JP2002535373A - トロンボポエチン組成物を使用した収集用および凍結保存のための循環血小板を増加させる方法 - Google Patents

トロンボポエチン組成物を使用した収集用および凍結保存のための循環血小板を増加させる方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般に、患者の血小板産生および患者から単離した血小板の凍結保存の分野に関する。より特定すると、本発明は、血小板減少症を予防または管理するための、患者への同種凍結保存血小板の自己輸血に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 政府は、国立心臓、肺および血液研究所からの助成金番号RO1 HL564
16、RO1 HL54037およびPO1 HL53586並びに米国海軍協
定N00014−96−C−0120に基づく本発明に権利を所有する。
【0002】 1.発明の分野 本発明は、一般に、患者中での血小板産生および患者から単離した血小板の凍
結保存の分野に関する。より特定すると、本発明は、血小板減少症を予防または
管理するために、同種凍結保存血小板を患者に自己輸血することに関する。本発
明は、トロンボポエチンの投与により、血小板減少症に罹患しているかまたはそ
の危険性のある患者または哺乳動物を処置する方法にも関する。
【0003】 2.関連技術の記載 血小板減少症は、血液学および腫瘍学医療における患者の管理の上での重要な
臨床問題である。特に、骨髄抑制は、細胞毒性治療を受けている癌患者において
最も重度な合併症の1つである。血小板減少症は、主に、血小板輸血および化学
療法の用量変更により管理されている。米国では、重度の血小板減少症の管理に
おける血小板輸血の使用が、着実に増加している。1982年に約400万単位
が輸血され、1992年に800万単位以上が輸血されている(Surgeno
rら、1990;Wallaceら、1992)。シングルドナーアフェレーシ
ス(除去療法)血小板の使用は6倍近く増加し、これは主に、感染因子の伝達お
よび同種免疫化の危険性に関連した懸念による(HaymanおよびSchif
fer、1990;Schiffer、1997)。血小板の必要性のこの顕著
な増加は、臓器移植、骨髄移植、心臓手術の進歩、および化学的敏感性悪性容態
の治療における用量集中強化治療の使用に対応している。血小板輸血は出血性合
併症の危険性を低下し得るが、その反復使用により、輸血反応、同種免疫化、お
よび感染因子の伝達の危険性は増加し得、保健費用の増加の一因となる(Hey
manおよびSchiffer、1990)。このような血小板の必要性の莫大
な増加は、患者、医療保険制度および血液バンク源に慢性的な負担を課し、改良
された血小板の獲得、加工および貯蔵の方法、および血小板産生を刺激する新規
薬剤の探索への動機付けとなった。
【0004】 過去十年間、骨髄成長因子は好中球(G−CSFおよびGM−CSF)および
赤血球(エリスロポエチン)の産生を制御するという認識により、骨髄抑制療法
を受けている癌患者の管理に、これらの因子が臨床的に適用された(Nemun
aitisら、1991;Crawfordら、1991;Voseら、199
1;Am.Soc.of Clin.Oncol.1994)。顆粒球コロニー
刺激因子(G−CSF)および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM
−CSF)などの骨髄成長因子の使用により、熱性好中球減少症の発症は減少し
ている(Crawfordら、1991;Neumunaitisら、1991
)。インターロイキン−1、インターロイキン−3、インターロイキン−6、イ
ンターロイキン−11、およびPIXY321を含む、血小板新生能を有する数
個のサイトカインも、臨床評価を受けている(Smithら、1992;Vad
han−Rajら、1994;D'Hondtら、1993;Weberら、1
993;Teplerら、1996;Vadhan−Rajら、1994)。多
くのこれらの薬剤の臨床開発は、その低い血小板新生活性および/または支持薬
剤に好ましくない毒性プロフィールにより制限されている。IL−11は、現在
までに臨床使用に認可されている唯一の血小板新生サイトカインである。無作為
化プラセボ対照試験において、二次予防としてのIL−11(50mcg/kg
)の使用は、様々な化学療法措置から生じた血小板減少症(20,000/m
)のために血小板をすでに輸血した患者の30%(27人中8人)において
、血小板輸血を回避する見込みを減少させることが示された(これに対しプラセ
ボ4%)。しかし血小板減少症の期間は減少したが、統計学的に有意ではなかっ
た。IL−11で報告された有意な副作用は、心房性不整脈、失神、呼吸困難お
よび浮腫を含んだ。
【0005】 (血小板および巨核球前駆体上に見られる)c−Mp1受容体のリガンドであ
るトロンボポエチンは、近年、数名の研究者によりクローニングされ、in vivo
で血小板産生の主な調節因子であることが示された(de Sauvageら、
1994;Bartleyら、1994;Lokら、1994;Kaushan
skyら、1994;Wendlingら、1994)。トロンボポエチン(th
rombopoietin; TPO)は、初期骨髄幹細胞および巨核球前駆細胞に直接作用す
る成長因子である(de Sauvageら、1994;Lokら、1994;
Kaushanskyら、1994;Wendlingら、1994;Bart
leyら、1994;KuterおよびRosenberg、1994;Sou
yriら、1990)。TPOは、増殖および分化を誘導し、成熟巨核球の産生
を増加させ、よって、循環中の血小板数は増加する。増殖および分化に対するT
POの作用は、細胞内シグナル伝達分子のJAK/STATファミリーに関与す
るようである(Gruneyら、1995)。
【0006】 正常なマウスおよびヒト以外の霊長類で実施した前臨床試験において、トロン
ボポエチンは、以前に他のトロンボポエチンサイトカインで達成されたレベルよ
りも高いレベルまで、血小板数を増加させた(Kaushansky、1995
;Fareseら、1995)。さらに、骨髄抑制ネズミモデルでは、1用量と
して投与した組換えトロンボポエチンは、致死量以下の照射および化学療法によ
り汎血球減少させたマウスにおいて、最下点を減少させ、血小板回復を促進した
(Thomasら、1996)。これらの試験で、より延長した処置(8日間と
いう長さ)により、追加の利点は全く得られず、回復期中の顕著な血小板増多症
を伴った。
【0007】 トロンボポエチン(Vadhan−Rajら、1996)並びにポリエチレン
グリコール複合型の分子(Fanucchiら、1997;Levin、199
7)を使用した昔の試験の結果により臨床活性が実証される。rhTPOは、よ
り長い半減期(20〜30時間)を有し遅延ピーク応答(中央値12日目)を示
す(Vadhan−Rajら、1997;Bloedowら、1996)。昔の
臨床試験により、全長分子(組換えヒトトロンボポエチン[rhTPO]と称す
る)または切断短縮されたPEG結合型分子(巨核球増殖および発達因子[PE
G−rHuMGDF]と称する)の両方の投与により、化学療法前の循環血小板
数は用量関連的に増加し、そして、中程度の骨髄抑制措置後に血小板回復を基線
まで増強することが実証された(Fanucchiら、1997;Vadhan
−Rajら、1997;O'Malleyら、1996;Basserら、19
97;Suzukiら、1995)。しかし、成長因子を用いた以前の研究によ
り、最大臨床利点を得るためには、化学療法に関連した成長因子投与の時期の臨
床的重要性が示される(Vadhan−Raj、1992;Neidhartら
、1992;Crawfordら、1992)。重度の血小板減少症の予防、お
よび、血小板輸血の必要性の回避におけるこれらの薬剤の価値は、確立されてい
ない。
【0008】 自己血小板の輸血は、自己免疫化、感染因子の伝達の危険性、および血液バン
クの慢性的供給危機を含む多くの問題を克服し得る。正常なドナーの血小板フェ
レーシスでの以前の経験により、集中的多ユニット血小板フェレーシスは、輸血
用の大量の血小板を得る安全で実践的な手段であることが示される(Schif
ferら、1976;Schifferら、1974)。現在の血液バンク慣行
下では、血小板は、細菌汚染の危険性のために僅か5日間のみ22℃で貯蔵でき
る(Lazarusら、1982;Murphy、1985;Owensら、1
992)。別法として、献血された血小板を凍結保存して、より長期の貯蔵時間
を達成できる。残念なことに、血小板凍結保存に現在認可されている方法は、手
間がかかり、高濃度の凍結保存剤DMSO(5〜6%)を必要とする。さらに、
この方法による血小板の凍結保存により、細胞数および機能的活性は減少する(
Dalyら、1979;Balduiniら、1993;Bockら、1995
;Towellら、1986)。凍結解凍手順後の血小板の回収率は、典型的に
は、50〜70%である。これらの血小板の輸血後に、回収率は最初の血小板数
の20〜30%まで減少する。さらに、凍結保存血小板は、活性マーカーCD−
62の発現上昇、および機能的パラメータ-の有意な減少を示す。血小板に対す
る凍結保存のこれらの有害な効果は、セカンドメッセンジャー経路を介する血小
板の生化学的活性化から生じると考えられる、貯蔵病変の誘導に起因する。トロ
ンボソール、血小板に内因性の特異的活性化経路を阻害する選択したセカンドメ
ッセンジャーエフェクターからなる、新規に開発された血小板貯蔵溶液であり、
よって、生化学的に安定で冷貯蔵病変に対して保護された細胞が得られる。
【0009】 用量強度の増加は、全体的な結果を向上させるのに重要であり得るという概念
から、化学的敏感性悪性疾患に、より積極定な療法が使用されている。これらの
考察から、血小板減少症を減弱し、血小板輸血の必要性を減少させ得る薬剤また
は方法が探索されている。さらに、血小板産生を増加させ、輸血用の血小板のよ
り良好な貯蔵を可能とする、薬剤または方法は重要な進展となろう。
【0010】発明の要旨 本発明は、MGDF、mplリガンド、およびメガポエチンとしても知られる
、トロンボポエチン(thrombopoietin; TPO)の投薬の新規方法により、動物
中での血小板産生を増強する方法を提供することによって、従来技術に固有なこ
れらおよび他の欠点を克服する。本発明の方法により動物で産生された血小板を
収集し、その後、適切な薬剤を用いて保存し得る。さらに、保存血小板を、血小
板減少症に罹患しているかまたはその危険性のある動物に注入できる方法が提供
される。またこれらのTPO投与法を使用して、血小板減少症を引き起こすまた
は増強する薬剤に因る、動物の血小板減少症を寛解できる。本発明は、TPOを
含む血小板用の凍結保存組成物を提供する。
【0011】 本発明は、第一に、血小板を保存する方法を提供し、これは、1またはそれ以
上の用量の、TPOまたは他の血小板上昇組成物含有組成物を哺乳動物に投与す
るステップと、アフェレーシスにより哺乳動物により産生された血小板を収集す
るステップと、血小板を適切な薬剤を用いて保存するステップとを含む。追加の
態様において、該方法はさらに、哺乳動物への血小板の輸血を含む。好ましくは
、輸血は、血小板減少症に罹患しているかまたはその危険性のある哺乳動物に行
う。好ましい実施形態において、該方法は、TPOまたは他の血小板上昇組成物
による循環血小板の上昇、アフェレーシスによる血小板の収集、凍結保存による
血小板の貯蔵、および、血小板減少症を引き起こすことが知られる薬剤により引
き起こされるまたは増強される血小板減少症の期間中での哺乳動物への血小板の
輸血を含む。この方法は、好ましくは、薬剤が、血小板減少症を引き起こす化学
療法薬、放射線曝露外科処置である場合に使用する。1つの態様において、血小
板上昇組成物は、TPO、MGDF、キメラ受容体アゴニスト、またはその組合
せであり得るが、これらに限定されない。好ましい態様において、血小板は、約
20,000/μL(血液)未満の血小板数を有する哺乳動物に移行または輸血
する。他の態様において、血小板は、約20,000/μL未満から約15,0
00/μL(血液)の血小板数を有する哺乳動物に輸血し得る。他の態様におい
て、血小板は、約15,000/μL未満から約10,000/μL(血液)の
血小板数を有する哺乳動物に輸血し得る。他の態様において、血小板は、約20
,000/μL未満から約1,000/μL(血液)の血小板数を有する哺乳動
物に輸血し得る。勿論、この記載および本明細書の開示に鑑みて、当業者は、重
度の血小板減少症を有するとして動物を診断でき、よって、血小板の輸血を決定
した場合の1μLあたりの血小板の絶対数は、列挙した値とは異なり得る。
【0012】 1つの態様において、TPOは、血小板を収集する前、最中、および/または
後に、少なくとも1つのサイトカインと共に投与し得る。別の好ましい態様にお
いて、TPOは、血小板を患者に輸血または投与する前、最中および/または後
に投与し得る。これらの態様において、TPOは、少なくとも1つのサイトカイ
ンと共に投与し得る。TPOおよび/または少なくとも1つのサイトカインの投
与の用量および時間スケジュールは、本明細書に記載した任意であり得る。
【0013】 本発明は、次に、TPOを含む、血小板の凍結保存用の組成物を提供する。好
ましい態様において、組成物はTPOおよびDMSOを含む。別の好ましい態様
において、組成物はTPOおよびトロンボソールを含む。特に好ましい態様にお
いて、組成物は、TPO、DMSOおよびトロンボソールを含む。本発明の態様
において、約1%から約10%のDMSO、トロンボソールおよび/またはTP
Oを、血小板の保存に使用し得る。好ましい態様において、血小板の保存に使用
するDMSOの量は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3
.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7
%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%までのD
MSOであり得る。特に好ましい態様において、DMSOの量は、約2%から約
6%である。別の好ましい態様において、DMSOの量は、約5%から約6%で
ある。ある態様において、トロンボポエチンの量は、凍結保存溶液または混合物
中、約0.0001%、約0.0002%、約0.0003%、約0.0004
%、約0.0005%、約0.0006%、約0.0007%、約0.0008
%、約0.0009%、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約
0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.00
8%、約0.009%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%
、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%
、約0.9%、約1.0%、約1.2%、約1.4%、約1.6%、約1.8%
、約2.0%、約2.2%、約2.4%、約2.6%、約2.8%、約3.0%
、3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、
約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%まで
またはそれ以上であり得る。ある態様において、トロンボソールの量は、凍結保
存溶液または混合物中、約0.0001%、約0.0002%、約0.0003
%、約0.0004%、約0.0005%、約0.0006%、約0.0007
%、約0.0008%、約0.0009%、約0.001%、約0.002%、
約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.0
07%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.05%、約0
.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0
.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.2%、約1.4%、約1
.6%、約1.8%、約2.0%、約2.2%、約2.4%、約2.6%、約2
.8%、約3.0%、3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約
6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.
5%、約10%までまたはそれ以上であり得る。血液の保存または凍結保存につ
いて当業者に公知の全ての他の方法および組成物はまた、本明細書に記載の方法
および組成物と合わせ得る。
【0014】 本発明は、次に、血小板減少症に罹患またはその危険性のある哺乳動物の処置
法を提供し、これは、哺乳動物に、血小板減少症を引き起こし得る薬剤を投与す
るステップと、哺乳動物に、薬剤の投与前に、1またはそれ以上の初回刺激(pri
med)用量のTPO含有組成物を投与するステップと、哺乳動物に、薬剤の投与後
に、1またはそれ以上の後用量のTPO組成物を投与するステップとを含む。好
ましい実施形態において、初回刺激用量または後用量は、毎日以外で投与する。
本明細書である実施形態では、毎日以外とは、薬剤、TPO含有組成物、他のト
ロンボエチン組成物、サイトカイン、ホルモン、またはその組合せの投与と、1
つまたはそれ以上のかかる調製物の別の投与の間の、約2、約3、約4、約5、
約6、約7、約8、約9、約10までまたはそれ以上の日数を意味し得る。特に
好ましい実施形態において、用量は、隔日に投与する。患者が血小板減少症に罹
患しているかまたはその危険性のある場合には常に、複数の用量のTPOを投与
し得る。本明細書のある実施形態で使用したような、「血小板減少症に罹患して
いる」とは、動物が、血液1μLあたり、約100,000未満の血小板を有す
ることを意味する。従って、この定義内で、血液1μLあたり、約95,000
、約90,000、約85,000、約75,000、約70,000、約65
,000、約60,000、約55,000、約50,000、約45,000
、約40,000、約35,000、約30,000、約25,000、約20
,000、約15,000、約10,000、約5,000、約1,000まで
の血小板またはそれ以下を有する動物も血小板減少症を有すると理解する。勿論
、この定義および本明細書の開示に鑑みて、当業者は、血小板減少症を有すると
して動物を診断でき、よって、1μLあたりの血小板の絶対数は、列挙した数値
とは異なる。本明細書のある実施形態で使用したような、「血小板減少症の危険
性のある」とは、動物が、疾病容態、処置、または動物の血液1μLあたりの血
小板数を減少させることが知られるまたは疑われる薬剤の曝露に因り血小板減少
症を発達することが予見して期待されることを意味する。患者は、より長期間の
血小板減少症中または予期される血小板減少症中に、TPOを含む用量を受け得
ると考えられる。急性期は、数時間、数日および/または数週間続き得る。また
、患者は、血小板減少症または血小板減少症の危険性が慢性である場合には、半
永久的にTPO用量を受け得ると考えられる。これらの慢性期間は、数ヶ月また
は数年続き得、そしてTPOは、血小板減少症容態を減少させるに必要なように
断続的に投与し得る。当業者は、容態の重度および持続性、疾病、血小板減少症
を引き起こしたり、悪化させたり、または増強する薬剤への曝露の危険性、また
は、血小板減少症の処置における本発明の方法に対する哺乳動物の応答に基づい
て、延長された半永久的期間、TPO含有組成物を投与する必要性を確認できる
。従って、TPOを含む、少なくとも約2、約3、約4、約5、約6、約7、約
8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17
、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26
、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35
、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80
、約85、約90、約95、約100、約110、約120、約130、約14
0、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210
、約220、約230、約240、約250、約300までのまたはそれ以上の
用量を本発明の方法で投与し得る。周期性血小板減少症、慢性筋異形成、再生不
良性貧血、または骨髄疾患を含むがこれに限定されない容態に好ましい用量は、
約10から約150用量、および勿論、TPO含有組成物の上記の間の全ての数
である。しかし、化学療法または放射線療法のサイクルなどの多くの適用におい
て、投与するTPOの全用量数は、好ましくは、約20用量未満である。用量は
、回復血小板数が、TPO用量の投与を中止する前に、血液1μLあたり、約5
0,000またはそれ以上の血小板となるまで患者に投与し得ると考えられる。
しかし、当業者は、TPO用量の投与を中止する前に、哺乳動物の血小板数が、
血液1μLあたり、約55,000、約60,000、約65,000、約70
,000、約75,000、約80,000、約85,000、約90,000
、約95,000、約100,000またはそのあたりまでの血小板となるまで
TPOを投与し得ると理解する。勿論、この記載および本明細書の開示に鑑みて
、当業者は、血小板減少症の容態は軽減したとして動物を診断でき、よって、T
POの投与の中止を決定した場合の1μLあたりの血小板の絶対数は、列挙した
数値とは異なるだろう。さらに、患者が血小板減少症を発達させた場合に、特に
、哺乳動物の血小板数が、血液1μLあたり50,000未満またはそのあたり
に下降した場合に、または哺乳動物が血小板減少症を有すると別様に診断された
場合には、TPOを再投与すべきである。当業者は、連続用量の全体数が増加す
るにつれて、各用量中の投与されるTPOの量が少なくなることが好ましいと認
識する。患者の血小板レベルに対する最適効果を得るための用量レベルの調整は
、本開示に鑑みて日常的なことであろう。用量は毎日以外で投与することが好ま
しい。別の好ましい実施形態において、用量は隔日に投与する。
【0015】 1つの好ましい実施形態において、薬剤は、化学療法剤または放射線療法であ
る。この実施形態において、薬剤への曝露は、急性期の血小板減少症をもたらす
と期待される。少なくとも約2、約3、約4、約5、約6までのまたはそれ以上
のプライム用量を投与すると考えられる。本発明の1つの態様において、少なく
とも約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10までの後用量の
TPO組成物を投与する。本発明のある態様において、少なくとも約2、約3、
約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12までの全用量の
TPO組成物を投与する。好ましい実施形態において、初回刺激用量は毎日以外
で投与する。別の好ましい実施形態において、用量は隔日に投与する。
【0016】 1つの好ましい態様において、初回刺激用量または前用量の全数は、約3から
約6用量であり得る。好ましい態様において、後用量の全数は、約4から約8用
量である。別の好ましい態様において、前および後用量の両方を投与する場合、
全用量数は約4用量から約10用量である。本明細書に使用したように、前用量
または初回刺激用量と明記しない場合、TPOの「用量」は、前または後用量を
意味し得る。
【0017】 本発明はさらに、血小板減少症に罹患またはその危険性のある哺乳動物の処置
法を提供し、これは、哺乳動物に、血小板減少症を引き起こし得る薬剤を投与す
るステップと、薬剤の投与前に、1つまたはそれ以上のプライム用量のTPO含
有組成物を哺乳動物に投与するステップとを含む。本発明の1つの態様において
、初回刺激用量は、約1、約2、約3、約4、約5、および約6までであり得、
またはそれ以上の初回刺激用量のTPO組成物を投与する。好ましい実施形態に
おいて、初回刺激用量は毎日以外で投与する。別の好ましい実施形態において、
用量は隔日に投与する。
【0018】 本発明は次に、血小板減少症に罹患またはその危険性のある哺乳動物の処置法
を提供し、これは、哺乳動物に、血小板減少症を引き起こし得る薬剤を投与し;
そして、薬剤の投与後に、2またはそれ以上の後用量のTPO含有組成物を哺乳
動物に投与することを含み、ここでの後用量は、約2、約3、約4、約5、約6
、約7、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15までの用量で
あり得る。別に、化学療法後に、TPO用量は、TPO用量の投与中止前に、回
復(最下点後)血小板数が血液1μLあたり約50,000から約100,00
0となるまで患者に投与し得る。患者の血小板数が、血液1μLあたり約50,
000未満に下降した場合、または動物が、本開示に鑑みて当業者に理解される
ような血小板減少症を発達させた場合には、再度TPOを投与すべきである。好
ましい態様において、用量は、毎日以外で投与する。別の好ましい態様において
、後用量は隔日に投与する。
【0019】 本発明は次に、血小板減少症を誘導することが知られる薬剤による哺乳動物の
処置数を増加させる方法を提供し、これは、哺乳動物に、少なくとも1つのTP
O含有治療組成物を投与するステップと、血小板減少症を誘導することが知られ
る少なくとも1つの薬剤を哺乳動物に投与するステップと、哺乳動物の血小板数
をモニタリングするステップとを含み、ここでの、測定された少なくとも約75
,000/μL(血液)の血小板数は、哺乳動物が、血小板減少症を誘導するこ
とが知られる薬剤での追加の処置サイクルを受け得ることを示す。この方法の1
つの態様において、哺乳動物は薬剤での1つまたはそれ以上の処置サイクルを受
ける。本発明の好ましい態様において、少なくとも約50,000から約100
,000/μL(血液)、そして勿論、上記のこの範囲内の全ての整数の血小板
数は、追加のTPO用量は必要でないことを示し、一方、約20,000/μL
(血液)未満の血小板数は、追加用量のTPOを投与し得および/または血小板
を哺乳動物に輸血し得ることを示す。当業者は、動物での血小板減少症の診断は
また、TPOおよび/または血小板輸血を投与すべきであることを示すことを理
解し、一方、血小板減少症容態の減少の診断、すなわち約間の血小板数。1つの
態様において、哺乳動物は癌を有する。
【0020】 上記の段落に記載の本発明の方法のある態様において、薬剤は、TPO含有組
成物としての投与とほぼ実質的に同時に(すなわち約1分未満以内に)投与し得
る。他の態様において、薬剤は、TPO含有治療組成物を投与する前または後の
、約1分から、約5分、約10分、約20分、約30分、約45分、約60分、
約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約
9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約1
5時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約2
1時間、約22時間、約23時間、約24時間、約25時間、約26時間、約2
7時間、約28時間、約29時間、約30時間、約31時間、約32時間、約3
3時間、約34時間、約35時間、約36時間、約37時間、約38時間、約3
9時間、約40時間、約41時間、約42時間、約43時間、約44時間、約4
5時間、約46時間、約47時間、約48時間、約49時間、約50時間、約5
1時間、約52時間、約53時間、約54時間、約55時間、約56時間、約5
7時間、約58時間、約59時間、約60時間、約61時間、約62時間、約6
3時間、約64時間、約65時間、約66時間、約67時間、約68時間、約6
9時間、約70時間、約71時間、約72時間、約73時間、約74時間、約7
5時間、約76時間、約77時間、約78時間、約79時間、約80時間、約8
1時間、約82時間、約83時間、約84時間、約85時間、約86時間、約8
7時間、約88時間、約89時間、約90時間、約91時間、約92時間、約9
3時間、約94時間、約95時間、約96時間、約97時間、約98時間、約9
9時間、約100時間までまたはそれ以上以内に投与し得る。ある他の実施形態
において、薬剤は、TPO含有治療組成物を投与する前の、約1日から、約2日
、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約1
1日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18
日、約19日、約20日、約21まで以内に投与し得る。ある他の実施形態にお
いて、薬剤は、TPO含有治療組成物の投与後の、約1日、約2日、約3日、約
4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日まで以内に投与し得
る。いくつかの実施形態において、哺乳動物に、1つまたはそれ以上のTPO含
有治療組成物を投与する。他の実施形態において、治療組成物は、TPOを含む
1用量として投与する。他の実施形態において、1用量以上のTPO含有治療組
成物を投与する。
【0021】 本発明の方法のある態様において、各用量は、TPOを含む先行用量の、約2
4から約72時間後に投与する。いくつかの実施形態において、各用量は、TP
Oを含む先行用量の、約36から約60時間後に投与する。いくつかの実施形態
において、各用量は、TPOを含む先行用量の、約42から約54時間後に投与
する。いくつかの実施形態において、各用量は、TPOを含む先行用量の、約4
8時間後に投与する。いくつかの好ましい実施形態において、各用量は、TPO
を含む先行用量の後、隔日に投与する。他の好ましい実施形態において、各用量
は、TPOを含む先行用量の後、毎日以外で投与する。当業者は、用量スケジュ
ールは、投与のタイミングにおいて上記の様々な態様を合わせるために変化し得
ることを認識する。例えば、第二用量は、先行用量の約36から約60時間後に
投与し得、その後の用量は、第二用量の約48時間後に投与し得る。かかる変更
は本発明により包含され、これは本明細書の開示に鑑みて当業者により実践され
る。
【0022】 本発明の方法の他の態様において、薬剤での処置後の最下点すなわち最も低い
血小板数の点は、比較的に早く、約7、約8、約9、約10、約12、約13か
ら約14日目である。ある実施形態において、血小板数の最下点は、約10から
約14日目であり、薬剤での処置後の最下点の中央値は約12日である。これら
の実施形態において、薬剤を、TPO含有治療組成物の投与後に最初に投与する
ことが好ましい。この態様において、1用量以上のTPO含有治療組成物を投与
することが好ましい。この態様において、各用量を、先行用量のTPO含有治療
組成物の後に、隔日に投与することが好ましい。約3から約6用量を投与するこ
とが特に好ましく、約3から約4用量が特に好ましいと考えられる。この態様に
おいて、TPOを含む約1から約8用量を、薬剤の投与後に投与することが好ま
しい。この実施形態において、約1、約2、約3、約4、約5、約6またはその
あたりまでの用量を投与し得る。1つの態様において、TPO含有組成物は、血
小板数が血液1μLあたり約100,000未満である場合に投与する。
【0023】 本発明の方法の他の態様において、薬剤を、約3から約6日間の期間かけて投
与する。この実施形態において、薬剤を、最初に、TPO含有治療組成物後に投
与することが好ましい。この実施形態において、また、1用量以上のTPO含有
治療組成物を投与することが好ましい。各用量は、先行用量のTPO含有治療組
成物の後に隔日に投与することが好ましい。この態様において、各用量は、先行
用量のTPO含有治療組成物の後に隔日に投与することが好ましい。約3から約
6用量を投与することが特に好ましく、4用量が特に好ましいと考えられる。こ
の実施形態において、約1、約2、約3、約4、約5、約6またはそのあたりま
での用量を投与し得る。この態様において、TPOを含む1用量を、薬剤の投与
後に投与することが好ましい。1つの態様において、TPO含有組成物は、血小
板数が、血液1μLあたり約100,000未満である場合に投与する。
【0024】 本発明の方法の他の態様において、薬剤の最下点は、比較的遅く、約15、約
16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約
25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約
34、約35日目までまたはそれ以上である。この態様において、薬剤は、TP
O含有治療組成物の投与前に投与することが好ましい。しかし、約12目から約
25日目までなどの、早い最下点をもつ薬剤も、この実施形態に好ましくあり得
ると考えられる。TPOを含む1用量以上を投与することが好ましい。この態様
において、各用量は、先行用量のTPO含有治療組成物の後に隔日に投与するこ
とが好ましい。約3から約6用量を投与することが特に好ましく、約3から約4
用量が特に好ましいと考えられる。この実施形態において、約1、約2、約3、
約4、約5、約6またはそのあたりまでの用量を投与し得る。1つの態様におい
て、TPO含有組成物は、血小板数が血液1μLあたり約100,000未満で
ある場合に投与する。
【0025】 本発明の方法の他の態様において、薬剤は、約1から約5日間、より好ましく
は約1から約2日間の期間におよび投与する。この実施形態において、薬剤は、
最初に、TPO含有治療組成物の投与前に投与することが好ましい。TPOを含
む1用量以上を投与することが好ましい。この態様において、各用量は、先行用
量のTPO含有治療組成物の後に隔日に投与することが好ましい。約3から約6
用量を投与することが特に好ましく、約4から約6用量が特に好ましいと考えら
れる。この実施形態において、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約
8、約9、約10またはそのあたりまでの用量を投与し得る。この態様において
、TPOを含む少なくとも1用量を、薬剤の投与後に投与することが好ましい。
1つの態様において、TPO含有組成物は、血小板数が血液1μLあたり約10
0,000未満である場合に投与する。
【0026】 ある実施形態において、前用量、後用量、およびその組合せを、最下点が中間
である場合、すなわち約12、約13、約14日目までである場合に投与し得る
。この実施形態において、好ましい処置は、早い最下点薬剤または遅い最下点薬
剤のいずれかに記載したものであり得る。
【0027】 本発明の方法のある態様において、処置サイクルは、哺乳動物への薬剤の複数
回の投与を含む。他の態様において、処置サイクルは、血小板減少症を誘導する
ことが知られる1つ以上の薬剤での哺乳動物の処置を含む。哺乳動物は、1つま
たはそれ以上のサイクルで、または複数のサイクルで処置し得、ここでの薬剤は
、1サイクルあたり、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9
、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18
、約19、約20までまたはそれ以上の日数かけて投与する。薬剤は、投与スケ
ジュールにおいて、連続的に、毎日、または毎日以外で投与し得る。1つ以上の
薬剤を、処置スケジュールまたはサイクルで投与し得る。1つの実施形態におい
て、薬剤は、1サイクルあたり、約1から約5日間投与することが好ましい。従
って、この態様において、薬剤は、1サイクルあたり、約1、約2、約3、約4
、または約5日間またはそのあたりで投与し得る。
【0028】 本発明の方法のある態様において、TPO含有治療組成物は、ヒトまたは別の
動物から単離した、TPOタンパク質、ポリペプチド、および/またはペプチド
であり得る。TPOタンパク質、ポリペプチド、および/またはペプチドは、組
換えDNA技術により産生されたタンパク質でも、化学合成されたものでもよく
、そして、当業者に既知の任意の技術により修飾し得、その血小板新生および/
または凍結保存活性のいくらかまたは全てを残しつつ、TPOタンパク質、ポリ
ペプチド、および/またはペプチドの野生型配列を変化または修飾し得る。かか
る修飾TPOは、PEG結合型TPO分子を含むがこれに限定されない。TPO
組成物は、修飾および非修飾の両方のTPOタンパク質、ポリペプチド、および
/またはペプチドの組合せを含み得、不活性形のTPOをさらに取り込み得る。
本明細書に使用したような、「TPO」または「トロンボポエチン」なる語は、
この段落の先の一節に記載したこれらの組成物のいずれかを意味し得る。他のペ
プチド、タンパク質、またはポリペプチドは、トロンボポエチン受容体アゴニス
トとしての作用により、TPO活性を模倣し得ると考えられる。TPO活性のか
かるTPO活性ペプチド模倣体またはトロンボポエチン受容体アゴニストは、C
wirlaら、1997の開示したペプチドを含むがこれに限定されない。かか
るTPOペプチド模倣体または受容体アゴニストは、本明細書に開示した任意の
組成物および方法に使用し得ると考えられる。さらに、かかる受容体アゴニスト
またはTPO活性ペプチド模倣体または他の受容体アゴニストは、本明細書に開
示したまたは当業者には公知である任意の技術により産生、単離、合成、変化、
または別様に修飾し得、依然としてその血小板新生および/または凍結保存活性
を維持すると考えられる。
【0029】 様々な本組成物および方法の内容において本明細書に使用したような、「タン
パク質」なる語は、約201よりも長い連続アミノ酸であり、ほとんどの態様に
おいて、遺伝子のコード領域によりコードされるアミノ酸の約70%よりも多く
含む、タンパク質性セグメントを意味すると理解される。従って、TPOタンパ
ク質は、約201、約202、約203、約204、約205、約206、約2
07、約208、約209、約210、約211、約212、約213、約21
4、約215、約216、約217、約218、約219、約220、約221
、約222、約223、約224、約225、約226、約227、約228、
約229、約230、約231、約232、約233、約234、約235、約
236、約237、約238、約239、約240、約241、約242、約2
43、約244、約245、約246、約247、約248、約249、約25
0、約251、約252、約253、約254、約255、約256、約257
、約258、約259、約260、約261、約262、約263、約264、
約265、約266、約267、約268、約269、約270、約271、約
272、約273、約274、約275、約276、約277、約278、約2
79、約280、約281、約282、約283、約284、約285、約28
6、約287、約288、約289、約290、約291、約292、約293
、約294、約295、約296、約297、約298、約299、約300、
約301、約302、約303、約304、約305、約306、約307、約
308、約309、約310、約311、約312、約313、約314、約3
15、約316、約317、約318、約319、約320、約321、約32
2の連続アミノ酸長であり得る。好ましいTPOタンパク質は、配列番号1の配
列を含む。様々な本組成物および方法の内容で本明細書に使用したような、「ポ
リペプチド」なる語は、約100ないし約200連続アミノ酸長である、タンパ
ク質性セグメントを意味すると理解される。従って、TPOポリペプチドは、約
101、約102、約103、約104、約105、約106、約107、約1
08、約109、約110、約111、約112、約113、約114、約11
5、約116、約117、約118、約119、約120、約121、約122
、約123、約124、約125、約126、約127、約128、約129、
約130、約131、約132、約133、約134、約135、約136、約
137、約138、約139、約140、約141、約142、約143、約1
44、約145、約146、約147、約148、約149、約150、約15
1、約152、約153、約154、約155、約156、約157、約158
、約159、約160、約161、約162、約163、約164、約165、
約166、約167、約168、約169、約170、約171、約172、約
173、約174、約175、約176、約177、約178、約179、約1
80、約181、約182、約183、約184、約185、約186、約18
7、約188、約189、約190、約191、約192、約193、約194
、約195、約196、約197、約198、約199、約200連続アミノ酸
長であり得る。好ましいポリペプチドは、成熟ヒトTPOの最初のN末端153
アミノ酸を含む、ポリペプチドである。特に好ましいポリペプチドは、配列番号
1の残基1〜153を含む。「ペプチド」なる語は、約3、約4、約5、約6、
約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16
、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25
、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34
、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43
、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52
、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61
、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70
、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79
、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87、約88
、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96、約97
、約98、約99、約100までの連続アミノ酸長の間の、タンパク質性セグメ
ントを意味すると理解される。従って、調節または血小板新生特性および機能を
保持した、様々な全長のTPOタンパク質性セグメントが、本明細書に開示した
方法および組成物に有用であると考えられる。当業者は、組換え(rTPO)ペ
プチド、ポリペプチド、またはタンパク質の産生においてアミノ酸配列を付加、
変異、変化、修飾、および/または除去し得ることを認識し、血小板新生活性ま
たは凍結保存活性を促進する活性TPO分子が、本発明に使用するために産生さ
れる。かかる変異形の産生法は、本明細書に記載される。
【0030】 本発明の方法のある態様において、治療組成物を投与する経路は、非経口投与
により得る。非経口投与は、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、髄内注射また
はその組合せであり得る。ある態様において、TPO含有組成物は、1用量あた
り、約0.1〜約10μg/kg/体重で投与する。ある態様において、TPO
含有組成物は、1用量あたり、約1〜約5μg/kg/体重で投与する。ある態
様において、TPO含有組成物は、1用量あたり、約1.2〜約3.6μg/k
g/体重で投与する。ある態様において、TPO含有組成物は、1用量あたり、
約1.2〜約2.4μg/kg/体重で投与する。好ましい態様において、1用
量あたりに投与するTPOの量は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、
約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約
1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1
.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.
6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3
、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、
約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約
4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5
.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.
2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9
、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、
約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約
8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9
.1、約9.2、約9.3、約9.4、約9.5、約9.6、約9.7、約9.
8、約9.9、約10.0μg/kg/体重までまたはそれ以上であり得る。
【0031】 本発明の方法のある態様において、血小板減少症を誘導することが知られる薬
剤は、骨髄抑制処置、骨髄異形成、再生不良性貧血、先天性血小板減少症、免疫
性血小板減少症、周期性血小板減少症、化学物質、放射線への曝露、またはその
組合せである。ある態様において、化学物質は薬物または毒物であり得る。ある
態様において、骨髄抑制処置は、前駆細胞動員療法および白血球除去療法手順、
化学療法または放射線療法、またはその組合せに使用した細胞毒性剤であり得る
。ある好ましい態様において、骨髄抑制処置は、前駆細胞動員療法および白血球
除去療法手順に使用した細胞毒性剤であり得る。前駆細胞動員療法および白血球
除去療法手順に使用した細胞毒性剤は、幹細胞移植用であり得る。特に好ましい
態様において、骨髄抑制処置は化学療法である。これらの態様において、化学療
法は、自己骨髄移植のための骨髄切除化学療法、同種骨髄移植のための骨髄切除
化学療法、白血病処置のための骨髄毒性化学療法、または固形腫瘍の処置のため
の骨髄毒性化学療法、またはその組合せであり得る。ある態様において、化学療
法は、化学療法剤の投与を含み、ここでの薬剤は、アドリアマイシン、アスパラ
ギナーゼ、ブレオマイシン、カルシウムロイコボリン、カルムスチン、カルボプ
ラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダク
チノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、
フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ヘキサメチルメラミン
、ヒドロキシ尿素、イフォスファミド、ゲンシタビン、レバミソール、ブスルフ
ァン、ロムスチン、メクロルエタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メト
トレキサート、メチル−CCNU、トポアシン、マイトマイシンC、ミトキサン
トロン、プレドニゾロン、プロカルバジン、ストレプトゾシン、タキソール、タ
キサン、タキソテア、チオグアニン、トリエチレン−トリホスホルアミド、ビン
ブラスチン、ビンクリスチン、またはその組合せを含むがこれに限定されない。
好ましい実施形態において、化学療法は、カルボプラチン、イフォスファミド、
アドリアマイシンまたはその組合せの投与による。
【0032】 ある態様において、早い最下点剤は、アザシタジン、クロラムブシル、2−ク
ロロデオキシアデノシン、シタラビン、デカルバジン、ダウノルビシン、エピル
ビシン、フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イフォスファミド
、メクロレタミン、メトトレキサン、ミトキサントロン、タキソール、タキソテ
ア、テニポシド、チオテパ、トリメトレキサート、ビンブラスチン、ビンクリス
チン、化学療法剤の措置、例えばAI、MAID、CyaDIC、タキソールと
プラチナ、プラチナを伴うまたは伴わないCTX、トパテカン、イフェックス、
ESHAP、DHAP、またはその組合せを含み得るが、これに限定されない。
この態様において、最下点は、好ましくは、約10〜約14日目である。ESH
APまたはDHAPについて、最下点は、好ましくは、約14〜約15日目であ
る。これらの薬剤および薬剤の任意の治療組合せを、当業者に公知の任意の方法
または措置に従って投与し得る。投与、措置およびかかる薬剤の組合せの例の参
考文献は、「Combination Cancer Chemotherap
y Regiments」、Roger W.andersonおよびWill
iam J.Dana編、Laderley Laboratories(19
91)および「Cerenex Handbook」、Robert S.Be
njamin編、Cerenex Pharmaceuticals、Rese
arch Triangle Park,N.C.(1993)を含む。
【0033】 ある態様において、遅い最下点剤は、ブスルファン、カルボプラチン、カルム
スチン、ダクチノマイシン、エトポシド、フルダラビン、ロムスチン、メルファ
リン、マイトマイシン、プロカルバジン、チオグアニン、チオテパ、化学療法剤
の措置、例えばCEP、ICE(イフォスファミド、カルボプラチン、エトポシ
ド)、カルボプラチンおよびタキソール、カルボプラチンおよびエトポシド、B
UCAT(ブスルファン、チオテパ、カルボプラチン)、およびその組合せを含
み得るがこれに限定されない。この態様において、最下点は、約15〜約35日
目であることが好ましい。
【0034】 本発明の方法のある態様において、骨髄抑制処置は放射線療法である。放射線
療法は、哺乳動物への照射、または、哺乳動物への放射活性物質を含む治療組成
物の投与を含み得る。
【0035】 本発明の方法のある態様において、血小板減少症に罹患またはその危険性のあ
る哺乳動物は、肝疾患、白血病、固形腫瘍、骨髄異形成、再生不良性貧血、先天
性血小板減少症、細菌またはウイルス感染、肝炎およびHIV免疫性血小板減少
症または結核、またはその組合せに罹患しているかまたはその危険性がある。
【0036】 本発明の方法のある態様において、サイトカイン、ヘマトポエチン、コロニー
刺激因子、インターロイキン、成長因子、またはその組合せを含む治療に効果的
な組成物を投与する段階をさらに含む。好ましい態様において、その組合せは、
サイトカイン、コロニー刺激因子およびインターロイキンを含む治療に効果的な
組成物である。本明細書に使用したある実施形態のように、「サイトカイン」、
「系統特異的サイトカイン」、「治療」、および「哺乳動物」なる語は、米国特
許第5,851,984号に記載のと同じであり、これは、その全体を参照する
ことにより本明細書に組み込み、関連部分を以下に記載する。
【0037】 『「サイトカイン」なる語は、細胞内メディエーターとして別の細胞に作用す
る、1つの細胞個体群により放出されたタンパク質の一般名である。かかるサイ
トカインの例は、リンホカイン、モノカイン、成長因子および伝統的なポリペプ
チドホルモンである。サイトカインに含まれるのは、ヒト成長ホルモン、N−メ
チオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなどの成長ホルモン;副甲
状腺ホルモン;チロキシン;インシュリン;プロインシュリン;リラキシン;プ
ロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲
状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH);肝成長因子;
線維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤ラクトゲン、OBタンパク質;腫瘍壊
死因子−α、および−β;ミュラー阻害物質;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプ
チド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポ
エチン(TPO);神経成長因子、例えばNGF−β:血小板成長因子;トラン
スフォーミング成長因子(TGF)、例えばTGF−αおよびTGF−β;イン
シュリン様成長因子−IおよびII;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子
;インターフェロン、例えばインターフェロン−α、−β、および−y;コロニ
ー刺激因子(CSF)、例えばマクロファージ−CSF(M−CSF);顆粒球
−マクロファージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(G−CS
F);インターロイキン(IL)、例えばIL−1、IL−1α、IL−2、I
L−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL
−11、IL−12;および白血病阻害因子(LIF)およびキットリガンド(
KL)を含む他のポリペプチド因子である。本明細書に使用したような、サイト
カインなる語は、天然源由来または組換え細胞培養液由来のタンパク質および天
然配列サイトカインの生物活性等価体を含む。
【0038】 「系統特異的サイトカイン」とは、造血カスケードで比較的傾倒した細胞に作
用し、単一系統の血球の増殖をもたらすものである。かかるサイトカインの例は
、EPO、TPO、およびG−CSFを含む。
【0039】 「治療」とは、治療処置および予防または防護尺度の両方を意味する。処置の
必要な者は、疾病または疾患にすでに罹患した者、並びに、疾病または疾患を予
防したい者を含む。』
【0040】 上記のサイトカインに加えて、「サイトカイン」は、造血成長因子、SCF、
FLT−3リガンドまたは本明細書に列挙した任意のサイトカインのその組合せ
であり得る。特に好ましい態様において、サイトカインは、血小板新生活性を有
する。好ましいサイトカインは、キット−リガンド、LIF、G−CSF、GM
−CSF、M−CSF、EPO、FLT−3、IL−1、IL−2、IL−3、
IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11
またはIL−12を含むがこれに限定されない。他の特に好ましいサイトカイン
は、G−CSFまたはGM−CSFである。ある実施形態において、成長ホルモ
ンは、インシュリン様成長因子、ヒト成長ホルモンまたはウシ成長ホルモンであ
り得る。いくつかの態様において、糖タンパク質ホルモンは、卵胞刺激ホルモン
、甲状腺刺激ホルモンまたは黄体形成ホルモンである。本発明のいくつかの態様
において、腫瘍壊死因子は、TNF−αまたはTNF−βである。本発明のある
態様において、神経成長因子はNGF−βである。本発明のある態様において、
インターフェロンは、インターフェロン−α、インターフェロン−βまたはイン
ターフェロン−γである。本発明のある態様において、コロニー刺激因子は、M
−CSF、GM−CSFまたはG−CSFであり得るがこれに限定されない。本
発明のある態様において、インターロイキンは、IL−1、IL−1α、IL−
2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9
、IL−11またはIL−12であり得るがこれに限定されない。
【0041】 本発明の方法のある態様において、TPO含有治療組成物の投与は好中球減少
症を低下させる。
【0042】 本明細書に使用したような「投与」は、記載のまたは当業者に公知の任意の技
術を使用した、薬剤、サイトカイン、TPO分子、または本明細書の本発明の方
法および組成物で記載した他の組成物の送達またはその接触を意味する。かかる
方法は、医薬的に許容される担体内の投与を含む。
【0043】 本明細書に定義したような「動物」は、脊椎動物または無脊椎動物の動物とし
て分類された任意の生物を意味する。本明細書に記載した本発明の方法および組
成物と共に使用するに好ましい動物は、「哺乳動物」を含み、これは、ヒト、家
庭内および農場動物、および動物園の動物、スポーツ用動物、またはペット動物
、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ネズミ等を含む哺乳動物として分類された任
意のものを含む。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。さらに、「患者」は、
本明細書に記載の方法を使用して処置を受ける者である。好ましい患者は、哺乳
動物、特に好ましい患者はヒトである。
【0044】 本発明の方法のある態様において、哺乳動物は癌を有する。癌は、乳癌、大腸
癌、胃癌、尿生殖器癌、頭頸部癌、白血病、肺癌、リンパ腫、悪性メラノーマ、
多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮体癌、膵臓癌、小児癌、肉腫、卵巣癌、原発性腹膜
悪性疾患、前立腺癌、脳腫瘍、ホジキン病、胚細胞腫瘍、婦人科悪性疾患、内分
泌腫瘍、またはその組合せを含み得るがこれに限定されない。
【0045】 本明細書に使用したような、「a」、「an」、および「the」は、1つま
たは1つ以上を意味し得ると理解される。
【0046】 以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある態様をさらに実証する
ために含まれる。本発明は、本明細書に提示した具体的な実施形態の詳細な説明
と組合せて、これらの1つ以上の図面を参照することによりより良く理解され得
る。
【0047】例示的実施形態の説明 I.血小板の凍結保存 本発明は、TPOの新規方法および組成物に関する。TPOは、循環血小板を
非常に高く産生でき、よってアフェレーシスの収率を数倍増加させ、そして顕著
にフェレーシス時間を減少させることのできる、新規に発見された血小板新生サ
イトカインである。この領域での臨床開発を探究するために、発明者は、TPO
処置患者由来の血小板を、凍結保存により長期間保存できるかどうかを調査した
。研究により、TPO処置患者由来の凍結保存血小板は、正常ドナー由来の凍結
保存血小板に比較して、形態および機能の有意な高い保持が示されたことが実証
された。研究により、TPOは血小板を数倍増加させ、そして、細胞数および機
能の優れた回復をもって長期に(6ヶ月まで)凍結保存できる複数の単位の血小
板の収集が潜在的に可能となることが示される。
【0048】 従って、本発明は、TPO処置による血小板増多の誘導、多単位の血小板の収
集、救急使用用の自己血小板、シングルドナーまたは指定ドナー血小板、ランダ
ムドナー血小板の長期貯蔵および備蓄のための血小板の凍結保存、およびHLA
適合血小板用の貯蔵バンクの創製を包含する。従って、凍結保存血小板の備蓄は
、救急状況での適合血小板の入手可能性、供給危機、および血液バンクの在庫問
題を含む、輸血医学の数個の問題を軽減し得る。多サイクル骨髄抑制または骨髄
切除療法前のこの備蓄自己血小板は、迅速に入手可能な自己細胞を用いて重度の
血小板減少症の期間を支持するのに有用であり得る。
【0049】 ランダムドナーからの複数回の血小板輸血の有用性を制限する一般的な問題の
1つは、自己免疫化である。この問題を最小限にするために、最小限のドナーへ
の曝露が好ましい。TPO誘導血小板増多は、必要であれば特に高度に自己免疫
化した患者に使用するために利用可能な、HLA適合血小板の貯蔵バンクを創製
するための、多くの血小板の獲得を容易にする。
【0050】 rhTPO誘導血小板の凍結保存戦略はまた、血小板減少症が計画した処置(
例えば心臓手術)の予期される合併症である、他の非腫瘍学的領域にも適用でき
る(Alvarezら、1992;Grayleeら、1994)。この設定に
おける自己血小板の使用は、過度の不安および感染因子の伝達の懸念も軽減する
。正常ドナーでは、強力な生物学的効果および有意な毒性の欠失により、TPO
を正常ドナーまたは家族メンバーに使用でき、凍結保存でき必要であれば利用可
能である多くの血小板の獲得を容易にする。従って、この新規戦略は、現在利用
可能な方法の限界を克服できる。
【0051】 癌患者をTPOおよび/またはrhTPOで処置し、化学療法前、最中、また
は後に血小板を上昇させ得、そして、血小板をアフェレーシスにより収集し得、
それらを本明細書に記載の方法で凍結保存により保存し得、そしてそれらを患者
に輸血して戻し得ると考えられる。患者は、好ましくは、化学療法を受けている
癌患者などの血小板減少症に罹患した患者である。
【0052】 トロンボソールは、特異的活性化経路を阻害し、冷貯蔵の有害な作用から保護
する、新規に開発された血小板安定化溶液である。本発明の方法は、アフェレー
シス用の血小板収率を顕著に増加させるためにTPOを使用する点で(自己並び
に同種使用用)、および、それが新規な血小板凍結保存法を使用する点で(すな
わち、好ましくはトロンボソールおよび2%DMSO)独特である。発明者のin vitro研究により、TPO処置患者由来の血小板は、慣用的な方法(5%または
6%DMSO)を用いてまたはトロンボソール+2%DMSOを用いて凍結保存
した正常ドナー由来の血小板と比較して、細胞機能の保持増強を示すことが示さ
れる。TPOは、血小板保存用の凍結保存剤として使用し得ると考えられる。さ
らに、TPOは、血小板活性の増強または保持を補助するために、血小板の投与
前、最中および/または後に投与し得る。
【0053】 プロトコルは、確実な原理および以前の観察に基づいて設計するが、患者の処
置中になされる重要な観察に基づいて改良および微調整を受け得るようである。
以前の経験に基づき、収集のタイミングおよび収率、凍結保存、および自己血小
板の輸血を最適化するために、最初の設計の変更が必要であり得ることも可能で
ある。例えば、患者が、化学療法前に十分な単位の血小板を供与するために、血
小板数において適切な応答を増加できない設定において、または、患者が迅速な
進行性疾病に罹患し、化学療法前にTPOを受け、血小板フェレーシスを有する
ことを待てない設定において、発明者は、回復リバウンド血小板増多中に、化学
療法+TPO後に血小板を収集し得る。臨床試験および近年の実験室での研究に
より、それが支持されている。同じように、追加用量のTPO投与が、輸血血小
板の生存/機能を向上させるために、凍結保存血小板の輸血前、最中、および後
に必要であり得る。
【0054】 II.血小板減少症を低下させるためのTPOの投与 化学療法前の癌患者への組換えヒトTPO(rhTPO)の1用量の投与は、
血小板産生延長の強力な刺激であり、数人の患者において100万またはそれ以
上まで循環血小板数を増加する。この知見により、rhTPOは、多サイクル骨
髄抑制療法または骨髄切除処置の前に自己供与のために癌患者に与えることがで
きる可能性が生じる。従って、本発明は、血小板減少症を減少または予防するた
めのTPOの投与を含む。本発明は、最適TPO用量スケジュールは、毎日以外
の投与であることを実証する。
【0055】 骨髄抑制処置に関連したTPOの投与のタイミングは、要約に上記し、具外的
実施例で下記したような、使用する薬剤に最適の結果をもたらす。長く(例えば
AI−4日間)、および/または早い最下点(例えばAI−約12日目)を有
する措置を用いて、後用量と共に前用量のrhTPOが有益であり得る。一方、
短い(例えば単一薬剤としてのカルボプラチン−1または2日の措置)、および
/または遅延最下点(<12日目、約16日、例えばカルボプラチンを用いて)
を有する措置では、rhTPOの後用量(単独)が効果的であり得る。これらの
知見により、rhTPOのより早い投与(すなわち化学療法前すなわち前用量)
が有益であり得ることが示される。一例で、1用量のrhTPOを、AIの前に
投与し(前用量)、2用量をAI後に(後用量)投与した場合、rhTPOは、
この方法により血小板回復を増強し、最下点血小板数は数人の患者でより高かっ
た。これらの知見により、reTPOでの複数回の前用量は、血小板の最下点お
よび回復に向上した効果を提供し得ることが示される。
【0056】 III.トロンボポエチン核酸 A.遺伝子およびDNAセグメント 本発明は、トロンボポエチン(TPO)を含む方法および組成物に関する。T
POおよび他のサイトカインおよびペプチドホルモンの、ヌクレオチドおよびタ
ンパク質、ポリペプチドおよびペプチド配列は以前に開示されており、国立セン
ターのバイオテクノロジー情報GenbankおよびGenPeptデータベー
ス(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)に見出し得
る。特に、Genbank寄託番号AB014683、AB014682、AB
014681、L36052、L36051、E12215、E12214、E
12183、E12182およびE12181を含むがこれに限定されないヌク
レオチド配列が、本発明の方法および組成物のための組換えTPO(rTPO)
の産生に有用であると考えられる。Genebank寄託番号AB014683
、AB014682、AB014681、L36052、L36051、E12
215、E12214、E12183およびE12182を含むがこれに限定さ
れない、ヒトTPO配列から得られたヌクレオチド配列が、本発明の方法および
組成物のための組換えTPO(rhTPO)の産生に特に有用であると考えられ
る。
【0057】 本発明はまた、トロンボポエチンをコードする単離DNAセグメントおよび組
換えベクター、および、DNA技術の適用による、配列番号1およびその生物学
的等価体を使用した、野生型、多形または変異トロンボポエチンを発現する組換
え宿主細胞の創製および使用に関する。本明細書に記載したTPO、rTPOお
よび関連トロンボポエチンヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、得る、単離する
、合成する、変異する、化学修飾する、発現する、精製する、その活性を検出す
る、および投与および/または使用する方法に加えて、かかる方法は、米国特許
第5,641,655号、第5,830,647号、第5,795,569号、
第5,766,897号、第5,766,581号、第5,756,083号、
第5,744,587号、第5,733,746号、第5,696,250号、
第5,593,666号、第5,571,686号、第5,250,732号お
よび第4,894,440号により例示され、これはその全体を参照することに
より本明細書に組み込む。
【0058】 本発明は、全ゲノムDNAを含まず、トロンボポエチン活性を有するタンパク
質、ポリペプチド、またはペプチドを発現できる、哺乳動物細胞、特にブタ、ネ
ズミおよびヒト細胞から単離可能なDNAセグメントに関する。
【0059】 本明細書に使用したような、「DNAセグメント」なる語は、特定の種の全ゲ
ノムDNAを含まないように単離されたDNA分子を意味する。それ故、TPO
をコードするDNAセグメントは、全哺乳動物、特にブタ、ネズミまたはヒトの
ゲノムDNAから単離された、または含まないように精製された、TPOコード
配列を含むDNAセグメントを意味する。「DNAセグメント」に含まれるのは
、DNAセグメントおよび該セグメントのより小さな断片、および、例えばプラ
スミド、コスミド、ファージ、ウイルス等を含む組換えベクターである。
【0060】 同様に、単離または精製トロンボポエチン遺伝子を含むDNAセグメントは、
トロンボポエチンタンパク質コード配列および、ある態様において、他の天然遺
伝子またはタンパク質コード配列から実質的に単離された調節配列を含むDNA
セグメントを意味する。この態様において、「遺伝子」なる語は、簡明化するた
めに、機能的タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドコード単位を意味するた
めに使用される。当分野で理解されるように、この機能的用語は、ゲノム配列、
cDNA配列および、タンパク質、ポリペプチド、ドメイン、ペプチド、融合タ
ンパク質および変異体を発現する、または発現するように適合し得るより小さな
操作された遺伝子セグメントの両方を含む。
【0061】 「他のコード配列から実質的に単離」なる語は、目的の遺伝子が、この場合ト
ロンボポエチン遺伝子が、DNAセグメントのコード領域の重要な部分を形成し
、そして、DNAセグメントは、天然コードDNAの大部分、例えば大染色体断
片または他の機能的遺伝子またはcDNAコード領域を含まないことを意味する
。勿論、これは、最初に単離されたDNAセグメントを意味し、ヒトの手により
セグメントに後に付加された遺伝子またはコード領域を除外しない。
【0062】 特定の実施形態において、本発明は、配列番号2による、または配列番号2に
本質的に示した連続アミノ酸配列をそのアミノ酸配列内に含む、TPOタンパク
質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするDNA配列を取り込んだ単離DN
Aセグメントおよび組換えベクターに関する。
【0063】 「配列番号2に本質的に示した配列」なる語は、配列は実質的に配列番号2の
一部に対応し、配列番号2に、またはその生物学的機能等価体に同一ではない比
較的少数のアミノ酸を有することを意味する。
【0064】 「生物学的機能等価体」なる語は、当分野でよく理解されており、本明細書で
さらに詳細に定義する。従って、配列番号2のアミノ酸に同一または機能的に等
価な約70%ないし約80%;またはより好ましくは、約81%ないし約90%
;またはさらにより好ましくは、約91%ないし約99%のアミノ酸を有する配
列は、生物活性、すなわちタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの血小板新
生および/または凍結保存活性が維持される場合、「配列番号2に本質的に示し
た配列」である。
【0065】 ある他の実施例において、本発明は、配列番号1に本質的に示した核酸配列を
その配列内に含む、単離DNAセグメントおよび組換えベクターに関する。「配
列番号1に本質的に示した」なる語は、上記したのと同じ意味で使用され、核酸
配列が実質的に配列番号1の一部に対応し、配列番号1のコドンに同一ではない
か、または機能的に等価ではない、比較的少数のコドンを有することを意味する
。ここでも、血小板新生および/または凍結保存活性を示すタンパク質をコード
するDNAセグメントが最も好ましい。
【0066】 「機能的に等価なコドン」なる語は、本明細書で、アルギニンまたはセリンの
6つのコドンなどの、同じアミノ酸をコードするコドンを意味するために使用し
、また、生物学的に等価なアミノ酸をコードするコドンも意味する。ヒト細胞に
おけるTPO発現を最適化するための、コドンを、表1に、使用優先度の順に、
左から右に示す。従って、アラニンの最も好ましいコドンは「GCC」であり、
最も好ましくないのは「GCG」である(以下の表1参照)。
【0067】
【表1】
【0068】 アミノ酸および核酸配列は、付加NまたはC末端アミノ酸または5'または3'
配列などの付加残基を含み得、タンパク質発現が関与する場合の生物学的タンパ
ク質活性の維持を含む、上記に示した基準に配列が合致する限り、依然として本
明細書に開示した配列の1つで本質的に示されることが理解される。末端配列の
付加は、特に、例えば、コード領域の5'または3'部分のいずれかにフランキン
グする様々な非コード配列を含み得るか、または、様々な内部配列、すなわち遺
伝子内に存在することが知られるイントロンを含み得る、核酸配列に適用する。
【0069】 イントロンまたはフランキング領域を除き、および遺伝子コードの縮重を可能
として、配列番号1のヌクレオチドに同一である、約70%ないし約79%、ま
たはより好ましくは、約80%ないし約89%、またはさらにより好ましくは、
約90%ないし約99%のヌクレオチドを有する配列は、「配列番号1に本質的
に示した」配列である。
【0070】 配列番号1に示したものと本質的に同じ配列はまた、比較的ストリンジェント
(厳密)な条件下で、配列番号1の相補物を含む核酸セグメントにハイブリッド
できる、配列として機能的に定義し得る。適切な比較的ストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件は、本明細書に開示したように、当業者に公知である。
【0071】 ハイブリダイゼーションは、二本鎖分子または部分的二本鎖性質を有する分子
の形成を意味すると理解される。ストリンジェントな条件は、2つの相同的核酸
配列間のハイブリダイゼーションを可能とするが、ランダム配列のハイブリダイ
ゼーションは除く条件である。例えば、低温および/または高イオン強度でのハ
イブリダイゼーションは、低ストリンジェンシーと称される。高温および/また
は低イオン強度でのハイブリダイゼーションは、高ストリンジェンシーと称され
る。低ストリンジェンシーは、一般に、0.15M〜0.9Mの塩(例えばNa
Cl)で、20℃〜50℃の温度範囲で実施する。高ストリンジェンシーは、一
般に、0.02M〜0.15Mの塩(例えばNaCl)で50℃〜70℃の温度
範囲で実施する。所望のストリンジェンシーの温度およびイオン強度は、一部に
は、具体的なプローブの長さ、標的配列の長さおよび塩基含有量、およびハイブ
リダイゼーション混合物中のホルムアミド、塩化テトラメチルアンモニウムまた
は他の溶媒の存在により決定されると理解される。また、これらの範囲は、単な
る例として記載し、特定のハイブリダイゼーション反応の所望のストリンジェン
シーは、しばしば、陽性および陰性対照とに比較により経験的に決定されると理
解される。
【0072】 従って、開示のヌクレオチド配列は、相補的な遺伝子またはRNAのひと配列
と二重鎖分子を選択的に形成できること、または、組織由来DNAまたはRNA
の増幅用プライマーを提供できることから使用され得る。想定される適用に応じ
て、標的配列に対する様々な程度のプローブの選択性を達成するために様々なハ
イブリダイゼーション条件を使用することが好ましい。
【0073】 高い選択性を必要とする適用のために、ハイブリッドを形成するために比較的
ストリンジェントな条件を使用することが好ましい。例えば、約0.02M〜約
0.10MのNaClで、約50℃〜約70℃の温度により提供されるような、
比較的低塩および/または高温条件。かかる高ストリンジェンシー条件は、プロ
ーブと鋳型または標的鎖の間のミスマッチを、あるとしてもほとんど許容しない
ので、特異的遺伝子の単離または特異的mRNA転写物の検出に特に適切である
。一般に、条件は、漸増量のホルムアミドの添加により、よりストリンジェント
にし得ると理解される。
【0074】 天然には、本発明はまた、配列番号1に示した配列に相補的、または本質的に
相補的なDNAセグメントを包含する。「相補的」である核酸配列は、標準的な
ワトソン−クリック相補則に従って塩基対を形成できるものである。本明細書に
使用したような、「相補配列」なる語は、実質的に相補的な核酸配列を意味し、
これは、上記に示した同じヌクレオチド比較により評価し得るか、または、本明
細書に記載したような比較的ストリンジェントな条件下で配列番号1の核酸セグ
メントにハイブリッドできるとして定義し得る。
【0075】 コード配列自体の長さに関係なく、核酸セグメントは、他のDNA配列、例え
ばプロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、付加制限酵素部位、
マルチクローニングサイト、他のコードセグメント等と合わせ得、よってその全
長はかなり変化し得る。それ故、ほとんどどの長さの核酸断片も使用し得、全長
は好ましくは目的の組換えDNAプロトコルでの調製および使用のし易さにより
制限されると考えられる。
【0076】 例えば、配列番号1と同一または相補的な連続的なヌクレオチドのひと配列を
含む、例えば、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15
、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24
、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33
、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42
、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51
、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60
、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69
、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78
、約79、約80、約81、約82、約83、約84、約85、約86、約87
、約88、約89、約90、約91、約92、約93、約94、約95、約96
、約97、約98、約99、約100、約125、約150、約250、約30
0、約400、約600、約750、約800または約900ヌクレオチド、お
よび約1,000,000、約750,000、約500,000、約250,
000、約100,000、約50,000、約20,000、または約10,
000、または約50,000塩基対長までの核酸断片を調製し得、約3,00
0のセグメントがある場合に好ましい。ある場合では、DNAの染色体サイズ片
を含む、100万またはそれ以上の塩基のヌクレオチドセグメントが、有用であ
ると考えられる。全長約1,000、約500、約200、約100および約5
0塩基対長(全ての中間の長さを含む)を有するDNAセグメントも有用である
と考えられる。
【0077】 これらの内容での「中間の長さ」は、引用した範囲間の全ての長さ、200〜
500;500〜1,000;1,000〜2,000;2,000〜3,00
0;3,000〜5,000;5,000〜10,000の範囲、約12,00
1、12,002、13,001、13,002、15,000、20,000
等を含みこれ以下の全ての整数を含む;例えば10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20等;21、22、23等;30、31、3
2等;50、51、52、53等;100、101、102、103等;150
、151、152、153等を意味すると容易に理解されよう。
【0078】 開示したヌクレオチド配列あたりで設計した様々なプローブおよびプライマー
は任意の長さであり得る。例えば、最初の残基は1であり、第二の残基は2であ
る等と、数値を配列に割当てることにより、全てのプライマーを定義するアルゴ
リズムを提案できる。 nからn+y ここでのnは、1から配列の最後の数までの整数であり、yは、プライマーの長
さから1を引いたものであり、ここでのn+yは、配列の最後の数を超えない。
従って、10merでは、プローブは、塩基1〜10、2〜11、3〜12..
.等々に対応する。15merでは、プローブは、塩基1〜15、2〜16、3
〜17...等々に対応する。20merでは、プローブは、塩基1〜20、2
〜21、3〜22...等々に対応する。
【0079】 本発明は、配列番号1の特定の核酸およびアミノ酸配列に限定されないことが
理解される。それ故、組換えベクターおよび単離DNAセグメントは、様々に、
これらのコード領域自体(コード領域は基本コード領域に選択した変化または修
飾を有する)を含み得るか、または、かかるコード領域をそれにもかかわらず含
むより大きなポリペプチドをコードし得るか、または、変異形アミノ酸配列を有
する生物機能等価タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードし得る。
【0080】 DNAセグメントは、生物機能等価TPOタンパク質、ポリペプチドおよびペ
プチドを包含する。かかる配列は、核酸配列内およびかくしてコードされるタン
パク質に存在することが知られる、コドン重複性および機能等価性の結果として
生じ得る。別に、機能等価タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、交換す
るアミノ酸の特性の考慮に基づいて、タンパク質構造の変化を操作し得る、組換
えDNA技術の適用により創製し得る。人により設計された変化は、例えば、本
明細書の下記に議論したような部位特異的変異誘発技術の適用により導入し得、
例えば、タンパク質の抗原性の改良を導入、すなわち、患者への投与時のその抗
原性を減少し得るか、または、分子レベルでのタンパク質トロンボポエチン活性
を調べるために変異体を試験し得る。
【0081】 融合タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを調製し得、例えば、ここでは
トロンボポエチンタンパク質コード領域は、精製または免疫検出目的用などの、
所望の機能を有する他のタンパク質またはペプチドを有する同じ発現ユニット内
にアラインしている(例えば、アフィニティークロマトグラフィーおよび酵素標
識コード領域によりそれぞれ精製され得るタンパク質)。
【0082】 「標準的」DNAおよびRNAヌクレオチド塩基に加えて、修飾塩基も、本発
明の特定の適用での使用に考えられる。例示的であり限定するものではない修飾
塩基の表を、本明細書の以下に示す。
【0083】
【表2】
【表2(つづき)】
【0084】 B.組換えベクター、宿主細胞および発現 「発現ベクターまたは作成物」なる語は、核酸コード配列の一部または全部を
転写できる、遺伝子産物をコードする核酸を含む、任意の型の遺伝子作成物を意
味する。転写物は、タンパク質に翻訳され得るが、必要ではない。従って、ある
実施形態において、発現は、遺伝子の転写およびRNAの遺伝子産物への翻訳の
両方を含む。他の実施形態において、発現のみが、例えば、アンチセンス作成物
を作成するための、核酸の転写を含む。
【0085】 特に有用なベクターは、DNAセグメントのコード部分(全長タンパク質、ポ
リペプチドまたはより小さなペプチドをコードする)が、プロモーターの転写制
御下に位置するベクターであると考えられる。「プロモーター」は、遺伝子の特
異的転写の開始に必要な、細胞の合成機械または導入合成機械により認識される
DNA配列を意味する。「作動可能に位置」、「制御下」、または「転写制御下
」なる語句は、プロモーターが、RNAポリメラーゼ開始および遺伝子の発現を
制御するために核酸に関して正しい位置および配向にあることを意味する。
【0086】 プロモーターは、本明細書に開示した組成物に関連して、例えば、組換えクロ
ーニングおよび/またはPCRTM技術を使用して、コードセグメントまたはエ
キソンの上流に位置する5'非コード配列を単離することにより得られ得る、ト
ロンボポエチン遺伝子と天然に関連した、プロモーター形であり得る(PCR 技術は、米国特許第4,683,202号および米国特許第4,682,19
5号に開示され、各々を参照することにより本明細書に組み込む)。
【0087】 他の実施形態において、ある利点は、組換えプロモーターまたは異種プロモー
ターの制御下に、コードDNAセグメントを配置することにより得られると考え
られる。本明細書に使用したような、組換えまたは異種プロモーターは、その天
然環境ではトロンボポエチン遺伝子に普通関連していないプロモーターを意味す
ると捉えられる。かかるプロモーターは、他の遺伝子と普通に関連したプロモー
ター、および/または任意の他の細菌、ウイルス、真核細胞、または哺乳動物細
胞から単離したプロモーター、および/または「天然」ではない、すなわち、異
なるプロモーターからの異なるエレメント、または発現を増加、減少または変化
させる変異を含む、人の手により作成されたプロモーターを含み得る。
【0088】 天然には、発現に選択した、細胞型、生物、またはさらには動物でのDNAセ
グメントの発現を効果的に指示するプロモーターを使用することが重要である。
タンパク質発現のためのプロモーターおよび細胞型組合せの使用は、一般に、分
子生物学の分野の専門家には公知であり、例えば、参照することにより本明細書
に組み込んだSambrookら(1989)を参照する。使用するプロモータ
ーは、構成性または誘導性であり得、適切な条件下で使用して、組換えタンパク
質またはペプチドの大規模での産生には有利であるような、導入DNAセグメン
トの高レベルの発現を指示できる。
【0089】 プロモーターの少なくとも1つのモジュールが、一般に、RNA合成のための
開始部位を位置づけるように機能する。最もよく知られるこの例は、TATAボ
ックスであるが、TATAボックスを欠いたあるプロモーター、例えば哺乳動物
末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ遺伝子のプロモーターおよびS
V40後期遺伝子のプロモーターでは、開始部位自体に存在する別個のエレメン
トが開始の位置を固定するのに役立つ。
【0090】 追加のプロモーターエレメントは、転写開始頻度を調節する。典型的には、こ
れらは開始部位の上流の30〜110bpの領域に位置するが、多くのプロモー
ターが、同様に開始部位の下流に機能的エレメントを含むことが示されている。
プロモーターエレメント間のスペーシングは、エレメントが反転または互いに相
対的に移動した場合にプロモーター機能が保存されるように、柔軟である。tk
プロモーターでは、プロモーターエレメント間のスペーシングは、活性が下降し
始める前に、50bpまで離れるように増加できる。プロモーターに応じて、個
々のエレメントは、共同的にまたは独立的に機能して、転写を活性化できるよう
である。
【0091】 核酸の発現を制御するために使用する特定のプロモーターは、標的細胞で核酸
を発現できる限り、重要であるとは考えられていない。従って、ヒト細胞を標的
化する場合、ヒト細胞で発現できるプロモーターに隣接して、およびその制御下
に、核酸コード領域を配置することが好ましい。一般的に言えば、かかるプロモ
ーターは、ヒトまたはウイルスプロモーターのいずれかを含み得る。
【0092】 様々な他の実施形態において、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)最初期遺
伝子プロモーター、SV40初期プロモーターおよびラウス肉腫ウイルス末端反
復配列を使用して、本核酸の高レベル発現を得ることができる。発現を達成する
ための当分野で公知の他のウイルスまたは哺乳動物細胞または細菌ファージプロ
モーターの使用は、発現レベルがある目的に十分である場合には、同様に考えら
れる。以下の表3および4は、トロンボポエチン遺伝子の発現を調節するための
、本発明の内容において使用し得る、数個のエレメント/プロモーターを列挙す
る。このリストは、発現の促進に関与する全ての可能性あるエレメントの網羅と
は捉えられず、単に、その例である。
【0093】 エンハンサーは、最初、DNAの同じ分子上の遠い位置に位置したプロモータ
ーからの転写を増加させる遺伝エレメントとして検出された。長い距離におよび
作用できるこの能力は、原核転写調節の古典的な研究において以前にはほとんど
見られなかった。その後の研究により、エンハンサー活性を有するDNA領域は
、プロモーターのように構成されることが示された。すなわち、それらは多くの
個々のエレメントからなり、その各々が1つ以上の転写タンパク質に結合する。
【0094】 エンハンサーとプロモーターの間の基本的な違いは作動である。エンハンサー
領域は全体として、遠くの転写を刺激しなければならず、これはプロモーター領
域またはその成分エレメントについてはそうである必要はない。一方、プロモー
ターは、特定の部位および特定の配向でRNA合成の開始を指示する1つ以上の
エレメントを有さなければならず、一方、エンハンサーはこれらの特異性を欠失
している。プロモーターおよびエンハンサーは、しばしば、重複し連続的であり
、しばしば非常に類似したモジュラー構成を有するようである。
【0095】 さらに、任意のプロモーター/エンハンサー組合せ(真核プロモーターデータ
ベースEPDBのように)も、発現の駆動に使用できる。T3、T7またはSP
6細胞質発現系の使用は別の可能な実施形態である。真核細胞は、適切な細菌ポ
リメラーゼが、送達複合体の一部としてまたは追加の遺伝子発現作成物として提
供される場合、ある細菌プロモーターからの細胞質転写を支持できる。
【0096】
【表3】
【表3(つづき)】
【0097】
【表4】
【0098】 トロンボポエチンタンパク質の発現に戻り、一旦適切なクローンまたはクロー
ン群が得られれば、それらがcDNAまたはゲノムをベースとしていようと、発
現系の調製に進め得る。原核または真核系での発現用のDNAセグメント(群)
の操作を、組換え発現で当業者には一般に既知の技術により実施し得る。任意の
発現系をタンパク質の発現に使用し得ると考えられる。
【0099】 cDNAおよびゲノム配列の両方が、真核発現に適している。なぜなら、宿主
細胞は、一般に、ゲノム転写物を処理し、タンパク質に翻訳するために機能的m
RNAを生成するからである。一般的に言えば、組換え遺伝子としてcDNA形
の遺伝子を使用することがより簡便であり得る。cDNA形の使用は、遺伝子の
サイズが、一般にはるかに小さく、標的細胞をトランスフェクトするのに、ゲノ
ム遺伝子(これは典型的には、cDNA遺伝子よりも一次元またはそれ以上大き
い)よりも容易に使用される点で利点を提供すると考えられる。しかし、特定の
遺伝子のゲノム形を所望であれば使用し得ると考えられる。
【0100】 発現では、典型的には、転写物の適切なポリアデニル化を行うためにポリアデ
ニル化シグナルを含む。ポリアデニル化シグナルの性質は、本発明の成功裡の実
施には重要であるとは考えられず、任意のかかる配列を使用し得る。好ましい実
施形態は、簡便で様々な標的細胞でよく機能することが知られる、SV40ポリ
アデニル化シグナルおよびウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルを含む。ま
た、発現カセットのエレメントとして終結因子も考えられる。これらのエレメン
トは、メッセージレベルを増強およびカセットから他の配列への解読を最小限に
するのに役立ち得る。
【0101】 具体的な開始シグナルも、コード配列の効率的翻訳に必要であり得る。これら
のシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。ATG開始コドンを含
む、外来性翻訳制御シグナルも提供される必要があり得る。当業者は、容易にこ
れを決定し、必要なシグナルを提供することができる。開始コドンは、全挿入断
片の翻訳を確実にするために、所望のコード配列の読み枠と「インフレーム」で
なければならないことは公知である。外来性翻訳制御シグナルおよび開始コドン
は、天然でも合成でもよい。発現の効率は、適切な翻訳エンハンサーエレメント
の包含により増強し得る。
【0102】 TPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、他の選択したタンパク質
と共に共発現し得、ここでのタンパク質は、同じ細胞で共発現し得るか、または
TPO遺伝子(群)が、すでに別の選択タンパク質を有する細胞に提供され得る
ことが提案される。共発現は、細胞を、2つの別個の組換えベクター(各々、そ
れぞれのDNAのいずれかのコピーを有する)と共トランスフェクトすることに
より達成され得る。別に、単一組換えベクターを、両方のタンパク質のコード領
域を含むように作成し得、これを次いで、単一ベクターでトランスフェクトした
細胞で発現できる。いずれの場合にも、本明細書の「共発現」なる語は、同じ組
換え細胞でのTPO遺伝子(群)および他の選択タンパク質の両方の発現を意味
する。
【0103】 本明細書に使用したような、「操作」および「組換え」細胞または宿主細胞な
る語は、TPOタンパク質をコードするcDNAまたは遺伝子などの外来性DN
Aセグメントまたは遺伝子が導入された細胞を意味すると捉えられる。それ故、
操作された細胞は、組換え導入外来性DNAセグメントまたは遺伝子を含まない
、天然細胞から識別可能である。従って、操作された細胞は、人の手により導入
された遺伝子または遺伝子群を有する細胞である。組換え細胞は、導入cDNA
またはゲノム遺伝子を有するものを含み、そしてまた、特定の導入遺伝子と天然
には関連していないプロモーターに隣接して位置した遺伝子を含む。
【0104】 本発明に従って、野生型または天然型の、組換えTPOタンパク質、ポリペプ
チドまたはペプチドを発現するために、1つまたはそれ以上のプロモーターの制
御下で、野生型、または変異型トロンボポエチンタンパク質コード核酸を含む発
現ベクターを調製する。コード配列をプロモーターの「制御下」にもってくるた
めに、転写読み枠の転写開始部位の5'末端を、一般に選択したプロモーターの
約1ないし約50ヌクレオチド「下流」(すなわち3')に配置する。「上流」
プロモーターは、DNAの転写を刺激し、コード組換えタンパク質の発現を促進
する。これは、この内容で「組換え発現」の意味である。
【0105】 様々な宿主発現系でのタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド発現を達成す
るための、適切な核酸および転写/翻訳制御配列を含む発現ベクターを作成する
、多くの標準的な技術が利用可能である。発現に利用可能な細胞型は、組換えバ
クテリオファージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNA発現ベクター
で形質転換した、細菌、例えば大腸菌および枯草菌を含むがこれに限定されない
【0106】 原核宿主のある例は、大腸菌株RR1、大腸菌LE392、大腸菌B、大腸菌
X1776(ATCC番号31537)、並びに、大腸菌W3110(F−、λ
−、原栄養株、ATCC番号273325);桿菌、例えば枯草菌;および他の
腸内細菌、例えばサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、セ
ラチア・マルケセンス(Serratia marcescens)、および様々なシュードモナス種
である。
【0107】 一般に、宿主細胞と適合性の種に由来するレプリコンおよび制御配列を含むプ
ラスミドベクターを、これらの宿主に関連して使用する。ベクターは、普通、複
製部位、並びに、形質転換細胞での表現型選択を提供できる標識配列を有する。
例えば、大腸菌は、しばしば、大腸菌種由来のプラスミドである、pBR322
の誘導体を使用して形質転換する。pBR322は、アンピシリンおよびテトラ
サイクリン耐性遺伝子を含み、従って、形質転換細胞の容易な同定手段を提供す
る。pBRプラスミド、または他の微生物プラスミドまたはファージはまた、そ
れ自体のタンパク質の発現のために微生物の使用できるプロモーターを含むか、
または含むように修飾しなければならない。
【0108】 さらに、宿主微生物と適合性であるレプリコンおよび制御配列を含むファージ
ベクターを、これらの宿主と関連して形質転換ベクターとして使用できる。例え
ば、ファージλGEMTM−11は、大腸菌LE392などの宿主細胞の形質転
換に使用できる、組換えファージベクターの作成に利用し得る。
【0109】 さらに有用なベクターは、pINベクター(Inouyeら、1985);お
よび後の精製および分離または切断のための、グルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ(GST)可溶性融合タンパク質の作成に使用するためのpGEXベクター
を含む。他の適切な融合タンパク質は、β−ガラクトシダーゼ、ユビキチン等を
有するものである。
【0110】 組換えDNA作成に最も一般的に使用されるプロモーターは、β−ラクタマー
ゼ(ペニシリン)、ラクトースおよびトリプトファン(trp)プロモーター系
を含む。これらは最も一般的に使用されるが、他の微生物プロモーターも発見お
よび使用され、そのヌクレオチド配列に関する詳細が発表され、これにより、当
業者はプラスミドベクターとそれらを機能的に連結できる。
【0111】 細菌細胞、例えば大腸菌での組換えタンパク質産生に関する以下の詳細が、一
般に組換えタンパク質産生に関する例示的情報により提供され、特定の組換え発
現系へのその適用は、当業者には公知である。
【0112】 発現ベクターを含む、細菌細胞、例えば大腸菌は、多くの適切な培地のいずれ
かで、例えばLBで増殖する。組換えタンパク質の発現は、例えば、IPTGの
培地への添加により、またはインキュベートをより高温に切り替えることにより
誘導し得る。細菌をさらなる期間、一般に約2〜24時間培養した後、細胞を遠
心分離により収集し、洗浄して残留培地を除去する。
【0113】 次いで、細菌細胞を、例えば細胞ホモジナイザー中での破壊により溶解し、遠
心分離して、可溶性細胞成分から高密度の封入体および細胞膜を分離する。この
遠心分離は、高密度の封入体が、スクロースなどの糖の、緩衝液への取り込みに
より選択的に濃縮される条件下および選択的スピードでの遠心分離により実施で
きる。
【0114】 多くの場合のように、組換えタンパク質が、その封入体で発現される場合、こ
れらを、数個の溶液のいずれかで洗浄して、汚染宿主タンパク質を除去し、次い
で、高濃度の尿素(例えば8M)またはカオトロッピック剤、例えばグアニジン
塩酸塩を含む溶液に、β−メルカプトエタノールまたはDTT(ジチオトレイト
ール)などの還元剤の存在下で可溶化できる。
【0115】 いくつかの環境下で、タンパク質が、天然タンパク質のコンフォメーションに
より密接に類似したコンフォメーションへの再フォールディングプロセスを受け
るに適切な条件下で、数時間タンパク質をインキュベートすることが有利であり
得る。かかる条件は、一般に、低タンパク質濃度、500mg/ml未満、低レ
ベルの還元剤、2M以下の尿素濃度、およびしばしば、タンパク質分子内のジス
ルフィド結合の交換を容易にする還元および酸化グルタチオンの混合物などの還
元剤の存在を含む。
【0116】 再フォールディングプロセスは、例えば、SDS−PAGEにより、または天
然分子に特異的な抗体(天然分子またはより少量の組換えタンパク質を用いてワ
クチン接種した動物から得ることできる)を用いてモニタリングできる。再フォ
ールディング後、次いで、タンパク質をさらに精製し、イオン交換レジン、ゲル
透過レジンを含む数個の支持体のいずれかまたは様々なアフィニティーカラム上
でのクロマトグラフィーにより、再フォールディング混合物から分離できる。
【0117】 サッカロミセスでの発現のために、例えば、プラスミドYRp7を一般的に使
用する。このプラスミドは、トリプトファン中での増殖能を欠失した酵母変異株
、例えばATCC番号44076またはPEP4−1の選択マーカーを提供する
trp1遺伝子をすでに含む。次いで、酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtr
p1病変の存在は、トリプトファンの非存在下での増殖による、形質転換を検出
するための効率的な環境を提供する。
【0118】 酵母ベクター中の適切なプロモーター配列は、3−ホスホグリセレートキナー
ゼまたは他の解糖酵素、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デ
ヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフル
クトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレート
ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼのプロモーターを含む。適切な発現プ
ラスミドの作成において、これらの遺伝子に関連した終結配列を、mRNAのポ
リアデニル化および終結を提供するために発現されることが望ましい配列の3'
の発現ベクターにライゲートする。
【0119】 増殖条件により制御される転写の追加の利点を有する他の適切なプロモーター
は、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸ホスファターゼ、窒
素代謝に関連した分解酵素、および前記グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒド
ロゲナーゼ、およびマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素のプロモ
ーター領域を含む。
【0120】 微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞の培養液も宿主として使用し得る。原
則では、脊椎動物培養液由来であれ無脊椎動物培養液由来であれ、任意のかかる
細胞培養液を使用可能である。哺乳動物細胞に加えて、これらは、1つまたはそ
れ以上のTPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドコード配列を含む、組
換えウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)で感染した昆虫細胞系;
および組換えウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス、C
aMV;タバコモザイクウイルス、TMV)で感染した、または組換えプラスミ
ド発現ベクター(例えばTiプラスミド)で形質転換した植物細胞系を含む。
【0121】 有用な昆虫系で、オートグラフ・カリフォルニカ核多核体病ウイルス群(Ac
NPV)は、外来遺伝子の発現のためのベクターとして使用される。ウイルスは
、Spodoptera frugiperda細胞中で増殖する。TPOタン
パク質、ポリペプチドまたはペプチドコード配列は、ウイルスの非必須領域(例
えばポリヘドリン遺伝子)にクローン化され、AcNPVプロモーター(例えば
ポリヘドリンプロモーター)の制御下に配置する。コード配列の挿入により、ポ
リヘドリン遺伝子の失活および非閉鎖組換えウイルス(すなわち、ポリヘドリン
遺伝子によりコードされるタンパク質性被膜を欠失したウイルス)の産生がもた
らされる。次いで、これらの組換えウイルスを、Spodoptera fru
giperda細胞に感染し、挿入遺伝子を発現する(例えば米国特許第4,2
15,051号、Smith、参照することにより本明細書に組み込む)。
【0122】 有用な哺乳動物宿主細胞系の例は、VEROおよびHeLa細胞、チャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞系、W138、BHK、COS−7、293、
HepG2、3T3、RINおよびMDCK細胞系である。さらに、挿入配列の
発現を調節するか、または所望の特異的様式で遺伝子産物を修飾およびプロセシ
ングする、宿主細胞株を選択し得る。タンパク質産物のかかる修飾(例えばグリ
コシル化)およびプロセシング(例えば切断)は、タンパク質の機能に重要であ
り得る。
【0123】 異なる宿主細胞は、タンパク質の翻訳後プロセシングおよび修飾に特徴的かつ
特異的機序を有する。適切な細胞系または宿主系は、発現される外来タンパク質
の正しい修飾およびプロセシングを確実にするように選択できる。
【0124】 哺乳動物細胞で使用するための発現ベクターは、普通、複製起点(必要であれ
ば)、発現する遺伝子の前に位置するプロモーターを、任意の必要なリボソーム
結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写終結配列と
共に含む。複製起点は、例えばSV40または他のウイルス(例えばポリオーマ
、アデノ、VSV、BPV)源から得られ得る、外来性起点を含むようなベクタ
ーの作成により提供され得るか、または、宿主細胞染色体複製機序により提供さ
れ得る。ベクターが宿主細胞染色体に取り込まれる場合、しばしば後者で十分で
ある。
【0125】 プロモーターは、哺乳動物細胞(例えばメタロチオネインプロモーター)のゲ
ノムから、または哺乳動物ウイルス(例えばアデノウイルス後期プロモーター、
ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)から得られ得る。さらに、TPO遺
伝子配列(群)に正常に関連したプロモーターまたは制御配列を使用可能であり
、使用することが望ましくあり得、ただし、かかる制御配列は、宿主細胞系と適
合性である。
【0126】 多くのウイルスをベースとした発現系を使用し得、例えば一般的に使用される
プロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、および最も頻繁にはシミアン
ウイルス40(SV40)由来である。SV40ウイルスの初期および後期プロ
モーターが特に有用である。なぜなら、両方共、SV40ウイルス複製起点を含
む断片としてウイルスから容易に得られるからである。HindIII位からウ
イルス複製起点に位置するBglI部位に向けて伸長している約250bpの配
列が含まれる場合、より小さなまたは大きなSV40断片を使用し得る。
【0127】 アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合、コード配列を、アデノウ
イルス転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび3分節系リーダ配
列にライゲートし得る。次いで、このキメラ遺伝子を、in vitroまたはin vivo
組換えにより、アデノウイルスゲノムに挿入し得る。ウイルスゲノムの非必須領
域(例えば領域E1、E3、E4)での挿入により、生存可能で、TPOタンパ
ク質、ポリペプチドまたはペプチドを感染宿主で発現できる組換えウイルスが得
られる。
【0128】 特異的開始シグナルも、TPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドコー
ド配列の効率的な翻訳に必要であり得る。これらのシグナルは、AGT開始コド
ンおよび隣接配列を含む。ATGコドンを含む、外来性翻訳制御シグナルをさら
に提供する必要があり得る。当業者は、容易にこれを決定し、必要なシグナルを
提供できるだろう。開始コドンは、全挿入断片の翻訳を確実にするために、所望
のコード配列の読み枠と「インフレーム」(またはインフェース)でなければな
らないことは公知である。これらの外来性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは
、天然および合成の両方の、様々な起源であり得る。発現の効率は、適切な翻訳
エンハンサーエレメントおよび転写終結因子の包含により増強し得る。
【0129】 真核発現において、最初のクローン化セグメントに含まれない場合、典型的に
は、転写単位に適切なポリアデニル化部位(例えば5'−AATAAA−3')を
取込むことが望ましい。典型的には、ポリA付加部位は、転写終結の前の位置の
タンパク質の終結部位の約30〜2000ヌクレオチド「下流」に位置する。
【0130】 長期の高収率の組換えTPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの産生
のために、安定な発現が好ましい。例えば、TPOタンパク質、ポリペプチドま
たはペプチドをコードする作成物を安定に発現する細胞系を操作し得る。ウイル
ス複製起点を含む発現ベクターを使用するよりも、宿主細胞を、適切な制御エレ
メント(例えばプロモーター配列、エンハンサー配列、転写終結因子、ポリアデ
ニル化部位等)により制御されるベクターおよび選択マーカーで形質転換できる
。外来DNAの導入後、操作された細胞を、栄養強化培地で1〜2日間増殖させ
、次いで、選択培地に切り替え得る。組換えプラスミド中の選択マーカーは、選
択に対する耐性を付与し、細胞はプラスミドをその染色体に安定に組込むことが
可能となり、増殖して増殖巣を形成し、これを次いでクローン化し、細胞系に増
殖できる。
【0131】 tk、hgprtまたはaprt細胞のそれぞれ単純ヘルペスウイルス
チミジンキナーゼ(tk)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランス
フェラーゼ(hgprt)およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(
aprt)遺伝子を含むがこれに限定されない、多くの選択系を使用し得る。ま
た、抗代謝耐性を、メトトレキサートに対する耐性を付与する、ジヒドロ葉酸レ
ダクターゼ(dhfr);ミコフェノール酸に対する耐性を付与するgtp;ア
ミノグリコシドG−418に対する耐性を付与するネオマイシン(neo);お
よびヒグロマイシンに対する耐性を付与するヒグロマイシン(hygro)の選
択の基礎として使用できる。
【0132】 動物細胞を、2つの形態、すなわち、培養液のバルクを通じて懸濁液中で増殖
できる非足場依存性細胞、またはその増殖(すなわち、単層型の細胞増殖)に固
体基質への付着を必要とする足場依存性細胞でin vitroで増殖できる。
【0133】 連続的に確立した細胞系からの非足場依存性すなわち懸濁培養液は、最も広く
使用されている大規模な細胞および細胞産物の産生手段である。しかし、懸濁培
養細胞は、腫瘍原性および付着細胞よりも低いタンパク質産生などの限界を有す
る。
【0134】 撹拌タンク中の哺乳動物細胞の大規模懸濁培養液は、一般的な組換えタンパク
質産生法である。2つの懸濁培養反応器設計が広く使用されている−撹拌反応器
およびエアリフト反応器。撹拌設計は、インターフェロンの産生に8000リッ
トルの容量で成功裡に使用されている。細胞を、高さ対直径の比が1:1から3
:1のステンレス鋼タンク中で増殖させる。培養液は、通常、ブレードの付いた
ディスクまたは船のプロペアパターンに基づいた、1つまたはそれ以上の撹拌器
を用いて混合する。ブレードよりもより低い剪断力を与える撹拌系が記載されて
いる。撹拌は、磁気共役装置により直接的にまたは間接的に駆動し得る。間接装
置は、撹拌軸上の封により微生物汚染の危険性を低下させる。
【0135】 エアリフト反応器、これは最初に微生物発酵について記載され、後に哺乳動物
培養液に適合したが、これは、培養液の混合および酸化の両方において、気流に
依拠する。気流は、反応器の上区分に侵入し、循環を駆動する。気体は培養表面
で自由になり、気体を含まない、より濃い液体が泡立ち、反応器の降下管区分に
下流に移動する。この設計の主な利点は、単純性および機械混合の必要がないこ
とである。典型的には、高さ対直径の比は10:1である。エアリフト反応器は
比較的容易にスケールアップし、良好な大量の気体の移動を有し、比較的低い剪
断力を生じる。
【0136】 本発明のTPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、細胞において、
「過剰発現」、すなわち、天然発現に比べて、増加したレベルで発現され得ると
考えられる。かかる過剰発現は、放射標識および/またはタンパク質精製を含む
、様々な方法により評価し得る。しかし、簡単で直接的な方法が好ましく、例え
ば、SDS/PAGEおよびタンパク質染色またはウェスタンブロット、その後
の定量分析、例えば得られたゲルまたはブロットの濃度測定走査を含む。天然細
胞でのレベルと比較した、組換えタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの比
増加は、過剰発現の指標であり、宿主細胞により産生される、そして例えばゲル
上で可視の他のタンパク質に関する、特異的タンパク質、ポリペプチドまたはペ
プチドの相対的豊富度である。
【0137】 C.核酸検出 TPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの発現の指示におけるその使
用に加えて、本明細書に開示した核酸配列はまた、様々な他の用途を有する。例
えば、それらは、核酸ハイブリダイゼーション実施形態においてプローブまたは
プライマーとしての有用性を有する。
【0138】 1.ハイブリダイゼーション 17ないし100ヌクレオチド長の、または本発明のある態様においてさらに
は1〜2kbまたはそれ以上の長さまでのハイブリダイゼーションプローブの使
用により、安定で選択的の両方である、二重鎖分子の形成が可能となる。20塩
基長以上の配列におよび相補配列を有する分子が、ハイブリッドの安定性および
選択性を増加させ、よって、得られる具体的なハイブリッド分子の品質および程
度を向上させるために一般に好ましい。一般に、20〜30ヌクレオチド、また
は所望であればさらにより長い配列を有する核酸分子を設計することが好ましい
。かかる断片は、例えば、化学的手段により断片を直接合成することにより、ま
たは、組換え産生用の組換えベクターに選択した配列を導入することにより容易
に調製し得る。
【0139】 従って、本発明のヌクレオチド配列は、相補的な遺伝子またはRNAのひと配
列と二重鎖分子を選択的に形成できること、または、組織由来DNAまたはRN
Aの増幅用プライマーを提供できることから使用され得る。想定される適用に応
じて、標的配列に対する様々な程度のプローブの選択性を達成するために様々な
ハイブリダイゼーション条件を使用することが望ましい。
【0140】 高い選択性を必要とする適用には、典型的には、ハイブリッドの形成に比較的
ストリンジェントな条件を使用することを所望し、例えば、約0.02M〜約0
.10MのNaClで、約50℃〜約70℃の温度により提供されるような、比
較的低い塩および/または高温条件を選択する。かかる高ストリンジェンシー条
件は、プローブと鋳型または標的鎖の間のミスマッチを、あるとしてもほとんど
許容しないので、特異的遺伝子の単離または特異的mRNA転写物の検出に特に
適切である。一般に、条件は、漸増量のホルムアミドの添加により、よりストリ
ンジェントにし得ると理解される。
【0141】 ある適用、例えば、部位特異的変異誘発によるヌクレオチドの置換では、低い
ストリンジェンシー条件が必要であることが理解される。これらの条件下で、ハ
イブリダイゼーションは、プローブおよび標的鎖の配列が完全に相補的でなくて
も起こり得るが、1つまたはそれ以上の位置でミスマッチしている。条件は、塩
濃度の増加および温度の低下により、より低いストリンジェントとし得る。例え
ば、中程度のストリンジェンシー条件は、約0.1〜0.25MのNaClで、
約37℃〜約55℃の温度により提供し得、一方、低いストリンジェンシー条件
は、約0.15M〜約0.9Mの塩で、約20℃〜約55℃の範囲の温度により
提供し得る。従って、ハイブリダイゼーション条件は、所望の結果に応じて、容
易に操作できる。
【0142】 他の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、例えば、50mMトリス
−HCl(pH8.3)、75mM KCl、3mM MgCl、1.0mM
ジチオトレイトールで、約20℃〜約37℃の温度の条件下で達成し得る。使用
する他のハイブリダイゼーション条件は、約10mMトリス−HCl(pH8.
3)、50mM KCl、1.5mM MgClで、約40℃〜約72℃の範
囲の温度を含み得る。
【0143】 ある実施形態において、ハイブリダイゼーションの決定のための、標識などの
適切な手段と組合せて核酸配列を使用することが有利である。検出可能な、蛍光
、放射活性、酵素または他のリガンド、例えばアビジン/ビオチンを含む、多種
多様な適切な指示薬手段が当分野で公知である。好ましい実施形態において、放
射活性または他の環境的に望ましくない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タ
グ、例えばウレアーゼ、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼを使用
することが望ましくあり得る。酵素タグの場合、相補的核酸含有サンプルとの特
異的ハイブリダイゼーションの同定のために、人の眼に可視または分光光度的な
検出手段を提供するために使用できる、比色指示薬基質が知られている。
【0144】 一般に、本明細書に記載のハイブリダイゼーションプローブは、対応する遺伝
子の発現の検出のための、PCRTMのような溶液中ハイブリダイゼーション、
並びに、固相を使用する実施形態の両方の試薬として有用であると考えられる。
固相を含む実施形態において、試験DNA(またはRNA)を、選択マトリック
スまたは表面に吸着または別様に固定する。次いで、この固定した一本鎖核酸を
、所望の条件下で選択したプローブとのハイブリダイゼーションにかける。選択
した条件は、必要な特定の条件に基づいた特定の環境に依存する(例えば、G+
C含量、標的核酸の型、核酸源、ハイブリダイゼーションプローブのサイズ等に
依存する)。非特異的結合プローブ分子を除去するためにハイブリダイズした表
面を洗浄した後、標識を用いて、ハイブリダイゼーションを検出するか、または
さらに定量する。
【0145】 2.増幅およびPCRTM 増幅の鋳型として使用する核酸を、標準的な方法に従って(Sambrook
ら、1989)、生物学的サンプルに含まれる細胞から単離する。核酸は、ゲノ
ムDNAまたは分画または全細胞RNAであり得る。RNAを使用する場合、R
NAを相補的DNAに変換することが望ましくあり得る。1つの実施形態におい
て、RNAは、全細胞RNAであり、増幅の鋳型として直接使用する。
【0146】 トロンボポエチン遺伝子に対応する核酸に選択的にハイブリッドするプライマ
ー対を、選択的ハイブリダイゼーションの可能な条件下で、単離核酸と接触させ
る。本明細書に定義した「プライマー」なる語は、鋳型依存的プロセスで、新生
核酸の合成を開始できる任意の核酸を包含することを意味する。典型的には、プ
ライマーは、10から20または30塩基対長のオリゴヌクレオチドであるが、
より長い配列も使用できる。プライマーは、二本鎖または一本鎖形で提供され得
るが、一本鎖形が好ましい。
【0147】 一旦ハイブリダイズすると、核酸:プライマー複合体を、鋳型依存的核酸合成
を容易にする1つまたはそれ以上の酵素と接触させる。複数回の増幅(「サイク
ル」とも称される)を、十分量の増幅産物が産生されるまで実施する。
【0148】 次に、増幅産物を検出する。ある適用では、検出は、可視手段により実施し得
る。別に、検出は、取り込んだ放射標識または蛍光標識の、化学発光、放射活性
シンチグラフィーを介して、または、さらには電気または熱インパルスシグナル
を使用した系(アフィマックス技術)を介した、産物の間接的同定を含み得る。
【0149】 ある鋳型サンプルに存在するマーカー配列を増幅するために、多くの鋳型依存
的プロセスを利用できる。最もよく知られた増幅法の1つは、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCRTMと称される)であり、これは、米国特許第4,683,195
号、第4,683,202号、第4,800,159号に詳述され、各々の全体
を本明細書に参照することにより組み込む。
【0150】 簡潔には、PCRTMにおいて、マーカー配列の反対の相補鎖上の領域に相補
的な、2つのプライマー配列を調製する。過剰のデオキシヌクレオチド三リン酸
を、DNAポリメラーゼ、例えばTaqポリメラーゼと共に混合物に添加する。
マーカー配列がサンプルに存在する場合、プライマーはマーカーに結合し、ポリ
メラーゼは、プライマーを、ヌクレオチド上への添加によりマーカー配列に沿っ
て伸長させる。反応混合物の温度を上昇および下降させることにより、伸長プラ
イマーは、マーカーから解離し、反応産物を形成し、過剰のプライマーはマーカ
ーおよび反応産物に結合し、プロセスが反復される。
【0151】 逆転写酵素PCRTM増幅手順を、増幅したmRNAの量を定量するために実
施し得る。RNAをcDNAに逆転写する方法は公知であり、Sambrook
ら、1989に記載されている。逆転写の別の方法は、熱安定性のRNA依存性
DNAポリメラーゼを利用する。これらの方法は、1990年12月21日に提
出された、WO90/07641に記載され、これは本明細書に参照することに
より組み込む。ポリメラーゼ連鎖反応法は当分野で公知である。
【0152】 別の増幅法は、EPA320308号に開示されたリガーゼ連鎖反応(「LC
R」)であり、これはその全体を本明細書に参照することにより組み込む。LC
Rでは、2つの相補プローブ対を調製し、標的配列の存在下で、各対が、接する
ように標的の反対の相補鎖に結合する。リガーゼの存在下で、2つのプローブ対
は、連結して1つのユニットを形成する。PCRTMでのような温度サイクリン
グにより、結合したライゲートユニットは標的から解離し、次いで、過剰のプロ
ーブ対のライゲーションのための「標的配列」として作用する。米国特許第4,
883,750号は、プローブ対を標的配列に結合させるためのLCRに類似し
た方法を記載する。
【0153】 PCT出願PCT/US87/00880(本明細書に参照することにより組
み込む)に記載のQベータレプリカーゼも、本発明のさらに別の増幅法として使
用し得る。この方法では、標的の領域に対して相補的な領域を有するRNAの複
製配列を、RNAポリメラーゼの存在下でサンプルに加える。ポリメラーゼは、
複製配列をコピーし、これを次いで検出できる。
【0154】 制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼを使用して、制限部位の一方の鎖にヌ
クレオチド5'−[α−チオ]−3リン酸を含む標的分子の増幅を達成する、等
温増幅法も、本発明の核酸の増幅に有用であり得る。
【0155】 鎖置換増幅(SDA)は、複数回の鎖置換および合成、すなわちニックトラン
スレーションを含む、核酸の等温増幅を実施する別の方法である。修復連鎖反応
(RCR)と呼ばれる類似法は、増幅に標的化した領域を通じて数個のプローブ
をアニールさせ、次いで、4つ中2つの塩基しか存在しない修復反応を行うこと
を含む。他の2つの塩基は、容易に検出するために、ビオチン化誘導体として添
加できる。類似アプローチがSDAで使用される。標的特異的配列はまた、環状
プローブ反応(CPR)を使用して検出できる。CPRでは、非特異的DNAの
3'および5'配列および特異的RNAの中間配列を有するプローブを、サンプル
中に存在するDNAにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション時に、反
応液をRNaseHで処理し、プローブの産物を、消化後に放出された別個の産
物として同定する。最初の鋳型を別のサイクリングプローブにアニールし、反応
を反復する。
【0156】 GB出願第2202328号およびPCT出願PCT/US89/01025
(その各々のその全体を本明細書に参照することにより組み込む)に記載のさら
に別の増幅法を、本発明に従って使用し得る。前者の出願では、「修飾」プライ
マーを、PCRTM様、鋳型依存的合成、および酵素依存的合成に使用する。プ
ライマーは、捕獲部分(例えばビオチン)および/または検出部分(例えば酵素
)で標識することにより修飾し得る。後者の出願では、過剰の標識プローブをサ
ンプルに加える。標的配列の存在下、プローブは結合し、触媒的に切断される。
切断後、標的配列は、過剰のプローブに結合して無傷で放出される。標識プロー
ブの切断は、標的配列の存在を伝える。
【0157】 他の核酸増幅手順は、核酸をベースとした増幅(NASBA)および3SR(
Gingerasら、PCT出願WO88/10315、本明細書に参照するこ
とにより組み込む)を含む、転写をベースとした増幅系(TAS)を含む。NA
SBAでは、核酸は、標準的なフェノール/クロロホルム抽出、臨床サンプルの
熱変性、溶解緩衝液での処理、DNAおよびRNAの単離用のミニスピンカラム
またはRNAの塩化グアニジニウム抽出により、増幅用に調製できる。これらの
増幅技術は、標的特異的配列を有するプライマーのアニーリングを含む。重合後
、DNA/RNAハイブリッドを、RNaseHで消化し、一方、二本鎖DNA
分子は再度熱変性する。どちらの場合でも、一本鎖DNAは、第二の標的特異的
プライマーの添加、その後の重合により完全に二本鎖となる。次いで、二本鎖D
NA分子は、T7またはSP6などのRNAポリメラーゼにより複数回転写され
る。等温サイクリック反応では、RNAは一本鎖DNAに逆転写され、次いで二
本鎖DNAに変換され、次いで、T7またはSP6などのRNAポリメラーゼで
再度転写される。得られた産物は、切断短縮であれ完全であれ、標的特異的配列
を示す。
【0158】 Daveyら、EPA329822号(その全体を本明細書に参照することに
より組み込む)は、本発明に従って使用し得る、一本鎖RNA(「ssRNA」
)、ssDNA、および二本鎖DNA(dsDNA)を循環的に合成することを
含む、核酸増幅プロセスを開示する。ssRNAは、最初のプライマーオリゴヌ
クレオチドの鋳型であり、これは逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ
)により伸長される。次いで、RNAは、リボヌクレアーゼH(RNaseH、
DNAまたはRNAのいずれかと二重鎖であるRNAに特異的なRNase)の
作用により生じたDNA:RNA二重鎖から除去される。得られたssDNAは
、第二のプライマーの鋳型であり、これはまた、鋳型に相同な5'にRNAポリ
メラーゼプロモーター(例えばT7RNAポリメラーゼ)の配列を含む。次いで
、このプライマーは、DNAポリメラーゼ(例えば大腸菌DNAポリメラーゼI
の大「クレノウ」断片)により伸長され、プライマー間の最初のRNAの配列と
同一な配列を有し、一端にプロモーター配列をさらに有する、二本鎖DNA(「
dsDNA」)分子が得られる。このプロモーター配列は、適切なRNAポリメ
ラーゼにより使用され、DNAの多くのRNAコピーを作成できる。次いで、こ
れらのコピーはサイクルに再度入り、非常に迅速な増幅をもたらす。適切な酵素
に選択により、この増幅は、各サイクルで酵素を添加せずに、等温的に実施でき
る。このプロセスの循環性質から、開始配列を、DNAまたはRNAの形かを選
択できる。
【0159】 Millerら、PCT出願WO89/06700(その全体を本明細書に参
照することにより組み込む)は、標的一本鎖DNA(「ssDNA」)へのプロ
モーター/プライマー配列のハイブリダイゼーション、次いで、配列の多くのR
NAコピーの転写をベースとした、核酸配列増幅スキームを開示する。このスキ
ームは循環ではない、すなわち、新規鋳型は、得られたRNA転写物から産生さ
れない。他の増幅法は、「RACE」および「片側PCRTM」を含む(Fro
hman、1990、本明細書に参照することにより組み込む)。
【0160】 得られた「ジ−オリゴヌクレオチド」の配列を有する核酸の存在下での2つ(
またはそれ以上)のオリゴヌクレオチドのライゲーション、それによるジ−オリ
ゴヌクレオチドの増幅をベースとした方法も、増幅段階に使用し得る。
【0161】 任意の増幅後、特異的増幅が生じたかどうかを決定する目的で、鋳型および過
剰のプライマーから増幅産物を分離することが望ましくあり得る。1つの実施形
態において、増幅産物は、アガロース、アガロース−アクリルアミドまたはポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により標準的な方法(Sambrookら、198
9)を使用して分離する。
【0162】 別に、クロマトグラフィー技術を使用して分離を行ってもよい。本発明に使用
し得る多くの種類のクロマトグラフィーが存在する:吸着、分配、イオン交換お
よびモレキュラーシーブ、および、カラム、ペーパー、薄層およびガスクロマト
グラフィーを含むそれらを使用するための多くの特殊技術。
【0163】 増幅産物は、マーカー配列の増幅を確認するために可視化しなければならない
。1つの典型的な可視化法は、臭化エチジウムでのゲルの染色およびUV光下で
の可視化を含む。別に、増幅産物を放射または蛍光定量標識ヌクレオチドで内部
標識する場合、次いで、増幅産物を分離後X線フィルムに露光するか、適切な刺
激スペクトル下で可視化できる。
【0164】 可視化は間接的に達成し得る。増幅産物の分離後、標識された核酸プローブを
増幅マーカー配列と接触させる。プローブは好ましくは発色団にコンジュゲート
するが、放射標識してもよい。別の実施形態において、プローブは、抗体または
ビオチンなどの結合対にコンジュゲートし、結合対の他のメンバーは検出可能な
部分を有する。
【0165】 検出は、標識プローブを用いたサザンブロットおよびハイブリダイゼーション
により得る。サザンブロットに関与する技術は当業者に公知であり、分子プロト
コルに関する多くの標準的な本に見出し得る。Sambrook、1989参照
。簡潔には、増幅産物はゲル電気泳動により分離する。次いで、ゲルをニトロセ
ルロースなどの膜と接触させ、核酸を転写および非共有結合的に結合させる。続
いて、膜を、標的増幅産物とハイブリッドできる、発色団コンジュゲートプロー
ブと共にインキュベートする。検出は、膜のX線フィルムへの露光またはイオン
放射装置による。
【0166】 前記の一例は、米国特許第5,279,721号(参照することにより本明細
書に組み込む)に記載され、これは、自動電気泳動および核酸の転写の装置およ
び方法を開示する。装置により、ゲルを外部で操作することなく、電気泳動およ
びブロッティングが可能となり、本発明に記載の方法の実施に理想的に適してい
る。
【0167】 3.他のアッセイ ゲノムDNA、cDNAまたはRNAサンプル中の変異を正確に検出する遺伝
的スクリーニングの他の方法も、具体的状況に応じて使用し得る。
【0168】 歴史的に、変性勾配ゲル電気泳動(「DGGE」)、制限酵素多形解析、化学
的および酵素的切断法、およびその他を含む、多くの異なる方法が、点変異の検
出に使用されてきた。現在使用されているより一般的な手順は、PCRTM(上
記参照)により増幅された標的領域の直接的シークエンスおよび一本鎖コンフォ
メーション多形解析(「SSCP」)を含む。
【0169】 点変異をスクリーニングする別の方法は、RNA/DNAおよびRNA/RN
Aヘテロ二重鎖における塩基対ミスマッチのRNase切断をベースとする。本
明細書に使用したような「ミスマッチ」なる語は、二本鎖RNA/RNA、RN
A/DNAまたはDNA/DNA分子の1つまたはそれ以上の非対形成または誤
対合ヌクレオチドの領域として定義する。従って、この定義は、挿入/欠失変異
、並びに、単一および複数塩基点変異によるミスマッチを含む。
【0170】 米国特許第4,946,773号は、一本鎖DNAまたはRNA試験サンプル
のRNAプローブへのアニーリング、およびその後の核酸二重鎖のRNaseA
による処理を含む、RNaseAミスマッチ切断アッセイを記載する。RNas
e切断反応後、RNaseを、タンパク質分解消化および有機抽出により不活性
化し、切断産物を加熱により変性させ、変性ポリアクリルアミドゲル上での電気
泳動により解析する。ミスマッチの検出のために、サイズに従って電気泳動によ
り分離した、RNaseA処理の一本鎖産物を、同じように処理した対照二重鎖
と比較する。対照二重鎖には見られない、より小さな断片(切断産物)を含むサ
ンプルを、陽性として評価する。
【0171】 米国特許第4,946,773号に従って実施するものを含む、現在利用可能
なRNaseミスマッチ切断アッセイは、放射標識RNAプローブの使用を必要
とする。米国特許第4,946,773号のMyersおよびManiatis
は、RNaseAを使用した塩基対ミスマッチの検出を記載する。他の研究者は
、ミスマッチアッセイでの、大腸菌酵素であるRNaseIの使用を記載してい
る。RNaseAよりも広い切断特異性を有するので、RNaseIは、成分が
、非特異的切断の程度を減少させ、ミスマッチの切断頻度を増加させることを見
出し得る場合、塩基対ミスマッチの検出に使用する望ましい酵素である。ミスマ
ッチ検出におけるRNaseIの使用は、プロメガバイオテックによる文献に記
載されている。プロメガは、酵素レベルが十分に高い場合、4つの既知のミスマ
ッチ中3つを切断するとその文献に示されている、RNaseI含有キットを市
販している。
【0172】 RNase保護アッセイは、最初、溶液中の特異的mRNA標的の末端を検出
および位置づけるために使用された。アッセイは、in vitro転写による目的のm
RNAに相補的な高い比活性放射標識RNAプローブを容易に作成できることに
依拠する。当初、in vitro転写の鋳型は、バクテリオファージプロモーターを含
む組換えプラスミドであった。プローブを全細胞RNAサンプルと混合し、その
相補標的へのハイブリダイゼーションを可能とし、次いで、混合物をRNase
で処理して、過剰のハイブリッド非形成プローブを分解する。また、最初に考え
られていたように、使用するRNaseは、一本鎖RNAに特異的であり、よっ
て、ハイブリッドした二本鎖プローブは分解から保護される。RNaseの不活
性化および除去後に、保護プローブ(これは、存在する標的mRNAの量に量的
に比例する)が回収され、ポリアクリルアミドゲル上で解析する。
【0173】 RNase保護アッセイは、一塩基変異の検出に適応した。この型のRNas
eAミスマッチ切断アッセイでは、野生型配列からin vitroで転写された放射標
識RNAプローブは、試験サンプル由来の相補標的領域にハイブリッドする。試
験標的は、一般に、DNA(ゲノムDNAまたはプラスミド中のクローニングに
よりまたはPCRTMにより増幅したDNA)を含むが、RNA標的(内因性m
RNA)が、時折使用される。単一ヌクレオチド(またはより多くの)配列差異
が、ハイブリッドプローブと標的の間に生じ、その位置(「ミスマッチ」)での
ワトソン−クリック水素結合の生じた破壊が、認識でき、ある場合には一本鎖特
異的リボヌクレアーゼにより切断できる。現在までに、RNaseAは、一塩基
ミスマッチの切断にほとんど排他的に使用されているが、RNaseIは、近年
、ミスマッチ切断にも有用であることが示された。一塩基ミスマッチの検出に、
MutSタンパク質および他のDNA修復酵素を使用すると近年記載されている
【0174】 D.変異誘発 部位特異的変異誘発は、根底のDNAの特異的変異誘発を介した、個々のペプ
チド、または生物学的機能等価タンパク質またはペプチドの調製に有用な技術で
ある。技術はさらに、1つまたはそれ以上のヌクレオチド配列変化をDNAに導
入することにより、前記の考慮の1つまたはそれ以上を取り込んで、配列変異形
を調製および試験する能力を提供する。部位特異的変異誘発により、所望の変異
のDNA配列をコードする特異的オリゴヌクレオチド配列、並びに、十分数の隣
接オリゴヌクレオチドの使用による変異体の産生が可能となり、横切る欠失接合
部の両方の側上で安定な二重鎖を形成する、十分なサイズおよび配列複雑性のプ
ライマー配列が提供される。典型的には、約17〜25ヌクレオチド長のプライ
マーが好ましく、配列の接合部の両方の側上の約5〜約10残基が変化する。
【0175】 一般に、部位特異的変異誘発の技術は当分野で公知である。理解されるように
、技術は、典型的には、一本鎖および二本鎖形の両方で存在するバクテリオファ
ージベクターを使用する。部位特異的変異誘発で有用な典型的なベクターは、M
13ファージなどのベクターを含む。これらのファージベクターは市販で入手可
能であり、その使用は一般に当業者には公知である。二本鎖プラスミドも、部位
特異的変異誘発に慣例的に使用され、これにより、目的の遺伝子をファージから
プラスミドに移行する段階が省略される。
【0176】 一般に、部位特異的変異誘発は、最初に、一本鎖ベクターを得るか、またはそ
の配列内に所望のタンパク質をコードするDNA配列を含む二本鎖ベクターの2
つの鎖の融解により実施される。所望の変異配列を有するオリゴヌクレオチドプ
ライマーは、合成的に調製する。次いで、このプライマーを、一本鎖DNA調製
物とアニールさせ、大腸菌ポリメラーゼIクレノウ断片などのDNA重合酵素に
かけて、変異を有する鎖の合成を完了する。従って、ヘテロ二重鎖が形成され、
ここでの1つの鎖は、最初の非変異配列をコードし、第二の鎖は所望の変異を有
する。次いで、このヘテロ二重鎖ベクターを使用して、大腸菌細胞などの適切な
細胞を形質転換し、そして、変異配列配置を有する組換えベクターを含むクロー
ンを選択する。
【0177】 部位特異的変異誘発を使用した選択した遺伝子の配列変異形の調製は、潜在的
に有用な種の産生手段として提供され、制限する意味はなく、遺伝子の配列変異
形が得られ得る他の方法も存在する。例えば、所望の遺伝子をコードする組換え
ベクターを、ヒドロキシルアミンなどの変異原性物質で処理し得、配列変異形が
得られ得る。修飾核酸およびTPOのアミノ酸配列を調製する方法は、米国特許
第5,753,083号、第5,696,250号、第5,641,655号、
第5,795,569号、第5,766,581号および第5,766,897
号に例示され、これはその全体を本明細書に参照することにより組み込む。
【0178】 IV.TPOタンパク質、ポリペプチドおよびペプチド 本発明はまた、精製された、そして好ましい実施形態において、実質的に精製
されたTPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを提供する。本明細書に
使用した「精製TPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド」なる語は、哺
乳動物細胞または組換え宿主細胞から単離可能な、TPOタンパク質性組成物を
意味すると捉えられ、ここでのTPOタンパク質、ポリペプチド、またはペプチ
ドは、その天然で得られる状態に比較して、すなわち細胞抽出物内でのその純度
に比較して、任意の程度まで精製されている。それ故、精製TPOタンパク質、
ポリペプチドまたはペプチドはまた、野生型、または、天然に存在する環境には
存在しない変異TPOタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを意味する。
【0179】 変異トロンボポエチンタンパク質は、全長タンパク質、例えば322アミノ酸
長であり得る。TPOおよび他のサイトカインおよびペプチドホルモンのヌクレ
オチドおよびタンパク質、ポリペプチドおよびペプチド配列は以前に開示され、
国立センターのバイオテクノロジー情報GenbankおよびGenPeptデ
ータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)に
見出し得る。本発明に有用であると考えられるTPOのアミノ酸配列は、Gen
Pept寄託番号AROO4221、AR004220、3986139、39
86137、3986135、533217、533215、P40225、P
49745、P42706、P42705、P40226、I50264、I5
0263、I50262、2351118、971277、577320、JC
4125、I58350、JC4227、S45330、I80105、111
0579、914226、2013345A、1401250、1401248
、1401246、および508541を含むがこれに限定されない。本発明に
有用であると考えられるヒトTPOのアミノ酸配列は、GenPept寄託番号
AROO4221、3986139、3986137、3986135、533
217、533215、P40225、I50264、I50263、2351
118、577320、I80105、914226、1401250、140
1248、および1401246を含むがこれに限定されない。TPOの好まし
いアミノ酸配列は、配列番号2に示す。トロンボポエチンタンパク質、ポリペプ
チドおよびペプチドはまた、全長未満のタンパク質、例えば個々のドメイン、領
域またはさらにはエピトープペプチドでもよい。全長未満のトロンボポエチンタ
ンパク質に関する場合、最も好ましいのは、予測免疫原性部位を含むもの、およ
び、本明細書に同定した機能的ドメインを含むものである。
【0180】 一般に、「精製」は、分画にかけて、様々な非トロンボポエチンタンパク質、
ポリペプチドまたはペプチドを除去した、TPOタンパク質、ポリペプチド、ま
たはペプチド組成物を意味し、その組成物は、例えば、本明細書に下記したよう
なタンパク質トロンボポエチンアッセイにより評価すると、実質的にそのトロン
ボポエチン活性を保持している。
【0181】 「実質的に精製」なる語を使用する場合、これは、TPOタンパク質、ポリペ
プチドまたはペプチドが組成物の主成分を形成している、例えば、組成物中のタ
ンパク質の約50%またはそれ以上を構成している、組成物を意味する。好まし
い実施形態において、実質的に精製されたタンパク質は、組成物中のタンパク質
の60%、70%、80%、90%、95%、99%またはさらにはそれ以上を
構成する。
【0182】 本発明に適用したような「精製して均一に」したペプチド、ポリペプチドまた
はタンパク質は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、ペプチド、ポリ
ペプチドまたはタンパク質が他のタンパク質および生物学的成分を実質的に含ま
ない純度のレベルを有することを意味する。例えば、精製ペプチド、ポリペプチ
ドまたはタンパク質はしばしば、十分に、他のタンパク質成分を含まず、よって
、分解シークエンスを成功裡に実施し得る。
【0183】 トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの精製度を定量す
る様々な方法が、本開示に鑑みて当業者には既知である。これらは、例えば、画
分のトロンボポエチンタンパク質比活性の決定、または、ゲル電気泳動による画
分内のポリペプチドの数の評価を含む。
【0184】 トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを精製するために
、少なくともいくつかのトロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプ
チドを含む天然または組換え組成物を、分画にかけて、組成物から様々な非トロ
ンボポエチン成分を除去する。本明細書の以下に詳述した技術に加えて、タンパ
ク質精製に使用するに適した様々な他の技術が当業者には公知である。これらは
、例えば、硫安沈殿、PEG、抗体等、または熱変性、その後の遠心分離;イオ
ン交換、ゲルろ過、逆相、ヒドロキシルアパタイト、レクチン親和性および他の
アフィニティークロマトグラフィー段階などのクロマトグラフィー段階;等電点
電気泳動;ゲル電気泳動;およびこのようなおよび他の技術の組合せを含む。
【0185】 別の例は、特異的結合対を使用した、トロンボポエチン融合タンパク質の精製
である。かかる精製法は、当分野で慣例的である。本発明がトロンボポエチンタ
ンパク質のDNA配列を提供するので、任意の融合タンパク質精製法をここで実
施できる。これは、トロンボポエチン−グルタチオン−S−トランスフェラーゼ
融合タンパク質の作成、大腸菌での発現、およびグルタチオン−アガロースでの
アフィニティークロマトグラフィーを使用した均一への単離、または、タンパク
質のNまたはC末端でのポリヒスチジンタグの作成、および続くNiアフィニテ
ィークロマトグラフィーを使用した精製により例示される。しかし、TPO D
NAおよびタンパク質が既知であるので、任意の精製法をここで使用できる。
【0186】 ある実施形態での使用には好ましいが、TPOタンパク質、ポリペプチドまた
はペプチドが常にその最も精製した状態で提供される一般的な必要性はない。実
際、あまり実質的に精製されていないTPOタンパク質、ポリペプチドまたはペ
プチド(しかし、トロンボポエチンタンパク質組成物中には、天然状態に比べる
と豊富である)は、ある実施形態において有用性を有すると考えられる。
【0187】 低い程度の相対精製を示す方法は、タンパク質産物の全回収率において、また
は、発現タンパク質の活性の維持に利点を有し得る。不活性産物はまた、ある実
施形態において、例えば、抗体産生を介した抗原性の決定に有用性を有する。
【0188】 V.トロンボポエチンタンパク質に対する抗体 A.エピトープコア配列 トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドの1つ以上の抗原
性決定基に対応するペプチド、すなわち「エピトープコア領域」も調製できる。
かかるペプチドは、一般に、少なくとも5または6アミノ酸残基長であり、好ま
しくは約10、15、20、25または約30アミノ酸残基長であり、約35〜
50残基またはその程度までを含み得る。
【0189】 合成ペプチドは、一般に、約35残基長であり、これはアプライドバイオシス
テムズ(フォスターシティー、CA)から入手可能な機械などの自動ペプチド合
成機械のおよその上限長である。より長いペプチドも、例えば、組換え手段によ
り調製し得る。
【0190】 本明細書に参照することにより組み込む、米国特許第4,554,101号(
Hopp)は、親水性に基づく、一次アミノ酸配列からのエピトープの同定およ
び調製を教義する。Hoppに開示された方法により、当業者は、配列番号2の
TPO配列のような、アミノ酸配列内からエピトープを同定できるだろう。
【0191】 数多くの科学文献が、アミノ酸配列の解析からの、二次構造の予測、およびエ
ピトープの同定に充てられている(ChouおよびFasman、1974a,
b;1978a,b、1979)。米国特許第4,554,101号のHopp
の教義の補充のために、所望であれば、これらの任意を使用し得る。
【0192】 さらに、タンパク質の抗原性部分およびエピトープコア領域を推定するのを補
助するために、コンピュータープログラムが現在利用可能である。例は、Jam
eson−Wolf解析(JamesonおよびWolf、1988;Wolf
ら、1988)に基づいたプログラム、PepPlotTM(Brutlagら
、1990;Weinbergerら、1985)、およびタンパク質三次構造
予測用の他の新規プログラム(FetrowおよびBryant、1993)を
含む。かかる解析を実施できる別の市販で入手可能なソフトウェアプログラムは
MacVector(IBI、ニューヘブン、CT)である。
【0193】 さらなる実施形態において、ポリペプチドの主要な抗原性決定基は、ポリペプ
チドをコードする遺伝子の部分が組換え宿主で発現される経験的なアプローチに
より同定し得、得られたタンパク質を免疫応答の誘発能について試験し得る。例
えば、PCRTMを使用して、タンパク質のC末端の連続的なより長い断片を欠
失した一連のペプチドを調製できる。これらの各ペプチドの免疫活性は、主要抗
原であるポリペプチドの断片またはドメインを同定するために決定する。次いで
、ほんの少数のアミノ酸が各反復で除去されているさらなる研究により、ポリペ
プチドの抗原性決定基の位置を、より正確に決定することができる。
【0194】 ポリペプチドの主要抗原性決定基を決定する別の方法は、SPOTTMシステ
ム(Genosys Biotechnologies,Inc.、The W
oodlands、TX)である。この方法では、重複ペプチドをセルロース膜
上で合成し、合成および脱保護後、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を
使用してスクリーニングする。最初に同定したペプチドの抗原性決定基を、より
大きな重複を有するより小さいペプチドの合成をその後実施することにより、お
よび、免疫反応性ペプチドに沿って各位置の個々のアミノ酸を最終的に置換する
ことによりさらに位置づけることができる。
【0195】 一旦1つまたはそれ以上のかかる解析が完了すれば、1つまたはそれ以上の抗
原性決定基の少なくとも重要な特徴を除去した、ポリペプチドを調製する。次い
で、ペプチドを、本発明の豊富に使用して、TPOを哺乳動物に投与する場合の
抗TPO抗体の産生を減少させる。これらの決定基をコードするミニ遺伝子また
は遺伝子融合物も作成し、標準的な方法により、例えばPCRTMクローニング
法を使用して、発現ベクターに挿入できる。
【0196】 本明細書に使用した「抗体」なる語は、IgG、IgM、IgA、IgDおよ
びIgEなどの任意の免疫原性結合物質を広く意味すると捉えられる。一般に、
IgGおよび/またはIgMが好ましい。なぜなら、それらは、生理学的状況で
最も一般的な抗体であり、それらは実験室の環境で最も容易に作成されるからで
ある。
【0197】 「抗体」なる語は、抗原結合領域を有する任意の抗体様分子を意味するために
使用され、Fab'、Fab、F(ab')、単一ドメイン抗体(DAB)、F
v、scFv(単鎖Fv)等の抗体断片を含む。様々な抗体をベースとした作成
物および断片を調製および使用する技術は当分野で公知である。抗体を調製およ
び特徴づける手段も当分野で公知である(例えば、抗体:実験マニュアル、コー
ルドスプリングハーバーラボラトリー、1988参照;本明細書に参照すること
により組み込む)。
【0198】 A.免疫検出法 一般に、免疫結合法は、トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペ
プチドを含有することが疑われるサンプルを得、そして、場合に応じて、免疫複
合体の形成を可能とするに効果的な条件下で、サンプルを最初の抗TPO抗体と
接触させることを含む。抗原性領域の除去は、TPOに結合することが知られる
抗体への、変化または変異TPO分子の検出可能な結合の欠失により決定し得る
【0199】 これらの方法は、患者のサンプルからの野生型または変異トロンボポエチンタ
ンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの精製に使用したような、野生型または
変異トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの精製法、また
は、組換え発現野生型または変異トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドま
たはペプチドの精製法を含む。これらの場合、抗体は、抗原性野生型または変異
トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド成分をサンプルから
除去する。抗体は、好ましくは、例えばカラムマトリックスの形で、固相支持体
に連結させ、そして、野生型または変異トロンボポエチンタンパク質抗原性成分
を含むことが疑われるサンプルを固定抗体に適用する。望ましくない成分をカラ
ムから洗浄し、固体抗体に免疫複合体形成した抗原が残され、次いで、その野生
型または変異トロンボポエチンタンパク質抗原を、野生型または変異トロンボポ
エチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをカラムから除去することによ
り収集する。
【0200】 免疫結合法はまた、サンプル中の、野生型または変異トロンボポエチンタンパ
ク質反応性成分の量を検出または定量する方法を含み、この方法は、結合プロセ
ス中に形成された任意の免疫複合体の検出または定量を必要とする。ここで、野
生型または変異トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを含
むことが疑われるサンプルを得、サンプルを、野生型または変異トロンボポエチ
ンに対する抗体と接触させ、次いで、特定の条件下で形成された免疫複合体の量
を検出または定量する。
【0201】 選択した生物学的サンプルを抗体と、効果的な条件下、免疫複合体(一次免疫
複合体)の形成を可能とするに十分な時間接触させることは、一般に、抗体組成
物をサンプルに加え、そして混合物を、抗体が、存在する任意のトロンボポエチ
ンタンパク質抗原と免疫複合体を形成する、すなわちそれに結合するに十分な時
間インキュベートすることである。この期間の後、サンプル−抗体組成物、例え
ば組織切片、エリザプレート、ドットブロットまたはウェスタンブロットを、一
般に、洗浄して、全ての非特異的結合抗体種を除去し、一次免疫複合体内に特異
的に結合した抗体のみを検出できるようにする。
【0202】 一般に、免疫複合体の検出は当分野で公知であり、数多くのアプローチの適用
により達成し得る。これらの方法は、一般に、放射活性、蛍光、生物学的または
酵素的タグのいずれかなどの、標識またはマーカーの検出に基づく。かかる標識
の使用に関する米国特許は、第3,817,837号;第3,850,752号
;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号
;第4,275,149号および第4,366,241号を含み、各々、本明細
書に参照することにより組み込む。勿論、当分野で公知の、二次結合リガンド、
例えば二次抗体またはビオチン/アビジンリガンド結合配置の使用によりさらな
る利点を見出し得る。
【0203】 検出に使用するトロンボポエチン抗体はそれ自体、検出可能な標識に連結し得
、ここで、次いで、この標識を簡単に検出し、よって組成物中の一次免疫複合体
の量を決定することが可能となる。別に、一次免疫複合体内に結合するようにな
る第一抗体は、抗体に結合親和性を有する第二結合リガンドを用いて検出し得る
。これらの場合、第二結合リガンドは、検出可能な標識に連結させ得る。第二結
合リガンドはそれ自体しばしば抗体であり、これは、従って「第二」抗体と称さ
れ得る。一次免疫複合体を、標識した二次結合リガンド、すなわち抗体と、効果
的な条件下、二次免疫複合体の形成を可能とするに十分な時間接触させる。次い
で、二次免疫複合体を、一般に、洗浄して、全ての非特異的に結合した標識二次
抗体またはリガンドを除去し、二次免疫複合体中に残っている標識を検出する。
【0204】 さらなる方法は、2段階アプローチによる一次免疫複合体の検出を含む。抗体
に結合親和性を有する、抗体などの二次結合リガンドを使用して、上記のような
二次免疫複合体を形成する。洗浄後、二次免疫複合体を第三結合リガンドすなわ
ち第二抗体に結合親和性を有する抗体と、ここでも効果的な条件下で、免疫複合
体(三次免疫複合体)の形成を可能とするに十分な時間接触させる。第三リガン
ドすなわち抗体を検出可能な標識に連結させ、かくして形成された三次免疫複合
体の検出が可能となる。このシステムは、所望であればシグナル増幅を提供し得
る。
【0205】 1.エリザ(Elisa) 上記したようなイムノアッセイは、最も簡単で直接的な意味において、結合ア
ッセイである。ある好ましいイムノアッセイは、当分野で公知の、様々な種類の
酵素結合イムノソルベントアッセイ(エリザ)およびラジオイムノアッセイ(R
IA)である。組織切片を使用した免疫組織化学的検出も特に有用である。しか
し、検出は、かかる技術に限定されず、ウェスタンブロット、ドットブロット、
FACS解析等も使用し得ると理解される。
【0206】 1つの例示的エリザにおいて、本発明の抗TPO抗体を、ポリスチレンマイク
ロタイタープレート中のウェルなどの、タンパク質親和性を示す選択表面に固定
する。次いで、臨床サンプルなどの、野生型または変異トロンボポエチンタンパ
ク質抗原を含むことが疑われる試験組成物を、ウェルに加える。結合および洗浄
して、非特異的結合免疫複合体を除去した後、結合した野生型または変異トロン
ボポエチンタンパク質抗原を検出し得る。検出は、一般に、検出可能な標識に連
結した、別の抗TPO抗体の添加により達成される。この種類のエリザは、簡単
な「サンドイッチエリザ」である。検出はまた、第二抗TPO抗体の添加、次い
で、第二抗体に結合親和性を有する第三抗体(第三抗体は、検出可能な標識に連
結している)の添加により達成され得る。
【0207】 別の例示的エリザにおいて、野生型または変異トロンボポエチンタンパク質抗
原を含むことが疑われるサンプルを、ウェル表面に固定し、抗TPO抗体と接触
させる。結合および洗浄して、非特異的結合免疫複合体を除去した後、結合した
抗TPO抗体を検出する。最初の抗TPO抗体が検出可能な標識に連結すると、
免疫複合体を直接検出し得る。ここでも、免疫複合体は、第一抗TPO抗体に結
合親和性を有する第二抗体(第二抗体は検出可能な標識に連結している)を使用
して検出し得る。
【0208】 野生型または変異トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド
が固定された別のエリザは、検出における抗体競合の使用に関与する。このエリ
ザでは、野生型または変異トロンボポエチンタンパク質組成物に対する標識抗体
をウェルに加え、結合させ、その標識により検出する。次いで、未知サンプル中
の野生型または変異トロンボポエチンタンパク質抗原の量を、サンプルを、野生
型または変異トロンボポエチンに対する標識抗体と、コーティングウェルと共に
インキュベートする前または最中に、混合することにより決定する。サンプル中
の野生型または変異トロンボポエチンタンパク質の存在は、ウェルへの結合に利
用可能な、野生型または変異トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたは
ペプチドに対する抗体の量を減少させるように作用し、従って最終的シグナルを
減少させる。これはまた、未知サンプル中の野生型または変異トロンボポエチン
タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに対する抗体を検出するのに適切であ
り、ここで、非標識抗体は抗原コーティングウェルに結合し、また、標識抗体へ
の結合に利用可能な抗原の量を減少させる。
【0209】 使用する形式に関係なく、エリザは、コーティング、インキュベートまたは結
合、洗浄して非特異的結合種の除去、および結合免疫複合体の検出などの、共通
のある特徴を有する。これらを下記する。
【0210】 抗原または抗体でプレートをコーティングするにおいて、一般に、プレートの
ウェルを、抗原または抗体の溶液と共に、一晩または特定の時間、インキュベー
トする。次いで、プレートのウェルを洗浄して不完全に吸着した物質を除去する
。次いで、ウェルの全ての残りの利用可能な表面を、試験抗血清に関して抗原的
に中性である、非特異的タンパク質で「コーティング」する。これらは、ウシ血
清アルブミン(BSA)、カゼインおよび乳汁粉末溶液を含む。コーティングに
より、固定表面上の非特異的吸着部位の遮断が可能となり、従って、表面上への
抗血清の非特異的結合により引き起こされるバックグラウンドは減少する。
【0211】 エリザでは、直接的な手順よりも、二次または三次検出手段を使用することが
より慣用的であろう。従って、タンパク質または抗体のウェルへの結合、バック
グラウンドを減少させる非反応性物質でのコーティング、および非結合物質を除
去するための洗浄後、固定表面を、免疫複合体(抗原/抗体)形成に効果的な条
件下で、試験すべき生物学的サンプルと接触させる。次いで、免疫複合体の検出
は、標識二次結合リガンドまたは抗体、または、標識三次抗体または三次結合リ
ガンドと共に二次結合リガンドまたは抗体を必要とする。
【0212】 「免疫複合体(抗原/抗体)形成を可能とするに効果的な条件下」は、条件は
、好ましくは、抗原および抗体を、BSA、ウシγグロブリン(BGG)および
リン酸緩衝食塩水(PBS)/Tweenなどの溶液で希釈することを含むこと
を意味する。これらの添加された物質はまた、非特異的バックグラウンドの減少
を補助する傾向がある。
【0213】 「適切な」条件はまた、インキュベートは、効果的な結合を可能とするに十分
な温度および期間であることを意味する。インキュベート段階は、典型的には、
約1〜2〜4時間またはそのあたりで、好ましくは25℃〜27℃の次元の温度
であるか、または約4℃またはそのあたりで一晩であり得る。
【0214】 エリザでの全インキュベート段階後、接触表面を洗浄して、非複合体形成物質
を除去する。好ましい洗浄手順は、PBS/Tween、またはホウ酸緩衝液な
どの溶液での洗浄を含む。試験サンプルと最初に結合した物質の間の特異的免疫
複合体の形成、およびその後の洗浄後、ほんの僅かな量の免疫複合体の存在も決
定し得る。
【0215】 検出手段を提供するために、第二または第三抗体は、検出を可能とする会合標
識を有する。好ましくは、これは、適切な色素生産性基質と共にインキュベート
すると発色する酵素である。従って、例えば、第一または第二免疫複合体を、ウ
レアーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたは水素ペルオ
キシダーゼ−コンジュゲート抗体と、さらなる免疫複合体形成の発達に好ましい
期間および条件下で、接触およびインキュベートすることが望ましい(例えば、
PBS−TweenなどのPBS含有溶液中で2時間室温でインキュベート)。
【0216】 標識抗体と共にインキュベート、および続いて洗浄して非結合物質を除去した
後、標識の量を、例えば、尿素およびブロモクレゾール紫または2,2'−アジ
ノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)および
酵素標識としてペルオキシダーゼの場合Hなどの色素生産性基質と共にイ
ンキュベートすることにより、定量する。次いで、定量は、例えば、可視スペク
トル分光光度計を使用して、発色の程度を測定することにより達成される。
【0217】 VI.生物学的機能等価体 修飾および変化を、トロンボポエチン遺伝子およびタンパク質の構造になし得
、依然として同様または別様に望ましい特徴を有する分子が得られるので、かか
る生物学的機能等価体も本発明内に包含される。
【0218】 例えば、タンパク質構造中のあるアミノ酸を、例えば、抗体の抗原結合領域、
基質分子または受容体上の結合部位、またはそのようなものなどの、構造におけ
る相互作用結合能力の認め得る減少を伴うことなく、他のアミノ酸と置換し得る
。タンパク質の生物機能活性を定義するのは、タンパク質の相互作用能力の性質
であるので、あるアミノ酸配列置換をタンパク質配列(または、勿論、その根底
のDNAコード配列)に実施し得、それにも関わらず、同様な(アゴニスト)特
性を有するタンパク質が得られる。従って、様々な変化を、トロンボポエチンタ
ンパク質、ポリペプチドまたはペプチド、または根底の核酸の配列に、その生物
学的有用性または活性の認め得る減少を伴うことなく実施し得ることが、発明者
により考えられる。
【0219】 同等に、同じ考察を用いて、対抗する、すなわちアンタゴニスト特性を有する
タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを創製し得る。これは、トロンボポエ
チン変異体または類似体を作成し得る本発明に関連する。例えば、トロンボポエ
チン変異体を作成し、トロンボポエチン活性に重要な残基を同定するために、タ
ンパク質のトロンボポエチン活性について試験し得る。トロンボポエチン変異体
はまた、抗原性がより低いが、依然として血小板新生および/または凍結保存活
性を保持したトロンボポエチン変異体を反映するために合成し得る。
【0220】 機能的等価体に関して、「生物学的機能等価」タンパク質、ポリペプチドまた
はペプチドまたは遺伝子の定義に固有なのは、分子の一定の部分内に実施し得、
依然として許容可能なレベルの等価な生物活性を有する分子が得られる、変化の
数には限界があるという概念であることが当業者によりよく理解される。従って
、生物学的機能等価ペプチドは、本明細書で、ほとんどまたは全てではなく特定
のアミノ酸を置換し得るペプチドとして定義される。
【0221】 特に、より短い長さのペプチドに関する場合、より少ないアミノ酸変化を、あ
るペプチド内で実施すべきであると考えられる。より長いドメインは、中間数の
変化を有する。全長タンパク質は、より多くの変化に最大の耐容性を有する。勿
論、異なる置換基を有する複数の別個のタンパク質/ポリペプチド/ペプチドを
容易に作成し得、本発明に従って使用し得る。
【0222】 ある残基が、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの生物学的または構造
特性に特に重要である場合(例えば、結合領域または活性部位中の残基)、かか
る残基は一般に交換されないだろう。このように、機能的等価体は、本明細書で
、かなりの量のその天然生物活性を維持したペプチドとして定義される。
【0223】 アミノ酸置換は、一般に、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、その
疎水性、親水性、荷電、サイズ等をベースとする。サイズ、形、およびアミノ酸
側鎖置換基の種類の解析により、アルギニン、リジンおよびヒスチジンは全て正
に荷電した残基であり;アラニン、グリシンおよびセリンは全て類似のサイズで
あり;そして、フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは全て一般に
類似した形を有することが判明する。それ故、これらの考慮に基づき、アルギニ
ン、リジンおよびヒスチジン:アラニン、グリシンおよびセリン;およびフェニ
ルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、本明細書で、生物学的機能等価
体として定義される。
【0224】 より定量的な変化を奏効するために、アミノ酸の疎水性親水性指標係数を考慮
し得る。各アミノ酸は、その疎水性および荷電特徴に基づいて、疎水性親水性指
標係数を割当てられ、これらは、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2
);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シス
チン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン
(−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン
(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−
3.2);グルタメート(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパルテー
ト(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアル
ギニン(−4.5)である。
【0225】 タンパク質に相互作用生物機能を付与する上での、疎水性親水性指標アミノ酸
係数の重要性は、一般に、当分野で理解されている(KyteおよびDooli
ttle、1982、本明細書に参照することにより組み込む)。あるアミノ酸
は、類似の疎水性親水性指標係数またはスコアを有する他のアミノ酸で置換し得
、依然として類似の生物活性を有することが知られている。疎水性親水性指標係
数に基づいた変化の作成において、疎水性親水性指標係数が±2内であるアミノ
酸の置換が好ましく、±1内のものが特に好ましく、±0.5内のものがさらに
より特に好ましい。
【0226】 類似アミノ酸の置換は、特に、それにより創製された生物学的機能等価タンパ
ク質、ポリペプチドまたはペプチドが、本発明のある実施形態のような免疫学的
実施形態での使用を目的とする場合、親水性に基づいて効率的に実施できること
が理解される。米国特許第4,554,101号(本明細書に参照することによ
り組み込む)は、その隣接アミノ酸の親水性により支配される、タンパク質の最
大局所平均親水性は、その免疫原性および抗原性、すなわち、タンパク質の生物
学的特性に相関すると記述する。
【0227】 米国特許第4,554,101号に詳述したように、以下の親水性値が、アミ
ノ酸残基に割当てられた:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アス
パルテート(+3.0±1);グルタメート(+3.0±1);セリン(+0.
3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);
トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);
ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);
バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロ
シン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4
)。
【0228】 類似親水性値に基づいた変化の作成において、親水性値が±2内であるアミノ
酸の置換が好ましく、±1内のものが特に好ましく、±0.5内のものがさらに
より特に好ましい。
【0229】 議論はアミノ酸変化から生じた機能的等価ポリペプチドに焦点を当ててきたが
、これらの変化は、遺伝子コードは縮重し、2つまたはそれ以上のコドンが同じ
アミノ酸をコードし得ることも考慮して、コードDNAの変化によっても奏効し
得ることが理解される。アミノ酸およびそのコドンの表は、かかる実施形態に使
用するために、並びに、例えばプローブおよびプライマー等の設計における他の
使用のために本明細書で上記に提示する。
【0230】 本明細書に記載のトロンボポエチンペプチジル化合物に加えて、発明者はまた
、他の立体的に類似の化合物を、ペプチド構造の重要な部分を模倣するように製
剤化し得ることを考える。かかる化合物(ペプチド模倣体と称され得る)は、本
発明のペプチドとして同じように使用し得、従ってこれも機能的等価体である。
【0231】 タンパク質二次構造のエレメントを模倣したある模倣体は、Johnsonら
(1993)に記載されている。ペプチド模倣体の使用の背後の根底の原理は、
タンパク質のペプチド骨格が、分子相互作用、例えば抗体および抗原の分子相互
作用を容易にするように、アミノ酸側鎖を配向するように主に存在することであ
る。従って、ペプチド模倣体は、天然分子に類似した分子相互作用を可能とする
ように設計される。
【0232】 ペプチド模倣体の概念のいくつかの成功裡の適用は、抗原性が高いことが知ら
れる、タンパク質内のβ−ターンの模倣体に焦点を当てている。同様にポリペプ
チド内のβ−ターン構造は、本明細書で議論したようなコンピューターをベース
としたアルゴリズムにより予測できる。一旦ターンの成分アミノ酸が決定される
と、アミノ酸側鎖の必須エレメントに類似した空間配向を達成するように、模倣
体を作成できる。
【0233】 さらなる構造的等価体または模倣体の作成は、当業者に公知のモデリングおよ
び化学設計の技術により達成し得る。受容体モデリングの分野は、現在公知であ
り、かかる方法により、トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドまたはペプ
チドに結合する化学物質を設計し、次いで合成できる。全てのかかる立体的に設
計された作成物は、本発明の範囲内に該当すると理解される。
【0234】 遺伝子コードにより提供される20の「標準的」アミノ酸に加えて、修飾また
は異常アミノ酸も、本発明の使用に考えられる。例示的であり制限的ではない修
飾または異常アミノ酸の表を、本明細書の以下に提供する。
【0235】
【表5】
【0236】 VII.医薬組成物 A.医薬的に許容される担体 水性組成物は、医薬的に許容される担体または水性媒体中に溶解または分散し
た、有効量のトロンボポエチンタンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたはその
ようなものを含む。「医薬的または薬理学的に許容される」なる語句は、適宜、
動物またはヒトに投与した場合に、副作用、アレルギー反応または他の望ましく
ない反応を引き起こさない、分子部分および組成物を意味する。
【0237】 本明細書に使用したような「医薬的に許容される担体」は、任意および全ての
溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤
等を含む。医薬的活性物質におけるかかる媒体および薬剤の使用は、当分野で公
知である。任意の慣用的媒体または薬剤が活性成分と不適合でない限り、治療組
成物における使用が考えられる。補助活性成分も組成物に取込むことができる。
ヒト投与では、調製物は、生物物質標準物質についてFDA局により要求される
、無菌、発熱物質性、全般的安全性および純度標準を満たすべきである。
【0238】 生物学的物質は、十分に透析して、適宜、望ましくない小分子量分子を除去す
るおよび/または所望のベヒクルにより容易に製剤化するために凍結乾燥すべき
である。次いで、活性化合物は、一般に、非経口投与用に製剤化され、例えば、
静脈内、筋肉内、皮下、病巣内、またはさらには腹腔内経路を介した注入用に製
剤化する。活性構成成分または成分としてトロンボポエチン剤を含む水性組成物
の調製は、本開示に鑑みて当業者には公知である。典型的には、かかる組成物は
、液体溶液または懸濁液として注射液として調製でき;注射前の液体の添加によ
る溶液または懸濁液の調製に使用するに適した固体形も調製でき;そして調製物
はまた乳化できる。
【0239】 注射使用に適した医薬形は、無菌水溶液または分散液;ゴマ油、落花生油また
は水性ポリエチレングリコールを含む製剤;および無菌注射溶液または懸濁液の
即時調製用の無菌粉末を含む。全ての場合において、形は無菌でなければならず
、シリンジが容易に使用できる程度に流体でなければならない。製造および保存
の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対
して防御されなければならない。
【0240】 遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロ
キシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合した水中で調製できる。
分散液もグリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびその混合物および油
中で調製できる。普通の保存および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の
増殖を防ぐ保存剤を含む。
【0241】 トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドおよび/またはペプチドは、中性
すなわち塩の形で組成物に製剤化できる。医薬的に許容される塩は、酸付加塩(
タンパク質の遊離アミノ基を用いて形成)を含み、これは、例えば、塩酸または
リン酸などの無機酸、または、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸等の有機酸
を用いて形成される。遊離カルボキシル基を用いて形成される塩はまた、例えば
、水酸化ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または鉄などの無
機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカイ
ン等の有機塩基から得ることができる。活性成分としてペプチド治療薬を使用す
るに関して、米国特許第4,608,251号;第4,601,903号;第4
,599,231号;第4,599,230号;第4,596,792号;およ
び第4,578,770号(各々本明細書に参照することにより組み込む)の技
術を使用し得る。
【0242】 担体はまた、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、
プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、適切なその混
合物、および植物油を含む溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例
えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合、必要な粒子サ
イズの維持により、および界面活性剤の使用により維持できる。微生物の作用の
防御は、様々な抗細菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、
フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によりもたらすことができる。多くの
場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射
組成物の延長吸収は、組成物中に吸収を遅延する物質、例えばモノステアリン酸
アルミニウムおよびゼラチンを使用することによりもたらすことができる。
【0243】 無菌注射溶液は、活性化合物を、必要量、適切な溶媒に、必要であれば上記に
列挙した様々な他の成分と共に取込み、次いで滅菌ろ過することにより調製され
る。一般に、分散液は、様々な無菌活性成分を、基本分散媒体および上記に列挙
した成分からの必要な他の成分を含む、無菌ベヒクルに取込むことにより調製さ
れる。無菌注射溶液の調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製法は、以前に滅菌
ろ過したその溶液から活性成分の粉末と任意の追加の所望の成分を生成する、真
空乾燥および凍結乾燥技術である。直接注射用の、より、または高度に濃縮され
た溶液の調製も考えられ、溶媒としてDMSOの使用が、極めて迅速な浸透、小
領域への高濃度の活性物質の送達をもたらすと考えられる。
【0244】 製剤時に、溶液は、投与製剤に適合性の様式で、および治療に効果的な量で投
与する。製剤は、上記の注射溶液の形などの様々な投与形で容易に投与されるが
、薬物放出カプセル等も使用できる。
【0245】 水溶液での非経口投与では、例えば、溶液は、必要であれば適切に緩衝化し、
液体希釈剤は最初に十分な食塩水またはグルコースで等張にすべきである。これ
らの特定の水溶液は特に、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に適切である
。これに関連して、使用できる無菌水性媒体は、本開示に鑑みて当業者には公知
である。例えば、1用量を、1mlの等張NaCl溶液に溶かし、1000ml
の皮下注入液に加えるか、または提案された注入部位に注射できる(例えば、「
レミントンの医薬科学」第15版、1035〜1038項および1570〜15
80項参照)。投与量のいくらかの変動が、処置する被検者の容態に応じて必然
的に生じる。投与の責任者は、いずれにしても、個々の被検者の適切な用量を決
定する。
【0246】 静脈内または筋肉内注射などの、非経口投与用に製剤化された化合物に加えて
、他の医薬的に許容される形は、例えば、経口投与用の錠剤または他の固体;リ
ポソーム製剤;徐放性カプセル;およびクリームを含む、現在使用されている任
意の他の形を含む。
【0247】 また、鼻腔溶液またはスプレー、エアゾールまたは吸入剤を本発明に使用し得
る。鼻腔溶液は、通常、液滴またはスプレーで鼻腔経路に投与するように設計さ
れた水溶液である。鼻腔溶液は、多くの態様において鼻腔分泌物と類似している
ように調製され、よって通常の線毛作用が維持される。従って、水性鼻腔溶液は
通常、等張性であり、僅かに緩衝化されてpH5.5〜6.5を維持する。さら
に、眼調製物に使用するものと類似した抗微生物保存剤、および必要であれば、
適切な薬物安定化剤を、製剤に含め得る。様々な市販の鼻腔調製物が知られ、例
えば、抗生物質および抗ヒスタミン剤を含み、喘息予防に使用される。
【0248】 他の投与形態に適した追加の製剤は、膣坐剤およびペッサリーを含む。直腸ペ
ッサリーまたは坐剤も使用し得る。坐剤は、通常、直腸、膣または尿道への挿入
に投薬される、様々な重量および形の固体投与形である。挿入後、坐剤は軟らか
くなり、腔液で融解または溶解する。一般に、坐剤では、伝統的な結合剤および
担体は、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドを含み得;か
かる坐剤は、0.5%〜10%、好ましくは1%〜2%の範囲の活性成分を含む
混合物から形成され得る。
【0249】 経口製剤は、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステ
アリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリド、セルロース、炭酸マグネシウム
等の、通常使用される添加剤を含む。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、
丸剤、カプセル剤、持続放出製剤または散剤の形をとる。ある一定の実施形態に
おいて、経口医薬製剤は、不活性希釈剤または同化可能な食用担体を含むか、ま
たは、硬または軟殻ゼラチンカプセルに封入し得るか、または、圧縮して錠剤に
し得るか、または、食事の食物と共に直接取込み得る。経口治療投与では、活性
化合物は、添加剤と共に取込み得、消化可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カ
プセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース等の形で使用し得る。かか
る組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。
組成物および調製物の比率は、勿論、変化し得、簡便には約2〜約75%、また
は好ましくは25〜60%の単位重量であり得る。かかる治療に有用な組成物中
の活性化合物の量は、適切な投与量が得られるものである。
【0250】 錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤等はまた、以下を含み得る:結合剤、例え
ばトラガカントゴム、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン;添加剤、例
えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、馬鈴薯デンプン、ア
ルギン酸等;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えば
スクロース、ラクトースまたはサッカリン、または芳香剤、例えばペパーミント
、冬緑油、またはチェリー芳香を添加し得る。投与単位形がカプセルである場合
、それは、上記の種類の物質に加えて、液体担体を含み得る。様々な他の物質が
、コーティングとして、または投与単位の物理形を別様に修飾するために存在し
得る。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤を、シェラック、糖またはその両方
でコーティングし得る。エリキシルシロップは、活性化合物、甘味剤としてのス
クロース、保存剤としてのメチルおよびプロピルパラベン、ダイおよびチェリー
またはオレンジ芳香などの芳香剤を含み得る。
【0251】 B.リポソームおよびナノカプセル ある実施形態において、リポソームおよび/またはナノ粒子の使用は、トロン
ボポエチンタンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは薬剤、または、野生型お
よびアンチセンスベクターの両方を含む遺伝子療法ベクターの、宿主細胞への導
入に考えられる。リポソームの形成および使用は、一般に、当業者には公知であ
り、下記している。
【0252】 ナノカプセルは、一般に、安定で再現的に化合物を包接できる。細胞内ポリマ
ー過剰添加による副作用を回避するために、かかる超微粒子(約0.1μmのサ
イズ)を、in vivoで分解できるポリマーを使用して設計すべきである。これら
の必要条件を満たす生分解性ポリアルキル−シアノアクリレートナノ粒子が、本
発明での使用に考えられ、かかる粒子は容易に作成し得る。
【0253】 リポソームは、水性媒体中に分散されたリン脂質から形成され、自発的に多重
ラメラ濃縮二重層小胞(多重ラメラ小胞(MLV)とも称される)を形成する。
MLVは、一般に、25nm〜4μmの直径を有する。MLVの超音波処理によ
り、コアに水溶液を含む、200〜500Åの範囲の直径をもつ小さな単ラメラ
小胞(SUV)が形成される。
【0254】 以下の情報も、リポソーム製剤の作成に使用し得る。リン脂質は、脂質対水の
モル比に応じて、水中に分散された場合に、リポソーム以外の様々な構造を形成
できる。低い比では、リポソームが好ましい構造である。リポソームの物理的特
徴は、pH、イオン強度および二価カチオンの存在に依存する。リポソームは、
イオンおよび極性物質に対して低い透過性を示すが、高温では、相転位を受け、
顕著にその透過性を変化させる。相転位は、ゲル状態として知られる、緊密に充
填された秩序ある構造から、液体状態として知られる緩く充填されより秩序の低
い構造への変化を含む。これは、特徴的な相転位温度で起こり、これにより、イ
オン、糖および薬物への透過性は増加する。
【0255】 リポソームは、4つの異なる機序を介して細胞と相互作用する:マクロファー
ジおよび好中球などの網内系の食細胞によるエンドサイトーシス;非特異的な弱
い疎水性または静電力による、または細胞表面成分との特異的相互作用による、
細胞表面への吸着;リポソーム内容物の細胞質への同時放出を伴う、リポソーム
の脂質二重層の形質膜への挿入による形質細胞膜との融合;および、リポソーム
内容物の会合を伴わない、リポソーム脂質の細胞または亜細胞膜への移行または
その逆。リポソーム製剤の変化により、どの機序が作動するかを変化し得るが、
1つ以上が同時に作動する場合もある。
【0256】 C.キット 本発明の治療キットは、トロンボポエチンタンパク質、ポリペプチド、ペプチ
ドおよび/または他のトロンボポエチンエフェクターを含むキットである。キッ
トは、さらに、本発明の方法におけるその使用の説明書、および/または血小板
凍結保存剤を含む。かかるキットは、一般に、適切な容器手段に、医薬的に許容
されるトロンボポエチンタンパク質、ポリペプチドおよび/またはペプチドの製
剤を医薬的に許容される製剤中に含む。キットは、1つの容器手段を有し得るか
、または、各化合物について別個の容器手段を有し得る。
【0257】 キットの成分が1つまたはそれ以上の液体溶液で提供される場合、液体溶液は
水溶液であり、無菌水溶液が特に好ましい。トロンボポエチン組成物はまた、シ
リンジ使用可能な組成物に製剤化し得る。その場合、容器は、それ自体シリンジ
、ピペット、または他のそのような装置であり得、それから、製剤を生体の患部
領域に適用し、動物に注射し、またはさらにはキットの他の成分に適用およびそ
れと混合し得る。
【0258】 しかし、キットの成分は、乾燥粉末(群)として提供してもよい。試薬または
成分が乾燥粉末として提供される場合、粉末は、適切な溶媒の添加により復元で
きる。溶媒はまた、別の容器手段に提供し得ると考えられる。
【0259】 容器手段は、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験チューブ、フラスコ、
瓶、シリンジまたは他の容器手段を含み、それに、トロンボポエチンタンパク質
、ポリペプチド、ペプチドおよび/または他のトロンボポエチンエフェクター製
剤を入れ、好ましくは適切に割当てる。キットはまた、無菌で医薬的に許容され
る緩衝剤または他の希釈剤を含めるための、第二容器手段を含み得る。
【0260】 本発明のキットはまた、典型的には、所望のバイアルを保持する注射または中
空成形プラチック容器などの、市販の厳密に閉じ込めてバイアルを含む手段を含
む。
【0261】 容器の数または種類に関係なく、本発明のキットはまた、最終的なトロンボポ
エチンタンパク質、ポリペプチド、ペプチドおよび/または他のトロンボポエチ
ンエフェクター組成物を注射/投与または動物の生体内に配置するのを補助する
装置を含み得るか、またはそれでパッケージングされ得る。かかる装置は、シリ
ンジ、ピペット、ピンセット、または任意のかかる医学的に認可された送達ベヒ
クルであり得る。
【0262】 以下の例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。以下の実
施例で開示した技術は、本発明の実施によく機能すると発明者により発見された
技術を示し、従って、その実施の好ましい態様を構成すると考えることができる
ことを当業者は理解すべきである。しかし、当業者は、本開示に鑑みて、多くの
変更を、開示した具体的な実施形態に実施でき、依然として同様または類似の結
果が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく得られることを理解する。
【0263】 実施例1 癌患者における1用量の組換えヒトトロンボポエチンによる巨核球および血小
板産生の刺激 近年クローン化された新規サイトカインである組換えヒトトロンボポエチンに
対する造血応答およびその臨床耐容性を評価するために、発明者は、重度の化学
療法誘導血小板減少症の危険性の高い癌患者において、組換えヒトトロンボポエ
チンの第IおよびII相臨床および実験室試験を開始した。この試験は2部に分
けた。I部は、化学療法前に投与したトロンボポエチンを試験し、II部は化学
療法後に投与したトロンボポエチンを試験した。I部の目的(その結果をここで
報告する)は、化学療法前に正常な造血機能を示していた患者における、造血効
果、薬物動態学、およびこの新規薬剤の臨床耐容性を評価することであった。
【0264】 方法 患者 化学療法を受けたことがない肉腫に罹患した患者が、その後の化学療法の適切
な候補であり、速やかな進行性疾病を有さない患者がこの試験に適格であった。
患者は、80またはそれ以上のカルノフスキー動作状態スコア、適切な骨髄(好
中球の絶対数1.5×10/L;血小板数150×10/Lおよび
50×10/L)、適切な腎機能(血清中クレアチニンレベル120μmo
l/L)、および適切な肝機能(アラニンアミノトランスフェラーゼレベル<正
常の3倍;ビリルビンレベル<正常の1.5倍)を有することが必要とされた。
血栓塞栓または出血疾患、顕著な心疾患、または以前の骨盤放射線照射の病歴を
有する患者は除外した。書面によるインフォームドコンセントを、試験施設内の
ガイドラインに従って、試験に入る前に全ての患者から得た。
【0265】 計画 この臨床コホート試験の第I相用量範囲部分中に、トロンボポエチンを、化学
療法の3週間前に、1回の静脈内用量として投与した。試験に入る時に、3人の
患者を、4つの各用量レベル(0.3、0.6、1.2、および2.4μg/k
g(体重))に割当てた。用量限界毒性を示さず、トロンボポエチンに対する中
和抗体を発生しなかった患者が、化学療法後に同じ用量でトロンボポエチンを受
けるのに適格であった。
【0266】 組換えヒトトロンボポエチン この試験に使用したトロンボポエチンは、ジェネンテック社(サウスサンフラ
ンシスコ、カルフォルニア州)により提供された。トロンボポエチンは、遺伝的
に修飾された哺乳動物細胞系で産生され、標準的な技術により精製された、全長
グリコシル化分子である。それは、注射用に希釈剤として保存剤を含まない普通
の食塩水と混合した。
【0267】 臨床および実験室モニタリング 臨床試験の前および最中に、患者を、全病歴;身体的検査;および、白血球百
分率数を含む全血球計算値、血清化学、凝固プロフィル、検尿、トロンボポエチ
ン抗体形成の評価、胸部X線撮影、および心電図検査を含む実験室試験によりモ
ニタリングした。血球数を、最初の5日間は毎日、その後、少なくとも1週間に
3回得た。周辺のスミアを血小板形態について連続的に調べた。血小板数および
血小板の平均サイズ(平均血小板容量)を、64チャネル血小板ヒストグラムか
ら得た。
【0268】 骨髄穿刺および生検を、トロンボポエチン処置の前および1週間後に実施した
。骨髄標本を、最初に、10%中性ホルマリンに固定し、パラフィンに包埋し、
5μm厚の切片に切断し、形態解析用にヘマトキシリン−エオシンでおよびコラ
ーゲン繊維含量解析用に3色マッソンで染色した。骨髄の新鮮で風乾させたスミ
アを、ライトギームザで染色した。骨髄サンプルを、盲検的に全体的な細胞性お
よび形態について調べた。巨核球数を、人為ゾーンまたは小柱を含まない領域で
、10倍の(40×)倍率を選択することにより測定した。巨核球の相対サイズ
を、Magiscanイメージアナリシスシステム(Compix、クランベリ
ー、ペンシルバニア州)を使用して、骨髄穿刺スミアを調べることにより評価し
た。骨髄穿刺液も、骨髄前駆細胞数および周期状態、CD34およびCD41 細胞サブセットの含有量(フローサイトメトリーにより)、および巨核球倍数
性(フローサイトメトリーにより)についてアッセイした。血液サンプルを、造
血前駆細胞数および血小板機能についてアッセイした。
【0269】 薬物動態プロフィル 血清サンプルを、トロンボポエチン投与の前、および2、5、10、60、お
よび90分、および2、4、6、8、10、12、24、48、72、96、お
よび120時間後に収集した。各用量レベルでの濃度−時間プロフィルを、標準
的な薬物動態法を使用することにより評価した。血清トロンボポエチンレベルを
、トロンボポエチンについて酵素結合イムノソルベントアッセイにより定量した
(Emmonsら、1996)。
【0270】 造血前駆細胞アッセイ 低密度骨髄(Vadhan−Rajら、1995)および末梢血細胞(Mur
rayら、1996)を使用した、コロニー形成単位−顆粒球−マクロファージ
(CFU−GM);バースト形成単位−赤血球系(BFU−E);およびコロニ
ー形成単位−顆粒球、赤血球系、マクロファージ、巨核球(CFU−GEMM)
についてのアッセイを、メチルセルロースアッセイを用いて実施した。DNA合
成(細胞周期のS期)における骨髄CFU−GMおよびBFU−Eの比率を、高
い比活性のトリチウム化チミジン自殺技術(Broxmeyerら、1989)
により測定した。コロニー形成単位−巨核球(CFU−MK)およびバースト形
成単位−巨核球(BFU−MK)のアッセイを、フィブリン凝固アッセイ(Br
unoら、1988)を使用して実施した。
【0271】 倍数性解析 巨核球濃縮細胞画分を、パーコール勾配技術を使用することにより骨髄細胞懸
濁液から調製した。倍数性は、低張クエン酸溶液中ヨウ化プロピジウムでの染色
後に(Krishan、1975)、相対DNA含量のフローサイトメトリー測
定により決定した。細胞はまた、抗CD41b(8D9)−FITC(SySt
emix、パロアルト、カリフォルニア州)で染色して、CD41b巨核球上
での開口を可能とした。少なくとも3000のCD41事象が、各サンプルか
ら収集された。倍数性クラスのCD41細胞の比率は、蛍光活性化細胞選別ド
ットプロットから決定した。
【0272】 血小板機能 血小板凝集は、3つのアゴニストに対する応答で測定した:アデノシン二リン
酸(最終濃度、20μg/mL)、コラーゲン(6μg/mL)、およびトロン
ビン(5μg/mL)。標準的な方法を使用した(Rodak、1995)。ア
ゴニストの濃度は、正常な対照からの血液で実施した以前のin vitro試験に基づ
いて選択した。アッセイに使用した装置は、バイオ/データパップ4A(Hor
sham、ペンシルバニア)およびクロノ−ログ560CA(Havertow
n、ペンシルバニア)であった。
【0273】 免疫表現解析 免疫表現解析は、抗CD34(ベクトンディキンソン、サンホセ、カリフォル
ニア州)および抗CD41モノクローナル抗体(イムノテック、ウェストブルッ
ク、メイン州)を使用して、標準的な二色フローサイトメトリー技術(Korb
lingら、1995)により実施した。
【0274】 統計解析 連続的な変数を、ウィルコクソン順位和検定法の使用により比較した。あり得
る用量応答関係の傾向は、用量と結果の間のスペルマン順位相関係数(rSub
S)を使用して評価した。
【0275】 産業規則 トロンボポエチンおよび研究の部分的な基金は、ジェネンテック社により提供
された。試験は、発明者と産業スポンサーの間の共同的努力であった。データ収
集、データ解析、原稿の記載、および原稿の発表の決定は、発明者の管理下にあ
った。原稿は、提出前に、産業スポンサーにより論評された。
【0276】 結果 多様な病歴サブタイプの肉腫に罹患した12人の化学療法未処置患者(男性7
人および女性5人)が、化学療法前のトロンボポエチンを試験する、この第I相
試験の用量範囲部分に入った。全患者が、臨床耐容性およびトロンボポエチンに
対する応答について評価可能であると考えられた。これらの患者の中間年齢は、
42歳(16〜63歳の範囲)であり、中間カルノフスキー動作状態スコアは9
0(80〜100の範囲)であった。4人の患者が、以前に放射線療法を受け、
8人が以前に手術を受けていた。
【0277】 末梢血球数 1用量のトロンボポエチンでの処置は、血小板数の増加(1.3倍〜3.6倍
)に関連していた(基線平均、264×10/L、最大平均、592×10 /L)(P=0.002)。血小板数の増加は、全患者の全用量レベルで見られ
た。データは、各用量で全患者について平均±SEとしてとった。血小板数のピ
ーク応答は、用量関連であり;61%、107%、118%、および212%の
基線からの増加が、それぞれ0.3、0.6、1.2、および2.4μg/kg
用量レベルで見られた(rSubS=0.720、P=0.01)。試験した最
も高い用量レベル(2.4μg/kg)では、血小板数は、処置した患者3人中
2人において、約100万またはそれ以上まで増加した(一方の患者で970×
10/Lおよび他方の患者で1392×10/L)。
【0278】 血小板数の増加は、早くに見られ、患者12人中10人が、4日目までに基線
からの増加を示し(平均増加、1.2倍;P=0.005)、全患者が8日目ま
でに基線からの増加を示した(平均増加、1.8倍;P=0.002)。血小板
数は中間の12日目にピークに達した(10〜15日の範囲)(平均増加、2.
2倍;P=0.002)。最大応答後、血小板数は次第に基線へと下降した。2
1日目までに(化学療法開始前)、血小板数は、特に最大用量レベルで(それら
は1.5倍に増加)基線より依然として高かった。
【0279】 全体的な血小板形態は、処置後、正常のようであった。ピーク血小板数の時に
、平均血小板容量は、基線より僅かに低く(8.5fLに対して7.6fL);
21日目までにそれは基線に近づいた(8.2fL)。
【0280】 血小板機能 トロンボポエチン処置後に得られた血小板が、恒常性に重要な機能を媒介でき
るかどうかを決定するために、3つのアゴニストに応答した血小板凝集試験を、
トロンボポエチン処置(7日目)の前後の患者からおよび正常対照から得られた
血小板で実施した(表6)。血小板凝集に統計的に有意な変化は、アデノシン二
リン酸、コラーゲンおよびトロンビンに応答したトロンボポエチン処置後に基線
または対照サンプルに関連して見られなかった(P>0.2)。
【0281】
【表6】
【0282】 他の造血細胞系統 トロンボポエチン処置後に僅かな上向きの傾向が白血球数に見られたが、数は
正常限界内で維持され;これらの変化は、臨床的に有意ではなかった。同様に、
ヘモグロビン値は、どの用量レベルでも変化しなかった。ヘモグロビンレベルの
小さな全体的減少が、時間につれて見られ(基線平均、13.4±0.4、21
日目に平均、12.8±0.4)、これは、おそらく試験中に頻繁に実施した静
脈切開に関連しただろう。
【0283】 薬理動態 処置前に、内因性血清トロンボポエチンは、患者12人中4人に検出可能であ
った(0.096〜0.24ng/mL)。トロンボポエチン投与後、最初の最
大トロンボポエチン濃度は、用量に比例し、5〜50ng/mLの範囲であった
。データは、1用量レベルあたり、3人の患者について平均±SEとしてとった
。トロンボポエチン濃度は、より高い用量後によりゆっくりと下降した。
【0284】 例えば、6時間目に、平均血清トロンボポエチンレベルは、2.4μg/kg
用量後に50%まで、および0.3μg/kg後に80%まで下降した。より高
い用量(1.2〜2.4μg/kg)の終末血清半減期は、18〜32時間の範
囲であった。全体的に、トロンボポエチンは、静脈内大量瞬時投与後に5〜6日
間循環中に維持された。
【0285】 臨床耐容性 トロンボポエチンでの処置は、全患者がよく耐容し、トロンボポエチンが原因
の有意な副作用はなかった。6人の患者が、その症状記録ダイアリーに時折の軽
度の頭痛を報告したが、これらの頭痛は、トロンボポエチン投与のタイミングに
密接に関連していなかった。試験薬物に関連した局所皮膚反応、骨疼痛、恒常的
症状、体重増加、浮腫、または化学変化は、この期間中に全く見られなかった。
【0286】 抗体解析 トロンボポエチン療法が、トロンボポエチンの造血効果を妨害し得る抗体の発
達に関連しているかをどうかを決定するために、全患者の血清サンプルを1週間
毎にスクリーニングした。試験した患者12人中1人からの、投与後13日目お
よび22日目に得られた血清サンプルは、全長トロンボポエチンに反応性の抗体
について陽性であった。これらの抗体力価は、一過性であり、非中和性であり、
臨床続発症には関連していなかった。
【0287】 骨髄に対する効果 トロンボポエチンに対する造血応答の細胞基礎をより理解するために、発明者
は、前駆細胞の増殖、系統特異性、および成熟のために、トロンボポエチン処置
した前および7日後に、骨髄を調べた。
【0288】 骨髄形態 血小板数の増加は、用量依存的に、骨髄巨核球数の有意な増加に関連し(P=
0.003);最も低い用量レベルでの1.2倍増加から、最も高い用量レベル
での4倍増加までの範囲であった(rSubS=0.867、P<0.001)
。ほとんどの巨核球は正常な形態を示したが、豊富な細胞質および多小葉核をも
つ数個の大きな巨核球が同定された。全体的に、巨核球のサイズは、基線から有
意に増加した(36μmの平均直径[17〜64μmの範囲]から平均44μm
まで[20〜87μmの範囲];P<0.001)。
【0289】 顆粒球および赤血球シリーズは、骨髄、赤血球細胞比または骨髄細胞性に有意
な変化を起こすことなく、正常な成熟を示した(表7)。調べた全ての標本にお
いて、トロンボポエチン処置後に、骨髄コラーゲンには、全く有意な増加は同定
されなかった。
【0290】
【表7】
【0291】 巨核球倍数性解析 トロンボポエチン処置が巨核球成熟に影響を及ぼしたかどうかを決定するため
に、骨髄巨核球倍数性を全用量レベルで評価した。様相倍数性ピークは16Nの
ままであったが、巨核球比率の増加が、全用量レベルで、より低い倍数性クラス
(4Nおよび8NにおいてP<0.001)で見られた。データは、患者につい
て平均±SEとしてとった。処置開始時により高い倍数性分布を示した患者は含
まれなかった。さらに、増加したより高い倍数性レベルへの傾向が、より高い用
量で見られた(64NについてはP=0.06そして128NについてはP=0
.06)。従って、トロンボポエチン処置は、巨核球の増殖およびより未熟な巨
核球の増殖の両方を増強した。
【0292】 骨髄前駆体およびCD34細胞 トロンボポエチンが、前駆体細胞レベルで系統特異的効果を有するかどうかを
決定するために、骨髄前駆細胞頻度を、巨核球(CFU−MKおよびBFU−M
K)、骨髄(CFU−GM)、赤血球(BFU−E)および多分化能(CFU−
GEMM)細胞についてアッセイした。骨髄CFU−MK(2.7倍〜33倍)
の頻度は、調べた患者11人中5人で増加した。有意な増加が、骨髄(1.8倍
;P=0.005)および赤血球(1.7倍;P=0.016)前駆体の成熟サ
ブセット数で見られ、類似の傾向が、骨髄および赤血球前駆体および多分化能前
駆体の成熟サブセットで見られた。S相での骨髄細胞の比率も、基線から有意に
増加した(P=0.013)。データは、試験した全ての患者について平均±S
Eとしてとった。さらに、骨髄CD34(P=0.012)およびCD41 (P=0.002)細胞の比率は、数が平均2倍増加した。
【0293】 前駆体の動員に対する効果 骨髄前駆体の増加が、動員効果に関連しているかどうかを決定するために、末
梢血を前駆細胞についてアッセイした。有意な増加が、骨髄(CFU−GM)、
赤血球(BFU−E)、および骨髄−赤血球(CFU−MIX)細胞の数に見ら
れた。データは、3〜7日に見られた、ピーク応答(平均±SE)としてとった
。個々の患者応答は変動したが、用量依存的傾向が見られた。最も高い用量レベ
ルで、前駆細胞頻度の平均最大増加は、CFU−GMでは5.7倍、BFU−E
では7.8倍、そしてCFU−MIXでは10倍という高さで見られた。
【0294】 議論 発明者の目的は、臨床耐容性および薬物動態を含む、トロンボポエチンのin v
ivoでの生物学的効果を評価すること、および、化学療法を受ける前には正常な
造血機能を有していた癌患者におけるこのサイトカインに対する造血応答の性質
を定義することであった。発明者は、1用量のトロンボポエチンでの処置により
、用量依存的に循環血小板数の顕著な増加がもたらされたことを示す。血小板応
答(1.3倍から3.6倍に増加)が、最も低い用量のトロンボポエチンを受け
たコホートを含む、全患者で見られた。トロンボポエチンに応答して産生された
血小板は、正常な形態外見を有し、様々な刺激に応答して正常な凝集機能を示し
た。従って、この研究により、トロンボポエチンは、ヒトにおいて正常な機能を
もつ血小板の産生の強力な刺激であることが示される。
【0295】 発明者は、これらの患者において、トロンボポエチンに対する造血応答の数個
の興味深い面を観察した。血小板数の増加は、大半の患者で4日目までに見られ
、これは、応答の初期成分は、巨核球成熟増強、血小板放出またはその両方に関
連することを示唆する。血小板数は増加し続けるが、10〜15日でピークに達
する。これにより、応答の第二成分は、巨核球区分の増殖に関連し得ることが示
唆される。最大応答後、血小板数は基線に向けて下降した。しかし、化学療法前
の21日目の血小板数は、特に最も高い用量レベルで、基線数よりも依然として
高く、この試験により、長期生物学的効果が示される。
【0296】 1用量のトロンボポエチン後のこの持続応答は、数個のあり得る機序により説
明できる。第一に、発明者は、トロンボポエチンが、約20〜30時間の延長さ
れた血清半減期を有し、約5〜6日間循環中に維持されることを観察した。さら
に、ピーク血清濃度は、用量に比例し、終末半減期は、より高い用量で延長され
、おそらくこれは、トロンボポエチンクリアランスプロセスの飽和による(受容
体媒介エンドサイトーシスにより血小板で最初に起こると考えられる)(Fie
lderら、1996)。
【0297】 第二の説明は、骨髄レベルでのトロンボポエチンの増殖効果に関連し得る。幾
人かの患者は、巨核球前駆体(CFU−MK)の数に増加を示した。骨髄に対す
るトロンボポエチンの増殖効果も、CD34細胞の比率の2倍増加およびCD
41サブセットの同時2倍増加により示され、これは、巨核球経路に沿った選
択的成熟を反映する。事実、巨核球の数は、用量に比例して増加し、巨核球は正
常な形態を示した。さらに、倍数性解析により、トロンボポエチンの成熟効果が
示されただけでなく、未成熟巨核球サブセットの増殖も示され、これは、増殖効
果に関連し得る。第三に、血小板の寿命は9〜10日間であるので、多くの血小
板の応答は、数日間持続すると期待される。
【0298】 骨髄に対するトロンボポエチンの増殖効果は、巨核球系統に限定されなかった
。有意な増加が、骨髄、赤血球、および多分化能細胞系統の前駆体の頻度に見ら
れた。さらに、S相の前駆体の比率も、トロンボポエチンでの処置後に増加した
。骨髄前駆体に対するトロンボポエチンの多系統刺激物質の効果にも関わらず、
末梢白血球数またはヘマトクリット値に大きな効果は見られなかった。従って、
前駆体レベルでの増殖効果は、主に巨核球経路に沿った分化と共役するようであ
った。
【0299】 骨髄での前駆体プールの増殖にも関わらず、全体的な細胞性は未変化のままで
あり、これはおそらく、末梢血への前駆体の延髄外放出による。臨床効果を示す
造血増殖因子の生物学的特性の1つは、収集でき、用量集中強化または骨髄切除
療法後に再灌流できる造血前駆体の移動能である(Socinskiら、198
8;Sheaら、1992;Bensingerら、1993)。この試験で、
1用量のトロンボポエチンは、多系統の前駆体を強く動員した。前駆細胞の循環
プール中のこの見かけの増加は、さらに、末梢血中の非常に原始的な造血細胞(
CD34/Thy−1/Lin)の数倍増加によりさらに支持された(Mu
rrayら、1996)。
【0300】 トロンボポエチンでの処置は、全患者がよく耐容性を示し;トロンボポエチン
または血小板増多に関連した有意な副作用は見られなかった。他のサイトカイン
と異なり、トロンボポエチンは、発熱、恒常性症状、骨疼痛、炎症症状、液体停
留、または任意の他の毒性に関連していなかった(Smithら、1993;V
adhan−Rajら、1994;Biesmaら、1992;Veldhui
sら、1995;Vahdman−Rajら、1994;Teplerら、19
96)。従って、有意な毒性がないことおよびトロンボポエチンの系統優先的生
物学的効果は、トロンボポエチン能を有する他のサイトカインよりも良好な治療
比を提供し得る。
【0301】 血小板増多症の誘導に関連した1つのあり得る関心は、血栓症の危険性の増加
であり、これは、頻繁に、骨髄増殖疾患の患者に見られる。しかし、形態および
機能的血小板異常の欠如および誘導血小板増多症の一過性性質により、この臨床
設定での危険性は制限され得る。
【0302】 要約すると、この試験により、トロンボポエチンは、ヒトの巨核球形成および
血小板新生の強力な刺激物質であることが示される。1用量として投与したトロ
ンボポエチンは、循環中血小板数の増加を延長した。それは末梢血球数に対する
系統優先的効果を示したが、それは骨髄前駆体細胞レベルで多系統効果を媒介し
、末梢血に多系統の前駆体を動員した。これらの観察は、数個のあり得る分枝を
有する。例えば、骨髄増殖因子の臨床適用の様式に類似した様式で、トロンボポ
エチンは、化学療法誘導血小板減少症を減弱する能力を有する。ここで報告され
た試験により、ピーク血小板応答は、10日から15日に起こることが示される
。従って、化学療法前のトロンボポエチンでの処置は、血小板産生が化学療法後
に再開され、おそらく、化学療法後に投与されたトロンボポエチンによりさらに
増強されるまでの持ち越し期間を提供し得る。
【0303】 第二の興味深い可能性は、1用量の強力な生物学的効果により、末梢幹細胞移
植用に前駆細胞を動員するためだけでなく、アフェレーシス製品として輸血でき
、従って複数のドナーへの曝露に関連した同種免疫化の危険性を潜在的に減少さ
せる血小板を収集するために、患者または正常ドナーにトロンボポエチンを投与
できる。しかし、試験は、正常な造血の混乱していない、小さな限定された肉腫
患者群を含むことに注意すべきである。
【0304】 実施例2 細胞毒性化学療法を受けている患者における、組換えヒトトロンボポエチン(r
hTPO)を用いた1用量療法 背景 集中的な化学放射線療法の前臨床モデルにより、1用量のrhTPOは、血小
板最下点を上昇させ、重度の血小板減少症の期間を短縮することが実証された。
1用量のrhTPOを、化学療法を受けている癌患者に投与した、2つの第I相
試験の中間結果を提示する。
【0305】 患者および方法 両方の試験を、0.3、0.6、または1.2mcg/kgの1回の静脈内瞬
時大量注射後の、rhTPO安全性および血小板応答の評価のために、21日間
の化学療法前期間(サイクル0)で開始した(各試験において1群あたり患者3
人)。次いで、患者は、選択したその後のサイクルにおいて、化学療法後に同じ
用量のrhTPOを受けた。最初の試験個体群は、2つの各々の連続的な化学療
法サイクルにおいて、サルベージチオテパ化学療法(65mg/m2 q28d
)の次の日にrhTPOを受けた進行悪性疾患に罹患した患者から構成された。
第二の試験は、AI化学療法(ドキソルビシン90mg/m2、イフォスファミ
ド10g/m2 q21d)での誘導処置を受けている肉腫に罹患した化学療法
未処置患者を含んだ。サイクル0の後、この試験の患者を、最初の化学療法サイ
クル中にモニタリングし、第二およびその後のサイクル中の化学療法(d5)完
了の次の日に1回のrhTPO注射を受けた。
【0306】 結果 14人の患者が現在までに処置された。rhTPOは十分な耐容性を示し、試
験薬物に起因する重度な副作用は報告されなかった。rhTPOに対する抗体は
観察されなかった。サイクル0で、最も低い(0.3mcg/kg)用量は活性
が弱く、以下に示したようにより高い用量で活性は増加した。
【0307】
【表8】
【0308】 サイクル0中の最大血小板数は、中間日11日(7〜14の範囲)に起こった
。WBCまたはHCTに有意な変化は認められなかった。骨髄のFACS解析に
より、0.6mcg/kg後に、2人中2人の患者に、全cD34+サブセット
の増加が示された。末梢血CD34+細胞の増加も、これらの患者に見られ、こ
れは、TPOが幹細胞移動活性を有し得ることを示唆する。用量増大および化学
療法後の処置が進行中である。
【0309】 結論 これらの第I相試験と共に、1用量のrhTPOの投与は、安全で十分に耐容
性を示すことが示唆される。0.3、0.6および1.2mcg/kgの用量レ
ベルにより血小板新生活性の増加が示される。より高用量レベルでの患者の処置
により、1用量のrhTPOは、集中的な化学療法後に血小板減少症の寛解に効
果があるという仮定を試験する。
【0310】 実施例3 アドリアマイシン(A)およびイフォスファミド(I)を用いた高用量化学療法
(CT)を受けている肉腫患者における、組換えヒトトロンボポエチン(rhT
PO)の第I〜II相調査 AIは、肉腫処置の非常に有効な措置であるが;しかし、骨髄抑制が累積性お
よび多系統である。重度の骨髄抑制の前臨床モデルで、1用量として投与したr
hTPO(ジェネンテック社)は、窪み最下点を上昇させ、重度の血小板減少症
の期間を減少させた。これらの観察に基づき、発明者は、rhTPO単独の第I
〜II相調査およびAI後に耐容性の評価および生物学的効果の調査を開始した
。rhTPOは、AI前(サイクル0)および第二サイクルのAI後(サイクル
2)に、腕A上に1用量として静脈内大量瞬時投与として(0.3、0.6、1
.2、2.4μg/kg)、または腕B上に2用量として(0.3、0.6、1
.2μg/kg×2)投与した。23人の患者がrhTPO(16の腕A、7の
腕B)を受けた。AI前のrhTPOは、血小板数を有意に増加させた(腕A(
n=12)およびB(n=7)においてそれぞれ3.6および4.4倍まで)。
血小板の増加は維持され、中間日12日目にピークに達した。この持続応答は、
1用量のrhTPO後の延長された血清半減期(20〜30時間)に関連してい
た。血小板は、普通の形態および凝集機能を示した。血小板の応答は、BM巨核
球の4倍上昇、CD34+、CD41+細胞サブセットの2倍上昇、並びに、B
M前駆体の頻度およびサイクル率の有意な増加を伴った。さらに、複数の細胞系
統の前駆細胞の移動が観察された。化学療法後のデータ(平均±SEM)は、r
hTPOを受けた19人の患者について以下に示す。
【0311】
【表9】
【0312】 これらのデータにより、rhTPOは、血小板産生延長の強力な刺激であり、
前駆細胞レベルで多系統刺激効果を示すことが示される。
【0313】 実施例4 ヒトにおける骨髄巨核球に対する組換えヒトトロンボポエチン(rhTPO)の
効果 骨髄巨核球(MK)形態に対するrhTPO(ジェネンテック社)のin vivo
での効果を評価するために、発明者は、第I〜II相調査の一部として化学療法
未処置肉腫患者において1用量のrhTPO(0.3〜2.4mcg/kg)を
受けた12人の患者からの骨髄標本を調べた(Vadhan−Raj、1996
)。rhTPOの前および後(7日目)の両方で得られたBM標本を染色し[H
およびE(生検);ライト−ギームザ(穿刺)]、サイズおよび形態における処
置関連変化について調べた。巨核球のサイズは、Magiscanイメージアナ
リシスシステム(Compic、PA)の使用により、骨髄穿刺スミアを調べる
ことにより評価した。明瞭に定められた境界および無傷核および細胞質膜を有す
る25の巨核球を、細胞および核領域について評価した。巨核球の数は、用量関
連的に増加した(P<0.01)。大半の巨核球が豊富な細胞質中で正常に見え
たが、多小葉核が見られた。全体的な巨核球は基線値以上に有意に増加した(平
均直径36μm〜44μm、p<0.001)。細胞および核領域でのデータ(
平均±SEM)およびN/C比を以下に示す。
【0314】
【表10】
【0315】 これらの結果により、1用量として投与したrhTPOは、巨核球の数および
サイズの両方を増加することが実証される。核および細胞領域の両方のサイズが
増加したが、その増加は、細胞質領域でより顕著のようであった。
【0316】 実施例5 癌患者における静脈内投与後の組換えヒトトロンボポエチン(rhTPO)の薬
物動態 rhTPO薬物動態および血小板応答を、第I/II相用量増大臨床試験の一
部として、12人の化学療法未処置肉腫患者(年齢16〜63歳)で試験した(
Vadhan−Raj、1996)。
【0317】 方法 rhTPOは、化学療法の3週間前に、1回の静脈内瞬時大量投与として投与
した。3人の患者を、各用量レベル(0.3、0.6、1.2または2.4μg
/kg)で処置した。血清薬物動態サンプルを、投与後の5日間におよび集めた
。TPO濃度を、TPOの捕獲のために組換えc−mpl受容体を使用するエリ
ザにより測定した。薬物動態解析を、非コンパートメントモデルを使用して実施
した。血小板数を慣例的に21日間測定した。
【0318】 結果 rhTPO投与前に、内因性血清TPOを患者12人中4人に検出した。rh
TPO投与後に、血清TPOは、全ての用量群で5日間検出可能であった。平均
初期最大血清TPOレベル(0.3および2.4μg/kg用量について、それ
ぞれ約5および50ng/mL)により、僅かに血清容量よりも多い、容量60
mL/kgへの初期の分布が反映された。各用量群内で、初期最大TPOレベル
は、より高い基線血小板数を有する患者でより低い傾向があったが、これはおそ
らく血小板へのTPOの初期の結合を反映する。血清TPOレベルは、より低い
用量を受けた患者に比べて、1.2および2.4μg/kg用量を受けた患者で
よりゆっくりと下降した。1.2および2.4μg/kg用量後に推定される最
終血清TPO半減期は、18〜32時間の範囲であった。血小板がTPOを排除
する能力に一致して、各用量レベル内のTPO濃度対時間の曲線下の面積(AU
C)は、より高い基線血小板数を有する患者においてより低かった。血清TPO
クリアランスは、rhTPO用量の増加につれて減少した。血小板数の最大変化
(0.3および2.4μg/kgの用量群について、それぞれ、基線よりも61
%および212%上)は、rhTPO用量におよびTPO AUCに比例した。
血小板数の増加は、4日目という早くに観察され、rhTPO投与後に中間の1
2日目までに(10〜15日の範囲)最大に達した。最大血小板数までの時間は
、rhTPO用量レベルにより影響を受けなかった。血小板は、21日まで幾人
かの患者において上昇を維持した。
【0319】 要約 TPOは、1回の静脈内大量瞬時投与後に少なくとも5日間循環中に維持され
、TPOレベルは下降し約18〜32時間の終末半減期であった。各用量群内で
、TPO最大レベルおよびAUCは、基線血小板数に反比例した。1用量のrh
TPOの静脈内用量は、血小板数の用量比例的増加をもたらし、血小板数は数日
間上昇を維持した。
【0320】 実施例6 組換えヒトトロンボポエチン(RHTPO)は、婦人科悪性疾患に罹患した患
者における、高用量カルボプラチン(C)誘導血小板減少症を減弱する。
【0321】 カルボプラチンは、進行段階のプラチン感受性再発疾病に効果的であるが;し
かし、累積血小板減少症は、頻繁に用量限界性である。前臨床試験で、TPOは
、RT+カルボプラチンにより汎血球減少となったマウスにおける、最下点を減
少させ、血小板(PLT)回復を促進した。この観察に基づき、発明者は、rh
TPO単独の第I〜II相試験およびカルボプラチン(AUC=11)後に耐容
性および生物学的効果の評価を実施した。用量漸増期中に、rhTPOは、1用
量(0.6、1.2、2.4、3.6mcg/kg)としてカルボプラチン前に
、および第二サイクルのカルボプラチン後に4用量を皮下注射により投与した。
用量増量中に、6人の追加の患者が、重度の血小板減少症の二次予防としてのみ
最適の生物学的用量(OBD)でrhTPOを受け、カルボプラチン前のrhT
POは血小板数を有意に増加させ(3.5倍まで、p<0.001)、ピーク効
果は中間の15日目で得られた。血小板応答は、骨髄巨核球および赤血球エレメ
ントの増加を伴った。全用量でrhTPOを受けた22人の患者に関する化学療
法後のデータ(平均±SEM)を以下に示す(表11)。
【0322】
【表11】
【0323】 サイクル−2でOBD(1.2mcg/kg)のrhTPOを受けた11人の
患者において、rhTPOにより、患者の71%に(サイクル−1で患者7人に
対してサイクル−2で患者2人)に血小板輸血の必要性が回避された。rhTP
Oに関連した有意な副作用は全く見られなかった。これらのデータにより、rh
TPOは、カルボプラチン誘導血小板減少症の減弱に効果的であり、二次予防と
して使用した場合に血小板輸血を防ぐことができることが示される。
【0324】 実施例7 肉腫患者における組換えヒトトロンボポエチン(RHTPO)を用いたアドリア
マイシン+イフォスファミドの予備試験 本実施例は、rhTPOとアドリアマイシンおよびイフォスファミド(AI)
の組合せを投与する最適用量スケジュールを決定する方法、および、AI誘導血
小板減少症の減少に提案されたスケジュールでのrhTPOの効力に関する予備
情報を得る方法を記載する。
【0325】 アドリアマイシンおよびイフォスファミドは、肉腫の処置に現在使用されてい
る2つの最も活性のある化学療法剤である。入手可能なデータにより、これらの
両方の薬剤について正の用量応答関係が示唆される。しかし、累積的骨髄抑制は
、しばしば、用量限界的である。rhTPOは、血小板新生の系統優先的調節因
子であり、累積的血小板減少症を減弱し得る。連続的な予備試験およびより近年
の第I〜II相試験の結果により、この措置は、60%以上の応答率で活性であ
ることが示唆される。発明者の試験で使用した用量では(90mg/mアドリ
アマイシンおよび10gm/mイフォスファミド)、累積骨髄抑制以外は、措
置は十分に耐容性を示す。それ故、発明者は、造血毒性を減弱するための造血増
殖因子(G−CSFおよびrhTPO)の使用を調査している。
【0326】 C−Mpl受容体のリガンドであるトロンボポエチン(TPO)が近年精製さ
れ、クローン化された。TPOは、巨核球前駆体の増殖および血小板産生巨核球
へのその成熟を促進することにより、血小板産生の発達の全段階を調節する。前
臨床試験では、TPOの投与により、血小板数は数倍、迅速に上昇する。骨髄抑
制のネズミモデルにおいて、組換えネズミTPOが、カルボプラチンおよび放射
線照射により汎血球減少となったマウスの血小板減少症を抑止するのに効果的で
あることが示された。徹底的な前臨床試験の結果として生じた主要な安全に関す
る懸念は、免疫原性および生じる血小板減少症を含む。
【0327】 組換えヒトTPO(rhTPO)は、現在、骨髄抑制および骨髄切除化学療法
の両方を受けている患者において、数個の第I〜II相臨床試験の試験を受けて
いる。進行中の試験において、1および複数の用量の静脈内rhTPOが安全で
あり、恒常的な毒性(例えば発熱、硬直、低血圧)の証拠がないことが実証され
た。処置した150人以上の被検者の中、rhTPOにおそらく関連すると考え
られる2つの血栓事象(深静脈血栓症)が報告されている。抗TPO抗体が、静
脈内rhTPO処置被検者の10%に観察され;これらの抗体は、一過性であり
、非中和性であった。現在までに、25人以上の被検者が皮下(SC)注射によ
りrhTPOを受け、抗TPO抗体がこれらの10%に観察されている。潜在的
な中和抗体は、5ヶ月間におよびrhTPOの複数回の皮下注射を受けた1人の
被検者に観察され、回復前に血小板減少症の延長を経験した。血小板減少症は、
抗体の存在に起因するのか、または骨髄抑制化学療法の累積効果に起因するのか
は不明である。
【0328】 患者包含基準 試験に含めるためには、患者は以下の基準を満たしていなければならない。患
者は、AIでの処置が指示される、手術不能で局所的に進行し、再発または転移
の危険性の高い、肉腫を有さなければならない。患者の年齢は15〜65歳であ
るべきである(13歳から15歳未満については発明者は慎重となる)。出産可
能な女性は、効果的な避妊の手段を使用していなければならない。患者は、適切
な血液、腎、および肝機能、カルノフスキー動作状態80、およびインフォー
ムドコンセントのサインを有していなければならない。
【0329】 患者排除基準 患者は以下の理由から排除すべきである。患者は、妊娠または授乳中の女性、
患者の処置合併症の危険性を高くする同時罹患容態を有する患者、非制御転移疾
病を有する患者、顕著な心疾患(NYHAクラスIIIまたはIV)、律動異常
、または近年にMIまたは虚血の病歴を有する患者、HBsAG陽性の患者、以
前に化学療法または手術前に造血増殖因子または試験に入る2週間以内にRTの
使用、以前に骨盤放射線照射の病歴、または任意の血小板疾患(ITP、TTP
等)の病歴、出血疾患、または任意の出血の危険性の増加を有していた患者であ
る。
【0330】 処置計画 患者の群を、各5つのスケジュールで処置した。
【0331】
【表12】
【0332】 rhTPOは、静脈内瞬時大量注射により投与する。4日目に、最初のrhT
PO用量の約12時間後に5mcg/kg/日のG−CSFで開始し、ANC 1500/mmとなるまで最下点後に2日連続して続ける。
【0333】 少なくとも安定または応答疾病を有し、過剰な造血毒性(すなわち、>7日間
の間、血小板数<20,000/mmまたは臨床的に意義ある出血に関連した
血小板減少症)のない患者において、rhTPO処置を用いた化学療法を計6サ
イクルまで続けることができる。
【0334】 化学療法サイクルは、ANCが1500/mmに回復し、血小板は10
0,000/mmである場合、3週間毎に反復する。
【0335】 統計学的考察 rhTPOの効力に関する予備情報は、サイクル−1(rhTPO無し)およ
びサイクル−2(rhTPO有り)の間および異なる群間の最下点数および血小
板の回復を比較することにより得られる。作成されたデータを使用して、将来の
第II〜III相臨床試験を設計するのに役立てる。
【0336】 特許評価:(前処置および暫定試験) 患者の病歴、PE、動作状態、各種CBC、血小板、血清化学、電解液、マグ
ネシウム、血清バンク、骨髄穿刺および生検(選択した患者)、胸部X線、腫瘍
処置およびEKGのための放射線学試験を評価する。
【0337】 推定自然増加 自然増加は、約30の評価可能な参加者であると推定される。
【0338】 試験計画 rhTPOの安全性および効力は、AI(アドリアマイシン90mg/m
よびイフォスファミド10gm/m)を受けている肉腫患者で評価した。試験
に参入した79人の患者の中、74人の患者がrhTPOを受けた。rhTPO
が原因の重度の副作用は、この試験で観察されなかった。1用量または2用量と
して化学療法前に投与されたrhTPOは、循環血小板数の用量依存的増加に関
連していた。化学療法後、rhTPOの5つの異なる投与スケジュールを調べた
:化学療法後に1用量(A)、化学療法後に2用量(B)、化学療法後に7用量
(C)、化学療法前に1用量および後に2用量(D)および、化学療法前、最中
およびその後に1用量(F)。Dスケジュール(−1、4および5日目)として
1.2〜2.4mcg/kgの用量で投与したrhTPOは、血小板減少症を減
少させ、血小板回復を加速するようである。しかし、特に免疫無防備状態の患者
においてこの措置を使用する場合には(すなわち、二次予防として、女性患者ま
たは年齢>50歳の患者において)、血小板減少症の減少に均一に効果的ではな
い。
【0339】 試験計画の原理: 最下点はAI措置で早く起こり(すなわち12日目)、rhTPOのピーク効
果も約12日目(10〜15日目)で見られるので、rhTPOの早い投与が役
立ち得る。婦人科悪性疾患に罹患した患者の臨床試験からの発明者の知見により
、4用量のrhTPO(化学療法後の日にはじめて隔日に、または化学療法前に
1用量、化学療法の日に1用量および化学療法後に2用量)が、カルボプラチン
誘導血小板減少症の減少に効果的であることが示される。それ故、発明者は、3
つの僅かに異なるスケジュールにより、3群の患者に、4用量について1.2m
cg/kgで投与したrhTPOの可能性を評価したい:rhTPOを、−3、
−1、4および6日目に(I)、−5、−3、−1、および4日目に(II)、
および−1、4、6、および8日目に(III)。
【0340】 化学療法前または最中に増殖因子を使用する1つのあり得る懸念は、骨髄前駆
細胞が、化学療法投与時に活発に増殖し得、細胞毒性薬物に感受性であり得るこ
とであり得る。前駆細胞増殖動力学に関する発明者の実験室の知見により、rh
TPOの8日後には前駆細胞の増殖速度の有意な増加が示されるが、4日目では
示されないことが示唆される。さらに、発明者は、肉腫および婦人科悪性疾患の
両方における化学療法投与の日の前およびその日のrhTPO投与のスケジュー
ルを評価した。これらのデータにより、化学療法前のrhTPO投与の有害な効
果は明白に示唆されない。安全性の理由から、発明者は、化学療法前に(すなわ
ち−3および−1日目)1用量追加して開始する。このスケジュールが、安全で
、期待されるよりも造血毒性の増加に関連していないようである場合、発明者は
次の群で化学療法前(すなわち−5、−3、および−1日目)にさらに1用量追
加する。
【0341】 臨床アップデート 現在までに21人の患者(18人が評価可能)をこの試験で処置した。rhT
POでの処置は十分に耐容性を示す。造血パラメータの予備解析により、平均血
小板最下点は、3用量のrhTPOを化学療法前に1用量を化学療法後に投与す
るスケジュールにより、サイクル−1よりもサイクル−2でより高いことが示さ
れる。発明者は、以前に、カルボプラチン(AUC=11)のようなより短い措
置では、化学療法後に4用量として投与したrhTPOは、血小板減少症を有意
に減少させることを示した。それ故、発明者は、さらに2つのコホートを処置し
たく、ここでの全4用量のrhTPOは、AI化学療法後(スケジュールIV)
に投与され、全4用量のrhTPOは化学療法前(スケジュールV)に投与する
。これは、全用量のrhTPOを化学療法後に投与することを計画している、第
III相の実行前の有用な情報であろう。
【0342】 背景の薬物情報 rhTPO以外の全ての薬物は、市販で入手できる。rhTPOは、ジェネン
テック社、460ポイント・サン・ブルーノ大通り、サウスサンフランシスコ、
CA94080により、非経口投与用に準備の整った無菌液体として提供される
。各3mLのガラスバイアルの活性化合物は、2mLを含む。rhTPOは、緩
衝溶液中0.1mg/mLで提供される。rhTPOは船で送られ、2℃〜8℃
(35°F〜46°F)の冷蔵下で保存しなければならない。製剤は、保存剤を
含まず、1用量投与のみに適している。明るい光への曝露は避けるべきである。
凍結してはならない。バイアル上にスタンプした有効期限を過ぎて使用してはな
らない。
【0343】 rhTPO調製物および投与 試験を通じて、臨床薬剤師または他の設計した試験スタッフは、基線で測定し
た被検者の体重に基づいてrhTPO注射液を調製する。臨床薬剤師は、被検者
ID番号(および任意の他の同定要素)で標識されたrhTPOのシリンジ、プ
ロトコル番号およびrhTPOの量(mgおよびmL)を試験スタッフに提供す
る。希釈rhTPOの注射は、調製の4時間以内に投与しなければならない。
【0344】 患者包含基準 含まれるためには、患者は、AIでの処置が指示される、手術不能で局所的に
進行し、再発または転移の危険性の高い、肉腫を有するべきである。患者の年齢
は15〜65歳であるべきである(13歳から15歳未満については発明者は慎
重となる)。出産可能な女性は、効果的な避妊の手段を使用していなければなら
ない。患者は、適切な骨髄機能、および好中球絶対数1500/μL、血小板
150,000/μL、およびHgb10gm/dLを有するべきである
。患者は、適切な腎機能、すなわち血清クレアチニン1.5mg%を有するべ
きである。患者は、適切な肝機能、すなわちSGPT<3×正常およびビリルビ
ン<1.5×正常を有するべきである。患者のカルノフスキー動作状態は80
であるべきである。患者は、サインしたインフォームドコンセント形を有するべ
きである。
【0345】 患者排除基準 患者は、妊娠または授乳中の女性である場合に排除される。患者は、患者の処
置合併症の危険性を高くする同時罹患容態を有する場合に排除される。患者は、
CNSに対する非制御転移疾病を有する場合に排除される。顕著な心疾患(NY
HAクラスIIIまたはIV)、律動異常、または近年にMIまたは虚血の病歴
を有する患者は排除される。HBsAG陽性の患者は排除される。患者は、以前
に化学療法または手術前に造血増殖因子または試験に入る2週間以内にRTの使
用、以前に骨盤放射線照射の病歴、または任意の血小板疾患(ITP、TTP等
)の病歴、出血疾患、または任意の出血の危険性の増加を有する場合に排除され
る。
【0346】 処置計画 全患者は、患者データ管理システム(PDMS)に登録される。
【0347】 試験設計 6人の患者の群を、各3つのスケジュールで処置する。
【0348】
【表13】
【0349】
【表14】
【0350】 化学療法 アドリアマイシンは、0〜2日目に、72時間の連続静脈内注射として90m
g/mの用量で投与する。イフォスファミドは、0〜3日目に、2.5g/m /d×4日間(全用量10g/m)で各日3時間かけて投与する。Mesn
a(500mg/mまたはイフォスファミドの用量の20%)を、0日目のイ
フォスファミドの初回用量を用いて3時間かけて静脈内投与し、最終用量のイフ
ォスファミドの24時間後まで、連続注入(1500mg/m/日で計6gm
/m)として維持した。
【0351】 4日目の、最初のrhTPO用量の約12時間後に、5mcg/kg/日のG
−CSFで開始し、ANC1500mmとなるまで最下点後2日間連続して
続ける。さらに、全患者が、5日目から開始して、抗微生物予防としてANCの
回復まで、シプロフロキサシン500mg経口Bl1)を受ける。
【0352】 少なくとも安定または応答疾病を有し、過剰な造血毒性(すなわち、>7日間
の間、血小板数<20,000/mmまたは臨床的に意義ある出血に関連した
血小板減少症)のない患者において、rhTPO処置を用いた化学療法を計6サ
イクルまで続けることができる。化学療法サイクルは、ANCが1,500/
mmまで回復し、血小板が100,000mmである場合、3週間毎に反
復する。患者に、血小板数が<15,000/mmまで下降した場合またはよ
り高いレベルで任意の臨床的に意義ある出血がある場合に、血小板を輸血する。
赤血球輸血は、Hb<8gms/dL、またはより高いレベルで臨床的に指示さ
れる場合に使用する。
【0353】 用量変更 試験のどの被検者にも6サイクルの全用量化学療法を送達するためにあらゆる
試みを行う。表15に列挙した特異的副作用の場合、ドキソルビシンおよび/ま
たはイフォスファミドの注入期間の減少または変化は、以下のパラメータを使用
して、記載したように実施し得る:
【0354】
【表15】
【0355】 さらなる用量減少/変更が必要であれば、被検者は試験から退ける。全ての被
検者を、rhTPOを用いた最後サイクルの最後の日から少なくとも28日間追
跡する。
【0356】 前処置評価 患者を、標準的な病歴および腫瘍測定と身体的検査について評価する。実験室
試験は、各種CBC、血小板数、電解液、マグネシウムおよび化学を含む。胸部
X線、心電図、腫瘍測定のための放射線学的試験、およびTPOに対する抗体を
測定する。
【0357】 試験中の評価 被検者は、安全性、身体所見、および腫瘍応答を試験中に緊密にモニタリング
する。被検者を、試験および追跡期間中に来診毎に副作用について評価する。バ
イタルサインを、各来診時に、並びに各rhTPO投与の前後に測定する。さら
に、各種CBCおよび血小板数の実験室評価を、化学療法前および化学療法後少
なくとも1週間に3回モニタリングする。さらに、ANC<500/μLおよび
血小板数<50,000/μL(約9〜13日目)の場合、毎日カウントを実施
する。化学的には、電解液およびマグネシウムは、各経過の前におよび必要であ
ると推定される頻度で反復する。各サイクル前のTPOに対する抗体を測定する
。選択した患者でのサイクル−2での(基線)より前およびrhTPO投与後の
BM穿刺を実施する。
【0358】 応答および毒性の基準 標準的な肉腫基準を使用する。
【0359】 療法中止の基準 療法は、進行性疾病が初期応答を変化させる場合、または患者が最小2クール
の療法の後に応答しない場合、中止する。療法は、予測不可能、不可逆、または
等級4の非血液学的毒性として定義される許容不可能な毒性が患者に見出される
場合、中止する。療法は、プロトコルの要求または患者の拒絶で患者による服薬
遵守がなされないために中止する。
【0360】 他のパラメータ 約30人の評価可能な患者を処置する。任意の提案したスケジュールでのrh
TPOが、重度の血小板減少症を減弱するか、または一様に輸血必要性を排除す
る場合、公式の第II〜III相プロトコルを作成する。データを集め、試験に
割当てられた研究看護婦によりPDMSに入る。処置または予期されない生命に
危険を及ぼす毒性に明らかに関連した死亡は、直ちに試験主任に報告し、次に、
その人は監視委員会に知らせなければならない。
【0361】 実施例8 アドリアマイシン(A)およびイフォスファミド(I)を用いる高用量の化学
療法(CT)を受けている肉腫患者における、組換えヒトトロンボポエチン(r
hTPO)による血小板減少症のスケジュール依存的減少 アドリアマイシンおよびイフォスファミド(AI)は、肉腫の処置の有効な措
置であるが;しかし、骨髄抑制が累積する。発明者は、以前に、rhTPOは、
高用量のカルボプラチン後に4用量を投与した場合に重度の血小板減少症の減少
に効果的であるが(Blood 90(10):580a、1997)、AI後
に1、2、または7用量を投与した場合には均一に効果的ではない(Vadha
n−Rajら、1996)ことを示した。AIの最下点が早く(〜12日目)、
S相の血小板および前駆体に対するrhTPOのピーク効果は遅いという知見に
より、rhTPOのより早い投与が有利であり得ることが示される。それ故、発
明者は、rhTPOのスケジュールを最適化する臨床試験を開始した。AIの最
初のサイクルは、rhTPOを用いずに投与した。サイクル−2(C−2)では
、rhTPOは、3つのスケジュールで、AIの前(投与前)および後(投与後
)(0〜3日)の両方に、静脈内瞬時大量投与として投与した:−1、4、6、
8日目(S−1)、−3、−1、4、6日目(S−II)、および−5、−3、
−1、4日目(S−III)。化学療法後データ(平均±SEM)を示す:
【0362】
【表16】
【0363】 S−IIIからの患者6人中僅か1人において、血小板最下点は、SIおよび
S−IIの両方の患者6人のうち5人に比べてサイクル−1よりもサイクル−2
において低かった。CTおよび最後のrhTPO用量後のBM前駆細胞アッセイ
により、4人中3人(S−III)、2人中1人(S−II)、および2人中0
人(S−I)の患者にコロニーの存在が示された。これらの試験により、化学療
法に関連したrhTPO投与のタイミングが重要であり、rhTPOでの前投与
が、より長期で(4日間)より早い最下点を引き起こす措置に有益であり得る
ことが示される。
【0364】 実施例9 カルボプラチンを受けている反復性または進行性婦人科悪性疾患に罹患した被
検者に皮下注射を介して投与した組換えヒトトロンボポエチン(rhTPO)の
第I相試験 本実施例は、トロンボポエチンを用いた前臨床動物試験の結果、および実施し
たヒトでの試験に合理的な設計を記載する。
【0365】 前臨床安全性試験の結果により、1および複数用量後に、組換えヒトトロンボ
ポエチン(rhTPO)は、マウス、アカゲザル、およびチンパンジーでの巨核
球および/または循環血小板の数の期待された増加をもたらすことが示される。
マウスでの4週間の試験で、臨床および解剖病理における軽度から中程度の変化
が明らかであり;多くの場合、これらは、血小板数の観察された増加に関連して
いた。アカゲザルおよびチンパンジーでの反復皮下(SC)投与後、血小板に対
する効果とは別の、軽度な血液学的効果が観察されたが、生物学的に有意な効果
を示すとは考えられなかった。
【0366】 アカゲザルでは、rhTPOに対する血小板応答は、投与2週間後にピークに
達したが、連続的投与にも関わらず基線に向けて下降した。またアカゲザルにお
いて、処置の開始5〜8週間後に開始する、血小板数の減少が、1用量の静脈内
/皮下投与の5000μg/kgまたは複数の用量の静脈内/皮下投与の100
0μg/kg後に観察された。この観察に一致して、巨核球形成不全が、500
0μg/kgの用量レベルでの1用量の静脈内または皮下処置の8週間後に数匹
の動物の骨髄に見られた。類似の組織病理学的所見、しかしより重度なものが、
静脈内または皮下投与rhTPO(1000μg/kg)による複数回の処置を
受けているアカゲザルで観察された。
【0367】 血小板数の投与後の減少が、2週間毎日rhTPO(3または50μg/kg
皮下投与)を投与したチンパンジーにも認められたが、その効果は、開始が幾分
遅れ、3μg/kgの用量レベルでは一過性であった。血小板数の有意な増加が
また、8週間の処置を実施しない期間の後、1匹のチンパンジーで3μg/kg
の再投与後に観察され、これは、この動物のrhTPOの薬理作用に対する応答
が、以前の曝露の結果、劇的に減少しなかったことを示す。
【0368】 血小板数の減少の原因は、TPOに対する正の抗体力価に関連するようであり
、これは、血小板値の低い全動物に認められた。1用量試験において、最も低い
投与後血小板値および巨核球形成不全を有するアカゲザルは、最も高い個々の力
価を示した。組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)は、イヌに抗C
SF抗体形成を引き起こすことができ、その結果、内因性イヌG−CSFの中和
が起こり、好中球減少に至ることが以前に報告されている(Hammondら、
1991)。類似の機序が、アカゲザルおよびチンパンジー試験に観察された効
果を説明し得る。TPO特異的IgEが、複数回の投与後にチンパンジーに存在
した。
【0369】 チンパンジーにおけるこれらの知見により、組換えヒトタンパク質に対する免
疫応答およびヒトとチンパンジーTPOの間の相同性の評価における、この種の
推定値に基づいた、ヒトにおける抗体形成および/または投与後血小板数下降の
危険の可能性が示唆される(HobsonおよびFuller、1987)。
【0370】 免疫原性および効力は、CD−1マウスで組換えネズミトロンボポエチン(r
mTPO)を使用して試験でさらに評価した。正常CD−1マウスにおいて、1
4日投与群と比較して、有意に少ないマウスが、1回の皮下投与群において、T
POに対する抗体を発達した。類似レベルの抗TPO抗体が、14日間毎日また
は3日毎に皮下投与を受けている群で観察された。しかし、rmTPOを3日毎
に静脈内投与により受けた群では、僅か2匹のマウスが、抗TPO抗体を31日
目に発達させた。これらの結果により、rmTPO投与の頻度の減少、または静
脈内投与の使用は、組換えTPOの免疫原性を減少させ得ることが示される。別
々の効力試験において、1用量のrmTPOが、マウスモデルにおいて放射線照
射およびカルボプラチンの組合せにより誘導された血小板減少症を減弱させた。
これらの結果により、免疫原性の非存在下での効力の治療窓が存在することが示
唆される。
【0371】 要約すると、rhTPOは、動物に静脈内投与した場合よりも、皮下投与した
場合において、僅かにより免疫原性が高いようである。皮下経路は、ヒトにおい
てより免疫原性が高いかは不明である。前臨床データは、動物における血小板効
果の可逆性の原因、期間、および/または程度に関して限定される。血小板数の
基線以下の減少は、化学療法処置を計画している患者の潜在的に重要な危険であ
ることは明らかである。それ故、血小板減少症に関する具体的な安全計画と緊密
なモニタリングがこの試験で実施される。
【0372】 前臨床薬物動態 rhTPOの静脈内および皮下投与薬物動態が、数個の動物種で研究されてい
る。アカゲザルでの静脈内試験からの血漿TPOプロフィルの薬物動態解析によ
り、血漿から他の組織への分布の限定が示された(律速分布容量62〜66mL
/kg)。低い血漿TPOクリアランス(3.3〜5.4mL/時間/kg)は
、比較的長い終末血漿rhTPO半減期(11〜18時間)に反映される。マウ
スでの組織分布研究からのデータにより、血小板が、TPOの分布およびクリア
ランスに関与し得ることが示された。アカゲザルでの皮下注射後に、〜43%の
用量が吸収され、血漿TPOレベルは〜6時間でピークに達した。皮下注射後の
rhTPOの終末半減期は、13時間であった。薬物動態薬物相互作用は、皮下
投与rhTPOおよび皮下投与G−CSFを毎日14日間アカゲザルに同時投与
した場合に観察されなかった。
【0373】 円錐経験:臨床試験 rhTPOは、いくつかのオープン・ラベル第I相試験での試験を受けた。第
一試験は、1995年10月に開始した。静脈内投与rhTPOを、チオテパを
用いた中程度から高用量の化学療法を受けている被検者において;軟組織肉腫の
ためにドキソルビシンおよびイフォスファミドでの用量集中的な慣用的化学療法
を受けている被検者において;危険性の高い乳癌のための高用量化学療法の前に
、末梢前駆細胞動員を受けている被検者において;および、自己または同種移植
後に血小板回復の遅延を経験している被検者において評価する。
【0374】 rhTPOは、0.3〜2.4μg/kgの用量を通じて十分に耐容性を示し
た。抗体形成が起こったが、中和抗TPO抗体は臨床試験で観察されなかった。
抗TPO抗体は、被検者33人中僅か2人に観察され;これらは非中和性であり
、自発的に回復し、どの臨床的続発症にも関連していなかった。現在の静脈内投
与によるrhTPO投与は、高用量レベルで生物活性を示したが、末梢CFU−
GMおよびBFU−Esの早期動員以外には造血系統に対するどの効果にも関連
していなかった。血栓事象または構成性副作用の兆しは全くなく、用量限界毒性
(DLT)の証拠もなかった。
【0375】 臨床薬物動態 血清TPO濃度は、化学療法前のサイクルおよび再度化学療法サイクル中に、
肉腫または悪性新生物に罹患した被検者へのrhTPOの静脈内大量瞬時注射後
に測定した(rhTPOは、チオテパまたはドキソルビシン/イフォスファミド
の後の日に投与した)。化学療法前のサイクル中に、初期最大TPO濃度(C ax )は、0.3および2.4μg/kg用量の後に、それぞれ〜5から50n
g/mLの範囲で、用量に比例する。これにより、rhTPOは、血漿容量に類
似した初期分布容量(60mL/kg)に分布するようであることが示される。
TPOの見かけの終末消失半減期は〜20から30時間である。TPO濃度−時
間プロフィル下の面積(AUC)は、用量の増加と不相応に増加し、おそらくこ
れは、TPOクリアランスプロセスの用量関連飽和を反映し、これは主に受容体
媒介エンドサイトーシスにより血小板で起こると考えられる。化学療法後に、r
hTPOの初期分布は、化学療法前のサイクル中に観察されたものと類似するが
、見かけの終末半減期は、化学療法サイクル中に延長している。血清TPOのこ
のより遅い終末下降は、内因性血清中TPOの増加を反映し得、この増加は、血
小板減少症の間に観察された。
【0376】 カルボプラチン カルボプラチンは、広域の抗腫瘍活性を有し、卵巣癌、子宮頸癌、胚細胞腫瘍
、中皮腫、小細胞肺癌、膀胱癌、および頭頸部癌の処置に使用される。
【0377】 カルボプラチンは、1600mg/mの用量まで非造血毒性がないので、こ
の試験に適切な化学療法剤である。その主要な毒性は骨髄抑制、特に血小板減少
症である。Ozolsら(Ozolsら、1987)は、サイトカインの支持を
用いずに、高用量のカルボプラチン(800mg/m)で反復性卵巣癌の30
人の患者を処置した。主な応答が患者の27%に見られ;骨髄抑制が、観察され
た最も一般的な毒性であった。Goreら(Goreら、1987)は、160
0mg/mまでの用量を、肺癌および中皮腫患者に送達した。比較的少ない胃
腸、神経、および聴器毒性が観察されたが、かなり顕著な骨髄抑制が見られた。
高用量の場合、カルボプラチンは、用量限界血小板減少症に対するrhTPOの
効果の評価において利用するために適切な化学療法剤である。
【0378】 主目的 この試験の主目的は、カルボプラチンを受けている反復性婦人科悪性疾患に罹
患した被検者に皮下注射を介して投与したrhTPOの、安全性および耐容性を
決定し、薬物動態プロフィルを特徴づけ、そして、免疫原性を決定することであ
った。
【0379】 第二の目的 この試験の第二の目的は、化学療法後の血小板最下点の深さおよび期間に対す
る効果により測定される、薬物動態を評価すること、カルボプラチンを受けてい
る反復性婦人科悪性疾患に罹患した被検者に皮下注射を介して投与したrhTP
Oの、最大耐容用量(MTD)を決定すること、またはMTDがない場合、その
最適生物学的用量(OBD)を決定することであった。
【0380】 試験設計:概論 これは、反復性婦人科悪性疾患患者がその疾病の処置のためにカルボプラチン
を受ける、オープン・ラベルの用量漸増試験である。30人までの被検者がrh
TPOの皮下投与のこの第I相試験に含まれる。3人の被検者が、各6つの用量
レベルに割当てられ、最も低い用量レベルで開始する。一旦OBDが確立される
と、12人の追加の被検者を処置する。6人の被検者が、MTD以下またはOB
Dでの1用量のrhTPOと共にカルボプラチン化学療法を受ける。他の6人の
被検者は、rhTPOを用いずにカルボプラチンを受けるが、多くは、被検者が
血小板減少症(血小板<30,000/μL)を経験する任意のサイクル後のそ
の後のサイクルでrhTPOを受け得る。
【0381】 試験は、14日間のスクリーニング期間、3つの21日間のサイクル、および
28日間の追跡期間に分ける。最初のサイクル(サイクル0)は、1日目、およ
び、用量レベル4、5および6のみに関与する被検者に4日目に投与したrhT
POを有する。第二サイクル(サイクル1)は、1日目のみに投与したカルボプ
ラチン化学療法を有する。第三サイクル(サイクル2)は、1日目に投与したカ
ルボプラチン、2日目に投与したrhTPO、および用量レベル4、5および6
に関与する被検者のみに5日目に投与したrhTPOを有する。28日間の追跡
期間は、サイクル2に続く。
【0382】 MTDまたはOBDが決定されない場合、用量レベル漸増が全6つの用量レベ
ルを通じて進行する。MTDは、以下のいずれかが観察される用量レベルに先行
する用量レベルとして定義される:1用量レベル内で>1/3または2/6の
被検者が、rhTPOに関連し、支持指標により軽減されない、等級3の非造
血活性を発達する;1の被検者が、rhTPOに関連し、支持指標により軽減
されない、等級4の非造血毒性を発達する;1用量レベル内で2/3または 4/6の被検者が、等級3の非造血毒性(軽減に関わらず)を発達するか、ま
たは任意の被検者が中和抗TPO抗体を発達する。
【0383】 OBDは、用量レベル間の比較により、先行用量レベルでの応答に比較して、
血小板応答の傾向がサイクル2中にプラトーになることが示される、用量レベル
として定義される。
【0384】 記載および原理 これは、63日間の試験であり、その後に28日間の追跡期間がある。カルボ
プラチン化学療法から利点が得られるようである適格な被検者に、rhTPOに
よる化学療法の追加サイクルを含む、試験期間と追跡期間の間の任意選択の延長
期間(OEP)を与える。サイクル0での初回rhTPO投与後、抗TPO抗体
レベルのために血清サンプルを1週間毎に得る。
【0385】 全被検者が、最後の周期(その間rhTPOを受ける)の後の少なくとも28
日間、副作用および安全性について評価され続ける。関連血小板減少症と中和抗
TPO抗体形成を有する被検者を、血小板減少症が寛解するまで追跡する。
【0386】 現在までのrhTPOの全ての臨床試験が静脈内投与を含む。この経路は、常
に実践的ではなく、化学療法を受けている患者において、静脈アクセスは常に容
易に確立されるわけではない。現在の試験は、皮下経路により投与されたrhT
POの安全性、耐容性、薬力学、薬物動態、およびあり得る免疫原性を評価する
【0387】 試験概略 a.スクリーニング期間 試験は、14日間のスクリーニング期間が先にある。このスクリーニング期間
中、可能性ある被検者を、適格性について評価し、インフォームドコンセントを
得る。
【0388】 b.試験期間(サイクル0〜2) サイクル0は、最初のrhTPO投与後の最初の21日間からなる。用量レベ
ル1、2および3の被検者は、1日目に1回の皮下注射としてrhTPOを受け
る。用量レベル4、5、および6の被検者は、1および4日目に皮下注射として
rhTPOを受ける。サイクル0の間、被検者は、化学療法を受けず;これによ
り、化学療法非存在下での薬力学およびあり得る抗TPO抗体形成の観察が可能
となる。サイクル0の被検者3人中2人が、血小板応答1,000,000/
μLを有する場合、サイクル0は、その後の被検者において、医学モニターと発
明者の間の議論後に削除し得る。
【0389】 試験の残りは、2つの21日間の化学療法サイクルからなる。サイクル1では
、被検者は、化学療法に対する各被験者の基線血小板応答を確立するために、r
hTPOを含まないカルボプラチン化学療法を受ける。サイクル2では、全被検
者が、rhTPO後にカルボプラチン化学療法を受ける。用量レベル1、2、お
よび3の被検者は、2日目に1回の皮下注射後にrhTPOを受ける。用量レベ
ル4、5、および6の被検者は、2および5日目に皮下注射としてrhTPOを
受ける。サイクル1および2は、それぞれサイクル0および1の開始後21〜3
5日以内に始めなければならない。
【0390】 c.任意延長期間(サイクル36) 試験期間の完了後(サイクル0〜2)、重度の血小板減少症(すなわち>7日
間、血小板数<20,000/μL)を経験せず、中和抗TPO抗体を発達して
いない、安定または応答疾病を有する被検者が、全部で最大6サイクルの間、サ
イクル2のスケジュールに従って、カルボプラチン化学療法およびrhTPOの
21日間のサイクルを受け続けるに適格である。全てのOEPサイクルは、以前
のサイクルの開始後21〜35日以内に始めなければならない。
【0391】 d.追跡期間 被検者は、rhTPOを用いたその最後のサイクル後、さらに28日間追跡さ
れ、その間に、安全性、継続および新規副作用(血小板減少症を含む)、および
あり得る抗TPO抗体形成について評価し続ける。これは追跡期間である。
【0392】 試験終点 以下の変数は、第一試験終点である:副作用の発症率および重度により測定さ
れる、皮下投与したrhTPOの安全性および耐容性;試験フローシート毎に測
定したTPOの連続血清レベル;TPOに対する抗体の形成の発現率。以下の変
数は第二試験終点である:連続的血小板数および化学療法投与後の血小板最下点
の深さおよび期間。
【0393】 安全性評価および追跡 全被検者を、試験の経過中に、副作用について緊密に追跡および観察する。被
検者を各来診時に副作用について評価する。全ての望ましくない医学的出来事お
よび臨床的に意義ある基線からの変化(実験室結果およびバイタルサインを含む
)を副作用と考える。
【0394】 発明者およびその設計者は、以下の基準から全ての副作用を評価する:重度;
NCI一般的毒性等級;疾病との関係;およびrhTPOとの関係。 副作用に関する上記の情報、並びに、開始、回復、rhTPO投与に対する効
果および関連処置を、症例報告形式(CRF)に記録する。全ての副作用は、追
跡期間の終了時に回復の状態を有する。任意の抗TPO抗体関連血小板減少症を
回復まで追跡する。
【0395】 原因に関係なく全ての副作用をCRFに記録する。副作用は、経験した最大強
度で報告する。報告された副作用の重度または頻度が増加する場合、新規事象と
考える。報告された副作用の重度または頻度が減少する場合、完全に回復するま
で継続していると考える。
【0396】 安全性計画 この試験でrhTPO投与に関する主要な安全性問題は、以下の通りである:
中和抗TPO抗体の形成、アナフィラキシーを含むアレルギー反応、および、血
栓事象の危険性の増加を伴うあり得る血小板増多症。 a.抗体形成 この試験の全被検者は、抗TPO抗体試験を1週間毎に受ける。抗TPO抗体
レベルの3つの血清サンプルを、抗TPO抗体形成の確実な基線の確立を補助す
るために得る。これらのサンプル(基線評価としての2つ、およびサイクル0の
1日目に1つの前投与量)を、互いに少なくとも1日離して得なければならない
。抗TPO抗体形成が検出される場合、追加の試験を実施して、抗TPO抗体が
中和性であるかを決定する。抗TPO抗体が中和性である場合、被検者は、rh
TPOの追加注射を受けない。全被検者が、試験中に頻繁に血小板数を測定する
。血小板減少症に罹患した被検者は、中和抗TPO抗体が存在するかどうかに関
わらず、血小板輸血で支持される。抗TPO抗体が非中和性である場合、その被
検者は、試験を続け、プロトコルに従って追加のrhTPOを受ける。
【0397】 b.アレルギー反応 動物試験におけるIgEを含む、抗TPO抗体の形成により、あり得るアレル
ギー反応の危険性が示唆される。どの動物試験または進行中のヒト試験でもアナ
フィラキシー反応は報告されていないが、再投与の経験は限定される。この試験
に関与する全被検者は、適宜アナフィラキシーに注意して、緊密にモニタリング
される病院環境でrhTPOを受ける。
【0398】 c.血小板増多症 rhTPOの投与は、血小板数の増加をもたらすと期待される。劇的に増加し
た血小板数(血小板増多症)は、血栓の危険性を高め得る。血栓事象の既知の病
歴を有する被検者は、この試験から除外される。追加のrhTPO投与は、医学
モニターと発明者の間の議論後に、血小板数1,000,000/μLの任意
の被検者において中止し得る。被検者が血小板増多症を経験する場合、医学モニ
ターおよび発明者は処置選択肢を議論し、これは血小板アフェレーシスおよび/
またはアスピリン療法を含み得る。
【0399】 d.用量限界毒性 DLTは、以下のいずれかとして定義される:中和抗TPO抗体形成;アナフ
ィラキシー;臨床的に意義ある血栓事象;rhTPOに関連して決定され、支持
指標により軽減されない、等級3の任意の非造血毒性(NCl共通毒性基準を
使用);または、rhTPOに関連すると決定され、支持指標により軽減される
等級3のNCl非造血毒性は、あり得る健康害を示すか、または許容不可能な
毒性であるのでなければ、必ずしも用量限界ではない。
【0400】 e.用量レベル増大 DLTの非存在下で、増大は全ての用量レベルを通じて進行する。用量レベル
1が関与した後、各用量レベルの少なくとも被検者3人中2人が、次の用量レベ
ルが割当てられる前に、rhTPO投与に安全耐容性を示さなければならない。
安全耐容性は、初回rhTPO投与(1日目、サイクル0)後21日以内のDL
Tの非存在として定義される。
【0401】 最初の3回の用量レベルは、1用量措置である。複数用量の措置(用量レベル
4 6)は、全ての1投与措置が安全に耐容性を示すまで、含まれない。1用量
レベルのいずれかがDLTの結果取り除かれる場合、1またはそれ以上の複数用
量レベルを割当て得る。複数用量措置の累積用量は、議論および同意前には、1
用量措置でMTDを超えないことがある。
【0402】 用量および期間 この試験の全ての用量レベルが、有効であると期待される。被検者は、各サイ
クルの(その間にrhTPO投与をスケジュールされる)1回のrhTPOの皮
下注射を受ける。血小板数応答は、7〜10日間以内に起こると期待される。被
検者は、最大6サイクルのrhTPOが可能である。
【0403】 法律および規則の遵守 この試験は、現在の米国食品医薬品局(FDA)優良臨床試験基準(GCP)
、ヘルシンキの宣言、および地方倫理および法律要件に従って実施する。
【0404】 物質および方法 被検者:被検者選択 この試験の可能性ある被検者は、任意の反復性婦人悪性疾患と診断され、カル
ボプラチンが指示される、患者である。被検者は、3つまでの以前の療法を受け
得る。これらの3つの措置に加えて、被検者は、<25%の骨髄産生領域が処置
されている場合、前放射線療法を受け得る。測定可能な疾病が強く推奨されるが
、試験適格性には必要でない。被検者は、化学療法の開始のために少なくとも2
1日間待つことができなければならず、12週間の寿命を有さなければならな
い。
【0405】 包含基準 全ての可能性ある被検者は、この試験に適格であるためには、以下の基準を満
たさなければならない:サインしたインフォームドコンセントを提供することこ
とができる;組織学的または細胞学的に確認された婦人科悪性疾患を有する;1
8〜65歳の年齢である;出産可能な被検者は、サイクル0、1日目の前の7日
間以内の血清妊娠試験が陰性でなければならず、出産可能な全ての被検者は、試
験者の意見では、効果的な避妊の手段を使用していなければならない;カルノフ
スキー動作状態80%;適切な骨髄機能;すなわちWBC数3000/μL
および血小板数150,000/μLおよび450,000/μL、適切な
肝機能、すなわち全ビリルビン1.5mg%およびSGOTまたはSGPT 正常の3倍;適切な腎機能、すなわち血清クレアチニン1.5mg/dLまた
は計算クレアチニンクリアランス60mL/分;および寿命12週間。
【0406】 排除基準 可能性ある被検者を、以下の基準のいずれかを満たす場合にこの試験から排除
する:白血病の病歴または診断;迅速な進行性の疾病;非制御の臨床的に意義あ
る律動異常;妊娠または授乳中の女性である;特発性血小板減少性紫斑病、血栓
性血小板減少性紫斑病、出血体質、または任意の出血の危険性増加を含む任意の
血小板疾患の病歴を有する;顕著な血栓事象の病歴を有する(肺静脈塞栓症およ
び深静脈血栓性静脈炎を含む);サイクル0、1日目の前の6ヶ月以内に、心筋
梗塞、虚血、一過性虚血発作、または脳血管発作の病歴を有する;中枢神経系(
CNS)転移の病歴を有する;以前に3回以上の化学療法措置を受けたことがあ
る;サイクル0、1日目の前の6週間以内に、任意のニトロソ尿素(BCNU、
CCNU)化学療法またはマイトマイシン−Cを使用していた;サイクル0、1
日目の前の2週間以内に、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM−C
SF)またはG−CSFを使用していた;エリスロポエチン(エポゲンTM、プ
ロクリットTM)をサイクル0、1日目の前の4週間以内に使用していた;サイ
クル0、1日目の前の4週間以内に任意の実験薬物を使用していた;サイクル0
、1日目の前の4週間以内に任意の細胞毒性化学療法または免疫療法を使用して
いた;サイクル0、1日目の前の2週間以内に任意の放射線療法を、または以前
に任意の骨盤放射線照射を使用していた;サイクル0、1日目の前の2週間以内
に、線配置を除き、任意の手術手段を使用していた;調査薬物の摂取が禁忌であ
るか、またはこの試験の結果の解釈に影響を及ぼし得る、疾病または容態の妥当
な疑いを与える任意の他の有意な病歴または身体的所見を有する。
【0407】 処置割当の方法 3人の被検者を、表17に同定した6つの各用量レベルに割当てる。用量レベ
ル割当は、用量レベルの上昇順であり、用量レベル1から始める。少なくとも被
検者3人中2人が、その後の用量レベルが割当てられ得る前に、rhTPO投与
に安全耐容性を示さなければならない。計18人の被検者が、用量増大期に関与
する。一旦OBDが確立されると、12人の追加の被検者を処置する。6人の被
検者が、MTD以下またはOBDでの1用量のrhTPOと共にカルボプラチン
化学療法を受ける。他の6人の被検者は、rhTPOを含まないカルボプラチン
を受けるが、被検者が血小板減少症(血小板<30,000/μL)を経験する
任意のサイクル後のその後のサイクルでrhTPOを受け得る。各用量レベルで
2人以下の被検者がサイクル2の22日目の評価を完了した場合、被検者を再配
置する。これはrhTPOのオープンラベル試験であるので、盲検はない。
【0408】 試験処置 被検者は、rhTPOと共に、その疾病の処置のために、カルボプラチン化学
療法を受ける。
【0409】 rhTPO rhTPOは、3mLガラスバイアル中の非経口投与に準備の整った無菌液体
として、ジェネンテック社により提供される。各バイアルは、等張緩衝溶液(p
H7.4)中2mLの0.5mg/mLのrhTPOを送達する。保存剤非含有
正常食塩水が、rhTPOの唯一の適合性の希釈剤および洗い流し溶液である。
製剤は保存剤を含まず、1用量投与のみに適している。
【0410】 a.用量、投与および保存 被検者を、表17に示した用量レベルに割当てる。
【0411】
【表17】
【0412】 用量レベル1、2、および3の被検者は、サイクル0の1日目におよびサイク
ル2の2日目に、1回の皮下注射として、割当てられた用量のrhTPOを受け
る。用量レベル4、5、および6の被検者は、サイクル0の1および4日目およ
びサイクル2の2および5日目に1回の皮下注射としてrhTPOを受ける。被
検者がOEPに参加する場合、サイクル2のようにrhTPOを受ける。追跡期
間中にはrhTPOは投与されない。全てのrhTPO注射を調製し、アナフィ
ラキシーに注意して投与する。rhTPOは船で送られ、2℃〜8℃(35°F
〜46°F)の冷蔵下で保存しなければならない。rhTPOを希釈して、正確
な投与を容易にし得る。
【0413】 b.投与変更 この試験ではrhTPOの用量変更はない。正確な用量は、スクリーニング中
に被検者の実際の体重に基づいて計算する。
【0414】 カルボプラチン化学療法 カルボプラチンは、市販の業者から得る。 a.用量、投与および保存 被検者は、各化学療法サイクルの1日目に1時間かけてカルボプラチン(静脈
内投与)を受ける。実際の用量は、カルベルト式:全用量=標的AUC×(GF
R+25)を使用して、AUC=11として計算する。被検者の最初のコホート
がカルボプラチン処置に十分に耐容性を示す場合(すなわち血小板最下点>10
0,000/μL)、カルボプラチンの用量レベルは増加し得る(例えばAUC
=13)。カルボプラチン化学療法は、試験施設慣行および製造業者のガイドラ
インに従って投与し、製造業者のガイドラインに従って保存しなければならない
【0415】 b.用量変更 造血毒性に起因する化学療法の用量減少はない。被検者が造血毒性を経験する
場合、G−CSFは、その後の化学療法サイクルのあり得る好中球減少を消失す
るのを補助するために臨床的に指示されるように投与され得る。被検者が、サイ
クル2またはそれ以上で、重度の血小板減少症(すなわち、>7日間、血小板最
下点<20,000/μL)を経験する場合、被検者は試験から除き、28日間
の追跡期間に置く。
【0416】 併用療法 併用医薬は、試験期間の28日前から追跡期間の最後の日の間に被検者により
使用された、薬局での任意の処方医薬、または医学療法である。経口避妊薬、ホ
ルモン置換療法、または他の維持療法を使用している被検者は、試験を通して一
貫してその使用を続けることを要請される。全ての併用医薬の使用および療法は
、調査者に報告され、CRFに記録されるべきである。
【0417】 許可医薬 被検者は、排除療法に記載のものを除く、臨床的に指示されるFDA認可医薬
を投与され得る。本実施例で記載した試験で回避すべき(なぜならそれらが血小
板の機能を含む、血液凝固の機能を妨害し得るからである)薬物のリストは、ア
キュプリンTM、アルカセルツァーTM、Arthritis Foundat
ionTM安全コーティングアスピリン錠剤、Arthritis Stren
gth BCTM散剤、アサコールTM遅延放出錠剤、アスピリン(アセチルサ
リチル酸)、アスクリプチンTM、アキソタールTM、アゾドンTM、バイエル TM アスピリン、BCTM散剤、BCTM冷散剤、バファリンTM、カリソプロ
ドールTMおよびアスピリン錠剤、ダマソン−P、ダーボンコンパウンド65 、ジフルニサルTM、ドロビッドTM、エコトリンTM腸溶錠、エンピリン 、エクワジェシック錠剤、エキセドリンTM、フィオリナールTMカプセル剤
、錠剤、およびコデイン含有錠剤、ゲルピリンTM、ハーフプリンTM、ロルタ
ブASATM錠剤、メサラミン、メトカルバモールTMおよびアスピリン錠剤、
モノ−ジェシックTM錠剤、ノルジェシックTM錠剤およびノルジェシックフォ
ルテTM錠剤、パナサール5/500TM、PC−CAPTMプロポキシフェン
ヒドロクロリド化合物、USP、ペンタサTM、ペルコダンTM、ロバキシサー
TM、ロワサTM腸坐剤または浣腸、ロキシプリンTM、サフレックスTM
剤、サリチルサリチル酸(経口)、サルサラート、サルサタブTM錠剤、ソーマ TM 化合物、およびコデイン含有、スルファサラジン、シナルロゴス−DCTM カプセル剤、タルウィンTM化合物、トリリサートTM液剤または錠剤、を含む
サリチレート;アドビルTM、Co−アドビルTMクランプ−エンドTM錠剤、
ジメタップTMサイナスカプセル剤、ハルトランTM、イブプロフェン、イブプ
ロームTM、IBUTM錠剤、モトリンTM、ヌプリンTM、サイン−エイド IB、イブプロフェン含有ヴィックスデイ−クイルTM、を含むイブプロフェ
ン;アリーブTMを含む、ナプロキセンナトリウム;オルディスTMを含むケト
プロフェン;アナプロックスTM、アナプロックスTMDS、アナサイドTM
カタフラムTM、クリノリルTM、ダイプロTM、ジクロフェナク、エトドラッ
ク、フェルデンTM、フェノプロフェン、フルビプロフェン、インドシンTM
インドメタシン、ケトロラック、ロジンTM、メフェナム酸、ナブメトン、ナル
フォンTM錠剤およびナルフォン200TMpuvules、ナプロシンTM
濁液および錠剤、オルバイルTMカプセル剤、ピロキシカム、ポンステルTM
レラフェンTM錠剤、スリンダク、トレクチンTM、トルメチン、トラドール 、ボルタレンTMを含む、他の非ステロイド抗炎症薬(NSAID);クマジ
ン、ジピリダモール、エノキサパリン、ヘパリン(抗凝固療法)、レベノックス TM 、ペルサンチンTM、チクリッドTMおよびチクロピジンを含む他の薬剤を
含む。
【0418】 血小板輸血 予防血小板輸血は、血小板数20,000/μLで、出血のために臨床的に
指示または出血の危険性が知覚される、全被検者に投与し得る。血小板輸血は、
朝の血小板計測および可能であれば薬力学サンプリングの後に投与すべきである
【0419】 排除療法 アスピリンは、血小板増多症の処置に使用しない場合、試験中は許容されない
。非ステロイド抗炎症薬(NSAID)およびアスピリン含有製品は、この試験
中は避けなければならない。疼痛管理は、抗血小板効果を有さないことが知られ
る薬剤を含む。rhTPOおよびG−CSF以外の造血剤も、試験期間中は排除
される。全実験(その適応症についてFDA非認可)薬物の使用が、試験中は避
けなければならない。放射線療法は、認可がなければ試験中には許可されないだ
ろう。
【0420】 試験評価 被検者は、最初のrhTPO投与の前の14日間のスクリーニング期間中に、
適格性について評価する。被検者を、試験期間、OEP(適用可能であれば)、
および追跡期間中に、緊密にモニタリングする。被検者を、各来診時に副作用に
ついて評価する。試験来診の実際の日にちは、被検者の便宜に応じて±2日変動
し得る。表18は、スクリーニングおよび試験評価のフローシートを含む。薬力
学サンプリング時間点を表19に示し、OEPおよび追跡期間評価を表20に示
す。
【0421】
【表18】
【0422】
【表19】
【0423】
【表20】
【0424】 スクリーニングおよび前処置評価 全スクリーニング評価は、特記しない限り、サイクル0の1日目の初回rhT
PO投与前に14日間以内に完了しなければならない。前処置(基線)評価は、
サイクル0の1日目のrhTPO投与前に得られる。
【0425】 a.スクリーニング評価 以下のスクリーニング評価を実施する:インフォームドコンセントにサイン;
個体群統計学および併用医薬使用を含む、過去/現在の病歴;身体的検査;心電
図(サイクル0の1日目の28日以内);胸部X線(サイクル0の1日目の28
日以内);各種CBC、および血小板数;血清化学;および血清妊娠試験(適用
可能である場合)。
【0426】 b.前処置評価(基線) 以下の評価を実施して、基線値を確立する:バイタルサイン、各種CBC、お
よび血小板数;検尿;抗TPO抗体レベル(3つのサンプル、その少なくとも2
つは24時間離れており、1つのサンプルは初回rhTPO投与の5分前);
および骨髄生検および穿刺。
【0427】 処置中の評価 a.サイクル0 サイクル0で、以下の評価を実施する:バイタルサイン(rhTPO投与の前
および1時間後);各種CBC、および血小板数(1〜5日目は毎日、その後、
1週間に少なくとも3回);血清化学(22日目);検尿(22日目);抗TP
O抗体レベル(8;15、および22日目);骨髄生検および穿刺(8日目;追
加の骨髄検査を実施して、前駆細胞動力学を評価し得る);および血清TPOレ
ベル(選択した被検者において)。
【0428】 評価は、1日目のrhTPO投与の前および0.5、1、2、4、6、8、1
0、24、48、72、96、および120時間後に用量レベル1、2および3
で実施する(表19参照)。評価は、1日目のrhTPO投与前に用量レベル4
、5、および6で;4日目のrhTPO投与前および0.5、1、2、4、6、
8、10、24、48、96、および120時間後に実施する(表19参照)。
副作用、医薬変更、および血液製剤使用を記録する。
【0429】 b.サイクル1および2 サイクル0で、以下の評価を実施する:バイタルサイン(rhTPO投与の前
および1時間後);各種CBC、および血小板数(1週間に少なくとも3回;血
小板数が50,000/μLの場合には毎日計数);血清化学(22日目);
抗TPO抗体レベル(1、8、15、22日目);および血清TPOレベル(選
択した被検者において)。
【0430】 評価は、用量レベル1、2、および3で:2日目のrhTPO投与の前および
0.5、1、2、4、6、8、10、24、48、72、96および120時間
後に実施する(サイクル2のみ;表19参照)。評価は、用量レベル4、5およ
び6で:2日目のrhTPO投与の前;5日目のrhTPO投与の前および0.
5、1、2、4、6、8、10、24、72、96、および120時間後に実施
する(表19参照)。
【0431】 腫瘍状態を評価するX線撮影試験(サイクル1の1日目の4週間以内)、副作
用記録、医薬変更、および血液製剤使用を記録する。
【0432】 c.任意延長期間(サイクル3〜6) 評価は、バイタルサイン(前サイクルおよびrhTPO投与の前および1時間
後);各種CBC、および血小板数(1週間に少なくとも3回;血小板数が
0,000/μLの場合毎日計測);血清化学(22日目);抗TPO抗体レベ
ル(1、8、15、および22日目);副作用、医薬変更、および血液製剤使用
について実施する。
【0433】 追跡評価 被検者を、rhTPOを用いてその最後のサイクルを超えて少なくとも28日
間追跡する。被検者はまた、臨床的に指示されるように診察する。抗TPO抗体
関連血小板減少症に罹患した被検者を回復まで追跡する。追跡評価は、以下を含
む:バイタルサイン;症候特異的身体的検査;各種CBC、および血小板数;血
清化学;抗TPO抗体レベル;副作用記録、医薬変更および血液製剤使用。
【0434】 被検者中止 被検者は、試験中のいずれの時点でも試験参加を自由に中止できる。被検者が
試験を中止したいと願えば、早期終了評価のために病院に戻ることを薦められる
べきである。早期終了来診は、そのサイクルの1日目または追跡期間28日目に
スケジュールされた全評価を含む。早期終了来診は、実際に計画された来診日に
できるだけ近くにスケジュールすべきである。
【0435】 被検者は、DLT、中和抗TPO抗体形成、またはサイクル2の終了時での疾
病進行の場合にはrhTPO投与を中止する。被検者がrhTPO投与を中止す
る場合、そのサイクルの全ての規則的にスケジュールされた評価を完了し、追跡
期間を完了することが推奨されるべきである。
【0436】 試験中止 試験を終結する理由は、以下を含み得る:これまたは他の試験での副作用の発
症または重度は、被検者への潜在的な健康の害を示す;被検者関与が不満足であ
る;データ記録が不正確または不完全である。
【0437】 統計学的方法 試験の実施の解析 被検者関与は、用量レベルにより要約される。被検者素質は用量レベルおよび
化学療法サイクルにより作表し;rhTPOまたは試験中止の理由を列挙する。
化学療法およびrhTPO投与も、用量レベルおよびサイクルにより要約する。
投与の遅延の頻度および期間を要約する。プロトコル変動および偏差のlogを
維持し、用量レベルにより要約する。最後に、被検者の個体群統計的および疾病
関連特徴を、用量レベルにより要約し、被検者の比較を評価する。
【0438】 活性解析 試験サンプルのサイズおよび焦点が与えられているので、活性の統計学的解析
は主に記述的なものである。血小板数は、主な目的の薬物動態終点である。血小
板、WBC、および好中球の時間プロフィルを、化学療法サイクルにおよび各被
験者について調製する。基線からの絶対および相対最大血小板変化を、用量レベ
ルに対してグラフに要約し、用量応答を評価する。
【0439】 薬力学解析 血清TPO濃度−時間プロフィルは、サイクル0および2で各被験者について
グラフで提示する。最大の測定血清濃度(Cmax)および最大TPO濃度の時
間(Tmax)は、各プロフィルについて記録する。各プロフィルは、標準的な
薬力学解析法により評価する。計算する薬力学パラメータは、血清TPO濃度−
時間プロフィル下面積(AUC)、平均残留時間(MRTSC)、および血清T
PO濃度下降の半減期を含む。
【0440】 薬力学パラメータは、用量比例性の調査のために6つの用量レベルで比較する
。選択した薬力学パラメータおよび応答測定間の関係を調べる。
【0441】 安全性解析 個体群統計、身体的検査、臨床実験室、および副作用データを作表し、適宜、
用量レベルおよび化学療法サイクルにより要約する。重度の副作用およびNCl
共通毒性基準に従って等級3と分類された毒性の発症には特別な注意を払う。
正常範囲を逸脱した臨床実験値を同定する。1またはそれ以上の用量のrhTP
Oを受けている任意の被検者を、安全性について評価できると考える。
【0442】 TPOに対する抗体の発生を作表し、抗体力価を、用量レベルおよび前のrh
TPO用量の数により要約する。抗体力価とその後の血小板数の間の関係を調査
する。
【0443】 例示的サイズの決定 各用量レベルでの被検者の数を、潜在的な被検者の危険性、および、安全性、
薬力学、および活性の予備評価を提供するのに必要な情報を平衡化するように選
択した。試験は、MTDが到達したかまたはOBDが定義されたので、増大が完
了または停止するまで、各用量レベルで3人の被検者を包含する。特異的な副作
用の発症、DLT、またはTPOに対する抗体の形成などの事象について、この
サンプルサイズは、真の事象確率が41%である場合に、1つ以上の事象を検
出するために、各用量レベルで少なくとも80%の力を保証する。
【0444】 実施例10 組換え体ヒトトロンボポエチンはカルボプラチン誘導重症血小板減少症および
婦人科学的悪性腫瘍の患者での血小板輸血に対する必要性を弱める 血小板減少症は、出血合併症に対するリスクおよび血小板輸血の必要性を増加
させ、化学療法の用量効力に障害を生じさせる可能性のある、癌患者の治療にお
ける重要な臨床的問題である。広い用量範囲上での他のあきらかな非血液学的毒
性が欠如しているのでカルボプラチンは多重サイクルに対するカルボプラチンの
用量を障害を生じさせることなしに、累積血小板減少症を弱めるための血小板新
生性薬剤の潜在性を試験するための好適な薬剤となる。組換え体ヒトトロンボポ
エチン(rhTPO)の、臨床的安全性および化学療法誘導重症血小板減少症を
改善する能力を査定するために、本発明者は、化学療法誘導重症血小板減少症に
対して高リスクである発達または再発婦人科学的悪性腫瘍の患者で、rhTPO
の第I/II相臨床試験を開始した。本試験の目的は、化学療法の前にrhTP
Oのみの臨床的な耐性および造血性効果を査定し、化学治療に関連した重症血小
板減少症を改善し、したがって化学療法に続く血小板輸血の必要性を減少させ、
患者に全用量での化学療法の多重サイクルを受けさせることを可能にすることに
おけるrhTPOの臨床的安全性および活性を評価することである。rhTPO
の使用は、二次予防として使用した場合に血小板輸血の必要性を特に減少させた
【0445】 方法 本発明者は、発達婦人化学的悪性腫瘍の29人の患者においてカルボプラチン
の前およびそれに引き続いてrhTPOの第I/II相研究を実施した。用量段
階的拡大相の間、rhTPOを、カルボプラスチンの前に単一用量(0.6、1
.2、2.4および3.6mcg/kg)として、およびカルボプラチンの第二
サイクルに続いて4用量、皮下注射にて投与した。用量拡大相(n=12)の間
、rhTPOは、重症血小板減少症に対する二次予防として最適生物学的用量の
みで使用した。
【0446】 患者 カルボプラチンで処置することが指示された任意の再発または発達婦人化学的
悪性腫瘍を患う患者が本試験に対する適格者であった。患者には適合カルノフス
キー能力状況(80%)、骨髄(WBC数3×10/mm、血小板数 150×10/mmおよび450×10/mm)、腎臓(血漿クレア
チニン1.5mg/dLまたは計算クレアチニンクリアランス60mL/分)
および肝臓(総ビリルビン1.5mg%およびSGOTまたはSGPT 正常
3倍)機能、および3ヶ月の平均余命が要求された。急速発達疾患、前白
金基礎治療への応答の欠如、骨盤照射または幹細胞移植を伴う高用量化学療法の
経歴、2週間以内の手術、4週間以内での化学療法または放射療法の使用、試験
開始の6週間以内でのニトロソウレアまたはマイトマイシン−C、3の異なる
型の前化学療法、血栓塞栓性または出血疾患の病歴、または明らかな心疾患をも
つ患者は本試験より除外した。書面によるインフォームドコンセントを、規定ガ
イダンスにしたがって研究開始の前にすべての患者より得た。
【0447】 試験設計 本試験設計の概要を図1に示す。本研究は、2つの要素、最適用量を使用した
用量段階的拡大(安全性)要素および用量拡大(活性)要素を含んだ。本試験の
用量段階的拡大部分の間、rhTPOは、rhTPOのみの臨床的耐性および造
血効果を評価するために化学療法前3週間、皮下注射にて単一用量として投与し
た。続いて患者に、カルバートの式[総用量=標的AUC×(糸球体濾過速度[
GFR]+25)]を用いて11の曲線下面積(AUC)を提供するように計算
した用量で1時間にわたって静脈内でカルボプラチンを与えた。サイクル−1か
らの回収に際し、患者にはカルボプラチン(AUC=11)を投与し、続いて同
一用量にてrhTPOを4用量でそれぞれ他の日に投与した(2、4、6および
8日)。したがってサイクル−1(化学療法のみ)は、サイクル−2(rhTP
Oをともなう化学療法)に関するそれぞれの患者に対する内部標準として役立っ
た。
【0448】 少なくとも3人の患者は、それぞれのrhTPOの用量レベル(0.6、1.
2、2.4および3.6mcg/m/d)ではじめた。最適生物学的用量(O
BD)を、用量レベル間の比較が血小板応答での傾向が次の用量レベルと比較し
てサイクル−2の間で安定状態に達したことを示したような最低活性用量レベル
として定義した。いったんOBDを見積もったならば、rhTPOの化学療法前
サイクルを削除し、12人の患者を、重症血小板減少症(最下点血小板数 <3
0×10/mm)が観察されるまで、カルボプラチンのみからなる化学療法
サイクルで処置した。続くサイクルにて、rhTPOを、同様のスケジュール[
2、4、6、8日(n=6)]にて、または改変スケジュール[−1、1、3、
5日(n=6)]にて二次予防としてOBDにて使用した。後者のスケジュール
は、TPOのより早期の投与がさらに防御の度合いを増加させることができるか
どうかを査定するために使用した。このスケジュールの原理的説明は、霊長類で
の最近の前臨床試験および化学療法前のrhTPOの投与が血小板回復を増強す
る可能性があることを示した肉腫での本発明者の前臨床実験に基づいた。
【0449】 化学療法の2つのサイクルが完了した後、サイクル−2において重度の血小板
減少症(すなわち>7日間で、日血小板数 <20,000/mm)を経験し
なかった、および抗−TPO抗体の中和が発展しなかった安定なまたは応答して
いる疾患を患っているすべての患者が、rhTPOと共に同用量のカルボプラチ
ンの追加サイクル(最大6サイクル)を受けるのに適応した。重症血小板減少症
(すなわち血小板数 <20,000/mm)に対して血小板輸血、貧血(す
なわちヘモグロビン [Hb]<8 gm/dL)に対してRBC輸血、好中球
減少熱(すなわち体温38.3℃、絶対的好中球数 <500/mm)また
は臨床的に指示された場合に対して抗生物質を患者に与えた。G−CSFの使用
は化学療法の最初の2サイクルの間は許可せず、臨床的に指示された場合(すな
わち、好中球減少症の延長または好中球回復の遅延を経験した患者での二次予防
として)のみその後のサイクル(3−6)で許可した。
【0450】 臨床的および実験室モニタリング 臨床試験の過程の前および間に、患者を、完全履歴、身体実験、完全血液細胞
数、血清化学、尿検査、胸部X線および心電図を含む研究室試験でモニタした。
血液計数は、予想される最下点期間に到達するまで1週間ごとに3回、次いで数
が回復するまで1日ごとに行った。血清サンプルを、研究の前に3回および研究
に際して週毎に全長TPOに対する抗体反応性について試験した。陽性血清(光
学密度比 1.5)をさらに、抗短略化TPO抗体アッセイ、C−mplブロ
ッキングアッセイ、および細胞増殖生物学的アッセイによって解析した。すべて
のアッセイで陽性の患者を、抗体誘導血小板減少症に対してリスクがあると見な
した。骨髄(BM)吸引および生検をすべての患者において、rhTPO処置の
前、および1週間後で行い、また前化学療法サイクルにてより遅い時間点(10
または14日)にて選択した患者で行った。腫瘍応答を、身体検査、腫瘍マーカ
ー(CA−125)評価にて評価し、イメージング研究を周期的な間隔で行った
【0451】 統計学的方法 化学療法のサイクル−1(rhTPOなし)からの造血毒性を、連続的に測定
した変数に関する対のT検定の方法によって、サイクル−2(rhTPOあり)
からの結果と比較した。解析に関して考慮した終点には、最下点血小板数、血小
板減少症(<20,000/mm、<50,000/mmおよび<100,
000/mm)の期間、および血小板数の回復 >100,000/mm
時間が含まれる。最下点数(C2−C1)での違いをまた、直線回帰解析を用い
て用量応答に関して解析した。血小板数の50,000/mmおよび10
0,000/mmへの回復の時間を、マンホイットニー順位和検定を用いて比
較した。さらに、rhTPO有りまたは無しでのサイクルにおいて血小板輸血を
必要とした患者の割合をマクネマー検定を用いて比較した。
【0452】 組換え体ヒトトロンボポエチン(rhTPO) 本研究で使用したrhTPOは、ジェネテック社(南サウスサンフランシスコ
、カルフォルニア州)より入手した。rhTPOは全長で、遺伝的に改変された
哺乳動物細胞株で産出された糖鎖結合分子である。これは標準の技術によって精
製され、注射のための希釈液として保存料を含まない通常の食塩水中で提供され
た。
【0453】 結果 患者 発達した婦人科学的悪性腫瘍を患った29人の患者を本試験に組み入れた(表
21)。原発腹膜悪性腫瘍の1人の患者を除いて、すべての患者は卵巣癌の診断
を受けた。大部分の患者は少なくとも1回の白金に基づいた療法を受け、何人か
は、さらに全身性および/または腹膜内治療を受けた。1人を除くすべてが、r
hTPOに対する臨床的寛容および造血応答に対して評価可能であり、化学療法
1サイクルの後さらなる治療を断り、rhTPOを受けなかった1人の患者は評
価可能ではないと見なした。
【0454】
【表21】
【0455】 前化学療法rhTPO 血液数における効果:前化学療法サイクルでの単一用量のrhTPOでの治療
(n=16)は、循環している血小板数(基線平均、277×10/mm
最大平均、462×10/mm;P<0.001)における用量依存的な増
加(図2)に関連した。血小板の増加は、中央日15で観察されたピーク効果を
伴う漸進的なものであった(図2)。ピーク応答の後、血小板数は、漸進的に基
線まで下降した。(化学療法前)21日周辺の血小板数は、基線レベルよりもい
くらか高いままであった(347対277×10/mm P<0.01)。
血小板は、形態学的には正常であるようにみえ、白血球細胞数またはヘマトクリ
ット値に大きな変化は見られなかった。
【0456】 骨髄における効果:血小板数の増加は、BM骨髄巨核球の数の由な増加と関連
した(34±4対48±5、10HPEあたり、P<0.01)。骨髄巨核球波
形退学的には正常に見え、いくつかは多葉性核および成熟細胞質を持ち、大きさ
が大きかった。骨髄細胞および赤血球系細胞は正常の成熟を示した。7日目、1
5人の患者のうち6人からの骨髄が、赤血球系細胞の増加を示した一方で、前骨
髄系:赤血球系細胞比および細胞質は変化しないままであった。しかしながら、
その後の時点(10および14日目)でBMを試験したすべての6人の患者は、
赤血球系細胞の有意な増加を示した(平均正赤芽球、21.8%対31.3%、
P<0.01)。
【0457】 骨髄抑制におけるrhTPOの効果 28人の患者にカルボプラスチンに続いてrhTPOを与え、16人は本研究
の用量段階的拡大部分であり、12人は用量拡大相であった。
【0458】 用量段階的拡大相:患者の本集団において(n=16)、rhTPOの投与は
、結果として血小板減少症の程度および期間両方の有意な減少を引き起こした。
rhTPO用量と血小板減少症の程度の間の関係を表22に示す。サイクル−1
(rhTPOなし)と比較して、サイクル−2(rhTPOあり)での平均最下
点血小板数は0.6mcg/kgで異ならず、1.2mcg/kgにて2倍、2
.4mcg/kgで1.7倍、3.6mcg/kgにて1.2倍高かった。デー
タを、その固有の対照(サイクル−2−サイクル−1の差異)としてそれぞれの
患者を使用して、対の様式で解析した場合に、直線用量応答の証拠はなかった。
しかしながら、最下点血小板数での差異は、0.6および3.6mcg/kgの
集団と比較して1.2および2.4mcg/kgを与えた集団で有意に高かった
(片側t検定を使用してP<0.03)(それぞれ用量0.6、1.2、2.4
および3.6mcg/kgに対して平均差異C2−C1、−0.6、26.8、
26.6および7.0)。1.2および2.4mcg/kgコホート間で差異が
なかったので(P>0.99)、1.2mcg/kgが最低活性用量であるとし
、本化学療法に対するOBDとして見なした。
【0459】
【表22】
【0460】 併用したすべてのrhTPO用量(0.6〜3.6mcg/kg)に対して、
サイクル−1と比較してサイクル−2において、最下点血小板数はより高く(5
3×10/mm対35×10/mm、P=0.007)、血小板減少症
の期間はより短かった(日血小板数<50×10/mm、6日間対3日間、
P=0.002、日血小板数<100×10/mm、10日間対7日間、P
<0.001)(表23)。
【0461】
【表23】
【0462】 用量拡大相(二次的予防):(OBDでの)rhTPOの重症血小板減少症お
よび血小板輸血の必要性を和らげる能力をよりよく査定するために、6人の患者
のコホートに、重症血小板減少症を経験するまで、カルボプラスチンのみのサイ
クルを与えた。上述したものと同様のスケジュール(すなわち2、4、6および
8日目)を使用して、二次予防として続くサイクルでrhTPOを使用した(1
.2mcg/kg)。図3に示すように、本患者群におけるrhTPOは血小板
最下点の程度を減少させ(16×10/mm対49×10/mm)、最
下点の開始を遅延させ、重症血小板減少症<20×10/mmが有意に減少
したように(4.2日間対1.2日間、P<0.01)血小板回復を促進した。
6人の患者のうち5人が、血小板最下点<20×10/mmを経験し、サイ
クル−1にて血小板輸血を必要とした。サイクル−2でのrhTPOの投与は、
それらの患者のうちの3人で血小板輸血の必要性を排除し、4人目の患者では減
少させた。
【0463】 さらに、6人の患者のコホートを、化学療法の前日より開始して(−1、1、
3、5日)rhTPOで処置し、保護の程度がこのスケジュールにて増加されう
るかどうかを決定した。本コホートでの6人の患者のうち5人は、サイクル−1
でのカルボプラスチンのみにの後、重症血小板減少症を経験した。サイクル−2
でのrhTPOの投与は、結果として6日間から2日間に重症血小板減少症<2
0×10/mmの期間を減少させ、血小板輸血の必要性をこれら5人の患者
のうち3人で除去した。図4Aに示すように、1人の患者はサイクル−1にて重
症血小板減少症を経験し、血小板回復の前に2回の血小板輸血を必要とした。本
スケジュールによるサイクル−2でのrhTPOの使用は、血小板最下点を押し
上げ、サイクル−2での血小板輸血の必要性を除去した。図4Bに示すように、
6人目の患者はサイクル−1にて重症血小板減少症を経験せず(血小板最下点、
47×10/mm)、したがってサイクル−2においてrhTPOを与えな
かった。サイクル−2は、血小板輸血を必要とし、カルボプラチンで見られた造
血毒性の累積特性を表している重症血小板減少症(血小板最下点、18×10 /mm)を伴った。サイクル3でのrhTPOの投与は、血小板最下点を上昇
させ(18対47×10/mm)、血小板輸血の必要性を排除した。したが
って、二次予防としてrhTPOを与えた12人の患者のうち、11人にサイク
ル−2でrhTPOを与え、1人にはサイクル3にて与えた。表22に示すよう
に、二次予防として使用したrhTPOは2倍まで血小板最下点を上昇させ、4
日間まで重症血小板減少症の期間を減少させた。
【0464】 血小板輸血:28人の評価可能な患者のうち、27人にサイクル−1にてカル
ボプラスチンのみを与え、サイクル−2でrhTPOと共にカルボプラスチンを
与えた。患者に、rhTPO有りまたはなしのサイクルに対して同一の血小板輸
血トリガー(<20,000/mm)を使用して血小板輸血した。患者が実際
血小板輸血を受けた時点の記録された最下点血小板数は、サイクル−1(平均1
3.8、中間値16×10/mm)とサイクル−2(平均14.4、中間値
16×10/mm)両方で同様であった。血小板輸血の必要性は、サイクル
−1と比較してサイクル−2で明らかに減少した(表24)。特に、サイクル−
2でOBD(1.2mcg/kg)にてrhTPOを与えた群(n=16)にお
いて、血小板輸血を必要とした患者の割合がサイクル−1での75%からサイク
ル−2での25%まで減少した(P=0.01)。この群で必要とした輸血の数
も、69%まで減少した(それぞれサイクル−1およびサイクル−2での輸血、
16対5)。
【0465】
【表24】
【0466】 血小板回復:50×10/mm(P<0.019)および100,0
00/mm(P<0.017)までの血小板の回復はまた、rhTPOで有意
に増加した(図5)。rhTPOなしのサイクル−1の37%の患者と比較して
、サイクル−2でrhTPOを与えた67%の患者が、その血小板を21日目ま
でに100×10/mmまで回復した。
【0467】 累積骨髄抑制におけるrhTPOの効果 28人の患者のうち23人に、安定または反応疾患の証拠および過剰血液学的
毒性の欠如に基づいて2サイクル以上のカルボプラチンを与えた。23人の患者
のうち、13人にサイクル−1で血小板輸血した。これらの13人の患者のうち
10人はrhTPOありのサイクル−2で血小板輸血を必要とせず、これらの1
0人の高リスク患者のうち7人がサイクル3においても血小板輸血しないままで
あった。全体的に、より後ろのサイクル(サイクル−2〜6)でのすべての患者
での血小板輸血の必要性は41%であった(91サイクル中37)。
【0468】 重症好中球減少症は、一般的にこの療法で観察されなかった。平均最下点好中
球数(ANC)はサイクル−1および2に関して、それぞれ0.58×103/
mmおよび0.79×10/mm(P<0.03)であった。熱性好中球
減少症の発生(ANC<500/mmにて熱38.3℃)は、両サイクルで
低く(サイクル−1および2でそれぞれ3対0)、全研究期間の間低いまま維持
された(サイクル−2〜6にて91中1)。平均最下点ヘモグロビン値はサイク
ル−1および2でそれぞれ9.1および8.3(P<0.01)であった。貧血
はもともと累積性であり、後のサイクルでより高い割合の患者で赤血球細胞輸血
が必要である(サイクル−1で19%、サイクル−2〜6で37%)。
【0469】 腫瘍応答: 28人の評価可能な患者に全用量にて119サイクル(中央値、5サイクル、
範囲2〜6)のカルボプラチンを与えた。26人の患者が測定可能な疾患を持ち
、2人が顕微鏡的疾患を持った。主要な応答が14人(54%)の患者で見られ
た(4人の完全な、および10人の部分的な応答)。9人の患者がマイナーな、
または安定疾患を持ち、4人が発展疾患を持った。さらに測定可能な疾患を持た
ない2人の患者のうち、1人は血清学的部分応答を示した(CA−125におい
て357から55までの減少)。
【0470】 臨床寛容 rhTPOはすべての患者によってよく寛容であった。rhTPOまたは造血
に関連した有意な副作用事象は観察されなかった。前化学療法相の間、2、3の
患者はその症状記録日誌において、時折の頭痛、筋肉痛、食欲の緩やかな減少ま
たは疲労を報告した。しかしながら、その患っている疾患の症状と区別するため
の、一貫した症状はなく、またこれらの症状のrhTPO投与のタイミングとの
時間的関係は無かった。副作用は、rhTPOありまたはなしの化学療法の両方
のサイクルで同様であり(表25)、カルボプラチンに関して報告されたものを
代表した。局部皮膚反応、流体停留、血栓塞栓事象または腫瘍期間毒性は見られ
なかった。
【0471】
【表25】
【0472】 6サイクルの化学療法すべてを終了した50歳の患者は、最後のrhTPO用
量から6週間、右腕に虚弱を示した。脳のCTスキャンは陰性であり、患者は2
4時間以内にほとんどの運動不足を回復し、このことは穏やかな脳血管偶発症候
を示している。正常の血小板数(すなわち228,000/mm)およびrh
TPO投与からの長期の間隔が存在することにより、この事象がrhTPOに関
連しそうもないことが明らかである。
【0473】 血清サンプルを、本研究の前および間にTPOに対する抗体が存在するか試験
した。7人の患者が、全長分子に対するアッセイで抗体活性を持つことが示され
た。これらの7人の患者のうち3人が、rhTPOでの処置を開始する前ですら
スクリーニングにおいて抗体活性を持っていた。残りの4人の患者のうち3人は
短略化した分子に対する抗体活性を示した。しかしながらC−mplブロッキン
グ活性は、これらの患者のうち2人でのみ観察された。最初の患者は、カルボプ
ラチンおよびシクロホスファミドにて多量に前処置し、全用量カルボプラチン5
サイクルを与えた。サイクル5の22日目に、TPOに結合した低タイターの抗
体(光学濃度比、1.65、30日目までに1.29に減少した)が示された。
抗体は、C−mplブロッキング活性を示しているけれども、細胞増殖バイオア
ッセイの結果は、非中和であったことを示唆している。この患者での血小板の1
00,000/mmまでのゆっくりとした回復(84日目)は、この患者のカ
ルボプラチンへの累積曝露に起因した。第二の患者もまた先にカルボプラチンお
よびシクロホスファミドで処理した。6サイクルのカルボプラチンを与え、完全
寛解した。サイクル6の23日目に、TPOに結合する抗体(ODR、1.51
、115日目に1.05に減少した)が検出された。彼女はサイクル6にて遅延
血小板回復が起こり、陽性細胞増殖生物学的アッセイを持っていると示され、サ
イクル6での最後のTPO投与後56日のもの(血小板数55,000/mm )と一致した。血小板数は、さらに4週間安定したままであり、次いで99日目
までに>100,000/mmまで回復した。したがって、抗体を持つ7人の
患者のうち、ただ2人がC−mpl活性を持ち、(スクリーニング時のみの3人
の患者を含む)他の5人の患者は低タイターの一過性の断続する特性の抗体(O
DR1.5〜2.3)を持ち、細胞増殖生物学的アッセイと同様に陰性C−mp
lブロッキングに基づいて非中和していた。
【0474】 化学療法の前3週間でのrhTPOの投与は、循環血小板数および骨髄巨核球
を有意に増加させた。化学療法の後のrhTPOの投与は、血小板減少症の程度
および期間両方を減少させた。サイクル−2にて最適生物学的量のrhTPO(
1.2mcg/kg)を与えた患者(n=16)において、サイクル−1(rh
TPOなし)で観察されたものよりも、平均最下点血小板数が高く(44,00
0対20,000/mm、P<0.01)、血小板減少症の期間は短かった(
日<20,000/mm、1日間対4日間、日<50,000/mm、4日
間対7日間、P<0.01)。このことは、この群での血小板輸血に対する必要
性を、サイクル−1での75%からサイクル−2での25%に減少させた(P=
0.01)。さらに、サイクル−1においてたった33%であったのと比較して
、rhTPOで処置した全患者のうちの67%において、サイクル−2において
21日目までに>100,000/mmまでその血小板が回復した。
【0475】 議論 これらの結果は、rhTPOが重症血小板減少症の程度および期間の両方を有
意に減少させたことを示唆している。血小板輸血に対する必要性は、先の化学療
法のサイクル中にすでに重症血小板減少症を経験した患者においてさえも、明ら
かに減少した。さらに、rhTPOは100,000/mmまでの血小板回
復までの時間を促進し、このことは化学療法の計画された用量効力を保持してい
る。
【0476】 本患者集団において、化学療法の前に単一用量で与えられたrhTPOは、用
量依存的様式で循環血小板数を上昇させた。血小板応答は形態学的に正常に見え
る骨髄巨核球の数の有意な増加と関連した。興味深いことに、赤血球系成分の増
加もまた何人かの患者の骨髄で見られ、TPOが造血を増加させることができる
というin vitroおよび前臨床的な発見、およびrhTPOが骨髄赤血球系および
骨髄系始源細胞集団を拡大することができるという本発明者の先行臨床観察(K
obayashiら、1995;Kaushanskyら、1995;Vadh
an−Rajら、1997)と一致している。この骨髄での多重系列刺激効果に
もかかわらず、白血球細胞数またはヘモグロビンレベルで主要な変化は見られな
かった。
【0477】 日常的に累積性血小板減少症を誘導する化学療法薬物の本臨床的設定において
、rhTPOは、用量依存的様式にて血小板減少症の深さおよび期間両方を減少
させた。主要な効果が最低用量レベル(0.6mcg/kg)、中間用量レベル
(1.2〜2.4mcg/kg)にて見られなかった一方で、rhTPOは、患
者を、少なくともrhTPOなしのサイクル−1でのように不十分にすると予期
されたサイクル−2において、血小板最下点数をほぼ2倍に上昇させ、重症血小
板減少症の期間を半分まで減少させた。rhTPOの生物学的効果は、1.2m
cg/kgにて安定期であると見られているので、この用量を続く研究に関して
選択した。
【0478】 本試験の用量段階的拡大部分に関する1つの可能性は、化学療法前3週間のr
hTPO処置が、シスプラチンの第一サイクルに続く造血回復に影響を与え、対
照サイクルの造血毒性のレベルを鈍らせる可能性はあることである。しかしなが
ら、本発明者のデータは、2つの観察に基づいた化学療法前3週間与えたTPO
の任意の陽性または陰性効果の欠如を支持している。まず、血小板最下点は、前
化学療法サイクルでのrhTPOの用量を増加したサイクル−1にて増加せず、
このことはrhTPOの陽性効果の欠如を示唆している。第二に、用量拡大相で
のrhTPOの前化学療法サイクルの削除がサイクル−1での血小板最下点を増
加させず、このことはrhTPOの陰性効果が無いことを示唆している。したが
って、本発明者の発見は、化学療法3週間前に与えたTPOが対照サイクルの血
小板最下点、および本研究の拡大相に関して本発明者が選択した効果的用量に影
響を与えなかったことを示唆している。
【0479】 rhTPOの血小板保護効果をさらに評価するために、前化学療法rhTPO
を用量段階的拡大相で除き、患者のコホートに二次予防としてrhTPO(1.
2mcg/kg)のみを与え、すでに先行化学療法サイクルで重症血小板減少症
を経験している患者での重症血小板減少症を予防した。この調停患者群において
さえ、rhTPOは血小板最下点の厳しさを減少させ、血小板輸血に対する必要
性を、先のサイクルで血小板輸血をすでに受けた11人の患者のうち7人で排除
し、他の患者で減少するように、重症血小板減少症の期間を短くした。
【0480】 血小板輸血に対する必要性の減少に関する傾向が、本研究を通して観察された
。最適生物学的用量でrhTPOを与えた患者において、血小板輸血を必要とし
ている患者の割合(75%対25%)および血小板輸血事象の回数は、サイクル
−1からサイクル−2で明らかに減少した(69%まで)。さらに、rhTPO
は血小板回復を促進し、より高い割合の患者がその血小板を、rhTPOなしの
サイクル−1と比較してrhTPOありのサイクル−2で3週間までに100
,000/mmレベルまで回復した(67%対33%)。血小板回復を促進す
ることで、rhTPOはスケジュールにおける化学療法の伝送を許容し、用量効
力を保持する可能性がある。
【0481】 rhTPOの、全用量化学療法のサイクルを繰り返すことを許容する能力をさ
らに査定するために、抗腫瘍治療に応答している患者に6サイクルのカルボプラ
チンを継続させた。予想された累積性造血毒性にも関わらず、先のサイクルで血
小板輸血を必要とした患者の割合がより後のサイクルでの輸血要求を減少するこ
とに関して利点を示し続け、このことは累積性血小板減少症にうち勝つことにお
けるrhTPOの潜在的な有益な効果を示唆している。重症好中球減少症は一般
的に本療法では見られなかった。実際、好中球最下点はrhTPO投与で改善し
たように見え、感染は本研究を通して低いままであった。
【0482】 本研究の設計に関する原理的な説明は、本サイトカインおよび本化学療法薬剤
での本発明者の臨床的実験に基づいている。カルボプラチンはサイクルの16日
目近くに血小板最下点を遅延させ、rhTPOはピーク応答を遅らせて(中央値
12日)半減期を引き延ばした(20〜30時間)(Vadhan−Rajら、
1997;Bloedowら、1996)。したがって、rhTPOの4用量が
化学療法後の日に開始して1日おきに使用された。さらに、本発明者は、rhT
POのより早期の投与(すなわち化学療法の前2日に開始する)がさらに最下点
を改善するかどうかを決定するしたいと考えた。rhTPOは両スケジュールに
よる血小板の緩やかな効果を示した一方で、さらなる利点はこの化学療法薬剤と
一緒のサイトカインの早期投与によっては観察され得なかった。それにも関わら
ず、より早期の血小板最下点を産出する組合せ化学療法によってrhTPOのよ
り早期の投与から有益であり得ることが考慮されている。
【0483】 本発明者の研究において、rhTPOでの処置は、任意の保健上の症状、心臓
血管症状、局所皮膚反応および流体停留なしに極度によく寛容された。本発明者
の臨床試験の結果は、カルボプラチン−誘導重症血小板減少症にて二次予防とし
て使用したrhTPOの有用性を示した。
【0484】 ほとんどが再発卵巣癌である本患者集団において、目的の腫瘍応答は患者の5
4%で見られた。白金用量効力の重要性が、すでにこれらの腫瘍型にて確立され
ている一方で、rhTPOの有益性がここで、この問題をさらに安全に処理する
ことを可能にする可能性がある。
【0485】 本実施例の結果は、組換え体ヒトトロンボポエチンが、先に化学療法治療患者
集団においてさえも血小板産出の増加を誘導できることを示唆している。この経
路およびスケジュールにて投与したrhTPOは、カルボプラチンに関連した累
積性血小板減少症を弱め、血小板輸血に対する必要性を排除するのに効果的であ
った。本発明者の研究はまた、すでに血小板輸血の必要性を先に経験した高リス
クの患者において、rhTPOの二次的予防使用が、血小板減少症の程度および
期間を減少でき、化学療法の続くサイクルにて血小板輸血に対する必要性を防ぐ
ことができることを示している。したがって、用量効力を保持することが重要で
ある臨床設定において、rhTPOの二次予防使用は、患者がそのような治療よ
り利益を得ることを可能にする可能性がある。
【0486】 実施例11 トロンボゾル(ThromboSol)および2% DMSOでの長期間低温保
存後の組換え体ヒトトロンボポエチン(rhTPO)処置患者からの血小板のin
vitro機能活性の維持の増強 本実施例は、rhTPO処置にしたがった患者由来の血小板におけるトロンボ
ゾル(ThrombSolTM)低温保存の効果を示している。癌患者での重症
血小板減少症はしばしば多重サイクル化学療法での累積問題であるので、本発明
者は、保存した血小板のin vitro形態的および機能的特徴における長期間低温保
存の効果を決定しようと考えた。rhTPO処置患者(n=23)および正常ド
ナーからの血小板をトロンボゾルTMおよび2% DMSOで処置し、6ヶ月間
まで低温保存した。この血小板を異なる間隔で解凍し、機能の保持に関して試験
した。
【0487】 材料と方法 患者選別 第I−II相試験の部分としてrhTPOでの処置を与えた卵巣癌(n=13
)または軟部組織肉腫(n=10)のいずれかの診断を受けた23人の患者を試
験した。卵巣癌の患者において、rhTPOは化学療法(シスプラチン)に続い
て4用量毎1日おきに皮下に1.2〜3.6mcg/kgの用量で投与した。肉
腫患者においては、rhTPOは3用量、1用量は化学療法の前、2用量は化学
療法(アドリアマイシンおよびイフォスファミド)に続いて、皮下に1.2mc
g/kgにて与えた。血小板形態および血小板の機能を査定するために(新鮮な
ものおよび低温保存したもの)、血液試料を血小板が化学療法およびrhTPO
処置に続いて回復した時点で得た。アスピリンまたは非ステロイド系坑炎症剤の
使用は、本研究の期間中許可しなかった。平行して、対照ボランティアより、患
者集団として同一の基準下で血液試料を提供いただいた。
【0488】 材料 血小板の保存のために使用したすべての薬剤はシグマ ケミカル(St.Lo
uis,MO)より入手した。凝集アゴニストのアデノシンジスルフェート(A
DP)、コラーゲンおよびレストセチンはクロノ−ログ社(Chrono−Lo
g Corporation;Havertown,PA)より購入した。低温
保存のためのトロンボゾルTM保存溶液を含むすべての薬剤(アミロリド、アデ
ノシンおよびニトロプルシドナトリウム)は、ジメチルスルホキシド(DMSO
)内で50倍の濃度にて調製した。フィコエリスリン−標識化(PE)ウサギモ
ノクローナル抗ヒト血小板P−セレクチンおよびフィコエリスリン−標識化対照
抗体はベクトン、ディッキンソン(Cockeysville,MD)より購入
した。フィコエリスリン−標識化マウスモノクローナル抗ヒトGP−Ib抗体は
イムノテック(Cedex,France)より購入した。
【0489】 血小板単離および保存 患者または対照ドナーどちらかからの全血(70ml)を静脈穿刺を介してA
CD(ベクトン ディッキンソン(Cockeysville,MD))を含む
チューブ内に採取した。この全血を2〜6時間室温にて放置し、続いて250×
gにて12分間20℃で遠心した。次いで血小板の豊富な血漿(PRP)を取り
除き、T−3101 150ml移動パック(カーターメド(Lakewood
,NJ)内に分注した(20mls/バッグ)。新鮮な未処理PRPの一部分を
、以下に記述したような形態およびin vitroの機能活性の決定のために残した。
以下の薬剤を持つ20mlの試料を無菌ポートを通した注入で加えた。2%の最
終DMSO濃度を産出する100μlの50倍濃度のトロンボゾルTM、400
μl。得られたトロンボゾルTM−処置PRPは、以下の最終濃度の薬剤、アミ
ロリド(0.25mM)、アデノシン(0.1mM)およびニトロプルシドナト
リウム(50μM)を含んだ。次いで処理した血小板をゆっくり攪拌して混合し
、アルミニウムカセットないで直接80℃フリーザー内に挿入した。患者から入
手可能な容量が決まっているので、低温保存した試料部分を無作為に、示した時
間保存するように振り分けた。
【0490】 保存の後、血小板試料を以下のように解析のために回収した。血小板試料を水
浴中37℃にて解凍し、70rpmにて設定した軌道シェーカー上に15分間お
いた。バッグから一部分を取り出し、細胞数および平均血小板容量(MPV)に
関してバイオチェム イムノシステムズ システム 9110 CP+ ヘマト
ロジー アナライザー(Allentown,PA)を用いて解析した。さらに
、新鮮な解凍した試料をFACS解析のために固定し、すでに記述されたように
(Currieら、1998)光学顕微鏡によって円盤状形態に関して評価した
。血小板試料の新鮮な風乾したスミアーをライト−ギームサにて染色した。凍結
−解凍した血小板の超微細構造形態学的試験(Vadhan−Rajら、199
0)のために、試料を950×gにて20分間遠心し、上清を取り除いた。試料
を1.5mlの固定可能緩衝液(PBS中1.5%パラホルムアミドおよび1.
5%グルタルアルデヒド)中に再懸濁し、4℃にてインキュベートした。残って
いる血小板試料は22℃にて30分間、800×gで遠心し、トロンボゾルTM およびDMSOを取り除いた。得られた血小板ペレットを自己血漿を用いて本来
の容量まで再懸濁させ、血小板細胞数を以上で記述したように決定した。血小板
試料を自己血漿と適合させ、3×10細胞/mlの血小板濃度を得、これを3
0分間37℃にてインキュベートした。
【0491】 血小板機能研究 攪拌形状変化(SSC)、形状変化の程度(ESC)、低張ショック応答(H
SR)およびアゴニスト誘導凝集の機能的アッセイをすでに記述されたように(
Currieら、1998;Holmeら、1998)実施した。攪拌速度また
はアゴニスト誘導活性化の変化に対する応答における血小板の形状変化の特性を
決定するために、光学測定を実施した。SSCは試料中に存在する円盤状集団の
光学測定である。攪拌速度の変化に対する応答において、球状血小板の均一な動
きが、光屈折をなくすことになる。反対に、円盤状の血小板の不均一な動きが光
屈折を引き起こす。SSCを以下のように行った。血小板凝集計を用い、血小板
試料をPPPに対してブランクにし、基線を確定した。次いで攪拌子を止め、基
線からの屈折をそのピークにて測定した。
【0492】 ESCはアンタゴニスト誘導活性化に対する応答で起こる円盤状から球体形へ
変化する血小板の形態学的な光学測定である。ESCのために、500μlの試
料を血小板凝集計内に置いて、続いて20μlの0.1M EDTAおよび10
μlの1mM ADPを連続的に添加した。ESCを基線からの屈折より決定し
、最大光学密度の増加の割合として表した(Holmeら、1998)。
【0493】 血小板の全生存力および代謝を査定するために、本発明者は血小板の、15分
間時の低張に対して応答する能力を試験した。HSRのために、500μlの試
料をそれぞれ2つのキュベットに分注した。250μlのPBSを第一キュベッ
トに添加し、血小板凝集計を用いて希釈の結果としての伝達の増加を測定した。
第二の部分に250μlの水を添加し、低張ショックからのパーセント回復を1
5分時に測定した。
【0494】 低温保存および解凍の工程が血小板の明らかな活性化を引き起こしたかどうか
を査定するために、新鮮なそして低温保存した血小板を、P−セレクチン(CD
−62)および表面マーカーGP−Ibの表面発現に関してフローサイトメトリ
ー解析によって試験した。血小板表面マーカーのFACS解析のために、血小板
濃縮物(PC)の部分を2%パラホルムアルデヒド内で固定化した。PE−標識
化、抗P−セレクチンモノクローナル抗体またはPE−標識化抗GP−Ibモノ
クローナル抗体を、固定化した血小板の洗浄試料に添加し、暗所にて室温で1時
間インキュベートした。相当する対照モノクローナル抗体を平行して使用し、基
線結合を確立した。試料を洗浄し、希釈し、次いでコールターEPICS FA
CS解析器を用いて解析した。血小板表面マーカーの存在は、エピトープを発現
している細胞の割合として表した。
【0495】 低温保存した血小板が止血に対して重要な機能を仲介することができたかどう
かを決定するために、血小板凝集をさまざまなアゴニストを用いて試験した。血
小板試料を、アゴニストとしてレストセチン(25mg/ml)またはADP(
5μM)とコラーゲン(5μg/ml)の組合せを用いて、血小板凝集計(56
0 VS、クロノ−ログ)にて凝集に関して査定した。凝集は基線としてPRP
を、100%としてPPPを用いてパーセント最大凝集として測定した。
【0496】 統計学的解析 データは平均値±標準偏差(S.D.)として表す。対照ドナーからおよびr
hTPOを与えた患者からの新鮮なそして低温保存した血小板のin vitroの機能
活性の比較は、t検定を用いて行った。患者の血小板と対照の血小板間の比較は
t検定を用いて実施した。1週間保存した血小板と1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月
保存した血小板間の比較はt検定を用いて実施した。
【0497】 結果 正常ドナーまたはrhTPO処置患者からの血液試料を、短期間(1週間)お
よび長期間(6ヶ月まで)の保存期間、トロンボゾルTMおよび2%DMSOで
の低温保存前(新鮮)および後(凍結−解凍)両方での血小板の形態およびin v
itro機能活性に関して試験した。トロンボゾルTMおよび2%DMSOとの短期
間低温保存前およびそれに続くもの両方の、患者および対照群から得られた血小
板の形態学的特性および機能活性を表26に示す。
【0498】 新鮮な血小板集団の比較 対照ドナーおよびrhTPO処置患者からの新鮮に回収した血小板を、以上お
よび表26で記述したように概略した連続したin vitroアッセイによって基線細
胞形態および機能活性に関して試験した。両方の供給源からの血小板はほとんど
の評価において同様の特徴を表示した。rhTPO処置患者からの血小板は、お
そらくrhTPO処置の結果として有意により多い細胞数を産出した。2つの血
小板集団は、平均血小板容量(MPV)または円盤形態を示している血小板集団
の割合を含む形態学的特性に有意な差を示さなかった(表26)。表面GP−I
bおよびP−セレクチンの発現もまた、対照ドナーおよびrhTPO処置患者両
方に関して同様であった。これらの血小板集団の療法の機能活性は、SSC、H
SRまたはレストセチン誘導凝集において有意な差を示さなかった(表26)。
しかしながら、対照ドナーからの細胞と比較して、rhTPO処置患者からの血
小板はESCに関して有意に高い値、およびより少ないADP/コラーゲン誘導
凝集を示した(表26)。
【0499】 新鮮な血小板対低温保存した血小板の比較 トロンボゾルTMと2%DMSOをともなう−80℃での1週間の低温保存に
続いて、rhTPO処置患者からの血小板は、rhTPO処置患者からの新鮮な
血小板と同様の形態学的特性の保持を示した(表26)。細胞数の回復、MPV
、円盤形態レストセチン誘導凝集を示している血小板の割合または表面マーカー
GP−Ibの発現に統計学的に有意な差はなかった(表26)。対照ドナーから
の血小板もまた、対照ドナーからの新鮮な血小板と比較して、細胞数、円盤形態
およびGP−Ibの発現の統計学的に同一の保持を示した(表26)。それぞれ
のドナー集団からの新鮮な細胞と比較して、rhTPO処置患者および正常ドナ
ーからの低温保存した血小板は、SSC、ESC、HSRおよびADP/コラー
ゲン誘導凝集を含む機能活性の統計学的に有意な欠失を示した(表26)。P−
セレクチン発現もまた、両方のこれらの供給源からの血小板の低温保存の後に有
意に増加した。
【0500】 正常ドナーとrhTPO処置患者からの低温保存血小板の比較 短期間低温保存の後の、rhTPO処置患者からの血小板は、正常ドナーから
の血小板と比較して形態学的および機能活性パラメータ両方の統計学的に有意な
より高い維持を示した(表26)。rhTPO処置患者からの凍結−解凍した血
小板は、正常ドナーからの血小板に対する値と比較して、MPV、円盤形態、S
SC、ESCおよびHSRのよい維持を保持した(表26)。低温保存前の間、
ADP/コラーゲン誘導凝集は、対照ドナー血小板に関してより高く、2つの細
胞集団は低温保存の後、同様の凝集プロフィールを示した。このことは、対照血
小板による保持と比較してrhTPO処置患者からの血小板によるアゴニスト誘
導凝集のより高い保持による(73%対60%、それぞれ新鮮な血小板値に対し
て)。
【0501】
【表26】
【0502】 血小板の長期低温保存 長期低温保存の効果を査定するために、rhTPO処置した患者および正常ド
ナーからの血小板試料をトロンボゾルTMおよび2%DMSOを用いて低温保存
し、1週間、1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月間−80℃にて保存した。表27は、
長期保存の後のrhTPO−処置患者からの血小板の形態学的および機能的活性
の結果を示している。6ヶ月保存時間にわたって血小板は1週間低温保存した血
小板と比較して形態または機能活性の統計学的に有意な欠失は示さなかった(表
27)。したがって、6ヶ月間保存したrhTPO処置した患者からの低温保存
血小板は、細胞数、円盤状の割合およびGP−Ib発現を、rhTPO処理した
患者からの新鮮な血小板と統計学的に同様に保持した。長期間低温保存した対照
ドナー血小板は、形態および機能活性のよい保持を示した(表28)。トロンボ
ゾルTMおよび2%DMSO内での1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の低温保存の後
、対照ドナー血小板は、1週間低温保存した血小板と比較して統計学的に有意な
形態または機能活性の欠失は示さなかった。1つの例外は、6ヶ月間の保存時の
HSRの統計学的減少であった。
【0503】
【表27】
【0504】
【表28】
【0505】 光学および電子顕微鏡による低温保存した血小板の形態 rhTPO−処置した患者からの低温保存した血小板の形態は光学顕微鏡下で
正常に見えた。新鮮な血小板およびトロンボゾルTMと2%DMSOで低温保存
した血小板のライト−ギームザ染色した風乾スミアーを比較した。全般的に、形
態は光学顕微鏡下(1000×倍率)で新鮮および低温保存した血小板に関して
正常に見えた。
【0506】 患者試料からの凍結−解凍した血小板を透過型電子顕微鏡下で試験し、低温保
存後の超微小構造形態の保持を査定した。rhTPO処置患者からの、トロンボ
ゾルTMと2%DMSOで低温保存した電子顕微鏡血小板を評価した。低出力(
17,500×倍率)下での保存された血小板は、もともとの膜をもつ円盤およ
び球形態の混合を示した。高出力(35,000×倍率)下で、α顆粒、密顆粒
、グリコーゲン粒子および微小管系を含む細胞質オルガネラが容易に明らかにな
った。血小板は円盤および球形態の混合を示した。ほとんどの部分に関してこれ
らの細胞は、もともとの微小管系、ファジーな被膜、α顆粒およびグリコーゲン
を持つ正常の形態を示した。いくつかの血小板において、cannalicul
ar系がいくらか拡張してみえ、しかし風船形態またはゴースト細胞はまれであ
った。
【0507】 議論 本発明者は、rhTPO処理の後に由来した血小板におけるトロンボゾルと2
%DMSOでの低温保存の効果を決定しようと考えた。本発明者の発見は、rh
TPO処置患者からの低温保存した血小板が、細胞数の有意な欠失を示さず、1
00%保持円盤形態を示したことを示唆している。さらに、rhTPO処置患者
からの低温保存した血小板は、相当する新鮮な細胞と比較してSSC、ESCお
よびさまざまなアゴニストに対する凝集応答を含む機能活性の70%またはそれ
以上の保持を示した。本発明者の発見は、rhTPO処置後の患者から由来した
血小板が、形態および機能活性をよく保持して低温保存できることを示唆してい
る。
【0508】 rhTPO処置患者からの低温保存した血小板は、正常ドナーからの低温保存
した血小板と比較して、形態(大きさおよび円盤形態)および機能活性(SSC
、ECS、HSR)の有意により高い保持を示した。さらに、1週間低温保存し
た血小板と比較して、6ヶ月までの長期保存において形態学的なおよび機能的な
特性の有意な欠失はなかった。短期間保存(1週間)の後、rhTPO処置患者
からの低温保存した血小板は、対照からの低温保存した血小板と比較して、円盤
形態(70%対57%)、形状変化の程度(19%対13%)、攪拌形状変化(
15%対11%)および低張ショック応答(56%対25%)の有意に高い保持
を示した。6ヶ月までの間の低温保存の後、機能のさらなる有意な欠失はなかっ
た。これらの発見は、rhTPO刺激患者からの血小板が、工程、低温保存およ
び解凍手順のストレスを相殺することがより可能であったことを示唆している。
【0509】 2つの可能性ある機構がこの発見を説明できるかもしれない。第一に、rhT
POは巨核球の細胞質成熟を増強し、その間、細胞質質量、顆粒性、細胞内オル
ガネラの形成、および機能的な血小板を産出するのに必要な生化学的特性の獲得
の増加が起こる。TPOの存在下でのマウス骨髄培養増殖における(Zucke
r−FranklinおよびKaushansky、1996)および本発明者
の臨床試験でのrhTPOを与えた患者からのヒト骨髄における超微小構造解析
は、TPOが、血小板特異的顆粒、境界膜の形成および血小板内への細胞質断片
化によって明らかにされたような全巨核球成熟を刺激することを示した。したが
って、rhTPO−由来血小板は、構造的および生化学的により成熟したもので
あり得る。第二にネズミまたはヒト研究におけるTPO処置の後に、循環におけ
る新規に合成された血小板の増加がある(Zucker−Franklin、1
996;Omalleyら、1996)。より若い、新規に合成された血小板は
、より古い血小板よりもより機能的に振る舞う可能性がある。したがってrhT
PO由来血小板は、細胞に低温保存の後によりよい生存力および機能的効力をも
たらす可能性がある。
【0510】 本発明者の試験は、rhTPOがない状態で合成された、化学療法後の血小板
集団を比較しなかった。したがって、同様の結果が、化学療法の回復相の間に得
られた未刺激血小板で得られた可能性がある。重要に考えるに、rhTPOの使
用はさらに数を増強する可能性があり、続く血小板減少症の期間に低温保存でき
る血小板の産出を何倍も増加させる可能性がある。
【0511】 まとめると、rhTPO処置ドナーからの血小板の低温保存は、処置に関連し
た血小板減少症を制御するための続く輸血に関する自己または同種移植に対する
有用な新規の戦略を提供する可能性がある。トロンボゾルTMと2%DMSOを
使用したrhTPO刺激ドナーからの血小板の低温保存は、自己または正常ドナ
ーからの血小板保存に対する新規の、有用な戦略を提示する可能性がある。明ら
かに、この戦略のこの効力は、造血の重要な機能を仲介することができる生存力
のある血小板を循環させることを成し遂げることによって確立されうる。
【0512】 実施例12 カルボプラチンを与えられている婦人科学悪性腫瘍の患者でのトロンボゾル(T
C)と2%DMSOで低温保存したrhTPO誘導自己血小板の輸血の予備的研
究 本実施例は、自己輸血血小板の回復および機能活性における効果を評価するた
めの、TCと2% DMSOで低温保存したrhTPO由来自己血小板の輸血の
安全性および可能性を決定する方法、およびGYN悪性腫瘍でのAUC=11で
のカルボプラチンに対する腫瘍応答を記録する方法を記述している。
【0513】 本発明者は、化学療法の前に癌患者において1または2用量の組換え体ヒトT
PO(rhTPO)の投与が、血小板産出を引き延ばすための強力な刺激である
ことを示してきた。化学療法に陰性の患者において、単一または2つの分割用量
として投与された2.4mcg/kgの用量でのrhTPOが、何人かの患者で
100万(10/μL)またはそれ以上まで血小板数を引き上げた。rhTP
Oに対する応答で産出された血小板は、正常の形態および凝集機能を示した。こ
の発見は、rhTPOが骨髄抑制治療の前の自己移植に対して正常ドナーまたは
癌患者に与えられ得る可能性を高める。
【0514】 トロンボゾル(TC)は、結果として生化学的に安定化され、冷保存障害に対
して保護された細胞となる、血小板への内因性の特定の活性化経路を阻害する選
択された第二メッセンジャー効果器からなる新しく発展した血小板保存溶液であ
る(Connorら、1996;Currieら、1997)。研究によりトロ
ンボゾル保存溶液が、4℃にて9日間の血小板濃縮物(PC)の保存を許容する
ことが示されてきた。さらに、トロンボゾルの正常ドナーからの血小板の低温保
存に対する適用は、処理の簡便さ、2%までのDMSOの減少および細胞数の優
れた保持およびin vitroでの機能活性を可能にする。
【0515】 本発明者は、第I−II相臨床試験におけるrhTPOを与えた患者由来の血
小板におけるトロンボゾル低温保存の効果を調査した。本発明者の発見は、TC
と2%DMSOで低温保存した場合、rhTPO処置の後の患者からの血小板が
、TCと2%DMSOまたは6%DMSOのみで低温保存した対照血小板と比較
して、円盤形態、形状変化の程度、低張ショック応答、ADP/コラーゲン誘導
凝集およびP−セレクチンの低発現の維持を含む機能活性のより高い回復を示し
たことを示している。この発見は、rhTPO由来自己または同種血小板のTC
と2%DMSOでの低温保存が、処置に関連した血小板減少症を制御するための
引き続く輸血に対する有用なアプローチを提供する可能性があることを示唆して
いる。
【0516】 カルボプラチンは、広い抗腫瘍活性スペクトルをもち、卵巣癌、子宮頸癌、生
殖細胞腫瘍、中皮腫、小細胞肺癌、前立腺癌および頭および頸癌の治療で使用さ
れている。カルボプラチンは、1600mg/mまでの用量において非造血毒
性を欠いているので、本研究に対する好適な化学療法剤である。その主要な毒性
は、骨髄抑制、とりわけ血小板減少症である。Ozolsら(Ozolsら、1
987)は、サイトカイの補佐なしに、高用量のカルボプラチン(800mg/
)で再発卵巣癌の30人の患者を処置した。主要な応答が、27%の患者で
見られ、骨髄抑制が観察された最も共通の毒性であった。Goreら(1987
)は、肺癌および中皮腫患者に対して1600mg/mまでの用量を伝送した
。比較的副次的な胃腸管毒性、脂肪毒性、耳鼻科的毒性が観察されたが、ほとん
ど有意な骨髄毒性は見られなかった。
【0517】 本発明者は、rhTPOの補佐有りまたはなしでAUC11にてカルボプラチ
ンを使用した再発婦人化学的悪性腫瘍の患者での臨床試験を完了した。主要な腫
瘍応答が本試験にて25人の評価可能な患者(CRである4人の患者を含む)の
うち50%で観察された。しかしながら、血小板輸血を必要とする血小板減少症
の発生は、rhTPOなしのサイクル−1で高かった(二次予防としてのrhT
POでの処理12人の患者のうち10人)。
【0518】 試験設計 本研究において、本発明者は、回収し、TCと2%DMSOで低温保存し、婦
人科学的悪性腫瘍の患者におけるカルボプラチン誘導血小板減少症を制御するた
めの輸血に必要である場合に解凍する可能性のある血小板を増加させるために化
学療法の前にrhTPOを使用する。カルボプラチンは、商業的に入手可能な化
学療法剤である。20人の評価可能な患者を本研究で処置する。TOと2%DM
SOで低温保存したrhTPO由来自己血小板の輸血の本戦略が安全で効果的で
あるとわかった場合、正式な第II−III相プロトコールを作製する予定であ
る。データを回収し、本研究を補助する調査ナースによってPDMS上に入力さ
れる。処置に明らかに関連した死または予期せぬ生命を脅かす毒性は、研究委員
長に対してすぐに報告すべきであり、続いて彼は監督委員会に届けなければなら
ない。
【0519】 前臨床安全性試験を正常のマウス、アカゲザルおよびチンパンジーにて構築し
た。前臨床試験において、TPOの投与は結果として、何倍までもの血小板数の
早期の上昇となった。骨髄抑制の海水モデルにおいて、組換え体ネズミTPOは
、カルボプラチンと放射線照射による汎血球減少症を示したマウスで血小板減少
症を排除することに効果的であることが示された。広範囲の前臨床研究の結果と
して高まった主要な安全性の考慮には、免疫原性および結果としての血小板減少
症が含まれる。
【0520】 組換え体ヒトTPO(rhTPO)は現在、骨髄抑制および骨髄遮断化学療法
の両方を受けている患者でのいくつかの第I−II相臨床研究での試験が行われ
ている。rhTPOの単一および複数IV投与が、安全であり、(熱、吐き気ま
たは低血圧のような)健康上の毒性の証拠はないことが示された。300人を超
える処置された対象においてrhTPOに関連する可能性があると考えられたと
報告された2つの血栓事象(深静脈血栓)があった。抗TPO抗体が、IV r
hTPO処置対象者の10%で観察され、これらの抗体は、一過性で非中和に反
転する。現在までに、25人を超える対象者が皮下(SC)注射によってrhT
POを受けており、抗TPO抗体はそれらの10%で観察された。潜在的中和し
ている抗体が、5ヶ月間にわたってrhTPOの多重SC注射で与えられており
、回復前に血小板減少症が引き延ばされたことを経験した1人の対象者で観察さ
れた。血小板減少症が抗体の存在または骨髄抑制化学療法の累積効果によるもの
であるかどうかは明らかではない。
【0521】 臨床的薬物動態学 血清TPO濃度を、肉腫または悪性腫瘍の患者へのrhTPOのIVボーラス
注射の後に測定した。前化学療法サイクルの間、初期最大TPO濃度(Cmax )は、コードと比例し、それぞれ0.3および2.4μg/kg用量の後に5〜
50ng/mLの範囲である。このことは、rhTPOが、血漿容量と同様の初
期分布容量(60mL/kg)に分配されたことが明らかなことを示唆している
。TPOの明白な末期除去半減期は20〜30時間である。TPO濃度−時間プ
ロフィール下面積(AUC)は、用量の増加と不均衡に増加し、おそらく、第一
にレセプター仲介エンドサイトーシスによって血小板で起こると考えられる、T
POクリアランス工程の用量依存飽和を反映している。
【0522】 rhTPO前調製および投与 rhTPOは、非経口投与用に無菌液体としてジェネテック社(One DN
A Way、南サンフランシスコ、カルフォルニア州 94080)によって提
供される予定である。活性成分の各3mLガラスバイアルには2mL含まれる。
rhTPOは緩衝液中に0.1mg/mLで提供される予定である。rhTPO
は氷上で輸送され、2℃〜8℃(35°F〜46°F)にて冷蔵庫で保存されな
ければならない。処方には、保存剤は含まれず、単一投与のみに好適である。明
るい光への曝露は避けるべきである。溶液は凍結すべきでなく、バイアルに表記
された使用期限を過ぎて使用すべきでない。
【0523】 本研究を通して、臨床薬剤師または他の指定された研究スタッフが、基線で測
定したように患者の体重に基づいてrhTPO注射を調製する予定である。臨床
薬剤師は、対象者IDナンバー(および任意に他の識別名)、プロトコールナン
バーおよびrhTPOの量(マイクログラムおよびマイクロリッターで)を表記
したrhTPOのシリンジを研究スタッフに提供する予定である。希釈したrh
TPOの注射は、調製の4時間以内に投与されなければならない。
【0524】 トロンボゾル処方 トロンボゾルの開発は以下の原理に基づいている。体内で循環している血小板
は、組織障害の部分において形成される外来性のシグナルに応答するように保た
れている。内因性刺激のない状態で、循環している血小板は、特定のセカンドメ
ッセンジャー経路を介して相乗的に働く因子によって毒性阻害の状態で保持され
る。さまざまな物理的および生化学的刺激両方に対するそれらの急性感受性が、
血小板を循環系の環境外に保持することをきわめて難しくした。この血小板活性
化の内因性の毒性阻害は、続く血小板の回収および保存を不可能にする。したが
って、保存障害はほとんど、これらの活性化経路の特定の調節がないことによる
可能性がある。トロンボゾル処方の開発でとられたアプローチは、活性化を防止
する、したがって血小板を保存障害に対して抵抗性にする特定のセカンドメッセ
ンジャー経路を直接刺激することによって血小板の活性化の内因性阻害を模倣す
ることであった。
【0525】 トロンボゾルの開発において、それぞれの成分を、連続する公知のアゴニスト
に対する血小板の応答を可逆的に阻害する能力に関して、さまざまな組合せにそ
って試験した。この処方によって誘導された可逆的阻害は、血小板を低温保存し
た場合に血小板保存障害の発達を効果的に減少させた。以下は保存の間血小板の
活性化を制御するために保持されたセカンドメッセンジャー経路およびそれぞれ
の経路の阻害を排除するために使用した特異的阻害剤の簡単な記述である。それ
ぞれの薬剤の効力は、第二メッセンジャー効果器のin vitroでのADPおよびコ
ラーゲン誘導凝集を可逆的に阻害する能力を解析することによって示した。
【0526】 Na+/H+イオン交換体 機能的に活性なNa−Hイオン交換体は、その両方が活性化事象を引き起
こす内部pHを低下させ、Ca++を流通させる能力のために、血小板の活性化
に必要である。Na−Hイオン交換体の阻害剤であるアミロリドは効果的に
、そして可逆的に血小板のin vitroでの凝集を阻害する。
【0527】 環状AMP(cAMP) アデニル酸シクラーゼの刺激は、内因性の細胞質cAMP濃度を増加させ、こ
れは血小板の活性化を阻害する。この血小板阻害の系は、内皮細胞から放出され
た正常のin vivoの血小板効果器であるプロスタサイクリンが、cAMP産出の
刺激によって循環している血小板の活性化を阻害するということに生理学的に関
連性がある。アデノシンは、血小板cAMPレベルを増加させ、血小板のin vit
roでの凝集を可逆的に阻害する他の薬剤である。
【0528】 環状GMP(cGMP) cAMPの系と同様に、cGMPの細胞質濃度の増加を引き起こすグアニル酸
シクラーゼの刺激は、血小板の活性化経路を阻害する。cGMPは、内皮細胞由
来弛緩因子の効果を生理学的に誘導するのと同様の経路を介して働く。血小板中
のcGMPの増加をおこす薬剤ニトロプルシドナトリウム(NP)は、アゴニス
ト誘導凝集を可逆的に阻害する。
【0529】 トロンボゾル−処置PC対対照PCの優越の立証は、血小板機能を決定するた
めに、血小板領域で通常実施される連続するin vitroアッセイ系を使用して確立
された。第一に細胞数の回復であり、凍結/解凍サイクルの後の細胞数はHem
atology Analyzerを使用して測定し、新鮮な血小板に関する値
と比較した。第二は円盤形態であり、血小板を光学顕微鏡によって円盤形態の保
持について解析する。100個の細胞を40×レンズを用いて観察し、円盤形を
示している集団の割合を決定した。第三は形状変化の程度(ESC)である。E
SCは、アゴニスト刺激に対する応答で起こる血小板の円盤から球形への変化の
測定であり、ESCは血小板活性化機能の保持の測定である。第四は、低張ショ
ック応答(HSR)である。HSRは血小板の、低張液の添加に対する応答での
平衡を回復する能力の測定である。HSRは血小板の生存力の決定であり、0〜
100%を記録する。第五は血小板膜表面マーカーのFACS解析である。FA
CSは特定の血小板タンパク質エピトープを発現している集団中の血小板の割合
を測定するのに使用される。測定した血小板海水は、すべての血小板に存在する
陽性マーカーであるGPIbと、活性化マーカーであるCD62(P−セレクチ
ン)である。GPIbの欠失は血小板細胞膜障害の指標である。反対にCD62
の表面露出は、その発現が活性化誘導脱顆粒の結果であるので、自発的な活性化
の指標である。
【0530】 表29は、6%DMSOのみで、またはトロンボゾルと2%DMSOで低温保
存した正常のドナーからの血小板でのこれらの機能的アッセイの結果を表してい
る。
【0531】
【表29】
【0532】 これらの発見は、トロンボゾル安定化系が、細胞数の優れた回復を産出するこ
とを示唆している。さらに、トロンボゾル処置血小板に対する機能活性の保持は
、6%DMSOで低温保存した血小板に比べてはっきりと高い。
【0533】 保存障害事象を排除するためのセカンドメッセンジャー処方の開発の結果は、
トロンボゾルが、細胞の障害および機能活性の欠失を典型的に引き起こす保存状
態下で血小板を保護することが可能であることを明らかに示唆している。低温保
存に対するトロンボゾル溶液の開発は、簡単に従来のフリーザーで保持できる温
度である−80℃での血小板の保存を可能にするであろう。さらに、DMSO濃
度の減少またはDMSOのすでにヒトでの使用に関して承認されている他の無毒
性の凍結防止剤での置換が、保存したユニットの直接の輸血、したがって洗浄工
程の排除を可能にする可能性がある。洗浄手順の排除は、解凍工程に続く保存を
引き延ばすことを可能にする可能性があった。解凍後の保存を引き延ばした結果
、低温保存したユニットを保存および輸送することが可能であり得る。新鮮な血
小板と同様の特徴を表示している解凍後の細胞集団で、血小板の長期保存を提供
する能力によって、多くの血液バンク在庫供給問題が解決するであろう。
【0534】 患者包含基準 本研究に含めるために、患者は以下の基準を満たさなければならない。患者は
、シスプラチンでの処置を指示された婦人科学的悪性腫瘍を患っているべきであ
る。患者は15歳の年齢である(本発明者の判断において、年齢は13歳から
少なくとも15歳)。十分な血液学的(ANC1500/mm、血小板数 150,000/mmおよびHb10gm/dl)、腎臓(血清Cr1.
5)、および肝臓機能(総ビリルビン1.5、SGPTまたはSCOT3×
正常)が示されなければならない。生存予想は3ヶ月であるべきであり、カモ
フスキー能力状態は80であるべきである。患者はインフォームドコンセント
形式にサインすべきである。患者は、血液ドナー感染疾患試験を要求するFDA
に対して不応答性であるべきである。
【0535】 患者除外基準 患者は以下の理由で除外されるべきである。患者は早期の発達疾患を持つ。患
者は妊娠または授乳女性である。患者は患者を処置合併症の高リスクにするよう
な共存症状態である。患者はCNS転移の陽性経歴がある。患者は明らかな心臓
疾患(NYHA クラスIIIまたはIV)または不整脈であるか、研究に入る
6ヶ月以内に、MIまたは虚血、一過性虚血性ショックまたはCVAの病歴があ
る。患者は、4週間以内に先に化学療法、免疫療法および実験的薬剤を服用した
か、2週間以内に骨髄(G−CSFまたはGM−CSF)成長因子または4週間
以内にエリスロポイエチンを使用した。患者は6週間以内にニトロソウレア(B
CNU、CCNU)またはマイトマイシン−Cを使用した。患者は、研究に入る
2週間以内に先に手術またはRTを経験した。患者は骨盤放射線照射の前経歴を
持つ。患者は幹細胞移植での前高用量化学療法の経歴または長期化した血小板減
少症(2週間)の経歴を持つ。患者は白血病の病歴を持つ。患者はITP、T
TPを含む血小板不全または出血障害の経歴を持つ。患者は、>3の先の化学療
法の経歴を持つ(すべての白金療法は1療法として計算する)。患者は白金に基
づいた治療への応答を欠くことを示している。
【0536】 処置計画 すべての患者を、患者データ処理系(PDMS)に登録した。患者を群A(n
=10)または群B(n=10)に無作為化する。
【0537】 前化学療法相 すべての患者に以下のように血小板の前化学療法相アフェレーシスにおいてr
hTPOを与える。まずrhTPOを1.2mcg/kg i.v.×2用量(
1日目および4日目)で投与する。第二に、血小板フェレーシスを、12日目ま
たは血小板数が750,000/mmレベルまで到達するとき(いずれか最
初に来たとき)に開始する。フェレーシスは、最大4日間まで繰り返すことが可
能であり、250ユニットの血小板(〜30×1011血小板)を回収する。無
菌トロンボゾル/DMSO溶液を血小板濃縮物に添加し、混合してトロンボゾル
/DMSOの均質分散を血小板内に確保する。最終DMSO濃度は容量にして2
%であろう。第3に、トロンボゾル保存溶液内の血小板を、5つの血小板保存バ
ッグ、それぞれおよそ6×1011血小板に分割する。血小板バッグを冷凍カセ
ット内に置き、標準のフリーザー内の−80℃に直接置く。
【0538】 第四に、輸血が必要なときに、冷凍カセットをフリーザーより取り出し、処置
した血小板ユニットを、ユニットが完全に解凍するまで直接37℃水浴内に置く
。解凍した血小板試料をシェーカー上に置き、22℃にて30分間回転させ回復
を可能にさせる。第五に、血小板ユニットを950×gにて20分間遠心して洗
浄し、トロンボゾルおよびDMSOを除去する。血小板を自己血漿内に懸濁させ
る。第六に、2mlの部分をin vitro試験のために取り除く。この血小板試料を
記述したように機能活性の保持に関して試験する(円盤形態割合、ESC、HS
R)。これらの試験はライフセル社にて実施する。第七に、(第一自己輸血事象
のために)選別患者において、トロンボゾル−処置低温保存血小板の一部分を標
準の技術にしたがって111Inで放射標識した。標識の後、血小板試料を2回
、タイロード(pH=7.2)緩衝液での遠心を介して洗浄し、最終的に自己血
漿で本来の容量まで懸濁させた。放射標識化血小板の特異的活性を試料に関して
測定した。最終血小板試料は30uCiの111Inを含む。血小板の放射標識
化試料を未標識化血小板と混合する。緩やかに攪拌して、2つの血小板集団の完
全な混合が起こるようにする。
【0539】 第八に、血小板を患者に再注入する。第九に、注入の後、血小板生存研究に参
加している患者において、10mlの血液試料を注入の2および24時間後の時
点、および注入の2、4、6および10日後の時点にバキュテイナーチューブ内
に吸い出す。注入した血小板集団の試料を放射標識化血小板の保持に関してガン
マ計数を介して解析するために保持した。全血の一部分を計数し、試料を400
×gにて12分間遠心して、血小板の豊富な血漿画分を作製する。このPRPを
血小板機能におけるアイソトープの放射活性に関して測定する。最後に、血小板
の少ない血漿画分を950×gにて22分間遠心して作製し、血漿中に残ってい
る全111Inを測定する。初期クリアランス速度および循環の半減期を、さま
ざまな時間点で入手した放射標識化血小板に対する注射用量の比較によって決定
した。輸血後パーセント回復および生存の計算を、すでに記述したように血漿活
性に関する補正の後に多重ヒット解析を用いて実施した。コンピュータプログラ
ムを使用し、平均絶対数生存期間および残余生存期間を計算する。第十に、輸血
後血小板計数を10分間、−1時および18〜24時点で行った。
【0540】 化学療法サイクル すべての患者にAUC11にてカルバート式を用いて計算した用量でカルボプ
ラチンを与える。化学療法のサイクルは、血液数が回復する毎3週間毎に繰り返
す。化学療法の第一サイクルは、rhTPOの最初の投与から3週間で開始する
【0541】 血小板輸血 すべての患者に、以下のように最下点血小板数が<15,000/mmであ
るときに血小板を輸血する。
【0542】 群A サイクル−1:同種単一ドナー血小板 サイクル−2:自己低温保存血小板 群B サイクル−1:自己低温保存血小板 サイクル−2:同種単一ドナー血小板
【0543】 それぞれの活動は、サイクル−1(群A)およびサイクル−2(群B)での同
種単一ドナー血小板を輸血するために行った。しかしながら、単一ドナー血小板
が入手不可能である場合、ほぼ同等のユニットの無作為ドナー血小板(10ユニ
ット)を輸血する。使用する場合(群Aに対するサイクル−2および群Bに対す
るサイクル−1)、自己血小板はまたほぼ同数の血小板(10ユニット)を含む
【0544】 少なくとも安定であるか応答している疾患を患うすべての患者を、合計6サイ
クルのカルボプラチンまで続けてよい。サイクル3〜6の間、すべての患者(群
AおよびB)に、入手可能である限り、血小板減少症の間自己低温保存血小板を
輸血した。
【0545】 前処置評価 患者は、腫瘍測定での経歴および身体検査を完了する。研究室での研究には、
差でのCBC、血小板数、血清化学、(適用可能ならば)妊娠試験、尿解析、抗
TPO抗体レベル、感染性疾患に関する血液バンクスクリーニング試験が含まれ
る。胸部x線、EKGおよび腫瘍測定に関する他の放射線学研究を行う。
【0546】 研究中の評価 対象者を、研究中の安全性、身体的発見および腫瘍応答に関して綿密にモニタ
する。対象者は、研究の間の各訪問時に副作用に関して査定し、追跡調査する。
致命的な兆候を、それぞれの訪問時およびそれぞれのrhTPO投与前後に測定
した。さらに、研究室評価を以下のように行った。第一にCBC差異および血小
板数を少なくとも1週間に3回モニタした。さらに、日々の血小板数を、血小板
数が<50,000/mmである場合に行う。第二に、血小板輸血の後、輸血
1時間および2時間後血小板数を確認する。第3に、血清化学および抗TPO抗
体をそれぞれの化学療法サイクルの前に確認する。第四に血小板生存研究に参加
する意志のある5人の患者において、血液を抜き、記述する。第五に、選別患者
において、血小板機能(エクスビボ)を、同種および自己血小板の輸血の24時
間後に試験する。
【0547】 評価の基準 安全性評価 患者を、上述のように安全性評価に関して綿密に試験する。患者を、試験期間
中および追跡調査での各訪問時に処置および血小板輸血に関連した副作用に関し
て査定する。
【0548】 輸血効力 血小板輸血の効力の第一の測定は、以下の式にしたがった訂正数増加量(CC
I)によって測定したような、輸血後1時間および24時間時の血小板数の増加
であろう。 CCI=(Tx後数−Tx前数)BSA/Plt txed数×1011
【0549】 選別患者(〜5人の患者)において111In標識化血小板生存研究を、自己
および同種血小板輸血後に行い、輸血後パーセント回復および生存を上述のよう
に計算する。選別患者(〜5人の患者)において、鋳型出血時間を、自己および
同種血小板の輸血後に行い、低血小板数と異常に関連した出血時間の補正を査定
する。
【0550】 腫瘍応答 婦人科学的悪性腫瘍に関する標準応答基準を使用する。
【0551】 治療中止の基準 婦人科学的悪性腫瘍に関する標準応答基準を使用する。治療は、初期応答また
は失敗の後に進行性の疾患がある場合、治療の2つの系、予期しない、不可逆性
のまたはグレード4非造血毒性、プロトコール必要条件を持つ患者またはプロト
コールの継続を拒んだ患者による非承諾として定義される許容不可能な毒性を最
小化するために中止する。
【0552】 統計学的考察 これはトロンボゾルと2%DMSOで低温保存したrhTPO刺激自己血小板
の輸血の安全性および可能性を評価するための予備的臨床研究である。本研究の
予備的性質および試料サイズの小ささを考え、単純な記述統計学を試験結果とし
て準備する。形態、細胞回復および凍結−解凍した血小板の機能活性を査定する
。低温保存した自己血小板および新鮮な同種単一ドナー血小板で観察された血小
板増加量(輸血後1時間および24時間)をサイクル数によって表にする。同様
に血小板生存(すなわち111In標識化血小板研究)および血小板機能(すな
わち鋳型出血時間の補正)の他の測定もまた、自己低温保存した血小板および同
種の新鮮な血小板を使用したサイクルによって表にした。本試験より生成したデ
ータは、本戦略が安全で効果的であるとわかった場合、さらなる正式な第I−I
II試験の設計の助けとなるであろう。
【0553】 実施例13 トロンボゾル(TromboSolTM)と2%DMSOを使用した組換え体ヒ
トトロンボポエチン(rhTPO)−処置ドナーからの血小板の低温保存 試験設計 血小板を化学療法後のrhTPO−処置患者から単離した。トロンボゾルとD
MSO(最終2%)をPRPに添加し、血小板を−80℃フリーザー内で凍結さ
せた。血小板を48時間後に解凍し、in vitro機能活性に関してアッセイした。
【0554】 結果 表30は、トロンボゾルと2%DMSOで低温保存した血小板の機能的パラメ
ータを表示している(平均+/−標準偏差)。
【0555】
【表30】
【0556】 結論 トロンボゾルおよび2%DMSOで低温保存したrhTPO−刺激血小板は、
優れた細胞数および機能活性を保持し、自己血小板の保存に関する実現性のある
方法を表している可能性がある。
【0557】 実施例14 トロンボゾル(ThromboSolTM)と2%DMSOでの低温保存の後の
rhTPO誘導血小板のin vitro機能活性の保持の増強 rhTPO−刺激血小板を低温保存する能力によって、化学療法後の血小板減少
症における自己血小板の使用が可能になる可能性があった。運悪く、5%または
6%DMSOを用いた血小板低温保存のための現在の改善された方法は、労力が
大きく、結果として細胞数および機能活性の欠失となる。トロンボゾルは、血小
板に対して内因性の特異的活性化経路を阻害する第二メッセンジャー効果器から
なる血小板安定化溶液である。先行するデータは、トロンボゾルの血小板の低温
保存への適用が、工程の簡素化、DMSOの2%までの減少および細胞数および
機能活性の優れた解凍後保持を可能にすることを示唆した。本研究は、rhTP
O処置後の患者由来の血小板におけるトロンボゾル低温保存の効果を調査する。
rhTPO−処置患者または対照ボランティアから単離したPRPを、in vitro
にて血小板機能活性に関して試験した。次いで試料をトロンボゾルと2%DMS
Oで処理し、直接−80℃フリーザー内に置いた。保存後、血小板を解凍し、in vitroで血小板機能活性の保持に関して試験した。表31は、低温保存前および
後の、10人の化学療法後TPO処置患者から、および健康なボランティアから
の血小板より得られた結果を表示している。
【0558】
【表31】
【0559】 rhTPO−誘導および対照血小板両方が、新鮮な細胞としてアッセイした場
合に、in vitroにて同様の機能活性を示した。トロンボゾルと2%DMSOでの
低温保存後、rhTPO処置患者からの血小板は、多くのin vitroでの機能活性
のより高い保持を示し、光学および超微細構造形態によって全般的に形態学的に
正常に見えた。さらに、予備的データは、rhTPO刺激血小板が、低温保存の
1ヶ月および3ヶ月後にその高いレベルのin vitro機能活性を保持することを示
唆している。トロンボゾルと2%DMSOの使用はしたがって、化学療法後輸血
のための自己rhTPO誘導血小板を低温保存するための本質的に有用な方法を
表している。
【0560】 本明細書で開示し、請求したすべての方法は、本開示物に照らし不適切な実験
なしに作製および実行可能である。本発明の組成物および方法は、好ましい実施
様態に関して記述したが、変形が、本発明の概念、意志および意図から逸脱しな
い限り、本明細書で記述した方法および工程内または連続した方法工程内で適用
してよいことが当業者に明らかであろう。さらにとりわけ、化学的および生理学
的両方で関連した特定の薬剤を、同一のまたは同様の結果が成し遂げられるなら
ば、本明細書に記述した薬剤と置換してもよいことが明らかになるであろう。当
業者に明らかであるそのような同様の置換物および変更は、付随する請求項によ
って定義されるような本発明の意志、意図および概念の範囲内であると考えられ
る。
【0561】 文献 以下の文献は、それが例示的手法または本明細書中に記載したものを補足する
他の詳細を提供する限りにおいて、具体的に引用して本明細書の記載の一部とす
る。 U.S. Patent No. 5,851,984 U.S. Patent No. 5,851,451 U.S. Patent No. 5,837,693 U.S. Patent No. 5,837,544 U.S. Patent No. 5,830,682 U.S. Patent No. 5,830,647 U.S. Patent No. 5,814,517 U.S. Patent No. 5,795,569 U.S. Patent No. 5,792,850 U.S. Patent No. 5,766,897 U.S. Patent No. 5,766,581 U.S. Patent No. 5,756,083 U.S. Patent No. 5,753,462 U.S. Patent No. 5,744,587 U.S. Patent No. 5,741,899 U.S. Patent No. 5,733,746 U.S. Patent No. 5,712,094 U.S. Patent No. 5,707,803 U.S. Patent No. 5,696,250 U.S. Patent No. 5,648,219 U.S. Patent No. 5,641,655 U.S. Patent No. 5,593,666 U.S. Patent No. 5,571,686 U.S. Patent No. 5,384,331 U.S. Patent No. 5,310,550 U.S. Patent No. 5,260,417 U.S. Patent No. 5,250,732 U.S. Patent No. 5,155,211 U.S. Patent No. 5,126,325 U.S. Patent No. 4,894,440 Alvarez, Gates, Brady, "Complications from intra-aortic balloon counterp
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【0562】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 治療スケジュールのスキーム。rhTPOを、3週間前および第二サイクルの
カルボプラチン(Cで標識)(AUC=11)後に、単一用量として皮下注射に
より、用量レベル0.6、1.2、2.4、または3.6mcg/kgで投与し
た(rhTPOを矢印で標識)。各矢印は1用量を示す。
【図2】 左のパネルは、循環血小板数に対するrhTPOの用量効果を示す。様々な用
量のrhTPO後の、基線からの最大比率増加(平均±SEM)を示す。右のパ
ネルは、1用量のrhTPO後の血小板応答の動力学を示す。得られたデータは
、全患者(n=16)の平均値を示す。
【図3】 サイクル−1(実践)のカルボプラチン単独と比較した、サイクル−2(点線
)のカルボプラチン後の平均血小板数に対する二次予防として使用したrhTP
O(2、4、6、8日目に1.2mcg/kg)の効果(n=6)。暗く影のあ
る領域は、サイクル2での血小板減少症の程度および期間を示し、軽く影のある
領域は、サイクル1での血小板減少症の程度および期間を示す。
【図4A】 カルボプラチンのみを用いたサイクル−1(実線)(その間に患者が2回の血
小板輸血を必要とした)と比較した、サイクル−2(点線)におけるカルボプラ
チン後に二次予防として使用したrhTPO(−1、1、3、5日目に1.2m
cg/kg)と血小板輸血の必要性を軽減する、血小板最下点の減少および血小
板回復の増強の例(Txを矢印で示す)。暗く影のある領域は、サイクル2での
血小板減少症の程度および期間を示し、軽く影のある領域は、サイクル1での血
小板減少症の程度および期間を示す。
【図4B】 カルボプラチン単独ではサイクル−2において重度の血小板減少症と記録され
、血小板輸血(Txを矢印で示す)を必要としている患者の二次予防として使用
したrhTPO(−1、1、3、5日目に1.2mcg/kg)を用いたサイク
ル−3の、累積的な重度の血小板減少症および血小板輸血の必要性の抑止の例。
影のある領域は、各サイクルの血小板減少症の程度および期間を示す。
【図5】 左パネルは、50,000/mm(P<0.019)まで血小板が回復す
るまでの時間を示し、右パネルは、サイクル−1(rhTPOを用いない)およ
びサイクル−2(rhTPOを用いる)での100,000mm(P<0.
017)まで回復するまでの時間を示す。TPOは、サイクル−1に対して、サ
イクル−2において、50,000/mm(左パネル)、および100,
000/mmまで血小板回復を増強した。
【図6】 AI化学療法誘導血小板減少症に対するrhTPO(スケジュールI:1前用
量および3後用量)に対するrhTPOの効果。詳細については実施例8参照。
【図7】 AI化学療法誘導血小板減少症に対するrhTPO(スケジュールII:2前
用量および2後用量)の効果。詳細については実施例8参照。
【図8】 AI化学療法誘導血小板減少症に対するrhTPO(スケジュールIII:3
前用量および1後用量)の効果。詳細については実施例8参照。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/14 A61K 45/00 45/00 A61P 7/00 A61P 7/00 35/00 35/00 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP Fターム(参考) 4C076 AA29 BB12 CC14 FF65 4C084 AA02 AA19 BA44 CA26 DB55 MA01 MA02 MA44 MA65 NA06 NA14 ZA511 ZA512 ZB262 ZC022 4C086 AA01 AA02 DA35 EA10 MA02 MA04 MA07 MA44 MA65 NA06 NA14 ZA51 ZB26 ZC02 4C087 AA01 AA02 BB38 CA21 DA21 MA01 MA02 MA44 MA65 NA06 NA14 ZA51 ZB26 ZC02 4C206 AA01 AA02 JB14 MA02 MA04 MA24 MA28 MA64 MA85 NA06 NA14 ZA51 ZB26 ZC02

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血小板減少症に罹患しているかまたはその危険性のある哺乳
    動物を治療する方法であって、 (a)血小板減少症を引き起こし得る薬剤を哺乳動物に投与するステップと、 (b)前記薬剤の投与前に、1またはそれ以上の初回刺激用量のトロンボポエ
    チン(TPO)を含む組成物を哺乳動物に投与するステップと、 (c)前記薬剤の投与後に、1またはそれ以上の後用量のTPO組成物を哺乳
    動物に投与するステップと を含む方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2初回刺激用量のTPO組成物を投与する請求項
    1の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも3初回刺激用量のTPO組成物を投与する請求項
    2の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも4初回刺激用量のTPO組成物を投与する請求項
    3の方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも5初回刺激用量のTPO組成物を投与する請求項
    4の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも6初回刺激用量のTPO組成物を投与する請求項
    5の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも2後用量のTPO組成物を投与する請求項1の方
    法。
  8. 【請求項8】 少なくとも3後用量のTPO組成物を投与する請求項7の方
    法。
  9. 【請求項9】 少なくとも4後用量のTPO組成物を投与する請求項8の方
    法。
  10. 【請求項10】 少なくとも5後用量のTPO組成物を投与する請求項9の
    方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも6後用量のTPO組成物を投与する請求項1の
    方法。
  12. 【請求項12】 初回刺激用量または後用量が、毎日以外で投与される請求
    項1の方法。
  13. 【請求項13】 用量が、隔日に投与される請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 前記薬剤の最下点が約10〜約14日目である請求項1の
    方法。
  15. 【請求項15】 前記薬剤は、イフォスファミド、アドリアマイシンまたは
    その組合せである請求項14の方法。
  16. 【請求項16】 前記薬剤が、約3〜約5日間の期間にわたって投与される
    請求項1の方法。
  17. 【請求項17】 前記薬剤は、イフォスファミド、アドリアマイシンまたは
    その組合せである請求項16の方法。
  18. 【請求項18】 血小板減少症に罹患しているかまたはその危険性のある哺
    乳動物を治療する方法であって、 (a)血小板減少症を引き起こし得る薬剤を哺乳動物に投与するステップと、 (b)前記薬剤の投与前に、1またはそれ以上の初回刺激用量のTPO含有組
    成物を哺乳動物に投与するステップと を含む方法。
  19. 【請求項19】 6までの初回刺激用量のTPO組成物を投与する請求項1
    8の方法。
  20. 【請求項20】 プライム用量が毎日以外で投与される請求項18の方法。
  21. 【請求項21】 用量が隔日に投与される請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 前記薬剤の最下点は、約10〜約14日目である請求項1
    8の方法。
  23. 【請求項23】 前記薬剤は、イフォスファミド、アドリアマイシンまたは
    その組合せである請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 前記薬剤が、約3〜約5日間の期間にわたって投与される
    請求項18の方法。
  25. 【請求項25】 前記薬剤は、イフォスファミド、アドリアマイシンまたは
    その組合せである請求項24の方法。
  26. 【請求項26】 血小板減少症に罹患しているかまたはその危険性のある哺
    乳動物を治療する方法であって、 (a)血小板減少症を引き起こし得る薬剤を哺乳動物に投与するステップと、 (b)前記薬剤の投与後に、2またはそれ以上の後用量のTPOを含む組成物
    を哺乳動物に投与するステップと を含み、後用量が毎日以外で投与されることを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 15までの後用量のTPO組成物を投与する請求項26の
    方法。
  28. 【請求項28】 用量が隔日に投与される請求項26の方法。
  29. 【請求項29】 前記薬剤の最下点は約12〜約25日目である請求項26
    の方法。
  30. 【請求項30】 前記薬剤の最下点は約15〜約18日目である請求項29
    の方法。
  31. 【請求項31】 前記薬剤はカルボプラチンである、請求項29の方法。
  32. 【請求項32】 前記薬剤は約1〜約5日間の期間におよび投与する、請求
    項26の方法。
  33. 【請求項33】 前記薬剤は約1〜約2日間の期間におよび投与する、請求
    項32の方法。
  34. 【請求項34】 前記薬剤はカルボプラチンである請求項32の方法。
  35. 【請求項35】 血小板を保存する方法であって、 (a)1またはそれ以上の用量以上の血小板上昇組成物を含む組成物を哺乳動
    物に投与するステップと、 (b)哺乳動物により産生される血小板を収集するステップと、 (c)適切な薬剤とともに血小板を保存するステップと を含む方法。
  36. 【請求項36】 前記血小板上昇組成物は、TPO、NGDF、c−MPL
    リガンド、IL−3、IL−6、IL−11、TPO活性ペプチド模倣体、トロ
    ンボポエチン受容体アゴニスト、サイトカイン受容体アゴニスト、またはそれら
    の組合せである請求項35の方法。
  37. 【請求項37】 前記適切な薬剤は、トロンボソール、TPOおよびDMS
    Oの組合せである請求項35の方法。
  38. 【請求項38】 前記血小板を前記哺乳動物に輸血するステップをさらに含
    む請求項35の方法。
  39. 【請求項39】 血小板減少症に罹患した哺乳動物を治療する方法であって
    、1またはそれ以上の用量のTPO含有組成物を哺乳動物に投与するステップを
    含み、前記用量は、毎日以外で投与される前記方法。
  40. 【請求項40】 前記用量は隔日に投与する、請求項39の方法。
  41. 【請求項41】 前記血小板減少症は、筋異形成症、再生不良性貧血、先天
    性血小板減少症、免疫性血小板減少症、後天性血小板減少症、肝疾患、細菌感染
    、ウイルス感染、またはそれらの組合せにより引き起こされる請求項39の方法
  42. 【請求項42】 血小板減少症の治療のためにTPOと共に投与される医薬
    の製造における凍結保存物の使用。
  43. 【請求項43】 血小板減少症を引き起こし得る薬剤を投与する約10〜8
    日前または約16〜約21日後に、1回またはそれ以上、動物に投与する、医薬
    の製造におけるTPOの使用。
  44. 【請求項44】 血小板減少症を引き起こし得る薬剤の投与の約10〜2日
    前に1回またはそれ以上、およびかかる薬剤の投与後の21日目までに1回また
    はそれ以上、動物に投与する医薬の製造におけるTPOの使用。
  45. 【請求項45】 動物に1回またはそれ以上投与する医薬の製造におけるT
    POの使用であって、初回投与は、血小板減少症を引き起こし得る薬剤の治療サ
    イクルにおいて、前記薬剤の投与の8日以上前であることを特徴とする使用。
  46. 【請求項46】 血小板減少症を引き起こし得る薬剤の治療サイクルにおい
    て、前記薬剤の投与の約10日前から1回またはそれ以上、および、かかる薬剤
    の投与後の21日目までに1回またはそれ以上、動物に投与する医薬の製造にお
    けるTPOの使用。
  47. 【請求項47】 血小板減少症を引き起こし得る薬剤の治療サイクルにおい
    て、1またはそれ以上の用量を、前記薬剤の投与の約10日前から、かかる薬剤
    の投与後の21日目までに1回またはそれ以上、動物に投与する医薬の製造にお
    けるTPOの使用。
JP2000595700A 1999-01-28 2000-01-28 トロンボポエチン組成物を使用した収集用および凍結保存のための循環血小板を増加させる方法 Withdrawn JP2002535373A (ja)

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