JP2002537498A - 添加剤前処理の改善による充填剤成分の選択的保持およびシート特性の制御の向上 - Google Patents

添加剤前処理の改善による充填剤成分の選択的保持およびシート特性の制御の向上

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Abstract

(57)【要約】 製紙プロセスにおいて製紙用完成紙料中の充填剤成分の保持および排水を促進する方法であって、充填剤成分のスラリーを製造するステップ;全固形分に基づいて約0.003重量%から約2.0重量%のフェノール性促進剤でスラリーを処理することによって、前処理充填剤成分のスラリーを生成させるステップ;前処理されたスラリーを前記完成紙料に添加するステップ;および、完成紙料へと、スラリー中の全固形分に基づいて約0.003重量%から約0.5重量%の重合体凝集剤を添加するステップを有しており、これによって製紙用完成紙料中の充填剤成分の保持および排水を促進する。好適な促進剤はフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物であり、好適な凝集剤は、アクリルアミド、メタクリルアミド、および/またはN−ビニルホルムアミドを含有する。本方法によって、多くの製紙用途において重要な利益がもたらされ、ここで所望の充填剤成分が最終的なシート中に保持される一方、望ましくない充填剤成分、例えばリサイクルされた製紙用完成紙料中に存在するインクおよび染料粒子は保持されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は製紙技術分野のものであり、特には製紙用完成紙料に対するウエット
エンドの添加剤の技術分野に関するものである。
【0002】 発明の背景 紙を製造する際には、セルロース繊維を含有する水性セルロース懸濁液と、選
択された無機色素とを成形し、紙シートにする。このセルローススラリーは、一
般的には、製紙機の前には1%未満の濃度(スラリー中の固形分の乾燥重量の百
分率)、しばしば0.5%未満の濃度へと希釈されている。完成紙料と呼ばれる
製紙用スラリーには、存在する粒子の径と形状とに多大な偏差を伴う。これらの
粒子の径は、多くの無機色素または充填剤に対する1μm未満から、繊維に対す
る充填剤の最も大きな寸法である数μmまで変化し得る。製紙用完成紙料の最初
の脱水は、典型的には、ワイヤーと呼ばれるフィルター繊維上またはフィルター
繊維の間でのセルロース性完成紙科の排出によって生ずる。これらのワイヤーの
開口は、典型的には200メッシュのオーダーであり、これは76μmの粒径を
有する粒子を通過させ得る孔径に対応している。粒子の間に誘引力が存在してい
ないものとした場合は、無機色素はワイヤーの間を非常に容易に通過し、シート
中に保持されないであろうと思われるので、無機色素を添加したことの利点が失
われる。従って、通常の製紙環境下では、ワイヤー中の開口を通過するのに十分
に小さい完成紙料の多くの成分は、これらの成分をシート中に残留させるために
は、変更が必要である。
【0003】 繊維がワイヤー上でマットを形成するのにつれて、繊維がそれ自身でフィルタ
ー媒体を発生させ、特にシートが厚い場合、即ち基礎重量が大きい場合には、完
成紙料中のより小さい粒子の多くが、この繊維マット中に単純な濾過によって捕
捉されることがある。しかし、この基礎重量が高い場合であってさえも、小さい
粒状物質のうちかなりの部分は、十分には保持されないことがある。基礎重量が
低かったり、あるいは機械での渦動によってマットの形成が阻害された場合には
、小さい粒子を保持する濾過機構は非常に不十分なものとなる。製紙環境下では
、濾過機構が不十分である場合には、粒子間の相互作用を変化させることによっ
てこれら粒子の凝固および/または凝集をもたらすためには、保持助剤と呼ばれ
る化学的処理が一般には必要である。
【0004】 小さい粒状成分を保持することによって、製紙業者に多くの利益がもたらされ
る。クレーおよび炭酸カルシウムのような無機充填剤は、しばしば繊維に比べて
高価ではなく、繊維をこうした充填剤で置換することによって、製紙業者が原材
料のコストを低減する方法がもたらされる。また、充填剤および繊維質微細物を
保持することは、所与の末端用途に必要なシート特性を達成するためにも必要で
ある。こうした特性としては、シートの不透明度、白色度、および適切なインク
との相互作用が挙げられる。小さい粒子は、所与の質量に対して大きな表面積を
有しているので、染料やサイジング剤のような多量の添加剤をこれらに付着させ
ることによって、こうした添加剤を有効に利用するのに必要な微細物を保持させ
ることができる。
【0005】 初期に、あるいはいわゆる第一パスにおいて保持されなかった充填剤粒子およ
び繊維微細物は、かなりの程度まで白水系を通して完成紙料中へとリサイクルし
、完成紙料中に存在する小さい粒子部分を時間経過と共に増大させる。この結果
は、幾つかの理由によってしばしば不満足なものとなる。幾つかの重要かつ高価
な材料は、白水系中でリサイクルされている間にその有効性を喪失し、第一パス
においてこれらを保持することは、性能やシート特性のために必要である。こう
した材料は、例えば二酸化チタンおよびアルカリ性サイジング剤である。シート
中の微細物の全量はこのようにして増加させることができるけれども、このシー
ト中の微細物の分布は非常に不均一となる傾向があり、しばしば紙の二面性現象
をもたらす。更に、製紙機の白水系中で保持されない材料の濃度は、堆積問題と
これに関連する稼働可能性問題に寄与することがあり、これによって生産の停止
あるいは遅延と、製品品質の低下とがもたらされる。これらの問題は、有効な保
持助剤を使用することによって解決され、稼働性の改善をもたらす機械の清浄化
、一層有効な繊維および充填剤原材料の使用、および工場の廃棄物処理設備への
廃棄物の減量をもたらす。
【0006】 典型的な保持助剤としては重合性の凝固剤が挙げられ、これは低から中分子量
(103〜106g/mol)の陽イオン性の溶液重合体である。これらは高い陽
イオン電荷密度を有する重合体であるので、保持用途におけるこれらの活性は、
負に荷電した製紙成分とこれらの相互作用に由来するものと考えられている。重
合体凝固剤によってしばしば剪断感受性と比較的に小さいフロック径とが生ずる
ために、これらは保持助剤として単独ではほとんど使用されておらず、二重重合
体プログラムとして凝固剤と共に使用されている。このようにして、この凝固剤
は、一層有効に凝固させることができる粒子の初期の凝集をもたらすものと考え
られている。
【0007】 同様に、加水分解可能なアルミニウム塩が、製紙の際の凝固剤として広く使用
されている。アルミニウム加水分解によって生成する酸のために、みょうばんを
使用する機械のpHは低下し、本プロセスは「酸製紙」と呼ばれている。最も強
い凝固活性を有するアルミニウム種は、4〜6の範囲のpHにおいて生成する。
また、塩化ポリアルミニウムも有効な凝固剤である。これらは、部分的に中和さ
れているので、みょうばんがpHを低下させるほどにはpHを低下させず、一般
的には一層広い範囲のpHまで適用可能である。
【0008】 凝集は、小さい粒子の凝集をもたらすような、多数の可能な戦略を記述するも
のである。パルプおよび製紙工場における各操作工程において、異なる程度の凝
集を必要とする。製紙機上でワイヤーを生成させるときには、紙は完成紙料の急
速脱水によって生成する。スラリーが、連続的な脱水工程にあるシートとして結
合する前に、保持助剤は、スラリーの成分を凝集させることによって作用する。
適切な水準の凝集が、必要とされる保持および排水速度をもたらすのには必要で
ある。
【0009】 単独重合体プログラムにおいては、凝集剤、典型的には陽イオン性重合体は、
添加される唯一の材料である。凝集剤は、セルロースと充填剤との流れが混合さ
れた後に、希釈紙料へと添加される。セルロース微細物、無機充填剤および他の
完成紙料成分の繊維マット上での凝固を促進する他の方法は、二重重合体プログ
ラムであり、凝固剤/凝集剤系とも呼ばれており、製紙機の前に添加されるもの
である。こうした系においては、最初に凝固剤、例えば低分子量合成陽イオン性
重合体または陽イオン性デンプンを、典型的にはセルロースおよび充填剤流を混
合した後に完成紙料へと添加することによって、こうした粒子を最初に凝集させ
、次いで凝集剤を添加する。この凝集剤は、一般的には高分子量合成重合体であ
る。紙シートの繊維マットが生成されている間に、完成紙料中にこれらの大きな
凝集体が存在していると、保持が促進される。この凝集体を濾過して繊維マット
上に脱水させ、一方凝集していない粒子は大部分が通過するであろう。
【0010】 高濃度の陰イオン性重合体/オリゴマー性物質を含有する系においては、陽イ
オン性重合体の性能はしばしば悪影響を受ける。これらの陰イオン性物質は、無
機または有機源のものであってよい。パルプ生成、漂白および脱インクプロセス
において過酸化水素安定剤として使用される珪酸塩類、およびポリガラクツロン
酸およびリグニン誘導体類のような木材から抽出された種が、陰イオン性の悪影
響をもたらす物質の成分の最も典型的な例であり、「陰イオン性トラッシュ」と
しても知られている。非イオン性の重合体は、陽イオン性重合体よりも一層低い
度合いで、これらの物質によって影響を受ける。
【0011】 非イオン性重合体系の例は、ポリエチレンオキシド(PEO)および補足因子
プログラムである。この系は、しばしば新聞紙および他の機械パルプ完成紙料用
の有効な保持助剤である。既知の補足因子としては、クラフトリグニン、スルホ
ン酸化クラフトリグニン、スルホン酸ナフタレン、タンニン抽出物、およびフェ
ノールホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。最近の欧州特許出願(Echt:欧
州特許出願第621,369号 A1、1995年)では、ポリ(p−ビニルフ
ェノール)を補足因子として使用することが開示されている。更に、保持を促進
するためのフェノールスルホンホルムアルデヒド樹脂が、WO95/21295
号に記載されている。しかし、これらの樹脂は、陽イオン性重合体をセルロース
懸濁液中に含有させた後に添加されている。
【0012】 非イオン性重合体を補足因子と同時に使用する他のアプローチ方法としては、
Huinig Xiao とR. Pelton との方法がある。Xiaoは、アクリルアミドとポリ(エ
チレン−グリコール)メタクリレートとの共重合体の合成を報告した。この共重
合体は、ペンダントPEG鎖を含有しており、これが、XiaoおよびPeltonが主張
するところによれば、レゾール型フェノール樹脂と相互作用して、保持用重合体
としての良好な性能を担う三次元的構造を生成する。しかし、XiaoおよびPelton
は、ポリアクリルアミドホモポリマーの凝集性能に対するフェノール樹脂の使用
から得られるいかなる有益な作用も報告していない。この情報は、WO94/1
7243出願に要約されている。予期せざることに、適当な条件下において、ア
クリルアミドホモポリマーと、フェノールホルムアルデヒド樹脂のような特定の
補足因子との間で、相乗効果があることを見いだした。この戦略は、EPO公開
第EP 0 773 319 A1において議論されている。
【0013】 紙の充填剤含有量を増大させることへの興味が、原材料のコストとエネルギー
の節約の双方から増大しており、充填された紙は、充填されていない紙に比べて
リファイニングの必要性が少なく、脱水がより容易なためである。本明細書で使
用する充填剤という用語は、特に炭酸カルシウム、種々の形態のクレー、タルク
、二酸化チタン、石膏、水和された酸化アルミニウム、珪酸塩、およびプラスチ
ック色素を含む。更に、最終的なシートの特性、例えば不透明度、白色度および
印刷性は、充填剤の保持量の増大によって向上させることができる。
【0014】 充填剤の保持の促進を達成する試みは、化学的な前処理による充填剤表面の修
飾に焦点が合わされてきた。商業的な充填剤材料供給業者は、彼らの充填剤粒子
を、陽イオン性重合体を粒子表面に付着または会合させて化学的に修飾すること
によって、特別等級の充填剤として販売してきた。同様にして、化学品販売業者
は、陽イオン性重合体を、充填剤のスラリーへと製紙工場の現場で添加すること
によって、この充填剤スラリーが繊維スラリーと混合される前に、充填剤の予備
凝集を生じさせた。こうした充填剤の予備凝集は、PCT出願番号WO86/0
4370号;米国特許第4,295,933号および4,272,297号、お
よび英国特許第2,001,088号に開示された。
【0015】 充填剤を最初に陽イオン性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の水性コロイド分
散液によって処理し、次いで水性ビニルアルコール重合体液によって処理するこ
とで、修飾された充填剤を生成させることは、米国特許第4,495,245号
に記載されている。陽イオン性固体電解質である分散剤によって陽イオン性充填
剤を表面処理することによって、これらの粒子を陽イオン性とすることは、米国
特許第5,244,542号に記載されている。米国特許第4,943,239
号においては、無機充填剤とバインダー(デンプンまたは合成重合体のような)
とを、繊維懸濁液中へと含有させる前に予め凝集させることによって、保持を促
進させている。これらの方法においては、最終的な製品中での充填剤の保持量の
増大が観測された。
【0016】 米国特許第4,913,775号には、紙および板紙を生産するための処理剤
の添加の態様について、一般的な概観が提供されている。FI67735号に記
載の方法においては、陽イオン性重合体および陰イオン性成分を添加することに
よって保持を促進しており、これらは予め混合されていてよい。しかし、この文
献では、このような添加手順によっては最適の結果はもたらされないと述べてい
る。米国特許第4,388,150号には、予め混合されていてよく、次いで紙
料へと添加してよいデンプンとコロイド状珪酸とが記載されている。また、この
文献では、このような手順によっては最適の結果がもたらされないと述べられて
いる。
【0017】 米国特許第5,670,021号に記載の製紙方法においては、珪酸アルカリ
と、必要に応じてフェノールホルムアルデヒド樹脂との混合物を、セルロースス
ラリーへと添加する前に充填剤へと添加する。次いで、この系を凝集剤としての
PEOによって処理し、製紙プロセスにおける保持、排水および成形を促進する
【0018】 PEOを含む非イオン性プログラムを採用すると、幾つかの極めて顕著な不利
益がある。ウエットエンド用途に用いる高分子量のPEOは、典型的には乾燥重
合体であり、これは極度にコストがかかり、煩雑な処理装置を必要とする。PE
Oが適切に調製されていないと、重合体の性能は劇的に劣化し、重合体供給物中
の粒子残留物によって、稼働性に悪影響を与える可能性があることは言うまでも
ない。PEOは、製紙機のウエットエンド上に通常存在している残留酸化剤と幾
つかの金属イオンとに対して化学的に感受性であることが知られている。この分
子量の低下によって、散発的で、不安定な性能がもたらされることがある。PE
Oを含有するプログラムの性能は、非常に剪断に対して感受性であることが知ら
れている。この感受性によって、剪断力が集中的に用いられている大型の現代的
な製紙機における性能が阻害される可能性がある。最後に、関与する原材料およ
び処理のために、PEOは他の多くの水溶性重合体に比べて極めて高価である。
【0019】 本発明は、充填剤粒子の化学的前処理に基づいて充填剤の保持を促進するとい
うこれまでのいかなる開示からも劇的に離れるものである。本明細書に規定する
充填剤成分という用語は、上記した通常の充填剤を含むが、これらに限定される
ものではなく、小さい充填性の固体および適切に修飾された固体を包含する意味
のものである。本発明は、製紙プロセスにおいて二重重合体プログラムを新規に
適用することを記載しており、ここで本凝集剤は、選択された群からのモノマー
によって構成されている。更に、この新規な適用方法によって、製紙業者が、製
紙用スラリー中に存在する他の成分に対して、充填剤材料を選択的に保持するこ
とが可能となる。本適用戦略は、稼働性とシート特性との改善の利益をもたらす
ために、全体の保持量の増大をもたらすことは、必ずしも必要ではない。本適用
方法は、完成紙料中の特定の特徴的成分、この場合には充填剤を優先的に保持す
るように設計されている。これらの充填剤は、セルロース材料に対して優先的に
保持することができ、または幾つかの場合には白色度を低下させるようなインク
粒子に対して優先的に保持することができる。
【0020】 本発明は、充填剤粒子の化学的前処理に基づいて充填剤の保持を促進するとい
う従来の開示から劇的に離れたものである。この開示は、充填剤材料を予備凝集
させる従来法とは反対に、予め処理された充填剤材料によって製紙法を改善する
ことを教示する。詳しくは、本発明は、セルロース製紙用スラリー中へと充填剤
流を供給するのに先立って、フェノール性添加剤(促進剤)を使用して充填剤を
前処理することによって、充填剤成分の保持と稼働性とを改善することを教示し
ている。この添加は、希鉱酸のような通常の水素原子供与体を使用したpH調節
と共に、あるいはpH調節なしに生じさせることができるが、しかし充填剤スラ
リーのpHを約5へと調節した場合には,本発明に開示した凝集剤に対して、得
られた性能がしばしば顕著に向上する。更に、本発明は、陰イオン性の悪影響を
もたらす物質が高濃度で存在していたとしても、観測される利益を保持できるこ
とを教示する。
【0021】 本発明の第一の工程においては、充填剤スラリーを繊維スラリーと混合する前
に、選択した充填剤成分へとフェノール性促進剤材料を添加し、このフェノール
性促進剤材料は、充填剤スラリーと混合され、所与の時間の間貯蔵され、製品と
して別々に供給されるか、あるいはこのフェノール性促進剤材料は、充填剤スラ
リーを繊維スラリーへと添加する直前に、製紙工場の現場で充填剤スラリーと混
合される。この添加は、希鉱酸のような通常の水素原子供与体を使用したpH調
節と共に、あるいはpH調節なしに生じさせることができる。本発明の次の工程
においては、この前処理された充填剤流を含有する完成紙料へと凝集剤を添加し
、最終的に生産した紙のシート中で、他の白色度の低い粒子に比べて充填剤の保
持量を著しく選択的に増加させる。また、この相互作用によって、製紙プロセス
において、保持、排水、成形および一般的に稼働性の改善がもたらされる。従っ
て、本発明で教示する新規な適用法は、保持、成形、均一な気孔率および全体の
脱水、および系中での他の粒状材料に対する充填剤固体の選択的な保持の水準の
改善をもたらす。
【0022】 発明の要約 製紙プロセスで製紙用完成紙料中の充填剤成分の保持および排水を促進する方
法は:充填剤成分のスラリーを製造するステップ;このスラリーを固形分に基づ
いて約0.003重量%から約2.0重量%のフェノール性促進剤によって処理
することで、前処理された充填剤成分スラリーを生成させるステップ;および充
填剤材料を完成紙料中へと供給する前あるいは後のいずれかに、スラリー中の全
固形分に基づいて約0.003重量%から約0.5重量%の重合性凝集剤を添加
するステップを有しており、これによって製紙用完成紙料中の充填剤成分の保持
および排水を増大させる。好適な促進剤は、フェノールとホルムアルデヒドとの
縮合物であり、好適な凝集剤は、アクリルアミドのホモポリマーまたは共重合体
である。
【0023】 本方法によって、多くの製紙用途において重要な利点がもたらされ、ここで所
望の充填剤成分が最終的なシート中に保持され、一方望ましくない成分、例えば
製紙用完成紙料中に存在するインクおよび染料粒子は保持されない。
【0024】 発明の説明 本発明の一つの実施形態は、製紙プロセスにおいて製紙用完成紙料中の充填剤
成分の保持および排水を促進する方法であって、本方法は、 (a)充填剤成分のスラリーを製造するステップ; (b)全固形分に基づいて約0.003重量%から約2.0重量%のフェノール
性促進剤で前記スラリーを処理することによって、前処理充填剤成分のスラリー
を生成させるステップ; (c)ステップ(b)の前処理されたスラリーを前記完成紙料に添加するステッ
プ;および次いで (d)前記完成紙料へと、前記スラリー中の全固形分に基づいて約0.003重
量%から約0.5重量%の重合体凝集剤を添加するステップを有しており、 これによって前記製紙用完成紙料中の前記充填剤成分の保持および排水を促進す
る。
【0025】 本発明の更に他の実施形態は、製紙プロセスにおいて製紙用完成紙料中の充填
剤成分の保持および排水を促進する方法であり、本方法は、 (a)充填剤成分のスラリーを製造するステップ; (b)全固形分に基づいて約0.003重量%から約2.0重量%のフェノール
性促進剤で前記スラリーを処理することによって、前処理された充填剤成分のス
ラリーを生成させるステップ; (c)前記完成紙料へと、前記スラリー中の全固形分に基づいて約0.003重
量%から約0.5重量%の重合体凝集剤を添加するステップ;および次いで (d)この完成紙料へと前記のステップ(b)の前処理されたスラリーを添加す
るステップを有しており、 これによって前記製紙用完成紙料中の前記充填剤成分の保持および排水を促進す
る。
【0026】 次の記述は、上記した本発明のあらゆる実施形態に対して適用される。充填剤
成分は、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、二酸化チタン、酸化マグネシウム、
石膏、タルク、水和された酸化アルミニウム、珪酸マグネシウムおよびこれらの
混合物からなる群より選択できる。前記フェノール性促進剤は、フェノール−ホ
ルムアルデヒド樹脂、タンニン抽出物、ナフトール−ホルムアルデヒド縮合物、
ポリ(パラ−ビニルフェノール)、およびこれらの促進剤材料の置換されたバー
ジョンからなる群より選択でき、ここで前記の置換された官能基としては、カル
ボキシレート、スルホネートおよび燐酸塩類およびこれらの混合物が挙げられる
が、これらには限定されない。本明細書で使用するタンニン抽出物は、ある種の
木材種の樹皮の有機抽出物中に存在する、天然に生ずるポリフェノール性物質の
ことを指している。
【0027】 ステップ(a)のpH条件は約4から約8であってよいが、しかし好ましくは
、ステップ(a)のpH条件は約4.5から約6.5である。完成紙料中の全固
形分に基づいて約0.007重量%から約1.0重量%のフェノール性促進剤を
、ステップ(b)において添加することができる。好ましくは、完成紙料中の全
固形分に基づいて約0.02重量%から約0.5重量%のフェノール性促進剤を
、ステップ(b)において添加できる。
【0028】 製紙用完成紙料は、上質紙、板紙、および新聞紙製造用完成紙料からなる群よ
り選択してよいが、これらには限定されない。
【0029】 凝集剤は、非イオン性、陰イオン性または陽イオン性の重合体であってよい。
更に、凝集剤は、少なくとも約500,000の分子量を有していてよい。好ま
しくは、凝集剤は、少なくとも約1,000,000の分子量を有する。最も好
ましくは、凝集剤は、少なくとも約5,000,000の分子量を有する。
【0030】 前記方法のいずれにおいても更に、陽イオン性凝固剤を前記完成紙料へと、好
ましくはスラリー中の全固形分に基づいて約0.001重量%から約1重量%の
用量で添加することができ;あるいは処理助剤を添加することができ、処理助剤
は、ベントナイト、タルク、シリカ、陽イオン性デンプンおよびこれらの混合物
からなる群より選択されるが、しかしこれらには限定されない。
【0031】 本発明は、合成または天然の重合体によって前処理された充填剤成分、例えば
クレー、シリカ、二酸化チタン、酸化マグネシウム、粉砕炭酸カルシウム、粉末
炭酸カルシウム、無機色素、有機色素または他のあらゆる小さい充填性の固体お
よび特性を変化させる固体の保持の促進を示し、これらの天然または合成の重合
体は、例えばフェノールまたはナフトール基、およびスルホン酸塩化されたフェ
ノールまたはナフトール基を含有しており、促進剤として知られている。フェノ
ール性材料は、選択された凝集剤と共に充填剤の保持を顕著に促進する。本明細
書で使用する凝集剤という用語は、アクリルアミドのホモポリマー、共重合体お
よびターポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー、共重合体およびターポリ
マー、およびN−ビニルアミドのホモポリマー、共重合体およびターポリマーを
含むが、これらには限定されない。
【0032】 本発明は、製紙装置中の製紙用完成紙料における充填剤成分の保持および排水
を促進する方法であって、本方法は、充填剤成分のスラリーへと、完成紙料中の
全固形分に基づいて約0.003重量%から約2.0重量%(活性成分として)
のフェノール性促進剤材料を添加するステップを有しており、充填剤成分のスラ
リーへのフェノール性促進剤材料の添加は、製紙工場の現場で行うか、あるいは
その前の場所で充填剤成分を製品として生成させる目的で行うことができる。前
記の前処理された充填剤成分を、最終的な完成紙料中の全固形分に基づいて約0
.001重量%から約0.5重量%(凝集剤の活性成分として)の量で含有する
完成紙料へと、凝集剤を添加する。
【0033】 製紙用スラリー中へと供給されるべきすべての重合体を前処理する必要はない
。充填剤の一部を促進剤材料によって前処理し、次いでスラリーを含有するセル
ロース材料中へと供給する前に未処理の充填剤と混合することができる。更に、
この前処理された充填剤の流れを分割し、製紙プロセスの異なる場所で部分的に
添加することができる。詳しくは、前処理された充填剤材料の一部を、凝集剤を
供給する前あるいは後に添加することができる。前処理された充填剤材料の一部
を、高剪断領域、例えばファンポンプおよび圧力スクリーンの前または後に添加
することができる。
【0034】 フェノール性促進剤材料の用量は、好ましくはスラリー中の全固形分に基づい
て約0.003重量%から約2.0重量%であり、一層好ましくは約0.007
重量%から約1.0重量%であり、最も好ましくは約0.02重量%から約0.
5重量%である。
【0035】 典型的には、促進剤による充填剤材料の前処理には、秒単位の休止時間と、イ
ンライン希釈ミキサーまたは静圧ミキサーに関連するもののような適当な混合が
含まれるであろう。促進剤と充填剤との間の接触時間と、混合強度との双方が変
動することを銘記することが重要である。前処理の間のpH調節工程によって、
しばしば性能が向上する。この調節の必要性は、観測された性能によって指示さ
れる。最も有利なpHである約5への調節が必要な場合には、これは鉱酸のよう
なプロトン供与体の希釈液を用いることによって達成する。
【0036】 本発明を適用する際に使用する凝集剤は、一般的には次の三つの分類から選択
されるが、これらには限定されない:非イオン性、陰イオン性および陽イオン性
である。これらの例の非イオン性の凝集剤は、非イオン性モノマーのホモポリマ
ー、共重合体、ターポリマー等である。好適な非イオン性モノマーは、アクリル
アミドまたはメタクリルアミドまたはN−ビニルホルムアミドであり、好適な非
イオン性凝集剤は、それぞれ、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミ
ド)およびポリ(N−ビニルホルムアミド)である。
【0037】 アクリルアミド、メタクリルアミドおよび/またはN−ビニルアミド重合体凝
集剤からなる非イオン性凝集剤の用量は、好ましくは、スラリー中の全固形分に
基づいて約0.001重量%から約0.5重量%(活性成分として)であり、更
に好ましくは約0.003重量%から約0.2重量%であり、最も好ましくは約
0.007重量%から約0.1重量%である。
【0038】 本発明を実施する際に有用な非イオン性凝集剤は、特にアクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−ターシャリーブチル アクリルアミド、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、
N−ビニル−5−フェニルピロリドン、N−ビニル−2−オキサゾリドン、N−
ビニルイミダゾール、酢酸ビニル、マレイミドおよびN−ビニルモルホリノンか
らなる群より選ばれた少なくとも一種のモノマーから生成させることができる。
ここで記載したモノマーを重合させることによってホモポリマーを生成させるこ
とができる。組み合わせて重合させた場合には、共重合体またはターポリマーを
得ることができる。
【0039】 この非イオン性アクリルアミドまたはN−ビニルアミド重合体凝集剤の代わり
に、陽イオン性または陰イオン性のアクリルアミドまたはN−ビニルアミド共重
合体またはターポリマー凝集剤を使用できる。ある場合、例えば陰イオン性アク
リルアミドまたはN−ビニルアミド共重合体またはターポリマー凝集剤を使用し
た場合には、この凝集剤を添加する前に、陽イオン性凝固剤をスラリーへと添加
しなければならない。凝固剤の用量は、好ましくは、スラリー中の全固形分に基
づいて約0.001重量%から約1重量%であり、更に好ましくは約0.01重
量%から約0.5重量%であり、最も好ましくは約0.02重量%から約0.2
5重量%である。
【0040】 陽イオン性凝集剤という用語によって、水中に溶解したときに、陽イオン電荷
を保持するかあるいは保持能力を有するメタ(アクリルアミド)のあらゆる水溶
性共重合体を含むものと理解され、この電荷保持能力がpHに依存するか否かに
は係わらない。このメタ(アクリルアミド)の陽イオン性共重合体としては、次
の例が挙げられるが、これらの例は本発明を制限することを意味するものではな
い;ジメチルアミノエチル メタクリレート(DMAEM)、ジメチルアミノエ
チル アクリレート(DMAEA)、ジエチルアミノエチル アクリレート(DE
AEA)、ジエチルアミノエチル メタクリレート(DEAEM)、または硫酸
ジメチルまたは塩化メチルを用いて製造したこれらの四級アンモニウム塩形、マ
ンニッヒ反応修飾ポリアクリルアミド、ジアリルシクロヘキシルアミン ヒドロ
クロリド(DACHA HCl)、ジアリルジメチルアンモニウム クロリド(D
ADMAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム クロリド(
MAPTAC)およびアリルアミン(ALA)と、(メタ)アクリルアミドとの
共重合体である。
【0041】 陽イオン性凝集剤という用語によっても、これは水中に溶解したときに陽イオ
ン電荷を保持するかあるいは保持する能力を有するN−ビニルホルムアミドまた
は関連モノマーのあらゆる水溶性共重合体を含むものであると理解され、この電
荷保持能力は、pHに依存する否かに係わらない。メタ(アクリルアミド)の陽
イオン性共重合体としては、次の例が挙げられるが、これは本発明を制限するこ
とを意味するものではない;ジメチルアミノエチル メタクリレート(DMAE
M)、ジメチルアミノエチル アクリレート(DMAEA)、ジエチルアミノエ
チル アクリレート(DEAEA)、ジエチルアミノエチル メタクリレート(D
EAEM)または硫酸ジメチルまたは塩化メチルを用いて製造したこれらの四級
アンモニウム塩形、マンニッヒ反応修飾ポリアクリルアミド、ジアリルシクロヘ
キシルアミン ヒドロクロリド(DACHA HCl)、ジアリルジメチルアンモ
ニウム クロリド(DADMAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアン
モニウム クロリド(MAPTAC)およびアリルアミン(ALA)と、メタ(
アクリルアミド)との共重合体である。
【0042】 高分子量の陰イオン性重合体は、好ましくは次のモノマーとメタ(アクリルア
ミド)との水溶性ビニル共重合体である;アクリル酸、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)およびこれらの混合物である。また、
この陰イオン性の高分子量凝集剤は、加水分解された、アクリルアミド重合体で
あるか、あるいはアクリルアミドまたはその類縁体、例えばメタクリルアミドと
、アクリル酸またはその類縁体、例えばメタクリル酸との共重合体、またはマレ
イン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、AMPSまたは他のスルホン酸含有モ
ノマーのようなモノマーとの共重合体である。陰イオン性重合体は、スルホン酸
塩またはホスホン酸塩含有重合体であってよく、これら重合体は、アクリルアミ
ド重合体を、スルホン酸塩またはホスホン酸塩置換またはこれらの混合物が得ら
れるような方法で修飾することによって合成された。最も好適な高分子量陰イオ
ン性凝集剤は、アクリル酸/アクリルアミド共重合体、およびスルホン酸塩含有
重合体、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/アクリル
アミド共重合体(AMPS)、アクリルアミド メタンスルホン酸/アクリルア
ミド(AMS)、アクリルアミド エタンスルホン酸/アクリルアミド(AES
)および2−ヒドロキシ−3−アクリルアミド プロパンスルホン酸/アクリル
アミド(HAPS)である。
【0043】 高分子量陰イオン性重合体は、好ましくは、N−ビニルホルムアミドまたは関
連するモノマーと、次のモノマーとの水溶性ビニル共重合体である;アクリル酸
、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン スルホン酸(AMPS)およびこ
れらの混合物である。また、この陰イオン性の高分子量凝集剤は、加水分解され
た、アクリルアミド重合体であるか、あるいはアクリルアミドまたはその類縁体
、例えばメタクリルアミドと、アクリル酸またはその類縁体、例えばメタクリル
酸との共重合体、またはマレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、AMPS
または他のスルホン酸含有モノマーのようなモノマーとの共重合体である。陰イ
オン性重合体は、スルホン酸塩またはホスホン酸塩含有重合体であってよく、こ
れら重合体は、アクリルアミド重合体を、スルホン酸塩またはホスホン酸塩置換
またはこれらの混合物が得られるような方法で修飾することによって合成された
。最も好適な高分子量陰イオン性凝集剤は、アクリル酸/アクリルアミド共重合
体、およびスルホン酸塩含有重合体、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸/アクリルアミド共重合体(AMPS)、アクリルアミド メ
タンスルホン酸 アクリルアミド(AMS)、アクリルアミド エタンスルホン酸
/アクリルアミド(AES)および2−ヒドロキシ−3−アクリルアミド プロ
パンスルホン酸/アクリルアミド(HAPS)である。
【0044】 非イオン性、陽イオン性および陰イオン性凝集剤は少なくとも500,000
の分子量を有していることが好ましい。更に好ましい分子量は少なくとも約1,
000,000であり、分子量が約5,000,000を越える場合に最良の結
果が観測された。陰イオン性または陽イオン性モノマーは、共重合体のうち最大
で約80mol%を構成していてよく、最良の結果は、約0から約30mol%
の陰イオンまたは陽イオン電荷の範囲内で観測された。
【0045】 高分子量凝集剤(陰イオン性、非イオン性、陽イオン性)は、固体形で、水溶
液として、油中水エマルジョンとして、あるいは水中の分散物として使用できる
【0046】 悪影響を与える物質を制御する添加剤、例えばベントナイト、タルク、陽イオ
ン性デンプン、陽イオン性凝固剤またはこれらの混合物は、系のどこにでも添加
することができる。好適な添加のポイントは、白水によって希釈する前の濃厚紙
料パルプである。この適用によって、製紙操作の清浄性の向上がもたらされ、こ
れはさもなければ生産性と紙の品質との双方に影響する疎水性の堆積物の発生を
もたらす。
【0047】 凝固剤は、典型的には、少なくとも約1,000、および約500,000以
下の低分子量を有する陽イオン性重合体である。更に好ましくは、この分子量は
、約2,000から約200,000の範囲内である。
【0048】 凝固剤として使用する重合体の例としては、ジアリルジメチルアンモニウム
クロリドと、四級ジメチルアミノエチルアクリレート、四級ジメチルアミノメタ
クリレート、ビニルトリメトキシシラン、アクリルアミド、ジアリルジメチルア
ミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアリルジメチルアミノアルキル(メタ)
アクリルアミドおよびこれらの混合物からなる群より選択されたモノマーとの共
重合体が挙げられる。更に、使用可能な重合体としては、ポリエチレンイミン、
ポリアミン、ポリシアノジアミド ホルムアルデヒド、ポリ(ジアリルジメチル
アンモニウム クロリド)、ポリ(ジアリルジメチルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート)、ポリ(ジアリルジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド
)、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンとの縮合重合体およびアクリルアミド
および/またはジアリルジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレートおよびジ
アリルジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから生成した共重合体、
アンモニアおよびエチレンジクロリドの縮合重合体、またはアクリルアミド N
,N−ジメチル ピペラジン 四級塩およびアクリルアミドから生成した共重合体
が挙げられる。
【0049】 また、本発明に適用可能な重合体凝固剤としては、ポリ(ビニルアミン)、例
えばエステル、アミド、ニトリルまたは(メタ)アクリル酸塩と重合された、ア
ミジン ビニルホルムアミド、ビニルアルコール、酢酸ビニル、ビニルピロリド
ンからなる群より選ばれた少なくとも一種のモノマーから生成したものが挙げら
れる。更に、凝固剤は、無機材料、例えばみょうばんであってよい。更に、本発
明は、上質紙、板紙および新聞紙の製紙工場スラリーからなる群より選ばれた製
紙工場スラリーへと適用できる。これらのスラリーとしては、木材を含有するも
の、木材を含有しないもの、未使用のもの、リサイクルしたもの、およびこれら
の混合物が挙げられる。本プロセスは、本明細書に記載した重合体成分を含有す
る、すべての等級および型の紙製品に対して適用可能なものと考えられる。
【0050】 フェノール性促進剤材料は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、タンニン抽
出物、ナフトール−ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(パラビニルフェノール)お
よびこれらの促進剤材料の置換されたバージョンからなる群より選ばれており、
ここで前記の置換された官能基としては、例えばカルボキシレート、スルホン酸
塩およびホスホン酸塩およびこれらの混合物のような部分が挙げられるが、これ
らには限定されない。
【0051】 他の添加剤は、本発明の凝集剤/フェノール性促進剤材料の組み合わせの活性
を実質的に阻害することなしに、セルローススラリーへと添加することができる
。こうした他の添加剤としては、特に、例えばみょうばんおよびロジンのような
サイジング剤、微粒子、ピッチ調整剤、および殺菌剤が挙げられる。
【0052】 製紙紙料において一般的に採用されている製紙プロセスで使用されるあらゆる
充填剤成分の量は、スラリー中の乾燥パルプ100重量部ごとに、充填剤が約5
重量部から約30重量部であるが、しかしこの充填剤成分の量は、同じベースで
、時によっては約1重量部もの低さであってよく、約50重量部もの高さであっ
てよい。
【0053】 本明細書に記載した方法の効率を測定するためには、次のブリットジャー実験
手順を利用した。ブリットジャー試験法は、FPRおよびFPARの実験室での
評価として工業界においては許容されている。第一パス保持量(FPR)は、成
形されたシート中への全固形分の包含の度合いを示す測定値である。これは、シ
ート形成の間に得られた製紙スラリーの濃度Csと白水濃度Cwwとから算出す
る。
【0054】 FPR=〔(Cs−Cww)/Cs〕×100% 従って、FPR数が大きいことは、処理剤が一層効率的であることを示す。
【0055】 第一パス灰分保持量(FPAR)は、形成されたシート中への充填剤の包含の
度合いを示す測定値である。これは、シート形成の間に得られた初期製紙用スラ
リーにおける充填剤濃度(Cfs)および白水の充填剤濃度Cfwwから算出す
る。
【0056】 FPAR=〔(Cfs−Cfww)/Cfs〕×100% 従って、一層効率的な処理は、より大きいFPAR数によって示される。
【0057】 ブリットジャーは、バッフルを備えた容器、インペラー、スクリーンおよび弁
を備えており、スクリーンを通して排水が生ずる(典型的には200〜70メッ
シュ)。これは、二重製紙機剪断条件に使用されている。この実験を実施する際
には、既知の濃度を有する紙料の試料(中西部の製紙工場から得た完成紙料)を
ブリットジャーへと添加し、この間インペラーを操作させた。次いで、紙料を、
評価するべき処理の希薄液によって、最も良く製紙機の添加点を反映するような
順番で処理した。実験の終わりに、白水の試料(ブリットジャーのフィルターを
通過した排水)、典型的には100mlを、動的条件下に回収した。排水の間動
的条件を利用し、マットの生成を防止した。
【0058】 本実験に使用した紙料の濃度は、0.2から0.7%の間であった。この範囲
内では、保持値は、紙料の濃度に独立であることを見いだした。すべての実験に
おいて使用した重合体は、凝固剤およびフェノール性促進剤については1%に希
釈し、凝集剤については0.1%に希釈した。ブリットジャーのインペラーは、
1分間当たり800回転で作動させた。
【0059】 ブリットジャー試験を二重製紙機保持に使用し、水力機械的因子よりも保持に
対するコロイド因子の作用を狙い、即ち、物理的な微細物の補足および繊維の機
械的な巻き込みよりも、誘引力または反発力を狙った。
【0060】 このように測定した保持値は、濾過に関連する因子を含んでおらず、真の化学
的保持成分を示している。
【0061】 各試験について、添加剤を、製紙機上の紙料に対して添加剤が添加されるであ
ろう順番で添加した。すべての添加剤が所与の試験において供給されているか否
かを問わず、すべての試料に同じ長さの時間の攪拌を行った。各試験を実施する
際には、紙料を上側チャンバー(スクリーン上)に配置し、次いでこの紙料を次
に記載する手順に供した。
【0062】 0秒: 紙料を添加 5秒: クレー(前処理または前処理せず) 10秒: 前処理していない実験についてフェノール性促進剤を添加 15秒: 凝集剤を添加 20秒: 試料を回収
【0063】 次いで、白水の濃度Cwwおよび白水の充填剤濃度Cfwwを、フィルターパ
ッドを乾燥し、灰化した後に測定した。次いで、これらの値を使用して、FPR
およびFPARを算出した。
【0064】 次の実施例は、本発明の好適な実施形態と利用例とを記載するために示すもの
であり、本明細書に添付した請求の範囲に特に断らない限りは、本発明を制限す
ることを意図するものではない。
【0065】
【実施例】
実施例1 表1は、新聞紙用完成紙料についての実験から集めたデータを示す。この完成
紙料は、新聞紙工場からの希釈紙料熱機械的パルプ(TMP)試料を使用して製
造した。ニュージャージー州イセリンのエンゲルハードコーポレーションから入
手可能な約20%仮焼クレー充填剤を完成紙料中へと供給した。この濃度を約0
.5%に調節した。
【0066】 フェノール性促進剤の添加の作用は、製紙用スラリー中へと充填剤を含有させ
る前に充填剤へと前処理として供給する場合と、前処理しない場合、言い換える
と充填剤を通常適用するようにして供給する場合との双方について、評価した。
このフェノール性促進剤は、レゾール型の市販されているフェノールホルムアル
デヒド樹脂であった。充填剤による前処理の間、すべての促進剤は、セルロース
を含有する製紙用スラリー中へと充填剤を供給する前に充填剤へと添加した。タ
ップ水を使用してスラリー中で調製したときの充填剤のpHは約7であった。p
H調節を含む前処理を研究した場合には、鉱酸の希釈溶液を使用してpHを約p
H6へと低下させた。
【0067】 非イオン性凝集剤は、イリノイ州ネイパーヴィルのナルコケミカル社から市販
されている、27.2%の全固形分および30.0dl/gのRSVを有するラ
テックス逆相エマルジョンホモポリマーアクリルアミドであった。凝集剤の用量
は、製品2kg/トンである。ワイオミング州シェボイガンのボーデンケミカル
社からの固形分41.5%として受け入れたフェノール性促進剤の用量は、活性
成分2kg/トンであり、すべての用量は全完成紙料固形分に基づいている。
【0068】 驚くべきことに、フェノール性材料を使用した充填剤の前処理に続いて、凝集
剤としてアクリルアミドのホモポリマーを使用することで、(FPRの値が大き
くなったことによって示されるように)保持の促進が観測された。この保持の向
上は、明らかに充填剤のpHをフェノール性促進剤による前処理に先立って調節
した場合に、本例においては一層強調されている。保持の測定は、前に記載した
ブリットジャー手順を用いて実施した。
【0069】
【表1】
【0070】 実施例2 表2は、新聞紙完成紙料を用いた実験から集めたデータを示す。この完成紙料
は、新聞紙工場からの希釈紙料TMP試料を用いて調製した。ニュージャージー
州イセリンのエンゲルハードコーポレーションからの約20%水洗カオリンクレ
ー充填剤を完成紙料中へと供給した。この濃度は約0.5%に調節した。
【0071】 フェノール性促進剤の添加の作用は、製紙用スラリー中へと充填剤を含有させ
る前に充填剤へと前処理として供給する場合と、前処理しない場合、言い換える
と充填剤を通常適用するようにして供給する場合との双方について、評価した。
このフェノール性促進剤は、レゾール型の市販されているフェノールホルムアル
デヒド樹脂であった。充填剤による前処理の間、すべての促進剤は、セルロース
を含有する製紙用スラリー中へと充填剤を供給する前に充填剤へと添加した。タ
ップ水を使用してスラリー中で調製したときの充填剤のpHは約7であった。p
H調節を含む前処理を研究した場合には、鉱酸の希釈溶液を使用してpHを約p
H6へと低下させた。
【0072】 非イオン性凝集剤は、イリノイ州ネイパーヴィルのナルコケミカル社から市販
されている、27.2%の全固形分および30.0dl/gのRSVを有するラ
テックス逆相エマルジョンホモポリマーアクリルアミドであった。凝集剤の用量
は、製品2kg/トンである。ワイオミング州シェボイガンのボーデンケミカル
社からの固形分41.5%として受け入れたフェノール性促進剤の用量は、活性
成分2kg/トンであり、すべての用量は全完成紙料固形分に基づいている。
【0073】 前処理に先立って充填剤のpH調節をすることなしに、充填剤の前処理に続い
て凝集剤としてアクリルアミドのホモポリマーを使用したときには、保持の促進
は示されなかった。しかし、驚くべきことに、充填剤のpHをフェノール性促進
剤による前処理に先立って調節した場合に、本例においては保持の向上が明らか
であった。保持の測定は、前に記載したブリットジャー手順を用いて実施した。
【0074】
【表2】
【0075】 実施例3 表3は、新聞紙完成紙料を用いた実験から集めたデータを示す。この完成紙料
は、新聞紙工場からの希釈紙料TMP試料を用いて調製した。メリーランド州ハ
ブルデグラースのJ.M.ヒューバーから入手可能な約20%のアモルファスシ
リカ充填剤を完成紙料中へと供給した。この濃度は約0.5%に調節した。
【0076】 フェノール性促進剤の添加の作用は、製紙用スラリー中へと充填剤を含有させ
る前に充填剤へと前処理として供給する場合について評価した。このフェノール
性促進剤は、レゾール型の市販されているフェノールホルムアルデヒド樹脂であ
った。充填剤による前処理の間、すべての促進剤は、セルロースを含有する製紙
用スラリー中へと充填剤を供給する前に充填剤へと添加した。タップ水を使用し
てスラリー中で調製したときの充填剤のpHは約7であった。前処理プロセスの
間に、鉱酸の希釈溶液を使用してpHを約pH6へと低下させた。
【0077】 非イオン性凝集剤は、イリノイ州ネイパーヴィルのナルコケミカル社から市販
されている、27.2%の全固形分および30.0dl/gのRSVを有するラ
テックス逆相エマルジョンホモポリマーアクリルアミドであった。フェノール性
促進剤の用量は、表3の第一欄に示されており、すべての用量は全完成紙料固形
分に基づいている。
【0078】 充填剤の前処理に続いて凝集剤としてアクリルアミドのホモポリマーを使用し
た場合には、保持の顕著な促進が示された。保持の測定は、前に記載したブリッ
トジャー手順を用いて実施した。
【0079】
【表3】
【0080】 本明細書に記載した本発明方法の組成、操作および装置には、次の請求の範囲
に規定する本発明の思想および範囲を離れることなく、変更を加えることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 プラスジンスキー,プリジミスロウ カナダ国,エル7エム 3イー3 オンタ リオ,バーリントン,ハント クレスセン ト 2213 (72)発明者 ジャクボウスキー,レジーナ カナダ国,エル8ティー 5エイ4 オン タリオ,ハミルトン,ロッキード ドライ ヴ 262 (72)発明者 アームストロング,ジョーン,アール. カナダ国,エル7アール 4ジェイ9 オ ンタリオ,バーリントン,レイクショア ロード 2210 (72)発明者 ローゼンクランス,スコット,ダブリュ. アメリカ合衆国,60540 イリノイ州,ナ パヴィル,ビーヴァー ドライヴ 731 Fターム(参考) 4L055 AC03 AG05 AG08 AG11 AG12 AG16 AG17 AG18 AG19 AG26 AG27 AG43 AG48 AG64 AG72 AG73 AG77 AG78 AG79 AG83 AG84 AG89 AH01 AH18 AH50 BD13 EA30 EA31 EA32 FA08 FA10 GA05 GA16 GA17

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙プロセスにおいて製紙用完成紙料中の充填剤成分の保持
    および排水を促進する方法であって、 (a)約4から約8のpHで充填剤成分のスラリーを製造するステップ; (b)全固形分に基づいて約0.003重量%から約2.0重量%のフェノール
    性促進剤で前記スラリーを処理することによって、前処理充填剤成分のスラリー
    を生成させるステップ; (c)ステップ(b)の前処理されたスラリーへと前記完成紙料を添加するステ
    ップ;および、次いで (d)前記完成紙料へと、前記スラリー中の全固形分に基づいて約0.003重
    量%から約0.5重量%の重合体凝集剤を添加し、前記凝集剤が少なくとも約5
    00,000の分子量を有するステップを有しており、 これによって前記製紙用完成紙料中の前記充填剤成分の保持および排水を促進
    する方法。
  2. 【請求項2】 前記充填剤成分を、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、二酸
    化チタン、酸化マグネシウム、石膏、タルク、水和された酸化アルミニウム、珪
    酸マグネシウムおよびこれらの混合物からなる群より選択する、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記フェノール性促進剤を、フェノール−ホルムアルデヒド
    樹脂、タンニン抽出物、ナフトール−ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(パラ−ビ
    ニルフェノール)およびこれらの混合物からなる群より選択する、請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(b)において、前記完成紙料中の全固形分に基づ
    いて約0.007〜約1.0重量%のフェノール性促進剤を添加する、請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 ステップ(b)において、前記完成紙料中の全固形分に基づ
    いて約0.02〜約0.5重量%のフェノール性促進剤を添加する、請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記製紙用完成紙料を、上質紙、板紙、および新聞紙製造用
    完成紙料からなる群より選択する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記凝集剤が陰イオン性重合体である、請求項1記載の方法
  8. 【請求項8】 前記凝集剤が、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−タ
    ーシャリーブチル アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロ
    リドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−3−
    メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−5−フェ
    ニルピロリドン、N−ビニル−2−オキサゾリドン、N−ビニルイミダゾール、
    酢酸ビニル、マレイミド、N−ビニルモルホリノンおよびこれらの組み合わせか
    らなる群より選ばれたモノマーの重合によって生成した非イオン性重合体である
    、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記凝集剤が陽イオン性重合体である、請求項1記載の方法
  10. 【請求項10】 更に、陽イオン性の凝固剤を前記完成紙料へと、前記スラ
    リー中の全固形分に基づいて約0.001〜約1重量%の用量で添加する、請求
    項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 更に、ベントナイト、タルク、シリカ、陽イオン性デンプ
    ンおよびこれらの混合物からなる群より選択された処理助剤を添加する、請求項
    1記載の方法。
  12. 【請求項12】 製紙プロセスにおいて製紙用完成紙料中の充填剤成分の保
    持および排水を促進する方法であって、 (a)約4から約8のpHで充填剤成分のスラリーを製造するステップ; (b)全固形分に基づいて約0.003重量%から約2.0重量%のフェノール
    性促進剤で前記スラリーを処理することによって、前処理充填剤成分のスラリー
    を生成させるステップ; (c)前記完成紙料へと、前記スラリー中の全固形分に基づいて約0.003重
    量%から約0.5重量%の重合体凝集剤を添加し、前記凝集剤が少なくとも約5
    00,000の分子量を有するステップ、および、次いで、 (d)前記完成紙料へと、ステップ(b)の前記前処理されたスラリーを添加す
    るステップを有しており、 これによって前記製紙用完成紙料中の前記充填剤成分の保持および排水を促進
    する方法。
  13. 【請求項13】 前記充填剤成分を、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、二
    酸化チタン、酸化マグネシウム、石膏、タルク、水和された酸化アルミニウム、
    珪酸マグネシウムおよびこれらの混合物からなる群より選択する、請求項12記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 前記フェノール性促進剤を、フェノール−ホルムアルデヒ
    ド樹脂、タンニン抽出物、ナフトール−ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(パラ−
    ビニルフェノール)およびこれらの混合物からなる群より選択する、請求項12
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 ステップ(b)において、前記完成紙料中の全固形分に基
    づいて約0.007〜約1.0重量%のフェノール性促進剤を添加する、請求項
    12記載の方法。
  16. 【請求項16】 ステップ(b)において、前記完成紙料中の全固形分に基
    づいて約0.02〜約0.5重量%のフェノール性促進剤を添加する、請求項1
    2記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記製紙用完成紙料を、上質紙、板紙、および新聞紙製造
    用完成紙料からなる群より選択する、請求項12記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記凝集剤が陰イオン性重合体である、請求項12記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 前記凝集剤が、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
    ターシャリーブチル アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピ
    ロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−3
    −メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニル−5−フ
    ェニルピロリドン、N−ビニル−2−オキサゾリドン、N−ビニルイミダゾール
    、酢酸ビニル、マレイミド、N−ビニルモルホリノンおよびこれらの組み合わせ
    からなる群より選ばれたモノマーの重合によって生成した非イオン性重合体であ
    る、請求項12記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記凝集剤が陽イオン性重合体である、請求項12記載の
    方法。
  21. 【請求項21】 更に、陽イオン性の凝固剤を前記完成紙料へと、前記スラ
    リー中の全固形分に基づいて約0.001〜約1重量%の用量で添加する、請求
    項12記載の方法。
  22. 【請求項22】 更に、ベントナイト、タルク、シリカ、陽イオン性デンプ
    ンおよびこれらの混合物からなる群より選択された処理助剤を添加する、請求項
    12記載の方法。
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