JP2002539175A - 癌細胞において表面に存在するコリジン/Hsp47 - Google Patents

癌細胞において表面に存在するコリジン/Hsp47

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JP2002539175A JP2000604877A JP2000604877A JP2002539175A JP 2002539175 A JP2002539175 A JP 2002539175A JP 2000604877 A JP2000604877 A JP 2000604877A JP 2000604877 A JP2000604877 A JP 2000604877A JP 2002539175 A JP2002539175 A JP 2002539175A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、例えば、癌細胞の表面に発現するコリジン/Hsp47分子およびそのような発現した分子の標識としての、例えば、治療剤または造影剤のための使用に関する。本発明はさらに、そのような表面に存在するHsp47分子の外部領域に特異的に結合するペプチドに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、例えば、癌細胞の表面に発現すると予想されるコリジン/Hsp4
7分子およびその標的としてのそのような予想される分子の使用、例えば治療剤
または造影剤、に関する。本発明はさらに、そのような表面に存在するHsp4
7分子の外部領域に特異的に結合するペプチドに関する。
【0002】 熱ショックタンパク質コリジン/CBP2/Hsp47(本明細書では時とし
てHsp47と呼ぶ)は、コラーゲンに対する分子シャペロンとして作用し得る
。正常な細胞では、Hsp47は、プロコラーゲンの翻訳の初期の合成過程中の
鎖と緊密に会合し、タンパク質を伴って小胞体(ER)からゴルジへ移動し、コ
ラーゲンがそこで解離し分泌され、シャペロンはERヘ戻り再利用される。本明
細書では、意外にも、癌細胞においてHsp47が効率的にERへと回収されず
、むしろ細胞の表面に存在(例えば、細胞表面上へ漏れ出る)することを開示す
る。
【0003】 実施例1および6は、Hsp47が、ヒト口腔扁平上皮細胞腫瘍細胞系、ネズ
ミ上皮細胞系、乳がん細胞系および前立腺癌細胞系を含む数多くの癌細胞系の表
面に存在するが、対照の、非癌細胞では発現しないことを示している。したがっ
て細胞表面に存在するHsp47はマーカーおよび/または癌細胞に対する“ホ
ーミング標的”としてはたらくことができる。実施例2は、少なくとも表面に存
在するHsp47の部分が、例えば、それが細胞内の環境において通常結合する
プロコラーゲンプロペプチドに結合することが可能である。癌細胞を、細胞の表
面に発現したHsp47の可能な部分と特異的に相互作用する物質で処理するこ
とにより、治療剤を効率的に送達することができ、治療効果を達成するのに必要
な用量を減らすことが可能であり;癌細胞またはそれらを含む癌(calcinoma)
または腫瘍(tumor)を非癌細胞のバックグラウンドの上で感度よく検出または
造影することができる。
【0004】 本発明は、細胞表面にHsp47を発現する細胞を調節する方法であって、H
sp47の(少なくとも1つの)外部領域に結合する物質の有効量を細胞に投与
することを含んでなる方法に関する。本発明はさらに、Hsp47が少なくとも
いくつかの癌細胞の表面に発現する癌に罹患している患者を処置する方法であっ
て、Hsp47の外部領域に特異的に結合する物質の有効量を患者に投与するこ
とを含んでなる方法に関する。好ましい態様では、この物質は、Hsp47に特
異的な標的部分と、例えば、薬物または毒性物質である治療部分を含んでなる。
1つの態様では、標的部分は、Hsp47の領域に特異的な抗体、またはその断
片または変異体を含んでなる。別の態様では、標的部分は、Hsp47の外部領
域、例えば、コンセンサスモチーフXHyHyXXHyXXXXHyHy(配列番号1)またはコ
ンセンサスモチーフHyXXXHyHyXXHyXXX(配列番号2)を有するペプチドに特異的
なペプチドを含んでなる。最も好ましい態様では、ペプチドは、配列番号3〜2
5のうちの1つを有する。さらなる態様では、標的部分は、その表面上のバクテ
リオファージが上に開示されたペプチドであるバクテリオファージを含んでなる
【0005】 本発明はさらに、その表面にHsp47を発現する細胞(例えば、癌細胞また
はそのような細胞を含んでなる癌または腫瘍)を検出する診断上の造影方法であ
って、その細胞を、Hsp47の外部領域に特異的に結合する標的部分および検
出可能な標識(検出可能な部分)(例えば、MRI、X線、ガンマシンチグラフ
ィ、CTスキャンなどによって検出可能な標識)を含んでなる物質と接触させる
ことを含んでなる方法に関する。標的部分には、例えば、抗体、ペプチドまたは
上記のバクテリオファージが含まれる。
【0006】 本発明はさらに、Hsp47が少なくともいくつかの癌細胞の表面に発現する
癌に対して特異的に結合する物質をスクリーニングする方法であって、Hsp4
7の外部領域に特異的に結合する物質を同定することを含んでなる方法に関する
。好ましい態様では、その物質は、患者における癌の処置または患者における癌
を診断するのに有用である。
【0007】 本発明はさらに、Hsp47の外部領域に特異的に結合する標的部分を含んで
なる、癌細胞を検出するためのまたは癌細胞を処置するためのキットに関する。
【0008】 本発明はさらに、Hsp47の外部領域に特異的に結合するペプチドに関する
。好ましい態様では、このペプチドは、コンセンサスモチーフXHyHyXXHyXXXXHyH
y(配列番号1)またはコンセンサスモチーフHyXXXHyHyXXHyXXX(配列番号2)
を含む。好ましい態様では、ペプチドは配列番号3〜25のうちの1つである。
【0009】 Hsp47を表面に発現するいずれかの種類の細胞は、本発明の方法により調
節、処置および/または検出することができる。好ましい態様では、細胞は癌細
胞である。本明細書において使用される用語「癌」は、いくつかの部位、例えば
皮膚、基底細胞、大腸、肺、結腸、胸部、膀胱、口腔、頭部および頚部、喉頭、
鼻咽頭、副腎皮質、アポクリン腺、排泄腔、胎細胞、腎臓、肝臓、膵臓または前
立腺のいずれか上皮組織に由来する様々なタイプの悪性新生物のいずれかを意味
する。本明細書において使用される用語「癌細胞」は、個々の細胞としてかまた
は組織の状態で、いずれかの進行段階の癌、腫瘍、転移(微小癌組織の転移を含
む)などとして存在するが、インビボまたはインビトロの癌細胞に適用する。
【0010】 肉腫細胞もまた本発明に包含される。本発明において使用される用語「肉腫」
は、中胚葉細胞の増殖によって形成したいずれかの結合組織新生物を意味する。
多くのタイプの肉腫のうち、本発明に包含されるものは線維肉腫、横紋筋肉腫、
神経線維肉腫および骨肉腫である。本明細書において使用される用語「肉腫細胞
」は、個々の細胞としてかまたは組織の状態で、いずれかの進行段階の肉腫、腫
瘍、転移(微小癌組織の転移を含む)などとして存在するが、インビボまたはイ
ンビトロの肉腫細胞に適用される。特にHsp47の発現に関連して、肉腫細胞
を試験するための方法は、例えば、Morino et al,(1997), In Vivo 11, 261−
4;Morino et al,(1997), In Vivo 11,17−21;Shirakami et al(1995), In
Vivo 9, 513−8;Shirakami et al(1995), In Vivo 9, 509−12;Morino et
al,(1995), In Vivo 9, 503−8;およびMorino et al, (1994), In Vivo 8,
285−8に開示されている。
【0011】 癌細胞に関連して本明細書において開示されている方法および物質は、もちろ
ん、Hsp47の表面発現を有するいかなる細胞およびそのような発現に伴うな
んらかの生理学的または病理学的状態に対しても適用可能である。
【0012】 Hsp47は、クローニングされているおよび/または、例えば、ニワトリ(
Hiroyashi et al.(1991). Mol.およびCell Biol. 11、4036−4044);マウス
(Takechi et al.(1992). Eur. J. of Biochem. 206、323−329);およびヒ
ト(例えば、Nakamura、accession number #D83174 in the DDJB/EMBL/GenBank
databases;Ikegawa et al.(1995). Cytogenet. 細胞 Genet. 71、182−186
);およびJain et al.(1994). Arch. Biochem. & Biophys. 314、23−30)を
含む、数多くの生物から配列が決定されている。
【0013】 本明細書において使用される用語「Hsp47」は、例えばいずれかの哺乳類
、好ましくはヒト、の供給源に由来する、野生型のHsp47またはその変異体
を包含する。Hsp47の「変異体」は、例えば、そのタンパク質の内部または
外部領域における、保存的または非保存的な、いずれかの挿入、欠失、突然変異
型または置換であって、そのような変化によって、本明細書において定義した標
的部分に対して外部領域の結合は実質的には変化しない。「保存的置換」は、Gl
y、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;およびPhe
、Tyrなどの組み合わせを意味する。変異体、例えば、相同体、類縁体、ムテイ
ンおよび模擬体(ミモトープ)も含まれる。翻訳後修飾を含む、多くのタイプの
タンパク質修飾が含まれる。例えば、米国特許第5,935,835号に開示された修飾
を参照。野生型のHsp47と正常に会合しないが、外部領域は本発明の標的部
分に特異的に結合することができる特性を有するように修飾されたHsp47分
子が包含される、
【0014】 細胞表面に発現した(例えば、局在した、存在した)Hsp47に結合するこ
とができる物質は、任意の長さの、いずれかのHsp47分子の部分または断片
の1またはそれ以上に結合することができる。そのような可能な配列は、本明細
書では、Hsp47タンパク質の「外部領域」と呼ぶ。
【0015】 Hsp47の外部領域に「特異的に結合する」(特異的な;優先的に結合する
)物質または部分は、細胞の検出を可能にする、またはそれを調節する(例えば
、治療応答を引き出す)のに十分な時間および量で、それと相互作用するか、ま
たはそれとの物理学的会合を形成するかもしくは受ける。「特異的」または「選
択的に」は、その物質が高い親和性、例えば、Hsp47の外部領域に対する細
胞表面に存在する他の分子よりも高い選択性を意味する。同様に、特定のタイプ
の細胞、例えば癌細胞、に特異的に結合する物質または部分は、そのようなタイ
プの細胞に対して正常な(例えば、非癌)細胞に対するよりも高い親和性を有し
、その結果その結合によって癌細胞が検出され、正常細胞のバックグラウンドか
ら区別されおよび/または治療部分と癌細胞との接触が可能にであるが、非癌の
付近にたいしては、(有意な程度まで)接触は可能ではない。親和性または特異
性の程度は、様々な常套手段のいずれか、例えば、競合結合試験、によって測定
することができる。例えば、Czerwinski et al.(1998)Proc. Nat. Acad. Sci.
95、11,520−11、525およびMoe et al.(1998). Phar. Res. 23、31−38を参
照。Hsp47の外部領域に特異的に結合する物質の一部分は、「標的部分」、
「部位特異的巨大分子」、「リガンド」または「アフィニティーリガンド」と呼
ぶこともある。
【0016】 Hsp47の外部領域に特異的に結合する物質または部分は本発明に包含され
る。
【0017】 標的部分の1つのタイプには、Hsp47の外部領域に特異的に結合する抗体
が含まれる。本明細書において使用される用語「抗体」は、ポリクローナルまた
は、好ましくはモノクローナル抗体であるか、またはポリクローナルまたはモノ
クローナル抗体の(任意のサイズの)断片、例えば、Fv、Fab'、Fab、F(ab')2 、Fab'Fcなどを意味する。1本鎖の抗体もまた本発明に包含される。任意の形態
の免疫グロブリン、例えば、免疫グロブリンA、D、E、GまたはMが含まれる。インタ
クトな(例えば、IgG 分子)、少なくとも2つの抗原に対する特異性を有する2
価のまたは他価の抗体または1価の抗体断片を用いることを望んでもよい。本発
明の抗体は天然の供給源、リンパ腫ハイブリドーマなどから単離することができ
、またはそれらを合成および/または組換え法により製造することができる。そ
れらは、例えば、Jones et al.(1986). Nature 321,522;Riechmann et al.(
1988). Nature 332、323 ;Verhoyen et al.(1988). Science 239,1534;Car
ter et al.(1992). Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89、4285;Sandhu(1992).
Crit. Rev. Biotech. 12,437;およびSinger et al.(1933). J. Immunol. 15
0,2844に記載されているような、慣用の、当分野において認識されている手段を
用いて部分的にまたは完全にヒト化することができる。
【0018】 必要な選択性および/または親和性を示す抗体をスクリーニング、単離、精製
、操作などするための方法は、当分野において慣用的で常套的なものであって、
例えば、米国特許第4,196,265号;Roitt I.,(1994). Essential Immunology,
Blackwell Scientific Publications,London;Coligan et al.,Current Proto
cols in Immunology;Barnes et al.,in Methods in Molecular Biology,Vol.
10,pages 79−104(Humana Press 1992);Harlow et al.,Antibodies: A La
boratory Manual,page 726(Cold Spring Harbor Pub. 1988);およびCurrent
Protocols in Immunology;Edited by John E. Coligan et al.,John Wiley &
Sons,Inc.に開示されている。
【0019】 別のタイプの標的部分は、Hsp47の外部領域に特異的に結合するペプチド
を含む。そのようなペプチドは、検出可能な物質の形成または治療応答の生成が
可能なように、Hsp47の外部領域に対し特異的に結合に効果的な、任意のサ
イズまたはアミノ酸組成物であってよい。好ましい態様では、このペプチドは、
完全長のコラーゲンでなく、天然に存在するコラーゲンまたはその断片ではない
。好ましい態様では、このペプチドは約90アミノ酸未満、例えば、約80、7
0、60、50、40、30、20または10アミノ酸、最も好ましくは約12
〜16アミノ酸である。本発明はさらに、より大きなポリペプチド、例えば、完
全長プロコラーゲンと同じ長さであり、但し、検出可能な物質の形成または治療
応答の生成が可能なようにポリペプチドがHsp47の外部領域を結合し得うる
ポリペプチドを包含する。
【0020】 ペプチド(または他の目的の物質)が表面発現したHsp47分子であるかど
うかを測定するための方法は、当分野において慣用的で常套的なものである。例
えば、Takemoto et al.(1992). Arch. Biochem.およびBiophys. 296、323−32
9;Altemeyer et al.(1996). International J. of Cancer 69、340−349;Fe
rrarini et al.(1992). International J. of Cancer 51、613−619;Ullrich
et al.(1986). Proc. Natl. Acad. Sci. 83、3121−3125; Vanburskirk et
al.(1989). J. Exp. Med. 170、1799−1809;Freedman et al.(1992). J. o
f Neuroimmunology 41、231−238;Sauk et al.(1997). Connect. Tissue Res
. 37、105−119);および米国特許第5,932,478号. Such methods include、例
えば、detection of an agent which is tagged、directlyまたはindirectly、w
ith a fluorescent label by immunofluorescence microscopy、including conf
ocal microscopy,またはby flow cytometry(FACscan);detection of a radio
actively labeled agent by autoradiography;electron microscopy;immunost
aining;subcellular fractionationなどを参照。実施例1および6ではいくつ
かの典型的な方法を説明する。
【0021】 細胞内のHsp47および/またはその単離されたタンパク質と相互作用する
数多くのペプチドまたはペプチド配列が同定されている。これらのペプチドには
、例えば、アンチプロペプチド抗体 SP1.D8(Hu et al.(1995). J. of Cellul
ar Biochemistry 59、350−367)によって特徴づけられるプロコラーゲンの領域
;α1(I)−鎖の残基23〜151、特に残基K23〜108の間のプロコラ
ーゲンのN−プロペプチド領域;プロコラーゲンのGly−Xaa−Yaa配列[ここで
XおよびYは独立に任意のアミノ酸;コラーゲンの(Pro−Pro−Gly)n モデル
配列;およびゼラチンの部分(Nagata et al.(1988). Biochem. Biophys. Res
. Comm. 153、428−434)が含まれる。そのようなペプチドまたは変異体、模擬
体(ミモトープ)、ムテイン、類縁体またはその断片は、Hsp47の外部領域
と特異的に相互作用するそれらの能力について容易に試験することができ;およ
び強くおよび/または選択的に結合するものは本発明の標的部分として使用する
ことができる。
【0022】 「変異体」は、保存的または非保存的に関わらず、挿入、欠失、突然変異体ま
たは置換を意味し、そのような変化によってHsp47の外部領域に対するペプ
チドの結合が実質的に変化しない。変異体の種類には、Hsp47分子を引用し
て本明細書に記載されたものが含まれる。修飾ペプチドのうち、本発明に含まれ
れるものは、常套的で慣用的な手段により製造することができるペプチド模擬体
である。例えば、al−Obeidi et al.(1998). Mol. Biotechnol. 9、205−23;
Kieber−Emmons et al.(1997).Curr. Opin. Biotechnol. 8、435−41;Bowdit
ch et al.(1996)Blood 88、4579−4584;およびPartidos et al.(1997)Immu
nology Letters 57、113−116を参照。
【0023】 そのような結合係数を測定/親和力を測定する方法は当分野において慣用的な
ものである。例えば、Blond−Elguindi et al.(1993)Cell, 717−728を参照。
好ましい態様では、Hsp47に対するペプチドまたはペプチド領域の結合定数
(親和力)が15〜45μm;最も好ましくは、結合定数が20〜30μmであ
る。
【0024】 表面発現したHsp47(外部領域)に特異的におよび/または強力に結合す
ることができるペプチドを同定する技術は、アフィニティーパンニングと組み合
わせたバクテリオファージディスプレー(ファージディスプレー)である。例え
ば、Smith et al.(1993). Methods Enzymol. 217、228−57;Smith et al.(
1995). J. Biol. Chem. 270、18,323−328;Kitamura et al.(1992). Cell 6
9、823−831;Burkhardt et al.(1991). Proc. Natl. Acad. Sci. 88、7410−
7414;Pasqualini et al.(1996). Brazilian J. of Med. & Biol. Res. 29、1
151−1158 ;Pasqualini et al.(1996). Molecular Psychiatry 1、423;Ruos
lahti(1996). Ann. Rev. of Cell & Developmental Biology 12、697−715;
Ruoslahti(1997). Kidney International 51、1413−1417;Hutchcroft et al
.(1992). J. Biol. Chem. 267、8613−8619;およびBorst et al.(1993). I
mmunological Reviews 132、49−84を参照。そのうち使用することができるファ
ージのタイプは、1本鎖の線状ファージである。例えば、fd、F2、F5、M13、お
よびその変異体。簡潔に言えば、選択された長さの一組のランダムペプチド(例
えば、7−merまたは12−mer)をバクテリオファージ中へクローニング
しその表面にディスプレーし、表面発現したHsp47を有する細胞に選択的に
結合するファージを選択した後、1またはそれ以上の選択のサイクルを行なう。
【0025】 そのようなパンニングの説明は実施例5に示す。この実施例において同定され
たファージディスプレイされたペプチドは、通常、いずれかのモチーフXHyHyXXH
yXXXXHyHy(配列番号1)またはコンセンサスモチーフHyXXXHyHyXXHyXXX(配列
番号2)[式中、Xは独立に任意のアミノ酸であり、Hyは独立に任意の疎水性
アミノ酸である]を含んでいる。好ましい態様では、疎水性アミノ酸大きなアミ
ノ酸、例えば、W(Trp)、L(Leu)またはF(Phe)である。そのうちコンセンサ
スモチーフ配列番号1を有するペプチドは、表1に示された配列番号3〜配列番
号13の配列を有するものである。これらのペプチドは、主として疎水性ペプチ
ドとして特徴付ることができる。
【表1】 主な疎水性ペプチド WHWQWTPWSIQP (配列番号3) WHYPWFQNWAMA (配列番号4) WHWNGWKYPVVD (配列番号5) FHWPTLYNMYIP (配列番号6) FHWSWYTPSRPS (配列番号7) WHWSYPLWGPLE (配列番号8) NWTLPTAQFAYL (配列番号9) VLIPVKALRAVW (配列番号10) TPQPNMMLRISP (配列番号11) ANFTFFKLMPVS (配列番号12) KVPPALPSPWTS (配列番号13)
【0026】 コンセンサスモチーフ配列番号2を有するペプチドは、表2に示す配列番号1
4〜配列番号25を有するペプチドである。これらのペプチドは、主な疎水性ペ
プチドとして特徴付ることができる。
【表2】 主な疎水性ペプチド GLYMHPPTHTMR (配列番号14) EGRSTLTSLTII (配列番号15) SGAANQPSATSG (配列番号16) KHNEQTFHPKVP (配列番号17) TVLHSLAHQTFI (配列番号18) AQSMDVYSRQPF (配列番号19) NTPTAPWHPGES (配列番号20) RYMNDHKSPTDS (配列番号21) SNAQEDVHDLSS (配列番号22) TPSPNKSTVSPG (配列番号23) KFMQAQAGMTHN (配列番号24) LDSRYSLQAAMY (配列番号25)
【0027】 実施例5において同定された主な疎水性ペプチドは、意外にも、アミノ酸のヒ
ドロパシープロファイル(実施例5の考察を参照)を勘案すれば、主として、コ
ラーゲンのN−プロペプチド領域(残基59〜71)またはC−プロペプチド領
域内の領域に対する(残基1344〜1445)なマップを除いて、Hsp47
に結合すると知られているプロコラーゲンの領域に対する特定の配列同一性を示
さない。主な疎水性ペプチドはまた、一般にプロコラーゲンのらせん領域内の領
域に対するマップを除いて,プロコラーゲンの領域に対する特定の配列同一性は
示さない。
【0028】 実施例5においてファージディスプレイされた7−merペプチドは、表3に
示す配列番号26〜配列番号62を有するペプチドである。
【表3】 7−merペプチド GITSLLS (配列番号26) FHSGWPQ (配列番号27) TTNYYTN (配列番号28) EPAHRSY (配列番号29) SNAATEY (配列番号30) KLSMTIP (配列番号31) LVNMPTP (配列番号32) SPNPWYG (配列番号33) SLSTTQK (配列番号34) TDTPRRQ (配列番号35) KLTNTVL (配列番号36) NWVPRTN (配列番号37) TATSLQW (配列番号38) KLPNVNS (配列番号39) NVPYVVH (配列番号40) DRFSPMP (配列番号41) HFQPRHH (配列番号42) HSTSTPH (配列番号43) YVASPWQ (配列番号44) FRYDTFP (配列番号45) HNYLNLT (配列番号46) ISQGTTP (配列番号47) EFLPVQL (配列番号48) HNYLNLT (配列番号49) HPSLNKP (配列番号50) HSTSVTQ (配列番号51) YVASWPO (配列番号52) ITVQKNT (配列番号53) VAGNPLQ (配列番号54) FTIPSNL (配列番号55) NVMIKGQ (配列番号56) QKPPPYD (配列番号57) NVPYGVH (配列番号58) AFLPSKL (配列番号59) HFQPRHH (配列番号60) NTSPLEL (配列番号61) DFNYNPL (配列番号62)
【0029】 本発明のペプチドには、本明細書に開示された配列番号、並びにそのペプチド
の両端または一端で、例えば、さらに20アミノ酸程度(例えば、約1、3、6
、9、12、15または18)伸長したペプチドが含まれる。但し、伸長したペ
プチドは、Hsp47の外部領域に対する必要な特異性/結合活性を示す。
【0030】 好ましくは、本発明のペプチドは、「単離された」、例えば、天然に存在する
以外の形態で、例えば、緩衝液中で、再構成のための乾燥状態で、キット等の一
部として、存在する。ある態様では、ペプチドは実質的に精製される。本明細書
において使用される「実質的に精製された」なる用語は、天然の状態で付随する
他のタンパク質、脂質、炭水化物、核酸および他の生物学的物質を実質的に含ま
ないペプチド等の分子を意味する。例えば、実質的に純粋な、ペプチド等の分子
は、乾燥重量で少なくとも60%、好ましくは約70%、80%、90%、95
%または99%の目的の分子であり得る。当業者は、標準的なタンパク質の精製
方法を用いてペプチドを精製することができ、そのペプチドの純度は、例えば、
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(例えば、SDS−PAGE)、カラムクロマトグラ
フィー(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC))、およびアミノ末端ア
ミノ酸配列解析を含む標準的な方法を用いて測定することができる。
【0031】 表面発現したHsp47に対して特異性を示すペプチドが同定されれば、それ
ぞれについて、自由エネルギー計算または他の特性を決定することができ、この
情報を他の作用物質または薬物、例えば、表面発現したHsp47に優先的に結
合する有機化合物、を設計するために使用することができる。このような方法は
慣用的なものである。例えば、Rejyo et al.(1996)Proc. Natl. Acad. Sci. 9
3、8945−8950;Gabius et al.(1998)Phar. Res. 15、23−30;およびSelz et
al.(1998)Biophysical Jol. 75、2332−2343を参照。
【0032】 ファージディスプレー/パンニング技術は本発明において使用されるペプチド
の同定に供するだけでなく、本発明において使用することができるそのようなペ
プチドをその表面に有するバクテリオファージの提供にも供する。即ち、本発明
の標的部分はペプチドを有するバクテリオファージ自身である。そのようなバク
テリオファージは、それが付着する細胞のER内へと容易に内在化されるという
利点を示す。例えば、実施例6参照。
【0033】 本発明の1つの態様では、上記の標的部分は治療部分(例えば、薬物または毒
性物質)を、Hsp47をその表面に発現する細胞(例えば、癌細胞、例えば組
織または腫瘍の一部を構成している細胞)に送達するために使用する。本発明の
治療物質は、好ましくは、標的部分およびそれに付随する治療部分を含んでなる
。治療物質は、細胞をポジティブまたはネガティブに調節することができるが、
その細胞が存する環境(例えば、組織、腫瘍、転移、患者など)に対する正味の
治療効果を有する。「調節する」は、その細胞のいずれかの生理学的応答、例え
ば、代謝活性、内的または外的環境要因、合成または異化過程、活性化、抑制な
どが変化することを意味する。治療物質は、細胞または組織の成長、死滅、破壊
、除去、制御、修飾などの阻害または抑制を達成することができる。細胞破壊抑
制性、細胞溶解性、細胞毒性および制癌効果が含まれる。治療物質は、新生物表
現型を抑制することができる。または送達される細胞の正常な機能と相互作用す
るまたはそうでなければ無能力化する。1つの態様では、治療物質は、癌の確立
、成長または転移を阻止することができる。例えば、癌の再発を防止することが
できる。抗癌剤の代表例、例えば、免疫活性化剤および腫瘍増殖阻害物質が、例
えば米国特許第5,662,896号に開示されている。治療物質による(例えば、薬物
または毒性物質を含んでなる)、細胞、組織、腫瘍、転移、患者などにおける「
処置」のまたは「治療応答」の導出、本明細書において上記に記載したような応
答をもたらすことができる作用として定義される。治療物質の「有効量」とは、
そのような応答をもたらすのに十分な量を意味する。
【0034】 物質が治療効果をもたらすかどうかの分析方法は、常套的であり慣用的であり
、インビトロまたはインビボで行なうことができる。動物モデルにおける薬動力
学的を実施するための典型的な方法は、実施例7に示す。腫瘍に対する物質の効
果を試験するための典型的な動物モデル、ヒト経口扁平肺胞細胞癌異種移植モデ
ルを実施例7に示す。分析し得る因子は、動物の生存率、処置した腫瘍の大きさ
の減少、およびリンパ節または肺転移などの転移の存在または不在である。
【0035】 現在使用されている治療化合物を含め、様々な治療部分のいずれもが本発明に
包含されるが、その他の方法によって細胞に送達することができる。治療部分は
、天然の供給源から単離されるか、合成および/または組換え法により製造する
ことができ、その方法のすべては当業者によく知られている。本発明において使
用できる薬物または治療部分は、化学治療剤および/または細胞毒性物質、例え
ば、ステロイド、代謝拮抗物質、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、ネ
オカルチノスタチン(NCS)、アドリアマイシン、ジデオキシシチジン、シスプ
ラチン、ドキソルビシン、ピラルビシン、メルファランおよびドーモマイシンな
どである。標的部分にそのような部分を付ける方法は、常套的で慣用的なもので
ある。例えば、実施例7は、ドキソルビジンを抗体またはペプチド標的物質に付
ける方法を説明する。
【0036】 1つの態様では、治療部分は毒素、例えば、リシン(例えば、そのAおよび/
またはB鎖または脱グリコシル化された形態)、毒性のレクチン、ジフテリア毒
素、Psuedomonas aeruginosa由来の外毒物、アブリン、モデシン、ボツリナ毒素
、α−アマニチン、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質(PAP、PAPI、PAP
IIおよびPAP−Sを含む)、リボソーム阻害タンパク質、特に大麦、小麦、トウモ
ロコシ、ライ麦またはゲロニン(gelonin)のリボソーム阻害タンパク質または
リボソーム不活性化糖タンパク質(GPIR)を含む。そのような毒物の断片、サブ
ユニット、ムテイン、模擬体、変異体および/または類縁体は、もちろん、当業
者に知られており、本発明に包含される。それらの毒性を保持するそのような変
異体または突然変異体のすべてが本発明にしたがって使用される.
【0037】 毒物の選択および標的部分(例えば、ペプチドまたは抗体)との結合(例えば
、会合、付加または複合)方法は、当分野において常套的で慣用的なものである
。例えば、米国特許第5,840,522号;5,079,163号;4,520,011号;5,667,786号;
5,686,072号;4,340,535号;6,020,145号;5,254,342号;4,911,912号;4,450,1
54;および5,928,873号を参照。ペプチドまたはポリペプチド毒物を、例えば、
ペプチドまたは抗体標的部分に付加する方法は、例えば、共有結合、アフィニテ
ィー結合、インターカレーション、配位結合および錯体形成が含まれる。共有結
合は、存在する側鎖の直接の縮合または外部の架橋分子の取込みのいずれかによ
って達成することができる。多くの2価のまたは多価の物質は、タンパク質分子
をその他のタンパク質、ペプチドまたはアミン官能基などとカップリングさせる
のに有用である。例えば、文献は、カルボジイミド、ジイソシアネート、グルタ
ルアルデヒド、ジアゾベンゼンおよびヘキサメチレンジアミンなどを十分記載し
ている。ある態様では、当業者は、標的部分を最初に誘導体化し、次いで毒素成
分を誘導体化された生成物に付加することを望むかもしれない。この方法におい
て使用するための適当な架橋剤には、例えば、SPDP(N−サクシンイミジル−3−
(2−ピリジルチオ)プロピオネート)およびSMPT(4−サクシンイミジル−オキ
シカルボニル−α−メチルα(2−ピリジルチオ)トルエン)が含まれる。1つ
の態様では、毒素および標的部分は天然の遊離チオール基(例えば、リシンのA
鎖の)および/またはペプチド鎖の類縁体(例えば、ジスルフィド結合が可能な
システインを有するゲロニンの類縁体)に導入されたチオールまたは活性化ジス
ルフィド基との間のジスルフィド結合を形成することによって共有結合し得る。
【0038】 別の態様では、治療部分は、当分野で認識されている様々なラジオアイソトー
プまたは放射性核種のいずれかを含むことができる。放射線療法の細胞毒性用量
を細胞に送達する放射線療法(核医学)は、当分野において慣用的であり、例え
ばEP 481,526;米国特許第5,962,424; Roeske et al(1990). Int. J. Radiat
ion Oncology Biol. Phys. 19、1539−48;およびLeichner et al(1993). Med
. Phys. 20(2 Pt. 2)、569−77に記載されている。そのような放射性化合物は
、標的細胞並びにその隣接する腫瘍細胞に影響を及ぼすことができ、ある理由ま
たは別の理由のために、それらの表面にHsp47をディスプレーしない。使用
することができる放射能作用物質の種類およびどのようにしてそれらの標的部分
へ付加するかののさらなる開示は、造影剤を引用して以下に議論する。最も好ま
しい照射源は、Tc−99およびIn−111である。
【0039】 別の態様では、治療部分は抗体を含み、例えば、さらなる治療部分に関連しな
い抗体に関して以下に議論するように、慣用のタイプの免疫療法の基礎として使
用することができる。
【0040】 もちろん、様々な治療部分の組み合わせを1つの標的部分にカップリングする
ことができ、それによって可変の細胞毒性を適応させることができる。別の態様
では、2またはそれ以上の異なる治療物質を一緒に投与する。処置の多くの変法
が本発明に包含される。例えば、免疫応答を生じさせるのに有効な毒物(または
他の治療物質)の量で前もって患者を処置し、それにより患者に対する毒物の全
身的な保護をもたらすことが望ましいかもしれない。次いで、腫瘍細胞を死滅さ
せるのに有効な量で毒物を患者に投与することができる。例えば、米国特許第5,
667,786号を参照。
【0041】 別の態様では、免疫療法において、さらなる治療部分と会合しない抗Hsp4
7抗体を癌の処置に使用することができる。標的部分として本明細書に記載され
た抗体のいずれかのタイプを免疫療法に使用することができる。免疫療法の方法
は、慣用的であり、例えば号、米国特許第6,015,567号、5,478,556および6,017,
540号に記載されている。
【0042】 1つのそのような態様において、抗体は細胞表面のHsp47との会合により
効果がもたらされる。実施例3は、細胞表面に局在したHsp47がテトラスパ
ニンタンパク質、CD9、に会合し、細胞の細胞マトリックスとの相互作用に関与
することができる。したがって、Hsp47に対する抗体は、細胞、例えば、癌
細胞、の細胞内マトリックスとの相互作用を調節することができる。さらに、H
sp47の細胞表面発現は、細胞侵襲性およびphagokinesis(移動性)ト相関し
得、それが今度は発癌性細胞の転移能力と相関し得る。実施例4はいくつかの細
胞系においては、Hsp47の細胞表面発現と侵襲性/移動性との間に逆相関す
る。いずれか特定の機構に固執することを望むことなく、本発明は、抗Hsp4
7抗体を用いて細胞(例えば、癌細胞、腫瘍など)を調節(細胞の生理学的な活
性または特性を増大または減少させる)、例えば腫瘍(例えば、癌)の侵入、遊
走/運動性、および/または腫瘍細胞(例えば、癌細胞)の転移を処置する方法
を含む。
【0043】 Hsp47細胞表面発現が腫瘍と逆相関する場合において、侵襲性および/ま
たは転移、表面発現したHsp47の検出は、実質的に非転移性および/または
より良好な予後に関連する腫瘍(例えば、癌)を同定するための診断方法の基礎
として供する。Hsp47の発現が実質的により低いその表面における
【0044】 別のそのような態様では、抗体は免疫学的な効果を導出することができる。特
定の機構に固執することを望むことなく、本発明は、抗体が抗体介在細胞介在毒
性についてNK細胞を補充する状況を含む。二機能性抗体は、腫瘍細胞付近のN
KおよびT細胞のようなエフェクターを有することができる。多くの様々な免疫
療法が当業者には明らかであろう。例えば、2つの二重特異性ヘテロ抗体コンジ
ュゲート、例えば、抗腫瘍/抗CD3および抗腫瘍/抗CD28、を同時投与することが
できる。いずれか特定の機構に固執することを望むことなく、2つのそのような
ヘテロコンジュゲートは相乗的に作用してT細胞と腫瘍との間の接触を誘導する
ことができ、T細胞それ自身が、たとえ腫瘍標的に対して慣用的な特異性を有し
なくても、直接細胞毒性を活性化することができる。
【0045】 他の治療物質について本明細書に記載されているような、慣用の送達法および
用量を用いて、患者内へ直接抗体を誘導することにより、免疫療法を行なうこと
ができる。別法として、細胞介在の免疫応答を導き出すために、免疫エピトープ
を含むHsp47の1またはそれ以上の外部領域またはその断片を患者へワクチ
ンとして導入することができる。好ましい態様では、外部領域は単離される。例
えば、膜貫通および細胞質領域を本質的に含まない。外部領域またはその断片は
任意のサイズであってよいが、少なくとも1つの免疫エピトープを含んでいる。
所望ならば、外部領域は、免疫応答を増大させる1またはそれ以上の他の試薬、
例えば、B7またはサイトカインIFNγ、GMCSF、L2/4および7などの共刺激分子
;抗原分子、ペプチド;または適当なアジュバントとともに同時投与するかまた
はコンジュゲートを形成させることができる。
【0046】 別の態様では、その表面にHsp47に特異的なペプチドを含むバクテリオフ
ァージは、遺伝子治療の実施のためのベクターとして供することができる。その
ような方法において使用することができるファージを得るために設計されたファ
ージディスプレーおよびアフィニティーパンニングの典型的な方法は、本明細書
に記載されている。その哺乳類宿主における発現が望ましい遺伝子を哺乳類発現
カセットに挿入するしたのち、ファージゲノムへクローニングすることができる
。哺乳類遺伝子発現のためのカセットは、目的の核酸中へそのようなカセットを
クローニングするための方法であるように、当分野において慣用的なものである
、例えば、線状ファージのDNA。遺伝子をクローニングまたは発現させるため
の方法は、当業者にとって常套的なものである。例えば、Sambrook、J. et al(
1989). Molecular Cloning,a Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Labor
atory Press,Cold Spring Harbor,NY;Ausubel,F.M. et al(1995). Curren
t Protocols in Molecular Biology,N.Y.,John Wiley & Sons;およびDavis e
t al.(1986),Basic Methods in Molecular Biology,Elsevir Sciences Publ
ishing,Inc.,New Yorkを参照。特に、ファージを哺乳類細胞のための遺伝子送
達ビークルとして使用する方法は慣用的なものであり、例えば、Larocca et al
(1999). FASEB Journal 13,727−734;Barry et al(1996). Nat. Biotechn
ology 1282,7711;Larocca et al(1998). Hum. Gene Ther. 9,2393−2399;
Poul et al(1999). J. Mol. Biol. 288,203−11;およびKassner et al(199
9). Biochem. Biophys. Res. Comm. 264,921−8に記載されている。
【0047】 単離、クローニング、修飾、標識、操作、配列決定およびそうでなければ処置
または核酸および/またはタンパク質の解析を含む、本出願において引用されて
いる多くの分子生物学的技術に関しては、例えば、Hames et al.(1985),Nucl
eic Acid Hybridization,IL Press. Dracopoli,N.C. et al.,Current Proto
cols in Human Genetics,John Wiley & Sons,Inc.;および Coligan,J.E. et
al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,Inc.を参
照。
【0048】 様々な治療遺伝子のいずれかは、遺伝子治療の方法においてそのようなベクタ
ーを用いて細胞内へ導入することができる。そのような遺伝子はタンパク質に翻
訳され、アンチセンス核酸配列またはリゾザイムなどとして発現され得る。遺伝
子を宿主のゲノムへ組込むことができるか、または安定に維持することができる
か、または組込まれない形態で一過性発現させることができる。
【0049】 投与することができる遺伝子の種類は、当分野でよく知られており、遺伝子治
療のためのそれらの使用方法とともに、例えば、Culver et al(1994). TIG 10
,1744−178および米国特許第6,017,896号;同第5,916,803号;同第5,871,726号
;同第5,688,773号;同第5,496,731号;同第5,631,236号;同第5,962,424号;同
第5,922,685号;同第5,789,244号;同第5,662,896号;同第5,532,220号;同第5,
888,502号;同第5,888,814号;同第5,932,210号;および同第5,916,803号に開示
されている。遺伝子は生体外で細胞に導入し、患者内へ再び導入することができ
るかまたは生体内で導入することができる。投与することができる一般的クラス
の遺伝子は:腫瘍の免疫原性を増大する遺伝子、例えば、外来抗原をコードする
遺伝子;アポトーシスを開始する遺伝子;免疫細胞を増大させて抗腫瘍活性を増
大させる遺伝子、例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−12、TNF−αまた
はβ;GM−CSF、G−CSF、M−CSF、IFN−α、βまたはγ、TGF−αまたはβ、TNF
−αまたはβ、NGFなどのサイトカインをコードする遺伝子;感受性または自殺
遺伝子(例えば、HSV−またはVZV−Tkをコードする遺伝子、ガンシクロビルに対
する感受性を与える遺伝子;またはシトシンデアミナーゼをコードする遺伝子、
5−フルオロシトシンに対する感受性を与える遺伝子;または非ヒトプリン開裂
酵素をコードする遺伝子、例えばプリンヌクレオシドホスホリラーゼ、酵素によ
って開裂されるとき、細胞に対して毒性になるプリン基質に対する感受性を与え
る遺伝子);オンコジーンの発現をブロックする遺伝子、例えば、アンチセンス
K−RASメッセージをコードする遺伝子);野生型腫瘍抑制因子遺伝子(例えば、
p53;p16;網膜芽細胞腫(RB)遺伝子、全長p110RBまたはp94RBまたはp56RB等の
突然変異体タンパク質;ミトシン;またはH−NUC);腫瘍が免疫学的な破壊を回
避する機構をブロックする遺伝子、例えば、アンチセンスIGF(インスリン様成
長因子)−1メッセージをコードする遺伝子;ヌクレアーゼ(例えば、RNase A
)またはプロテアーゼ(例えばトリプシン、パパイン、プロテイナーゼK、カル
ボキシペプチダーゼなど)処理を施された細胞質変異体をコードする遺伝子;お
よび上記のタンパク質毒性毒物のいずれかをコードする遺伝子。
【0050】 多くの他の種類の遺伝子治療が本発明に含まれ、当業者には明らかであるだろ
う。例えば、上記のいずれかの標的部分は、目的の遺伝子と会合(例えば、共有
的にまたは非共有的に結合)し、目的遺伝子の細胞への送達に供する。別の態様
では、標的部分は、1またはそれ以上のa)挿入する遺伝子のための非ウイル担
体;b)その細胞の細胞質および場合により核へのベクターの侵入を増大させる
ための融合タンパク質;およびc)バクテリオファージ介在の遺伝子治療につい
て上に記載した治療遺伝子もまた含んでなるベクターの部分を含んでなる。成分
a)およびb)の多くの変異体が当業者に知られるであろう。これら成分のさら
なる記述については、例えば、米国特許第5,916,803号および細胞へのペプチド
および類似物質の導入に関して以下の節を参照。
【0051】 治療物質を、インビトロまたはインビボで、細胞、組織または腫瘍または患者
に送達(投与、導入)し、誘導された効果を監視する方法は、当業者には明らか
であろう。例えば、本明細書に引用されている文献、およびVitetta et al(199
1). Cancer Res. 51、4052を参照。インビボで投与される物質は、製薬的に許
容し得る担体、賦形剤または媒質とともに製剤化することができ、さらにその他
の薬剤、例えば、アジュバント、安定化剤、増強剤などを添加することができる
。本発明により処理を施される標的の特異性は、全身的投与が可能である。別法
として、物質を処置される組織または腫瘍の部位でまたはその近くに投与するこ
とができる。(もちろん、本明細書に開示された投与経路を、処置する方法と同
様、標的を検出(造影)する方法のために使用することができる)投与の方法は
、非経口および非腸管外経路を含め、慣用的なものである。非経口経路には、例
えば、静脈内、鼻内、門脈内、筋肉内、皮下、腹腔内;髄腔内、鞘内、脳室内、
頭蓋内、胸腔内または他の注入経路が含まれる。非腸管外経路には、例えば、経
口、鼻、経皮、肺、直腸、口腔内、経膣、眼が含まれる。非腸管外経路送達に関
して、例えば、ブレフェルジンAまたはモネンシンの投与によって、細胞表面受
容体/リガンド複合体のトランスサイトーシスを増大させる物質を使用すること
が望ましい。例えば、米国特許第5,254,342号を参照。
【0052】 投与する薬物は慣用の手順によって決定することができ、一般に、当業者によ
く知られている。考慮すべき要素としては、関与する具体的な物質の活性、代謝
に関する安定性、およびその物質の作用の長さ、投与の形態と時間、薬物の組み
合わせ、排出速度、処置される種、および年齢、体重、一般的健康状態、性別、
食生活および治療を受ける宿主の具体的な病的状態の重さが含まれる。例えば、
免疫毒素のための適当な治療レジメは、(即ち、1またはそれ以上の毒素分子と
コンジュゲートした、抗体または変異体またはその断片を含んでなるコンジュゲ
ート)は、約0.5〜2mg/kgの用量で患者への投与することによるもので
ある。
【0053】 治療物質は、細胞または組織内の様々な場所のいずれかに内在化することがで
きる。ある場合では、治療物質を、ER内へ回収されるようにHsp47を伴う
ことによって細胞に内在化することが望ましい。他の場合では、治療物質が細胞
のエンドソームまたはリソソーム内へ取り込まれることが望ましい、例えば、活
性になるためにはタンパク質加水分解によりプロセシングされねばならないタン
パク質毒素。さらに他の場合では、その物質が酵素による分解を回避し、細胞質
および/または核内に輸送される事が望ましい。表面で結合した物質の細胞内へ
の輸送を増大させるための様々な慣用の方法を使用することができ、ある場合に
はそのようなタンパク質加水分解を回避することができる。例えば、直接または
間接的に、治療物質を、担体および/または融合タンパク質と会合させて、治療
物質の送達のためのベクターを作成することが望ましいかもしれない。
【0054】 様々な適当な担体(例えば、非ウイルス性担体)が当分野においてよく知られ
ており、例えば、米国特許第5,916,803号;Cotten et al(1993). Curr. Biol.
4,705;Behr(1993). Acc. Chem. Res. 26,274;Felgner(1990). Adv. De
liv. Rev. 5,163;Behr(1994). Bioconjugate Chem. 5,382;およびLedley
(1995). Hum. Gene Ther. 6,1129に記載されている。好ましい態様では、担
体は、生体内で長い半減期を示し、標的細胞に対し結合可能なベクターを最大に
することが可能である。好ましい担体は、リポソームまたはカチオン性脂質、ポ
リペプチドまたはタンパク質などである。担体は、様々な慣用的な手段のいずれ
かによって、直接(例えば、カップリング)または間接的に治療物質と会合する
ことができる。
【0055】 様々な融合タンパク質が、細胞へのおよび/またはエンドソームまたはリソソ
ームから細胞の細胞質へのベクターの侵入を増大させることができる。多くのタ
ンパク質またはその断片または変異体は、多くのウイルスタンパク質を含め、融
合原性(fusiogenic)特性を有する。そのようなタンパク質は、当業者によく知
られており、例えば、米国特許第5,916,803号;Hughson(1995). Current Biol
. 5,265;Iloekstra(1990). J. Bioenergetics Biomembranes 22,675;およ
びWhite(1990). Ann. Rev. Physiol. 52,675に記述されている。
【0056】 ある場合では、Hsp47の外部領域より効率的に結合するようにおよび/ま
たは細胞内により効率的に内在化されるように、標的部分を修飾することができ
る。例えば、表3に示される7−merのペプチドのような合成より製造された
短いペプチド、は時として結合するが、標的細胞によって取り込まれない;とこ
ろが、いくつかのペプチドは、それがバクテリオファージのpIII末端にディ
スプレーされた時に内在化される。例えば、短い合成ペプチドの内在化を増大さ
せるために、所望の特性、例えば、短いペプチドを、それがHsp47を表面に
有する細胞に結合することができ、およびその細胞によって内在化され得るが、
それ自身はHsp47をその表面にディスプレーする細胞以外の細胞には結合し
ないようなやり方で、ディスプレーするリンカー;循環内で安定であり;内在化
の後でプロセシングされることができるなど、を有する合成ペプチドリンカーを
そのペプチドに付加することができる。その他の、標的部分のこのような改良の
ための修飾は当業者には明らかであろう。
【0057】 本発明の別の態様では、上記の標的部分は、Hsp47をその表面に発現する
細胞、例えば、癌細胞、いずれかの進行段階にある癌、腫瘍、転移(微小癌組織
の転移を含む)などの検出(造影、同定)を可能にする検出可能な部分と会合す
る。標的部分および検出可能な部分を含む物質は、本明細書では検出可能な作用
物質または造影剤と呼ばれる。このような検出は、インビトロまたはインビボで
行なうことができる。検出方法は、定量的なものである。例えば、細胞の表面に
発現したHsp47の大部分またはHsp47をその表面に発現する細胞数は、
細胞、腫瘍、動物、患者などを、検出可能なマーカーを同定および定量すること
ができる検出装置に暴露させることによって定量することができる。
【0058】 本発明に包含される検出可能な部分としては、例えば、シグナル発生物質[電
磁放射線の形で検出可能な量のエネルギーを放出することが可能な物質(X線、
紫外線照射、赤外線照射、可視光放射など)、燐光性および蛍光性物質、生物発
光マーカー、ガンマ線およびX線放射物などが含まれる];シグナル反射物(例
えば、常磁性物質);またはシグナル吸収物(例えば、電子ビームオパシファイ
アー色素)が挙げられる。
【0059】 検出可能な部分は、標的部分への治療部分への結合に関する上記の方法を含め
、様々なよく確立された方法のいずれかによって標的部分と結合する(会合する
)ことができる。例えば、インビトロ検出に特に適した方法において、放射性の
エレメント(例えば、アミノ酸)を標的部分(例えば、ペプチド鎖)に直接取り
こませることができ、オートラジオグラフィーにより検出することができ;また
は蛍光標識を、ビオチン/アビジン相互作用、フルオレセインとコンジュゲート
した抗体との会合などにより、そのような標的部分と会合させることができ、免
疫蛍光顕微鏡検査法、フローサイトメトリー(FACscan)などにより検出するこ
とができる。
【0060】 標的を増大する金属は本発明に包含され、特にインビボ造影に適している。本
発明に従う金属には、例えば、MRIのための常磁性金属;例えば、原子数が少
なくとも37、好ましくは少なくとも50の、X線または超音波画像診断のため
の重金属イオン;シンチグラフィーのための放射性同位元素のイオンが含まれる
。金属の選択は、所望の診断的(または治療的)応用によって決定する。放射性
イオンの例としては、例えば、ランタニドのイオンまたは他の金属イオン、同位
体およびその放射性同位体を含む、例えば、ヨウ素123、ヨウ素125、ヨウ素131
、テクにシウム99m、インジウム111、レニウム118、レニウム186、銅67、イット
リウム90、アスタチン211、ガリウム67、イリジウム192、コバルト60、ラジウム22 、金198、セシウム137、リン32、炭素14、およびトリチウムイオンが含まれる
。蛍光発生物質(fluorogenic agents)の例としては、ガドリニウムおよびレナ
グラフィンが挙げれあれる。
【0061】 金属は、当業者によく知られた任意の様々な手段によって標的部分と会合する
ことができる。造影増強部分を作製、その標的部分への付加およびその検出のた
めの使用の方法に関して、例えば、EP 481,526;GB−A−2169598;およびEP 136
,812を参照。例えば、ポリキレート剤(polychelant)、二価性ポリキレート剤
(bifunctional polychelant)、およびその塩または大環状中間体を含むキレー
ト剤により、金属を標的部分に結合(会合、付着)させることができる。増加を
倍増させるために存在する様々な方法、例えば、多数のキレート剤がそこに結合
する、骨格分子の成分となる化合物、例えばポリアミン、の使用がある。
【0062】 造影剤を投与することができる経路は、治療剤の送達に関して上に記載されて
いる。本発明の造影剤は、特定の造影技術を用いて所望のコントラストが得られ
るに十分な量で患者に投与することができる。一般に、患者の体重1kgあたり
約0.001〜5.0モルの錯体化された造影金属イオンの用量が、適当なコント
ラスト強度を達成するのに有効である。 大部分のMRI適用に関して、造影金
属イオンの好ましい用量は、約0.02〜1.2モル/kg体重の範囲内であろう
;一方、X線適応については、約0.5〜1.5モル/kgの用量が、X線の減衰
に一般的に有効である。大部分のX線適応に好ましい用量は0.8〜1.2モルの
ランタニドまたは重金属/kg体重である。
【0063】 本発明の別の態様は、Hsp47をその少なくともいくつかの細胞の表面に発
現する癌に対して特異的に結合する物質、好ましくはその物質が患者における癌
を処置するのにまたは患者における癌を診断するのに有用である物質、をスクリ
ーニングする方法であって、Hsp47の外部領域に特異的に結合する物質を同
定することを含んでなる方法である。その物質がHsp47の外部領域に結合す
かどうかを決定するため、および特異性および/または結合の親和力を測定する
ための物質は、本出願のどこかに記載されている。そのような方法を用いる目的
物質をスクリーニングするための常套的な手順が可能である。
【0064】 本発明の別の態様は、Hsp47がその癌細胞のいくつかの表面に発現してい
る癌に罹患している患者を処置するため、またはHsp47がその癌細胞のいく
つかの表面に発現している癌に罹患している患者を検出するためのキットであっ
て、Hsp47の外部領域に特異的に結合する物質を癌に対する細胞増殖抑制ま
たは細胞溶解効果をもたらすのに有効な量で含んでなるキットである。好ましい
態様では、この物質は、標的部分として、その部分のそれぞれがHsp47の外
部領域に特異的に結合する、抗体またはその断片、ペプチドまたはその表面がペ
プチドであるバクテリオファージを含んでなる。好ましい態様では、標的部分は
、モノクローナル抗体、コンセンサスモチーフXHyHyXXHyXXXXHyHy(配列番号1
)またはコンセンサスモチーフHyXXXHyHyXXHyXXX(配列番号2)[式中、Xは、
独立に、任意のアミノ酸であり、およびHyは、独立に、任意の疎水性アミノ酸で
ある]を含んでなるペプチド、表1および表2の配列番号3〜配列番号25のい
ずれかを有するペプチド、またはその表面がHsp47の外部領域に特異的に結
合するペプチドであるバクテリオファージであり得る。
【0065】 一態様では、この物質は治療成分、毒素、放射性同位体または放射性核種、抗
体、または治療遺伝子をコードする核酸を含む。本発明はまた、Hsp47をその表
面に発現する細胞を調節するキットであって、Hsp47の外部ドメインに特異的に
結合する、該細胞を調節するのに有効な量の物質を含むものを含む。 もちろん
、本発明のキットは、治療物質および/または造影剤(imaging agents)用の1
個またはそれ以上の容器を含むであろう。
【0066】 実施例 以下の実施例1〜6に開示するデータは原稿 1) Hebert et al. (1999). J. C
ellular Biochemistry 73, 248-258(これはその全ての内容が引用により包含さ
れる)および 2) Sauk et al. (2000). J. Cellular Biochemistry(2000年
1月にアクセプトされたもの。これは補遺1として本明細書中に含まれ、引用に
よりその全ての内容が包含される)に示されている。
【0067】 実施例1 口類表皮癌腫細胞の表面でのコリジン/Hsp47の発現 実験は、確立されたセルラインである、ヒト口扁平上皮細胞癌腫 (SCC-4, SCC
-9, SCC-15 および SCC-25) およびマウス類表皮セルライン、Lewis Lung Carci
noma (LL/2)(ATCCから入手)を用いて行う。さらに初期の歯肉繊維芽セルライ
ンをコントロールとして用いる。
【0068】 A.フローサイトメトリー分析: これらの実験では、コリジン/Hsp47に対するモノクロナ−ル抗体 SPA-4
70 (StressGen, Victoria, BC) およびマウスコリジン/Hsp47のN末端配
列に対応する22-merペプチドに対して作成されたコリジン/Hsp47ウサギポ
リクローナル抗体を用いる。サイトメトリー分析用のモノクローナル抗体は、5(
6) カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルキット
(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN) を用いて直接フルオレセインとコン
ジュゲートされたものであるか、あるいはEZ-Link(商標)スルホ-NHS-LC-ビオ
チニル化キット (Pierce, Rockville, Ill) を用いる抗体のビオチニル化にした
がって、SA-Red670(商標)でラベルされたものである。
【0069】 インビトロで生育させた細胞を洗浄し、ポリグロビンNの0.5%溶液中でインキ
ュベートして不飽和Fcレセプターをブロックし、モノクローナル抗体の非特異
的結合を減少(reduce)させる。次いで細胞懸濁液(1X106 cell/ml)50mL
をフルオレセインまたは SA-Red670(商標)(GibcoBRL, Gaithersburg, MD) と
コンジュゲートされた抗体2.5mL(1mg)とインキュベートする。洗浄後
、この細胞ペレットを、フローサイトメトリーアッセイ用のBSAを含むPBS
に再懸濁する。細胞内コリジン/Hsp47を評価するため、まず細胞を0.1
%サポニンで透過化処理する。次いでサンプルをFACScanフローサイトメーター
(Becton Dickinson, San Josee, CA) で分析する。488nmアルゴンレーザー
を15nWのパワーで作動させる。フルオレセインコンジュゲートからのデータ
を 530/30 BP フィルターによって収集する。二色フローサイトメトリー分析で
は、フルオレセインまたは Red670(商標)のいずれかをヨウ化プロピジウムと
ともに用いる。用いるフィルターは 600 nm 二塩素 SP; 525 ± 15nm BP (フル
オレセイン) および 645 LP (Red670(商標)) である。
【0070】 ヨウ化プロピジウムを用いて、細胞周期を評価し、死細胞を染色する。これら
の実験では、PIを含む低張のクエン酸溶液を〜1×106洗浄細胞に濃度1m
Mまで加える。細胞を20分間ラベルした後、その染色溶液中、FACScanで分析
する。585/42 nm BP フィルターによってオレンジPI蛍光を収集する。
【0071】 蛍光チャンネル収集発光中で電気補正(electronic compensation)を用いて
残りのスペクトル重複(residual spectral overlap)を除去する。蛍光データ
を4−10ロングスケールで表示する。各サンプルに対して10,000イベン
トの最小値を収集する。データの分析は LYSYS II ソフトウェア (Becton Dicki
nson, Mansfield, MA) で行う。細片および凝集塊の排除のため、蛍光二重パラ
メータ輪郭プロット(Fluorescence dual parameter contour plots)を用いる
。このゲーティング方法は、死細胞から細片を容易に区別することを可能にする
(低前方光散乱(forward light scatter)および 高PI蛍光)。G1/0, S, of G2/
M DNA 相補物(complement)を伴う細胞のパーセンテージを、オンボード Multi
cycle(登録商標)データ分析ルーチン(Phoenix Flow Systems, San Diego, CA)
を用いる領域積分によってDNAヒストグラムから測定する。
【0072】 SCCセルライン、LL/2マウスセルラインおよびヒト歯肉繊維芽細胞のフ
ローサイトメトリー分析は、これら全てのセルラインが細胞内コリジン/Hsp
47を有していることを示す。さらに、細胞周期分析は、コリジン/Hsp47
発現が、歯肉繊維芽細胞または類表皮癌腫細胞のいずれにおいても細胞周期のい
ずれの時期にも限定されないことを示す。しかし、細胞周期分析を細胞表面の発
現に関してのみ行った場合、コリジン/Hsp47は類表皮癌腫セルラインにの
み限定される。
【0073】 B.免疫蛍光実験: Tang et al. (Tang et al. (1994). Eur. J. Cell Biology 65, 298-304; Tan
g et al. (1993). Eur. J. Cell Biology 120, 325-328) の方法にしたがって免
疫蛍光顕微鏡観察を行う。細胞表面のコリジン/Hsp47を可視化するため、
細胞を透過化処理せず、サイトメトリー分析に関して記載されるように1%パラ
ホルムアルデヒドで処理および固定する。次いでこの細胞を一次抗体である抗−
コリジン/Hsp47抗体で染色し、次いでFITCヤギ−抗−ウサギまたは抗−マ
ウスIgGで染色する。
【0074】 フローサイトメトリー分析用に調製された非透過化処理細胞の免疫蛍光顕微鏡
観察により、その表面の抗−コリジン/Hsp47染色を確認する。
【0075】 C.細胞成分膜フラクション: 原形質膜の分画方法は、Weber et al. (1988). "Subcellular distribution o
f Insulin Receptors" in Insulin Receptors. Kahn CR and Harison LS, eds.
(New York: Alan R. Liss, Inc), pp. 171-187 に記載される方法にしたがい、
これを修飾したものである。本質的に、細胞[(2-5) x 106 細胞/mL]5mL
を1mM アミロライドとインキュベートするか、あるいはせず、次いで細胞懸
濁液を室温で60秒間、100gで遠心する。細胞ペレットを18〜20℃のト
リス/EDTA/スクロースバッファー(20mM トリス/HCl、1mM E
DTAおよび255mM スクロース、pH7.4)10mLに懸濁する。この
ペレットを、ガラス−テフロン(登録商標)ホモジナイザーを用いてトリス/E DTA/スクロースバッファー500μLに再懸濁し、20mM トリス/1m M EDTAバッファー(pH7.4)中の1.2M スクロースのクッション6 00μLに重ね、Beckman TLS55 ローター中、4℃で30分間、8,150gで 遠心する。クッション界面で収集された原形質膜をトリス/EDTA/スクロー スバッファー2.5mLに懸濁し、Beckman TLA100.3 ローター中、4℃で20 分間、410,000gで遠心する。最終原形質膜ペレットをバッファー60μ Lに再懸濁する。次いでこのサンプルを細菌コラゲナーゼで処理し、細胞分画の 結果、細胞質由来のプロコラーゲン−コリジン/Hsp47が細胞表面のインテ グリンレセプターに結合する可能性を排除する。初期上清を Sorvall SS34 ロー ター中、4℃で15分間、48,000gで遠心し、高密度ミクロソームペレッ トをバッファー40μLに最懸濁する。この上清をさらに、Beckman 70.1 ロー ター中、4℃で75分間、300,000gで遠心し、低密度ミクロソームペレ ットをバッファー60μLに再懸濁する。
【0076】 この膜フラクションは原形質膜のマーカーである5'−ヌクレオシダーゼ活性
の分布によって特徴付けられる。タンパク質はBCAタンパク質アッセイキット(Pi
erce, Rockford, IL)を用いて測定する。原形質膜を直接PAGEおよびウエス
タン分析に付する。ウエスタンブロットでは、タンパク質をSDS-PAGE上で電気泳
動し、直ちにニトロセルロース紙に電気的にトランスファーし、10mM トリ
ス−HCl pH7.4、0.9mM NaCl(TBS)中の10% NFDM
で2時間ブロックし、次いで2% NGS (GIBCO, Grand Island, NY) を含むTBS/N
FDM中でブロックする。抗血清またはペル免疫(perimmune)血清を同じバッファー
中で1:2000希釈し、一晩穏やかに振りながらインキュベートする。次いで
ニトロセルロースをTBS/トウィーン中で5分間、3回すすぐ。 [125I]−ラ
ベルプロテインA (New England Nuclear, Boston, MA) を用いてHsp47を検出す
る。
【0077】 原形質膜フラクションを得るためのアミロライドおよびコントロール細胞の細
胞成分膜分画およびその後のウエスタンブロット分析により、原形質膜5'−ヌ
クレオシダーゼフラクション中のコリジン/Hsp47の存在が確認される。
【0078】 実施例2 細胞表面コリジン/Hsp47のα1 (I) N−プロペプチドへの結
合: プロα1(I)−N−プロペプチド球状ドメイン(NP1)[残基23〜108] およびこの球状ドメイン+プロペプチドGlyXaaYaaドメイン(NP2)[残基2
3〜151] をコードするDNA配列を、以前に記載されるようにGST融合タ
ンパク質として調製する (Hu et al. (1995). Cellular Biochemistry 59, 350-
367)。融合タンパク質発現は、細菌が対数増殖中期に達した後、0.1mM I
PTGによって誘導する。融合タンパク質をグルタチオニン−セファロース4B
ビーズ(Pharmacia, Piscataway, NJ)によって製造元の指示書にしたがって精製
する。このタンパク質をSDS-PAGEおよびウエスタンブロット分析によって以前 (
Hu et al., 同箇所) に記載されるように特徴付けする。
【0079】 Hu ら (1995)(同箇所)の方法にしがたい、NP1およびNP2のアフィニテ
ィービーズを調製する。本質的には、GST融合タンパクをトロンビンで処理し
、透析し、このGSTタンパク質をグルタチオン−セファロースのカラムに通し
て各反応混合物から取り出す。溶出物を収集し、凍結乾燥し、CNBr活性化セ
ファロースとカップリングさせる。最終ビーズは250μL当たりペプチド1〜
2mgを含む。Hsp47表面結合実験は、ペプチド−セファロース(Pharmacia, Pis
cataway, NJ)の50%(v/v)懸濁液250μLを表面ビオチニル化SCC細胞
由来の原形質膜の懸濁液と混合することによって行う。4℃で1時間インキュベ
ートした後、このビーズを遠心によって収集し、等量のLaemmliバッファーで3
回洗浄する。サンプルを5分間ボイルすることにより、このビーズをLaemmli電
気泳動サンプルバッファーで抽出する。SDS-PAGEによって分離した後、タンパク
質をニトロセルロース膜にトランスファーし、Renaissance 化学発光試薬 (NEN,
Cambridge) を用いて HRPO-コンジュゲート化 ExtrAvidin (Sigma Chemical Co
., St. Louis, MO.) で可視化する。
【0080】 生存細胞中のプロコラーゲンプロペプチドを結合する細胞表面コリジン/Hs
p47のアベイラビリティーを示すため、GST融合タンパク質(1μg/mL
)を〜1×106SCC細胞の培養培地に加え、小分けスライド(chambered sli
des)(Nalgene NUNC, Milwaukee, WI) 中、37℃で10分間培養(plate)する
。次いでこの細胞をPBSで洗浄し、パラホルムアルデヒドで前記のように固定
し、Sauk et al., (1994). I. Biol. Chem. 269, 3941-3946 の手法にしたがい
、細胞結合融合タンパク質(NP1、NP2)を HRPO-コンジュゲート化抗−G
ST抗体を用いて同定する。
【0081】 ビオチンラベル原形質膜およびセファロース結合プロα1(1) 球状ドメイン
(残基23〜108)またはプロα1(1) 球状ドメイン+プロペプチドGlyXaaY
aaドメイン(残基23〜151)を用いて行った結合実験は同様の結果を示す。
両例では、46Kおよび47Kでのバンドの移動が同定される。ウエスタンブロ
ット分析により、46Kの非グリコシル化コリジン/Hsp47 (Hirayoshi et
al., 1991) および47Kのバンドの両方が抗−Hsp47抗体と反応することを確
認する。これらの知見は全てのセルラインに一貫している。
【0082】 培養中の細胞と結合したGST融合タンパク質のイムノペルオキシド(Immuno
peroxide)細胞化学染色は、より高いパーセンテージの、表面コリジン/Hsp
47を発現する細胞を伴うセルラインほど、より高いパーセンテージの結合GS
T−NP1およびGST−NP2融合タンパク質を表示することを示す。
【0083】 実施例3 細胞表面ラベルおよび免疫沈降: 用いた方法は、インテグリンとのTM4SF複合体の特徴付けに関して以前 (
Berditchevski et al., (1996) Molec. Biol. of the Cell 7, 193-207) に記載
されているものであった。本質的には、細胞をキットのプロトコルにしたがって
NHS-LC-ビオチン (Pierce, Rockford, IL) でラベルし、免疫沈降バッファー[1%
Brij 96, 25 mM ヘペス, pH 7.4, 150 mM NaCl, 5 mM MgCl2, 2 mM PMSF, 20
μg/ml アポチニン (apotinin) および 10 μg/ml ロイペプチン]に溶解する。
免疫複合体を抗体とあらかじめ結合させたプロテインAビーズ上で集めた後、免
疫沈降バッファーで4回洗浄する。より「ストリンジェント」な条件では、免疫
沈降バッファーに0.2%SDSを補う。免疫複合体をプロテインAビーズから
Laemmli溶出バッファーで溶出し、タンパク質をSDS-PAGEによって分離する。タ
ンパク質をニトロセルロース膜にトランスファーし、Renaissance 化学発光試薬
(NEN, Cambridge) を用いて HRPO-コンジュゲート化 ExtrAvidin (Sigma Chemi
cal Co., St. Louis MO) で可視化する。表面ビオチニル化SCC細胞から調製
したBrij 96ライセートから再沈降を行う。免疫沈降バッファーで5回洗浄した
後、タンパク質複合体を免疫沈降バッファーに加えた0.5% SDSで解離さ
せる。次いで溶出液を免疫沈降バッファーで1:1希釈し、セファロースビーズ
と直接カップリングさせた適当な抗体で再沈降させる。次いでサンプルを上記の
ように処理する。
【0084】 架橋では、細胞をDTSSP、膜不透過クロスリンカーまたはDSPで処理する。0.
2% SDSを補った免疫沈降バッファーに可溶化後、タンパク質複合体を上記
のように免疫沈降させ、還元条件下で分析する。 膜表面タンパク質は一貫して抗-コリジン/Hsp47抗体と共に沈降する。
架橋実験では、SCC および LL/2 細胞をまず、開裂可能クロスリンカー、DSPで
前処理し、次いでビオチンまたは[125]−Iで表面をラベルし、次いでストリン
ジェントな条件下で免疫沈降を行い、Hspとテトラスパニン(tetraspanin)タン
パク質間の非共有結合を崩壊させる。抗-CD9 mAbs または抗−コリジン/Hsp
47抗体を用いて コリジン/Hsp47-CD9複合体を免疫沈降させる。特徴的
な47Kバンドは全ての抗−CD9免疫沈降物において容易に検出され、CD9
/またはCD81と同様のサイズの〜22Kのタンパク質バンドが抗−コリジン
/ Hsp47と共に沈降する。しかし、同様の実験を抗-CD81 mAbsを用いて行った場
合、免疫沈降物中にコリジン/Hsp47は同定されない。しかし、CD9免疫
沈降物を抗−コリジン/Hsp47で再免疫沈降すると、全てのSCC細胞およびL
L/2セルラインにおいて47Kバンドが見られる。Hsp47およびCD9の細胞外領域
が直接相互作用するかどうかを確かめるため、膜不透過クロスリンカーであるD
TSSPを用いて、同様の架橋実験を行う。無傷のSCCおよびLL/2細胞を
DSPまたはDTSSPで処理すると、CD9とコリジン/Hsp47が共に免
疫沈殿する。1mM アミロライドでの処理は、沈降されるタンパク質のプロフ
ァイルを変更することなく、免疫沈降後に回収されるコリジン/Hsp47量を
大きく高める。
【0085】 実施例4 腫瘍細胞侵襲およびファゴキネシス(Phagokinesis): A:コロイド性金移動アッセイ: 腫瘍細胞を80μg/mLのタイプIコラーゲン、100μg/mLの Matri
gel(登録商標)またはラミニン−5 100μgおよびコロイド性金粒子の混合
物でプレコーティングされた小分けスライド(チャンバースライド)上で培養し
、種々の抗体を含むか、あるいは含まない培地中でインキュベートする。コロイ
ド性の金でコーティングされた小分けスライドは、ケラチノサイトおよびマトリ
クスタンパク質の封入 (Woodley et al., (1988) J. of Cellular Phys. 136, 1
40-146; Kim et al., (1994) Laboratory Investigation 71, 401-408; Kim et
al., (1994) J. of Biol. Chem. 269, 26,926-26,932.) に関して修飾を施し、A
lbrecht-Buehler ((1977). Cell 12, 333-339) に記載されるように調製する。S
CC または LL/2 細胞を各区画(チャンバー)に加え、20分後、非接着細胞を
取り出し、培地を交換する。培養を24時間維持した後、1× Histochoice (Am
resco, Solon, OH) 中で1分間固定し、PBS中で洗浄し、段階的にエタノール
を通して脱水する。金粒子を欠いている領域はファゴキネティックトラック(th
e phagokinetic tracks)を同定する。移動指数(migration index)はイメージ
分析ソフトウェアを用いて、100Xでのダークフィールドイルミネーション(P
ilcher et al., 1997)下におけるランダムフィールド内の細胞と結合したファゴ
キネティックトラックの領域を測定することにより測定される(J. Cell Biol.
137, 1445-1457.)。フィールド内の全ての細胞を数え、各実験に関して25細胞
を数える。各実験では、全ての条件は3回行う。
【0086】 B:腫瘍細胞侵襲アッセイ: Matrigel(登録商標)、再組成された基底膜を利用し、 Chu et al. (1993)
Proc. Nat'l. Acad. Sci. 90, 4261-4265 に以前に記載されるアッセイにしたが
い、インビトロアッセイを修飾する。本質的に、8μm−有孔性ポリビニルピロ
リドン不含ポリカルボナートフィルターを含む修飾Boydenチャンバーを Matrige
l(登録商標)(Collaborative Biomedical Products, Becton Dickinson, Bedfo
rd, MA) でプレコーティングする。次いでチャンバーの下部のウェルを、3T6
細胞条件化培地500μLを化学誘引物質として含む血清不含培地で満たす。次
いで上部のウェルに1.0×104細胞/チャンバーの細胞懸濁液200μLプ
ラス記載の添加物質を播種(seed)する。次いでこのチャンバーを37℃で24
時間インキュベートする。膜の上部表面から綿棒で非侵襲細胞を除去し、このチ
ャンバーを Dispase (Collaborative Biomedical Products, Becton Dickinson,
Bedford, MA) 3mL中で2時間インキュベートし、反応を10mM EDTA
で停止する。Matrigel(登録商標)中に含まれる、得られた細胞ならびに下部チ
ャンバー中の細胞をCoulterカウンターで数える。データはコントロール膜を介
する移動と比較したマトリクスおよび膜を介する侵襲のパーセントとして表記す
る。「侵襲指数(Invasion Index)」は、コントロール細胞の侵襲パーセントに
対する試験細胞の侵襲パーセントとして表記する。
【0087】 全処理およびグループ効果は分散分析(ANOVA)を用い、Newman-Keuls
試験 (p < 0.05) に基づくpost-hoc比較によって評価する。平均のHSP47蛍光ラ
ベルの侵襲指数との関係は非パラメトリック Spearman の順位序列相関係数 (rh
o) を用いて評価する。
【0088】 修飾Boydenチャンバーを用いて腫瘍細胞の侵襲を評価すると、セルライン間の
侵襲指数において SCC 細胞および LL/2 細胞が有意な分散を示すことを表す。
この分散は細胞表面で発現されたコリジン/Hsp47量と関連する。次いでチ
ャンバーアッセイを行い、ここでは細胞をCD9、CD81およびコリジン/H
sp47に対する抗体の存在下でインキュベートする。Matrigel(登録商標)チ
ャンバー中で抗−コリジン/Hsp47とインキュベートされた細胞は、侵襲指
数の増加を示すが、一方、抗−CD9または抗−CD81抗体とインキュベート
すると、影響がなく、コントロールと同様である。各例におけるアミロライドで
の処理は、全ての腫瘍セルラインにおいて侵襲指数を劇的に減少させる。しかし
、アミロライド処理細胞は抗−コリジン/Hsp47抗体での処理によって影響
されない。
【0089】 コロイド性金アッセイに対するSCC細胞移動の結果は、Boydenチャンバーア
ッセイから得られた結果と匹敵するが、これはコロイド性金が Matrigel(登録
商標)、コラーゲンまたはラミニン−5を含むかどうかに依存する。SCC細胞
のファゴキネティック移動指数はラミニン−5に対して最も高く、次いでコラー
ゲンおよび Matrigel(登録商標)である。特に、この移動トラックは、コラー
ゲンまたは Matrigel(登録商標)に対して観察されるものよりラミニン−5コ
ーティングコロイド性金に対して広く長い。コラーゲンおよび Matrigel(登録
商標)マトリクスの両者に対するファゴキネティック移動指数は、抗−コリジン
/Hsp47抗体での処理にしたがって増加するが、抗−CD9抗体での処理に
は影響されないことがわかる。ラミニン−5コーティング表面において、ファゴ
キネティック指数は抗-コリジン/Hsp47での処理には影響されない。
【0090】 実施例5 Hsp47結合ペプチドの同定および分析: A.ペプチドライブラリーのアフィニティーパニング: ランダム7ペプチド(Ph.D.-7, New England Biolabs; Beverly, MA)またはラ
ンダム12ペプチド(Ph.D.-12, New England Biolabs; Beverly, MA)をpIIIタ
ンパク質のN末端に挿入した2つのバクテリオファージライブラリーを用いる。
Ph.D.-7ライブラリーは、〜2.8×109のエレクトロポレーションされた配列
からなり、これが増幅されると、供給されたファージ10μL中〜70コピーの
各配列を生じさせる。Ph.D.-12ライブラリーは、〜2.7×109のエレクトロ
ポレーションされた配列からなり、これが増幅されると、供給されたファージ1
0μL当たり〜55コピーの各配列を生じさせる。
【0091】 B.アフィニティーパニングによるHsp47結合バクテリオファージの選択: Ph.D.-7 または Ph.D.-12 キットおよび、ビオチニル化標的に関して修飾され
たプロトコルを用いて、Hsp47によって認識されるペプチドを表示するバクテリ
オファージを同定する。本質的には、加湿チャンバー中、4℃で一晩穏やかに攪
拌しながら、ミクロ滴定プレートの96ウェルを0.1M NaHCO3 pH8
.6 135μL中のストレプトアビジン(1mg/mL)15μLでコーティ
ングする。ストレプトアビジン溶液を除去した後、ウェルを、0.05%トゥイ
ーン20を含むTBS(TBS-Tween)で3回洗浄し、次いで37℃で1時間、0.
1μg/mLのストレプトアビジンを含むPBS中の1%BSPとインキュベー
トすることによりブロックする。
【0092】 次いで、TBS-Tween 400μL中のビオチニル化Hsp47 0.1μgおよび2 x
1011 pfuのインプットファージ加えることにより、ファージをHsp47とプレ複合
体化させ、60分間インキュベートする。次いでファージ−標的複合体溶液を洗
浄されたブロック化プレートに加え、室温で10分間インキュベートする。ビオ
チンを最終濃度0.1mMまで加え、5分間インキュベートし、ストレプトアビ
ジン結合ファージを取り出す。非結合ファージを廃棄し、このプレートをTBS-Tw
een(0.1%)で10×洗浄する。次いでこのウェルを、1mg/mL BSA
を含む1M トリス−HCl;pH2.2 15μLで5分間処理し、Hsp47-ファ
ージを溶出する。このサンプルを1M トリス−塩酸;pH9.1で中和し、E
R 2537培養20mLに加え、強く攪拌しながら37℃で4.5時間インキ
ュベートすることによって増幅する。次いでこの培養を新たな試験管に移し、1
0,000rpm、4℃で10分間遠心する。上清を新たな試験管に移し、1/
6容量のPEG/NaClを用いて4℃で一晩ファージを沈降させる。LB培地
4mLに単一コロニーのER2537を播種し、次いで培養が対数増殖中期(O.
D.600 〜0.5)に達するまで強く振りながら37℃でインキュベートする。4
℃において10,000rpmで15分間遠心してペレットを獲得する。このペ
レットをTBS1mLに再懸濁し、4℃において10,000rpmで5分間遠
心する。上清を新たな試験管に移し、1/6容量のPEG/NaClを用いて氷
上で1時間沈降させる。遠心後、ペレットをTBS 200μLに再懸濁する。
溶出液を滴定(titer)し、LB/IPTG/XGalプレートにまき、一晩インキュベート
する。ライブラリーファージは、lacZα遺伝子を保持する通常のクローニング
ベクターM13mp19由来であるため、Xgal および IPTG を含む培地にプレ
ートした場合、ファージプラークは青色を呈する。青色コロニーを配列決定用に
選択するか、あるいはパニングの第二ラウンドに使用する。コントロールとして
は、ストレプトアビジンを標的として用い、3ラウンドのパニング後にストレプ
トアビジン結合ペプチドに関して共通配列を確かめる。
【0093】 C.Hsp47結合バクテリオファージのスクリーニング: 50〜200コロニーを含むプレートから青色コロニーのクローンをニトロセ
ルロースフィルターにトランスファーする。細菌を、0.05%トゥイーン20
および1%ウシ血清アルブミンを含むPBSでフィルターから洗浄し、次いでこ
のフィルターを同じバッファー中で30分間インキュベートした後、PBS-Tween
で3回洗浄する。ビオチニル化Hsp47(PBS-Tween中0.1〜2μg/mL)5m
L中で1時間インキュベートした後、このフィルターをPBS-Tween中で3回再洗
浄する。次いで、Hsp47結合バクテリオファージを分泌したクローンの位置を2
つの方法のうち一方によってつきとめる:このフィルターをアルカリホスファタ
ーゼコンジュゲート化ストレプトアビジン(PBS-Tween中1/10,000希釈;
Pierce, Rockford, IL)5mLと室温で1時間インキュベートした後、PBS-Twe
enで何度も洗浄するか、あるいはこのフィルターを抗−ビオチン抗体(PBS-Twee
n中1/50,000希釈; Pierce, Rockford, IL)5mL中で1時間インキュ
ベートし、洗浄し、アルカリホスファターゼにコンジュゲートされたウサギ抗−
ヤギ免疫グロブリン抗体(PBS-Tween中1/5,000希釈; Pierce, Rockford,
IL)とインキュベートする。各場合では、ニトロブルー テトラゾリウム/およ
び5 ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート トリジウム(tolidium
)(Bethesda Research Labs, Rockville, MD) の混合物を基質として用いてアル
カリホスファターゼ活性を示す。
【0094】 D.バクテリオファージ表示ペプチドの配列の決定: 一本鎖バクテリオファージDNAを精製し、オリゴヌクレオチド(5' -CCCTCA
TAGTTAGCGTAACG-3')(配列番号 63) を−96プライマーとして配列決定する。
配列決定反応は ABI Prism Model 373 Version 3.0 を用いて行う。
【0095】 E.Hsp47結合ペプチドを評価(score)するプログラム 出発ライブラリーと選択ライブラリーを位置依存的に比較する。最尤法および
ブートストラップリサンプリングによって統計分析を行う。これは、元のライブ
ラリー中におけるペプチドと比べたHsp47結合ペプチド中の位置によって残基 (r
esidues) の分布を表す。上で得られた選択物(the preferences)を分類するた
め、BiPに関して以前 (Cwirla et al. (1990) Proc. Nat'l. Acad. Sci. 87, 6
378-82) に記載される評価系(scoring system)を用いて合成ポリペプチドおよ
び天然に存在するポリペプチド中のHsp47結合部位を予想する。その実行におい
て、評価は、7残基コア配列の各位置において可能な20アミノ酸それぞれに対
して行う。これらの評価は、選択および非選択バクテリオファージ集団によって
表示されたペプチド内の各残基の全量の差異(倍)から導く。各7ペプチドに存
在する7残基配列それぞれに対する評価を以前 (Cwirla et al., 同箇所) に記
載されるように測定する。
【0096】 Hsp47結合配列のスコアセットを確認するため、評価マトリクスを作成するた
めに用いたデータベースの部分でないHsp47結合配列の第2セットが必要である
。これを達成するため、ランダム12ペプチドを表示する独立した組換えバクテ
リオファージからなる第2ライブラリーを用いる (Ph.D-12, New England Biola
bs, Beverly, MA)。次いで配列を、位置特異的な反復BLAST、お互いに対するパ
ターンHit Initiated BLAST および BLAST 2 配列(NCBI)によって比較する。
さらに、the Weizmann Institute of Sciences Genome and Bioinformatics デ
ータベースを利用して2つのペプチドのハイドロパシープロファイルを比較する
【0097】 F.Hsp47結合ペプチドの分析: pIIIタンパク質のN末端にランダム7ペプチドまたは12ペプチド挿入を有
する2つのバクテリオファージライブラリーを用いる;第一に実験されるのは7
ペプチドライブラリーである。非選択ライブラリーから70の個別のバクテリオ
ファージクローンをランダムに選び、種々の7ペプチド挿入のアミノ酸配列を、
対応するコード領域のヌクレオチド配列から演繹する。全てのアミノ酸を示すが
、その頻度は各残基をコードするコドンの相対数から予測されるものと必ずしも
対応しない。
【0098】 パニングによって得られる54のHsp47結合バクテリオファージによって表示
される7ペプチドの配列は、バクテリオファージゲノムの対応する領域のDNA
配列分析によって決定する。この54クローン由来の、Hsp47を結合するペプチ
ド配列をまず単一集団として考え、出発ライブラリーからランダムに選択される
70クローン由来のものと比較する。Hsp47結合バクテリオファージの親水性を
作表すると、パニングによって選択される2つの一般的ペプチド集団が示される
。一方の群のペプチドは親水性ペプチドであり、他方は低疎水性群のペプチドで
ある。
【0099】 7ペプチドの、選択および非選択の、二集団の全アミノ酸組成を比較すると、
アスパラギン(N)、スレオニン(T)、チロシン(Y)およびプロリン(P)
が特に豊富であり、一方フェニルアラニン(F)、アスパラギン酸(D)および
アルギニン(R)は有意に涸渇することが示される。しかし、個別に考えると、
疎水性群のペプチドは顕著にトリプトファンおよびロイシン、ならびにバリンお
よびアラニンに富む。
【0100】 種々の7ペプチドを成熟pIIIタンパク質に連結する5残基スペーサーには豊
富な残基は含まれない。選択された疎水性ペプチドを調べると、XHyHyXXXHyHy(
ここに、Hyは大きな疎水性アミノ酸(通常はW、LまたはF)であり、Xは任意
のアミノ酸である)として最もよく表すことができる残基モチーフが示される。
このコアモチーフはまた、モチーフXHyHyXXHyXXXXHyHyとして表される Ph.D-12
ライブラリー由来の選択残基中にも同定される。XXHyHyXXXとして記載されるペ
プチドモチーフは、このライブラリーから選択される選択親水性ペプチドを最も
よく表す。興味深いことに、同様のコアモチーフ(HyXXXHyHyXXHyXXX)は12ペ
プチドライブラリー由来の選択残基中にも同定できる。しかし、少数のペプチド
は、Hsp47のパニング時に選択されるが、完全に疎水性残基を欠いている。
【0101】 BLASTプログラム分析を行って、バクテリオファージ表示ペプチドとプロコラ
ーゲンIと選択12ペプチド間の配列相同性を評価する。配列のみに基づくと、
特定の相同性はほとんど観察されない。しかし、ウィンドウレングス(window l
ength)7にわたる親水性を計算するKyte-Doolittle法を用いてプロコラーゲン
I(1)のハイドロパシープロファイルを3ラウンドのパニングによって得られ
た12ペプチドと比較した場合、全てのファージ表示ペプチドはプロコラーゲン
分子内の特定領域によって表される。ほとんどの疎水性ペプチド(表1参照)は
N−プロペプチド領域(残基59〜71)またはC−プロペプチド領域(残基1
344〜1445)内領域に位置する。逆に、ほとんどの親水性ペプチド(表2
参照)はプロコラーゲンのらせん状領域を伴う領域(残基:283〜295、4
70〜482、666〜678、727〜739、1040〜1052および1
087〜1099)に位置し、1つのペプチドのみがN−プロペプチド領域(残
基100〜112)内配列に位置する。
【0102】 実施例6 腫瘍細胞上のHsp47結合ファージ(HBP)の細胞下局在:
【0103】 実験は上記のセルライン、SCC4, SCC9, SCC15 および SCC25、およびトランス
フォームされた正常口ケラチノサイトセルラインGMSM-K(これはDr. V. Murrah
(UNC, Chapel Hill, NC)の好意によるものである)を用いて行う。乳癌[HTB126,
HTB127]およびHTB125正常乳房細胞をATCCから獲得する。さらに、前立腺セルラ
イン PC-3, LNCaP および PZ-HPV はDr. R. Franklin (UM, Baltimore, MD) の
好意によるものである。 A.フローサイトメトリー分析: Hsp47に対する抗体は上に記載するものであり、それらをフルオレセインまた
はTexas Redとコンジュゲートさせる方法はそのままである。抗−M13モノク
ローナル抗体はAmersham Pharmacia Biotech (Piscataway, NJ)から獲得する。
サイトメトリー分析は上記のように行う。
【0104】 HBP25μLを、培地中、37℃で1時間、106細胞 (SCC4, SCC9,SCC15,
SCC25, HTB126, HTB127, PC-3 および LNCaP) とインキュベートする。次いで
この細胞をTBS-Tweenで3回洗浄し、HBPを FITC-抗-M13 抗体で染色し、フロ
ーサイトメトリーによって分析する。こららの実験は非透過化処理腫瘍セルライ
ン (SCC4, SCC9, SCC15, SCC25, HTB126, および PC-3) がその細胞表面に種々
のレベルのM13ファージ染色を有することを示す。さらに、細胞を抗体の添加
前に透過化処理した場合、内部移行されたファージとカップリングされた細胞表
面染色は高められた染色を示す。しかし、同様に処理された GMSM-K(確立され
た上皮セルライン)は染色がほとんどないか、あるいは全く示さない。GMSM-K
細胞に関して得られたものと同様の結果が、HTB125 および PZ-HPV 正常乳房セ
ルラインおよび前立腺セルラインそれぞれに関しても得られる。
【0105】 B.免疫沈降分析: M13結合ファージの特定のセルラインとの結合を証明するため、SCC4 およ
び GMSM-K をHBPで1時間処理し、次いでTBS-Tweenで3回洗浄し、原形質膜
を単離し、抗―M13抗体と免疫沈降させる。これにより、2つのタンパク質バ
ンドが生じ、一方のバンドはMr=47kであり、もう一方のバンドはMr=2
7kである。47kのバンドはウエスタンブロット分析により、Hsp47と同定さ
れる。
【0106】 C.免疫蛍光および共焦点顕微鏡観察: 1.免疫蛍光および共焦点顕微鏡観察: 免疫蛍光顕微鏡観察は上記のように行う。細胞表面の Hsp47 または M13 バク
テリオファージを可視化するため、サイトメトリー分析に関して記載のように、
細胞を透過化処理せず、1−% パラホルムアルデヒドで処理および固定する。
しかし、非特異的結合を妨げるため、細胞をPBS中の10% ブタ血清で1時
間ブロックする。次いでこの細胞を抗Hsp47または抗M13バクテリオファージ
抗体(Amersham Pharmacia-Biotech, Piscataway, NJ)とインキュベートし、PB
Sで洗浄し、フルオレセインまたは Texas red とコンジュゲートされたヤギ抗
−ウサギIgGと1時間インキュベートする。抗漂白剤を含有するマウント溶媒
(mounting media)(Kirkegaard & Perry Laboratories, Inc.; Gaithersburg,
MD) 中のカバーガラスをマウントする。細胞をエピフルオレセンス(epifluoresc
ence)を備えた Zeiss II 光学顕微鏡下で検査する。一次抗体で処理しない細胞
を負のコントロールとして用いる。
【0107】 共焦点イメージを Zeiss LSM410 共焦点顕微鏡を用いて収集する。590 のバリ
ヤーフィルターを有する 488/568 のFTを用いて、Texas red 染色を検出し、5
15〜540 でバリヤーを有する560 のFTを用いて、フルオレセインラベル化イメ
ージを作成する。デジタルイメージをZIPドライブで収集し、Adobe Photosho
p 3.0 ソフトウェア (Adobe Systems Inc. Mountain View, CA) を用いて作図す
る。二次抗体のみとインキュベートしても細胞に蛍光は結合しない。
【0108】 共焦点顕微鏡観察では、HBPの破壊(fate)および共局在化が示される。こ
れらの実験は、腫瘍セルラインをHBPで処理すると、細胞表面の、微小胞中に
染色が分布し、ERと一致する核周囲の領域に強い染色が分布することを示す。
次いで細胞をM13バクテリオファージで処理し、その後 Texas red−抗−Hsp4
7抗体および FITC-M13 抗体で二重染色する。Hsp47 の局在は M13 ファージ染色
のものと類似し、抗体が共に局在することは、M13染色とHsp47染色パターン
の両者の重なり、黄色を表す。
【0109】 2.リソソームおよびER リソソーム成分をラベルするため、5%CO2中で、生育培地中、37℃で4
時間、細胞を1mg/mLリジン−固定可能 FITC-デキストラン (Molecular Pr
obes; Eugene, OR) とインキュベートする。洗浄後、細胞をさらに30分間イン
キュベートし、初期エンドソームからリソソーム成分までデキストランを追跡す
る。初期および再循環エンドソーム成分を同定するため、5% CO2中、50μ
g/mL FITC-トランスフェリン (Molecular Probes; Eugene, OR) を含む血清
不含培地中、37℃で30分間、細胞をインキュベートする。特定の細胞成分を
同定する処理を行った後、細胞を固定し、免疫蛍光および/または共焦点顕微鏡
観察に用に処理する。
【0110】 細胞をFITC-コンジュゲート化デキストランの存在下で培養し、次いで30分
間追跡してデキストランを初期エンドソームから除去した後、固定し、Texas re
d コンジュゲート化抗M13抗体で免疫染色する。他のセルラインの代表として
、SSC4 細胞は小胞構造への FITC-デキストランの明確な同定を示すが、HBP
染色は主として細胞質および核周囲域において点状の小胞に限定されている。H
BPがリソソームに有意に標的化されていないことを証明するため、SCC4 細胞
をラテックスビーズおよびHBPに送り、次いで固定し、抗M13抗体を用いる
免疫沈降用に処理する。SCC4 細胞では、M13シグナルはビーズの周囲に局在
せず、このことはファゴソームとの結合は最小であることを示す。
【0111】 エンドソームをラベルするため、SCC4 および GMSM-K 細胞を、FITC-コンジュ
ゲート化または Texas red-コンジュゲート化トランスフェリンの存在下で培養
した後、固定し、抗M13抗体で染色する。共焦点顕微鏡観察による分析はトラ
ンスフェリンは原形質膜(細胞の端の部分の環状染色)および再循環エンドソー
ム(細胞下点状染色)の両者を染色することを示す。M13抗体染色では、非常
に類似し、重なっているパターンが観察され、結果的に2つのイメージを重ね合
わせると、点状細胞下領域および原形質膜に2つのシグナルが共に局在(黄色)
することが示される。注目すべきは、GMSM-K 細胞が、コンジュゲート化デキス
トランおよびトランスフェリンでの同様の染色パターンを提供するが、抗M13
抗体によって染色されないことである。
【0112】 D.細胞成分フラクション 原形質膜を上記のように分画する。 この膜フラクションは、原形質膜のマーカーである、5'−ヌクレオシダーゼ
活性の分布によって特徴付けられる。原形質膜を直接 PAGE およびウエスタン分
析に付する。ウエスタンブロットでは、タンパク質をSDS-PAGEで電気泳動し、す
ぐにニトロセルロース紙に電気的トランスファーし、10% 脱脂乾燥乳 (NFDM)
でブロックする。抗血清またはペル免疫(perimmune)血清を同じバッファーで1
:2000希釈し、穏やかに振りながら一晩インキュベートする。次いでこのニ
トロセルロースをTBS/Tween中で5分間、3回すすぐ。Hsp47およびM13バクテ
リオファージに対する抗体を[125I]−ラベルプロテインA (New England Nucle
ar, Boston, Mass) またはウエスタンブロット分析で検出する。
【0113】 E.ペプチド合成 7ペプチドおよび12ペプチドは連続フロー固相合成によって製造し、高圧液体
クロマトグラフィーおよび質量分光測定によって、以前(Cwirla et al., 同箇所
)に記載されるように分析する。
【0114】 実施例7 口扁平上皮癌異種移植における腫瘍部位へのホーミング化学療法薬物
中のHsp47結合ペプチドおよびHsp47モノクローナル抗体の効力の測定 A. 腫瘍進行に対するドキソルビシンコンジュゲート化Hsp47腫瘍ホーミング
ペプチドおよびHsp47モノクローナル抗体の作用: ドキソルビシン(Doxorubicin)をモデル化合物として用いて、十分に分化し
た腫瘍における細胞表面Hsp47への薬物のホーミング(homing)が効果的に腫瘍
応答に必要とされる薬物の用量を減少させるか、あるいはヒト口扁平上皮細胞癌
異種移植モデルにおける薬物の化学療法指数に対する有効性を増大させることを
示す。
【0115】 B.Hsp47モノクローナル抗体ドキソルビシンコンジュゲート: マロネートリンカーを用いてドキソルビシン免疫コンジュゲートを製剤化する
。本質的には、モノクローナル抗体を、0.5Mボレートバッファー中、ジメチ
ルホルムアミドの存在下、BAMME-CH DMBリンカーとコンジュゲートする。クロマ
トグラフィーによって精製し、100mMカルボヒドラジドを加えて機能的抗体
を脱ブロックし、クロマトグラフィー精製する。最後に、脱ブロックされた機能
的抗体を10−mM ドキソルビシンと反応させ、クロマトグラフィー精製する
。同様の免疫コンジュゲートは、抗体の免疫反応性を維持し、コンジュゲート化
されていない遊離のドキソルビシンと等価な強度を有し、ヌードマウスの異種移
植様式において体重減少および死によって測定される毒性を現すことはないこと
が示された。
【0116】 C.Hsp47結合タンパク質ドキソルビシンコンジュゲート: the UM Biopolymer Laboratory Core Laboratory によってHsp47ペプチドを合
成し、高性能液体クロマトグラフィーによって精製する。10エチル−3−(3
−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (EDC, Sigma) およびN−
ヒドロキシスクシンイミド (NHS, Sigma) を用いてこのペプチドをドキソルビシ
ン (Aldrich) とコンジュゲート(結合)する。次いでこのコンジュゲートを Se
phadex G25 でゲルろ過して反応物を除く。遊離の薬物の存在をHPLCおよび
核磁気共鳴によってモニターしたところ、調製物の<5%である。
【0117】 D.遊離の薬物、ペプチドコンジュゲートおよびモノクローナル抗体コンジュゲ
ートとしてのドキソルビシン分布の薬物動態学: 1.動物および薬物投与: 特定の病原を有さない成体マウス(年齢5〜6週)を慣用の生育条件下で維持
する。薬物、遊離のドキソルビシン、ペプチド−コンジュゲートドキソルビシン
およびモノクローナル抗体コンジュゲート化ドキソルビシンの静脈内ボーラス用
量を外側尾部静脈を介して投与する。
【0118】 2.サンプル化: 血液を投与後 5, 10, 15, 30, 45, 60, 90, 120, 180, 240, 360, 480, 960
および 1440 分でサンプル化する。さらに、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、骨格
筋および腫瘍を、血液サンプルに関して記載されるものと同じ時点で収集する。
各実験では、ビヒクルデリバリー5分後に犠牲にしたマウス由来の血液および組
織をコントロールとして使う。心臓穿刺によって血液をヘパリン処理シリンジ中
へ収集し、エッペンドルフミクロ遠心チューブに移し、氷上に保存した後、13
,000xgで5分間遠心して血漿を得る。組織はすばやく解剖し、氷上に保持
した後、重量測定し、次いで液体窒素中で急速凍結する。血漿、組織、および投
与溶液は分析まで−70℃で凍結保存する。
【0119】 3.ドキソルビシンの分析: ドキソルビシンの血漿および組織濃度を高性能液体クロマトグラフィー(HP
LC)によって測定する。血漿サンプルを慣用の手法によって抽出する。200
μLの血漿サンプルを内部標準(4'−エピドキソルビシン)と混合し、次いで
クロロホルム/2−プロパノール(1:1、v/v)0.6mLと15秒間強く
混合する。硫酸アンモニウム(約0.5g)を得られたゲルに加え、十分に混合
する。三相混合物を13,000xgで15分間遠心する。得られた上の相を円
錐試験管に移し、N2ジェットで乾燥する。乾燥残留物を移動相100μLに溶
解し、オートサンプラービンに移し、75μLを以下のHPLC系に注入する。
【0120】 組織サンプルを解凍し、すぐに17×100mmポリプロピレン管に移し、こ
れを氷浴に保持し、Polytron (Brinkman Instruments, Westbury, NY) を用いて
リン酸バッファー塩溶液(1.2mM KH2PO4, 2.9 mM Na2HPO4, 154mM NaCl, pH 7.4
, Biofluids, Inc., Rockville, MD)の部分(重量/容量)中でホモジナイズす
る。各ホモジネートの一部を内部標準と混合し、クロロホルム/2−プロパノー
ルで抽出し、HPLC系への注入のために調製する。 用いるHPLC系はHewlett-Packard (Palo Alto, CA) モデル1100オート
サンプラーおよびWaters (Milford, MA) M45 ポンプを含む。用いるカラムはALL
TECH (Deerfield, IL) 10μm C18 Econosil カラム(250長、4.6mm
i.d.)である。移動相はアセトニトリル:0.32M オルトリン酸 (27:43, v/
v) からなり、1mL/分でポンプする。カラム溶出物はAminco フルオロモニタ
ーセットを用い、励起波長470nm、放射波長>500nmでモニターする。
この方法を用いると、ドキソルビシン、ドキソルビシノールおよび内部標準の良
好な分離が、それぞれ保持時間12.5、7および15分において達成される。
定量下限は0.1nmである。検出シグナルは Hewlett-Packard 3392A インテ
グレーターによってプロセッシングされ、各ピーク下領域が積分される。各サン
プル中のドキソルビシン濃度は、ドキソルビシンピーク領域の、対応する内部標
準ピークのものに対する割合を測定し、適当なマトリクス中で作成された、同時
に行われた標準曲線に対する割合を比較することによって計算する。
【0121】 4.薬物動態分析: ドキソルビシンの血漿濃度対時間のタイムコースは、非区画および区画法の両
方によって分析する。0から無限大までの曲線下領域(AUC)および末端半減期(
1/2)は、LAGRAN コンピュータープログラムによって実行される LaGrange 関
数を用いる非区画分析によって評価する。CLtbは定義: CLTB=用量/AUC から計算し、分布の安定状態容量(VDSS)は式: VDSS = Cltb/kel. から計算する。 さらに血漿中のドキソルビシンの個別濃度対時間を、Nelder Mead simplex をア
ルゴリズムとして用いるプログラム ADAPT II を用いる区画モデルに適合させる
。2および3区画、オープン、リニアモデルをこのデータに適合させる。モデル
識別は Akaike's Information Criteria (AIC) に基づく。これは以下のように
定義される: AIC - 2p + n(lnWSSR) (ここにpはモデル中のパラメータの数を表し、nは観察数と等しく、WSSR
は二乗残余の加重和(the weighted sum of squares residuals)を表す)。
【0122】 E.腫瘍保持マウスのHsp47ホーミング薬物での処置: サイズにマッチする腫瘍(size-matched tumors)(〜1cm3) を有するマウ
スを群当たり6動物に劣らない6処置群に無作為化する:ビヒクルのみ、遊離の
ドキソルビシン、ドキソルビシン-Hsp47結合ペプチド、ドキソルビシン−コント
ロール非結合ペプチド、ドキソルビシン−モノクローナルコンジュゲート、Hsp4
7モノクローナル抗体。パワー分析は、生存率の30%差異を示すのに群当たり
少なくとも6動物が必要とされることを示す。一般に、ヒト移植片を有するヌー
ドマウスにおけるドキソルビシン投与量は50〜200μg/週)である。薬物
の腫瘍に対するホーミングは、遊離の薬物より有効であるから、初期実験では、
5、10および15μg/週の投与量で行う。等価物としてのドキソルビシンの
濃度は、490nmにおける薬物およびコンジュゲートの吸光度を測定すること
によって調節し、較正曲線を確立してペプチドおよびモノクローナルコンジュゲ
ートに対する等価物をつきとめる。生存動物のフラクションを、40日のコース
にわたって測定し、Kaplan-Meier 生存曲線としてプロットする。生存率は動物
を毎日検査し、死亡率を測定することによって測定する。次いで、用量上昇実験
を行い、ここでは、マウスを、ドキソルビシン等価物30μgの用量のドキソル
ビシン-Hsp47結合ペプチドおよびドキソルビシン−コンジュゲート化Hsp47モノ
クローナル抗体で21日毎に84日間処理する。Kaplan-Meier 生存曲線を構築
する。さらに、剖検後、最初の腫瘍重量およびサイズをつきとめ、リンパ節およ
び肺転移の存在を測定する。また、組織学的評価によって支持される転移の総測
定として、リンパ節重量および肺重量を測定する。
【0123】 毒性を評価するため、薬物投与量をマウス当たりドキソルビシン−等価物20
0μgに高める。高められた用量の薬物を受けるマウスは、単一投与量の遊離の
ドキソルビシン、ドキソルビシン-Hsp47結合ペプチドまたはドキソルビシン-Hsp
47モノクローナル抗体を服用する。次いで動物を14日間試験し、動物の平均フ
ラクションを Kaplan-Meier 生存曲線に描く。
【0124】 腫瘍ホーミングドキソルビシン−コンジュゲートで処置した動物は、遊離の薬
物を服用した動物より低い薬物等価用量でより長く生存する。さらに、生存率が
より高くなるにつれて、重量としての腫瘍サイズ、リンパ節および薬物転移が減
少する。非コンジュゲート化Hsp47モノクローナル抗体自身が、腫瘍に対する応
答の仲介において免疫療法的作用を有する場合、免疫不全ヌードマウスがそのよ
うに応答せず、ならびに非コンジュゲート化コントロールの使用によって、これ
はC57BLモデルのみにおいて明らかである。
【0125】 前記記載から、当業者であれば、本発明の本質的特徴を容易につきとめること
ができ、その思想および範囲から逸脱することなく、本発明に変化および修飾を
施して、種々の用途および条件に適合させることができる。
【0126】 当業者であれば、さらなる労力を使わずに、前記記載を利用して、本発明を最
大限に利用できると考えられる。したがって、前記の好ましい具体的態様は、単
に例示として考えられるべきであり、いかなる意味においても開示の残りの部分
を限定するものではない。
【0127】 本明細書中および図面に引用される全ての出願、特許および刊行物の全開示内
容は引用により本明細書中に包含される。
【0128】 補遺1 癌腫細胞に対するCBP2Aポテンシャル細胞表面標的の結合モチーフ これまでに、我々は、多くの細胞系の中で、CBP2遺伝子産物であるHsp
47が、その保持受容体erd2Pを回避し、その結果、テトラスパニンタンパ
ク質CD9に関連する細胞表面上のHsp47が出現することを明らかにしてい
る(J.Cellular Biochem.、1999)。Hsp47が高度に制限された結合裂
片をもつことにおいて、ランダムペプチドディスプレーライブラリーを用いて、
Hsp47に対するペプチド結合の特徴付けを行い、次いで、インビトロにて癌
腫細胞系に対してこのタンパク質を標的化した。選別して得られたクローンを比
較すると、配列のみに基く特異的相同性はほとんどないことが示された。Hsp
47を発現している癌腫細胞が選択されたバクテリオファージを選択的に取り込
むことができるかどうかを決定するために、慣例の免疫蛍光法および共焦顕微鏡
法を用いた。これらの実験から、ファージ提示Hsp47結合ペプチドが、Hs
p47を発現している細胞系に結合し、Hspステイニングに一致する位置にす
ばやく取り込まれることが明らかになった。これらの観察は、サイトメトリー分
析によって確認された。これらのデータは、CBP2産物が、悪性腫瘍の化学療
法および/または造影用の分子標的を提供することを示す。 略語:CBP2(collagen binding protein 2、コラーゲン結合タンパク質
2);ER(endoplasmic reticulum、小胞体);ATCC(アメリカン・タイ
プ・カルチャー・コレクション);TBS(Tris buffered saline、トリス緩衝
食塩水);PBS(phosphate buffered saline、リン酸緩衝食塩水);PEG
(ポリエチレングリコール);FITIC(フルオレセインイソチオシアネート
)。
【0129】 新生物細胞を直接処置または造影するための特異的細胞表面標的を同定するた
めの追求が続けられている。たとえば、ドラッグデリバリーのための標的として
用いられているタンパク質の1つのグループは、ガン関連染色体異常によって作
成されたキメラ分子である。しかし、このような分子は通常、特定の腫瘍に対し
て独特である(Baronら、1997;Diez de Medina SGら、1997)。上記
タンパク質に加えて、このような標的の潜在的源は、悪性腫瘍において特定の染
色体座で増幅される遺伝子の産物である。たとえば、遺伝子座11q13→14
は通例、頭部および頚部、肺、食道、膀胱ならびに乳房のガンなどのヒトガンに
おいて増幅される(Schuuringら、1992)。この増幅物は大きく(2.5〜
5Mbに及ぶ)、公知の腫瘍形成潜在力をもつ数個の遺伝子を内包する(Bekri
ら、1997)。乳癌では、この遺伝子座は、初期腫瘍の〜13%において増幅
されるが、頭部および頚部では、増幅は、腫瘍の40%〜76%で起こる。この
領域のさらに詳細なマップは、5個もの別の増幅ユニットが11q13に存在す
ることを示している。これらのユニットでは、遺伝子エリアは、11q13.5
→14.1にあるGARP遺伝子を包含している。CCDN1およびEMS1に
対してテロメリックに位置するこの領域の評価は、領域マップに存在する多くの
遺伝子、すなわち、染色体座11q13.5におけるCBP2(Hsp47)お
よび“スポット14”ならびにこの後者の領域に対してテロメリックに位置する
CLNS1A、UVRAGおよびPAK1を明らかにしている。したがって、1
1q13→q14増幅物のコアを350kbエリアまで狭めると、そのテロメリ
ック側においてD11S533を包含する(Bekriら、1997;Moncur、19
98)。
【0130】 この増幅物を評価すると、CBP2の遺伝子産物が、悪性腫瘍のグループに関
連しており、それを識別しうること(Morinoら、1997;Morinoら、1995
;Morinoら、1994;Shirakamiら、1995a;Shirakamiら、1995b;
Shirakamiら、1995)ならびに胎児物質インターフェースにおける絨毛外の
栄養芽層細胞および脱落膜細胞に位置すること(Pakら、1997;Shirakamiら
、1995b;Morinoら、1995;Morinoら、1994;Morinoら、1997
;Shirakamiら、1995)が明らかになった。興味深いことに、染色体11q
13.5に位置するCBP2は、脂質生成新生物に発現するキー遺伝子であるS
pot14と遺伝子座を共有している(Moncur、1998)。
【0131】 通常、CBP2遺伝子産物であるHsp47は、発生期鎖の翻訳中の早期時点
でプロコラーゲン鎖にまず関連するER−Golgiに限定される(Saukら、1
994)。Hsp47は、Hsp47のCOOH末端配列RDELに関連するe
rd2遺伝子産物であるKDEL受容体のリサイクルによって、これらの細胞コ
ンパートメント内に保持される(Saukら、1997)。しかし、幾つかの腫瘍で
は、Hsp47は、そのシャペロン特性とは無関係に発現され、この監視メカニ
ズムをのがれて、細胞表面に現れるが、培地へは分泌されない。これまでの実験
から、gp96といったようなHspが、周縁膜タンパク質に強く表面結合して
いることが実証されているが、他のタンパク質とのイオン相互作用を無視するこ
とができるにもかかわらず、固定の正確なメカニズムは不明である(Tamura Y、
1997)。gp96のようなHsp47は、ファルネシル化、パルミチン酸化
、イソプレニル化またはミリスチル化のための配列特性が欠如している;したが
って、共有結合が、ありそうもない固定のメカニズムであるようにもみえる(Ta
mura Y、1997;Altmeyerら、1996;Tamura Y、1997)。興味深いこ
とに、幾つかの類表皮癌腫細胞系において、Hsp47が、テトラスパニンタン
パク質CD9に関連することがわかっている(Hebertら、1999)。さらに、
これらの場合、Hsp47が、架橋反応を用いなくとも、抗CD9抗体を用いて
膜免疫沈降物から容易に再生されることがわかっており、これらのタンパク質間
の疎水性相互反応の存在が示唆される(Hebertら、1999)。
【0132】 多くの他のタンパク質とは異なり、Hsp47は、限られた数の細胞内リガン
ドをもつことがわかっている(Nakaiら、1989)。これまでの実験から、抗
プロピプチド抗体SP1.D8によって定義される領域(Huら、1995)、2
3−151残基の間のα1(l)鎖のN−プロペプチドへのプロコラーゲンの領
域、およびゼラチン(Nagataら、1988)へのHspの結合が明らかにされて
いるが、この結合については、特異的ペプチドモチーフはいまだ決定されていな
い(Huら、1995)。
【0133】 ここに、我々は、Hsp47の選別実験から得られたバクテリオファージ−ペ
プチドのレパートリーについて報告する。多くの腫瘍細胞系におけるHsp47
をもつこれらのペプチドの幾つかの共局在化は、空間的にHsp47に一致する
細胞内位置に該ペプチドを方向付けうることを実証する。これらの結果から、細
胞表面Hsp47が、細胞表面に永続的には固定されず、このタンパク質が、細
胞内プールでリサイクルを受けることが示される。さらに、これらの実験は、腫
瘍におけるCBP2の発現が、遺伝子療法に関するファージのための標的、薬物
をデリバリーするメカニズム、あるいは肉眼で見えない疾患および転移を造影す
る手段を提供するかもしれないということを示唆する。
【0134】 材料および方法 細胞系:実験は、ATCCから入手した多数のヒト口腔扁平上皮細胞癌腫の樹
立細胞系(SCC4、SCC9、SCC15およびSCC25)を用いて行い、
形質転換した正常口腔ケラチン生成細胞系GMSM−Kは、V. Murrah博士(U
NC、チャペル・ヒル、NC)より提供を受けた。乳癌(HTB126、HTB
127)およびHTB正常乳房細胞も同様にATCCから入手した。さらに、前
立腺細胞系PC−3、LNCaPおよびPZ−HPVは、R. Franklin博士(U
M、ボルティモア、MD)から提供を受けた。ここに記載する実験では、5%C
2空気雰囲気下、37℃にて、10%ウシ胎児血清、ヒドロコルチゾン(0.
4μg/ml、シグマ)を含む、ハムのF12およびダルベッコ変法イーグル培
地の1:1混合培地中で細胞を培養した。乳癌細胞系については、ATCCの指
示にしたがって10μg/mlのインスリンを培地に加え、PZ−HPV細胞は
、KSF培地にて成長させた。リン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.5)中、
トリプシン(0.1%)−EDTA(0.01%)で解離することによって継代
培養した。
【0135】 抗体:Hsp47にはモノクローナル抗体SPA−470(ストレスジェン、
ビクトリア、BC)ならびにキーホールリンペットヘモシアニン(Saukら、19
94)にコンジュゲートしたマウスHsp47のN末端配列に対応する22量体
ペプチドに対して製造されたウサギポリクローナル抗体を用いた。抗M13モノ
クローナル抗体は、アマーシャム・ファルマシア・バイオテック(ピスカタウェ
イ、NJ)から調達した。サイトメトリー分析用のモノクローナル抗体は、5(
6)カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルキット
(ベーリンガー・マンハイム、インディアナポリス、IN)を用いたフルオレセ
インに直接コンジュゲートさせるか、またはSA−Red670(商標)で標識
し、次いでEZ−Link(商標)Sulfo−NHS−LC−ビオチニル化キ
ット(ピアス、ロックビル、Ill)を用いて抗体をビオチニル化した。
【0136】 ペプチドライブラリーのアフィニティー選別:Hsp47の結合特異性を調査
するために、我々は、plllタンパク質のN末端にランダムセプタペプチド(Ph.
D.−7、ニュー・イングランド・バイオラブズ;ベヴァリー、MA)またはドデ
カペプチド(Ph.D.−12、ニュー・イングランド・バイオラブズ;ベヴァリー
、MA)インサートをもつ2つのバクテリオファージライブラリーを利用した。
〜2.8×109個の電気穿孔配列からなるPh.D.−7ライブラリーを一回増幅し
て、供給したファージ10μl当たり〜70コピーの各配列を得た。〜2.7×
109個の電気穿孔配列からなるPh.D.−12ライブラリーを一回増幅して、供給
したファージ10μl当たり〜55コピーの各配列を得た。
【0137】 アフィニティー選別によるHsp47結合バクテリオファージの選択:Ph.D.
−7またはPh.D.−12キット(ニュー・イングランド・バイオラブズ;ベヴァ
リー、MA)およびビオチニル化標的用に変更されたプロトコルを用いてHsp
によって認識されたペプチドを提示しているバクテリオファージを同定した。不
可欠の要素として、96ウエルのマイクロタイタープレートに、0.1M Na
HCO3(135μl)(pH8.5)中のストレプトアビジン(1mg/ml
)15μlを塗布し、4℃の加湿室にて一夜緩やかに震とうした。ストレプトア
ビジンを除去した後、0.05%Tween20(TBS−Tween)を含むTBSで3
回ウエルを洗浄し、次いで、0.1μg/mlのストレプトアビジンを含むBS
Pの1%PBS溶液とともに37℃で1時間インキュベートすることによってブ
ロックした。
【0138】 次いで、0.1μgのビオチニル化Hsp47およびTBS−Tween400μ
l中のインプットファージ2×1011pfuを加え、60分インキュベートした
。次いで、ブロックし、洗浄したプレートにファージ−標的複合体溶液を加え、
室温にて10分間インキュベートした。最終濃度が0.1mMとなるようにビオ
チンを加え、ストレプトアビジン結合ファージを置換するために5分間インキュ
ベートした。非結合ファージを捨て、TBS−Tween(0.1%)で10回プレ
ートを洗浄した.次いで、1mg/mlBSAを含む1Mのトリス−HCl(p
H2.2)15μlで5分間ウエルを処理してHsp47−ファージを溶離した
。1Mのトリス−HCl(pH9.1)でサンプルを中和し、ER2537培養
物20mlを加えて増幅し、激しく攪拌しながら37℃にて4.5時間インキュ
ベートした。次いで、培養物を新たな遠沈管に移し、4℃にて10000rpm
で10分間遠心分離した。上清を新たな遠沈管に移し、4℃にて1/6容のPE
G/NaClで一夜処理してファージを沈澱させた。LB培地4mlに、ER2
537の単一コロニーを植え、次いで、培養物が中期対数相(O.D.600〜0.
5)に到達するまで、37℃にて激しく攪拌しながらインキュベートした。4℃
にて、10000rpmで15分間遠心分離することによりペレットを得た。T
BS1mlにペレットを懸濁し、4℃にて10000rpmで5分間遠心分離し
た。上清を新たな遠沈管に移し、氷上にて1/6容のPEG/NaClで1時間
処理して沈澱させた。遠心分離した後、ペレットを200μlのTBSに再懸濁
した。溶離液の力価決定を行い、LB/IPTG/XGalプレートに置き、一
夜インキュベートした。ライブラリーファージは、lacZα遺伝子をもつ通例の
クローニングベクターM13mp19から誘導されるので、XgalおよびIP
TGを含む培地に植えた場合、ファージプラークは、青く見える。青いコロニー
を選択して配列決定を行うか、または選別の第2ラウンドに用いる。コントロー
ルストレプトアビジンを標的として用い、3ラウンドの選別後、ストレプトアビ
ジン結合ペプチドの共通配列を確かめた。
【0139】 Hsp47結合バクテリオファージのスクリーニング: 50〜200のコロニーを含むプレートからの青いコロニーのクローンをニト
ロセルロースフィルターに移した。0.05%Tween20および1%ウシ血清ア
ルブミンを含むPBSで細菌をフィルターから洗浄し、次いで、フィルターを同
じ緩衝液中で30分間インキュベートした後、PBS−Tweenで3回洗浄する。
ビオチニル化Hsp47(0.1〜2μg/ml、PBS−Tween溶液)5ml
中で1時間インキュベートした後、フィルターを再度PBS−Tweenで3回洗浄
した。次いで、sp47結合バクテリオファージを分泌したクローンの位置をワ
ン・オブ・ツー法で決定した:5mlのアルカリホスファターゼ複合ストレプト
アビジン(PBS−Tweenにより1/10000希釈;ピアス、ロックフォード
、IL)とともに室温にて1時間フィルターをインキュベートした後PBS−Tw
eenでさらに洗浄するか、または抗ビオチン抗体(PBS−Tweenにより1/50
000希釈;ピアス、ロックフォード、IL)とともに1時間フィルターをイン
キュベートし、洗浄し、次いでウサギ抗ヤギ免疫グロブリン抗体−アルカリフォ
スファターゼ(PBS−Tweenにより1/50000希釈;ピアス、ロックフォ
ード、IL)複合体とともにインキュベートした。ケース毎に、ニトロブルー、
テトラゾリウム混合物および基質として5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ルホスフェートトリジウム(ベセスダ・リサーチ・ラブズ、ロックビル、MD)
を用いてアルカリフォスファターゼ活性を明らかにした。
【0140】 バクテリオファージ提示ペプチドの配列の決定: 一本鎖バクテリオファージDNAを精製し、96プライマーとしてオリゴヌク
レオチド(5'−CCCTCATAGTTAGCGTAACG−3')を用いて配
列決定を行った。配列決定は、ABIプリズムモデル373バージョン3.0を
用いて行った。
【0141】 Hsp47結合ペプチドの評点をつけるためのプログラム: Hspに結合するペプチドを特徴付けるために、我々は、位置従属法において
出発および選択されたライブラリーを比較した。最尤推定法およびブーツストラ
プリサンプリングによって、統計的分析を行った。これによって、オリジナルラ
イブラリーにおけるペプチドと比較した場合のHsp47結合ペプチドにおける
位置による残基の分布が示された。上記で得られた選択物を分類するために、我
々は、合成および天然のポリペプチドにおけるHsp47結合部位を予測するた
めに、BiPのために先行文献(Cwirlaら、1990)に記載された評点システ
ムを用いた。そのようにして、7残基コア配列の各位置における可能な20アミ
ノ酸のそれぞれに評点を付与する。これらの評点は、選択および非選択バクテリ
オファージ集団によって提示されたペプチド中の各残基の総合発生量における折
り畳み差(fold difference)から誘導された。各セプタペプチドに存在する各
7残基配列に対する評点を、先行文献(Cwirlaら、1990)に記載の方法で決
定した。
【0142】 我々のHsp47結合配列の評点セットを有効にするために、評点マトリック
スを作成するのに用いたデータベースの一部ではないHsp47結合配列の第2
のセットが必要である。ランダムドデカペプチドを提示している独立した組換え
バクテリオファージからなる第2のライブラリーを使用した(Ph.D.−12、ニ
ュー・イングランド・バイオラブズ;ベヴァリー、MA)。次いで、位置特異的
反復BLAST、パターンヒット反復BLASTおよび対相互BLAST2配列
(NCBI)によって配列を比較した。さらに、ワイズマン・インスティチュー
ト・オブ・サイエンス・ゲノム・アンド・バイオインフォマティックス・データ
ベースを用いて2つのペプチドの水治療法プロファイルを比較した。
【0143】 ペプチド合成: 連続フロー固相合成によって、セプタペプチドおよびドデカペプチドを製造し
、先行文献(Cwirlaら、1990)に記載の高圧液体クロマトグラフィーおよび
質量分析によって分析した。
【0144】 サイトメトリー分析: 前記と同様にして、インビトロにおいて増殖した細胞を洗浄し、ポリグロビン
Nの0.5%溶液中でインキュベートして、未飽和Fc受容体をブロックし、モ
ノクローナル抗体の非特異的結合を減らした(Takeshitaら、1995)。次に
、細胞懸濁液(1×106細胞/ml)50mlを抗体2.5ml(1mg)と
ともにインキュベートし、フルオレセインまたはSA−Red670(商標)(
ギブコBRL、ゲーサーズバーグ、MD)とコンジュゲートさせた。洗浄後、フ
ローサイトメトリーを行うために、BSAを含むPBSに細胞ペレットを再懸濁
した。細胞内Hsp47とM13バクテリオファージを評価するために、まず、
先行文献(Tangら、1994;Tangら、1993)に記載されているように、0
.1%サポニンを用いて細胞を透過性にした。次いで、FACScanフローサ
イトメーター(ベクトン・ディキンソン、サンホセ、CA)でサンプルを分析し
た。488nmのアルゴンレーザーを15nWの電力で照射した。530/30
BPフィルター後のフルオレセイン複合体からのデータを集めた。2色フローサ
イトメトリー分析のために、フルオレセインまたはRed670(商標)のいず
れかをヨウ化プロピジウムとともに用いた。使用したフィルターは、600nm
2色性SP;525±15nmBP(フルオレセイン)および645LP(Re
d670(商標))であった。
【0145】 ヨウ化プロピジウムを用いて細胞周期を評価し、死細胞を着色した。これらの
実験のために、〜1×106個の洗浄した細胞に、Plを含む低浸透圧クエン酸
溶液を、濃度が1mMとなるまで加えた。細胞を20分間標識し、次いで、着色
溶液をFACScanで分析した。585/42nmBPフィルター後のオレン
ジ色のPl蛍光を集めた。
【0146】 電子的補償(electronic compensation)を放射が集
まっている蛍光チャネル間で用い、残基のスペクトルの重複を除いた。蛍光デー
タは4−10スケール長(four−decade long scale)で
表示した。各サンプルあたり最小10,000事象を収集した。LYSYS I
Iソフトウェア(Becton Dickinson,Mansfield,M
A)を用いてデータの分析を行った。細片および凝集を取り除くために蛍光2重
パラメーターカウンタープロットを用いた。このゲーティング方法により、死細
胞由来の細片の予備区別が可能となる(前方への低い光散乱および高いP1蛍光
)。
【0147】 免疫蛍光法および共焦点顕微鏡 Tangらの方法(Tangら、1994;Tangら、1993)にしたが
って、免疫蛍光法顕微鏡法を行った。細胞表面Hsp47またはM13バクテリ
オファージを可視化するため、細胞の透過処理は行なわかったが、サイトメトリ
ー分析に関して記載したように処理し、1%パラホルムアルデヒドで固定した。
但し、非特異的な結合を防ぐため、細胞をPBS中10%ブタ血清で1時間、ブ
ロックした。次いで、細胞を抗Hsp47または抗M13バクテリオファージ抗
体(Amersham Pharmacia−Biotech,Piscata
way,NJ)とともにインキュベートし、PBSで洗浄し、フルオレセインま
たはテキサスレッドのいずれかと結合させたヤギ抗ウサギIgGと共に1時間イ
ンキュベートした。カバーガラスを、抗脱色剤(antibleaching
agent)(Kirkegaard&Perry Laboratories
,Inc.;Gaithersburg,MD)を含むマウント用培地(mou
nting media)中で載せた。細胞を、エピフルオロッセンス(epi
fluorescence)を備えたZeiss II顕微鏡写真機の下で検査
した。1次抗体で処理しなかった細胞をネガティブコントロールとして用いた。
【0148】 共焦点画像をZeiss LSM410共焦点顕微鏡を用いて収集した。59
0のバリアフィルタを備えた488/568のFTを用いてテキサスレッド染色
を検出し、515−540のバリアを備えた560のFTを用いて蛍光標識した
画像を作製した。デジタル画像をZIPドライブで収集し、Adobe Pho
toshop 3.0ソフトウェア(Adobe Systems Inc.M
ountain View,CA)を用いて図を作製した。二次抗体のみとイン
キュベーションした後の細胞は、蛍光を伴わなかった。
【0149】 リソソーム画分を標識するために、細胞を1mg/mlリジン固定化可能FI
TC−デキストラン(Molecular Probes;Eugene,OR
)とともに、増殖培地中で37℃で4時間、5%CO2中でインキュベートした
。洗浄後、細胞をさらに30分間インキュベートして初期エンドソーム(ear
ly endosomal)画分からリソソーム画分へとデキストランを追い出
した。初期エンドドームおよび再利用エンドソーム画分を同定するために、細胞
を、50μg/ml FITC−トランスフェリンを含む無血清培地(Mole
cular Probes;Eugene,OR)中で、37℃で30分間、5
%CO2下でインキュベートした。処理を行なって、特定の亜細胞(subce
llular)画分を同定したのち、細胞を、免疫蛍光および/または共焦点顕
微鏡のために固定化し処理した。
【0150】 原形質膜の亜細胞画分 原形質膜を分画する方法は、Weberら(Weber TMら、1988)
に記載の方法にしたがって修飾した。サンプルを細菌コラゲナーゼで処理して、
細胞分画の結果として細胞質由来のプロコラーゲン−Hsp47_が細胞表面イ
ンテグリン(integrin)レセプターに結合する可能性を排除した。初期上清をS
orvall SS34ローター中で48,000gで4℃で15分間、遠心分
離し、高密度のミクロソームペレットを緩衝液中(40μl)に再懸濁した。さ
らに上清をBeckman70.1ローター中で300,000gで4℃で75
分間遠心分離し、低密度のミクロソームペレットを緩衝液中(60μl)で再懸
濁した。
【0151】 膜画分を、5’−ヌクレオシダーゼ活性(原形質膜のマーカー)(Avruc
hおよびWallach,1971)の分布により特徴付けた。原形質膜を、直
接、PAGEおよびウェスタン分析に供した。ウェスタンブロットに関しては、
SDS−PAGEで泳動したタンパク質を、すぐにニトロセルロース紙に電子移
動させ(electrotransfer)、10%乾燥脱脂粉乳(NFDM)を用いてブロッ
クした。抗血清または過免疫(perimmune)血清を同一の緩衝液中で1
:2000に希釈し、一晩穏やかに攪拌しながらインキュベートした。次いで、
ニトロセルロースをTBS/Tween中で、5分間、3回リンスした。Hsp
47およびM13バクテリオファージに対する抗体を[125I]−標識プロテイ
ンA(New England Nuclear、Boston、Mass)を
用いてか、または以前に記載(Saukら、1997)されているようにウェス
タンブロット分析を用いて検出した。
【0152】 結果 Hsp47の結合モチーフを解明するために、本発明者らは、pIIIタンパ
ク質のN末端にランダムなセプタペプチドまたはドデカペプチド挿入物を有する
2種類のバクテリオファージライブラリーを利用した。一般的に、少なくとも7
個または8個の残基を含むペプチドは効率的な結合に必要であるので、本発明者
らはまず、セプタマーの(septameric)ペプチドを示すバクテリオフ
ァージのライブラリーを選択した(Ph.D.−7,New England
Biolabs;Beverly,MA)。これらのペプチドの特徴づけを開始
するため、70個の個別のバクテリオファージクローンを無選択ライブラリーか
ら無作為に拾い上げ、種々のセプタペプチドインサートのアミノ酸配列を対応す
るコード領域のヌクレオチド配列から推測した。全てのアミノ酸を表示するが、
各残基をコードするコドンの相対数から予測されるコドン頻度は常に対応するわ
けではない。
【0153】 パンニング(panning)により得られた54個のHsp47−結合バク
テリオファージにより示されるセプタペプチドの配列は、バクテリオファージゲ
ノムの対応する領域のDNA配列分析により決定した。まず、Hsp47に結合
した54個のクローン由来のペプチド配列を単一の集団であるとみなし、そして
開始ライブラリーから無作為に拾い上げた70個のクローン由来のものと比較し
た。Hsp47−結合バクテリオファージの親水性の作表により、パンニングに
より選択された2つの一般集団のペプチドが示された。1つのペプチドグループ
は親水性ペプチドにより示され、他方はより小さい親水性基のペプチドの基によ
り示される(図1)。
【0154】 セプタペプチドの選択したものと選択していないものとの2つの集団の全体的
なアミノ酸組成を比較すると、アスパラギン(N)、トレオニン(T)、チロシ
ン(Y)およびプロリン(P)が特に豊富であり、他方、フェニルアラニン(F
)、アスパラギン酸(D)およびアルギニン(R)がわずかに枯渇していた(図
2a、2b)。しかしながら、個別に考慮すると、ペプチドの親水性基は顕著に
トリプトファンおよびロイシンならびにバリンおよびアラニンが豊富であった。
【0155】 種々のセプタペプチドを成熟pIIIタンパク質に連結する5個の残基のスペ
ーサーは、豊富な残基を含まなかった。従って、スペーサーの残基はおそらく選
択したバクテリオファージの結合活性に寄与しないことを示すので、結合モチー
フの存在に関しては種々のセプタペプチド配列内のみを観察すれば良い。選択し
た疎水性ペプチドを観察すると、XHyHyXXXHyHy(ここで、Hyは大
型の疎水性アミノ酸(通常、W、LまたはFであり、Xは任意のアミノ酸である
)のような残基のモチーフが最も良く観察されることが示された。このコアモチ
ーフはまた、モチーフXHyHyXXHyXXXXHyHyにより表されるPh
.D−12ライブラリー由来の選択した残基中で同定される。これらのデータを
考慮すると、ペプチド結合部位は、荷電した親水性残基により区別される深い疎
水性ポケットを有することが示される(図3)。XXHyHyXXXと記載され
るペプチドモチーフにより、ライブラリーから選択された、選択した親水性ペプ
チドが最も良く示される。興味深いことに、また、類似のコアモチーフ(HyX
XXHyHyXXHyXXX)をドデカペプチドライブラリー由来の選択した残
基中で同定することができた。しかしながら、少数のペプチドは、Hsp47の
パンニングの間に選択されるが、疎水性残基中で完全に欠損している。
【0156】 プロコラーゲンIがHsp47に対する天然のリガンドであることの認識。バ
クテリオファージ提示ペプチドおよびプロコラーゲンIおよび選択したドデカペ
プチドの間の配列ホモロジーを評価するためにBLASTプログラム分析を行っ
た。興味深いことに、配列のみに基づいては特異的なホモロジーはほとんど観察
されなかった。しかし、プロコラーゲンIのハイドロパシープロフィール(1)
を、ウィンドウ長7にわたり親水性を計算するKyte−Doolittle法
を用いて、3回のパンニングから得たドデカペプチドと比較すると、ファージ提
示ペプチドの全てはプロコラーゲン分子内の特定の領域により示された。興味深
いことに、ほとんどの疎水性ペプチドは、N−プロペプチド領域(残基59〜7
1)またはC−プロペプチド領域(残基1344〜1445)内の領域に局在す
る。逆にいえば、親水性ペプチドのほとんどはプロコラーゲンの螺旋領域を有す
る領域に局在し(残基:283〜295、470〜482、666〜678、7
27〜739、1040〜1052および1087〜1099)、1つのペプチ
ドはN−プロペプチド領域内の配列に局在する(残基100〜112)(図4)
【0157】 腫瘍細胞上のHsp47−結合ファージ(HBP)の亜細胞局在を見抜くため
に、本発明者らはHBP(25μl)を106個の細胞(SCC4、SCC9、S
CC15、SCC25、HTB126、HTB127、PC−3およびLNCa
P)と、培地中で1時間、37℃でインキュベートした。次いで、細胞をTBS
−Tweenで3回洗浄し、FITC−抗−M13抗体を用いてHBP染色し、
フローサイトメトリーにより分析した。これらの研究により、透過処理していな
い腫瘍細胞株(SCC4、SCC9、SCC15、SCC25、HTB126お
よびPC−3)が、その細胞表面に種々のレベルのM13ファージ染色を有する
ことが示された。さらに、細胞は、抗体の添加前に透過処理すると、インターナ
リゼーションしたファージと関連する細胞表面染色により染色が増加することを
示した。しかし、同様の様式で処理したGMSM−K(確立された上皮細胞株)
は、ほとんどまたは全く染色を示さなかった。図5は、代表的な腫瘍細胞株、S
CC4細胞をGMSM−K細胞と比較したことを示す。GMSM−K細胞に関し
て得られた結果と類似する結果が、HTB125およびPZ−HPV(それぞれ
、正常乳房(beast)および前立腺細胞株)に関しても得られた。
【0158】 M13−結合ファージと特定の細胞株との関連を証明するために、SCC4お
よびGMSM−K細胞をHBPで1時間処理し、次いでTBS−Tweenで3
回洗浄し、原形質膜を単離し、抗−M13抗体を用いて免疫沈降させた。これに
より2つのタンパク質バンドが生じ、1つのバンドはMr=47kであり、そし
て他方のバンドはMr=27kであった(図6)。ウェスタンブロット分析によ
り47kバンドをHsp47であると同定した。
【0159】 共焦点顕微鏡を用いてHBPの運命および同時局在(co-licalization)を決
定した。これらの研究により、腫瘍細胞株を、顕微鏡下で細胞表面での染色の分
布が生じるHBPで処理した場合には、ERと一致する核周囲領域での強い染色
を示した(Hebertら、1999)。次いで、細胞をM13バクテリオファ
ージで処理し、続いてテキサスレッド−抗−Hsp47抗体およびFITC−M
13抗体を用いる2重染色により処理した。Hsp47の局在は、M13ファー
ジ染色の局在と類似しており、抗体の同時局在は、M13染色およびHsp47
染色パターンの両方の重ね合わせである黄色の着色を示した(図7)。
【0160】 次いで、本発明者らは、HBPが、後期エンドソーム/リソソーム画分に局在
するかどうかを決定した。リソソーム画分を標識するために、細胞をFITC−
結合型デキストランの存在下で培養し、次いで、固定およびテキサスレッド結合
型抗M−13抗体での免疫染色の前に、30分間チェイス(chase)するこ
とによりデキストランを初期エンドソーム画分から除いた。SSC4細胞(これ
は他の細胞株の代表例である)により、FITC−デキストランが小胞構造にあ
ることをはっきりと同定したが、HBP染色は主に細胞質内の斑点(punct
ate)小胞および核周囲領域に限定されることを実証した(図8)。HBPは
顕著にリソソームに標的化されているわけではないことを証明するために、SC
C4細胞にラテックスビーズおよびHBPを供給し、次いで抗−M13抗体を用
いて免疫蛍光のために固定化し、そして処理した。SCC4細胞では、M13シ
グナルはビーズ周辺に配置し得ず、このことによりファゴソームとは最小限の関
連しかないことが示唆される。
【0161】 これまでに、本発明者らはHsp47が細胞表面で発現されることを示してき
たので、細胞表面Hsp47と結合したHBPが再利用エンドソーム(recy
cling endosome)中に存在し得るかどうかを考察した。これらの
画分を標識するために、SCC4およびGMSM−K細胞を、固定化および抗−
M13抗体での染色の前に、FITC−結合型またはテキサスレッド結合型トラ
ンスフェリンの存在下で培養した。共焦点顕微鏡での分析により、トランスフェ
リンが原形質膜(細胞の縁での環状の染色)および再利用エンドソーム(亜細胞
の斑点の染色)の両方を染色したことを示した。非常に類似した重複したパター
ンをM13抗体染色について観察し、続いて2つの画像の重ね合わせにより斑点
亜細胞領域および原形質膜での2つのシグナルの着色(colocalizat
ion)(黄色の着色)を示した。(図9)。注目すべきことは、GMSM−K
細胞が結合型デキストランで同様の染色パターンを提供するが、しかしトランス
フェリンは抗M13抗体により染色されなかったことである(示さず)。
【0162】 パンニングにより単離したペプチド配列に基づき、スコアリングから得られた
推定モデルと一致するセプタペプチドおよびドデカペプチドを合成し、FITC
で標識し、そしてHBPとの結合および取り込みを示すSCC細胞とインキュベ
ートした。細胞株はいずれもセプタペプチドを取り込まなかったが、合成ドデカ
ペプチドは全て、インキュベーションの15分後には腫瘍細胞の細胞質に見出す
ことができた(図10)。
【0163】 考察 ランダムペプチドライブラリーの使用は、新規な治療用分子を同定するために
有用な道具であることが示されている。ライブラリーは、線状ファージクローン
のビリオン表面か、または固相合成支持体上のいずれかに提示される多数のペプ
チド配列を示す。このストラテジーの中心は、このようなライブラリーからのア
フィニティー選択により単離したペプチドは、代表的には、標的タンパク質の生
物学的に関連するドメインと相互作用するという知見である(Smithおよび
Scott、1993;Kitamuraら、1992;Burkhardtら
、1991;Smithら、1995;Pasqualiniら、1996;P
asqualiniおよびRuoslahti、1996;Ruoslahti
、1997;Ruoslahti、1996;Hutchcroftら、199
2;Borstら、1993)。しばしば、このストラテジーは、タンパク質ま
たはレセプターのただ1つのドメインに明らかに結合する多数のペプチドを生じ
る。珍しいことに、ペプチドは、しばしば配列類似性を失っており、それゆえミ
モトープ(mimotope)の発見のもとである(Bowditchら、19
96;Partidosら、1997;Bowditchら、1996)(ここ
で、短いペプチドは、それらの配列が抗原と異なっていたとしても抗体の抗原結
合部位に結合する)。
【0164】 無数のペプチドが両方のライブラリーに局在している場合、このことは明らか
である。しかし、これらのペプチドは、2つのグループに分割することができる
。1つのグループは疎水性残基の普及により特徴付けられ、そして第2のグルー
プは多数の荷電親水性残基により特徴付られる。選択したバクテリオファージの
群により示される、ペプチド内におけるバリンおよびアラニンならびにトリプト
ファンおよびロイシンの豊富さは、疎水性特性により決定される領域に対するH
sp47の親和性と一致する。さらに、XXXXXHyXXHyXHyHyのモ
チーフを有するドデカペプチドによるHBP結合を実証することにより、リガン
ドの疎水性ドメインはpIII末端に位置する必要がないことが示される。それ
ゆえ、本発明者らのデータは、これらの選択したペプチドが大型疎水性および芳
香族アミノ酸の側鎖に適応し得る長いポケットを含み、荷電した残基と相互作用
しうる隣接領域を含む、Hsp47に対するペプチド結合部位を記載することを
示唆する。これらの結論は、成熟Hsp47が、生理学的なpHで長く深い裂け
目としての結合領域(これは底部はβ−シートにより形作られ、側面はらせんに
より形成される)を有することを示す3次元構造モデリング研究により支持され
る。らせんにより、疎水性アミノ酸残基側鎖が裂け目のほうへと突き出すと同時
に、β−シート突出疎水性アミノ酸残基側鎖は底部から持ちあがる(David
sら、1995)。さらに、このモデルは、これまでに記載されているHsp4
7のN−プロペプチド内の疎水性領域(Huら、1995)、同様に、変性コラ
ーゲン骨格(ゼラチン)(Nagataら、1988)に結合する能力を説明す
る。プロコラーゲン鎖のカルボキシ末端の会合が鎖アセンブリの原因であるため
、プロコラーゲンのC−プロペプチド領域内の領域もまた、Hsp47に対する
結合部位を提供するという知見も、興味深いものである(Chessler,1
993b;Lees,1997;Oliver,1996;Lees,1994
;Chessler,1993a)。
【0165】 腫瘍細胞の細胞表面に提示されるHsp47の性質および運命をさらに理解す
るため、本発明者らは、フローサイトメトリー分析を用いてバクテリオファージ
ライブラリーから選択されるM13−ファージを多数の口腔癌、乳房および前立
腺の細胞株の細胞表面に対する位置決定を行った。そのようにすることにより、
本発明者らは抗体染色の前の細胞の透過処理によりFACSシグナルが向上し、
M13が細胞内へとインターナリゼーションされることを示唆することを示した
。Hsp47結合ペプチドを提示する、選択したバクテリオファージに曝した腫
瘍細胞の原形質膜の免疫沈降により、Hsp47がM13バクテリオファージな
らびに別の27kDタンパク質(これはCD9を意味し得る)で免疫沈降するこ
とが示され(Hebertら、1999)、したがって、選択されたHBPが細
胞表面Hsp47複合体と関連することを実証する。次いで、共焦点画像を利用
してインターナライズした選択されたペプチド提示バクテリオファージの運命の
位置決めを始めることができる。これらの研究は、短期インキュベーションによ
り細胞表面および再利用エンドソームへと局在する選択されたペプチドが生じる
ことを示した。細胞表面タンパク質およびレセプターの膜代謝は、通常、このよ
うな経過にしたがうので、これは予想外のことではない。しかしながら、驚くべ
きことに、少量のインターナライズされたペプチドのみがFITC−デキストラ
ン染色により区別されるリソソーム中で同定され得る。対照的に、細胞をM13
提示HBPおよびHsp47の両方について染色した場合、両方の抗体の同時局
在である黄色の着色が生じ、これは再利用エンドソームおよびERにより表され
る細胞内局在と一致する。
【0166】 まとめると、これらのデータにより、異なる細胞表面ペプチドホルモンレセプ
ターは、リガンドに結合した際にエンドサイトーシスによりインターナリゼーシ
ョンをうけ、次いでエンドソーム中でリソソームへと分類され、ここで、おそら
く分解されることを示す(Gruenheid、1999)。細胞表面ERタン
パク質は、リガンドと共にERへと戻ることが定められており、少量のリガンド
のみがリソソーム処理を運命付けられている。考えられるところでは、限定され
た数のリガンドに結合する能力を有するERタンパク質の使用により、薬物結合
体または画像化化合物のこれらのタンパク質を発現する腫瘍細胞に対する直接的
な標的化が可能となる。このような標的化は、非選択的な毒性効果を最小限にす
る可能性を提供する。さらに、細胞膜を越えての細胞表面ER−媒介性薬物輸送
の場合において、多剤耐性がその重篤性を減少すると予想される(Czerwi
nskiら、1998)。これらのインビトロデータは、細胞表面発現型Hsp
47が非常に選択的な腫瘍薬剤を送達し得るかもしれないエレメントを含むこと
、この活性を決定する際に重要性を有するかもしれないエレメントはもまた、や
はりこのモデルで試験されるはずであることを示す。これらのエレメントは、そ
の効果をERへと送達し得る型の毒性部分、および薬物を送達するために必須の
レベルの細胞表面に発現されたHsp47、およびさらなるリガンド結合のため
の再利用および輸送のための能力を備える(Czerwinskiら、1998
)。バクテリオファージのpIII末端に提示されるセプタペプチドは腫瘍細胞
により取り込まれるが、合成ホモログはインターナライズされない場合、このよ
うなペプチドの使用は、循環中で安定であり、結合のためにペプチドを提示し得
、そしてなおインターナリゼーションに従い処理され得るペプチドリンカーを必
須とする。本発明者らの研究所で継続している研究は、これらの問題を解決する
ことおよび本発明者らの知見を関連する腫瘍に臨床的に適用することに関する。
【0167】 参考文献
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】 図面の説明 図1.Hsp47に対するパンニング後のPhD−7ライブラリーから選択され
たバクテリオファージによりディスプレーされたペプチドについて計算された疎
水性スコア化合物の分布 KyteおよびDoolittle(1982)のヒドロパシースケールを用いて各ペプチドに
ついて計算された全体の疎水性スコアの分布は、バクテリオファージによってデ
ィスプレイされた54個のペプチドについて示している。
【0173】 図2.PhD−7バクテリオファージのライブラリーによってディスプレイされ
たセプタペプチドにおける20アミノ酸の相対吸光度 1本鎖のDNAを、PhD−7ライブラリー由来の70バクテリオファージク
ローンから精製し、これらバクテリオファージによってディスプレイされたセプ
タペプチドの配列をバクテリオファージの対応する領域のDNA配列から推定し
た。図は、観察された数を70個のセプタペプチドの全残基数で割ることにより
計算した各アミノ酸が現れる頻度を示す。アミノ酸はそれを特定するコドンの番
号によってグループ分けし、すべてのコドンが等しい効率で利用された場合の、
各グループについて期待される頻度を白棒で示す(Cwirla et.al., 1990)。(
B)Hsp47結合PhD−7バクテリオファージ由来の54個のセプタペプチ
ドの全アミノ酸組成を、PhD−7出発ライブラリーからランダムに選択したク
ローンに由来する70個のセプタペプチドの全アミノ酸組成を比較した。吸光度
が何倍増加または何倍減少したか示す。
【0174】 図3.Hsp47のペプチド結合部位のモデル図 ペプチド骨格は伸長鎖で示す。2つの隣り合った残基の側鎖は、大きな疎水性
または芳香族の側鎖に対する全体の選択性を有するペプチド結合部位における深
いポケットへ伸びている。図3のデータは、セプタペプチドにおける2&3位の
アミノ酸、2&3位および/または11&12位によりHsp47側鎖と望まし
く接触する。疎水性のポケットは、セプタペプチドの4、5、6位およびデドカ
ペプチドの4&5位、および7、8、9&10位に荷電したアミノ酸残基を含ん
でいる領域に結合している。
【0175】 図4:PhD−12ライブラリー由来の選択されたペプチドと比較した選択され
たプロコラーゲンIのヒドロパシープロファイル ヒドロパシーを計算するKyte Doolittle法(1982)を、ウインドウ長7につい
て用い、PhD−12ライブラリー由来の選択されたファージをプロコラーゲン
Iα鎖と比較した。プロコラーゲンIプロファイルの上のボックス内に示された
残基は、パンニングの3ヶ月後にPhD−12ライブラリーから選択されたHs
p47結合ペプチドと同様の残基を示す。C−ペプチド領域の矢印は、プロコラ
ーゲンの会合およびアッセンブリーにとって重要なアミノ酸を示す(Chessler,
1983b; Lees, 1997; Oliver, 1996; Lees, 1994; Chessler, 1983b)。
【0176】 図5:GMSM−K(対照)およびSCC−4細胞のFITC抗アンチファージ
M13染色 パネルaおよびbは対象のGMSM−K細胞およびSCC−4細胞それぞれの
膜染色を示す。パネルcおよびdは、それぞれGMSM−K細胞およびSCC−
4細胞であり、細胞を透して細胞内染色を示す。ボックス内の領域は、ファージ
−ペプチドのFITC染色を示す。
【0177】 図6:抗ファージM13抗体による膜タンパク質の免疫沈降 バンドは、Methodsに記載されているように、免疫沈降したタンパク質が結合
している抗M13ファージを表す。レーンa〜cは、それぞれPhD−7クロー
ン3、5&7であり、レーンd〜fは、それぞれPhD−12クローン2、5&
9である。
【0178】 図7:抗Hsp47および抗M13抗体で染色したSCC−4細胞の共焦点顕微
鏡画像 パネルaは、FITCコンジュゲート抗M13抗体で染色された腫瘍細胞を示
し、パネルbは、テキサスレッドコンジュゲート抗Hsp47抗体、およびパネ
ルcは、FITCの黄色の色素とテキサスレッド染色の空間的な共存を示す。
【0179】 図8:FITC−デキストランおよびテキサスレッド抗M13抗体で染色したS
CC−4細胞の共焦点顕微鏡画像 パネルaは、FITCコンジュゲートデキストランで染色された腫瘍細胞を示
し、パネルbはテキサスレッドコンジュゲート抗M13抗体を示し、そしてパネ
ルcは、FITCおよびテキサスレッド染色の空間的な共存を示す。抗M13抗
体のごく一部分のみが黄色の色素であるFITC−デキストランと共存する。
【0180】 図9:FITC−トランスフェリンおよびテキサスレッド抗M13抗体で染色し
たSCC−4細胞の共焦点顕微鏡画像 パネルaは、FITCコンジュゲートトランスフェリンで染色された腫瘍細胞
を示し、パネルbはテキサスレッドコンジュゲート抗M13抗体を示し、パネル
cは黄色の色素であるFITCとテキサスレッド染色の空間的な共存を示す。
【0181】 図10:SCC細胞における、フルオレセインイソチオシアネートコンジュゲー
トドデカペプチド取込み クローンペプチドに対応するドデカペプチドを合成しMthodsに記載されている
ようにフルオレセインイソチオシアネートにコンジュゲートした。次いで、ペプ
チドをSCC−4細胞と30分間インキュベーションし、洗浄し、蛍光顕微鏡用
に処理した。核の領域についておよび点状の染色で検出された緑色蛍光は、ペプ
チド取込みの細胞内の分布を示している。
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 49/00 A61P 35/00 A61P 35/00 C07K 14/47 ZNA C07K 14/47 ZNA 16/18 16/18 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/53 D 33/53 33/574 A 33/574 D 33/577 B 33/577 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA26 AA40 CB02 DA36 DA78 FB03 4C084 AA02 AA06 AA13 AA17 BA01 BA08 BA18 BA23 MA01 NA14 ZB262 4C085 AA14 CC32 EE01 GG01 KA04 KA29 KA30 LL18 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 NA14 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA30 BA50 CA40 DA76 EA20 EA51 FA74

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Hsp47が少なくともいくつかの細胞の表面に発現してい
    る癌に罹患している患者を処置する方法であって、Hsp47の外部領域に選択
    的に結合する標的部分を含んでなる物質の有効量を患者に投与ことを含んでなる
    方法。
  2. 【請求項2】 標的部分が抗体またはその断片である請求項1に記載の方法
  3. 【請求項3】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 標的部分がペプチドである、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ペプチドが、XHyHyXXHyXXXXHyHy(配列番号1)またはHyXXX
    HyHyXXHyXXX(配列番号2)[式中、Xは独立にいずれかのアミノ酸であってよ
    く、Hyは独立にいずれかの疎水性アミノ酸であってよい]である、請求項4に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 ペプチドが、表1および表2の配列番号3〜配列番号25の
    うちの1つである、請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 標的部分が、その表面におけるバクテリオファージがHsp
    47の外部領域に特的に結合するペプチドである、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記物質が、毒物、ラジオアイソトープまたは放射性核種、
    抗体または治療遺伝子をコードする核酸である治療部分をさらに含んでなる請求
    項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 細胞内マトリックス、腫瘍細胞の侵入、悪性細胞の遊走また
    は運動、または腫瘍細胞転移との相互作用を調節するための、請求項1に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 Hsp47を細胞表面に発現している細胞を調節するため
    の方法であって、その細胞にHsp47の外部領域に結合する標的部分を含む物
    質の有効量を投与することを含んでなる方法。
  11. 【請求項11】 Hsp47がヒトである請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 Hsp47が少なくともいくつかの細胞の表面に発現して
    いる癌を検出する方法であって、癌をHsp47の外部領域と特異的に結合する
    標的部分を含んでなる検出可能な物質と接触させる事を含んでなる方法。
  13. 【請求項13】 標的部分が、その部分のそれぞれがHsp47の外部領域
    と特異的に結合する、抗体またはその断片、 ペプチドまたはその表面がペプチ
    ドであるバクテリオファージである請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 検出可能な物質が、MRI、X線、ガンマシンチグラフィ
    、またはCTスキャンにより検出可能である、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 Hsp47をその表面に発現する細胞を検出するための方
    法であって、Hsp47の外部領域に特異的に結合する標的部分を含んでなる検
    出可能な物質を細胞に投与することを含んでなる方法。
  16. 【請求項16】 Hsp47がヒトである、請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 Hsp47が少なくともいくつかの細胞の表面に発現する
    癌に特異的に結合する物質をスクリーニングするための方法であって、Hsp4
    7の外部領域に特異的に結合する標的部分を含んでなる物質を同定することを含
    んでなる方法。
  18. 【請求項18】 物質がその患者における癌の処置に有用である、請求項1
    7に記載の方法。
  19. 【請求項19】 物質がその患者における癌の診断に有用である、請求項1
    7に記載の方法。
  20. 【請求項20】 Hsp47が少なくともいくつかの細胞の表面に発現する
    癌に罹患している患者を処置する、またはHsp47が少なくともいくつかの細
    胞の表面に発現する癌を検出するためのキットであって、その癌に対する細胞増
    殖抑制効果または細胞溶解効果を生じるまたは非癌細胞のバックグラウンドより
    も上の細胞を造影するのに有効な量で、Hsp47の外部領域と特異的に結合す
    る標的部分を含んでなる物質を含んでなるキット。
  21. 【請求項21】 標的部分が、そのそれぞれがHsp47の外部領域に特異
    的に結合する、抗体またはその断片、ペプチドまたはその表面がペプチドである
    バクテリオファージである、請求項20に記載のキット。
  22. 【請求項22】 前記物質が、毒物、ラジオアイソトープまたは放射性核種
    、抗体、または治療遺伝子をコードする核酸である治療部分をさらに含んでなる
    、請求項20に記載のキット。
  23. 【請求項23】 Hsp47をその表面に発現する細胞を調節するためのキ
    ットであって、Hsp47の外部領域に特異的に結合する標的部分をその細胞の
    活性を調節するのに有効な量で含んでなる物質を含んでなるキット。
  24. 【請求項24】 XHyHyXXHyXXXXHyHy(配列番号1)またはHyXXXHyHyXXHyXX
    X(配列番号2)[式中、Xは独立にいずれかのアミノ酸であってよく、Hyは
    独立にいずれかの疎水性アミノ酸であってよく、結合がその細胞を調節するのに
    有効である]を含んでなる、細胞の表面に発現するHsp47の外部領域に特異
    的に結合するペプチド。
  25. 【請求項25】 XHyHyXXHyXXXXHyHy(配列番号1)またはHyXXXHyHyXXHyXX
    X(配列番号2)[式中、Xは独立にいずれかのアミノ酸であってよく、Hyは
    独立にいずれかの疎水性アミノ酸であってよい]を含んでなり、その癌に対する
    細胞増殖抑制効果または細胞溶解効果を生じるまたは非癌細胞のバックグラウン
    ドよりも上の細胞を造影するのに有効であるペプチド。
  26. 【請求項26】 前記ペプチドが、全長コラーゲン、天然のコラーゲンまた
    はその断片でない、請求項24に記載のペプチド。
  27. 【請求項27】 表1の配列番号3〜13のペプチド。
  28. 【請求項28】 表2の配列番号14〜25のペプチド。
  29. 【請求項29】 細胞の表面に発現したHsp47の外部領域に特異的に結
    合した標的部分を、その細胞ノ活性を調節するのに有効な量で含む物質。
  30. 【請求項30】 請求項24記載のペプチドおよび製薬的に許容し得る担体
    を含んでなる医薬組成物。
  31. 【請求項31】 請求項29記載の物質および製薬的に許容し得る担体を含
    んでなる医薬組成物。
  32. 【請求項32】 その癌に対する細胞増殖抑制効果または細胞溶解効果を生
    じるのに有効な量の、癌の表面に存在するHsp47の外部領域に特異的に結合
    する標的部分を含んでなる物質、および製薬的に許容し得る担体を含んでなる医
    薬組成物。
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