JP2002543845A - 植物における獲得耐性遺伝子 - Google Patents

植物における獲得耐性遺伝子

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ローメンズ,カイアス・エム・テイー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、植物における新規獲得耐性遺伝子を記載する。疾患に対して耐性であるトランスジェニック植物を作製するための該遺伝子の使用方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、植物における獲得耐性遺伝子およびその使用方法に関する。特に、
本発明は、獲得耐性遺伝子をコードする新規核酸配列、獲得耐性遺伝子を含有す
る形質転換宿主細胞およびトランスジェニック植物、ならびに植物における病原
体に対する耐性を付与するための使用方法を開示する。また、該形質転換宿主細
胞およびトランスジェニック植物の製造方法も開示する。
【0002】 (発明の背景) 植物は、細菌、ウイルス、真菌および線虫を含むそれらの環境の多数の生息動
物にさらされる。これらの生物と植物との間の相互作用の多く(特に、植物の根
を介するもの)は有益であるが、その相互作用の多くは植物に有害である。植物
病原体、特に真菌病原体により引き起こされる疾患による農作物、観賞植物およ
び他の植物の枯死は、甚大な経済的影響を及ぼす世界的な問題である。
【0003】 植物に対する損害は、多数の属の病原体により引き起こされる。これらの属に
は、アルテルナリア(Alternaria)、アスコキタ(Ascochyt
a)、コウジカビ(Aspergillus)、ボトリティス(Botryti
s)、セルコスポラ(Cercospora)、コレトトリチュム(Colle
totrichum)、ディプロディア(Diplodia)、エルウィニア(
Erwinia)、うどんこ病菌属(Erysiphe)、フザリウム(Fus
arium)、ゲウマノマイセス(Gaeumanomyces)、ヘルミント
スポリウム(Helminthosporium)、マクロフォミナ(Macr
ophomina)、マグナポルセ(Magnaporthe)、コタマカビ(
Mycosphaerella)、アカツブタケ(Nectria)、ツユカビ
(Peronospora)、フォーマ(Phoma)、フィマトトリチュム(
Phymatotrichum)、エキビョウキン(Phytophthora
)、タンジクツユカビ(Plasmopara)、ポドスファエラ(Podos
phaera)、シュードモナス(Pseudomonas)、プクシニア(P
uccinia)、プチウム(Puthium)、ピレノフォラ(Pyreno
phora)、イモチキン(Pricularia)、フハイカビ(Pythi
um)、リゾクトニア(Rhizoctonia)、セロチウム(Scerot
ium)、キンカクキン(Sclerotinia)、セプトリア(Septo
ria)、チエラビオプシス(Thielaviopsis)、ウンシヌラ(U
ncinula)、ベンツリア(Venturia)、ベルティシリウム(Ve
rticillium)およびキサントモナス(Xanthomonas)が含
まれる。
【0004】 これらの種々の病原体と戦うために、多数の化合物が開発されている。化学抗
真菌剤の具体例には、ポリオキシン、ニッコウマイシン、カルボキシアミド、芳
香族炭水化物、カルボキシン、モルホリン、ステロール生合成インヒビターおよ
び有機リン化合物(WorthingtonおよびWalker,1983;米
国特許第5,421,839号)が含まれる。これらの化合物の活性は、典型的
には、いくつかの種に制限される。病原性真菌の数の多さ及び多様性の結果とし
て、これらの化合物は、植物における感染症の抑制に対する有効な解決をもたら
していない。
【0005】 植物における病原性感染症を防除するためのもう1つのアプローチは、耐性を
付与するために植物の自然防御メカニズムを利用することを含む。多数の植物は
、いくつかの病原体に対する自然耐性を発達させてきた。しかし、耐性は或る属
の病原体に制限されたり、あるいは作物栽培学的に関心のある作物が、十分な耐
性を示さないことがある。したがって、自然植物防御は、病原体に対する十分な
防御をもたらさないことが多い。病原体防御のスペクトルを広げたり防御応答を
強化することにより、既存の耐性メカニズムを増強し病原体防御を促すことが、
そうでなければ感受性である植物において可能かもしれない。
【0006】 植物の自然防御メカニズムは、それが存在し活性である場合には、病原体の集
落形成および疾患を予防するのに非常に有効である。耐性は、受動的および能動
的な構成的および誘導性な要素で重層化される(Bakerら,1997;Ke
en,1990;Ryalsら,1996)。誘導性防御は、病原体の攻撃部位
における局在化細胞死または過敏性反応(HR)を病原体の攻撃部位において誘
発するように病原体決定因子またはエリシター(elicitor)の植物認識
の作用を介して活性化されうる(Dixonら,1994)。この局在化アポト
ーシス細胞死は、しばしば、該病原体内の特異的対応「無毒性(アビルレンス)
」産物を認識する耐性遺伝子(R−遺伝子)により媒介される(Greenbe
rg,1997)。病原体の攻撃の局所認識は、サリチル酸(SA)を含む伝達
可能なシグナルを介して遠隔組織に伝達されて、遺伝子発現を更に活性化し、全
身性獲得耐性(SAR;Ryalsら,1996;Sticherら,1997
)として公知の状態を調整する。ついで、耐性は、病原体の攻撃領域付近で局所
獲得耐性として発現されうる又は誘発シグナルおよび植物種に応じて全身的に誘
導されうることが判明した。したがって、該全身性および局所性応答は、獲得耐
性(AR)と総称される。ARの確立は植物の強力な防御線である。なぜなら、
それは、それがなければ疾患を引き起こすであろうウイルス、細菌および真菌の
攻撃に対する広域スペクトル耐性をもたらしうるからである(Cameronら
,1994;Gorlachら,1996;Ryalsら,1996)。該AR
応答は、感染特異的(PR)タンパク質をコードする1組の遺伝子の転写活性化
を誘発する。これらには、ヒドロラーゼ、細胞壁強化タンパク質、酸化的バース
トに関与するタンパク質(それらの組合せは耐性の増強を促進すると考えられて
いる)が含まれる(Sticherら,1997)。
【0007】 生化学的および遺伝的分析は、獲得耐性に関連した遺伝子および分子シグナル
を既に同定している。Npr1/Nim1遺伝子は、広域スペクトルの真菌およ
び細菌病原体に対するシロイヌナズナ(Arabidopsis)のAR防御に
おける重要な調節的役割を果たす(Caoら,1994;Caoら,1997;
Delaney,1995;Ryalsら,1997;WO 98/06748;
WO 94/16077;WO 98/26082)。突然変異体npr1植物
は、無毒性病原体の攻撃の後、正常なHRを誘導し、SAを蓄積するが、それら
はPRタンパク質を蓄積せずAR応答を活性化しない。このことは、このタンパ
ク質が、サリチル酸より下流の経路において機能することを示唆している(Ca
oら,1994;Caoら,1997;Delaneyら,1995)。Npr
1タンパク質の特徴は、転写調節体としての役割を示唆しており、タンパク質−
タンパク質相互作用に伴われるアンキリンリピートなどのモチーフ;核局在化シ
グナル;推定リン酸化部位;および哺乳類系における転写調節因子であるIFκ
Bに対する相同性を含む(Caoら,1997;Ryalsら,1997)。活
性化Npr1の核転位が示されており、このことは、転写調節におけるその考え
られうる役割を補強するものである(WO 98/06748)。双子葉植物に
おけるNpr1の中心的重要性は更に、真菌および細菌の両方の病原体に対する
シロイヌナズナ(Arabidopsisi)の耐病性の増強を招いた該クロー
ン化遺伝子のトランスジェニック過剰発現により立証された(Caoら,199
8;WO 98/06748)。
【0008】 膨大なAR研究は双子葉植物における経路を明らかにしたが、コムギ、イネ、
オオムギなどの単子葉植物は、病原体の攻撃を防御する誘導可能な経路を有する
(HwangおよびHeitefuss,1982;Kmeclら,1995;
Schweizerら,1989;SmithおよびMetraux,1991
)。獲得耐性は、無毒性病原体の攻撃(Manandharら,1998;Sc
haffrathら,1997)、病原体のエリシターの暴露(Jinら,19
97;Schaffrathら,1995;Waspiら,1998)、および
化学処理、例えばSAまたはSA類似体(例えば2,6−ジクロロイソニコチン
酸(INA)またはベンゾ(1,2,3)チオジアゾール−7−カルボチオ酸S
−メチルエステル(BTH))の適用などを含む種々の外部刺激により調整され
うる(Gorlachら,1996;Kessmanら,1994;Kogel
ら,1994;Manandharら,1998;Schaffrath,19
97;Watanabeら,1979)。単子葉および双子葉植物における同一
クラスの活性化化合物によるAR経路の誘導能を仮定すれば、シグナリング経路
の部分的保存が存在する可能性がある。なぜなら、PR遺伝子のサブセットがど
ちらのグループにおいても誘導されるらしいからである(Morrisら,19
98)。しかし、研究は、新規クラスのPR遺伝子に関連づけられる新たな経路
を示すARの誘導物質に関する単子葉植物における顕著な相違をも指摘している
(Gorlachら,1996;Schaffrathら,1997)。単子葉
植物においては、誘導される獲得耐性は広域スペクトルのものであり、病原体種
には無関係に真菌および細菌有害生物にまで及び、活性化された耐性は数週間か
ら数ヶ月持続する。したがって、単子葉植物におけるAR経路の操作は、耐性の
遺伝的起源が存在しない病原体に対する耐性を促進しうる。
【0009】 したがって、コムギ、イネなどの単子葉作物から疾患の防御において中心的な
役割を果たす遺伝子を同定することが必要とされている。トランスジェニック植
物におけるこれらの遺伝子の過剰発現は、ある微生物病原体に対する耐病性のレ
ベルを増強すると予想される。したがって、Nph1と称される、イネから単離
された遺伝子、およびNph2と称されるコムギから単離された遺伝子は、AR
を刺激することが知られている化学エリシターにより誘導される。したがって、
ARの活性化およびNph1およびNph2の発現の誘導は、生物寄生性(bi
otrophic)病原体に対してコムギおよびイネを防御すると予想される。
Nph1およびNph2のトランスジェニック過剰発現は、病原体の攻撃に際し
て、より強力なARを決定して、より有効な疾患防御を促進するはずである。
【0010】 (発明の概要) 本発明は、植物の獲得耐性(AR)経路における鍵となる調節遺伝子の知見お
よび用途に関する。Nph1およびNph2と称されるそれぞれイネおよびコム
ギからの遺伝子を単離し特徴づけた。本発明の特定の実施形態においては、Np
h1およびNph2との同一性を共有する遺伝子は、植物の獲得耐性経路の鍵と
なる調節体である。過剰発現は、真菌、細菌およびウイルス病原体を含む(これ
らに限定されるものではない)多種多様な病原体に対する増強された耐病性を有
するトランスジェニック植物を与える。
【0011】 1つの態様においては、本発明は、イネ(配列番号1)およびコムギ(配列番
号5および6)における獲得耐性を促進しうる新規核酸配列を提供する。
【0012】 もう1つの態様においては、本発明は、a)配列番号4、10または11のタ
ンパク質配列をコードするそれぞれ配列番号1、5または6のヌクレオチド配列
;b)遺伝暗号の縮重により、配列番号1、5または6のヌクレオチド配列にコ
ードされるそれぞれ配列番号4、10または11のタンパク質配列をコードする
ヌクレオチド配列;ならびにa)およびb)に記載の任意のヌクレオチド配列に
ハイブリダイズするヌクレオチド配列よりなる群から選ばれるヌクレオチド配列
である又はそれに相補的である単離されたDNA分子を提供する。
【0013】 さらにもう1つの態様において、本発明は、配列番号4、10または11の少
なくとも15アミノ酸の連続的アミノ酸配列を含む獲得耐性遺伝子ポリペプチド
をコードするDNA配列を提供する。
【0014】 さらにもう1つの態様において、本発明は、イネ(配列番号4)およびコムギ
(配列番号10および11)における獲得耐性を促進しうる新規タンパク質配列
を提供する。
【0015】 さらにもう1つの態様において、本発明は、該植物の獲得耐性を増強するのに
十分な量で配列番号1、5または6のヌクレオチド配列を植物に付与することに
よる、植物病原体の防除方法を開示する。
【0016】 本発明のもう1つの実施形態においては、種々の病原体に対する獲得耐性を促
進する核酸配列を含む植物細胞またはトランスジェニック植物、および同様に該
核酸配列を含むそのような植物からの種子または子孫を提供する。
【0017】 (図面の簡単な記載) 図1は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)およびニコチアナ・グル
チノサ(Nicotiana glutinosa)(Ausubelら,19
98)由来のNpr1双子葉植物ホモログに関する推定アミノ酸配列ならびにト
ウモロコシ(Corn)クローン700214872配列(配列番号17)のア
ライメントを示す。
【0018】 図2は、プラスミドpMON38201を示す。
【0019】 図3は、INAでの化学処理によるイネ(cv.M202)におけるARの誘
導、およびイネいもち病菌(マグナポルセ・グリセア(Magnaporthe
grisea))に対する防御を示す。図3aは、未処理対照葉の外観であり
、図3bは、0.5mM INAで処理された葉の外観である。どちらの葉も、
処理の3日後にマグナポルセ・グリセア(Magnaporthe grise
a)で攻撃し、7日後に評価(写真撮影)した。
【0020】 図4は、INA処理後およびイネいもち病菌(マグナポルセ・グリセア(Ma
gnaporthe grisea))での攻撃後の、ノーザンブロット分析に
よるイネNph1の誘導パターンを示す。
【0021】 図5は、INA処理後のコムギ(cv.TAM107)におけるARの誘導、
およびウドンコ病菌(エリシフェ・グラミニス(Erysiphe grami
nis)f spホルデイ(hordei))に対する防御を示す。5a)は、
低い倍率の模擬噴霧対照を示し、5b)は、より高い倍率の、より小さな選択領
域を示す。5c)は、200ppmのINAを噴霧した葉の一部の低い倍率の外
観を示し、5d)は、より高い倍率の、同じ葉の、より小さな領域を示す。
【0022】 図6は、INA処理後のコムギにおけるコムギNph2遺伝子発現の誘導プロ
フィールのノーザンブロット分析を示す。ノーザンブロットをトウモロコシES
T 700214872 Npr1ホモログでプローブした。各レーンに0.5
μgのコムギmRNAをローディングした。レーン1:時間「0」の植物;レー
ン2:24時間の時点のINA処理植物;レーン3:48時間の時点のINA処
理植物;レーン4:72時間の時点のINA処理植物;レーン5:96時間の時
点のINA処理植物。
【0023】 図7は、品種TAM107におけるコムギNph2の発生(developm
ental)発現パターンのノーザンブロット分析を示す。ノーザンブロットを
0.7kbのコムギNph2 PCR断片でプローブした。各レーンに15μg
のコムギ(cv.Bobwhite)mRNAをローディングした。レーン1:
根組織;レーン2:子葉鞘;レーン3:葉基;レーン4:葉断片1;レーン5:
葉断片2;レーン6:葉断片3;レーン7:葉断片4;レーン8:葉断片5(葉
の先端)。
【0024】 図8は、内因性イネ5’リーダー配列と共にイネNph1 cDNAを含有す
る、イネの形質転換のためのpMON30643バイナリープラスミドを示す。
該バイナリーコスミドベクターのT−DNA構造は、LB=左境界;RB=右境
界;P−e35S=カリフラワーモザイクウイルスの強化35Sプロモーター;
Kan=Tn5ネオマイシンホスホトランスフェラーゼIIのコード領域;No
s3’=ノパリンシンターゼ遺伝子の終結配列を含む。
【0025】 図9は、イネ5’リーダー配列を欠き該推定コード領域に対応するイネNph
1 cDNAを含有する、イネの形質転換のためのpMON30640バイナリ
ープラスミドを示す。
【0026】 図10は、使用する推定コード領域に対応するコムギNph2−1 cDNA
を含有する、イネの形質転換のためのpMON30637バイナリープラスミド
を示す。
【0027】 図11は、内因性イネ5’リーダー配列を含有するイネNph1 cDNAを
含有する、イネの粒子射撃形質転換に使用するpMON30645プラスミドを
示す。
【0028】 図12は、該推定コード領域に対応するコムギNph2−1 cDNAを含有
する、イネの粒子射撃形質転換に使用するpMON30644プラスミドを示す
【0029】 図13は、コムギNph2−1コード配列を含有する、コムギの形質転換のた
めのpMON30635プラスミドを示す。
【0030】 (配列表中の配列の簡単な説明) 配列番号1:推定コード領域のイネNph1 cDNA配列。 配列番号2:5’および3’UTRを含むイネNph1 cDNA完全長配列。 配列番号3:PCR増幅から回収されたイネNph1断片。 配列番号4:イネNph1推定タンパク質配列。 配列番号5:推定コード領域のコムギNph2−1 cDNA配列。 配列番号6:推定コード領域のコムギNph2−2 cDNA配列。 配列番号7:5’および3’UTRを含むコムギNph2−1 cDNA完全長
配列。 配列番号8:5’および3’UTRを含むコムギNph2−2 cDNA完全長
配列。 配列番号9:PCR増幅から回収されたコムギNph2断片。 配列番号10:コムギNph2−1推定タンパク質配列。 配列番号11:コムギNph2−2推定タンパク質配列。 配列番号12:ドメイン1:シロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr
1タンパク質(aa270−277)に対応する。 配列番号13:ドメイン2:シロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr
1タンパク質(aa501−507)に対応する。 配列番号14:単子葉植物熱増幅に使用するOB09プライマー。 配列番号15:単子葉植物熱増幅に使用するOB11プライマー。 配列番号16:トウモロコシクローン700214872のヌクレオチド配列。 配列番号17:トウモロコシクローン700214872の推定アミノ酸配列。 配列番号18:トウモロコシクローン700102819のヌクレオチド配列。 配列番号19:トウモロコシクローン700102819の推定アミノ酸配列。 配列番号20:トウモロコシコンティグCPR951.FLRのヌクレオチド配
列。 配列番号21:トウモロコシコンティグCPR951.FLRの推定アミノ酸配
列。 配列番号22:OB−01プライマー。 配列番号23:OB−02プライマー。 配列番号24:OB−18プライマー。 配列番号25:OB−19プライマー。 配列番号26:OB−28プライマー。 配列番号27:OB−29プライマー。 配列番号28:OB−38プライマー。 配列番号29:OB−39プライマー。 配列番号30:OB−61プライマー。 配列番号31:OB−62プライマー。 配列番号32:OB−63プライマー。 配列番号33:OB−64プライマー。 配列番号34:イネNco1プライマー。 配列番号35:NS−10プライマー。 配列番号36:抗体の産生に使用したトマトNpr1ホモログタンパク質配列。
【0031】 (発明の詳細な記載) 定義 以下の用語に与えられた範囲を含む本明細書および特許請求の範囲が明瞭に一
貫して理解されるよう、以下の定義を記載する。
【0032】 イネ由来の獲得耐性遺伝子(Npr1 homolog 1)は、以下、Np
h1(配列番号2)と称される。また、Nph1はNpo1(Npr1 hom
olog oryzae 1)と等価である。
【0033】 コムギ由来の獲得耐性遺伝子(Npr1 homolog 2)は、以下、N
ph2−1(配列番号7)およびNph2−2(配列番号8)と称される。また
、Nph2−1およびNph2−2は、それぞれNpw1およびNpw2(Np
r1 homolog wheat 1および2)と等価である。
【0034】 トウモロコシ由来の獲得耐性遺伝子の部分配列(配列番号20)は、Npc1
Npr1 homolog orn )と等価である。
【0035】 「獲得耐性」は、ある種の化合物(アクチベーター)で処理された又は不適合
性病原体で攻撃された植物における誘導可能な活性化防御メカニズムを意味する
。このように獲得された耐性は、広域スペクトルの種々の病原体による後続の感
染に対して植物を防御する。
【0036】 「抗原エピトープ」は、該抗原エピトープと反応性の抗体の産生をもたらす免
疫応答を惹起しうる分子、タンパク質または核酸の任意の分離したセグメントを
意味する。
【0037】 「コード配列」および「オープンリーディングフレーム」は、タンパク質、ポ
リペプチドまたはペプチド配列の連続した核酸トリプレットの領域を意味する。
【0038】 「耐病性」は、植物病原体にさらされた後、耐病性を示さない感受性植物の場
合より少数の疾患徴候を現す植物の能力を意味する。耐病性は、疾患に対する完
全な耐性、および徴候の減弱、より長い生存期間または他の疾患パラメーター(
例えば、より高い収量)として現れる種々の程度の耐性を含む。
【0039】 「相同(ホモログ)」は、配列同一性において70%以上であることである。
該プローブ配列に非常に密接に関連した配列の有意な相同性は、該プローブに6
8℃で一晩(少なくとも16時間)ハイブリダイズさせ、ストリンジェントな条
件(68℃、0.1×SSC/0.1% SDSでの最終洗浄)で洗浄した配列
に関するものである。50℃で2×SSC中の最終洗浄は、該プローブに対して
約75%の相同性を有する配列の同定を可能にする。しかし、ストリンジェンシ
ーと配列相同性との間の厳密な関係は、塩基組成、プローブの長さ、および相同
領域の長さに左右される(HamesおよびHiggins,1985)。好ま
しくは、該ハイブリダイゼーション条件は、TM値が35℃〜45℃であるハイ
ブリダイゼーションを意味する。最も好ましくは、有意な相同性は、ストリンジ
ェントな条件下で参照配列にハイブリダイズするDNA配列に関するものである
【0040】 「ハイブリダイゼーション」は、塩基の対合を介して相補鎖と結合する核酸鎖
の能力を意味する。ハイブリダイゼーションは、それらの2つの核酸鎖中の相補
的配列が互いに結合する際に生じる。
【0041】 「過敏性反応」(HR)は、病原体に対する1つの植物防御である。それは、
活性化酸素種の生成、抗微生物性化合物の産生および宿主細胞壁の強化と相関す
る感染部位付近の急速な細胞壊死を含む。与えられた宿主上でHRを惹起する病
原体は、その宿主に対して無毒性であり、該宿主は耐性であり、該植物−病原体
相互作用は不適合性である。
【0042】 「同一」なヌクレオチドまたはタンパク質配列は、デフォルトパラメーターを
使用してGCG(Genetics Computer Group,Inc.
,Madison,WI)からのBestFitまたはGAPなどのプログラム
を使用して判定される。
【0043】 「核酸」は、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を意味す
る。
【0044】 「植物」は、本明細書においては広義に用いられ、分化した植物、および適当
な条件下で成熟植物に発生しうる未分化の植物体、例えば、プロトプラスト、植
物細胞、種子、小植物など、それらの子孫、およびそれらの一部、例えば、挿木
およびそのような植物の果実を意味する。
【0045】 「表現型」は、遺伝子型と環境との相互作用から生じた生物により示される形
質を意味する。
【0046】 「ポリアデニル化シグナル」または「ポリAシグナル」は、コード領域から転
写されたmRNAの3’末端へのアデニル酸ヌクレオチドの付加を促進する、該
コード領域の3’側に位置する核酸配列を意味する。
【0047】 「プロモーター」または「プロモーター領域」は、RNAポリメラーゼの認識
部位を又は正しい部位における転写の開始に必要な他の因子を提供することによ
りメッセンジャーRNA(mRNA)の産生を制御することによりコード配列の
発現を制御する、通常はコード配列の上流(5’側)に見出される核酸配列を意
味する。
【0048】 「組換え核酸ベクター」は、ゲノムへの組込み又は自律的複製が可能な、任意
の起源に由来するプラスミド、コスミド、ウイルス、自律的に複製する配列、フ
ァージ、または直鎖状もしくは環状の一本鎖もしくは二本鎖のDNAもしくはR
NAヌクレオチドセグメントなどの任意の因子を意味し、それは、機能的に作動
的な様態で1以上の核酸配列が連結した核酸分子を含む。そのような組換え核酸
構築物またはベクターは、5’調節配列またはプロモーター領域、および選択さ
れた遺伝子産物のDNA配列を、該DNA配列が機能的mRNAに転写され次い
でポリペプチドまたはタンパク質に翻訳される様態で、細胞内に導入しうる。組
換え核酸構築物または組換えベクターは、関心のある特定のRNAの翻訳を抑制
するためにアンチセンスRNAを発現しうるように構築することができる。
【0049】 「再生」は、植物を植物細胞(例えば、植物プロトプラストまたは外植片)か
ら成長させる過程を意味する。
【0050】 「耐性遺伝子」は、最終的にいずれかの病原体または昆虫に対する植物防御応
答を該植物とその特定の病原体または昆虫との接触時に導くシグナル伝達経路の
誘導に直接的または間接的に関与するタンパク質をコードする核酸単離体である
。耐性遺伝子産物は、エリシターと称される病原体シグナル分子に応答して活性
化される。
【0051】 「選択マーカー」は、発現されると、該核酸配列を含有する細胞の同定を容易
にする表現型を付与する核酸配列を意味する。選択マーカーは、毒性化学物質に
対する耐性(例えば、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性、グリフォセート耐
性)を付与するもの、栄養欠損(例えば、ウラシル、ヒスチジン、ロイシン)を
相補するもの、または視覚的に区別される特性(例えば、変色または蛍光)を付
与するものを含む。
【0052】 「構造遺伝子」は、あるポリペプチドを産生するよう発現される遺伝子を意味
する。
【0053】 「構造コード配列」は、該構造コード配列がメッセンジャーRNA(mRNA
)に転写され次いで該mRNAが所望のペプチド、ポリペプチドまたはタンパク
質産物に翻訳された後に細胞により産生されるペプチド、ポリペプチドまたはタ
ンパク質をコードするDNA配列を意味する。
【0054】 「転写」は、DNA鋳型からRNAコピーを産生する過程を意味する。
【0055】 「形質転換」は、外因性核酸配列(例えば、ベクター、組換え核酸分子)を、
その外因性核酸が染色体内に組込まれる又は自律的に複製されうる細胞またはプ
ロトプラスト内に導入する過程を意味する。
【0056】 「トランスジェニック」は、外因性核酸配列が組込まれた生物に関するもので
ある。
【0057】 「ベクター」は、外因性DNAを宿主生物内に運搬するプラスミド、コスミド
、バクテリオファージまたはウイルスを意味する。
【0058】 本発明は、植物における獲得耐性遺伝子、およびその使用方法に関する。特に
、本発明は、植物における獲得耐性遺伝子を活性化する遺伝子をコードする新規
核酸配列、獲得耐性遺伝子を含有する形質転換宿主細胞およびトランスジェニッ
ク植物、ならびに植物における病原体に対する耐性を付与するための使用方法を
開示する。また、該形質転換宿主細胞およびトランスジェニック植物の製造方法
も開示する。
【0059】 核酸配列 本発明はまた、配列番号1に対して少なくとも約70%、より好ましくは、配
列番号1に対して少なくとも約75%、80%、85%、90%または95%同
一である、最も好ましくは配列番号1である核酸配列を含む核酸配列に関する。
【0060】 あるいは、該核酸配列は、好ましくは、配列番号5に対して少なくとも約70
%同一である、より好ましくは、配列番号5に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一である、最も好ましくは、配列番号5であ
る。
【0061】 あるいは、該核酸配列は、好ましくは、配列番号6に対して少なくとも約70
%同一である、より好ましくは、配列番号6に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一である、最も好ましくは、配列番号6であ
る。
【0062】 該構造核酸配列は、種々の種の植物、動物、細菌および真菌から得る(すなわ
ち、クローン化または単離する)ことができ、本発明において使用することがで
きる。好ましくは、該構造核酸配列は、植物、真菌または細菌由来である、また
は化学的に合成されたものである。
【0063】 核酸のハイブリダイゼーション 該核酸配列は更に、それが相補的配列にハイブリダイズする能力により同定す
ることができる。核酸のハイブリダイゼーションは、DNA操作の当業者によく
知られた技術である。与えられた核酸対のハイブリダイゼーション特性は、それ
らの類似性または同一性の指標となる。
【0064】 標的配列に対して、より低い配列同一性を有する配列を選択するためには、低
いストリンジェンシーの条件を用いることができる。約20℃〜約55℃の範囲
の温度で約0.15M〜約0.9M塩化ナトリウムなどの条件を用いることが望
ましいかもしれない。
【0065】 開示されている配列に対して、より高い同一性を有する配列を選択するために
は、高いストリンジェンシーの条件を用いることができる(Sambrookら
,1989)。
【0066】 該高ストリンジェンシー条件は、典型的には、約50℃〜約70℃で数時間〜
一晩のインキュベーションによる、約2×〜約10×SSC(蒸留水中に3M塩
化ナトリウムおよび0.3Mクエン酸ナトリウム(pH7.0)を含有する20
×SSCストックから希釈されたもの)、2.5×〜約5×デンハルト液(蒸留
水中に1%(w/v)ウシ血清アルブミン、1%(w/v)フィコールおよび1
%(w/v)ポリビニルピロリドンを含有する50×ストック溶液から希釈され
たもの)、約10mg/mL〜約100mg/mL魚類精子DNAおよび約0.
02%(w/v)〜約0.1%(w/v)SDS中の核酸ハイブリダイゼーショ
ンを含む。該高ストリンジェンシー条件は、好ましくは、55℃で数時間のイン
キュベーションによる、6×SSC、5×デンハルト液、100mg/mL魚類
精子DNAおよび0.1%(w/v)SDSにより提供される。
【0067】 一般には、該ハイブリダイゼーション後に、いくつかの洗浄工程を行なう。該
洗浄組成物は、一般には、約20℃〜約70℃での15分間のインキュベーショ
ンに付される0.5×〜約10×SSC、および0.01%(w/v)〜約0.
5%(w/v)SDSを含む。好ましくは、該核酸セグメントは、65℃で0.
1×SSC中で少なくとも1回洗浄した後にもハイブリダイズしたままである。
【0068】 該核酸配列は、好ましくは、低い又は高いストリンジェンシーの条件下で配列
番号1またはその相補体にハイブリダイズする。あるいは、該核酸配列は、好ま
しくは、低い又は高いストリンジェンシーの条件下で配列番号5またはその相補
体にハイブリダイズする。あるいは、該核酸配列は、好ましくは、低い又は高い
ストリンジェンシーの条件下で配列番号6またはその相補体にハイブリダイズす
る。
【0069】 タンパク質配列 本発明は、好ましくは、配列番号4に対して少なくとも約70%、より好まし
くは、配列番号4に対して少なくとも約75%、80%、85%、90%または
95%同一である、最も好ましくは配列番号4であるタンパク質配列に関する。
【0070】 あるいは、該タンパク質配列は、好ましくは、配列番号10に対して少なくと
も約70%、より好ましくは、配列番号10に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一である、最も好ましくは配列番号10であ
る。
【0071】 あるいは、該タンパク質配列は、好ましくは、配列番号11に対して少なくと
も約70%、より好ましくは、配列番号11に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一である、最も好ましくは配列番号11であ
る。
【0072】 配列番号4、10または11のタンパク質の研究および適用を更に補助するた
めに、抗体を製造することができる。これらの抗体は、抗原エピトープを提供す
るタンパク質の任意の部分に対して産生させることができる。該抗体はポリクロ
ーナルまたはモノクローナルでありうる。そのような抗体は、好ましくは、配列
番号4、10または11と免疫反応性である。
【0073】 配列番号4、10または11に対して少なくとも約70%〜100%同一であ
るタンパク質は、好ましくは、そのような抗体と反応性である。
【0074】 該抗体は、ELISA、ラジオイムノアッセイ、免疫ブロット、ウエスタンブ
ロット、免疫蛍光、免疫沈降または適当な他の任意の技術により配列番号4、1
0または11の存在を検出するために使用することができる。さらに、配列番号
4、10または11を検出するために前記の抗体を使用するこれらの技術の1以
上を含むキットを設計することができる。
【0075】 コドン使用頻度 遺伝暗号の縮重のため、ある特定のアミノ酸に対して、種々のヌクレオチドコ
ドンが用いられうる。宿主細胞は、しばしば、コドン使用頻度の好ましいパター
ンを示す(Campbellら,1990)。核酸配列は、好ましくは、その特
定の宿主細胞のコドン使用頻度パターンを利用するよう構築する。これは、一般
には、形質転換宿主細胞における該核酸配列の発現を増強する。本明細書に開示
する核酸配列は、好ましくは、細菌、真菌および植物宿主細胞に関する最適なコ
ドン使用頻度を利用する。
【0076】 獲得耐性に関するタンパク質をコードする核酸配列の修飾 獲得耐性タンパク質をコードする核酸配列における変異は、本明細書に開示す
る配列と比較して同等または優れた獲得耐性特性を示す突然変異獲得耐性タンパ
ク質配列を与えうる。突然変異は、欠失、挿入、トランケート化、置換、融合、
サブユニット配列のシャフリングなどを含む。
【0077】 核酸配列に対する突然変異は、特異的またはランダムに導入することができ、
それらのどちらの方法も、分子生物学の当業者によく知られている。典型的には
、核酸配列内の特定の位置に突然変異を導入するためにオリゴヌクレオチドを使
用する無数の部位特異的突然変異誘発技術が存在する。具体例には、一本鎖レス
キュー(Kunkel,1985)、ユニーク部位の除去(DengおよびNi
ckloff,1992)、ニック保護(Vandeyarら,1988)およ
びPCR(Costaら,1996)が含まれる。ランダムまたは非特異的突然
変異は、ニトロソグアニジン(Cerda−Olmedoら,1968;Gue
rolaら,1971)、2−アミノプリン(RoganおよびBessman
,1970)などの化学物質により(一般的総説としては、Singerおよび
Kusmierek,1982を参照されたい)または突然変異誘発株による継
代(Greenerら,1997)などの生物学的方法により作製することがで
きる。
【0078】 該修飾は、該アミノ酸配列内の保存的または非保存的変化をもたらしうる。保
存的変化は、該タンパク質の最終的なアミノ酸配列を改変しない該核酸配列内の
付加、欠失、置換などから生じる。非保存的変化は、アミノ酸配列の改変をもた
らす付加、欠失および置換を含む。
【0079】 前記の改変を行なうための追加的な方法は、Ausubelら(1995);
Bauerら(1985);Craik(1985);Frits Eckst
einら(1982);Sambrookら(1989);Smithら(19
81);Osunaら(1994);およびWalderら(1986)に記載
されている。
【0080】 修飾および変化は、本発明のタンパク質、およびそれをコードし、所望の耐性
特性を有するタンパク質をコードする機能的分子を尚も与える核酸セグメントの
配列内に施すことができる。以下は、等価体または恐らくは改善された2世代分
子を作製するためのタンパク質のアミノ酸配列の変化に基づく考察である。アミ
ノ酸の変化は、当技術分野で公知の標準的なコドン表に従い該核酸配列のコドン
を変化させることにより達成されうる。
【0081】 タンパク質配列内のアミノ酸は、容易に認識される酵素活性の喪失を伴うこと
なく、ある種の他のアミノ酸で置換することができる。したがって、開示されて
いるタンパク質配列のペプチド配列またはそれらの対応する核酸配列内に、容易
に認識される生物活性の喪失を伴うことなく、種々の変化を施すことができると
意図される。
【0082】 そのような変化を施す場合には、アミノ酸の疎水親水指数を考慮することがで
きる。あるタンパク質に相互作用性生物学的機能を付与する際の疎水親水アミノ
酸指数の重要性は、当技術分野において一般に理解されている(Kyteおよび
Doolittle,1982)。アミノ酸の相対疎水親水特性は、得られるタ
ンパク質の二次構造に寄与し、そしてそれは該タンパク質と他の分子(例えば、
酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原など)との相互作用を決定すると一般
に認められている。
【0083】 各アミノ酸に、その疎水性および荷電特性に基づき疎水親水指数(hydro
pathic index)が割り当てられている。これらは、イソロイシン(
+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(
+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);ア
ラニン(+1.8);グリシン(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン
(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン
(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸/グルタミン/アスパラ
ギン酸/アスパラギン(−3.5);リシン(−3.9);およびアルギニン(
−4.5)である。
【0084】 ある種のアミノ酸は、類似した疎水親水指数または数値を有する他のアミノ酸
で置換されても、類似した生物活性を有するタンパク質を尚も与えうる、すなわ
ち、生物学的に機能的なタンパク質を尚も与えうることが、当技術分野において
公知である。そのような変化を施す際には、疎水親水指数が±2以内のアミノ酸
の置換が好ましく、±1以内のものがより好ましく、±0.5以内のものが最も
好ましい。
【0085】 また、類似したアミノ酸の置換は、親水性に基づいて有効に行われると、当技
術分野において理解されている。米国特許第4,554,101号(Hopp,
T.P.,1985年11月19日付け発行)は、隣接アミノ酸の親水性により
支配される、タンパク質の最大局所平均親水性が、該タンパク質の生物学的特性
と相関すると記載している。以下の親水性の数値が、アミノ酸に割り当てられて
いる:アルギニン/リシン(+3.0);アスパラギン酸/グルタミン酸(+3
.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン/グルタミン(+0.2);グ
リシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン
/ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3)
;バリン(−1.5);ロイシン/イソロイシン(−1.8);チロシン(−2
.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。
【0086】 アミノ酸は、類似した親水性の数値を有する別のアミノ酸で置換されても、類
似した生物活性を有するタンパク質を尚も与えうる、すなわち、生物学的に機能
的なタンパク質を尚も与えうると理解される。そのような変化を施す際には、疎
水親水指数が±2以内のアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のものがより好ま
しく、±0.5以内のものが最も好ましい。
【0087】 したがって、前記で大まかに説明したとおり、アミノ酸の置換は、アミノ酸側
鎖置換基の相対類似性、例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、サイズなどに
基づく。前記の種々の特性を考慮した典型的な置換が当業者によく知られており
、それらには、アルギニンおよびリシン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;
セリンおよびトレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロ
イシンおよびイソロイシンが含まれる。有利とは予想されない変化もまた、これ
らが機能的獲得耐性タンパク質を与える場合には利用されうる。
【0088】 組換えベクター 組換えベクターを製造するためには、前記の任意の構造核酸配列を使用するこ
とができる。該組換えベクターは、典型的には、5’から3’の配向で、構造核
酸配列の転写を指令するプロモーター、構造核酸配列、3’転写ターミネーター
および3’ポリアデニル化シグナルを含む。該組換えベクターは更に、非翻訳配
列、輸送およびターゲッティング配列、選択マーカー、エンハンサーまたはオペ
レーターを含みうる。
【0089】 組換えベクターを製造するための手段は当技術分野においてよく知られている
。植物の形質転換に特に適した組換えベクターの製造方法は、米国特許第4,9
71,908号、第4,940,835号、第4,769,061号および第4
,757,011号に記載されている。これらのタイプのベクターは、Rodr
iguezら,1988、Glickら,1993にも概説されている。
【0090】 高等植物内での核酸の発現に有用な典型的なベクターは、当技術分野において
よく知られており、それらには、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Ag
robacterium tumefaciens)の腫瘍誘発性(Ti)プラ
スミド由来のベクター(Rogersら,1987)が含まれる。pCaMVC
N導入対照ベクターを含む、植物の形質転換に有用な他の組換えベクターも記載
されている(Frommら,1985)。
【0091】 プロモーター 適当なプロモーターの選択は、それを使用することになる宿主細胞のタイプに
左右される。細菌、酵母および植物において機能するプロモーターはすべて、当
技術分野において十分に教示されている。
【0092】 また、該プロモーターは、それが与える転写調節に基づいて選択することがで
きる。そのような調節には、転写活性の増強、誘導能、組織特異性および発生段
階特異性が含まれうる。植物に関しては、ウイルスまたは合成由来であり、構成
的に活性であり、時間的に調節され空間的に調節される誘導可能なプロモーター
が記載されている(Poszkowskiら,1989;Odellら,198
5;Chauら,1989)。
【0093】 しばしば使用される構成的プロモーターには、CaMV 35Sプロモーター
(Odell,1985)、強化CaMV 35Sプロモーター、ゴマノハグサ
モザイクウイルス(Figwort Mosaic Virus)(FMV)プ
ロモーター(Richinsら,1987)、強化FMVプロモーター、マノピ
ンシンターゼ(mas)プロモーター、ノパリンシンターゼ(nos)プロモー
ターおよびオクトピンシンターゼ(ocs)プロモーターが含まれる。
【0094】 有用な誘導性プロモーターには、サリチル酸またはポリアクリル酸(PR−1
,Williamsら,1992)、またはSA類似体、例えば2,6−ジクロ
ロイソニコチン酸(INA)もしくはベンゾ(1,2,3)チオジアゾール−7
−カルボチオ酸S−メチルエステル(BTH)(Gorlachら,1996;
Kessmanら,1994)により誘導されるプロモーター、毒性緩和剤(置
換ベンゼンスルホンアミド除草剤、HersheyおよびStoner,199
1)の適用により誘導されるプロモーター、熱ショックプロモーター(Ou−L
ee,1986;Ainleyら,1990)、ホウレンソウ硝酸レダクターゼ
配列由来の硝酸誘導性プロモーター(Backら,1991)、ホルモン誘導性
プロモーター(Yamaguchi−Shinozakiら,1990;Kar
esら,1990)、WCI−3プロモーター、ならびにLHCPファミリーお
よびRuBPカルボキシラーゼの小サブユニットに伴う光誘導性プロモーター(
Kuhlemeierら,1989;Feinbaumら,1991;Weis
shaarら,1991;LamおよびChuaら,1990;Castres
anaら,1988;Schulze−Lefertら,1989)が含まれる
【0095】 組織特異的であり発生的に調節される有用なプロモーターの具体例には、β−
コングリシニン7Sプロモーター(Doyleら,1986;Slighton
およびBeachy,1987)、および種子特異的プロモーター(Knutz
onら,1992;Bustosら,1991;LamおよびChua,199
1;Staytonら,1991)が含まれる。種子プラスチドにおける優先的
発現に有用な植物機能的プロモーターには、植物貯蔵タンパク質に由来するもの
、または脂肪種子における脂肪酸生合成に関与するタンパク質に由来するものが
含まれる。そのようなプロモーターの具体例には、ナピンなどの配列からの5’
調節領域(Kridlら,1991)、ファゼオリン、ゼイン、ダイズトリプシ
ンインヒビター、ACP、ステアロイル−ACPデサチュラーゼおよびオレオシ
ン(oleosin)が含まれる。種子特異的調節は、EP 0 255 37
8で考察されている。
【0096】 また、適当なプロモーターは、病原体の感染に対する植物防御応答中に誘導さ
れうる。典型的には、病原体の感染は、該感染植物による多数の感染特異的(P
R)タンパク質の誘導を誘発する(Bowles,1990;Bolら,199
0;Gorlachら,1996;Linthorst,1991)。そのよう
なPR配列は、フェニルプロパノイド代謝に関与する酵素(例えば、フェニルア
ラニンアンモニアリアーゼ、カルコンシンターゼ)、植物細胞壁を修飾するタン
パク質(例えば、ヒドロキシプロリンに富む糖タンパク質、グリシンに富むタン
パク質、ペルオキシダーゼ)、真菌細胞壁を分解する酵素(例えば、キチナーゼ
、グルカナーゼ)、タウマチン様タンパク質、リポキシゲナーゼ、システインプ
ロテアーゼ、または未知機能を有するタンパク質をコードしうる。遺伝子Pir
7b(Waspiら,1998)、Rir1a(Mauchら,1998)、R
ir1b(Mauchら,1998)およびWIR1a(Bullら,1992
)由来のプロモーターは、本発明において有用でありうる。
【0097】 これらのPR配列のプロモーターは入手可能であり、本発明において使用する
ことが可能である。これらのPRプロモーターの単離は、ジャガイモ植物(Fr
itzemeierら,1987;Cuypersら,1988;Logema
nnら,1989;Mattonら,1989;Schroderら,1992
)、タバコ植物(Martiniら,1993)およびアスパラガス植物(Wa
rnerら,1994)からのものが報告されている。
【0098】 転写活性を増強するために(Comai,L.およびMoran,P.M.,
1992年4月21日付け発行の米国特許第5,106,739号)または所望
の転写活性と組織特異性とを組合せるために、プロモーターハイブリッドも構築
することができる。
【0099】 本発明において特に有用なプロモーターには、アグロバクテリウム・ツメファ
シエンス(Agrobacterium tumefaciens)の腫瘍誘発
性プラスミド上に保持されているノパリンシンターゼ(nos)、マンノピンシ
ンターゼ(mas)およびオクトピンシンターゼ(ocs)プロモーター;カリ
フラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sおよび35Sプロモーター;強化
CaMV 35Sプロモーター;ゴマノハグサモザイクウイルス(FMV)35
Sプロモーター;強化FMV 35Sプロモーター;リブロース−1,5−ビス
リン酸カルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO)由来の光誘導
性プロモーター;タバコ由来のEIF−4Aプロモーター(Mandelら,1
995);4ASIプロモーター;RB7プロモーター;シロイヌナズナ(Ar
abidopsis)由来のAtEF1プロモーター;hsp90プロモーター
;トウモロコシショ糖シンターゼ1(YangおよびRussell,1990
);トウモロコシアルコールデヒドロゲナーゼ1(Vogelら,1989);
トウモロコシ集光性複合体(Simpson,1986);トウモロコシ熱ショ
ックタンパク質(Odellら,1985);シロイヌナズナ(Arabido
psis)由来のキチナーゼプロモーター(Samacら,1991);ブロッ
コリー由来のLTP(脂質輸送タンパク質(Lipid Transfer P
rotein))プロモーター(Pyeeら,1995);ペチュニアカルコン
イソメラーゼ(Van Tunenら,1988);ビーングリシンリッチタン
パク質1(Kellerら,1989);ジャガイモパタチン(patatin
)(Wenzlerら,1989);トウモロコシ由来のユビキチンプロモータ
ー(Christensenら,1992);hsp90プロモーター(Mar
rsら,1993;Yabeら,1994);サトウキビバドナウイルスプロモ
ーター;イネRC2プロモーター;およびイネ由来のアクチンプロモター(Mc
Elroyら,1990)が含まれる。これらのすべてのプロモーターは、植物
において発現されている種々のタイプのDNA構築物を作製するために使用され
ている。これに関しては、例えば、米国特許第5,034,322号を参照され
たい。
【0100】 構造核酸配列 該構造核酸配列は、好ましくは、配列番号4に対して少なくとも約70%同一
であるタンパク質をコードし、より好ましくは、配列番号4に対して少なくとも
約75%、80%、85%、90%または95%同一であるタンパク質をコード
し、最も好ましくは、配列番号4をコードする。
【0101】 あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、配列番号10に対して少なくとも
約70%同一であるタンパク質をコードし、より好ましくは、配列番号10に対
して少なくとも約75%、80%、85%、90%または95%同一であるタン
パク質をコードし、最も好ましくは、配列番号10をコードする。
【0102】 あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、配列番号11に対して少なくとも
約70%同一であるタンパク質をコードし、より好ましくは、配列番号11に対
して少なくとも約75%、80%、85%、90%または95%同一であるタン
パク質をコードし、最も好ましくは、配列番号11をコードする。
【0103】 あるいは、該核酸配列は、好ましくは、配列番号1に対して少なくとも約70
%同一であり、より好ましくは、配列番号1に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一であり、最も好ましくは配列番号1である
【0104】 あるいは、該核酸配列は、好ましくは、配列番号5に対して少なくとも約70
%同一であり、より好ましくは、配列番号5に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一であり、最も好ましくは配列番号5である
【0105】 あるいは、該核酸配列は、好ましくは、配列番号6に対して少なくとも約70
%同一であり、より好ましくは、配列番号6に対して少なくとも約75%、80
%、85%、90%または95%同一であり、最も好ましくは配列番号6である
【0106】 該構造核酸配列は更に、それが相補的配列にハイブリダイズする能力により同
定することができる。核酸のハイブリダイゼーションのための種々の条件が、当
技術分野において十分に教示されている(Sambrookら,1989;Au
subelら,1995)。該構造核酸配列は、好ましくは、低い又は高いスト
リンジェンシーの条件下、配列番号1またはその相補体にハイブリダイズする。
あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、低い又は高いストリンジェンシーの
条件下、配列番号5またはその相補体にハイブリダイズする。あるいは、該構造
核酸配列は、好ましくは、低い又は高いストリンジェンシーの条件下、配列番号
6またはその相補体にハイブリダイズする。
【0107】 該組換えベクターは更に、輸送ペプチドをコードする核酸配列を含みうる。こ
のペプチドは、細胞外腔または該細胞の内部または外部の何らかの他の区画へタ
ンパク質を導くのに有用でありうる。
【0108】 該構造核酸配列は、種々の種の植物、動物、細菌および真菌から得る(すなわ
ち、クローン化または単離する)ことができ、本発明において使用することがで
きる。好ましくは、該構造核酸配列は、植物、真菌または細菌由来であるか又は
化学合成されたものである。
【0109】 該組換えベクターの他の要素 3’非翻訳領域は、典型的には、転写終結シグナルと、該mRNAの3’末端
へのアデニル酸ヌクレオチドの付加を引き起こすように植物において機能するポ
リアデニル化シグナルとを提供する。これらは、ノパリンシンターゼ(nos)
コード配列、ダイズ7S貯蔵タンパク質コード配列およびエンドウssRUBI
SCO E9コード配列の3’領域から又はアグロバクテリウム(Agroba
cterium)腫瘍誘導性(Ti)プラスミド(Fischhoffら,米国
特許第5,500,365号)から得ることができる。
【0110】 該組換えベクターは更に、選択マーカーを含みうる。該選択マーカーとして働
く核酸配列は、ある細胞において、該マーカーを含有しない細胞から該細胞を同
定するのを促進する細胞内表現型を与えるように機能する。有用な選択マーカー
には、GUS、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、ネオマイシンホスホトラン
スフェラーゼII(nptII)、ルシフェラーゼ(LUX)、クロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、抗生物質耐性配列および除草剤
(例えば、グリフォセート)耐性配列が含まれる。該選択マーカーは、好ましく
は、カナマイシン、ハイグロマイシンまたは除草剤耐性マーカーである。
【0111】 典型的には、ポリアデニル化部位の数百塩基対下流に位置する核酸配列が、転
写を終結させるように働く。これらの領域は、転写されたmRNAの効率的なポ
リアデニル化に要求される。
【0112】 翻訳エンハンサーはまた、該組換えベクターの一部として組込まれうる。した
がって、該組換えベクターは、好ましくは、該核酸配列の発現を増強するように
働く1以上の5’非翻訳リーダー配列を含有しうる。そのようなエンハンサー配
列は、得られたmRNAの翻訳効率を増強または改変するために望ましいかもし
れない。
【0113】 プローブおよびプライマー 相補的核酸配列に特異的にハイブリダイズしうる短い核酸配列を製造し本発明
において使用することができる。これらの短い核酸分子は、与えられたサンプル
中の相補的配列の存在を同定するためのプローブとして使用することができる。
したがって、ある特定の核酸配列の小さな部分に相補的な核酸プローブを構築す
ることにより、その配列の存在を評価することができる。これらのプローブの使
用は、ある特定の核酸配列(例えば、獲得耐性遺伝子をコードする核酸配列)を
含有するトランスジェニック植物の同定を著しく促進しうる。該プローブはまた
、獲得耐性遺伝子をコードする追加的な配列に関してcDNAまたはゲノムライ
ブラリーをスクリーニングするために使用することができる。
【0114】 あるいは、その短い核酸配列を、PCR技術を用いて相補的核酸配列を増幅ま
たは突然変異させるためのオリゴヌクレオチドプライマーとして使用することが
できる。これらのプライマーはまた、関連相補的配列(例えば、他の種からの関
連核酸配列)の増幅を促進しうる。
【0115】 該プライマーまたはプローブは、一般には、同定し又は増幅し又は突然変異さ
せようとする核酸配列の一部に相補的である。該プライマーまたはプローブは、
その相補体と安定かつ配列特異的な二本鎖分子を形成するのに十分な長さを有す
るべきである。該プライマーまたはプローブは、好ましくは、約10〜約200
ヌクレオチド長、より好ましくは、約10〜約100ヌクレオチド長、より一層
好ましくは、約10〜約50ヌクレオチド長、最も好ましくは、約14〜約30
ヌクレオチド長である。
【0116】 該プライマーまたはプローブは、直接的化学合成により、またはPCRにより
(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号)、またはよ
り大きな核酸分子から該核酸特異的断片を切り出すことにより製造することがで
きる。
【0117】 トランスジェニック植物および形質転換宿主細胞 本発明はまた、5’から3’の配向で、構造核酸配列の転写を指令するプロモ
ーター、構造核酸配列、3’転写ターミネーターおよび3’ポリアデニル化シグ
ナルを含むトランスジェニック植物および形質転換宿主細胞に関する。
【0118】 該プロモーターは、種子選択的、組織選択的、構成的または誘導性でありうる
。そのようなプロモーターには、ノパリンシンターゼ(NOS)、オクトピンシ
ンターゼ(OCS)、マンノピンシンターゼ(mas)、カリフラワーモザイク
ウイルス19Sおよび35S(CaMV19S,CaM35S)、強化CaMV
(eCaMV)、リブロース1,5−ビスリン酸カルボキシラーゼ(ssRUB
ISCO)、ゴマノハグサモザイクウイルス(FMV)、強化FMV、CaMV
由来AS4、タバコRB7、タバコEIF−4、レクチンタンパク質(Le1)
、4ASI、RB7、シロイヌナズナ(Arabidopsis)AtEF1、
hsp90、イネRC2プロモーター、ならびにサトウキビバドナウイルスプロ
モーターが含まれる。
【0119】 該構造核酸配列は、配列番号4に対して少なくとも約70%同一であるタンパ
ク質をコードし、より好ましくは、配列番号4に対して少なくとも約75%、8
0%、85%、90%または95%同一であるタンパク質をコードし、最も好ま
しくは、配列番号4をコードする。
【0120】 あるいは、該構造核酸配列は、配列番号10に対して少なくとも約70%同一
であるタンパク質をコードし、より好ましくは、配列番号10に対して少なくと
も約75%、80%、85%、90%または95%同一であるタンパク質をコー
ドし、最も好ましくは、配列番号10をコードする。
【0121】 あるいは、該構造核酸配列は、配列番号11に対して少なくとも約70%同一
であるタンパク質をコードし、より好ましくは、配列番号11に対して少なくと
も約75%、80%、85%、90%または95%同一であるタンパク質をコー
ドし、最も好ましくは、配列番号11をコードする。
【0122】 あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、配列番号1に対して少なくとも約
70%同一であり、より好ましくは、配列番号1に対して少なくとも約75%、
80%、85%、90%または95%同一であり、最も好ましくは配列番号1で
ある。
【0123】 あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、配列番号5に対して少なくとも約
70%同一であり、より好ましくは、配列番号5に対して少なくとも約75%、
80%、85%、90%または95%同一であり、最も好ましくは配列番号5で
ある。
【0124】 あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、配列番号6に対して少なくとも約
70%同一であり、より好ましくは、配列番号6に対して少なくとも約75%、
80%、85%、90%または95%同一であり、最も好ましくは配列番号6で
ある。
【0125】 該構造核酸配列は更に、それが相補的配列にハイブリダイズする能力により同
定することができる。核酸のハイブリダイゼーションのための種々の条件が、当
技術分野において十分に教示されている(Sambrookら,1989;Au
subelら,1995)。該構造核酸配列は、好ましくは、低い又は高いスト
リンジェンシーの条件下、配列番号1またはその相補体にハイブリダイズする。
あるいは、該構造核酸配列は、好ましくは、低い又は高いストリンジェンシーの
条件下、配列番号5またはその相補体にハイブリダイズする。あるいは、該構造
核酸配列は、好ましくは、低い又は高いストリンジェンシーの条件下、配列番号
6またはその相補体にハイブリダイズする。
【0126】 該形質転換宿主細胞は、一般には、本発明に適した任意の細胞でありうる。該
形質転換宿主細胞は、好ましくは、原核細胞、例えば細菌細胞、より好ましくは
、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、アルスロバクター(A
rthrobacter)、アゾスピリルム(Azospyrillum)、ク
ラビバクター(Clavibacter)、エシェリキア(Escherich
ia)、シュードモナス(Pseudomonas)またはリゾバクテリウム(
Rhizobacterium)細胞である。該形質転換宿主細胞は、好ましく
は、真核細胞であり、より好ましくは、植物、酵母または真菌細胞である。酵母
細胞を形質転換のために選択する場合には、それは、好ましくは、サッカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)またはピチア・パストリス(Pichia pastoris)である。植
物細胞を形質転換のために選択する場合には、それは、形質転換されうる任意の
タイプのものでありうる。好ましくは、それは、作物栽培学的、園芸的、観賞的
、経済的または商業的価値を有するもの、より好ましくは、アカシア、アルファ
ルファ、アネス(aneth)、リンゴ、アプリコット、アーティチョーク、キ
バナスズシロ、アスパラガス、アボガド、バナナ、オオムギ、豆、ビート、クロ
イチゴ、ブルーベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カノラ、カンタ
ルーペ、ニンジン、キャッサバ、ヒマ、カリフラワー、セロリ、サクランボ、チ
コリ、コリアンダー、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、ココナッツ、コー
ヒー、トウモロコシ、綿、キュウリ、ベイマツ、ナス、エンダイブ、キクヂシャ
、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、ニンニク、ヒョウタン、ブドウ、グレープ
フルーツ、ハネーデューメロン、クズイモ、キーウィフルーツ、レタス、リーキ
、レモン、ライム、テーダマツ、アマの種子、マンゴー、メロン、キノコ、ネク
タリン、ナッツ、オートムギ、ギネアアブラヤシ、アブラナ、オクラ、オリーブ
、タマネギ、オレンジ、観賞植物、ヤシ、パパヤ、パセリ、パースニップ、エン
ドウ、モモ、ラッカセイ、セイヨウナシ、コショウ、カキ、マツ、パイナップル
、プランテーン、プラム、ザクロ、ポプラ、ジャガイモ、カボチャ、マルメロ、
ラジアータパイン(radiata pine)、ラディッキオ(radicc
hio)、ダイコン、セイヨウアブラナ、ラズベリー、イネ、ライムギ、モロコ
シ、サザンパイン(Southern pine)、ダイズ、ホウレンソウ、カ
ボチャ、イチゴ、テンサイ、サトウキビ、ヒマワリ、サツマイモ、モミジバフウ
、タンジェリン、茶、タバコ、トマト、トリチカレ、芝生、カブ、蔓植物、スイ
カ、コムギ、ヤムイモおよびズッキーニの細胞である。
【0127】 ついで、当業者が利用可能な通常の技術を用いて、トランスジェニック植物を
、好ましくは、該形質転換細胞から再生させる。得られたトランスジェニック植
物は、好ましくは、病原体の感染に対して、同じ種の非トランスジェニック植物
より耐性である。
【0128】 獲得耐性遺伝子を含有する形質転換宿主細胞の製造方法 本発明は更に、5’から3’の配向で、構造核酸配列の転写を指令するプロモ
ーター、構造核酸配列、3’転写ターミネーターおよび3’ポリアデニル化シグ
ナルを含む形質転換宿主細胞の製造方法に関する。
【0129】 該方法は、一般には、適当な宿主細胞を選択し、該宿主細胞を組換えベクター
で形質転換し、該形質転換宿主細胞を得る工程を含む(Newellら,199
1)。宿主細胞内に核酸を導入するための多数の方法が存在する。適当な方法に
は、細菌感染(例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium))
、バイナリー細菌人工染色体ベクター、DNAの直接的運搬(例えば、PEG媒
介形質転換、乾燥/抑制−媒介DNA取込み、エレクトロポレーション、炭化ケ
イ素繊維との攪拌、およびDNA被覆粒子の加速などを介したもの)が含まれる
(Potrykusら,1991において概説されている)。
【0130】 DNAを細胞内に導入するための技術は当業者によく知られている。これらの
方法は、一般には、以下の4つの範疇に分類することができる:(1)化学的方
法(Grahamおよびvan der Eb,1973;Zatloukal
ら,1992);(2)物理的方法、例えば、マイクロインジェクション(Ca
pecchi,1980)、エレクトロポレーション(WongおよびNeum
ann,1982;Frommら,1985;米国特許第5,384,253号
)および粒子加速(JohnstonおよびTang,1994;Fynanら
,1993);(3)ウイルスベクター(Clapp,1993;Luら,19
93;EglitisおよびAnderson,1988);および(4)受容
体媒介メカニズム(Curielら,1992;Wagnerら,1992)。
【0131】 あるいは、植物の生殖器官を直接注入することにより、核酸を花粉内に導入す
ることができる(Zhouら,1983;Hess,1987;Luoら,19
88;Penaら,1987)。該核酸は、未成熟胚内にも導入することができ
る(Neuhausら,1987)。
【0132】 該宿主細胞を形質転換するために使用する組換えベクターは、典型的には、5
’から3’の配向で、構造核酸配列の転写を指令するプロモーター、構造核酸配
列、3’転写ターミネーターおよび3’ポリアデニル化シグナルを含む。該組換
えベクターは更に、非翻訳配列、輸送およびターゲッティング配列、選択マーカ
ー、エンハンサーまたはオペレーターを含みうる。
【0133】 獲得耐性遺伝子を含有するトランスジェニック植物の製造方法 本発明は更に、病原体に対して、同じ種の非トランスジェニック植物より耐性
であるトランスジェニック植物の製造方法であって、適当な植物を選択し、該植
物を組換えベクターで形質転換し、該形質転換宿主細胞を得ることを含んでなる
製造方法に関する。
【0134】 該組換えベクターは、典型的には、5’から3’の配向で、構造核酸配列の転
写を指令するプロモーター、構造核酸配列、3’転写ターミネーターおよび3’
ポリアデニル化シグナルを含む。該組換えベクターは更に、非翻訳配列、輸送お
よびターゲッティング配列、選択マーカー、エンハンサーまたはオペレーターを
含みうる。
【0135】 形質転換植物プロトプラストまたは外植片からの植物の再生、発生および栽培
は、当技術分野において十分に教示されている(WeissbachおよびWe
issbach,1988;Horschら,1985)。この方法においては
、形質転換体を、一般には、うまく形質転換された細胞に関して選択し植物シュ
ートの再生を誘導する培地の存在下で培養する(Fraleyら,1983)。
これらのシュートは、典型的には、2〜4ヵ月以内に得られる。
【0136】 ついで該シュートを、細菌の増殖を防ぐための抗生物質と選択剤とを含有する
適当な根誘導培地に移す。該シュートの多くは、根を発生させるであろう。つい
でこれらを土壌または他の培地に移植して、根を継続的に発生させる。前記の方
法は、一般には、使用する個々の植物株に応じて様々なものとなろう。
【0137】 好ましくは、再生されたトランスジェニック植物を自家受粉させて、ホモ接合
トランスジェニック植物を得る。あるいは、再生されたトランスジェニック植物
から得られた花粉を、非トランスジェニック植物、好ましくは、作物栽培学的に
重要な種の同系繁殖系と交配させることができる。逆に、再生されたトランスジ
ェニック植物を受粉させるために、非トランスジェニック植物からの花粉を使用
することができる。
【0138】 該トランスジェニック植物は、該獲得耐性タンパク質をコードする核酸配列を
、その子孫に伝達しうる。該トランスジェニック植物は、好ましくは、該獲得耐
性タンパク質をコードする核酸に関してホモ接合であり、有性生殖の結果として
その配列をその子孫に伝達する。子孫は、該トランスジェニック植物により産生
された種子から成長しうる。ついでこれらの追加的植物を自己受粉させて、植物
の真の育種系を得ることができる。
【0139】 これらの植物からの子孫を、とりわけ、遺伝子発現および耐病性(例えば、獲
得耐性の誘導)に関して評価する。該遺伝子発現は、ウエスタンブロット法、ノ
ーザンブロット法、免疫沈降法、ELISAなどのいくつかの一般的な方法によ
り検出することができる。耐病性は、一般には、一定範囲の環境条件下、圃場、
温室または生育箱において試験する。
【0140】 (実施例) 以下の実施例により本発明を更に例示する。それらは、決して特許請求の範囲
の範囲および定義を限定するものと解釈されるべきではない。
【0141】 実施例1:イネおよびコムギからの獲得耐性遺伝子の同定 単子葉植物ホモログを同定するために、シロイヌナズナ(Arabidops
is)Npr1遺伝子配列(Caoら,1997)を使用して、トウモロコシE
ST(Incyte)データベースを検索した。該検索は、GCG(Genet
ics Computer Group,Madison,WI)からのソフト
ウェアで行なった。この検索は、Npr1に対して弱いDNA相同性(推定Np
r1タンパク質に対してアミノ酸レベルで25〜46%の同一性)を有する19
個のESTを与えた。クラスター分析は、2つのクラスターのESTが2つのト
ウモロコシクローン(すなわち、4個のESTに対応するクローン700214
872、および3個のESTに対応するクローン700102819)により代
表されることを示した。トウモロコシクローン700214872の完全長配列
決定は、それが381アミノ酸のタンパク質(配列番号17)を潜在的にコード
する1385bpのcDNAインサート(配列番号16)を含有することを示し
た。クローン700214872からの推定タンパク質は、アンキリンリピート
ドメインと該タンパク質のC末端半分とに及ぶアミノ酸220からC末端までに
かけて、シロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr1タンパク質と整列
する。このクローンは、トウモロコシ鞘組織から得られたライブラリーSATM
ON016(1998年5月15日付けで米国特許出願第60/085,533
号として出願されている)から誘導した。
【0142】 トウモロコシクローン700102819は、シロイヌナズナ(Arabid
opsis)Npr1のC末端と整列する126アミノ酸のポリペプチド(配列
番号19)を潜在的にコードする、より小さな640bpのcDNAインサート
(配列番号18)を含有しており、トウモロコシクローン700214872の
推定タンパク質配列を証明した。409アミノ酸のトウモロコシタンパク質(配
列番号21)を潜在的にコードする、すべてのトウモロコシcDNA CPR9
51 FL(配列番号20)に関する2235bpのコンティグの集合は、鍵と
なる単子葉植物特異的ドメインを証明した。
【0143】 トウモロコシクローン700214872と分岐双子葉植物Npr1ホモログ
[すなわち、シロイヌナズナ(Arabidopsis)およびエヌ・グルチノ
ーサ(N.Glutinosa)](Ausubelら,1998)とのアライ
メント(図1)は、高度に保存された2つの領域[すなわち、シロイヌナズナ(
Arabidopsis)Npr1のアミノ酸270〜277位に対応するアミ
ノ酸HRALDSDDを有するドメイン1(配列番号12)、およびシロイヌナ
ズナ(Arabidopsis)Npr1のアミノ酸501〜507位に対応す
るアミノ酸ELGRRYFを有するドメイン2(配列番号13)]を同定した。
これらの領域を使用して、変性プライマーOB09:5’−CAY ARI G
CI YTI GAY WSI GAY GA−3’(配列番号14)およびO
B11:5’RAA RWA ICK IYK ICC IAR YTC−3’
(配列番号15)(Y=C,T;R=A,G;I=イノシン;W=A,T;S=
G,C;K=G,T)を設計した。
【0144】 単子葉植物由来の獲得耐性配列を増幅するために、プライマーOB09および
OB11を使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行なった。MgCl
度およびプライマーアニーリングの温度に関して、条件を最適化した。44℃の
アニーリング温度で2.5〜3.0mMのMgCl濃度が、強力な再現可能な
PCR増幅産物を与えた(94℃で5分間/94℃で1分間/44℃で45秒間
/72℃で1分間/72℃で10分間の35サイクルのPCR)。これらの条件
下、イネ(cv.M202)、コムギ(cv.Bobwhite)、オオムギ(
cv.Perry)およびトウモロコシ(cv.B−73)のゲノムDNAの増
幅は、約1.5kbおよび0.7kbの2つの断片を与えた。種々の組織由来の
イネ(cv.M202)、コムギ(cv.Bobwhite)、オオムギ(cv
.Perry)のRNAのRT−PCRにおけるOB09−OB11プライマー
の使用は、約0.7kbのサイズのバンドを与えた。TRIZOL(登録商標)
試薬(GibcoBRL,Life Technologies,Rockvi
lle,MD)を製造業者の説明に従い使用して、全RNAを精製した。Pol
yATract mRNA Isolation System IV(Pro
mega,Madison,WI)を使用して、精製されたポリA+mRNAを
、これらの種々の起源から回収した。該逆転写反応では、製造業者(Clone
Tech,Palo Alto,CA)により推奨されている条件下、cDNA
を作製するために、アンカープライマーと共に4μLのポリA+mRNAを鋳型
として使用した。得られたcDNA産物を、OB09−OB11プライマーを使
用してPCRに付した(94℃で5分間/94℃で1分間/45℃で45秒間/
72℃で1分間/72℃で10分間の35サイクルのPCR)。これらの実験か
らのPCR産物を、アガロースゲル電気泳動により分離し、増幅断片を該ゲル(
Qiaex II Gel Extraction Kit)から該製造業者の
説明(Qiagen,Valencia,CA)に従い溶出し、PCR産物の直
接的クローニングを受け入れるpMON38201(図2)内にクローニングし
、該インサートを配列決定分析(ABI PRISM(登録商標)Dye Te
rminator Cycle Sequencing,Perkin−Elm
er,Foster City,CA)に付した。
【0145】 この戦略を用いることにより、本発明者らは、イネおよびコムギの獲得耐性経
路において機能すると考えられる遺伝子の断片をクローニングすることができた
。これらのホモログはNphと称され、該イネ遺伝子はNph1と称され、コム
ギ遺伝子はNph2と称される。
【0146】 イネNph1断片を、黄化イネ組織および若い緑色葉組織から、前記のRT−
PCRにより単離した。TRIZOL(登録商標)試薬(GibcoBRL,L
ife Technologies,Rockville,MD)を製造業者の
説明に従い使用して、全RNAを精製した。PolyATract mRNA
Isolation System IVを製造業者のプロトコール(Prom
ega,Madison,WI)に従い使用して、ポリA+RNAを回収した。
逆転写反応では、0.5μgの精製されたポリA+RNAを鋳型として使用し、
該製造業者(CloneTech,Palo Alto,CA)により推奨され
ている条件下でDTアンカープライマーを使用して、該cDNAを得た。ついで
、得られたcDNA産物の4μLを、OB09−OB11プライマーを使用して
PCR増幅した。両方の組織に由来する0.7kbの増幅産物を、別々に処理し
た。最終的なPCR産物を、アガロースゲル電気泳動により分離し、該アガロー
スゲル(Qiagen,Valencia,CA)から精製し、pMON382
01内に直接的にクローニングし、大腸菌(E.coli)細菌細胞(DH5α
;GibcoBRL,Life Sciences Technologies
,Rockville,MD)内に形質転換した。該インサートの完全長配列決
定(ABI PRISM(登録商標)Dye Terminator Cycl
e Sequencing,Perkin−Elmer)は、トウモロコシクロ
ーン700214872に対する強い相同性を証明した。6個のインサートを分
析したところ、それらは同一の705bpの断片(配列番号3)を共有すること
が判明した。
【0147】 また、コムギNph2断片をRT−PCRにより回収した。TRIZOL(登
録商標)試薬(GibcoBRL)を製造業者の説明に従い使用して、コムギ(
cv.Bobwhite)からの2週齢の緑色葉組織から全RNAを単離した。
PolyATract mRNA Isolation System IV(
Promega,Madison,WI)を使用して、ポリA+RNAを回収し
た。逆転写反応では、0.5μgの精製されたポリA+RNAを鋳型として使用
し、該製造業者(CloneTech,Palo Alto,CA)により推奨
されている条件下でDTアンカープライマーを使用して、該cDNAを得た。つ
いで、得られたcDNA産物(4μL)を、OB09−OB11プライマーを使
用してPCR増幅した。最終的な0.7kbの増幅産物を、アガロースゲル精製
し(Qiagen,Valencia,CA)、pMON38201内にクロー
ニングし、大腸菌(E.coli)細菌細胞(DH5α;GibcoBRL,L
ife Sciences Technologies,Rockville,
MD)内に形質転換した。正に荷電したナイロンメンブレン(HYBOND N
+;Amersham Life Science Inc.,Arlingt
on Heights,IL)上に該細菌DNAをトランスファーし、トウモロ
コシクローン700214872を使用して現像されるランダムプライム化32 P標識プローブでプローブすることにより、細菌コロニーをスクリーニングした
。陽性ハイブリダイズクローンを配列決定分析(ABI PRISM(登録商標
)Dye Terminator Cycle Sequencing,Per
kin−Elmer)に付した。3個のインサートの完全長配列決定は、トウモ
ロコシクローン700214872(配列番号16)に対して強い相同性を有す
る同一の706bpの断片(配列番号9)を示した。
【0148】 実施例2:イネからのNph1遺伝子のクローニング イネからの完全長Nph1遺伝子のクローニングは、該クローン化0.7kb
イネPCR断片(配列番号3)をプローブとして使用することにより促進された
。具体的には、該PCR産物からの471bpの内部PstI断片を使用して、
黄化イネ実生(Oryza sativa L.indica var.IR3
6;CloneTech,Palo Alto,CA)から作製されたλgt1
1 5’STRETCH−cDNAライブラリーをスクリーニングした。Y10
90R−細菌宿主細胞(CloneTech)を使用して、バクテリオファージ
をNZY培地上にプレーティングした。正に荷電したナイロンメンブレン(HY
BOND N+,Amersham Life Science)に該ファージ
DNAをトランスファーすることにより、約2×10個の独立したプラークを
スクリーニングした。該イネPCR産物からの内部PstI断片を、32Pラン
ダムプライミングによりプローブとして調製し、それを使用して、Rapid
Hybバッファー(Amersham Life Science)中での62
℃で一晩のハイブリダイゼーションにより該ライブラリーをスクリーニングした
。該フィルターを、2×SSC/0.1% SDS(10分間/室温)で1回、
および1×SSC/0.1% SDS(40分間/65℃)で1回洗浄した。オ
ートラジオグラフィー後、77個の陽性ハイブリダイズプラークを同定した。フ
ァージDNAを15個のプラークから単離し、λgt11フォワードおよびλg
t11リバースプライマーを使用するPCR(94℃で5分間/94℃で1分間
/55℃で1分間/72℃で1.5分間/72℃で10分間の35サイクルのP
CR)により該インサートDNAを増幅した。増幅された2つの最大インサート
は2.3kbのサイズを有していた。これらの2つの最大インサートからのPC
R産物をアガロースゲル電気泳動し、該ゲルから精製し、ベクターpGEM−T
(Promega)内にクローニングし、XL1−Blue大腸菌(E.col
i)細菌細胞(Stratagene,La Jolla,CA)内に形質転換
した。配列決定分析は、両方のクローンがヌクレオチドレベルで同一であること
を示した(配列番号1)。
【0149】 イネNph1の完全長cDNAは、推定される最初のATGの上流の5’非翻
訳領域の618ヌクレオチドと推定終結コドン以降の3’非翻訳領域の322ヌ
クレオチドとを含む2368ヌクレオチドのインサートを含有していた(配列番
号2)。該推定Nph1コード領域は、1428ヌクレオチド(配列番号1)に
伸長し、475アミノ酸長のポリペプチド(配列番号4)を潜在的にコードする
。イネNph1 cDNA(配列番号1)は、部分トウモロコシクローン700
214872(配列番号16)に対しては79.3%のヌクレオチド同一性を共
有するが、シロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr1 cDNA(C
aoら,1997)に対しては52.9%の同一性しか共有しない。推定アミノ
酸レベルでは、イネNph1(配列番号1)は部分トウモロコシクローン700
214872(配列番号17)に対しては82.4%同一であるが、シロイヌナ
ズナ(Arabidopsis)Npr1(Caoら,1997)に対しては4
1%のアミノ酸同一性しか共有しない。該イネNph1およびシロイヌナズナ(
Arabidopsis)Npr1タンパク質配列のアライメントは、4個のギ
ャップの導入を必要とする。該イネNph1タンパク質配列は、5’末端におい
て、該シロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr1タンパク質配列より
113アミノ酸短い。表1に、該イネNph1、コムギNph1−2、トウモロ
コシクローン700214872およびシロイヌナズナ(Arabidopsi
s)Npr1のヌクレオチドおよび推定タンパク質配列の同一性(%)を要約す
る。
【0150】
【表1】
【0151】 実施例3:コムギNph2−1およびNph2−2遺伝子の単離 コムギNph2遺伝子を単離するために、周囲光中で成長した13日齢のティ
ー・アエスチブム(T.aestivum)(var.TAM 107)出芽後
実生からの市販のコムギ5’−STRETCH−cDNAライブラリーをスクリ
ーニングした(ClonTech,Palo Alto,CA)。プライマーO
B01(配列番号22)およびOB02(配列番号23)を使用するコムギNp
h2 PCR断片(配列番号9)のPCR増幅により、および遺伝子特異的プラ
イマーOB18(配列番号24)およびOB19(配列番号25)を使用して増
幅されたトウモロコシクローン700214872の1.38kbのインサート
(配列番号16)のPCR増幅により、スクリーニングプローブを調製した。増
幅されたコムギおよびトウモロコシPCR断片をアガロースゲル精製し、32
ランダムプライミングを用いて標識した。1:2の濃度比のコムギプローブ:ト
ウモロコシプローブをライブラリースクリーニングにおいて使用した。
【0152】 該ライブラリーを含有するバクテリオファージを、Y1090R−細菌宿主細
胞(CloneTech)を使用してNZY培地上にプレーティングした。正に
荷電したナイロンメンブレン(HYBOND N+,Amersham Lif
e Science)に該ファージDNAをトランスファーし、100μg/m
l魚類精子DNAを含有するRapid−Hybバッファー(Amersham
Life Science)中、該混合プローブと共に該フィルターを60℃
で一晩インキュベートすることにより、約2×10個の独立したプラークをス
クリーニングした。フィルターを、2×SSC(10分間/室温)で1回、60
℃(2×SSC/0.1% SDS)で2回、および60℃(1×SSC/0.
1% SDS)で1回洗浄し、オートラジオグラフィーに付した。45個の同定
された陽性ファージのうちの2個が約2.4kbのインサートを含有することが
判明した。これらのクローンからファージDNAを単離し、該インサートを、独
立して、pBluescript SK+プラスミド(Stratagene,
La Jolla,CA)のEcoRI部位内にサブクローニングした。完全長
配列分析は、どちらのクローンもコムギNph−2ホモログ配列をコードしてい
ることを証明した。コムギクローン1は、Nph2−1と称される607アミノ
酸の推定タンパク質(配列番号10)を特定する1824bpの潜在的コード領
域(配列番号5)を有する2420bpのインサート(配列番号7)を含有して
いた。コムギクローン2は、Nph2−2と称される609アミノ酸のタンパク
質(配列番号11)をコードする予想される1830bpのオープンリーディン
グフレーム(配列番号6)を有する2120bpのサイズのインサート(配列番
号8)有していた。
【0153】 Nph2−1とNph2−2との対アライメントは、推定タンパク質配列間で
98%の同一性を示した。コムギNph2−1およびNph2−2は、約79%
の同一性を共有するヌクレオチドおよび推定タンパク質配列を有するトウモロコ
シクローン700214872に最も類似している。該コムギNph2−1/N
ph2−2配列は、イネNph1に対して約82%のヌクレオチド同一性を共有
し、約83%の推定タンパク質配列同一性を共有する。コムギNph2−1とシ
ロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr1との比較は、それぞれ49%
および39%の低レベルの共有ヌクレオチドおよび推定タンパク質同一性を示し
ている。コムギNph2−1とシロイヌナズナ(Arabidopsis)Np
r1タンパク質配列とのアラインメントは、デフォルトGAPパラメーター(G
enetics Computer Group,Inc.,Madison,
WI)を用いて、14個のギャップの導入を必要とする。コムギNph2−1ホ
モログの推定アミノ酸配列とシロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr
1、トウモロコシクローン700214872およびイネNph1との複数アラ
イメントは、Nph2−1が、該タンパク質のアンキリンリピートおよびC末端
部分の領域において有意な配列相同性を共有するが、独特(ユニーク)なN末端
配列を含有しないことを示した。コムギNph2−1/2−2配列の推定開始コ
ドンは、シロイヌナズナ(Arabidopsis)Npr1と比較してNph
2−1/2−2のN末端に追加的な25アミノ酸を、およびイネNph1と比較
して該N末端における追加的な137アミノ酸を付加した。
【0154】 実施例4:単子葉植物におけるNph1およびNph2のサザンブロット分析 単子葉植物種におけるNphホモログの遺伝子コピー数を、サザンブロット分
析における単子葉植物特異的プローブを使用して調べた。Bluescript
SK+プラスミド(Stratagene;30サイクルのPCR:94℃で
5分間/94℃で1分間/55℃で1分間/72℃で1.5分間/サイクル30
における72℃で10分間)中のクローン化コムギNph2−1 cDNA(配
列番号7)を、KSおよびSKプライマー(Stratagene,La Jo
lla,CA)を使用して増幅して、Nph2プローブを作製した。コムギ(c
v.Bobwhite)、オオムギ(cv.Perry)、トウモロコシ(cv
.B−73)およびイネ(cv.M202)から単離したゲノムDNAをEco
RIまたはHinDIII制限酵素で消化し、断片をアガロースゲル上で分離し
、HYBOND N+ナイロンフィルター(Amersham Life Sc
iences,Inc.,Arlington Heights,IL)にトラ
ンスファーし、32Pランダムプライミングにより調製されたコムギNph2−
1プローブと共にインキュベートした。100μg/mL魚類精子DNAを含有
するRaid−Hybバッファー(Amersham Life Scienc
es,Inc.,Arlington Heights,IL)を使用して、サ
ザンハイブリダイゼーションを65℃で一晩行なった。フィルターを2×SSC
/0.1% SDS(65℃,20分間)で2回、および0.5×SSC/0.
1% SDS(65℃,20分間)で2回洗浄した。ハイブリダイズしているバ
ンドをオートラジオグラフィーにより検出した。
【0155】 単純なパターンのハイブリダイゼーションが見出され、これらの単子葉植物種
のそれぞれにおいて僅か1個または2個のバンドが検出された。イネ、トウモロ
コシ、オオムギおよびコムギにおいては、ハイブリダイゼーションのパターンは
、単一の関連遺伝子の存在と符合し、このことは、Nph2に関連した遺伝子が
大きな遺伝子ファミリーの一部ではないらしいことを示唆している。イネと比較
して、コムギおよびオオムギのハイブリダイゼーションシグナルは、より強力で
あるらしかったが、これは恐らく、該コムギおよびオオムギ遺伝子に対する該コ
ムギプローブの強い相同性によるものであろう。また、コムギの場合には、より
強力な該ハイブリダイゼーションシグナルはまた、六倍体コムギゲノムにおいて
表される同一遺伝子の複数のコピーに部分的に起因しているかもしれない。
【0156】 実施例5:コムギゲノム上のコムギNph2ホモログの帰属 コムギゲノム中の第3染色体上のコムギNph2遺伝子の位置は、Chine
se Spring零染色体−四染色体系統(Sears,1966)を使用し
て決定された。正倍数体親系統を、3組の染色体のそれぞれ1つにおける零染色
体である系統と比較した。全ゲノムDNAを異数体の集合から単離し、Nph2
ハイブリダイズバンドの改変に関してサザンブロットにより分析した。ゲノムD
NAをコムギ零染色体−四染色体系統から抽出し、EcoRIを使用して消化し
、アガロースゲル上で分離し、断片をナイロンメンブレン(HYBOND N+
,Amersham Life Science)にトランスファーした。該N
ph2遺伝子の0.7kbのコムギPCR産物(OB01/OB02プライマー
を使用する実施例3に記載のとおり)を、32Pランダムプライミングにより調
製し、プローブとして使用した。ハイブリダイゼーションを、100μg/mL
魚類精子DNAを含有するRaid−Hybバッファー(Amersham L
ife Science)中、65℃で一晩行なった。フィルターを65℃で、
2×SSC/0.1% SDS中で20分間で2回、1×SSC/0.1% S
DS中で20分間で2回、および0.1×SSC/0.1% SDS中で20分
間で2回洗浄した。ハイブリダイズしたメンブレンのオートラジオグラフィーは
、コムギ染色体の相同群3上のNph2−ハイブリダイズ断片の存在、およびそ
れに対応する、零染色体3A(N3DT3A)、3B(N3BT3A)または3
D(N3AT3B)異数体系統におけるバンドの不存在を示した。
【0157】 作物栽培学的に重要な多数の形質は、単子葉植物種における第3群相同染色体
上に位置している。耐性遺伝子Lr24、Lr27、Lr32、Sr35は、コ
ムギ第3群染色体の遺伝地図上に位置づけられた。植物の高さ(denso)、
出穂期および穀粒収量に関する量的表現形質を支配する座位(QTL)は、オオ
ムギ染色体3Hに位置づけられた。単子葉種間の比較染色体マッピングは、該マ
ーカーの同一直線上の配置が関連植物種内の相同群の染色体間で一致することを
示した。したがって、本発明者らは、コムギ染色体3群からの単離されたNph
2遺伝子が、オオムギ染色体3H上に位置づけられた作物栽培学的に重要な形質
と連鎖している可能性があると推測している。
【0158】 実施例6:Npr1ホモログに対する抗生物質の製造および使用 双子葉植物Npr1および単子葉植物Nph−1およびNph−2相同タンパ
ク質の蓄積を追跡するために、本発明者らは、広い種の交差反応性を有するポリ
クローナル抗体を作製した。ポリクローナル抗体は、以下のとおりにトマトNp
r1(Duke UniversityのX.Dong博士との協同)の部分配
列の融合タンパク質に対して産生させた。該トマトNpr1ホモログのHind
III C−末端断片(180aa;Glu398−終結577[配列番号36
])をpRSETBベクター(Invitrogen Corp.,Carls
bad,CA)のHinDIII部位内にクローニングして、25.6kDaの
推定分子量を有する226アミノ酸のポリヒスチジン融合タンパク質を作製した
。増殖培地に1mM IPTGを加え、細胞を37℃で更に2時間培養すること
により、大腸菌(E.coli)(株BL21;Invitrogen,Car
lsbad,CA)におけるタンパク質の過剰発現を誘導した。細胞を遠心分離
により回収し、室温で1時間、8M尿素、0.1M リン酸Na、0.010M
Tris/HCl(pH8.0)を加えて該ペレットを細胞溶解した。Ni−
TFA樹脂(Qiagen,Valencia,CA)から構成される平衡化ア
フィニティーカラムに、抽出物を結合させた。該カラムを該結合バッファーで洗
浄し、溶出バッファー(8M尿素、10mM Tris/HCl pH6.8、
100mM EDTA)で処理した。溶出したポリヒスチジン融合タンパク質を
PBSバッファーに対して一晩(4℃)透析し、ウサギにおけるポリクローナル
抗体の産生のための免疫原として使用した(200μgの初回免疫/100μg
の第1追加抗原刺激/50μgの後続の免疫)。
【0159】 免疫したウサギ(Pocono Rabbit Farm and Labo
ratory,Inc.,Canadesis,PA)から回収した抗血清を1
:5,000の希釈度で使用し、該標的融合タンパク質を発現する大腸菌(E.
coli)から回収されたタンパク質および全植物抽出物に対するウエスタンブ
ロット分析により評価した。ウエスタン分析およびELISA測定のための植物
抽出物は、以下のとおりに回収した。約100mgの新鮮な組織を、ミクロフュ
ージ乳棒を使用してドライアイス上で微細粉末に粉砕し、バッファー[0.05
M Tris−Cl(pH7.2),0.05M NaF,0.150M Na
Cl,0.5% NP−40,1mM PMSF,1mMプロテアーゼインヒビ
ターカクテル(Sigma,St.Louis,MO)]中、4℃で30〜60
分間抽出した。該抽出物をペレット化し(10,000g/10分間/4℃)、
上清を回収し、タンパク質濃度を測定した(Ausubelら,1995)。ウ
エスタン分析では、一定範囲の全抽出タンパク質を試験し(20〜100μg/
レーン)、ELISAでは、典型的には50〜100μg/ウェルをアッセイし
た。
【0160】 ウエスタン分析は、ECLウエスタンブロッティング分析系(Amersha
m Life Science)とハイブリダイズタンパク質を可視化するため
のx線フィルム露光とを用いるAusubelら(1995)に記載されている
標準的なプロトコールに従うものであった。全タンパク質抽出物をSDS−PA
GEサンプルバッファー中で可溶化し、8〜16% SDS−PAGE勾配ゲル
上で分離した。分離したタンパク質を、10%(v/v)メタノールを含有する
0.025M Trs−Cl、0.192Mグリシン(pH8.3)中、ニトロ
セルロースメンブレン(Protein BA 85,0.45μm;Midw
est Scientific,Valley Park,MO)上に100ボ
ルトでエレクトロトランスファーした。ウエスタンブロットを、0.05% T
ween−20(PBST)を含有するPBSバッファー(Boehringe
r Mannheim,Indianapolis,IN)中で5分間洗浄し、
PBST + 5%(w/v)Carnation脱脂乾燥乳(Nestle
Food Company,Glendale,CA)中で室温で1時間または
4℃で一晩ブロッキングした。ついでブロットをPBSTで洗浄(3×10分間
/室温)し、一次抗体溶液(PBST中の1:5,000の抗血清)で室温で1
時間攻撃した。一次抗体のインキュベーションの後、ブロットを洗浄し(3×5
分間/PBST)、二次抗体(PBST中の抗ウサギIgG共役ホースラディッ
シュペルオキシダーゼ)と共に1時間/室温でインキュベートした。ブロットを
洗浄し(3×5分間 PBST/1×5分間 PBS)、ECLキットを製造業
者の説明(Amersham Life Science)に従い使用して、認
識されたバンドを可視化した。
【0161】 精製された融合タンパク質を使用する力価測定実験は、この抗血清が、ウエス
タンブロット分析において10〜20ng/レーンのレベルで該融合タンパク質
を標的としうることを示した。多種多様な単子葉植物および双子葉植物種からの
抽出物をアッセイした。いずれの場合においても、シロイヌナズナ(Arabi
dopsis)Npr1のおよその分子量に対応する約65〜66kDaの内因
性植物タンパク質が認識された。この抗血清は、イネ、コムギ、ダイズ、ジャガ
イモ、タバコおよびトマト由来のタンパク質抽出物中の単一のバンドを認識する
。該タンパク質抽出物は未誘導植物から単離された。このことは、これらのタン
パク質が、調べた全ての種において構成的に存在することを示唆している。
【0162】 これらのポリクローナル抗体は、種々の条件下でのNph1およびNph2タ
ンパク質の発現および蓄積のモニターを可能にした。ELISAプロトコールは
、抗体およびタンパク質標的に応じて最適な分解能に関して改変されうる。双子
葉植物および単子葉植物サンプルのELISAでは、本発明者らは、マイクロタ
イターアッセイプレートを、コーティングバッファー(15mM NaCO ,35mM NaHCO,pH9.3)中で1:1000で希釈された抗血清
で4℃で一晩コートした。ウェルを洗浄し(3×3分間/PBST)、抽出され
たサンプルを、オボアルブミン(0.2% w/v;PBSTO)を含有するP
BST中で適当な濃度に希釈し、4℃で一晩結合させた。該ウェルを洗浄し(3
×3分間/PBST)、200μLのアルカリホスファターゼ共役体(PBST
O中で1:2,000で希釈されたもの)をウェルごとに加え、インキュベート
(4時間/37℃)した。ウェルをPBSTで洗浄し、新たに調製されたホスフ
ァターゼ基質(97mLのジエタノールアミン/800mLのHO)を加え、
光学濃度を405nmでモニターした。精製された融合タンパク質を濃度標準と
して用いた。
【0163】 ELISA試験は、獲得耐性の化学的または病原体誘導後に双子葉植物および
単子葉植物に関して最適化されており、したがって、本発明者らは、対応遺伝子
の増強された転写と相関するタンパク質蓄積を確認している。本発明者らは、こ
れらの抗体が、未誘導条件下および獲得耐性を誘導しうる条件下でのトランスジ
ェニック植物におけるNph1およびNph2−1/2−2タンパク質の過剰発
現の測定に役立つようになると予想している。
【0164】 実施例7:イネにおける獲得耐性の誘導は、Nph1の発現を増強し、マグナ
ポルセ・グリセア真菌に対する耐性を付与する Nph1の発現がイネにおけるARの活性化と協同して調節されるのか否かを
調べるために、本発明者らは、ARの化学誘導物質を同定し、この誘導物質での
イネ植物の処理がNph1の転写レベルを増強するのか否かを判定した。十分に
研究されているARアクチベーターであるジクロロ−2,6−イソニコチン酸(
INA)(Ryalsら,1996)を、イネにおいてNph1の転写を誘導し
ARを調整するその効力に関して試験した。14日齢のイネ植物(cv.M20
2)を、温室条件下で成長させ、それに20%アセトン/80%水(v/v)+
0.05%Tween20(v/v)中の0.5mM INAを噴霧して、これ
を処理植物とした。模擬処理植物には、アセトン/水/Tween20溶液だけ
を噴霧した。処理の3日後、イネいもち病の原因因子である生物寄生性(bio
trophic)病原体マグナポルセ・グリセア(Magnaporthe g
risea)を植物に接種した。新鮮に単離され水およびTween20(0.
025% v/v)に懸濁されたマグナポルセ・グリセア(M.grisea)
胞子(胞子3〜5×10個/mL)を、Devilbissハンドヘルド噴霧
器を使用して処理植物の葉上に均一に噴霧した。植物を、暗所中、24℃、湿度
100%の条件下で24時間インキュベートした。ついで植物を12時間の明/
暗サイクルの生育箱内に移し、疾患徴候を7日間にわたりモニターした。
【0165】 第5日までに、該対照植物においては、イネいもち病に典型的な大きく広がる
病斑として現れた強いイネいもち病徴候が明らかとなった。しかし、INAで予
め処理された植物は、該病原体に対して強い耐性を示し、小さな壊死斑点または
細胞死が接種葉上で明らかであるに過ぎなかった(図3)。INA処理植物上で
は、疾患徴候または真菌胞子形成は認められなかった。この結果は、(1)イネ
における化学誘導ARが病原体耐性を促進すること、および(2)イネ品種M2
02における誘導されたARがイネいもち病菌を予防することを示している。
【0166】 NphI遺伝子の活性化に対するINA処理の影響を、INAで処理された及
び処理されていないイネ葉(cv.M202)のノーザンブロット分析により評
価した。ARの発現前(処理の0時間後)および処理後に時間間隔をおいて、T
RIZOL(登録商標)試薬(GibcoBRL,Life Technolo
gies)を使用して、全RNAをINA処理葉組織から単離した。全RNAを
、変性アガロースゲル電気泳動(20μg/レーン)により分離し、HYBON
D N+メンブレン(Amersham Life Science)にトラン
スファーした。アガロースゲル精製され32Pランダムプライミングの使用によ
り調製されたPCR NphI遺伝子の内部0.47kb PstI DNA断
片(配列番号3)を使用して、該イネNphIプローブを作製した。フィルター
を、放射能標識されたイネNphI DNAプローブを伴う20mLのRapi
d−Hyb(Amersham Life Science)で62℃で一晩ハ
イブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、フィルターを室温で1回(2
×SSC/0.1% SDS、10分間)、および65℃で2回(1×SSC/
0.1% SDS、20分間)洗浄し、オートラジオグラフィーに付した。
【0167】 本発明者らは、INAの噴霧が2倍〜3倍のNph1転写産物の蓄積を誘導し
、ピーク発現がINA処理の3日後に生じることを見出した(図4)。該実験の
最終時点である第5日まで、Nph1転写は高いままであった。イネNph1に
関する未誘導対照より約3倍高い最大誘導レベルは、シロイヌナズナ(Arab
idiopsis)Npr1(Caoら,1998)に関して報告されている転
写レベルの誘導に匹敵する。また、同じノーザンブロット実験では、前記の接種
条件を用いてマグナポルセ・グリセア(Magnaporthe grisea
)病原体で攻撃されたイネ(cv.M202)におけるNph1の一時的な発現
を調べた。既に詳しく記載されているとおりに、組織を集め、全RNAを調製し
、ノーザンブロット分析を行なった。病原体の攻撃は、Nph1の発現を一過性
にアップレギュレーションしたに過ぎなかった。感染の1日後、病原体で誘導さ
れたNph1転写は、INA処理で誘導されるレベルにまで増強されたが、第3
日までに、病原体で攻撃された植物におけるNph1発現は、未誘導対照のレベ
ルにまで戻った。これとは対照的に、INAで誘導された植物は、処理の少なく
とも5日後まで持続的に高レベルのNph1発現を示し、このことは、持続的に
高レベルのNph1が獲得耐性の促進を補助し、いもち病感染を予防しうること
を示唆している。
【0168】 Nph1タンパク質の蓄積は、Nph1遺伝子の転写の増加と相関する。模擬
処理またはINA処理(12時間および5日間)されたイネ(cv,M202)
からのタンパク質抽出物を、ELISA(実施例6に記載のとおり)により比較
した。INA噴霧の12時間後には、Nph1タンパク質の増加は検出されなか
った。しかし、INA処理の5日後までに、本発明者らは、Nph1タンパク質
の蓄積における、再現性ある1.7倍の増加を見出した。蓄積タンパク質におけ
るこの増加は、同じ時間経過にわたるNph1の転写レベルの増強と良く相関す
る。
【0169】 INAで処理されたイネ(cv.M202)を、より長い時間経過にわたりマ
グナポルセ・グリセア(M.grisea)で攻撃することにより、誘導された
ARの寿命をアッセイした。イネ植物の集団に0.5mM INA[20%アセ
トン/80%水(v/v)+0.05% Tween20(v/v)]を1回噴
霧し、共に処理された及び処理されていない対照である植物の部分集団に、種々
の時点で、前記のとおりにイネいもち菌を感染させた。本発明者らは、化学的に
調整されたARが、1回のINA処理後に30日以上持続することを見出した。
各時点で、該INA処理植物は、イネいもち病感染に対する一貫して高い耐性を
示し、一方、平行対照植物は一様に罹患した。
【0170】 本発明者らは、トランスジェニックイネにおけるNph1の過剰発現が、Np
h1タンパク質の蓄積の増加を促進し、病原体の攻撃に対する、より強力な応答
を可能にし、ついで、トランスジェニック植物における、より有効な長く持続す
る「免疫」期間を促進すると予想している。Nph1をトランスジェニック的に
発現させることにより、本発明者らは、病原体の攻撃後の強力かつ均一なARが
達成されると予想している。本発明者らは、真菌、細菌およびウイルス病原体に
より引き起こされる疾患を含む種々のイネ疾患がNph1の過剰発現により克服
されると予想している。植物全体にわたる発現のために構成的プロモーター(例
えば、pFMV、pe35Sまたはサトウキビバドナウイルスプロモーター)に
より該トランスジーンを駆動することにより、または、該植物の特定領域(例え
ば、根または葉)または特定の細胞型(例えば、表皮、維管束または葉肉細胞)
においてNph1発現を駆動するための組織特異的プロモーターを使用すること
により、トランスジェニックNph1発現を更に最適化することができる。
【0171】 実施例8:コムギNph2発現は誘導可能であり発生的に調節される コムギNph2遺伝子発現とARとの間の関係を確認するために、本発明者ら
は、コムギ植物をINAで試験し、うどんこ病およびNph2転写をモニターし
た。INAでの処理は、一定数のマーカー遺伝子の転写活性化により及び耐病性
の増強により示されるとおり、コムギにおける該AR経路を活性化することが示
されている(Gorlachら,1996)。温室で成長した14日齢のコムギ
植物(cv.TAM107)に、20% アセトン/80% 水(v/v)+0
.05% Tween20(v/v)中の1mM INA(ジクロロ−2,6−
イソニコチン酸)または該噴霧溶液だけ(模擬処理対照)を噴霧した。処理の5
日後、処理および模擬処理対照植物に、コムギうどんこ病病原体(Erysip
he graminis f sp hordei)を接種した。うどんこ病の
試験では、既に感染している植物からの分生子を該試験植物の茎葉上に移し、つ
いでそれを該接種植物の生育箱内に維持した。該箱内の条件は、20℃、12時
間/12時間の昼/夜の光周期、300μEの光度、80%の相対湿度で維持し
、毎日2回、植物を地下灌漑に付した。INA処理植物および未処理対照の疾患
徴候を7日後に評価した。
【0172】 INAを噴霧したコムギ植物は、より少数の真菌増殖病巣を示し、耐性の増強
を示し、反復試験においてコムギうどんこ病が60%抑制された(図5)。これ
とは対照的に、対照植物は、著しく罹患し、多数の著しい真菌増殖病巣を示した
。これらのデータは、INAでのコムギ品種TAM107の処理が、うどんこ病
に対して有効な獲得耐性を増強することを示している。
【0173】 INAの取込みおよび下流遺伝子の活性化を分子的に評価するために、INA
で誘導可能(WCI−2;Gorlachら,1996)または病原体で誘導可
能(WIR−2;Kmeclら,1995)であると確認された2つのコムギ遺
伝子の転写を、コムギ品種Bobwhiteの種々の誘導条件下で評価した。1
4日齢のコムギ植物に、20% アセトン/80% 水(v/v)+0.05%
Tween20(v/v)中の1mM INAを噴霧し又は該噴霧溶液(−I
NA)で模擬処理を施し又は前記のとおりにエリシフェ・グラミニス(Erys
iphe graminis)f spホルデイ(hordei)(うどんこ病
菌)での攻撃を行なった。第3日に葉組織を集め、TRIZOL(登録商標)試
薬(GibcoBRL)を該製造業者の説明に従い使用して全RNAを単離した
。10μgの全RNAをアガロースゲル分離し、HYBOND N+ナイロン(
Amersham Life Science)メンブレンに移した。遺伝子特
異的プライマーOB28(配列番号26)およびOB29(配列番号27)を使
用するPCR増幅により、WCI−2遺伝子に対するDNAプローブを調製した
。M13フォワードおよびリバースプライマー(Stratagene)を使用
するWIR−2 cDNAを含有するプラスミドのPCR増幅により、WIR−
2に対するDNAプローブを調製した。どちらの場合においても、以下の条件を
用いてPCRを行なった:94℃で5分間/94℃で1分間/45℃で45秒間
/72℃で1分間/72℃で10分間(サイクル35)の35サイクル。PCR
由来のプローブをアガロースゲル精製し、32Pランダムプライミングにより標
識し、100μg/mL魚類DNAを含有する20mLのRapid−Hyb(
Amersham)に加え、該フィルターを60℃で一晩ハイブリダイズさせた
。フィルターを65℃で2×SSC/0.1% SDSで2回(各20分間)、
0.1×SSC/0.5% SDSで2回(各20分間)洗浄し、オートラジオ
グラフィーに付した。
【0174】 コムギ品種Bobwhiteにおいては、WCI−2遺伝子は二重の実験にお
いてINAにより特異的に誘導され、病原体の攻撃による誘導は検出されない。
該病原体特異的遺伝子WIR−2は、このコムギ品種においてはINAにより若
干誘導されるが、コムギうどんこ病菌(E.graminis f sp ho
rdei)により強力に誘導される。これらの結果は、獲得耐性に関する同定さ
れているマーカーによりモニターされるとおり、Bobwhiteコムギにおけ
るINA誘導性獲得耐性経路の活性化を裏付けるものである。
【0175】 INAおよび病原体誘導条件下のコムギNph2遺伝子の誘導を試験した(図
6)。前記のとおり、コムギ(cv.Bobwhite)植物に1mM INA
を噴霧するか又は模擬処理を施した。ARの発現前(処理の0時間後)およびA
Rの局所発現後(24時間および72時間後)、前記のとおりに、全RNAをI
NA処理葉組織から回収した。RNA(10μg)を、変性アガロースゲル電気
泳動により分離し、HYBOND N+メンブレン(Amersham Lif
e Science)にトランスファーし、該Nph2プローブでハイブリダイ
ズさせた。KSおよびSKプライマー(Stratagene;30サイクルの
PCR:94℃で5分間/94℃で1分間/55℃で1分間/72℃で1.5分
間/72℃で10分間(30サイクル))を使用する元のNph2−1 cDN
A(配列番号7)のPCRにより、該コムギNph2プローブを作製した。該P
CR断片をアガロースゲル精製し、32Pランダムプライミングによりプローブ
用に調製した。ノーザンブロット分析のための条件は前記のとおりであった。
【0176】 本発明者らは、第3日までに、INA処理がNph2の発現における1.5〜
2倍のアップレギュレーションを引き起こすことを証明した。コムギNph2の
時機および誘導は、イネにおけるNph1で示されているものに類似している。
これらの結果は、該獲得耐性経路がBobwhite品種において活性化される
らしいことを証明している。しかし、BobwhiteのAR応答は、うどんこ
病感染から該植物を有効に防御せず、一方、コムギ品種TAM107は、うどん
こ病に対する強力な防御を与える非常に有効なINA誘導性獲得耐性応答を有す
る。強力な転写活性化および耐病性を示すコムギ品種を同定するために、本発明
者らはこの分析を拡張し、INA誘導性うどんこ病耐性および下流マーカー遺伝
子の活性化を評価しているところである。この研究は、最初は、コムギ品種カン
ズラー(Kanzler)、スレジュプナー(Slejpner)、リトモ(R
itmo)、トレミエ(Tremie)リアルト(Rialto)、ソイッソン
(Soisson)、ブリガディエル(Brigadier)を含んでいた。
【0177】 本発明者らは、該誘導性AR経路が、同一種内の品種間で異なる強度および有
効性を有している可能性があると予想している。これは、該AR経路における鍵
調節タンパク質(例えば、Nph2)の有効性によるものであるかもしれない。
コムギ品種TAM107はNph2−1およびNph2−2遺伝子の起源であり
、優勢(superior)なNph2対立遺伝子を表しうる。本発明者らは、
より弱い品種(例えば、Bobwhite)におけるTAM107 Nph2対
立遺伝子の過剰発現が、トランスジェニック的にAR応答の増強に役立ちうると
予想している。強力なARを有する品種におけるTAM107 Nph2対立遺
伝子の過剰発現は、耐性の増強を招く可能性があり、より強力な応答を引き起こ
し又は病原体防御のスペクトルを広げると考えられる。
【0178】 本発明者らは、Nph2に加えて、ストレス適応に関与する遺伝子が、AR応
答中にアップレギュレーションされうると仮定している。例えば、熱ショックタ
ンパク質hsp90は、細胞ストレス適応に関与することが示されている(Al
iら,1998;Marrsら,1993)。この仮定を試験するために、本発
明者らは、前記と同じノーザンブロット分析を行なって、hsp90遺伝子発現
に対するINAおよび病原体での攻撃の影響および時機を確認した。オオムギh
sp90に対するプローブをRT−PCRにより調製した(実施例1を参照され
たい)。オリゴdTプライマー(Stratagene)を使用してオオムギ(
cv.Morex)から抽出したポリA(2.5μg)から、第1鎖cDNAを
合成した。約125ngの第1鎖cDNAを鋳型として使用し、OB38(配列
番号28)およびOB39(配列番号29;35サイクルのPCR:94℃で5
分間/94℃で1分間/44℃で45秒間/72℃で1分間/72℃で10分間
)を使用して、病原体により誘導されうるオオムギhsp90(GeneBan
k受託x67960)の452bpの断片をPCR増幅した。該PCR断片をp
MON38201(図2)内にクローニングし、配列が部分hsp90 cDN
Aであることを確認した(ABI PRISM(登録商標)Dye Termi
nator Cycle Sequencing,Perkin−Elmer)
。該PCR産物をアガロースゲル精製し、ランダムプライミングにより32P標
識し、プローブとして使用した。Nph2およびWCI−2の場合と同じノーザ
ンブロットをhsp90遺伝子発現に関してプローブした。本発明者らは、Np
h2と同じ時機およびパターンで、INA処理後にコムギにおいてhsp90が
強力に誘導されることを見出した。このことは、hsp90が、獲得耐性の活性
化に関するもう1つのマーカー遺伝子として働きうることを示している。
【0179】 本発明者らは、未誘導条件下の発現のレベルを測定するために、コムギNph
2転写の発生パターンを評価した。生育箱条件(12時間/12時間の昼/夜サ
イクル)下で成長したコムギ植物(cv.Bobwhite)を、7日後に収穫
した。植物を鉢植え用の養土から取り出し、根を水道水で洗浄し、植物を以下の
サンプルに分けた:根、子葉鞘、葉基。該葉を、葉身の基部より上(子葉鞘より
上=葉部分1)から葉の先端(葉部分5)までの5つの等しい部分に分けた。全
RNA(10μg/レーン)を単離し、0.7kbのNph2 PCR断片をプ
ローブとして使用して、前記のとおりにノーザンブロット分析を行なった。フィ
ルターを65℃で一晩ハイブリダイズさせ、室温で1回(2×SSC/0.1%
SDS、5分間)、65℃で2回(1×SSC/0.1% SDS、20分間
)、65℃で1回(0.5×SSC/0.1% SDS)洗浄し、オートラジオ
グラフィーに付した。
【0180】 ノーザンブロット分析は、細胞分裂および伸長の領域に相当するコムギ葉の中
央部分においてNph2の発現の上昇を示した(図7)。これとは対照的に、該
葉のその他の部分および根におけるNph2の発現は低かった。Nph2を全て
の細胞型において広範囲でトランスジェニック的に過剰発現させることにより、
または特定の細胞型または組織に発現を導くことにより、本発明者らは、特定の
クラスの病原体が有効に防除されうると予想している。
【0181】 実施例9:単子葉植物Nph遺伝子の同定 強くINAに応答するNph2コムギホモログを発現する植物を同定するため
に、本発明者らは、以下の登録体(accessions)のINA処理および
未処理植物におけるNph2および下流応答遺伝子の両方の発現レベルを比較し
た:ティー・アエスチブム(T.aestivum−8)登録体;ティー・ジコ
ックム(T.dicoccum)−7登録体;ティー・モノコックム(T.mo
nococcum)−7登録体;ティー・ドゥルム(T.durum)−8登録
体;ティー・タウシイ(T.tauschii)−33登録体。植物を温室内で
成長させ、INAで処理し(または模擬処理し)、全RNAを単離し、Nph2
PCR断片、hsp90またはWCI−2プローブを使用してノーザンブロッ
ト分析を行なった(実施例8に詳しく説明されている)。フィルターを65℃で
一晩ハイブリダイズさせ、室温で1回(2×SSC/0.1% SDS、5分間
)、65℃で2回(1×SSC/0.1% SDS、20分間)、65℃で1回
(0.5×SSC/0.1% SDS)洗浄し、ハイブリダイズしているバンド
をオートラジオグラフィーにより可視化した。
【0182】 ノーザンブロット分析は、調べた全ての登録体においてINA処理後にNph
2の誘導が1〜2.5倍アップレギュレーションされることを示した。下流応答
遺伝子に関しては、遺伝子誘導能におけるはるかに大きなばらつきが認められた
。それぞれ熱ショック90タンパク質hsp90(Marrsら,1993)お
よびリポキシゲナーゼ(WCI−2;Gorlachら,1996)をコードす
る最高レベルの2つの下流応答遺伝子が、登録体PI1538722(cv.T
.monococcum)、TA5023(cv.T.durum)およびTA
1599(cv.T.tauschii)において認められた。
【0183】 実施例10:Nph1およびNph2での単子葉植物の形質転換 単子葉植物種内へのイネNph1およびコムギNph2遺伝子の形質転換は、
トランスジェニック植物の発現に適した分子構築物を集合させることにより促進
された。アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換のた
めの構築物および粒子射撃形質転換のための構築物の集合を含むいくつかのアプ
ローチを採用した。
【0184】 イネアグロバクテリウム形質転換 イネNph1およびコムギNph2構築物をイネの形質転換のために調製した
。3個の初期構築物をアグロバクテリウム媒介形質転換用に作製し、2個を粒子
射撃用に作製した。5’非翻訳領域を含有するイネNph1遺伝子と該バイナリ
ープラスミドとの集合は、以下の工程を含むものであった。Nph1を保持する
プラスミド(実施例2)を制限酵素NcoIおよびEcoRVで消化し、1.9
kbの断片をゲル精製し、pMON19648シャトルベクターのNcoI/E
coRI(平滑)部位内にクローニングした。これは、NotI制限部位に隣接
する強化35Sプロモーター−hsp0イントロン−Nph1cDNA−Nos
3’のカセットを与えた。該カセットをNotI 3.7kb断片として回収し
、バイナリーpMON18634の対応NotI部位内にクローニングした。5
’UTRを含有するNph1を保持する最終的なバイナリープラスミドはpMO
N30643(図8)である。
【0185】 イネNcoIプライマー(配列番号34)およびNS−10プライマー(配列
番号35)を使用して、5’UTRを欠くNph1のもう1つの形態をpGEM
Tプラスミド(実施例2)中のNph1 cDNAのPCR増幅により構築して
、386bp断片を得、それを、QIAquick PCR精製キット(Qia
gen)を使用して精製した。該PCR産物をNcoII/Nar1制限酵素で
消化して83bpの断片を得、それを使用して、全5’UTRを欠失させるため
に該プラスミドポリリンカー内のNcoI部位を用いてNph1完全長cDNA
中のNcoI/Nar1断片を置換した。該PCR修飾は、該推定Nph1コー
ド配列内の最初のメチオニンコドンの直上流に新たなNcoI部位を移した。該
修飾Nph1遺伝子を保持するプラスミドをNcoI/EcoRVで制限消化し
、1.5kbの断片をアガロースゲル精製し、pMON19648内にサブクロ
ーニングして(既に記載されているとおりに行なった)、pMON30639シ
ャトルベクターを作製した。e35Sプロモーター−hsp70イントロン−N
ph1(5’UTRを欠くもの)−Nos3’ターミネーター配列を保持するカ
セットを、NotI断片として遊離させ、pMON18364バイナリープラス
ミド(図9)内にサブクローニングした。
【0186】 また、コムギNph2−1 cDNAをイネ形質転換用のバイナリープラスミ
ド内に集合させた。元のBluescript SK+ベクター(Strata
gene;実施例3)由来のNph2−1遺伝子を単子葉植物のアグロバクテリ
ウム媒介形質転換に適した最終的なバイナリーベクター内にサブクローニングす
るためには、いくつかの工程を要した。該Nph2−1 cDNAを、3’およ
び5’末端で修飾して、シャトルベクター内への後のサブクローニングに適した
制限部位を得た。該5’末端における修飾は、OB−63(配列番号32)およ
びOB−64(配列番号33)を使用するNph2−1 cDNAのPCR増幅
により達成され、それにより175bpの断片を得、それを、QIAquick
PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。該PCR産物をCl
aI/Nar1制限酵素で消化して83bpの断片を得、それを使用して、Np
h2−1内の内因性ClaI/Nar1断片を置換した。該PCR修飾は、該推
定Nph2−1コード配列の最初のメチオニンコドンの直上流に新たなNcoI
部位を導入した。Nph2−1の3’末端における修飾は、OB−61(配列番
号30)およびOB−62プライマー(配列番号31)を使用する該Nph2−
1 cDNAのPCR増幅により達成された。増幅された280bpの断片を前
記のとおりに精製し、制限酵素XbaI/BsmIで消化して、170bpの断
片を得、それを使用して、Nph2−1内の内因性XbaI/BsmIを置換し
た。この置換は、Nph2−1の3’末端の推定終結コドンの下流に唯一のEc
oRI制限部位を導入した。該5’および3’修飾領域全体の配列を確認した(
ABI PRISM(登録商標)Dye Terminator Cycle
Sequencing,Perkin−Elmer)。該修飾コムギNph2−
1 cDNAを保持するプラスミドをNcoI/EcoRIで制限消化して、1
.8kbの断片を遊離させ、それをpMON19846のNcoI/EcoRI
部位内にサブクローニングして、pMON30636シャトルベクターを得た。
該強化35Sプロモーター−hsp70イントロン−Nph2−1−Nos3’
カセットを、NotI消化により該シャトルベクターから遊離させ、pMON1
8364のNotI部位内にクローニングした。Nph2−1を保持する最終的
なバイナリーはpMON30637(図10)である。
【0187】 形質転換の方法 ストック植物および外植片組織: 開花の7〜11日後にジャポニカ(Japonica)イネ品種M202の未
熟胚を収穫する。逆浸透(RO)水を含有する容器内に円錐花序を集める。穏和
な界面活性剤(Tween20)の1滴を含有するRO水中で円錐花序を回転さ
せる。RO水中で3回リンスする。円錐花序を70%エタノール中で約60秒間
回転させる。RO水でリンスする。種皮を除去する。脱皮種子をRO水中に配置
する。無菌容器内に配置し、70%エタノールで約30秒間リンスする。エタノ
ールを無菌ピペットで除去する。50%漂白剤+1滴のTween20を加える
。カバーをし、室温で150rpmのシェーカー上に少なくとも30秒間載せる
。無菌RO水で6回リンスする。胚を取り出す。
【0188】 アグロバクテリウムの培養および接種: バイナリーベクターを保持する武装解除(disarmed)アグロバクテリ
ウム(Agrobacterium)株C58(ABI)を全ての実験に使用し
た。アグロバクテリウムの培養をグリセロールストックから又は新鮮にストリー
クされたプレートから開始し、50mg/Lカナマイシン、50mg/Lストレ
プトマイシンおよびスペクチノマイシンならびに25mg/Lクロラムフェニコ
ールを200μMアセトシリンゴン(AS)と共に含有する液体LB培地(pH
7.0)(Miller,1972)中、振とう(約150rpm)しながら2
6〜28℃で中期対数期(OD660=約1〜1.5)まで一晩培養した。該細
胞を4℃、5000rpmで15分間遠心分離した。2.2g/L MS塩、1
mL/L MSビタミン(1000×ストック)、115mg/Lプロリン、1
0g/Lグルコース、20g/Lショ糖を含有するMSVI培地で該ペレットを
リンス/再懸濁させた。細胞を4℃、5000rpmで15分間遠心分離した。
該アグロバクテリウム細胞を該接種培地(MSPL)に再懸濁させ、OD660 が1になるように該濃度を調節した。MSPL(MS塩,2.2g/L;MSビ
タミン,1mLの1000×ストック;プロリン,115mg/L;グルコース
,26g/L;ショ糖,68.5g/L)をMSPL 5ml当たり1μLのア
セトシリンゴンと共に、アグロバクテリウムのペレットに加え、それを所望のO
Dにした。無菌ペトリ皿の内側に、75〜100μLのアグロバクテリウム液滴
を配置した。各液滴内に5個の胚を配置した。室温で15分間インキュベートし
た。該アグロバクテリウム液滴を除去した。胚を共存培養培地(MS塩,2.2
g/L;MSビタミン,1mLの1000×ストック;チアミンHCl,0.5
mg/L;プロリン,115mg/L;グルコース,10g/L;ショ糖,20
g/L;2,4−D,2mg/L;ピクロラム(pichloram)),2.
2mg/L;低EEOアガロース,5.5g/L;アセトシリンゴン,200μ
M;AgNO,20μM)上に配置し、23℃で1〜3日間インキュベートし
た。1日後、4.4mg/L MS塩、1mL/L MSビタミン(1000×
ストック)、1mg/LチアミンHCL、20g/Lショ糖、500mg/Lグ
ルタミン、750mg/L塩化マグネシウム、100mg/Lカゼイン水解物、
2mg/L 2,4−D(pH5.8)、2g/L フィタゲル(Phytag
el)を含有するディレイ(Delay)培地に胚を移した。高圧滅菌後、2.
2mg/Lピクロラム、500mg/Lカルベニシリン、20μM硝酸銀(2m
g/mLストックの1.7mL/L)を加えた。
【0189】 選択および再生 暗所中のディレイ(delay)培地上で24℃で7日後、40mg/L G
418および250mg/Lカルベニシリンで補足されたNPT1(表2)に該
未熟胚を移した。1週間後、該胚を小さな小片に継代培養し、40mg/L G
418および250mg/Lカルベニシリンで補足された前再生培地(NPT2
)上に配置した。2週間後、25mg/L G418および100mg/Lカル
ベニシリンで補足されたNPT3に小片を移し、24℃でパーシバル(perc
ival)の16時間の光周期に配置した。2週間後、緑色のシュートが形成し
始めたら、25mg/L G418および100mg/Lカルベニシリンで補足
されたフィタトレイ(phytatray)内のNPT4にすべての緑色領域を
移した。さらに2〜4週間後、非形質転換植物は矮化し、該フィタトレイの頭部
までは成長しないであろう。該フィタトレイの頭部まで成長し該根上に根毛を有
する植物の集団を維持した。植物を穏やかに分離し、25mg/L G418お
よび100mg/Lカルベニシリンで補足されたNPT4フィタトレイに個々の
植物を入れた。植物を、この時点(それが該フィタトレイの頭部に達し、根毛を
有する良好な根系を有する場合)で温室に送ることができる。
【0190】
【表2】
【0191】 イネの粒子射撃形質転換 2つの構築物をイネの粒子射撃形質転換用に集合させた。e35Sプロモータ
ー−hsp70イントロン−イネNph1 cDNA(5’UTRを欠くもの)
−Nos 3’ターミネーターを含有するカセットをpMON30639シャト
ルベクターからのNotI断片としてpMON19572のNotI部位内にサ
ブクローニングした。最終的なプラスミドpMON30645(図11)をKp
nIで制限消化し、精製された6754bpの断片をイネ胚の粒子射撃用に使用
した。e35Sプロモーター−hsp70イントロン−コムギNph2−1 c
DNA−Nos 3’ターミネーターを含有するカセットをpMON30636
からのNotI断片としてpMON19572のNotI部位内にサブクローニ
ングした。最終的なプラスミドpMON30644(図12)をPvuIIで制
限消化し、精製された7412bpの断片をイネ胚を射撃するために使用した。
【0192】 ビーズ調製工程からPEGを除いたChristouら(1991)の方法を
用いる粒子射撃により、イネを形質転換した。1mMグリフォセートを6週間使
用した以外はAbediniaら(1997)の方法を用いて、選択を行なった
。推定トランスジェニックカルス片を、0.1mg/L IAA、0.1mg/
Lゼアチンおよび0.02mMグリフォセートで補足されたMS培地に移し、光
下で23℃で3週間培養した。小さな緑色シュートを、1/2 MS塩、MSビ
タミン、100mg Myo−イノシトール、60gm/Lショ糖、0.5mg
/L IBAおよび0.02mMグリフォセート(高圧滅菌後に加えられたもの
)を含有する培地に移した。シュートを光下で23℃で2週間培養した。
【0193】 コムギの形質転換 コムギ植物の形質転換のために、前記のpBluscript内の修飾Nph
2−1 cDNAをNcoI/EcoRIで消化し、1.8kbの断片をシャト
ルベクター(pMON32635)内に対応NcoI/EcoRI部位において
サブクローニングした。これは、e35Sプロモーター−CABリーダー−イネ
アクチンイントロン−Nph2−1−コムギhsp17 3’ターミネーターを
含有するカセットを与えた。該全カセットをNotI制限断片として切り出し、
バイナリーベクターpMON45119内の対応するNotI部位内にクローニ
ングした。Nph2−1での単子葉植物のアグロバクテリウム媒介形質転換のた
めの最終的なバイナリー体はpMON30635(図13)である。
【0194】 1.外植片の調製 コムギ(Triticum aestivum L)cv Bobwhite
の未熟胚を、受粉の13〜15日後の未熟えい果(コムギ小穂)から単離し、C
M4C(表3)上で3〜4日間培養した。胚形成性カルスを有さない胚をアグロ
バクテリウム(Agrobacterium)接種用に選択した。
【0195】
【表3】
【0196】 2.アグロバクテリウムの培養および接種 バイナリーベクターを保持する武装解除(disarmed)アグロバクテリ
ウム(Agrobacterium)株C58(ABI)を全ての実験に使用し
た。アグロバクテリウムの培養をグリセロールストックから又は新鮮にストリー
クされたプレートから開始し、50mg/L カナマイシン、50mg/L ス
トレプトマイシンおよびスペクチノマイシンならびに25mg/L クロラムフ
ェニコールを200μM アセトシリンゴン(AS)と共に含有する液体LB培
地(pH7.0)(Miller,1972)中、振とう(約150rpm)し
ながら26〜28℃で中期対数期(OD660=約1〜1.5)まで一晩培養し
た。該アグロバクテリウム細胞を該接種培地に再懸濁させ、OD660が1にな
るように該濃度を調節した。CMC4C培地内で培養した未熟胚を、ペトリプレ
ート当たり10mLまたは細胞培養クラスタープレート当たり5mLの接種培地
を含有する無菌ペトリプレート(16×20mm)または6ウェル細胞培養プレ
ート(Costar Corporatio,Cambride,MA)内に移
した。アグロバクテリウム細胞の最終濃度が0.5のOD660となるように又
は幾つかの実験においては0.25のOD660となるように、等量の該アグロ
バクテリウム細胞懸濁液を加えた。ほとんどの実験においては、プルロニック(
pluronic)F68を0.01%の最終濃度で該接種混合物に加えた。該
アグロバクテリウムと未熟胚(IE)との比は、約10mL:20〜200 I
Eであった。接種のための条件は、23〜26℃の温度および25〜30分間の
持続時間であった。
【0197】 3.共存培養 該接種時間の後、社内の真空装置を使用することにより、残りのアグロバクテ
リウム細胞を該外植片から取り出した。1枚の無菌ワットマン(Whatman
)No.1濾紙(該ペトリプレートの大きさに合わせたもの)を60×15また
は60×20mmペトリ皿のそれぞれに配置した。175〜190μLの無菌水
を該濾紙の中央部に配置した。2〜3分後、該接種未熟胚を該プレート内に配置
した。通常、20〜50個の外植片を1つのスタック(積み重ね)として分類し
(約1cmのサイズで60〜80mg/スタック)、各プレート上に4〜5個の
スタックを得た。該プレートを直ちにパラフィルム処理し、ついで暗所中、24
〜26℃で2〜3日間共存培養した。
【0198】 4.選択および再生 該ディレイ(delay)培地上で2〜3日後、25mg/L G418およ
び500mg/L カルベニシリンで補足されたCM4Cに該未熟胚を移した。
2〜3週間後、該胚を、より小さな小片(〜2mm)に分け、25mg/L G
418および250mg/L カルベニシリンで補足された第1再生培地MMS
.2C(表2)に継代した。該再生培地に移す際に、各カルス片を更に幾つかの
小片(〜2mm)に分割した。移して2週間経過後、若いシュートおよび生存可
能なカルス組織を、同じ濃度のG418およびカルベニシリンを含有する第2再
生培地MMS0C(表2)に移した。より大きな組織片を、既に記載されている
とおりの、より小さな小片に分離した。真の形質転換体であると後に確認された
小植物は、この培地上で著しく成長し強い根系を形成した。10本の短く強い根
を有する強い根毛または二次根を有する植物を、更なる成長および選択のために
該第2再生培地を含有するSundaeカップ(Sweetheart Cup
Company,Chicago,IL)に移した。該Sundaeカップ内
での成長期間中に、非形質転換体のほとんどが枯死するか、またはG418に対
する感受性の徴候を示した。強い根系を有し著しく成長するG418に非常に耐
性である植物を、それが該Sundaeカップの頭部まで成長する前に土壌に移
した。同一胚に由来する全ての植物を、同一事象からの同胞とみなした。
【0199】 5.該トランスジェニック植物の検出および分析 高輝度放電(HID)Sylvania灯(GTE Products Co
rp.,Manchester,NH)により得られる800molm−2 で16時間の光周期の環境的に制御された生育箱内で、該植物を成長させた。
該昼/夜温度は18/16℃であった。該植物のほとんどを土壌に移すためには
、接種から約2.5〜3ヵ月を要し、視覚的に認められる異常は観察されなかっ
た。後記のとおりに、各植物を獲得耐性遺伝子に関して試験する。
【0200】 実施例11:Nph2−1トランスジーンを保持するトランスジェニックコム
ギの分析 コムギ品種「Bobwhite」内へのNph2−1(pMON30635)
のアグロバクテリウム媒介形質転換は、独立した51個のトランスジェニック系
統を与えた。R0植物のRNAゲルブロット分析は、一定範囲のトランスジーン
の発現を示し、36個の系統が、Nph2−1を低レベル(対照植物より低い又
はそれと同様)で発現し、6個の植物は、2〜5倍高い相対転写レベルを含有し
、9個の系統は、未形質転換対照より少なくとも5倍高いレベルを含有していた
。T−DNA座位の数を遺伝的に測定するために、一定範囲の発現レベルを示す
無作為に選択した13個のR0植物を、成熟するまで成長させて、R1種子を単
離した。R0植物1個当たり約40個のR1種子が発芽し、3葉段階まで成長し
た。これらのR1実生にパラモマイシンを噴霧して、NPTII遺伝子の発現に
関してアッセイした。分析した全14個の事例においては、該R1系統群におい
てパラモマイシン耐性の3:1(耐性:感受性)の分離が認められ、このことは
、該T−DNAが単一座位において組込まれていることを示している。
【0201】 前記R1系統群の9個において、うどんこ病菌(Erysiphe gram
inis pv.tritici)を使用する接種試験を行なった。各系統群は
、3週段階まで成長した24個のパラモマイシン耐性R1植物を含有していた。
これらのトランスジェニック植物および未形質転換対照の両方に、うどんこ病菌
(E.g.tritici)を感染させ、それを11日後に疾患徴候に関して評
価した。この試験においては、該トランスジェニック系統のいずれもが、対照植
物と比較した場合の耐性レベルの増加を示さなかった。実際のところ、9個中7
個の系統が、感受性の若干の増加を示した(P<0.05)。平均では、疾患徴
候の相対感受性は、トランスジェニック系統では対照より約10%高かった。シ
ロイヌナズナ(Arabidopsis)におけるNPR1の場合とは異なり、
Nph2−1の過剰発現はコムギにおける耐病性を促進しないらしい。
【0202】 SARの化学的活性化後にトランスジェニック系統において潜在的に誘導され
る耐性のレベルを測定するために、4個のR1集団のそれぞれを、12個の植物
の2群(一方の群はINA処理したもの、もう一方の群は模擬処理したもの)に
分けた。3日後、各亜群を、前記のとおりに、うどんこ病菌(E.g.trit
ici)で疾患に関して試験した。対照である非トランスジェニックBobwh
ite植物のINA処理後、疾患徴候は、模擬処理植物と比較して25%減少し
た。INA噴霧処理により生じた疾患減少のこのレベルは、本発明者らのアッセ
イ条件において、試験間で一貫している。しかし、INA誘導後のそれらの4個
のトランスジェニック集団のいずれにおいても、有意な徴候減少は観察されなか
った。いずれの場合においても、該処理および模擬処理対照亜集団は病原体耐性
の増強を示さず、疾患の重症度は未処理Bobwhite対照と比較しうるもの
であった。これらの結果は、Nph2−1を含有するトランスジェニックコムギ
植物が、それらの全身性獲得耐性応答に関して損なわれていることを示している
【0203】 実施例12:耐性の増強に関するトランスジェニックイネの分析 実施例10に記載のとおり、種々のバイナリー構築物をイネ(cv.M202
)内に導入し、得られたトランスジェニック植物を分析的に及び疾患試験により
分析した(表4)。
【0204】
【表4】
【0205】 各トランスジェニック集団をNptIIの発現およびNph1タンパク質の発
現に関してスクリーニングした(ELISAおよび/またはウエスタンブロット
分析)。また、選択したR0系統を、Nph1転写産物のレベルの変化に関して
RNAブロット分析により評価した。低度、中等度および高度に発現する系統の
サブセットに関して、該R0植物を自家受粉させ、得られたR1集団を耐病性、
Nph1転写産物レベルおよびNph1タンパク質蓄積に関してアッセイした。
【0206】 pMON30640に関しては、独立した58個のR0系統がアグロバクテリ
ウム形質転換により得られた。植物をELISAによりスクリーニングして、9
個の高度、8個の中等度および41個の低度発現系統を得た(高度=対照より2
.5倍以上高い;中等度=対照より1.5〜2.5倍高い;低度=対照の1.0
〜1.5倍)。これらのうちの19個の系統(6個の高度発現系統、5個の中等
度、および7個の低度発現系統)を自家受粉させ、該R1集団を、イネいもち病
の原因因子であるマグナポルセ・グリセア(Magnaporthe gris
ea)に対する耐病性に関してスクリーニングした。試験した19個の集団のう
ちの1つの系統(12536)だけが、該R1分離個体のなかで耐性の増強を示
した(耐性6:感受性14)。該系統12536の耐性応答は、INA誘導耐性
イネの表現型に類似した、病原体の攻撃後の細胞死の非常に小さな斑点として現
れる。壊死の広がりは認められず、植物は依然として健常である。該12536
R1分離個体のウエスタンブロット分析は、Nph1タンパク質レベルの分離
を示し、交差ハイブリダイズバンドは、対照植物由来の認識タンパク質と同等ま
たはそれより有意に強力であった。pMON30643では、独立した22個の
系統が得られ、それらのすべては、低レベルのNph1タンパク質蓄積を有する
R0植物を与えた。pMON30640構築物とは対照的に、これらの系統は、
タンパク質発現における適度な増強を示したに過ぎず、15/22個は対照植物
と同一であり、残りの7/22個は、対照より1.1倍〜1.4倍高かった。疾
患スクリーニングのために、16個のR0植物を自家受粉させてR1集団を得た
。これらの16個のR1集団のうちの5個の系統が、いもち病耐性分離個体を含
有していた。
【0207】 また、2つの異なる構築物のうちの1つを使用するDNAパーティクルガン射
撃により、92個のR0イネトランスジェニック系統を作製した。イネ構築物p
MON30644を使用して48個の系統が得られ、コムギNph2−1構築物
pMON30645を使用して44個の系統が得られた。pMON30640と
等価であろうpMON30644構築物からは、本発明者らは、耐性の増強を示
す10/44個のR0系統を見出している。コムギNph2−1遺伝子(pMO
N30645)を保持する44個の系統のうち、本発明者らは、独立した4個の
耐性系統を同定した。前記のとおり、これらのトランスジェニック体の耐性は、
化学物質INAによる誘導の場合と表現型上は類似したものとして現れ、真菌感
染部位における限局した非常に小さな病変として現れる。感受性相互作用におい
て認められる広範に広がる病変とは異なり、これらの壊死斑点のサイズは決して
増加せず、真菌胞子生成は劇的に抑制された。これらの結果は、コムギおよびイ
ネの両方のNprホモログが、イネにおいて発現されると、SAR経路を増強す
ることを示唆している。
【0208】 Nph1またはNph2−1のトランスジェニック過剰発現は、INA誘導で
認められるものに類似したマグナポルセ・グリセア(M.grisea)に対す
る強力な耐性を促し、非生物的ストレス(例えば、熱、干ばつ及び寒冷)に対す
るイネの耐性をも改善するはずであり、植物の活力がNph1またはNph2の
トランスジェニック発現により増強されるであろう。
【0209】 本明細書に記載の全ての刊行物および特許出願は、本発明に関連する当業者の
技術水準を示している。すべての刊行物および特許出願は、各刊行物または特許
出願が参照により本明細書に組み入れられると具体的かつ個々に示されているの
と同程度に、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0210】
【表5】
【0211】 本発明は例示目的で詳細に記載されているが、そのような詳細な説明は専ら例
示目的にすぎず、特許請求の範囲により定義される本発明の精神および範囲から
逸脱することなく種々の変更が本発明において当業者により施されうると理解さ
れる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 シロイヌナズナ(Arabidopsis)およびニコチアナ・グルチノサ(
Nicotiana glutinosa)(Ausubelら,1998)由
来のNpr1双子葉植物ホモログに関する推定アミノ酸配列ならびにトウモロコ
シ(Corn)クローン700214872配列(配列番号7)のアライメント
を示す。
【図2】 プラスミドpMON38201を示す。
【図3A】 INAでの化学処理によるイネ(cv.M202)におけるARの誘導、およ
びイネいもち病菌(マグナポルセ・グリセア(Magnaporthe gri
sea))に対する防御を示し、Aは、未処理対照葉の外観である。
【図3B】 INAでの化学処理によるイネ(cv.M202)におけるARの誘導、およ
びイネいもち病菌(マグナポルセ・グリセア(Magnaporthe gri
sea))に対する防御を示し、Bは、0.5mM INAで処理された葉の外
観である。
【図4】 INA処理後およびイネいもち病菌(マグナポルセ・グリセア(Magnap
orthe grisea))での攻撃後の、ノーザンブロット分析によるイネ
Nph1の誘導パターンを示す。
【図5A】 INA処理後のコムギ(cv.TAM107)におけるARの誘導、およびウ
ドンコ病菌(エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)
f spホルデイ(hordei))に対する防御を示し、Aは低い倍率の模擬
噴霧対照を示す。
【図5B】 INA処理後のコムギ(cv.TAM107)におけるARの誘導、およびウ
ドンコ病菌(エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)
f spホルデイ(hordei))に対する防御を示し、Bは、より高い倍率
の、より小さな選択領域を示す。
【図5C】 INA処理後のコムギ(cv.TAM107)におけるARの誘導、およびウ
ドンコ病菌(エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)
f spホルデイ(hordei))に対する防御を示し、Cは、200ppm
のINAを噴霧した葉の一部の低い倍率の外観を示す。
【図5D】 INA処理後のコムギ(cv.TAM107)におけるARの誘導、およびウ
ドンコ病菌(エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)
f spホルデイ(hordei))に対する防御を示し、)Dは、より高い倍
率の、同じ葉の、より小さな領域を示す。
【図6】 INA処理後のコムギにおけるコムギNph2遺伝子発現の誘導プロフィール
のノーザンブロット分析を示す。ノーザンブロットをトウモロコシEST 70
0214872 Npr1ホモログでプローブした。各レーンに0.5μgのコ
ムギmRNAをローディングした。レーン1:時間「0」の植物;レーン2:2
4時間の時点のINA処理植物;レーン3:48時間の時点のINA処理植物;
レーン4:72時間の時点のINA処理植物;レーン5:96時間の時点のIN
A処理植物。
【図7】 品種TAM107におけるコムギNph2の発生(developmenta
l)発現パターンのノーザンブロット分析を示す。ノーザンブロットを0.7k
bのコムギNph2 PCR断片でプローブした。各レーンに15μgのコムギ
(cv.Bobwhite)mRNAをローディングした。レーン1:根組織;
レーン2:子葉鞘;レーン3:葉基;レーン4:葉断片1;レーン5:葉断片2
;レーン6:葉断片3;レーン7:葉断片4;レーン8:葉断片5(葉の先端)
【図8】 内因性イネ5’リーダー配列と共にイネNph1 cDNAを含有する、イネ
の形質転換のためのpMON30643バイナリープラスミドを示す。該バイナ
リーコスミドベクターのT−DNA構造は、LB=左境界;RB=右境界;P−
e35S=カリフラワーモザイクウイルスの強化35Sプロモーター;Kan=
Tn5ネオマイシンホスホトランスフェラーゼIIのコード領域;Nos3’=
ノパリンシンターゼ遺伝子の終結配列を含む。
【図9】 イネ5’リーダー配列を欠き該推定コード領域に対応するイネNph1 cD
NAを含有する、イネの形質転換のためのpMON30640バイナリープラス
ミドを示す。
【図10】 使用する推定コード領域に対応するコムギNph2−1 cDNAを含有する
、イネの形質転換のためのpMON30637バイナリープラスミドを示す。
【図11】 内因性イネ5’リーダー配列を含有するイネNph1 cDNAを含有する、
イネの粒子射撃形質転換に使用するpMON30645プラスミドを示す。
【図12】 該推定コード領域に対応するコムギNph2−1 cDNAを含有する、イネ
の粒子射撃形質転換に使用するpMON30644プラスミドを示す。
【図13】 コムギNph2−1コード配列を含有する、コムギの形質転換のためのpMO
N30635プラスミドを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 スリバスターバ,ニーラム アメリカ合衆国、ミシガン・48105、ア ン・アーバー、ヒツコリー・ポイント・ド ライブ・2394 (72)発明者 ソーズ,キヤスリーン・エム アメリカ合衆国、ミズーリ・63017、チエ スタフイールド、リバー・ベンド・ドライ ブ・92 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD05 CA17 CA19 CB02 CD03 CD07 CD09 CD13 CD17 4B024 AA08 BA80 CA04 DA01 EA04 GA11 HA01 4B065 AA88X AA88Y AB01 AC20 BA02 CA24 CA53 4H045 AA10 BA10 CA31 CA32 DA86 EA05 FA74

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号4、配列番号10および配列番号11よりなる群か
    ら選ばれるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列。
  2. 【請求項2】 配列番号1の核酸配列またはその相補体またはストリンジェ
    ンシーの高い条件下で配列番号1にハイブリダイズする配列を含む、請求項1記
    載の核酸配列。
  3. 【請求項3】 配列番号5の核酸配列またはその相補体またはストリンジェ
    ンシーの高い条件下で配列番号5にハイブリダイズする配列を含む、請求項1記
    載の核酸配列。
  4. 【請求項4】 配列番号6の核酸配列またはその相補体またはストリンジェ
    ンシーの高い条件下で配列番号6にハイブリダイズする配列を含む、請求項1記
    載の核酸配列。
  5. 【請求項5】 さらにRNA配列として定義される、請求項1記載の核酸配
    列。
  6. 【請求項6】 a)配列番号4を含むタンパク質をコードする配列番号1の
    ヌクレオチド配列、 b)遺伝暗号の縮重により、a)のヌクレオチド配列にコードされるペプチド
    をコードするヌクレオチド配列、および c)ストリンジェンシーの高い条件下でa)またはb)のいずれかにハイブリ
    ダイズするヌクレオチド配列 よりなる群から選ばれるヌクレオチド配列である又はそれに相補的である単離さ
    れたDNA分子。
  7. 【請求項7】 a)配列番号10を含むタンパク質をコードする配列番号5
    のヌクレオチド配列、 b)遺伝暗号の縮重により、a)のヌクレオチド配列にコードされるタンパク
    質をコードするヌクレオチド配列、および c)ストリンジェンシーの高い条件下でa)またはb)のいずれかにハイブリ
    ダイズするヌクレオチド配列 よりなる群から選ばれるヌクレオチド配列である又はそれに相補的である単離さ
    れたDNA分子。
  8. 【請求項8】 a)配列番号11を含むタンパク質をコードする配列番号6
    のヌクレオチド配列、 b)遺伝暗号の縮重により、a)のヌクレオチド配列にコードされるタンパク
    質をコードするヌクレオチド配列、および c)ストリンジェンシーの高い条件下でa)またはb)のいずれかにハイブリ
    ダイズするヌクレオチド配列 よりなる群から選ばれるヌクレオチド配列である又はそれに相補的である単離さ
    れたDNA分子。
  9. 【請求項9】 配列番号4、配列番号10および配列番号11よりなる群か
    ら選ばれる少なくとも15アミノ酸の連続的アミノ酸配列を含む獲得耐性ポリペ
    プチドをコードするDNA配列。
  10. 【請求項10】 さらに組換えベクターとして定義される、請求項9記載の
    DNA配列。
  11. 【請求項11】 該DNAがプロモーターに作動的に連結しており、該プロ
    モーターが該DNA配列を発現する、請求項10記載のDNA配列。
  12. 【請求項12】 該プロモーターが、FMV 35Sプロモーター、強化F
    MVプロモーター、CaMV 35Sプロモーター、ssRUBISCOプロモ
    ーター、EIF−4Aプロモーター、LTPプロモーター、アクチンプロモータ
    ー、サトウキビバドナウイルスプロモーター、hsp90プロモーター、β−グ
    ルカナーゼプロモーター、リポキシゲナーゼプロモーターおよびユビキチンプロ
    モーターよりなる群から選ばれる、請求項11記載のDNA配列。
  13. 【請求項13】 請求項9記載のDNA配列を含んでなる組換え宿主細胞。
  14. 【請求項14】 さらに植物細胞として定義される、請求項13記載の組換
    え宿主細胞。
  15. 【請求項15】 リンゴ、オオムギ、ブロッコリー、キャベツ、カノラ、ニ
    ンジン、柑橘類、トウモロコシ、綿、ニンニク、オートムギ、タマネギ、エンド
    ウ、ラッカセイ、コショウ、ジャガイモ、イネ、ライムギ、モロコシ、ダイズ、
    イチゴ、テンサイ、サトウキビ、トマトおよびコムギよりなる群から選ばれるも
    のとして更に定義される、請求項14記載の植物細胞。
  16. 【請求項16】 さらにコムギまたはイネ植物細胞として定義される、請求
    項13記載の組換え宿主細胞。
  17. 【請求項17】 a)配列番号1〜2または配列番号5〜8のいずれかのヌ
    クレオチド配列、 b)遺伝暗号の縮重により、配列番号4または配列番号10〜11のいずれか
    に含有される単一の連続的ORFにコードされるタンパク質をコードするヌクレ
    オチド配列、および c)ストリンジェンシーの高い条件下で配列番号2〜3または配列番号5〜8
    のいずれかにハイブリダイズするヌクレオチド配列 よりなる群から選ばれるヌクレオチド配列である又はそれに相補的である単離さ
    れた核酸配列。
  18. 【請求項18】 請求項6記載のDNA配列にコードされる単離された獲得
    耐性ポリペプチドであって、該ポリペプチドが配列番号4に記載のアミノ酸配列
    を含むことを特徴とする獲得耐性ポリペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項7記載のDNA配列にコードされる単離された獲得
    耐性ポリペプチドであって、該ポリペプチドが配列番号10に記載のアミノ酸配
    列を含むことを特徴とする獲得耐性ポリペプチド。
  20. 【請求項20】 請求項8記載のDNA配列にコードされる単離された獲得
    耐性ポリペプチドであって、該ポリペプチドが配列番号11に記載のアミノ酸配
    列を含むことを特徴とする獲得耐性ポリペプチド。
  21. 【請求項21】 該ポリペプチドがコムギまたはイネから単離された、請求
    項18記載のポリペプチド。
  22. 【請求項22】 該ポリペプチドがコムギまたはイネから単離された、請求
    項19記載のポリペプチド。
  23. 【請求項23】 該ポリペプチドがコムギまたはイネから単離された、請求
    項20記載のポリペプチド。
  24. 【請求項24】 配列番号4に記載の獲得耐性ポリペプチドをコードするト
    ランスジーンがゲノム内に組込まれたトランスジェニック植物。
  25. 【請求項25】 配列番号10に記載の獲得耐性ポリペプチドをコードする
    トランスジーンがゲノム内に組込まれたトランスジェニック植物。
  26. 【請求項26】 配列番号11に記載の獲得耐性ポリペプチドをコードする
    トランスジーンがゲノム内に組込まれたトランスジェニック植物。
  27. 【請求項27】 該ポリペプチドが配列番号1のDNAコード配列にコード
    される、請求項24記載のトランスジェニック植物。
  28. 【請求項28】 該ポリペプチドが配列番号5のDNAコード配列にコード
    される、請求項25記載のトランスジェニック植物。
  29. 【請求項29】 該ポリペプチドが配列番号6のDNAコード配列にコード
    される、請求項26記載のトランスジェニック植物。
  30. 【請求項30】 該トランスジーンを含んでなる請求項24記載の植物の子
    孫または種子。
  31. 【請求項31】 該トランスジーンを含んでなる請求項25記載の植物の子
    孫または種子。
  32. 【請求項32】 該トランスジーンを含んでなる請求項26記載の植物の子
    孫または種子。
  33. 【請求項33】 配列番号4、配列番号10および配列番号11のアミノ酸
    よりなる群から選ばれるポリペプチドをコードする核酸配列を植物に付与するこ
    とを含んでなる、植物病原体の防除方法であって、該アミノ酸配列が、該植物に
    おける獲得耐性を増強するのに十分な量で産生されることを特徴とする方法。
  34. 【請求項34】 配列番号4、配列番号10および配列番号11に記載のア
    ミノ酸配列よりなる群から選ばれる獲得耐性ポリペプチドを植物に付与すること
    を含んでなる、植物病原体の防除方法であって、該ポリペプチドが、該植物にお
    ける獲得耐性を増強するのに十分な量で産生されることを特徴とする方法。
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