JP2002540473A - マーキング材のための付着促進表面 - Google Patents

マーキング材のための付着促進表面

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Abstract

(57)【要約】 本発明は表示物品及びその製造方法を提供する。ここでこの表示物品は、マーキング材のための付着促進表面を有する。表示物品は基材を有し、この基材は非セルロース系有機ポリマー表面、好ましくはこの非セルロース系有機ポリマー表面に配置された放射硬化コーティング及びこの上に配置されたマーキング材を有する。好ましくはガソリンで5サイクルにわたってマーキング材を拭いたときに、このマーキング材は表示物品から実質的に除去されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の背景] 再帰反射性の表示物品を製造するために、ポリマーシートが使用されている。
ある種の物品は再帰反射性を有し、入射光の実質的な部分を光が発せられた方向
に戻すことができる。再帰反射性は、光が少ない若しくは限られている場合又は
遠方からシート材料が見えなければいない場合に、物品に促進された視認性を与
える。
【0002】 また良好な耐久性を有する表示物品を製造するためにも、ポリマーシートが使
用されている。表示物品の耐久性は、表示物品が激しい蒸気、紫外光、極端な温
度及び湿度等に露出されることがある条件で重要なことがある。耐摩耗性並びに
清浄化溶液で使用される清浄化剤及び溶媒に対する耐性は、特定の場合に耐久性
の重要な要素である。使用寿命が長いことが重要ではない場合(例えば短期間で
交換するバッケージのためのラベルでは)、コストが比較的安く使用寿命が長く
ないシートを使用できる。
【0003】 英数字、バーコード又は画像のような表示を有する表示物品を作るためにも、
ポリマーシートが使用されている。表示物品は、多数の物品で反復的な又は徐々
に変化する情報を有することが多い。例えばライセンスプレート確認(確証)ス
テッカーは、多数の確認ステッカー上に反復的に州又は群の識別情報を有するこ
とがある。
【0004】 長年にわたって、確認ステッカーは、適用される税金が支払われていること及
び/又は必要とされる登録及び検査が行われていることを示すために自動車に張
り付けられている。一般的な用途では、小さいステッカー(典型的に約2.5×
3.8cm(1×1.5インチ)で一般に「タブ」と呼ばれている)を自動車の
ライセンスプレート(ナンバープレート)の所定の場所に適用して、所定の税金
及び登録料が支払われていることを示している。他の例としては、自動車の十分
な安全検査が行われていること、自動車の十分な排出物制御の検査が行われてい
ること、及び保険の適用がなされていることの証明としてのステッカーの適用を
挙げることができる。
【0005】 確認ステッカーのような製品は一般に、凸版印刷、オフセット印刷、スクリー
ン印刷等の印刷技術を使用して、再帰反射性シートの上面に情報を印刷すること
によって作る。これらの印刷技術は、例えば少量の印刷のためには適していない
。これらのタイプの印刷プロセスは一般に、満足な印刷の質、判読性及び付着性
を提供するが、これらのプロセスのための装置は比較的高価なことがある。更に
、凸版印刷及びオフセット印刷を使用する場合、印刷プレート又はラバーブラン
ケットを調製しなければならず、またスクリーン印刷を使用する場合、スクリー
ンを調製しなければならない。プレート、ブランケット又はスクリーンの調製は
、費用、時間がかかることのあるプロセスである。更に、多くの場合、溶媒で運
ばれる着色剤を使用し、これは環境的に好ましくない様式での溶媒の除去を必要
とする。既知のプロセスは乾燥炉の使用を必要とすることもあり、また特定の乾
燥時間を必要とすることがある。更に、物品に表示を印刷する既知の手段では、
個々の物品が有する情報を変化させることの容易さが制限される(又はこれがで
きない)。
【0006】 電子写真技術を使用するレーザープリンターは比較的高価ではないので、これ
らは必要に応じた印刷及び少量の印刷で使用されている。これは、例えば少量及
び必要に応じて印刷される確認ステッカー及びポリマーシートを使用する他の表
示物品で望ましい。しかし残念ながら、例えば凸版印刷及びスクリーン印刷で使
用される基礎ポリマーシートとマーキング材の従来の組み合わせは、一般に所望
の付着性、透明性、並びに極端な温度、摩擦条件及び化学物質(例えばガソリン
)への露出での耐久性を十分に満足に提供しない。つまりマーキング材、例えば
トナーは、常に基礎シートに良く付着するわけではなく、またこれらのマーキン
グ材によって作られた画像は容易に除去されることがある。確認ステッカーはガ
ソリンのような強い化学物質に接触しやすいので、これは確認ステッカーでは特
に問題である。
【0007】 シート材料へのマーキング材の付着性を促進するために、様々な方法が存在す
る。例えばポリ塩化ビニル、架橋ポリウレタン、並びにポリエチレンテレフタレ
ート及びビニリデン/アクリロニトリルコポリマーを含む組成物のような材料を
、再帰反射性シートの最も上側の層として使用して、この層へのマーキング材の
付着性を促進している。またハロゲンを含まないアクリルウレタンの最も上側の
層を、アクリレートポリマー若しくは接着剤の希釈溶液で下塗りして、又はコロ
ナ放電処理をして、マーキング材の付着性を促進している。表示上で、脂肪族又
は芳香族ポリウレタン及びアクリルポリマーの透明なコーティングを使用して、
下側の材料を保護している。これは例えば、脂肪族ウレタン、エチレンとプロピ
レンのコポリマー、及びエチレン又はプロピレンのホモポリマーの押し出し熱可
塑性樹脂覆いフィルムである。しかしながらこれらの多くは、多くの用途、特に
ガソリンのような激しい化学物質に接触しやすい確認ステッカーの用途で必要と
される耐久性を提供していない。
【0008】 [発明の概略] 本発明は、表示物品及びその製造方法を提供する。ここでこの表示物品は、マ
ーキング材のための付着促進表面を有する。表示物品は、非セルロース系有機ポ
リマー表面を有する基材、好ましくはこの非セルロース系有機ポリマー表面に配
置された放射硬化コーティング、及びこの上に配置されたマーキング材(これが
数字、文字等の表示を作る)を有する。
【0009】 本発明は、非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材、この非セルロース
系有機ポリマー表面に配置された放射硬化コーティング(好ましくは電子ビーム
硬化又は紫外線硬化コーティング、より好ましくは紫外線硬化コーティング)、
並びにこの放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材を有する表示物品
を提供する。ここでこのマーキング材は、ガソリンで5サイクル(好ましくは1
0サイクル、より好ましくは25サイクル)にわたってマーキング材を拭いたと
きに、表示物品から実質的に除去されない。好ましくは基材は、再帰反射性シー
トであり、これは好ましくは確認ステッカーの一部である。
【0010】 好ましくはマーキング材は、着色剤及びバインダーを含み、またこのバインダ
ーは、ポリエステル、ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、アルキ
ル又はアリール置換アクリレート又はメタクリレート、エチレン又はプロピレン
とアクリル酸、メタクリル酸又は酢酸ビニルとのコポリマー、並びにそれらの組
み合わせからなる群より選択されるポリマーを含む。好ましくは放射硬化コーテ
ィングは、アクリレート、好ましくは脂肪族アクリル化ウレタンを含む紫外線硬
化可能組成物から作る。
【0011】 好ましい態様ではマーキング材は、1,000磨きサイクルにわたってマーキ
ング材を擦ったとき、又は感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧で
マーキング材に適用してこのテープを除去したときに、実質的に除去されない。
また好ましい態様では、感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧で放
射硬化コーティングに適用してこのテープを除去したときに、放射硬化コーティ
ングが実質的に除去されない。
【0012】 好ましい態様では、パターンを付けてコーティングすること又は連続的にコー
ティングすることができる放射硬化コーティングは、ガソリンで5サイクルにわ
たって放射硬化コーティングを拭いたとき、又は1,000磨きサイクルにわた
って放射硬化コーティングを擦ったときに実質的に除去されない。
【0013】 特定の好ましい態様では、表示物品は、マーキング材上に保護コーティングを
有さない。
【0014】 また本発明は、有機ポリマー表面を有する再帰反射性シート、この有機ポリマ
ー表面に配置されたアクリル含有放射硬化コーティング、及びこの放射硬化コー
ティング上に配置されたマーキング材を有する表示物品を提供する。ここでこの
マーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキング材を拭いたときに
、表示物品から実質的に除去されない。
【0015】 他の1つの態様では、有機ポリマー表面を有する再帰反射性シート、この有機
ポリマー表面に配置された脂肪族アクリル化ウレタンを含む放射硬化コーティン
グ、及びこの放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材を有する表示物
品を提供する。
【0016】 また本発明は、表示物品を製造する方法を提供する。この方法は、非セルロー
ス系有機ポリマー表面を有する基材(好ましくは再帰反射性シート)及びこの上
に配置された放射硬化コーティング(好ましくは紫外線硬化可能組成物からもた
らす)を提供すること、並びに静電気印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、イ
ンクジェット印刷、凸版印刷、オフセット(すなわちオフセットプレス)印刷、
及びグラビア印刷からなる群より選択される技術を使用して、マーキング材を、
前記放射硬化コーティングに適用すること、を含む。好ましくはこの方法では、
マーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキング材を拭いたときに
、実質的に除去されない。更に、好ましくは表示物品は、マーキング材上に保護
コーティングを有さない。
【0017】 本発明の他の態様では、表示物品を製造する方法を提供する。この方法は、非
セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること(好ましくはこの表
面は放射硬化コーティングでできており、より好ましくはこの基材は再帰反射性
シートである)、並びに電子写真印刷及びグラビア印刷からなる群より選択され
る技術を使用して、マーキング材を、前記非セルロース系有機ポリマー表面に適
用すること、を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわ
たってマーキング材を拭いたときに、実質的に除去されない。好ましくは表示物
品は、マーキング材上に保護コーティングを有さない。
【0018】 本発明の更に他の1つの態様では、表示物品を製造する方法を提供する。この
方法は、非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること(好まし
くはこの表面は放射硬化コーティングでできており、より好ましくはこの基材は
再帰反射性シートである)、並びに凸版印刷及びオフセット印刷からなる群より
選択される技術を使用して、マーキング材を、非セルロース系有機ポリマー表面
に適用すること、を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクル
にわたってこのマーキング材を拭いたときに、実質的に除去されず、且つ更に表
示物品は保護覆い層を有さない。
【0019】 更に他の態様では、確認ステッカーを製造する方法を提供する。この方法は、
非セルロース系有機ポリマー表面を有する確認ステッカーを提供すること、及び
非セルロース系有機ポリマー表面に、マーキング材をスクリーン印刷すること、
を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキ
ング材を拭いたときに、実質的に除去されず、且つ更に確認ステッカーは保護覆
い層を有さない。
【0020】 また本発明では表示物品の製造方法を提供する。この方法は、放射硬化コーテ
ィングがコーティングされた非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提
供すること、及び放射硬化コーティングに、マーキング材をスクリーン印刷する
こと、を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたって
マーキング材を拭いたときに、実質的に除去されず、且つ更に表示物品は保護覆
い層を有さない。
【0021】 表示物品を製造する更なる方法は、放射硬化コーティングがコーティングされ
た非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること、及び熱物質移
動印刷を使用して、マーキング材を放射硬化コーティングに適用すること、を含
む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキング
材を拭いたときに、実質的に除去されない。
【0022】 [好ましい態様の詳細な説明] 添付の図面を参照して本発明を更に説明する。
【0023】 以下の説明は、確認ステッカーの例のみについて行う。他の表示物品、例えば
屋内/屋外用のラベル品、製品認証物品、在庫識別及び管理品、窓用ステッカー
、並びに自動車及び他の装置用の検査ステッカー、駐車許可証、有効期限ステッ
カー、駐車標識、速度制限標識、道路名標識、ナンバープレート、並びに他の一
般的な交通標識及び道路標識も、本発明の方法及び物品の範囲に含まれる。
【0024】 本発明で使用する確認ステッカーの例10を、図1及び2に示す。確認ステッ
カー10は、第1の大きな表面14と第2の大きな表面16を有するシート12
を含む。示されている態様では、第2の表面16は、この表面16上に接着性層
17を有する。シート12は、1又は複数のセキュリティー用の開口部18a及
び18bを有する。この部位はステッカーが裂ける又は断片化する部位を提供し
、それによってステッカーを「もろく」している。多くの場合にステッカー10
は、使用前には、取り外し可能な保護ライナー(すなわち一時的な支持体)20
上に存在する。ステッカー10が剥離可能に結合されているライナー20を使用
して、ステッカーの製造及び取り扱いを促進することができる。所望であれば、
第1の大きな表面14に剥離可能に結合された支持体(図示せず)も、第2の大
きな表面16側の支持体と合わせて又は単独で使用することができる。
【0025】 第1の大きな表面14は、マーキング材(例えばトナー又はインク)の適用に
よって得られる読みとり可能な情報(すなわち表示)が存在できるようにされて
いる。多くの態様では、情報は他の補助を得ない目で読み取り可能であり、また
選択された英数字又は他の記号、例えば所望の色のバーコード、表象等の形でよ
い。所望であれば、情報は他の手段、例えば赤外線像を読み取り可能な装置によ
って読み取ることができる。大きな表面14に所望の像を造るために様々な適当
な手段が、当業者には容易に認識される。ステッカーの視認性及び/又は判読性
を促進するために、表面14は好ましくは少なくとも部分的に再帰反射性である
【0026】 典型的に表面14は、有機非セルロース系ポリマー表面を有し、これにマーキ
ング材(図示せず)を直接に適用することができる。好ましくは有機ポリマー表
面は、放射硬化コーティングを有するが、他の材料が付着促進表面を提供するこ
ともできる。あるいはマーキング材をシート12に適用する前に、有機ポリマー
表面をコーティングで覆って、付着促進表面を有する別個の印刷受容層(図示せ
ず)を作ることができる。そのような印刷受容層は、様々な厚さ、例えば約0.
1ミル〜約1.5ミル(約2.5μm〜約38μm)の厚さでコーティングする
ことができる。印刷受容層としては比較的薄い厚さで機能させることができ、ま
た厚さが増加すると、ポリマー表面及びその下の材料(例えば再帰反射性シート
)の屋外での耐候性を改良することができる。重要なことは、コーティング、好
ましくは放射硬化コーティングが、マーキング材のための非常に受容性な表面を
提供し、それによって所望の性質を提供する材料の組み合わせが選択できること
である。
【0027】 第2の大きな表面16は、ステッカー10を基材(図示せず)に結合させるよ
うにされている。図2に示す場合には、表面16を接着剤17の層でコーティン
グすることができる。適当な接着剤の選択は、部分的にステッカー10の他の部
分の性質、ステッカー10を適用する基材の性質、ステッカーを適用する条件及
び様式、並びに使用の間に基材に適用されたステッカーが露出される環境に依存
している。本発明のいくらかの態様で有益な接着剤の例としては、感圧性接着剤
、高温溶融接着剤、活性化接着剤(例えば化学作用のある放射又は化学開始剤に
よる活性化)等を挙げることができる。特定の態様のための適当な接着剤は、当
業者が容易に選択することができる。
【0028】 他の態様では、初めに基材の表面に適用されている接着剤によって、ステッカ
ー10を基材に結合する。そのような場合には、表面16は本質的に、意図した
接着剤で使用するのに適当なものでよく、又はコロナ放電若しくはプラズマへの
露出又は下地コーティングの適用のような適当な予備処理によって処理して、意
図した接着剤で使用するために適当なように改良することができる。適当な処理
剤及び接着剤の選択は、当業者が容易に行えることである。好ましくはもろい表
示物品、例えば確認ステッカーのためには、基材への結合強度を、物品の様々な
層の間の結合強さよりも大きくする接着剤を使用する。この様式では、基材から
表示物品を除去しようとしたときに、表示物品が破損する(例えばバラバラにな
る又はゆがむ)。典型的に、接着剤は感圧性接着剤(PSA)、例えばイソオク
チルアクリレート及びアクリル酸を含む従来のPSAである。
【0029】 図3は、本発明の再帰反射性ポリマーシート80の好ましい態様を示している
。シート80は、最も下側の面の除去可能な保護ライナー24、例示のビーズ再
帰反射性要素62を含むコアシート、及び印刷受容層82を有する。再帰反射性
要素62は、感圧接着剤36、下側に反射材料32を有する微細球体30の単層
、空間コーティング層43、及びバインダー層44を含む。
【0030】 印刷受容層82を有するシート80は、着色剤及びバインダーを含むマーキン
グ材(すなわち樹脂に基づく着色剤/バインダー)に対して直接に受容性である
。更に印刷受容層82は、本発明のポリマーシートの他の性質にも貢献する。再
帰反射性シート材料80では、層82は、覆い層/透明コーティングとして機能
することができる。層82はまた、再帰反射性を提供するために必要な光学的な
役割も有することもできる。
【0031】 シート80のコアシートは、再帰反射性要素62及び除去可能保護ライナー2
4を有する。しかしながら、例えばシート80が基材に付着している場合、コア
シートは要素62のみを有することができる。ライナー24のようなライナーは
随意に、ここで説明する他の態様のコアシートの一部であってもよい。
【0032】 表示を有する表示物品の態様を図4及び図5に示す。ここで、図4では断面の
概略が示されており、図5では上面図の概略が示されている。表示物品120は
上述のように、表示122、及び再帰反射性ポリマーシート材料62を有するコ
アシートを含む。表示122は、樹脂に基づく着色剤/バインダーからできてい
てよく、また印刷受容層82は、例えば放射硬化可能樹脂を含む組成物からでき
ていてよい。印刷受容層は、パターンを付けてコーティングされていてよく、又
は連続層を形成していてよい。また印刷受容層は、所望であれば着色剤を含むこ
とができる。
【0033】 表示物品の他の態様を図6において上面図で示している。確認ステッカーであ
る物品130は、表示132、及び図3のシート80と同様なポリマー再帰反射
性シート材料80を含む。樹脂に基づく着色剤/バインダーが、表示132を作
ることができる。
【0034】 本発明の物品は、所望であれば耐久性を促進するための覆い層を有することが
できる。そのような覆い層は、表示上に配置する。好ましい態様では覆い層は必
要ない。これは本発明によれば、表示を作るマーキング材及び接着促進表面を作
る組成物を、十分な耐久性を得るように選択し、それによって表示を表示物品に
埋め込む必要がないようにしていることによる。所望であれば、覆い層は接着剤
層でよい。
【0035】 本発明の好ましい物品の再帰反射性ポリマーシートは、例えば封入レンズシー
ト型(例えば米国特許第3,190,178号、同第4,025,159号、同
第4,896,943号、同第5,064,272号、及び同第5,066,0
98号明細書を参照)、囲い込みレンズシート型(例えば米国特許第2,407
,680号明細書を参照)の「ビーズシート」でよく、又は立方体縁再帰反射性
シート(例えば米国特許第3,684,348号、同第4,801,193号、
同第4,895,428号、及び同第4,938,563号明細書を参照)を含
むことができる。
【0036】 例えば本発明の1つの態様では、コアシートは最も上側のバインダー層、バイ
ンダー層の下の例えばポリビニルブチラルを含む空間コーティング層、最も上側
及び最も下側の表面を有する微細球体の単層(この最も下側の表面は空間コーテ
ィング層に埋め込まれており最も上側の表面はバインダー層に埋め込まれている
)、微細球体の単層の下側の反射性材料、並びに最も下側の感圧性接着剤層を有
することができる。バインダー層は例えば、ブチル化メラミン樹脂で架橋させた
合成ポリエステル樹脂又はポリビニルブチラルを含むことができる。バインダー
層の厚さは典型的に約20μm〜約120μmである。典型的に微細球体はガラ
スでできており、その屈折率は約2.1〜約2.3であり、直径は約30μm〜
約200μm、好ましくは直径が平均約60μmである。一般的に微細球体は、
約50%がバインダー層に埋まっている。典型的に空間コーティング層の厚さは
、微細球体の表面から微細球体の平均直径の約1/4である。反射性材料は、金
属フレークの層、又は蒸気によって若しくは化学的に堆積させた金属層、例えば
アルミニウム又は銀の層でよい。
【0037】 ポリマーシート材料の一部としての印刷受容層の製造方法は、(a)ポリマー
シート、好ましくは再帰反射性要素を有するコアシートを提供すること、(b)
前記ポリマーシートに放射硬化可能組成物を適用すること、並びに(c)前記組
成物を硬化させて、印刷受容層を有するポリマーシート材料を与えること、を含
む。好ましい印刷受容層組成物は、多くの従来の技術、例えば滴下、噴霧、流し
コーティング、カーテンコーティング、ロールコーティング、バーコーティング
、ナイフコーティング、巻線コーティング、又はグラビアコーティングを使用し
て適用することができる。当業者は、特定の用途のためにこれらのまたは他の適
当な適用方法のうちの1つを容易に選択することができる。ポリマーシートに適
用した後で、典型的にまた好ましくは組成物に放射を行って、印刷受容層によっ
て作られている上側の露出された表面を有するポリマーシート材料を作る。
【0038】 従来覆い層及び透明コーティング等のような複数の層を必要としていた機能性
に貢献するだけでなく、樹脂に基づく着色剤/バインダーを使用して直接に印刷
可能である単一の層で、ポリマーシート材料を作れる点で本発明の構成は有利で
ある。従って、本発明の方法によるシート材料の構造は、非常に単純化すること
ができる。
【0039】 確認ステッカーは、本発明に含まれる表示物品の1つの例示のタイプに過ぎな
い。付着促進表面の材料、好ましくは放射硬化材料、より好ましくは別個の放射
硬化印刷受容層と、マーキング材とは、物品が1又は複数の以下の所望の性質を
有するように選択する:(1)耐摩耗性、(2)物品の様々な層の間又は表示と
印刷受容層との間の良好な付着性、(3)耐溶媒性、特に耐ガソリン性、(4)
印刷可能性、及び(5)耐候性。耐候性とは、再帰反射の明るさの持続性、耐汚
性及び/又は屋外での通常の使用条件での耐黄化性のような性質に言及している
。ここでは、太陽光、温度及び他の環境的なパラメータがシートの性質に影響を
与えることがある。好ましくはこれらの性質は、マーキング材上の保護コーティ
ング(すなわち覆い層)を必要とせずに得ることができる。
【0040】 例の部分で説明される試験を使用して、本発明の物品が上述の1又は複数の性
質を有するか否かを決定することができる。一般に付着促進表面(好ましくは印
刷受容層、より好ましくは放射硬化コーティング)及びマーキング材を、別個に
試験することができる。
【0041】 典型的に、説明される1又は複数の試験方法を行った後で除去されているマー
キング材の量は、印刷受容層が存在しないときに同じ条件で同じ物品から除去さ
れるマーキング材の量と比較して少ない。好ましくは、例で説明される1又は複
数の試験方法を行った後で、マーキング材が実質的に除去されていない。これは
、約50%以下、好ましくは約25%以下、より好ましくは約10%以下のマー
キング材が、所望の試験の後で除去されていることを意味する。除去されたマー
キング材の量は、質的に測定することができる。あるいはこれは、それぞれの試
験の前後で色濃度計を使用して、印刷濃度を測定することによって、定量的に測
定することができる。
【0042】 試験方法の付着促進表面への影響は、質的にも定量的にも決定することができ
る。例えば別個の印刷受容層のためには、除去された材料の量を質的に又は定量
的に決定することができる。好ましくは印刷受容層は、例において説明される1
又は複数の試験方法を行った後で、実質的に除去されていない。これは、約50
%以下、好ましくは約25%以下、より好ましくは約10%以下の印刷受容層が
、所望の試験の後で除去されていることを意味する。除去された印刷受容層の量
は、印刷受容層が有色であれば、それぞれの試験の前後で色濃度計を使用して印
刷濃度を測定することによって、決定することができる。あるいは、所望の試験
を行った後で光沢計を使用して除去された光沢の量を測定することによって、付
着促進表面への影響を決定することができる。
【0043】 例えば好ましくは、ガソリンで5サイクル、好ましくは10サイクル、より好
ましくは25サイクルにわたってマーキング材(又は単に印刷受容層)を拭いた
ときに、このマーキング材(又は単に印刷受容層)は実質的に除去されない。好
ましくは1,000磨きサイクルにわたってマーキング材(又は単に印刷受容層
)を擦ったときに、このマーキング材(又は単に印刷受容層)は実質的に除去さ
れない。好ましくは、感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧でマー
キング材(又は単に印刷受容層)に適用してこのテープを除去したときに、この
マーキング材(又は単に印刷受容層)は実質的に除去されない。
【0044】 [付着促進表面] 表面14(図1)は、非有機セルロース系ポリマー表面でよく、これにマーキ
ング材を直接に適用すること、又はこの表面をマーキング材の付着性を促進する
他の有機ポリマー材料(すなわち印刷受容層)でコーティングすることができる
。好ましくはそのような材料は、放射硬化材料である。予想外に放射硬化材料は
、様々な印刷系で使用される様々なマーキング材に対して受容性である。典型的
にこの材料はオリゴマー又はポリマー材料である。これは、コーティングして、
その後で硬化させてフィルムを作るのに、十分に流動性がある流体として適用さ
れる先駆物質から調製できる。あるいはこれは、予め形成されたフィルムとして
適用することができる。固化は、硬化(すなわち重合及び/又は架橋)及び/又
は乾燥(例えば液体の除去)、又は単なる冷却によって達成できる。先駆物質は
、有機溶媒に含まれる組成物、水に含まれる組成物、又は100%固体の組成物
(すなわち実質的に溶媒を含まない組成物)でよい。つまり本発明の物品の有機
ポリマー表面は、100%固体の配合物から作ることができ、又は溶媒(例えば
ケトン、テトラヒドロフラン又は水)を用いてコーティングし、その後で乾燥及
び/又は硬化させてもたらすことができる。好ましくは先駆物質は100%固体
の配合物で、実質的に溶媒を含まない(すなわち約1wt%未満)ものでよい。
これは、先駆物質中に存在する非反応性の希釈剤(以下で示すようなもの)が約
1wt%未満であることを意味する。従って、先駆物質を単純に乾燥させてコー
ティングを作ること、又は様々な硬化機構(例えば空気中の酸素による酸化硬化
、熱硬化、湿分硬化、高エネルギー放射硬化、縮重合、付加重合、及びそれらの
組み合わせ)を使用して、先駆物質の成分を重合及び/又は架橋させることがで
きる。
【0045】 好ましい先駆物質は、不可逆的にオリゴマー/ポリマー材料を作れるものであ
り、これは「熱硬化性」先駆物質という用語でも表すことができる。「熱硬化性
」先駆物質という用語はここでは、熱及び/又は他のエネルギー源、例えば電子
ビーム、紫外線、可視光線等を与えることによって、又は化学触媒、湿分等を加
えて時間が経過することによって、不可逆的に硬化する反応系に言及している。
「反応性」という用語は、上述の機構を使用して重合、架橋又はこれら両方によ
って、先駆物質の成分が他の成分と反応(又は自己反応)することを意味してい
る。
【0046】 先駆物質中で使用する成分を選択して、確認ステッカーの再帰反射性シートの
ような物品の耐久性及び耐候性を促進することができる。シートの構造に依存し
て、先駆物質の様々な成分を下側の表面と相互作用させることが好ましい(例え
ば構造体が下側の有機ポリマー材料上に放射硬化コーティングを有する場合)。
「相互作用」という用語は、相互作用の様々な機構、例えば表面の粗面化、溶解
又は浸透に言及している。先駆物質の成分と下側表面との間の共有相互作用(例
えば重合及び/又は架橋)があってもよい。
【0047】 先駆物質は、反応性又は非反応性の成分を含むことができる。非反応性先駆物
質としては典型的に、非反応性揮発性液体に溶解又は分散したポリマー又はオリ
ゴマーを挙げることができるが、100%固体の系も使用できる。この例として
は例えば、溶媒を用いてコーティングされる又は高温溶融体としてコーティング
される熱可塑性樹脂、及び水を用いてコーティングされるラテックスを挙げるこ
とができる。これらを使用できるが、非反応性先駆物質は好ましくはない。
【0048】 好ましくは付着促進表面を作るために適当な材料は、反応性成分を含む先駆物
質、すなわち様々な機構(例えば酸化硬化、縮合、湿分硬化、遊離ラジカル系の
放射又は熱硬化等、又はこれらの組み合わせ)によって架橋及び/又は重合させ
ることができる材料である。この例としては、限定するわけではないが、アミノ
樹脂(すなわちアミノプラト樹脂)、例えばアルキル化尿素−ホルムアルデヒド
樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、及びアルキル化ベンゾグアナミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂;アクリル樹脂(アクリレート及びメタクリレートを包含す
る)、例えばビニルアクリレート、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、
アクリル化ポリエステル、アクリル化アクリル(acrylated acry
lics)、アクリル化ポリエステル、アクリル化油、及びアクリル化シリコー
ン;アルキド樹脂、例えばウレタンアルキド樹脂;ポリエステル樹脂;反応性ウ
レタン樹脂;フェノールホルムアルデヒド樹脂(すなわちフェノール樹脂)、例
えばレゾール及びノボラック樹脂;フェノール/ラテックス樹脂;エポキシ樹脂
、例えばビスフェノールエポキシ樹脂;イソシアネート;イソシアヌレート;ア
ルキルアルコキシシラン樹脂を含むポリシロキサン樹脂;反応性ビニル樹脂等を
挙げることができる。ここで使用する場合、「樹脂」又は「樹脂系」という用語
は、モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの組み合わせを含む多分散系に
言及している。
【0049】 そのような反応性先駆物質成分は、例えば熱エネルギー、放射エネルギー等を
使用する様々な機構(例えば縮合又は付加重合)によって硬化させることができ
る。放射エネルギーの迅速に作用するもの(例えば5分間未満、好ましくは5秒
間未満の適用を必要とする)は特に好ましい。電子ビーム(E−ビーム)放射は
顔料が濃い系を透過する能力、その速度及び適用されたエネルギーの効率的な利
用性、並びに制御の容易さのために特に望ましい。多の有益な放射エネルギーの
形としては、紫外線、核放射線、赤外線、及びマイクロ波の放射を挙げることが
できる。特定の硬化機構に依存して、先駆物質は触媒、開始剤又は硬化剤を更に
含んで、重合及び/又は架橋プロセスを開始及び/又は促進させることができる
【0050】 熱エネルギー及び/又は触媒を加えてからの時間の経過によって硬化させるこ
とができる反応性先駆物質の成分としては例えば、レゾール及びノボラック樹脂
のようなフェノール樹脂;ビスフェノールAエポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂
;並びにアルキル化尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド
樹脂及びアルキル化ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂のようなアミノ樹
脂を挙げることができる。これらのような反応性成分を含有する先駆物質は、樹
脂系に依存して、遊離ラジカル熱開始剤、酸触媒等を含むことができる。熱遊離
ラジカル開始剤の例としては、ペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド及
びアゾ化合物を挙げることができる。典型的にそのような反応性先駆物質成分は
、硬化のために室温(約25℃〜約30℃)よりも高い温度を必要とするが、室
温で硬化可能な系も既知である。
【0051】 より好ましい先駆物質は、放射を使用して硬化させることができるものである
。ここでこれらは放射硬化可能材料として言及する。ここで使用する場合、「放
射硬化」又は「放射硬化可能」とは、随意に適当な触媒又は開始剤を伴い、紫外
線放射、可視光線放射、電子ビーム放射、又はそれらの組み合わせに露出されて
重合及び/又は架橋する樹脂系に関する硬化機構に言及している。典型的に2つ
のタイプの放射硬化機構、すなわち遊離ラジカル硬化機構及びカチオン硬化機構
が存在する。これらは通常、1段階の硬化又は1つのタイプの硬化機構を含む。
遊離ラジカルとカチオン性材料の混合物を硬化させて、両方の系から所望の性質
を与えることもできる。また、以下で説明するような2元硬化及びハイブリッド
硬化系も可能である。
【0052】 カチオン系では、紫外光を受けてカチオン系光開始剤が反応し、分解して酸性
触媒をもたらす。酸性触媒は、イオン性機構によって架橋反応を進行させる。エ
ポキシ樹脂、特に環状脂肪族エポキシは、カチオン性硬化で使用される最も一般
的な樹脂であるが、芳香族エポキシ及びビニルエーテルに基づくオリゴマーも使
用できる。更に連鎖移動剤及び柔軟剤として、エポキシのカチオン硬化でポリオ
ールを使用できる。また、Eckberg等の「UV Cure of Epo
xysiloxanes」、Radiation Curing in Pol
ymer Science and Technology:第4巻、Prac
tical Aspects and Applications、Fouas
sier及びRabek編、Elsevier Applied Scienc
e、ニューヨーク州、第2章、19〜49(1993年)で開示されているよう
に、カチオン性光開始剤を使用して、エポキシシロキサンを硬化させることがで
きる。カチオン性光開始としては、オニウムカチオンの塩、例えばアリールスル
ホニウム、及び有機金属塩を挙げることができる。カチオン性光開始剤の例は、
米国特許第4,751,138号(Tumey等)及び同第4,985,340
号明細書(Palazzotti)、並びにヨーロッパ特許出願第306,16
1号及び同第306,162号明細書で開示されている。エポキシシロキサンの
ための適当な光開始剤は、米国ニューヨーク州ウォーターフォードのGE Si
liconesから商標名UV9310Cで入手可能な光活性ヨードニウム塩で
ある。
【0053】 遊離ラジカル系では、放射が、非常に活性な種の非常に迅速で制御された発生
をもたらす。ここでこの種は、不飽和物質の重合を開始させる。遊離ラジカル硬
化可能物質の例としては、限定するわけではないが、アクリル樹脂、ペンダント
α,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト誘導体、少なくとも1つの
ペンダントアクリレート基を有するイソシアヌレート誘導体、少なくとも1つの
ペンダントアクリレート基を有するイソシアネート誘導体、不飽和ポリエステル
(例えば有機二酸とグリコールとの縮合生成物)、ポリエン/チオール/シリコ
ーン系、及び他のエチレン系不飽和化合物、並びにそれらの混合及び組み合わせ
を挙げることができる。そのような放射硬化可能系は以下の文献で詳細に説明さ
れている:Allen等の「UV and Electron Beam Cu
rable Pre−Polymers and Diluent Monom
ers: Classification, Preparation and
Properties,」、Radiation Curing in Po
lymer Science and Technology:第1巻、Fun
damentals and Methods、Fouassier及びRab
ek編、Elsevier Applied Science、ニューヨーク州
、第5章、225〜262(1993年);Federation Serie
s on Coatings Technology: Radiation
Cured Coatings、Federation of Societi
es for Coatings Technology、ペンシルバニア州フ
ィラデルフィア、p.7〜13(1986年);及び Radiation C
uring Primer I: Inks,Coatings,and Ad
hesives,RadTech International North
America、イリノイ州ノースブルック、p.45〜53(1990年)。
【0054】 遊離ラジカル硬化可能系は放射エネルギーを使用して硬化させることができる
が、系に遊離ラジカル源(例えばペルオキシド又はアゾ化合物)が存在する限り
、これらは熱エネルギーを使用して硬化させることもできる。従って「放射硬化
可能」、より特に「遊離ラジカル硬化可能」という用語は、熱エネルギーを使用
して硬化させることができ、遊離ラジカル硬化機構に関する系も包含する。反対
に、「放射硬化」という用語は、放射エネルギーに露出させることによって(熱
ではなく)、硬化させることができる系に言及している。
【0055】 本発明で使用するのに適当なアクリル樹脂としては、限定するわけではないが
、アクリル化ウレタン(すなわちウレタンアクリレート)、アクリル化エポキシ
(すなわちエポキシアクリレート)、アクリル化ポリエステル(すなわちポリエ
ステルアクリレート)、アクリル化アクリル、アクリル化シリコーン、アクリル
化ポリエーテル(すなわちポリエーテルアクリレート)、ビニルアクリレート、
及びアクリル化油を挙げることができる。ここで使用する場合、「アクリレート
」及び「アクリレート官能基」という用語は、モノマー、オリゴマー又はポリマ
ーに関わらず、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含している。
【0056】 アクリル化ウレタンは、端部がヒドロキシ基でNCO延長されたポリエステル
又はポリエーテルのジアクリレートエステルである。これらは特に好ましい。こ
れらは脂肪族又は芳香族でよいが、アクリル化脂肪族ウレタンは耐候性が良好で
あるので、これが好ましい。商業的に入手可能なアクリル化ウレタンの例として
は、ニュージャージー州ホボケンのHenkel社の、商標名PHOTOMER
(例えばPHOTOMER6010);ジョージア州SmyrnaのUCB R
adcure社の、商標名EBECRYL220(分子量1,000の六官能価
芳香族ウレタンアクリレート)、EBECRYL284(1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレートで希釈した分子量1,200の脂肪族ウレタンジアクリレー
ト)、EBECRYL4827(分子量1,600の芳香族ウレタンジアクリレ
ート)、EBECRYL4830(テトラエチレングリコールジアクリレートで
希釈した分子量1,200の脂肪族ウレタンジアクリレート)、EBECRYL
6602(トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートで希釈した分子量
1,300の三官能価芳香族ウレタンアクリレート)、及びEBECRYL84
02(分子量1,000の脂肪族ウレタンジアクリレート);ペンシルバニア州
ウエストチェスターのSartomer社の、商標名SARTOMER(例えば
SARTOMER9635、9645、9655、963−B80、966−A
80);並びにイリノイ州シカゴのMorton International
のUVITHANE(例えばUVITHANE782)を挙げることができる。
【0057】 アクリル化エポキシは、エポキシ樹脂のジアクリレートエステル、例えばビス
フェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステルである。商業的に入手可能
なアクリル化エポキシの例としては、ジョージア州SmyrnaのUCB Ra
dcure社の、商標名EBECRYL600(分子量525のビスフェノール
Aエポキシジアクリレート)、EBECRYL629(分子量550のエポキシ
ノボラックアクリレート)、及びEBECRYL860(分子量1,200のエ
ポキシ化大豆油アクリレート);並びにニュージャージー州ホボケンのHenk
el社の、商標名PHOTOMER3016(ビスフェノールAエポキシジアク
リレート)、PHOTOMER3038(エポキシアクリレート/トリプロピレ
ングリコールジアクリレート配合物)、PHOTOMER3071(改質ビスフ
ェノールAアクリレート)等を挙げることができる。
【0058】 アクリル化ポリエステルは、アクリル酸と二塩基酸/脂肪族/ジオールに基づ
くポリエステルとの反応生成物である。商業的に入手可能なアクリル化ポリエス
テルの例としては、ニュージャージー州ホボケンのHenkel社の、商標名P
HOTOMER5007(分子量2,000の六官能価アクリレート)、PHO
TOMER5018(分子量1,000の四官能価アクリレート)、及びPHO
TOMER5000系の他のアクリル化ポリエステル;並びにジョージア州Sm
yrnaのUCB Radcure社の、商標名EBECRYL80(分子量1
,000の四官能価改質ポリエステルアクリレート)、EBECRYL450(
脂肪酸改質ポリエステルヘキサアクリレート)、及びEBECRYL830(分
子量1,500の六官能価ポリエステルアクリレート)を挙げることができる。
【0059】 アクリル化アクリルは、後の反応のための遊離ラジカルを作ることができる反
応性ペンダント又は端部アクリル酸基を有するアクリルオリゴマー又はポリマー
である。商業的に入手可能なアクリル化アクリルの例としては、ジョージア州S
myrnaのUCB Radcure社の、商標名EBECRYL745、75
4、767、1701及び1755を挙げることができる。
【0060】 アクリル化シリコーン、例えば室温加硫シリコーンは、後の反応のための遊離
ラジカルを作ることができる反応性ペンダント又は端部アクリル酸を有するシリ
コーンに基づくオリゴマー又はポリマーである。これらの及び他のアクリレート
は、以下の文献で議論されている:Allen等の「UV and Elect
ron Beam Curable Pre−Polymers and Di
luent Monomers: Classification, Prep
aration and Properties,」、Radiation C
uring in Polymer Science and Technol
ogy:第1巻、Fundamentals and Methods、Fou
assier及びRabek編、Elsevier Applied Scie
nce、ニューヨーク州、第5章、225〜262(1993年);Feder
ation Series on Coatings Technology:
Radiation Cured Coatings、Federation
of Societies for Coatings Technolog
y、ペンシルバニア州フィラデルフィア、p.7〜13(1986年);並びに
Radiation Curing Primer I: Inks,Coat
ings,and Adhesives,RadTech Internati
onal North America、イリノイ州ノースブルック、p.45
〜53(1990年)。
【0061】 更に、少なくとも1つのペンダントアクリレート基を有するイソシアヌレート
誘導体及び少なくとも1つのペンダントアクリレート基を有するイソシアネート
誘導体は、米国特許第4,652,274号明細書(Boetcher等)にお
いて説明されている。アクリレート基を有するイソシアヌレート樹脂の例として
は、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートを挙げる
ことができる。
【0062】 放射硬化可能アミノプラスト樹脂は、1分子又はオリゴマー当たり少なくとも
1つの、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有する。これらの不飽和カル
ボニル基は、アクリレート、メタクリレート、又はアクリルアミドタイプの基で
よい。アクリルアミド基を有する樹脂の例としては、N−(ヒドロキシメチル)
−アクリルアミド、N,N’−オキシジメチレンビスアクリルアミド、オルト−
及びパラ−アクリルアミドメチル化フェノール、アクリルアミドメチル化フェノ
ールノボラック、グリコルリルアクリルアミド、アクリルアミドメチル化フェノ
ール及びそれらの組み合わせを挙げることができる。これらの材料は、米国特許
第4,903,440号(Larson等)、同第5,055,113号(La
rson等)、及び同第5,236,472号(Kirk等)明細書で更に説明
されている。
【0063】 他の適当なエチレン系不飽和樹脂としては、典型的にエステル基、アミド基及
びアクリレート基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー化合物を挙げるこ
とができる。そのようなエチレン系不飽和化合物は好ましくは、分子量が約4,
000未満である。これらは好ましくは、脂肪族モノヒドロキシ基又は脂肪族ポ
リヒドロキシ基を有する化合物と、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸及びマレイン酸等を有する化合物との反応によって得られ
るエステルである。アクリル樹脂の代表的な例は他で示す。他のエチレン系不飽
和樹脂としては、カルボン酸のモノアリル、ポリアリル及びポリメタリルエステ
ル及びアミド、例えばジアリルフタレート、ジアリルアジペート、及びN,N−
ジアリルジアジパミド、並びにスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンを
挙げることができる。更に他のものとしては、トリス(2−アクリロイル−オキ
シエチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリ(2−メチアクリルオキシエ
チル)−s−トリアジン、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、N−メチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム、及びN−ビニルピペリドンを挙げることができる。
【0064】 2元硬化樹脂系では、それぞれ同じ又は異なる反応機構で、2つの異なる段階
の重合又は架橋が起こる。ハイブリッド硬化樹脂系では、紫外線又は電子ビーム
を放射したときに、2つの機構の重合又は架橋が同時に起こる。これらの系で起
こる化学硬化機構としては、限定するわけではないが、アクリル2重結合のラジ
カル重合、スチレン又は他のモノマーの不飽和ポリエステルのラジカル重合、ア
リル官能基の空気乾燥、ビニルエーテル又はエポキシのカチオン性硬化、イソシ
アネートの縮合、及び酸触媒熱硬化を挙げることができる。従って、2元硬化及
びハイブリッド硬化系は例えば、放射硬化と熱硬化とを組み合わせること、又は
放射硬化と湿分硬化とを組み合わせることができる。電子ビーム硬化と紫外線硬
化との組み合わせも可能である。組み合わせ硬化機構は例えば、1つの構造に2
つのタイプの官能基を有する材料を混合すること、又は1つのタイプの官能基を
有する異なる材料を混合することによって達成できる。このような系は、Pee
tersの「Overview of Dual−Cure and Hybr
id−Cure Systems in Radiation Curing,
」Radiation Curing in Polymer Science
and Technology:第3巻、Polymer Mechanis
ms、Fouassier及びRabek編、Elsevier Applie
d Science、ニューヨーク州、第6章、177〜217(1993年)
で論じられている。
【0065】 放射硬化可能材料の中では、遊離ラジカル硬化可能材料が好ましい。これらの
中では、本発明の先駆物質で使用するために、アクリレートが特に好ましい。そ
のような材料の例としては、限定するわけではないが、一又は多官能価アクリレ
ート(すなわちアクリレート及びメタクリレート)、アクリル化エポキシ、アク
リル化ポリエステル、アクリル化芳香族又は脂肪族ウレタン、アクリル化アクリ
ル、アクリル化シリコーン等、及びそれらの組み合わせ又はそれらの配合を挙げ
ることができる。これらは、様々な分子量(例えば平均分子量100〜2,00
0)のモノマー又はオリゴマー(すなわち典型的に2〜100のモノマー単位、
しばしば2〜20のモノマー単位を有する適度に低分子量のポリマー)でよい。
好ましい先駆物質としては、アクリル化エポキシ、アクリル化ポリエステル、ア
クリル化芳香族又は脂肪族ウレタン、及びアクリル化アクリルを挙げることがで
きる。より好ましい先駆物質としては、アクリル化芳香族又は脂肪族ウレタン、
最も好ましい先駆物質としてはアクリル化脂肪族ウレタンを挙げることができる
【0066】 遊離ラジカル放射硬化可能系は、硬化可能組成物の粘度を調節するために、得
られる硬化材料の主鎖を作るオリゴマー及び/又はポリマー(フィルム形成剤と
しても言及される)と、反応性モノマー(反応性希釈剤としても言及される)と
を含むことが多い。フィルム形成剤は典型的にオリゴマー又はポリマー材料であ
るが、いくらかのモノマー材料もフィルムを形成することができる。典型的にそ
のような系は、紫外線又は電子ビーム放射の使用を必要とする。紫外線硬化可能
系は典型的に光開始剤も含む。水又は有機溶媒も、系の粘度を低下させるために
使用できるが(従って非反応性の希釈剤として作用する)、これは典型的に、熱
処理をして溶媒を除去することを必要とする。従って、本発明の先駆物質は好ま
しくは、水又は有機溶媒を含有しない。すなわち、これらは好ましくは、100
%固体の組成物である。
【0067】 本発明の好ましい先駆物質は、反応性希釈剤とフィルム形成剤を含有する。反
応性希釈剤としては、少なくとも1種の1又は多官能価モノマー化合物を挙げる
ことができる。ここで使用する場合、1官能価とは、化合物が1つの炭素炭素2
重結合を有することを意味し、多官能価とは、化合物が1よりも多い炭素炭素2
重結合又は縮合によって架橋することができる他の化学的に活性な基を有するこ
とを意味している。炭素炭素2重結合及び他の化学的に活性な基を有する樹脂の
例としては、イソシアナトエチルメタクリレート、シソブトキシメチルアクリル
アミド、及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができる
。典型的に適当な反応性希釈剤を放射硬化可能系で使用して、粘度を調節する。
これらは好ましくは、アクリレートであるが、モノマーがエチレンのように不飽
和でありこの不飽和部分がこのモノマーに反応性を与えれば、非アクリレート、
例えばn−ビニルピロリドン、リモネン及び酸化リモネンを使用することもでき
る。フィルム形成剤としては、少なくとも1種の放射硬化可能材料、例えば典型
的に放射硬化可能系で使用される1又は多官能価オリゴマー化合物を挙げること
ができるが、熱可塑性ポリマーを使用することもできる。これらの熱可塑性ポリ
マーは、反応性希釈剤と反応性又は自己反応性(例えば内部架橋可能)であって
もそうでなくてもよい。
【0068】 好ましくは先駆物質は、少なくとも1種の1官能価モノマー化合物及び少なく
とも1種の多官能価オリゴマー化合物を含有している。最も好ましくは、そのよ
うな先駆物質は、少なくとも1種の分子量が約1,000以下(好ましくは約1
00〜1,000)の、1官能価モノマーアクリレートと、少なくとも1種の分
子量が少なくとも500、好ましくは約500〜約7,000、より好ましくは
約1,000〜約2,000の多官能価オリゴマーアクリル化ウレタンとを含有
している。
【0069】 多官能価モノマーは典型的に配合物の粘度を低下させ、下地層への比較的迅速
な浸透を行わせる傾向がある。多官能価モノマー及びオリゴマー(例えばジアク
リレート及びトリアクリレート)は典型的に、層間及び層内において比較的架橋
した比較的強い結合を提供する傾向がある。またそれらの構造に依存して、多官
能価モノマー及びオリゴマーは、可撓性又は剛性を与えることができる。アクリ
ル化オリゴマー、好ましくはアクリル化ウレタンオリゴマーは、靭性、硬さ及び
可撓性のような所望の性質をコーティングに与える。
【0070】 適当な1官能価モノマーの例としては、限定するわけではないが、エチルアク
リレート、メチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、オキエチル化フ
ェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−(エトキシエトキシ)エチル
アクリレート、エチレングリコールメタクリレート、テトラヒドロキシフルフリ
ルアクリレート(THFアクリレート)、カプロラクトンアクリレート、及びメ
トキシトリプロピレングリコールモノアクリレートを挙げることができる。適当
な多官能価モノマーの例としては、限定するわけではないが、トリエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、グリセロール
トリアクリレート、グリセロールトリメタクリレート、グリセリルプロポキシレ
ートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテ
トラメタクリレート、及び1,6−ヘキサンジアクリレートを挙げることができ
る。他の1又は多官能価モノマーとしては、ビニルアセテート、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルカプロラクタム、エトキシエトキシエチルアクリレート等
を挙げることができる。これらのモノマーは、ジョージア州SmyrnaのUC
B Radcure社から、商標名EBECRYLで、ニュージャージー州ホボ
ケンのHenkel社から、商標名PHOTOMERで、及びペンシルバニア州
ウエストチェスターのSartomer社から、商標名SARTOMERで入手
可能である。またリモネンオキシドは、ウィスコンシン州ミルウォーキーのAl
drich Chemical社から、N−ビニルピロリドンは、ニューヨーク
州ロチェスターのKodak社から入手可能である。
【0071】 適当なアクリル化オリゴマーの例としては、限定するわけではないが、アクリ
ル化エポキシ、アクリル化ポリエステル、アクリル化芳香族又は脂肪族ウレタン
、アクリル化シリコーン、アクリル化ポリエーテル、ビニルアクリレート、アク
リル化油、及びアクリル化アクリルを挙げることができる。これらの中では、ア
クリル化芳香族又は脂肪族ウレタンが好ましく、可撓性及び耐候性のためにアク
リル化脂肪族ウレタンがより好ましい。いくらかのアクリル化脂肪族ウレタン(
すなわち脂肪族ウレタンアクリレート)の例としては、ニュージャージー州ホボ
ケンのHenkel社の商標名PHOTOMER6010(分子量1,500)
;ジョージア州SmyrnaのUCB Radcure社の商標名EBECRY
L8401(分子量1,000)及びEBECRYL8402(分子量1,00
0、ウレタンジアクリレート);ペンシルバニア州ウエストチェスターのSar
tomer社の商標名S−9635、S−9645及びS−9655(これら全
てが25wt%のイソボルニルアクリレートを含有);Sartomer社のS
−963−B80(20wt%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを含
有);並びにSartomer社のS−966−A80(20wt%のトリプロ
ピレングリコールジアクリレートを含有)を挙げることができる。
【0072】 先駆物質は、上述の希釈モノマー以外の様々な溶媒を含有して、比較的高分子
量の反応性樹脂(例えばアクリル化オリゴマー)及び/又は熱可塑性ポリマーの
溶解を補助することができる。そのような溶媒は、例えば本発明の方法の硬化条
件において、先駆物質の反応性樹脂と有意に重合又は架橋しないので、非反応性
希釈剤又は非反応性モノマーとして言及される。更にそのような溶媒は典型的に
加熱によって除去されるが、完全な除去は必ずしも必要とされない。この目的の
ための適当な溶媒としては、様々なケトン溶媒、テトラヒドロフラン、キシレン
等を挙げることができる。しかしながら好ましくは、上述のように先駆物質は1
00%固体の組成物である。
【0073】 所望であれば、着色剤(すなわち顔料又は染料)を先駆物質に含有させること
もできる。適当な着色剤の例としては、TiO、フタロシアニンブルー、カー
ボンブラック、塩基性炭酸鉛ホワイト、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、
酸化ジルコニウム、スルホクロム酸鉛、バナジン酸ビスマス、モリブデン酸ビス
マス、並びに他の顔料、特に米国特許第5,272,562号明細書(Code
rre)で開示される不透明顔料及び米国特許第5,706,133号明細書(
Orensteen)で開示される有機顔料を挙げることができる。着色剤は、
所望の色を与える量で使用すること、様々な様式で先駆物質に加えることができ
る。
【0074】 好ましくは先駆物質は、全先駆物質の量に基づいて約5wt%〜約25wt%
の量で反応性希釈剤を含有する。先駆物質中のフィルム形成剤及び随意の顔料の
量は、所望の不透明性、可撓性、粘度等に依存している。好ましくは先駆物質は
、全先駆物質の量に基づいて、約25wt%〜約95wt%の量のフィルム形成
剤、及び約50wt%以下の量の顔料を含有している。
【0075】 典型的に、本発明の紫外線硬化可能先駆物質中には、光開始剤が含有されてい
る。光重合開始剤(すなわち光開始剤)の例としては、限定するわけではないが
、有機ペルオキシド、アゾ化合物、キノン、ベンゾフェノン、ニトロソ化合物、
ハロゲン化アクリル、ヒドロゾン、メルカプト化合物、ピリジニウム化合物、ト
リアクリルイミダゾール、ビスイミダゾール、クロロアルキトリアジン、ベンゾ
インエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、及びアセトフェノン誘導体
、並びにそれらの混合物を挙げることができる。特定の例としては、ベンジル、
メチルo−ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン/第3
アミン、アセトフェノン、例えば2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル
メチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2
−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、2−メチ
ル−1−4(メチルチオ)、フェニル−2−モルフォリノ−1−プロパン、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルフェニル)ホスフ
ィンオキシド等を挙げることができる。そのような光開始剤としては、ニューヨ
ーク州ArdsleyのCiba−Geigy社から入手可能な商標名DARO
CUR及びIRGACUREを挙げることができる。典型的に光開始剤は、所望
の反応速度を与える量で使用する。これは、全先駆物質の重量に基づいて、好ま
しくは約0.01wt%〜約5wt%、より好ましくは約0.1wt%〜約1w
t%の量で使用する。
【0076】 先駆物質中で使用することができる他の添加剤は、充填材、消泡剤、付着促進
剤、平滑化剤(例えばポリジメチルシロキサンのような流動化剤)、湿潤剤、滑
剤、屋外での安定化のための添加剤を含む安定化剤(例えば熱安定化剤、UV安
定化剤、可視光安定化剤)、可塑化剤、付着促進剤等である。これらは反応性で
あっても非反応性であってもよいが、典型的に非反応性である。反応性可塑化剤
の例としては、Sartomer社から入手可能な商標名SARBOX SB−
600及びSB−510E35を挙げることができる。典型的にそのような添加
剤は、所望の性質を与える量で使用する。これらは、全先駆物質の重量に基づい
て、好ましくは約0.01〜約5wt%、より好ましくは約0.1〜約1wt%
の量で使用する。
【0077】 本発明に関して、先駆物質を適用する任意の適当な方法を使用できる。コーテ
ィング方法の選択は先駆物質の粘度、所望とするコーティング厚さ、コーティン
グ速度等に依存している。適当なコーティング方法は上述の方法である。典型的
に、約10μm〜約250μmの湿潤コーティング厚さを使用する。
【0078】 先駆物質を下地表面にコーティングした後で、好ましくはエネルギー源に露出
させて硬化を開始させる。適当な好ましいエネルギー源の例としては、熱エネル
ギー及び放射エネルギーを挙げることができる。エネルギーの量は、樹脂の化学
的性質、コーティングした後の先駆物質の寸法、及び随意の添加剤の量及びタイ
プ、特に顔料含有量のようないくつかの要素に依存している。熱エネルギーの場
合には、温度は約30℃〜約100℃である。露出時間は約5分間〜24時間超
でよく、比較的低温の場合には比較的長い時間が適当である。
【0079】 本発明で使用するための適当な放射エネルギー源は、電子ビーム、紫外線、可
視光線、又はそれらの組み合わせである。イオン化放射としても知られる電子ビ
ーム放射は、約0.1Mrad〜約10Mrad、好ましくは約3Mrad〜約
8Mrad、より好ましくは約5Mrad〜約6Mradのエネルギーレベル;
及び約75KeV〜約5MeV、好ましくは約100KeV〜約300KeVの
加速電圧レベルで使用することができる。紫外線放射とは、約200nm〜約4
00nmの波長の非粒子放射に言及している。118〜236ワット/cm紫外
線を使用することが好ましい。可視光線放射とは、約400nm〜約800nm
の波長の非粒子放射に言及している。放射エネルギーを使用する場合、いくらか
の顔料粒子及び/又は他の随意の添加剤が、放射エネルギーを吸収して、先駆物
質中の樹脂の重合を抑制することがある。このような場合、そのような放射エネ
ルギーの吸収を補償するのに必要とされる程度に、比較的多量の放射エネルギー
及び/又は比較的高い濃度の光開始剤を使用することができる。また電子ビーム
加速電圧を増加させて、イオン化放射エネルギーの貫通力を増加させることもで
きる。
【0080】 マーキング材 適当なマーキング材は、様々な印刷プロセスで使用されて特定の領域を、背景
の色(基材の色)以外の特定の色で着色し、それによって印刷された情報を何ら
かの様式で識別させるマーキング材である。一般にそのようなマーキング材は、
人間の目で判読可能な表示を形成し、またこれは、所望の色の選択された英数字
又は他の記号、例えばバーコード及び表象等を表すことができる。しかしながら
所望であれば、この情報は他の手段によって判読可能なもの、例えば機械で判読
可能な赤外線像であってもよい。そのようなマーキング材の例は、典型的に非接
触プリンターで使用されているもの(例えばレーザープリンターで使用されてい
るトナー)、及び衝撃プリンターで使用されているもの(熱物質移動プリンター
で使用されているインク含有リボン)である。一般に、それぞれの印刷プロセス
は、印刷されたイメージを造るために、異なるマーキング材を必要とする。いく
らかのマーキング材は、枚葉印刷での裏写り防止スターチスプレーを省くため及
び巻き紙印刷での熱固定インク溶媒による空気汚染をなくすために特に開発され
ている。金属光沢をまねたマーキング材、特別な電子機器で読みとれる磁気の文
字を印刷するマーキング材、酒類のラベルのための耐アルコール性及び耐摩耗性
のマーキング材、セッケンの包装のための耐アルカリ性マーキング材、蛍光マー
キング材、並びに魅力的な表示のための高輝度のマーキング材も存在する。スク
リーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷で使用するために特に
設計されたインクも存在する。これらの多くは、放射硬化可能(例えば紫外線(
UV)硬化及び電子ビーム(EB)硬化インク)であり、噴霧可能な溶媒に基づ
く材料に関連する環境的な問題を解決するために開発されている。UV硬化マー
キング材は典型的に、液体プレポリマー(オリゴマー及び/又はモノマー)、及
び大量のUV放射を受けて遊離ラジカルを発生させる開始剤を含有している。こ
こで遊離ラジカルは、ビヒクルをすぐに重合させ、乾燥した強い熱硬化性樹脂に
する。電子ビーム(EB)硬化マーキング材は、同様であるが、開始剤を含有し
ない。
【0081】 マーキング材は典型的に特定の印刷プロセスのために配合されており、これを
使用して印刷イメージを作っている。一般に、本発明で使用するのに適当なマー
キング材は、着色剤(例えば顔料又は染料)、着色剤が分散又は溶解する樹脂ビ
ヒクル(すなわちバインダー)、粘度制御のための随意の溶媒又は他の流体、並
びに乾燥及び/又は所望の作業性を与えるための他の随意の添加剤を含有してい
る。様々な印刷プロセスで使用されるマーキング材の成分のいくらかは、同じ材
料の群から選択されることがあるが、それらの特定の性質は、印刷技術が必要と
することがある処理条件に適応して調節されている。例えば、ポリエステル類か
ら選択される樹脂は、スクリーン印刷、電子写真印刷、熱移動印刷等のためのバ
インダーとして使用することができるが、その分子量、架橋の程度及び選択され
る特定のモノマーは、それぞれのプロセスで異なっている。
【0082】 本発明の物品の付着促進表面、特に放射硬化材料への良好な付着のために、マ
ーキング材のバインダーは好ましくは、反応性成分、すなわち様々な機構(例え
ば酸化硬化、縮合、湿分硬化、遊離ラジカル系の放射又は熱硬化等)によって架
橋及び/又は重合することができる材料を含有する。より好ましくは、マーキン
グ材のバインダーとしては、ポリエステル、ビニル、ポリオレフィン、ポリビニ
ルアセタール、アルキル又はアリール置換アクリレート又はメタクリレート、エ
チレン又はプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸又は酢酸ビニルとのコポリマ
ー、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを挙げること
ができる。様々な異なるプリンターによって適用される様々な異なるマーキング
材を、例の部分の表2で例示している。
【0083】 着色剤及び添加剤は、マーキング材及び印刷系のタイプによって様々でよく、
これらは当業者に既知である。多くの適当な着色剤及び添加剤を、付着促進表面
の化学的性質に関する上述の議論で挙げている。
【0084】 印刷系 ここで説明されるマーキング材は、衝撃又は非接触の様々な印刷系、好ましく
はデジタル印刷系で使用して、付着促進表面、特に印刷受容層、より特にここで
説明される放射硬化コーティング上にイメージを作ることができる。これらの例
としては、静電気印刷、電子写真印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、インク
ジェット印刷、熱転写印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、及びオ
フセット印刷を挙げることができる。これらの多く(例えば静電気印刷、電子写
真印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、インクジェット印刷、及び熱転写印刷
)は、デジタル印刷プロセスであり、ここではイメージを表すデータがデジタル
の形である。これらの処理は主に、少部数の印刷のために、及び記号、宛名等の
ような様々な又は個人的な情報を必要に応じて印刷するために使用される。
【0085】 以下は、本発明の方法で使用することができるいくらかの印刷プロセスの簡単
な説明である。より詳細な情報は、一般的な出版物から入手可能である。そのよ
うな本の例としては、Principles of Non Impact P
rinting、J.L.Johnson著、Palantino出版(198
6年);Understanding Digital Color、Phil
Green著、Graphic Arts Technical Found
ation(1995年)、p.293〜310;並びにPocket Pal
.A Graphic Arts Production Handbook、
M.Bruno編、International Paper社、第16版(1
995年)、p.126〜150を挙げることができる。
【0086】 静電気印刷は、印刷する表面への静電気電荷の直接堆積を含むイメージング工
程と、その後の液体トナーを使用するトナー工程からなる。この後で、熱及び圧
力によってトナーを融解させる工程を行う。この技術を使用するプリンターの幅
は52インチまでがあり、建築物の絵、広告板等の印刷のために使用される。電
子写真印刷(レーザー印刷及びゼログラフィーを含む)は、高速コピーシステム
と同様である。電子写真装置は例えば、ポストスクリプトに基づくデジタルイメ
ージング系からのデジタル信号によって調節されたコロナ放電レーザーによって
荷電される静電気光伝導体と、光伝導体から基材にトナーのイメージを移動させ
る系を具備している。装置を使用して、300フィート/分までの速度で、単一
の又は点状の色特性の印刷生成物によって様々な情報を印刷している。少部数の
カラー印刷のためには、4色の様々な必要に応じた印刷のための比較的遅い装置
が使用されている。
【0087】 電子ビームイメージング(EBI)としても言及されるイオン堆積印刷は、以
下の単純な4つの工程からなる:(1)イメージングカートリッジから、非常に
硬質のアノード処理をされたアルミニウムからなる加熱回転ドラムに、一連の帯
電した粒子(電子)を送ることによって、帯電したイメージを作ること、(2)
ドラムを回転させながら、1成分磁気トナーをドラム上のイメージに付着させる
こと、(3)圧力によって、トナーのイメージを受容表面に転写固定すること、
及び(4)残ったトナーをドラムから除去すること。これで次のイメージングの
ための用意ができている。新しい材料を使用する新しい装置は、高品質の連続ト
ーン4色処理イメージを作ることができる。磁気記録印刷は、磁気ドラムを使用
し、コンピューターが作った様々なイメージによってドラム上に磁荷を与え、そ
して1成分磁気トナーを用いることを除いて、EBI印刷と同様である。この印
刷の主な利点は、デジタルデータでイメージングが容易なことである。
【0088】 インクジェット印刷は主に、コンピューターレターのアドレス及び記号、くじ
の形及び他の宣伝用個人宛ダイレクトメールのような様々な情報を印刷するため
に使用されている。多くのタイプのインクジェットプリンターが存在し、これら
は連続滴下、ドロップ−オン−デマンド、バブルジェット、シングルジェット、
及びマルチジェットである。イメージは、水溶性の染料によってデジタル的に作
られる。インクジェットプリンターは、印刷されるイメージに依存して必要に応
じて滴を移動させることによって又はインクをノズルに通すことによって、イン
ク滴を発生させる。ドロップ−オン−デマンドインクジェットプリンターは、熱
(インクの蒸発)又は圧電法(相変化)によってインクを移動させる。
【0089】 熱物質移動は、コンピューターでもたらしたデジタルの文字と画像のデータを
使用して、熱プリントヘッドを駆動させる。この熱プリントヘッドは、ドナーリ
ボン上のインクスポットを融解し、これを受容体に移動させる。使用する装置は
組み込みコンピューターを有し、回転又はフラット打ち抜き及び4色の25%を
超える様々な情報で、完成したラベル及び他のプリント生成品を作る。
【0090】 スクリーン印刷は独自の少部数用プロセスであり、これはほとんど全ての表面
に印刷を行う。ラインアート及びハーフトーンの両方を印刷することができる。
いくらかのスクリーン印刷は、テーブル、スクリーンフレーム及びスクイジーか
らなる非常に単純な用具を用いて手で行われる。しかしながら、最も商業的なス
クリーン印刷は、動力を使用するプロセスで行う。印刷の間には、所望の画像の
形のインクを有するスクリーンを初めに基材と接触させ、そしてスクイジーによ
ってスクリーン布帛の開口領域を通してインクを基材に送る。その後、印刷され
た基材を乾燥させて、インクから溶媒を除去し、プロセスを完了させる。
【0091】 グラビア印刷は、印刷シリンダー、圧胴及びインク装置からなっている。イン
ク(マーキング材)を空気インクロール又はスプレーによって印刷シリンダーに
適用し、そして過剰なインクをドクターブレードによって除去してインク源に戻
す。圧胴はゴム組成物で覆われており、これを印刷する表面に押しつけてインク
と接触させる。グラビア印刷は、包装、床の覆い、感圧性の壁の覆い、プラスチ
ック積層体等で使用されている。
【0092】 凸版印刷の分類では、大きく分けて3つの部分が存在する。これらは、圧盤、
垂直平台シリンダー及び輪転機である。かなり商業的なのは枚葉印刷であるが、
大量印刷(雑誌、本、新聞)のほとんどが巻き取り紙印刷である。このタイプの
印刷プロセスについてのより詳細な議論は、上述のPocket Pal.A
Graphic Arts Production Handbookを参照。
オフセット印刷では、3つの印刷ロール並びにインク付け装置及び湿し装置を使
用する。プレートシリンダーが回転するときに、これが初めに湿しローラーに接
触し、そしてインク付けロールに接触する。湿し装置はプレートを濡らし、それ
によって印刷されない領域がインクを弾くようにする。その後、インクの像をゴ
ムブランケットに移動させ、紙をこのブランケットと押し付けシリンダーとの間
に通してこの紙に印刷する。巻き取り紙オフセット印刷は、3,000フィート
/分までの速度で行うことができ、これを使用して、新聞、雑誌、ビジネスフォ
ーム、コンピューターレター、メールオーダーカタログ、ギフト用ラッピング等
を作ることができる。このタイプの印刷プロセスについてのより詳細な議論は、
上述のPocket Pal.A Graphic Arts Product
ion Handbookを参照。
【0093】 [例] 本発明の目的及び利点を以下の例によって更に説明するが、本発明は、これら
の例で使用される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細に限定されな
い。
【0094】 材料の調製 アクリレート−メタクリレートコポリマー受容体の調製 アクリレート−メタクリレートのコポリマー(ミネソタ州セントポールのMi
nnesota Mining and Manufacturing社の3M
SCOTCHLITE880透明コーティング)を、K−Coater(ニュ
ージャージー州AmitvilleのTesting Machines)及び
KK第2番ワイヤーバーを使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポー
ルのMinnesota Mining and Manufacturing
社のSCOTCHLITE RRS3750)に適用した。その後で、10分間
にわたって270°Fの炉にシートを配置し、厚さが約1ミルの硬化したフィル
ムを得た。これは表1においてコーティング2として言及する。
【0095】 エチレンビニルアセテートコポリマー受容体の調製 Bynel3101(デラウェア州ウィルミントンのDuPont社のアクリ
レート含有エチレンビニルアセテートコポリマー、表1のコーティング3)、C
hevron1305(カルフォルニア州サンフランシスコのChevron社
のエチレンビニルアセテートコポリマー、表1のコーティング5)、Elvax
260(デラウェア州ウィルミントンのDuPont社のエチレンメタクリレー
トコポリマー、表1のコーティング4)を含有する樹脂からの押し出しフィルム
(1ミル)を、米国特許第4,664,966号明細書(Bailey等)で説
明される条件を使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポールのMin
nesota Mining and Manufacturing社のSCO
TCHLITE RRS3750)の表面に325°Fで加熱及び圧縮積層した
。これの組成物は、溶液コーティングすることもできる。
【0096】 シリルを末端とするスルホポリ(エステル−ウレタン)受容体の調製 米国特許第5,756,633号明細書で説明されるシリルを末端とするスル
ホポリ(エステル−ウレタン)を、K−Coater(ニュージャージー州Am
itvilleのTesting Machines社)及びKK第2番ワイヤ
ーバーを使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポールのMinnes
ota Mining and Manufacturing社のSCOTCH
LITE RRS3750)の表面に適用した。シートを空気乾燥し、厚さ1ミ
ルの硬化したフィルムを得た。これは表1においてコーティング6として言及し
ている。
【0097】 UV透明コーティング受容体の調製 印刷受容層(3MのSCOTCHLITE9200系透明コーティング(表1
のコーティング8)及び9710トナー(表1のコーティング7)、これらは共
にミネソタ州セントポールのMinnesota Mining and Ma
nufacturing社から入手可能)を、K−Coater(ニュージャー
ジー州AmitvilleのTesting Machines社)及びKK第
4番ワイヤーバーを使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポールのM
innesota Mining and Manufacturing社のS
COTCHLITE RRS3750)に適用した。ウェブは、中圧水銀ランプ
(ニュージャージー州Murry HillのAmerican Ultrav
iolet社)下に、27フィート/分の速度で0.324J/cmの放射量
で通して硬化させた。得られたそれぞれの乾燥コーティング厚さは、0.9ミル
であった。但し、所望であれば、他のワイヤーバーを使用して、比較的厚い又は
比較的薄いコーティングを得ることができる。
【0098】 表1において、標準対照は熱硬化ポリエステルに基づくコーティングであり、
これは3M SCOTCHLITE確認セキュリティシート5330(ミネソタ
州セントポールのMinnesota Mining and Manufac
turing社から商業的に入手可能)上の最も上側のコーティングである。
【0099】 表1のコーティング1は、熱的に硬化させた透明コーティングであり、これは
、オランダ国ArnhemのAkzo Nobel Inks社から商標名WE
RNEKE ARCXX0013で入手可能である。この材料は、フレキソ印刷
を使用して、再帰反射性シート(SCOTCHLITE RRS3750、ミネ
ソタ州セントポールのMinnesota Mining and Manuf
acturing社)の表面にコーティングされて、炉で乾燥させて厚さ0.3
ミルの乾燥コーティングを作った。
【0100】 試験方法 付着性試験 コーティングされて印刷された再帰反射性シートを、再帰反射性シートの付着
性を使用して、平らな化成被覆されたアルミニウム耐候性パネル(オハイオ州ク
リーブランド1番通り26200のThe Q−Panel社から入手可能)に
付着させた。パネルの大きさは、11インチ×2.75インチであった。試料を
適用した後で、小さい壁紙ゴムロール(直径約1.5インチ)で、これらをしっ
かりと押し付けた。一片の3Mブランド610テープ(ミネソタ州セントポール
のMinnesota Mining and Manufacturing社
から入手可能な感圧性接着テープ)を適用し、親指圧で表示(又は単に印刷受容
層)を覆った。
【0101】 テープを除去して、除去された材料を質的に測定した。評価10は、材料が本
質的に全く除去されなかったことを意味し、評価0は、試験した材料(印刷受容
層又はマーキング材)の実質的な部分が除去されたことを意味する。例えば付着
性の評価7は、使用するコーティングの厚さに依存して、一般に約70%の材料
が残っていることに関連付けられると考えられるが、定量的なイメージ濃度測定
は行っていない。
【0102】 耐摩耗性試験 連邦試験方法標準141aの方法6142の変形;GardnerモデルM−
105又はGardner Straight Line洗浄可能性及び摩耗試
験装置No.1364を使用するGardner Laboratory Bu
lletin WG2000を使用して、湿式磨き耐摩耗性を決定した。
【0103】 2つの試験試料(コーティングして印刷した再帰反射性シート)を、再帰反射
性シートの接着性を使用して、化成被覆されたアルミニウム耐候性パネル(オハ
イオ州クリーブランド1番通り26200のThe Q−Panel社から入手
可能)に付着させた。パネルの大きさは、11インチ×2.75インチであった
。試料を適用した後で、小さい壁紙ゴムロール(直径約1.5インチ)で、これ
らをしっかりと押し付けた。
【0104】 30分間にわたってぬるい水(約100〜120°F)の中で中国豚毛ブラシ
(Chinese hosg bristle brush)を調えた後で、過
剰な水を除去した。このブラシを0.5%の洗剤(「Dreft」)溶液中で5
分間にわたって調えた。このブラシを試験装置のブラシホルダーに配置した。試
験パネルを試験装置に取り付けた。試験装置は、11インチ×2.75インチの
試験パネルのためにわずかに調節した。試験サイクルは、1,000回の磨きサ
イクルからなっている。試験期間の間、滴下カラムを使用して、0.5%の洗剤
(「Dreft」)溶液を、1分間当たり約12滴の速度で(又は単にパネルを
湿らせておくのに十分な量で)試験パネルに滴下した。試験パネルをすすいで乾
燥させた。
【0105】 除去された材料の量を質的に評価した。評価10は、材料が本質的に全く除去
されなかったことを意味し、評価0は、試験した材料(印刷受容層又はマーキン
グ材)の実質的な部分が除去されたことを意味する。例えば磨耗評価7は、一般
に約70%の材料が残っていることに関連付けられると考えられるが、定量的な
イメージ濃度測定は行っていない。
【0106】 耐候性試験 ASTM G53を使用して屋外での耐久性を評価した。試料(コーティング
されて印刷された再帰反射性シート)を調製し、60℃の温度の黒色パネルでの
4時間にわたる紫外線への露出、その後の50℃の温度の黒色パネルでの4時間
の凝縮サイクルからなるサイクルを使用して、ASTM法G53(1996)に
よって(蛍光UV「B」ランプで)試験した。
【0107】 試料は、試験したそれぞれの試料を、試験されていない同じ試料と比較するこ
とによって評価した。ここで試験されていない試料は標準対照試料である。試料
は、例えば光沢(例えば印刷受容層の光沢)の様な表面の変化、付着性(例えば
マーキング材の付着性)、色あせ(例えばマーキング材の色あせ)について評価
し、それぞれの標準対照試料と比較した。0〜10の評価を使用した。ここでは
、評価10は実質的に変化が起こっていないことを意味し、評価0は有意の変化
が起こったこと(例えばマーキング材がなくなったこと又は試料がばらばらにな
ったこと)を意味している。
【0108】 耐溶媒性試験 溶媒及び清浄化剤に対する耐性を、以下の方法を使用して評価した。再帰反射
性シートの2つの試験試料を化成被覆アルミニウム耐候性パネル(オハイオ州ク
リーブランド1番通り26200のThe Q−Panel社から入手可能)に
付着させることによって、試料を調製した。パネルの大きさは、11インチ×2
.75インチであった。試料を適用した後で、小さい壁紙ゴムロール(直径約1
.5インチ)で、これらをしっかりと押し付けた。溶媒はメチルアルコール、ミ
ネラルスピリット、灯油、VM&Pナフサ、及びガソリン(無鉛レギュラー)で
あった。(注:自動車のペイント又はラッカー仕上げに損傷を与える溶媒は、試
験溶媒として使用すべきでない)。試験清浄化剤は「409」、窓ガラス、アン
モニア、虫及びタール用清浄化剤(石油留出物又は無機スピリットを伴う)であ
った。
【0109】 「Qチップ」タイプの綿棒(コットンが棒状体の端部に取り付けられているも
の)を、それぞれの溶媒又は試験清浄化剤で湿した。試験装置で、試験ステッカ
ーに対して綿棒を45°の角度に固定して、約40gの圧力を加え(手によって
)、そして10サイクルにわたって印刷されたステッカー上を前後に湿った綿棒
で拭いた(1回のサイクルで試料上を通って戻る)。第2の試料には、25サイ
クルにわたって同じ試験を行った。
【0110】 除去された材料の量を質的に測定した。評価10は、材料が本質的に全く除去
されなかったことを意味し、評価0は、試験した材料(印刷受容層又はマーキン
グ材)の実質的な部分が除去されたことを意味する。例えば耐溶媒性の評価7は
、一般に約70%の材料が残っていることに関連付けられると考えられるが、定
量的なイメージ濃度測定は行っていない。
【0111】 特に示していないが、それぞれの試料が、溶媒「409」、窓ガラス、アンモ
ニア、虫及びタール用清浄化剤、メチルアルコール、及びミネラルスピリットで
評価10を示した。灯油及びVM&Pナフサでは、表1で示されるガソリンでの
評価とほぼ同様であったが、これほど深刻ではなかった。
【0112】 表1のコーティング1、2及び3は、耐溶媒性にすることを意図した保護コー
ティングで清浄化可能であり、それによって落書き等を消すことができる。従っ
て、熱可塑性コーティングであるコーティング1、2及び3は印刷可能であるが
、耐ガソリン性が十分でないので好ましくない。
【0113】 印刷性試験 上述の様々な印刷受容層を有する再帰反射性シート試料の印刷性を、以下のプ
リンターを使用したときの印刷性について試験した。コーティングされた再帰反
射性シート試料の小片を紙に付着させて(再帰反射性シート上の接着剤を使用し
て)、プリンターに付属の指示書に従ってプリンターに通した。イメージパター
ン(ワープロソフトフェア(Microsoft Word(商標))によって
もたらした反復文字)をプリンターに送った。印刷を行った後で、上述のように
して試験試料に試験を行った。
【0114】 以下の表1に挙げる試料の印刷性のために、トナーカートリッジ92295A
(スチレン/アクリル樹脂)を、カルフォルニア州パロアルトのHewlett
Packard社のHP Laser Jet IIIで使用した。
【0115】 表2のデータのためには、以下のプリンターを使用した: ・トナーカートリッジ92295Aを具備する、カルフォルニア州パロアルトの
Hewlett Packard社のHP Laser Jet III。 ・ミネソタ州ヘースティングのLaser Sharp社のMICRトナーカー
トリッジをトナーカートリッジ92295Aの代わりに具備する、カルフォルニ
ア州パロアルトのHewlett Packard社のHP Laser Je
t III。 ・供給トナーカートリッジを具備する、ニュージャージー州MahwahのMi
nolta社周辺機器部門(PPD)のMinolta Pagewarks
8Lレーザープリンター。 ・供給トナーカートリッジを具備する、カルフォルニア州パロアルトのHewl
ett Packard社のHPモデル2000Cインクジェットプリンター。 ・インクスティック部品第016−1123−00を具備する、オレゴン州ウィ
ルソンビルのTektronix社の、モデルPhaser III固体インク
ジェットプリンター。 ・ミシガン州ロミオのAdvent社のAD501リボンを具備する、イリノイ
州バーノンヒルのZebra Technologies社のモデル171熱物
質移動プリンター。 ・ペンシルバニア州フィラデルフィアのThwing−Albert Inst
rument社のQuickpeek品質試験キットを使用した凸版印刷試験を
行った。 ・3M Scotchlite(商標)9700系インクを伴う通常のスクリー
ン印刷セットを使用して、この供給者の指示に従ってスクリーン印刷を行った。
【0116】
【表1】 評価は、所定の分類において「10」が最高であり、「0」が最低であるとし
た。
【0117】
【表2】 評価は、所定の分類において「10」が最高であり、 「0」が最低であるとし
た。 P0及びT0は、圧力及び温度に関してプリンターのレベルを最も低くした設
定に言及している。 P1及びT1は、プリンターの製造者が推薦する圧力及び温度に言及している
【0118】 本願明細書で参照した特許明細書、特許書類及び文献はいずれも、本願におい
てその内容全体を引用して、その記載を本願明細書の記載に含めたものとする。
本発明の全体としての範囲及び趣旨を逸脱することなく、当業者は本発明に様々
な修正および変更を施すことができる。従って、本発明は例示の態様及び例によ
って限定されるものではなく、これらの例示の態様及び例は単なる例示であり、
本発明の範囲は特許請求の範囲及びこれと等価なものによってのみ限定されるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の確認ステッカーの1つの態様の正面平面図である。
【図2】 図2は、一時的な支持体上にある図1のステッカーの断面図である。
【図3】 図3は、本発明の印刷受容層を有する再帰反射性シート材料の断面概略図であ
る。
【図4】 図4は、本発明の表示物品の断面図である。
【図5】 図5は、本発明の表示物品の上面図である。
【図6】 図6は、本発明の確認ステッカーの上面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 マーキング材のための付着促進表面
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の背景] 再帰反射性の表示物品を製造するために、ポリマーシートが使用されている。
ある種の物品は再帰反射性を有し、入射光の実質的な部分を光が発せられた方向
に戻すことができる。再帰反射性は、光が少ない若しくは限られている場合又は
遠方からシート材料が見えなければいない場合に、物品に促進された視認性を与
える。
【0002】 また良好な耐久性を有する表示物品を製造するためにも、ポリマーシートが使
用されている。表示物品の耐久性は、表示物品が激しい蒸気、紫外光、極端な温
度及び湿度等に露出されることがある条件で重要なことがある。耐摩耗性並びに
清浄化溶液で使用される清浄化剤及び溶媒に対する耐性は、特定の場合に耐久性
の重要な要素である。使用寿命が長いことが重要ではない場合(例えば短期間で
交換するバッケージのためのラベルでは)、コストが比較的安く使用寿命が長く
ないシートを使用できる。
【0003】 英数字、バーコード又は画像のような表示を有する表示物品を作るためにも、
ポリマーシートが使用されている。表示物品は、多数の物品で反復的な又は徐々
に変化する情報を有することが多い。例えばライセンスプレート確認(確証)ス
テッカーは、多数の確認ステッカー上に反復的に州又は群の識別情報を有するこ
とがある。
【0004】 長年にわたって、確認ステッカーは、適用される税金が支払われていること及
び/又は必要とされる登録及び検査が行われていることを示すために自動車に張
り付けられている。一般的な用途では、小さいステッカー(典型的に約2.5×
3.8cm(1×1.5インチ)で一般に「タブ」と呼ばれている)を自動車の
ライセンスプレート(ナンバープレート)の所定の場所に適用して、所定の税金
及び登録料が支払われていることを示している。他の例としては、自動車の十分
な安全検査が行われていること、自動車の十分な排出物制御の検査が行われてい
ること、及び保険の適用がなされていることの証明としてのステッカーの適用を
挙げることができる。
【0005】 確認ステッカーのような製品は一般に、凸版印刷、オフセット印刷、スクリー
ン印刷等の印刷技術を使用して、再帰反射性シートの上面に情報を印刷すること
によって作る。これらの印刷技術は、例えば少量の印刷のためには適していない
。これらのタイプの印刷プロセスは一般に、満足な印刷の質、判読性及び付着性
を提供するが、これらのプロセスのための装置は比較的高価なことがある。更に
、凸版印刷及びオフセット印刷を使用する場合、印刷プレート又はラバーブラン
ケットを調製しなければならず、またスクリーン印刷を使用する場合、スクリー
ンを調製しなければならない。プレート、ブランケット又はスクリーンの調製は
、費用、時間がかかることのあるプロセスである。更に、多くの場合、溶媒で運
ばれる着色剤を使用し、これは環境的に好ましくない様式での溶媒の除去を必要
とする。既知のプロセスは乾燥炉の使用を必要とすることもあり、また特定の乾
燥時間を必要とすることがある。更に、物品に表示を印刷する既知の手段では、
個々の物品が有する情報を変化させることの容易さが制限される(又はこれがで
きない)。
【0006】 電子写真技術を使用するレーザープリンターは比較的高価ではないので、これ
らは必要に応じた印刷及び少量の印刷で使用されている。これは、例えば少量及
び必要に応じて印刷される確認ステッカー及びポリマーシートを使用する他の表
示物品で望ましい。しかし残念ながら、例えば凸版印刷及びスクリーン印刷で使
用される基礎ポリマーシートとマーキング材の従来の組み合わせは、一般に所望
の付着性、透明性、並びに極端な温度、摩擦条件及び化学物質(例えばガソリン
)への露出での耐久性を十分に満足に提供しない。つまりマーキング材、例えば
トナーは、常に基礎シートに良く付着するわけではなく、またこれらのマーキン
グ材によって作られた画像は容易に除去されることがある。確認ステッカーはガ
ソリンのような強い化学物質に接触しやすいので、これは確認ステッカーでは特
に問題である。
【0007】 シート材料へのマーキング材の付着性を促進するために、様々な方法が存在す
る。例えばポリ塩化ビニル、架橋ポリウレタン、並びにポリエチレンテレフタレ
ート及びビニリデン/アクリロニトリルコポリマーを含む組成物のような材料を
、再帰反射性シートの最も上側の層として使用して、この層へのマーキング材の
付着性を促進している。またハロゲンを含まないアクリルウレタンの最も上側の
層を、アクリレートポリマー若しくは接着剤の希釈溶液で下塗りして、又はコロ
ナ放電処理をして、マーキング材の付着性を促進している。表示上で、脂肪族又
は芳香族ポリウレタン及びアクリルポリマーの透明なコーティングを使用して、
下側の材料を保護している。これは例えば、脂肪族ウレタン、エチレンとプロピ
レンのコポリマー、及びエチレン又はプロピレンのホモポリマーの押し出し熱可
塑性樹脂覆いフィルムである。しかしながらこれらの多くは、多くの用途、特に
ガソリンのような激しい化学物質に接触しやすい確認ステッカーの用途で必要と
される耐久性を提供していない。
【0008】 [発明の概略] 本発明は、表示物品及びその製造方法を提供する。ここでこの表示物品は、マ
ーキング材のための付着促進表面を有する。表示物品は、非セルロース系有機ポ
リマー表面を有する基材、好ましくはこの非セルロース系有機ポリマー表面に配
置された放射硬化コーティング、及びこの上に配置されたマーキング材(これが
数字、文字等の表示を作る)を有する。
【0009】 本発明は、非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材、この非セルロース
系有機ポリマー表面に配置された放射硬化コーティング(好ましくは電子ビーム
硬化又は紫外線硬化コーティング、より好ましくは紫外線硬化コーティング)、
並びにこの放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材を有する表示物品
を提供する。ここでこのマーキング材は、ガソリンで5サイクル(好ましくは1
0サイクル、より好ましくは25サイクル)にわたってマーキング材を拭いたと
きに、表示物品から実質的に除去されない。好ましくは基材は、再帰反射性シー
トであり、これは好ましくは確認ステッカーの一部である。
【0010】 好ましくはマーキング材は、着色剤及びバインダーを含み、またこのバインダ
ーは、ポリエステル、ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、アルキ
ル又はアリール置換アクリレート又はメタクリレート、エチレン又はプロピレン
とアクリル酸、メタクリル酸又は酢酸ビニルとのコポリマー、並びにそれらの組
み合わせからなる群より選択されるポリマーを含む。好ましくは放射硬化コーテ
ィングは、アクリレート、好ましくは脂肪族アクリル化ウレタンを含む紫外線硬
化可能組成物から作る。
【0011】 好ましい態様ではマーキング材は、1,000磨きサイクルにわたってマーキ
ング材を擦ったとき、又は感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧で
マーキング材に適用してこのテープを除去したときに、実質的に除去されない。
また好ましい態様では、感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧で放
射硬化コーティングに適用してこのテープを除去したときに、放射硬化コーティ
ングが実質的に除去されない。
【0012】 好ましい態様では、パターンを付けてコーティングすること又は連続的にコー
ティングすることができる放射硬化コーティングは、ガソリンで5サイクルにわ
たって放射硬化コーティングを拭いたとき、又は1,000磨きサイクルにわた
って放射硬化コーティングを擦ったときに実質的に除去されない。
【0013】 特定の好ましい態様では、表示物品は、マーキング材上に保護コーティングを
有さない。
【0014】 また本発明は、有機ポリマー表面を有する再帰反射性シート、この有機ポリマ
ー表面に配置されたアクリル含有放射硬化コーティング、及びこの放射硬化コー
ティング上に配置されたマーキング材を有する表示物品を提供する。ここでこの
マーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキング材を拭いたときに
、表示物品から実質的に除去されない。
【0015】 他の1つの態様では、有機ポリマー表面を有する再帰反射性シート、この有機
ポリマー表面に配置された脂肪族アクリル化ウレタンを含む放射硬化コーティン
グ、及びこの放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材を有する表示物
品を提供する。
【0016】 また本発明は、表示物品を製造する方法を提供する。この方法は、非セルロー
ス系有機ポリマー表面を有する基材(好ましくは再帰反射性シート)及びこの上
に配置された放射硬化コーティング(好ましくは紫外線硬化可能組成物からもた
らす)を提供すること、並びに静電気印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、イ
ンクジェット印刷、凸版印刷、オフセット(すなわちオフセットプレス)印刷、
及びグラビア印刷からなる群より選択される技術を使用して、マーキング材を、
前記放射硬化コーティングに適用すること、を含む。好ましくはこの方法では、
マーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキング材を拭いたときに
、実質的に除去されない。更に、好ましくは表示物品は、マーキング材上に保護
コーティングを有さない。
【0017】 本発明の他の態様では、表示物品を製造する方法を提供する。この方法は、非
セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること(好ましくはこの表
面は放射硬化コーティングでできており、より好ましくはこの基材は再帰反射性
シートである)、並びに電子写真印刷及びグラビア印刷からなる群より選択され
る技術を使用して、マーキング材を、前記非セルロース系有機ポリマー表面に適
用すること、を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわ
たってマーキング材を拭いたときに、実質的に除去されない。好ましくは表示物
品は、マーキング材上に保護コーティングを有さない。
【0018】 本発明の更に他の1つの態様では、表示物品を製造する方法を提供する。この
方法は、非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること(好まし
くはこの表面は放射硬化コーティングでできており、より好ましくはこの基材は
再帰反射性シートである)、並びに凸版印刷及びオフセット印刷からなる群より
選択される技術を使用して、マーキング材を、非セルロース系有機ポリマー表面
に適用すること、を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクル
にわたってこのマーキング材を拭いたときに、実質的に除去されず、且つ更に表
示物品は保護覆い層を有さない。
【0019】 更に他の態様では、確認ステッカーを製造する方法を提供する。この方法は、
非セルロース系有機ポリマー表面を有する確認ステッカーを提供すること、及び
非セルロース系有機ポリマー表面に、マーキング材をスクリーン印刷すること、
を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキ
ング材を拭いたときに、実質的に除去されず、且つ更に確認ステッカーは保護覆
い層を有さない。
【0020】 また本発明では表示物品の製造方法を提供する。この方法は、放射硬化コーテ
ィングがコーティングされた非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提
供すること、及び放射硬化コーティングに、マーキング材をスクリーン印刷する
こと、を含む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたって
マーキング材を拭いたときに、実質的に除去されず、且つ更に表示物品は保護覆
い層を有さない。
【0021】 表示物品を製造する更なる方法は、放射硬化コーティングがコーティングされ
た非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること、及び熱物質移
動印刷を使用して、マーキング材を放射硬化コーティングに適用すること、を含
む。ここで、このマーキング材は、ガソリンで5サイクルにわたってマーキング
材を拭いたときに、実質的に除去されない。
【0022】 [好ましい態様の詳細な説明] 添付の図面を参照して本発明を更に説明する。
【0023】 以下の説明は、確認ステッカーの例のみについて行う。他の表示物品、例えば
屋内/屋外用のラベル品、製品認証物品、在庫識別及び管理品、窓用ステッカー
、並びに自動車及び他の装置用の検査ステッカー、駐車許可証、有効期限ステッ
カー、駐車標識、速度制限標識、道路名標識、ナンバープレート、並びに他の一
般的な交通標識及び道路標識も、本発明の方法及び物品の範囲に含まれる。
【0024】 本発明で使用する確認ステッカーの例10を、図1及び2に示す。確認ステッ
カー10は、第1の大きな表面14と第2の大きな表面16を有するシート12
を含む。示されている態様では、第2の表面16は、この表面16上に接着性層
17を有する。シート12は、1又は複数のセキュリティー用の開口部18a及
び18bを有する。この部位はステッカーが裂ける又は断片化する部位を提供し
、それによってステッカーを「もろく」している。多くの場合にステッカー10
は、使用前には、取り外し可能な保護ライナー(すなわち一時的な支持体)20
上に存在する。ステッカー10が剥離可能に結合されているライナー20を使用
して、ステッカーの製造及び取り扱いを促進することができる。所望であれば、
第1の大きな表面14に剥離可能に結合された支持体(図示せず)も、第2の大
きな表面16側の支持体と合わせて又は単独で使用することができる。
【0025】 第1の大きな表面14は、マーキング材(例えばトナー又はインク)の適用に
よって得られる読みとり可能な情報(すなわち表示)が存在できるようにされて
いる。多くの態様では、情報は他の補助を得ない目で読み取り可能であり、また
選択された英数字又は他の記号、例えば所望の色のバーコード、表象等の形でよ
い。所望であれば、情報は他の手段、例えば赤外線像を読み取り可能な装置によ
って読み取ることができる。大きな表面14に所望の像を造るために様々な適当
な手段が、当業者には容易に認識される。ステッカーの視認性及び/又は判読性
を促進するために、表面14は好ましくは少なくとも部分的に再帰反射性である
【0026】 典型的に表面14は、有機非セルロース系ポリマー表面を有し、これにマーキ
ング材(図示せず)を直接に適用することができる。好ましくは有機ポリマー表
面は、放射硬化コーティングを有するが、他の材料が付着促進表面を提供するこ
ともできる。あるいはマーキング材をシート12に適用する前に、有機ポリマー
表面をコーティングで覆って、付着促進表面を有する別個の印刷受容層(図示せ
ず)を作ることができる。そのような印刷受容層は、様々な厚さ、例えば約0.
1ミル〜約1.5ミル(約2.5μm〜約38μm)の厚さでコーティングする
ことができる。印刷受容層としては比較的薄い厚さで機能させることができ、ま
た厚さが増加すると、ポリマー表面及びその下の材料(例えば再帰反射性シート
)の屋外での耐候性を改良することができる。重要なことは、コーティング、好
ましくは放射硬化コーティングが、マーキング材のための非常に受容性な表面を
提供し、それによって所望の性質を提供する材料の組み合わせが選択できること
である。
【0027】 第2の大きな表面16は、ステッカー10を基材(図示せず)に結合させるよ
うにされている。図2に示す場合には、表面16を接着剤17の層でコーティン
グすることができる。適当な接着剤の選択は、部分的にステッカー10の他の部
分の性質、ステッカー10を適用する基材の性質、ステッカーを適用する条件及
び様式、並びに使用の間に基材に適用されたステッカーが露出される環境に依存
している。本発明のいくらかの態様で有益な接着剤の例としては、感圧性接着剤
、高温溶融接着剤、活性化接着剤(例えば化学作用のある放射又は化学開始剤に
よる活性化)等を挙げることができる。特定の態様のための適当な接着剤は、当
業者が容易に選択することができる。
【0028】 他の態様では、初めに基材の表面に適用されている接着剤によって、ステッカ
ー10を基材に結合する。そのような場合には、表面16は本質的に、意図した
接着剤で使用するのに適当なものでよく、又はコロナ放電若しくはプラズマへの
露出又は下地コーティングの適用のような適当な予備処理によって処理して、意
図した接着剤で使用するために適当なように改良することができる。適当な処理
剤及び接着剤の選択は、当業者が容易に行えることである。好ましくはもろい表
示物品、例えば確認ステッカーのためには、基材への結合強度を、物品の様々な
層の間の結合強さよりも大きくする接着剤を使用する。この様式では、基材から
表示物品を除去しようとしたときに、表示物品が破損する(例えばバラバラにな
る又はゆがむ)。典型的に、接着剤は感圧性接着剤(PSA)、例えばイソオク
チルアクリレート及びアクリル酸を含む従来のPSAである。
【0029】 図3は、本発明の再帰反射性ポリマーシート80の好ましい態様を示している
。シート80は、最も下側の面の除去可能な保護ライナー24、例示のビーズ再
帰反射性要素62を含むコアシート、及び印刷受容層82を有する。再帰反射性
要素62は、感圧接着剤36、下側に反射材料32を有する微細球体30の単層
、空間コーティング層43、及びバインダー層44を含む。
【0030】 印刷受容層82を有するシート80は、着色剤及びバインダーを含むマーキン
グ材(すなわち樹脂に基づく着色剤/バインダー)に対して直接に受容性である
。更に印刷受容層82は、本発明のポリマーシートの他の性質にも貢献する。再
帰反射性シート材料80では、層82は、覆い層/透明コーティングとして機能
することができる。層82はまた、再帰反射性を提供するために必要な光学的な
役割も有することもできる。
【0031】 シート80のコアシートは、再帰反射性要素62及び除去可能保護ライナー2
4を有する。しかしながら、例えばシート80が基材に付着している場合、コア
シートは要素62のみを有することができる。ライナー24のようなライナーは
随意に、ここで説明する他の態様のコアシートの一部であってもよい。
【0032】 表示を有する表示物品の態様を図4及び図5に示す。ここで、図4では断面の
概略が示されており、図5では上面図の概略が示されている。表示物品120は
上述のように、表示122、及び再帰反射性ポリマーシート材料62を有するコ
アシートを含む。表示122は、樹脂に基づく着色剤/バインダーからできてい
てよく、また印刷受容層82は、例えば放射硬化可能樹脂を含む組成物からでき
ていてよい。印刷受容層は、パターンを付けてコーティングされていてよく、又
は連続層を形成していてよい。また印刷受容層は、所望であれば着色剤を含むこ
とができる。
【0033】 表示物品の他の態様を図6において上面図で示している。確認ステッカーであ
る物品130は、表示132、及び図3のシート80と同様なポリマー再帰反射
性シート材料80を含む。樹脂に基づく着色剤/バインダーが、表示132を作
ることができる。
【0034】 本発明の物品は、所望であれば耐久性を促進するための覆い層を有することが
できる。そのような覆い層は、表示上に配置する。好ましい態様では覆い層は必
要ない。これは本発明によれば、表示を作るマーキング材及び接着促進表面を作
る組成物を、十分な耐久性を得るように選択し、それによって表示を表示物品に
埋め込む必要がないようにしていることによる。所望であれば、覆い層は接着剤
層でよい。
【0035】 本発明の好ましい物品の再帰反射性ポリマーシートは、例えば封入レンズシー
ト型(例えば米国特許第3,190,178号、同第4,025,159号、同
第4,896,943号、同第5,064,272号、及び同第5,066,0
98号明細書を参照)、囲い込みレンズシート型(例えば米国特許第2,407
,680号明細書を参照)の「ビーズシート」でよく、又は立方体縁再帰反射性
シート(例えば米国特許第3,684,348号、同第4,801,193号、
同第4,895,428号、及び同第4,938,563号明細書を参照)を含
むことができる。
【0036】 例えば本発明の1つの態様では、コアシートは最も上側のバインダー層、バイ
ンダー層の下の例えばポリビニルブチラルを含む空間コーティング層、最も上側
及び最も下側の表面を有する微細球体の単層(この最も下側の表面は空間コーテ
ィング層に埋め込まれており最も上側の表面はバインダー層に埋め込まれている
)、微細球体の単層の下側の反射性材料、並びに最も下側の感圧性接着剤層を有
することができる。バインダー層は例えば、ブチル化メラミン樹脂で架橋させた
合成ポリエステル樹脂又はポリビニルブチラルを含むことができる。バインダー
層の厚さは典型的に約20μm〜約120μmである。典型的に微細球体はガラ
スでできており、その屈折率は約2.1〜約2.3であり、直径は約30μm〜
約200μm、好ましくは直径が平均約60μmである。一般的に微細球体は、
約50%がバインダー層に埋まっている。典型的に空間コーティング層の厚さは
、微細球体の表面から微細球体の平均直径の約1/4である。反射性材料は、金
属フレークの層、又は蒸気によって若しくは化学的に堆積させた金属層、例えば
アルミニウム又は銀の層でよい。
【0037】 ポリマーシート材料の一部としての印刷受容層の製造方法は、(a)ポリマー
シート、好ましくは再帰反射性要素を有するコアシートを提供すること、(b)
前記ポリマーシートに放射硬化可能組成物を適用すること、並びに(c)前記組
成物を硬化させて、印刷受容層を有するポリマーシート材料を与えること、を含
む。好ましい印刷受容層組成物は、多くの従来の技術、例えば滴下、噴霧、流し
コーティング、カーテンコーティング、ロールコーティング、バーコーティング
、ナイフコーティング、巻線コーティング、又はグラビアコーティングを使用し
て適用することができる。当業者は、特定の用途のためにこれらのまたは他の適
当な適用方法のうちの1つを容易に選択することができる。ポリマーシートに適
用した後で、典型的にまた好ましくは組成物に放射を行って、印刷受容層によっ
て作られている上側の露出された表面を有するポリマーシート材料を作る。
【0038】 従来覆い層及び透明コーティング等のような複数の層を必要としていた機能性
に貢献するだけでなく、樹脂に基づく着色剤/バインダーを使用して直接に印刷
可能である単一の層で、ポリマーシート材料を作れる点で本発明の構成は有利で
ある。従って、本発明の方法によるシート材料の構造は、非常に単純化すること
ができる。
【0039】 確認ステッカーは、本発明に含まれる表示物品の1つの例示のタイプに過ぎな
い。付着促進表面の材料、好ましくは放射硬化材料、より好ましくは別個の放射
硬化印刷受容層と、マーキング材とは、物品が1又は複数の以下の所望の性質を
有するように選択する:(1)耐摩耗性、(2)物品の様々な層の間又は表示と
印刷受容層との間の良好な付着性、(3)耐溶媒性、特に耐ガソリン性、(4)
印刷可能性、及び(5)耐候性。耐候性とは、再帰反射の明るさの持続性、耐汚
性及び/又は屋外での通常の使用条件での耐黄化性のような性質に言及している
。ここでは、太陽光、温度及び他の環境的なパラメータがシートの性質に影響を
与えることがある。好ましくはこれらの性質は、マーキング材上の保護コーティ
ング(すなわち覆い層)を必要とせずに得ることができる。
【0040】 例の部分で説明される試験を使用して、本発明の物品が上述の1又は複数の性
質を有するか否かを決定することができる。一般に付着促進表面(好ましくは印
刷受容層、より好ましくは放射硬化コーティング)及びマーキング材を、別個に
試験することができる。
【0041】 典型的に、説明される1又は複数の試験方法を行った後で除去されているマー
キング材の量は、印刷受容層が存在しないときに同じ条件で同じ物品から除去さ
れるマーキング材の量と比較して少ない。好ましくは、例で説明される1又は複
数の試験方法を行った後で、マーキング材が実質的に除去されていない。これは
、約50%以下、好ましくは約25%以下、より好ましくは約10%以下のマー
キング材が、所望の試験の後で除去されていることを意味する。除去されたマー
キング材の量は、質的に測定することができる。あるいはこれは、それぞれの試
験の前後で色濃度計を使用して、印刷濃度を測定することによって、定量的に測
定することができる。
【0042】 試験方法の付着促進表面への影響は、質的にも定量的にも決定することができ
る。例えば別個の印刷受容層のためには、除去された材料の量を質的に又は定量
的に決定することができる。好ましくは印刷受容層は、例において説明される1
又は複数の試験方法を行った後で、実質的に除去されていない。これは、約50
%以下、好ましくは約25%以下、より好ましくは約10%以下の印刷受容層が
、所望の試験の後で除去されていることを意味する。除去された印刷受容層の量
は、印刷受容層が有色であれば、それぞれの試験の前後で色濃度計を使用して印
刷濃度を測定することによって、決定することができる。あるいは、所望の試験
を行った後で光沢計を使用して除去された光沢の量を測定することによって、付
着促進表面への影響を決定することができる。
【0043】 例えば好ましくは、ガソリンで5サイクル、好ましくは10サイクル、より好
ましくは25サイクルにわたってマーキング材(又は単に印刷受容層)を拭いた
ときに、このマーキング材(又は単に印刷受容層)は実質的に除去されない。好
ましくは1,000磨きサイクルにわたってマーキング材(又は単に印刷受容層
)を擦ったときに、このマーキング材(又は単に印刷受容層)は実質的に除去さ
れない。好ましくは、感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧でマー
キング材(又は単に印刷受容層)に適用してこのテープを除去したときに、この
マーキング材(又は単に印刷受容層)は実質的に除去されない。
【0044】 [付着促進表面] 表面14(図1)は、非有機セルロース系ポリマー表面でよく、これにマーキ
ング材を直接に適用すること、又はこの表面をマーキング材の付着性を促進する
他の有機ポリマー材料(すなわち印刷受容層)でコーティングすることができる
。好ましくはそのような材料は、放射硬化材料である。予想外に放射硬化材料は
、様々な印刷系で使用される様々なマーキング材に対して受容性である。典型的
にこの材料はオリゴマー又はポリマー材料である。これは、コーティングして、
その後で硬化させてフィルムを作るのに、十分に流動性がある流体として適用さ
れる先駆物質から調製できる。あるいはこれは、予め形成されたフィルムとして
適用することができる。固化は、硬化(すなわち重合及び/又は架橋)及び/又
は乾燥(例えば液体の除去)、又は単なる冷却によって達成できる。先駆物質は
、有機溶媒に含まれる組成物、水に含まれる組成物、又は100%固体の組成物
(すなわち実質的に溶媒を含まない組成物)でよい。つまり本発明の物品の有機
ポリマー表面は、100%固体の配合物から作ることができ、又は溶媒(例えば
ケトン、テトラヒドロフラン又は水)を用いてコーティングし、その後で乾燥及
び/又は硬化させてもたらすことができる。好ましくは先駆物質は100%固体
の配合物で、実質的に溶媒を含まない(すなわち約1wt%未満)ものでよい。
これは、先駆物質中に存在する非反応性の希釈剤(以下で示すようなもの)が約
1wt%未満であることを意味する。従って、先駆物質を単純に乾燥させてコー
ティングを作ること、又は様々な硬化機構(例えば空気中の酸素による酸化硬化
、熱硬化、湿分硬化、高エネルギー放射硬化、縮重合、付加重合、及びそれらの
組み合わせ)を使用して、先駆物質の成分を重合及び/又は架橋させることがで
きる。
【0045】 好ましい先駆物質は、不可逆的にオリゴマー/ポリマー材料を作れるものであ
り、これは「熱硬化性」先駆物質という用語でも表すことができる。「熱硬化性
」先駆物質という用語はここでは、熱及び/又は他のエネルギー源、例えば電子
ビーム、紫外線、可視光線等を与えることによって、又は化学触媒、湿分等を加
えて時間が経過することによって、不可逆的に硬化する反応系に言及している。
「反応性」という用語は、上述の機構を使用して重合、架橋又はこれら両方によ
って、先駆物質の成分が他の成分と反応(又は自己反応)することを意味してい
る。
【0046】 先駆物質中で使用する成分を選択して、確認ステッカーの再帰反射性シートの
ような物品の耐久性及び耐候性を促進することができる。シートの構造に依存し
て、先駆物質の様々な成分を下側の表面と相互作用させることが好ましい(例え
ば構造体が下側の有機ポリマー材料上に放射硬化コーティングを有する場合)。
「相互作用」という用語は、相互作用の様々な機構、例えば表面の粗面化、溶解
又は浸透に言及している。先駆物質の成分と下側表面との間の共有相互作用(例
えば重合及び/又は架橋)があってもよい。
【0047】 先駆物質は、反応性又は非反応性の成分を含むことができる。非反応性先駆物
質としては典型的に、非反応性揮発性液体に溶解又は分散したポリマー又はオリ
ゴマーを挙げることができるが、100%固体の系も使用できる。この例として
は例えば、溶媒を用いてコーティングされる又は高温溶融体としてコーティング
される熱可塑性樹脂、及び水を用いてコーティングされるラテックスを挙げるこ
とができる。これらを使用できるが、非反応性先駆物質は好ましくはない。
【0048】 好ましくは付着促進表面を作るために適当な材料は、反応性成分を含む先駆物
質、すなわち様々な機構(例えば酸化硬化、縮合、湿分硬化、遊離ラジカル系の
放射又は熱硬化等、又はこれらの組み合わせ)によって架橋及び/又は重合させ
ることができる材料である。この例としては、限定するわけではないが、アミノ
樹脂(すなわちアミノプラト樹脂)、例えばアルキル化尿素−ホルムアルデヒド
樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、及びアルキル化ベンゾグアナミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂;アクリル樹脂(アクリレート及びメタクリレートを包含す
る)、例えばビニルアクリレート、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、
アクリル化ポリエステル、アクリル化アクリル(acrylated acry
lics)、アクリル化ポリエステル、アクリル化油、及びアクリル化シリコー
ン;アルキド樹脂、例えばウレタンアルキド樹脂;ポリエステル樹脂;反応性ウ
レタン樹脂;フェノールホルムアルデヒド樹脂(すなわちフェノール樹脂)、例
えばレゾール及びノボラック樹脂;フェノール/ラテックス樹脂;エポキシ樹脂
、例えばビスフェノールエポキシ樹脂;イソシアネート;イソシアヌレート;ア
ルキルアルコキシシラン樹脂を含むポリシロキサン樹脂;反応性ビニル樹脂等を
挙げることができる。ここで使用する場合、「樹脂」又は「樹脂系」という用語
は、モノマー、オリゴマー、ポリマー又はそれらの組み合わせを含む多分散系に
言及している。
【0049】 そのような反応性先駆物質成分は、例えば熱エネルギー、放射エネルギー等を
使用する様々な機構(例えば縮合又は付加重合)によって硬化させることができ
る。放射エネルギーの迅速に作用するもの(例えば5分間未満、好ましくは5秒
間未満の適用を必要とする)は特に好ましい。電子ビーム(E−ビーム)放射は
顔料が濃い系を透過する能力、その速度及び適用されたエネルギーの効率的な利
用性、並びに制御の容易さのために特に望ましい。多の有益な放射エネルギーの
形としては、紫外線、核放射線、赤外線、及びマイクロ波の放射を挙げることが
できる。特定の硬化機構に依存して、先駆物質は触媒、開始剤又は硬化剤を更に
含んで、重合及び/又は架橋プロセスを開始及び/又は促進させることができる
【0050】 熱エネルギー及び/又は触媒を加えてからの時間の経過によって硬化させるこ
とができる反応性先駆物質の成分としては例えば、レゾール及びノボラック樹脂
のようなフェノール樹脂;ビスフェノールAエポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂
;並びにアルキル化尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド
樹脂及びアルキル化ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂のようなアミノ樹
脂を挙げることができる。これらのような反応性成分を含有する先駆物質は、樹
脂系に依存して、遊離ラジカル熱開始剤、酸触媒等を含むことができる。熱遊離
ラジカル開始剤の例としては、ペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド及
びアゾ化合物を挙げることができる。典型的にそのような反応性先駆物質成分は
、硬化のために室温(約25℃〜約30℃)よりも高い温度を必要とするが、室
温で硬化可能な系も既知である。
【0051】 より好ましい先駆物質は、放射を使用して硬化させることができるものである
。ここでこれらは放射硬化可能材料として言及する。ここで使用する場合、「放
射硬化」又は「放射硬化可能」とは、随意に適当な触媒又は開始剤を伴い、紫外
線放射、可視光線放射、電子ビーム放射、又はそれらの組み合わせに露出されて
重合及び/又は架橋する樹脂系に関する硬化機構に言及している。典型的に2つ
のタイプの放射硬化機構、すなわち遊離ラジカル硬化機構及びカチオン硬化機構
が存在する。これらは通常、1段階の硬化又は1つのタイプの硬化機構を含む。
遊離ラジカルとカチオン性材料の混合物を硬化させて、両方の系から所望の性質
を与えることもできる。また、以下で説明するような2元硬化及びハイブリッド
硬化系も可能である。
【0052】 カチオン系では、紫外光を受けてカチオン系光開始剤が反応し、分解して酸性
触媒をもたらす。酸性触媒は、イオン性機構によって架橋反応を進行させる。エ
ポキシ樹脂、特に環状脂肪族エポキシは、カチオン性硬化で使用される最も一般
的な樹脂であるが、芳香族エポキシ及びビニルエーテルに基づくオリゴマーも使
用できる。更に連鎖移動剤及び柔軟剤として、エポキシのカチオン硬化でポリオ
ールを使用できる。また、Eckberg等の「UV Cure of Epo
xysiloxanes」、Radiation Curing in Pol
ymer Science and Technology:第4巻、Prac
tical Aspects and Applications、Fouas
sier及びRabek編、Elsevier Applied Scienc
e、ニューヨーク州、第2章、19〜49(1993年)で開示されているよう
に、カチオン性光開始剤を使用して、エポキシシロキサンを硬化させることがで
きる。カチオン性光開始としては、オニウムカチオンの塩、例えばアリールスル
ホニウム、及び有機金属塩を挙げることができる。カチオン性光開始剤の例は、
米国特許第4,751,138号(Tumey等)及び同第4,985,340
号明細書(Palazzotti)、並びにヨーロッパ特許出願第306,16
1号及び同第306,162号明細書で開示されている。エポキシシロキサンの
ための適当な光開始剤は、米国ニューヨーク州ウォーターフォードのGE Si
liconesから商標名UV9310Cで入手可能な光活性ヨードニウム塩で
ある。
【0053】 遊離ラジカル系では、放射が、非常に活性な種の非常に迅速で制御された発生
をもたらす。ここでこの種は、不飽和物質の重合を開始させる。遊離ラジカル硬
化可能物質の例としては、限定するわけではないが、アクリル樹脂、ペンダント
α,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト誘導体、少なくとも1つの
ペンダントアクリレート基を有するイソシアヌレート誘導体、少なくとも1つの
ペンダントアクリレート基を有するイソシアネート誘導体、不飽和ポリエステル
(例えば有機二酸とグリコールとの縮合生成物)、ポリエン/チオール/シリコ
ーン系、及び他のエチレン系不飽和化合物、並びにそれらの混合及び組み合わせ
を挙げることができる。そのような放射硬化可能系は以下の文献で詳細に説明さ
れている:Allen等の「UV and Electron Beam Cu
rable Pre−Polymers and Diluent Monom
ers: Classification, Preparation and
Properties,」、Radiation Curing in Po
lymer Science and Technology:第1巻、Fun
damentals and Methods、Fouassier及びRab
ek編、Elsevier Applied Science、ニューヨーク州
、第5章、225〜262(1993年);Federation Serie
s on Coatings Technology: Radiation
Cured Coatings、Federation of Societi
es for Coatings Technology、ペンシルバニア州フ
ィラデルフィア、p.7〜13(1986年);及び Radiation C
uring Primer I: Inks,Coatings,and Ad
hesives,RadTech International North
America、イリノイ州ノースブルック、p.45〜53(1990年)。
【0054】 遊離ラジカル硬化可能系は放射エネルギーを使用して硬化させることができる
が、系に遊離ラジカル源(例えばペルオキシド又はアゾ化合物)が存在する限り
、これらは熱エネルギーを使用して硬化させることもできる。従って「放射硬化
可能」、より特に「遊離ラジカル硬化可能」という用語は、熱エネルギーを使用
して硬化させることができ、遊離ラジカル硬化機構に関する系も包含する。反対
に、「放射硬化」という用語は、放射エネルギーに露出させることによって(熱
ではなく)、硬化させることができる系に言及している。
【0055】 本発明で使用するのに適当なアクリル樹脂としては、限定するわけではないが
、アクリル化ウレタン(すなわちウレタンアクリレート)、アクリル化エポキシ
(すなわちエポキシアクリレート)、アクリル化ポリエステル(すなわちポリエ
ステルアクリレート)、アクリル化アクリル、アクリル化シリコーン、アクリル
化ポリエーテル(すなわちポリエーテルアクリレート)、ビニルアクリレート、
及びアクリル化油を挙げることができる。ここで使用する場合、「アクリレート
」及び「アクリレート官能基」という用語は、モノマー、オリゴマー又はポリマ
ーに関わらず、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含している。
【0056】 アクリル化ウレタンは、端部がヒドロキシ基でNCO延長されたポリエステル
又はポリエーテルのジアクリレートエステルである。これらは特に好ましい。こ
れらは脂肪族又は芳香族でよいが、アクリル化脂肪族ウレタンは耐候性が良好で
あるので、これが好ましい。商業的に入手可能なアクリル化ウレタンの例として
は、ニュージャージー州ホボケンのHenkel社の、商標名PHOTOMER
(例えばPHOTOMER6010);ジョージア州SmyrnaのUCB R
adcure社の、商標名EBECRYL220(分子量1,000の六官能価
芳香族ウレタンアクリレート)、EBECRYL284(1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレートで希釈した分子量1,200の脂肪族ウレタンジアクリレー
ト)、EBECRYL4827(分子量1,600の芳香族ウレタンジアクリレ
ート)、EBECRYL4830(テトラエチレングリコールジアクリレートで
希釈した分子量1,200の脂肪族ウレタンジアクリレート)、EBECRYL
6602(トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートで希釈した分子量
1,300の三官能価芳香族ウレタンアクリレート)、及びEBECRYL84
02(分子量1,000の脂肪族ウレタンジアクリレート);ペンシルバニア州
ウエストチェスターのSartomer社の、商標名SARTOMER(例えば
SARTOMER9635、9645、9655、963−B80、966−A
80);並びにイリノイ州シカゴのMorton International
のUVITHANE(例えばUVITHANE782)を挙げることができる。
【0057】 アクリル化エポキシは、エポキシ樹脂のジアクリレートエステル、例えばビス
フェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステルである。商業的に入手可能
なアクリル化エポキシの例としては、ジョージア州SmyrnaのUCB Ra
dcure社の、商標名EBECRYL600(分子量525のビスフェノール
Aエポキシジアクリレート)、EBECRYL629(分子量550のエポキシ
ノボラックアクリレート)、及びEBECRYL860(分子量1,200のエ
ポキシ化大豆油アクリレート);並びにニュージャージー州ホボケンのHenk
el社の、商標名PHOTOMER3016(ビスフェノールAエポキシジアク
リレート)、PHOTOMER3038(エポキシアクリレート/トリプロピレ
ングリコールジアクリレート配合物)、PHOTOMER3071(改質ビスフ
ェノールAアクリレート)等を挙げることができる。
【0058】 アクリル化ポリエステルは、アクリル酸と二塩基酸/脂肪族/ジオールに基づ
くポリエステルとの反応生成物である。商業的に入手可能なアクリル化ポリエス
テルの例としては、ニュージャージー州ホボケンのHenkel社の、商標名P
HOTOMER5007(分子量2,000の六官能価アクリレート)、PHO
TOMER5018(分子量1,000の四官能価アクリレート)、及びPHO
TOMER5000系の他のアクリル化ポリエステル;並びにジョージア州Sm
yrnaのUCB Radcure社の、商標名EBECRYL80(分子量1
,000の四官能価改質ポリエステルアクリレート)、EBECRYL450(
脂肪酸改質ポリエステルヘキサアクリレート)、及びEBECRYL830(分
子量1,500の六官能価ポリエステルアクリレート)を挙げることができる。
【0059】 アクリル化アクリルは、後の反応のための遊離ラジカルを作ることができる反
応性ペンダント又は端部アクリル酸基を有するアクリルオリゴマー又はポリマー
である。商業的に入手可能なアクリル化アクリルの例としては、ジョージア州S
myrnaのUCB Radcure社の、商標名EBECRYL745、75
4、767、1701及び1755を挙げることができる。
【0060】 アクリル化シリコーン、例えば室温加硫シリコーンは、後の反応のための遊離
ラジカルを作ることができる反応性ペンダント又は端部アクリル酸を有するシリ
コーンに基づくオリゴマー又はポリマーである。これらの及び他のアクリレート
は、以下の文献で議論されている:Allen等の「UV and Elect
ron Beam Curable Pre−Polymers and Di
luent Monomers: Classification, Prep
aration and Properties,」、Radiation C
uring in Polymer Science and Technol
ogy:第1巻、Fundamentals and Methods、Fou
assier及びRabek編、Elsevier Applied Scie
nce、ニューヨーク州、第5章、225〜262(1993年);Feder
ation Series on Coatings Technology:
Radiation Cured Coatings、Federation
of Societies for Coatings Technolog
y、ペンシルバニア州フィラデルフィア、p.7〜13(1986年);並びに
Radiation Curing Primer I: Inks,Coat
ings,and Adhesives,RadTech Internati
onal North America、イリノイ州ノースブルック、p.45
〜53(1990年)。
【0061】 更に、少なくとも1つのペンダントアクリレート基を有するイソシアヌレート
誘導体及び少なくとも1つのペンダントアクリレート基を有するイソシアネート
誘導体は、米国特許第4,652,274号明細書(Boetcher等)にお
いて説明されている。アクリレート基を有するイソシアヌレート樹脂の例として
は、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートを挙げる
ことができる。
【0062】 放射硬化可能アミノプラスト樹脂は、1分子又はオリゴマー当たり少なくとも
1つの、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有する。これらの不飽和カル
ボニル基は、アクリレート、メタクリレート、又はアクリルアミドタイプの基で
よい。アクリルアミド基を有する樹脂の例としては、N−(ヒドロキシメチル)
−アクリルアミド、N,N’−オキシジメチレンビスアクリルアミド、オルト−
及びパラ−アクリルアミドメチル化フェノール、アクリルアミドメチル化フェノ
ールノボラック、グリコルリルアクリルアミド、アクリルアミドメチル化フェノ
ール及びそれらの組み合わせを挙げることができる。これらの材料は、米国特許
第4,903,440号(Larson等)、同第5,055,113号(La
rson等)、及び同第5,236,472号(Kirk等)明細書で更に説明
されている。
【0063】 他の適当なエチレン系不飽和樹脂としては、典型的にエステル基、アミド基及
びアクリレート基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマー化合物を挙げるこ
とができる。そのようなエチレン系不飽和化合物は好ましくは、分子量が約4,
000未満である。これらは好ましくは、脂肪族モノヒドロキシ基又は脂肪族ポ
リヒドロキシ基を有する化合物と、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸及びマレイン酸等を有する化合物との反応によって得られ
るエステルである。アクリル樹脂の代表的な例は他で示す。他のエチレン系不飽
和樹脂としては、カルボン酸のモノアリル、ポリアリル及びポリメタリルエステ
ル及びアミド、例えばジアリルフタレート、ジアリルアジペート、及びN,N−
ジアリルジアジパミド、並びにスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンを
挙げることができる。更に他のものとしては、トリス(2−アクリロイル−オキ
シエチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリ(2−メチアクリルオキシエ
チル)−s−トリアジン、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、N−メチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム、及びN−ビニルピペリドンを挙げることができる。
【0064】 2元硬化樹脂系では、それぞれ同じ又は異なる反応機構で、2つの異なる段階
の重合又は架橋が起こる。ハイブリッド硬化樹脂系では、紫外線又は電子ビーム
を放射したときに、2つの機構の重合又は架橋が同時に起こる。これらの系で起
こる化学硬化機構としては、限定するわけではないが、アクリル2重結合のラジ
カル重合、スチレン又は他のモノマーの不飽和ポリエステルのラジカル重合、ア
リル官能基の空気乾燥、ビニルエーテル又はエポキシのカチオン性硬化、イソシ
アネートの縮合、及び酸触媒熱硬化を挙げることができる。従って、2元硬化及
びハイブリッド硬化系は例えば、放射硬化と熱硬化とを組み合わせること、又は
放射硬化と湿分硬化とを組み合わせることができる。電子ビーム硬化と紫外線硬
化との組み合わせも可能である。組み合わせ硬化機構は例えば、1つの構造に2
つのタイプの官能基を有する材料を混合すること、又は1つのタイプの官能基を
有する異なる材料を混合することによって達成できる。このような系は、Pee
tersの「Overview of Dual−Cure and Hybr
id−Cure Systems in Radiation Curing,
」Radiation Curing in Polymer Science
and Technology:第3巻、Polymer Mechanis
ms、Fouassier及びRabek編、Elsevier Applie
d Science、ニューヨーク州、第6章、177〜217(1993年)
で論じられている。
【0065】 放射硬化可能材料の中では、遊離ラジカル硬化可能材料が好ましい。これらの
中では、本発明の先駆物質で使用するために、アクリレートが特に好ましい。そ
のような材料の例としては、限定するわけではないが、一又は多官能価アクリレ
ート(すなわちアクリレート及びメタクリレート)、アクリル化エポキシ、アク
リル化ポリエステル、アクリル化芳香族又は脂肪族ウレタン、アクリル化アクリ
ル、アクリル化シリコーン等、及びそれらの組み合わせ又はそれらの配合を挙げ
ることができる。これらは、様々な分子量(例えば平均分子量100〜2,00
0)のモノマー又はオリゴマー(すなわち典型的に2〜100のモノマー単位、
しばしば2〜20のモノマー単位を有する適度に低分子量のポリマー)でよい。
好ましい先駆物質としては、アクリル化エポキシ、アクリル化ポリエステル、ア
クリル化芳香族又は脂肪族ウレタン、及びアクリル化アクリルを挙げることがで
きる。より好ましい先駆物質としては、アクリル化芳香族又は脂肪族ウレタン、
最も好ましい先駆物質としてはアクリル化脂肪族ウレタンを挙げることができる
【0066】 遊離ラジカル放射硬化可能系は、硬化可能組成物の粘度を調節するために、得
られる硬化材料の主鎖を作るオリゴマー及び/又はポリマー(フィルム形成剤と
しても言及される)と、反応性モノマー(反応性希釈剤としても言及される)と
を含むことが多い。フィルム形成剤は典型的にオリゴマー又はポリマー材料であ
るが、いくらかのモノマー材料もフィルムを形成することができる。典型的にそ
のような系は、紫外線又は電子ビーム放射の使用を必要とする。紫外線硬化可能
系は典型的に光開始剤も含む。水又は有機溶媒も、系の粘度を低下させるために
使用できるが(従って非反応性の希釈剤として作用する)、これは典型的に、熱
処理をして溶媒を除去することを必要とする。従って、本発明の先駆物質は好ま
しくは、水又は有機溶媒を含有しない。すなわち、これらは好ましくは、100
%固体の組成物である。
【0067】 本発明の好ましい先駆物質は、反応性希釈剤とフィルム形成剤を含有する。反
応性希釈剤としては、少なくとも1種の1又は多官能価モノマー化合物を挙げる
ことができる。ここで使用する場合、1官能価とは、化合物が1つの炭素炭素2
重結合を有することを意味し、多官能価とは、化合物が1よりも多い炭素炭素2
重結合又は縮合によって架橋することができる他の化学的に活性な基を有するこ
とを意味している。炭素炭素2重結合及び他の化学的に活性な基を有する樹脂の
例としては、イソシアナトエチルメタクリレート、シソブトキシメチルアクリル
アミド、及びメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができる
。典型的に適当な反応性希釈剤を放射硬化可能系で使用して、粘度を調節する。
これらは好ましくは、アクリレートであるが、モノマーがエチレンのように不飽
和でありこの不飽和部分がこのモノマーに反応性を与えれば、非アクリレート、
例えばn−ビニルピロリドン、リモネン及び酸化リモネンを使用することもでき
る。フィルム形成剤としては、少なくとも1種の放射硬化可能材料、例えば典型
的に放射硬化可能系で使用される1又は多官能価オリゴマー化合物を挙げること
ができるが、熱可塑性ポリマーを使用することもできる。これらの熱可塑性ポリ
マーは、反応性希釈剤と反応性又は自己反応性(例えば内部架橋可能)であって
もそうでなくてもよい。
【0068】 好ましくは先駆物質は、少なくとも1種の1官能価モノマー化合物及び少なく
とも1種の多官能価オリゴマー化合物を含有している。最も好ましくは、そのよ
うな先駆物質は、少なくとも1種の分子量が約1,000以下(好ましくは約1
00〜1,000)の、1官能価モノマーアクリレートと、少なくとも1種の分
子量が少なくとも500、好ましくは約500〜約7,000、より好ましくは
約1,000〜約2,000の多官能価オリゴマーアクリル化ウレタンとを含有
している。
【0069】 多官能価モノマーは典型的に配合物の粘度を低下させ、下地層への比較的迅速
な浸透を行わせる傾向がある。多官能価モノマー及びオリゴマー(例えばジアク
リレート及びトリアクリレート)は典型的に、層間及び層内において比較的架橋
した比較的強い結合を提供する傾向がある。またそれらの構造に依存して、多官
能価モノマー及びオリゴマーは、可撓性又は剛性を与えることができる。アクリ
ル化オリゴマー、好ましくはアクリル化ウレタンオリゴマーは、靭性、硬さ及び
可撓性のような所望の性質をコーティングに与える。
【0070】 適当な1官能価モノマーの例としては、限定するわけではないが、エチルアク
リレート、メチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、オキエチル化フ
ェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−(エトキシエトキシ)エチル
アクリレート、エチレングリコールメタクリレート、テトラヒドロキシフルフリ
ルアクリレート(THFアクリレート)、カプロラクトンアクリレート、及びメ
トキシトリプロピレングリコールモノアクリレートを挙げることができる。適当
な多官能価モノマーの例としては、限定するわけではないが、トリエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、グリセロール
トリアクリレート、グリセロールトリメタクリレート、グリセリルプロポキシレ
ートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテ
トラメタクリレート、及び1,6−ヘキサンジアクリレートを挙げることができ
る。他の1又は多官能価モノマーとしては、ビニルアセテート、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルカプロラクタム、エトキシエトキシエチルアクリレート等
を挙げることができる。これらのモノマーは、ジョージア州SmyrnaのUC
B Radcure社から、商標名EBECRYLで、ニュージャージー州ホボ
ケンのHenkel社から、商標名PHOTOMERで、及びペンシルバニア州
ウエストチェスターのSartomer社から、商標名SARTOMERで入手
可能である。またリモネンオキシドは、ウィスコンシン州ミルウォーキーのAl
drich Chemical社から、N−ビニルピロリドンは、ニューヨーク
州ロチェスターのKodak社から入手可能である。
【0071】 適当なアクリル化オリゴマーの例としては、限定するわけではないが、アクリ
ル化エポキシ、アクリル化ポリエステル、アクリル化芳香族又は脂肪族ウレタン
、アクリル化シリコーン、アクリル化ポリエーテル、ビニルアクリレート、アク
リル化油、及びアクリル化アクリルを挙げることができる。これらの中では、ア
クリル化芳香族又は脂肪族ウレタンが好ましく、可撓性及び耐候性のためにアク
リル化脂肪族ウレタンがより好ましい。いくらかのアクリル化脂肪族ウレタン(
すなわち脂肪族ウレタンアクリレート)の例としては、ニュージャージー州ホボ
ケンのHenkel社の商標名PHOTOMER6010(分子量1,500)
;ジョージア州SmyrnaのUCB Radcure社の商標名EBECRY
L8401(分子量1,000)及びEBECRYL8402(分子量1,00
0、ウレタンジアクリレート);ペンシルバニア州ウエストチェスターのSar
tomer社の商標名S−9635、S−9645及びS−9655(これら全
てが25wt%のイソボルニルアクリレートを含有);Sartomer社のS
−963−B80(20wt%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを含
有);並びにSartomer社のS−966−A80(20wt%のトリプロ
ピレングリコールジアクリレートを含有)を挙げることができる。
【0072】 先駆物質は、上述の希釈モノマー以外の様々な溶媒を含有して、比較的高分子
量の反応性樹脂(例えばアクリル化オリゴマー)及び/又は熱可塑性ポリマーの
溶解を補助することができる。そのような溶媒は、例えば本発明の方法の硬化条
件において、先駆物質の反応性樹脂と有意に重合又は架橋しないので、非反応性
希釈剤又は非反応性モノマーとして言及される。更にそのような溶媒は典型的に
加熱によって除去されるが、完全な除去は必ずしも必要とされない。この目的の
ための適当な溶媒としては、様々なケトン溶媒、テトラヒドロフラン、キシレン
等を挙げることができる。しかしながら好ましくは、上述のように先駆物質は1
00%固体の組成物である。
【0073】 所望であれば、着色剤(すなわち顔料又は染料)を先駆物質に含有させること
もできる。適当な着色剤の例としては、TiO、フタロシアニンブルー、カー
ボンブラック、塩基性炭酸鉛ホワイト、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、
酸化ジルコニウム、スルホクロム酸鉛、バナジン酸ビスマス、モリブデン酸ビス
マス、並びに他の顔料、特に米国特許第5,272,562号明細書(Code
rre)で開示される不透明顔料及び米国特許第5,706,133号明細書(
Orensteen)で開示される有機顔料を挙げることができる。着色剤は、
所望の色を与える量で使用すること、様々な様式で先駆物質に加えることができ
る。
【0074】 好ましくは先駆物質は、全先駆物質の量に基づいて約5wt%〜約25wt%
の量で反応性希釈剤を含有する。先駆物質中のフィルム形成剤及び随意の顔料の
量は、所望の不透明性、可撓性、粘度等に依存している。好ましくは先駆物質は
、全先駆物質の量に基づいて、約25wt%〜約95wt%の量のフィルム形成
剤、及び約50wt%以下の量の顔料を含有している。
【0075】 典型的に、本発明の紫外線硬化可能先駆物質中には、光開始剤が含有されてい
る。光重合開始剤(すなわち光開始剤)の例としては、限定するわけではないが
、有機ペルオキシド、アゾ化合物、キノン、ベンゾフェノン、ニトロソ化合物、
ハロゲン化アクリル、ヒドロゾン、メルカプト化合物、ピリジニウム化合物、ト
リアクリルイミダゾール、ビスイミダゾール、クロロアルキトリアジン、ベンゾ
インエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、及びアセトフェノン誘導体
、並びにそれらの混合物を挙げることができる。特定の例としては、ベンジル、
メチルo−ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン/第3
アミン、アセトフェノン、例えば2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル
メチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2
−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、2−メチ
ル−1−4(メチルチオ)、フェニル−2−モルフォリノ−1−プロパン、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルフェニル)ホスフ
ィンオキシド等を挙げることができる。そのような光開始剤としては、ニューヨ
ーク州ArdsleyのCiba−Geigy社から入手可能な商標名DARO
CUR及びIRGACUREを挙げることができる。典型的に光開始剤は、所望
の反応速度を与える量で使用する。これは、全先駆物質の重量に基づいて、好ま
しくは約0.01wt%〜約5wt%、より好ましくは約0.1wt%〜約1w
t%の量で使用する。
【0076】 先駆物質中で使用することができる他の添加剤は、充填材、消泡剤、付着促進
剤、平滑化剤(例えばポリジメチルシロキサンのような流動化剤)、湿潤剤、滑
剤、屋外での安定化のための添加剤を含む安定化剤(例えば熱安定化剤、UV安
定化剤、可視光安定化剤)、可塑化剤、付着促進剤等である。これらは反応性で
あっても非反応性であってもよいが、典型的に非反応性である。反応性可塑化剤
の例としては、Sartomer社から入手可能な商標名SARBOX SB−
600及びSB−510E35を挙げることができる。典型的にそのような添加
剤は、所望の性質を与える量で使用する。これらは、全先駆物質の重量に基づい
て、好ましくは約0.01〜約5wt%、より好ましくは約0.1〜約1wt%
の量で使用する。
【0077】 本発明に関して、先駆物質を適用する任意の適当な方法を使用できる。コーテ
ィング方法の選択は先駆物質の粘度、所望とするコーティング厚さ、コーティン
グ速度等に依存している。適当なコーティング方法は上述の方法である。典型的
に、約10μm〜約250μmの湿潤コーティング厚さを使用する。
【0078】 先駆物質を下地表面にコーティングした後で、好ましくはエネルギー源に露出
させて硬化を開始させる。適当な好ましいエネルギー源の例としては、熱エネル
ギー及び放射エネルギーを挙げることができる。エネルギーの量は、樹脂の化学
的性質、コーティングした後の先駆物質の寸法、及び随意の添加剤の量及びタイ
プ、特に顔料含有量のようないくつかの要素に依存している。熱エネルギーの場
合には、温度は約30℃〜約100℃である。露出時間は約5分間〜24時間超
でよく、比較的低温の場合には比較的長い時間が適当である。
【0079】 本発明で使用するための適当な放射エネルギー源は、電子ビーム、紫外線、可
視光線、又はそれらの組み合わせである。イオン化放射としても知られる電子ビ
ーム放射は、約0.1Mrad〜約10Mrad、好ましくは約3Mrad〜約
8Mrad、より好ましくは約5Mrad〜約6Mradのエネルギーレベル;
及び約75KeV〜約5MeV、好ましくは約100KeV〜約300KeVの
加速電圧レベルで使用することができる。紫外線放射とは、約200nm〜約4
00nmの波長の非粒子放射に言及している。118〜236ワット/cm紫外
線を使用することが好ましい。可視光線放射とは、約400nm〜約800nm
の波長の非粒子放射に言及している。放射エネルギーを使用する場合、いくらか
の顔料粒子及び/又は他の随意の添加剤が、放射エネルギーを吸収して、先駆物
質中の樹脂の重合を抑制することがある。このような場合、そのような放射エネ
ルギーの吸収を補償するのに必要とされる程度に、比較的多量の放射エネルギー
及び/又は比較的高い濃度の光開始剤を使用することができる。また電子ビーム
加速電圧を増加させて、イオン化放射エネルギーの貫通力を増加させることもで
きる。
【0080】 マーキング材 適当なマーキング材は、様々な印刷プロセスで使用されて特定の領域を、背景
の色(基材の色)以外の特定の色で着色し、それによって印刷された情報を何ら
かの様式で識別させるマーキング材である。一般にそのようなマーキング材は、
人間の目で判読可能な表示を形成し、またこれは、所望の色の選択された英数字
又は他の記号、例えばバーコード及び表象等を表すことができる。しかしながら
所望であれば、この情報は他の手段によって判読可能なもの、例えば機械で判読
可能な赤外線像であってもよい。そのようなマーキング材の例は、典型的に非接
触プリンターで使用されているもの(例えばレーザープリンターで使用されてい
るトナー)、及び衝撃プリンターで使用されているもの(熱物質移動プリンター
で使用されているインク含有リボン)である。一般に、それぞれの印刷プロセス
は、印刷されたイメージを造るために、異なるマーキング材を必要とする。いく
らかのマーキング材は、枚葉印刷での裏写り防止スターチスプレーを省くため及
び巻き紙印刷での熱固定インク溶媒による空気汚染をなくすために特に開発され
ている。金属光沢をまねたマーキング材、特別な電子機器で読みとれる磁気の文
字を印刷するマーキング材、酒類のラベルのための耐アルコール性及び耐摩耗性
のマーキング材、セッケンの包装のための耐アルカリ性マーキング材、蛍光マー
キング材、並びに魅力的な表示のための高輝度のマーキング材も存在する。スク
リーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷で使用するために特に
設計されたインクも存在する。これらの多くは、放射硬化可能(例えば紫外線(
UV)硬化及び電子ビーム(EB)硬化インク)であり、噴霧可能な溶媒に基づ
く材料に関連する環境的な問題を解決するために開発されている。UV硬化マー
キング材は典型的に、液体プレポリマー(オリゴマー及び/又はモノマー)、及
び大量のUV放射を受けて遊離ラジカルを発生させる開始剤を含有している。こ
こで遊離ラジカルは、ビヒクルをすぐに重合させ、乾燥した強い熱硬化性樹脂に
する。電子ビーム(EB)硬化マーキング材は、同様であるが、開始剤を含有し
ない。
【0081】 マーキング材は典型的に特定の印刷プロセスのために配合されており、これを
使用して印刷イメージを作っている。一般に、本発明で使用するのに適当なマー
キング材は、着色剤(例えば顔料又は染料)、着色剤が分散又は溶解する樹脂ビ
ヒクル(すなわちバインダー)、粘度制御のための随意の溶媒又は他の流体、並
びに乾燥及び/又は所望の作業性を与えるための他の随意の添加剤を含有してい
る。様々な印刷プロセスで使用されるマーキング材の成分のいくらかは、同じ材
料の群から選択されることがあるが、それらの特定の性質は、印刷技術が必要と
することがある処理条件に適応して調節されている。例えば、ポリエステル類か
ら選択される樹脂は、スクリーン印刷、電子写真印刷、熱移動印刷等のためのバ
インダーとして使用することができるが、その分子量、架橋の程度及び選択され
る特定のモノマーは、それぞれのプロセスで異なっている。
【0082】 本発明の物品の付着促進表面、特に放射硬化材料への良好な付着のために、マ
ーキング材のバインダーは好ましくは、反応性成分、すなわち様々な機構(例え
ば酸化硬化、縮合、湿分硬化、遊離ラジカル系の放射又は熱硬化等)によって架
橋及び/又は重合することができる材料を含有する。より好ましくは、マーキン
グ材のバインダーとしては、ポリエステル、ビニル、ポリオレフィン、ポリビニ
ルアセタール、アルキル又はアリール置換アクリレート又はメタクリレート、エ
チレン又はプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸又は酢酸ビニルとのコポリマ
ー、並びにそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを挙げること
ができる。様々な異なるプリンターによって適用される様々な異なるマーキング
材を、例の部分の表2で例示している。
【0083】 着色剤及び添加剤は、マーキング材及び印刷系のタイプによって様々でよく、
これらは当業者に既知である。多くの適当な着色剤及び添加剤を、付着促進表面
の化学的性質に関する上述の議論で挙げている。
【0084】 印刷系 ここで説明されるマーキング材は、衝撃又は非接触の様々な印刷系、好ましく
はデジタル印刷系で使用して、付着促進表面、特に印刷受容層、より特にここで
説明される放射硬化コーティング上にイメージを作ることができる。これらの例
としては、静電気印刷、電子写真印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、インク
ジェット印刷、熱転写印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、及びオ
フセット印刷を挙げることができる。これらの多く(例えば静電気印刷、電子写
真印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、インクジェット印刷、及び熱転写印刷
)は、デジタル印刷プロセスであり、ここではイメージを表すデータがデジタル
の形である。これらの処理は主に、少部数の印刷のために、及び記号、宛名等の
ような様々な又は個人的な情報を必要に応じて印刷するために使用される。
【0085】 以下は、本発明の方法で使用することができるいくらかの印刷プロセスの簡単
な説明である。より詳細な情報は、一般的な出版物から入手可能である。そのよ
うな本の例としては、Principles of Non Impact P
rinting、J.L.Johnson著、Palantino出版(198
6年);Understanding Digital Color、Phil
Green著、Graphic Arts Technical Found
ation(1995年)、p.293〜310;並びにPocket Pal
.A Graphic Arts Production Handbook、
M.Bruno編、International Paper社、第16版(1
995年)、p.126〜150を挙げることができる。
【0086】 静電気印刷は、印刷する表面への静電気電荷の直接堆積を含むイメージング工
程と、その後の液体トナーを使用するトナー工程からなる。この後で、熱及び圧
力によってトナーを融解させる工程を行う。この技術を使用するプリンターの幅
は52インチまでがあり、建築物の絵、広告板等の印刷のために使用される。電
子写真印刷(レーザー印刷及びゼログラフィーを含む)は、高速コピーシステム
と同様である。電子写真装置は例えば、ポストスクリプトに基づくデジタルイメ
ージング系からのデジタル信号によって調節されたコロナ放電レーザーによって
荷電される静電気光伝導体と、光伝導体から基材にトナーのイメージを移動させ
る系を具備している。装置を使用して、300フィート/分までの速度で、単一
の又は点状の色特性の印刷生成物によって様々な情報を印刷している。少部数の
カラー印刷のためには、4色の様々な必要に応じた印刷のための比較的遅い装置
が使用されている。
【0087】 電子ビームイメージング(EBI)としても言及されるイオン堆積印刷は、以
下の単純な4つの工程からなる:(1)イメージングカートリッジから、非常に
硬質のアノード処理をされたアルミニウムからなる加熱回転ドラムに、一連の帯
電した粒子(電子)を送ることによって、帯電したイメージを作ること、(2)
ドラムを回転させながら、1成分磁気トナーをドラム上のイメージに付着させる
こと、(3)圧力によって、トナーのイメージを受容表面に転写固定すること、
及び(4)残ったトナーをドラムから除去すること。これで次のイメージングの
ための用意ができている。新しい材料を使用する新しい装置は、高品質の連続ト
ーン4色処理イメージを作ることができる。磁気記録印刷は、磁気ドラムを使用
し、コンピューターが作った様々なイメージによってドラム上に磁荷を与え、そ
して1成分磁気トナーを用いることを除いて、EBI印刷と同様である。この印
刷の主な利点は、デジタルデータでイメージングが容易なことである。
【0088】 インクジェット印刷は主に、コンピューターレターのアドレス及び記号、くじ
の形及び他の宣伝用個人宛ダイレクトメールのような様々な情報を印刷するため
に使用されている。多くのタイプのインクジェットプリンターが存在し、これら
は連続滴下、ドロップ−オン−デマンド、バブルジェット、シングルジェット、
及びマルチジェットである。イメージは、水溶性の染料によってデジタル的に作
られる。インクジェットプリンターは、印刷されるイメージに依存して必要に応
じて滴を移動させることによって又はインクをノズルに通すことによって、イン
ク滴を発生させる。ドロップ−オン−デマンドインクジェットプリンターは、熱
(インクの蒸発)又は圧電法(相変化)によってインクを移動させる。
【0089】 熱物質移動は、コンピューターでもたらしたデジタルの文字と画像のデータを
使用して、熱プリントヘッドを駆動させる。この熱プリントヘッドは、ドナーリ
ボン上のインクスポットを融解し、これを受容体に移動させる。使用する装置は
組み込みコンピューターを有し、回転又はフラット打ち抜き及び4色の25%を
超える様々な情報で、完成したラベル及び他のプリント生成品を作る。
【0090】 スクリーン印刷は独自の少部数用プロセスであり、これはほとんど全ての表面
に印刷を行う。ラインアート及びハーフトーンの両方を印刷することができる。
いくらかのスクリーン印刷は、テーブル、スクリーンフレーム及びスクイジーか
らなる非常に単純な用具を用いて手で行われる。しかしながら、最も商業的なス
クリーン印刷は、動力を使用するプロセスで行う。印刷の間には、所望の画像の
形のインクを有するスクリーンを初めに基材と接触させ、そしてスクイジーによ
ってスクリーン布帛の開口領域を通してインクを基材に送る。その後、印刷され
た基材を乾燥させて、インクから溶媒を除去し、プロセスを完了させる。
【0091】 グラビア印刷は、印刷シリンダー、圧胴及びインク装置からなっている。イン
ク(マーキング材)を空気インクロール又はスプレーによって印刷シリンダーに
適用し、そして過剰なインクをドクターブレードによって除去してインク源に戻
す。圧胴はゴム組成物で覆われており、これを印刷する表面に押しつけてインク
と接触させる。グラビア印刷は、包装、床の覆い、感圧性の壁の覆い、プラスチ
ック積層体等で使用されている。
【0092】 凸版印刷の分類では、大きく分けて3つの部分が存在する。これらは、圧盤、
垂直平台シリンダー及び輪転機である。かなり商業的なのは枚葉印刷であるが、
大量印刷(雑誌、本、新聞)のほとんどが巻き取り紙印刷である。このタイプの
印刷プロセスについてのより詳細な議論は、上述のPocket Pal.A
Graphic Arts Production Handbookを参照。
オフセット印刷では、3つの印刷ロール並びにインク付け装置及び湿し装置を使
用する。プレートシリンダーが回転するときに、これが初めに湿しローラーに接
触し、そしてインク付けロールに接触する。湿し装置はプレートを濡らし、それ
によって印刷されない領域がインクを弾くようにする。その後、インクの像をゴ
ムブランケットに移動させ、紙をこのブランケットと押し付けシリンダーとの間
に通してこの紙に印刷する。巻き取り紙オフセット印刷は、3,000フィート
/分までの速度で行うことができ、これを使用して、新聞、雑誌、ビジネスフォ
ーム、コンピューターレター、メールオーダーカタログ、ギフト用ラッピング等
を作ることができる。このタイプの印刷プロセスについてのより詳細な議論は、
上述のPocket Pal.A Graphic Arts Product
ion Handbookを参照。
【0093】 [例] 本発明の目的及び利点を以下の例によって更に説明するが、本発明は、これら
の例で使用される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細に限定されな
い。
【0094】 材料の調製 アクリレート−メタクリレートコポリマー受容体の調製 アクリレート−メタクリレートのコポリマー(ミネソタ州セントポールのMi
nnesota Mining and Manufacturing社の3M
SCOTCHLITE880透明コーティング)を、K−Coater(ニュ
ージャージー州AmitvilleのTesting Machines)及び
KK第2番ワイヤーバーを使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポー
ルのMinnesota Mining and Manufacturing
社のSCOTCHLITE RRS3750)に適用した。その後で、10分間
にわたって270°Fの炉にシートを配置し、厚さが約1ミルの硬化したフィル
ムを得た。これは表1においてコーティング2として言及する。
【0095】 エチレンビニルアセテートコポリマー受容体の調製 Bynel3101(デラウェア州ウィルミントンのDuPont社のアクリ
レート含有エチレンビニルアセテートコポリマー、表1のコーティング3)、C
hevron1305(カルフォルニア州サンフランシスコのChevron社
のエチレンビニルアセテートコポリマー、表1のコーティング5)、Elvax
260(デラウェア州ウィルミントンのDuPont社のエチレンメタクリレー
トコポリマー、表1のコーティング4)を含有する樹脂からの押し出しフィルム
(1ミル)を、米国特許第4,664,966号明細書(Bailey等)で説
明される条件を使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポールのMin
nesota Mining and Manufacturing社のSCO
TCHLITE RRS3750)の表面に325°Fで加熱及び圧縮積層した
。これの組成物は、溶液コーティングすることもできる。
【0096】 シリルを末端とするスルホポリ(エステル−ウレタン)受容体の調製 米国特許第5,756,633号明細書で説明されるシリルを末端とするスル
ホポリ(エステル−ウレタン)を、K−Coater(ニュージャージー州Am
itvilleのTesting Machines社)及びKK第2番ワイヤ
ーバーを使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポールのMinnes
ota Mining and Manufacturing社のSCOTCH
LITE RRS3750)の表面に適用した。シートを空気乾燥し、厚さ1ミ
ルの硬化したフィルムを得た。これは表1においてコーティング6として言及し
ている。
【0097】 UV透明コーティング受容体の調製 印刷受容層(3MのSCOTCHLITE9200系透明コーティング(表1
のコーティング8)及び9710トナー(表1のコーティング7)、これらは共
にミネソタ州セントポールのMinnesota Mining and Ma
nufacturing社から入手可能)を、K−Coater(ニュージャー
ジー州AmitvilleのTesting Machines社)及びKK第
4番ワイヤーバーを使用して、再帰反射性シート(ミネソタ州セントポールのM
innesota Mining and Manufacturing社のS
COTCHLITE RRS3750)に適用した。ウェブは、中圧水銀ランプ
(ニュージャージー州Murry HillのAmerican Ultrav
iolet社)下に、27フィート/分の速度で0.324J/cmの放射量
で通して硬化させた。得られたそれぞれの乾燥コーティング厚さは、0.9ミル
であった。但し、所望であれば、他のワイヤーバーを使用して、比較的厚い又は
比較的薄いコーティングを得ることができる。
【0098】 表1において、標準対照は熱硬化ポリエステルに基づくコーティングであり、
これは3M SCOTCHLITE確認セキュリティシート5330(ミネソタ
州セントポールのMinnesota Mining and Manufac
turing社から商業的に入手可能)上の最も上側のコーティングである。
【0099】 表1のコーティング1は、熱的に硬化させた透明コーティングであり、これは
、オランダ国ArnhemのAkzo Nobel Inks社から商標名WE
RNEKE ARCXX0013で入手可能である。この材料は、フレキソ印刷を使
用して、再帰反射性シート(SCOTCHLITE RRS3750、ミネソタ
州セントポールのMinnesota Mining and Manufac
turing社)の表面にコーティングされて、炉で乾燥させて厚さ0.3ミル
の乾燥コーティングを作った。
【0100】 試験方法 付着性試験 コーティングされて印刷された再帰反射性シートを、再帰反射性シートの付着
性を使用して、平らな化成被覆されたアルミニウム耐候性パネル(オハイオ州ク
リーブランド1番通り26200のThe Q−Panel社から入手可能)に
付着させた。パネルの大きさは、11インチ×2.75インチであった。試料を
適用した後で、小さい壁紙ゴムロール(直径約1.5インチ)で、これらをしっ
かりと押し付けた。一片の3Mブランド610テープ(ミネソタ州セントポール
のMinnesota Mining and Manufacturing社
から入手可能な感圧性接着テープ)を適用し、親指圧で表示(又は単に印刷受容
層)を覆った。
【0101】 テープを除去して、除去された材料を質的に測定した。評価10は、材料が本
質的に全く除去されなかったことを意味し、評価0は、試験した材料(印刷受容
層又はマーキング材)の実質的な部分が除去されたことを意味する。例えば付着
性の評価7は、使用するコーティングの厚さに依存して、一般に約70%の材料
が残っていることに関連付けられると考えられるが、定量的なイメージ濃度測定
は行っていない。
【0102】 耐摩耗性試験 連邦試験方法標準141aの方法6142の変形;GardnerモデルM−
105又はGardner Straight Line洗浄可能性及び摩耗試
験装置No.1364を使用するGardner Laboratory Bu
lletin WG2000を使用して、湿式磨き耐摩耗性を決定した。
【0103】 2つの試験試料(コーティングして印刷した再帰反射性シート)を、再帰反射
性シートの接着性を使用して、化成被覆されたアルミニウム耐候性パネル(オハ
イオ州クリーブランド1番通り26200のThe Q−Panel社から入手
可能)に付着させた。パネルの大きさは、11インチ×2.75インチであった
。試料を適用した後で、小さい壁紙ゴムロール(直径約1.5インチ)で、これ
らをしっかりと押し付けた。
【0104】 30分間にわたってぬるい水(約100〜120°F)の中で中国豚毛ブラシ
(Chinese hosg bristle brush)を調えた後で、過
剰な水を除去した。このブラシを0.5%の洗剤(「Dreft」)溶液中で5
分間にわたって調えた。このブラシを試験装置のブラシホルダーに配置した。試
験パネルを試験装置に取り付けた。試験装置は、11インチ×2.75インチの
試験パネルのためにわずかに調節した。試験サイクルは、1,000回の磨きサ
イクルからなっている。試験期間の間、滴下カラムを使用して、0.5%の洗剤
(「Dreft」)溶液を、1分間当たり約12滴の速度で(又は単にパネルを
湿らせておくのに十分な量で)試験パネルに滴下した。試験パネルをすすいで乾
燥させた。
【0105】 除去された材料の量を質的に評価した。評価10は、材料が本質的に全く除去
されなかったことを意味し、評価0は、試験した材料(印刷受容層又はマーキン
グ材)の実質的な部分が除去されたことを意味する。例えば磨耗評価7は、一般
に約70%の材料が残っていることに関連付けられると考えられるが、定量的な
イメージ濃度測定は行っていない。
【0106】 耐候性試験 ASTM G53を使用して屋外での耐久性を評価した。試料(コーティング
されて印刷された再帰反射性シート)を調製し、60℃の温度の黒色パネルでの
4時間にわたる紫外線への露出、その後の50℃の温度の黒色パネルでの4時間
の凝縮サイクルからなるサイクルを使用して、ASTM法G53(1996)に
よって(蛍光UV「B」ランプで)試験した。
【0107】 試料は、試験したそれぞれの試料を、試験されていない同じ試料と比較するこ
とによって評価した。ここで試験されていない試料は標準対照試料である。試料
は、例えば光沢(例えば印刷受容層の光沢)の様な表面の変化、付着性(例えば
マーキング材の付着性)、色あせ(例えばマーキング材の色あせ)について評価
し、それぞれの標準対照試料と比較した。0〜10の評価を使用した。ここでは
、評価10は実質的に変化が起こっていないことを意味し、評価0は有意の変化
が起こったこと(例えばマーキング材がなくなったこと又は試料がばらばらにな
ったこと)を意味している。
【0108】 耐溶媒性試験 溶媒及び清浄化剤に対する耐性を、以下の方法を使用して評価した。再帰反射
性シートの2つの試験試料を化成被覆アルミニウム耐候性パネル(オハイオ州ク
リーブランド1番通り26200のThe Q−Panel社から入手可能)に
付着させることによって、試料を調製した。パネルの大きさは、11インチ×2
.75インチであった。試料を適用した後で、小さい壁紙ゴムロール(直径約1
.5インチ)で、これらをしっかりと押し付けた。溶媒はメチルアルコール、ミ
ネラルスピリット、灯油、VM&Pナフサ、及びガソリン(無鉛レギュラー)で
あった。(注:自動車のペイント又はラッカー仕上げに損傷を与える溶媒は、試
験溶媒として使用すべきでない)。試験清浄化剤は「409」、窓ガラス、アン
モニア、虫及びタール用清浄化剤(石油留出物又は無機スピリットを伴う)であ
った。
【0109】 「Qチップ」タイプの綿棒(コットンが棒状体の端部に取り付けられているも
の)を、それぞれの溶媒又は試験清浄化剤で湿した。試験装置で、試験ステッカ
ーに対して綿棒を45°の角度に固定して、約40gの圧力を加え(手によって
)、そして10サイクルにわたって印刷されたステッカー上を前後に湿った綿棒
で拭いた(1回のサイクルで試料上を通って戻る)。第2の試料には、25サイ
クルにわたって同じ試験を行った。
【0110】 除去された材料の量を質的に測定した。評価10は、材料が本質的に全く除去
されなかったことを意味し、評価0は、試験した材料(印刷受容層又はマーキン
グ材)の実質的な部分が除去されたことを意味する。例えば耐溶媒性の評価7は
、一般に約70%の材料が残っていることに関連付けられると考えられるが、定
量的なイメージ濃度測定は行っていない。
【0111】 特に示していないが、それぞれの試料が、溶媒「409」、窓ガラス、アンモ
ニア、虫及びタール用清浄化剤、メチルアルコール、及びミネラルスピリットで
評価10を示した。灯油及びVM&Pナフサでは、表1で示されるガソリンでの
評価とほぼ同様であったが、これほど深刻ではなかった。
【0112】 表1のコーティング1、2及び3は、耐溶媒性にすることを意図した保護コー
ティングで清浄化可能であり、それによって落書き等を消すことができる。従っ
て、熱可塑性コーティングであるコーティング1、2及び3は印刷可能であるが
、耐ガソリン性が十分でないので好ましくない。
【0113】 印刷性試験 上述の様々な印刷受容層を有する再帰反射性シート試料の印刷性を、以下のプ
リンターを使用したときの印刷性について試験した。コーティングされた再帰反
射性シート試料の小片を紙に付着させて(再帰反射性シート上の接着剤を使用し
て)、プリンターに付属の指示書に従ってプリンターに通した。イメージパター
ン(ワープロソフトフェア(Microsoft Word(商標))によって
もたらした反復文字)をプリンターに送った。印刷を行った後で、上述のように
して試験試料に試験を行った。
【0114】 以下の表1に挙げる試料の印刷性のために、トナーカートリッジ92295A
(スチレン/アクリル樹脂)を、カルフォルニア州パロアルトのHewlett
Packard社のHP Laser Jet IIIで使用した。
【0115】 表2のデータのためには、以下のプリンターを使用した: ・トナーカートリッジ92295Aを具備する、カルフォルニア州パロアルトの
Hewlett Packard社のHP Laser Jet III。 ・ミネソタ州ヘースティングのLaser Sharp社のMICRトナーカー
トリッジをトナーカートリッジ92295Aの代わりに具備する、カルフォルニ
ア州パロアルトのHewlett Packard社のHP Laser Je
t III。 ・供給トナーカートリッジを具備する、ニュージャージー州MahwahのMi
nolta社周辺機器部門(PPD)のMinolta Pagewarks
8Lレーザープリンター。 ・供給トナーカートリッジを具備する、カルフォルニア州パロアルトのHewl
ett Packard社のHPモデル2000Cインクジェットプリンター。 ・インクスティック部品第016−1123−00を具備する、オレゴン州ウィ
ルソンビルのTektronix社の、モデルPhaser III固体インク
ジェットプリンター。 ・ミシガン州ロミオのAdvent社のAD501リボンを具備する、イリノイ
州バーノンヒルのZebra Technologies社のモデル171熱物
質移動プリンター。 ・ペンシルバニア州フィラデルフィアのThwing−Albert Inst
rument社のQuickpeek品質試験キットを使用した凸版印刷試験を
行った。 ・3M Scotchlite(商標)9700系インクを伴う通常のスクリー
ン印刷セットを使用して、この供給者の指示に従ってスクリーン印刷を行った。
【0116】
【表1】 評価は、所定の分類において「10」が最高であり、「0」が最低であるとし
た。
【0117】
【表2】 評価は、所定の分類において「10」が最高であり、「0」が最低であるとし
た。 P0及びT0は、圧力及び温度に関してプリンターのレベルを最も低くした設
定に言及している。 P1及びT1は、プリンターの製造者が推薦する圧力及び温度に言及している
【0118】 本願明細書で参照した特許明細書、特許書類及び文献はいずれも、本願におい
てその内容全体を引用して、その記載を本願明細書の記載に含めたものとする。
本発明の全体としての範囲及び趣旨を逸脱することなく、当業者は本発明に様々
な修正および変更を施すことができる。従って、本発明は例示の態様及び例によ
って限定されるものではなく、これらの例示の態様及び例は単なる例示であり、
本発明の範囲は特許請求の範囲及びこれと等価なものによってのみ限定されるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の確認ステッカーの1つの態様の正面平面図である。
【図2】 図2は、一時的な支持体上にある図1のステッカーの断面図である。
【図3】 図3は、本発明の印刷受容層を有する再帰反射性シート材料の断面概略図であ
る。
【図4】 図4は、本発明の表示物品の断面図である。
【図5】 図5は、本発明の表示物品の上面図である。
【図6】 図6は、本発明の確認ステッカーの上面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 リュール,ジョーイ エル. アメリカ合衆国,ミネソタ 55016,コテ ージ グローブ,ホームステッド コート 8162 Fターム(参考) 5C096 AA11 AA21 AA29 BA03 CA02 CA26 CE03 CE22 EB02 EB16 FA03

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材、 前記非セルロース系有機ポリマー表面に配置された放射硬化コーティング、及
    び 前記放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材、 を有する表示物品であって、ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材
    を拭いたときに、このマーキング材が表示物品から実質的に除去されない、表示
    物品。
  2. 【請求項2】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する前記基材が、再帰
    反射性シートを含む、請求項1に記載の表示物品。
  3. 【請求項3】 前記再帰反射性シートが、確認ステッカーの一部である、請
    求項2に記載の表示物品。
  4. 【請求項4】 前記マーキング材が着色剤及びバインダーを含み、且つこの
    バインダーが、ポリエステル、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリビニルアセタ
    ール、アルキル又はアリール置換アクリレート又はメタクリレート、エチレン又
    はプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸又は酢酸ビニルとのコポリマー、並び
    にそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項1に記
    載の表示物品。
  5. 【請求項5】 前記放射硬化コーティングが、電子ビーム硬化可能組成物か
    らもたらされている、請求項1に記載の表示物品。
  6. 【請求項6】 前記放射硬化コーティングが、紫外線硬化可能組成物からも
    たらされている、請求項1に記載の表示物品。
  7. 【請求項7】 前記紫外線硬化可能組成物がアクリレートを含む、請求項6
    に記載の表示物品。
  8. 【請求項8】 前記アクリレートが、脂肪族アクリル化ウレタンを含む、請
    求項7に記載の表示物品。
  9. 【請求項9】 ガソリンで10サイクルにわたって前記マーキング材を拭い
    たときに、このマーキング材が実質的に除去されない、請求項1に記載の表示物
    品。
  10. 【請求項10】 ガソリンで25サイクルにわたって前記マーキング材を拭
    いたときに、このマーキング材が実質的に除去されない、請求項8に記載の表示
    物品。
  11. 【請求項11】 1.000磨きサイクルにわたって前記マーキング材を擦
    ったときに、このマーキング材が実質的に除去されない、請求項1に記載の表示
    物品。
  12. 【請求項12】 感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧で前記
    マーキング材に適用してこのテープを除去したときに、このマーキング材が実質
    的に除去されない、請求項1に記載の表示物品。
  13. 【請求項13】 感圧性接着剤がコーティングされたテープを親指圧で前記
    放射硬化コーティングに適用してこのテープを除去したときに、この放射硬化コ
    ーティングが実質的に除去されない、請求項1に記載の表示物品。
  14. 【請求項14】 ガソリンで5サイクルにわたって前記放射硬化コーティン
    グを拭いたときに、この放射硬化コーティングが実質的に除去されない、請求項
    1に記載の表示物品。
  15. 【請求項15】 1,000磨きサイクルにわたって前記放射硬化コーティ
    ングを擦ったときに、この放射硬化コーティングが実質的に除去されない、請求
    項1に記載の表示物品。
  16. 【請求項16】 前記放射硬化コーティングがパターンを付けられてコーテ
    ィングされている、請求項1に記載の表示物品。
  17. 【請求項17】 前記マーキング材上に保護コーティングがない、請求項1
    に記載の表示物品。
  18. 【請求項18】 有機ポリマー表面を有する再帰反射性シート、 前記有機ポリマー表面上に配置されたアクリレート含有放射硬化コーティング
    、及び 前記放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材、 を有する表示物品であって、ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材
    を拭いたときに、このマーキング材が表示物品から実質的に除去されない、表示
    物品。
  19. 【請求項19】 有機ポリマー表面を有する再帰反射性シート、 前記有機ポリマー表面上に配置された脂肪族アクリル化ウレタンを含む放射硬
    化コーティング、及び 前記放射硬化コーティング上に配置されたマーキング材、 を有する表示物品。
  20. 【請求項20】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材及びこの表
    面上に配置された放射硬化コーティングを提供すること、並びに 静電気印刷、イオン堆積印刷、磁気記録印刷、インクジェット印刷、凸版印刷
    、オフセット印刷、及びグラビア印刷からなる群より選択される技術を使用して
    、マーキング材を、前記放射硬化コーティングに適用すること、 を含む、表示物品の製造方法。
  21. 【請求項21】 ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材を拭い
    たときに、このマーキング材が実質的に除去されない、請求項20に記載の方法
  22. 【請求項22】 前記表示物品が、前記マーキング材上に保護層を有さない
    、請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する前記基材が、再
    帰反射性シートを含む、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記マーキング材が、着色剤及びバインダーを含み、且つ
    このバインダーが、ポリエステル、ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアセタ
    ール、アルキル又はアリール置換アクリレート又はメタクリレート、エチレン又
    はプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸又は酢酸ビニルとのコポリマー、並び
    にそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項20に
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記放射硬化コーティングが紫外線硬化可能組成物からも
    たらされている、請求項20に記載の方法。
  26. 【請求項26】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供する
    こと、並びに 電子写真印刷及びグラビア印刷からなる群より選択される技術を使用して、マ
    ーキング材を、前記非セルロース系有機ポリマー表面に適用すること、 を含む、表示物品の製造方法であって、ここでガソリンで5サイクルにわたって
    前記マーキング材を拭いたときに、このマーキング材が実質的に除去されない、
    表示物品の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記表示物品が、前記マーキング材上に保護コーティング
    を有さない、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する前記基材が、再
    帰反射性シートである、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記非セルロース系有機ポリマー表面が放射硬化コーティ
    ングを有し、このコーティング上に前記マーキング材が適用されている、請求項
    26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する基材を提供する
    こと、並びに 凸版印刷及びオフセット印刷からなる群より選択される技術を使用して、前記
    非セルロース系有機ポリマー表面にマーキング材を適用すること、 を含む、表示物品の製造方法であって、 ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材を拭いたときに、このマー
    キング材が実質的に除去されず、且つ更に 前記表示物品が保護覆い層を有さない、 表示物品の製造方法。
  31. 【請求項31】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する前記基材が、再
    帰反射性シートである、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記有機ポリマー表面が放射硬化コーティングを有し、こ
    のコーティング上に前記マーキング材を適用する、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記放射硬化コーティングが紫外線硬化可能組成物からも
    たらされている、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 非セルロース系有機ポリマー表面を有する確認ステッカー
    を提供すること、及び 前記非セルロース系有機ポリマー表面に、マーキング材をスクリーン印刷する
    こと、 を含む、確認ステッカーの製造方法であって、 ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材を拭いたときに、このマー
    キング材が実質的に除去されず、且つ更に 前記確認ステッカーが保護覆い層を有さない、 確認ステッカーの製造方法。
  35. 【請求項35】 放射硬化コーティングがコーティングされた非セルロース
    系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること、及び 前記放射硬化コーティングに、マーキング材をスクリーン印刷すること、 を含む、表示物品の製造方法であって、 ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材を拭いたときに、このマー
    キング材が実質的に除去されず、且つ更に 表示物品が保護覆い層を有さない、 表示物品の製造方法。
  36. 【請求項36】 放射硬化コーティングがコーティングされた非セルロース
    系有機ポリマー表面を有する基材を提供すること、及び 熱物質移動印刷を使用して、マーキング材を前記放射硬化コーティングに適用
    すること、 を含む、表示物品の製造方法であって、 ガソリンで5サイクルにわたって前記マーキング材を拭いたときに、このマー
    キング材が実質的に除去されない、 表示物品の製造方法。
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