JP2002543799A - カンジダ・アルビカンス(Candidaalbicans)必須真菌特異的遺伝子の同定および抗真菌薬剤の発見におけるそれらの使用 - Google Patents

カンジダ・アルビカンス(Candidaalbicans)必須真菌特異的遺伝子の同定および抗真菌薬剤の発見におけるそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、酵母病原体カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、すなわち、CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24において単離された必須真菌特異的遺伝子および抗真菌診断においておよび抗真菌薬剤の発見のための真菌種における必須抗真菌ターゲットとしてのそれらの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は、CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24、抗真菌化合物をスクリーニングするためのそれらの使用、およびこれにより同定された薬剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、酵母病原体、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)にお
いて単離された新規な必須真菌特異的遺伝子の同定、およびそれらのサッカロマ
イセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)対応物に対するそれらの構
造的および機能的関連性に関する。さらに詳しくは、本発明は、真菌の診断およ
び抗真菌薬剤の発見におけるこれらの新規な必須真菌特異的遺伝子の使用に関す
る。
【0002】 発明の背景 日和見性真菌、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、ア
スペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、クリプトコックス・ネ
オフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、およびニューモシティス・カリ
ニ(Pneumocystis carinii)は、微生物病原体の出現するクラスであり、免疫
系が弱化されている患者において全身的真菌感染または「真菌症」を引き起こす
。カンジダ(Candida)種は、真菌病原体の主要な属として等級づけられ、今日
の病院においてすべての血流のほぼ8%の割合を占める。
【0003】 驚くべきことには、生命を脅かすカンジダ・アルビカンス(C. albicans)の
場合または「カンジダ症」の発生率は過去20年間にわたって鋭く上昇し、皮肉に
は、今日の病院における真菌症の罹患率に対する単一の最大の寄与因子は現代の
医療それ自体である。標準的医学的実施、例えば、器官移植、化学療法および放
射線療法は、免疫系を抑制し、患者を真菌感染に対して高度に耐性する。現代の
疾患、例えば、最も周知的にはAIDSはこの真菌感染発生の増加に寄与する。
【0004】 事実、ニューモシティス・カリニ(Pneumocystis carinii)の感染はAIDS被
害者の死亡率の第1の原因である。真菌感染の治療は安全性および有効抗真菌薬
剤の欠如により妨害される。今日使用されている抗菌化合物、すなわち、ポリエ
ン(アンホテリンB)およびアゾールをベースとする誘導体(フルコナゾール)
は、前者の非特異的毒性および後者に対する耐性の発生のために、効能が制限さ
れる。フルコナゾールに対する耐性は、特にカンジダ(Candida)およびアスペ
ルギルス(Aspergillus)種において十年を通して劇的に増加した。
【0005】 明らかなように、真菌の感染および耐性を防除するために新しい抗菌化合物を
開発しなくてはならない。解決法の一部分は、新規な抗真菌薬剤のターゲット(
すなわち、細胞を死亡させる機能的活性を有する遺伝子産物)の解明に依存する
。広いスペクトルの真菌における細胞生活能力に対して必須でありかつヒトにお
いて存在しない遺伝子産物の同定は、次いで薬剤の合理的スクリーニングを使用
できる、新規な抗真菌薬剤のターゲットとして働くことができるであろう。この
出発点から、必須かつ真菌特異的遺伝子を不活性化し、遺伝子崩壊の確認された
作用を模擬する特異的抗真菌化合物を同定するために、薬剤スクリーンを開発す
ることができる。
【0006】 パン・菓子用のイーストのサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)について最近完結し、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)に
ついて現在進行中のゲノム配列決定プロジェクトは、抗真菌薬剤の発見に対して
特に重要である。サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)はそれ自体
病原性ではないが、それはカンジダ・アルビカンス(C. albicans)を包含する
、日和見性病原体に分類学的に密接に関係する。
【0007】 結局、同定され、サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)において
研究される遺伝子の多数のは、スタンフォード(Stanford)カンジダ・アルビカ
ンス(C. albicans)のゲノムプロジェクト(http://candida.stanford.edu)
により提供される、豊富な配列の情報の中に存在するオーソロガス遺伝子の同定
および機能的分析を促進する。このような配列決定の努力は、必須の細胞プロセ
スに潜在的に参加し、したがって新規な抗真菌薬剤のターゲットとして働くこと
ができる、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)の遺伝子の同定を促進する
【0008】 しかしながら、ゲノム配列の分析による遺伝子の発見単独は、既知の遺伝子ま
たは新規な遺伝子を薬剤ターゲットとして確認しない。究極的に、ターゲットの
確認は直接的に病原体内の候補の薬剤ターゲット遺伝子の必須性を実験的に証明
することを必要とする。なぜなら、異なる生物における特定のオーソログのため
に必須な遺伝子間に、制限された調和のみが存在するからである。
【0009】 例えば、遺伝子崩壊により確認された13のカンジダ・アルビカンス(C. albi
cans)の必須遺伝子の文献の検索において、7つの遺伝子(すなわち、CaFKS1、C
aHSP90、CaLRE6、CaPRS1、CaRAD6、CaSNF1、およびCaEFT1)はサッカロマイセス
・セレビシエ(S. cerevisiae)において必須ではない。したがって、1つの生
物における遺伝子のヌル表現型は、ある場合において、病原性酵母におけるオー
ソロガス遺伝子の機能を暗示することがあるが、このような予測は実験後に無効
であることが証明できる。
【0010】 こうして、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)における新規な必須遺伝
子を同定し、それを薬剤ターゲットとして確認することが要求されている。 本発明は、これらおよび他の要求を満足することを探求する。 多数の文献が記載されるが、それらの内容は引用することによって本明細書の
一部とされる。
【0011】 発明の要約 一般に、本発明は、抗真菌療法のターゲットおよびこれらのターゲットを目的
とする薬剤に関連する先行技術の欠点を克服することを探求する、必須真菌特異
的遺伝子に関する。さらに、本発明は、スクリーニングアッセイ、およびそれに
より同定された、真菌、特に病原性真菌、なお特にカンジダ・アルビカンス(Ca
ndida albicans)に対して有意な特異性を表示することができる因子に関する
。 本発明は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)における必須真
菌特異的遺伝子および抗真菌薬剤の発見におけるそれらの使用に関する。
【0012】 さらに詳しくは、本発明は、サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae
)における生活能力のために必須であることが知られている遺伝子の同定、およ
び同一表現型がカンジダ・アルビカンス(C. albicans)において観測されるど
うかを直接的に評価することに関する。カンジダ・アルビカンス(C. albicans
)において必須であることが本発明において見出された、このような遺伝子は、
確認された抗真菌薬剤のターゲットとして働き、抗真菌薬剤のスクリーニングプ
ログラムにおいて新規な試薬を提供する。
【0013】 さらに詳しくは、本発明は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
のCaKRE5、CaALR1およびCaCDC24のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列に関す
る。さらに、本発明は、必須遺伝子としてCaKRE5、CaALR1およびCaCDC24を同定
し、これにより抗真菌薬剤の発見および真菌診断のためのターゲットとしてそれ
を確認することに関する。
【0014】 本発明までに、KRE5、ALR1およびCDC24が広範な種類の真菌において必須であ
るかどうかは未知であった。これらの遺伝子は発芽する酵母(例えば、サッカロ
マイセス・セレビシエ(S. cerevisiae))および分裂酵母(例えば、シゾサッ
カロマイセス・ポンベ(S. pombe))の1つにおいて必須であることが示された
が、これらの遺伝子の必須性は二形性真菌または病原性真菌(例えば、カンジダ
・アルビカンス(C. albicans))において評価されてきていない。こうして、
本発明は、KRE5、ALR1およびCDC24が非常に異なる真菌において必須遺伝子であ
ること教示し、これにより動物感染性真菌および植物感染性真菌を包含する、広
範な種類の真菌において、抗真菌薬剤を開発する診断のためのターゲットとして
、これらの遺伝子および遺伝子産物を使用する道を開いた。
【0015】 このような病原性真菌の非限定的例は下記のもを包含する:カンジダ・アルビ
カンス(Candida albicans)、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fu
migatus)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギル
ス・ニガー(Aspergillus niger)、コクシディオイデス・イミチス(Coccidio
des immitis)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neofor
mans)、エキソフィアラ・デルマチチディス(Exophiala dermatitidis)、ヒ
ストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、デルムトフィテ
ス(Dermtophytes)種、ミクロスポルム(Microsporum)種、トリコフィトン(T
rchophyton)種、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans
)、およびプッシニア・ソルギ(Puccinia sorghi)。
【0016】 さらに詳しくは、本発明は、真菌の界(Mycota)における任意の生物において
確認された薬物ターゲットとして、これらの遺伝子および遺伝子産物を同定する
ことに関する。こうして、本発明の説明は主としてカンジダ・アルビカンス(Ca
ndida albicans)に集中されるが、本発明は、また、広範な種類の真菌、さら
に詳しくは、病原性真菌における実用性を見出すことができる。
【0017】 本発明の以前において、これらの遺伝子の必須性は人間ならびに他の哺乳動物
の絶対的仲間としてサービスする、不完全、二形性酵母、例えば、カンジダ・ア
ルビカンス(Candida albicans)において証明されてきていない。そのうえ、
本発明の以前において、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)、シゾサッカ
ロマイセス・ポンベ(S. pombe)またはサッカロマイセス・セレビシエ(S. c
erevisiae)間の有意な進化の分岐にかんがみて、こうして、これらの真菌の生
物学間の差にかんがみて、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)にお
けるこれらの3つの遺伝子の任意の1つにおけるヌル突然変異が必須であるという
合理的な予測は存在しなかった。
【0018】 例えば、KRE5、ALR1およびCDC24が関係づけられる経路の複雑さにかんがみて
、CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24のノックアウトがそれらの上流または下流にお
ける他の因子により補償されないであろうことは、合理的に予測することができ
なかった。カンジダ・アルビカンス(C. albicans)は免疫抑制された個体にお
いて日和見性病原体となりうる。その形態は、特定の刺激に依存して、酵母(発
芽)形態から偽菌糸、究極的に菌糸(糸状)形態学に転じる。カンジダ・アルビ
カンス(C. albicans)の菌糸形態は病原性/ビルレントであると一般に考えら
れる。酵母から菌糸形態への変換は、二形性転位と呼ぶ発生プロセスである。
【0019】 それ以上の一般的面において、本発明は、CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24の必
須機能をターゲットするための化合物または因子を同定する、スクリーニングア
ッセイに関する。こうして、関係する面において、本発明は、これらの遺伝子ま
たは遺伝子産物をターゲットする化合物、因子または薬物についてスクリーニン
グするために、CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24をコードする配列、それらのフラ
グメントまたはそれらの誘導体を収容する構築物、またはそれらを発現する細胞
の使用に関する。
【0020】 さらに、本発明は、KRE5、ALR1またはCDC24、特にCaKRE5、CaALR1またはCaCDC
24をターゲットする因子を同定する方法およびアッセイに関する。さらに、本発
明は、これらのタンパク質が関係する経路をターゲットする因子を同定するアッ
セイおよび方法に関する。 本発明によれば、1つの態様において、真菌特異的遺伝子CaKRE5、真菌特異的
遺伝子CaALR1、真菌特異的遺伝子CaCDC24、それらの一部分、それらに由来する
オリゴヌクレオチド、上記のすべてまたは高いストリンジェンシイの条件下に上
記に対してハイブリダイゼーションする配列に対して相補的なヌクレオチド配列
から成る群より選択される単離されたDNA配列が提供される。
【0021】 本発明の他の態様によれば、候補の化合物を遺伝子産物とインキュベートし、
そして候補の化合物の存在下にこの遺伝子産物の活性を測定することからなり、
ここで候補の化合物の存在下に遺伝子産物の活性が候補の化合物の非存在下のそ
のその活性と測定可能に異なるとき、潜在的薬剤が選択される、CaKRE5またはCa
ALR1またはCaCDC24によりコードされる産物の活性をモジュレートする化合物を
選択する方法が提供される。
【0022】 本発明の他の態様によれば、CaKRE5、CaALR1、CaCDC24またはそれらの一部分
またはそれらの誘導体をコードするRNAまたはcDNAに対して特異的にハイブリダ
イゼーションする10〜50ヌクレオチドから成り、CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24
またはそれらの誘導体の核酸配列からの少なくとも10の連続ヌクレオチドから成
るヌクレオチド配列であるか、あるいはそれに対して相補的である、単離された
核酸分子が提供される。
【0023】 本発明の他の態様によれば、核酸分子と、CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24また
はそれらの一部分または誘導体をコードする核酸との間でハイブリダイゼーショ
ンを起こさせることができる条件下に、この核酸分子と試料を接触させ、そして
このハイブリダイゼーションのを検出することからなる、試料中のCaKRE5、CaAL
R1またはCaCDC24を検出する方法が提供される。 本発明のなお他の態様によれば、精製されたCaKRE5ポリペプチド、精製された
CaALR1ポリペプチドまたは精製されたCaCDC24ポリペプチドまたはそのエピトー
プを支持する部分が提供される。
【0024】 本発明のなお追加の態様において、CaKRE5、CaALR1、CaCDC24またはそのエピ
トープを支持する部分に対する特異的結合アフィニティーを有する抗体が提供さ
れる。 さらに詳しくは、それらのサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)
の対応物に対して構造的および機能的関連性を示すカンジダ・アルビカンス(Ca
ndida albicans)の真菌特異的遺伝子、CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の同定お
よび崩壊、および真菌の診断および抗真菌薬剤の発見におけるそれらの実用性の
確認に関する。
【0025】 前述したように、KRE5、ALR1またはCDC24の必須性は発芽または分裂する酵母
において示されたが、これらの結果は多数の理由でカンジダ・アルビカンス(C.
albicans)系に翻訳することができない。例えば、米国特許第5,194,600号は
サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)のKRE5遺伝子の必須性を教示
するが、真菌の生物学からの多数の観測は病原性酵母中のこの遺伝子の存在およ
び/または役割に関してまったく明らかにしない。もちろん、カンジダ・アルビ
カンス(C. albicans)におけるKRE5相同体は必須であること、あるいはそれが
抗真菌ターゲットとして実用性を有するかどうかを、米国特許第5,194,600号は
まったく教示または示唆していない。このような予測の例を下に記載する:
【0026】 a) 酵母シゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)中の関係する遺伝子GP
T1は必須ではない。そのうえ、タンパク質のフォルディングに関係すると考えら
れるGPT1は、サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)のkre5突然変異
体を相補することができず、そしてこの酵母中のβ−(1,6)−グルカンポリマ
ーのレベルを減少することができない。 b) 異なる酵母中で異なる方法でβ−(1,6)−グルカンポリマーを作るこ
とができる。 c) 遺伝子は進化の間に喪失され、こうして、カンジダ・アルビカンス(C.
albicans)がKRE5関係遺伝子を保持かどうかを推測的に決定することができな
かった。
【0027】 そのうえ、CaKRE5はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)のkre5
突然変異体を相補することができず、こうしてこのようなアプローチにより遺伝
子を回収することができなかった。同様に、カンジダ・アルビカンス(C. albi
cans)のCaKRE5遺伝子のDNA配列はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevis
iae)と十分に異ならないので、プローブとしてサッカロマイセス・セレビシエ
(S. cerevisiae)のKRE5遺伝子を使用する低いストリンジェンシイのサザンハ
イブリダイゼーションにより、それを検出することができない。 本発明の目的に対して、下記の略号および用語を定義する。
【0028】定義 用語「遺伝子のノックアウト」または「ノックアウト」は、核酸配列によりコ
ードされるポリペプチドの生物学的活性を有意に減少する、好ましくは抑制また
は破壊する核酸配列の崩壊を意味する。カンジダ・アルビカンス(C. albicans
)においてCaKRE5、CaALR1またはCaCDC24配列をコードするゲノムDNA配列の少な
くとも一部分崩壊する、CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24配列の1つのを含んでなる
組換え核酸配列を導入することによって、多数のノックアウトがここにおいて例
示される。ホモ接合体の崩壊(二倍体生物またはその状態において)が存在する
、後者の場合において、突然変異はまた「ヌル」突然変異と命名される。
【0029】 用語「キレート化合物形成因子」は、確認されたターゲットの生物学的活性を
減少または阻害するような方法で、本発明の確認されたターゲットの1つをキレ
ート化する因子を意味する。このようなキレート化合物形成因子の非限定的例は
、本発明による確認されたターゲットの1つに対して特異的な抗体を包含する。
【0030】 用語「フラグメント」は、本明細書においてポリペプチドについて使用すると
き、少なくとも7つの隣接アミノ酸、好ましくは約11〜16隣接アミノ酸、より好
ましくは40より多い隣接アミノ酸の長さを意味する。このようなペプチドは、当
業者によく知られている方法、例えば、タンパク質分解的切断、遺伝子操作また
は化学合成により製造することができる。本発明による核酸分子の「フラグメン
ト」は、診断プローブおよび/またはプライマーとして実用性を有する,少なく
とも12のヌクレオチド、好ましくは少なくとも18のヌクレオチド、より好ましく
は少なくとも24のヌクレオチドを有する、このような分子を意味する。当業者に
とって明らかなように、100ヌクレオチド、1000ヌクレオチド、2000ヌクレオチ
ドおよびそれより多いヌクレオチドのより大きいフラグメントはまた本発明によ
る実用性を見出す。
【0031】 用語「2つの因子のモジュレーション」は、このような2つの因子間のアフィニ
ティー、強度、速度およびその他の変化を意味する。カンジダ・アルビカンス(
C. albicans)において必須遺伝子および遺伝子産物としてCaKRE5、CaALR1およ
びCaCDC24が同定されると、この真菌ならびに他の真菌においてそれらのそれぞ
れの経路に関係する因子を有する、これらの遺伝子産物の相互作用をモジュレー
トする道が開かれる。
【0032】 ヌクレオチド配列は、ここにおいて、この分野において普通に使用されている
ようにかつIUPAC−IUB生化学的命名委員会(Biochemical Nomenclature Commi
ssion)の推奨に従い、一文字ヌクレオチド記号を使用して、左から右に、5'→3
'方向に一本鎖により表示される。
【0033】 特記しない限り、本明細書において使用する科学的および技術的用語および命
名法は、本発明が関係する当業者に普通に理解されているのと同一の意味を有す
る。一般に、細胞培養、感染、分子生物学の方法およびその他は、この分野にお
いて使用されている普通の方法である。このような標準技術は、参考文献のマニ
ュアル、例えば、Sambrook他、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual、Cold Spring Harbor LaboratoryおよびAusubel他、1994、Current Pro
tocols in Molecular Biology、Wiley、に記載されている。
【0034】 本発明の説明は、多数の日常的に使用されている組換えDNA(rDNA)技術に関
する。それにもかかわらず、このようなrDNAの用語の選択された例の定義は、明
確さおよび首尾一貫性のために提供される。 本明細書において使用するとき、「核酸分子」はヌクレオチドのポリマーを意
味する。その非限定的例は、DNA(例えば、ゲノムDNA、cDNA)およびRNA分子(
例えば、mRNA)である。核酸分子は、クローニング技術により得るか、あるいは
合成することができる。DNAは二本鎖または一本鎖であることができる(コーデ
ィング鎖または非コーディング鎖[アンチセンス])。
【0035】 用語「組換えDNA」は、この分野において知られているように、DNAセグメント
の結合から生ずるDNA分子を意味する。これはしばしば遺伝子操作と呼ばれる。 用語「DNAセグメント」は、本明細書において、ヌクレオチドの線状ストレッ
チまたは配列を含んでなるDNA分子を意味する。この配列は、遺伝暗号に従い読
むとき、ポリペプチド、タンパク質、タンパク質フラグメントおよびその他と呼
ぶことができる、アミノ酸の線状ストレッチまたは配列をコードすることができ
る。
【0036】 用語「増幅対」は、本明細書において、本発明の1対のオリゴヌクレオチド(
オリゴ)を意味し、これらは多数のタイプの増幅プロセスの1つ、好ましくはポ
リメラーゼ連鎖反応により選択された核酸配列を増幅するとき一緒に使用ように
選択される。1つのタイプの増幅プロセスは、リガーゼ連鎖反応、いっそう詳細
に後述するように、鎖置換増幅、または核酸配列をベースとする増幅を包含する
。この分野において普通に知られているように、オリゴは選択した条件下に相補
的配列に結合するように設計される。 本発明を実施するための核酸(例えば、DNAまたはRNA)は、よく知られている
方法に従い得ることができる。
【0037】 本発明による核酸フラグメントは、本発明のポリペプチドのエピトープエンコ
ーディング部分を包含する。このような部分は、よく知られている方法に従い本
発明の核酸配列を使用して、当業者により同定することができる。このようなエ
ピトープは、本発明のポリペプチドに対して特異的である抗体を発生させるとき
有効である。本発明は、また、ストリンジェンシイの条件下に、本発明のポリヌ
クレオチド配列またはその一部分に対してハイブリダイゼーションすることがで
きるポリヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子を提供する。
【0038】 「ポリヌクレオチド配列の一部分」に対してハイブリダイゼーションするとい
う用語は、本発明のポリヌクレオチド配列の少なくとも12ヌクレオチド、より好
ましくは少なくとも18ヌクレオチド、なおより好ましくは少なくとも24ヌクレオ
チド、特に約50ヌクレオチドに対してハイブリダイゼーションするポリヌクレオ
チドを言及する。
【0039】 さらに、本発明は、本発明による確認されたターゲットまたはフラグメントお
よび/またはそれらの誘導体をコードするポリ核酸配列に対して好ましくは少な
くとも90%同一である、より好ましくは96%〜99%同一である、なおより好まし
くは95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるポリヌクレオチド配
列を含んでなる、単離された核酸分子を提供する。配列およびそれらの相同性/
同一性を比較する方法はこの分野においてよく知られている。
【0040】 本発明のオリゴヌクレオチドのプローブまたはプライマーは、特定のアッセイ
のフォーマットおよび特定の必要性および使用するターゲッテッドゲノムに依存
して、任意の適当な長さを有することができる。一般に、オリゴヌクレオチドの
プローブまたはプライマーは少なくとも12ヌクレオチド長さ、好ましくは15〜24
ヌクレオチド長さであり、そして選択した核酸増幅系に特に適するように適合さ
せることができる。この分野において普通に知られているように、オリゴヌクレ
オチドのプローブおよびプライマーは、そのターゲッテッド配列とのそれらのハ
イブリダイゼーションの融点を考慮して設計することができる(下記および次の
文献を参照のこと:Sambrook他、1989、Molecular Cloning:A Laboratory M
anual、第2版、CSH Laboratories;Ausubel他、1989、Current Protocols in
Molecular Biology、John Wiley & Sons、N. Y.)。
【0041】 用語「オリゴヌクレオチド」または「DNA」分子または配列は、二本鎖の形態
の、デオキシリボヌクレオチドのアデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)
および/またはシトシン(C)から構成された分子を意味し、そして本発明によ
る「調節因子」を含んでなるか、あるいはそれを包含し、この用語は本明細書に
おいて定義される。用語「オリゴヌクレオチド」または「DNA」は、線状DNAの分
子またはフラグメント、ウイルス、プラスミド、ベクター、染色体または合成的
に誘導されたDNAの中に見出すことができる。
【0042】 本明細書において使用するとき、特定の二本鎖DNA配列は5'→3'方向において
のみ配列を与える通常のコンベンションに従い記載することができる。「オリゴ
ヌクレオチド」または「オリゴ」は、2またはそれ以上のヌクレオチドを有する
分子(リボまたはデオキシリボヌクレオチド)を定義する。オリゴのサイズは、
特定の状況、究極的にはその特定の用途により支配され、それに応じて当業者に
より適合されるであろう。オリゴヌクレオチドは化学的に合成するか、あるいは
よく知られている方法に従いクローニングすることによって誘導することができ
る。
【0043】 本明細書において使用するとき、「プライマー」は、ターゲット配列にアニー
リングし、これにより二本鎖領域をつくることができるオリゴヌクレオチドを定
義し、この領域は適当な条件下にDNA合成のための開始点として働くことができ
る。
【0044】 用語「相同体」および「相同的」は、核酸配列(例えば、遺伝子配列)に関す
るとき、有意に関係するヌクレオチド配列、結局有意に関係するコード化遺伝子
産物を有し、好ましくは関係する生物学的機能を有する、異なる真菌からの核酸
配列に関する。相同的遺伝子配列またはコーディング配列は、48ヌクレオチドの
少なくとも1つの配列ウィンドウにわたって少なくとも70%の配列同一性(2また
はそれ以上の核酸配列のコンピューター発生整列中の最大の塩基合致により定義
する)、より好ましくは少なくとも80または85%、なおより好ましくは少なくと
も90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0045】 相同的遺伝子のポリペプチド産物は、18アミノ酸残基の少なくとも1つの配列
ウィンドウにわたって少なくとも35%の配列同一性、より好ましくは少なくとも
40%、なおより好ましくは少なくとも50%または60%、最も好ましくは少なくと
も70%、80%または90%の配列同一性を有する。好ましくは、相同的遺伝子産物
は機能的相同体でもあり、相同体が比較する産物の1または2以上の生物学的活性
を機能的に相補するであろう。相同性が配列同一性の%により規定される、ヌク
レオチドまたはアミノ酸配列について、百分率は非常にこの分野においてよく知
られているように既知のプログラムの任意の1つにより決定される。
【0046】 このようなプログラムの非限定的例はデフォルトパラメーターを有するBLAST
プログラムである(Altschu他、1997、″Gapped BLAST and PSI−BLAST:タ
ンパク質データベースの検索プログラムの新しい世代、Nucleic Acids Res.
25:3389−3402)。匹敵する結果を提供するこの分野において知られている種々
のアルゴリズムの任意のものを、好ましくはデフォルトパラメーターとともに、
使用することもできる。3つの異なるアルゴリズムについての性能特性は下記の
文献に記載されている:Salamov他、″Combining sensitive database searc
h with multiple intermediates to detect distant homologues″、Pro
tein Eng. 12:95−100。他の典型的なプログラムパッケージは、ウィスコン
シン大学からのGCGTMパッケージである。
【0047】 相同体は、さらに、2つの相補的核酸鎖が適当なストリンジェント条件下に互
いに対してハイブリダイゼーションする能力により特徴づけられる。ハイブリダ
イゼーションは典型的にはかつ好ましくはプローブ長さの核酸分子、好ましくは
20〜100ヌクレオチド長さの核酸分子を使用して実施される。少なくとも所望の
レベルの相補性を有する配列が安定にハイブリダイゼーションするが、より低い
相補性を有する配列がハイブリダイゼーションしないような、ハイブリダイゼー
ションのストリンジェンシイを推定しかつ調節する方法を、当業者は理解する。
ハイブリダイゼーションの条件およびパラメーターの例については、例えば、下
記の文献を参照のこと:Sambrook他(1989)前掲;およびAusubel他(1994)前
掲。
【0048】 「核酸のハイブリダイゼーション」は、一般に、相補的塩基配列を有し、適当
な条件下に熱力学的に好適な二本鎖構造を形成する、2つの一本鎖核酸分子のハ
イブリダイゼーションを意味する。ハイブリダイゼーションの例は、前述の2つ
の実験室のマニュアル(Sambrook他、1989、前掲およびAusubel他、1994、前掲
)の中に見出すことができ、そしてこの分野において普通に知られている。例え
ば、よく知られているサザンブロッティング手順におけるように、ニトロセルロ
ースフィルターに対するハイブリダイゼーションの場合において、50%のホルム
アミド、高い塩(5×SSCまたは5×SSPE)、5×デンハルト溶液、1%SDS、および
100μg/mlの変性担体DNA(例えば、サケ精子DNA)を含有する溶液中で、ニトロ
セルロースフィルターを標識化プローブと65℃において一夜インキュベートする
ことができる。
【0049】 次いで、所望のストリンジェンシイ:室温(低いストリンジェンシイ)、42℃
(中程度のストリンジェンシイ)または65℃(高いストリンジェンシイ)にかん
がみて選択した温度において、フィルターを0.2×SSC/0.1%SDS中で数回洗浄す
ることによって、非特異的に結合するプローブを洗浄除去することができる。選
択する温度はDNAハイブリッドの溶融温度(Tm)に基づく。もちろん、RNA−DNA
をまた形成し、検出することができる。このような場合において、当業者はよく
知られている方法に従いハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を適合させる
ことができる。ストリンジェント条件は使用することが好ましいであろう(Samb
rook他、1989、前掲)。
【0050】 天然に存在する糖−リン酸塩のバックボーンならびにホスホロチオエート、ジ
チオネート、アルキルホスホネートおよびα−ヌクレオチドおよびその他を包含
する修飾されたバックボーンとともに、本発明のプローブを利用することができ
る。修飾された糖−リン酸塩のバックボーンは一般に下記の文献により教示され
ている:Miller、1988、Ann. Reports Med. Chem. 23:295およびMoran他、
1987、Nucleic acid molecule Acids Res. 14:5019。本発明のプローブは
、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)、好ましくはDNAから構築す
ることができる。
【0051】 プローブを使用することができる検出方法のタイプは、サザンブロット(DNA
検出)、ドットまたはスロットブロット(DNA、RNA)、およびノザンブロット(
RNA検出)を包含する。好ましさに劣るが、標識化タンパク質をまた使用して、
それが結合する、特定の核酸配列を検出することができる。他の検出法は、ディ
ップスティックの構成およびその他上にプローブを含有するキットを包含する。
【0052】 本発明は特定の核酸配列の検出に標識を使用することに特別に依存しないが、
このような標識は検出の感度を増加するのでしばしば有益である。さらに、この
感度の増加は自動化を可能とする。プローブは多数のよく知られている方法に従
い標識化することができる(Sambrook他、1989、前掲)。標識の非限定的例は、 3 H、14C、32P、および35Sを包含する。検出可能なマーカーの非限定的例は、リ
ガンド、発蛍光団、化学発光因子、酵素、および抗体を包含する。プローブとと
もに使用し、本発明の方法の感度を増加させる、他の検出可能なマーカーは、ビ
オチンおよび放射性ヌクレオチドを包含する。当業者にとって明らかになるよう
に、特定の標識の選択はそれをプローブに結合させる方法により支配される。
【0053】 普通に知られているように、放射性ヌクレオチドをいくつかの方法により本発
明のプローブの中に組込むことができる。それらの非限定的例は、ガンマ32P A
TPおよびポリヌクレオチドキナーゼを使用するプローブの5'末端のキナーゼ化、
放射性dNTP(例えば、低融点ゲル中のランダムオリゴヌクレオチドプライマーを
使用して均一に標識化されたDNAプローブ)の存在下の大腸菌(E. coli)のPol
Iのクレノーフラグメントの使用、1または2以上の放射性NTPの存在下にDNAセグ
メントを転写するためのSP6/T7系の使用およびその他を包含する。
【0054】 選択したまたはターゲットの核酸配列の増幅は、多数の適当な方法により実施
することができる。一般に下記の文献を参照のこと:Kwoh他、1990、Am. Biote
chnol. Lab. 8:14−25。多数の増幅技術は記載されてきており、当業者の特
定の要求に合致するように容易に適合させることができる。増幅技術の非限定的
例は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(
SDA)、または核酸配列をベースとする増幅、Qβレプリカーゼ系およびNASBAを
包含する(Kwoh他、1989、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173−1177;
Lizardi他、1988、Bio Technology 6:1197−1202;Malek他、1994、Methods
Mol. Biol. 28:253−260;およびSambrook他、1989、前掲)。好ましくは
、増幅はPCRにより実施されるであろう。
【0055】 既知の技術に従い、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施する:例えば、下記
の文献を参照のこと:米国特許第4,683,195号;米国特許第4,683,202号;米国特
許第4,800,159号;および米国特許第4,965,188号(すべての3件の米国特許の開
示は引用することによって本明細書の一部とされる)。一般に、PCRは、ハイブ
リダイゼーション条件下に、検出すべき特異的配列の各鎖のためのオリゴヌクレ
オチドプライマーで核酸試料を処理することを包含する。合成する各プライマー
のエクステンション生成物は2つの核酸鎖に対して相補的であり、プライマーは
それとハイブリダイゼーションすべき特異的配列の各鎖に対して十分に相補的で
ある。
【0056】 各プライマーから合成されたエクステンション生成物は、また、同一プライマ
ーを使用してエクステンション生成物をさらに合成するための鋳型として働く。
十分な数のエクステンション生成物合成ラウンドを実施した後、試料を分析して
、検出すべき1または2以上の配列が存在するかどうかを評価する。増幅された配
列の検出は、遺伝子発現後にDNAをEtBr染色して可視化するか、あるいは既知の
技術に従い検出可能な標識を使用するか、あるいは他の技術により実施すること
ができる。PCR技術の概観については、下記の文献を参照のこと:PCR Protocol
s、A Guide to Methods and Amplifications、Michael他(編者)、Acad.
Press、1990。
【0057】 リガーゼ連鎖反応(LCR)を既知の技術に従い実施する(Weiss、1991、Scienc
e 254:12921)。当業者は所望の必要性を満足するプロトコルを採用すること
ができる。また、鎖置換増幅(SDA)は、既知の技術または特定の必要性を満足
する既知の技術の適合に従い実施される(Walker他、1992、Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 89:392−396;および前掲、1992、Nucleic Acids Res. 20:
1691−1696。
【0058】 本明細書において使用するとき、用語「遺伝子」はこの分野においてよく知ら
れており、そして単一のタンパク質またはポリペプチドを定める核酸配列に関す
る。「構造遺伝子」は、RNAに転写された、そして特異的アミノ酸配列を有する
タンパク質に翻訳され、これにより特異的ポリペプチドまたはタンパク質を発生
させるDNA配列を定義する。当業者は容易に認識するように、本発明の核酸配列
はこの分野においてよく知られている多数の確立されたキットのフォーマットの
中に組込むことができる。
【0059】 DNA分子の「異種」(例えば、異種遺伝子)領域は、現存してそれとアソシエ
ートして見出されない、より大きいセグメント内のDNAのサブセグメントである
。用語「異種」は、事実一緒に結合していない2つのポリペプチドを定義するた
めに同様に使用される。異種遺伝子の非限定的例は、リポーター遺伝子、例えば
、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ガ
ラクトシダーゼ、およびその他を包含し、これらは異種制御再ターゲッティング
または異種ポリペプチドに対して並列させるか、あるいは結合することができる
【0060】 用語「ベクター」はこの分野において普通に知られており、そしてプラスミド
DNA、ファージDNA、ウイルスDNAおよびその他を定義し、これらは本発明のDNAを
その中にクローニングすることができるDNAベヒクルとして働くことができる。
多数のタイプのベクターが存在し、この分野においてよく知られている。 用語「発現」は、遺伝子がmRNAに転写され(転写)、次いでmRNAが1つまたは
それより多いポリペプチド(またはタンパク質)に翻訳される(翻訳)プロセス
を定義する。
【0061】 用語「発現ベクター」は、前述した通りであるが、宿主の中への形質転換後に
挿入された配列の発現を可能とするように設計されたベクターまたはベヒクルを
意味する。クローニングされた遺伝子(挿入された配列)は、制御因子の配列、
例えば、プロモーター配列の制御下に通常配置される。クローニングされた遺伝
子をこのような制御配列下に配置することは、しばしば制御因子または配列に作
用可能に連鎖されると呼ばれる。
【0062】 作用可能に連鎖された配列は、また、同一tRNA転写物上に転写される2つのセ
グメントを含むことができる。こうして、プロモーターにおいて開始される転写
がリポーター配列のRNA転写物を産生する場合、2つの配列、例えば、プロモータ
ーおよび「リポーター配列」は作用可能に連鎖される。「作用可能に連鎖」させ
るために、2つの配列が互いに密接して隣接することは不必要である。 発現制御配列は、原核細胞または真核細胞または両方(シャトルベクター)に
おいて作用可能に連鎖された遺伝子を発現するようにベクターが設計するかどう
かに依存して変化し、そして転写因子、例えば、エンハンサー因子、終結配列、
組織特異的因子、および/または転写開始および終結部位をさらに含有すること
ができる。
【0063】 原核生物における発現は、問題のDNA配列によりコードされるタンパク質を大
量に製造するために有効である。このタンパク質は、その固有の性質、例えば、
サイズおよび電荷を利用する標準的プロトコル(例えば、SDSゲル電気泳動、ゲ
ル濾過、遠心、イオン交換クロマトグラフィーおよびその他)に従い精製するこ
とができる。さらに、問題のタンパク質はポリクローナル抗体またはモノクロー
ナル抗体を使用するアフィニティークロマトグラフィーにより精製することがで
きる。精製されたタンパク質は療法上の応用に使用することができる。
【0064】 DNA構築物は、本発明のオリゴヌクレオチド配列に作用可能に連鎖され、引き
続いてオリゴヌクレオチド配列が異種遺伝子、例えば、ルシフェラーゼリポータ
ー分子の遺伝子に作用可能に連鎖されている、プロモーターを含んでなるベクタ
ーであることができる。「プロモーター」は、細胞中でRNAポリメラーゼに直接
的または間接的に結合し、下流(3'方向)のコーディング配列の転写を開始する
ことができる、DNA領域を意味する。本発明の目的に対して、プロモーターはそ
の3'末端において転写開始部位により結合され、上流(5'方向)に延びて、バッ
クグラウンドより上において検出可能なレベルで転写を開始するために必要な最
小数の塩基または因子を含む。
【0065】 プロモーター内に、転写開始部位(S1ヌクレアーゼを使用するマッピングによ
り好都合に定められる)、ならびにRNAポリメラーゼの結合に関係するタンパク
質結合性ドメイン(コンセンサス配列)が存在する。真核生物のプロモーターは
、「TATA」ボックスおよび「CCAT」ボックスを常にではなが、しばしば含有する
。原核生物のプロモーターは転写を開始する働きをする−10および−35コンセン
サス配列を含有し、そして転写産物は翻訳開始の間にリボソーム結合配列として
働くシャイン・ダルガルノ配列を含有する。
【0066】 本明細書において使用するとき、表示「機能的誘導体」は、核酸配列またはア
ミノ酸配列であるかどうかかかわらず配列の機能的誘導体の関係において、もと
の配列のそれに実質的に類似する生物学的活性を保持する分子を意味する。この
機能的誘導体または同等物は天然の誘導体であるか、あるいは好ましくは合成的
に調製ことができる。このような誘導体は、タンパク質の生物学的活性が保存さ
れるかぎり、1または2以上のアミノ酸の置換、欠失または付加を有するアミノ酸
配列を包含する。
【0067】 核酸配列の生物学的活性が一般に維持されるかぎり、1または2以上のヌクレオ
チドの置換、欠失または付加を有する核酸配列に、同一のことが適用される。タ
ンパク質配列に関するとき、置換するアミノ酸は置換されたアミノ酸のそれに類
似する化学物理的性質を有する。同様な化学物理的性質は、電荷における類似性
、嵩高性、疎水性、親水性およびその他を包含する。用語「機能的誘導体」は、
本発明の主題の「フラグメント」、「セグメント」、「変異型」、「アナローグ
」または「化学的誘導体」を包含することを意図する。
【0068】 この分野においてよく知られているように、アミノ酸の保存的突然変異または
置換は下記を維持する突然変異または置換を意味する:1)ポリペプチドのバッ
クボーン構造(例えば、ベータシートまたはアルファらせん構造);2)アミノ
酸の電荷または疎水性;または3)側鎖の嵩高性。さらに詳しくは、よく知られ
ている用語「親水性残基」はセリンまたはトレオニンを意味する。「疎水性残基
」は、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、バリンまたはアラニンを意
味する。「正に帯電した残基」は、リシン、アルギニンまたはヒスチジンを意味
する。「負に帯電した残基」は、アスパラギン酸またはグルタミン酸を意味する
。「嵩高側鎖」を有する残基は、フェニルアラニン、トリプトファンまたはチロ
シンを意味する。
【0069】 本発明によるペプチド、タンパク質フラグメント、およびその他は、それらの
配列に依存的にまたは独立してよく知られている方法により修飾することができ
る。例えば、ペプチドは、本明細書および図面において例示する野生型配列から
、1、2、3またはそれより多い位置における保存的アミノ酸置換を使用して誘導
することができる。
【0070】 用語「保存的アミノ酸置換」はこの分野においてよく知られており、これらは
同様な特性を有するアミノ酸により特定のアミノ酸の置換(例えば、グルタミン
酸に対するアスパラギン酸、またはロイシンに対するグルタミン酸の置換)に関
する。もちろん、これらの修飾がペプチド修飾するかぎり、適当な方法において
(例えば、これが修飾により意図される場合、ペプチドの生物学的活性に影響を
与えないで)、非保存的アミノ酸置換、ならびに他のタイプの修飾、例えば、欠
失または挿入を実施することもできる。典型的な保存的アミノ酸置換のリストを
下に記載する。
【0071】
【表1】
【0072】 この表において見ることができるように、これらの修飾のいくつかを使用して
ペプチドをタンパク質分解に対していっそう耐性とすることができる。もちろん
、この分野においてよく知られているように、酵素的または化学的処理を使用し
て、その一次配列に影響を与えないで、ペプチドの修飾を実施することもできる
【0073】 こうして、用語「変異型」は、本明細書において、構造および生物学的活性が
本発明のタンパク質または核酸に実質的に類似するタンパク質または核酸分子を
意味する。もちろん、保存的アミノ酸をターゲットし、「非保存的」アミノ酸で
置換(または欠失)して、タンパク質の生物学的活性を減少または破壊すること
ができる。このような遺伝的に修飾されたタンパク質の非限定的例は、優性な負
の突然変異体を包含する。
【0074】 本明細書において使用するとき、「化学的誘導体」は、通常本発明の主題の一
部分でない、追加の化学的成分を包含することを意味する。このような成分は、
誘導体の物理化学的特性(例えば、溶解度、吸収、半減期およびその他、毒性の
減少)に影響を与えることがある。このような成分は、Remington's Pharmaceu
tical Sciences(例えば、1980)において例示されている。これらの化学物理
的成分をポリペプチドにカップリングさせる方法はこの分野においてよく知られ
ている。理解されるように、化学的修飾およびその他をまた使用して、不活性ま
たは低い活性の因子または化合物を産生することができる。これらの因子または
化合物は、陰性対照としてまたは免疫学的応答を引き出すために使用することが
できる。こうして、本発明に従い確認されたターゲットの1つの不活性修飾を使
用して免疫学的耐性を引き出すことは、また、本発明の範囲内に入る。
【0075】 用語「アレレ」は、染色体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のオールタネ
イティブ形態を定義する。 多数のタイプの抗真菌ポリペプチド、フラグメント、およびそれらの誘導体を
アミノ酸鎖の多数のタイプの修飾に従い産生できることを理解すべきである。こ
のような多数のタイプの修飾は当業者によく知られている。概括的に言えば、こ
れらの修飾は、限定されずに、分子サイズの減少、および/またはそのアミノ酸
配列の修飾を包含する。また、本発明に従い、化学的修飾を実施することができ
る。例えば、ポリペプチド誘導体またはそれらのフラグメントの中に修飾された
または非天然のアミノ酸または非アミノ酸成分を組込むことができる。こうして
、天然、合成されたまたは修飾されたアミノ酸、またはそれらの混合物を包含す
る合成ペプチドは本発明の範囲内に入る。
【0076】 本発明の抗真菌剤、特に本発明の確認されたターゲットの多数のタイプの修飾
または誘導体化は、Genaro、1995、Remington's Pharmaceutical Sciencesに
おいて教示されている。本発明による分子に異なる成分をカップリングさせる方
法はこの分野においてよく知られている。それらの非限定的例は、タンパク質、
それらのフラグメントまたは誘導体の共有結合的修飾を包含する。さらに詳しく
は、本発明によるアミノ酸の修飾は、例えば、システイニル残基、ヒスチジル残
基、リシニルおよびアミノ末端の残基、アルギニル残基、チロシニル残基、カル
ボキシル側鎖、グルタミニルおよびアスパラギニル残基の修飾を包含する。また
、アミノ酸の他の修飾は、Creighton、1983、In Proteins、Freeman and Co.
、Ed.、79−86に記載されている。
【0077】 普通に知られているように、「突然変異」は娘細胞に伝達することができる遺
伝物質の検出可能な変化である。よく知られているように、突然変異は、例えば
、1または2以上のデオキシリボヌクレオチドにおける検出可能な変化であること
ができる。例えば、ヌクレオチドを新しい位置に対して付加し、欠失し、置換し
、逆方向にし、または転移させることができる。自発的突然変異および実験的に
誘導された突然変異が存在する。核酸分子の突然変異の結果は突然変異の核酸分
子である。突然変異のポリペプチドは、この突然変異の核酸分子からコード化さ
れることができる。
【0078】 用語「優性の負の突然変異」は、結合相手が細胞において必須機能を実行し、
調節しまたはそれに影響を与えるためにもはや有効でないように、結合相手を多
少キレート化することができる突然変異を意味する。それゆえ、このキレート化
合物形成は結合相手の必須機能に影響を与え、細胞の成長にアッセイ可能な変化
を引き起こすことができる。1つの好ましい態様において、この変化は細胞の成
長の制限、または細胞の死である。 本明細書において使用するとき、用語「精製された」は細胞成分から分離され
た分子を意味する。こうして、例えば、「精製されたタンパク質」は自然に見出
されないレベルに精製されている。「実質的に純粋な」分子は、大部分の他の細
胞成分を欠如する分子である。
【0079】 本明細書において使用するとき、用語「分子」、「化合物」または「リガンド
」は互換的に使用し、広く天然、合成または半合成の分子または化合物を意味す
る。したがって、用語「分子」は、例えば、化学物質、高分子、細胞または組織
の抽出物(植物または動物からの)およびその他を意味する。分子の非限定的例
は、核酸分子、ペプチド、抗体、炭水化物および薬学的因子を包含する。これら
の因子は、ランダムスクリーニング、合理的選択を包含する種々の手段により、
そして例えば、タンパク質またはリガンドモデル化方法、例えば、コンピュータ
ーモデル化、組合わせのライブラリースクリーニングおよびその他を使用する合
理的設計により、選択し、スクリーニングすることができる。
【0080】 ある態様下に、2以上の「因子」または「分子」を同時に試験することができ
ることを理解すべきである。事実、分子のプールを試験することができる。本発
明による相互作用に対する作用を有するとして分子のプールが同定されると、分
子をより小さいプールで試験するか、あるいは個々に試験して、この作用に最初
に関係する分子を同定することができる。用語「合理的に選択された」または「
合理的に設計された」は、本発明の確認されたターゲットまたはその相互作用ド
メインの立体配置に基づいて選択された化合物を定めることを意味する。
【0081】 当業者は理解するように、天然に存在しない修飾を有する高分子もまた用語「
分子」の範囲内である。例えば、ペプチド模倣物は製剤産業においてよく知られ
ており、一般にペプチドアナローグと呼ばれ、前述したようなモデル化により発
生させることができる。同様に、好ましい態様において、本発明のポリペプチド
を修飾してそれらの安定性を増強する。本発明の教示に従い同定された分子は、
真菌感染、特にカンジダ・アルビカンス(C. albicans)感染に関連する疾患ま
たは症状において療法上の価値を有する。あるいは、本発明の教示に従い同定さ
れた分子は、いっそう有効な抗真菌剤の開発において実用性を見出す。
【0082】 用語「模倣物」は、天然、合成またはキメラであるかどうかにかかわらず参照
化合物に構造的にかつ機能的に関係する化合物を意味する。用語「ペプチド模倣
物」は、ペプチドまたはポリペプチドの三次元構造の活性に関係する面を模擬す
る、非ペプチドまたはポリペプチド化合物である。こうして、ペプチド模倣物は
真菌ポリペプチドのフラグメントまたは部分の構造を模擬することができる。本
発明の1つの態様によれば、本発明の確認されたターゲットの突然変異体のペプ
チドバックボーンは、その抗真菌活性を保持する炭素をベースとする疎水性構造
に変換される。したがって、このペプチド模倣化合物は、それを設計した突然変
異体の活性部分の構造に対応する。このようなタイプの誘導体化は、標準的医学
化学的方法を使用して実施することができる。
【0083】 化合物のライブラリー(公衆に入手可能または商業的に入手可能)はこの分野
においてよく知られている。また、用語「化合物」はリボザイム(例えば、米国
特許第5,712,384号、米国特許第5,879,938号および米国特許第4,987,071号参照
)およびアプタマー(例えば、米国特許第5,756,291号および米国特許第5,792,6
13号参照)を包含することを意味する。 当業者にとって明らかなように、本発明は化合物をスクリーニングするか、あ
るいは真菌感染を診断するチップ技術に適用可能である。さらに、本発明による
スクリーニングアッセイは、よく知られているアレイまたはミクロアレイ技術を
使用して実施することができる。
【0084】 また、本発明は、例えば、本発明の核酸配列またはタンパク質の発現を減少ま
たは阻害するために使用できる、アンチセンス核酸分子を提供する。本発明によ
るアンチセンス核酸分子は、ターゲッテッド核酸配列(DNAまたはRNA)の一部分
と安定な二本鎖または三重らせんを形成することができる分子を意味する。1つ
の特定の態様において、アンチセンスは4E−BP1に対して特異的である。アンチ
センス核酸分子およびこのような分子の修飾の使用は、例えば、下記の文献に記
載されているように、この分野においてよく知られている:WO 96/32966、WO 96/11266、WO 94/15646、WO 93/08845および米国特許第5,593,974号。
【0085】 本発明によるアンチセンス核酸分子は、よく知られている方法に従い、核酸配
列から誘導し、修飾することができる。例えば、いくつかのアンチセンス分子は
、この分野において普通に知られているように、分解に対していっそう耐性であ
るようにして、それらのターゲッテッド配列に対するそれらのアフィニティーを
増加し、選択した細胞型または細胞区画へのそれらの輸送に影響を与え、および
/またはヌクレオチドアナローグを使用してそれらの脂質溶解度を増強しおよび
/または選択したそれらの化学的フラグメントを置換するように設計することが
できる。
【0086】 また、「in vivo」実験モデルを使用して、「in vitro」アッセイ実施するこ
とができることを理解すべきである。例えば、本発明のin vitro方法またはこの
分野において知られているin vitro方法の1つにおいて、本発明のインジケータ
ー細胞からの抽出物を調製し、使用することができる。
【0087】 本明細書において使用するとき、用語「インジケーター細胞」は、1つの特定
の態様において、同定可能または選択可能な表現型または特性が観測可能または
検出可能であるのような方法で、CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の1つを発現する
細胞を意味する。このようなインジケーター細胞は、本発明のスクリーニングア
ッセイにおいて使用することができる。ある態様において、インジケーター細胞
は、これらの相互作用するドメインの選択した誘導体、フラグメント、相同体、
または突然変異体を発現するように操作されている。好ましくは、細胞は真菌細
胞である。1つの態様において、細胞はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cer
evisiae)細胞、特にカンジダ・アルビカンス(C. albicans)細胞である。
【0088】 1つの特定の態様において、インジケーター細胞はこの分野においてよく知ら
れているように(Ausubel他、1994、前掲)2つのハイブリッド系技術の使用を可
能とするベクターを収容する酵母細胞であり、そして化合物またはそのライブラ
リーを試験するために使用することができる。1つの態様において、選択可能な
マーカーまたはアッセイ可能なタンパク質をコードするリポーター遺伝子を制御
因子に作用可能に連鎖し、こうして、選択可能なマーカーまたはアッセイ可能な
タンパク質の発現が確認されたターゲットの1つの機能に依存するようにする。
このようなインジケーター細胞を使用して、高い処理量で被験分子の非常に大き
いアレイを急速にスクリーニングすることができる。特定の態様において、リポ
ーター遺伝子はルシフェラーゼまたはβ−Galである。
【0089】 1つの態様において、本発明の確認されたターゲットを融合タンパク質として
提供することができる。そのための構築物の設計および融合タンパク質の発現ま
たは産生はこの分野においてよく知られている(Sambrook他、1989、前掲、およ
びAusubel他、1994、前掲)。特定の態様において、両方の相互作用ドメインは
融合タンパク質の一部分である。このような融合タンパク質の非限定的例は、Le
xA−X融合物(DNA−結合性ドメイン−4E−X;ベイト、ここでXは本発明の確認さ
れたターゲットまたはその一部分または誘導体である)およびB42融合物(トラ
ンスアクチベータードメイン−Y;プレイ、ここでYはXに結合する因子またはそ
の一部分である)を包含する。
【0090】 なお他の特定の態様において、オペレーターおよび/またはLexA応答性因子に
作用可能に連鎖されたリポーター遺伝子をまた収容する酵母細胞中で、LexA−X
およびB42−Y融合タンパク質はLexA発現される。もちろん、認識されるように、
他の融合タンパク質をこのような2ハイブリッド系において使用することができ
る。さらに、認識されるように、融合タンパク質は全長の確認されたターゲット
またはその突然変異体またはそれが相互作用するポリペプチドを含有する必要が
ない。事実、これらのポリペプチドのフラグメントは、それらが相互作用性ドメ
インを含んでなるかぎり、本発明に従い使用することができる。
【0091】 このような融合タンパク質の非限定的例は、血球凝集素融合物、グルタチオン
−S−トランスフェラーゼ(GST)融合物およびマルトース結合性タンパク質(MB
P)融合物を包含する。ある態様において、融合された2つのポリペプチド配列の
間にプロテアーゼ切断部位を導入することは有益であろう。2つの異種的に融合
されたポリペプチド間のこのようなプロテアーゼ切断部位はこの分野においてよ
く知られている。
【0092】 ある態様において、また、宿主細胞からの融合タンパク質の分泌を可能とする
シグナルペプチド配列に本発明の相互作用ドメインを融合することは有益であろ
う。多様な生物からのシグナルペプチドはこの分野においてよく知られている。
細菌OmpAおよび酵母Suc2は、シグナル配列を含有するタンパク質の2つの非限定
的例である。ある態様において、また、相互作用ドメインと異種ポリペプチド部
分との間にリンカー(普通に知られている)を導入することは有益であろう。こ
のようなタンパク質は、本発明のアッセイにおいてならびに精製の目的、検出の
目的およびその他のために実用性を見出す。
【0093】 確かに、本発明の実施に有用な配列およびポリペプチドは、突然変異体、相同
体、サブタイプ、アレレおよびその他を包含するが、これらに限定されない。あ
る態様において、本発明の配列は機能的(にもかかわらず欠陥的)相互作用ドメ
インをコードすることを理解すべきである。当業者にとって明らかなように、本
発明の相互作用ドメイン、その変異型、誘導体、またはフラグメントがその相手
に結合する能力を保持するかどうかは、本発明の教示およびアッセイおよびこの
分野の一般的教示を使用することによって容易に決定することができる。
【0094】 もちろん、本発明の相互作用ドメインは、例えば、in vitro突然変異誘発によ
り、修飾して、構造−機能の関係を切り裂きかつモジュレートする化合物のより
すぐれた設計および同定を可能とすることができる。それらのそれぞれの相互作
用ドメインと相互作用するそれらの生物学的機能を喪失した誘導体またはアナロ
ーグは、抗体の発生において追加の実用性(例えば、優性の負としての機能に加
えて)を見出ことができる。このようなアナローグまたは誘導体は、例えば、本
発明の相互作用ドメインに対する抗体を発生させるために使用することができる
。これらの抗体は検出または精製の目的に使用することができる。さらに、これ
らの抗体はまた競合または非競合インヒビターとして作用することができ、そし
て本発明のターゲットの活性のモジュレーターであることが見出された。
【0095】 宿主細胞またはインジケーター細胞は、外因的または異種DNA(例えば、DNA構
築物)がこの細胞の中に導入されたとき、このようなDNAにより「トランスフェ
クト」されている。トランスフェクトするDNAは、細胞のゲノムを構成する染色
体DNAの中に統合(共有結合)するか、あるいはしないことができる。例えば、
原核細胞、酵母細胞、および哺乳動物細胞において、トランスフェクトするDNA
はエピソーム因子、例えば、プラスミド上に維持されることができる。トランス
フェクションおよび形質転換法はこの分野においてよく知られている(Sambrook
他、1989、前掲;Ausubel他、1994、前掲;Yeat Genetic Course、A Laborat
ory Manual、CSH Press、1987)。
【0096】 一般に、抗体(モノクローナル抗体およびハイブリドーマを包含する)製造す
る技術および抗体を使用して抗原を検出する技術は、この分野においてよく知ら
れている(Campbell、1984、″Monoclonal Antbody Technology:Laboratory
Techniques in Biochemistry and Molecular Biology″、Elsevier Sci
ence Publishers、オランダ国アムステルダム、およびHarlow他、1988、Antibo
dy−A Laboratory Manual、CSH Laboratories)。本発明は、また、それらの
それぞれの相互作用ドメインを阻害または中和しおよび/またはそれらに対して
特異的である、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、またはそれらのヒト
化バージョン、キメラ抗体およびその他を提供する。
【0097】 明細書および添付された特許請求の範囲から、治療剤という用語は、少なくと
も2つのこのような治療剤の組合わせをまた包含するように、広い意味において
解釈すべきである。 1つの特定の態様において、本発明は、有効量の本発明の抗真菌剤を投与する
ことを含む、真菌感染を治療する方法を提供する。 ヒトに対する投与のために、処方する医学的プロフェッショナルは所定の患者
についての適当な形態および投薬を究極的に決定し、そしてこれは療法上の養生
法(例えば、DNA構築物、タンパク質、分子)、患者の応答および症状ならびに
疾患の重症度に従い変化することを期待することができる。
【0098】 本発明の範囲内に入る組成物は、所望の治療効果を達成すると同時に悪い副作
用を回避する量で活性因子(例えば、タンパク質、核酸、または分子)を含有す
るすべきである。典型的には、本発明による核酸は哺乳動物(例えば、ヒト)に
治療すべき哺乳動物の体重1kg当たり0.005〜1mg/日の範囲の投与量で投与する
ことができる。活性因子の薬学上許容される調製物は本発明の範囲内であり、こ
の分野においてよく知られている(Remington's Pharmaceutical Sciences、
第16版、Mack編)。ポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニストおよびその他を
投与するために、悪い副作用を回避するように、投与量を選択すべきである。投
与量は普通の因子、例えば、疾患の程度および患者からの種々のパラメーターに
従い臨床医により適合される。典型的には、0.001〜50mg/kg/日を哺乳動物に
投与する。
【0099】 本発明を一般的に記載したが、本発明の好ましい態様を例示する添付図面を次
に参照する。 添付図面を参照する下記の好ましい態様の非限定的説明を読むと、本発明の他
の目的、利点および特徴はいっそう明らかとなるであろう。これらの説明は例示
であり、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
【0100】好ましい態様の説明 3つのカンジダ・アルビカンス(C. albicans)遺伝子が同定され、それらの
遺伝子産物はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)からの必須遺伝
子KRE5、CDC24、およびALR1によりコードされるものに対して相同性であった。
これらの遺伝子は、これらの遺伝子は、それぞれ、細胞壁の生合成、極性化成長
、および2価のカチオン輸送の必須細胞機能に参加する。カンジダ・アルビカン
ス(C. albicans)におけるこれらの遺伝子の崩壊は、この病原性酵母における
それらの必須役割を証明する。データベースの検索により、ケノルハブジチス・
エレガンス(Caenorhabditis elegans)、マウスおよびホモ・サピエンス(H.
sapiens)のゲノム中の明瞭な相同的対応物を同定することができず、新規な
抗真菌ターゲットとしてのこれらの遺伝子の実用性を支持する。
【0101】 カンジダ・アルビカンス(C. albicans)の入手可能なフラグメントを使用す
るCaKRE5、CaCDC24およびCaALR1の全長のクローンを単離し、カンジダ・アルビ
カンス(C. albicans)株SC5314に由来するゲノムDNAをポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)により増幅した。PCR生成物を放射能標識化し、コロニーハイブリダイゼ
ーションによりカンジダ・アルビカンス(C. albicans)ゲノムライブラリーを
プロービングするために使用した。DNA配列決定により、CaKRE5、CaCDC24および
CaALR1の完全なオープンリーディングフレームが明らかになった。CaKRE5、CaCD
C24およびCaALR1はそれらのサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)
対応物、すなわち、KRE5、CDC24、およびALR1に対して統計学的に有意な相同性
を共有し、KRE5、CDC24、およびALR1のすべては潜在的抗真菌薬剤ターゲットに
ついて期待される、いくつかの基準を満足した。
【0102】 CaKRE5、CaCDC24およびCaALR1の崩壊を実行した。崩壊プラスミドを消化し、
カンジダ・アルビカンス(C. albicans)株CA14の中に形質転換した。サザンブ
ロット分析により、前述の遺伝子はカンジダ・アルビカンス(C. albicans)に
おいて必須であることが確証された。 CaKRE5、CaCDC24およびCaALR1を抗真菌アッセイにおいて使用し、このアッセ
イにより、新規な抗真菌化合物についてスクリーニングする可能性が確証された
【0103】KRE5 カンジダ・アルビカンス(C. albicans)KRE5遺伝子は、潜在的抗真菌薬剤タ
ーゲットについて期待される、いくつかの基準を満足する。サッカロマイセス・
セレビシエ(S. cerevisiae)において、KRE5の欠失は致死的表現型(2)を与
える。KRE5欠失細胞は1つの特定の株のバックグラウンドにおいて生存可能であ
ることが知られているが、それらは極めてゆっくり成長し、そして実験室条件下
にkre5null細胞を増殖させるために自発的遺伝子外サプレッサーを必要とする。
遺伝的解析は、KRE5が多数の追加のKRE遺伝子(例えば、KRE9)と一緒に、β−
(1,6)−グルカンのin vivoに参加することを示唆する。
【0104】 β−(1,6)−グルカンは他の細胞表面の構成成分、すなわち、β−(1,3)
−グルカン、マンナン、およびキチンと共有結合または「接着」して最終の壁構
造の中に入り、そしてサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)および
カンジダ・アルビカンス(C. albicans)の両方における生活能力のために必須
であることが示された(1、2およびその中の参考文献)。重要なことには、β−
(1,6)−グルカンは多数の真菌クラス、例えば、他の酵母および糸状子嚢菌網
(Ascomycetes)、バシディオミセテス(Basidiomycetes)、接合菌網(Zygomyc
etes)および卵菌網(Oomycetes)の中に存在することが証明され、β−(1,6
)−グルカン生合成経路において機能する遺伝子産物が広いスペクトルの薬物タ
ーゲットとして働く可能性を強調する。
【0105】 そのうえ、実験的努力かかわらず高等真核生物においてβ−(1,6)−グルカ
ンを検出することができず、CaKre5pに対して作用することが同定された阻害化
合物は哺乳動物、特にヒトに対して最小の毒性を示すようであることを示唆する
。今回、CaKRE5はカンジダ・アルビカンス(C. albicans)において必須である
ことが示され、KRE5がまたサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)に
おいて必須であることが知られると、進化的に有意に発散した2つの酵母は、KRE
5が広範な種類の真菌、例えば、動物および植物を感染する真菌において抗真菌
薬剤をスクリーニングしかつ診断するターゲットであることを示唆する。
【0106】 β−(1,6)−グルカンのin vivo生合成における役割と一致して、このポリ
マーのレベルは同質遺伝子の野生型株に比較してkre5−1において実質的に減少
し、いくつかの独立に抑制されたkre5ヌル株においてまったく存在しない(2)
。さらに、kre5突然変異体はβ−(1,6)−グルカンアセンブリーに関係する他
の遺伝子であるKRE6に対して多数の遺伝的相互作用を示す。
【0107】 β−(1,6)−グルカンの合成の生化学的はまだよく理解されていないが、最
近の研究において、細胞壁のマンノプロテインはβ−(1,6)結合を通して広範
にグルコシル化されること、そしてこの修飾は細胞外マトリックス内のそれらの
定着において重要な役割を演ずることが証明された。Kre5pはこのプロセスにお
いてCwp1pとしてにおいてきわめて重要な役割を演ずる。Cwp1pは、β−(1,6)
−グルカン付加を通して高度にグルコシル化されることが証明され、kre5null細
胞の細胞壁画分において検出されず、その代わりに培地の中に分泌される、豊富
な細胞壁タンパク質である。
【0108】 予測されたKRE5遺伝子産物は、β−(1,6)−グルカン産生に関する可能な生
化学的活性について制限された洞察のみを提供する。KRE5は大きい分泌タンパク
質をコードし、内形質網状質への局在化のためのN末端のシグナルペプチドおよ
びC末端のHDEL保持シグナルの両方を含有する。Kre5pはUDP−グルコース:糖タ
ンパク質グルコシルトランスフェラーゼ(UGGT)、すなわち、タンパク質のフォ
ルディングの「品質制御」に参加する酵素クラス、に対して制限されているが、
有意な相同性を有する。このようなUGGTは、ミスフォルディングされたタンパク
質上に存在するN連鎖GlcNac2Man9コアオリゴ糖構造物の再グルコシル化により、
ミスフォルディングされたERタンパク質を「標識(tag)」する機能をする。
【0109】 このようにして標識化されたタンパク質は、ミスフォルディングされたタンパ
ク質の再フォルディングを促進するERシャペロニン、カルネキシンの基質である
。しかしながら、グルコシル化依存的タンパク質フォルディングおよびβ−(1
,6)−グルカン生合成におけるKre5pの相対的掛かり合いを扱う遺伝的分析にお
いて、Kre5pの必須機能はタンパク質フォルディングに無関係であり、その代わ
りにβ−(1,6)−グルカンポリマー生合成におけるその役割に関係することが
証明された(2)。生化学的に証明されていないが、グルコシルトランスフェラ
ーゼに対するKre5pの相同性はこのポリマーの初期の生合成におけるその役割を
反映しているようである。
【0110】ALR1 カンジダ・アルビカンス(C. albicans)遺伝子の産物CaALR1は、また、適当
な抗真菌薬剤ターゲットのいくつかの基準の特性を満足する。サッカロマイセス
・セレビシエ(S. cerevisiae)において、ALR1は細胞の生活能力のために必須
であるが、この必須性は生理学的に無関係のレベルの補助的Mg+2を含有する成長
条件下に抑制される。ALR1は922アミノ酸のタンパク質をコードする。このタン
パク質は、高度に帯電したN末端ドメインおよび2つの疎水性C末端領域を含有し
て、原形質膜にタンパク質を定着させる膜スパニングDNA分子として働くことが
予測される。
【0111】 このような局在化は直接証明されるべきであるが、細胞表面への沈着は生物学
的利用能および耐性の両方の問題によりAlr1pを魅力的薬剤ターゲットとする。A
lr1pは2つの追加のサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)タンパク
質、であるAlr2p(80%の同一性)およびYk1064p(34%の同一性)に対して実質
的な相同性を共有する。Alr1pおよびAlr2pの両方はCorAに対して制限された類似
性を共有する。ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)/ペリプラスミッ
ク膜は2価のカチオンの輸送に関係した。哺乳網のデータベースにおける広範な
相同性の検索にかかわらず、ALR1に対する哺乳動物の相同体は検出されなかった
(データは示されていない)。
【0112】 過剰発現されたときAl+3に対する増加した耐性を与える遺伝子についてスクリ
ーニングするときALR1は同定されたが、生化学的分析はMg+2および可能ならば他
の2価のカチオンについての吸収系におけるALR1の役割を支持する。Mg+2は細菌
および酵母の成長のための必須要件である。放射能標識化Co+2、すなわち、吸収
アッセイのためのMg+2のアナローグ、の吸収はALR1活性と相関する。
【0113】CDC24 第3の潜在的抗真菌薬剤ターゲットは、カンジダ・アルビカンス(C. albican
s)遺伝子産物CDC24である。CDC24はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerev
isiae)およびシゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)の両方における生活
能力のために必須である(5)。CDC24は、アクチン細胞骨格の極性化に関係する
Cdc42p、Rac/Rho−型GTPアーゼに対するGDP−GTPヌクレオチド交換体因子(GEF
)をコードすることが生化学的に証明された。非許容性温度にシフトしたCDC24
の条件アレレはアクチンの極性化分布を欠如し、結局、細胞壁物質の極性化沈着
がその中で崩壊される、大きい、球形、非発芽細胞を形成する。
【0114】 究極的に、cdc24突然変異体は制限的温度において溶解する。CDC42のCDC24依
存的活性化は、また、交配間のフェロモン応答シグナルトランスダクション経路
の活性化に要求され、そして偽菌糸の発生を促進する条件下にこの経路の活性化
に参加するようである。なぜなら、CDC42の下流因子STE20が菌糸の形成に要求さ
れるからである。こうして、CDC24は細胞壁アセンブリーおよび酵母−菌糸の二
形性トランジション調節し、主要な細胞プロセスおよびターゲットの両方は抗真
菌薬剤スクリーンにおいて活性的に遂行される。
【0115】 Cdc24pは極性化成長部位において濃縮する細胞皮質に局在化し、そして多数の
タンパク質、例えば、Cdc42p、Bem1p、およびそれぞれSTE4およびSTE18によりコ
ードされるヘテロダイマーGタンパク質のβおよびγサブユニットと物理的に相
互作用する。Cdc24pはそのシゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)対応物S
cd1pに対して24%の全体の同一性を共有する。同様な相同性は哺乳動物のデータ
ベースのタンパク質検索において見出されてきていないが、Cdc24pは事実ヒト交
換タンパク質のドメインに対して制限された相同性を有し、そしていくつかの哺
乳動物のタンパク質クラスに対して普通の、プレックストリン相同性ドメインを
含有する。
【0116】 真菌以外において制限された相同性を有するCdc24pと対照的に、Cdc42pは哺乳
動物のタンパク質に対して80〜85%の同一性を共有する。CDC24の真菌特異的特
性は芽形成、偽菌糸の成長、および交配間の保護の遺伝物質と同様に特徴的な真
菌プロセスにおけるその役割のためであることがあるが、これに対してCDC42は
すべての真核生物に対して普通の高度に保存された機能(すなわち、アクチンポ
リマーおよびシグナルトランスダクション)を実行する。
【0117】CaKRE5、CaCDC24およびCaALR1の単離 CaKRE5、CaCDC24およびCaALR1の全長のクローンを単離するために、カンジダ
・アルビカンス(C. albicans)DNA配列の公衆に入手可能なフラグメントに従
いオリゴヌクレオチドを設計した。オリゴヌクレオチドの対CAKRE5.1/CAKRE5.2
、CaCDC24.1/CaCDC24.2、およびCaALR1.1/CaALR1.2を使用するポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)により、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)SC5314に由来
するゲノムDNAを増幅して、それぞれ、574、299、および379bpの生成物を産生し
た。これらのPCR生成物を32P放射能標識化し、YEp352をベースとするカンジダ・
アルビカンス(C. albicans)のゲノムライブラリーをコロニーハイブリダイゼ
ーションによりプロービングするために使用した。
【0118】配列の情報 推定上のCaKRE5およびCaALR1クローンを表す2つの独立の単離物のDNA配列決定
により、それらのサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)対応物に対
して統計的に有意な相同性を共有する、完全なオープンリーディングフレーム(
orf)が明らかにされた(第1図および第2図)。CaCDC24の多数の単離物のDNA配
列決定により、CDC24に対して強い同一性を含有するが、その3'末端において トランケートされていることが予測されるorfが明らかにされた。
【0119】 このカンジダ・アルビカンス(C. albicans)ゲノムライブラリーからCaCDC2
4のC末端のエンコーディングフラグメントの増幅を可能とする、その大部分の3'
配列から設計された1つのオリゴヌクレオチドと、YEp352ポリリンカーにアニー
ルする第2オリゴヌクレオチドを使用してPCR増幅により、CaCDC24の3'末端を単
離した。1.0kbのPCR生成物のサブクローニングおよびDNA配列決定はCaCDC24のオ
ープンリーディングフレームを完結し、その遺伝子産物がCdc24pおよびScd1pの
両方に対して強い相同性を共有することを明らかにする(第3図)。
【0120】CaKRE5 CaKRE5およびKRE5は、それらの予測されたタンパク質配列を通じて有意な相同
性を共有する(22%の同一性、42%の類似性;第1図参照)、同様なサイズのタ
ンパク質(1447vs1365アミノ酸;166vs156kDa)をコードすることが予測されこ
とが、配列の分析により明らかである。そのうえ、KRE5に似て、CaKRE5は分泌経
路の中へのトランスロケーションに要求されるアミノ末端のシグナルペプチドと
、および小胞体(ER)内の可溶性分泌タンパク質の保持を促進するC末端のHDEL
配列とを有することが予測される。
【0121】 CaKre5pはKre5pに対してよりもそのC末端のUGGT相同性ドメインを通じてシゾ
サッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)および後生動物のUGGTタンパク質に対
していっそう相同性であるが、CaKre5pおよびKre5pはそれらの残りの配列にわた
って互いにいっそう関係する(ほぼ1100アミノ酸)。2つのタンパク質間のこの
独特の相同性ならびに同様なヌル表現型(下文参照)は、CaKRE5がカンジダ・ア
ルビカンス(C. albicans)において同様にKRE5対応物として働くことを示唆す
る。
【0122】CaALR1 CaALR1はALR1(1.0e−180)およびALR2(1.0e−179;第2図参照)の両方に対
して強い同一性を共有する922アミノ酸残基のタンパク質をコードする。これら
のタンパク質と同様に、CaALR1は2つの膜貫通定着ドメインとして同様に機能す
るC末端の疎水性領域を有する。しかしながら、CaALR1はALR1およびALR2に対し
て共通の、2つの高度に相同性の領域に対して、制限された相同性のみを共有す
る;CaALR1のN末端の250アミノ酸およびその最後の50アミノ酸のC末端において
、疎水性ドメインはALR1またはALR2に対して強い類似性をもたない。
【0123】 さらに、CaALR1はALR1またはALR2のいずれにおいても見出されないCorA相同性
領域内に2つの独特の配列エクステンション(一方は38アミノ酸長さ、他方は16
アミノ酸長さ)を有する。タンパク質データベースの検索により、CaALR1(2.7e
−107)に対して強い相同性を共有するシゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pom
be)の仮説のタンパク質は同定されるが、高等真核生物のタンパク質に対する類
似性は検出されなかった。
【0124】CaCDC24 CaCDC24遺伝子産物の配列分析により、Cdc24p(1e−93)およびそれぞれサッ
カロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)およびシゾサッカロマイセス・ポ
ンベ(S. pombe)からのScd1p(2e−61;第3図参照)両方に対する広範な相同
性がそれらの全体のオープンリーディングフレームを通じて明らかにされる。Ca
Cdc24p(およびCdc24pおよびScd1pの両方)と多数の後生動物のタンパク質(5e
−18まで)との間に制限された類似性が存在するが、各場合においてその相同性
はアミノ酸残基250〜500をスパンすることが予測されるヌクレオチド交換ドメイ
ンに制限される。後生動物のデータベースの広範な分析により、CaCdc24pのN末
端(アミノ酸1〜250)およびC末端(アミノ酸500〜844)領域に対する有意な相
同性を同定することができず、CaCDC24遺伝子ファミリーがもっぱら真菌界内に
おいて保存されることを示唆する。
【0125】CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の崩壊 実験の戦略 FonziおよびIrwinにより構築されたhisG−CaURA3−hisG″URA−ブラスター″
カセットおよび標準分子生物学的技術を使用して、CaKRE5の崩壊を実行した(1
およびその中の参考文献)。ライブラリープラスミド単離物pCaKRE5から780bpの
BamHI−BglII DNAフラグメントを欠失させ、pCUB−6からのhisG−CaURA3−hisG
モジュールを含有する4.0kbのBamHI−BglII DNAフラグメントでそれを置換する
ことによって、cakre5::hisG−CaURA3−hisG崩壊プラスミドを構築した。UGGT
相同性ドメインのほぼ50%を含む、アミノ酸971−1231をコードするDNA配列から
、このCaKRE5崩壊プラスミドを欠失させる。次いで、形質転換前に、このCaKRE5
崩壊プラスミドをSphIで消化した。
【0126】 まずYEp352ライブラリー単離物pCaALR1からの7.0kpのCaALR1 BamHI−SalIフ
ラグメントをPBSKII+の中にサブクローニングすることによって、CaALR1崩壊ア
レレを構築した。次いで、841bpのCaALR1 BamHI−SalIフラグメントを、PBSK−
hisG−CaURA3−hisGからHindIIおよびBamHIで消化した4.0kbのhisG−CaURA3−hi
sG DNAフラグメントで置換した。このCaALR1崩壊アレレはアミノ酸20〜299をコ
ードするDNA配列を欠如し、形質転換前に、このアレレをBamHIおよびSalIで消化
した。
【0127】 まずYEp352ライブラリー単離物pCaCDC24から0.9kbのKpnIフラグメントを欠失
させて、hisG−CaURA3−hisGモジュールの挿入を妨害するBamHIおよびBglII制限
部位を含有するCaCDC24の上流配列を除去することによって、CaCDC24挿入アレレ
を構築した。次いで、pCUB−6からの4.0kbのBamHI−BglII hisG−CaURA3−hisG
フラグメントをBglII部位の中に結合した。形質転換前に、CaCDC24内のアミノ酸
位置306に挿入を有する生ずるプラスミドをKpnIおよびSalIで消化した。
【0128】 CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24を前述したようにで消化しし、酢酸リチウム法
を使用してカンジダ・アルビカンス(C. albicans)株CAI-4の中に形質転換し
た。形質転換体をYNB+Casaプレート上でUra+プロトトロフとして選択した。ヘ
テロ接合性崩壊物をPCRにより同定し(データは示されていない)、サザンブロ
ットにより確認し(下文参照)、そして5−FOA耐性について選択することによっ
て第2ラウンドの遺伝子崩壊のために調製した。各遺伝子のヌル表現型を評価す
るために、ヘテロ接合性CaKRE5/cakre5、CaALR1/caalr1、およびCaCDC24/cac
dc24ura3−株を使用して第2ラウンドの形質転換を前述したように実行した。
【0129】 下記のプローブを使用するサザンブロット分析により、ヘテロ接合性株からの
CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の中へのhisG−CaURA3−hisGモジュールの正しい
統合を確認した: (1a) CaKRE5のN末端コーディング配列を含有するpCaKRE5から消化した1.25
kbのXbaI−KpnIフラグメント; (1b) CaALR1のアミノ酸404および3'フランキング配列からのコーディング
配列を含有する1.7kbのPCR生成物; (1c) アミノ酸154〜430からのCaCDC24コーディング配列を含有する778bpの
PCR生成物; (2) 全CaURA3コーディング領域を含有する783bpのPCR生成物; (3) 全ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)hisG遺伝子を含む898b
pのPCR生成物。CaKRE5崩壊株からのゲノムDNAをHindIIIで消化し、そしてEcoRI
を使用してCaALR1およびCaCDC24崩壊株からゲノムDNAを消化した。
【0130】結果 第1ラウンドの形質転換後、cakre5::hisG−CaURA3−hisG崩壊フラグメント
は野生型遺伝子座(第4B図)の中に正確に統合されることがサザンブロット分析
により明らかにされた。5.0kbの野生型バンドおよびCaKRE5崩壊アレレの9.0kbの
診断バンドの両方はCaKRE5プローブで検出された(第4B図)。また、9.0kbのバ
ンドはhisGおよびCaURA3プローブの両方で検出され、第1CaKRE5コピーの崩壊が
確証された。5−FOA上の成長によるCaURA3遺伝子の切除の成功は下記により確認
された:1)CaKRE5またはhisGプローブでプロービングしたとき、9.0kbから6.0k
bへのCaKRE5崩壊フラグメントのサイズの予測されたシフト;および2)CaURA3プ
ローブがこのフラグメントを認識することができないこと、そして生ずる株はur
a3−プロトトロフィーに復帰していること。
【0131】 CaKRE5が必須であるかどうかを決定するために、2つの独立に誘導されたCaKRE
5/cakre5::hisG、ura3−/ura3−ヘテロ接合性株において、形質転換を反復
した。崩壊した領域を境界づけるBamHIおよびBglII部位をスパンする2.5kbの野
生型フラグメントを増幅する、オリゴヌクレオチドを使用するPCRにより、合計3
6のUra+コロニー(3日の成長後の24の小さいおよび12大きいコロニー)を分析
した。すべてのコロニーはこの2.5kbの野生型フラグメントを含有するが、2.8kb
のcakre5::hisGアレレを欠如し、崩壊した遺伝子座に統合するcakre5::hisG
−CaURA3−hisGモジュールと一致した。
【0132】 3つの異なるプローブを使用するサザンブロット分析により、4つのこのような
Ura+形質転換体がボナファイドCaKRE5/cakre5::hisG−CaURA3−hisGヘテロ
接合体として独立に確証された。この遺伝子の両方のコピーの崩壊が必須でなか
った場合、回収された崩壊物の50%はCaKRE5遺伝子座の中に統合され、50%の相
同性および50%のヘテロ接合性の崩壊物を与えることが期待されであろう。これ
は、例えば、CaALR1の第2野生型アレレを崩壊させる場合である。事実、CaALR1
がこの崩壊方法によりカンジダ・アルビカンス(C. albicans)において必須で
ないことが示された。
【0133】 なぜなら、この第2ラウンドの形質転換から、等しい量のヘテロ接合性株およ
びホモ接合性株が生じたからである(データは示されていない)。しかしながら
、この実験において分析した36のUra+形質転換体の中にホモ接合性CaKRE5崩壊
形質転換体が存在しないことが検出され、CaKRE5は必須のカンジダ・アルビカン
ス(C. albicans)遺伝子であることが証明される。さらに、それはCaKRE5およ
びその遺伝子産物をこの病原体における薬物発見のための療法上のターゲットと
して確認する。
【0134】CaALR1 CaALR1の第1形質転換体のサザンブロット分析において、5.7kbの適当なサイズ
の崩壊バンド、およびCaALR1プローブにより検出された>9.0kbであると予測さ
れる野生型フラグメントにより判定して、caalr1::hisG−CaURA3−hisG崩壊モ
ジュールの正しい統合が確証された。また、この5.7kbのバンドがhisGおよびCaU
RA3の両方のプローブで検出され、CaALR1の1つのコピーの崩壊が確証された。サ
ザンブロッティングにおいて、CaALR1プローブはCaURA3の非存在のために期待さ
れた5.0kbのフラグメントを検出したので、5−FOA上の成長によりCaURA3遺伝子
の切除が機能された。そのうえ、この5kbのcaalr::hisGバンドがまたhisGプロ
ーブで検出されたが、CaURA3プローブで検出されなかった(第4D図)。
【0135】 CaKRE5について前述したように、CaALR1ヌル表現型の決定を実行した。しかし
ながら、サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)におけるALR1ヌル突
然変異の生活不能性が培地にMgCl2を補充させることによって部分的に抑制する
ことができることが報告されているので、500mMのMgCl2を含有する培地上でなら
びに標準的Casaプレート上でUra+コロニーを選択することによって、第2形質転
換を実施した。種々のサイズの35+コロニー(それらのうちの22はMgCl2補充プ
レートから単離された)をPCRにより分析して、caalr1::hisG−CaURA3−hisG
の統合が確証された。
【0136】 インサートをスパンしかつcaalr::hisGアレレのより大きい1.75kbの産物と
反対に野生型の1.6kbの産物を産生するオリゴヌクレオチドを使用するPCRにより
、これらの35の形質転換体の各々からの第2アレレは野生型であることが決定さ
れた。3つの異なるプローブを使用するサザンブロット分析により、4つのこのよ
うなUra+形質転換体がCaALR1/caalr1::hisG−CaURA3−hisGヘテロ接合体と
して独立に確証された。分析した35のUra+コロニー中でホモ接合性CaALR1崩壊
形質転換体を同定することず、これにより、CaALR1は必須のカンジダ・アルビカ
ンス(C. albicans)遺伝子であることが実験的に証明され、そしてCaALR1およ
びその遺伝子産物がこの病原体に対する薬物の発見のための療法上のターゲット
として確認される。
【0137】CaCDC24 CaCDC24遺伝子を使用するCaCDC24の第1ラウンドの形質転換体のサザンブロッ
ト分析により、挿入アレレを診断する、2.55kbおよび3.7kbの両方のフラグメン
トが2.2kbの野生型CaCDC24フラグメントに加えて検出されたので、cacdc24::h
isG−CaURA3−hisG挿入フラグメントの正しい統合が確証された(第4F図)。そ
のうえ、CaURA3およびhisGプローブを使用して、2.55kbおよび3.7kbの両方のフ
ラグメントが検出された。生ずるヘテロ接合体からのCaURA3の切除が下記により
確認された:CaCDC24またはhisGプローブを使用して5−FOA耐性コロニーに対し
てユニークな単一の3.3kbのフラグメントを検出する;そして2)CaURA3プローブ
を使用してこのバンドを検出することができない(第4F図)。
【0138】 前述したように、前述のCaCDC24ヘテロ接合体を使用して第2ラウンドの形質転
換を実行した。28+の種々のサイズのコロニーをPCRにより分析して、cacdc24:
:hisG−CaURA3−hisGの統合が確証された。インサートをスパンしかつcaalr:
:hisGアレレの1.6kbの産物よりむしろ野生型の0.5kbの産物を産生するオリゴヌ
クレオチドを使用するPCRにより、これらの28の形質転換体の各々からの第2アレ
レは野生型であることが決定された。
【0139】 3つの異なるプローブを使用するサザンブロット分析により、4つのこのような
Ura+形質転換体がCaCDC24/cacdc24::hisG−CaURA3−hisGヘテロ接合体とし
て独立に確証された。分析した28のUra+コロニー中でホモ接合性CaCDC24崩壊形
質転換体を同定することず、これにより、CaCDC24は必須のカンジダ・アルビカ
ンス(C. albicans)遺伝子り、したがってこの病原体に対する薬物発見に適当
な第3の確認された薬物ターゲットであることが再び証明される。 下記の非限定的実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
【0140】実施例1特異的抗真菌剤をin vivoスクリーニングする方法 今回CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24がカンジダ・アルビカンス(C. albicans
)における薬剤ターゲットとして確認されたので、それぞれサッカロマイセス・
セレビシエ(S. cerevisiae)kre5、air1およびcdc24突然変異体におけるCaKRE
5、CaALR1またはCaCDC24の異種発現は、サッカロマイセス・セレビシエ(S. ce
revisiae)遺伝子をカンジダ・アルビカンス(C. albicans)対応物の遺伝子と
の置換を可能とし、こうしてサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)
においてこのボナファイド薬剤ターゲットに対する特異的インヒビターについて
のスクリーニングを可能とし、ここで生物の追加の実験的取り扱いやすさはスク
リーンの開発における追加の複雑化を可能とする。
【0141】 例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)におけるCaKre5p
をブロックする薬物はK1キラートキシン耐性を与え、そしてこのような化合物に
ついてスクリーニングするために、この表現型を使用することができる。特定の
態様において、CaKRE5はそのプロモーター配列を任意の強い構成的サッカロマイ
セス・セレビシエ(S. cerevisiae)プロモーター(例えば、GAL10、ACT1、ADH
1)で置換することによってサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)
において機能するように修飾することができる。
【0142】 カンジダ・アルビカンス(C. albicans)は、標準的ロイシン−CTGコドンを
セリンとして翻訳する、変更した遺伝暗号を利用するので、サッカロマイセス・
セレビシエ(S. cerevisiae)において発現されるとき、すべての4つのコドン
(または任意のそれらの機能的サブセット)は部位特異的突然変異誘発によりセ
リン残基をコードするように修飾することができる。サッカロマイセス・セレビ
シエ(S. cerevisiae)におけるCaKre5p活性を障害する化合物は、K1キラート
キシンアッセイによりスクリーニングすることができる。同様に、異種的に発現
されたCaCDC24を不活性化し、結局2つのハイブリッドアッセイにおいてRsr1pま
たはCdc42pとのそのアソシエーションを崩壊する。
【0143】 あるいは、CaCDC24依存的方法で偽菌糸の形成を崩壊することができる化合物
についてのスクリーンにおいて、CaCDC24の機能をモニターすることができる。C
aALR1の機能をベースとする全細胞薬物のスクリーニングアッセイが同様にもく
ろむことができる。補充のMg+2により抑制されたサッカロマイセス・セレビシエ
(S. cerevisiae)air1における57CO2+のCaALR1依存的流入をモニターして、2
価のカチオンの輸入を特異的にブロックする化合物を同定することができる。
【0144】実施例2特異的抗真菌剤をin vitroスクリーニングする方法 1. β−(1,6)−グルカンを合成するin vitroアッセイの使用 このようなアッセイにおいて、UDP−グルコースから、β−(1,6)−グルカ
ン抗体で免疫沈降または固定化することができる産物の中への標識化グルコース
の組込みを測定する。CaKre5pに対するその依存性、およびβ−(1,6)−グル
カナーゼによるその消化を示すことによって、この合成の特異性を確立すること
ができる。 このin vitro合成反応をブロックする薬物は、β−(1,6)−グルカン合成を
ブロックし、そして抗真菌薬剤の候補であり、あるものはKre5pをブロックし、
他のものはこのポリマーの合成における他の工程を阻害することができる。
【0145】 2. CaKre5pについての特異的in vitroアッセイの使用 CaKre5pはUDP−グルコース糖タンパク質グルコシルトランスフェラーゼに対し
てアミノ酸配列の類似性を有する(4)。CaKre5pタンパク質は異種的に発現され
たおよび/またはカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)から精製する
ことができ、そして通常KRE5野生型バックグラウンドの中にβ−(1,6)−グル
カン連鎖を含有するが、kre5欠失抽出物の中にそれを含有しないことが知られて
いる、精製されたGPI定着細胞壁タンパク質を添加することによって、in vitro
アッセイを案出した。
【0146】 第2部位の突然変異または条件kre5株抑制される、入手可能なサッカロマイセ
ス・セレビシエ(S. cerevisiae)kre5ヌル抽出物から、このようなアクセプタ
ー基質を得ることができる(例えば、調節可能なプロモーターまたは温度感受性
突然変異の制御下に)。kre5ヌル抽出物から精製されたアクセプター基質の中へ
のUDP−グルコースの放射能標識化組込みとして、CaKre5p依存的タンパク質グル
コシル化を測定する。あるいは、固定化されたCaKre5pに結合する化合物につい
てスクリーニングすることができる。
【0147】 例えば、CaKre5pと放射能標識化UDP−グルコースとの間の結合を崩壊する化合
物を検出する、高い処理量のフォーマットで、シンチレーション近接アッセイ(
SPA)を開発することができる。あるいは、CaKre5pに対して標識化抗体を使用し
てSPAをベースとするCaKre5pin vitroスクリーンを用い、CaKre5p:抗CaKre5p抗
体依存的蛍光を崩壊することができる化合物についてスクリーニングすることが
できる。このようなスクリーンにおいて同定された化合物は、新規な抗真菌療法
の開発において先導化合物として働く。
【0148】 CaCDC24は、Cdc42pをGTP結合状態に変換するために必要なGDP−GTPヌクレオチ
ド交換因子(GEF)をコードすることが実験的証明された。Cdc42pのCdc24p依存
的活性化を測定するin vitroアッセイを使用して、Cdc24pのインヒビターをスク
リーニングすることができる。Cdc24pにより結合されたGDPに対してGTPの百分率
を直接測定することによって、これを達成することができる。あるいは、Ste20p
キナーゼ活性のCdc42p−GTP依存的活性化を測定することによって、Cdc24pの機
能を間接的に決定することができる。
【0149】実施例3真菌感染のPCRをベースとする診断におけるCaKRE5、CaALR1およびCaC DC24の使用 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をベースとするアッセイは、真菌感染の診断に
おいて伝統的血清学的方法を越えた多数の利点を提供する。疫学、真菌耐性、信
頼性、感度、速度、および株の同定の問題は入手可能なプライマーおよびプロー
ブにより制限される。CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の遺伝配列は潜在的臨床的
使用の新規なプライマーの設計を可能とする。さらに、CaAlr1pは原形質膜に局
在化し、周辺質空間/細胞壁の中に延びると考えられるので、この細胞外ドメイ
ンは血清学的抗原として作用することができ、この抗原に対して抗体を発生させ
、血清学的診断アッセイにおいて使用することができる。
【0150】実施例4Kre5p、Alr1p、またはCdc24p不活性化を測定するプラスミドをベース とするリポーター サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)におけるKre5p、Alr1p、お
よびCdc24p突然変異体の転写的プロファイリングは、KRE5、ALR1またはCDC24の
不活性化または過剰産生の条件下に転写的に誘導または特異的に抑制される遺伝
子を同定する。KRE5、ALR1またはCDC24の活性の喪失に対して応答性の遺伝子か
らのプロモーター因子の同定は、これらのターゲットを特異的に不活性化する化
合物を同定するスクリーニングアッセイにおいて実際的実用性を提供する。
【0151】 例えば、その発現がこのようなプロモーターにより誘導または抑制されるキメ
ラリポーター遺伝子(例えば、lacZ、GFP)はKre5pの活性を反映し、化合物のラ
イブラリーの高い処理量のスクリーニングに使用できるであろう。さらに、この
ような調節された発現を示すプロモーターのグループは、ALR1、CDC24、またはK
RE5遺伝子の阻害または過剰産生のための特異的フィンガープリントまたは転写
プロファイルの構築を可能とする。これにより、これらの遺伝子産物を阻害する
化合物をスクリーニングする特異的ツールを与える化合物のライブラリーの高い
処理量のスクリーニングに使用できるリポーターの組の構築を可能とする。
【0152】結論 本発明の目的は、新しい臨床的に有用な抗真菌化合物の発見に導く、特異的酵
素および細胞のアッセイにおいて使用できる、新規な薬剤ターゲットの同定およ
び引き続く確認を提供することである。本発明の以前において、パン酵母、サッ
カロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)においてKRE5、ALR1およびCDC24
が以前に同定されたが、オーソロガス遺伝子がヒト病原体カンジダ・アルビカン
ス(C. albicans)において同定されるかどうか、またはそれらが存在し、これ
らの遺伝子が同一または同様な機能を実行するかどうかは未知であった。
【0153】 こうしてカンジダ・アルビカンス(C. albicans)からのCaKRE5、CaALR1およ
びCaCDC24遺伝子が同定され、そして直接的に病原体における遺伝子の崩壊によ
りそれらの必須の特質を実験的に証明することによって、新規な抗真菌薬剤ター
ゲットとしてそれらの実用性は確認された。これらの遺伝子産物の正確な役割は
決定されていないが、それらの細胞の機能の現在の理解はin vitroおよびin vi
voの両方の抗真菌薬剤のスクリーニングアッセイの開発を事実可能とする。
【0154】 さらに、臨床的に重要なことには、ゲノムデータベースの検索により、後生動
物におけるこれらの遺伝子に対して有意な相同性を検出することができず、これ
らの真菌特異的薬剤ターゲットを不活性化する化合物についてのスクリーニング
は哺乳動物に対して、好ましくはヒトに対して毒性を表示することは少ないこと
が示唆される。KRE5およびCDC24はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevis
iae)においてユニーク遺伝子であり、そしてカンジダ・アルビカンス(C. alb
icans)における遺伝子ファミリーに無関係に、それらは必須機能を保持する。
【0155】 ALR1p1はサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)における3メンバ
ーの遺伝子ファミリーの一部分であり、そしてALR2pに対する配列の類似性は同
定された(Standard Sequencing Project)が、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)におけるCaALR1pの必須の役割およびそれらの予測された細胞外の
位置は、細胞の中に入る必要がない新規な抗真菌化合物についてスクリーニング
し、化合物デリバリーおよび薬物耐性の問題を回避する可能性を提供する。
【0156】 こうして、本発明は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)におい
て必須なものとしてかつ真菌特異的な確認された薬物の抗真菌ターゲットとして
のCaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の同定を提供する。また、本発明は、一般にミ
コタ(Mycota)に対する、より特に病原性酵母、例えば、カンジダ・アルビカン
ス(Candida albicans)に対する抗真菌薬剤についてスクリーニングするため
に、これらの確認されたターゲットを使用する手段を提供する。こうして、本発
明は、真菌病原体に対して特異的に向けられた薬物についてスクリーニングする
ターゲットとして、病原性真菌種におけるこれらの遺伝子の使用を明らかでない
方法で拡張する。 本発明を好ましい態様により前述したが、添付された特許請求の範囲に規定さ
れた本発明の精神および範囲から逸脱しないで変更が可能である。
【0157】参考文献 1.Lussier他, 1998, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 95: 9825-9830. 2.Meaden他., 1990, Mol.Cell.Biol. 10: 3013-3019. 3.Orlean, P., 1997, Pringle, J.R., Broach, J.R., およびJones, E.W.編、
Cold Spring Harbor Lab. Press, Plainview, NY. Vol 3, pp 229-362. 4.Shahinian他., 1998, Genetics 149: 843-856. 5.MacDiarmid他., 1998, J.Biol.Chem. 273: 1727-1732. 6.Pringle他, 1995, Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol. 60: 729-744.
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、CaKRE5配列を示し、そしてサッカロマイセス・セレビシエ(S. cer
evisiae)のKRE5、ドロソフィラ・メラノガステル(Drospphila melanogaster
)のUGGT1、およびシゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)のGPT1に対する
比較を示す。(A)はCaKre5pのヌクレオチドおよび予測されたアミノ酸配列を図
解する。CaKre5pシグナルペプチドにはボールドフェースで下線が引かれている
。ER保持配列His−Glu−Leu(HDEL)はC末端においてボールドフェースで示され
ている。Leuの代わりに非規定配列CTGコドンエンコーディングSerはイタリック
化されている。(B)はCaKre5p、Kre5p、Gpt1pおよびUggtp間のタンパク質配列
の整列を示す。タンパク質は1文字アミノ酸コードで示されており、アミノ酸の
同一性は黒色でそして類似性は灰色で陰影がつけられている。整列を改良するた
めに導入されたギャップはダッシュにより示されており、そして位置は左に示さ
れている。
【図2】 第2図は、CaALR1配列を示し、そしてサッカロマイセス・セレビシエ(S. cer
evisiae)のAlr1pおよびAlr2pに対する比較を示す。(A)はCaALR1のヌクレオチ
ドおよび予測されたアミノ酸配列を図解する。膜貫通ドメインとして働くことが
予測される2つの疎水性アミノ酸ストレッチはボールドフェースで示されている
。非規定配列CTGコドンはイタリック化されている。(B)はCaAlr1p、Alr1pそれ
はAlr2p間のタンパク質配列の整列を示す。タンパク質は1文字アミノ酸コードで
示されており、アミノ酸の同一性は黒色でそして類似性は灰色で陰影がつけられ
ている。整列を改良するために導入されたギャップはダッシュにより示されてい
る。
【図3】 第3図は、CaCDC24の配列を示し、そしてサッカロマイセス・セレビシエ(S.
cerevisiae)およびシゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)からのCDC24に
対する比較を示す。(A)はCaCDC24のヌクレオチドおよび予測されたアミノ酸配
列を図解する。非規定配列CTGコドンはイタリック化されている。(B)はCaAlr1
CaCdc24p、サッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)のCdc24p、および
シゾサッカロマイセス・ポンベ(S. pombe)の相同体Scd1p間のタンパク質配列
の整列を示す。CaCdc24p dblの相同性ドメインはアミノ酸280〜500から延びる
。プレックストリン相同性ドメインは残基500〜700から欠失されている。タンパ
ク質整列は第1図および第2図に記載されているように形成された。
【図4】 第4図は、CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の崩壊を図解する。(A)CaKRE5、(C
)CaALR1、および(E)CaCDC24の制限地図は崩壊戦略に関係する制限部位を表示
する。CaKRE5、CaALR1およびCaCDC24オープンリーディングフレーム(白抜き矢
印で示されている)に関するhisG−URA3−hisG崩壊モジュールの挿入位置、なら
びにサザンブロット分析により崩壊を確認するために使用するプローブが示され
ている。(B、D、F)はCaKRE5、CaALR1およびCaCDC24の中へのhisG−URA3−hisG
崩壊モジュールのターゲッテッド統合のサザンブロット確認、および5−FOA処理
後のその正確な切除を示す。(B)はカンジダ・アルビカンス(Candida albica
ns)野生型株、CA1−4から抽出したゲノムDNA(レーン1)を示し、ヘテロ接合体
CaKRE5/cakre5△::hisG−URA3−hisG(レーン2)、5−FOA処理後のヘテロ接
合体CaKRE5/cakre5△::hisG(レーン3)、およびCaKRE5/cakre5△::hisG
ヘテロ接合体の中への第2ラウンドの形質転換から生ずる代表的な形質転換体(
レーン4)をHindIIIで消化し、CaKRE5、hisG、およびCaURA3プローブを使用して
分析した。星印は3つのプローブに対して非特異的にハイブリダイゼーションす
る、1.6kbのラダーフラグメントを識別する。(D)はCA1−4から抽出したゲノム
DNA(レーン1)を示し、ヘテロ接合体CaALR1/caalr1△::hisG−URA3−hisG(
レーン2)、5−FOA処理後のヘテロ接合体CaALR1/caalr1△::hisG(レーン3)
、およびCaALR1/caalr1△::hisGヘテロ接合体の中への第2ラウンドの形質転
換から生ずる代表的な形質転換体(レーン4)をEcoRIで消化し、CaALR1、hisG、
およびCaURA3プローブを使用して分析した。(F)はCA1−4から抽出したゲノムD
NA(レーン1)を示し、向き1で崩壊モジュールを含有するヘテロ接合体CaCDC24
/cacdc24△::hisG−URA3−hisG(レーン2)、向き2で崩壊モジュールを含有
するヘテロ接合体CaCDC24/cacdc24△::hisG−URA3−hisG(レーン3)、5−FO
A処理後のヘテロ接合体CaCDC24/cacdc24△::hisG(向き1)(レーン4)、5−
FOA処理後のヘテロ接合体CaCDC24/cacdc24△::hisG(向き2)(レーン5)、
およびCaCDC24/cacdc24△::hisG(向き1)ヘテロ接合体の中への第2ラウンド
の形質転換から生ずる代表的な形質転換体(レーン6)をEcoRIで消化し、CaCDC2
4、hisG、およびCaURA3プローブを使用して分析した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 G01N 33/569 A 33/569 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 デイビソン,ジョン カナダ国,ケベック エイチ2ティー 1 ゼット5,モントリオール,ドゥブリオン 4886 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 CA26 CB21 FB01 FB02 FB03 FB08 4B024 AA01 AA13 BA80 CA02 CA09 DA12 GA11 HA13 4B063 QA13 QA18 QQ07 QQ43 QQ53 QR32 QR35 QR40 QR56 QS34 QX02 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA15 DA75 EA20 EA52 FA71 FA74

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) CaKRE5と命名するカンジダ・アルビカンス(C. albic
    ans)の真菌特異的遺伝子; b) CaALR1と命名するカンジダ・アルビカンス(C. albicans)の真菌特異
    的遺伝子; c) CaCDC24と命名するカンジダ・アルビカンス(C. albicans)の真菌特異
    的遺伝子; d) 上記a)、b)またはc)に由来するオリゴヌクレオチドの一部分; e) 上記a)〜d)のヌクレオチド配列のいずれかに対して相補的であるヌク
    レオチド配列;および f) 高いストリンジェンシイ条件下にa)〜e)のヌクレオチド配列のいずれ
    かに対して相補的であるヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする配列; から成る群から選択される単離されたDNA配列。
  2. 【請求項2】 CaKRE5の前記配列が第1A図に記載されている通りである、請
    求項1に記載の単離されたDNA配列。
  3. 【請求項3】 CaALR1の前記配列が第2A図に記載されている通りである、請
    求項1に記載の単離されたDNA配列。
  4. 【請求項4】 CaCDC24の前記配列が第3A図に記載されている通りである、
    請求項1に記載の単離されたDNA配列。
  5. 【請求項5】 下記工程: a) 請求項2に記載のCaKRE5によりコードされるタンパク質と候補の化合物を
    インキュベートし;そして b) 前記候補の化合物の存在下に前記タンパク質の活性を測定する; を含んでなり、ここで前記候補の化合物の存在下の前記タンパク質の活性が前記
    候補の化合物の非存在下のその活性と測定可能に異なるとき、潜在的薬剤が選択
    される、請求項2に記載のCaKRE5によりコードされるタンパク質の活性をモジュ
    レートする化合物を選択する方法。
  6. 【請求項6】 下記工程: a) 請求項2に記載のCaALR1によりコードされるタンパク質と候補の化合物を
    インキュベートし;そして b) 前記候補の化合物の存在下に前記タンパク質の活性を測定する; を含んでなり、ここで前記候補の化合物の存在下の前記タンパク質の活性が前記
    候補の化合物の非存在下のその活性と測定可能に異なるとき、潜在的薬剤が選択
    される、請求項3に記載のCaALR1によりコードされるタンパク質の活性をモジュ
    レートする化合物を選択する方法。
  7. 【請求項7】 下記工程: a) 請求項4に記載のCaCDC24によりコードされるタンパク質と候補の化合物
    をインキュベートし;そして b) 前記候補の化合物の存在下に前記タンパク質の活性を測定する; を含んでなり、ここで前記候補の化合物の存在下の前記タンパク質の活性が前記
    候補の化合物の非存在下のその活性と測定可能に異なるとき、潜在的薬剤が選択
    される、請求項4に記載のCaCDC24によりコードされるタンパク質の活性をモジュ
    レートする化合物を選択する方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2または3に記載のRNAまたはcDNAに対して特異的に
    ハイブリダイゼーションする10〜50ヌクレオチドから成り、第1A図、第2A図また
    は第3A図に記載する前記ヌクレオチド配列からの少なくとも10の連続ヌクレオチ
    ドから成るヌクレオチド配列であるか、あるいはそれに対して相補的である、単
    離された核酸分子。
  9. 【請求項9】 a) 試料を請求項8に記載の核酸分子と、このようなハイブ
    リダイゼーション起こる条件下に、接触させ;そして b) CaKRE5、CaALR1またはCaCDC24に結合した前記分子の存在を検出する; を含んでなる、試料中のCaKRE5、CaALR1またはCaCDC24を検出する方法。
  10. 【請求項10】 精製されたCaKRE5ポリペプチドまたはそのエピトープを支
    持する部分。
  11. 【請求項11】 精製されたCaALR1ポリペプチドまたはそのエピトープを支
    持する部分。
  12. 【請求項12】 精製されたCaCDC24ポリペプチドまたはそのエピトープを
    支持する部分。
  13. 【請求項13】 第1B図に記載するアミノ酸配列に対して少なくとも90%同
    一であるアミノ酸配列を含んでなる、請求項10に記載の精製されたCaKRE5ポリペ
    プチド。
  14. 【請求項14】 第2B図に記載するアミノ酸配列に対して少なくとも90%同
    一であるアミノ酸配列を含んでなる、請求項11に記載の精製されたCaALR1ポリペ
    プチド。
  15. 【請求項15】 第3B図に記載するアミノ酸配列に対して少なくとも90%同
    一であるアミノ酸配列を含んでなる、請求項12に記載の精製されたCaCDC24ポリ
    ペプチド。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載のポリペプチドまたはそのエピトープを支
    持する部分に対する特異的結合アフィニティーを有する抗体。
  17. 【請求項17】 下記工程: a) 候補の化合物をKRE5、ALR1およびCDC24から選択されるタンパク質と接触
    させ;そして b) 前記タンパク質の活性または前記タンパク質の生物学的機能に関連する
    アッセイ可能なまたは観測可能な特性の1つのを前記候補の化合物の存在下に測
    定する; を含んでなり、ここで前記候補の化合物の存在下に前記タンパク質の活性または
    アッセイ可能なまたは観測可能な特性がその非存在下に測定可能に異なるとき、
    潜在的抗真菌薬剤が選択される、KRE5、ALR1およびCDC24から選択されるタンパ
    ク質との相互作用を通して抗真菌活性を有する化合物を選択する方法。
  18. 【請求項18】 前記抗真菌活性が、カンジダ・アルビカンス(Candida a
    lbicans)、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペ
    ルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ニガー(Asper
    gillus niger)、コクシディオイデス・イミチス(Coccidiodes immitis)、
    クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、エキソフ
    ィアラ・デルマチチディス(Exophiala dermatitidis)、ヒストプラスマ・カ
    プスラーツム(Histoplasma capsulatum)、デルムトフィテス(Dermtophytes
    )種、ミクロスポルム(Microsporum)種、トリコフィトン(Trchophyton)種、
    フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、およびプッシ
    ニア・ソルギ(Puccinia sorghi)から選択される真菌に対して有効である、請求
    項17に記載の方法。
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