JP2002539659A - 高電力効率のラインドライバ - Google Patents

高電力効率のラインドライバ

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JP2002539659A JP2000604519A JP2000604519A JP2002539659A JP 2002539659 A JP2002539659 A JP 2002539659A JP 2000604519 A JP2000604519 A JP 2000604519A JP 2000604519 A JP2000604519 A JP 2000604519A JP 2002539659 A JP2002539659 A JP 2002539659A
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デラノ・ケーリー・エル.
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 フィードバックループ内に周波数選択回路網(402−0〜402−(n−1))を備えた信号処理回路(400)を開示する。この周波数選択回路網(402−2〜402−(n−1))には、フィードバックループ内のアナログ−アナログ変換器(408)が結合されている。連続時間フィードバックパス(406)は、アナログ−アナログ変換器(408)の出力端子から周波数選択回路網(402−2〜402−(n−1))へとフィードバックを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
本発明は、忠実度の高い信号増幅を高い電力効率で提供するための信号処理技
術に関する。本発明は、特に、例えば電力供給の遷移等を伴うG級増幅器を含む
あらゆる級の増幅器において歪みを低減させて、低歪みの出力信号を提供するた
めの技術を提供する。
【0002】 電子増幅器およびラインドライバにおける電力効率の向上が、一般に望まれて
いる。通信において、ラインドライバは、例えば加入者回線である銅線等の物理
インターフェース上で電子通信信号またはデータ通信信号をドライブするために
使用される。オーディオ/工業アプリケーションにおいても同様に、電子増幅器
は、スピーカまたは他の電気的負荷を駆動するために使用される。電力の転送効
率は、特に、高ピーク/平均電力比によって特徴付けられており、例えば銅製の
加入者回線の駆動または高忠実度拡声器の駆動等のアプリケーションにおける重
要な設計事項の1つである。このようなアプリケーションでは、出力電力が数百
ミリワットから数十ワットひいては数百ワットに亘って変化することは珍しくな
い。また、このような用途においては、負荷に伝達される平均電力をピーク電力
が大きく上回っており、高ワット損の期間がドライバまたは増幅器の動作時間の
比較的小さい割合しか占めないのが通常である。そして、ピーク電力が、回路動
作の大部分の期間で出力電圧の揺れ(swing)を大きく上回る場合であっても、
信号の信頼度を高く(または歪みを小さく)維持するためには、ピークワット損
の期間中における供給電圧を、出力電圧の揺れを上回る充分な大きさにしなくて
はならない。したがって、回路は、出力電圧の揺れが比較的小さい期間すなわち
ほどんどの期間で非常に低効率である。これは、供給している電圧が必要以上に
大きいためである。
【0003】 出力信号の歪みを許容範囲内に維持するために、予測される最大出力電圧の揺
れよりかなり高い電圧値が供給電圧として設定されるので、電力効率はさらに低
下する。逆に言えば、増幅器の出力電圧が供給されている電源電圧に近づくのに
伴って、信号の歪みは大幅に増加する傾向にある。その結果、ほとんどの回路設
計者は、予測されるピーク出力電圧の揺れに対して20%またはそれ以上の供給
電圧を採用する傾向にある。
【0004】 ピーク/平均電力比が5であるアプリケーションが非効率的であることは、教
示的な一例である。伝送される平均電力が50オームの負荷に対して200mW
である場合、出力電圧のRMS値は3.162ボルトで、平均ピーク値は1.4
142*3.162=4.47ボルトである。つまり、出力信号は、ほどんどの
期間は±4.47ボルトの範囲内で揺れる。ピーク/平均比が5であるというこ
とは、出力電圧が5*3.162=15.81ボルトまで揺れられることを意味
している。ピークワット損の期間中における歪みを適切な低さに維持するために
は、このようなピーク出力電圧として±15ボルトの供給を採用すると良い。こ
の結果、200mWを負荷に伝送するために800mWを超えるワット損が生じ
る。したがって、このような構成では、設計の優れたAB級の増幅器ですら20
%未満の効率でしか動作することができない。
【0005】 D級増幅器すなわちスイッチング増幅器は、電力効率の問題に対処したもので
あるが、特に出力信号の揺れが供給電圧に近づくにつれて、信号の歪みが類似の
アナログ増幅器のそれを上回るという特徴を有する。また、このような増幅器は
、電磁干渉(EMI)による劣化を特に生じ易い。スイッチング増幅器は、米国
カリフォルニア州サンタクララ市所在のトライパステクノロジー社によって開発
されたものであり、スイッチング増幅器の技術を改良することによって、高忠実
度のアナログ増幅器に匹敵する歪みレベルの出力信号を生成する。このようなス
イッチング増幅器の一例が、1998年7月7日に発行された米国特許第5,7
77,512号「オーバーサンプルおよびノイズシェーピングされた混合信号を
処理(oversampled, noise-shaping, mixed signal processing)する方法およ
び装置」に記載されており、この文献を引例として本明細書で参照するものとす
る。
【0006】 しかしながら、スイッチング周波数がオーディオの帯域幅を大きく上回る場合
、上記参考文献の改良スイッチング増幅器によるオーバーサンプリングは、スイ
ッチングロスが電力効率のゲインを下回る結果を生じる。つまり、ISDNや帯
域幅が30kHz〜1.2MHzの範囲にある種々のXDSLの標準的な通信ア
プリケーションでは、スイッチングアプリケーションの出力デバイスのスイッチ
ングロスが許容できないほど大きい。これは、オーバーサンプリングに依存し、
標準的なスイッチング技術よりさらに高いスイッチング率を有するスイッチング
技術において、特に顕著である。
【0007】 ピーク/平均比が高いアプリケーションの電力効率を改善する方法の1つとし
て、出力信号がアナログ信号であるという性質を維持するいわゆるG級増幅器が
使用されてきた。エスジイエス・トンプソン(SGS Thompson)は、
この級の増幅器をオーディオアプリケーションに採用しており、図1にその一例
を示した。動作中、増幅器102は、2つの異なる供給電圧±5Vおよび±15
Vのいずれかに接続される。出力ピーク信号が約4.3V未満である場合は(ツ
ェナーダイオード104の電圧に依存する)、ダイオード112を介して±5V
の電源が増幅器102に接続される。出力ピーク信号がツェナーダイオード10
4のツェナー電圧より低い5ボルトを超える場合は、NPNトランジスタ108
を介して±15V電源が増幅器102に接続される。つまり、出力信号が一定の
レベルより低い場合、増幅器102は、ダイオード112および114を介して
±5V電源に接続される。出力電圧が充分な大きさまで増加すると、増幅器10
2は±15V電源に接続される。
【0008】 図1に関連して説明した電力供給のスイッチング技術によって、G級増幅器は
、信号がどれ位の頻度で電圧を5V電源に切り換えられるかに依存して、様々な
程度で電力効率を向上させることができる。通過する信号が一定の閾値を超える
DC信号でない限り、G級増幅器の平均効率は、AB級増幅器のそれよりも常に
高い。しかしながら、残念なことに、電源装置から伝達され回路にカップリング
されたノイズが原因で、出力信号の歪みは、電力効率が改善されるのに伴って増
加する。このカップリングノイズは、増幅器/出力ステージの非線形性によって
他の周波数に混合されることもある。通信アプリケーションでは、信号の歪みが
増加するとビット誤り率が増加する。オーディオアプリケーションでは、歪みが
増加すると音質が大きく低下する。したがって、信号がけ歪まないように維持し
なければならないアプリケーションにとっては、電力効率の改善にも拘らず、標
準的なG級増幅器は使用することができない。
【0009】 線形増幅器の設計におけるもう1つのトレードオフの関係は、バイアス電流対
線形性に関するものである。一般に、バイアス電流が高いほど出力の線形性が増
す。反対に、電力効率の改善とともにバイアス電流を減らすと、負荷が減少する
のに伴って歪みが増す。これは、例えばA級、AB級等の様々な級の増幅器の設
計に見られ、充分な資料による裏付けを有する一般的なトレードオフの関係であ
る。
【0010】 したがって、ほとんど歪みのない出力信号を生成できかつ高電力効率の増幅器
の回路構成(トポロジ)を、例えば、通信アプリケーション、高忠実度のオーデ
ィオアプリケーション、および高ピーク/平均比のあらゆるアプリケーションに
おいて使用するために提供することが望まれている。
【0011】
【発明の概要】
本発明にしたがって、例えばA級、B級、AB級、C級、D級、E級、F級、
G級、H級を含むあらゆる級の増幅器の性能向上に使用できる改良増幅器のトポ
ロジを提供する。本発明による増幅器のトポロジでは、ノイズの波形整形(シェ
−ピング)の技術を利用することによって、高電力効率を維持するとともに、出
力信号の歪みを同等の標準的な増幅器のそれより大幅に低減させる。本発明によ
る増幅器は、歪みフィルタとともにフィードバックループ内に構成されている。
歪みフィルタは、増幅器の出力からの連続時間フィードバックを利用することに
よって、増幅ステージへの入力のノイズ特性を整える。歪みフィルタによって提
供されるノイズの波形整形によって、上述したバイアス電流と歪みとのトレード
オフの関係が解決される。すなわち、歪みフィルタによって歪みの程度が非常に
低くなるので、所定の線形性を維持しながらバイアス電流を低減させることがで
き、それに応じて電力効率を改善することが可能になる。
【0012】 特定の実施形態では、歪みフィルタは、適切なフィードバック係数によって基
準化された連続時間フィードバックをそれぞれ受け取る1つまたはそれ以上の積
分器(または共振器)のステージを備える。フィードバック係数を適切に選択す
ることによって、フィードバックループのフォワード伝達関数が、対象となる周
波数帯にある増幅器の増幅ステージのゲイン値に等しくなる。その結果、同じ帯
域内での歪みが大きく減衰する。
【0013】 したがって、本発明により、フィードバックループ内に周波数選択回路網を含
んだ信号処理回路が提供される。フィードバックループ内のアナログーアナログ
変換器は、この周波数選択回路網に結合されている。連続時間フィードバックパ
スは、アナログーアナログ変換器の出力端子から周波数選択回路網へとフィード
バックを提供する。
【0014】 本発明の特定の実施の形態では、周波数選択回路網は、複数のステージを有し
た歪みフィルタを備える。さらに特定のベースバンドの実施形態では、歪みフィ
ルタの複数のステージは複数の積分器である。バンドパスフィルタを用いた代替
の実施形態では、複数のステージは複数の共振器である。
【0015】 上述したように、本発明は、様々な級の増幅器/ドライバとともに利用するこ
とができる。したがって、アナログ−アナログ変換器は、各実施形態に応じてA
級、AB級、B級、C級、E級、F級、G級、H級の増幅器/ドライバとなる。
【0016】 以下の説明および図面を参照することによって、本発明の特性および利点をさ
らに理解することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の技術は、A級、B級、AB級、C級、D級、E級、F級、G級、H級
を含むあらゆる級の増幅器に適用することができる。先ず、本発明の一般的な実
施形態を説明する。次に、G級増幅器として実装される本発明の一つの実施形態
を説明する。低インピーダンスの負荷に電力を送るために増幅器およびラインド
ライバを使用する場合、歪みを低く抑える設計を行うことは通常困難である。増
幅器およびラインドライバで低インピーダンスの負荷を駆動する例を、図2aお
よび図2bにそれぞれ示した。図2aは、ゲインA=5のオーディオ増幅器20
2が4オームのスピーカを駆動する構成である。図2bは、ゲインA=5のAD
SLラインドライバ(ドライバ212,214)が、有効負荷25オームの負荷
を駆動する構成である。本発明は、このような低インピーダンス負荷の駆動時に
おけるこれらの増幅器およびラインドライバの線形性を改善するための技術を提
供する。
【0018】 図3は、二次の歪みフィルタを伴った改良増幅器/ラインドライバ300を、
本発明の一つの実施形態にしたがって示した図である。歪みフィルタは、ゲイン
要素304−0,304−1,306を介して増幅器300の出力Yからの連続
時間フィードバックを利用する2つの積分器ステージ302−0,302−1を
備える。出力Yにおける歪みは、増幅器/ドライバステージ308からの理想出
力と加算接合点310における歪み項Dとの和としてモデル化されている。この
モデルを使用する場合、出力Yから入力Xおよび出力Yから歪みDへの伝達関数
は、次の式で表される。
【0019】
【数1】
【0020】 ここで、Aは増幅器/ドライバステージ308のゲインであり、aiはフィー
ドバック係数(ゲインステージ304によって表される)であり、sは周波数領
域を表示するためのラプラス演算子である。
【0021】 図4は、一般化されたn次の歪みフィルタを伴った改良増幅器/ラインドライ
バ400を、本発明の一つの実施形態として示した図である。この歪みフィルタ
は、ゲインステージ404−0〜404−(n−1)および406を介して増幅
器400の出力Yからの連続時間フィードバックを利用するn個の積分器ステー
ジ402−0〜402−(n−1)を備える。出力Yにおける歪みは、増幅器ス
テージ408からの理想出力と加算接合点410における歪み項Dとの和として
モデル化されている。このモデルを使用し、瞬間的なフィードフォワードパスを
無視する場合は、出力Yから入力X、および出力Yから歪みDへの伝達関数は、
次の式で表される。
【0022】
【数2】
【0023】 ここで、Aは増幅器ステージ408のゲインであり、aiはフィードバック係
数(ゲインステージ404を表している)であり、sは周波数領域を表示するた
めのラプラス演算子である。
【0024】 上述した各実施形態においては、フィードバック係数aiは、伝達関数Y(s
)/X(s)が対象となる帯域内の増幅器ステージのゲインAと等しくなるよう
に、適切な値が選ばれている。その結果、図5に示すように、対象となる帯域内
での歪み項Dが減衰する。式(1)および(3)が低域通過フィルタの特性を、
式(2)および(4)が高域通過フィルタの特性をそれぞれ記述していることは
明らかだ。したがって、いずれの実施形態においても、標準的な帯域の入力信号
Xは、出力において忠実に再現される。その一方では、出力ステージ(すなわち
増幅器/ドライバステージ308,408)によって持ち込まれ、かつ項Dによ
って表された歪みは、歪みフィルタの高域通過の動作によって削除される。これ
を図示したものが図5であり、図中では、Y/X(式(1)および(3))およ
びY/D(式(2)および(4))の周波数領域特性が重なって示されている。
図示するように、対象となる帯域内において、歪みは大きく減少する。
【0025】 さらにある特定の実施形態によれば、安定化のため、増幅器/ドライバ400
の入力から選択されたステージへのフィードフォワードパスが、ゲイン要素41
2−0〜412−(n−2)を介して形成される。シグマ・デルタ変調技術にお
けるこのようなフィードフォワードパスの使用および効果に関するさらなる情報
に関しては、CandyおよびTemesらによる「Oversampling Delta-Sigma Data Conv
erters, pp 1-25 (IEEE Press, 1992)(オーバーサンプル型デルタ・シグマデー
タ変換)」を参照されたい。この文献全体を、従来技術として本明細書で参照す
るものとする。
【0026】 次に、図6〜9を参照にしながら、本発明によるさらに別の実施形態を説明す
る。本発明で使用される積分器の様々な形態を図6a〜6cに示した。図6aに
は、典型的な積分器602(図3および図4の実装形態で示した積分器だが)が
示されている。図6bは、本発明によるシングルエンデッドな実装形態で使用す
るための構成であって、演算増幅器604と、入力レジスタRと、フィードバッ
クキャパシタCとをベースにしたシングルエンデッド反転積分器の概略図である
。図6cは、本発明による差分増幅タイプの実装形態で使用するため構成であっ
て、演算増幅器604と、入力レジスタRと、フィードバックキャパシタCとを
ベースにしたディフ差分出力反転積分器の概略図である。図6bおよび図6cの
積分器に関連付けられた係数は、ともに1/RCに等しいことがわかる。図3お
よび図4に関連して上述した増幅器/ドライバのトポロジは、これらの積分器の
いずれかを使用して実現することが可能である。
【0027】 次に、差分積分器を使用した本発明による差分増幅出力の実装形態を、図7を
参照にしながら説明する。図7は、三次の歪みフィルタを伴った改良差分増幅器
/ラインドライバ700を、本発明の特定の実施形態にしたがって示した図であ
る。歪みフィルタは、演算増幅器702−0,702−1,702−2と、レジ
スタRと、キャパシタCと、をベースにした3つの差分出力積分器ステージを備
える。これら積分器ステージは、対を成すレジスタ705−0と706−0、7
05−1と706−1、705−2と706−2を介して、増幅器/ドライバス
テージ704の出力からの連続時間フィードバックを利用する。この実装形態に
よって歪みが改善されることは、図3および図4の実装形態で行なった議論から
容易に理解することができる。このような実施形態は、例えば図2bに関連して
上述したADSL加入者回線用のラインドライバとして使用することができる。
【0028】 一つの実施形態として、増幅器/ラインドライバ700の積分器をスイッチキ
ャパシタとともに実装しても良い。フィードバックパスでは、増幅器/ドライバ
ステージ704の性質とキャパシタの切り換え速度とに依存し、エイリアス除去
(anti-aliasing)フィルタ(例えば低域通過フィルタ)を用いても用いなくて
も良い。すなわち、出力ステージ704に顕著なむらが導入されない場合、ある
いは出力ステージの非線形性によって生成される非線形項を排除できる充分な速
さでキャパシタが切り換えられる場合には、エイリアス除去フィルタは不要であ
る。
【0029】 図8aおよび図8bは、入力信号Xが5MHzの帯域幅を有する場合、図7の
実施形態での歪みの減衰の様子を示したグラフである。この実施形態では、積分
器ステージの係数は、0〜1.2MHzの帯域では最も平坦な特性を示し、この
帯域より高い周波数領域では、周波数が10倍(decade)になるたびに−
60dB減衰するように、すなわちバターワースフィルタとなるように選択され
ている。この実施例において、ラインドライバステージ704のゲインは5に設
定されている。図中、増幅器/ドライバ700の出力Yから入力Xへのレスポン
ス曲線が実線で表され、出力Yから歪みDへのレスポンス曲線が点線で表される
。図5に関連して上述したように、帯域内における歪みの改善はこれら2つの曲
線の差によって表される。
【0030】 図8bは、5MHzの帯域における本発明の歪みフィルタによる歪みの改善を
示した図である。この実施例において、増幅器/ドライバステージ704は、本
発明の歪みフィルタがない状態で上記帯域に亘って−40dBの歪み(実線80
2)で動作するように構成されている。本発明による歪みフィルタ、すなわち図
7の積分器ステージを導入すると、1.2MHzにおいて、−40−36dB、
すなわち−76dBだけ改善することができる(これを点線804で表した)。
【0031】 上述したように、本発明による歪みフィルタは、様々な級の増幅器/ドライバ
の歪み性能を向上させるために利用することが可能である。図9a〜9cは、各
構成のG級増幅器/ドライバに対して増幅器/ドライバの実装形態の例を示した
図である。図9a〜9cの各図において、同じ符号で示された要素は、図4に関
連して上述した要素と同じ機能および動作を有する。図9aの増幅器900は、
n次の歪みフィルタを利用しており、簡略化されたG級増幅器/ドライバ920
をベースにしている。図9bの増幅器900’は、n次の歪みフィルタを利用し
ており、3種類の電力供給すわなち±5ボルト、±9ボルト、±15ボルトの間
で切り換えられる(G級に類似した)新しい級の増幅器/ドライバ930をベー
スにしている。図9cの増幅器900”は、n次の歪みフィルタを利用しており
、最小限の遷移パルス電圧(グリッジ)で、±15ボルト電源への接続および非
接続を行なうトランジスタを演算増幅器で駆動するG級増幅器ドライバ940を
ベースにしている。
【0032】 図10は、共振器ベースの周波数選択回路網1002を備えた増幅器/ドライ
バ1000の実施形態を示している。共振器ベースの回路網1002は、ノイズ
整形された信号を比較器1004に送信する。この比較器1004は、様々な実
施形態が可能であり、クロック(点線の矢印で示した)に同期して動作するタイ
プでも非同期のものでも良い。比較器1004からのデジタル出力は、前駆動回
路(pre-drive circuitry)1006によって処理され、アナログ出力信号で負
荷1010を駆動する増幅器/ドライバステージ1008によって増幅される。
アナログ出力信号による連続時間フィードバックは、フィードバックパス101
2を介し、増幅器/ドライバステージ1008の出力から共振器ベースの周波数
選択回路網へと供給される。増幅器/ドライバステージ1008は、各実施形態
が可能であり、E級またはF級の増幅器/ドライバを備えて良い。
【0033】 ここでは、特定の実施形態を用いて本発明の説明を行なっているが、当業者に
は理解できるように、ここで開示された実施形態の形態および詳細は、本発明の
趣旨または範囲を逸脱しない範囲内で変更することが可能である。つまり、上述
したように、本発明は、様々な級の増幅器/ドライバとともに利用することが可
能である。この点を強調するため、一般化された実施形態を図11に示した。図
11の増幅器/ドライバ1100は、非線形アナログーアナログ変換器1104
を備えたフィードバックループ内に周波数選択回路網1102を備えている。オ
プショナルな出力フィルタ1106は、負荷1108に出力信号を送信する。周
波数選択回路網1102には、フィードバックパス1110を介してアナログ−
アナログ変換器1104の出力から連続時間フィードバックが提供される。
【0034】 特定のベースバンドまたは低域通過の特性を有する実施形態にしたがうと、周
波数選択回路網1102は、図4、図6、図7に関連して上述したように、積分
器をベースにしたn次の歪みフィルタを備える。他の帯域通過フィルタの実施形
態によると、周波数選択回路網は、例えば共振器をベースにしたn次の歪みフィ
ルタを備える。
【0035】 ここでやはり重要なのは、アナログーアナログ変換器1104がゲインを有す
る場合、点線のフィードバックパス1112で表されるように、同変換器を周波
数選択回路網の最終ステージとして動作させることが可能である点である。すな
わち、アナログーアナログ変換器1104は、周波数選択回路網1102の非線
形ステージとして、それ自身の「フィードバック修正」の機能と共に動作するこ
とができる。図4に関連して上述したベースバンドの実施形態において、フィー
ドバックパス1112は、例えば増幅器/ドライバ408を挟んだキャパシタで
あっても良い。フィードバックキャパシタは、非線形性を素早く調整し、非線形
性が低周波数域に混入する前に修正することができるので、(非線形性の程度に
よっては)このような構成の方が望ましい。
【0036】 もう1つ注意するべき点は、増幅器/ドライバ1100の周波数選択回路網1
102が、例えば演算増幅器と同じようなスルーレートに関する制約を受けない
ことである。つまり、演算増幅器の場合は、ステップ入力が導入されると機器内
における固有な制約が原因でスルーイングを生じる。反対に、本発明による周波
数選択回路網は、ステップ入力が導入された場合であっても、スルーイングより
も例えばRCレスポンス等の線形の伝達関数を維持するように構成されている。
これは、本発明の方が従来の演算増幅器回路よりも不連続性を良く処理できると
いう点で重要である。以上からわかるように、本発明の範囲は、添付の特許請求
の範囲に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 標準的なG級増幅器を表した図である。
【図2a】 オーディオ増幅器を簡単に示した図である。
【図2b】 加入者回線を駆動するADSLラインドライバを簡単に示した図である。
【図3】 二次の歪みフィルタを伴った改良増幅器を、本発明の特定の実施形態にしたが
って示した図である。
【図4】 n次の歪みフィルタを伴った改良増幅器を、本発明の特定の実施形態にしたが
って示した図である。
【図5】 本発明の一つの実施形態にしたがって歪みの減衰を示したグラフである。
【図6a】 理想の積分器を示した図である。
【図6b】 シングルエンデッド出力を伴った演算増幅器RC積分器を示した図である。
【図6c】 差分出力を伴った演算増幅器RC積分器を示した図である。
【図7】 三次の歪みフィルタを伴った改良ADSL差分増幅ドラインドライバを、本発
明の一つの実施形態にしたがって示した図である。
【図8a】 本発明の一つの実施形態における歪みの減衰の様子を示したグラフである。
【図8b】 本発明の一つの施形態における歪みの減衰の様子を示したグラフである。
【図9a】 歪みフィルタを伴って実装される代替のG級増幅器を、本発明による様々な実
施形態にしたがって示した図である。
【図9b】 歪みフィルタを伴って実装される代替のG級増幅器を、本発明による様々な実
施形態にしたがって示した図である。
【図9c】 歪みフィルタを伴って実装される代替のG級増幅器を、本発明による様々な実
施形態にしたがって示した図である。
【図10】 本発明の特定の実施形態にしたがって設計された共振器ベースの増幅器/ライ
ンドライバを示した図である。
【図11】 本発明による一般化された実施形態を示したブロック図である。
【符号の説明】
102…増幅器 104…ツェナーダイオード 108…NPNトランジスタ 112,114…ダイオード 202…オーディオ増幅器 212,214…ドライバ 300…増幅器 302−0,302−1…積分器ステージ 304−0,304−1…ゲイン要素 306…ゲイン要素 308…増幅器/ドライバステージ 310…加算接合点 400…改良増幅器/ラインドライバ 402−0〜402−(n−1)…積分器ステージ 404−0〜404−(n−1)…ゲインステージ 406…ゲインステージ 408…増幅器ステージ 410…加算接合点 412−0〜412−(n−2)…ゲイン要素 602…積分器 604…演算増幅器 700…改良差分増幅器/ラインドライバ 702−0,702−1,702−2…演算増幅器 704…増幅器/ドライバステージ 705−0,706−0…1対のレジスタ 705−1,706−1…1対のレジスタ 705−2,706−2…1対のレジスタ 900,900’,900”…増幅器 920…簡略化されたG級増幅器/ドライバ 930…新しい級の増幅器/ドライバ 940…G級増幅器/ドライバ 1000…増幅器/ドライバ 1002…共振器ベースの回路網 1004…比較器 1006…前駆動回路 1008…増幅器/ドライバステージ 1010…負荷 1012…フィードバックパス 1100…増幅器/ドライバ 1102…周波数選択回路網 1104…非線形アナログ−アナログ変換機 1106…オプショナルな出力フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 デラノ・ケーリー・エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア州95148 サン・ホセ,フェアウェイ・グリーン・ サークル,1531 (72)発明者 トリパチ・アディア・エス. アメリカ合衆国 カリフォルニア州95148 サン・ホセ,グレン・キーツ・コート, 2855 Fターム(参考) 5J090 AA01 AA02 AA41 AA67 CA21 CA36 FA17 GN06 HA08 HA17 HA19 HA20 HA25 HA29 HA39 KA01 KA13 KA17 KA31 KA42 KA44 KA46 KA49 KA62 MA08 MA11 MA25 MN01 MN02 NN12 SA05 TA01 TA03 5K029 AA04 AA13 CC01 EE01 LL01 LL03

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号処理回路であって、 フィードバックループ内の周波数選択回路網と、 前記周波数選択回路網に結合され、出力端子を有する前記フィードバックルー
    プ内のアナログーアナログ変換器と、 前記アナログーアナログ変換器の出力端子から前記周波数選択回路網への連続
    時間フィードバックパスと を備える信号処理回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記周波数選択回路網は複数のステージを有する歪みフィルタである信号処理
    回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の信号処理回路であって、 前記歪みフィルタの前記複数のステージは複数の積分器である信号処理回路。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の信号処理回路であって、 前記歪みフィルタは2つのステージを備える信号処理回路。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の信号処理回路であって、 前記歪みフィルタは3つのステージを備える信号処理回路。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の信号処理回路であって、 前記歪みフィルタはバターワースフィルタである信号処理回路。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の信号処理回路であって、 前記歪みフィルタの前記複数のステージは複数の共振器である信号処理回路。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はA級の増幅器である信号処理回路。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はAB級の増幅器である信号処理回路。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はB級の増幅器である信号処理回路。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はC級の増幅器である信号処理回路。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はE級の増幅器である信号処理回路。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はF級の増幅器である信号処理回路。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はG級の増幅器である信号処理回路。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はH級の増幅器である信号処理回路。
  16. 【請求項16】 請求項2記載の信号処理回路であって、 前記連続時間フィードバックパスは、前記歪みフィルタの前記複数のステージ
    の各ステージの係数を決定する複数のフィードバック要素を備える信号処理回路
  17. 【請求項17】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記連続時間フィードバックパスはスケーリング要素を備える信号処理回路。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の信号処理回路であって、 前記アナログーアナログ変換器はさらに入力端子を備え、前記回路はさらに前
    記出力端子から前記入力端子への第2の連続時間フィードバックパスを備える信
    号処理回路。
  19. 【請求項19】 信号処理回路であって、 複数の積分器ステージを備えた、フィードバックループ内の周波数選択回路網
    と、 前記周波数選択回路網に結合され、出力端子を有する前記フィードバックルー
    プ内のベースバンドアナログーアナログ変換器と、 前記アナログーアナログ変換器の前記出力端子から前記複数の積分器ステージ
    のうち選択されたステージへの連続時間フィードバックパスと を備える信号処理回路。
  20. 【請求項20】 信号処理回路であって、 複数の共振器ステージを備えた、フィードバックループ内の周波数選択回路網
    と、 前記周波数選択回路網に結合され、出力端子を有する前記フィードバックルー
    プ内の帯域通過アナログーアナログ変換器と、 前記アナログーアナログ変換器の前記出力端子から前記複数の共振器ステージ
    のうち選択されたステージへの連続時間フィードバックパスと を備える信号処理回路。
  21. 【請求項21】 デジタル加入者線用のラインドライバであって、 複数のステージを備えた、フィードバックループ内の周波数選択回路網と、 前記周波数選択回路網に結合され、出力端子を有する前記フィードバックルー
    プ内のG級のラインドライバと、 前記G級のラインドライバの前記出力端子から前記複数のステージのうち選択
    されたステージへの連続時間フィードバックパスと を備えるラインドライバ。
  22. 【請求項22】 請求項21記載のラインドライバであって、 前記デジタル加入者線はADSLであるラインドライバ。
  23. 【請求項23】 G級ラインドライバを使用してデジタル加入者線を駆動す
    るための方法であって、 複数のステージを備えた周波数選択回路網で入力信号を受信し、それに応じ、
    フィルタされた信号を生成する工程と、 前記周波数選択回路網からの前記フィルタされた信号を前記G級のラインドラ
    イバで受信し、それに応じ、前記デジタル加入者線を駆動するための駆動信号を
    生成する工程と、 前記複数のステージのうち選択されたステージに、連続時間フィードバックパ
    スを介して前記駆動信号をフィードバックする工程と を備える方法。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の方法であって、 前記デジタル加入者線はADSLである方法。
  25. 【請求項25】 高ピーク/平均比を特徴とする第1の信号を、G級増幅器
    を使用して処理する方法であって、 複数のステージを備えた周波数選択回路網で前記第1の信号を受信し、それに
    応じ、フィルタされた信号を生成する工程と、 前記周波数選択回路網からの前記フィルタされた信号を前記G級の増幅器で受
    信し、それに応じて第2の信号を生成する工程と、 前記複数のステージのうち選択されたステージに、連続時間フィードバックパ
    スを介して前記第2の信号をフィードバックする工程と を備える方法。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の方法であって、 前記第1の信号はADSL信号である方法。
  27. 【請求項27】 高ピーク/平均比を特徴とする第1の信号を処理するため
    の方法であって、 G級の増幅器を使用して前記第1の信号の受信および増幅を行なう工程を備え
    る方法。
  28. 【請求項28】 信号処理回路であって、 少なくとも1つの共振器を備えた、フィードバックループ内の周波数選択回路
    網と、 前記周波数選択回路網に結合された、前記フィードバックループ内の比較器と
    、 前記比較器に結合され、出力端子を有する前記フィードバックループ内の増幅
    器と、 前記増幅器の前記出力端子から前記周波数選択回路網への連続時間フィードバ
    ックパスと を備える信号処理回路。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の信号処理回路であって、 前記比較器はクロックされた比較器である信号処理回路。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の信号処理回路であって、 前記比較器はクロックされていない比較器である信号処理回路。
  31. 【請求項31】 請求項28記載の信号処理回路であって、 前記増幅器はE級の増幅器である信号処理回路。
  32. 【請求項32】 請求項28記載の信号処理回路であって、 前記増幅器はF級の増幅器である信号処理回路。
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