JP2002534983A - メタロプロテイナーゼ・ディスインテグリンファミリーメンバー:svphdnaおよびポリペプチド - Google Patents

メタロプロテイナーゼ・ディスインテグリンファミリーメンバー:svphdnaおよびポリペプチド

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JP2002534983A JP2000594933A JP2000594933A JP2002534983A JP 2002534983 A JP2002534983 A JP 2002534983A JP 2000594933 A JP2000594933 A JP 2000594933A JP 2000594933 A JP2000594933 A JP 2000594933A JP 2002534983 A JP2002534983 A JP 2002534983A
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seq
polypeptide
svph
nucleic acid
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/64Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
    • C12N9/6489Metalloendopeptidases (3.4.24)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、精製されそして単離されている新規SVPHポリペプチド、こうしたポリペプチドをコードする核酸、こうしたポリペプチドの組換え型を産生するための方法、および上記の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願に対するクロス・リファレンス 本出願は、それぞれ、1999年1月21日;1999年6月14日;および
1999年9月27日に提出された、米国仮特許出願第60/116,670号
;第60/138,682号;および第60/155,798号の恩典を請求す
る。これらの出願の全開示は、本明細書において頼られ、そして援用される。
【0002】 発明の背景 発明の分野 本発明は、精製されそして単離されている、新規SVPHポリペプチド(SV
PH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c;SVPH−3;
並びにSVPH−4、SVPH−4a、およびSVPH−4b)およびその断片
、こうしたポリペプチドをコードする核酸、こうしたポリペプチドの組換え型を
産生するための方法、これらのポリペプチドに対し生成された抗体、これらのポ
リペプチドに由来する断片化ペプチド、およびその使用に関する。
【0003】 関連技術の説明 メタロプロテイナーゼは、金属補欠分子族の存在により特徴付けられるプロテ
イナーゼの群である。この基本的な類似性にもかかわらず、ヘビ毒由来のプロテ
イナーゼ、多くの微生物プロテイナーゼ、並びに脊椎動物および細菌コラゲナー
ゼを含む、この群は、非常に多様な活性を持つようであるプロテイナーゼを提示
するようである。例えば、ヘビ毒プロテアーゼは、細胞・マトリックス相互作用
に影響を与えるメタロプロテイナーゼである。ヘビ毒はまた、「ディスインテグ
リン」という、低分子量でArg−Gly−Asp(RGD)を含む、システイ
ン・リッチペプチドで、細胞上に発現されるインテグリン(細胞・細胞接着、細
胞・マトリックス接着、および炎症反応に関与する分子のファミリー)に結合す
る種類も含む。
【0004】 やはり含まれるのは、膜固着ADAM(ディスインテグリンおよびメタロプロ
テイナーゼ( isintegrin nd etalloprote
inase))であり、これはメタロプロテイナーゼ、ディスインテグリン様、
システイン・リッチ、および上皮増殖因子ドメインからなる多量体分子である。
すべて本明細書に援用される、Blackら,“ADAMs: focus o
n the protease domain,” Curr. Opin.
Cell Biol. 10:654−659(1998); Wolfsbe
rg, T.G.ら,“ADAMs in fertilization an
d development,”Dev. Bio. 180:389−401
(1996)を参照されたい。メタロプロテイナーゼ・ディスインテグリン、ま
たはADAMは、シグナル配列、Cysスイッチを含むプロ・ドメイン、亜鉛結
合モチーフを含む触媒ドメイン、ディスインテグリンドメイン、システイン・リ
ッチドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインで構成される、特有のド
メイン構造を有する(Blackら,“ADAMs: focus on th
e protease domain,” Curr. Opin. Cell
Biol. 10:654−659(1998); Blobel, C.P
., Cell, 90:589−592(1997))。したがって、ADA
Mは、細胞表面上に発現される、1型膜貫通タンパク質である。ADAMは、哺
乳動物種、線虫(Caenorhabditis)、アフリカツメガエル(Xe
nopus)、およびショウジョウバエ(Drosophila)から単離され
てきている。およそ半数のADAMが、酵素活性に必要と考えられている、亜鉛
結合モチーフHEXXXXXXHD(配列番号31)を含まない。しかし、
すべてのADAMは、非常に保存されている15のCys残基を含む、長さおよ
そ80アミノ酸のディスインテグリンドメインを含む。いくつかのメンバーでは
、この領域がインテグリンに結合することが見出されてきている(Almeid
a, E.A.ら, Cell 81:1095−1104(1995); Z
hang, X.P.ら, J. Biol. Chem. 273:7345
−7350(1998); Nath, D.ら, J. Cell Sci. 112:579−587(1999))が、ファミリーメンバーの大部分では
、この領域の役割は未知である。
【0005】 24を超えるADAMが同定されてきているが、その生物学的役割が解明され
てきているのは、わずかである。腫瘍壊死因子−α変換酵素(TACE/ADA
M17)は、形質膜からTNF−αを分断する(shedding)のに必要な
プロテイナーゼとして単離された。Blobel, C.P., Cell,
90:589−592(1997); Moss, M.ら, Nature
385:733−736(1997); Black, R.A.ら, Nat
ure 385:729−733(1997)を参照されたい。より最近、TA
CE/ADAM17が、L−セレクチン、TGF−α、p80 TNFR、p6
0 TNFR, L−セレクチン、II型IL−1R,およびβ−アミロイド前
駆タンパク質を含む、他の細胞表面タンパク質の外部ドメインを分断するのに必
要であることが見出されてきている(Peschon, J.J.ら, Sci
ence 282: 1281−1284(1998))。ファーティリン−α
/ADAM1およびファーティリン−β/ADAM2は、精子・卵融合に必要で
あり(Myles, D.G.ら, Proc. Nat’l. Acad.
Sci., USA 91:4195−4198(1994))、一方、メルト
リン−α/ADAM12は筋細胞融合に役割を有する(Yagami−Hiro
masa, T.ら, Nature 377:652−656(1995))
。さらに、MDC/ADAM11は、腫瘍抑制遺伝子の候補であり(Emi,
M.ら, Nat. Genet. 5:151−157(1993))、そし
てKuz/ADAM10は、神経発生に重要な役割を果たす(Pan, D.ら
, Cell 90:271−280(1997); Rooke, J.ら,
Science 273:1227−1231(1996))。
【0006】 いくつかのADAM、例えばADAM9、ADAM10、ADAM15、およ
びADAM17は、偏在性に発現され、そしてADAM15およびADAM17
で見出されてきているように、多面発現効果を有する可能性がある。しかし、他
のADAMの多くは、組織特異的発現を示す:ADAM12およびADAM19
は筋肉で(Yagami−Hiromasa, Tら, Nature 377
:652−656(1995))、ADAM22は脳で、そしてADAM23は
脳および心臓で発現される(Sagane, K.ら, J. Biochem
. 334:93−98(1998))。ADAMの最大の群(Bjarnas
on, J.B.ら, Methods Enzymol. 248:345−
368(1995); Jia, L.G.ら, Toxicon 34:12
69−1276(1996); Stocker, W.ら, Protein
Sci. 4:823−840(1995); Black, R.A.ら,
Curr. Opin. Cell Biol. 10:654−659(1
998); Blobel, C.P., Cell 90:589−592(
1997); Almeida, E.A.ら, Cell 81:1095−
1104(1995); Zhang, X.P.ら, J. Biol. C
hem. 273:7345−7350(1998); Wolfsberg,
T.G.ら, Dev. Biol. 180:389−401(1996)
; Zhu, G.Z.ら, Gene 234:227−237(1999)
; Blobel, C.P.ら, Nature 356:248−252(
1992); Walter, M.A.ら, Nat. Genet. 7:
22−28(1994); Gribskov, M.ら, Nucleic
Acids Res. 14:6745−6763(1986); Bode,
W.ら, FEBS Lett. 331:134−140(1993);お
よびCerretti. D.P.ら, Cytokine 11:541−5
51(1999))は、主に精巣で発現され、そして精子形成および受精に関与
していると考えられる(Wolfsberg, T.G.ら, Dev. Bi
ol. 180:389−401(1996); Hooft van Hui
jsduijnen, R., Gene 206:273−282(1998
); Zhu, G.Z.ら, Gene 234:227−237(1999
))。実際、哺乳動物で最初に発見されたADAMであるADAM1およびAD
AM2は、精子・卵融合に必要であることが見出された(Zhu, G.Z.ら
, Gene 234:227−237(1999))。
【0007】 メタロプロテイナーゼ・ディスインテグリンのADAMファミリーはまた、ヘ
ビ毒プロテアーゼファミリー(SVPH)とも相同性を共有する。いくつかのヘ
ビ毒プロテアーゼメンバーでは、ディスインテグリンドメインは、血小板凝集を
妨げ、そしてしたがって、抗凝血物質として作用する。
【0008】 膜および細胞・細胞融合、細胞接着、膜タンパク質の分断、および抗凝血にお
いてメタロプロテイナーゼが重要な機能を持つと仮定すると、当該技術分野には
、ADAMファミリーおよび/またはSVPHファミリーのさらなるメタロプロ
テイナーゼに関し、これらのファミリー内の新規タンパク質の発見、同定、およ
び役割を含む、必要性が存在する。
【0009】 別の側面において、未知のタンパク質の一次構造、または配列の同定は、実験
の困難な過程が成就した結果である。未知のタンパク質を同定するため、研究者
は、当業者に知られる多様な技術を用い、未知のタンパク質の既知のペプチドへ
の比較に頼ることが可能である。例えば、タンパク質は、電気泳動、沈降、クロ
マトグラフィー、配列決定および質量分析などの技術を用い、日常的に解析され
る。
【0010】 特に、未知のタンパク質を既知の分子量のポリペプチドと比較することにより
、未知のタンパク質の見かけの分子量を決定することが可能になる(Brock
, T.D.ら, Biology of Microorganisms 7
6−77(1991))。タンパク質分子量標準は、未知のタンパク質の分子量
概算を援助するため、商業的に入手可能である(New England Bi
olabs Inc.カタログ:130−131(1995); J.L. H
artley、米国特許第5,449,758号)。しかし、分子量標準は、見
かけの分子量の正確な概算を可能にするには、未知のタンパク質に十分近い大き
さに相当しない可能性がある。化学的または酵素的手段により断片化にさらされ
、翻訳後修飾またはプロセシングにより修飾され、および/または非共有複合体
において他のタンパク質と結合しているタンパク質の場合、分子量概算における
困難の度合いが増す。
【0011】 さらに、特定のアミノ酸構成要素に関するタンパク質組成の特有の性質は、タ
ンパク質内の切断部位の特有の配置を生じる。化学的または酵素的切断によるタ
ンパク質の特定の断片化は、特有の「ペプチドフィンガープリント」を生じる(
Cleveland, D.W.ら, J. Biol. Chem. 252
:1102−1106(1977); Brown, M.ら, J. Gen
. Virol. 50:309−316(1980))。その結果、特定の部
位での切断は、既定のタンパク質の、正確な分子量のペプチドへの、再現可能な
断片化を生じる。さらに、これらのペプチドは、該ペプチドの等電点pHを決定
する特有の電荷特性を持つ。これらの特有の特性は、多様な電気泳動および他の
技術を用い、利用することが可能である(Brock, T.D.ら, Bio
logy of Microorganisms, 76−77(Prenti
ce Hall, 第6版, 1991))。
【0012】 タンパク質の断片化、特に「保護(blocked)」N−末端を持つタンパ
ク質由来の断片の産生は、さらに、アミノ酸組成解析およびタンパク質配列決定
に使用される(Matsudiara, P., J. Biol. Chem
. 262:10035−10038(1987); Eckerskorn,
C.ら, Electrophoresis 1998, 9:830−83
8(1988))。さらに断片化タンパク質は、免疫感作、親和性選択(R.A
. Brown、米国特許第5,151,412号)、修飾(例えばリン酸化)
部位決定、活性生物学的化合物の生成(Brock, T.D.ら, Biol
ogy of Microorganisms 300−301(Prenti
ce Hall, 第6版, 1991))、および相同タンパク質の区別(B
rown, M.ら, J. Gen. Virol. 50:309−316
(1980))に用いることが可能である。
【0013】 さらに、未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントが得られたならば、
質量分析を用いた、この未知のタンパク質の同定を援助するため、既知のタンパ
ク質のデータベースに比較してもよい(Henzel, W.J.ら, Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA 90:5011−5015
(1993); Fenyo, D.ら, Electrophoresis
19:998−1005(1998))。多様なコンピューターソフトウェアプ
ログラム、例えばProtein Prospector(インターネットサイ
ト:prospector.uscf.edu)、MultiIdent(イン
ターネットサイト:www.expasy.ch/sprot/multiid
ent.html)、PeptideSearch(インターネットサイト:w
ww.mann.embl−heiedelberg.de...deSear
ch/FR_PeptideSearchForm.html)、およびPro
Found(インターネットサイト:www.chait−sgi.rocke
feller.edu/cgi−bin/prot−id−frag.html
)などが、これらの比較を容易にするため、インターネットを介し、利用可能で
ある。これらのプログラムは、使用者が切断剤および指示された許容範囲の断片
化ペプチドの分子量を特定するのを可能にする。該プログラムは、未知のタンパ
ク質の同一性の決定を援助するため、これらの分子量を、データベースに保存さ
れているタンパク質分子量情報と比較する。正確な同定には、断片化ペプチドの
数およびそれらのペプチドの正確な分子量に関する正確な情報が必要である。し
たがって、断片化ペプチドの数および分子量の決定の正確さが増せば、未知のタ
ンパク質の同定における成功は高まるはずである。
【0014】 さらに、未知のタンパク質のペプチド消化物は、タンデム型質量分析(MS/
MS)を用いて配列決定してもよく、そして生じた配列をデータベースに対し検
索してもよい(Eng, J.K.ら, J. Am. Soc. Mass
Spec. 5:976−989(1994); Mann, M.ら, An
al. Chem. 66:4390−4399(1994); Taylor
, J.A.ら, Rapid Comm. Mass Spec., 11:
1067−1075(1997))。本方法に用いてもよい検索プログラムは、
Lutefisk 97(インターネットサイト:www.lsbc.com:
70/Lutefisk97.html)、並びに上述のProtein Pr
ospector、Peptide SearchおよびProFoundプロ
グラムなど、インターネット上に存在する。したがって、遺伝子の配列、並びに
その予測されるタンパク質配列およびペプチド断片を、配列データベースに添加
することは、タンデム型質量分析を用いた、未知のタンパク質の同定を援助する
可能性がある。
【0015】 このように、当該技術分野にはまた、ペプチド断片化研究における使用に、分
子量測定における使用に、そしてタンデム型質量分析を用いたタンパク質配列決
定における使用に適したポリペプチドに対する必要性も存在する。
【0016】 発明の概要 本発明は、単離新規SVPH核酸およびこれらの核酸にコードされるポリペプ
チドを提供することにより、当該技術分野におけるこれらの多様な必要性を満た
すのを援助する。本発明の特定の態様は、配列番号1−3のDNA配列を含む単
離SVPH核酸分子、および配列番号4−6のアミノ酸配列をコードする単離S
VPH核酸分子と共に、これらの配列に相補的な核酸分子に関する。さらなる研
究により、3つの選択的スプライシングSVPH−1クローン(配列番号7−9
)および2つの選択的スプライシングSVPH 4クローン(配列番号10−1
1)の全長ヌクレオチド配列が明らかになってきている。したがって、本発明の
さらなる態様は、配列番号7−11のDNA配列を含む単離SVPH核酸分子、
および配列番号12−16のアミノ酸配列をコードする単離SVPH核酸分子と
共に、これらの配列に相補的な核酸分子に関する。一本鎖および二本鎖RNAお
よびDNA核酸分子両方と共に、配列番号1−3および7−11のすべてまたは
一部を含む、変性二本鎖DNAにハイブリダイズする核酸分子が本発明に含まれ
る。やはり含まれるのは、配列番号1−3および7−11の配列を含む核酸分子
のin vitro突然変異誘発により得られる単離核酸分子、配列番号1−3
および7−11の配列を含む核酸分子から縮重している単離核酸分子、並びに本
発明のDNAの対立遺伝子変異体である単離核酸分子である。本発明はまた、こ
れらの核酸分子の発現を指示する組換えベクターおよびこれらのベクターで安定
または一過性形質転換またはトランスフェクションされている宿主細胞も含む。
【0017】 さらに、本発明は、上述の核酸を用い、メタロプロテイナーゼ・ディスインテ
グリン活性を有するタンパク質をコードする核酸を同定する方法;ヒト染色体第
1番または第4番を同定する方法;ヒト染色体第1番または第4番上の遺伝子を
マッピングする方法;特定の疾患、症候群、またはヒト染色体第1番または第4
番に関連する他のヒトの状態に関連する遺伝子を同定する方法;並びにプロテイ
ナーゼおよび細胞/細胞相互作用に対するその活性と共に、免疫系に対するプロ
テイナーゼ活性を研究する方法を含む。
【0018】 本発明はまた、配列番号1−3および7−11の核酸由来のセンスまたはアン
チセンスオリゴヌクレオチドの、SVPH−1、SVPH−3、またはSVPH
−4遺伝子にコードされるポリヌクレオチドの発現を阻害するための使用も含む
【0019】 本発明はまた、配列番号4−6および12−16の可溶性ポリペプチド部分を
含む、これらの核酸分子にコードされる単離ポリペプチドおよびその断片も含む
。本発明はさらに、これらのポリペプチドを産生するための方法であって、宿主
細胞を、発現を促進する条件下で培養し、そして培地から該ポリペプチドを回収
することを含む、前記方法を含む。特に、細菌、酵母、植物、昆虫、および動物
細胞におけるこれらのポリペプチドの発現が、本発明に含まれる。
【0020】 一般的に、本発明のポリペプチドを用い、細胞過程(精子/卵相互作用におけ
るような細胞融合、細胞認識および結合を含む)に関与する、細胞/細胞および
細胞/マトリックス相互作用と共に、免疫系に関与する該相互作用を研究するこ
とが可能である。さらに、これらのポリペプチドを用い、SVPHファミリーメ
ンバー、ADAMファンリーメンバー、および他のメタロプロテイナーゼと関連
する他のタンパク質を同定することが可能である。
【0021】 さらに、本発明は、ポリペプチド対構造(counter−structur
e)分子と関連する活性の潜在的な阻害剤に関しスクリーニングするのに、これ
らのポリペプチドを利用するアッセイ、およびSVPHポリペプチド対構造分子
に仲介される疾患の治療のための療法剤として、これらのポリペプチドを用いる
方法を含む。さらに、阻害剤の設計にこれらのポリペプチドを用いる方法もまた
、本発明の側面である。
【0022】 本発明はさらに、タンパク質または断片化タンパク質の分子量の概算を可能に
する分子量マーカーとしてこれらのポリペプチドを使用するための方法と共に、
電気泳動を用い、本発明の分子量マーカーを視覚化するための方法を提供する。
本発明はさらに、未知のタンパク質の等電点の決定のためのマーカーとしてと共
に、タンパク質の断片化の程度を確かめるためのコントロールとして、本発明の
ポリペプチドを用いるための方法を含む。本発明にさらに含まれるのは、これら
の決定を援助するキットである。
【0023】 これらのポリペプチドに結合する単離ポリクローナルまたはモノクローナル抗
体と共に、SVPHポリペプチド精製を援助するこれらの抗体の使用もまた、本
発明に含まれる。
【0024】 本発明にさらに含まれるのは、試料核酸および/またはタンパク質の同定を援
助する電子データベースの検索における使用のための、SVPH核酸配列、ポリ
ペプチドまたはその断片の予測されるアミノ酸配列、あるいはポリペプチドおよ
びその断片の予測されるアミノ酸配列の組み合わせの使用である。
【0025】 発明の詳細な説明 本発明に含まれる核酸分子には、以下のヌクレオチド配列: 名称:SVPH−1
【0026】
【化1】
【0027】 名称:SVPH−3
【0028】
【化2】
【0029】 名称:SVPH−4
【0030】
【化3】
【0031】 名称:SVPH−1a
【0032】
【化4】
【0033】 名称:SVPH−1b
【0034】
【化5】
【0035】 名称:SVPH−1c
【0036】
【化6】
【0037】 名称:SVPH−4a
【0038】
【化7】
【0039】 名称:SVPH−4b
【0040】
【化8】
【0041】 が含まれる。 本発明のヌクレオチド配列にコードされるポリペプチドのアミノ酸配列には:
名称:SVPH−1(ポリペプチド)
【0042】
【化9】
【0043】 名称:SVPH−3(ポリペプチド)
【0044】
【化10】
【0045】 名称:SVPH−4(ポリペプチド)
【0046】
【化11】
【0047】 名称:SVPH−1a(ポリペプチド)
【0048】
【化12】
【0049】 名称:SVPH−1b(ポリペプチド)
【0050】
【化13】
【0051】 名称:SVPH−1c(ポリペプチド)
【0052】
【化14】
【0053】 名称:SVPH−4a(ポリペプチド)
【0054】
【化15】
【0055】 名称:SVPH−4b(ポリペプチド)
【0056】
【化16】
【0057】 が含まれる。 本発明の核酸の発見により、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベ
クターの構築;発現ベクターでトランスフェクションまたは形質転換されている
宿主細胞の構築;単離されそして精製されている、生物学的に活性があるポリペ
プチドおよびその断片;メタロプロテアーゼ・ディスインテグリン活性を有する
タンパク質をコードする核酸を同定するプローブとしての該核酸またはそのオリ
ゴヌクレオチドの使用;ヒト染色体第1番または第4番を同定するための、該核
酸またはそのオリゴヌクレオチドの使用;ヒト染色体第1番または第4番上の遺
伝子をマッピングするための、該核酸またはそのオリゴヌクレオチドの使用;胎
児ヒダントイン症候群、ジフェニルヒダントイン中毒、および褐色細胞腫を含む
、ヒト染色体第1番または第4番と関連する、特定の疾患、症候群、または他の
ヒトの状態と関連する遺伝子を同定するための、該核酸またはそのオリゴヌクレ
オチドの使用;SVPH−1、SVPH−3、またはSVPH−4遺伝子にコー
ドされるポリヌクレオチドの発現を阻害するための、該核酸由来の一本鎖センス
またはアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用;プロテイナーゼとして機能させ
るための、こうしたポリペプチドおよび可溶性断片の使用;分子量マーカーとし
てのこうしたポリペプチドおよび断片化ペプチドの使用;ペプチド断片化のコン
トロールとしての、こうしたポリペプチドおよび断片化ペプチド、並びにこれら
の試薬を含むキットの使用;抗体を生成するための、こうしたポリペプチドおよ
びその断片の使用;並びにSVPHポリペプチドを精製するための抗体の使用が
可能になる。
【0058】 核酸分子 特定の態様において、本発明は内因性成分の汚染がない、特定の単離ヌクレオ
チド配列に関する。「ヌクレオチド配列」は、別個の断片の形の、またはより大
きな核酸構築物の構成要素としてのポリヌクレオチド分子を指す。核酸分子は、
実質的に純粋な型で、そして標準的生化学的方法、例えば、Sambrookら
, Molecular Cloning: A Laboratory Ma
nual, 第2版, Cold Spring Harbor Labora
tory, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989)に略述さ
れているものなどによるその構成要素ヌクレオチド配列の同定、操作、および回
収を可能にする量または濃度で、少なくとも1度単離されているDNAまたはR
NAに由来している。好ましくは、こうした配列は、真核遺伝子に典型的に存在
する、内部非翻訳配列、またはイントロンにより中断されないオープンリーディ
ングフレームの形で提供されおよび/または構築される。非翻訳DNA配列は、
該DNA配列がコード領域の操作または発現に干渉しない、オープンリーディン
グフレームの5’または3’に存在していてもよい。
【0059】 本発明の核酸分子は、一本鎖および二本鎖型両方のDNAと共に、そのRNA
相補体(complement)も含む。DNAには、例えばcDNA、ゲノム
DNA、化学的に合成されたDNA、PCRにより増幅されたDNA、およびそ
れらの組み合わせが含まれる。ゲノムDNAは、例えば、配列番号1−3および
7−11のcDNA、または適切なその断片をプローブとして用い、慣用技術に
より単離してもよい。
【0060】 本発明のDNA分子は、全長遺伝子と共にそのポリヌクレオチドおよび断片を
含む。全長遺伝子はまた、N−末端シグナルペプチドも含んでもよい。他の態様
は、可溶性型をコードする、例えばシグナルペプチドを含むまたは含まない、該
タンパク質の細胞外ドメインをコードするDNAを含む。
【0061】 本発明の核酸は、好ましくは、ヒト供給源に由来するが、本発明は、非ヒト種
由来のものもまた含む。
【0062】 好ましい配列 本発明の特に好ましいヌクレオチド配列は、上述のように、配列番号1−3お
よび7−11である。配列番号1−3および7−11のDNAにコードされるア
ミノ酸の配列を、それぞれ、配列番号4−6および12−16に示す。配列番号
1中、「N」はいかなるヌクレオチドに相当してもよい。これらの配列は、SV
PHポリヌクレオチドを、メタロプロテイナアーゼ・ディスインテグリンファミ
リーのメンバーと同定する。上述のように、本ファミリーのタンパク質は、プロ
・ドメイン、ディスインテグリンドメイン、メタロプロテイナーゼドメイン、シ
ステイン・リッチ領域、膜貫通ドメイン、および細胞質テールにより特徴付けら
れる。
【0063】 特に、SVPH−1(元来、ヒト精巣から単離)およびSVPH−4(元来、
ヒト精巣、胎児肺、およびB細胞から単離)は共に、メタロプロテイナーゼ・デ
ィスインテグリンファミリーのシステインリッチ領域に対する相同性を共有し、
そしてSVPH−3(元来、ヒト胎児組織から単離)は、これらのファミリーメ
ンバーのプロ・ドメインに対する相同性を共有する。さらに、SVPH−4ポリ
ペプチド(配列番号3)は、亜鉛結合モチーフ(His 47ないしAsp 5
8)、ディスインテグリンドメイン(Leu 104ないしCys 179)、
およびシステインリッチ領域(Asp 180ないしArg 388)をコード
する。
【0064】 SVPH−1a、SVPH−1b、およびSVPH−1cは、異なる細胞質ド
メインを持つ、3つの選択的スプライシングSVPH−1クローンのヌクレオチ
ド配列(配列番号7−9)に相当する。これらのクローンは、4つの異なるオリ
ゴヌクレオチド:
【0065】
【化17】
【0066】 を用い、42℃でヒト精巣ライブラリー(Clonetechカタログ番号HL
3024a)をスクリーニングし、そして2 x SSC中、42℃で洗浄する
ことにより、単離した。
【0067】 SVPH−4aおよびSVPH−4bは、異なる細胞質ドメインを持つ、2つ
の選択的スプライシングSVPH−4クローンのヌクレオチド配列(配列番号1
0−11)に相当する。これらのクローンは、3つの異なるオリゴヌクレオチド
【0068】
【化18】
【0069】 を用い、42℃でヒト精巣ライブラリー(Clonetechカタログ番号HL
3024a)をスクリーニングし、2 x SSC中、42℃で洗浄することに
より、単離した。
【0070】 さらなる配列 1つ以上のコドンが同一のアミノ酸をコードする可能性がある、遺伝暗号の既
知の縮重のため、DNA配列は配列番号1−3および7−11に示されるものと
異なり、そしてなお、それぞれ配列番号4−6および12−16のアミノ酸配列
を有するポリペプチドをコードする可能性がある。こうした変異体DNA配列は
、サイレント(silent)突然変異(例えば、PCR増幅中に発生する)か
ら生じてもよいし、または天然配列の意図的な突然変異誘発の産物であってもよ
い。
【0071】 したがって、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする単離DNA配列で
あって:(a)配列番号1−3および7−11のヌクレオチド配列を含むDNA
;(b)配列番号4−6および12−16のポリペプチドをコードするDNA;
(c)中程度にストリンジェントな条件下で(a)または(b)のDNAにハイ
ブリダイズすることが可能であり、そして本発明のポリペプチドをコードするD
NA;(d)非常にストリンジェントな条件下で(a)または(b)のDNAに
ハイブリダイズすることが可能であり、そして本発明のポリペプチドをコードす
るDNA;および(e)(a)、(b)、(c)、または(d)に定義されるD
NAに対し遺伝暗号の結果として縮重しており、そして本発明のポリペプチドを
コードするDNAより選択される、前記単離DNA配列を提供する。もちろん、
こうしたDNA配列にコードされるポリペプチドが本発明に含まれる。
【0072】 本明細書において使用されるように、中程度にストリンジェントな条件は、例
えば、DNAの長さに基づき、一般の技術を有する当業者により、容易に決定す
ることが可能である。基本的な条件は、Sambrookら, Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual,第2版,
Vol. 1, pp.1.101−104, Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press,(1989)に示され、そして
ニトロセルロースフィルターに関し、5 X SSC、0.5% SDS、1.
0 mM EDTA(pH 8.0)の前洗浄溶液、約42℃での、約50%ホ
ルムアミド、6 X SSC(または約42℃での約50%ホルムアミド中の、
例えばスターク溶液(Stark’s solution)などの他の同様のハ
イブリダイゼーション溶液)のハイブリダイゼーション条件、および約60℃、
0.5 X SSC、0.1% SDSの洗浄条件の使用が含まれる。非常にス
トリンジェントな条件もまた、例えばDNAの長さに基づき、当業者により、容
易に決定することが可能である。一般的に、こうした条件は、上記のようなハイ
ブリダイゼーション条件、およびおよそ68℃、0.2 X SSC、0.1%
SDSの洗浄を伴うと定義される。当業者は温度および洗浄溶液塩濃度は、プ
ローブの長さなどの要因にしたがい、必要に応じ調整してもよいことを認識する
であろう。
【0073】 本発明の態様としてやはり含まれるのは、以下に記載されるような、ポリペプ
チド断片、および単数または複数の不活性化N−糖鎖付加部位、不活性化プロテ
アーゼプロセシング部位、または保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドをコー
ドするDNAである。
【0074】 別の態様において、本発明の核酸分子はまた、天然配列に少なくとも80%同
一であるヌクレオチド配列も含む。やはり意図されるのは、核酸分子が、天然配
列に少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一、少
なくとも99%同一、または少なくとも99.9%同一である配列を含む、態様
である。
【0075】 同一性パーセントは、視覚的検査および数学的計算により決定してもよい。あ
るいは、2つの核酸配列の同一性パーセントは、Devereuxら, Nuc
l. Acids Res., 12:387(1984)に記載され、そして
ウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)より入手可能
なGAPコンピュータープログラム、バージョン6.0を用い配列情報を比較す
ることにより、決定してもよい。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメ
ーターには:(1)ヌクレオチドに関する単一(unary)比較マトリックス
(同一に対し1および非同一に対し0の値を含む)、およびSchwartzお
よびDayhoff監修,Atlas of Protein Sequenc
e and Structure, National Biomedical
Research Foundation,pp.353−358(1979
)に記載されるような、GribskovおよびBurgess, Nucl.
Acids Res. 14:6745(1986)の加重比較マトリックス
;(2)各ギャップに対する3.0のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に
対しさらに0.10のペナルティ;および(3)末端ギャップに対するペナルテ
ィなし、が含まれる。当業者に用いられる、配列比較の他のプログラムもまた、
用いてもよい。
【0076】 本発明はまた、ポリペプチドの産生に有用な単離核酸も提供する。こうしたポ
リペプチドは、いくつかの慣用技術のいずれにより調製してもよい。SVPHポ
リペプチド、または望ましいその断片をコードするDNA配列を、該ポリペプチ
ドまたは断片を産生するための発現ベクター内にサブクローニングしてもよい。
DNA配列は、好都合に、適切なリーダーまたはシグナルペプチドをコードする
配列に融合させる。あるいは、既知の技術を用い、望ましい断片を化学的に合成
してもよい。DNA断片はまた、全長クローン化DNA配列の制限エンドヌクレ
アーゼ消化により産生し、そしてアガロースゲル上の電気泳動により単離しても
よい。必要であれば、望ましい点まで5’または3’末端を再構築したオリゴヌ
クレオチドを、制限酵素消化により生成されたDNA断片に連結してもよい。こ
うしたオリゴヌクレオチドはさらに、望ましいコード配列、およびコード配列の
N−末端の開始コドン(ATG)位の上流に、制限エンドヌクレアーゼ切断部位
を含んでもよい。
【0077】 周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法もまた、望ましいタンパク質断片を
コードするDNA配列を単離しそして増幅するのに使用してもよい。DNA断片
の望ましい末端を定めるオリゴヌクレオチドを、5’および3’プライマーとし
て使用する。該オリゴヌクレオチドはさらに、発現ベクターへの増幅DNA断片
の挿入を容易にするため、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含んでもよい。
PCR技術は、Saikiら, Science 239:487(1988)
;Recombinant DNA Methodology, Wuら監修,
Academic Press, Inc.,サンディエゴ, pp.189
−196(1989);およびPCR Protocols: A Guide
to Methods and Applications, Innisら
監修, Academic Press, Inc.(1990)に記載される
【0078】 ポリペプチドおよびその断片 本発明は、多様な型のポリペプチドおよびその断片を含み、天然発生である、
または組換えDNA技術を伴う方法などの多様な技術を通じ産生されるものを含
む。こうした型には、限定されるわけではないが、誘導体、変異体、およびオリ
ゴマーと共に、融合タンパク質またはその断片が含まれる。
【0079】 ポリペプチドおよびその断片 本発明のポリペプチドは、上述のような核酸配列にコードされるタンパク質を
含む。特に好ましいポリペプチドは、配列番号4−6および12−16のアミノ
酸配列を含む。
【0080】 配列番号4および6に示されるようなポリペプチドは、メタロプロテイナーゼ
・ディスインテグリンファミリーに対して相同なシステインリッチ領域を含み、
そして配列番号5のポリペプチドは、同じタンパク質ファミリーに対して相同な
プロ・ドメインを含む。SVPH−1(配列番号4)は、アミノ酸Met 1な
いしAsn 40を有するN−末端領域を有する。配列番号4において、「X」
はいかなるアミノ酸に相当してもよい。SVPH−3(配列番号5)は、アミノ
酸Asn 1ないしLeu 23を有するN−末端領域を有する。SVPH−4
(配列番号6)もまた、アミノ酸His 1ないしArg 388を含む細胞外
ドメイン、アミノ酸Gly 389からPhe 417を含む膜貫通ドメイン、
アミノ酸Arg 418ないしLys 499を含むC−末端細胞質ドメインを
含み、そしてAA 782936と称されるESTと重複すると考えられる。
【0081】 SVPH−1aポリペプチド(配列番号12)、SVPH−1bポリペプチド
(配列番号13)、およびSVPH−1c(配列番号14)は、各々、シグナル
配列(Met 1ないしSer 15)、プロ・ドメイン(Cys 16ないし
Ser 188)、触媒ドメイン(Ser 189ないしThr 388)、デ
ィスインテグリンドメイン(Val 389ないしGly 491)、システイ
ンリッチ領域(Tyr 492ないしLys 675)、および膜貫通ドメイン
(Phe 676ないしCys 698)をコードする。さらに、SVPH−1
a、SVPH−1b、およびSVPH−1cポリペプチド(配列番号12−14
)は、各々、細胞質ドメインをコードする。選択的スプライシングのため、各ポ
リペプチドの細胞質ドメインは異なる。SVPH−1a、SVPH−1b、およ
びSVPH−1cに関しては、細胞質ドメインは、それぞれ、(Lys 699
ないしSer 766)、(Lys 699ないしThr 787)、および(
Lys 699ないしSer 820)である。
【0082】 同様に、SVPH−4aポリペプチド(配列番号15)およびSVPH−4b
ポリペプチド(配列番号16)は、各々、シグナル配列(Met 1ないしGl
y 27)、プロ・ドメイン(Glu 28ないしArg 193)、触媒ドメ
イン(Asp 194ないしIle 392)、ディスインテグリンドメイン(
Pro 393ないしGly 493)、システインリッチ領域(Arg 49
4ないしSer 685)、および膜貫通ドメイン(Ile 686ないしGl
y 713)をコードする。さらに、SVPH−4aおよびSVPH−4bポリ
ペプチド(配列番号15−16)は、各々、細胞質ドメインをコードする。選択
的スプライシングのため、各ポリペプチドの細胞質ドメインは異なる。SVPH
−4aの細胞質ドメインは(Asn 714ないしLys 790)、そしてS
VPH−4bの細胞質ドメインは(Asn 714ないしLys 781)であ
る。
【0083】 当業者は、ポリペプチドのこうした領域の上述の境界はおよそのものであり、
そして(その目的のために利用可能なコンピュータープログラムを用いることに
より、予測することが可能な)膜貫通領域の境界は、上述のものと異なる可能性
があることを認識するであろう。
【0084】 本発明のポリペプチドは、膜に結合していても、または分泌されそしてしたが
って可溶性であってもよい。可溶性ポリペプチドは、発現される細胞から分泌さ
れることが可能である。一般的に、可溶性ポリペプチドは、例えば遠心分離など
により、望ましいポリペプチドを発現する、損なわれていない(intact)
細胞を培地から分離し、そして望ましいポリペプチドの存在に関し培地(上清)
をアッセイすることにより、同定する(そして非可溶性膜結合対応物と区別する
)ことが可能である。培地中にポリペプチドが存在することにより、該ポリペプ
チドが細胞から分泌され、そしてしたがって該タンパク質の可溶性型であること
が示される。
【0085】 1つの態様において、可溶性ポリペプチドおよびその断片は、細胞外ドメイン
のすべてまたは一部を含むが、細胞膜へのポリペプチドの保持を生じるであろう
膜貫通領域を欠く。可溶性ポリペプチドは、該ポリペプチドが産生細胞から分泌
される限り、細胞質ドメイン、またはその一部を含んでもよい。
【0086】 一般的に、可溶性型の使用は特定の適用に有益である。可溶性ポリペプチドは
細胞から分泌されるため、組換え宿主細胞からのポリペプチドの精製が容易にな
る。さらに、可溶性ポリペプチドは、一般的に、静脈内投与に、より適している
【0087】 本発明はまた、ポリペプチド、および望ましい生物学的活性を保持する細胞外
ドメインの断片も提供する。特定の態様は、「結合パートナー」または天然同族
体(cognate)、基質、または対構造に結合する能力を保持するポリペプ
チド断片に関する。こうした断片は、上述のように可溶性ポリペプチドであって
もよい。別の態様において、ポリペプチドおよび断片は、好都合に、上述のよう
なSVPHファミリー中に保存される領域を含む。
【0088】 本明細書にやはり提供されるのは、配列番号4−6および12−16の配列の
隣接アミノ酸を少なくとも20、または少なくとも30含むポリペプチド断片で
ある。細胞質ドメイン由来の断片は、情報伝達研究において、そして生物学的情
報の伝達に関連する細胞過程の制御において、使用を見出す。ポリペプチド断片
はまた、抗体を産生する際の免疫原として使用してもよい。
【0089】 変異体 天然発生変異体と共に、ポリペプチドおよび断片由来変異体が本明細書に提供
される。
【0090】 変異体は、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を示してもよい。やはり
意図されるのは、ポリペプチドまたは断片が、好ましいポリペプチドまたはその
断片に、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一
、少なくとも99%同一、または少なくとも99.9%同一であるアミノ酸配列
を含む、態様である。同一性パーセントは、視覚的検査および数学的計算により
決定してもよい。あるいは、2つのタンパク質配列の同一性パーセントは、Ne
edlemanおよびWunsch, J. Mol. Biol., 48:
443(1970)のアルゴリズムに基づき、そしてウィスコンシン大学遺伝学
コンピューターグループ(UWGCG)より入手可能なGAPコンピュータープ
ログラムを用い配列情報を比較することにより、決定してもよい。GAPプログ
ラムの好ましいデフォルトパラメーターには:(1)HenikoffおよびH
enikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
89:10915(1992)に記載されるような、スコアリング・マトリッ
クス、blosum62;(2)12のギャップ加重;(3)4のギャップ長加
重;および(4)末端ギャップに対するペナルティなし、が含まれる。当業者に
用いられる、配列比較の他のプログラムもまた、用いてもよい。
【0091】 本発明の変異体には、例えば、選択的mRNAスプライシング事象またはタン
パク質分解切断から生じるものが含まれる。mRNAの選択的スプライシングは
、例えば、一部切除されている(truncated)が生物学的に活性がある
タンパク質を生じる可能性がある、例えば該タンパク質の天然発生可溶性型など
がある。タンパク質分解に起因すると考えられる変動には、例えば、異なる種類
の宿主細胞における発現に際しての、該タンパク質からの1つまたはそれ以上の
末端アミノ酸(一般的に1−5末端アミノ酸)のタンパク質分解的除去によるN
−またはC−末端の相違が含まれる。アミノ酸配列の相違を遺伝的多型性(該タ
ンパク質を産生する個体の間の対立遺伝子変動)に起因しうるタンパク質もまた
、本明細書に意図される。
【0092】 本発明の範囲内のさらなる変異体には、他の化学部分、例えばグリコシル基、
脂質、リン酸、アセチル基およびそれらに匹敵するものと共有または凝集結合体
を形成することにより、修飾され、誘導体を生成する可能性があるポリペプチド
が含まれる。共有誘導体は、アミノ酸側鎖上の、あるいはポリペプチドのN−末
端またはC−末端の、官能基に、化学部分を連結することにより、調製してもよ
い。以下により詳細に論じられるような、結合している診断用(検出可能)剤ま
たは療法剤を含む結合体が本発明に意図される。
【0093】 他の誘導体には、例えばN−末端またはC−末端融合体として組換え培養にお
いて合成されることによる、該ポリペプチドと他のタンパク質またはポリペプチ
ドとの共有または凝集結合体が含まれる。融合タンパク質の例は、オリゴマーと
関連し、以下に論じられる。さらに、融合タンパク質は精製および同定を容易に
するため添加されるペプチドを含んでもよい。こうしたペプチドには、例えば、
ポリ−Hisまたは米国特許第5,011,912号およびHoppら, Bi
o/Technology 6:1204(1988)に記載される抗原性同定
ペプチドが含まれる。こうしたペプチドの1つはFLAG(登録商標)ペプチド
、Asp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(配列番
号28)であり、該ペプチドは抗原性が高く、そして特異的なモノクローナル抗
体が可逆的に結合するエピトープを提供し、発現された組換えタンパク質の迅速
なアッセイおよび容易な精製を可能にする。4E11と称されるネズミハイブリ
ドーマは、本明細書に援用される米国特許第5,011,912号に記載される
ように、特定の二価金属陽イオンの存在下でFLAG(登録商標)ペプチドに結
合するモノクローナル抗体を産生する。4E11ハイブリドーマ細胞株は、寄託
番号第HB 9259号下に、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)に寄
託されている。FLAG(登録商標)ペプチドに結合するモノクローナル抗体は
、Eastman Kodak Co., Scientific Imagi
ng Systems Division、コネチカット州ニューヘブンより入
手可能である。
【0094】 本明細書に提供される変異体ポリペプチドの中に、天然の生物学的活性を保持
する天然ポリペプチドの変異体または実質的なその同等物(equivalen
t)がある。1つの例は、天然型と本質的に同一の結合親和性で結合する変異体
である。結合親和性は、例えば米国特許第5,512,457号に記載されるよ
うに、そして以下に示されるように、慣用法により測定することが可能である。
【0095】 変異体には、実質的に天然型と相同であるが、1つまたはそれ以上の欠失、挿
入または置換のため、天然型と異なるアミノ酸配列を有する、ポリペプチドが含
まれる。特定の態様には、限定されるわけではないが、天然配列と比較して、ア
ミノ酸残基の1ないし10の欠失、挿入または置換を含む、ポリペプチドが含ま
れる。
【0096】 既定のアミノ酸を、例えば同様の物理化学的特性を有する残基により置換して
もよい。こうした保存的置換の例には、1つの脂肪族残基を互いに、例えばIl
e、Val、Leu、またはAlaを互いに置換するもの;LysおよびArg
、GluおよびAsp、またはGlnおよびAsn間といった、1つの極性残基
から別のものへの置換;あるいは芳香族残基の別のものでの置換、例えばPhe
、Trp、またはTyrを互いに置換するものが含まれる。他の保存的置換、例
えば、同様の疎水性特性を有する領域全体の置換が、周知である。
【0097】 同様に、本発明のDNAには、1つまたはそれ以上の欠失、挿入または置換の
ため、天然DNA配列とは異なるが、生物学的に活性があるポリペプチドをコー
ドする変異体が含まれる。
【0098】 本発明はさらに、結合する天然パターン糖鎖付加を含むまたは含まない本発明
のポリペプチドを含む。酵母または哺乳動物発現系(例えばCOS−1またはC
OS−7細胞)で発現されたポリペプチドは、発現系の選択に応じ、分子量およ
び糖鎖付加パターンにおいて、天然ポリペプチドと同様である可能性も、または
有意に異なる可能性もある。細菌発現系、例えば大腸菌(E. coli)での
本発明のポリペプチドの発現は、非糖鎖付加分子を提供する。さらに、既定の調
製は、多数の異なって糖鎖付加されたタンパク質種を含む可能性がある。グリコ
シル基は、慣用法、特にグリコペプチダーゼを利用するものを通じ、除去しても
よい。一般的に、本発明の糖鎖付加ポリペプチドを、モル過剰のグリコペプチダ
ーゼ(Boehringer Mannheim)とインキュベーションしても
よい。
【0099】 これに対応して、アミノ酸残基または配列の多様な付加または置換、あるいは
末端または内部の残基または配列の欠失をコードする同様のDNA構築物が、本
発明に含まれる。例えば、ポリペプチド細胞外ドメインのN−糖鎖付加部位を修
飾し、糖鎖付加を妨げてもよく、これにより哺乳動物および酵母発現系における
炭水化物減少類似体(analog)の発現が可能になる。真核ポリペプチドの
N−糖鎖付加部位はアミノ酸トリプレットAsn−X−Yにより特徴付けられ、
ここでXはProを除くいかなるアミノ酸でもよく、そしてYはSerまたはT
hrである。これらのトリプレットをコードするヌクレオチド配列に対する適切
な置換、付加または欠失は、Asn側鎖での炭水化物残基の結合の防止を生じる
であろう。例えば、Asnが異なるアミノ酸により置換されるように選択される
、単一のヌクレオチドの改変は、N−糖鎖付加部位を不活性化するのに十分であ
る。あるいは、SerまたはThrを別のアミノ酸、例えばAlaで置換しても
よい。タンパク質のN−糖鎖付加部位を不活性化するための既知の方法には、本
明細書に援用される、米国特許第5,071,972号およびEP 276,8
46に記載されるものが含まれる。
【0100】 変異体の別の例において、生物学的活性に必須でないCys残基をコードする
配列を改変し、Cys残基が欠失され、または他のアミノ酸で置換されるように
し、フォールディングまたは再生の際、誤った分子内ジスルフィド架橋が形成さ
れるのを妨げてもよい。
【0101】 他の変異体は、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母系における発現を亢
進させるため、隣接する二塩基性アミノ酸残基を修飾することにより調製される
。EP 212,914は、タンパク質のKEX2プロテアーゼプロセシング部
位を不活性化するための部位特異的突然変異誘発の使用を開示する。KEX2プ
ロテアーゼプロセシング部位は、Arg−Arg、Arg−Lys、およびLy
s−Arg対を改変し、これらの隣接する塩基性残基の発生を除去するため、残
基を欠失させ、付加し、または置換することにより、不活性化される。Lys−
Lys対はKEX2切断にかなり感受性が低く、そしてArg−LysまたはL
ys−ArgのLys−Lysへの変換は、KEX2部位を不活性化する保存的
なそして好ましいアプローチを代表する。
【0102】 オリゴマー 本発明に含まれるのは、SVPHポリペプチドを含むオリゴマーまたは融合タ
ンパク質である。本発明のポリペプチドが、SVPHのように、I型膜タンパク
質である場合、融合パートナーをI型膜タンパク質のC末端に結合させる。こう
したオリゴマーは、二量体、三量体、またはより高次のオリゴマーを含む、共有
結合または非共有結合多量体型であってもよい。上述のように、好ましいポリペ
プチドは可溶性であり、そしてしたがってこれらのオリゴマーは可溶性ポリペプ
チドを含んでもよい。本発明の1つの側面において、オリゴマーはポリペプチド
構成要素の結合能を維持し、そしてしたがって、二価、三価などの結合部位を提
供する。
【0103】 本発明の1つの態様は、ポリペプチドに融合しているペプチド部分間の共有ま
たは非共有相互作用を介し結合している多数のポリペプチドを含むオリゴマーに
関する。こうしたペプチドは、ペプチドリンカー(スペーサー)であってもよく
、またはオリゴマー化を促進する特性を有するペプチドであってもよい。以下に
より詳細に記載されるように、結合するポリペプチドのオリゴマー化を促進する
ことが可能なペプチドの中に、ロイシンジッパーおよび抗体由来の特定のポリペ
プチドがある。
【0104】 免疫グロブリンに基づくオリゴマー 1つの代替物として、免疫グロブリンに由来するポリペプチドを用い、オリゴ
マーを調製する。抗体由来ポリペプチドの多様な部分(Fcドメインを含む)に
融合している特定の異種性ポリペプチドを含む融合タンパク質の調製は、例えば
、Ashkenaziら, PNAS USA, 88:10535(1991
); Byrnら, Nature, 344:677(1990);並びにH
ollenbaughおよびAruffo, “Construction o
f Immunoglobulin Fusion Proteins”, C
urrent Protocols in Immunology, Supp
l.4, 10.19.1−10.19.11(1992)に記載されている。
【0105】 本発明の1つの態様は、本発明のポリペプチドを抗体由来のFcポリペプチド
に融合させることにより生成される2つの融合タンパク質を含む二量体に関する
。ポリペプチド/Fc融合タンパク質をコードする遺伝子融合体を適切な発現ベ
クターに挿入する。該組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞でポリペプ
チド/Fc融合タンパク質を発現し、そして抗体分子によく似た形で集合させ、
その結果、鎖間ジスルフィド結合がFc部分間に形成され、二価分子を生じるの
を可能にする。
【0106】 本明細書において、「Fcポリペプチド」という用語は、Fc領域のCHドメ
インのいずれでもよいものまたはすべてを含む抗体のFc領域から構成される天
然および突然変異タンパク質(mutein)型ポリペプチドを含む。二量体化
を促進するヒンジ領域を含むこうしたポリペプチドの一部切除型もまた含まれる
。好ましいポリペプチドはヒトIgG1抗体由来のFcポリペプチドを含む。
【0107】 PCT出願第WO 93/10151号(本明細書に援用される)に記載され
る1つの適切なFcポリペプチドは、ヒトIgG1抗体のFc領域のN−末端ヒ
ンジ領域から天然C−末端に渡る一本鎖ポリペプチドである。別の有用なFcポ
リペプチドは、本明細書に援用される米国特許第5,457,035号およびB
aumら, EMBO J. 13:3992−4001(1994)に記載さ
れるFc突然変異タンパク質である。本突然変異タンパク質のアミノ酸配列は、
アミノ酸19がLeuからAlaに変化し、アミノ酸20がLeuからGluに
変化し、そしてアミノ酸22がGlyからAlaに変化していることを除けば、
WO 93/10151に示される天然Fc配列のものと同一である。該突然変
異タンパク質は、Fc受容体に対し、減少した親和性を示す。
【0108】 Fc部分を含む上述の融合タンパク質(およびそれから形成されるオリゴマー
)は、プロテインAまたはプロテインGカラム上のアフィニティークロマトグラ
フィーによる容易な精製という利点を提供する。
【0109】 他の態様において、本発明のポリペプチドを、抗体重鎖または軽鎖の可変部に
関し置換してもよい。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖両方で作成されて
いる場合、4つものSVPH細胞外領域を持つオリゴマーを形成することが可能
である。
【0110】 ペプチドリンカーに基づくオリゴマー あるいは、オリゴマーはペプチドリンカー(スペーサーペプチド)を含むまた
は含まない多数のポリペプチドを含む融合タンパク質である。適切なペプチドリ
ンカーの中に、本明細書に援用される米国特許第4,751,180号および第
4,935,233号に記載されるものがある。望ましいペプチドリンカーをコ
ードするDNA配列は、いかなる適切な慣用的技術を用い、本発明のDNA配列
の間に、そして該DNA配列と同じ読み枠で挿入してもよい。例えば、リンカー
をコードする化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを、配列間に連結してもよ
い。特定の態様において、融合タンパク質は、ペプチドリンカーにより分離され
た、2ないし4つの可溶性SVPHポリペプチドを含む。
【0111】 ロイシンジッパー 本発明のオリゴマーを調製するための別の方法は、ロイシンジッパーの使用を
伴う。ロイシンジッパードメインは、該ドメインが見られるタンパク質のオリゴ
マー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、元々、いくつかのDN
A結合タンパク質で同定され(Landschulzら, Science,
240:1759(1988))、そして以来、多様な異なるタンパク質で見出
されてきている。既知のロイシンジッパーの中に、二量体化または三量体化する
天然発生ペプチドおよびその誘導体がある。
【0112】 ジッパードメイン(本明細書において、オリゴマー化、またはオリゴマー形成
ドメインとも呼ばれる)は、繰り返される7残基反復を含み、しばしば4つまた
は5つのロイシン残基が、他のアミノ酸に点在する。ジッパードメインの例には
、酵母転写因子GCN4およびラット肝臓に見られる熱安定性DNA結合タンパ
ク質、C/EBP(Landschulzら, Science 243:16
81(1989))がある。2つの核トランスフォーミングタンパク質、fos
およびjunもまたジッパードメインを示し、ネズミプロトオンコジーン、c−
mycの遺伝子産物も同様である(Landschulzら, Science
240:1759(1988))。fosおよびjunのジッパードメインは
、優先的にヘテロ二量体を形成する(O’Sheaら, Science 24
5:646(1989)、TurnerおよびTijan, Science, 243:1689(1989))。ジッパードメインは、これらのタンパク質
の生物学的活性(DNA結合)に必要である。
【0113】 パラミクソウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルスおよび多くのレトロウイ
ルスを含む、いくつかの異なるウイルスの融合体形成性(fusogenic)
タンパク質もまた、ジッパードメインを所有する(BucklandおよびWi
ld, Nature 338:547(1989); Britton, N
ature, 353:394(1991); DelwartおよびMosi
alos, AIDS Research and Human Retrov
iruses 6:703(1990))。これらの融合体形成性ウイルスタン
パク質のジッパードメインは、該タンパク質の膜貫通領域の近くにあり;ジッパ
ードメインが、該融合体形成性タンパク質のオリゴマー構造に寄与する可能性が
示唆されてきている。融合体形成性ウイルスタンパク質のオリゴマー化は、融合
孔(fusion pore)形成に関与している(Spruceら, Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 88:3523(
1991))。ジッパードメインはまた、最近、熱ショック転写因子のオリゴマ
ー化に役割を果たしているとも報告されてきている(Rabindranら,
Science 259:230(1993))。
【0114】 ジッパードメインは、短い、平行コイルドコイル(parallel coi
led coil)として折りたたまれている(O’Sheaら, Scien
ce 254:539(1991))。平行コイルドコイルの一般的構造は、C
rick, Acta Crystallogr., 6:689(1953)
に提唱されたような「ノブを穴へ(knobs−into−holes)」パッ
キングにより、よく特徴付けられている。ジッパードメインにより形成された二
量体は、McLachlanおよびStewert, J. Mol. Bio
l., 98:293(1975)の表記にしたがい、(abcdefg)n
表される、7残基反復により安定化される。ここでaおよびdは一般的に疎水性
残基であり、dはロイシンであり、これらはらせんの同じ面に並ぶ。逆に荷電し
た残基は普通、gおよびe位にある。したがって、2つのらせん状ジッパードメ
インから形成される平行コイルドコイルにおいて、第一のらせんの疎水性側鎖に
より形成された「ノブ」は、第二のらせんの側鎖間に形成された「穴」にパッキ
ングされる。
【0115】 d位の残基(しばしばロイシン)は、巨大な疎水性安定化エネルギーに寄与し
、そしてオリゴマー形成に重要である(Krystekら, Int. J.
Peptide Res. 38:229(1991))。Lovejoyら,
Science 259:1288(1993)は最近、らせんが上−上−下
に走る、三重鎖αらせん束合成を報告した。彼らの研究により、疎水性安定化エ
ネルギーが、らせん単量体からのコイルドコイルの形成のための主要な原動力を
提供していることが裏付けられた。これらの研究はまた、静電相互作用がコイル
ドコイルの化学量論および形状に寄与していることも示している。ロイシンジッ
パーの構造のさらなる議論は、Harburyら, Science, 262
:1401(1993)に見られる。
【0116】 可溶性オリゴマータンパク質を産生するのに適したロイシンジッパードメイン
の例は、PCT出願第WO 94/10308号に記載されると共に、肺界面活
性物質プロテインD(SPD)由来のロイシンジッパードメインが、本明細書に
援用されるHoppeら, FEBS Letters, 344:191(1
994)に記載される。修飾ロイシンジッパーに融合している異種性タンパク質
の安定した三量体化を可能にする、該修飾ロイシンジッパーの使用が、Fans
lowら, Semin. Immunol., 6:267−278(199
4)に記載されている。ロイシンジッパーペプチドに融合している可溶性ポリペ
プチドを含む組換え融合タンパク質を適切な宿主細胞で発現し、そして形成され
る可溶性オリゴマーを培養上清から回収する。
【0117】 特定のロイシンジッパー部分は、優先的に三量体を形成する。1つの例は、本
明細書に完全に援用されるHoppeら, FEBS Letters, 34
4:191(1994)および米国特許第5,716,805号に記載されるよ
うな、上述の肺界面活性物質プロテインD(SPD)由来のロイシンジッパーで
ある。本肺SPD由来ロイシンジッパーペプチドは、アミノ酸配列Pro As
p Val Ala Ser Leu Arg Gln Gln Val Gl
u Ala Leu Gln Gly Gln Val Gln His Le
u Gln Ala Ala Phe Ser Gln Tyr(配列番号29
)を含む。
【0118】 三量体化を促進するロイシンジッパーの別の例は、米国特許第5,716,8
05号に記載されるような、アミノ酸配列Arg Met Lys Gln I
le Glu Asp Lys Ile Glu Glu Ile Leu S
er Lys Ile Tyr His Ile Glu Asn Glu I
le Ala Arg Ile Lys Lys Leu Ile Gly G
lu Arg(配列番号30)を含むペプチドである。1つの別の態様において
、N−末端Asp残基が付加され;別の態様では、該ペプチドはN−末端Arg
残基を欠いている。
【0119】 オリゴマー化を促進する特性を保持する、前述のジッパーペプチドの断片もま
た、使用してもよい。こうした断片の例には、限定されるわけではないが、前述
のアミノ酸配列に示される1つまたは2つのN−末端またはC−末端残基を欠く
ペプチドが含まれる。ロイシンジッパーは、天然発生ロイシンジッパーペプチド
から、例えばオリゴマー化を促進するペプチドの能力が保持されるように、天然
アミノ酸配列の保存的置換を介し、得てもよい。
【0120】 天然発生三量体タンパク質由来の他のペプチドを、三量体SVPHを調製する
のに使用してもよい。あるいは、オリゴマー化を促進する合成ペプチドを使用し
てもよい。特定の態様において、ロイシンジッパー部分のロイシン残基を、イソ
ロイシン残基により置換してもよい。イソロイシンを含むこうしたペプチドは、
イソロイシンジッパーと呼んでもよいが、本明細書において使用されるような「
ロイシンジッパー」という用語に含まれる。
【0121】 ポリペプチドおよびその断片の産生 本発明のポリペプチドおよび断片の発現、単離および精製は、いかなる適切な
技術により達成してもよく、限定されるわけではないが以下を含む: 発現系 本発明はまた、DNAを含む組換えクローニング用および発現ベクターと共に
、該組換えベクターを含む宿主細胞も提供する。DNAを含む発現ベクターを用
い、該DNAにコードされる本発明のポリペプチドまたは断片を調製してもよい
。ポリペプチドを産生するための方法は、ポリペプチドをコードする組換え発現
ベクターで形質転換されている宿主細胞を、該ポリペプチドの発現を促進する条
件下で培養し、その後、培養から発現ポリペプチドを回収することを含む。当業
者は、発現ポリペプチドを精製するための方法は使用する宿主細胞の種類、およ
び該ポリペプチドが膜に結合しているかまたは宿主細胞から分泌される可溶性型
かなどの要因にしたがい、多様であろうことを認識するであろう。
【0122】 いかなる適切な発現系を使用してもよい。ベクターは、適切な転写または翻訳
制御ヌクレオチド配列、例えば、哺乳動物、微生物、ウイルス、または昆虫遺伝
子由来のものなどに、機能可能であるように連結されている、本発明のポリペプ
チドまたは断片をコードするDNAを含む。制御配列の例には、転写プロモータ
ー、オペレーター、またはエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、並びに
転写および翻訳開始および終結を調節する適切な配列が含まれる。ヌクレオチド
配列は、制御配列が該DNA配列に機能的に関連しているとき、機能可能である
ように連結されている。したがって、プロモーターヌクレオチド配列は、該プロ
モーターヌクレオチド配列がDNA配列の転写を調節するならば、DNA配列に
、機能可能であるように連結されている。望ましい宿主細胞において複製する能
力を与える複製起点、および形質転換体を同定する選択遺伝子が、一般的に発現
ベクターに取り込まれている。
【0123】 さらに、適切なシグナルペプチド(天然または異種性)をコードする配列を、
発現ベクターに取り込んでもよい。シグナルペプチド(分泌リーダー)のDNA
配列を、インフレームで本発明の核酸配列に融合させ、DNAがまず転写され、
そしてmRNAがシグナルペプチドを含む融合タンパク質に翻訳されるようにし
てもよい。意図される宿主細胞で機能するシグナルペプチドは、ポリペプチドの
細胞外分泌を促進する。シグナルペプチドは、細胞からのポリペプチドの分泌に
際し、ポリペプチドから切断される。
【0124】 当業者はまた、シグナルペプチドが切断される位は、コンピュータープログラ
ムに予測されるものと異なる可能性があり、そして組換えポリペプチドを発現す
るのに使用される宿主細胞の種類などの要因にしたがい、多様である可能性があ
ることも認識するであろう。タンパク質調製は、1つ以上の部位でのシグナルペ
プチドの切断から生じる、異なるN−末端アミノ酸を有するタンパク質分子の混
合物を含む可能性がある。
【0125】 ポリペプチドの発現に適した宿主細胞には、原核、酵母またはより高次の真核
細胞が含まれる。宿主細胞としての使用には、哺乳動物または昆虫細胞が一般的
に好ましい。細菌、真菌、酵母、および哺乳動物細胞宿主での使用に適したクロ
ーニング用および発現ベクターは、例えば、Pouwelsら, Clonin
g Vectors: A Laboratory Manual, ニューヨ
ーク州エルセビア(1985)に記載されている。細胞不含翻訳系もまた、本明
細書に開示されるDNA構築物由来のRNAを用い、ポリペプチドを産生するの
に使用してもよい。
【0126】 原核系 原核生物には、グラム陰性またはグラム陽性生物が含まれる。形質転換に適し
た原核宿主細胞には、例えば、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacil
lus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typ
himurium)、並びにシュードモナス属(Pseudomonas)、ス
トレプトミセス属(Streptomyces)、およびブドウ球菌属(Sta
phylococcus)内の多様な他の種が含まれる。大腸菌などの原核宿主
細胞において、組換えポリペプチドの該原核宿主細胞における発現を容易にする
ため、ポリペプチドはN−末端メチオニン残基を含んでもよい。N−末端Met
は、発現された組換えポリペプチドから切断してもよい。
【0127】 原核宿主細胞に用いるための発現ベクターは、一般的に、1つまたはそれ以上
の表現型選択可能マーカー遺伝子を含む。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例
えば、抗生物質耐性を与える、または独立栄養必要条件を供給するタンパク質を
コードする遺伝子である。原核宿主細胞に有用な発現ベクターの例には、クロー
ニングベクターpBR322(ATCC 37017)など、商業的に入手可能
なプラスミド由来のものが含まれる。pBR322は、アンピシリンおよびテト
ラサイクリン耐性のための遺伝子を含み、そしてしたがって、形質転換細胞を同
定する簡単な手段を提供する。適切なプロモーターおよびDNA配列をpBR3
22ベクター中に挿入する。他の商業的に入手可能なベクターには、例えば、p
KK223−3(Pharmacia Fine Chemicals、スウェ
ーデン・ウプサラ)およびpGEM1(Promega Biotec、米国ウ
ィスコンシン州マディソン)が含まれる。
【0128】 組換え原核宿主細胞発現ベクターに通常用いられるプロモーター配列には、β
−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Changら
, Nature, 275:615(1978);およびGoeddelら,
Nature, 281:544(1979))、トリプトファン(trp)
プロモーター系(Goeddelら, Nucl. Acids Res.,
8:4057(1980);およびEP−A−36776)およびtacプロモ
ーター(Maniatis, Molecular Cloning: A L
aboratory Manual, Cold Spring Harbor
Laboratory, p.412(1982))が含まれる。特に有用な
原核宿主細胞発現系は、ファージλPLプロモーターおよびcI857ts熱不
安定性リプレッサー配列を使用する。アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ションから入手可能な、λPLプロモーターの誘導体を組み込んだプラスミドベ
クターには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9、ATCC 37092
に常住)およびpPLc28(大腸菌RR1、ATCC 53082に常住)が
含まれる。
【0129】 酵母系 あるいは、ポリペプチドは、好ましくはサッカロミセス(Saccharom
yces)属(例えば、S.セレビシエ(S. cerevisiae))由来
の酵母宿主細胞において発現してもよい。酵母の他の属、例えばピキア属(Pi
chia)またはクロイベロミセス属(Kluyveromyces)もまた使
用してもよい。酵母ベクターは、しばしば、2μ酵母プラスミド由来の複製起点
配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配
列、転写終結のための配列、および選択可能マーカー遺伝子を含むであろう。酵
母ベクターに適したプロモーター配列には、とりわけ、メタロチオネイン、3−
ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzemanら, J. Biol. Ch
em. 255:2073(1980))または、エノラーゼ、グリセルアルデ
ヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシ
ラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−
ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラ
ーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼなどの他の解糖酵
素(Hessら, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149(
1968);およびHollandら, Biochem., 17:4900
(1978))のプロモーターが含まれる。酵母発現に用いるのに適した他のベ
クターおよびプロモーターはHitzeman, EPA−73,657にさら
に記載されている。別の代替物は、Russellら, J. Biol. C
hem., 258:2674(1982)およびBeierら, Natur
e, 300:724(1982)に記載されるグルコース抑制可能ADH2プ
ロモーターである。大腸菌での選択および複製のため、pBR322由来のDN
A配列(Ampr遺伝子および複製起点)を上述の酵母ベクターに挿入すること
により、酵母および大腸菌両方において複製可能なシャトルベクターを構築して
もよい。
【0130】 酵母α−因子リーダー配列を使用し、ポリペプチドを直接分泌させてもよい。
α−因子リーダー配列は、しばしば、プロモーター配列および構造遺伝子配列の
間に挿入される。例えば、Kurjanら, Cell, 30:933(19
82)およびBitterら, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA, 81:5330(1984)を参照されたい。酵母宿主からの組
換えポリペプチドの分泌を容易にするのに適した他のリーダー配列が当業者に知
られる。リーダー配列を、その3’端近傍に、1つまたはそれ以上の制限部位を
含むよう修飾してもよい。これは、リーダー配列が構造遺伝子に融合するのを容
易にするであろう。
【0131】 酵母形質転換プロトコルが当業者に知られる。こうしたプロトコルの1つがH
innenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
75:1929(1978)に記載される。Hinnenらのプロトコルは、T
rp+形質転換体を選択培地中で選択し、ここで該選択培地は0.67%酵母窒
素基剤、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10 mg/mlアデニンおよ
び20 mg/mlウラシルからなる。
【0132】 ADH2プロモーター配列を含むベクターにより形質転換された酵母宿主細胞
は、発現を誘導するため「リッチ」培地中で増殖させてもよい。リッチ培地の例
は、80 mg/mlアデニンおよび80 mg/mlウラシルを補った、1%
酵母エキス、2%ペプトン、および1%グルコースからなるものである。ADH
2プロモーターの抑制解除(derepression)は、培地からグルコー
スが枯渇したとき起こる。
【0133】 哺乳動物または昆虫系 哺乳動物または昆虫宿主細胞培養系もまた、組換えポリペプチドを発現するの
に使用してもよい。昆虫細胞において異種性タンパク質を産生するためのバキュ
ロウイルス系がLuckowおよびSummers, Bio/Technol
ogy 6:47(1988)に概説されている。哺乳動物起源の樹立細胞株も
また、使用してもよい。適切な哺乳動物宿主細胞株の例には、サル腎臓細胞のC
OS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzmanら, Cell
23:175(1981))、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC
CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞
、およびBHK(ATCC CRL 10)細胞株、およびMcMahanら,
EMBO J. 10:2821(1991)に記載されるようなアフリカミ
ドリザル(African green monkey)腎臓細胞株CV1(A
TCC CCL 70)由来であるCV1/EBNA細胞株が含まれる。
【0134】 哺乳動物細胞内にDNAを導入するための確立された方法が記載されてきてい
る(Kaufman, R.J., Large Scale Mammali
an Cell Culture, pp.15−69(1990))。商業的
に入手可能な試薬、例えばLipofectamine脂質試薬(Gibco/
BRL)またはLipofectamine−Plus脂質試薬を用いた、さら
なるプロトコルを用い、細胞をトランスフェクションしてもよい(Felgne
rら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:74
13−7417(1987))。さらに、エレクトロポレーションを用い、Sa
mbrookら, Molecular Cloning: A Labora
tory Manual, 第2版. Vol.1−3, Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press(1989)における
もののような、慣用法を用い、哺乳動物細胞をトランスフェクションしてもよい
。安定形質転換体の選択は、例えば細胞毒性薬剤に対する耐性など、当該技術分
野に知られる方法を用い、行ってもよい。Kaufmanら, Meth. i
n Enzymology 185:487−511(1990)は、いくつか
の選択計画、例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)耐性を記載する。D
HFR選択に適した宿主株は、DHFR不全であるCHO株DX−B11であっ
てもよい(UrlaubおよびChasin, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 77:4216−4220(1980))。DHF
R cDNAを発現しているプラスミドをDX−B11株に導入してもよく、そ
してプラスミドを含む細胞のみを適切な選択培地中で増殖させてもよい。発現ベ
クターに組み込んでもよい選択可能マーカーの他の例には、G418およびハイ
グロマイシンBなどの抗生物質に対する耐性を与えるcDNAが含まれる。該ベ
クターを宿する細胞を、これらの化合物に対する耐性に基づき選択してもよい。
【0135】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳調節配列は、ウイルス
ゲノムより切り出されてもよい。通常用いられるプロモーター配列およびエンハ
ンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40
(SV40)、およびヒト・サイトメガロウイルス由来である。SV40ウイル
スゲノム由来のDNA配列、例えばSV40起点、初期および後期プロモーター
、エンハンサー、スプライシング、およびポリアデニル化部位を用い、哺乳動物
宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝要素を提供してもよい
。ウイルス初期および後期プロモーターは、どちらもウイルス複製起点をも含む
可能性がある断片として容易にウイルスゲノムから得られるため、特に有用であ
る(Fiersら, Nature 273:113(1978); Kauf
manら, Meth. in Enzymology 185:487−51
1(1990))。SV40ウイルス複製起点部位に位置するHind III
部位からBgl I部位に渡るおよそ250 bpの配列が含まれていれば、よ
り小さいまたはより大きいSV40断片もまた用いてもよい。
【0136】 哺乳動物発現ベクターからの異種性遺伝子の発現を改善することが示されたさ
らなる調節配列には、CHO細胞由来の発現増大配列要素(EASE)(Mor
risら, Animal Cell Technology, pp.529
−534(1997)およびPCT出願第WO 97/25420号)並びにア
デノウイルス2由来の三分割(tripartite)リーダー(TPL)およ
びVA遺伝子RNA(Gingerasら, J. Biol. Chem.
257:13475−13491(1982))などの要素が含まれる。ウイル
ス起源の内部リボソーム進入部位(IRES)配列により、二シストロン性mR
NAが効率的に翻訳されることが可能になる(OhおよびSarnow, Cu
rrent Opinion in Genetics and Develo
pment 3:295−300(1993); Rameshら, Nucl
eic Acids Research 24:2697−2700(1996
))。選択可能マーカー(例えばDHFR)遺伝子が続く、二シストロン性mR
NAの一部としての異種性cDNAの発現は、宿主のトランスフェクション可能
性および異種性cDNAの発現を改善することが示されてきている(Kaufm
anら, Meth. in Enzymology 185:487−511
(1990))。二シストロン性mRNAを使用する典型的な発現ベクターは、
Mosserら, Biotechniques 22:150−161(19
97)に記載されるpTR−DC/GFP、およびMorrisら, Anim
al Cell Technology,, pp.529−534(1997
)に記載されるp2A5Iである。
【0137】 有用な高発現ベクター、pCAVNOTがMosleyら, Cell 59
:335−348(1989)に記載されてきている。哺乳動物宿主細胞におい
て用いるための他の発現ベクターは、OkayamaおよびBerg, Mol
. Cell. Biol. 3:280(1983)に開示されるように構築
してもよい。C127ネズミ乳腺上皮細胞における哺乳動物cDNAの安定した
高レベル発現に有用な系を、実質的にCosmanら, Mol. Immun
ol. 23:935(1986)に記載されるように構築してもよい。Cos
manら, Nature 312:768(1984)に記載される有用な高
発現ベクター、PMLSV N1/N4はATCC 39890として寄託され
ている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターは、本明細書に援用される、EP
−A−0367566およびWO 91/18982に記載されている。さらに
別の代替物として、ベクターは、レトロウイルス由来であってもよい。
【0138】 別の有用な発現ベクター、pFLAG(登録商標)およびpDC311を用い
てもよい。FLAG(登録商標)技術は、低分子量(1kD)親水性FLAG(
登録商標)マーカーペプチドを、pFLAG(登録商標)発現ベクターにより発
現される組換えタンパク質のN−末端に融合させることを中心とする。pDC3
11は、CHO細胞でタンパク質を発現させるために用いる、別の特殊化ベクタ
ーである。pDC311は、目的の遺伝子およびジヒドロ葉酸レダクターゼ(D
HFR)遺伝子を、DHFR翻訳のための内部リボソーム結合部位、発現増大配
列要素(EASE)、ヒトCMVプロモーター、三分割リーダー配列、およびポ
リアデニル化部位と共に含む、二シストロン性配列により特徴付けられる。
【0139】 使用してもよいシグナルペプチドに関し、望ましいならば、天然シグナルペプ
チドを異種シグナルペプチドまたはリーダー配列に置き換えてもよい。シグナル
ペプチドまたはリーダーの選択は、組換えポリペプチドが産生されるべき宿主細
胞の種類などの要因に依存する可能性がある。例えば、哺乳動物宿主細胞で機能
する異種性シグナルペプチドの例には、米国特許第4,965,195号に記載
されるインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列;Cosmanら,
Nature, 312:768(1984)に記載されるインターロイキン−
2受容体のシグナル配列;EP 367,566に記載されるインターロイキン
−4受容体シグナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載されるI
型インターロイキン−1受容体シグナルペプチド;およびEP 460,846
に記載されるII型インターロイキン−1受容体シグナルペプチドが含まれる。
【0140】 精製 本発明はまた、ポリペプチドおよびその断片を単離しそして精製する方法も含
む。
【0141】 単離および精製 本発明に含まれる「単離」ポリペプチドまたはその断片は、天然に見られる可
能性がある環境と同一でない環境にあるポリペプチドまたは断片である。本発明
に含まれる「精製」ポリペプチドまたはその断片は、例えば上述のような組換え
発現系の精製産物のように、または天然発生細胞および/または組織などの非組
換え供給源からの精製産物のように、他のタンパク質またはポリペプチドとの結
合を本質的に含まない。
【0142】 1つの好ましい態様において、組換えポリペプチドまたは断片の精製は、本発
明のポリペプチドまたは断片の精製を援助する別のポリペプチドへの本発明のポ
リペプチドまたは断片の融合を用い、達成してもよい。こうした融合パートナー
は、上述のようなポリ−Hisまたは他の抗原性同定ペプチドと共に先に記載さ
れるFc部分を含んでもよい。
【0143】 いかなる種類の宿主細胞に関しても、当業者に知られるように、組換えポリペ
プチドまたは断片を精製するための方法は、使用する宿主細胞の種類および組換
えポリペプチドまたは断片が培地に分泌されるかどうかなどの要因にしたがい、
多様であろう。
【0144】 一般的に、組換えポリペプチドまたは断片は、分泌されない場合、宿主細胞か
ら、あるいは可溶性でありそして分泌される場合、培地または上清から単離して
もよく、その後、1つまたはそれ以上の濃縮、塩析、イオン交換、疎水性相互作
用、アフィニティー精製またはサイズ排除クロマトグラフィー段階が続く。これ
らの段階を達成する特定の方法については、培地をまず、商業的に入手可能なタ
ンパク質濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore P
ellicon限外濾過装置を用い、濃縮してもよい。濃縮段階に続き、濃縮物
をゲル濾過媒体などの精製マトリックスに適用してもよい。あるいは、陰イオン
交換樹脂、例えばジエチルアミノエチル(DEAE)側鎖を有するマトリックス
または支持体を使用してもよい。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース
、デキストラン、セルロースまたはタンパク質精製に通常使用される他の種類で
あってもよい。あるいは、陽イオン交換段階を使用してもよい。適切な陽イオン
交換体には、スルホプロピルまたはカルボキシメチル基を含む多様な不溶性マト
リックスが含まれる。さらに、クロマトフォーカシング段階を使用してもよい。
あるいは疎水性相互作用クロマトグラフィー段階を使用してもよい。適切なマト
リックスは、樹脂に結合しているフェニルまたはオクチル部分であってもよい。
さらに、組換えタンパク質に選択的に結合するマトリックスを用いるアフィニテ
ィークロマトグラフィーを使用してもよい。使用されるこうした樹脂の例は、レ
クチンカラム、色素カラム、および金属キレートカラムである。最後に、疎水性
逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)媒体(例えば、ペンダン
ト(pendant)メチル、オクチル、オクチルデシルまたは他の脂肪族基を
有するシリカゲルまたはポリマー樹脂)を使用する1つまたはそれ以上の逆相高
性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)段階を使用し、ポリペプチドを
さらに精製してもよい。いくつかまたはすべての前記の精製段階の多様な組み合
わせが周知であり、そして単離されそして精製されている組換えタンパク質を提
供するのに使用してもよい。
【0145】 本発明のポリペプチド結合タンパク質、例えば本発明のポリペプチドに対し生
成されたモノクローナル抗体などを含むアフィニティーカラムを利用し、発現さ
れたポリペプチドをアフィニティー精製することもまた、可能である。これらの
ポリペプチドは、慣用的技術を用い、例えば、高塩溶出緩衝液中、そしてその後
、使用のためより低塩緩衝液中に透析することによって、あるいは利用されたア
フィニティーマトリックスに応じて、pHまたは他の構成要素を変化させること
によって、あるいは親和性部分の天然発生基質、例えば本発明由来のポリペプチ
ドを用い、競合的に除去することによって、アフィニティーカラムから除去して
もよい。
【0146】 本発明の本側面において、ポリペプチド結合タンパク質、例えば本発明の抗ポ
リペプチド抗体または本発明のポリペプチドと相互作用する可能性がある他のタ
ンパク質を、その表面に本発明のポリペプチドを発現する細胞を同定し、分離し
、または精製するのに適したカラムクロマトグラフィーマトリックスまたは同様
の支持体などの固相支持体に結合させてもよい。固相接触表面への本発明のポリ
ペプチド結合タンパク質の付着は、いかなる手段により達成してもよく、例えば
磁気微小球体をこれらのポリペプチド結合タンパク質で被覆し、そして磁気場を
通じインキュベーション容器に保持してもよい。細胞混合物の懸濁物を、上にこ
うしたポリペプチド結合タンパク質を有する固相と接触させる。本発明のポリペ
プチドを表面上に有する細胞を固定ポリペプチド結合タンパク質に結合させ、そ
してその後、非結合細胞を洗い流す。本親和性結合法は、溶液からこうしたポリ
ペプチド発現細胞を精製し、スクリーニングし、または分離するのに有用である
。固相から陽性に選択された細胞を遊離させる方法は当該技術分野に知られ、そ
して例えば酵素の使用を含む。こうした酵素は好ましくは細胞に対し非毒性およ
び非傷害性であり、そして好ましくは細胞表面結合パートナーを切断するよう、
指示される。
【0147】 あるいは、本発明のポリペプチド発現細胞を含むと疑われる細胞混合物をまず
、ビオチン化した本発明のポリペプチド結合タンパク質とインキュベーションし
てもよい。インキュベーション時間は、本発明のポリペプチドへの十分な結合を
確実にするため、典型的には少なくとも連続1時間である。生じた混合物をその
後、アビジン被覆ビーズを充填したカラムに通過させ、それによりアビジンに対
するビオチンの高い親和性が、ポリペプチド結合細胞のビーズへの結合を提供す
る。アビジン被覆ビーズの使用は当該技術分野に知られる。Berensonら
, J. Cell. Biochem., 10D:239(1986)を参
照されたい。非結合成分の洗浄および結合細胞の遊離は、慣用法を用い行う。
【0148】 望ましい純度は、タンパク質の意図される使用に依存する。例えば、ポリペプ
チドがin vivoで投与されるとき、比較的高い純度が望ましい。こうした
場合、ポリペプチドは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−P
AGE)による解析に際し、他のタンパク質に相当するタンパク質バンドが検出
不能であるように精製される。当業者は、異なる糖鎖付加、異なる翻訳後プロセ
シング、およびそれらに匹敵するもののため、該ポリペプチドに相当する多数の
バンドがSDS−PAGEにより視覚化される可能性があることを認識するであ
ろう。最も好ましくは、本発明のポリペプチドは、SDS−PAGEによる解析
の際、単一のタンパク質バンドにより示されるように、実質的に均一に精製され
る。タンパク質バンドは銀染色、クーマシーブルー染色により、または(タンパ
ク質が放射能標識されている場合は)オートラジオグラフィーにより、視覚化し
てもよい。
【0149】 アッセイ 本発明の精製ポリペプチド(タンパク質、ポリペプチド、断片、変異体、オリ
ゴマー、および他の型を含む)を、慣用的な結合アッセイなど、いかなる適切な
アッセイにおいて、結合パートナーに結合する能力に関し試験してもよい。例と
して、ポリペプチドを検出可能試薬(例えば、放射性核種、発色団、比色もしく
は蛍光分光反応を触媒する酵素、およびそれらに匹敵するもの)で標識してもよ
い。標識ポリペプチドを、結合パートナーを発現している細胞と接触させる。細
胞をその後、洗浄し、非結合標識ポリペプチドを除去し、そして細胞に結合して
いる標識の存在を、標識の性質にしたがい選択される適切な技術により、決定し
てもよい。
【0150】 結合アッセイ法の1つの例は以下の通りである。当該技術分野に周知の方法を
用い、結合パートナーcDNAを含む組換え発現ベクターを構築する。結合パー
トナーは、N−末端細胞質ドメイン、膜貫通領域、およびC−末端細胞外ドメイ
ンを含む。10 cm2プレート中のCV1−EBNA−1細胞を該組換え発現
ベクターでトランスフェクションする。CV−1/EBNA−1細胞(ATCC
CRL 10478)は、CMV極初期エンハンサー/プロモーターからドラ
イブされるEBV核抗原1を恒常的に発現する。CV1−EBNA−1は、Mc
Mahanら, EMBO J., 10:2821(1991)に記載される
ように、アフリカミドリザル腎臓細胞株CV−1(ATCC CCL 70)由
来であった。
【0151】 トランスフェクション細胞を24時間培養し、そして各プレート中の細胞をそ
の後、24ウェルプレートに分ける。さらに48時間培養した後、トランスフェ
クション細胞(約4 x 104細胞/ウェル)をBM−NFDMで洗浄する。
BM−NFDMは50 mg/ml脱脂粉乳が添加されている結合培地(25
mg/mlウシ血清アルブミン、2 mg/mlアジ化ナトリウム、20 mM
Hepes pH 7.2を含むRPMI 1640)である。該細胞をその
後、多様な濃度の、例えば上述のように作成された可溶性ポリペプチド/Fc融
合タンパク質と、37℃で1時間インキュベーションする。細胞をその後、洗浄
し、そして結合培地中で、125I−マウス抗ヒトIgGの一定の飽和濃度で、穏
やかに攪拌しながら37℃で1時間インキュベーションする。徹底した洗浄の後
、トリプシン処理を介し細胞を遊離させる。
【0152】 上に使用されるマウス抗ヒトIgGは、ヒトIgGのFc領域に対して向けら
れ、そしてJackson Immunoresearch Laborato
ries, Inc.、ペンシルバニア州ウェストグローブから得ることが可能
である。抗体は標準的クロラミン−T法を用い、放射ヨウ素標識される。該抗体
は、細胞に結合しているいかなるポリペプチド/Fcタンパク質のFc部分にも
結合するであろう。すべてのアッセイにおいて、125I−抗体の非特異的結合を
Fc融合タンパク質/Fcの非存在下でアッセイすると共に、Fc融合タンパク
質および200倍のモル過剰の非標識マウス抗ヒトIgG抗体の存在下でもアッ
セイする。
【0153】 細胞結合125I−抗体は、Packard Autogammaカウンター上
で定量化する。親和性計算(Scatchard, Ann. N. Y. A
cad. Sci., 51:660(1949))はMicrovaxコンピ
ューター上で実行されるRS/1(BBN Software、マサチューセッ
ツ州ボストン)上で生み出される。
【0154】 別の種類の適切な結合アッセイは、競合結合アッセイである。例えば、変異体
の生物学的活性は、該変異体が、結合パートナーへの結合に関し、天然タンパク
質と競合する能力をアッセイすることにより、決定してもよい。
【0155】 競合結合アッセイは、慣用的方法論により、行ってもよい。競合結合アッセイ
に使用してもよい試薬には、放射能標識SVPH、および結合パートナー(内因
性または組換え)を細胞表面に発現している、損なわれていない細胞が含まれる
。例えば、放射能標識可溶性SVPH断片を用い、表面上に結合パートナーを発
現している細胞への結合に関し、可溶性SVPH変異体と競合させてもよい。損
なわれていない細胞の代わりに、(固相上の)プロテインAまたはプロテインG
のFc部分との相互作用を通じ固相に結合している可溶性結合パートナー/Fc
融合タンパク質で代用してもよい。プロテインAおよびプロテインGを含むクロ
マトグラフィーカラムには、Pharmacia Biotech, Inc.
、ニュージャージー州ピスカタウェイより入手可能なものが含まれる。
【0156】 別の種類の競合結合アッセイは、放射能標識可溶性結合パートナー、例えば可
溶性結合パートナー/Fc融合タンパク質、およびSVPHを発現する、損なわ
れていない細胞を利用する。定性的結果は、競合オートラジオグラフプレート結
合アッセイにより得てもよく、一方、定量的結果を生成するのにScatcha
rdプロット(Scatchard, Ann. N. Y. Acad. S
ci. 51:660(1949))を利用してもよい。
【0157】 SVPH核酸またはオリゴヌクレオチドの使用 上述のように、ポリペプチドを発現するのに用いられるほか、DNA、RNA
、mRNAを含む本発明の核酸およびそのオリゴヌクレオチドを以下に用いても
よい: プロテイナーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸を同定するためのプ
ローブとして; ヒト染色体第1番または第4番を同定するため; ヒト染色体第1番または第4番上の遺伝子をマッピングするため; ヒト染色体第1番または第4番と関連する、特定の疾患、症候群、または他の
状態に関連する遺伝子を同定するため; 一本鎖センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとして、SVPH−1、
SVPH−3、またはSVPH−4遺伝子にコードされるポリペプチドの発現を
阻害するため; 個体において不全遺伝子を検出するため;および 遺伝子治療のため。
【0158】 プローブ 本発明のヌクレオチドは、類似の活性または構造を有するタンパク質をコード
する核酸を同定するプローブとして用いてもよい。こうした使用には、断片の使
用が含まれる。こうした断片は、いかなる長さの隣接するヌクレオチドを含んで
もよい。1つの態様において、断片は、DNA配列の少なくとも約17の隣接す
るヌクレオチドを含む。他の態様において、DNA断片は、DNA配列の少なく
とも30、または少なくとも60の隣接するヌクレオチドを含む。
【0159】 他の哺乳動物種由来の配列番号1−3および7−11の相同体が本明細書に意
図されるため、配列番号1−3および7−11のヒトDNA配列に基づくプロー
ブを用い、慣用的な種間(cross−species)ハイブリダイゼーショ
ン技術を用い、他の哺乳動物種由来のcDNAライブラリーをスクリーニングし
てもよい。
【0160】 遺伝暗号の知識を、上に示されるアミノ酸配列と組み合わせて用い、縮重オリ
ゴヌクレオチドの組を調製してもよい。こうしたオリゴヌクレオチドは、例えば
DNA断片を単離しそして増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において、
プライマーとして有用である。
【0161】 染色体マッピング 配列番号1−3および7−11の核酸のすべてまたは一部は、オリゴヌクレオ
チドを含め、当業者により、周知の技術を用い、SVPHファミリーメンバーの
DNAを含む、ヒト染色体および特定のその遺伝子座を同定してもよい。例えば
、配列番号3、配列番号10、および配列番号11のすべてまたは一部を用い、
ヒト染色体第1番を同定してもよい。さらに、配列番号1、配列番号7、配列番
号8、および配列番号9のすべてまたは一部を用い、ヒト染色体第4番を同定し
てもよい。有用な技術には、限定されるわけではないが、放射線ハイブリッド(
radiation hybrid)マッピング(高解像度)、染色体伸展(s
pread)に対するin situハイブリダイゼーション(中程度の解像度
)、および個々のヒト染色体を含むハイブリッド細胞株に対するサザンブロット
ハイブリダイゼーション(低解像度)などの、多様な周知の技術におけるプロー
ブとして、オリゴヌクレオチドを含む、配列または部分を使用することを含む。
【0162】 例えば、染色体は放射線ハイブリッドマッピングを用いることによりマッピン
グしてもよい。まず、93の放射線ハイブリッドのWhitehead Ins
titute/MIT Center for Genome Researc
h Genebridge4パネルを用い、PCRを行う(http://ww
w−genome.wi.mit.edu/ftp/distribution
/human_STS_releases/july97/rhmap/gen
ebridge4.html)。目的の遺伝子の推定上のエクソン内にあり、そ
してヒトゲノムDNAから産物を増幅するが、ハムスターゲノムDNAを増幅し
ないプライマーを用いる。PCRの結果をデータベクトルに変換し、インターネ
ット上のWhitehead/MIT放射線マッピングサイト(http://
www−seq.wi.mit.edu)に提出する。該データはスコア化され
、そして放射線ハイブリッドマップ上の既知の配列タグ部位(STS)マーカー
に比べた染色体割り当ておよび配置が提供される。以下のウェブサイトは、放射
ハイブリッドマッピングに関し、さらなる情報を提供する: http://www−genome.wi.mit.edu/ftp/dis
tribution/human_STS_releases/july97/
07−97.INTRO.html。
【0163】 関連する疾患の同定 以下に示すように、SVPH−4aおよびSVPH−4bをコードする配列は
、放射線ハイブリッドマッピングにより、染色体第1番の1p11−13領域に
マッピングされている。この領域は、限定されるわけではないが、胎児ヒダント
イン症候群、ジフェニルヒダントイン中毒、および褐色細胞腫を含む特定の疾患
と関連する。したがって、当業者は、周知の技術を用い、SVPH−4遺伝子に
関連する異常を解析するのに、配列番号3、10および11の核酸またはその断
片を用いることが可能である。さらに、SVPH−1a、SVPH−1bおよび
SVPH−1cをコードする配列は、放射ハイブリッドマッピングにより、染色
体第4番の4q34領域にマッピングされている。したがって、当業者は、周知
の技術を用い、SVPH−1遺伝子に関連する異常を解析するのに、配列番号1
、7、8、および9の核酸またはその断片を用いることが可能である。同様に、
当業者は、SVPH−3遺伝子に関連する異常を解析するのに、配列番号2の核
酸またはその断片を用いることが可能である。これにより、本マーカーが再配置
されているまたは欠失されている異常を区別することが可能になる。さらに、配
列番号1−3および7−11の核酸またはその断片は、未知の位置の他の遺伝子
をマッピングする、位置マーカーとして用いてもよい。
【0164】 本発明の核酸に相当する遺伝子の不全または不十分な量により(直接または間
接的に)仲介されるいかなる障害に対する治療を開発するのに、該DNAを用い
てもよい。天然ヌクレオチド配列の本明細書の開示により、不全遺伝子の検出、
および正常遺伝子でのその置換が可能になる。不全遺伝子は、in vitro
診断アッセイにおいて、そして本明細書に開示される天然ヌクレオチド配列と、
本遺伝子に不全を宿すると疑われるヒト由来の遺伝子のものとを比較することに
より、検出してもよい。
【0165】 センス−アンチセンス 核酸の他の有用な断片には、標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセ
ンス)配列に結合することが可能な一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAいずれ
か)を含む、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。アンチ
センスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、本発明にしたがい、配列番号1−3
または7−11の断片を含む。こうした断片は、一般的に、少なくとも約14ヌ
クレオチド、好ましくは約14ないし約30ヌクレオチドを含む。既定のタンパ
ク質をコードするcDNA配列に基づき、アンチセンスまたはセンスオリゴヌク
レオチドを得る能力は、例えば、SteinおよびCohen, Cancer
Res., 48:2659(1988)およびvan der Krolら
, BioTechniques, 6:958(1988)に記載されている
【0166】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は、R
NアーゼHによるmRNA分解の亢進、スプライシングの阻害、転写または翻訳
の未成熟な終結、あるいは他の手段によるものを含む、いくつかの手段の1つに
より、タンパク質発現を遮断するまたは阻害する二重鎖の形成を生じる。このよ
うに、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用い、タンパク質の発現を遮断するこ
とが可能である。アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドはさらに、修飾
糖・ホスホジエステル骨格(または、WO 91/06629に記載されるもの
など、他の糖結合)を有するオリゴヌクレオチドを含み、そしてこのような糖結
合は内因性ヌクレアーゼに耐性である。耐性糖結合を持つこうしたオリゴヌクレ
オチドは、in vivoで安定である(すなわち酵素分解に抵抗することが可
能である)が、標的ヌクレオチド配列に結合することが可能な配列特異性を保持
する。
【0167】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例には、WO 90/1
0448に記載されるものなどの有機部分、およびポリ−(L−リジン)などの
標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増加させる他の部分に共有
結合しているオリゴヌクレオチドが含まれる。さらに、エリプチシンなどの挿入
剤、およびアルキル化剤または金属錯体をセンスまたはアンチセンスオリゴヌク
レオチドに結合させ、標的ヌクレオチド配列へのアンチセンスまたはセンスオリ
ゴヌクレオチドの結合特異性を修飾してもよい。
【0168】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、リポフェクション
、CaPO4仲介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む
、いかなる遺伝子トランスファー法により、あるいはエプスタイン・バーウイル
スなどの遺伝子トランスファーベクターを用いることにより、標的核酸配列を含
む細胞に導入してもよい。
【0169】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、WO 91/0475
3に記載されるように、リガンド結合分子との結合体の形成により、標的ヌクレ
オチド配列を含む細胞に導入してもよい。適切なリガンド結合分子には、限定さ
れるわけではないが、細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、または細
胞表面受容体に結合する他のリガンドが含まれる。好ましくは、リガンド結合分
子の結合体化は、実質的にリガンド結合分子がその対応する分子または受容体に
結合する能力に干渉せず、あるいはセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドまたはその結合体型が細胞内に入るのを遮断しない。
【0170】 あるいは、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO 90/1
0448に記載されるように、オリゴヌクレオチド・脂質複合体の形成により、
標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センスまたはアンチセンスオリゴヌ
クレオチド・脂質複合体は、好ましくは、内因性リパーゼにより、細胞内で分離
される。
【0171】 SVPHポリペプチドおよび断片化ポリペプチドの使用 使用には、限定されるわけではないが、以下が含まれる: タンパク質の精製およびその活性の測定 搬送剤 療法および研究用試薬 分子量および等電点電気泳動マーカー ペプチド断片化のコントロール 未知のタンパク質の同定 抗体の調製。
【0172】 精製試薬 本発明のポリペプチドは、各々、タンパク質精製試薬として使用を見出す。例
えば、該ポリペプチドは、結合パートナーを精製するのに用いてもよい。特定の
態様において、ポリペプチド(結合パートナーに結合することが可能な、本明細
書に記載されるいかなる型でもよい)を、慣用法により固体支持体に結合させる
。1つの例として、タンパク質のアミノ酸側鎖上の官能基と反応するであろう官
能基を含む、アフィニティークロマトグラフィーカラムが入手可能である(Ph
armacia Biotech, Inc.、ニュージャージー州ピスカタウ
ェイ)。あるいは、ポリペプチド/Fcタンパク質(上述のようなもの)を、F
c部分との相互作用を通じ、プロテインAまたはプロテインG含有クロマトグラ
フィーカラムに結合させる。
【0173】 該ポリペプチドはまた、細胞表面上に結合パートナーを発現する細胞を精製す
る、または同定するのに使用を見出す。ポリペプチドを、カラムクロマトグラフ
ィーマトリックスまたは同様の適切な支持体などの固相に結合させる。例えば、
磁気微小球体をポリペプチドで被覆し、そして磁気場を通じインキュベーション
容器に保持してもよい。結合パートナー発現細胞を含む細胞混合物の懸濁物を、
ポリペプチドをその上に有する固相と接触させる。細胞表面上に結合パートナー
を発現する細胞を固定ポリペプチドに結合させ、そしてその後、非結合細胞を洗
い流す。
【0174】 あるいは、ポリペプチドを検出可能な部分に結合させ、その後、結合パートナ
ー発現に関し試験しようとする細胞とインキュベーションしてもよい。インキュ
ベーション後、非結合標識成分を除去し、そして細胞上の検出可能部分の存在ま
たは非存在を測定する。
【0175】 さらに別の代替物において、結合パートナー発現細胞を含むと疑われる細胞混
合物をビオチン化ポリペプチドとインキュベーションする。インキュベーション
時間は、十分な結合を確実にするため、典型的には少なくとも連続1時間である
。生じた混合物をその後、アビジン被覆ビーズを装填したカラムに通過させ、こ
れによりビオチンのアビジンに対する高い親和性が、望ましい細胞のビーズへの
結合を提供する。アビジン被覆ビーズを用いる方法が知られる。Berenso
nら, J. Cell. Biochem., 10D:239(1986)
を参照されたい。非結合成分を除去するための洗浄、および結合細胞の遊離は、
慣用法を用い行う。
【0176】 活性測定 ポリペプチドはまた、その結合親和性に関し結合パートナーの生物学的活性を
測定するのにも使用を見出す。したがって、ポリペプチドは、例えば異なる条件
下でのタンパク質の貯蔵寿命および安定性をモニターするための、「品質保証」
研究を行うものにより、使用してもよい。例えば、ポリペプチドを結合親和性研
究に使用し、異なる温度で保存されている、または異なる細胞種で産生された結
合パートナータンパク質の生物学的活性を測定してもよい。該タンパク質はまた
、結合パートナータンパク質の修飾(例えば、化学的修飾、一部切除、突然変異
など)後、生物学的活性が保持されているかどうか決定するのにも用いてもよい
。修飾結合パートナータンパク質の結合親和性を、非修飾結合パートナータンパ
ク質のものと比較し、結合パートナータンパク質の生物学的活性に対する該修飾
のいかなる不利な影響も検出する。したがって、例えば、結合パートナータンパ
ク質の生物学的活性を、調査研究において用いる前に確認することが可能である
【0177】 搬送剤 該ポリペプチドはまた、in vitroまたはin vivo法において、
結合する剤を、結合パートナーを持つ細胞(または細胞表面上に結合パートナー
を発現することが見出されている他の細胞種)に搬送するためのキャリアーとし
ての使用も見出す。
【0178】 ポリペプチドに結合させてもよい検出可能な剤(診断用剤)および療法剤には
、限定されるわけではないが、毒素、他の細胞毒性剤、薬剤、放射性核種、発色
団、比色もしくは蛍光分光反応を触媒する酵素、およびそれらに匹敵するものが
、意図される適用にしたがって選択される特定の剤と共に含まれる。毒素の中に
は、リシン、アブリン、ジフテリア毒素、緑膿菌(Pseudomonas a
eruginosa)外毒素A、リボソーム不活性化タンパク質、トリコセセン
などのマイコトキシン、並びにそれらの誘導体および断片(例えば一本鎖)があ
る。診断使用に適した放射性核種には、限定されるわけではないが、123I、131 I、99mTc、111In、および76Brがある。療法使用に適した放射性核種の例
には、131I、211At、77Br、186Re、188Re、212Pb、212Bi、109
d、64Cu、および67Cuがある。
【0179】 こうした剤は、いかなる適切な慣用法により、ポリペプチドに結合させてもよ
い。ポリペプチドは、例えば、望ましい剤上の官能基と反応し、共有結合を形成
することが可能である、アミノ酸側鎖上の官能基を含む。あるいは、タンパク質
または剤を誘導体化し、望ましい反応性官能基を生成し、または結合させてもよ
い。誘導体化には、多様な分子をタンパク質に結合させるのに利用可能である、
二官能性カップリング試薬(Pierce Chemical Company
、イリノイ州ロックフォード)の1つの結合を伴ってもよい。タンパク質を放射
標識するためのいくつかの技術が知られる。放射性核種金属を、例えば適切な二
官能性キレート剤を用いることにより、ポリペプチドに結合させてもよい。
【0180】 ポリペプチドおよび適切な診断用剤または療法剤を含む(好ましくは共有結合
している)結合体をこのように調製する。特定の適用に適した量で、該結合体を
投与し、またはそうでなければ使用してもよい。
【0181】 療法剤 本発明のポリペプチドを、ポリペプチドの不全、または不十分な量により(直
接または間接的に)仲介されるいかなる障害に対する治療を開発するのに用いて
もよい。これらのポリペプチドを、こうした障害を患う哺乳動物に投与してもよ
い。
【0182】 ポリペプチドはまた、in vitroまたはin vivo法において、結
合パートナーの生物学的活性を阻害するのにも使用してもよい。例えば、精製ポ
リペプチドを用い、内因性細胞表面結合パートナーへの結合パートナーの結合を
阻害してもよい。こうして、内因性結合パートナーに対するSVPHの結合から
生じる生物学的影響を阻害する。
【0183】 さらに、SVPH結合パートナーを哺乳動物に投与し、結合パートナーが仲介
する障害を治療してもよい。こうした結合パートナー仲介障害には、結合パート
ナーにより(直接または間接的に)引き起こされるまたは悪化される異常が含ま
れる。
【0184】 本発明の組成物は、本明細書に記載されるいかなる型のポリペプチド、例えば
天然タンパク質、変異体、誘導体、オリゴマー、および生物学的に活性がある断
片を含んでもよい。特定の態様において、該組成物は、可溶性SVPHポリペプ
チド、またはSVPH結合パートナーポリペプチドを含む、可溶性ポリペプチド
またはオリゴマーを含む。
【0185】 本発明のポリペプチドの有効量を、生理学的に許容しうる希釈剤、キャリアー
、または賦形剤などの他の構成要素と組み合わせて含む組成物が、本明細書に提
供される。薬学的に有用な組成物を調製するのに用いられる既知の方法にしたが
い、ポリペプチドを処方してもよい。これらは、単一の活性成分として、または
既定の徴候に適した他の既知の活性成分と共に、薬学的に許容しうる希釈剤(例
えば、生理食塩水、Tris−HCl、酢酸、およびリン酸緩衝液)、保存剤(
例えば、チメロサル、ベンジルアルコール、パラベン類)、乳化剤、可溶化剤、
アジュバントおよび/またはキャリアーと混合して組み合わせてもよい。薬剤組
成物に適した処方には、Remington's Pharmaceutica
l Sciences, 第16版, 1980, Mack Publish
ing Company, ペンシルバニア州イーストンに記載されるものが含
まれる。
【0186】 さらに、こうした組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオン
と複合体化している、またはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキス
トランなどのポリマー化合物に取り込まれている、またはリポソーム、微小乳剤
、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴーストもしくはスフェロブラストに
取り込まれていてもよい。こうした組成物は、物理的状態、可溶性、安定性、i
n vivo放出速度、およびin vivoクリアランス速度に影響を与える
であろうし、そしてしたがって意図される適用にしたがい、選択される。
【0187】 本発明の組成物は、例えば局所、非経口、または吸入によるなど、いかなる適
切な方式で、投与してもよい。「非経口」という用語には、例えば皮下、静脈内
、または筋内経路による注射が含まれ、また例えば疾患または損傷の部位での局
所化投与も含まれる。移植物(implant)からの持続放出もまた、意図さ
れる。当業者は、適切な投薬量が、治療しようとする障害の性質、患者の体重、
年齢、および全身状態、並びに投与経路などの要因に応じ、多様であろうことを
認識するであろう。予備的用量は動物試験にしたがい決定してもよく、そしてヒ
ト投与のための投薬量の見積もりを、当該技術分野に認められる実施にしたがい
、行う。
【0188】 生理学的に許容しうる処方中の核酸を含む組成物もまた、意図される。DNA
は、例えば注射のため処方してもよい。
【0189】 研究用剤 本発明のポリペプチドの別の使用は、異なる細胞種上の結合パートナー/SV
PH相互作用を阻害することから生じる生物学的影響を研究するための研究ツー
ルとしての使用である。ポリペプチドはまた、結合パートナーまたはSVPHあ
るいはそれらの相互作用を検出するためのin vitroアッセイに使用して
もよい。
【0190】 分子量、等電点マーカー 本発明のポリペプチドは、化学的および酵素的手段により、より小さいペプチ
ドへの断片化に供してもよく、そしてこうして産生されたペプチド断片を、他の
タンパク質またはポリペプチドの解析に用いてもよい。例えば、こうしたペプチ
ド断片を、ペプチド分子量マーカー、ペプチド等電点マーカーとして、またはペ
プチド断片化の度合いの解析において、用いてもよい。したがって、本発明はま
た、これらのポリペプチドおよびペプチド断片と共に、未知のタンパク質の見か
けの分子量および等電点の決定を援助するキット、並びに未知のタンパク質の断
片化の度合いを評価するキットも含む。
【0191】 断片化の方法すべてが本発明に含まれるが、化学的断片化が好ましい態様であ
り、そして特異的な切断がメチオニン残基で起こるように、中性または酸性条件
下で切断する臭化シアンの使用が含まれる(E. Gross, Method
s in Enz., 11:238−255(1967))。これは、システ
イン残基を非反応種に変換するカルボキシメチル化段階などのさらなる段階を、
さらに含んでもよい。表1に、臭化シアンでの化学的切断後の配列番号12−1
6の断片化パターンを要約する。
【0192】 酵素的断片化が別の好ましい態様であり、そして該断片化には、アスパラギン
・エンドペプチダーゼ、アルギニン・エンドペプチダーゼ、アクロモバクター(
Achromobacter)・プロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌
V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼAsp−N、またはエンドプロテイナ
ーゼLys−Cなどのプロテアーゼの、特定のアミノ酸残基での切断を生じる慣
用的な条件下での使用が含まれる。アスパラギン・エンドペプチダーゼは、本発
明のポリペプチド内に存在するアスパラギン残基のカルボキシル側を特異的に切
断することが可能である。アルギニン・エンドペプチダーゼは、これらのペプチ
ド内に存在するアルギニン残基のカルボキシル側を特異的に切断することが可能
である。アクロモバクター・プロテアーゼIは、ポリペプチド内に存在するリジ
ン残基のカルボキシル側を特異的に切断することが可能である(Sakiyam
aおよびNakat、米国特許第5,248,599号; T. Masaki
ら, Biochim. Biophys. Acta, 660:44−50
(1981); T. Masakiら, Biochim. Biophys
. Acta, 660:51−55(1981))。トリプシンは、本発明の
ポリペプチド内に存在するアルギニンおよびリジン残基のカルボキシル側を特異
的に切断することが可能である。酵素的断片化はまた、多数のアミノ酸残基で切
断するプロテアーゼでも起こる可能性がある。例えば、黄色ブドウ球菌V8プロ
テアーゼは、ポリペプチド内に存在するアスパラギン酸およびグルタミン酸残基
のカルボキシル側を特異的に切断することが可能である(D. W. Clev
eland, J. Biol. Chem., 3:1102−1106(1
977))。エンドプロテイナーゼAsp−Nは、ポリペプチド内に存在するア
スパラギン残基のアミノ側を特異的に切断することが可能である。エンドプロテ
イナーゼLys−Cは、本発明のポリペプチド内に存在するリジン残基のカルボ
キシル側を特異的に切断することが可能である。他の酵素的および化学的処理を
、同様に用い、これらのポリペプチドを特定のペプチドの特有の組に断片化して
もよい。
【0193】 もちろん、本発明のペプチドおよびポリペプチドの断片はまた、当該技術分野
に周知の慣用的な組換え法および合成法により産生してもよい。組換え法に関し
、本発明に含まれるポリペプチドおよびペプチド断片は、これらが発現される宿
主細胞に応じ、多様な分子量を有する可能性がある。多様な細胞種における本発
明のポリペプチドおよびペプチド断片の糖鎖付加は、修飾の度合いに応じ、これ
らの片(piece)の分子量の変動を生じる可能性がある。これらの片の大き
さは、該ポリペプチドの細胞外部分由来のポリペプチド断片で最も雑多である可
能性がある。一貫したポリペプチドおよびペプチド断片は、完全に膜貫通および
細胞質領域由来のポリペプチドを用いる、N−グリカナーゼで前処理し、糖鎖付
加を除く、または細菌宿主でポリペプチドを発現させることにより、得ることが
可能である。
【0194】 これらのポリペプチドの分子量はまた、本発明のポリペプチドのアミノおよび
カルボキシル末端両方に、さらなるペプチド配列を融合させることにより、変化
させてもよい。本発明のポリペプチドのアミノおよびカルボキシル末端でのさら
なるペプチド配列の融合を用い、これらのポリペプチドの発現を亢進し、または
該タンパク質の精製を援助してもよい。さらに、本発明のポリペプチドのアミノ
およびカルボキシル末端でのさらなるペプチド配列の融合は、酵素的または化学
的処理により生成されるポリペプチドの断片化ペプチドを、通常すべてではない
がいくつか、改変するであろう。もちろん、分子生物学の日常的でそして既知の
技術を用い、本発明のポリペプチドに、突然変異を導入してもよい。例えば、特
定の酵素によるタンパク質分解切断の部位または特定の化学的に誘導される断片
化法による切断の部位を除去するように、突然変異を設計してもよい。該部位の
除去は、特定の酵素または化学的方法での断片化に際し、本発明のポリペプチド
のペプチドフィンガープリントを改変するであろう。
【0195】 本発明が断片化ペプチド分子量マーカーの使用に関する場合、これらのマーカ
ーは、好ましくは大きさが少なくとも10アミノ酸である。より好ましくは、こ
れらの断片化ペプチド分子量マーカーは、大きさが10および100アミノ酸の
間である。さらにより好ましいのは、大きさが10および50アミノ酸の間の断
片化ペプチド分子量マーカーであり、そして特に大きさが10および35アミノ
酸の間のものである。最も好ましいのは、大きさが10および20アミノ酸の間
の断片化ペプチド分子量マーカーである。
【0196】 各断片の特有のアミノ酸配列が分子量を特定するため、これらの断片はその後
、未知のタンパク質、ポリペプチドまたはその断片の分子量決定を援助するこう
した解析技術を用い、分子量マーカーとして利用することが可能である。本発明
の分子量マーカーは、同様の見かけの分子量を有するタンパク質の見かけの分子
量概算のための分子量マーカーとして特によく働き、そしてその結果、タンパク
質の見かけの分子量決定の正確さを増加させることが可能になる。
【0197】 分子量決定法の中に、沈降、ゲル電気泳動、クロマトグラフィー、および質量
分析がある。特に好ましい態様は、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(U.
K. Laemmli, Nature, 227:680−685(1970
))である。慣用的には、該方法は、ドデシル硫酸ナトリウムおよび6−20%
の間の濃度のアクリルアミドを含むゲルの2つの別個のレーンを用いる。マーカ
ーおよび試料を、同一の条件下で同時に分離する能力により、正確さを増加させ
ることが可能になる。もちろん、本発明のポリペプチドを用いた未知のタンパク
質の分子量決定には、多くの異なる技術を用いてもよく、そして本態様はいかな
る点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0198】 各非糖鎖付加ポリペプチドまたはその断片は、その特有のアミノ酸配列により
本質的に決定されるpIを有する(このpIは、当業者により、現在利用可能な
pI値を予測するよう設計されたいかなるコンピュータープログラムを用い概算
しても、いかなる周知のアミノ酸pKa表を用い計算しても、または実験により
測定してもよい)。したがって、これらのポリペプチドおよびその断片は、等電
点電気泳動などの技術を用い、未知のタンパク質、ポリペプチド、または断片化
ペプチドの等電点決定を援助する、特定のマーカーとして利用することが可能で
ある。これらのポリペプチドまたは断片化ペプチドマーカーは、本発明のポリペ
プチドまたは断片化ペプチドマーカーのものと近い見かけの等電点を有する未知
のタンパク質の見かけの等電点概算に、特によく働く。
【0199】 等電点電気泳動技術は、さらに、ゲル電気泳動などの他の技術と組み合わせ、
分子量および電荷に基づき、タンパク質を同時に分離してもよい。これらのポリ
ペプチドまたは断片化ペプチドマーカーおよび未知のタンパク質を、同一の条件
下で同時に分離する能力により、未知のタンパク質の見かけの等電点決定の正確
さを増加させることが可能になる。これは、方法の性質が、いかなるマーカーも
未知のタンパク質と同時に分離されることを指令する、二次元電気泳動(T.D
. BrockおよびM.T. Madigan, Biology of M
icroorganisms 76−77, Prentice Hall,
第6版(1991))などの技術に特有の目的である。さらに、こうした方法を
用い、これらのポリペプチドおよびその断片化ペプチドは、未知のタンパク質ま
たは断片化ペプチドの等電点および分子量両方の決定を援助することが可能であ
る。
【0200】 ポリペプチドおよび断片化ペプチドは、未知のタンパク質および分子量マーカ
ー間の区別を可能にする2つの異なる方法を用い、視覚化してもよい。1つの態
様において、本発明のポリペプチドおよび断片化ペプチド分子量マーカーは、こ
れらのマーカーに対して生成された抗体および慣用的なイムノブロッティング技
術を用い、視覚化してもよい。本検出は、未知のタンパク質の検出を生じない慣
用的な条件下で行われる。小さなペプチドは免疫原性エピトープを含まない可能
性があるため、本発明のすべてのポリペプチド断片に対する抗体を生成すること
は不可能である可能性があることが理解される。さらに、本アッセイにおいて、
すべての抗体が働くわけではないであろうことが理解される;しかしながら、本
発明のポリペプチドおよび断片に結合することが可能な抗体は、慣用的技術を用
い、容易に決定することが可能である。
【0201】 未知のタンパク質もまた、慣用的染色法を用い、視覚化する。本発明のポリペ
プチドまたは断片ペプチド分子量マーカーに対する未知のタンパク質のモル過剰
は、慣用的な染色法が、主に未知のタンパク質を検出する程度である。これらの
ポリペプチドまたは断片化ペプチド分子量マーカーレベルは、慣用的染色法によ
り、これらのマーカーがほとんどまたはまったく検出されない程度である。本発
明のポリペプチド分子量マーカーに対する未知のタンパク質の好ましいモル過剰
は、2および100,000倍の間である。より好ましくは、これらのポリペプ
チド分子量マーカーに対する未知のタンパク質の好ましいモル過剰は、10およ
び10,000倍の間であり、そして特に100および1,000倍の間である
【0202】 もちろん、これらのポリペプチド分子量マーカーおよびそのペプチド断片を用
いた未知のタンパク質、ポリペプチド、およびその断片化ペプチドの分子量およ
び等電点の決定および検出に、多くの技術を用いてもよく、そしてこれらの態様
はいかなる点でも本発明の範囲を限定しないことが理解される。
【0203】 別の態様において、例えば断片化反応の時間または温度を改変することによる
、本発明のポリペプチドの特定のペプチドへの進行性断片化の解析(D.W.
Clevelandら, J. Biol. Chem. 252:1102−
1106(1977))を、未知のタンパク質の切断の度合いのコントロールと
して用いてもよい。例えば、同量のポリペプチドおよび未知のタンパク質の、同
一の条件下での切断により、断片化の度合いの直接比較が可能になる。ポリペプ
チドの完全な断片化を生じる条件はまた、未知のタンパク質の完全な断片化をも
生じる可能性がある。
【0204】 分子量マーカーとしての本発明のポリペプチドおよび断片化ペプチドの特定の
使用に関しては、糖鎖付加の非存在下で、臭化シアンを用いた配列番号4−6お
よび12−16のポリペプチドの断片化は、以下の表1に示されるような分子量
を持つ、断片化ペプチド分子量マーカーの特有の組を生じる。
【0205】 表1.臭化シアン消化により生成されるペプチド断片の分子量
【0206】
【表1】
【0207】 メチオニン残基の分布が各ペプチドのアミノ酸数を決定し、そして各ペプチド
の特有のアミノ酸組成がその分子量を決定する。断片を用いる場合、該断片の分
子量の範囲にわたる分子量の決定において、正確さが増加する。
【0208】 さらに、本発明の精製ポリペプチド(配列番号4−6および12−16)は、
それぞれ、およそ4,199;13,938;55,209;86,983;8
9,459;92,781;88,923;および87,990ダルトンの計算
分子量を有する。したがって、損なわれていないタンパク質を用いる場合、これ
らのポリペプチド分子量マーカーの使用は、これらの分子量に近い見かけの分子
量を有するタンパク質の見かけの分子量の決定の正確さの増加を可能にする。
【0209】 最後に、本発明に含まれるキットに関しては、こうしたキットの構成要素は、
多様である可能性があるが、典型的には、ポリペプチドおよび断片化ペプチド分
子量マーカーを含む。また、こうしたキットは、断片化に必要な部位が除去され
ているポリペプチドを含んでもよい。さらに、キットは、化学的または酵素的切
断による、ポリペプチドおよび未知のタンパク質の特異的切断のための試薬を含
んでもよい。キットはさらに、本発明のポリペプチドまたはその断片に対して向
けられる抗体を含んでもよい。
【0210】 未知のタンパク質の同定 上述のように、ポリペプチドまたはペプチドフィンガープリントを、既知のタ
ンパク質のデータベースに入力しまたは該データベースと比較し、質量分析を用
いた未知のタンパク質の同定を援助してもよい(W.J. Henzelら,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:5011−
5015(1993);D. Fenyoら, Electrophoresi
s, 19:998−1005(1998))。これらの比較を容易にする多様
なコンピューターソフトウェアプログラム、例えばProtein Prosp
ector(インターネットサイト:prospector.uscf.edu
)、MultiIdent(インターネットサイト:www.expasy.c
h/sprot/multiident.html)、PeptideSear
ch(インターネットサイト:www.mann.embl−heiedelb
erg.de...deSearch/FR_PeptideSearch F
orm.html)、およびProFound(インターネットサイト:www
.chait−sgi.rockefeller.edu/cgi−bin/p
rot−id−frag.html)などが、インターネットを介し利用可能で
ある。これらのプログラムは、使用者が切断剤および指示された許容範囲の断片
化ペプチドの分子量を特定するのを可能にする。該プログラムは、未知のタンパ
ク質の同定の決定を援助するため、観察された分子量を配列データベース由来の
予測されるペプチド分子量と比較する。
【0211】 さらに、タンデム型質量分析計(MS/MS)を用い、ポリペプチドまたはペ
プチド消化物を配列決定し、そして生じた配列をデータベースに対し検索しても
よい(J.K. Engら, J. Am. Soc. Mass Spec.
, 5:976−989(1994); M. MannおよびM. Wilm
, Anal. Chem., 66:4390−4399(1994); J
.A. TaylorおよびR.S. Johnson, Rapid Com
m. Mass Spec., 11:1067−1075(1997))。本
方法に用いてもよい検索プログラムは、Lutefisk 97(インターネッ
トサイト:www.lsbc.com:70/Lutefisk97.html
)、並びに上述のProtein Prospector、Peptide S
earchおよびProFoundプログラムなど、インターネット上に存在す
る。
【0212】 したがって、遺伝子配列並びにその予測されるタンパク質配列およびペプチド
断片を配列データベースに添加することにより、質量分析を用いた未知のタンパ
ク質の同定を援助することが可能である。
【0213】 抗体 本発明のポリペプチドに免疫反応性である抗体が本明細書に提供される。こう
した抗体は、(非特異的結合と対照的に)抗体の抗原結合部位を介し、該ポリペ
プチドに特異的に結合する。したがって、上述のようなポリペプチド、断片、変
異体、融合タンパク質などを、それと免疫反応性である抗体を産生する際の「免
疫原」として使用してもよい。より具体的には、ポリペプチド、断片、変異体、
融合タンパク質などは、抗体形成を引き出す抗原決定基またはエピトープを含む
【0214】 これらの抗原決定基またはエピトープは、直鎖でもコンホメーション性(co
nformational)(断続的)でもどちらでもよい。直鎖エピトープは
、該ポリペプチドのアミノ酸の単一の部分から構成されるが、コンホメーション
性または断続的エピトープは、タンパク質フォールディングに際し、より接近し
た状態となるポリペプチド鎖の異なる領域由来のアミノ酸部分から構成される(
C.A. Janeway, Jr.およびP. Travers, Immu
no Biology 3:9, Garland Publishing I
nc., 第2版(1996))。フォールディングされたタンパク質は、複雑
な表面を有するため、利用可能なエピトープの数は非常に多い;しかしながら、
タンパク質のコンホメーションおよび立体障害のため、実際にエピトープに結合
する抗体の数は、利用可能なエピトープの数より少ない(C.A. Janew
ay, Jr.およびP. Travers, Immuno Biology
, 2:14, Garland Publishing Inc., 第2版
(1996))。エピトープは、当該技術分野に知られるいかなる手段により同
定してもよい。
【0215】 したがって、本発明の1つの側面は、本発明のポリペプチドの抗原性エピトー
プに関する。こうしたエピトープは、以下により詳細に記載されるように、抗体
、特にモノクローナル抗体を作成するのに有用である。さらに、本発明のポリペ
プチド由来のエピトープは、アッセイにおいて、そしてポリクローナル血清また
は培養ハイブリドーマ由来の上清などの材料から特異的に結合する抗体を精製す
る研究試薬として用いてもよい。こうしたエピトープまたはその変異体は、固相
合成、ポリペプチドの化学的または酵素的切断などの、当該技術分野に周知の技
術を用い、あるいは組換えDNA技術を用い、産生してもよい。
【0216】 本発明のポリペプチドのエピトープにより引き出される可能性がある抗体に関
しては、エピトープが単離されていてもまたはポリペプチドの一部のままであっ
ても、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体はどちらも、慣用的技術により
調製することが可能である。例えば、Monoclonal Antibodi
es, Hybridomas: A New Dimension in B
iological Analyses. Kennetら(監修), Ple
num Press, ニューヨーク(1980);およびAntibodie
s: A Laboratory Manual, HarlowおよびLan
d(監修), Cold Spring Harbor Laboratory
Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1988)を参
照されたい。
【0217】 本発明のポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ細胞株もまた、本明細書に意図される。こうしたハイブリドーマは、慣用的技
術により産生しそして同定してもよい。こうしたハイブリドーマ細胞株を産生す
るための1つの方法は、動物をポリペプチドで免疫感作し;免疫感作された動物
から脾臓細胞を採取し;前記脾臓細胞を骨髄腫細胞株に融合させ、それによりハ
イブリドーマ細胞を生成し;そして該ポリペプチドに結合するモノクローナル抗
体を産生するハイブリドーマ細胞株を同定することを含む。モノクローナル抗体
は、慣用的技術により回収してもよい。
【0218】 本発明のモノクローナル抗体には、キメラ抗体、例えば、ネズミモノクローナ
ル抗体のヒト化(humanized)型が含まれる。こうしたヒト化抗体を既
知の技術により調製し、そして抗体がヒトに投与されるとき、免疫原性の減少と
いう利点を提供してもよい。1つの態様において、ヒト化モノクローナル抗体は
、ネズミ抗体の可変部(またはその抗原結合部位のみ)およびヒト抗体由来の定
常部を含む。あるいは、ヒト化抗体断片は、ネズミモノクローナル抗体の抗原結
合部位およびヒト抗体由来の可変部断片(抗原結合部位を欠く)を含んでもよい
。キメラおよび工学技術で作成されるさらなるモノクローナル抗体の産生法には
、Riechmannら,Nature, 332:323(1988); L
iuら,PNAS, 84:3439(1987); Larrickら, B
io/Technology, 7:934(1989);およびWinter
およびHarris, TIPS, 14:139(May 1993)に記載
されるものが含まれる。導入遺伝子的に抗体を生成する方法は、GB 2,27
2,440、米国特許第5,569,825号および5,545,806号、並
びにそれらから優先権を請求する関連特許に見出すことが可能であり、該特許は
すべて本明細書に援用される。
【0219】 慣用的技術により産生されてもよい、抗体の抗原結合断片もまた、本発明に含
まれる。こうした断片の例には、限定されるわけではないが、FabおよびF(
ab’)2断片が含まれる。遺伝子工学技術により産生される抗体断片および誘
導体もまた提供される。
【0220】 1つの態様において、抗体は本発明のポリペプチドに特異的であり、そして他
のタンパク質と交差反応しない。こうした抗体を同定することが可能なスクリー
ニング法が周知であり、そして例えば、免疫アフィニティークロマトグラフィー
を伴ってもよい。
【0221】 抗体の使用 本発明の抗体を、in vitroまたはin vivoで、本発明のポリペ
プチドまたは断片の存在を検出するアッセイにおいて用いてもよい。抗体はまた
、免疫アフィニティークロマトグラフィーにより本発明のポリペプチドまたは断
片を精製するのに使用してもよい。
【0222】 さらに結合パートナーへの本発明のポリペプチドの結合を遮断することが可能
な抗体を用い、こうした結合から生じる生物学的活性を阻害してもよい。こうし
た遮断抗体は、結合パートナーを発現している特定の細胞へのSVPHの結合を
阻害する能力に関し、抗体を試験することによるなど、いかなる適切なアッセイ
法を用い、同定してもよい。あるいは、遮断抗体は、SVPHの標的細胞への結
合から生じる生物学的影響を阻害する能力に関するアッセイにおいて同定しても
よい。抗体は、例えば、SVPH仲介細胞溶解を阻害する能力に関しアッセイし
てもよい。
【0223】 こうした抗体を、in vitro法で使用し、またはin vivoで投与
し、抗体を生成した実体により仲介される生物学的活性を阻害してもよい。この
ように、SVPHと細胞表面結合パートナーとの相互作用により、(直接または
間接的に)引き起こされるまたは悪化される障害を治療してもよい。療法は、S
VPH結合パートナー仲介生物学的活性を阻害するのに有効な量の遮断抗体を、
哺乳動物にin vivo投与することを伴う。一般的に、こうした療法の使用
には、モノクローナル抗体が好ましい。1つの態様において、抗原結合抗体断片
が使用される。
【0224】 抗体は、アゴニスト性(すなわちリガンド模倣性)特性に関しスクリーニング
してもよい。こうした抗体は、細胞表面結合パートナーへの結合に際し、SVP
Hが細胞表面結合パートナーに結合する際に誘導される生物学的影響と同様の生
物学的影響(例えば生物学的シグナルの伝達)を誘導する。
【0225】 SVPHまたはSVPH結合パートナーに対して向けられる抗体、および生理
学的に許容しうる希釈剤、賦形剤、またはキャリアーを含む組成物が、本明細書
に提供される。こうした組成物の適切な構成要素は、SVPHまたはSVPH結
合パートナータンパク質を含む組成物に関し、上述された通りである。
【0226】 やはり本明細書に提供されるのは、抗体に結合している検出可能(例えば診断
用剤)または療法剤を含む結合体である。 以下の実施例は、本発明の特定の態様をさらに例示するため提供され、そして
本発明の範囲を限定すると解釈してはならない。
【0227】
【実施例】
実施例1:SVPH核酸の単離 GenBank DNA配列データベースの検索により、ADAM20および
ADAM21と相同性を共有する2つのESTが明らかになった。X85598
は、ADAM20のCysリッチ領域と類似性を示し、一方、AI214466
は、ADAM21の同領域に類似性を示した。どちらのESTも精巣mRNAに
由来した。
【0228】 X85598およびAI214466を用い、プライマーを設計し、ヒト精巣
ライブラリーをスクリーニングした。SVPH−1クローンは、32P標識デオキ
シオリゴヌクレオチド
【0229】
【化19】
【0230】 を用い、42℃でヒト精巣ライブラリー(Clontechカタログ番号HL3
024a)(Cerrettiら, Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 83:3223−3227(1986))をスクリーニング
し、そして2 x SSC/0.1% SDS中、42℃で洗浄することにより
、単離した。SVPH−4クローンは、同一条件下で、32P標識デオキシオリゴ
ヌクレオチド
【0231】
【化20】
【0232】 を用い、単離した。陽性ハイブリダイズファージからDNAを精製し、そして制
限エンドヌクレアーゼマッピング、サザンブロット解析、およびDNA配列決定
により、性質決定した。
【0233】 実施例2:SVPHのDNA配列解析 SVPH−1cは、シグナル配列、Cysスイッチを含むプロ・ドメイン、亜
鉛結合モチーフおよびMet・ターンを含む触媒ドメイン、ディスインテグリン
ドメイン、システイン・リッチドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメイ
ンを含む、ADAMドメインのすべてをコードする820アミノ酸のオープンリ
ーディングフレーム(GenBank寄託番号AF171929)を有する。し
かし、SVPH−1c(と共にSVPH−1aおよびSVPH−1b)は、亜鉛
結合モチーフ中のGlu残基の代わりにHis残基(His 333)を有し、
これは触媒活性に影響を与える可能性がある。Glu残基は、水素結合を介して
水分子と結合し、そして酵素活性に必要である(Stocker, W.ら,
Protein Sci., 4:823−840(1995))。SVPH−
1aおよびSVPH−1bは、SVPH−1cの代替型に相当し、細胞質ドメイ
ンが異なる。SVPH−1aは、54アミノ酸の欠失を有し、766アミノ酸の
タンパク質を生じ(GenBank寄託番号AF171930)、一方、SVP
H−1bは、異なる38アミノ酸C−末端を有し、787アミノ酸のタンパク質
を生じる(GenBank寄託番号AF171931)。これらの3つの型のS
VPH−1は、それぞれ、121、67、および88アミノ酸の細胞質ドメイン
をコードする。SVPH−1cの細胞質ドメインの独特の特徴は、配列SQSQ
PPLMP(配列番号32)であり、これは9回反復される。GenBankの
検索では、データベース中に本反復配列は見出されなかった。
【0234】 SVPH−4aは、ADAMに見られるすべてのドメインを持つ、790アミ
ノ酸のオープンリーディングフレーム(GenBank寄託番号AF17193
2)を有する。SVPH−1クローンと異なり、SVPH−4aおよびSVPH
−4bは、各々、触媒ドメイン中にコンセンサス亜鉛結合モチーフを有する。お
そらく選択的RNAスプライシング事象から生じる1つのcDNAでは、細胞質
ドメイン中の9つのアミノ酸が欠失しており、そして該cDNAはSVPH−4
bと名づけられている(GenBank寄託番号AF171933)。興味深い
ことに、SVPH−4aおよびSVPH−4bは、細胞質ドメイン中に、Gen
Bankに見られない、反復配列、QEESK(T/A)KTG(配列番号33
)を含む。
【0235】 上述のように、SVPH−1a、SVPH−1b、およびSVPH−1cは、
触媒ドメイン中のコンセンサス亜鉛結合クラスター(HEXXXXXXHD )(配列番号31)と異なり、333位でGluがHisに変化している。これ
らのタンパク質をさらに解析するため、Wisconsin Package(
Wisconsin Package 10.1、Genetics Comp
uter Group、ウィスコンシン州マディソン)のPILEUPプログラ
ムを用い、すべての既知の哺乳動物ADAMのDNAおよびタンパク質配列多数
並列(http://www.med.virginia.edu/〜jag6
n/adams.html)を作成した。タンパク質多数並列は、Wiscon
sin Packageに提供される、GribskovおよびBurgess
の修飾PAMスコアリング・マトリックス(Gribskov, M.ら, N
ucleic Acids Res., 14:6745−6763(1986
))を、ギャップ・オープンおよびギャップ伸長ペナルティ、それぞれ30およ
び1で用い、作成した。核酸多数並列は、それぞれ、A、C、G、Tマッチを一
致とスコアし、ミスマッチをゼロとスコアし、そしてギャップ・オープンおよび
ギャップ伸長ペナルティを5および1にする、スコアリング・マトリックスを用
い、作成した。無根最大節減樹(unrooted maximum pars
imony trees)は、PILEUPにより作成した多数並列から出発し
、Wisconsin Package装備のPAUP(バージョン4.0)に
より、概算した。PAUPパラメーターは、無根等加重特性で、加速トランスフ
ォーメーション特性状態最適化を用いるよう、設定した。
【0236】 本並列を用い、最大節減系統樹を推論した(図2)。多数の種(taxa)が
関与するため、系統樹は、発見的(heuristic)樹検索を用い、推論し
、すべての可能性がある樹トポロジーの徹底的な検索は行わなかった。系統樹を
調べると、亜鉛結合モチーフの存在に関する興味深いパターンが明らかになった
。ADAM配列は、図2の矢印により示されるように、系統樹の2つのよく分離
した領域に分けることが可能である。コンセンサス亜鉛結合部位(HEXX
XXHD)(配列番号31)を含むADAMファミリーメンバーは、1つの
大きい群を形成する(太線)。コンセンサス亜鉛結合モチーフを持たない近縁の
メンバー(ADAM4、6、7、11、22、23、およびSVPH−1)は、
おそらく、これらの多くが亜鉛結合モチーフの残りをコードしているため、触媒
的に活性である祖先から生じたのであろう。例えば、ADAM4、ADAM7、
およびSVPH−1は、すべて、3つのHis残基および第三の保存されている
Hisの後のAspを持つ。最後に、ADAM2、3、5、18および27の対
応する領域は、まったく異なる。これらの配列は、亜鉛結合部位含有ADAMと
はまったく異なるクラスターを形成するため、亜鉛結合部位はADAMの共通の
祖先で一度生じ、そして亜鉛結合部位を持たない系列(図2中の「X」で示す)
で失われた可能性が最も高い。
【0237】 実施例3:SVPHの染色体マッピング 放射線ハイブリッドマッピング(Walterら, Nat. Genet.
, 7:22−28(1994))は、GeneBridge 4放射線ハイブ
リッドマッピングパネル(Research Genetics、アラバマ州ハ
ンツビル)を用いて行った。パネルは、それぞれ298および263 bpの産
物を生成する、SVPH−1(センス:5’−TCGATAATGCATGAA
GGCAACCCACC−3’(配列番号24)およびアンチセンス:5’−C
AAGTCTCACTTGCAGTATTTGCGCC−3’(配列番号25)
)、およびSVPH−4(センス:5’−GCCACTGCATGTATGGG
TG−3’(配列番号26)およびアンチセンス:5’−GACACTCTTT
GCTTTGGGTCG−3’(配列番号27))の特異的プライマー対を用い
てスクリーニングした。PCR産物は、各遺伝子に特異的な内部オリゴヌクレオ
チドプローブを用いたサザンブロット解析に供した。各プライマー対に関する2
回の別個のPCRスクリーニング由来のデータを、統計プログラムRHMAPP
ERを用い、Whitehead Institute/MIT Center
for Genome Researchデータベース由来のSTSマーカー
に対し、スコア化した。LODスコアは、すべての場合で>3.0であった。
【0238】 SVPH−1a、SVPH−1b、およびSVPH−1cは、AFM312W
G1に対し1.51 cR遠位の、染色体4q34にマッピングされた。Whi
tehead枠組みマップ上で、SVPH−1に対する既知のマーカーの連続的
な順番は、D4S1545、PDGH(ヒドロキシプロスタグランジン・デヒド
ロゲナーゼ15)/SVPH−1/WI−21773/GPM6A(糖タンパク
質M6A)であった。本領域は、マウス染色体第8番にシンテニー性である。S
VPH−4aおよびSVPH−4bは、DIS453に対し1.65 cR遠位
の、染色体1p11−13にマッピングされた。Whitehead枠組みマッ
プ上で、SVPH−4に対するマーカーの連続的な順番は、CD2(胸腺細胞表
面抗原)/SVPH−4/3bHSD2(3 b ヒドロキシ5−エン ステロ
イドデヒドロゲナーゼII型)であった。本領域は、マウス染色体第3番にシン
テニー性である。
【0239】 実施例4:SVPHの組織分布 ノーザンブロット解析を用い、SVPH−1およびSVPH−4の組織分布を
決定した。ノーザンブロットは、Clontechから購入した(カタログ番号
7760−1、7759−1、7755−1、7750−1)。各レーンは、お
よそ2μgの示されるポリA+ RNAを含んだ。ブロットを、スターク緩衝液
(50% ホルムアミド、50mM K3PO4、5 x SSC、1% SDS
、5 X Denhardt’s、0.05% ザルコシル、300 mg/m
l サケ精子DNA)で少なくとも1時間、63℃で処理し、そしてその後、ス
ターク緩衝液中の32P標識リボプローブで63℃で一晩、探査した(probe
d)(Cosmanら, Nature, 312:768−771(1984
))。その後、ブロットを連続して高ストリンジェンシー(0.1 x SSC
、0.1% SDS、63℃)に洗浄し、そしてフィルムに曝露した。フィルム
は、自動化x線フィルムプロセッサーで現像した。標識ヌクレオチドとして[α
32P]−UTPを用い、商業的に入手可能なキット(MAXIscript、
Ambion, Inc.、テキサス州オースティン)を用いて、T7 RNA
プロモーターからのin vitro転写により、SVPH−1(配列番号7−
9のnt 1068ないし1786)およびSVPH−4(配列番号10−11
のnt 1343ないし1779)アンチセンスリボプローブを調製した。
【0240】 図1に示されるように、SVPH−1およびSVPH−4は共に、およそ3.
0 kbの単一のmRNA種で、精巣に特異的に発現していた。他のRNA試料
では、いかなるシグナルも検出されなかった。
【0241】 実施例5:モノクローナル抗体 本実施例は、SVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1
c、SVPH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4bポリペプチドに結合す
るモノクローナル抗体を調製するための方法を例示する。こうした抗体を生成す
るのに使用してもよい適切な免疫原には、限定されるわけではないが、精製SV
PH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SVPH−4、
SVPH−4aまたはSVPH−4bポリペプチドまたはその免疫原性断片、例
えば細胞外ドメイン、またはSVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、
SVPH−1c、SVPH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4bを含む融
合タンパク質(例えば可溶性SVPH−1/Fc融合タンパク質)が含まれる。
【0242】 精製SVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SV
PH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4bを用い、慣用的な技術、例えば
、米国特許第4,411,993号に記載される技術を用い、それらに免疫反応
性であるモノクローナル抗体を生成してもよい。簡潔には、完全フロイントアジ
ュバント中に乳化し、そして10−100μgの範囲の量を皮下または腹腔内注
射したSVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SV
PH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4b免疫原で、マウスを免疫する。
10ないし12日後、不完全フロイントアジュバント中に乳化した、さらなる免
疫原で、免疫動物に追加免疫する。その後、毎週ないし隔週の免疫スケジュール
で、マウスに定期的に追加免疫する。後眼窩出血または尾先端切除により、血清
試料を定期的に採取し、ドットブロットアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸
着アッセイ)または結合パートナー結合の阻害により、SVPH−1、SVPH
−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SVPH−4、SVPH−4aまた
はSVPH−4b抗体に関し試験する。
【0243】 適切な抗体力価の検出後、陽性動物に最後に一度、生理食塩水中のSVPH−
1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SVPH−4、SVP
H−4aまたはSVPH−4bを静脈内注射する。3から4日後、動物を屠殺し
、脾臓細胞を採取し、そして脾臓細胞をネズミ骨髄腫細胞株、例えばNS1また
は好ましくはp3x63Ag8.653(ATCC CRL 1580)に融合
させる。融合によりハイブリドーマ細胞が生成され、これを非融合細胞、骨髄腫
ハイブリッド、および脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害するため、HAT(ヒ
ポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン)選択培地中、多重マイクロタ
イタープレート中に蒔く。
【0244】 ハイブリドーマ細胞をEngvallら, Immunochem. 8:8
71(1971)および米国特許第4,703,004号に開示される技術を適
合させることにより、精製SVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、S
VPH−1c、SVPH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4bに対する反
応性に関し、ELISAによりスクリーニングする。好ましいスクリーニング技
術はBeckmannら, J. Immunol. 144:4212(19
90)に記載される抗体捕捉技術である。陽性ハイブリドーマ細胞を、同系BA
LB/cマウスに腹腔内注射し、高濃度の抗SVPH−1、SVPH−1a、S
VPH−1b、SVPH−1c、SVPH−4、SVPH−4aまたはSVPH
−4bモノクローナル抗体を含む腹水を産生してもよい。あるいは、ハイブリド
ーマ細胞を、多様な技術によりフラスコまたは回転ビン(roller bot
tle)中でin vitroで増殖させてもよい。マウス腹水中に産生された
モノクローナル抗体を、硫酸アンモニウム沈澱に続くゲル排除クロマトグラフィ
ーにより精製してもよい。あるいは、抗体がプロテインAまたはプロテインGに
結合することに基づくアフィニティークロマトグラフィーもまた用いてもよく、
SVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SVPH−
4、SVPH−4aまたはSVPH−4bに結合することに基づくアフィニティ
ークロマトグラフィーも用いてもよい。
【0245】 実施例6:結合アッセイ 全長SVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SV
PH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4bを発現させ、そしてその結合パ
ートナーに結合する能力に関し、試験してもよい。結合アッセイは、以下のよう
に行う。
【0246】 本アッセイでは、可溶性結合パートナーポリペプチドのN−末端に融合してい
るロイシンジッパーペプチドを含む融合タンパク質(LZ−結合パートナー)を
使用する。FLAG(登録商標)ペプチドをコードするDNAを、三量体化を可
能にする修飾ロイシンジッパーをコードする配列と置き換える以外は、本質的に
、本明細書に援用されるWileyら, Immunity, 3:673−6
82(1995)において、FLAG(登録商標)−結合パートナー発現構築物
を調製するために記載されるように、発現構築物を調製する。発現ベクターpD
C409中の該構築物は、ヒト・サイトメガロウイルス由来のリーダー配列に続
き、可溶性結合パートナーポリペプチドのN−末端に融合しているロイシンジッ
パー部分をコードする。LZ−結合パートナーをCHO細胞中で発現させ、そし
て培養上清から精製する。
【0247】 pDC409と称される発現ベクターは、本明細書に援用される、McMah
anら, EMBO J. 10:2821−2832(1991)に記載され
るpDC406ベクター由来の哺乳動物発現ベクターである。(pDC406と
比較し)pDC409に付加された特徴には、マルチクローニングサイト(mc
s)中のさらなる特有の制限部位;mcsの下流に位置する3つの停止コドン(
各読み枠に1つ);およびmcsに挿入されたDNAの配列決定を容易にする、
mcsの下流のT7ポリメラーゼプロモーターが含まれる。
【0248】 全長ヒトSVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、
SVPH−4、SVPH−4aまたはSVPH−4bタンパク質の発現のため、
全コード領域(すなわち配列番号1、配列番号3、配列番号7、配列番号8、配
列番号9、配列番号10、または配列番号11に示されるDNA配列)を、ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅する。単離されそして増幅されたDNA
を発現ベクターpDC409に挿入する。
【0249】 LZ−結合パートナーポリペプチドを使用し、上に論じられるように、組換え
SVPH−1、SVPH−1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SVPH−
4、SVPH−4aまたはSVPH−4bポリペプチドを発現している宿主細胞
に結合する能力を試験する。細胞を、10%ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレ
プトマイシン、およびグルタミンを補ったDMEM中で培養する。トランスフェ
クション48時間後、細胞を非酵素的に分離させ、そしてLZ−結合パートナー
(5 mg/ml)、ビオチン化抗LZモノクローナル抗体(5 mg/ml)
およびフィコエリトリン結合ストレプトアビジン(1:400)とインキュベー
ションした後、蛍光活性化細胞分取(FACS)により解析する。細胞数測定解
析は、FACscan(Beckton Dickinson、カリフォルニア
州サンホゼ)上で行う。
【0250】 LZ−結合パートナーを発現している細胞は、LZ−結合パートナーを発現し
ていないコントロール細胞と比較し、有意に亢進したSVPH−1、SVPH−
1a、SVPH−1b、SVPH−1c、SVPH−4、SVPH−4aまたは
SVPH−4b結合を示すであろう。
【0251】 本明細書は、本明細書に援用される、本明細書中に引用される参考文献の解説
を考慮に入れると、最も完全に理解される。本明細書中の態様は、本発明の態様
の例示を提供し、そして本発明の範囲を限定するとみなしてはならない。当業者
は、多くの他の態様が本発明に含まれることを容易に認識する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、SVPH−1およびSVPH−4の組織特異性を示す、
ノーザンブロットハイブリダイゼーションを示す。
【図2】 図2は、メタロプロテイナーゼ・ディスインテグリンの系統発生
樹を示す。太線で示された分岐は、コンセンサス亜鉛結合モチーフ(HEXX XXXXHD)(配列番号31)を持つADAMファミリーメンバーを示す。
矢印は、亜鉛結合モチーフ含有共通祖先と思われるものを示す。亜鉛結合部位が
続いて失われている系譜は、「X」で示す。種略語:Mm、マウス(Mus m
usculus);Rn、ラット(Rattus norvegicus);H
s、ヒト(Homo sapiens);Mf、カニクイザル(Macaca
fascicularis);Oc、アナウサギ(Oryctolagus c
uniculus);Cc、モルモット(Cavia cobaya)、Cp、
モルモット(Cavia porcellus);So、ワタボウシタマリン(
Saguinus oedipus);Pp、オランウータン(Pongo p
ygmaeus);Bt、ウシ(Bos taurus)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C12N 1/15 4C085 16/18 1/19 4C086 C12N 1/15 1/21 4H045 1/19 C12P 21/02 C 1/21 21/08 5/10 C12N 9/50 C12P 21/02 15/00 ZNAA 21/08 5/00 A // C12N 9/50 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/155,798 (32)優先日 平成11年9月27日(1999.9.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 HA11 4B050 CC01 CC03 DD07 LL01 LL03 4B064 AG01 AG27 CA01 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA01 AA06 AA07 AA13 BA01 BA02 BA22 CA53 NA14 4C085 AA14 DD62 4C086 AA01 EA16 MA01 MA04 NA14 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 CA40 DA00 DA76 DA89 EA20 EA50 FA72 FA74 HA05

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号1、配列番号7、配列番号8、および配列
    番号9からなる群より選択されるDNA配列; (b)配列番号4、配列番号12、配列番号13、および配列番号14からなる
    群より選択される配列を含むアミノ酸配列をコードする単離核酸分子; (c)60℃、0.5XSSC、0.1% SDSの洗浄条件を伴う、50%ホ
    ルムアミドおよび6XSSC、42℃の、中程度にストリンジェントな(str
    ingent)条件下で、(a)または(b)の核酸配列を含む、変性二本鎖D
    NAのどちらかの鎖にハイブリダイズする単離核酸分子; (d)配列番号1、配列番号7、配列番号8、および配列番号9からin vi
    tro突然変異誘発により得られる単離核酸分子; (e)配列番号1、配列番号7、配列番号8、および配列番号9から遺伝暗号の
    結果、縮重している単離核酸分子;および (f)ヒトSVPH 1 DNA;ヒトSVPH 1 DNAの対立遺伝子変異
    体;およびSVPH 1 DNAの種相同体(homolog)からなる群より
    選択される単離核酸分子 からなる群より選択される、単離SVPH核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号1、配列番号7、配列番号8、および配列番号9
    からなる群より選択される、請求項1の核酸分子。
  3. 【請求項3】 請求項1の核酸分子の発現を指示する組換えベクター。
  4. 【請求項4】 請求項1の核酸分子にコードされる単離ポリペプチド。
  5. 【請求項5】 SDS−PAGEにより決定されるように、およそ4,1
    99;86,983;89,459;および92,781ダルトンからなる群よ
    り選択される分子量を有する、請求項4記載の単離ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 非糖鎖付加型の請求項4記載の単離ポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項4のポリペプチドに結合する単離抗体。
  8. 【請求項8】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項7記載の単離抗
    体。
  9. 【請求項9】 請求項3のベクターでトランスフェクションされているま
    たは形質導入されている、宿主細胞。
  10. 【請求項10】 SVPH 1ポリペプチドを産生するための方法であっ
    て、請求項9の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養し、そして培地から該
    ポリペプチドを回収することを含む、前記方法。
  11. 【請求項11】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動
    物細胞からなる群より選択される、請求項10の方法。
  12. 【請求項12】 宿主細胞が、哺乳動物細胞である、請求項10の方法。
  13. 【請求項13】 配列番号4、配列番号12、配列番号13、および配列
    番号14からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項4のポリペプチドを含む、オリゴマー。
  15. 【請求項15】 (a)配列番号3、配列番号10、および配列番号11
    からなる群より選択されるDNA配列; (b)配列番号6、配列番号15、および配列番号16からなる群より選択され
    る配列を含むアミノ酸配列をコードする単離核酸分子; (c)60℃、0.5XSSC、0.1% SDSの洗浄条件を伴う、50%ホ
    ルムアミドおよび6XSSC、42℃の、中程度にストリンジェントな条件下で
    、(a)または(b)の核酸配列を含む、変性二本鎖DNAのどちらかの鎖にハ
    イブリダイズする単離核酸分子; (d)配列番号3、配列番号10、および配列番号11からin vitro突
    然変異誘発により得られる単離核酸分子; (e)配列番号3、配列番号10、および配列番号11から遺伝暗号の結果、縮
    重している単離核酸分子;および (f)ヒトSVPH 4 DNA;ヒトSVPH 4 DNAの対立遺伝子変異
    体;およびSVPH 4 DNAの種相同体からなる群より選択される単離核酸
    分子 からなる群より選択される、単離SVPH核酸分子。
  16. 【請求項16】 配列番号3、配列番号10、および配列番号11からな
    る群より選択される、請求項15の核酸分子。
  17. 【請求項17】 請求項15の核酸分子の発現を指示する組換えベクター
  18. 【請求項18】 請求項15の核酸分子にコードされる単離ポリペプチド
  19. 【請求項19】 SDS−PAGEにより決定されるように、およそ55
    ,209;88,923;および87,990ダルトンからなる群より選択され
    る分子量を有する、請求項18記載の単離ポリペプチド。
  20. 【請求項20】 非糖鎖付加型の請求項18記載の単離ポリペプチド。
  21. 【請求項21】 請求項18のポリペプチドに結合する単離抗体。
  22. 【請求項22】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項21記載の単
    離抗体。
  23. 【請求項23】 請求項17のベクターでトランスフェクションされてい
    るまたは形質導入されている、宿主細胞。
  24. 【請求項24】 SVPH 4ポリペプチドを産生するための方法であっ
    て、請求項23の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養し、そして培地から
    該ポリペプチドを回収することを含む、前記方法。
  25. 【請求項25】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動
    物細胞からなる群より選択される、請求項24の方法。
  26. 【請求項26】 宿主細胞が、哺乳動物細胞である、請求項24の方法。
  27. 【請求項27】 配列番号6、配列番号15、および配列番号16からな
    る群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離ポリペプチド。
  28. 【請求項28】 請求項18のポリペプチドを含む、オリゴマー。
  29. 【請求項29】 (a)配列番号2のDNA配列; (b)配列番号5の配列を含むアミノ酸配列をコードする単離核酸分子; (c)60℃、0.5XSSC、0.1% SDSの洗浄条件を伴う、50%ホ
    ルムアミドおよび6XSSC、42℃の、中程度にストリンジェントな条件下で
    、(a)または(b)の核酸配列を含む、変性二本鎖DNAのどちらかの鎖にハ
    イブリダイズする単離核酸分子; (d)配列番号2からin vitro突然変異誘発により得られる単離核酸分
    子; (e)配列番号2から遺伝暗号の結果、縮重している単離核酸分子;および (f)ヒトSVPH 3 DNA;ヒトSVPH 3 DNAの対立遺伝子変異
    体;およびSVPH 3 DNAの種相同体からなる群より選択される単離核酸
    分子 からなる群より選択される、単離SVPH核酸分子。
  30. 【請求項30】 DNA配列が配列番号2を含む、請求項29の核酸分子
  31. 【請求項31】 請求項29の核酸分子の発現を指示する組換えベクター
  32. 【請求項32】 請求項29の核酸分子にコードされる単離ポリペプチド
  33. 【請求項33】 SDS−PAGEにより決定されるように、およそ13
    ,938ダルトンの分子量を有する、請求項32記載の単離ポリペプチド。
  34. 【請求項34】 非糖鎖付加型の請求項32記載の単離ポリペプチド。
  35. 【請求項35】 請求項32のポリペプチドに結合する単離抗体。
  36. 【請求項36】 抗体がモノクローナル抗体である、請求項35記載の単
    離抗体。
  37. 【請求項37】 請求項31のベクターでトランスフェクションされてい
    るまたは形質導入されている、宿主細胞。
  38. 【請求項38】 SVPH 3ポリペプチドを産生するための方法であっ
    て、請求項37の宿主細胞を、発現を促進する条件下で培養し、そして培地から
    該ポリペプチドを回収することを含む、前記方法。
  39. 【請求項39】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、および動
    物細胞からなる群より選択される、請求項38の方法。
  40. 【請求項40】 宿主細胞が、哺乳動物細胞である、請求項38の方法。
  41. 【請求項41】 配列番号5のアミノ酸配列を含む、単離ポリペプチド。
  42. 【請求項42】 請求項32のポリペプチドを含む、オリゴマー。
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