白質のア
ミノ酸配列において認められる、配列番号1〜3のいず
れかで示されるアミノ酸配列との相違としては、アミノ
酸の欠失、置換、修飾、付加等の変異をあげることがで
きる。これらには、部位特異的変異導入法や突然変異処
理等によって人為的に導入され得る変異に加えて、動物
の系統、個体、器官、組織等の違いによるアミノ酸配列
の相違などの天然に生ずる多型変異も含まれる。
の塩基配列又は2つのアミノ酸配列の配列の同一性及び
相同性をいう。前記「配列同一性」は、比較対象の配列
の全領域にわたって、最適な状態にアラインメントされ
た2つの配列を比較することにより決定される。ここ
で、比較対象の塩基配列又はアミノ酸配列の最適なアラ
インメントにおいて、付加又は欠失(例えばギャップ
等)を許容してもよい。このような配列同一性は、例え
ば、FASTA[Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad.Sci.
USA,4, 2444-2448(1988)]、BLAST[Altschulら、Jou
rnal of MolecularBiology, 215, 403-410(1990)]、CL
USTAL W[Thompson,Higgins&Gibson, Nucleic Acid Re
search, 22, 4673-4680(1994a)]等のプログラムを用い
て相同性解析を行いアラインメントを作成することによ
って算出することができる。上記のプログラムは、例え
ば、DNA Data Bank of Japan[国立遺伝学研究所 生命
情報・DDBJ研究センター (Center for Information
Biology and DNA Data Bankof Japan ;CIB/DDBJ)内で
運営される国際DNAデータバンク]のホームページ
(http://www.ddbj.nig.ac.jp)等において、一般的に
利用可能である。また、配列同一性は、Vector NTI、GE
NETYX-WIN Ver.5(ソフトウェア開発株式会社製)等の
市販の配列解析ソフトウェアを用いて求めることもでき
る。本発明におけるアミノ酸同一性は、例えば、90%
以上であることが好ましい。
にハイブリダイズするDNA」としては、例えば、高イ
オン濃度下[例えば、6XSSC(900mM塩化ナトリウム、90m
Mクエン酸ナトリウム)などが用いられる。]に、65℃の
温度条件でハイブリダイズさせることによりDNA-DNAハ
イブリッドを形成し、低イオン濃度下[例えば、0.1X SS
C(15mM塩化ナトリウム、1.5mMクエン酸ナトリウム)な
どが用いられる。]に、65℃の温度条件で30分間洗浄し
た後でも該ハイブリッドが維持されうるDNAをあげる
ことができる。本発明蛋白質の転写調節能は、例えば、
後述のレポーター遺伝子を用いたアッセイ等に基づき評
価することができる。
本発明DNAと記す。)は、例えば、ヒト、マウス、ラ
ットなどの動物の組織から、J.Sambrook,E.F.Frisch,T.
Maniatis著;モレキュラー クローニング第2版(Molec
ular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング ハ
ーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory
発行、1989年)等に記載の遺伝子工学的方法に準じて取
得することができる。具体的には、まず、ヒト、マウ
ス、ラットなどの動物の組織由来の全RNAを調製する。
例えば、脳の組織を塩酸グアニジンやグアニジンチオシ
アネート等の蛋白質変性剤を含む溶液中で粉砕し、さら
に該粉砕物にフェノール、クロロホルム等を加えること
により蛋白質を変性させる。変性蛋白質を遠心分離等に
より除去した後、回収された上清画分から塩酸グアニジ
ン/フェノール法、SDS−フェノール法、グアニジンチ
オシアネート/CsCl法等の方法により全RNAを抽出す
る。なお、これらの方法に基づいた市販のキットとして
は、例えばISOGEN(ニッポンジーン製)がある。得られ
た全RNAを鋳型としてオリゴdTプライマーをRNAのポリA
配列にアニールさせ、逆転写酵素により一本鎖cDNAを合
成する。次いで、合成された一本鎖cDNAを鋳型とし、か
つ大腸菌RNaseHを用いてRNA鎖にニックとギャップを入
れることにより得られるRNAをプライマーとして大腸菌
のDNAポリメラーゼIを用いて二本鎖のcDNAを合成す
る。更に、合成された二本鎖cDNAの両末端をT4 DNAポリ
メラーゼにより平滑化する。末端が平滑化された二本鎖
cDNAは、フェノール−クロロホルム抽出、エタノール沈
殿等の通常の方法により精製、回収する。なお、これら
の方法に基づいた市販のキットとしては、例えばcDNA合
成システムプラス(アマシャムファルマシアバイオテク
社製)やTimeSaver cDNA合成キット(アマシャムファル
マシアバイオテク社製)等があげられる。次に、得られ
た二本鎖cDNAを例えば、プラスミドpUC118やファージλ
gt10などのベクターとリガーゼを用いて連結することに
よりcDNAライブラリーを作製する。尚、cDNAラ
イブラリーとしては、市販のcDNAライブラリー(G
IBCO−BRL社製やClontech社製等)を用
いることも可能である。また、ヒト、マウス、ラットな
どの動物の組織片から、例えば、J.Sambrook,E.F.Frisc
h,T.Maniatis著;モレキュラー クローニング第2版(M
olecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリング
ハーバー ラボラトリー(Cold SpringHarbor Laborato
ry発行、1989年)や、村松正寶、”ラボマニュアル遺伝
子工学”(丸善1988)等に記載される通常の方法に
準じてゲノムDNAを調製する。例えば試料が毛髪の場
合には、毛髪2〜3本を滅菌水、次いでエタノールで洗
浄した後、2〜3 mmの長さに切断し、これにBCL-Buffer
[10mM Tris-HCl(pH7.5),5 mM MgCl2, 0.32M Sucrose,
1 Triton X-100]200μlを加え、さらにProteinaseKを
最終濃度100μl/ml 、SDSを最終濃度0.5 (w/v)に
なるようにそれぞれ加え混合する。この混合物を70℃で
1時間保温した後、フェノール/クロロホルム抽出を行
うことによりゲノムDNAを得ることができる。また、
試料が末梢血の場合は、DNA-Extraction kit(Stratagen
e社製)等を用いて該試料を処理することによりゲノムD
NAを得ることができる。得られたゲノムDNAをλgt
10などのベクターとリガーゼを用いて連結することによ
りゲノムDNAライブラリーが得られる。尚、ゲノムD
NAライブラリーとしては、市販のゲノムDNAライブ
ラリー(Stratagene社製等)を用いることも
可能である。
NAライブラリーから、例えば、配列番号4、5、6も
しくは54のいずれかで示される塩基配列の部分塩基配
列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリ
ゴヌクレオチドをプライマーとして用いるポリメラーゼ
チェイン反応(以下、PCRと記す。)や、配列番号
4、5、6もしくは54のいずれかで示される塩基配列
又は該塩基配列の部分塩基配列を有するDNAをプロー
ブとして用いるハイブリダイゼーション法により、本発
明DNAを取得することができる。PCRに用いられる
プライマーとしては、例えば、約10塩基から約50塩基程
度の長さのオリゴヌクレオチドであって、配列番号4、
5、6もしくは54のいずれかで示される塩基配列の
5’非翻訳領域から選択した塩基配列を有するオリゴヌ
クレオチド、及び、配列番号4、5、6もしくは54の
いずれかで示される塩基配列の3’非翻訳領域から選択
した塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレ
オチドをあげることができる。具体的には、フォワード
プライマーとしては、例えば、配列番号7で示される塩
基配列からなるオリゴヌクレオチドや配列番号8で示さ
れる塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをあげること
ができる。また、リバースプライマーとしては、例え
ば、配列番号9で示される塩基配列からなるオリゴヌク
レオチドや配列番号10で示される塩基配列からなるオ
リゴヌクレオチドをあげることができる。PCRの条件と
しては、例えば、反応液50μl中に、LA-Taqポリメラー
ゼ用10倍濃緩衝液(宝酒造社製)5μl、2.5mM dNTP混合
液(各2.5mMのdATP,dGTP,dCTP及びdTTPを含む。)5μl
(dATP,dGTP,dCTP及びdTTP各々の終濃度が0.25mM)、20
μMプライマー 各0.25〜1.25μl(終濃度が0.1〜0.5μ
M)、鋳型cDNA 0.1〜0.5μg、LA-Taqポリメラーゼ(宝
酒造社製)1.25ユニットを含む組成の反応液にて、95℃で1
分間次いで68℃で3分間の保温を1サイクルとしてこれを
35サイクル行う等の条件が挙げられる。
ローブとしては、例えば、配列番号4で示される塩基配
列の塩基番号102〜2507で表される塩基配列から
なるDNA、配列番号5で示される塩基配列の塩基番号
51〜2456で表される塩基配列からなるDNA、配
列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440
で表される塩基配列からなるDNA、配列番号54で示
される塩基配列の塩基番号1419〜6164で表され
る塩基配列からなるDNA、又はこれらDNAの部分塩
基配列を有するDNA等があげられる。ハイブリダイゼ
ーションの条件としては、例えば、6×SSC(0.9M塩化ナ
トリウム、0.09Mクエン酸ナトリウム)、5×デンハルト
溶液(0.1(w/v)フィコール400、0.1(w/v)ポリビニルピ
ロリドン、0.1(w/v)BSA)、0.5(w/v)SDS及び100μg/ml
変性サケ精子DNA存在下に、65℃で保温し、次いで1×S
SC(0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウ
ム)及び0.5(w/v)SDS存在下に、室温で15分間の保温を2
回行い、さらに0.1×SSC(0.015M 塩化ナトリウム、0.0
015Mクエン酸ナトリウム)及び0.5(w/v)SDS存在下に、6
8℃で30分間保温する条件等をあげることができる。ま
た、例えば、5xSSC、50mMHEPES pH7.0、10xデンハルト
溶液及び20μg/ml変性サケ精子DNA存在下に65℃にて保
温し、次いで2xSSC中で室温にて30分間の保温を行
い、さらに0.1xSSC中で65℃にて40分間の保温を2
回行う条件をあげることもできる。尚、本発明DNA
は、例えば配列番号4、5、6もしくは54のいずれか
で示される塩基配列に基づいて、例えばホスファイト・
トリエステル法(Hunkapiller,M.et al.,Nature,310,10
5,1984)等の通常の方法に準じて、核酸の化学合成を行
うことにより調製することもできる。
例えば、J.Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキ
ュラー クローニング第2版(Molecular Cloning 2nd e
dition)、コールドスプリング ハーバーラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratory)発行、1989年等に
記載の遺伝子工学的方法に準じてベクターにクローニン
グすることができる。具体的には例えば、TAクローニン
グキット(Invitrogen社)やpBluescriptII(Stratagen
e社)などの市販のプラスミドベクターを用いてクロー
ニングすることができる。得られた本発明DNAの塩基
配列は、Maxam Gilbert法 (例えば、Maxam,A.M &W.Gilb
ert,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,560,1977等に記載され
る)やSanger法(例えばSanger,F. & A.R.Coulson,J.Mo
l.Biol.,94,441,1975、Sanger,F,& Nicklen and A.R.Co
ulson.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463,1977等に記載
される)等により確認することができる。本発明DNA
の具体例としては、配列番号4で示される塩基配列の塩
基番号102〜2507で表される塩基配列を有するD
NA、配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列を有するDNA、配列番号
6で示される塩基配列の塩基番号35〜2440で表さ
れる塩基配列、配列番号54で示される塩基配列の塩基
番号1419〜6164で表される塩基配列を有するD
NA等をあげることができる。本発明DNAは、drebri
n 1の発現を促進する能力を有している。drebrin 1はア
ルツハイマー症患者の細胞内において激減しており、そ
の改善はアルツハイマー症における認識力機能不全およ
び記憶力不全の治療に寄与する。
主細胞において利用可能なベクター(以下、基本ベクタ
ーと記す。)、例えば、宿主細胞中で複製可能な遺伝情
報を含み、自立的に増殖でき、宿主細胞からの単離、精
製が可能であり、検出可能なマーカーをもつベクター
に、通常の遺伝子工学的手法に準じて組み込むことによ
り本発明ベクターを構築することができる。本発明ベク
ターの構築に用いることができる基本ベクターとして
は、具体的には大腸菌を宿主細胞とする場合、例えばプ
ラスミドpUC119(宝酒造社製)や、ファージミドpBluescr
iptII(Stratagene社製)等を上げることができる。出芽
酵母を宿主細胞とする場合は、プラスミドpGBT9、pGAD4
24、pACT2(Clontech社製)などをあげることができる。
また、哺乳類動物細胞を宿主細胞とする場合はpRc/RS
V、pRc/CMV(Invitrogen社製)等のプラスミド、ウシパピ
ローマウイルスプラスミドpBPV(アマシャムファルマシ
アバイオテク社製)もしくはEBウイルスプラスミドpCEP4
(Invitrogen社製)等のウイルス由来の自律複製起点を含
むベクター、ワクシニアウイルス等のウイルスなどをあ
げることができ、昆虫類動物細胞を宿主細胞とする場合
には、バキュロウイルス等の昆虫ウイルスをあげること
ができる。バキュロウイルスやワクシニアウイルス等の
ウイルスに本発明DNAを組み込むには、使用しようと
するウイルスのゲノムと相同な塩基配列を含有するトラ
ンスファーベクターを用いることができる。このような
トランスファーベクターの具体的例としては、Pharming
en社から市販されているpVL1392,pVL1393(Smith,G.E.,S
ummers M.D.et al.:Mol.Cell.Biol.,3,2156-2165(198
3))、pSFB5(Funahashi,S.et al.:J.Virol.,65,5584-558
8(1991))などのプラスミドをあげることができる。本発
明DNAを前記のようなトランスファーベクターに挿入
し、該トランスファーベクターとウイルスのゲノムとを
同時に宿主細胞に導入すると、トランスファーベクター
とウイルスのゲノムとの間で相同組換えが起こり、本発
明遺伝子がゲノム上にくみこまれたウイルスを得ること
ができる。ウイルスのゲノムとしては、Baculovirus,Ad
enovirus,Vacciniavirusなどのゲノムを用いることがで
きる。より具体的には、例えばバキュロウイルスに本発
明遺伝子を組み込む場合、トランスファーベクターpVL1
393,pVL1392等のマルチクローニング部位に本発明DN
Aを挿入した後、該トランスファーベクターのDNAとBac
ulovirus genome DNA(Baculogold;Pharmingen社製)とを
昆虫細胞Sf21株(ATCCから入手可能)にリン酸カルシウ
ム法等により導入し、得られた細胞を培養する。培養液
から遠心分離等により、本発明DNAが挿入されたウイ
ルスのゲノムを含有するウイルス粒子を回収し、これを
フェノール等で除蛋白処理することにより、本発明DN
Aを含有するウイルスのゲノムを得ることができる。さ
らに、該ウイルスのゲノムを、昆虫細胞Sf21株などのウ
イルス粒子形成能を有する宿主細胞にリン酸カルシウム
法等により導入し、得られる細胞を培養することによ
り、本発明DNAを含有するウイルス粒子を増やすこと
ができる。一方、マウス白血病レトロウイルスなどの比
較的小さなゲノムへは、トランスファーベクターを利用
せずに、本発明DNAを直接組み込むこともできる。例
えばウイルスベクタ-DC(X)(Eli Gilboa et al.,BioTec
hniques,4,504-512(1986))などは、該ベクター上のク
ローニング部位に本発明DNAを組み込む。得られた本
発明DNAの組込まれたウイルスベクターを、例えばAm
pli-GPE(J.Virol.,66,3755(1992))などのパッケージ
ング細胞に導入することにより、本発明DNAの挿入さ
れたウイルスのゲノムを含有するウイルス粒子を得るこ
とができる。
能なプロモーターを機能可能な形で結合させ、これを上
述のような基本ベクターに組み込むことにより、本発明
DNAを宿主細胞で発現させることの可能な本発明ベク
ターを構築することができる。ここで、「機能可能な形
で結合させる」とは、本発明DNAが導入される宿主細
胞において、プロモーターの制御下に本発明DNAが発
現されるように、該プロモーターと本発明遺伝子とを結
合させることを意味する。宿主細胞で機能可能なプロモ
ーターとしては、導入される宿主細胞内でプロモーター
活性を示すDNAをあげることができる。例えば、宿主
細胞が大腸菌である場合には、大腸菌のラクトースオペ
ロンのプロモーター(lacP)、トリプトファンオペロン
のプロモーター(trpP)、アルギニンオペロンのプロモー
ター(argP)、ガラクトースオペロンのプロモーター(gal
P)、tacプロモーター、T7プロモーター、T3プロモータ
ー、λファージのプロモーター(λ-pL、λ-pR)等をあげ
ることができ、宿主細胞が動物細胞や分裂酵母である場
合には、例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモータ
ー、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、シミア
ンウイルス(SV40)の初期又は後期プロモーター、マウス
乳頭腫ウイルス(MMTV)プロモーター等をあげることがで
きる。宿主細胞が出芽酵母である場合にはADH1プロモー
ターなどをあげることができる。また、宿主細胞におい
て機能するプロモーターをあらかじめ保有する基本ベク
ターを使用する場合には、ベクター保有のプロモーター
と本発明DNAとが機能可能な形で結合するように、該
プロモーターの下流に本発明DNAを挿入すればよい。
例えば、前述のプラスミドpRc/RSV、pRc/CMV等は、動物
細胞で機能可能なプロモーターの下流にクローニング部
位が設けられており、該クローニング部位に本発明DN
Aを挿入し動物細胞へ導入することにより、本発明DN
Aを発現させることができる。これらのプラスミドには
あらかじめSV40の自律複製起点(ori)が組み込まれて
いるため、oriを欠失したSV40ゲノムで形質転換された
培養細胞、例えばCOS細胞等に該プラスミドを導入する
と、細胞内でプラスミドのコピー数が非常に増大し、結
果として該プラスミドに組み込まれた本発明DNAを大
量発現させることもできる。また前述の酵母用プラスミ
ドpACT2はADH1プロモーターを有しており、該プラスミ
ド又はその誘導体のADH1プロモーターの下流に本発明D
NAを挿入すれば、本発明DNAを例えばCG1945(Clont
ech社製)等の出芽酵母内で大量発現させることが可能な
本発明ベクターが構築できる。
列を有するDNAと、他の所望の蛋白質をコードするD
NAとをその読み枠を合わせて結合し、その上流に、宿
主細胞で機能可能なプロモーターを機能可能な形で結合
させ、これを上述のような基本ベクターに組み込むこと
により、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有す
るポリペプチドと、前記所望の蛋白質との融合蛋白質を
コードするDNAを宿主細胞で発現させることの可能な
本発明ベクターを構築することもできる。このような本
発明ベクターの構築には、宿主細胞において機能するプ
ロモーターと、前記所望の蛋白質をコードするDNAと
をあらかじめ保有する基本ベクターを使用することもで
きる。本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドと、Gal4DNA結合領域との融合蛋白質をコ
ードするDNAを発現させる場合には、例えば宿主細胞
が出芽酵母であればpGBT9やpAS2(クロンテック社製)
等を、宿主細胞が動物細胞であればpMベクター(クロン
テック社製)等を用いることができる。本発明蛋白質又
はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドと、LexA
DNA結合領域との融合蛋白質をコードするDNAを発現
させる場合には、例えば出芽酵母発現用pGildaベクター
(クロンテック社製)等を用いることができる。本発明
蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチド
と、グルタチオンSトランスフェラーゼ(以下、GST
と記す。)との融合蛋白質をコードするDNAを発現さ
せる場合には、例えば大腸菌発現用pGEXシリーズベク
ター(アマシャムファルマシア社製)等を用いることが
できる。
入することにより、本発明形質転換体を取得することが
できる。本発明ベクターを宿主細胞へ導入する方法とし
ては、宿主細胞に応じた通常の導入方法を適用すること
ができる。例えば、大腸菌を宿主細胞とする場合は、J.
Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラークロ
ーニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、
コールドスプリングハーバーラボラトリー(Cold Sprin
g Harbor Laboratory)発行、1989年等に記載される塩
化カルシウム法やエレクトロポレーション法等の通常の
方法を用いることができる。また、哺乳類動物細胞又は
昆虫類動物細胞を宿主細胞とする場合は、例えば、リン
酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレ
ーション法、又はリポフェクション法等の一般的な遺伝
子導入法に準じて前記細胞に導入することができる。酵
母を宿主細胞とする場合は、例えばリチウム法を基にし
たYeast transformation kit(Clontech社製)などを用い
て導入することができる。尚、ウイルスをベクターに用
いる場合には、上述のように一般的な遺伝子導入法によ
りウイルスのゲノムを宿主細胞に導入できるほか、本発
明DNAの挿入されたウイルスのゲノムを含有するウイ
ルス粒子を、宿主細胞へ感染させることによっても、該
ウイルスのゲノムを宿主細胞に導入することができる。
ば、本発明ベクターと同時にマーカー遺伝子を宿主細胞
へ導入し、マーカー遺伝子の性質に応じた方法で細胞を
培養すればよい。例えば、マーカー遺伝子が、宿主細胞
に致死活性を示す選抜薬剤に対する薬剤耐性を付与する
遺伝子である場合には、該薬剤を添加した培地を用い
て、本発明ベクターが導入された宿主細胞を培養すれば
良い。薬剤耐性付与遺伝子と選抜薬剤の組み合わせとし
ては、例えば、ネオマイシン耐性付与遺伝子とネオマイ
シンとの組み合わせ、ハイグロマイシン耐性付与遺伝子
とハイグロマイシンとの組み合わせ、ブラストサイジン
S耐性付与遺伝子とブラストサイジンSとの組み合わせ
などをあげることができる。また、マーカー遺伝子が宿
主細胞の栄養要求性を相補する遺伝子である場合には、
該栄養素を含まない最少培地を用いて、本発明ベクター
が導入された細胞を培養すればよい。本発明DNAが宿
主細胞の染色体に導入されてなる本発明形質転換体を取
得するには、例えば、本発明ベクターとマーカー遺伝子
を有するベクターとを制限酵素等で消化することにより
直鎖状にした後、これらを前述の方法で宿主細胞へ導入
して該細胞を通常数週間培養し、導入されたマーカー遺
伝子の発現を指標にして目的とする形質転換体を選抜し
取得すればよい。また、例えば、上記のような選抜薬剤
に対する耐性付与遺伝子をマーカー遺伝子として有する
本発明ベクターを前述の方法で宿主細胞に導入し、該細
胞を選抜薬剤が添加された培地で数週間以上継代培養し
て、コロニー状に生き残った選抜薬剤耐性クローンを純
化培養することにより、本発明DNAが宿主細胞の染色
体に導入されてなる本発明形質転換体を選抜し取得する
こともできる。導入された本発明DNAが宿主細胞の染
色体に組み込まれたことを確認するには、当該細胞のゲ
ノムDNAを通常の遺伝子工学的方法に準じて調製し、
調製されたゲノムDNAから、導入された本発明DNA
の部分塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマ
ーに用いるPCRや、導入された本発明DNAをプロー
ブに用いるサザンハイブリダイゼーション等の方法を利
用して、本発明DNAの存在を検出すればよい。かかる
形質転換体は、凍結保存が可能であり必要に応じて起眠
して使用することができるので、実験毎の形質転換体作
製の手間を省くことができ、また、あらかじめ性質や取
扱い条件の確認された形質転換体を用いて試験を実施す
ることが可能となる。
体を培養することにより本発明蛋白質を産生させること
ができる。例えば、本発明形質転換体が微生物である場
合、該形質転換体は、一般微生物における通常の培養に
使用される炭素源や窒素源、有機ないし無機塩等を適宜
含む各種の培地を用いて培養することができる。培養
は、一般微生物における通常の方法に準じて行い、固体
培養、液体培養(旋回式振とう培養、往復式振とう培
養、ジャーファーメンター(JarFermenter)培養、タン
ク培養等)などが可能である。培養温度及び培地のpH
は、微生物が生育する範囲から適宜選ぶことができ、例
えば、約15℃〜約40℃の培養温度にて、約6〜約8の培地
pHで培養するのが一般的である。培養時間は、種々の培
養条件によって異なるが、通常約1日間〜約5日間であ
る。温度シフト型やIPTG誘導型等の誘導型のプロモータ
ーを有する発現ベクターを用いた場合には誘導時間は1
日間以内が望ましく、通常数時間である。また、上記形
質転換体が哺乳類、昆虫類等の動物細胞である場合、該
形質転換体は一般の培養細胞における通常の培養に使用
される培地を用いて培養することができる。選抜薬剤を
利用して当該形質転換体を作製した場合は、該選抜薬剤
の存在下に培養するのが望ましい。哺乳類動物細胞の場
合、例えば終濃度が10%(v/v)となるようFBSを添加した
DMEM培地(ニッスイ社製等)を用いて37℃、5%CO2存在
下等の条件で数日ごとに新しい培養液に交換しながら培
養する。細胞がコンフルエントになるまで増殖したら、
例えば0.25(w/v)程度となるようトリプシンが添加され
たPBS溶液を加えて個々の細胞に分散させ、数倍に希釈
して新しいシャーレに播種し培養を続ける。昆虫類動物
細胞の場合も同様に、例えば10%(v/v)FBS及び2%(w/v)
Yeastlateを含むGrace's medium等の昆虫細胞用培養液
を用いて培養温度25℃から35℃で培養すればよい。この
際、Sf21細胞などのシャーレからはがれやすい細胞の場
合は、トリプシン液を用いずピペッテイングにより分散
させ継代培養を行なうことができる。また、バキュロウ
イルス等のウイルスベクターを含む形質転換体の場合
は、培養時間は細胞質効果が現れて細胞が死滅する前、
例えばウイルス感染後72時間までとするのが好ましい。
本発明形質転換体により産生された本発明蛋白質の回収
は、適宜、通常の単離、精製の方法を組み合わせて行う
ことができ、例えば、培養終了後、形質転換体の細胞を
遠心分離等で集め、集められた該細胞を通常のバッファ
ーに懸濁した後、ポリトロン、超音波処理、ダウンスホ
モジナイザー等で破砕し、破砕液を遠心分離して上清画
分を回収することにより、本発明蛋白質を含む画分を得
ることができる。さらに、前記上清画分をイオン交換、
疎水、ゲルろ過、アフィニティ等の各種クロマトグラフ
ィーに供することにより、より精製された本発明蛋白質
を回収することもできる。また、本発明蛋白質又はその
部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを、GSTとの
融合蛋白質として産生させた場合には、グルタチオンセ
ファロース(アマシャムファルマシア社製)を用いたア
フィニティクロマトグラフィーで精製することができ
る。このようにして製造された本発明蛋白質は、例え
ば、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポ
リペプチドを認識する抗体を作製するための免疫抗原と
して用いることができ、また、本発明蛋白質に結合する
物質をスクリーニングするためのアッセイ等に用いるこ
ともできる。
疫抗原として、例えばマウス、ウサギ、ニワトリ等の動
物を、Frederick M.Ausubel et al.著;Short Protocol
s inMolecular Biology 3nd Edition, John Wiley&Son
s,Inc 記載の免疫学的方法に準じて免疫感作することに
より、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有する
ポリペプチドを認識する抗体を作製することができる。
具体的には例えば、まず、抗原として用いる本発明蛋白
質と完全Freunds adjuvantとを混合してエマルジョン化
する。得られたエマルジョンをウサギに皮下投与する。
約4週間後に、不完全Freunds adjuvantと混合してエマ
ルジョン化した抗原を投与する。必要に応じて、さらに
2週間毎に同様に投与を行なう。採血して血清画分を調
製し、本発明蛋白質に対する抗体価を確認する。このよ
うにして得られた本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配
列を有するポリペプチドを認識する抗体価を有する血清
画分を通常の硫安沈殿法等に準じて分画することによ
り、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポ
リペプチドを認識するIgGを得ることができる。また、
本発明蛋白質の部分アミノ酸配列を有するポリペプチド
を化学合成し、これを免疫抗原として動物に投与するこ
とにより、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有
するポリペプチドを認識する抗体を作製することもでき
る。免疫抗原として用いるポリペプチドのアミノ酸配列
としては、例えば、配列番号1〜3のいずれかで示され
るアミノ酸配列の中から、他の蛋白質のアミノ酸配列と
のホモロジーがなるべく低くかつ免疫感作する動物種の
有する本発明蛋白質のアミノ酸配列とも相違の多いアミ
ノ酸配列を選択する。選択されたアミノ酸配列からなる
10アミノ酸から15アミノ酸程度の長さのポリペプチ
ドを、通常の方法に準じて化学合成し、Limulus plyhem
usのhemocyanin等のキャリアー蛋白質とMBS等により架
橋した後、上記と同様にウサギ等の動物に免疫する。こ
のようにして作製される本発明蛋白質又はその部分アミ
ノ酸配列を有するポリペプチドを認識する抗体と被検試
料とを接触させ、被検試料中の蛋白質と前記抗体との複
合体を、通常の免疫学的手法に準じて検出することによ
り、該被検試料中の本発明蛋白質を検出することができ
る。このような検出法により、例えば、各種組織におけ
る本発明蛋白質の量や分布の測定などを行うことができ
る。具体的には、精神遅滞を伴う疾患又はアルツハイマ
ー症の診断薬として当該抗体を利用する場合には、当該
抗体を用いた免疫染色により前記疾患の有無や進行具合
を検出するなどの検査が可能となる。
ングする方法は、(1)本発明蛋白質又はその部分アミ
ノ酸配列を有するポリペプチドと被検物質とを接触させ
る工程、及び(2)本発明蛋白質又はその部分アミノ酸
配列を有するポリペプチドに結合する物質を選択する工
程を含む。具体的な方法としては、例えば、本発明蛋白
質を結合させたカラムに被検試料を接触させカラムに結
合した物質を精製する方法、ウェストウェスタンブロッ
ティング法などの公知の方法を利用することができる。
スクリーニングに用いる被検試料としては、例えば、細
胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子
化合物、合成ペプチド、天然由来の化合物などがあげら
れる。かかるスクリーニング方法によれば、本発明蛋白
質のリガンドや、本発明蛋白質に結合してその活性を調
節する機能を有する蛋白質(抗体を含む)等を単離する
ことができる。
蛋白質をコードするDNAとレポーター遺伝子とを用い
たアッセイにより測定することができる。具体的には、
まず、 i)宿主細胞内で機能可能な転写調節因子のDNA結合
領域と、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有す
るポリペプチドとの融合蛋白質をコードするDNAが、
宿主細胞内で機能可能なプロモーターの下流に接続され
てなるキメラ遺伝子、と ii)i)記載のDNA結合領域が結合可能なDNAと宿
主細胞内で機能可能な最小プロモーターとを含むプロモ
ーターの下流に、レポーター蛋白質をコードするDNA
が接続されてなるレポーター遺伝子とが宿主細胞に導入
されてなる形質転換体(以下、測定用形質転換体と記
す。)を作製する。また、測定の対照として、 iii)i)記載のDNA結合領域をコードするDNAが、
i)記載のプロモーターの下流に接続されてなる遺伝
子、と ii)記載のレポーター遺伝子とが宿主細胞に導入されて
なる形質転換体(以下、対照用形質転換体と記す。)を
作製する。 i)記載の「宿主細胞内で機能可能な転写調節因子のD
NA結合領域」としては、例えば、酵母由来の転写調節
因子GAL4のDNA結合領域、ハ゛クテリア由来のリフ゜レッサーLexA等を
あげることができる。これらをコードするDNAと、本発
明DNAもしくは本発明DNAの部分塩基配列であって
本発明蛋白質の部分アミノ酸配列をコードする塩基配列
を有するDNAとを、その塩基配列の読み枠を合わせて連
結し、連結されたDNAの上流に、宿主細胞で機能可能
なプロモーターを機能可能な形で結合させることによ
り、i)記載の「宿主細胞内で機能可能な転写調節因子
のDNA結合領域と、本発明蛋白質又はその部分アミノ
酸配列を有するポリペプチドとの融合蛋白質をコードす
るDNAが、宿主細胞内で機能可能なプロモーターの下
流に接続されてなるキメラ遺伝子」が得られる。なお、
前記の「本発明DNAの部分塩基配列であって本発明蛋
白質の部分アミノ酸配列をコードする塩基配列を有する
DNA」としては、例えば、配列番号1〜3のいずれかで
示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号100付近から8
00付近までのアミノ酸配列をコードする塩基配列を有
するDNA等をあげることができる。プロモーターとして
は、例えば、宿主細胞が出芽酵母細胞である場合には、
GAL1プロモーターのような誘導型プロモーターや、ADH
プロモーターのような恒常的に発現するプロモーター等
を使用することができる。宿主細胞が動物細胞である場
合には、例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモータ
ー、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター等をあげ
ることができる。 ii)記載のレポーター蛋白質としては、ルシフェラー
ゼ、分泌型アルカリフォスファターゼ、βガラクトシダ
ーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラー
ゼ、成長ホルモンなどを利用することができ、宿主細胞
における安定性が比較的高いレポーター蛋白質が好まし
い。このようなレポーター蛋白質をコードするDNA
は、i)記載のDNA結合領域が結合可能なDNAと宿
主細胞内で機能可能な最小プロモーターとを含むプロモ
ーターの下流に接続される。例えば、GAL4のDNA結合領
域が結合可能なDNAとしては、GAL1プロモーターのGA
L4結合領域をあげることができ、LexAが結合可能なDN
Aとしては、LexA結合領域があげられる。また、宿主細
胞内で機能可能な最小プロモーターとしては、宿主細胞
で発現可能な遺伝子由来の最小TATAボックス配列からな
るDNAをあげることができ、具体的には、TATAボック
ス及び転写開始点近傍の約50塩基程度からなる塩基配
列を有するDNAがあげられる。上記iii)の「i)記載
のDNA結合領域をコードするDNAが、i)記載のプ
ロモーターの下流に接続されてなる遺伝子」は、i)記
載のキメラ遺伝子の作製に使用された「宿主細胞内で機
能可能な転写調節因子のDNA結合領域」をコードする
DNAを、i)記載のキメラ遺伝子の作製に使用された
「宿主細胞で機能可能なプロモーター」の下流に機能可
能な形で結合させることによって得ることができる。
れベクターに挿入し、それらを上記の組合わせで宿主細
胞に導入して形質転換体(いわゆるワンハイブリッドシ
ステム)を取得する。また、上記i)記載の遺伝子の代
わりに、(a) 宿主細胞内で2種類の蛋白質からなる複合
体を形成可能な一組の蛋白質のうちの一方の蛋白質と上
記i)記載のDNA結合領域との融合蛋白質をコードす
るキメラ遺伝子、及び、(b) 宿主細胞内で2種類の蛋白
質からなる複合体を形成可能な一組の蛋白質のうちの他
方の蛋白質と本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を
有するポリペプチドとの融合蛋白質をコードするキメラ
遺伝子、の両者のキメラ遺伝子を宿主細胞に導入して測
定用形質転換体(いわゆるツーハイブリッドシステム)
を取得してもよい。宿主細胞としては、例えば、HeLa細
胞、IMR32細胞などの哺乳類動物細胞や、出芽酵母細胞
等があげられる。尚、ii)記載のレポーター遺伝子を含
有するベクターとして、pFR-LUC(ストラタジーン社
製)のような市販のベクターを使用してもよい。また、
宿主細胞が、上記ii)のレポーター遺伝子として利用可
能な内在性のレポーター遺伝子を有する場合はそれを利
用しても良く、この場合はレポーター遺伝子の導入を省
略することができる。
及び対照用形質転換体を、例えば数時間から数日間した
後、それぞれの形質転換体におけるレポーター遺伝子の
発現量を測定する。具体的には、例えば、レポーター蛋
白質としてルシフェラーゼを用いた場合には、各形質転
換体から調製された細胞粗抽出物に、ルシフェラーゼの
基質であるルシフェリンを加えると、細胞粗抽出物中の
ルシフェラーゼ量に比例した強度で発光する。従って、
この発光強度をルミノメーターなどの測定装置で測定す
ることにより、ルシフェラーゼの量、ひいては、ルシフ
ェラーゼ(レポーター)遺伝子の発現量を知ることがで
きる。対照用形質転換体におけるレポーター遺伝子の発
現量に比較して、測定用形質転換体におけるレポーター
遺伝子の発現量が高い場合には、該測定用形質転換体に
導入されたDNAにコードされる本発明蛋白質又はその
部分アミノ酸配列を有するポリペプチドは、転写調節能
(この場合には転写活性化能)を有すると評価すること
ができる。また、対照用形質転換体におけるレポーター
遺伝子の発現量に比較して、測定用形質転換体における
レポーター遺伝子の発現量が低い場合には、該測定用形
質転換体に導入されたDNAにコードされる本発明蛋白
質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドは、
転写抑制能を有すると評価することができる。例えば、
本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペ
プチドは、宿主細胞としてIMR32等の神経細胞を用
いる場合において転写活性化能を有している。
明蛋白質の転写調節能を変化させる物質をスクリーニン
グすることもできる。測定用形質転換体を、例えば1日
間から数日間培養する間に、被検物質を培地中に加えて
該形質転換体と接触させ、被検物質存在下におけるレポ
ーター遺伝子の発現量を測定する。一方、同様にして、
測定用形質転換体に被検物質を接触させない条件下にお
けるレポーター遺伝子の発現量を測定する。被検物質非
存在下における発現量と、被検物質存在下における発現
量とを比較し、被検物質の存在の有無により異なる発現
量をもたらす被検物質を選ぶことにより、該測定用形質
転換体に導入されたDNAにコードされる本発明蛋白質
又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドの転写
調節能を変化させる物質を選択することができる。
節能を変化させる物質(言い換えれば、本発明蛋白質に
よる転写調節を変化させる物質)をスクリーニングする
ためのアッセイとしては、例えば、本発明蛋白質をコー
ドする遺伝子の発現調節領域とレポーター蛋白質をコー
ドするDNAとが機能可能な形で連結されてなるレポー
ター遺伝子が宿主細胞に導入されてなる形質転換体に、
被検物質を接触させる方法を用いることができる。例え
ば、本発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポ
リペプチドの細胞内発現量を変化させる物質をスクリー
ニングする方法であって、 (1)前記蛋白質をコードする遺伝子の発現調節領域と
レポーター蛋白質をコードするDNAとが機能可能な形
で連結されてなるレポーター遺伝子が宿主細胞に導入さ
れてなる形質転換体と、被検物質とを接触させ、被検物
質存在下における前記レポーター遺伝子の発現量を測定
する工程、及び (2)(1)で測定されたレポーター遺伝子の発現量
が、被検物質非存在下における当該レポーター遺伝子の
発現量とは実質的に異なる被検物質を選択する工程、を
含む方法をあげることができる。当該スクリーニング方
法は、いわゆるレポータージーンアッセイを用いて、本
発明蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプ
チドによる転写調節を変化させる物質をスクリーニング
する方法である。
製することができる。まず、本発明蛋白質をコードする
遺伝子の発現調節領域を、必要に応じて例えば、(i)
5’−レース法(5'-RACE法)(例えば、5’full Race
Core Kit(宝酒造社製)等を用いて実施されうる)、オ
リゴキャップ法、S1プライマーマッピング等の通常の方
法により、本発明蛋白質をコードすmRNAの5’末端
を決定するステップ;(ii)Genome Walker Kit(クロー
ンテック社製)等を用いてmRNAの5’末端よりも上
流の領域のゲノムDNAを取得し、得られたゲノムDN
Aについてプロモーター活性を測定するステップ;を含
む手法等により同定する。次いで、同定された発現調節
領域を、通常の遺伝子工学的手法に従って取得し、取得
された発現調節領域を、β-グルクロニダーゼ(GUS)、
ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトラン
スフェラーゼ(CAT)、β-ガラクトシダーゼ、グリーン
蛍光蛋白質(GFP)等のレポーター蛋白質をコードする
DNAに機能可能な形で連結することにより、本発明蛋
白質をコードする遺伝子の発現調節領域とレポーター蛋
白質をコードするDNAとが機能可能な形で連結されて
なるレポーター遺伝子を調製する。ここで「機能可能な
形で連結する」とは、シグナルや因子に応答した発現調
節領域の制御下にレポーター蛋白質をコードするDNA
が発現されるように、該発現調節領域と該DNAとを連
結することを意味する。また「発現調節領域」とは、細
胞型特異的もしくは組織特異的な制御に係るプロモータ
ー要素や、シグナルもしくは因子(例えば、転写活性化
蛋白質等)に応答して遺伝子発現を引き起こすプロモー
ター要素などを含み、かつ転写を促すために必要な配列
を含む領域を意味する。尚、上記のようなプロモーター
要素は、発現させようとする蛋白質をコードするDNA
の5’上流領域または3’下流領域のいずれかに位置さ
せればよい。次に、本発明蛋白質をコードする遺伝子の
発現調節領域とレポーター蛋白質をコードするDNAと
が機能可能な形で連結されてなるレポーター遺伝子を通
常の遺伝子工学的手法を用いて、当該レポーター遺伝子
を導入する細胞において使用可能なベクターに挿入する
ことにより、プラスミドを作製する。次いで、前記プラ
スミドを、選択マーカー遺伝子とともに細胞へ導入す
る。細胞への導入法としては、例えば、リン酸カルシウ
ム法、電気導入法、DEAEデキストラン法、ミセル形
成法等を挙げることができる。リン酸カルシウム法とし
てはGrimm, S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
93, 10923-10927等に記載される方法、電気導入法及び
DEAEデキストラン法としてはTing, A. T. et al.,
EMBO J., 15, 6189-6196等に記載される方法、ミセル形
成法としてはHawkins, C. J. et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 93, 13786-13790等に記載される方法を挙
げることができる。ミセル形成法を用いる場合には、リ
ポフェクトアミン(ギブコ製)やフュージーン(ベーリ
ンガー製)等の市販の試薬を利用してもよい。
を、選択マーカー遺伝子に応じた選抜条件の培地で培養
することにより、前記蛋白質をコードする遺伝子の発現
調節領域とレポーター蛋白質をコードするDNAとが機
能可能な形で連結されてなるレポーター遺伝子が宿主細
胞に一過性に導入されてなる形質転換体を選抜すること
ができる。さらに選抜を続けて、当該レポーター遺伝子
が宿主細胞の染色体に導入されてなる形質転換体(安定
形質転換体)を取得してもよい。導入されたレポーター
遺伝子が染色体に組込まれたことを確認するには、当該
形質転換体のゲノムDNAを通常の遺伝子工学的方法に
準じて調製し、上記レポーター遺伝子の部分塩基配列を
有するDNAをプライマーとして用いるPCRや、上記
レポーター遺伝子の部分塩基配列を有するDNAをプロ
ーブとして用いるサザンハイブリダイゼーション等の方
法を利用して、ゲノムDNA中の上記レポーター遺伝子
の存在を検出・確認すればよい。
形質転換体と接触させる被検物質の濃度は、通常、約
0.1μM〜約10μMであればよく、1μM〜10μ
Mが好ましい。当該形質転換体と被検物質とを接触させ
る時間は、通常、18時間以上60時間程度であり、好
ましくは24時間から40時間程度が挙げられる。「レ
ポーター遺伝子の発現量を測定する」方法としては、例
えば、上記形質転換体におけるレポーター遺伝子の発現
量を時間経過に沿って連続的に又は不連続に測定する方
法をあげることができる。例えば、レポーター遺伝子が
ルシフェラーゼ遺伝子である場合には、ルシフェラーゼ
アッセイ試薬(プロガメ社)等の市販の測定用試薬を利
用することができる。また、「実質的に異なる被検物質
を選択する」とは、被検物質非存在下における発現量と
比較して被検物質存在下における発現量が10%以上、
好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上増加
するような変化が認められた化合物を選択すればよい。
このようなスクリーニング方法により選抜された物質ま
たはその薬学的に許容される塩は、それらを有効成分と
して含み、該有効成分が薬学的に許容される担体中に製
剤化されてなることを特徴とする本発明遺伝子の発現調
節剤として利用してもよい。
をコードする遺伝子の遺伝子型を分析する方法として
は、例えば、被検個体から得られる試料に含まれるゲノ
ムDNAやRNA等の核酸において、本発明蛋白質をコ
ードする塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列とは異
なるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有している
か否かを調べる方法をあげることができる。具体的には
例えば、まず、ヒト等の被検個体から試料を採取し、該
試料からゲノムDNA又はRNAを調製する。例えば、
毛髪、末梢血、口腔上皮細胞などの細胞組織の試料か
ら、例えば村松正寶、”ラボマニュアル遺伝子工学”
(丸善1988)やTAKARA PCR Technical news No2,宝
酒造(1991.9)等に記載される通常の方法に準じ
てゲノムDNAを調製することができる。例えば試料が
毛髪の場合には、毛髪2〜3本を滅菌水、次いでエタノ
ールで洗浄した後、2〜3 mmの長さに切断し、これにBCL
-Buffer[10mM Tris-HCl(pH7.5), 5 mM MgCl2, 0.32M S
ucrose, 1 Triton X-100]200μlを加え、さらにProte
inaseKを最終濃度100μl/ml 、SDSを最終濃度0.5
(w/v)になるようにそれぞれ加え混合する。この混合
物を70℃で1時間保温した後、フェノール/クロロホル
ム抽出を行うことによりゲノムDNAを得ることができ
る。また、試料が末梢血の場合は、DNA-Extraction kit
(Stratagene社製)等を用いて該試料を処理することによ
りゲノムDNAを得ることができる。また、試料が新鮮
な生検組織サンプルである場合は、該試料から、例えば
TRIZOL試薬(GIBCO社製)等を用いてRNAを調製す
る。調製されたRNAを鋳型にして逆転写酵素を作用さ
せることによりcDNAを合成することができる。
cDNA等から、必要に応じて、本発明蛋白質をコード
するDNAをPCR等の手法により増幅する。ゲノムDN
Aから、本発明蛋白質をコードするDNAを、PCRで
増幅するために使用することのできるプライマーとして
は、例えば、配列番号4、5、6もしくは54のいずれ
かで示される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配
列からなるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェ
イン反応条件下でアニールすることができ、10塩基以
上50塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチドをあげ
ることができ、具体的には、配列番号4、5、6もしく
は54のいずれかで示される塩基配列の部分塩基配列又
は該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有し、10塩基
以上50塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチドをあ
げることができる。より具体的にはフォワードプライマ
ーとして、配列番号7又は8で示される塩基配列からな
るポリヌクレオチド等をあげることができ、リバースプ
ライマーとして、配列番号9又は10で示される塩基配
列からなるポリヌクレオチド等をあげることができる。
ゲノムDNAにおいて、本発明蛋白質は8つのエクソン
に分かれてコードされている(以下、本発明蛋白質をコ
ードする塩基配列を含むエクソンを、5’上流側から順
にエクソン1〜8と記す。)。例えば、ヒト由来の本発
明蛋白質をコードする配列番号4で示される塩基配列
は、以下の8つに分かれてエクソンに含まれる。 塩基番号1〜276で表される塩基配列;エクソン1 塩基番号277〜428で表される塩基配列;エクソン2 塩基番号429〜531で表される塩基配列;エクソン3 塩基番号532〜799で表される塩基配列;エクソン4 塩基番号800〜909で表される塩基配列;エクソン5 塩基番号910〜1045で表される塩基配列;エクソン6 塩基番号1046から2481で表される塩基配列;エクソン7 塩基番号2482から3252で表される塩基配列;エクソン8
をコードするゲノム遺伝子のエクソンの塩基配列と、該
エクソンに隣接するイントロンの塩基配列の一部とを含
むDNAを増幅してもよい。このようなDNAを増幅す
るために用いることができるプライマーとしては、例え
ば、配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配列
又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレ
オチドに対してポリメラーゼチェイン反応条件下でアニ
ールすることができ、10塩基以上50塩基以下の塩基
からなるポリヌクレオチドをあげることができ、具体的
には、配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配
列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポ
リヌクレオチドをあげることができる。かかるプライマ
ーは例えば、以下のようにして設計することができる。
エクソン1とその5’上流側の非翻訳領域の配列を含む
DNAを増幅するためのフォワードプライマー;配列番
号43で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号11又は12で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン1とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号44
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号13又は14で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン2とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号4
4で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号15又は16で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン2とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号45
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号17又は18で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン3とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号4
5で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号19又は20で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン3とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号46
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号21又は22で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン4とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号4
6で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号23又は24で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン4とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号47
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号25又は26で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン5とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号4
7で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号27又は28で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン5とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号48
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号29又は30で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン6とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号4
8で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号31又は32で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン6とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号49
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号33又は34で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン7とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号4
9で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号35又は36で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン7とその3’下流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのリバースプライマー;配列番号50
で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設計す
る。 例)配列番号37又は38で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン8とその5’上流のイントロン配列を含むDN
Aを増幅するためのフォワードプライマー;配列番号5
0で示される塩基配列に基づき設計する。 例)配列番号39又は40で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド エクソン8とその3’下流側の非翻訳領域の配列を含む
DNAを増幅するためのリバースプライマー;配列番号
51で示される塩基配列に相補的な塩基配列に基づき設
計する。 例)配列番号41又は42で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド
DNAを、PCRで増幅するために使用することのでき
るプライマーとしては、例えば、配列番号4〜6のいず
れかで示される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基
配列からなるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチ
ェイン反応条件下でアニールすることができ、10塩基
以上50塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチドをあ
げることができ、具体的には、配列番号4〜6のいずれ
かで示される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配
列に相補的な塩基配列を有し、10塩基以上50塩基以
下の塩基からなるポリヌクレオチドをあげることができ
る。より具体的には例えば、フォワードプライマーとし
て、配列番号7又は8で示される塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド等をあげることができ、リバースプライマ
ーとして、配列番号9又は10で示される塩基配列から
なるポリヌクレオチド等をあげることができる。これら
のポリヌクレオチドは、例えばβ-シアノエチルホスホ
アミダイト法やチオホスファイト法を用いる市販の自動
DNA合成装置によって調製することができる。
ーに用いてPCRを行う場合、一般にはフォワード用とリ
バース用の二種類のプライマーを組み合わせて用いる。
PCRは、例えばSaikiら、Science、第230巻、第1350
ページから第1354ページ(1985)等に記載の方法に準じ
て行うことができる。例えば、プライマーとして用いら
れるポリヌクレオチドをそれぞれ約10pmol程度添加し、
DNAポリメラーゼ、4種類の塩基(dATP,dTTP,dGTP,dC
TP)、及び鋳型とするゲノムDNA約100ng程度又はc
DNA約10ng程度をあらかじめ加えた約1.5 mMから約3.
0 mMの塩化マグネシウム等を含有する増幅用緩衝液を調
製する。調製された増幅用緩衝液を用いて、例えば、95
℃1分間次いで68℃3分間の保温を1サイクルとしてこ
れを35サイクル程度行なう。
して増幅されたDNAの塩基配列を決定することによ
り、被検試料の核酸において本発明蛋白質をコードする
塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列を含有しているか否かを
調べることもできる。具体的には例えば、上記のように
してPCRで増幅されたDNAを低融点アガロースゲル
電気泳動等に供してゲルから回収した後、回収されたD
NAについて、例えばダイレクトシークエンス[BioTech
niques,7,494(1989)]を行うことにより該DNAの塩基
配列を決定することができる。塩基配列は、Maxam Gilb
ert法(例えば、Maxam.A.M & W.Gilbert, Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA, 74, 560, 1977等に記載される)やSanger
法(例えばSanger,F. & A.R.Coulson, J.Mol.Biol.,94,
441, 1975.,Sanger,F., & Nicklen and A.R.Coulson.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA., 74, 5463, 1977等に記載さ
れる)に準じて解析すればよい。ABI社製モデル377等の
自動DNAシークエンサーを用いる場合には、対応する
DNAシークエンスキット例えばABI社製BigDye termin
ator cycle sequencing ready reaction kit等を用いて
シークエンス用サンプルを調製することができる。
鋳型として増幅されたDNAを電気泳動してその移動度
を測定し、測定された移動度と、標準蛋白質の該当する
領域をコードするDNAの移動度とが異なるか否かを調
べることにより、被検試料の核酸において本発明蛋白質
をコードする塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列と
は異なるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有して
いるか否かを調べることもできる。具体的には例えば、
上記のようにしてDNAをPCRで増幅する際に、通常
の方法に準じて32P標識したポリヌクレオチドをプライ
マーとして用いて前述のようにPCRを行う。また、標準
蛋白質の相当する領域をコードするDNAも同様にして
増幅する。増幅されたDNAを、例えばHum.Mutation,
2巻、338ページに記載されるSSCP(single strand
conformation polymorphism)法などに準じて電気泳動
する。具体的には、増幅されたDNAを加熱変性して一
本鎖DNAに解離せしめ、これを非変性ポリアクリルア
ミド電気泳動に供して一本鎖DNAを各々分離する。電
気泳動に用いられる緩衝液としては、トリス−リン酸系
(pH7.5-8.0)、トリス-酢酸系(pH7.5-8.0)、トリス
−ホウ酸系(pH7.5-8.3)などがあげられる。また必要に
応じて、EDTA等を添加することもできる。電気泳動
の条件としては、例えば、定電力30W-40W、泳動温度は
室温(約20 ℃から約25℃)又は4 ℃にて、1時間から4
時間泳動する条件をあげることができる。次いで、電気
泳動後のゲルをろ紙上に移し、この上にX線フィルムを
密着させ、適当な遮光カセットの中で、放射能ラベルさ
れた各々の一本鎖DNAの放射線をフィルム上に感光さ
せる。該フィルムを現像し、得られたオートラジオグラ
ム上で、被検試料の核酸を鋳型として増幅されたDNA
と、標準蛋白質の相当する領域をコードするDNAの移
動度を比較する。これらのDNAの移動度が異なる場合
には、被検試料の核酸において本発明蛋白質をコードす
る塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を含有していると判定
することができる。さらに、この移動度の異なるDNA
を含むゲルからそこに含まれるDNAを沸騰水中に抽出
し、これを鋳型にしてPCRを行うことにより該DNAを
増幅し、低融点アガロースゲル電気泳動に供して回収し
たのちダイレクトシークエンスを行うことにより、該D
NAの塩基配列を確認することもできる。このようにし
て標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を
コードする塩基配列を特定することができる。
くはmRNA等の核酸、又は上記のようにして被検試料
の核酸を鋳型として増幅されたDNAと、配列番号4、
5、6もしくは54のいずれかで示される塩基配列又は
該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチ
ドにスリンジェントな条件下でハイブリダイズすること
ができる10塩基以上5000塩基以下の塩基からなる
ポリヌクレオチドとのストリンジェントな条件下におけ
るハイブリダイゼーションのパターンを調べることによ
り、被検試料の核酸において本発明蛋白質をコードする
塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列を含有しているか否かを
調べることもできる。「配列番号4、5、6もしくは5
4のいずれかで示される塩基配列又は該塩基配列に相補
的な塩基配列からなるポリヌクレオチドにスリンジェン
トな条件下でハイブリダイズすることができる10塩基
以上5000塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチ
ド」としては、具体的には例えば、配列番号4、5、6
もしくは54のいずれかで示される塩基配列の部分塩基
配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有し、1
0塩基以上5000塩基以下の塩基からなるポリヌクレ
オチドをあげることができる。
DNAもしくはmRNA等の核酸、又は上記のようにし
て被検試料の核酸を鋳型として増幅されたDNAと、プ
ローブとして用いる上記のポリヌクレオチドとを混合し
てストリンジェントな条件下にハイブリダイゼーション
を行う。ハイブリダイゼーションは、例えば、J.Sambro
ok,E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラー クローニ
ング第2版(MolecularCloning 2nd edition)、コール
ドスプリング ハーバーラボラトリー(Cold Spring Har
bor Laboratory)発行、1989年等に記載される通常のド
ットブロットハイブリダイゼーション法、サザンブロッ
トハイブリダイゼーション法又はノザンブロットハイブ
リダイゼーション法や、ミスマッチハイブリダイゼーシ
ョン部位に結合する酵素であるTaq MutSを利用したミス
マッチ検出方法[ Biswas,I.andHsieh,P. J.Biol.Che
m.,271 9 pp5040-5048(1996)やNippon gene informatio
n 1999 No.125,ニッポンジーン社 、富山 などに記載が
ある]、などに準じて行うことができる。ハイブリダイ
ゼーションのストリンジェントな条件としては、例え
ば、プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼー
ションを、6×SSC(0.9M 塩化ナトリウム、0.09Mクエン
酸ナトリウム)、5×デンハルト溶液(0.1(w/v) フィコ
ール400、0.1(w/v) ポリビニルピロリドン、0.1SA)、
0.5(w/v) SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNA存在下に行
うか、又は100μg/ml変性サケ精子DNAを含むDIG EASY H
yb溶液(ベーリンガーマンハイム社)中で行い、洗浄工
程として、1×SSC(0.15M 塩化ナトリウム、0.015Mク
エン酸ナトリウム)及び0.5DS存在下に、室温で15分間
の保温を2回行い、さらに0.1×SSC(0.015M 塩化ナトリ
ウム、0.0015Mクエン酸ナトリウム)及び0.5DS存在下
に、30分間保温する条件をあげることができる。プレハ
イブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション及び洗
浄工程における保温温度は、プローブとして使用される
ポリヌクレオチドの長さと組成によって異なるが、一般
的には、プローブのTm値と同じか、Tm値よりも若干低い
温度に設定される。具体的には例えば、ハイブリダイゼ
ーションにおいて、プローブと試料中の核酸との間に塩
基間水素結合が形成される際の塩基対を想定し、AとTの
塩基対1つにつき2℃、GとCの塩基対1つにつき4℃とし
て、水素結合を形成するすべての塩基対の値を合計して
これをTm値とする。このようにして算出されるTm値と同
じ温度か、およそ2℃〜3℃程度低い温度を選択する。
の具体的な手順としては、例えば、まず、被検試料から
調製されたゲノムDNAもしくはcDNA等の核酸、又
は上記のようにして被検試料の核酸を鋳型として増幅さ
れたDNAを、例えば、90℃から100 ℃で、3〜5分間保
温した後、ナイロンフィルター[Hybond N(アマシャム
ファルマシア社製)など]にスポットし、スポットされ
たフィルターを濾紙上で乾燥した後、これに紫外線照射
することによりDNAをフィルターに固定する。次い
で、得られたDNA固定フィルターと上記のプローブと
を、例えば、40℃〜50℃で、10時間〜20時間インキュベ
ートすることによりハイブリダイズさせ、通常の方法に
準じてプローブを含むハイブリッドを検出する。プロー
ブとして 32P等の放射性同位元素で標識した放射性プロ
ーブを用いる場合は、ハイブリダイズ後のフィルターを
X線フィルムに感光させることによりプローブを含むハ
イブリッドを検出することができる。ビオチン化ヌクレ
オチドで標識した非放射性プローブを用いる場合は、ス
トレプトアビジンを介してビオチン化アルカリ性フォス
ファターゼ等により該プローブを含むハイブリッドを酵
素標識し、酵素反応による基質の呈色あるいは発光を検
出することによりプローブを含むハイブリッドを検出す
ることができる。また、アルカリ性フォスファターゼあ
るいはペルオキシダーゼ等の酵素でスぺーサーを介して
直接標識した非放射性プローブを用いることもできる。
被検試料由来のDNAについてプローブを含むハイブリ
ッドが検出されないか、又は標準蛋白質の相当する領域
をコードするDNAについて検出されるハイブリッドの
量よりも、被検試料由来のDNAにおいて検出されるハ
イブリッドの量の方が少ない場合には、被検試料の核酸
に、使用したプローブの塩基配列とは異なる塩基配列が
含まれると判定することができる。
やノザンブロットハイブリダイゼーション法の手順とし
ては、被検試料から調製されたゲノムDNA、cDNA
もしくはmRNA等の核酸、又は上記のようにして被検
試料の核酸を鋳型として増幅されたDNAを、必要に応
じて制限酵素で消化した後、アガロースゲル電気泳動や
ポリアクリルアミドゲル電気泳動等の電気泳動に供して
分画し、ニトロセルロースフィルターやナイロンフィル
ター等のフィルターにブロッティングする。得られたフ
ィルターは、上記と同様に処理してプローブとのハイブ
リダイゼーションを行う。プローブを含むハイブリッド
の量やプローブとハイブリッドを形成した核酸の長さ等
が、被検試料由来の核酸と、標準蛋白質の相当する核酸
とで異なる場合には、被検試料の核酸において本発明蛋
白質をコードする塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配
列とは異なるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有
していると判定することができる。
結合する酵素であるTaq MutSを利用したミスマッチ検出
方法を利用する場合には、熱(0〜75℃)に対して安定
で、高い温度でも活性を維持してDNAのミスマッチ塩
基対を認識して結合可能なTaq MutSの結合特性を利用し
て、未変性ポリアクリルアミドゲルを利用したゲルシフ
トアッセイ又はナイロンフィルターやニトロセルロース
フィルターなどの固相上でのドットブロッティング法等
にてミスマッチ塩基対を検出することができる。ミスマ
ッチが検出された場合には、被検試料の核酸に、使用し
たプローブの塩基配列とは異なる塩基配列が含まれると
判定することができる。標準蛋白質は、本発明蛋白質の
中から適宜選ぶことでき、例えば、配列番号1、2又は
3で示されるアミノ酸配列からなる本発明蛋白質をあげ
ることができる。
イゼーション(例えば、ドットブロットハイブリダイゼ
ーション、サザンブロットハイブリダイゼーション、ノ
ザンブロットハイブリダイゼーション、ミスマッチハイ
ブリダイゼーション等)法、SSCP法(DNAの移動
度を利用する手法)、PCR(例えば、ゲノムDNAを
鋳型としたPCR、cDNAを鋳型としたPCR等)等
の公知の方法を利用して遺伝子の存在有無、遺伝子型、
蛋白質型等を調べる方法に適用することができる。この
場合、本発明キットは、上記の公知の手法に必要な試薬
を含んでいてもよいし、また当該試薬と組み合わせて使
用してもよい。上述のようにして行うことができるヒト
等の動物個体が保有する本発明蛋白質をコードする遺伝
子の遺伝子型の分析は、本発明蛋白質の変異により惹起
される疾病や障害等の診断、予防、治療等に有用であ
る。また本発明蛋白質をコードする遺伝子は、ヒト染色
体上の11q13領域のSTSマーカーD11S913
とD11S1889との間にマップされる。詳細にはD
11S913からテロメア側へ約175kbpの位置に存
在する遺伝子であることから、Bardet-Biedl症候群I型
に関するTightly linked遺伝マーカーとしての利用が期
待でき、前記方法によって当該疾患の診断に応用可能で
ある。
する塩基配列に相補的な塩基配列またはその部分塩基配
列からなる核酸をも提供する。例えば、病理切片に対し
てかかる核酸をプローブに用いてIn situハイブリダイ
ゼーションを行うことにより、本発明蛋白質が関わる疾
患の有無や進行具合を調べることができる。プローブと
して利用する上記核酸としては、例えば20塩基以上の
長さを有するポリヌクレオチドをあげることができる。
当該プローブを診断薬の有効成分とするには、プローブ
が分解されないような適当なバッファー類や滅菌水に溶
解することが好ましい。また、In situハイブリダイゼ
ーションの方法としては、例えば、J. Neurobiol. 29,
1-17 (1996)に記載の手法が挙げられる。また、In situ
PCRを利用することも可能である。
をコードするDNAを、当該DNAが前記細胞で発現す
る位置に置かれるように提供する工程を含む哺乳動物に
おけるdrebrin 1の発現促進方法も提供している。哺乳
動物細胞としては、ヒト、サル、マウス、ラット、ハム
スター等の哺乳動物由来の細胞を挙げることができる。
当該細胞は、組織から分離された細胞や、同一の機能・
形態を持つ集団を形成している細胞や、前記哺乳動物の
体内にある細胞であってもよい。従って、哺乳動物がヒ
トである場合には、一般にいう遺伝子治療が施されたヒ
トの細胞から各種実験に使用されるような株化細胞まで
を意味し、また哺乳動物が非ヒト動物である場合には、
一般にいう遺伝子治療が施された非ヒト動物の細胞から
各種実験に使用されるようなモデル動物の細胞や株化細
胞までを意味する。後者の場合には、ラット、マウス等
を好ましい動物種として挙げることができる。さらに、
哺乳動物細胞が、精神遅延を伴う疾患又はアルツハイマ
ー症に羅患していると診断されうる哺乳動物の体内にあ
る細胞である場合をより具体的な例としてあげることが
できる。
に準じて行えばよい。また、高効率プロモーター(例え
ば、ヒトサイトメガロウィルスプロモーター)の制御下
に本発明DNAを発現させるインビボ転写系によって調
製することもできる。調製されたDNAを用いて後述の
ように形質転換細胞を調製することにより、当該DNA
が哺乳動物細胞で発現する位置に置かれるように提供さ
れた形質転換細胞を得ることができる。本発明発現促進
方法において「発現する位置に置かれた」とは、DNA
分子が、その塩基配列からの転写及び翻訳を指向する
(即ち、例えば、本発明蛋白質をコードするRNAおよ
び本発明蛋白質の産生を促進するような)塩基配列と隣
接した位置に置かれていることを意味する。本発明蛋白
質の発現レベルは、本発明蛋白質をコードするDNAが
提供されていない細胞と比較してdrebrin 1の発現を促
進するために十分である量であればよい。この場合、本
発明DNAは、本発明蛋白質の全体をコードするDNA
であってもよいし、当該蛋白質の一部をコードするDN
Aであってもよい。上記の発現促進方法において、本発
明DNAがゲノムに組み込まれるように哺乳動物細胞に
提供することにより、drebrin 1の発現を促進してもよ
い。
Aを哺乳動物細胞に導入するために用いられる遺伝子構
築物(以下、本遺伝子構築物と記載することもある。)
および移入送達手段には、当該DNAが導入される哺乳
動物細胞に対して親和性を有する、レトロウイルスベク
ター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベ
クター又はその他のウイルスベクターを用いることがで
きる。具体的には例えば、ミラー(Miller),Human Gene
Therapy 15〜14,1990;フリードマン(Friedman),Scie
nce 244:1275〜1281,1989;エグリティス(Eglitis)およ
びアンダーソン(Anderson),BioTechniques 6:608〜61
4,1988;トルストシェフ(Tolstoshev)およびアンダーソ
ン(Anderson),current opinion in Biotechnology 1;5
5〜61,1990;シャープ(Sharp),The Lancet 337:1277〜
1278,1991;コルネッタ(Cornetta)ら、Nucleic Acid Re
search and Molecular Biology 36:311〜322,1987;ア
ンダーソン(Anderson),Science 22-:401〜409,1984;
モーン(Moen),Blood Cells17:407〜416,1991;ミラー
(Miller)ら、Biotechniques 7:980〜990,1989;Le Gai
La Salleら、Science 259:988〜990,1993;およびジョ
ンソン(Johnson),Chest 107:77S〜83S,1995等に記載
される公知のベクターをあげることができる。ローゼン
バーグ(Rosenberg)ら、N.Engl.J.Med 323:370,199
0;アンダーソン(Anderson)ら、米国特許第5,399,346号
等に記載されるレトロウイルスベクターは特に開発が進
んでおり、臨床の場でもすでに使用されている。また、
本発明DNAの移入送達手段としては、非ウイルス的手
法を用いることもできる。例えば、フェルグナー(Felgn
er)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413,1987;オ
ノ(Ono)ら、Neurosci.Lett.117:259,1990;ブライア
ム(Brigham)ら、Am.J.Med.Sci.298:278,1989;シュ
タウビンガー(Staubinger)ら、Meth.Enz.101:512,19
83)、アシアロソヌコイド・ポリリジン抱合(ウー(Wu)
ら、J.Biol.Chem.263:14621,1988;ウー(Wu)ら、J.
Biol.Chem.264:16985,1989等に記載されるリポフェ
クション、ウォルフ(Wolff)ら、Science 247:1465,199
0等に記載されるマイクロインジェクション、リン酸カ
ルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーシ
ョン法及びプロトプラスト融合法、リポソーム法等があ
げられる。
は、当該DNAを構成的に発現させるようなプロモータ
ーの制御下に置かれていてもよい。例えば、SV40ウ
イルスプロモーター、サイトメガロウイルスプロモータ
ー(CMVプロモーター)、Raus Sarcoma Virusプロモ
ーター(RSVプロモーター)、βアクチン遺伝子プロ
モーター等が挙げられる。また、本発明DNAは、当該
DNAの発現を環境刺激により調節するようなプロモー
ターの制御下に置かれていてもよい。例えば、上記DN
Aは、化学的信号もしくは薬物刺激等の外来性の信号も
しくは薬物の導入により活性化されるプロモーターを用
いて発現させてもよい。また、本発明DNAは、組織特
異的もしくは細胞型特異的なプロモーターの制御下に置
かれていてもよい。かかるプロモーターには、哺乳動物
における組織または細胞に特異的な転写制御に関与する
プロモーター要素(エンハンサー等)が含まれていても
よい。例えば、必要に応じて、本発明DNAを発現させ
るために、神経細胞におけるDNAの発現を優先的に指
向することが知られるエンハンサーを用いてもよい。ま
た、本発明蛋白質をコードするゲノムDNAのクローン
を本遺伝子構築物として用いる場合には、本発明蛋白質
をコードする遺伝子の元来の発現調節領域に含まれるコ
グネイト調節配列を介して本発明DNAを発現させるこ
とができ、必要に応じて、上記の任意のプロモーター又
はプロモーター要素を付加して発現を制御することもで
きる。尚、上記のようなプロモーターまたはプロモータ
ー要素をマルチクローニング部位の上流に含む市販のベ
クターを利用することもできる。
して応用する場合には、本遺伝子構築物は、drebrin 1
過少発現が予想される部位に対して適用される(例え
ば、注入によって)ことがよい。また、drebrin 1過少
発現等の現象が予想される部位の近傍の組織又はdrebri
n 1過少発現が起こると予想される細胞に供給される血
管に対してそれを適用してもよい。また、本遺伝子構築
物を適用しようとする哺乳動物にとって外因性又は内因
性の培養可能な細胞に、本遺伝子構築物を導入し、次い
で、導入された細胞を血清学的に標的組織に対して注入
することもできる。理想的には、かかる遺伝子治療の手
法により、少なくとも非罹患細胞における正常な本発明
蛋白質の細胞内レベルと同等の本発明蛋白質の発現量が
もたらされるとよい。
非ヒト動物である場合の本発明発現促進方法についてよ
り詳細に説明する。形質転換非ヒト動物の作製における
本発明DNAの導入法としては、例えば、マイクロイン
ジェクション法、レトロウイルスを用いる方法、胚性未
分化細胞(ES細胞)を用いる方法等を挙げることがで
きる。このうち、マイクロインジェクション法が最も汎
用されている。マイクロインジェクション法とは、マイ
クロマニピュレーターを用いて、顕微鏡下で受精卵の前
核内部に上記DNAを含んだ溶液を注入する方法であ
る。まず、本発明DNAを受精卵に注入する。その際、
当該DNAを高い確率で染色体へ組込むためには、当該
DNAの単離に用いたベクター領域を可能な限り除去す
ること、mRNAの不安定化に寄与するAUに富む領域
を除くこと、直鎖状にすることが好ましい。また、当該
DNAに対してイントロンを予め挿入しておくことが好
ましく、当該イントロンとしては、例えば、β−グロビ
ンイントロン等を挙げることができる。受精卵は、目的
に応じた系統の非ヒト動物から採取する。例えば、マウ
スの場合には、近交系のC57BL/6マウスやC3H
マウス、あるいはC57BL/6マウスと他系統のマウ
スとの交雑系(例えば、(C57BL/6×DBA/
2)F1等)、非近交系のICRマウスが挙げられる。
受精卵は、通常、妊馬血清ゴナドトロピンとヒト絨毛性
ゴナドトロピンとの両者の腹腔内投与により過剰排卵を
誘発させた雌マウスと雄マウスとを交尾させた後、前記
雌マウスから採取する。尚、採取した受精卵は培養用ド
ロップに入れ、CO2ガスインキュベーターで培養・維
持することにより、上記DNAの注入操作まで保管する
ことができる。上記DNAの注入はマイクロマニピュレ
ーターをセットした倒立顕微鏡下で行なう。用いられる
受精卵としては、雄性前核が雌性前核より大きくなる頃
から両前核が融合するまでの発達段階にあるものを用い
るとよい。まず受精卵を固定し、当該受精卵の雄性前核
内に当該DNAを含有するDNA溶液を注入する。当該
DNA溶液は必要に応じて複合体として調製する。複合
体形成に用いられる物質としては、リポソーム、リン酸
カルシウム、レトロウイルス等を挙げることができる。
DNA溶液の注入は雄性前核が膨らむことにより確認で
きる。DNA注入量としては、例えば、約200〜約
3,000コピーの上記DNAを含む量を挙げることが
できる。
た受精卵は胚盤胞になるまで前記と同様にして培養した
後、仮親の子宮に移植する。好ましくは当該DNAの注
入操作後ただちに仮親の卵管に移植するとよい。仮親と
しては、精管切断手術を施した雄マウスと交尾させて偽
妊娠状態にした雌マウスを用いるとよい。具体的には、
まず当該雌マウス背側の腎臓付近の皮膚と筋層を切開し
て卵巣・卵管・子宮を引き出し、卵巣膜を破いて卵管口
を探し出す。次いで当該DNAの注入操作後に生き残っ
た受精卵を該卵管口から移入し、卵巣・卵管・子宮を腹
腔内に戻した後、筋層を縫合し、皮膚をクリップでとめ
る。約20日後に仔が生まれる。得られた仔の体組織の
一部、例えば尾の一部、を切り取り、当該部位から抽出
されたDNAのサザンブロッティング等により当該DN
Aの存在有無を確認する。このようにして、当該DNA
が非ヒト動物に導入されたことを確認できる。あるいは
他の方法、例えばPCRなどの確認方法を利用してもよ
い。
発明DNAは、前述の如く調製すればよい。また、例え
ば、当該DNAを含有する組換えベクター又は組換えウ
イルス等の形態で使用されることもある。このような形
態には、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノ関連性ベクター、単純ヘルペスウ
イルスベクター、SV40ベクター、ポリオーマウイル
スベクター、乳頭腫ウイルスベクター、ピコルナウイル
スベクター及びワクシニアウイルスベクター等のウイル
スベクターを利用することができる。さらに、アデノウ
イルスベクターを使用する場合には、例えばQUANT
UM社製のAdEasy Kitを用い、本発明DNA
をTransfer Vectorのマルチクローニン
グサイトに組み込み、得られた組換えベクターを直線化
した後に、pAdEasy vectorと共に大腸菌
にトランスフォームし、相同組換え体DNAをヒト29
3A細胞に組み込むことにより、本発明DNAを含有す
る組換えウイルスを産生させ、これを回収し、使用する
こともできる。また、ヒトサイトメガウイルスのプロモ
ーター領域を有するプラスミドDNA等のような非ウイ
ルス系のベクターを用いることもできる。本発明DNA
をdrebrin 1過少発現が予想される部位に直接注入する
場合のように、非ウイルスベクターを用いて本発明DN
Aを局所的に送達するシステムにおいては、プラスミド
DNAの使用は極めて有益である。体外に取り出された
細胞に本発明DNAを含有する組換えベクターを導入し
て体内に戻す方法、すなわち、ex vivo法を使え
ば、あらゆる既知の導入方法が利用可能である。例え
ば、a)直接注入、b)リポソームを介する形質導入、
c)リン酸カルシウム法・エレクトロポレーション法・
DEAE−デキストラン法による細胞トランスフェクシ
ョン、d)ポリブレンを介した送達、e)プロトプラス
ト融合、f)マイクロインジェクション、g)ポリリシ
ンを使った形質導入などによって、非ウイルスベクター
を導入することができる。
口的にヒト等の哺乳動物に対し投与することができる。
例えば、非経口的に投与する方法としては、例えば、上
述のような注射(皮下、静脈内等)等を挙げることがで
きる。前記の適当な投与剤型は薬学的に許容される、例
えば、水溶性溶剤、非水溶性溶剤、緩衝剤、溶解補助
剤、等張剤、安定剤等の担体に本発明DNA(本発明D
NAが組み込まれた組換えベクター、組換えウィルス、
組換えプラスミド等の形態を含む)を配合することによ
り製造することができる。必要に応じて、防腐剤、懸濁
化剤、乳化剤等の補助剤を添加してもよい。投与量は、
投与される哺乳動物の年令、性別、体重、疾患の程度、
本脂肪蓄積抑制剤の種類、投与形態等によって異なる
が、通常は、患者細胞において本発明蛋白質が細胞内で
有効に働くような濃度レベルをもたらす有効成分量を投
与すればよい。1日の投与量を1回または数回に分けて
投与することができる。
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
クターの作製) 配列番号7〜10のいずれかで示される塩基配列からな
るポリヌクレオチドをそれぞれDNA合成機(アプライド
バイオシステムズ社製モデル394)を用いて合成した。
鋳型として、ヒトFetal Brain cDNAライブラリー(#10
662−013ギブコBRL社製)10 ng、マウスBrain cDNAライ
ブラリー(#10655−017ギブコBRL社製)、又はラットB
rain cDNAライブラリー(#9539宝酒造社製)を使用
し、それぞれの鋳型に対してプライマーとして前記ポリ
ヌクレオチドを表1に記載の組合せで用いてPCRを行な
った。
上記のポリヌクレオチドをそれぞれ10pmol添加し、LA-T
aqポリメラーゼ(宝酒造社製)及び該酵素に添付された
バッファーを用いた。反応液の保温は、PCRsystem9700
(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、95℃1
分間次いで68℃3分間の保温を1サイクルとしてこれを35
サイクル行った。次いで、反応液全量を、低融点アガロ
ース(アガロースL:ニッポンジーン)を用いたアガロ
ースゲル電気泳動に供した。約2.5kbのDNAの単一バ
ンドを確認した後、該DNAを回収した。回収されたDN
Aの一部とダイターミネーターシークエンスキットFS
(アプライドバイオシステムズ社製)とを用いてダイレ
クトシークエンス用のサンプルを調製し、これを、オー
トシークエンサー(アプライドバイオシステムズ社製、
モデル3700)を用いたダイレクト塩基配列解析に供し
た。ヒトcDNAライブラリーを鋳型として得られたDNA
は配列番号4で示される塩基配列を有しており、該塩基
配列には配列番号1で示されるアミノ酸配列がコードさ
れていた。マウスcDNAライブラリーを鋳型として得られ
たDNAは配列番号5で示される塩基配列を有してお
り、該塩基配列には配列番号2で示されるアミノ酸配列
がコードされていた。また、ラットcDNAライブラリーを
鋳型として得られたDNAは配列番号6で示される塩基
配列を有しており、該塩基配列には配列番号3で示され
るアミノ酸配列がコードされていた。次に、上記のよう
にして回収され塩基配列の確認された約2.5 kbのDNAの
約1μgを、それぞれpGEM T easyベクター(プロメガ
社製)10ngと混合し、これにT4 DNAリガーゼを添加して
反応させた。得られた反応液を用いて大腸菌DH5αコン
ピテントセル(TOYOBO社製)を形質転換し、アン
ピシリン耐性を示したコロニーからプラスミドDNAを調
製し、その塩基配列をABIモデル3700型オートシークエ
ンサーを用いてダイターミネーター法で決定した。決定
された塩基配列を、前述のダイレクトシークエンスで得
られた塩基配列と比較して、翻訳領域の塩基配列が完全
に一致しているプラスミドを選択した。配列番号1で示
されるアミノ酸配列をコードするDNAを含有するプラ
スミドをpGEM-hNXF、配列番号2で示されるアミノ酸配
列をコードするDNAを含有するプラスミドをpGEM-mNX
F、配列番号3で示されるアミノ酸配列をコードするD
NAを含有するプラスミドをpGEM-rNXFと名付けた。配
列番号1、2又は3で示されるアミノ酸配列を互いに、
GenetyxSV/R ver.4(ソフトウエア開発社製)プログラ
ムを用いて比較した。その結果、配列番号1で示される
アミノ酸配列と配列番号2で示されるアミノ酸配列との
アミノ酸同一性は93%であり、配列番号2で示される
アミノ酸配列と配列番号3で示されるアミノ酸配列との
アミノ酸同一性は98%であった。また、配列番号1、
2又は3で示されるアミノ酸配列について、GenomNet
(日本,www.motif.genome.ad.jp)のデータベースサー
ビスを利用し,PROSITE(Nucl.Acids.Res,1997;24:217-22
1,Bairoch,A.et al.),BLOCKS(Nucl.Acids.Res,1991;19:
6565-6572,Henikoff,S.et al.),ProDom(Protein Sci,19
94;3:482-492,Sonnhammer,E.L.et al.),PRINTS(Protein
Eng,1994;7:841-848,Attwood,T.K.et al.)の各モチー
フ辞書に対してモチーフ検索を行なった。その結果、い
ずれのアミノ酸配列においても、アミノ酸番号1〜24
付近の領域にbHLHモチーフが存在し、アミノ酸番号
25付近〜310付近の領域にPASドメインが存在す
ることが判った。
NAのPCRによる増幅) ヒト76人分の網膜から抽出されたmRNAから作製されたcD
NA(#7124−1,クロンテック社製)を鋳型にして、配列
番号52で示される塩基配列を有するポリヌクレオチド
オリゴヌクレオチドと配列番号53で示される塩基配列
を有するポリヌクレオチドオリゴヌクレオチドとをプラ
イマーとして用いてPCRを行った。50μlの反応液に
対して前記ポリヌクレオチドをそれぞれ10 pmol添加
し、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造社製)及び該酵素に添
付されたバッファーを用いた。反応液の保温は、PCRsys
tem9700(アプライドバイオシステムズ社製)を用い
て、95℃1分間次いで68 ℃3分間の保温を1サイクルとし
てこれを35サイクル行った。次いで、反応液全量を、ア
ガロース(アガロースS:ニッポンジーン)を用いたア
ガロースゲル電気泳動に供した。約2.5kb付近にDNA
の単一バンドが認められた。本発明蛋白質をコードする
mRNAがヒト網膜で発現していることが確認された。
のハイブリダイゼーション法による検出) 実施例1で作製されたプラスミドpGEM-hNXFをBamHIとNo
tIとで消化し、消化物を低融点アガロース(アガロース
L、ニッポンジーン社製)を用いたアガロースゲル電気
泳動に供して、約1.0kbpのDNA及び約2.3kbpのDNA
を回収した。回収されたそれぞれのDNAの50ngをラン
ダムプライマー法によるラベリングキット(RediprimeI
I:アマシャムファルマシア社製)とα32P-dCTP(アマ
シャムファルマシア社製)とを用いて32P標識した。標
識された約1.0kbpのDNAをプローブとして、ヒトの種
々の組織のmRNAがブロットされたナイロンフィルター
[Human 12−Lane MTN Blot(#7780−1、クロンテック
社製)及び Human MTN Blot IV(#7766−1クロンテッ
ク社製)]に対してハイブリダイズさせた。また、標識
された約2.3kbpのDNAをプローブとして、ヒトの脳等
の組織のmRNAがブロットされたナイロンフィルター[H
uman Brain MTN BlotII(#7755−1クロンテック社製)
及び Human Brain MTN BlotIV(#7769−1クロンテック
社製)]に対してハイブリダイズさせた。ハイブリダイ
ゼーションの条件は、上記ナイロンフィルターの取扱説
明書に記載の条件にしたがった。即ち、5mlのExpress
Hyb液(#クロンテック社製)中でナイロンフィルター
を68℃で30分間保温した後、上記の標識プローブをそれ
ぞれ50ng加え、68℃で更に1時間保温した。次に、フィ
ルターを、0.05DSを含む2XSSC溶液 約200ml中で6
5℃30分間保温する操作を2回行い、更に0.1%SDSを
含む0.1XSSC溶液で65℃30分間保温する操作を2回行っ
た。次いで、ナイロンフィルターをイメージングプレー
ト(フジフィルム社製)に密着させて1週間放置した
後、イメージングアナライザー(BASstation:フジフィ
ルム社製)でプレート上の感光像を検出した。検討した
ヒト組織は以下の通りである。 Brain,Heart,Skeletal muscle,Colon(no mucosa),Thymu
s,Spleen,Kidney,Liver,Small intestine,Placenta,Lun
g,Peripheral blood leukocyte,Prostate,Testis,Uteru
s(no endometrium), Cerebellum,Cerebral cortex,Medulla,Spinal cord,Occ
ipital pole,Frontal lobe,Temporal lobe,Putamen,Amy
gdala,Caudate nucleus,Corpus callosum,Hippocampus,
Substantia nigra,Thalamus. その結果、ヒトの種々の組織のmRNAがブロットされて
いるナイロンフィルターにおいて、Brainに強いシグナ
ルが検出され、Skeletal muscle及びKidneyに弱いシグ
ナルが検出され、他の組織についてはシグナルが検出さ
れなかった。また、ヒトの脳等の組織のmRNAがブロッ
トされたナイロンフィルターにおいては、フィルター上
にブロットされたすべての脳組織と延髄及び脊髄でシグ
ナルが検出された。
子の遺伝子型分析) ヒト脳の凍結サンプル0.1グラムに対してTrizole試薬
(GibcoBRL社製)を1ml加えホモジナイズする。得ら
れたホモジネートに0.2mlのクロロホルムを加えて攪拌
した後、4℃にて12,000xgで15分間遠心分離し、有
機層と水層をそれぞれ別のチューブに移す。水層には0.
5mlのイソプロパノールを加えて混合し5分間室温放置し
た後、4℃にて12,000xgで10分間の遠心分離してRN
Aの沈殿を回収する。回収された沈殿を70%エタノー
ルでリンスした後風乾し、水に溶解させ、これをヒトRN
A試料とする。上記のように調製されたヒト脳RNA1μ
gを鋳型にして、オリゴdTプライマー(アマシャムファ
ルマシア社製)1μgをプライマーとして用い、Supersc
riptII(ギブコ社製)及び該酵素に添付のバッファーを
添加して37℃で1時間保温する。得られたヒト脳cDNA溶
液の50分の1を鋳型にして、配列番号7で示される塩基
配列からなるポリヌクレオチド及び配列番号9で示され
る塩基配列からなるポリヌクレオチドをプライマーとし
て用いて、実施例1と同様にしてPCRを行いDNAを
増幅する。得られたDNAを、1%の低融点アガロース
(アガロースL、ニッポンジーン社製)ゲルで電気泳動
して回収する。回収されたDNAの全量を鋳型にして、
ダイターミネーターシークエンスキットFS(アプライド
バイオシステムズ社製)によりダイレクトシークエンス
用のサンプルを調製する。これを、オートシークエンサ
ー(アプライドバイオシステムズ社製、モデル3700)を
用いた塩基配列解析に供し塩基配列を決定する。一方、
ヒト肝臓凍結サンプル0.1グラム分にTrizole試薬を加え
て上記と同様にして有機層を分取した。得られた有機層
に0.3mlのエタノールを加えて、4℃にて2,000xgで5
分間遠心分離し、沈殿を回収した。この沈殿を0.1M ク
エン酸ナトリウムと10%エタノールとの混合溶液でリン
スした後風乾し、TEに溶解させてヒトゲノムDNA試料と
した。該ヒトゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、本
発明蛋白質をコードするゲノム遺伝子のエクソンの塩基
配列と、該エクソンに隣接するイントロンの塩基配列の
一部とを含むDNAを増幅した。プライマーとしては、
配列番号11〜42のいずれかで示される塩基配列から
なるポリヌクレオチドをそれぞれDNA合成機(アプライ
ドバイオシステムズ社製モデル394)を用いて合成し、
表2に記載の組合せで用いた。
酒造製)を使用し、100μMの4種類の各々の塩基(dAT
P,dTTP,dGTP,dCTP)及び前記酵素に添付された専用バッ
ファー中で、95℃にて1分間次いで68℃にて1分間
の保温を1サイクルとして、これを35サイクル実施し
た。得られた反応液の一部をそれぞれアガロースゲル電
気泳動に供した。サンプル番号1〜16のいずれにおい
ても、アガロースゲル上でDNAの単一バンドが検出さ
れた。残りのPCR反応液を、1%の低融点アガロース
(アガロースL、ニッポンジーン社製)ゲルで電気泳動
し、バンドとして検出されるDNAを回収する。回収さ
れたDNAを鋳型にして、ダイターミネーターシークエ
ンスキットFS(アプライドバイオシステムズ社製)によ
りダイレクトシークエンス用のサンプルを調製する。こ
れを、オートシークエンサー(アプライドバイオシステ
ムズ社製、モデル3700)を用いた塩基配列解析に供し塩
基配列を決定する。検体の毛髪2〜3本を滅菌水で洗浄
した後、さらに100%エタノールで洗浄し、室温で風乾
した後、2〜3mmの長さに切断してプラスチック製チュー
ブに移す。これにBCL buffer[10mM Tris-HCl(pH7.5), 5
mM MgCl2, 0.32M sucrose, 1TritonX-100]200μlを加
え、さらに最終濃度100μg/mlのProteinase K溶液及び
最終濃度0.5(w/v)のSDS溶液をそれぞれ添加し混合す
る。得られた混合物を70℃にて1時間保温した後、等量
のフェノール/クロロホルムを加え、激しく振とうした
後、遠心分離(15,000rpm,5分間、4℃)する。フェノー
ル層を乱さないようにピペットで水層を回収し、もう一
度フェノール抽出を行なう。回収された水層に等量のク
ロロホルムを加え、激しく振とうした後、遠心分離によ
り水層を回収する。回収された水層に500μlの100%エ
タノールを加え、-80℃にて20分間保温した後、遠心分
離する。得られたペレットを乾燥した後、滅菌水に溶解
させゲノムDNAとして上記と同様にPCRを行なう。ヒト末
梢血を被検試料として用いる場合は、10mlの血液を採取
し、DNA Extraction kit(ストラタジーン社製)を用い
て添付マニュアルに従いゲノムDNAを抽出する。得ら
れるゲノムDNAを上記と同様にPCRに供する。
子型の分析) 実施例4でプライマーに用いたポリヌクレオチドを、DN
A MEGALABELキット(宝酒造社製)を用いて、末端を32
P標識する。実施例4と同様にして得られるゲノムDN
A1μg程度を鋳型にして、標識されたポリヌクレオチ
ド100pmol程度ずつをプライマーとして用いてPCRを
行い本発明蛋白質をコードするゲノム遺伝子のDNAを
増幅する。該PCRは、LA-Taq(宝酒造製)を使用し、10
0μMの4種類の各々の塩基(dATP,dTTP,dGTP,dCTP)及
び前記酵素に添付された専用バッファー中で、95℃にて
1分間次いで68℃1分間の保温を1サイクルとしてこれを
35サイクル実施する。増幅されたDNAの1/20量を80%
ホルムアミド中で80℃、5分間の条件で加熱変性した
後、その1/20量を5%未変性中性ポリアクリルアミドゲ
ルを用いて、180mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH8.0)中で
電気泳動する。電気泳動の条件は、室温空冷、定電力40
W、60分である。泳動終了後、ゲルをX線フィルムに密
着させてオートラジオグラムをとることにより、標識さ
れたポリヌクレオチドをプライマーとして増幅されたD
NAを検出する。標準蛋白質の該当する領域をコードす
るDNAを隣り合わせて泳動しておき、被検試料由来の
DNAの移動度と比較する。これらのDNAの移動度が
異なる場合には、被検試料の核酸において本発明蛋白質
をコードする塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列と
は異なるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有して
いると判定する。さらに、オートラジオグラフィーによ
り検出される被検試料由来のDNAのバンドに対応する
位置のゲルの一部を1mmx1mm角に切り取り、滅菌
水100μl中で90℃にて10分間処理し、その1/20量を鋳
型にしてPCRを行う。増幅したDNAを低融点アガロー
スゲル電気泳動に供してゲルからDNAを回収した後、
回収されたDNAを鋳型にして、BigDye Terminator cy
cle sequence ready reaction kit(アプライドバイオ
システムズ社製)と自動DNAシークエンサー(アプラ
イドバイオシステムズ社製モデル377)を使用して塩基
配列を決定することにより変異を特定する。
質の転写調節能を測定するために用いたレポーター遺伝
子プラスミドであるpGL3-TATA-Galx4には、TATA最小プ
ロモーターを有するルシフェラーゼ遺伝子の上流に、Ga
l4のDNA結合領域が結合可能なDNAがタンデムに4コピー
導入されている。GAL4のDNA結合領域と任意の転写調節
因子との融合蛋白質を当該レポーター遺伝子プラスミド
に作用させルシフェラーゼ遺伝子の発現量を測定するこ
とによって、前記融合蛋白質が有する転写調節能を測定
することができる。当該pGL3-TATA-Galx4レポーター遺
伝子プラスミドは以下のようにして作製した。まず、GA
L4のDNA結合領域が結合可能な塩基配列を有する2種の
オリゴヌクレオチド[5´-cgcgtcgagc tcgggtcgga ggac
tgtcct ccgactgctc gagtcgagct cgggtcggag gactgtcctc
cgactgctcg aga-3´(配列番号56)、5´-cgcgtctc
ga gcagtcggag gacagtcctc cgacccgagc tcgactcgag cag
tcggagg acagtcctcc gacccgagct cga-3´(配列番号5
7)]をアニールした後にT4 Kinaseで5´末端をリン酸
化し、これをT4 Ligaseと反応させた。得られた反応物
を、低融点アガロース(NuseiveGTG;FMCbio社製)を用
いた電気泳動に供することにより、上記2種のオリゴヌ
クレオチドがアニールしてなるDNAがタンデムに2つ
結合してなるDNAを回収した。これをインサートDN
Aとし、pGL3-TATAベクターをMluIで切断した後アルカ
リフォスファターゼ(BAP C75;宝酒造製)処理して得
られたDNA0.1μgにT4 Ligase(宝酒造製)を添加して
16℃16時間反応させることにより結合させた。この
ようにして、レポーター遺伝子プラスミドpGL3-TATA-Ga
lx4を得た。
る。)を発現するプラスミドであるpRC/RSV-Gal4-DBD
は、以下のようにして作製した。Gal4-DBDをコードする
塩基配列を有するプラスミドpM(市販キットK1602-1に
含まれる;Clontech社より購入)をNheIとXbaIとで切断
した後、更にT4 ポリメラーゼで平滑末端化した。それ
を低融点アガロース(アガロースL;ニッポンジーン社
製)を用いた電気泳動に供することにより、Gal4-DBDを
コードするDNA(約500bp)を回収した。回収された
DNAをインサートDNAとした。次に、pRC/RSV(Inv
itorgen社製)をHindIIIで切断した後に、更にT4ポリメ
ラーゼで平滑末端化した。それをBAP処理して得られた
DNA(0.1μg)に前記インサートDNA(0.5μg)を
T4 Ligaseで結合させることにより、pRC/RSV-Gal4-DBD
を作製した。尚、得られたプラスミドの塩基配列をABI
モデル3700型オートシークエンサーを用いたダイターミ
ネーター法で決定することにより、RSVプロモーターの
制御下にGal4-DBDが発現するようにプラスミドが構築さ
れていることを確認した。
域等とが結合した融合蛋白質を発現させるために、Gal4
-DBDをコードするDNAの下流に、制限酵素PmaCIの認
識部位が導入されたプラスミドpRC/RSV-MAを作製した。
当該プラスミドは、RSVプロモーターの下流にGal4-DBD
をコードするDNAを有しており、さらにその下流のPm
aCI切断末端に、Gal4-DBDをコードするDNAの翻訳フ
レームに対して任意の平滑末端化DNAの翻訳フレームが
一致するように当該DNAを結合させることができる。具
体的には、pRC/RSV-MAは以下のようにして作製した。ま
ず、2種のオリゴヌクレオチド[5´-agcttcatcccacgtg
agtcat-3´(配列番号58)、5´-ctagatgactcacgtggg
atga-3´(配列番号59)]をアニールした後にT4 kin
aseでその5'末端をリン酸化した。得られたDNAをイ
ンサートDNAとし、前記(6−2)で調製されたpRC/
RSV-Gal4-DBDをHindIIIとXbaIとで切断した後BAP処理し
て得られたDNAとT4 Ligaseで結合させることによ
り、pRC/RSV-MAを作製した。
調製 RSVプロモータの制御下に、GAL4のDNA結合領域(GAL4-D
BD)と本発明蛋白質の転写調節領域との融合蛋白質を発
現するためのプラスミドであるpRC/RSV-MA-mNXF(AvaI
frg)(以下、このプラスミドをGal4-NXF Ctermと記す
こともある。)は、以下のようにして作製した。まず、
実施例1で調製されたpGEM-mNXFをAvaIとNotIとで切断
した後、更にT4ポリメラーゼで平滑末端化した。それ
を、低融点アガロースゲル電気泳動(AgaroseL;ニッポ
ンジーン社製)に供することにより、DNA(約1.8kb
p)を回収した。回収されたDNAは、本発明蛋白質のb
HLHモチーフ-PASドメイン以降からC末端までの、転写調
節領域をコードするDNAである。この回収されたDN
Aと、前記(6−3)で調製されたpRC/RSV-MAをPmaCI
制限酵素で切断した後BAP処理して得られたDNAとをT
4 Ligaseで結合させることにより、pRC/RSV-MA-mNXF(A
vaI frag)を作製した。次に、約1x107細胞の神経
細胞IMR32(ATCC No.CCL127;大日本製薬から購入し
た)を、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬社
製)を用いて37℃にて5%CO2存在下に、直径約1
0cmのシャーレ(ファルコン社製)を用いて培養し
た。翌日、培養された細胞をトリプシン処理により分散
し、FBSを含まないDMEM培地で2回洗浄した後、再度1
x107に細胞密度がなるようにFBSを含まないDMEM培地
に分散した。この細胞分散液0.4mlに、レポーター遺
伝子プラスミドpGL3-TATA-Galx4と、前記(6−2)で
調製されたプラスミドpRC/RSV-Gal4-DBDまたは(6−
4)で調製されたプラスミドpRC/RSV-MA-mNXF(AvaI fra
g)とを3μgずつ添加し混合した後、この混合物をエレ
クトロポレーション用キュベットに移し、Geneパルサー
(BIORAD社製)を用いたエレクトロポレーション法によ
り200V、950μFの条件でトランスフェクションを行っ
た。トランスフェクション後、培地を10%FBSを含
むDMEM培地に置換してさらに6穴プレート内で約24
時間培養した。次いで、ウェルから培地を除き、器壁に
接着している細胞をPBS(-)で2回洗浄した後、5倍に希
釈したPGC50(東洋インキ社製)をウェルあたり2
00μlずつ加えてさらに室温に30分間放置した。こ
の細胞液20μlずつをオペークプレート(コーニング
コースター社製)上に分注し、当該プレートを酵素基質
自動インジェクター付きルミノメーターLB96P(ベ
ルトールド社製)にセットし、50μlの基質液PGL
100(東洋インキ社製)を自動分注した後、各ウェル
内のルシフェラーゼ活性をそれぞれ測定した。その結果
を図1に示した。レポーター遺伝子プラスミドpGL3-TAT
A-Galx4を用いたワンハイブリッドアッセイ(One hybri
d assay)を行った結果、Gal4のDNA結合領域と本発
明蛋白質の転写調節領域(AvaI切断部位に相当するアミ
ノ酸からC末端まで)とが結合してなる融合蛋白質を発
現する形質転換体の場合(図中ではGal4-NXF Ctermと記
載される)には、レポーター遺伝子の高発現が認められ
た。一方、対照であるGal4のDNA結合領域のみを発現
する形質転換体の場合(図中ではGal4 DBDと記載され
る)には、レポーター遺伝子の発現は認められなかっ
た。このように宿主細胞としてIMR32等の神経細胞を用
いた場合において、本発明蛋白質は、転写活性化能を有
することが確認された。
られたpGL3-TATAベクターは、以下のようにして作製さ
れた。まず、マウスメタロチオネインI遺伝子のTATA bo
x近傍の塩基配列とリーダー配列(Genbank Accession N
o.J00605)に由来する塩基配列とからなる塩基配列を有
するオリゴヌクレオチドと前記塩基配列に相補的な塩基
配列を有するオリゴヌクレオチド[5'-GATCTCGACTATAA
AGAGGGCAGGCTGTCCTCTAAGCGTCACCACGACTTCA-3'(配列番
号60)、5'-AGCTTGAAGTCGTGGTGACGCTTAGAGGACAGCCTGC
CCTCTTTATAGTCGA-3'(配列番号61)]とをアニールし
た後に、T4 kinaseで5'末端をリン酸化した(以下、当
該DNAをTATA DNAと記すこともある。)。このTAT
A DNA1μgと、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含むベク
タープラスミドpGL3(プロメガ社製)を制限酵素Bgl II
及びHind IIIで消化した後アルカリフォスファターゼ
(BAP C75;宝酒造製)処理して得られたDNA(0.1μ
g)とをT4Ligase(宝酒造製で結合させる(16℃、1
6時間反応)ことにより、pGL3−TATAを得た。
化させる物質のスクリーニング) 動物細胞発現用pMベクター(クロンテック社製)をSmaI
で消化し、次いでアルカリフォスファターゼ(BAP)を
添加して65℃1時間保温した後、低融点アガロースゲル
電気泳動に供し、ベクターDNAを回収する。一方、実
施例1で作製されたpGEM-hNXFをNcoIとNotIとで消化
し、Blunting kit(宝酒造製)で末端を平滑化する処理
をした後、低融点アガロースゲル電気泳動に供し、約2
kbのDNAを回収する。回収された上記のベクターD
NAと約2kbのDNAとを混合し、T4リガーゼを反応
させる。この反応液を大腸菌DH5αコンピテントセル(T
OYOBO製)に導入する。得られた大腸菌形質転換体を培
養し、保有するプラスミドを抽出して、得られたプラス
ミドDNAについて制限酵素分析及び塩基配列分析を行
なう。pMベクターに上記の約2kbのDNAが挿入され
たプラスミドを選択し、pM-hNXF(SmaI)と名付ける。こ
のようにしてGal4DNA結合領域と、本発明蛋白質の部分
アミノ酸配列を有するポリペプチドとの融合蛋白質を発
現させるためのベクターが得られる。HeLa細胞を10cmプ
レートに約2x106細胞播種し、FBS含有E-MEM培地で、5O2
存在下37℃にて1日間培養を行う。得られた細胞に、リ
ポフェクトアミン(Life Technologies社製)を用いて
その添付プロトコールに従い、3.75μgのプラスミドpM
−hNXF(SmaI)と3.75μgのプラスミドpFR-LUC(ストラ
タジーン社製;Gal4応答ルシフェラーゼレポーター遺
伝子を含有する。)とを導入する。37℃にて16時間培養
した後、培地を交換しさらに3時間培養する。細胞を集
めてFBS含有E-MEM培地に懸濁して均一化し、DMSOで溶解
した様々な濃度の各種被検物質を添加した培養液をあら
かじめ加えておいた96穴プレート(DMSO終濃度0.1)に
播種する。このプレートを37℃にて約40時間培養した
後、5倍に希釈した細胞溶解剤PGC50(ニッポンジーン社
製)を50μl/wellずつ加えて、時々軽くゆすりながら
室温にて30分間放置して細胞を溶解させる。このように
して調製された細胞溶解液を10μlずつ96穴白色サンプ
ルプレート(ベルトールド社製)に採取し、基質自動イ
ンジェクター付きのルミノメーターLB96p(ベルトール
ド社製)で50μl/wellずつ酵素基質液PGL100(ニッポ
ンジーン社製)を添加しながら直ちに発光量を5秒間測
定する。
ムDNAの取得) 実施例1で得られたプラスミドpGEM-mNXFのDNAをEc
oRIとHindIIIで消化した後、低融点アガロース(アガロ
ースL:ニッポンジーン)を用いたアガロースゲル電気
泳動に供し、0.6kbのDNA、0.9kbのDNA及び1kbの
DNAを回収した。回収されたDNAを等量ずつ混合
し、そのうち約25ngを分取してアマシャム社製マルチ
プライムDNA標識システムを用いて該システムの添付プ
ロトコールに従い32P標識した。大腸菌XL1-Blue MRA
(Stratagene社より入手)を一晩培養し、得られた培養
液0.3mlに、直径15cmのプレート1枚あたり5x1
04プラークが形成される量のマウス(129SvJ系統)ゲ
ノムDNAライブラリー(#946313、Stratagene社から
購入)を加え、37℃にて20分間保温した後、50℃に保温
された6.5mlの0.7アガロースを加え、直ちに直径15cmの
NZYM(NZamine 10g、NaCl 5g、Yeast Extract5g、MgSO4
・7H2O 2g及びAgar 15gを水1Lに溶解)プレート上へ
広げた。このプレートを37℃にて一晩保温した。次い
で、プラークの生じたプレートの表面に、直径15cmの
丸型ニトロセルロースフィルター(ハイボンドN、アマ
シャム社製)を静かにのせ、このフィルターにプラーク
をトランスファーした。このフィルターを室温で20分
間放置した後、変性バッファー(組成:0.2N NaOH,1.5M
NaCl)に浸した濾紙上に5分間載せた。次にこのフィ
ルターを、中和バッファー(組成:0.4M Tris-HCl pH7.
5, 2xSSC)に浸した濾紙上に1分間載せ、さらに500m
lの2xSSCに5分間浸した。次いで、フィルターを乾い
た濾紙上へ移し、室温で数時間、乾燥するまで放置した
後、80℃のオーブン中で2時間保温した。得られたフ
ィルターをプラスチック製シールバックに入れ、50mlの
ハイブリバッファー(組成:5xSSC、50mM HEPES pH7.
0、10xデンハルト溶液、20μg/ml変性Salmon sperm DN
A)中で65℃にて一晩保温した。次にこれに、上記の32
P標識されたDNAを熱変性させた後全量加え、65℃で
一晩保温した。次いでフィルターを取り出し、2xSSC中
で室温にて30分間リンスし、さらに0.1xSSC中で65
℃にて40分間リンスした。次にフィルターを新しい0.
1xSSCに移して65℃にて40分間リンスした後、濾紙
上で室温にて放置して乾燥させ、オートラジオグラフィ
ー(−80℃にて2日間)を行った。上記のオートラジ
オグラフィーで陽性シグナルが検出された部分のプレー
トからファージを回収して100μlのSM buffer(NaCl 5.
8g、MgSO4・7H2O 2g及びゼラチン0.1gを1Lに溶解、p
H7.5)に懸濁した。得られたファージ懸濁液を用いて、
上記と同様にしてハイブリダイゼーション法による2次
スクリーニングを行った。但し、プレート1枚あたりに
形成させるプラークの数は、約1000個程度とした。
このスクリーニングで陽性シグナルが検出された部分の
プレートからプラークを回収し、2次スクリーニングと
同じ方法で3次スクリーニングを行い、陽性シグナルを
与えるファージクローンを得た。前記の陽性シグナルが
検出されたファージクローンの懸濁液1μlを、100
μlのTE bufferに添加して煮沸し、これを鋳型にしてPC
Rを行った。プライマーには、上記ゲノムDNAライブ
ラリーの作製に用いられたLambda FIXIIベクターの保有
するクローニングサイトの両側にそれぞれアニールする
2種のプライマー[T7ユニバーサルプライマー及びT3ユ
ニバーサルプライマー(Stratagene社製)]を使用し
た。PCRの反応液は、上記の煮沸液5μl、上記2種のプ
ライマーそれぞれ10pmol、LA-taq polymerase(宝酒
造)、該酵素に添付のバッファーを添加して全量50μ
lとした。反応は、95℃1分間次いで50℃1分間さ
らに72℃10分間の保温を1サイクルとしてこれを3
5サイクル行った。次いで、反応液をアガロースゲル電
気泳動に供して、約7kbpのDNAを回収した。回収された
DNAの約10μgを鋳型にして、DyeTerminator Cycle
Sequence FSキット(パーキンエルマーABI)を用い
て、該キットに添付プロトコールに従い、ダイレクトシ
ークエンスを行った。その結果、上記のDNAは、配列
番号54で示される塩基配列を有することがわかった。
得られた塩基配列と配列番号5で示される塩基配列とを
比較することにより、イントロン/エクソンの構成が明
らかとなった。
1の発現促進) (9−1)pRC/RSV-mNXFsense及びpRC/RSV-mNXFantisen
seの調製 哺乳動物細胞内において本発明蛋白質の全長を発現させ
るためのプラスミドを、以下のようにして作製した。実
施例1で得られたpGEM-mNXFは、市販のpGEMベクターのS
p6プロモーターの下流にマウス由来の本発明蛋白質をコ
ードする翻訳領域の開始コドンが位置するように構築さ
れていた。そこでこのpGEM-mNXF(1μg)を鋳型にし
て、かつ、配列番号62で示されるオリゴヌクレオチド
(フォワードプライマー 5´-gggcgctgcagcccagccaccat
gtaccgatccaccaaggg-3´)および配列番号63で示され
るオリゴヌクレオチド(リバースプライマー 5´-aatct
cggcgttgatctggt-3´)をプライマーとして、KODplusポ
リメラーゼ(TOYOBO社製)を用いたPCRを行うことによ
り、本発明蛋白質をコードする翻訳領域の開始コドンの
直前にコザック配列(5'-CCAGCCACC-3')が導入され、
さらにその上流にPstI制限酵素部位が導入された本発明
蛋白質の一部をコードするDNAを得た。該PCRは、95
℃1分間次いで55℃30秒間さらに72℃1分間の保温を
1サイクルとしてこれを35サイクル行った。このように
して得られたDNAをPstIとBssHIIとで切断した後、低
融点アガロースゲル電気泳動(NusieveGTGアガロース;
FMCbio社製)に供することにより精製・回収した。精製
・回収されたDNAを下記で用いるインサートDNAと
した。次に、pGEM-mNXFをPstIとBssHIIとで切断した後B
AP処理して得られたDNAを低融点アガロースゲル電気
泳動(AgaroseL;ニッポンジーン社製)に供し、前記D
NAを回収した。回収されたDNA(0.1μg)に上記
のインサートDNA(0.5μg)をT4 Ligaseで結合させ
ることにより、マウス由来の本発明蛋白質をコードする
翻訳領域の開始コドンの直前にコザック配列(5'-CCAGC
CACC-3')が導入されているプラスミドpGEM-mNXFコザッ
クを作製した。次に、プラスミドpGEM-mNXFコザックを
PstI、NotI及びScaIの3者で同時に切断した後、これを
低融点アガロース電気泳動に供し、約2.5kbpのDNA
(mNXFコザックPstI-NotI)を回収した。そして、回収
されたDNAをT4ポリメラーゼで平滑末端化し、得られ
たDNAをインサートDNAとした。RSVプロモーター
を保有するプラスミドpRC/RSV(Invitorgen社製)をHin
dIIIで切断した後T4ポリメラーゼで平滑末端化して得ら
れたDNAをBAP処理し、これをベクターDNAとし
た。このベクターDNA(0.1μg)に前記インサートD
NA(0.5μg)をT4 Ligaseで結合させることにより、
(a)コザック配列の下流にマウス由来の本発明蛋白質
をコードする翻訳領域が接続されてなるDNAのセンス
鎖がRSVプロモーターの制御下に発現するプラスミドで
あるpRC/RSV-mNXFsense、及び(b)コザック配列の下
流にマウス由来の本発明蛋白質をコードする翻訳領域が
接続されてなるDNAのアンチセンス鎖がRSVプロモー
ターの制御下に発現するプラスミドであるpRC/RSV-mNXF
antisenseを作製した。尚、作製されたプラスミドが所
望の構造を有することを、ベクターDNAとインサート
DNAとの境界領域の塩基配列を調べることにより確認
した。
の発現促進 まず、約1x107細胞のSK-N-MC細胞(ATCC No.HTB1
0;大日本製薬より購入した)を、10%FBSを含む
DMEM培地(日水製薬社製)を用いて37℃にて5%
CO2存在下に、直径約10cmのシャーレ(ファルコ
ン社製)を用いて培養した。翌日、培養された細胞をト
リプシン処理により分散し、FBSを含まないDMEM培地で
2回洗浄した後、再度1x107に細胞密度がなるよう
にFBSを含まないDMEM培地に分散した。この細胞分散液
0.4mlに、上記のようにして調製されたプラスミド、
即ち、(a)本発明蛋白質の全長をコードするDNAの
センス鎖がRSVプロモーターの制御下に発現するプラス
ミドであるpRC/RSV-mNXFsense、又は(b)本発明蛋白
質の全長をコードするDNAのアンチセンス鎖がRSVプ
ロモーターの制御下に発現するプラスミドであるpRC/RS
V-mNXFantisense、10μgを混合した後、この混合物を
エレクトロポレーション用キュベットに移し、Geneパル
サー(BIORAD社製)を用いたエレクトロポレーション法
により200V、950μFの条件でトランスフェクションを行
った。トランスフェクション後、培地を10%FBSを
含むDMEM培地に置換してさらに10cmシャーレ内で
約24時間培養した。培養後、(a)pRC/RSV-mNXFsense
導入細胞シャーレ5枚分、又は(b)pRC/RSV-mNXFanti
sense導入細胞シャーレ5枚分を材料にしてRNA精製及び
放射能ラベル用市販キットであるAtlas Pure Total RNA
Labeling system(K1038-1;クロンテック社製)を用
いてDNAを含まないtotalRNAを精製した。RNA収量は、
(a)の場合には23μg、(b)の場合には26μgであ
った。次に、得られたRNAを材料にして、上記キットに
含まれる特異的プライマー及び逆転写酵素を用いて[α-
P32] -dATP(アマシャムファルマシア社製)でそれぞれ
のRNAを放射能ラベルした。次に、放射能ラベルされた
RNA(以下、プローブと記す。)を上記キットを用い
て精製した後、精製されたRNAの1.3x105DPM相当分
を以下のハイブリダイゼーションに使用した。ハイブリ
ダイゼーションは、種々の遺伝子がブロットされたナイ
ロン膜を含むキット(Atlas cDNA Expression array-N
eurobiology ;7736-1 クロンテック社製)及び該キッ
トに付属のハイブリダイゼーションバッファーを用い
て、(a)pRC/RSV-mNXFsense導入細胞由来のプローブ
または(b)pRC/RSV-mNXFantisense導入細胞由来のプ
ローブをそれぞれ添加し、同一条件のもとで18時間行
った。ハイブリダイゼーションの後、各ナイロン膜を2
XSSC、1%SDSバッファーで洗浄(68℃、30分間)した。
これを4回繰り返した後、更に0.1XSSC、0.5%SDSバッフ
ァーで洗浄(68℃、30分間)した。それぞれのナイロン
膜をプラスチックラップに包み、IPプレート(富士フィ
ルム社製)に7日間感光させたのち、イメージングアナ
ライザー(BASstation;富士フィルム社製)でナイロン
膜上の種々の遺伝子に対応するハイブリダイゼーション
シグナルの強度の定量と比較を行った。その結果、dreb
rin 1遺伝子について、(a)pRC/RSV-mNXFsense導入細
胞由来のプローブとハイブリダイズさせたナイロン膜上
のハイブリダイゼーションシグナルが、(b)pRC/RSV-
mNXFantisense導入細胞由来のプローブとハイブリダイ
ズさせたナイロン膜上のハイブリダイゼーションシグナ
ルよりも有意に強く検出された。このように、本発明蛋
白質にはdrebrin 1の発現を促進する能力が存在するこ
とが確認できた。
遺伝子の発現調節領域とレポーター蛋白質をコードする
DNAとが機能可能な形で連結されてなるレポーター遺
伝子の作製及びそのプロモーター活性確認:マウス由来
の本発明蛋白質のゲノムの塩基配列の決定) (10−1)材料の調製 配列番号55で示される本発明蛋白質をコードするマウ
ス由来のゲノムDNAの塩基配列を以下のようにして決
定した。実施例8に記載のマウスゲノムDNAライブラ
リーのスクリーニングにより取得された本発明蛋白質を
コードするゲノムファージクローンのうちの1つのファ
ージ液1μlを鋳型とし、上記ゲノムDNAライブラリー
の作製に用いられたLambda FIXIIベクター上に設定され
たプライマー対であるT7ユニバーサルプライマー及びT3
ユニバーサルプライマー(Stratagene社製)を使用し、
LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造製)を用いてPCRを行な
った。PCRは、95℃1分間次いで68℃ 20分間の保温
を1サイクルとし、これを35サイクル繰り返した。得
られた増幅DNA(約21kbp)を、0.8%低融点アガロー
ス(アガロースL;日本ジーン社製)を用いた電気泳動
に供することにより、DNA(約21kbp)を精製・回収
した。精製・回収されたDNAについてキャピラリーシ
ークエンサー(PE-biosystems社製model3700)とダイタ
ーミネーターシークエンスキットFS ver2(PE-biosyste
ms社製)とを用いたカスタムプライマーダイレクトシー
クエンスを行うことにより当該DNAの全塩基配列(配列
番号55)を決定した。
伝子の発現調節領域とレポーター蛋白質をコードするD
NAとが機能可能な形で連結されてなるレポーター遺伝
子の作製 マウス由来の本発明蛋白質をコードする遺伝子の転写開
始点(配列番号55における塩基番号9437-9442)から
それぞれ約10kbp、約5kbp、約2.5kbpまたは約1kbp上流
までを含む、本発明蛋白質をコードする遺伝子の発現調
節領域を取得するために、まず、配列番号55で示され
る塩基配列に基づき、以下の塩基配列からなるフォワー
ド側PCRプライマーを設計した。 上流約10kbp用:5´-gggcggtaccatacctagggccaataggagt
gatgagcccatgtc-3´:配列番号64 上流約5kbp用:5´-gggcggtaccaacgaggaatctctcttcctct
ccactgtccgggc-3´:配列番号65、 上流約2.5kbp用:5´-gggcggtaccctgcttaaattgcttggaga
ccagctgtggaccca-3´:配列番号66、 上流約1kbp用:5´-gggcggtaccctcagtgacaagtgcacaggca
gaacgaggagccc-3´:配列番号67 また同様に配列番号55で示される塩基配列に基づき、
以下の塩基配列からなるリバース側PCRプライマーを設
計した。5´-gggcacgcgttcgcctgcctcgatccgccttatgtagc
tcctgac-3´:配列番号68。 上記のフォワード側プライマーにはKpnI制限酵素サイト
が設けられており、リバース側プライマーにはMluI制限
酵素サイトが設けられている。上記のフォワード側プラ
イマーのいずれかとリバース側プライマーとをプライマ
ー対とし、かつ、マウス由来の本発明蛋白質をコードす
るゲノムファージクローンのファージ液1μlを鋳型に
し、KODplusポリメラーゼ(TOYOBO社製)を用いてPC
Rを行なった。PCRは、95℃1分間次いで68℃10分間
の保温を1サイクルとして35サイクル行った。このよう
にして、マウス由来の本発明蛋白質をコードする遺伝子
の転写開始点からそれぞれ約10kbp、約5kbp、約2.5kbp
または約1kbp上流までを含むDNAを増幅した。これら
それぞれを制限酵素KpnI及びMluIの両者で切断した後、
低融点アガロースゲル電気泳動(Agarose L;日本ジー
ン社製)に供することによりそれぞれの増幅DNAを回
収した。回収されたそれぞれの増幅DNA(約0.5μ
g)と、実施例6で調製されたpGL3-TATAベクターをKpn
I及びMluIの両者で切断した後アルカリフォスファター
ゼ(BAP C75;宝酒造製)処理して得られたDNA(0.1
μg)とをT4 Ligase(宝酒造製)で結合させる(16
℃、16時間反応)ことにより、TATA最小プロモーター
を有するルシフェラーゼ遺伝子の上流に、マウス由来の
本発明蛋白質をコードする遺伝子の転写開始点からそれ
ぞれ約10kbp(配列番号55で示される塩基配列におけ
る塩基番号72-9436)、約5kbp(配列番号55で示され
る塩基配列における塩基番号4364-9436)、約2.5kbp
(配列番号55で示される塩基配列における塩基番号68
89-9436)または約1kbp(配列番号55で示される塩基
配列における塩基番号8216-9436)上流までを含む、本
発明蛋白質をコードする遺伝子の発現調節領域がそれぞ
れ挿入されたプラスミドを得た。
ーター活性の確認 本発明蛋白質をコードする遺伝子の発現調節領域が有す
るプロモーター活性の相対活性を調べるために、対照レ
ポータープラスミドであるpGL3-TK-BSDを以下のように
して作製した。尚、この対照レポータープラスミドのル
シフェラーゼ遺伝子は、ヘルペス単純ウイルスのチミジ
ンキナーゼのプロモーターによる制御を受ける。まず、
プラスミドpRL-TK(プロメガ社製)をHind III及びBgl
IIの両者で切断した後、それを低融点アガロースゲル電
気泳動(アガロースL;ニッポンジーン社製)に供する
ことにより、TKプロモーターを含むDNA(760b
p)を回収した。次に、プラスミドpGL3をHind IIIとBg
l IIとで切断した後BAP処理して得られたDNAを、低
融点アガロースゲル電気泳動に供することにより、pGL3
由来のルシフェラーゼ遺伝子を含むBgl II−Hind IIIの
DNAを回収した。回収されたDNAのうち約0.1μg
を、上記のTKプロモーターを含むDNA約0.2μgと混
合し、この混合物をT4 リガーゼと反応させることによ
り、pGL3のHind III切断部位とBgl II切断部位との間に
上記のTKプロモーターを含むDNAが挿入された構造を有
するプラスミドであるpGL3-TKを作製した。作製されたp
GL3-TKのDNAをBamH Iで切断した後BAP処理て得られ
たDNAを、低融点アガロースゲル電気泳動に供するこ
とにより、単一のバンドとして検出されるDNAを回収
した。当該DNAと、プラスミドpUCSV-BSD(フナコシ
社より購入)をBamHIで消化することにより調製された
ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットを
コードするDNAとを、T4 Ligaseで結合させることに
より、ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセ
ットがpGL3-TKのBamHI切断部位に挿入された構造を有す
るプラスミドであるpGL3-TK−BSDを作製した。約5x1
06の293細胞を、10%FBSを含むDMEM培地(日
水製薬社製)を用いて37℃で5%CO2存在下に、直
径約10cmのシャーレ(ファルコン社製)を用いて培
養した。翌日、培養された細胞をトリプシン処理により
分散し、FBSを含まないDMEM培地で2回洗浄した後、再
度5x106に細胞密度がなるようにFBSを含まないDMEM
培地に分散した。この細胞分散液0.4mlに、(10−
2)で調製されたプラスミドまたは上記のプラスミドpG
L3-TK−BSDのいずれかをそれぞれ3μg混合した後、こ
の混合物をエレクトロポレーション用キュベットに移
し、Geneパルサー(BIORAD社製)を用いたエレクトロポ
レーション法により220V、950μFの条件でトランスフェ
クションを行った。トランスフェクション後、培地を1
0%FBSを含むDMEM培地に交換してさらに6穴プ
レート内で約24時間培養した。次いで、ウェルから培地
を除き、器壁に接着している細胞をPBS(-)で2回洗浄し
た後、5倍に希釈したPGC50(東洋インキ社製)を
ウェルあたり200μlずつ加えてさらに室温に30分
間放置した。この細胞液20μlずつをオペークプレー
ト(コーニングコースター社製)上に分注し、当該プレ
ートを酵素基質自動インジェクター付きルミノメーター
LB96P(ベルトールド社製)にセットし、50μl
の基質液PGL100(東洋インキ社製)を自動分注し
た後、各ウェル内のルシフェラーゼ活性をそれぞれ測定
した。その結果を図2に示した。ヘルペス単純ウイルス
のチミジンキナーゼプロモーター(HSV-TK)と本発明蛋
白質をコードする遺伝子の発現調節領域とのプロモータ
ー活性を比較したところ、本発明蛋白質をコードする遺
伝子の転写開始点から約5kbp、約2.5kbpまたは約1kbp上
流までを含む、本発明蛋白質をコードする遺伝子の発現
調節領域(図中では-5kbp NXFgenome、-2.5kbp NXFgeno
me、-1kbp NXFgenomeと記載される)は、いずれも293細
胞の中でHSV-TKプロモーター(図中ではHSV-TK enhance
rと記載される)との比較において同等またはより高い
プロモーター活性を示した。特に、ここで確認されたプ
ロモーター活性にクリテイカルな部分は、本発明蛋白質
の遺伝子の転写開始点から約1kbp上流までを含む領域に
存在していることが確認された。
遺伝子の発現調節領域を利用した本発明蛋白質の転写調
節能を変化させる物質のスクリーニング方法) 実施例10で作製された、TATA最小プロモーターを有す
るルシフェラーゼ遺伝子の上流に、本発明蛋白質をコー
ドする遺伝子の発現調節領域(マウス由来の本発明蛋白
質の転写開始点からそれぞれ約10kbp、約5kbp、約2.5kb
pまたは約1kbp上流までを含む)が、それぞれ挿入され
たプラスミドを293細胞にエレクトロポレーション法を
用いてトランスフェクションする。トランスフェクショ
ン後、(a)被検物質を添加しない培養液、又は(b)
被検物質を添加した培養液、をそれぞれあらかじめ加え
ておいた96穴プレートに、トランスフェクションされ
た細胞を播種する。この細胞を37℃で約24時間培養
した後、ルシフェラーゼ活性を測定する。測定されたル
シフェラーゼ活性の比較において、(a)で培養した場
合におけるルシフェラーゼ活性に対して(b)で培養し
た場合におけるルシフェラーゼ活性が高い場合には、そ
の被検物質は、本発明蛋白質をコードする遺伝子の発現
を増大させる物質であると判断する。逆に、低い場合に
は、本発明蛋白質をコードする遺伝子の発現を減少させ
る物質であると判断する。このようにして本発明蛋白質
による転写調節能を変化させる物質をスクリーニングす
ることができる。
質、該蛋白質をコードするDNA等が提供可能となる。
レポーター遺伝子プラスミドであるpGL3-TATA-Galx4を
用いたワンハイブリッドアッセイ(One hybrid assay)
の結果を示す図である。横軸は供試された形質転換体
(右端がGal4のDNA結合領域のみを発現する形質転換
体であって、対照に相当する。一方、左端はGal4のDN
A結合領域と本発明蛋白質の転写調節領域等とが結合し
てなる融合蛋白質を発現する形質転換体である。)を示
す。縦軸はルシフェラーゼ活性の測定値(即ち、レポー
ター遺伝子の発現量)であり、これは転写調節因子の転
写調節能を示す指標値である。
域が有するプロモーター活性を確認するための、レポー
ター遺伝子アッセイの結果を示す図である。横軸は供試
された発現調節領域である。最左端から順に、本発明蛋
白質をコードする遺伝子の転写開始点から約1kbp、約2.
5kbp、約5kbp上流までをそれぞれ含む、本発明蛋白質を
コードする遺伝子の発現調節領域(図中では-1kbp NXFg
enome、-2.5kbp NXFgenome、-5kbp NXFgenomeと記載さ
れる)、及び、対照であるヘルペス単純ウイルスのチミ
ジンキナーゼプロモーター(HSV-TK enhancer)であ
る。縦軸はルシフェラーゼ活性の測定値(即ち、レポー
ター遺伝子の発現量)であり、これは蛋白質遺伝子の発
現調節領域が有するプロモーター活性を示す指標値であ
る。
Claims (37)
- 【請求項1】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白質
をコードするDNA。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項2】以下の(a)〜(d)のいずれかの塩基配
列を有するDNA。 <塩基配列群> (a)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列。 (b)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列。 (c)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列。 (d)配列番号54で示される塩基配列の塩基番号14
19〜6164で表される塩基配列。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載のDNAを含有する
ベクター。 - 【請求項4】請求項1又は2に記載のDNAの上流に、
プロモーターが機能可能な形で結合されてなるDNAを
含有するベクター。 - 【請求項5】宿主細胞内で複製可能なベクターに、請求
項1又は2に記載のDNAを組込むことを特徴とするベ
クターの製造方法。 - 【請求項6】請求項1もしくは2に記載のDNA又は請
求項3もしくは4に記載のベクターが宿主細胞に導入さ
れてなる形質転換体。 - 【請求項7】宿主細胞が動物細胞である請求項6記載の
形質転換体。 - 【請求項8】宿主細胞が大腸菌又は酵母である請求項6
記載の形質転換体。 - 【請求項9】請求項1もしくは2に記載のDNA又は請
求項3もしくは4に記載のベクターを宿主細胞に導入す
ることを特徴とする形質転換体の製造方法。 - 【請求項10】以下の(a)〜(e)の蛋白質。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項11】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白
質をコードするDNAが宿主細胞に導入されてなる形質
転換体を培養する工程を含むことを特徴とする前記蛋白
質の製造方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項12】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白
質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを認
識する抗体。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項13】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白
質を検出する方法であって、 (1)前記蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポ
リペプチドを認識する抗体と被検試料とを接触させる工
程、及び (2)被検試料中の蛋白質と前記抗体との複合体を検出
する工程、を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項14】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白
質に結合する物質をスクリーニングする方法であって、 (1)前記蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポ
リペプチドと被検物質とを接触させる工程、及び (2)前記蛋白質又は前記ポリペプチドに結合する物質
を選択する工程、を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項15】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白
質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドの転
写調節能を測定する方法であって、以下のi)の遺伝子
とii)の遺伝子とが宿主細胞に導入されてなる形質転換
体、及び、以下のiii)の遺伝子とii)の遺伝子とが宿
主細胞に導入されてなる形質転換体におけるレポーター
遺伝子の発現量を測定し、測定された発現量を比較する
工程を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 <各遺伝子> i)宿主細胞内で機能可能な転写調節因子のDNA結合
領域と、前記蛋白質またはその部分アミノ酸配列を有す
るポリペプチドとの融合蛋白質をコードするDNAが、
宿主細胞内で機能可能なプロモーターの下流に接続され
てなるキメラ遺伝子。 ii)i)記載のDNA結合領域が結合可能なDNAと宿
主細胞内で機能可能な最小プロモーターとを含むプロモ
ーターの下流に、レポーター蛋白質をコードするDNA
が接続されてなるレポーター遺伝子。 iii)i)記載のDNA結合領域をコードするDNAが、
i)記載のプロモーターの下流に接続されてなる遺伝
子。 - 【請求項16】以下の(a)〜(e)のいずれかに記載
の蛋白質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチ
ドの転写調節能を変化させる物質をスクリーニングする
方法であって、 (1)i)宿主細胞内で機能可能な転写調節因子のDN
A結合領域と、前記蛋白質又はその部分アミノ酸配列を
有するポリペプチドとの融合蛋白質をコードするDNA
が、宿主細胞内で機能可能なプロモーターの下流に接続
されてなるキメラ遺伝子、と ii)i)記載のDNA結合領域が結合可能なDNAと宿
主細胞内で機能可能な最小プロモーターとを含むプロモ
ーターの下流に、レポーター蛋白質をコードするDNA
が接続されてなるレポーター遺伝子とが宿主細胞に導入
されてなる形質転換体と、被検物質とを接触させ、被検
物質存在下における前記レポーター遺伝子の発現量を測
定する工程、及び (2)(1)で測定されたレポーター遺伝子の発現量
が、被検物質非存在下における当該レポーター遺伝子の
発現量とは実質的に異なる被検物質を選択する工程、を
含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項17】ツーハイブリッドアッセイのための、請
求項1記載のDNAの使用。 - 【請求項18】以下の(a)〜(e)のいずれかの蛋白
質又はその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドの細
胞内発現量を変化させる物質をスクリーニングする方法
であって、 (1)前記蛋白質をコードする遺伝子の発現調節領域と
レポーター蛋白質をコードするDNAとが機能可能な形
で連結されてなるレポーター遺伝子が宿主細胞に導入さ
れてなる形質転換体と、被検物質とを接触させ、被検物
質存在下における前記レポーター遺伝子の発現量を測定
する工程、及び (2)(1)で測定されたレポーター遺伝子の発現量
が、被検物質非存在下における当該レポーター遺伝子の
発現量とは実質的に異なる被検物質を選択する工程、を
含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項19】配列番号4、5、6もしくは54のいず
れかで示される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基
配列からなるポリヌクレオチドにスリンジェントな条件
下でハイブリダイズすることができる10塩基以上50
00塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項20】配列番号4、5、6もしくは54のいず
れかで示される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基
配列に相補的な塩基配列を有し、10塩基以上5000
塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項21】以下の(a)〜(e)のいずれかに記載
の蛋白質をコードする核酸を検出する方法であって、 (1)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズすることができる10塩基以上5000塩
基以下の塩基からなるポリヌクレオチドと被検試料由来
の核酸とをハイブリダイゼーション条件下に接触させる
工程、及び (2)前記ポリヌクレオチドと被検試料由来の核酸との
ハイブリッドを検出する工程、を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項22】配列番号4、5、6もしくは54のいず
れかで示される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基
配列からなるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチ
ェイン反応条件下でアニールすることができ、10塩基
以上50塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項23】配列番号4、5、6もしくは54のいず
れかで示される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基
配列に相補的な塩基配列を有し、10塩基以上50塩基
以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項24】配列番号43〜51のいずれかで示され
る塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなる
ポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェイン反応条
件下でアニールすることができ、10塩基以上50塩基
以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 - 【請求項25】配列番号43〜51のいずれかで示され
る塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的
な塩基配列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基か
らなるポリヌクレオチド。 - 【請求項26】配列番号11〜42のいずれかで示され
る塩基配列を有するポリヌクレオチド。 - 【請求項27】以下の(a)〜(f)のポリヌクレオチ
ドから選ばれる1以上のポリヌクレオチドを含むキッ
ト。 <ポリヌクレオチド群> (a)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドにスリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズすることができる10塩基以上5000塩基
以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 (b)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェイン反
応条件下でアニールすることができ、10塩基以上50
塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 (c)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相
補的な塩基配列を有し、10塩基以上5000塩基以下
の塩基からなるポリヌクレオチド。 (d)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌク
レオチドに対してポリメラーゼチェイン反応条件下でア
ニールすることができ、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド。 (e)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配
列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポ
リヌクレオチド。 (f)配列番号11〜42のいずれかで示される塩基配
列を有するポリヌクレオチド。 - 【請求項28】以下の(a)〜(e)のいずれかに記載
の蛋白質をコードするゲノムDNAを増幅する方法であ
って、以下の(f)〜(j)のポリヌクレオチドから選
ばれる1以上のポリヌクレオチドをプライマーとして用
いて、ゲノムDNAを鋳型としてポリメラーゼチェイン
反応を行う工程を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 <ポリヌクレオチド群> (f)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列から
なるポリヌクレオチドに対してポリメラーゼチェイン反
応条件下でアニールすることができ、10塩基以上50
塩基以下の塩基からなるポリヌクレオチド。 (g)配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示
される塩基配列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相
補的な塩基配列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド。 (h)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌク
レオチドに対してポリメラーゼチェイン反応条件下でア
ニールすることができ、10塩基以上50塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチド。 (i)配列番号43〜51のいずれかで示される塩基配
列の部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配
列を有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポ
リヌクレオチド。 (j)配列番号11〜42のいずれかで示される塩基配
列を有するポリヌクレオチド。 - 【請求項29】以下の(a)〜(e)のいずれかに記載
の蛋白質をコードするcDNAを増幅する方法であっ
て、以下の(f)又は(g)のポリヌクレオチドから選
ばれる1以上のポリヌクレオチドをプライマーとして用
いて、cDNAを鋳型としてポリメラーゼチェイン反応
を行う工程を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 <ポリヌクレオチド群> (f)配列番号4〜6のいずれかで示される塩基配列又
は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリペプチド
に対してポリメラーゼチェイン反応条件下でアニールす
ることができ、10塩基以上50塩基以下の塩基からな
るポリヌクレオチド。 (g)配列番号4〜6のいずれかで示される塩基配列の
部分塩基配列又は該部分塩基配列に相補的な塩基配列を
有し、10塩基以上50塩基以下の塩基からなるポリヌ
クレオチド。 - 【請求項30】以下の(a)〜(e)のいずれかに記載
の蛋白質をコードする遺伝子の遺伝子型を分析する方法
であって、被検試料の核酸において、前記蛋白質をコー
ドする塩基配列が、標準蛋白質のアミノ酸配列とは異な
るアミノ酸配列をコードする塩基配列を含有しているか
否かを調べる工程を含む方法。 <蛋白質群> (a)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列を有する蛋白質。 (b)配列番号1〜3のいずれかで示されるアミノ酸配
列に対して90%以上のアミノ酸同一性を示すアミノ酸
配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋白質。 (c)配列番号4で示される塩基配列の塩基番号102
〜2507で表される塩基配列からなるDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコー
ドされるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する
蛋白質。 (d)配列番号5で示される塩基配列の塩基番号51〜
2456で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 (e)配列番号6で示される塩基配列の塩基番号35〜
2440で表される塩基配列からなるDNAとストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコード
されるアミノ酸配列を有し、かつ転写調節能を有する蛋
白質。 - 【請求項31】標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を含有しているか否か
を調べる工程が、被検試料の核酸を鋳型として、前記
(a)〜(e)のいずれかに記載の蛋白質をコードする
DNAを増幅し、増幅されたDNAの塩基配列を決定す
る工程を含む請求項30に記載の方法。 - 【請求項32】標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を有しているか否かを
調べる工程が、被検試料の核酸を鋳型として、前記
(a)〜(e)のいずれかに記載の蛋白質のアミノ酸配
列をコードするDNAを増幅し、増幅されたDNAを電
気泳動してその移動度を測定する工程を含む請求項30
に記載の方法。 - 【請求項33】標準蛋白質のアミノ酸配列とは異なるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を有しているか否かを
調べる工程が、被検試料の核酸又は該核酸の増幅物と、
配列番号4、5、6もしくは54のいずれかで示される
塩基配列又は該塩基配列に相補的な塩基配列からなるポ
リペプチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズすることができる10塩基以上5000塩基以下の塩
基からなるポリヌクレオチドとの、ストリンジェントな
条件下におけるハイブリダイゼーションのパターンを調
べる工程を含む請求項30に記載の方法。 - 【請求項34】標準蛋白質のアミノ酸配列が、配列番号
1、2又は3で示されるアミノ酸配列である請求項30
〜33のいずれかに記載の方法。 - 【請求項35】哺乳動物細胞に、請求項1又は2記載の
DNAを、当該DNAが前記細胞で発現する位置に置か
れるように提供する工程を含む哺乳動物細胞におけるdr
ebrin1の発現促進方法。 - 【請求項36】前記哺乳動物細胞が、精神遅滞を伴なう
疾患又はアルツハイマー症に羅患していると診断されう
る哺乳動物の体内にある細胞である、請求項35記載の
方法。 - 【請求項37】請求項1又は2に記載のDNAを有効成
分として含み、該有効成分が薬学的に許容される担体中
に製剤化されてなる遺伝子治療剤。
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