JP2002536344A - 抗腫瘍免疫を発生させるためのカチオン性脂質の使用 - Google Patents

抗腫瘍免疫を発生させるためのカチオン性脂質の使用

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JP2002536344A JP2000596968A JP2000596968A JP2002536344A JP 2002536344 A JP2002536344 A JP 2002536344A JP 2000596968 A JP2000596968 A JP 2000596968A JP 2000596968 A JP2000596968 A JP 2000596968A JP 2002536344 A JP2002536344 A JP 2002536344A
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Abstract

(57)【要約】 カチオン性分子:生物活性分子の複合体を用いる、抗腫瘍免疫応答を発生させる方法が提供される。一の態様において、抗腫瘍免疫応答は防護性で記憶を基礎とする応答である。当該複合体は単独で、処方中の活性成分として、又はアジュバントとして投与し得る。本発明はまた、カチオン性分子:生物活性分子の複合体を哺乳類の細胞又は外来腫瘍細胞に暴露することによる処置の間に、存在する腫瘍細胞に対する免疫刺激性応答を発生させる方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、腫瘍増殖を抑制し、かつ腫瘍再発に対する防御免疫を発生させるた
めの新規方法に関する。本発明はまた、哺乳動物の炎症性応答を調節しかつ特異
的免疫刺激応答を発生させるための方法と組成物とに関する。
【0002】 脂質介在性の遺伝子送達は、遺伝子治療の最も広く研究される分野の1つとな
っている。カチオン性分子(本明細書において、カチオン性脂質、カチオン性ポ
リマー、およびカチオン性両新媒性化合物と定義する)は、生物活性分子の効率
的な細胞内送達について特に有望であることが証明されている。カチオン性分子
は、生理学的pHでまたはその近辺で陽性に荷電されることができる極性基を有
する。この性質は、分子が多くの型の生物活性分子(例えば、DNAのような陰
性に荷電したポリヌクレオチドを含む)と、如何に反応するかを規定するのに重
要であると、当該分野で理解されている。
【0003】 生物活性分子の細胞内送達に有用であるとされているカチオン性脂質化合物の
例は、そのような応用に適するものとすることが当該分野で理解されているカチ
オン性脂質の性質の考察とともに、多くの文献に記載されている。文献中のいく
つかの例の開示内容は、具体的に参照することにより本明細書に組み込まれる(
エパンド(Epand)らの米国特許第5,283,185号;フェルグナー(Felgn
er)らの米国特許第5,264,618号;ゲベエフ(Gebeyehu)らの米国特許
第5,334,761号;およびリー(Lee, E.R.)ら、Hum. Gene Ther. 7: 17
01-1717(1996))。
【0004】 別のクラスの活性の増強したカチオン性脂質が、例えばシーゲル(Siegel)ら
の米国特許第5,747,471号;ハリス(Harris)らの米国特許第5,65
0,096号;およびPCT公報WO98/02191号(1998年1月22
日公開)に記載されており、これらの開示内容は、参照することにより本明細書
に組み込まれる。これらの特許はまた、本発明の実施に関係するカチオン性脂質
の調製、特徴および性質を開示している。
【0005】 さらに、いくつかの発行済み米国特許(その開示内容は参照することにより本
明細書に組み込まれる)は、哺乳動物の細胞にポリヌクレオチドを送達するのに
カチオン性脂質が有用であることを記載している(ブリガム(Brigham)らの米
国特許第5,676,954号、およびフェルグナー(Felgner)らの米国特許
第5,703,055号)。
【0006】 しかし、脂質遺伝子の送達に関連する炎症性応答が認識されている。例えば肺
へのカチオン性脂質介在遺伝子移動は、気管支肺胞洗浄液中の白血球(主に好中
球)の流入と、例えばインターロイキン6(IL−6)、腫瘍壊死因子(TNF
−a)、およびインターフェロンg(TNF−g)のような炎症性サイトカイン
のレベルの上昇を特徴とする容量依存性の肺炎症を誘導する。カチオン性脂質:
DNA複合体の個々の成分で処理した肺切片の組織学的分析は、カチオン性脂質
が、観察された炎症のメディエーターであることを示唆する。
【0007】 さらにCF被験者をエーロゾル化リポソーム単独またはカチオン性脂質:DN
A複合体を投与した臨床試験の結果は、細菌由来のプラスミドDNAもまた炎症
性であるかも知れないことを示した。カチオン性脂質:pDNAで治療した患者
のそれぞれは、約24時間にわたってインフルエンザのような症状(発熱、筋肉
痛、および約15%のFEVの低下を含む)を示した。これらの症状はリポソー
ム対照で治療した患者では観察されなかった。この応答のひとつの可能な説明は
、細菌由来のpDNA中の非メチル化CpGジヌクレオチド配列の存在に関連す
る。クリーク(Krieg)ら、Nature 374: 546-549(1995); クリンマン(Klinma
n)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83: 2879-2883(1996); サトウ(Sato)
ら、Science 273: 352-354(1996)を参照されたい。
【0008】 非メチル化CpGジヌクレオチドからなるゲノムの短い領域は、CpGモチー
フのCpG島(CpG islands)として知られている。非メチル化CpGジヌクレ
オチドは、脊椎動物DNAと比較して細菌由来のプラスミドDNA中にはるかに
高頻度で存在し、時に細菌と脊椎動物DNAとの間のわずかな構造の差として性
状解析されている。例えば、真核生物起源のDNAと比較して、細菌のゲノムD
NAは、20倍高頻度のジヌクレオチド配列CpGを含有する。さらに、80%
のシトシンがメチル化されている真核生物DNAとは異なり、原核生物起源のも
のは比較的メチル化されていない。これらの差は、脊椎動物の免疫系が細菌起源
のDNAを認識しかつこれに応答することを可能にするといわれている。この点
で、ゲノム性細菌DNAの真核生物宿主への投与は、強力な免疫刺激応答を誘発
することができることが証明されている。例えば、クリーク(Krieg)ら、Trend
s Microbiol. 4: 73-76(1995); バラス(Balla)ら、J. Immunol. 157: 1840-
1845(1996); スパルワッサー(Sparwasser)ら、Eur. J. Immunol. 27: 1671-
1679(1997)を参照されたい。
【0009】 その結果、細菌および合成ジヌクレオチドのCpGモチーフには多くの用途が
ある。CpGモチーフの存在は、いくつかの免疫細胞(B細胞、単核細胞、樹状
細胞、マクロファージ、およびナチュラルキラー細胞を含む)を活性化すると考
えられている。CpGモチーフはまた、感染に対する防御性免疫応答の活性化、
ワクチンの増強、癌細胞に対する免疫系の活性化、およびアレルギー反応の無害
な反応への転換にも使用することができる。ウールドリッジ(Wooldridge)ら、
Blood 89: 2994-2998(1997)を参照されたい。
【0010】 CpGモチーフの体系的分析は、CpGモチーフ5’−RRCGYY−3’を
有する配列は、これらの応答の誘導に特に強力であることを示した。この作用は
、CpGメチラーゼであらかじめメチル化したRRCGYY配列を有する細菌の
ゲノムDNAまたは合成オリゴヌクレオチドの投与の免疫刺激性が有意に低かっ
たことを示す実験により、CpGジヌクレオチド配列のメチル化状態の結果であ
ることが証明された。
【0011】 遺伝子移動実験で使用されるプラスミドDNAは、通常細菌から単離されるた
め、かつこれはまた宿主中で増殖するための細菌配列も有するため、これは高い
頻度で非メチル化CpG配列を含有する。従ってCpGモチーフの存在は、遺伝
子治療における生物活性分子の多くの型の有効な導入には有害である。例えばB
ALF中のCpGモチーフによるサイトカインのレベルの上昇の発生は、治療用
タンパク質が発現されるという結果を有する。いくつかのウイルスプロモーター
(例えば、遺伝子送達ベクターで一般的に使用されるCMVプロモーター)は、
そのようなサイトカインによる抑制を受ける。さらに、すでに慢性の炎症を起こ
した易感染性気道を示す患者の炎症または肺機能のさらなる低下は、安全性リス
クの上昇を示す。
【0012】 pDNA上のCpGモチーフの存在はまた、トランスフェクトされた単核細胞
または注入されたBALB/cマウス中の強固なTヘルパー1型応答を刺激する
ことができることが証明されている。肺への遺伝子の送達について特に関係する
のは、免疫刺激性CpGモチーフを含有する細菌ゲノムDNAまたはオリゴヌク
レオチドは、気道中で急性の炎症性応答を誘発することができ、特に下気道中で
炎症を引き起こし、細胞数と、サイトカインTNF−α、IL−6およびマクロ
ファージ炎症性タンパク質(MIP−2)のレベルの上昇を引き起こすことがで
きるという証明であった。シュワルツ(Schwartz)ら、J. Clin. Invest. 100:
68-73(1997)。CpGジヌクレオチドによる同様のサイトカインプロフィール
の活性化はまた、げっ歯類樹状細胞(スパルワッサー(Sparwasser)ら、Eur. J
. Immunol. 28: 2045-2054(1998))、マクロファージ(リプフォルト(Lipfor
d)ら、Eur. J. Immunol. 27: 2340-2344(1997))、単核細胞(サトウ(Sato
)ら、Science 273: 352-354(1995))、およびNK細胞(コウデリ(Cowdery
)ら、J. Immunol. 156: 4370-4575(1996))に報告されている。最近の研究は
また、カチオン性脂質DOTMA(N−[1−(2−3−ジオレイルオキシ)プ
ロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)とpDNAとの間で
形成された複合体が、処理した動物のBALF中のサイトカインと細胞レベルを
上昇させたことを報告した。フリーマーク(Friemark)ら、J. Immunol. 160: 4
580-4586(1998)を参照されたい。
【0013】 (発明の概要) 本発明は、抗腫瘍細胞応答を刺激するために、カチオン性分子と生物活性分子
とを含む組成物の有効量を投与することにより、哺乳動物で抗癌作用を発生させ
る方法を提供する。ある好適な実施態様において、本組成物は、カチオン性脂質
:生物活性分子複合体を含んでなる。さらなる好適な実施態様において、生物活
性分子は、発現可能なcDNA挿入体を有するかまたは有さない、免疫活性のあ
る核酸配列である。
【0014】 さらなる好適な実施態様において、抗癌作用は、アポトーシス応答、抗血管形
成応答を含む抗腫瘍細胞応答、炎症性応答、体液性応答、細胞性応答、Th1型
応答、またはTh2型応答を含む免疫応答でもよい。
【0015】 本発明の主題はまた、免疫応答を調節するための、カチオン性分子と生物活性
分子とを含む組成物の有効量を投与することにより、哺乳動物中の免疫応答を調
節する方法である。この組成物は、カチオン性脂質:生物活性分子複合体を含有
してもよく、生物活性分子は、発現可能なcDNA挿入体を有するかまたは有さ
ない免疫活性のある核酸配列でもよい。好適な実施態様において、免疫応答は炎
症性応答、体液性応答、細胞性応答、Th1型応答、またはTh2型応答でもよ
い。
【0016】 また本発明の実施には、抗腫瘍応答を発生させるための、カチオン性分子と生
物活性分子を含む組成物の有効量を腫瘍細胞に接触させることにより、哺乳動物
中で抗腫瘍応答を発生させる方法が含まれる。好適な実施態様において、抗腫瘍
応答は、長期の防御性免疫記憶を提供する防御性の抗腫瘍免疫応答である。この
組成物は、カチオン性脂質:生物活性分子複合体を含み、さらに好適な実施態様
において抗腫瘍応答は、全身性応答である。本発明の別の主題は、カチオン性脂
質と生物活性分子を含む組成物の有効量を、哺乳動物中の腫瘍細胞を含有する環
境に投与することにより、全身性免疫応答を発生させることである。
【0017】 本発明の実施はまた、治療中の存在する腫瘍細胞に対する免疫応答を発生させ
るのに有効な組成物を提供する。本組成物は、カチオン性分子と生物活性分子と
を含む。好ましくは本発明の組成物は、カチオン性脂質:生物活性分子複合体を
含む。本発明は、炎症性応答および/または免疫応答を刺激するための、哺乳動
物へのこれらの組成物の送達を提供する。好適な実施態様において、本発明は、
細菌性プラスミドでもよい免疫活性のある核酸配列を含む組成物を送達すること
による、炎症性応答および/または免疫応答を刺激する方法を提供する。
【0018】 本発明はさらに、生物活性分子を送達するための当該分野で公知の任意の方法
による、腫瘍細胞を含有するコンパートメント、または腫瘍細胞自体への、カチ
オン性分子:生物活性分子複合体の送達を提供する。
【0019】 さらなる実施態様において本発明は、免疫活性のある核酸配列(これは、発現
可能なcDNA挿入体を含有するかまたは含有しない)を含む生物活性分子を使
用して、治療中に存在する腫瘍細胞に対する炎症性応答または免疫応答を刺激す
るのに有効な組成物を提供する。すなわち上記の本発明は、導入遺伝子の発現を
必要としない。
【0020】 別の態様において本発明は、炎症性、免疫、または抗腫瘍応答を刺激するカチ
オン性分子:生物活性分子複合体を含む医薬組成物を提供する。本組成物は、担
体、充填剤、増量剤、分散剤、クリーム剤、ゲル剤、溶剤および製剤用途で一般
的な他の賦形剤を含む医薬組成物中の活性成分でもよい。医薬組成物は、治療中
に存在する腫瘍細胞に対する免疫応答を刺激するために、腫瘍細胞に送達される
か、または腫瘍細胞を含有する環境に送達される。
【0021】 さらなる実施態様において本発明は、その作用を増強または助けるための別の
薬物または治療とともに使用されるアジュバントとしての、カチオン性分子:生
物活性分子複合体の使用を提供する。カチオン性脂質:生物活性分子複合体とと
もに使用される薬物または他の治療の例は、特に限定されないが、公知の腫瘍抗
原、手術、サイトカイン、または実質的に免疫応答を含む任意の治療がある。
【0022】 本発明は、哺乳動物の細胞への生物活性分子の送達を実施するために当該分野
で使用されている任意の方法(特に限定されないが、エーロゾル化溶液の投与、
静脈内注射、または経口投与、非経口投与、腹腔内投与、鼻内投与、局所的投与
、または経粘膜投与がある)により、組成物を投与する方法を提供する。
【0023】 本発明はまた、哺乳動物の細胞への生物活性分子の送達を実施するために当該
分野で使用されている1つ以上の脂質または他の担体と、1つ以上の生物活性分
子とを含む医薬組成物を提供し、ここで該組成物は、患者の細胞、組織または臓
器への、有効量のカチオン性分子:生物活性分子複合体の、細胞内送達を促進す
る。本発明の医薬組成物は、保存のための組成物の安定化;被験体の特異的組織
、細胞、膜または臓器の標的化;および/またはカチオン性分子:生物活性分子
複合体を送達の成功への寄与をする成分を含む、1つ以上の追加の生理学的に許
容される物質を含有するように調製される。
【0024】 薬剤としての使用のために、本発明のカチオン性脂質:生物活性分子複合体は
、細胞へのカチオン性脂質:生物活性分子複合体の送達を促進するために、1つ
以上の追加のカチオン性脂質(当該分野で公知のものを含む)とともに、または
ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(「DOPE」)のような中性の
コリピッド(co-lipid)とともに調製される。
【0025】 本発明のさらなる特徴と利点は、以下に記載され、ここから一部は明らかであ
るか、または本発明の実施により教示されるであろう。本発明の目的と他の利点
は、記載の説明と請求の範囲ならびに添付の図面の化合物と方法により実現達成
されるであろう。
【0026】 (発明の詳細な説明) 本発明においてカチオン性脂質:生物活性分子複合体は、抗癌または抗腫瘍作
用を発生させるために使用され、好適な実施態様において抗腫瘍作用は、哺乳動
物で免疫応答または炎症応答を刺激または調節することにより発生する。複合体
は単独で投与され、製剤中の活性成分として、アジュバントとして、または他の
担体(例えば、カチオン性脂質を含む脂質、アデノウイルスを含むウイルスベク
ター)との組成物の一部として投与され、そして哺乳動物の細胞に生物活性分子
を送達するために当該分野で使用されている他の方法で使用される。
【0027】 本発明の1つの主題において、細胞にカチオン性分子:生物活性分子複合体を
送達することによる免疫応答を刺激および/または調節する方法は、全身性免疫
応答を発生させることを目的とする。本発明は、炎症性応答および/または免疫
応答を刺激するための、哺乳動物細胞へのカチオン性分子:生物活性分子複合体
の送達を提供する。本発明はまた、カチオン性分子:生物活性分子複合体を哺乳
動物細胞または外来腫瘍細胞に暴露して、治療時に存在する腫瘍に対する免疫刺
激応答を発生させる方法を提供する。
【0028】 カチオン性分子:生物活性分子複合体により刺激される免疫応答は、アポトー
シス応答、抗血管形成応答、炎症性応答、体液性応答、細胞性応答、Th1もし
くはTh2応答、炎症性応答としてサブ分類される他の任意の免疫応答、または
他の任意の免疫刺激応答または当該分野で公知の抗癌応答でもよい。さらにCp
Gモチーフ、細菌由来もしくは合成プラスミドにより生成されることが知られて
いる他の任意の免疫応答は、本発明の実施範囲内である。好適な実施態様におい
て免疫応答は、長期の防御性免疫記憶を提供する防御性免疫応答である。
【0029】 本発明の方法は好ましくは、カチオン性脂質:生物活性分子複合体を含む。カ
チオン性脂質と免疫活性のある核酸配列の両方の個々の投与後に、炎症性応答お
よび/または免疫応答が観察されているが、本発明の好適な応答は、カチオン性
脂質と生物活性分子をと含む組成物の投与により得られる。
【0030】 本発明は、任意のカチオン性脂質化合物の使用を提供する。生物活性分子の担
体としてのカチオン性脂質の伝統的用途は、細胞への生物活性分子のトランスフ
ェクションを促進することである。遺伝子治療は、宿主中で標的細胞のトランス
フェクションが成功することを必要とする。それ自体実質的に有用なトランスフ
ェクションは一般に、発現可能なポリヌクレオチド(例えば、遺伝子、cDNA
、またはmRNA)または他の生物活性分子を、細胞に導入するプロセスとして
定義される。こうしてトランスフェクトされたコードするポリヌクレオチドの発
現の成功により、細胞内でタンパク質が産生される。本発明は、生物活性分子の
トランスフェクションまたは導入遺伝子の発現を必要としない。トランスフェク
ションまたは発現が有用で所望の場合もあるが、炎症性応答の刺激および/もし
くは調節または免疫応答もしくは抗癌応答の発生は、細胞へのカチオン性脂質:
生物活性分子複合体の送達が必要なだけである。
【0031】 カチオン性分子は、生理的pHまたはその近辺で陽性に荷電することができる
極性基を有する。この性質は、カチオン性脂質が多くの型の生物活性分子(例え
ば、DNAのような陰性に荷電したポリヌクレオチドを含む)とどのように相互
作用するかを規定するのに重要であることが当該分野で公知である。好適な実施
態様において本発明は、細胞、組織、臓器、血管系、または体腔への生物活性分
子の移動を促進するのに有用な、任意のカチオン性脂質およびこれを含有する組
成物の使用を提供する。本発明の実施において多くの好適なカチオン性脂質は、
米国特許第5,747,471号&5,650,096号およびPCT公報WO
98/02191号に記載されている。カチオン性脂質化合物以外に、これらの
特許は、無数の好適なコリピッド(co-lipid)、生物活性分子、調製物、方法、
投与法、および投与量を開示する。本発明の実施に有用な代表的なカチオン性脂
質は: および、米国特許第5,747,471号、第5,650,096号およびPC
T公報WO98/02191号に記載のようなものを含む、当該分野で公知の他
の脂質である。
【0032】 生物活性分子は、好ましくは免疫活性のある核酸配列であり、これは、発現不
可能なまたは発現可能なDNA挿入体を含むプラスミドでもよい。しかし、本発
明の実施に含まれる生物活性分子は、本発明の方法を使用して炎症性応答および
/または免疫応答を刺激するために、細胞に送達することができる任意の代表的
な生物活性分子を含み、例えば:細菌配列を含むオリゴヌクレオチド;ゲノムD
NA、cDNA、およびmRNAのようなポリヌクレオチド;リボゾームRNA
;アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム;発現挿入体の無いナル(null)
ベクター;および低分子量生物活性分子(例えば、ホルモンや抗生物質)を含む
【0033】 免疫活性のある核酸配列は、細菌、合成または脊椎動物由来でもよい。しかし
多くの応用において、細菌または合成由来の配列が好ましく、さらに好ましくは
、CpGモチーフを含有する配列であり、さらに好ましくはCpGモチーフを高
頻度に含有する配列である。B細胞、単核細胞、樹状細胞、マクロファージ、お
よびナチュラルキラー細胞を含むいくつかの免疫細胞を活性化すると考えられて
いる細菌および合成起源のCpGモチーフは、本発明の実施範囲内にある。さら
に、感染に対する防御性免疫応答を活性化、ワクチンを増強、および癌細胞に対
して免疫系を活性化するのに使用することができるCpGモチーフは、本発明の
範囲内である。
【0034】 本発明の別の主題において、CpGモチーフを有する生物活性分子は、カチオ
ン性分子:生物活性分子複合体が宿主細胞に送達されると、治療時に存在する腫
瘍に対する免疫応答または抗腫瘍応答を刺激する。本発明はまた、カチオン性脂
質を使用してCpGモチーフを有する免疫活性のある核酸配列を送達することに
より、炎症性応答および/または免疫応答を刺激する方法を提供する。
【0035】 本発明の範囲内において抗腫瘍作用は、腫瘍細胞をカチオン性脂質:生物活性
分子複合体に暴露することにより発生する。抗腫瘍細胞応答は、好ましくはTh
1型応答、Th2型応答、炎症性応答、抗血管形成応答、プロアポトーシス応答
、または当該分野で公知の他の任意の抗癌応答でもよい。好適な実施態様におい
て、カチオン性脂質:生物活性分子複合体は、腫瘍細胞に対する長期の適応性免
疫応答を刺激する。
【0036】 本発明はまた、長期の適応性免疫刺激応答を発生するために、かつ腫瘍細胞の
増殖を抑制または阻害するために、腫瘍細胞へのカチオン性分子:生物活性分子
複合体の直接投与を提供し、これは腹腔内、胸腔、血液コンパートメント、また
は他の任意の体のコンパートメントへの投与を含む。投与は、注射、静脈内投与
、滴注投与、吸入、または当業者に適切であると考えられる他の任意の投与法(
血管を介する全身性投与を含む)による。
【0037】 本発明の別の主題は、標的物質を取り込むか、または細胞、組織、臓器、血管
を標的とするカチオン性分子を腫瘍細胞の領域中で使用して、腫瘍細胞を標的化
することによる、哺乳動物中で免疫応答を刺激する方法を提供する。
【0038】 本発明の方法により発生する免疫応答または抗腫瘍作用は、局在化作用でもよ
く、または好適な実施態様において、特異的免疫応答は全身性応答でもよい。さ
らに好ましくは、発生する特異的局在化または全身性免疫応答は、カチオン性分
子:生物活性分子複合体に暴露される腫瘍細胞の型、および/または腫瘍細胞に
暴露される生物活性分子またはカチオン性分子の型により決定される。
【0039】 本発明の実施内において、生物活性分子は、発現可能なcDNA挿入体を含有
するかまたは含有しない免疫活性のある核酸配列でもよい。従って本発明の方法
は、導入遺伝子の発現を必要としない。本発明の主題はまた、免疫応答、炎症性
応答、または治療応答を発生させるための、組成物中の発現可能な発現可能な生
物活性分子の使用を含むかまたは組成物の一部として投与される。本発明の実施
において、本発明の方法と組成物は、生物活性分子のトランスフェクションと発
現を介して追加の治療的利点を与える。
【0040】 また本発明の実施には、炎症性応答を調節することを目的とする、カチオン性
分子:生物活性分子複合体を含む組成物の投与が含まれる。この調節は、カチオ
ン性分子:生物活性分子複合体の送達または生物活性分子の発現に応答してもよ
く、および/または調節は、例えばプラスミドのセグメントを使用して、複合体
またはトランスフェクションされた生物活性分子により制御されてもよい。
【0041】 他の脂質(コリピッド(co-lipid)を含む) カチオン性分子組成物の安定性、送達、およびトランスフェクション増強能力
は、そのような調製物に、追加の少量の1つ以上の誘導体化ポリエチレングリコ
ール化合物を加えることにより実質的に改良されることが確定している。そのよ
うな性能の増強は、保存と操作(液体(懸濁)型を含む)に対するカチオン性脂
質調製物の安定性により測定する時、かつ生物活性分子(特にポリヌクレオチド
)を含有するそのような調製物のエーロゾル送達中の安定性により測定する時、
特に明らかである。
【0042】 本発明の実施においてポリエチレングリコールの誘導体は、カチオン性分子調
製物の一部でもよい。複合体は、種々のPEG誘導体を使用して調製され、すべ
てのPEG誘導体はある最小のカチオン性脂質:PEG誘導体比で、安定な均一
な複合体を形成することができる。本発明者らは理論に拘泥されないが、PEG
誘導体は、カチオン性脂質調製物を安定化することができ、生物活性分子への調
製物の送達、トランスフェクション性および親和性を増強することができる。P
EGとPEG誘導体の使用は、より高率の生物活性分子(特にDNA)を脂質に
使用することを可能にする。以下の文献(具体的に、参照することにより本明細
書に組み込まれる)は、PEG誘導体の使用についてのより多くの情報を含む:
シモン J.イーストマン(Simon J. Eastman)ら, Human Gene Therapy 8: 76
5-773(1997);およびシモン J.イーストマン(Simon J. Eastman)ら、Huma
n Gene Therapy 8: 313-322(1997)。本発明の実施に有用なポリエチレングリ
コールの誘導体は、ポリエチレングリコールポリマーに結合した疎水性基とのP
EGポリマー誘導体を含む。
【0043】 医薬用途には、本発明のカチオン性分子:生物分子複合体は、1つ以上の追加
のカチオン性脂質(当該分野で公知のものを含む)、または中性のコリピッド(
co-lipid)(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(「DOP
E」))とともに調製されて、宿主細胞への複合体の送達を促進する。中性のコ
リピッド(co-lipid)の使用は随意である。調製物に依存して、コリピッド(co
-lipid)を含めると、送達またはトランスフェクション能力が顕著に増強される
。代表的な中性のコリピッド(co-lipid)には、ジオレオイルホスファチジルエ
タノールアミン(「DOPE」)、ジフタノイルホスファチジルエタノールアミ
ン、リソ−ホスファチジルエタノールアミン、他のホスファチジルエタノールア
ミン、ホスファチジルコリン、リソ−ホスファチジルコリン、およびコレステロ
ールがある。「DOPE」の使用におけるように、本発明の実施においてジフタ
ノイルホスファチジルエタノールアミンの使用が特に好ましい。
【0044】 他の担体および送達ビヒクル 本発明はまた、哺乳動物の細胞への生物活性分子の送達を行うのに当該分野で
使用されている1つ以上の脂質または他の担体、および1つ以上の生物活性分子
を含む組成物を提供し、ここで該組成物は、有効量の生物活性分子または脂質複
合体の送達を促進する。多くの方法と送達ビヒクルが本発明の実施内にあり、ウ
イルスベクター;リポソーム内に封入されたDNA、脂質送達ビヒクルがあり、
裸のDNAは、哺乳動物の細胞にDNAを送達するのに使用されている。今日ま
でインビトロ、エクスビボ、およびインビボでのDNAの送達は、上記方法の多
くの使用して証明されている。
【0045】 本発明の組成物に含まれる他の担体または送達ビヒクルには、ウイルスベクタ
ー、アデノウイルス、レトロウイルス、および非ウイルスと非タンパク質性ベク
ターがあり、または生物活性分子の送達を促進することが当該分野で公知である
他の代替アプローチがある。もちろん当業者は、本発明の所望の性質または活性
、企図される添加により障害されないかまたは実質的に障害されないように、追
加の担体または送達ビヒクルおよび/またはその濃度を選択するように注意する
であろう。
【0046】 組成物の調製とその投与 本発明の医薬組成物は、保存のために組成物を安定化する、標的特異的組織、
細胞、膜または臓器を標的とする、および/またはカチオン性脂質:生物活性分
子複合体への細胞内送達の成功に寄与する、1つ以上の追加の生理学的に許容さ
れる物質を含有するように調製される。
【0047】 本発明は、治療上有効量のカチオン性分子:生物活性分子複合体の送達を促進
する医薬組成物を提供する。医薬組成物は、カチオン性分子:生物活性分子複合
体、脂質または非脂質担体、他の生物活性分子、またはカチオン性分子:生物活
性分子複合体の送達を促進する他の公知の添加物を含有してもよい。
【0048】 本発明の医薬組成物は、無数の細胞、組織および臓器(例えば、胃粘膜、心臓
、肺、および固形腫瘍);間隙および体のコンパートメント(例えば腹腔、胸腔
、血液コンパートメント);および血管系と血液細胞への、カチオン性分子:生
物活性分子複合体の送達を促進する。さらに本発明の組成物は、インビトロで維
持された細胞(例えば、組織培養物)への、カチオン性分子:生物活性分子複合
体の送達を促進する。
【0049】 本発明のカチオン性脂質種、PEG誘導体、コリピッド(co-lipid)および他
の担体と送達ビヒクルは混合されて、その結果、カチオン性脂質またはPEG誘
導体、コリピッド(co-lipid)または担体を組合せて使用して、標的細胞および
/またはそのサブ細胞コンパートメントへのカチオン性脂質:生物活性分子複合
体の送達を促進する。本発明のカチオン性脂質は、そのような使用のために、当
該分野で公知の脂質と混合することもできる。さらに標的化物質を、哺乳動物細
胞にカチオン性脂質:生物活性分子複合体を送達するカチオン性脂質、PEG誘
導体、およびコリピッド(co-lipid)または他の脂質もしくは非脂質調製物に結
合の任意の組合せに結合してもよい。
【0050】 カチオン性分子:生物活性分子複合体はまた、他の薬剤またはその効力を上昇
させるかもしくは助ける治療法と組合せることができるアジュバントとして使用
してもよい。例えば、カチオン性分子:生物活性分子複合体は、既知の腫瘍抗原
(特に限定されないが、タンパク質、ペプチド、またはcDNAを含む)ととも
に投与してもよい。カチオン性分子:生物活性分子複合体はまた、すべての腫瘍
抗原を含有する腫瘍細胞または腫瘍細胞溶解物などとともに投与してもよい。こ
れは、自己(治療されている患者由来)の腫瘍細胞であるかまたは同種(同じ腫
瘍型由来)の腫瘍細胞でもよい。
【0051】 本発明の医薬組成物の投与量は、生物活性分子およびカチオン性分子:生物活
性分子複合体の半減期、生物活性分子とカチオン性分子:生物活性分子複合体の
力価、他の送達ビヒクルに半減期、カチオン性分子:生物活性分子複合体または
送達ビヒクル(存在するなら)もしくはその分解産物の有害作用、投与経路、患
者の状態などの要因に依存して変化するであろう。当業者は、そのような要因を
決定することができる。
【0052】 本発明の組成物の非常に正確な投与量を提供するのに、種々の投与法が使用さ
れる。そのような調製物は、静脈内投与、経口投与、非経口投与、局所的投与、
経粘膜投与、または患者の体腔に注射により投与されるか、または生分解性物質
を含有する除放性調製物を使用して、または追加のミセル、ゲルおよびリポソー
ムを使用するオンサイト送達(onsite delivery)により、投与することができ
る。噴霧器具、粉末吸入器、乾燥粉末調製物、エーロゾル化溶液、またはそのよ
うな調製物を投与するために使用される他の代表的方法を使用して、そのような
調製物を投与することができる。本発明は、生物活性分子を哺乳動物の細胞に送
達するために、当該分野で使用されている任意の方法により複合体を投与する方
法を提供する。
【0053】 さらに、本発明の治療的におよび薬剤学的に許容される組成物を含む組成物は
、一般に賦形剤(例えば、炭水化物である乳糖、トレハロース、ショ糖、マンニ
トール、麦芽糖、またはガラクトース、および無機または有機塩)とともに調製
され、そのような賦形剤の存在下で使用前に凍結乾燥(そして次に再水和)され
る。この複合体は、担体、充填剤、増量剤、賦形剤、分散剤、クリーム剤、ゲル
剤、溶剤および他の薬剤学分野で一般的な賦形剤を含む医薬組成物中の活性成分
でもよい。
【0054】 本発明の各複合体の最適化された調製物の条件は、薬剤分野の当業者が決定す
ることができる。特定の調製物について特定の賦形剤の最適濃度の選択は、実験
により行われるが、当業者はかかる各調製物について決定することができる。
【0055】 本発明を以下の例によりさらに明らかにするが、これらの例は発明を例証する
ことを意図するものであり、それを制限しない。
【0056】 (実施例) 以下の例は本発明の実施の代表例である。例1 プラスミドDNAの構成及び精製 レポーター遺伝子生成物であるクロラムフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼ(CAT)をコードするプラスミドベクターpCF1−CATの構成及び特
徴は以前に記述されている。ヨウ(Yew)ら著、Hum.Gene Ther. 8:575-584(1997
)を参照されたい。pCF1−CATは、ヒトサイトメガロウイルス前初期遺伝
子(CMV)由来の強力なプロモーター、一のイントロン、ウシ成長ホルモンポ
リアデニル化シグナル配列、一のpUC複製起点、及びカナマイシンへの耐性を
与えるアミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む。pCF
1−ナル(null)はCATのためのcDNAが欠失されていることを除いてpC
F1−CATと相似体である。pCFA−299−CATは、pCFA−CAT
(CMVへの小さいポリリンカー5’の付加を除いてpCF1−CATと同一で
ある)をPmeI(ポリリンカー中)及びBgII(CMV中)で消化し、DN
AポリメラーゼIのクレノウ断片でブラントエンドとし、次いで複製することに
より構成された。これは、CMVプロモーターのヌクレオチド−522から−3
00の欠失を与えた。
【0057】 クイックチェンジ部位特異的変異誘発(QuickChange Site-Directed Mutagene
sis)キット(ストラタジーン(Stratagene))を用いて、製造者によるプロト
コールに従って、部位特異的変異誘発を行った。一つ改変したことは、オリゴヌ
クレオチドの複数のセットを同時に用いて、一の反応で3又はそれ以上の部位の
突然変異誘発を可能としたことである。突然変異は、広範囲にわたるDNA配列
決定及び制限酵素地図作成により確認され、プラスミドの完全性についてチェッ
クした。pCFA−299−10M−CATは、CpGモチーフをヌクレオチド
88、118、141及び224で欠失されたもの(番号は、示した以外は、C
pGジヌクレオチド内のC残基を表し、pCF1−CATの配列に基づく;図5
を参照されたい)であり、ヌクレオチド410、564、1497(GからA)
、1887、2419、2600、2696、3473、4394(GからA)
及び4551における10の点突然変異を有する。
【0058】 本質的に、以前に記述された通りに、プラスミドDNAを細菌醗酵により調製し
、限外濾過及び連続カラムクロマトグラフィーにより精製した。リー(Lee)ら
著、Hum.Gene Ther. 7:1701-1717(1996);スケール(Scheule)ら、Hum.Gene Th
er.8:689-707(1997)を参照されたい。精製された調製物は、5以下のエンドトキ
シン単位/mg pDNA(クロモゲンLALアッセイ(バイオウィッテイカー
(BioWhittaker)により測定された通り)、10μg以下のタンパク質/mg
pDNA(マイクロBCAアッセイ(ピアース(Pierce)により測定された通り
)、及び10μg以下の細菌染色体DNA/mg pDNA(ドット−ブロット
アッセイにより測定された通り)を含む。これらはまた、検出可能なRNAを本
質的に含まず、1.8から2.0の間の分光光度A260/280比を示した。
【0059】例2 pDNAのインビトロメチル化 プラスミドDNAを、1x NEBバッファー2[50mMのNaCl、10
mMのTds−HCl、pH7.9、10mMのMgCl2、1mMのジチオト
レイトール]、160μMのS−アデノシルメチオニン(SAM)、1−3mg
のpDNA、及び1μgのpDNAあたり1UのSssIメチラーゼ(ニューイ
ングランドバイオラボ(New England Biolabs))を含有する5mlの反応中で
、インビトロでメチル化した。混合物を37℃で18時間インキュベートした。
4時間のインキュベーションの後、ISOμMの濃度まで、さらなるSAMを添
加した。pDNAの模擬処理(mock treatment)においては、SssIメチラー
ゼのみが省略された同一の手順が用いられた。メチル化されたpDNA及び模擬
的に処理されたpDNAをミリポアプロバインドカラム(Millipore Probind co
lumn)を通じて遠心分離し、エタノール沈殿させ、そして70%(v/v)のエ
タノールで洗った。pDNAを水中に再懸濁し、約3mg/mlの最終的な濃度
とした。pDNAのSssI−媒介メチル化の効果を試験する実験において、模
擬−メチル化したpDNAを対照として常に用いた。
【0060】 pDNAのメチル化の程度を、処置したpDNAの0.2−0.5gを10U
のBstU I又はHpa IIで1時間消化し、次いでアガロースゲル電気泳
動により分析することにより評価した。メチル化されたpDNAはBstU I
及びHpa IIによる消化から保護されたが、一方、メチル化されていないか
、又は部分的にしかメチル化されていないpDNAは開裂した。ゲル分析により
、メチル化pDNAはBstU I又はHpa IIによる消化のいずれかから
も完全に保護された。
【0061】 これらの研究において用いられたプラスミドは高度に精製され、主にスーパー
コイルの形態を含み、1以下のエンドトキシン単位/mgプラスミドを含み、バ
イオバーデン(bioburden)アッセイによる測定により、感染性の汚染物質を含
んでいなかった。肺炎症におけるプラスミドDNA中のCpGジヌクレオチドの
メチル化の役割を評価するため、精製したpDNAをE.coli Sss I
メチラーゼを用いてインビトロでメチル化するか、又は模擬メチル化した(mo
ck methylated)。当該酵素はすべてのCGジヌクレオチド内のシトシン残基(
C5)をメチル化する。メチル化の程度は、修飾プラスミドのBstU I又は
Hpa II(但しMsp Iではない)による消化の受け易さをモニタリング
することにより評価した。Sss I−メチル化した、しかし模擬メチル化した
ものでないプラスミドはBstU I及びHpa IIを用いた消化から完全に
保護された。pCF1−CATのメチル化によりまた、BALB/cマウスの肺
内への鼻内投与後、約5倍の発現レベルの減少を与えた(図6)。
【0062】 マウスBALF中のサイトカインレベルを、酵素結合イムノソルベントアッセ
イ(ELISA)キットを用いて製造者により特定された通りに定量した。IFN−
γ、TNF−α、IL1−α、IL−1β、IL−10及びIL−6 ELIS
Aキットはゲンザイムコーポレーション(Genzyme Corporation)からのもので
あり、一方、mKC、MIP−2及びGM−CSF ELISAキットはR&D
システムズからのものであり、そして、ロイコトリエンB4 ELISAキット
はパースペクティブ ダイアグノスチックス(Perspective Diagnostics)から
のものであった。
【0063】 肺組織の加工及びCAT酵素活性の評価のための手順は、何処か他に既述されて
いる。リー(Lee)ら著、Hum.Gene Ther.7:1701-1717(1996);ヨウ(Yew)ら、
Hum.Gene Ther.8:575-84(1997)を参照されたい。
【0064】例3 カチオン性脂質:pDNA複合体のマウスへの鼻滴注 カチオン性脂質:pDNA複合体は、以前に記載された通り(リーら、Hum.Ge
ne Ther.7:1701-1717(1996))、図の凡例に示した通り、最終的な濃度が、0
.6:1.2:3.6 mM(GL−67:DOPE:pDNA)又は0.3:
0.6:1.8mMまで、同容量のGL−67:DOPE(1:2)とpDNA
とを混合することにより形成された。DNAの濃度はヌクレオチドにより、33
0ダルトンの平均ヌクレオチド分子量を用いて表される。既述されている通りに
、BALB/cマウスに100μlの複合体を鼻滴注した。スケール(Scheule
)ら、Hum.Gene Ther.8:689-707(1997)を参照されたい。動物を死亡させて、
それらの肺を、滴注後24時間の時点でホスフェート緩衝食塩水(PBS)で洗
った。回収したBALFを1,500rpmで4分間遠心分離し、得られた上澄
みを取り除き、続くサイトカイン分析のため−80℃で冷凍した。細胞数及び細
胞の種類の顕微鏡による決定のため、細胞ペレットをPBS中に再懸濁した。
【0065】例4 メチル化又は非メチル化pDNAを有しているカチオン性脂質:pDNA
複合体の投与後の気管支肺胞洗浄液の組成 Sss I−メチル化(m)pDNA又は非メチル化pDNAをカチオン性脂
質GL−67と複合体化し、BALB/cマウスに鼻内注入した。マウスの別々
のグループに、(m)pDNA又は非メチル化pDNAを単独で、又はビヒクル
と注入し、それらの気管支肺胞洗浄液を処置から24時間後に分析のために回収
した。
【0066】 pDNAのメチル化が肺における炎症反応に影響したかどうかを決定するため
、注入後24時間におけるBALF中の幾つかの異なるサイトカインのレベルを
計測した。GL−67:(m)pCF1−CATを投与されたものと比較しGL
−67:pCF1−CATを受けたマウスのBALFにおいては、顕著により高
いレベルにあるTNF−α、IFN−γ、及びそれより少ない程度だがより高い
レベルのIL−6が見出された(図1)。カチオン性脂質:pDNA複合体の注
入後、齧歯類KCのレベルもまた上昇したが、GL−67に複合体化したメチル
化若しくは非メチル化のpDNAのいずれかにより誘起されたサイトカインのレ
ベルには有意な違いはなかった。それに対し、GL−67単独、(m)pCFI
−CAT単独又は非メチル化pCFI−CAT単独を注入した後は、これら4種
のサイトカインは低レベルであった(図1)。しかしながら、複合体化したpD
NAの場合に比べ、遊離のpDNAで処理した動物のBALFにおいてTNF−
α、IFN−γ及びIL−6のレベルは低かったものの、これらのサイトカイン
のレベルは、遊離の非メチル化pDNA単独を受けたグループにおいて、(m)
pCF1−CATを投与したグループよりも、一定不変に高いレベルであった。
サイトカインIL−10、ロイコトリエンB−4、IL−1β、IL−1α、M
IP−2、及びGM−CSFもまたアッセイしたが、それぞれの場合、レベルが
低く、処理していない(ナイーブの)動物において得られるレベルと区別がつか
ない。これらの結果は、非メチル化pDNAが肺において炎症性であり、この応
答がpDNAがGL−67との複合体として存在しているときに悪化することを
示している。さらに、GL−67:pCF1−CAT複合体の肺への投与により
誘起されるサイトカインのうち、TNF−α、IFN−γ及びIL−6の一部は
、主として非メチル化pDNAの存在によるものであった。カチオン性脂質GL
−67は、GL−67がpDNAと共奏的に働いてそのレベルが上がるとみられ
るKCの場合を除いて、BALFにおけるサイトカイン誘起に対して目立った貢
献をしなかった。
【0067】 また、GL−67:pCF1−CATにより誘発される炎症応答の特徴を、処
置された動物のBALFにおいて回収された細胞の総数及び差別的な計数により
評価した。GL−67:pDNAを注入したマウスのBALFにおいて、GL−
67単独又はpDNA単独を受けたマウスと比較して、多形核(PMN)白血球
の数の上昇があった(図2A)。GL−67:pDNA複合体におけるpDNA
のメチル化状態は、全体的な細胞数には影響しなかった。しかしながら、(m)
pCF1−CAT単独を投与した動物(4つの別々の実験)では、pCF1−C
ATを受けたものと比較して、一貫してPMN白血球の総数においてわずかな減
少がみられた。異なる細胞種の分析により、GL−67:pCF1−CATを受
けたマウスにおいて、GL−67:(m)pCF1−CATを受けたマウスと比
べ、好中球の割合の上昇が観られた(図2B)。この上昇は、(m)pCF1−
CAT単独の場合との比較において、pCF1−CAT単独を滴注した場合にも
観られた。これらのデータは一緒に、細胞流入における誘導がカチオン性脂質及
びpDNAの両方により媒介されたことを示していた。しかしながら、メチル化
pDNAよりもむしろ非メチル化pDNAの肺内への投与は、BALFにおける
PMN白血球、特に好中球の数の増加を与えた。
【0068】 pCF1−CATは、細菌タンパク質であるCATレポーター酵素を高レベル
で発現するため、サイトカイン応答が外来タンパク質の発現によるものであると
いう可能性があった。したがって、同じプラスミド骨格を含んでいるがいかなる
導入遺伝子をも含まないプラスミドベクター(pCF1−ナル(null))を用い
て実験を繰り返した。GL−67と複合体化したメチル化又は非メチル化pCF
1−ナルの投与後のサイトカイン誘導プロフィールは、pCF1−CATで得ら
れたものと本質的に同一であった。これは、細菌CATの発現ではなく、プラス
ミドDNAそれ自体が観察されたサイトカイン誘導の原因になることを確証した
【0069】例5 非メチル化pDNAのレベルとサイトカインのレベルの間の用量−依存性
関係 肺へ投与された非メチル化pDNAの量と誘導されるサイトカインのレベルの
間に用量−依存関係があるかどうか決定するために、GL−67と複合体化する
前に(m)pCF1−CATを異なる割合でpCF1−CATと混合した。GL
−67の用量及び送達されたヌクレオチドの総量は一定のままだった。この実験
においては、TNF−α、IFN−γ、IL−6及びmKCに加え、MIP−2
及びIL−12をアッセイした。複合体中の非メチル化pCF1−CATの割合
が増加したのに伴い、TNF−α、IFN−γ、IL−6及びIL−12のレベ
ルにおいて相当する増加があった(図3)。IFN−γ、IL−6及びIL−1
2により、サイトカインレベルの刺激された増加は、メチル化:非メチル化pD
NAの比が1:2である時に最大であった。この用量−依存関係により、BAL
FにおけるTNF−α、IFN−γ、IL−6及びIL−12の誘導が、未メチ
ルpDNAの存在への直接の応答であるという提案が支持された。この傾向は、
KC又はMIP−2については観察されず、上記観察において一貫していた(図
3)。
【0070】例6 カチオン性脂質:メチル化pDNA複合体の投与後の肺における組織病理
学的変化 カチオン性脂質単独、pDNA単独、又はカチオン性脂質:pDNA複合体の
いずれかの投与の後のBALB/cマウスの肺内での組織病理学的変化も調べた
。BALB/cマウスにGL−67:(m)pCF1−CAT、GL−67:p
CF1−CAT、GL−67単独、(m)pCF1−CAT、pCF1−CAT
、または水(ビヒクル対照)を鼻内注入した。注入の2日後にマウスを殺し、肺
を盲目的な方法で組織病理学的検査のために加工した。
【0071】 組織病理学 2%のパラホルムアルデヒド及び0.2%のグルタルアルデヒドを含む、H2
O圧力により30cmでの膨張により肺を固定した。代表的なサンプルを各肺葉
から採り、グリコールメタクリレート中に埋め込み、区画し、ヘマトキシリン及
びエオジンにより染色した。肺における組織病理学を盲目的なやり方で評価し、
0から4までのスケールを用いて客観的に格付けした(スコア0は異常な発見が
なかったことを示し、スコア4は強い侵入を伴う激しい変化を反映する)。スケ
ール(Scheule)ら、Hum,.Gene Ther.8:689-707(1997)を参照されたい。
【0072】 GL−67:pDNA複合体を受けたマウスにおいて、肺胞炎症の複数病巣領
域が観られた。肺炎症の程度を、0から4までのスケールであって、正常な肺か
らみて、0が異常がない場合を示し、1が最小の変化を表し、2がわずかな変化
を示し、3が中程度の変化を示し、そして4が激しい変化を示す当該スケール、
を用いて格付けした。GL−67:pDNAを受けた肺の炎症スコアは、GL−
67:(m)pDNA複合体を受けた肺と比べて顕著な違いはなかった。GL−
67単独を受けた肺は、脂質:pDNA複合体を受けた肺よりもわずかに低くス
コア付けされたが、最小の炎症はpDNA又は(m)pDNA単独のいずれかを
受けた肺において観られた。これらの結果は、pDNA上の非メチル化CpGモ
チーフの存在が、カチオン性脂質:pDNA複合体の投与後の肺に観られる組織
病理学的変化に全体としては影響しないことを示した。さらに、複合体の投与後
に観られた組織学的変化の大部分はカチオン性脂質成分によって媒介された。
【0073】例7 pCF1−CAT内の免疫刺激性CpGモチーフの突然変異の効果 pCF1−CAT中に存在する非メチル化CpGジヌクレオチドのサブセット
はサイトカイン応答の大部分の原因のようなので、これらの特定のCpGモチー
フの排除は誘導のレベルを減じるはずである。pCF1−CAT中には5’−R
RCGYY−3なる配列を有する17のモチーフが存在し、これらは以前にCp
Gモチーフが最も免疫刺激性であると発見された配列関係である(図5)。これ
らのモチーフのうち14個を欠失又は部位特異的変異誘発のいずれかにより排除
した。CMVプロモーター内に位置している4つのCpGモチーフ(ヌクレオチ
ド位置88、118、141及び224における)を上流のエンハンサー領域の
部分を含む400bpの断片の欠失により取り除いて、pCFA−299−CA
T(図5)を作成した。13個の残りのモチーフのうち10個(位置410、5
64、1497、1887、2419、2600、2696、3473、439
4及び4551における)を部位特異的変異誘発を用いて修飾し、pCFA−2
99−10M−CAT(図5)を作成した。CATのコード配列内の一のモチー
フ(ヌクレオチド1497)及びカナマイシン耐性遺伝子内の一のモチーフ(ヌ
クレオチド4394)を除いて、各場合において、各モチーフ中のシトシン残基
をチミジン残基へと変異させた。これらの二つの例外のモチーフでは、それぞれ
のタンパク質のコード配列を維持するため、CpGジヌクレオチドのグアニジン
残基をアデノシン残基へと変えた。
【0074】 プラスミドpCF1−CAT、(m)pCF1−CAT、pCFA−299−
CAT、及びpCFA−299−10M−CATをカチオン性脂質GL−67と
複合化し、次いでBALB/cマウスへと鼻内注入した。注入から24時間後、
サイトカイン分析のためにBALFを回収し、CATアッセイのために肺も回収
した。先を切ったCMVプロモーターを含有するpCFA−299−CATから
の発現は、pCF1−CATの発現の約三分の一であった。pCFA−299−
10M−CATからの発現は、pCFA−299−CATと等しいものであり、
これは10の点突然変異の導入が導入遺伝子発現に影響しないことを示している
(図6)。前と同様、非メチル化pCF1−CATを受けたマウスのBALF中
には、高レベルのTNF−α、IFN−γ、IL−6及びIL−12が存在した
(図7)。しかしながら、これらのサイトカインと同等に高いレベルが、pCF
A−299−CAT及びpCFA−299−10M−CATにも観られた。した
がって、プラスミド内のCpGモチーフ含有量の削減は、肺におけるサイトカイ
ンレベルを上昇させるというその能力を削減しなかった。これは、所望の炎症応
答を刺激するためには、コンセンサス(共通)な5’−RRCGYY−3’を有
しているものに加えて、その他の免疫刺激性モチーフが必要であることを示唆し
ている。
【0075】例8 カチオン性脂質:生物学的に活性な分子複合体の腫瘍成長に対する効果 B16メラノーマ皮下モデル B16/F10細胞(5x104)をC57/BL6マウス(8/グループ)
に皮下的に移植し、それらがいずれかの寸法において3−4mmになるまで12
日まで成長させた。幾つかの非毒性デオキシアデノシン相似体の高度に毒性のア
デニン相似体への転換を触媒するプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)
遺伝子、又はb−gal遺伝子(対照)のいずれかを有する脂質:pDNA複合
体を、第1日と第3日に腫瘍に注射した。第2−7日に動物にプロドラッグ(フ
ルダラ(Fludara))を腹腔内投与した。処置していない動物に比較して、複合
体で処置した動物において腫瘍の成長は、導入遺伝子に関わらず、60%まで阻
害された。言いかえれば、腫瘍成長の阻害は、対照導入遺伝子の腹腔内注射によ
ってですら達成されたのである。
【0076】 B16メラノーマの肺転移モデル−肺転移 第0日に、C57/BL6マウスにおいて、1x105のB16/F10細胞
を腹腔内注射した。第5及び10日に、マウスをGL67:pCFA−ナル複合
体の静脈内注射(100μl)により処置した。第14日にマウスを死亡させ、
肺を切り取り、フェケット溶液(Fekete’s solution)中に固定し、置いた。肺
転移の数を数えた。処置していない動物は26±4(平均±SEM)の転移を有
し、一方、GL67:pCFA−ナルで処置したグループは9.5±2.5の転
移を有していた。これは、このモデルにおける発現導入遺伝子の不在下での脂質
:pDNA複合体の有意な(p=0.07)効果を示している。
【0077】 B16メラノーマの肺転移モデル−生き残り 第0日にB16/F10細胞をC57/BL6マウスに静脈内注射した。第5
、10、15及び18日に、一のマウスのグループをGL67:pCFA−ナル
複合体の静脈内注射により処置した。生き残りについて、全てのマウスを追跡し
た。処置していないグループの生き残りのメジアンは27±1.5日であり、一
方、GL67:pCFA−ナル複合体で処置したグループの生き残りのメジアン
は34±1日を示し、統計的に有意(p=0.0019;ログランク(Logrank
))であった。
【0078】 B16メラノーマの肺転移モデル−生き残り 上記の生き残り実験の繰り返しにおいて、マウスを0.5:2 mM(低用量
)又は2:2 mM(高用量)のいずれかのGL67:pCFA−ナル複合体で
静脈内処置した。処置により、両方のグループについて、生き残りのメジアンが
26.8±0.6日であった対照グループ、つまり処理していない動物グループ
と比較して、生き残りのメジアンの増加が得られた。高用量及び低用量のグルー
プは、それぞれ、31.6±1.5及び34.4±1.2日の生き残りのメジア
ンを有し、pの値がそれぞれ<0.01及び<0.0001であり、対照とは有
意に異なっていた。
【0079】 Nutu/フィッシャー(Fischer)ラット卵巣癌モデル 卵巣上皮癌細胞Nutu19はフィッシャー(Fischer)344ラットについて同
系である。ローズ(Rose)G.S.ら、Am J Obstet Gynecol 175:593-599(1996)
を参照されたい。第0日に、1ml中1x106の腫瘍細胞をF344ラットの
腹腔内へと接種した。第3、6及び9日に動物のグループ(10の動物/グルー
プ)を2mlの食塩水又は対照ベクターであるGL67:pCF1bgal(0
.5:2のモル比)のいずれかで処置した。食塩水で処置したグループは生き残
りのメジアン92日までを有したが、複合体で処置したグループは生き残りのメ
ジアン156日までを有していた。これらのデータは、対照ベクターの複数回投
与により生じる、生き残りに対する有意な効果を示す。
【0080】 卵巣癌のMOTモデル マウス卵巣奇形腫(MOT)モデル(フェケット(Fekete),E.ら、Cancer R
es.12:438-443(1952))において、腫瘍細胞をC3He/FeJマウス(10
のマウス/グループ)の腹腔内に移植した。3回にわたって、マウスを食塩水又
はGL67:pNull複合体(食塩水中)を腹腔内へと注入することにより処
置した。pNullベクターは、発現可能なcDNAインサートを有しないpC
FA骨格である。
【0081】 以下に示す通り、全ての食塩水処置動物は死に;長期の生き残りはなかった。
しかしながら、腫瘍を有する動物がGL67:pNull複合体で処置された場
合、長期生き残りの割合は0から70%の範囲にあり、それはカチオン性脂質:
DNAの比に依存した。重要なこととして、これらの長期生き残りがMOT腫瘍
細胞により再チャレンジされた場合、このチャレンジを退けた動物の割合もまた
0から70%の範囲にあった。この結果は、全身に及ぶという性質の、処方依存
性の防護的、かつ記憶に基づく免疫反応の発生を示唆する。
【0082】
【0083】 例9 腫瘍抑制剤としてのカチオン性脂質:細菌ゲノムDNA AB12 中皮腫モデル AB12は齧歯類中皮腫細胞系である。第0日にBALB/cマウスに、AB
12中皮腫細胞を腹腔内接種した。第6、10及び14日の3つの時点において
、マウスの各グループに、以下の処方のいずれか一つを腹腔内投与した: グループA:50μgの細菌ゲノムDNA(〜4kb断片へと切断された) グループB:100μgの細菌ゲノムDNA(〜4kb断片へと切断された) グループC:200μgの細菌ゲノムDNA(〜4kb断片へと切断された) グループD:100μgの、1:4のモル比(GL67:DNA)でカチオン
性脂質GL67と複合体化した細菌ゲノムDNA(〜4kb断片に切断された)
;及び グループE:食塩水。
【0084】 腫瘍細胞接種後20日までには、対照グループ(グループE)には生き残った
マウスがいなくなった。しかしながら、結果により細菌ゲノムDNAの用量依存
性の生き残り優位性が例証された。グループBのマウスは第34日目まで生き残
り、一方、グループCからのマウスは第47日目まで生き残った。第60日目に
、グループCのマウスの約12%が依然生存していた。
【0085】 最も驚くべきことに、カチオン性脂質GL67と複合体化した細菌ゲノムDN
Aで処置したマウスに対し有意な生き残り強化があった。腫瘍細胞接種後第60
日目において、この複合体で処理したマウスの100%が依然として生存してい
た。
【0086】 卵巣癌のOVCAラットモデル また、カチオン性脂質GL67と複合体化した細菌ゲノムDNAの投与により
、卵巣癌のOVCAラットモデルにおいても有効性が例証された。第0日におい
てラットの各グループは腫瘍細胞の腹腔内接種を受けた。腫瘍細胞の接種に次い
で、第6、10、14、及び18日において以下の処方のいずれか一つの腹腔内
投与を受けた: グループA:細菌ゲノムDNA(E.coli DNA) グループB:GL67:DNAのモル比1:4で、カチオン性脂質GL67と
複合体化した細菌ゲノムDNA(E.coli DNA) グループC:食塩水。
【0087】 結果により、対照グループに比べての、GL67:DNA複合体で処置したラ
ットのグループの生き残りの優位性を例証した。例えば、食塩水で処置されたラ
ットの30%以下しか腫瘍細胞接種後第25日に生存していなかったが、細菌ゲ
ノムDNAで処置したラットの約30%が第26日を過ぎても生き残った。しか
しながら、カチオン性脂質と複合体化した細菌ゲノムDNAで処置されたラット
は、腫瘍細胞接種後45日において70%以上の生き残り率を有していた。この
データは、治療効果がマウスの腫瘍モデルに限定されないことを例証している。
【0088】 M3メラノーマモデル 第0日に、M3メラノーマ細胞でマウスを腹腔内接種した。M3腫瘍細胞の接
種の後、第6,11,14及び18日にマウスを、ナルベクター(発現可能なイ
ンサートを有しないベクター)に複合体化したカチオン性脂質GL67である、
GL67:pNull複合体で処置するか、又は処置を行わずに放置(対照)し
た。処置を行わなかった対照動物のすべては第40日までに死亡したが、GL6
7:pNull複合体で処置した動物の85%以上は第68日においても生存し
ていた。
【0089】 第68日において、生き残っている動物をM3腫瘍細胞で皮下的に再チャレン
ジした。並行して、処置していない(ナイーブ)動物グループにもまた同一の細
胞によりチャレンジした。ナイーブグループ中の全ての動物は、第105日まで
に死亡したが、一方、GL67:pNull複合体により元々処置されていた動
物の約40%は、最初の腹腔内腫瘍細胞によるチャレンジのみでなく、第二の皮
下的なチャレンジにも生き残った。これらの結果は、防護的な、記憶に基づく免
疫反応の発生を示唆する。
【0090】 この驚くべき有効性が脂質:DNA複合体の成分では達成されず、完全な複合
体によってのみ達成されることを例証するため、M3メラノーマモデルをまた使
用した。第0日におけるM3腫瘍細胞の腹腔内接種の後、第5、10、14及び
18日において、マウスのグループをGL67:pNull複合体(脂質:pN
ull)、等量のGL67(脂質単独)、等量のpNull DNA(pNul
lベクター単独)のいずれかで処置又は、処置しなかった。
【0091】 GL67単独は、腫瘍細胞接種から50日経過後約35%のマウスの生存を有
するという、幾らかの利益を示したが、pNull DNA単独で処置された又
は対照のマウスは48日を経過して1匹も生き残らなかった。しかしながら、顕
著な保護がGL67:pNull複合体での処置から得られ、そこでは全ての動
物が少なくとも50日まで生存した。これらの結果は、メラノーマの腹腔内モデ
ルにおける有効性を例証するだけでなく、この有効性が脂質:DNA複合体の個
々の成分によっては達成されるものではないこともまた示している。この顕著な
有効性は完全な複合体によってのみ観られる。
【0092】 当業者にとっては、本発明の組成物及び方法において、種々の改変及びバリエ
ーションが本発明の精神及び範囲から離れることなく作られることが明らかであ
ろう。したがって、本記載が、本発明の改変及びバリエーションが以下の特許請
求の範囲とその均等物の範囲内にあることを条件に、当該本発明の改変及びバリ
エーションをカバーすることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メチル化または非メチル化pCF1−CATと複合体を形成したGL−67を
滴注した後のマウスBALFのサイトカイン分析。3匹のBALB/cマウスの
群に、100μlのGL−67:(m)pCF1−CAT、GL−67:pCF
1−CAT、GL−67単独、(m)pCF1−CAT、pCF1−CAT、ま
たはビヒクル(ナイーブ)を、鼻内滴注した。滴注後24時間にBALFを採取
し、ELISA測定法を使用して、種々のサイトカインのレベルを測定した。(
m)pCF1−CATとは、SssIメチラーゼでメチル化したpCF1−CA
Tを意味する。
【図2】 カチオン性脂質:pDNA複合体の投与後のBALF中の好中球の総細胞数(
図2A)と割合(図2B)。3匹のBALB/cマウスの群に、100μlのG
L−67:(m)pCF1−CAT、GL−67:pCF1−CAT、GL−6
7単独、(m)pCF1−CAT、pCF1−CAT、またはビヒクルを、鼻内
滴注した。滴注後24時間にBALFを採取し、総細胞数と異なる型の細胞とを
計測した。(m)pCF1−CATとは、SssIメチラーゼでメチル化したp
CH−CATを意味し、PMNとは多形核白血球を意味する。
【図3】 メチル化および非メチル化pCF1−CATの混合物と複合体を形成したGL
−67の滴注後のマウスBALFのサイトカイン分析。SssIメチル化pCF
1−CATを非メチル化pCF1−CATと、0:3、1:2、2:1または3
:0[(m)pCF1−CAT:pCF1−CAT]の比で混合し、次にGL−
67と複合体を形成させて、最終濃度を0.3:1.8MM(GL−67:pD
NA)とした。3匹のBALB/cマウスの群に、100μlのGL−67:p
DNA複合体とを滴注し、滴注の24時間後、サイトカイン測定法のためにBA
LFを採取した。未処理(ナイーブ)の動物はビヒクルで処理した。(m)は、
メチル化pCF1−CATを意味し、(un)は非メチル化pCF1−CATを
意味する。
【図4】 メチル化または非メチル化pCF1−CATと複合体を形成したGL−67の
投与後のBALB/cマウスの肺切片の組織病理学的分析。BALB/cマウス
に100μlのGL−67:(m)pCF1−CAT、GL−67:pCF1−
CAT、GL−67単独、(m)pCF1−CAT、pCF1−CAT、または
ビヒクルを、鼻内滴注した。滴注後2日にマウスを屠殺し、ブラインドで(盲目
的なやり方で)組織学的観察のために肺を処理した。肺の炎症を0〜4のスケー
ルで等級をつけ、0は、正常の肺と比較して変化無し、1は最小の変化、2はわ
ずかな変化、3は中程度の変化、そして4は激しい変化を示す。(m)pCF1
−CATは、SssIメチラーゼでメチル化したpCF1−CATを意味する。
【図5】 pCF1−CAT中に存在するCpGモチーフ。配列5’−RRCGYY−3
’を有するモチーフを示す。かっこ内の数字は、シトシン残基のヌクレオチド位
置を示す。図は以下の略語を使用する:KanR、カナマイシンの遺伝子;CM
Vプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター;CAT、クロラムフェニ
コールアセチルトランスフェラーゼのcDNA;BGHポリA、ウシ成長ホルモ
ンのポリアデニル化配列。
【図6】 pCF1−CATのメチル化または突然変異誘発後のCAT発現の相対的レベ
ル。3匹のBALB/cマウスの群に、100μlのGL−67:pCF1−C
AT、GL−67:(m)pCF1−CAT、GL−67:pCFA−299−
CAT、またはGL−67:pCFA−299−10M−CATを、鼻内滴注し
た。pCFA−299−CATは、CMVプロモーターとpCFA−299−1
0M−CATの部分的欠失(配列モチーフRRCGYYを有するCpG部位の追
加の10突然変異)を含む。(m)pCF1−CATは、SssIメチラーゼで
メチル化したpCF1−CATを意味する。滴注後2日に、CAT分析のために
肺を採取した。
【図7】 pCF1−CATと複合体を形成したGL−67と、数が減少したCpGモチ
ーフを含有するpCF1−CATの修飾型との滴注後のマウスBALFのサイト
カイン分析。3匹のBALB/cマウスの群に、100μlのGL−67:pC
F1−CAT、GL−67:(m)pCF1−CAT、GL−67:pCFA−
299−CAT、またはGL−67:pCFA−299−10M−CATを、鼻
内滴注した。滴注の24時間後にBALFを採取し、TNF−α、IFN−γ、
IL−6、およびIL−12のELISA測定を行った。(m)pCF1−CA
Tは、SssIメチラーゼでメチル化したpCF1−CATを意味する。pCF
A−299−CATは、CMVプロモーターとpCFA−299−10M−CA
Tの部分的欠失(配列モチーフRRCGYYを有するCpG部位の追加の10突
然変異)を含む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 37/00 37/00 43/00 105 43/00 105 C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 イユー、ネルソン、エス アメリカ合衆国 マサチューセッツ、ウエ スト アップトン、 ロックデール ヒル サークル 25 (72)発明者 ミッズン、リー カナダ国 ブリティッシュ コロンビア、 ビクトリア、クアミチャン ストリート 1936 (72)発明者 カドヒム、サラム、アブドウル カナダ国 ブリティッシュ コロンビア、 ビクトリア、イアスキン レーン 14、ユ ニット 66 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 DA02 EA04 GA13 HA17 4C076 AA24 AA95 BB01 BB13 BB21 BB25 CC04 CC26 CC27 DD70 EE59 FF32 FF34 FF63 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA02 MA05 MA13 MA52 MA56 MA59 MA66 NA13 NA14 ZB09 ZB11 ZB21 ZB26 4C087 AA01 AA02 AA03 BC30 CA12 MA05 MA13 MA52 MA56 MA59 MA66 NA13 NA14 ZB09 ZB11 ZB21 ZB26

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物に複合体を含む組成物を投与する工程を含んでなる
    、哺乳動物で抗腫瘍細胞免疫応答を発生させる方法であって、該複合体は: カチオン性分子と、発現可能なcDNA挿入体を持たない免疫活性のある核酸
    配列とを含んでなり、該組成物は、抗腫瘍細胞免疫応答を刺激するのに有効な量
    で投与される、上記方法。
  2. 【請求項2】 免疫活性のある核酸配列は、細菌由来のプラスミドである、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 細菌由来のプラスミドはCpGの豊富なモチーフを含む、請
    求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 投与工程は、腫瘍内投与または腫瘍を含有する体腔コンパー
    トメントへの投与により行われる、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 投与工程は、エーロゾル化、静脈内注射、経口投与、腹腔内
    投与、鼻内投与、局所的投与、および経粘膜投与から選択される、請求項1に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 抗腫瘍細胞応答は全身性応答である、請求項1に記載の方法
  7. 【請求項7】 複合体を含む組成物を哺乳動物に投与する工程を含んでなる
    哺乳動物で防御性抗腫瘍細胞免疫応答を発生させる方法であって、 該複合体は、カチオン性分子と免疫活性のある核酸配列とを含み、該複合体は
    、抗腫瘍細胞免疫応答を刺激するのに有効な量で提供され、該投与は、防御性抗
    腫瘍細胞免疫応答を刺激することを目的とする、上記方法。
  8. 【請求項8】 免疫活性のある核酸配列は、該哺乳動物中で生物活性のある
    ペプチドの転写または翻訳をすることができない、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 免疫活性のある核酸配列は細菌由来である、請求項7に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 免疫活性のある核酸配列はプラスミドである、請求項7に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 免疫活性のある核酸配列はゲノムの細菌DNAである、請
    求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】 免疫活性のある核酸配列は断片である、請求項7に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 免疫活性のある核酸配列はCpGの豊富なモチーフを含む
    、請求項7に記載の方法。
  14. 【請求項14】 投与は、腫瘍内投与、または腫瘍を含有する体腔コンパー
    トメントへの投与により行われる、請求項7に記載の方法。
  15. 【請求項15】 投与工程は、エーロゾル化、静脈内注射、経口投与、腹腔
    内投与、鼻内投与、局所的投与、および経粘膜投与から選択される、請求項7に
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 防御性抗腫瘍細胞応答は全身性応答である、請求項7に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 アジュバントの投与を含む腫瘍抗原の効力を上昇させる方
    法であって、該アジュバントは、カチオン性分子:免疫活性のある核酸配列複合
    体を含み、該免疫活性のある核酸配列は発現可能なcDNA挿入体を持たない、
    上記方法。
  18. 【請求項18】 カチオン性分子と、発現可能なcDNA挿入体を持たない
    免疫活性のある核酸配列とを含んでなる、哺乳動物で防御性抗腫瘍細胞免疫応答
    を発生させるための組成物。
  19. 【請求項19】 カチオン性分子は である、請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 哺乳動物で抗腫瘍細胞免疫応答を発生させる方法であって
    と、発現可能なcDNA挿入体を持たない免疫活性のある核酸配列とを、含んで
    なる組成物を、抗腫瘍細胞免疫応答を刺激するのに有効な量で、該哺乳動物に投
    与する工程を含んでなる、上記方法。
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