JP2002535248A - 環式ペプチド抗真菌剤 - Google Patents

環式ペプチド抗真菌剤

Info

Publication number
JP2002535248A
JP2002535248A JP2000588201A JP2000588201A JP2002535248A JP 2002535248 A JP2002535248 A JP 2002535248A JP 2000588201 A JP2000588201 A JP 2000588201A JP 2000588201 A JP2000588201 A JP 2000588201A JP 2002535248 A JP2002535248 A JP 2002535248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxy
opo
alkyl
compound
oso
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000588201A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョン マイケル ロドリゲス,
ジェームズ アンドリュー ジャミソン,
Original Assignee
イーライ リリー アンド カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーライ リリー アンド カンパニー filed Critical イーライ リリー アンド カンパニー
Publication of JP2002535248A publication Critical patent/JP2002535248A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/50Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link
    • C07K7/54Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring
    • C07K7/56Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring the cyclisation not occurring through 2,4-diamino-butanoic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/10Antimycotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H17/02Heterocyclic radicals containing only nitrogen as ring hetero atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Abstract

(57)【要約】 構造(I)によって表される化合物であって、ここでR4および/またはR8は、糖部分を表す。これらの化合物は、抗真菌剤および抗寄生虫剤として、またはそのような薬剤の中間体として有用であることが示される。本発明は、1つ以上の薬学的キャリア、希釈剤または賦形剤および上記の化合物Iを含む薬学的処方物を含む。本発明は、有効量の化合物Iを、その必要があるレシピエントへ投与することによって、真菌活性および寄生虫活性を阻害するための方法を含む。処置方法および構造(I)によって表される化合物を含む薬学的処方物もまた記載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、抗真菌/抗寄生虫剤、特に、Echinocandin化合物の誘
導体および真菌および寄生虫感染の処置におけるそれらの使用に関する。
【0002】 (背景技術) 多くの天然に存在する環状ペプチドが、当該分野において公知であり、そして
echinocandin B(A30912A)、aculeacin、mu
lundocandin、sporiofungin、L−671,329、お
よびS31794/F1を含む。一般的に、これらの環状ペプチドは、コアアミ
ノ酸の1つにアシル化アミノ基を有する環状ヘキサペプチドコア(または核)と
して構造的に特徴付けられ得る。このアシル基は、代表的には脂肪酸部分であり
、核から離れて側鎖を形成する。例えば、echinocandin Bは、リ
ノレオイル側鎖を有する一方、aculeacinは、パルミトイル側鎖を有す
る。
【0003】 これらの天然の産物は、制限された固有の抗真菌特性および抗寄生虫特性を有
する。これらの天然の化合物は、構造的に改変されて、これらの特性を増強する
か、この化合物の安定性および/または水溶性を改善し得る。Turnerら、
Cur.Pharm.Des.2:209(1996)。例えば、脂肪酸側鎖は
、環状ペプチドコアから除去されアミノ核を与え得、このアミノ核は、再アシル
化されて半合成化合物を与え得る。
【0004】 (発明の開示) 以下の構造Iによって表される化合物およびその薬学的に受容可能な塩、エス
テル、水和物または溶媒和物が、提供される:
【0005】
【化28】 ここで、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または
ヘテロアリール基であり;R1は、独立して、−H、−OHまたは−O−Pgで
あり;R2は、−H、−CH3、−NH2、または−NH−Pgであり;R3は、−
H、−CH3、−CH2CONH2、−CH2CONH−Pg、−CH2CH2NH2
、または−CH2CH2NH−Pgであり;R5は、−OH、−OSO3H、または
−OPO2HRaであり、ここでRaは、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C 6 アルコキシ、フェニル、フェノキシ、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ
、p−ニトロフェニル、p−ニトロフェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p
−ハロベンジル、p−ハロベンジルオキシ、p−ニトロベンジル、またはp−ニ
トロベンジルオキシであり;R6は、−H、−OH、または−OSO3Hであり;
7は、−Hまたは−CH3であり;R4およびR8は、独立して、水素、またはヒ
ドロキシであり、R4およびR8の少なくとも1つは、以下の式の糖部分であり、
【0006】
【化29】 ここで、R9は、独立して、−H、−OH、−N3、−O−Pg、−NH2、−N
H−Pg、−PO2aまたは以下およびその混合物からなる群から選択される1
〜3個の糖単位を有する第2の糖部分であり、
【0007】
【化30】 ここで、R9aは、−H、−OH、−N3、−NH2、−O−Pg、または−NH−
Pgであり、R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−
O−Pg、または−NH−Pgであり、R9cは、−CH3、−CH2OH、−CH 23、−CH2OSO3H、−CH2NH−Pg、−CH2O−Pg、−CO2H、
または−CO2−Pgであり、ここで、Raは、上記に定義される通りであり、そ
して、R9の1つだけが、上記第2の糖部分によって表され;Pgは保護基であ
り(すなわち、−O−Pgはヒドロキシ保護基であり、−NH−Pgはアミノ保
護基であり、−CH2CONH−Pgはアミド保護基であり、そして−CO2−P
gはカルボキシ保護基である)。
【0008】 本発明は、1つ以上の薬学的キャリア、希釈剤または賦形剤および上記の化合
物Iを含む薬学的処方物を含む。
【0009】 本発明は、有効量の化合物Iを、その必要があるレシピエントへ投与すること
によって、真菌活性および寄生虫活性を阻害するための方法を含む。
【0010】 「アルキル」とは、他に示さない限り、1〜30の炭素原子を含む一般式Cn
2n+1の炭化水素基をいう。アルカン基は、直鎖、分枝鎖、環式、または多環式
であり得る。アルカン基は、置換されているか、または無置換であり得る。アル
コキシ基、アルキルチオ基またはアルカノエートのアルキル部分は、上記と同一
の定義を有する。
【0011】 「C1〜C12アルキル」とは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝
鎖の飽和アルキル鎖をいう。C1〜C12アルキル基としては、以下が挙げられる
が、これらに限定されない:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル
、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、5−メチルペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、3,3−ジメチルヘプチル、オクチル、2−メチル−オクチル、ノニル
、デシル、ウンデシルおよびドデシル。「C1〜C12アルキル」は、「C1〜C6
アルキル」、「C1〜C4アルキル」、および「C3〜C12シクロアルキル」を含
む。
【0012】 「C3〜C12シクロアルキル」とは、3〜12個の炭素原子を有する環式飽和
アルキル鎖をいう。さらに、用語「C3〜C12シクロアルキル」は、「C3〜C7
シクロアルキル」、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル
、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルを含む。「C1〜C12アルコキシ」と
は、酸素原子を介して結合されるC1〜C12アルキル基をいう。C1〜C12アルコ
キシ基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、5−メチル
−ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、デシルオキシおよびドデシルオキ
シ。「C1〜C12アルコキシ」は、「C1〜C6アルコキシ」、「C3〜C7アルコ
キシ」、および「C1〜C4アルコキシ」を含む。
【0013】 「C1〜C12アルキルチオ」とは、硫黄原子を介して結合されるC1〜C12アル
キル基をいう。C1〜C12アルキルチオ基としては、以下が挙げれるが、これら
に限定されない:メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、
ブチルチオ、3−メチル−ヘプチルチオ、オクチルチオ、および5,5−ジメチ
ル−ヘキシルチオ。「C1〜C12アルキルチオ」は、「C1〜C6アルキルチオ」
および「C1〜C4アルキルチオ」を含む。
【0014】 「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む非環式炭化
水素をいう。アルケン基は、直鎖、分枝鎖、環式、または多環式であり得、置換
されているか、または無置換であり得る。
【0015】 「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む非環式炭化
水素をいう。アルキン基は、直鎖、または分枝鎖であり得、置換されているか、
または無置換であり得る。
【0016】 「C2〜C12アルキニル」とは、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分
枝鎖のモノアルキニル鎖をいう。C2〜C12アルキニル基としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:エチニル、1−プロピン−1−イル、1−プ
ロピン−2−イル、1−ブチン−1−イル、1−ブチン−3−イル、1−ペンチ
ン−3−イル、4−ペンチン−2−イル、1−ヘキシン−3−イル、3−ヘキシ
ン−1−イル、5−メチル−3−ヘキシン−1−イル、5−オクチン−1−イル
、7−オクチン−1−イル、4−デシン−1−イルおよび6−デシン−1−イル
【0017】 「アリール」とは、単環系(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば、ナ
フタレン、アントラセン、フェナントレンなど)を有する芳香族部分をいう。ア
リール基は、置換されているか、または無置換であり得る。置換されたアリール
基は、芳香族部分の鎖を含む(例えば、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナ
フタリルなど)。
【0018】 「ヘテロアリール」とは、芳香族環系内に少なくとも1つのヘテロ原子を含む
芳香族部分をいう(例えば、ピロール、ピリジン、インドール、チオフェン、フ
ラン、ベンゾフラン、イミダゾール、ピリミジン、プリン、ベンズイミダゾール
、キノリンなど)。芳香族部分は、単環系または縮合環系で構成され得る。ヘテ
ロアリール基は、置換されているか、または無置換であり得る。
【0019】 有機化学の分野において、そして特に有機生物化学の分野において、化合物の
有意な置換は許容されるか、またはなお有用であると広く理解される。アルキル
基は、置換基として許容され、このアルキル基は、代表的なアルキル(例えば、
メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、
イソオクチル、ドデシル、ステアリルなど)である。この用語の基は、当該分野
で一般的であるアルキル上の置換(例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ
、カルボニル、ケト、エステル、カルバメート(carbamato)など)、
ならびに無置換アルキル部分を含む。置換基は、化合物の薬理学的特性に悪影響
を与えず、または医薬の使用と不利に干渉しないべきである。他の基(すなわち
、アリール、アルキニル、アルケニル、ヘテロアリール)の各々について、同様
のことがあてはまる。上記に定義される任意の基についての適切な置換基として
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコ
キシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、モノ−およ
びジ−アルキルアミノ、4級アンモニウム塩、アミノアルコキシ、ヒドロキシア
ルキルアミノ、アミノアルキルチオ、カルバミル、カルボニル、カルボキシ、グ
リコリル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、およびそれらの組み合わせが挙げ
られる。
【0020】 「ハロ」とは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードをいう。
【0021】 「O−Pg」および「ヒドロキシ保護基」とは、反応が化合物における他の官
能基において実施される間に、ヒドロキシ官能性をブロックまたは保護するため
に一般的に使用されるヒドロキシ基の置換基をいう。この置換基は、それが結合
される酸素と併せて、エーテル(例えば、メチル、メトキシメチル、およびベン
ジルオキシメチルエーテル)、シリルエーテル、エステル(例えば、アセトキシ
)、またはスルホネート部分(例えば、メタンおよびp−トルエンスルホネート
)を形成し得る。ヒドロキシ保護基の厳密な部類および種類は、誘導化ヒドロキ
シ基がその後の反応の条件に対して安定であり、かつこの保護基がこの分子の残
りを崩壊させることなしに適切な時点で除去され得る限り、重要でない。好まし
いヒドロキシ保護基は、アセチルである。ヒドロキシ保護基の特定の例は、Gr
eene、「Protective Groups in Organic S
ynthesis」、John Wiley and Sons、New Yo
rk,N.Y.(第2版、1991)、(Greene)第2章および第3章な
らびに本明細書中以下に続く調製および実施例のセクションに記載される。
【0022】 「NHp−Pg」および「アミノ保護基」とは、化合物における他の官能基を
反応させる間、アミノ官能性をブロックまたは保護するために一般的に使用され
るアミノ基の置換基をいう。pが0である場合、アミノ保護基は、それが結合さ
れる窒素原子と併せて、環状イミド(例えば、フタルイミドおよびテトラクロロ
フタルイミド)を形成する。pが1である場合、保護基は、それが結合される窒
素原子と併せて、カルバメート(例えば、メチル、エチル、および9−フルオレ
ニルメチルカルバメート);またはアミド(例えば、N−ホルミルおよびN−ア
セチルアミド)を形成し得る。使用されるアミノ保護基の厳密な部類および種類
は、誘導体化アミノ基が、中間体分子の他の位置におけるその後の反応条件に対
して安定であり、かつこの保護基が、この分子の残り(任意の他のアミノ保護基
を含む)を崩壊することなしに適切な時点で選択的に除去され得る限り、重要で
ない。好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシカルボニル(t−Boc)、アリ
ルオキシカルボニル、フタルイミド、およびベンジルオキシカルボニル(CbZ
)である。Greeneの第7章を参照のこと。
【0023】 「−CO2−Pg」および「カルボキシ保護基」とは、化合物における他の官
能基上で反応が実施される間、カルボキシ官能性をブロックまたは保護するため
に一般的に使用されるカルボニルの置換基をいう。この置換基は、それが結合さ
れるカルボニルと併せて、エステル(例えば、C1〜C6アルキル、置換C1〜C6 アルキル、C2〜C6アルケニル、置換C2〜C6アルケニル、ベンジル、置換ベン
ジル、ベンズヒドリル、置換ベンズヒドリル、トリチル、置換トリチル、および
トリアルキルシリルエステル)を形成し得る。カルボキシ保護基の厳密な種類は
、この誘導化ヒドロキシ基が、その後の反応の条件に対して安定であり、かつこ
の保護基が、この分子の残りを崩壊することなしに適切な時点で除去され得る限
り、重要でない。上記用語によって参照される基の他の例は、Greeneの第
5章に記載される。
【0024】 「C(O)NH−Pg」および「アミド保護基」とは、化合物における他の官
能基を反応させる間、このアミノ部分をブロックまたは保護するために一般的に
使用されるアミドの置換基をいう。この保護基は、これが結合される窒素原子と
併せて、アミド(例えば、N−アリル、N−メトキシメチル、およびN−ベンジ
ルオキシメチルアミド)を形成し得る。使用されるアミド保護基の厳密な種類は
、この誘導化アミド基が、中間体分子の他の位置におけるその後の反応条件に対
して安定であり、かつこの保護基が、この分子の残り(任意の他のアミド保護基
を含む)を崩壊することなしに適切な時点で選択的に除去され得る限り、重要で
ない。上記用語によって参照される他の例は、Greeneの第7章の第397
頁に記載される。
【0025】 「カルボニル活性化基」とは、そのカルボニルでの求核付加反応を促進するカ
ルボニルの置換基をいう。適切な活性化置換基は、カルボニルにおいて正味の電
子吸引効果を有する。このような基としては、以下が挙げられるが、これらに限
定されない:アルコキシ、アリールオキシ、窒素含有芳香族複素環、またはアミ
ノ基(例えば、オキシベンゾトリアゾール、イミダゾリル、ニトロフェノキシ、
ペンタクロロフェノキシ、N−オキシスクシンイミド、N,N’−ジシクロヘキ
シルイソウレ−O−イル、N−ヒドロキシ−N−メトキシアミノ);アセテート
、ホルメート、スルホネート(例えば、メタンスルホネート)、エタンスルホネ
ート、ベンゼンスルホネート、またはp−トリルスルホネート);およびハロゲ
ン化物(塩化物、臭化物、もしくはヨウ化物)。
【0026】 「薬学的」または「薬学的に受容可能な」とは、レシピエントに対して、実質
的に無毒性および実質的に無害であることを意味する。「薬学的処方物」は、そ
の処方物中のキャリア、溶媒、賦形剤および塩がその処方物の活性成分(すなわ
ち、化合物I)と適合性である処方物である。
【0027】 「薬学的塩」または「薬学的に受容可能な塩」とは、投与される量でレシピエ
ントに対して実質的に無毒性である、構造Iによって表される化合物の塩である
。代表的な薬学的塩は、本発明の化合物を鉱酸または有機酸あるいは無機塩基と
反応させることによって調製されるものを含む。このような塩は、酸付加塩およ
び塩基付加塩として公知である。薬学的塩のさらなる例示のために、例えば、B
ergeら、J.Pharm.Sci.,66:1(1997)を参照のこと。
【0028】 「溶媒和物」は、1つ以上の分子の薬学的溶媒(例えば、水およびエタノール
など)を含む、1つ以上の溶質(例えば、式Iの化合物)の凝集体を表す。「適
切な溶媒」は、進行中の反応に対して不活性である、任意の溶媒またはその混合
物であり、これは十分に反応物を可溶化し、その内部に所望の反応を実施するた
めの環境を与える。
【0029】 「熱力学的塩基」は、酸性物質の可逆な脱プロトン化を提供するか、または所
定の反応の副生成物として生成され得るプロトンについてのプロトントラップで
あり、そして所望でない反応を有意には実施させることなしに所望の反応を実施
させるのに十分なほど反応性である、塩基である。熱力学的塩基の例としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:アセテート、アセテート二水和物
、カルボネート、ビカルボネート、C1〜C4アルコキシド、およびヒドロキシド
(例えば、銀、リチウム、ナトリウム、またはカリウムの、酢酸塩、酢酸塩二水
和物、炭酸塩、重炭酸塩、メトキシド、または水酸化物)、トリ−(C1〜C4
ルキル)アミン、あるいは芳香族窒素含有複素環(例えば、イミダゾールおよび
ピリジン)。
【0030】 「阻害すること」は、進行を、予防、停止、遅延、緩和、改善、中断、制限、
減速または逆行させること、あるいは増殖の重篤度または寄生虫または真菌の存
在に由来する任意の付加特徴、症状、および結果を軽減することを含む。これら
の方法は、目的に合わせて、医療治療的(急性)および/または予防的(予防)
投与の両方を含む。
【0031】 「有効量」とは、真菌および/または寄生虫活性を阻害し得る式Iの化合物の
量をいう。
【0032】 「レシピエント」は、哺乳動物、好ましくはヒトを含む。
【0033】 (詳細な説明) 構造Iによって表される化合物は、抗真菌性および駆虫性の薬剤として、また
はこれらの中間体として有用であることがここで見出された。構造Iによって表
される化合物を生成する最も便利な手段は、天然に存在する化合物の改変による
【0034】 例示の目的のために、スキームI(以下)は、特定のechinocandi
n誘導体から始まる。しかし、任意の天然産物、以下に示される糖部分(R9
、上記で規定される通り):
【0035】
【化31】 の1つで誘導化され得る1つ以上のヒドロキシ基を含む半合成的または合成的E
chinocandin型化合物を用いて始め得る。
【0036】 用語「echinocandin型化合物」とは、以下の一般的な構造:
【0037】
【化32】 (ここで、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘ
テロアリール基であり;R1は独立して−H、または−OHであり;R2は−Hま
たは−CH3であり;R3は−H、−CH3、−CH2CONH2または−CH2CH 2 NH2であり;R4は−Hまたは−OHであり;R5は−OH、−OPO32、−
OPO3HCH3、−OPO2HCH3、または−OSO3Hであり;R6は−H、−
OH、または−OSO3Hであり;R7は−Hまたは−CH3であり;R8は、−H
または−OHである)を有する化合物をいい、その単純な誘導体および、その薬
学的に受容可能な塩、エステル、水和物または溶媒和物を含む。
【0038】 「天然産物」は、本質的に、特定の供給源の、より分布が限定され、そしてよ
り特徴的である2次代謝産物であり、通常は比較的複雑な構造である。Echi
nocandinシクロペプチドファミリーの適切な天然産物出発物質には、E
chinocandin B、Echinocandin C、Aculeac
in Aγ、Mulundocandin、Sporiofungin A、P
neumocandin A0、WF11899A、およびPneumocan
din B0が挙げられる。
【0039】 本発明で使用される環状ペプチドは、種々の微生物を培養することによって生
成され得る。一般に、この環状ペプチドは、アミノ酸の1つにアシル化アミノ基
を有する環状ヘキサペプチド核として特徴付けられ得る。天然に存在する環状ペ
プチドのこのアミノ基は、代表的には脂肪酸基を用いてアシル化され、核から離
れて側鎖を形成する。天然に存在するアシル基としては、リノレオイル(Ech
inocandin B、CおよびD)、パルミトイル(Aculeacin
AγおよびWF11899A)、ステアロイル、12−メチルミリストイル(M
ulundocandin)、10,12−ジメチルミリストイル(Spori
ofungin AおよびPneumocandin A0)が挙げれらるが、
これらに限定されない。
【0040】 半合成誘導体は、一般的には、環状ペプチド核から脂肪酸側鎖を除去して遊離
アミノ基(すなわち、ペンダントアシル基−C(O)Rが無い)を生成すること
によって調製され得る。次いで、この遊離アミンは、適切なアシル基を用いて再
アシル化される。例えば、このechinocandin B核は、天然に存在
しない側鎖部分で再アシル化され、多くの抗真菌剤を与える。米国特許第4,2
93,489号。このN−アシル側鎖は、当該分野で公知の種々の側鎖部分を含
む。適切な側鎖部分は、置換および無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アリール基、ヘテロアリール基ならびにこれらの組み合わせを含む。好
ましくは、この側鎖は、直線的で堅固な部分および可撓性のアルキル部分の両方
を含み、抗真菌性効力を最大化する。好ましいアシル側鎖の代表例には、以下の
構造を有するR基:
【0041】
【化33】 (ここで、A、B、CおよびDは独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C 12 アルキニル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロ、または−
O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1〜C12アルキル)または−O
−(CH2q−X−Eであり;mは2、3または4であり;nは2、3または4
であり;pは0または1であり;qは2、3または4であり;Xはピロリジノ、
ピペリジノまたはピペラジノであり;そしてEは水素、C1〜C12アルキル、C3 〜C12シクロアルキル、ベンジルまたはC3〜C12シクロアルキルメチルである
)が挙げられる。
【0042】 スキームIは、上記の一般的な半合成ルートを例示し、ここで、天然産物(化
合物II(a))は改変されてアシル化中間体(化合物II(c))を提供し、
これは改変されてスキームIIに例示される構造I化合物を提供する。
【0043】
【化34】 構造II(a)の環状ペプチドは、公知の微生物の発酵によって調製され得る
。R1およびR4がそれぞれヒドロキシであり、R2、R3およびR7がそれぞれメ
チルであるこの環状ペプチドII(a)(A−30912Aに対応する環状核)
は、米国特許第4,293,482号に詳述される手順を使用して調製され得る
。R1がヒドロキシであり、R2、R3およびR7がそれぞれメチルであり、そして
4が水素である環状ペプチドII(a)(A−30912Bに対応する環状核
)は、米国特許第4,299,763号における手順を使用して調製され得る。
Aculeacinは、米国特許第3,978,210号における手順を使用し
て調製され得る。R3がCH2C(O)NH2であり、R7がメチルであり、R2
水素であり、そしてR1およびR4がヒドロキシルである環状ペプチドII(a)
は、米国特許第5,198,421号における手順を使用して調製され得る。
【0044】 天然に存在する環状ペプチドII(a)は、当該分野で公知の手順を用いて脱
アシルされ得、構造II(b)で表されるアミノ核を提供する。この反応は、代
表的には、天然に存在する環状ペプチドを脱アシル(deacylase)酵素
に曝すことによって酵素的に行われる。この脱アシル酵素は、微生物Actin
oplanes utahensisから得られ、米国特許第4,293,48
2号および同第4,304,716号に記載のように実質的に使用され得る。こ
の脱アシル酵素はまた、Pseudomonas種からも得られ得る。脱アシル
は、A.utahensisもしくはPseudomonasの細胞の全体また
はこれらの粗製もしくは精製酵素を使用して、あるいはこの酵素の固定化形態を
使用して達成され得る。ヨーロッパ特許出願番号0 460 882を参照のこ
と。出発物質として有用な天然に存在する環状ペプチドの例には、aculea
cin(パルミトイル側鎖)、テトラヒドロechinocandin B(ス
テアロイル側鎖)、Mulundocandin(分枝状C15側鎖)、L−67
1,329(C16分枝状側鎖)、S31794/F1(テトラデカノイル側鎖)
、sporiofungin(C15分枝状側鎖)、FR901379(パルミト
イル側鎖)などが挙げられる。好ましい天然に存在する環状ペプチドは、ech
inocandin B(R1、R4およびR8がそれぞれヒドロキシであり、R2 、R3およびR7がそれぞれメチルであり、そしてRnatがリノレオイルである化
合物II(a))である。
【0045】 このアミノ核II(b)は、米国特許第5,646,111号および同第5、
693,611号のように再アシル化され得、構造II(c)によって表される
化合物を与える。この変換の例として、以下の調製12を参照のこととし、Rに
おけるアシル基の調製については、米国特許第5,646,111号および同第
5,693,611号を参照のこと。Rが1つ以上の複素環式環を含む環状ペプ
チドII(c)は、米国特許第5,693,611号のように調製され得る。
【0046】 化合物Iは、スキーム2に示されるように化合物II(c)(ここで、R4
たはR8の少なくとも1つが、ヒドロキシ基であるという条件で、R4およびR8
は、独立して水素またはヒドロキシ基であり、そしてR、R1、R2、R3、R5
7およびR9は上記の定義と同様である)から調製され得る。
【0047】
【化35】 構造Iで表されるモノ−結合化合物およびビス−結合化合物の混合物は、保護
された化合物IIIまたはIVを、適切な溶媒に溶解されるかまたは懸濁される
化合物II(c)に、適切な酸の存在下で添加することにより調製され得る。こ
の反応のために簡便かつ好ましい溶媒は、1,4−ジオキサンであり、一方簡便
かつ好ましい酸は、p−トルエンスルホン酸である。この反応は、0℃から混合
物の還流温度までで行なわれ得るが、代表的には周囲温度で約4時間行なわれる
。反応条件のさらなる指示については以下の実施例1を参照のこと。各モノ異性
体およびビス異性体は、分離され得、別々に脱保護され得る。
【0048】 化合物IIIおよびIVは、化合物VおよびVIからそれぞれ、以下のスキー
ム3(ここでR9は、上記の通り)に示されるように、調製され得る。
【0049】
【化36】 2−ブテン−1,4−ジオールを、式IVの塩化糖または臭化糖へ添加し得、
好ましくは、このような糖は、熱力学的塩基(好ましくは、シルバーカーボネー
トまたはシルバートリフレートである)の存在下で、保護され、適切な溶媒中に
溶解され、式IVの化合物を形成する。代表的に、1,4−ジオールは、溶媒と
して役立ち得、そしてこの1,4−ジオールをかなりのモル過剰で使用する。さ
らに、シルバーカーボネートをまた、代表的に、約2当量のオーダーで、化合物
VIに比較してモル過剰で使用する。この反応を、代表的に、周囲温度で約18
時間行う。この転化に関するさらなる説明について、下の調製11を参照のこと
。化合物IIIを、化合物Vからの類似の方法で、調製し得る。
【0050】 化合物VおよびVIは、当該分野で公知であり、市販でない範囲のものは、合
成化学の分野で周知の技術により合成し得る。CollinsおよびFerri
er,「Monosaccharides:Their Chemistry
and Their Roles in Natural Products」
John Wiley and Sons,New York,NY,1995
,および「Methods in Carbohydrate Chemist
ry」,Vol VI,Academic Press,New York,N
.Y.,1980を参照のこと。
【0051】 例えば、化合物VI(類似体として化合物V)を、下のスキーム4に図示され
るように調製し得、ここで、R9は、上記の通りである。
【0052】
【化37】 化合物VI(a)(適切な溶媒中に溶解されるか懸濁される場合)は、塩化物
イオンまたは臭化物イオンの供給源で処理され、化合物VIを提供し得る。イオ
ンの適切な供給源には、アセチルクロリド、塩酸、臭化水素酸、その混合物など
が挙げられる。好ましい溶媒は、イオンの供給源であり、すなわち、この反応を
行う好ましい方法は、反応をニートで行うことである。下の調製8および9を参
照のこと。
【0053】 化合物VI(a)(R9が、各々存在する場所でヒドロキシである)は、炭水
化物またはモノサッカリド(糖)として公知である。これらの糖を、1つ以上の
ヒドロキシ基を水素、アジド、またはアミノで置換することにより改変し、構造
VI(a)(ジサッカリド(またはポリサッカリド)(ここでR9は、第2の糖
部位である)を含む)を有する化合物の残りを提供し得る。(実施例10および
11を参照のこと)。このような化合物を、下のスキーム5に図示されるように
調製し得、ここで、Lgは、活性化ヒドロキシ脱離基である。
【0054】
【化38】 市販の化合物VIIは、当該分野で公知の標準技術により、求核的置換につい
て活性化されたそのヒドロキシ基を有し得る。例えば、ヒドロキシ基を、メタン
−、ベンゼン−、またはp−トルエン−スルホニルクロリド(またはブロミド)
でスルホン化し、化合物VIII(Lgが、−OSO2Me、−OSO2−フェニ
ル、または−OSO2−p−トルエニルである)を提供し得る。この変換の例を
、下の調製1中に例示する。ここで、脱離基を、アジドイオン(例えば、調製2
中のようなアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウム由来)により置換し得る。あ
るいは、この脱離基を、ヨードイオン(例えば、調製3中のようなヨウ化ナトリ
ウムまたはヨウ化カリウム由来)により置換し得る。生じた化合物IXを還元し
、化合物X(1以上のR9が、調製4に記載のような、またはニッケルクロリド
ヘキサヒドレートのような還元剤を用いる触媒的水素化によるアミノまたは水素
である)を形成し得る。アミノ基が、最終生成物化合物Iにおいて、望ましい場
合、いかなるアジド基も、化合物II(a)へのカップリングの後、アミノ基へ
転化させることが好ましい。
【0055】 化合物I(任意のR9は、アミノ基である)を、化合物I(R9が、アジドであ
る)から当該分野で周知の類似の手順により記載されるように形成し得る。例え
ば、Larock,「Comprehensive Organic Tran
sformations」409頁,VCH Publishers,New
York,N.Y.,1989を参照のこと。
【0056】 化合物I(R5,R9,R9a,R9bおよび/またはR9cがヒドロキシ基である)
を、適切な塩基の存在下、適切に置換された、式V
【0057】
【化39】 のジクロロホスフェートまたはリン酸との反応により、ホスホリル化またはホス
ホニル化し、水性処理に続いて、化合物I(R5,R9,R9a,R9bおよび/また
はR9cがそれぞれ式
【0058】
【化40】 の部分である)を生じ得る。
【0059】 適切な塩基としては、リチウムトリメチルシラノレート(LiOTMS)、お
よびリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHMDS)が挙げられる。便
利でありかつ好ましい溶媒は、テトラヒドロフランおよび/またはジメチルホル
ムアミドのような非プロトン性溶媒である。このような変換に関するさらなる説
明については、米国特許第5,693,611号(本明細書中で参考として援用
される)を参照のこと。
【0060】 あるいは、構造Iにより示される化合物(R9bが、ヒドロキシであり、そして
/またはR9cが、ヒドロキシメチルである)を、Guiseleyら、J.Or
g.Chem.,26:1248(1961)に教示される手順により、適切な
硫酸化試薬との反応により硫酸化し得る。
【0061】 保護基を有する化合物Iは、その保護基が除去され、脱保護した化合物Iを形
成し得る。保護基の最初の選択、およびそれらの除去のための方法は、当該分野
に周知である。例えば、Greeneを参照のこと。好ましい選択および方法は
、続く実施例の節(例えば、実施例8)中に見出され得る。
【0062】 薬学的な塩は、代表的に、化合物Iと等モルまたは過剰の量の酸または塩基と
反応させることにより、形成される。この反応物を、一般的に、酸付加塩につい
てはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ベンゼンなどのような相互(mutual)溶媒あるいは塩基付加
塩については水、アルコール、またはメチレンクロリドのような塩素化溶媒で組
み合わせる。この塩は、通常、約1時間から約10日以内で溶液から沈殿しそし
てろ過または他の慣習的な方法により、単離し得る。
【0063】 酸添加塩を形成するために通常使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、硫酸、リン酸などのような無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、
炭酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、酢酸などのような有機酸である
【0064】 塩基付加塩としては、アンモニウムあるいはアルカリまたはアルカリ土類金属
のヒドロキシド、カーボネート、ビカーボネートなどのような無機塩由来の塩 が挙げられる。従って、本発明の塩を調製する際に有用なこのような塩基は、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、炭酸カルシ
ウムなど挙げられる。
【0065】 本発明の任意の塩の一部を形成する特定の対イオンは、全体としての塩が、薬
理学的に受容可能であり、そしてこの対イオンが全体としての塩に対して所望さ
れない性質に寄与しない限り、重要な性質のものでない。
【0066】 好ましい薬学的な酸付加塩は、塩酸および硫酸のような鉱酸を用いて形成され
た塩ならびにマレイン酸、酒石酸、およびメタンスルホン酸のような有機酸を用
いて形成された塩である。好ましい薬学的塩基付加塩は、カリウム塩形態および
ナトリウム塩形態である。
【0067】 スキーム1〜5の反応を行うための最適な時間を、従来のクロマトグラフ技術
によりこの反応の進行をモニターすることにより、決定し得る。反応溶媒の選択
は、一般的に、使用された溶媒が、進行中の反応に対して、不活性であり、そし
て、その中で所望の反応を行う媒体を与えるのに十分この反応物を溶解させる限
り、重要でない。その他の点が示されない場合、本明細書中で記載されるすべて
の反応を、好ましくは、不活性な雰囲気下で行う。好ましい不活性雰囲気は、窒
素である。一旦、反応が完結すると、中間体化合物を、当該分野で周知の方法に
より、単離し得、例えば、この化合物を結晶化し、または沈殿し、次いで、ろ過
により収集し得、あるいはこの反応溶媒を、抽出、エバポレーション、またはデ
カンテーションにより除去し得る。この中間体化合物を、反応スキームの次の工
程を行う前に、所望される場合、結晶化、沈殿、または固体支持体(例えば、シ
リカゲル、アルミナなど)でのクロマトグラフィーのような一般的技術によりさ
らに精製し得る。
【0068】 本発明の好ましい化合物は、構造Iで表されるそれらの化合物または薬学的に
受容可能な塩またはその溶媒和物であり、ここで、R1は各々の存在する場所で
ヒドロキシであり;R2、R3およびR7は、各々メチルであり;Rは、式:
【0069】
【化41】 の部位であり;R4は、ヒドロキシであり;そしてRaは、C1〜C4アルキルであ
るか、またはC1〜C4アルコキシである。
【0070】 さらに好ましくは、R5は、ヒドロキシであり;Rは、式
【0071】
【化42】 の部分であり;R4は、式
【0072】
【化43】 の部分であり;Dは、水素またはC3〜C7のアルコキシであり;R9は、独立し
て、水素、ヒドロキシ、アミノ、または式
【0073】
【化44】 の部分であり;ここで、R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2
−OH、−O−Pg、または−NH−Pgであり、そしてnは、1,2または3
である化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩である。
【0074】 さらにより好ましくは、Dは、n−ペントキシであり;R9は、独立して、−
OH、−NH2、または−OPO2aである化合物;またはその薬学的な塩もし
くは溶媒和物である。
【0075】 最も好ましくは、R9は、各々が存在する場所でヒドロキシであり;そしてR9 b は、−OPO2aであり、ここで、Raは、メチルまたはメトキシである化合物
あるいはその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物である。
【0076】 以下の調製および実施例は、さらに、本発明の化合物の合成方法を記載するが
、本発明を限定しない。本明細書中で引用されるすべての参考文献は、本明細書
中で参考として援用される。用語(高速原子衝撃質量分析および高性能液体クロ
マトグラフィー)をそれぞれ、「MS(FAB)」および「HPLC」と略す。
以下の頭文字は、対応する化学部位:Ms=メタンスルホニル;Ac=アセチル
;Me=メチル;およびTos=トシル(またはp−トルエンスルホニル)を表
す。
【0077】 (調製1) (1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−6−デオキシ−6−メタンスルホ
ニル−β−D−グルコピラノース)
【0078】
【化45】 50mLのジクロロメタンを含む100mLの丸底フラスコ中に、0℃で、1
,2,3,4−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(4.62g
、13.26mmol)を配置した。この溶液へ、トリエチルアミン(2.77
mL、19.90mmol)を添加し、続いて、メタンスルホニルクロリド(1
.23mL、15.9mmol)を滴下した。この反応を、ついで、室温まで温
め、そして3時間攪拌し、3時間後に、この反応を100mLのジクロロメタン
で希釈した。有機相を、次いで、各々50mLの水、INの塩酸、重炭酸ナトリ
ウムの飽和水溶液およびブラインで2回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで
乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除去して、白色の固体として4.45g
の粗製の表題化合物を得、この化合物を調製2で直接使用した(79%)。
【0079】 (調製2) (1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−6−アジド−6−デオキシ−β−
D−グルコピラノース)
【0080】
【化46】 100mLの丸底フラスコを、40mLの無水ジメチルホルムアミド、アジ化
ナトリウム(2.19g、33.6mmol)および粗製の1,2,3,4−テ
トラ−O−アセチル−6−デオキシ−6−メタンスルホニル−β−D−グルコピ
ラノース(1.9734g、4.54mmol)で充填した。生じた均一な溶液
を70℃へ熱し、10時間反応させた。この反応を、ついで、200mLのエチ
ルアセテートで希釈し、豊富な量の水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで
乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除去した。生じた茶色の固体を、シリカ
ゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、668.3mgの表題化合物(39
.5%)を得た。MS(FAB)C141939(M−OCOCH3)について
の計算値314.1、実測値314.1。
【0081】 (調製3) (1,2,3,4−テトラ−O−アセチルー6−デオキシ−6−ヨード−β−
D−グルコピラノース)
【0082】
【化47】 500mLのメチルエチルケトンを含む1Lの丸底フラスコを、1,2,3,
4−テトラ−O−アセチル−6−デオキシ−6−メタンスルホニル−β−D−グ
ルコピラノース(4.45g、10.44mmol)およびヨウ化ナトリウム(
15.73g、104.9mmol)で充填した。この反応を、還流で24時間
加熱した。この溶媒を減圧下で除去し、そして生じた残渣を250mLのジクロ
ロメタン中で収集した。有機層を、チオ硫酸ナトリウム(2×100mL)、水
(2×100mL)で洗浄し、そして100mLのブラインで一回洗浄した。有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除去し、粗製
の1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−6−デオキシ−6−ヨード−β−D
−グルコピラノース(4.99g)を白色固体として得、これを調製4において
直接使用した。
【0083】 (調製4) (1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−6−デオキシ−β−D−グルコピ
ラノース)
【0084】
【化48】 1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−6−デオキシ−6−ヨード−β−D
−グルコピラノース(251.6mg、0.549mmol)を、20mLのエ
タノール中に溶解した。この溶液へ、1mLのトリエチルアミンおよび炭素担持
5%のパラジウム(50.0mg)を添加した。反応混合物を、室温で、Par
r装置中で60psiの水素に5時間曝した。炭素担持パラジウムをろ過し、そ
してエタノールを減圧下で除去し、白色の固体を得た。シリカゲルのカラムクロ
マトグラフィーを介する精製により、82.3mgの表題化合物(45%)を白
色の固体として得た。MS(FAB)C14209(M+)についての計算値3
32.1、実測値331.1。
【0085】 (調製5) (1,2,5,6−ジアセトン−4−p−トルエンスルホニル−D−アロフラ
ノース)
【0086】
【化49】 160mLのピリジンを含有する500mLの丸底フラスコを、1,2,5,
6−ジアセトン−D−アロフラノース(40.72g、156.44mmol)
およびp−トルエンスルホニルクロリド(45.67g、239.53mmol
)で充填した。反応を、室温で27時間攪拌した。この反応混合物を、1.5L
の氷水へ注ぎ、溶解させ、ろ過し、そして30℃にて真空オーブンで乾燥し、5
6.74gの表題化合物を得、これを調製6で粗製物で使用した。
【0087】 (調製6) (1,2,5,6−ジアセトン−4−p−アジド−D−アロフラノース)
【0088】
【化50】 1Lのジメチルホルムアミドを含有する2Lの丸底フラスコ中に、1,2,5
,6−ジアセトン−4−p−トルエンスルホニル−D−アロフラノース(56.
44g、136.17mmol)およびアジ化ナトリウム(142.12g、2
.186mol)を添加した。この反応混合物を、還流するように加熱し、そし
て20時間反応させた。この反応を室温へ冷却し、そしてジメチルホルムアミド
を、減圧下で除去した。生じた残渣を、250mLのエチルアセテートと250
mLの水との間で分配した。有機層を、300mLの水およびブラインで洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、粗製
の褐色油状物を得た。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(10%エチルア
セテート/ヘキサン)を介する精製により、表題化合物を得た。
【0089】 (調製7)
【0090】
【化51】 1,2,5,6−ジアセトン−4−P−アジド−D−アロフラノースを、50
0mLの丸底フラスコ中で、50mLの水で懸濁した。この懸濁液へ、Dowe
x 50 X 8−100酸性樹脂(20g)を添加し、この反応混合物を、6
0℃で16時間加熱した。この樹脂を、ろ過し、このろ液を、凍結乾燥して9.
92gの表題化合物を白色の固体として得た。
【0091】 (実施例8) (α−D−アセトクロロラムノース)
【0092】
【化52】 10mLのアセチルクロリドを含有する25mLの丸底フラスコ中に、1.0
0117gのL−ラムノースを配置した。この反応を室温で48時間攪拌した。
この反応を、100mLのジクロロメタンで希釈し、そして50mLの氷水、次
いで、50mLの冷飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、ろ過した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をさらなる精製
を伴わずに使用した。
【0093】 以下の化合物を、調製8の手順で調製した。:
【0094】
【化53】 (調製9) (2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−β−D−グルコピラノシ
ルブロミド:)
【0095】
【化54】 10mLの氷酢酸を含有する10mLの丸底フラスコ中に、6−デオキシグル
コース(332.3mg)を配置し、そしてこの反応を0℃へ冷却した。氷酢酸
中の臭化水素酸(30重量%の5mL溶液)を滴下した。この反応を、4時間攪
拌した。この反応を、100mLのジクロロメタンで希釈し、そして50mLの
氷水で、次いで、50mLの冷飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層
を、硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてろ過した。溶媒を、減圧下で除去し、表
題化合物を黄色の固体として得(636.5mg、85.4%)、そして生成物
をさらなる精製を伴わずに使用した。MS(FAB)C12177Br(M−B
r)についての計算値273.1、実測値273.1。
【0096】 以下の化合物を、調製9の手順で調製した:
【0097】
【化55】 (調製10) (3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アジド−2−デオキシ−β−D−グ
ルコピラノシルブロミド)
【0098】
【化56】 400mLのアセトニトリルを含有する1Lのフラスコに、アジ化ナトリウム
(7.75g、119.2mmol)およびセリウムアンモニウムニトレート(
120.7g、219.4mmol)を充填した。生じた懸濁液を、−30℃に
冷却し、100mLのアセトニトリル中のトリ−O−アセチル−D−グルカール
(20.75g、76.22mmol)の溶液を、この懸濁液に滴下した。この
反応混合液を−30℃で20時間撹拌し、次いで、室温まで温め、800mLの
ジエチルエーテル中で収集し、水(3×250mL)で洗浄した。有機物を硫酸
マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で除去し、油状物を得た。
この油状物を400mLのアセトニトリルおよび臭化リチウム(33.53g、
386.1mmol)を含む1Lフラスコに置き、そして室温で少なくとも4時
間撹拌した。この溶媒を、減圧下で除去し、そして生じた残渣を400mLのジ
クロロメタンで収集した。有機層を、水(2×250mL)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、そしてろ過した。この溶液を、減圧下で除去し、表題化合物
を暗い黄色の油状物として得、これをさらなる精製を伴わずに直接使用した。
【0099】 以下の化合物を、調製10の手順で調製した。
【0100】
【化57】 (調製11) (4−アセトグルコシル−2−ブテノール)
【0101】
【化58】 フラスコに、アセトブロモグルコース(10.05g、24.44mmol)
、炭酸銀(13.64g、49.47mmol)および200mLの2−ブテン
−1,4−ジオールを充填した。この反応混合物を、室温で18時間攪拌させた
。粗反応混合物を、セライトパッドで濾別し、銀塩を除去し、そして酢酸エチル
で数回洗浄した。次いでこの有機物を、未反応の2−ブテン−1,4−ジオール
を除去するために大量の水で数回洗浄した。次いで、この有機層を、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮し、黄色の油状物を得た。油状物を70%
の酢酸エチル(ヘキサン中)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
かけることで、2.37gの表題化合物(23.2%)を得た。
【0102】 以下の化合物を、調製11の手順によって調製した:
【0103】
【化59】
【0104】
【化60】 A−30912A核(60.2mmol)、および[(4”−ペンチルオキシ
)−1,1’:4’,1”−テルフェニル]−4−カルボン酸の2,4,5−ト
リクロロフェノールエステル(26.0g、48.2mmol)を、8.5Lの
ジメチルホルムアミド中で混合した。得られた反応混合物を、室温にて約48時
間攪拌し、そして次いでその溶媒を、減圧下で除去して、残渣を得た。この残渣
を、エーテル中でスラリー化し、濾過によって回収し、塩化メチレンで洗浄し、
次いでメタノールまたは1:1(v/v)アセトニトリル/水混合物中に溶解し
た。得られた溶液を、逆相HPLC(C18;0.5%の一塩基性アンモニウム
ホスフェート(w/v)を含有する20〜40%水性アセトニトリルの溶出液;
20mL/分;230nm)に供する。反応していないA30912A核を除去
した後、所望の生成物を、水性アセトニトリルの溶出液を使用してこのカラムか
ら溶出する。所望の生成物を含む画分を合わせ、次いで、減圧下で濃縮するかま
たは凍結乾燥して、表題化合物を18mg得る。MS(FAB):1140.5
103(M+l)。
【0105】 (実施例1−14) 実施例1−14は、以下の基本的な構造を有する:
【0106】
【化61】 調製物12の化合物(269.8mg、0.237mmol)、調製物11の
1番目の化合物(508.1mg、1.214mmol)、p−トルエンスルホ
ン酸(100.8mg、0.530mmol)および15mlの1,4−ジオキ
サンをフラスコに仕込み、そして室温にて4時間攪拌した。粗反応混合物を濾過
しそして3×40×100mm Novapak C18カラムを用いて、60m
L/分で、40%水/アセトニトリルで溶出するHPLCで精製し、表題化合物
を12.4mg得た(3.4%)。MS(FAB)(m/e):1562.7(
M+Na)。
【0107】 実施例2−7は、実施例1の工程により調製した。
【0108】
【化62】
【0109】
【化63】 実施例1の化合物(9.3mg、0.0060mmol)、炭酸カリウム(5
.3mg、0.0038mmol)、および4mlの50%メタノール/水混合
物を混合し、そして室温にて30分攪拌した。粗反応混合物を濾過しそして3×
40×100mm Novapak C18カラムを用いて、60mL/分で、4
0%水/アセトニトリルで溶出するHPLCに供し精製し、表題化合物を5.1
mg得た(62%)。MS(FAB)(m/e):1373.7(M+)。
【0110】 実施例13−22は、実施例1の工程により調製した。
【0111】
【化64】 化合物Iの代表例は、抗真菌活性および抗寄生生物活性を示す。例えば、化合
物Iは、以下を含む種々の感染性真菌の増殖を阻害する:Candida sp
p.(例えば、C.albicans、C.parapsilosis、C.k
rusei、C.glabrata、またはC.tropicalis、C.l
usitaniae);Torulopus spp.(例えば、T.glab
rata);Aspergillus spp.(例えば、A.fumigat
us);Histoplasma spp.(例えば、H.capsulatu
m);Cryptococcus spp.(例えば、C.neoforman
s);Blastomyces spp.(例えば、B.dermatitid
is);Fusarium spp.、Trichophyton spp.、
Pseudallescheria boydii、Coccidioides
immitis、Sporothrix schenckiiなど。
【0112】 試験化合物の抗真菌活性は、インビトロにおいて、標準的な寒天希釈試験また
はディスク拡散試験を使用して、この化合物の最小阻止濃度(MIC)を得るこ
とによって決定される。次いで、この化合物は、全身性の真菌感染を制御するた
めに、試験化合物の有効な用量を決定するために、インビボ(マウス)において
試験される。
【0113】 従って、本発明の代表的な化合物を、以下の真菌の少なくとも1つに対する抗
真菌活性について試験し、そして提示した:C.albicans、C.par
apsilosis、C.neoformans、Histoplasma s
ppおよびA.fumigatus。
【0114】 本発明の化合物はまた、免疫抑制性の個体における日和見感染の主な原因とな
る特定の生物の増殖を阻害する。例えば、本発明の化合物は、Pneumocy
stis carinii(AIDSおよび他の免疫無防備状態のレシピエント
におけるニューモシスティス肺炎(PCP)の原因となる生物)の増殖を阻害す
る。「Topley and Wilson’s Microbiology
and Microbial Infections」、第5巻、第22章、O
xford University Press、Inc.、New York
、N.Y.、1998。式Iの化合物によって阻害される他の原生動物としては
、以下が挙げられる:Plasmodium spp.、Leishmania
spp.、Trypanosoma spp.、Cryptosporidi
um spp.、Isospora spp.、Cyclospora spp
.、Trichomonas spp.、Microsporidiosis
spp.など。
【0115】 化合物Iの投与される用量は、感染の性質および重症度、レシピエントの年齢
および全身的健康ならびに活性成分に対するこのレシピエントの耐性のような因
子に依存して変動する。同様に、特定の用量レジメンは、このような因子に従っ
て変動し得、そして1日1回の用量またはその日の間に複数の用量において与え
られ得る。このレジメンは、約2〜3日から約2〜3週間またはそれより長く持
続し得る。代表的な1日の用量(単回用量または分割用量にて投与される)は、
約0.01mg/kg(体重)〜約100mg/kg(体重)の本発明の活性化
合物の投薬量レベルを含む。好ましい1日の用量は、一般に、約0.1mg/k
g〜約60mg/kgであり、より好ましくは、約2.5mg/kg〜約40m
g/kgである。
【0116】 化合物Iは、非経口的に、例えば、筋肉内、皮下もしくは腹腔内の注射、鼻、
または経口の手段を使用して投与され得る。これらの投与方法に加えて、化合物
Iは、皮膚感染について局所的に適用され得る。
【0117】 本発明はまた、本発明の化合物を投与するために有用な薬学的処方物を提供す
る。このような処方物中の活性成分は、0.1重量%〜99.9重量%のこの処
方物を含み、より一般的には、約10重量%〜約30重量%を含む。
【0118】 非経口投与について、この処方物は、化合物Iおよび生理学的に受容可能な希
釈剤(例えば、脱イオン水、生理学的生理食塩水、5%デキストロースおよび他
の一般に使用される希釈剤)を含む。この処方物は、可溶化剤(例えば、ポリエ
チレングリコールもしくはポリプロピレングリコールまたは他の公知の可溶化剤
)を含み得る。このような処方物は、活性成分および1つ以上の賦形剤を含む滅
菌バイアルにおいて、乾燥粉末形態または凍結乾燥した粉末形態で、構成され得
る。使用の前に、生理学的に受容可能な希釈剤を添加し、そしてこの溶液を、レ
シピエントへの投与のためにシリンジによって引き抜く。
【0119】 本発明の薬学的処方物は、公知でありかつ容易に入手可能な成分を使用する公
知の手順によって調製される。本発明の組成物を作製する際に、活性成分は、一
般に、キャリアとともに混合されるか、またはキャリアによって希釈されるか、
あるいはキャリア(これは、カプセル、サシェ(sachet)、紙もしくはほ
かの容器の形態であり得る)内に封入される。このキャリアが希釈剤として働く
場合、これは、活性成分のビヒクル、賦形剤または媒体として作用する、固体材
料、半固体材料または液体材料であり得る。従って、この組成物は、錠剤、丸剤
、粉末、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、懸濁物、エマルジョン、溶
液、シロップ、エアロゾル(固体としてかまたは液体媒体において)、軟膏(例
えば、10重量%までの活性成分を含む)、軟ゼラチンカプセルもしくは硬ゼラ
チンカプセル、坐剤、滅菌した注射用溶液、滅菌したパッケージ化粉末などの形
態であり得る。
【0120】 経口投与について、活性成分は、ゼラチンカプセル中に充填されるか、または
錠剤中に形成される。このような錠剤はまた、結合剤、分散剤または投薬に適切
なサイズの錠剤を調製するために適切な他の賦形剤、および構造式Iに表される
特定の化合物を含み得る。小児科または老人科の使用について、活性成分は、香
味のある液体懸濁物、溶液またはエマルジョン中に処方され得る。好ましい経口
処方物は、リノール酸、cremophor RH−60および水であり、そし
て好ましくは、(容量で)8%リノール酸、5%cremophor RH−6
0、87%滅菌水、および約2.5〜約40mg/mLの化合物Iの量である。
【0121】 局所的な使用について、活性成分は、皮膚表面への適用のために、乾燥粉末と
ともに処方され得るか、またはこれは液体処方物(可溶化した水溶液または非水
溶液(例えば、アルコールまたはグリコール)を含む)において処方され得る。
【0122】 (処方) 以下の処方例は、例示のみであり、そしていかなる様式においても本発明の範
囲を限定することを意図しない。用語「活性成分」は、構造式Iの化合物または
その薬学的に受容可能な塩もしくはその溶媒和物をいう。
【0123】 (処方例1) 硬ゼラチンカプセルを、以下の成分を使用して調製する: 量 (mg/カプセル) 活性成分 250 デンプン(乾燥) 200 ステアリン酸マグネシウム 10 合計 460mg (処方例2) 錠剤を、以下の成分を使用して調製する: 量 (mg/カプセル) 活性成分 250 セルロース(結晶性) 400 二酸化ケイ素(フューム) 10 ステアリン酸 5 合計 665mg これらの成分をブレンドし、そして圧縮して各665mgの重量の錠剤を形成
する。
【0124】 (処方例3) エアロゾル溶液を、以下の成分を含むように調製する: 重量 活性成分 0.25 エタノール 25.75 噴霧体22(クロロジフルオロメタン)74.00 合計 100.00。
【0125】 この活性化合物を、エタノールとともに混合し、そしてこの混合物を、噴霧体
22の一部に添加し、−30℃まで冷却し、そして充填デバイスに移す。次いで
、必要な量を、ステンレス鋼の容器に入れ、そして噴霧体の残りを用いて希釈す
る。次いで、バルブユニットを、この容器に取り付ける。
【0126】 (処方例4) 錠剤(各々60mgの活性成分を含む)を以下の通りに作製する: 活性成分 60mg デンプン 45mg 結晶性セルロース 35mg ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 4mg ナトリウムカルボキシメチルデンプン 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1mg 合計 150mg。
【0127】 この活性成分、デンプンおよびセルロースを、No.45メッシュU.S.篩
に通し、そして完全に混合した。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を、得られ
た粉末と混合し、次いで、この混合物を、No.14メッシュU.S.篩に通す
。このように生成された顆粒を、50℃にて乾燥し、そしてNo.18メッシュ
U.S.篩に通す。ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ステアリン酸マグネ
シウムおよびタルク(先に、No.60メッシュU.S.篩に通した)を、この
顆粒に添加し、これを混合後、錠剤機(tablet machine)上で圧
縮して各々重量150mgの錠剤を得る。
【0128】 (処方例5) カプセル(各々、80mgの活性成分を含む)を、以下の通りに作製する: 活性成分 80mg デンプン 59mg 結晶性セルロース 59mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 合計 200mg。
【0129】 この活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを、ブ
レンドし、No.45メッシュU.S.篩に通し、そして200mg量を硬ゼラ
チンカプセル中に充填する。
【0130】 (処方例6) 坐剤(各々、225mgの活性成分を含む)を、以下の通りに作製する: 活性成分 225mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000mg 合計 2,225mg。
【0131】 この活性成分を、No.60メッシュU.S.篩に通し、そして飽和脂肪酸グ
リセリド(先に、必要な最小の熱を使用して融解した)中に懸濁する。次いで、
この混合物を、名目上2g容量の坐剤型に注ぎ、そして冷却させる。
【0132】 (処方例7) 懸濁物(各々、5mL用量あたり50mgの活性成分を含む)を、以下の通り
に作製する: 活性成分 50mg ナトリウムカルボキシメチルセルロース 50mg シロップ 1.25mL 安息香酸溶液 0.10mL 香料 任意(q.v.) 着色料 任意(q.v.) 合計になる精製水 5mL。
【0133】 この活性成分を、No.45メッシュU.S.篩に通し、そしてナトリウムカ
ルボキシメチルセルロースおよびシロップとともに混合して、滑らかなペースト
を形成する。安息香酸溶液、香料および着色料を、水の一部で希釈し、そして攪
拌しながら添加する。次いで、十分な水を添加して、必要容量を生成する。
【0134】 (処方例8) 静脈内処方物を、以下の通りに調製し得る: 活性成分 100mg 等張食塩水 1,000mL。
【0135】 上記の成分の溶液を、一般に、1分あたり1mLの速度で被験体に静脈内投与
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジャミソン, ジェームズ アンドリュー アメリカ合衆国 インディアナ 46254, インディアナポリス, イーグル ポイ ント ドライブ ノース 6711, アパー トメント 1シー Fターム(参考) 4B064 AG37 CA01 DA01 4C084 AA02 AA03 AA07 BA17 BA28 BA34 CA59 MA13 MA17 MA22 MA23 MA28 MA31 MA35 MA36 MA37 MA41 MA43 MA44 MA52 MA59 MA60 MA63 MA66 NA02 NA03 NA05 ZB322 ZB372 4H045 AA10 AA20 AA30 BA30 BA55 EA29 FA10

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構造Iにより表される化合物、およびその薬学的に受
    容可能な塩、エステル、水和物または溶媒和物であって: 【化1】 ここで、 Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロア
    リール基であり; R1は独立して、−H、−OH、または−O−Pgであり; R2は、−H、−CH3、−NH2、または−NH−Pgであり; R3は、−H、−CH3、−CH2CONH2、−CH2CONH−Pg、−CH2 CH2NH2、または−CH2CH2NH−Pgであり; R5は、−OH、−OSO3H、または−OPO2HRaであり、ここで、Ra
    、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、フェノキシ
    、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ、p−ニトロフェニル、p−ニトロフ
    ェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p−ハロベンジル、p−ハロベンジルオ
    キシ、p−ニトロベンジル、またはp−ニトロベンジルオキシであり; R6は、−H、−OH、または−OSO3Hであり; R7は、−H、または−CH3であり; R4およびR8は独立して、水素またはヒドロキシであり、そしてR4およびR8 の少なくとも1つは、以下の式の糖部分であり: 【化2】 ここで、R9は独立して、−H、−OH、−N3、−O−Pg、−NH2、−NH
    −Pg、−OPO2aまたは以下からなる群から選択される1〜3個の糖単位を
    含む第2の糖部分であり: 【化3】 ここで、R9aは、−H、−OH、−N3、−NH2、−O−Pg、または−NH
    −Pgであり、 R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−O−Pg、
    または−NH−Pgであり、 P9cは、−CH3、−CH2OH、−CH23、−CH2OSO3H、−CH2
    H−Pg、−CH2O−Pg、−CO2H、または−CO2−Pgであり、 ここで1個以下のR9が、該第2の糖部分により表される限り、Raは、上記で
    定義された通りであり; Pgは保護基(すなわち、−O−Pgは、ヒドロキシ保護基であり、−NH−
    Pgは、アミノ保護基であり、−CH2CONH−Pgは、アミド保護基であり
    、そして−CO2−Pgは、カルボキシ保護基である)である、化合物。
  2. 【請求項2】 Rが以下である請求項1に記載の化合物であって: 【化4】 ここで、A、B、CおよびDは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C 12 アルキニル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロ、または−
    O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1〜C12アルキル)もしくは−
    O−(CH2q−X−Eであり; mは、2、3または4であり;nは、2、3または4であり;pは、0または1
    であり、qは、2、3または4であり; Xは、ピロリジノ、ピペリジノまたはピペラジノであり;そしてEは、水素、C 1 〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、ベンジルまたはC3〜C12シクロ
    アルキルメチルである、化合物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩
    もしくは溶媒和物であって、 ここでR1は、各場合において、ヒドロキシであり; R2、R3およびR7は、それぞれメチルであり; Rは、以下の式の部分であり: 【化5】 4は、ヒドロキシであり; R5は、−OPO2HRaであり、ここでRaは、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4 アルコキシであり; R8は、以下の式の糖部分: 【化6】 である、化合物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩
    もしくは溶媒和物であって、 ここで、R5は、ヒドロキシであり; Rは、以下の式の部分であり: 【化7】 ここで、Dは、水素またはC3〜C7アルコキシであり; R8は、以下の式の部分であり: 【化8】 ここで、R9は独立して、水素、ヒドロキシ、アミノまたは以下の式の部分で
    あり: 【化9】 ここで、R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−O
    −Pg、または−NH−Pgであり、そしてnは1、2または3である、化合物
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩
    もしくは溶媒和物であって、 ここで、Dは、n−ペントキシであり; R9およびR9aは独立して、ヒドロキシまたはアミノであり;そして R9bは、−OHまたは−OPO2aである、化合物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩
    もしくは溶媒和物であって、 ここで、R9は、各場合において、ヒドロキシであり;そして R9bは−OPO2aであって、ここでRaはメチルまたはメトキシである、化合
    物。
  7. 【請求項7】 1つ以上の薬学的キャリア、希釈剤または賦形剤、および請
    求項1に記載の化合物を含む、薬学的処方物。
  8. 【請求項8】 真菌活性を阻害する方法であって、該方法はそのような阻害
    を必要とするレシピエントに、有効量の構造Iにより表される化合物およびその
    薬学的に受容可能な塩、エステル、水和物もしくは溶媒和物を投与する工程を包
    含し: 【化10】 ここで、 Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロア
    リール基であり; R1は独立して、−H、−OH、または−O−Pgであり; R2は、−H、−CH3、−NH2、または−NH−Pgであり; R3は、−H、−CH3、−CH2CONH2、−CH2CONH−Pg、−CH2 CH2NH2、または−CH2CH2NH−Pgであり; R5は、−OH、−OSO3H、または−OPO2HRaであり、ここで、Ra
    、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、フェノキシ
    、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ、p−ニトロフェニル、p−ニトロフ
    ェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p−ハロベンジル、p−ハロベンジルオ
    キシ、p−ニトロベンジル、またはp−ニトロベンジルオキシであり; R6は、−H、−OH、または−OSO3Hであり; R7は、−H、または−CH3であり; R4およびR8は独立して、水素またはヒドロキシであり、そしてR4およびR8 の少なくとも1つは、以下の式の糖部分であり: 【化11】 ここで、R9は独立して、−H、−OH、−N3、−O−Pg、−NH2、−NH
    −Pg、−OPO2aまたは以下からなる群から選択される1〜3個の糖単位を
    含む第2の糖部分であり: 【化12】 ここで、R9aは、−H、−OH、−N3、−NH2、−O−Pg、または−NH
    −Pgであり、 R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−O−Pg、
    または−NH−Pgであり、 P9cは、−CH3、−CH2OH、−CH23、−CH2OSO3H、−CH2
    H−Pg、−CH2O−Pg、−CO2H、または−CO2−Pgであり、 ここで1個以下のR9が、該第2の糖部分により表される限り、Raは、上記で
    定義された通りであり; Pgは保護基(すなわち、−O−Pgは、ヒドロキシ保護基であり、−NH−
    Pgは、アミノ保護基であり、CH2CONH−Pgは、アミド保護基であり、
    そして−CO2−Pgは、カルボキシ保護基である)である、方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法であって、ここで、Rは以下であり: 【化13】 ここで、A、B、CおよびDは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C 12 アルキニル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロ、または−
    O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1〜C12アルキル)もしくは−
    O−(CH2q−X−Eであり; mは、2、3または4であり;nは、2、3または4であり;pは、0または1
    であり、qは、2、3または4であり; Xは、ピロリジノ、ピペリジノまたはピペラジノであり;そしてEは、水素、C 1 〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、ベンジルまたはC3〜C12シクロ
    アルキルメチルである、方法。
  10. 【請求項10】 前記レシピエントがヒトである、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の方法であって、ここで、前記構造Iによ
    って表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物において
    、 R1は、各場合において、ヒドロキシであり; R2、R3およびR7はそれぞれメチルであり; Rは、以下の式の部分であり: 【化14】 4は、ヒドロキシであり; R5は、−OPO2HRaであり、ここでRaは、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4 アルコキシであり; R8は、以下の式の糖部分: 【化15】 である、方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 R5は、ヒドロキシであり; Rは、以下の式の部分であり: 【化16】 ここで、Dは、水素またはC3〜C7アルコキシであり; R8は、以下の式の部分であり: 【化17】 ここで、R9は独立して、水素、ヒドロキシ、アミノまたは以下の式の部分で
    あり: 【化18】 ここで、R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−O−
    Pg、または−NH−Pgであり、そしてnは1、2または3である、方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 Dは、n−ペントキシであり; R9およびR9aは独立して、ヒドロキシまたはアミノであり;そして R9bは、−OHまたは−OPO2aである、方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 R9は、各場合において、ヒドロキシであり;そして R9bが−OPO2aであり; ここでRaはメチルまたはメトキシである、方法。
  15. 【請求項15】 請求項8に記載の方法であって、ここで、前記真菌活性が
    、Candida albicans、Aspergillus fumiga
    tis、およびCandida parapsilosisからなる群から選択
    される1種以上の真菌から生じる、方法。
  16. 【請求項16】 寄生生物活性を阻害する方法であって、該方法はそのよう
    な阻害を必要とするレシピエントに、有効量の構造Iにより表される化合物、お
    よびその薬学的に受容可能な塩、エステル、水和物もしくは溶媒和物を投与する
    工程を包含し: 【化19】 ここで、 Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロア
    リール基であり; R1は独立して、−H、−OH、または−O−Pgであり; R2は、−H、−CH3、−NH2、または−NH−Pgであり; R3は、−H、−CH3、−CH2CONH2、−CH2CONH−Pg、−CH2 CH2NH2、または−CH2CH2NH−Pgであり; R5は、−OH、−OSO3H、または−OPO2HRaであり、ここで、Ra
    、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、フェニル、フェノキシ
    、p−ハロフェニル、p−ハロフェノキシ、p−ニトロフェニル、p−ニトロフ
    ェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、p−ハロベンジル、p−ハロベンジルオ
    キシ、p−ニトロベンジル、またはp−ニトロベンジルオキシであり; R6は、−H、−OH、または−OSO3Hであり; R7は、−H、または−CH3であり; R4およびR8は独立して、水素またはヒドロキシであり、そしてR4およびR8 の少なくとも1つは、以下の式の糖部分であり: 【化20】 ここで、R9は独立して、−H、−OH、−N3、−O−Pg、−NH3、−NH
    −Pg、−OPO2aまたは以下からなる群から選択される1〜3個の糖単位を
    含む第2の糖部分であり: 【化21】 ここで、R9aは、−H、−OH、−N3、−NH2、−O−Pg、または−NH
    −Pgであり、 R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−O−Pg、
    または−NH−Pgであり、 P9cは、−CH3、−CH2OH、−CH23、−CH2OSO3H、−CH2
    H−Pg、−CH2O−Pg、−CO2H、または−CO2−Pgであり、 ここで1個以下のR9が、該第2の糖部分により表される限り、Raは、上記で
    定義された通りであり; Pgは保護基(すなわち、−O−Pgは、ヒドロキシ保護基であり、−NH−
    Pgは、アミノ保護基であり、−CH2CONH−Pgは、アミド保護基であり
    、そして−CO2−Pgは、カルボキシ保護基である)である、方法。
  17. 【請求項17】 Rが以下である請求項16に記載の方法であって: 【化22】 ここで、A、B、CおよびDは、独立して、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C 12 アルキニル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C12アルキルチオ、ハロ、または−
    O−(CH2m−[O−(CH2np−O−(C1〜C12アルキル)もしくは−
    O−(CH2q−X−Eであり; mは、2、3または4であり;nは、2、3または4であり;pは、0または1
    であり;qは、2、3または4であり; Xは、ピロリジノ、ピペリジノまたはピペラジノであり;そしてEは、水素、C 1 〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、ベンジルまたはC3〜C12シクロ
    アルキルメチルである、方法。
  18. 【請求項18】 前記レシピエントがヒトである、請求項16に記載の方法
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 R1は、各場合において、ヒドロキシであり; R2、R3およびR7は、それぞれメチルであり; Rは、以下の式の部分であり: 【化23】 4は、ヒドロキシであり; R5は、−OPO2HRaであり、ここでRaは、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4 アルコキシであり; R8は、以下の式の糖部分: 【化24】 である、方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 R5は、ヒドロキシであり; Rは、以下の式の部分であり: 【化25】 ここで、Dは、水素またはC3〜C7アルコキシであり; R8は、以下の式の部分であり: 【化26】 ここで、R9は独立して、水素、ヒドロキシ、アミノまたは以下の式の部分で
    あり: 【化27】 ここで、R9bは、−OPO2a、−OSO3H、−H、−NH2、−OH、−O−
    Pg、または−NH−Pgであり、そしてnは、1、2または3である、方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 Dは、n−ペントキシであり; R9およびR9aは独立して、ヒドロキシまたはアミノであり; そしてR9bが−OHまたは−OPO2aである、方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法であって、ここで、前記構造Iに
    よって表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物におい
    て、 R9は、各場合において、ヒドロキシであり;そして R9bが−OPO2aであり、ここでRaはメチルまたはメトキシである、方法。
  23. 【請求項23】 前記寄生生物活性がPneumocystis cari
    niiから生じる、請求項16に記載の方法。
JP2000588201A 1998-12-16 1999-12-15 環式ペプチド抗真菌剤 Withdrawn JP2002535248A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11243498P 1998-12-16 1998-12-16
US60/112,434 1998-12-16
PCT/US1999/029914 WO2000035944A1 (en) 1998-12-16 1999-12-15 Cyclic peptide antifungal agents

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002535248A true JP2002535248A (ja) 2002-10-22

Family

ID=22343886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000588201A Withdrawn JP2002535248A (ja) 1998-12-16 1999-12-15 環式ペプチド抗真菌剤

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1140991A1 (ja)
JP (1) JP2002535248A (ja)
AU (1) AU767357B2 (ja)
CA (1) CA2354056A1 (ja)
WO (1) WO2000035944A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1107981B1 (en) 1998-08-20 2005-01-26 Eli Lilly & Company Synthesis of ring-modified cyclic peptide analogs
US6506726B1 (en) 1998-12-09 2003-01-14 Eli Lilly And Company Purification of Echinocandin cyclopeptide compounds
BR0008713A (pt) 1999-03-03 2001-12-26 Lilly Co Eli Processos para preparar formulações ecomposições farmacêuticas orais com ecb
CA2362826A1 (en) 1999-03-03 2000-09-08 Michael Anthony Dotlich Formation and anion-exchange of crystalline echinocandin ammonium salts
BRPI0009249B8 (pt) 1999-03-03 2021-07-06 Lilly Co Eli formulação farmacêutica parenteral de equinocandina contendo tensoativos de formação de micela.
IL145187A0 (en) 1999-03-03 2002-06-30 Lilly Co Eli Echinocandin/carbohydrate complexes
US9956240B2 (en) * 2014-11-21 2018-05-01 University Of South Carolina Therapeutic monosaccharide-based inhibitors of hexokinase and glucokinase for parasitic diseases, along with methods of their formation and use
US10682359B2 (en) 2017-03-31 2020-06-16 University Of South Carolina Inhibitors of glucose kinases, along with methods of their formation and use
US11059842B2 (en) 2019-04-29 2021-07-13 University Of South Carolina Monosaccharide amine and 3-nitro-2-phenyl-2H-chromene based inhibitors of glucose kinases
US11555047B2 (en) 2019-10-31 2023-01-17 University Of South Carolina One-step synthesis of phosphate-based inhibitors and applications thereof

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5652213A (en) * 1995-05-26 1997-07-29 Eli Lilly And Company Cyclic peptide antifungal agents
US6323176B1 (en) * 1998-02-25 2001-11-27 Eli Lilly And Company Cyclic peptide antifungal agents

Also Published As

Publication number Publication date
EP1140991A1 (en) 2001-10-10
AU2189200A (en) 2000-07-03
CA2354056A1 (en) 2000-06-22
AU767357B2 (en) 2003-11-06
WO2000035944A1 (en) 2000-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2044746C (en) Polypeptide compound and a process for preparation thereof
CA2626921C (en) Process and intermediates for the synthesis of caspofungin
US8022033B2 (en) Echinocandin/carbohydrate complexes
EA024792B1 (ru) Производные полимиксина
US6323176B1 (en) Cyclic peptide antifungal agents
AU2013242651A1 (en) High purity cyclopeptide compound as well as preparation method and use thereof
JPH11505845A (ja) 環状ペプチド抗真菌剤
JPH04235196A (ja) ある種のシクロヘキサペプチドの還元法
CZ310297A3 (cs) Cyklické peptidy jako antifungální činidla, způsob jejich přípravy, farmaceutický prostředek a použití
US20020151474A1 (en) Processes for making pharmaceutical oral ECB formulations and compositions
JP2002535248A (ja) 環式ペプチド抗真菌剤
JPH09500103A (ja) シクロヘキサペプチジルアミノアルキルエーテル
AU2013242653A1 (en) High-purity cyclopeptide crystal as well as preparation method and use thereof
JPH10508026A (ja) アザシクロヘキサペプチド化合物
JPH10505100A (ja) 新規抗真菌シクロヘキサペプチド
JP2002532513A (ja) 糖置換基を有する環式ペプチド抗真菌剤
JPH11510165A (ja) 環状ペプチド抗真菌薬
WO2010108637A1 (en) Crystalline compound
JPH11505847A (ja) 環状ペプチド抗真菌剤
JPH0570495A (ja) 環式ヘキサペプチド化合物
EP3299381B1 (en) Water soluble rapamycin derivative
US6399567B1 (en) Cyclic hexapeptides having antibiotic activity
AU2003262439A1 (en) Cyclic peptide antifungal agents I
USH1638H (en) Use of the polypeptide compound
JP2000501076A (ja) シクロヘキサペプチジルビスアミン化合物、その化合物を含む組成物とその使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070306