JP2002500012A - V197dna及びポリペプチド - Google Patents

V197dna及びポリペプチド

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JP2002500012A JP2000526640A JP2000526640A JP2002500012A JP 2002500012 A JP2002500012 A JP 2002500012A JP 2000526640 A JP2000526640 A JP 2000526640A JP 2000526640 A JP2000526640 A JP 2000526640A JP 2002500012 A JP2002500012 A JP 2002500012A
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Abstract

(57)【要約】 V197ポリペプチドをコードするDNA及びコードされたポリペプチドを使用する方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本出願は、1997年12月24日出願の米国特許仮出願No.60/068,725の利益を主張 するものであり、前記出願は引用により本明細書の一部とする。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、精製され単離されたV197ポリペプチド、そのようなポリペプチドを
コードする核酸、そのようなポリペプチドの組換え体の製造方法、そのようなポ
リペプチドに対して産生される抗体、それらのポリペプチドに由来する断片化ペ
プチド、そのようなポリペプチド及び断片化ペプチドの分子量マーカーとしての
使用、そのようなポリペプチド及び断片化ペプチドのペプチド断片化のコントロ
ールとしての使用、及びそのような試薬を含むキットに関するものである。
【0003】 (発明の背景) タンパク質の発見及び特定は、現代分子生物学及び生化学の最先端にある。サ
ンプルのタンパク質の一次構造、又は配列の特定は、困難な実験方法の頂点にあ
る。未知のサンプルタンパク質を特定するために、当業者に公知の様々な技術を
用いて、未知のサンプルタンパク質と既知のペプチドとの比較を利用することが
できる。タンパク質は例えば、電気泳動法、遠心沈降法、クロマトグラフィー、
及び質量分析法のような技術を用いて日常的に分析される。
【0004】 未知のタンパク質サンプルと、分子量が既知のポリペプチドとの比較により、
未知のタンパク質サンプルの見かけの分子量を決定することができる (T.D. Bro
ck及びM.T. Madigan, Biology of Microorganisms 76-77 (Prentice Hall, 6d e
d. 1991))。タンパク質の分子量標準は、未知のタンパク質サンプルの分子量を 推定する際の助けとして市販されているものを利用することができる(New Engla
nd Biolabs Inc. Catalog:130-131, 1995; J.L. Hartley, 米国特許第5,449,758
号)。しかし、分子量標準は、見かけの分子量の正確な推定を可能とするために 十分に未知のサンプルタンパク質に近いサイズではないことがある。
【0005】 化学的又は酵素による手段によって断片化されやすいタンパク質の場合、分子
量の推定の困難さが更に増す(A.L. Lehninger, Biochemistry 106-108 (Worth B
ooks, 2d ed: 1981))。化学的断片化は、タンパク質を、例えば臭化シアンのよ うな、メチオニン残基のカルボキシル側のペプチド結合を切断する化学物質と共
にインキュベートすることによって達成することができる(E. Gross. Methods i
n Enz. 11:238-255, 1967)。タンパク質の酵素を用いた断片化は、複数のアミノ
酸残基を切断するプロテアーゼと共にタンパク質をインキュベートすることによ
り達成される(D.W. Cleavelandら、J. Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977)。タ ンパク質の酵素を用いた断片化は、タンパク質を、例えばアクロモバクタープロ
テアーゼI(F. Sakiyama及びA. Nakata, 米国特許第5,248,599号; T. Masakiら,
Biochem. Biophys. Acta 660:44-50, 1981; T. Masakiら, Biochem. Biophys. A
cta 660:51-55, 1981)のような、リジン残基のカルボキシル側のペプチド結合を
切断するプロテアーゼと共にインキュベートすることによっても達成することが
できる。断片化ペプチドの分子量は広い範囲にわたり、かつペプチドは非常に多
数存在し得る。断片化の程度を変えることもまた可能である(D. W. Cleaveland ら, J. Biol. Chem. 252:1102-1106, 1977)。
【0006】 あるタンパク質の組成の、その特定のアミノ酸成分に関するユニークな性質に
より、そのタンパク質内にユニークの切断部位の位置が得られる。化学的又は酵
素での切断によるタンパク質の特異的な断片化の結果、ユニークな「ペプチドフ
ィンガープリント」が生ずる(D. W. Cleavelandら, J. Biol. Chem. 252:1102-1
106, 1977; M. Brownら, J. Gen. Virol. 50:309-316, 1980)。その結果、特定 部位での切断によって、所定のタンパク質が正確な分子量のペプチドに再現可能
な形で断片化されることになる。さらに、これらのペプチドはそのペプチドの等
電点pHを決定するユニークな荷電特性を有する。これらのユニークな特性は、様
々な電気泳動技術及び他の技術を用いて利用することができる(T.D. Brock及びM
.T. Madigan, Biology of Microorganisms 76-77 (Prentice Hall, 6d ed. 1991
))。
【0007】 未知のタンパク質のペプチドフィンガープリントが得られる場合、これを既知
のタンパク質のデータベースと比較して、その未知のタンパク質を特定するため
の助けとすることができる(W.J. Henzelら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:50
11-5015, 1993; B. Thiedeら, Electrophoresis 1996, 17:588-599, 1996)。そ のような比較を容易に行うために、当業者はインターネットを介して様々なコン
ピュータソフトウェアプログラム、例えばMultIdent(インターネットサイト: ww
w.expasy.ch/sprot/multiident.html)、PeptideSearch(インターネットサイト:
www.mann.embl-heidelberg.de…deSearch /FR_PeptideSearchForm. html)、及び
ProFound(インターネットサイト: www.chait-sgi.rockefeller.edu/cgi-bin/pro
t-id-frag.html)にアクセスすることができる。これらのプログラムによって、 ユーザは断片化ペプチドの切断剤を特定し、かつ指定された許容誤差の範囲内で
の分子量を特定することが可能となる。前記プログラムは、これらの分子量とタ
ンパク質データベースとを比較して、サンプルタンパク質の特徴を解明する助け
とする。断片化ペプチドの数及びこれらのペプチドの正確な分子量に関する正確
な情報が正しい同定のために必要である。従って、断片化ペプチドの数及びそれ
らのペプチドの正確な分子量の決定の際の精度を高めることにより、未知のタン
パク質の同定が成功する可能性が高くなる。
【0008】 タンパク質の断片化はさらに、アミノ酸組成分析及びタンパク質配列決定のた
めの断片の製造のため(P. Matsudiara, J. Biol. Chem. 262:10035-10038, 1987
; C. Eckerskornら, Electrophoresis 1988, 9:830-838, 1988)、特に「ブロッ クされた」N末端を有するタンパク質からの断片の製造のためにも利用される。 加えて、タンパク質の断片化は、質量分析(W.J. Henzelら, Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 90:5011-5015, 1993; B. Thiedeら, Electrophoresis 1996, 17:588-5
99, 1996)、免疫化、アフィニティ選択(R. A. Brown, 米国特許第5,151,412号) 、修飾部位(例えばリン酸化)の決定、生理活性物質の生成(T.D. Brock及びM.T.
Madigan, Biology of Microorganisms 300-301 (Prentice Hall, 6d ed. 1991))
、及び相同タンパク質の区別(M. Brownら, J. Gen. Virol. 50:309-316, 1980) のためのペプチドの調製においても用いることができる。
【0009】 タンパク質の研究についての関心が依然として継続していること、及びタンパ
ク質の構造及び特性の解明の観点から、ペプチド断片化の研究及び分子量測定に
おいて利用するのに適したポリペプチドに対する必要性が当分野に存在する。
【0010】 (発明の概要) 本発明は、当分野におけるこの必要性を満たす助けとなるものである。本発明
は、配列番号1のDNA配列を含む核酸分子及び配列番号2のアミノ酸配列をコード する単離された核酸分子を包含する。また本発明は、これらの配列に相補的な核
酸分子を包含する。そのようなものとして、本発明は、配列番号1のDNA配列を含
む二本鎖核酸分子、及び配列番号2のアミノ酸配列をコードする単離された核酸 分子を包含する。一本鎖及び二本鎖のRNA及びDNA V197核酸分子の両方が本発明 に包含される。これらの分子を用いて、本発明に包含されるV197の一本鎖及び二
本鎖RNA及びDNA変異体の両方を検出することができる。二本鎖DNAプローブによ って、その核酸分子のいずれかの鎖に等価な核酸分子の検出が可能となる。配列
番号1のDNA配列を含む変性した二本鎖DNA、又は配列番号2のアミノ酸配列をコー
ドする単離された核酸分子と、60℃で0.5XSSC、0.1%SDSの洗浄条件で、42℃で50
%ホルムアミド及び6XSSC中の中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイ
ズする単離された核酸分子が本発明に包含される。
【0011】 さらに本発明は、in vitro突然変異誘発によって配列番号1から誘導された単 離された核酸分子を包含する。in vitro突然変異誘発には、以下に限定するもの
ではないが、部位指向突然変異誘発、ランダム突然変異導入、in vitro核酸合成
等の当分野で公知の様々な技術がある。また本発明は、配列番号1から遺伝暗号 の縮重の結果として生じた単離された核酸分子、ヒトV197 DNAの対立遺伝子変異
体であるか、またはV197 DNAの種ホモログである単離された核酸分子を包含する
。また本発明は、これらの核酸分子の発現を誘導する組換えベクター、及びそれ
らのベクターで形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞を包含する。
【0012】 また本発明は、これらの核酸分子によってコードされる単離されたポリペプチ
ド、例えばSDS-PAGEで決定される分子量が約17kDである単離されたポリペプチド
、及びグリコシル化されていない形の単離されたポリペプチドを包含する。これ
らのポリペプチドに結合する単離されたポリクローナル抗体又はモノクローナル
抗体が本発明に包含される。さらに本発明は、発現を促進する条件の下で宿主細
胞を培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV197ポリペプチドの製
造方法を包含する。特に、細菌、酵母、植物及び動物の細胞におけるV197ポリペ
プチドの発現が本発明に包含される。
【0013】 加えて、V197ポリペプチド対向構造分子に関連する活性を有する可能性のある
インヒビターをスクリーニングするためのV197ポリペプチドを利用するアッセイ
、及びV197ポリペプチド対向構造分子によって媒介される疾病を処置するための
治療薬としてV197ポリペプチドを用いる方法が本発明に包含される。さらに、V1
97ポリペプチドをそれらのインヒビターを設計する際に用いる方法も本発明の1 つの形態である。
【0014】 さらに本発明は、化学的又は酵素による処理によってV197ポリペプチドから製
造された断片化ペプチドを包含する。加えて、化学的又は酵素的手段による断片
化のために必要な部位の少なくとも1個を変異させたV197ポリペプチド分子量マ ーカー及びそれらの断片化ペプチドの形態は本発明の1つの形態である。
【0015】 また本発明は、電気泳動を用いたV197分子量マーカー及びその断片化ペプチド
の可視化方法を包含する。さらに本発明は、タンパク質又は断片化タンパク質サ
ンプルの分子量の推定を可能にする分子量マーカーとしてV197ポリペプチド分子
量マーカー及びそれらの断片化ペプチドを使用する方法を包含する。さらに本発
明は、V197ポリペプチド及びそれらの断片化ペプチドをマーカーとして使用する
方法を包含し、これはサンプルタンパク質の等電点を決定するのに有用である。
また本発明は、V197ポリペプチド及びそれらの断片化ペプチドを、タンパク質サ
ンプルの断片化の程度を決定するためのコントロールとして使用する方法を包含
する。
【0016】 さらに本発明に包含されるものとして、V197ポリペプチド分子量マーカー及び
それらの断片化ペプチド、及び化学的又は酵素的手段による断片化のために必要
な部位の少なくとも1個を変異させたV197ポリペプチド分子量マーカーの形態を 用いたサンプルタンパク質の分子量の決定に有用なキットがある。
【0017】 (発明の詳細な説明) ヒトV197ポリペプチドをコードするcDNAが単離され、配列番号1に示す。
【0018】 V197 DNAのヌクレオチド配列は、 (配列番号1)である。
【0019】 V197ポリペプチドのアミノ酸配列は、 (配列番号2)である。
【0020】 ヒトV197ポリペプチド(配列番号2)をコードするcDNAの発見は、V197ポリペ
プチドをコードする核酸配列を含む発現ベクター、前記発現ベクターをトランス
フェクトした、又はそれで形質転換した宿主細胞、単離され精製されたタンパク
質としての生物学的に活性なV197ポリペプチド及びV197分子量マーカー、及びV1
97ポリペプチドと免疫反応性の抗体の作製を可能とするものである。
【0021】 V197 DNAに類似のヌクレオチド配列は、最初はTIGR-HGIデータベースにおいて
見出された。しかし、V197 DNAのヌクレオチド配列は、ESTクローンの配列決定 によって生成したもので、TIGR-HGIヌクレオチド配列と同一ではない。V197は、
Genbankデータベースにおける他のいずれの配列とも強い関連性はないことが判 明し、従ってユニークなDNA及びタンパク質配列である。
【0022】 V197ポリペプチドは、短い細胞質内の尾部を備えたI型単一膜貫通タンパク質 であり、おそらく成長因子である。V197ポリペプチドは、44個のアミノ酸からな
るリーダー配列(配列番号2のアミノ酸1-44)、1つの潜在的なN結合グリコシル化 部位を含む73個のアミノ酸からなる細胞外ドメイン(配列番号2のアミノ酸45-117
)、21個のアミノ酸からなる膜貫通ドメイン(配列番号2のアミノ酸118-138)、及 び15個のアミノ酸からなる細胞質内ドメイン(配列番号2のアミノ酸139-153)を有
する。
【0023】 V197 RNAは約3.0kbのmRNAとして発現され、ノーザンブロットにより様々な組 織において検出された。V197 mRNAは、心臓、脳(極めて弱い)、胎盤、肺、肝 臓(強い)、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結
腸、末梢血リンパ球、胃、甲状腺(強い)、脊髄、リンパ節、気管、骨髄、副腎
(弱い)において発現している。
【0024】 本発明のある態様においては、組換えV197ポリペプチドの発現は、V197ポリペ
プチドの精製の助けとなる別のポリペプチドをコードする配列とV197ポリペプチ
ドをコードする配列との融合を利用して達成できる。そのような融合の例として
は、V197ポリペプチドをコードする配列と、New England Biolabs, Inc.のpMAL-
c2ベクターのmalE遺伝子の産物をコードする配列との融合がある。そのような融
合によって、融合タンパク質をアフィニティ精製し、かつ精製の後にV197ポリペ
プチドから融合タンパク質のマルトース結合タンパク質部分を分離することが可
能となる。当然ながら、V197ポリペプチドの発現及び精製のために多くの異なる
ベクターや技術を用いることができ、この態様が本発明の範囲を限定するもので
はないことは理解されよう。
【0025】 V197ポリペプチドをコードするDNAのpMAL-c2ベクターへの挿入は、公知の分子
生物学上の技術を用いて様々な方法で達成できる。好ましい挿入物の構築は、V1
97ポリペプチドのカルボキシ末端コドンに隣接する終止コドンを使用する。さら
に、好ましい挿入物の構築により、V197ポリペプチドのアミノ末端を、pMAL-c2 ベクター中のXa因子切断部位のカルボキシ末端に直接融合したものが得られる。
DNA断片は、鋳型DNAとしてV197 DNAを用い、2種のオリゴヌクレオチドプライマ ーを使用するPCRによって生成することができる。オリゴヌクレオチドプライマ ーを用いて、慣用の手段により単離することができるDNAの平滑末端化した断片 を生成する。このPCR産物は、慣用の手段を用いて、(制限エンドヌクレアーゼXm
n Iで消化した)pMAL-p2に連結することができる。陽性のクローンは慣用の手段 で特定することができる。融合タンパク質の発現の誘導及び精製は、製品の使用
説明書に従って行うことができる。この構築物により、製品の使用説明書に従っ
て簡単なプロテアーゼ処理を用いて融合したマルトース結合タンパク質からV197
ポリペプチドを正確に分離することが容易に行える。このようにして、精製され
たV197ポリペプチドを得ることができる。さらに、そのように構築されたベクタ
ーを公知の分子生物学上の技術を用いて容易に改変し、別の融合タンパク質を生
成することができる。
【0026】 本発明の別の好ましい態様は、ゲル電気泳動法によりサンプルタンパク質の見
かけの分子量を推定するための、V197ポリペプチドの分子量マーカーとしての使
用である。本発明の単離され精製されたV197ポリペプチド分子量マーカーはグリ
コシル化されていない状態で約16,986ダルトンの分子量を有する。ドデシル硫酸
ナトリウムと6-20%の範囲の濃度のアクリルアミドとを含むゲルの2本の独立した
レーンにおいて、慣用の手段(U. K. Laemmli, Nature 227: 680-685, 1970)によ
り変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行うことにより、サンプルタンパク質
とともにV197ポリペプチドを分離することができる。ゲル上のタンパク質は慣用
の染色方法を用いて可視化することができる。V197ポリペプチド分子量マーカー
を、サンプルタンパク質の見かけの分子量の推定において分子量マーカーとして
用いることができる。V197のユニークなアミノ酸配列(配列番号2)は、約16,986 ダルトンの分子量を有する。従って、V197ポリペプチド分子量マーカーは、16,9
86ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパク質の見かけの分子量
の推定用の分子量マーカーとして特に役立つ。このポリペプチド分子量マーカー
を用いることにより、16,986ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタ
ンパク質の見かけの分子量の決定の精度を高めることができる。当然ながら、V1
97ポリペプチドを用いてサンプルタンパク質の分子量の決定を行うために多くの
異なる技術を用いることができ、この態様が本発明の範囲を限定するものではな
いことは理解されよう。
【0027】 本発明の別の好ましい態様は、V197ポリペプチドの化学的断片化により生成さ
れたV197断片化ペプチド分子量マーカーの、ゲル電気泳動法によりサンプルタン
パク質の見かけの分子量を推定するための分子量マーカーとしての使用である。
単離され精製されたV197ポリペプチドを、V197ポリペプチド内のメチオニン残基
のカルボキシル側での特異的な加水分解によってV197ポリペプチド分子量マーカ
ーの断片化が生ずる慣用の条件下で臭化シアンで処理することができる(E. Gros
s, Methods in Enz. 11: 238-255, 1967)。V197ポリペプチドのユニークなアミ ノ酸配列のために、臭化シアンによるV197分子量マーカーの断片化によりユニー
クなV197断片化ペプチド分子量マーカーのセットが生成される。メチオニン残基
の分布により各ペプチドにおけるアミノ酸の数が決まり、各ペプチドのユニーク
なアミノ酸組成によりその分子量が決まる。
【0028】 V197ポリペプチドを臭化シアンで処理することにより生成されたユニークなV1
97断片化ペプチド分子量マーカーのセットは、少なくとも10個のアミノ酸からな
るサイズを有する3種の断片化ペプチドを含む。配列番号2のアミノ酸2-92によっ
てコードされたペプチドは、約9,881ダルトンの分子量を有する。配列番号2のア
ミノ酸93-123によってコードされたペプチドは、約3,423ダルトンの分子量を有 する。配列番号2のアミノ酸126-153によってコードされたペプチドは、約3,307 ダルトンの分子量を有する。
【0029】 従って、臭化シアンによる化学的処理でV197ポリペプチドを切断することによ
ってV197断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセットが生成される。これ
らのV197断片化ペプチドのユニークで既知のアミノ酸配列により、これらの断片
化ペプチド分子量マーカーの分子量を決定することができる。この特定の場合で
は、V197断片化ペプチド分子量マーカーが、約9,881ダルトン、約3,423ダルトン
、及び約3,307ダルトンの分子量を有する。
【0030】 ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%の範囲の濃度のアクリルアミドとを含むゲル
の2本の独立したレーンにおける、慣用の手段による変性ポリアクリルアミドゲ ル電気泳動により、サンプルタンパク質とともにV197断片化ペプチド分子量マー
カーを分離することができる。ゲル上のタンパク質は、慣用の染色方法を用いて
可視化することができる。サンプルタンパク質の見かけの分子量の推定において
、分子量マーカーとしてV197断片化ペプチド分子量マーカーを用いることができ
る。V197のユニークなアミノ酸配列は、V197断片化ペプチド分子量マーカーの約
9,881ダルトン、3,423ダルトン、及び3,307ダルトンの分子量を特定する。従っ て、V197断片化ペプチド分子量マーカーは、9,881ダルトン、3,423ダルトン、あ
るいは3,307ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパク質の見か けの分子量の推定用の分子量マーカーとして特に役立つ。従って、これらの断片
化ペプチド分子量マーカーを用いることにより、9,881ダルトン、3,423ダルトン
、あるいは3,307ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパク質の 見かけの分子量の決定の精度を高めることができる。
【0031】 さらに別の態様においては、サンプルタンパク質とV197ポリペプチドを同時に
かつ別々に、サンプルタンパク質及びV197ポリペプチド内のメチオニン残基のカ
ルボキシル側での特異的な加水分解によってサンプルタンパク質及びV197ポリペ
プチド分子量マーカーの断片化が生ずる慣用の条件の下で臭化シアンで処理する
ことができる。上述のように、V197ポリペプチドを臭化シアンで切断することに
より生成されるV197断片化ペプチド分子量マーカーは、約9,881ダルトン、3,423
ダルトン、及び3,307ダルトンの分子量を有する。
【0032】 ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%の範囲の濃度のアクリルアミドとを含むゲル
の2本の独立したレーンにおける、慣用の手段による変性ポリアクリルアミドゲ ル電気泳動により、V197ポリペプチド及びサンプルタンパク質の両方に由来する
断片化ペプチドを分離することができる。ゲル上の断片化ペプチドは、慣用の染
色方法を用いて可視化することができる。サンプルタンパク質由来の断片化タン
パク質の見かけの分子量の推定において、分子量マーカーとしてV197断片化ペプ
チド分子量マーカーを用いることができる。上述のように、V197断片化ペプチド
分子量マーカーは、9,881ダルトン、3,423ダルトン、あるいは3,307ダルトンに 近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量の推定用の分子量
マーカーとして特に役立つ。従って、これらのV197断片化ペプチド分子量マーカ
ーを用いることにより、9,881ダルトン、3,423ダルトン、あるいは3,307ダルト ンに近い見かけの分子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量の決定の精度
を高めることができる。さらに、V197ポリペプチドの断片化の程度は、サンプル
タンパク質の完全な断片化のために予測される条件を決定するためのコントロー
ルとして用いる。当然ながら、V197ポリペプチドを断片化するために多くの化学
物質を用いることができ、この態様が本発明の範囲を限定するものではないこと
は理解されよう。
【0033】 別の態様においては、V197断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセット
を、特定のアミノ酸残基においてポリペプチドを切断する酵素を用いることによ
ってV197ポリペプチドから生成することができる。V197ポリペプチドのアミノ酸
配列のユニークな性質のため、異なるアミノ酸残基での切断によって、断片化ペ
プチド分子量マーカーの異なるセットが生成されることになる。
【0034】 単離され精製されたV197ポリペプチドを、V197ポリペプチド内のリジン残基の
カルボキシル側での特異的な加水分解によってV197ポリペプチドの断片化が生ず
る慣用の条件の下でアクロモバクタープロテアーゼIで処理することができる(T.
Masakiら, Biochim. Biophys. Acta 660:44-50, 1981; T. Masakiら, Biochim.
Biophys. Acta 660:51-55, 1981)。V197ポリペプチドのユニークなアミノ酸配 列のために、アクロモバクタープロテアーゼIによるV197分子量マーカーの断片 化によりV197分子量マーカーのユニークなセットが生成される。リジン残基の分
布により各ペプチドにおけるアミノ酸の数が決まり、各ペプチドのユニークなア
ミノ酸組成によりその分子量が決まる。
【0035】 V197ポリペプチドをアクロモバクタープロテアーゼIで処理することにより生 成されたユニークなV197断片化ペプチド分子量マーカーのセットは、少なくとも
10個のアミノ酸からなるサイズを有する3種の断片化ペプチドを含む。V197ポリ ペプチドの臭化シアン処理による3種の断片化ペプチドの生成と同様、このよう なV197ポリペプチドの酵素処理により3種の断片化ペプチドが生成するが、断片
化ペプチドのサイズは、断片化ペプチド分子量マーカーのサイズがV197ポリペプ
チドを断片化するために用いられる断片化処理によって変化することを明らかに
示している。これらの断片のサイズ及び数の両方は、V197ポリペプチドのアミノ
酸配列によって決定される。したがって、断片化ペプチドの数もまた、V197ポリ
ペプチドを断片化するために用いられる断片化処理によって変化するだろう。
【0036】 配列番号2のアミノ酸15-86によってコードされたペプチドは、約7,549ダルト ンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸87-110によってコードされたペプチ ドは、約2,619ダルトンの分子量を有する。配列番号2のアミノ酸111-146によっ てコードされたペプチドは、約4,395ダルトンの分子量を有する。
【0037】 従って、アクロモバクタープロテアーゼIによる酵素処理でV197ポリペプチド を切断することによって、V197断片化ペプチド分子量マーカーのユニークなセッ
トが生成される。これらの断片化ペプチドのユニークで既知のアミノ酸配列によ
り、これらのV197断片化ペプチド分子量マーカーの分子量を決定することができ
る。この特定の場合では、これらのV197断片化ペプチド分子量マーカーは、約7,
549ダルトン、約2,619ダルトン及び約4,395ダルトンの分子量を有する。
【0038】 前述の場合と同様に、ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%の範囲の濃度のアクリ
ルアミドとを含むゲルの2本の独立したレーンにおける、慣用の手段による変性 ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、サンプルタンパク質とともにV197断片
化ペプチド分子量マーカーを分離することができる。ゲル上のタンパク質は、慣
用の染色方法を用いて可視化することができる。サンプルタンパク質の見かけの
分子量の推定において、分子量マーカーとしてV197断片化ペプチド分子量マーカ
ーを用いることができる。上記のV197断片化ペプチド分子量マーカーは、7,549 ダルトン、2,619ダルトンあるいは4,395ダルトンに近い見かけの分子量を有する
タンパク質の見かけの分子量の推定用の分子量マーカーとして特に役立つ。これ
らの断片化ペプチド分子量マーカーを用いることにより、7,549ダルトン、2,619
ダルトンあるいは4,395ダルトンに近い見かけの分子量を有するサンプルタンパ ク質の見かけの分子量の決定の精度を高めることができる。
【0039】 さらに別の態様においては、サンプルタンパク質とV197ポリペプチドを、同時
にかつ別々にサンプルタンパク質及びV197ポリペプチド内のリジン残基のカルボ
キシル側での特異的な加水分解によってサンプルタンパク質及びV197ポリペプチ
ドの断片化が生ずる慣用の条件の下でアクロモバクタープロテアーゼIで処理す ることができる。ドデシル硫酸ナトリウムと10-20%の範囲の濃度のアクリルアミ
ドとを含むゲルの2本の独立したレーンにおける、慣用の手段による変性ポリア クリルアミドゲル電気泳動により、サンプルタンパク質に由来する断片化ペプチ
ド及びV197断片化ペプチド分子量マーカーを分離することができる。ゲル上の断
片化ペプチドは、慣用の染色方法を用いて可視化することができる。サンプルタ
ンパク質の見かけの分子量の推定において、分子量マーカーとしてV197断片化ペ
プチド分子量マーカーを用いることができる。V197断片化ペプチド分子量マーカ
ーは、7,549ダルトン、2,619ダルトンあるいは4,395ダルトンに近い見かけの分 子量を有する断片化ペプチドの見かけの分子量の推定用の分子量マーカーとして
特に役立つ。これらのV197断片化ペプチド分子量マーカーを用いることにより、
7,549ダルトン、2,619ダルトンあるいは4,395ダルトンに近い見かけの分子量を 有する断片化ペプチドの見かけの分子量の推定における精度を高めることができ
る。さらに、V197ポリペプチドの断片化の程度は、サンプルタンパク質の完全な
断片化のために予測される条件を決定するためのコントロールとして用いられる
。当然ながら、V197ポリペプチドを断片化するために多くの酵素を用いることが
でき、この態様が本発明の範囲を限定するものではないことは理解されよう。
【0040】 別の態様においては、V197ポリペプチドに対するモノクローナル及びポリクロ
ーナル抗体を生成することができる。Balb/cマウスに、RIBIアジュバント(RIBI
Corp., Hamilton, Montana)の存在下で、10μgの単離され精製されたV197ポリペ
プチド又はV197ポリペプチドのアミノ酸配列に基づくペプチドを、3週間間隔で2
回、腹腔内注射することができる。次にマウスの血清を慣用のドットブロット技
術又は抗体捕捉(ABC)によってアッセイし、融合に最も適した動物が何れである かを決定する。3週間後に、滅菌PBSに懸濁したV197ポリペプチド又はペプチドの
3μgを、静脈内に追加免疫する。3日後にマウスを屠殺し、確立されたプロトコ ルに従って脾細胞をAg8.653ミエローマ細胞(ATCC)と融合する。概要を説明する と、Ag8.653を無血清培地で数回洗浄し、脾細胞3に対してミエローマ細胞1の比 でマウス脾細胞に融合する。融合剤は、50% PEG: 10% DMSO (Sigma)である。融 合物を、HAT補充DMEM培養液を含む20枚の96穴平底プレート(Corning)にプレーテ
ィングし、8日間増殖させる。得られたハイブリドーマから上清を回収し、初め にヤギ抗マウスIgをコーティングした96穴プレートに加えて60分間置く。洗浄の
後、125I-V197ポリペプチド又はペプチドを各ウェルに加え、室温で60分間イン キュベートし、4回洗浄する。次いで、Kodak X-Omat Sフィルムを用いた-70℃で
のオートラジオグラフィーにより、陽性のウェルを検出することができる。陽性
のクローンは大量培養において増殖させることができ、次に上清をProtein Aカ ラム(Pharmacia)を通して精製する。当然ながら、V197ポリペプチド及びそれら の断片化ペプチドに対する抗体を生成するために多くの技術を用いることができ
、この態様が本発明の範囲を限定するものではないことは理解されよう。
【0041】 別の態様においては、V197及びその断片化ペプチドに対して産生された抗体を
、V197ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーと組合せて用いることに
より、サンプルタンパク質の見かけの分子量及び等電点を決定するためにこれら
の分子量マーカーを用いる場合の精度を高めることができる。V197ポリペプチド
又は又は断片化ペプチド分子量マーカーは、モル過剰量のサンプルタンパク質と
混合することができ、その混合物は慣用の手段により二次元電気泳動法で分離す
ることができる。ポリペプチドは、例えばニトロセルロースのような適切なタン
パク質結合メンブランに慣用の手段によってトランスファーすることができる。
【0042】 メンブラン上のポリペプチドは、サンプルタンパク質と分子量マーカーとの間
の区別を可能にする2種類の異なる方法を用いて可視化することができる。これ らのマーカーに対して産生された抗体及び慣用の免疫ブロット技術を用いて、V1
97ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーを可視化することができる。
この検出は、サンプルタンパク質を検出することにならないような慣用の条件下
で行う。小さいペプチドは免疫原性エピトープを有していないことがあるため、
全てのV197ポリペプチド断片に対して抗体を生成することができないことがある
ことは理解されよう。さらに、このアッセイでは全ての抗体が機能するわけでは
ないが、V197ポリペプチド又は断片に結合し得る抗体は慣用の技術を用いて容易
に決定できる。
【0043】 このサンプルタンパク質は慣用の染色法を用いて可視化する。慣用の染色法で
前記サンプルタンパク質が主として検出されるように、V197ポリペプチド又は断
片化ペプチド分子量マーカーに対してモル過剰量のサンプルタンパク質が用いら
れる。V197ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーのレベルは、例えば
慣用の染色法によってこれらのマーカーは殆ど又は全く検出されないようにでき
るようなレベルである。V197ポリペプチド分子量マーカーに対するサンプルタン
パク質の好ましいモル過剰量は、2〜100,000倍の範囲である。より好ましくは、
V197ポリペプチド分子量マーカーに対するサンプルタンパク質の好ましいモル過
剰量は、10〜10,000倍の範囲、特に100〜1,000倍の範囲である。
【0044】 V197ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーを、サンプルタンパク質
の見かけの分子量及び等電点の推定において、分子量及び等電点マーカーとして
用いることができる。V197ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーは、
V197ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカーの見かけの分子量及び等電
点に近い見かけの分子量及び等電点を有するサンプルタンパク質の見かけの分子
量及び等電点の推定用の分子量及び等電点マーカーとして特に役立つ。同一条件
の下でV197ポリペプチド又は断片化ペプチド分子量マーカー及びサンプルタンパ
ク質を同時に分離する能力によって、サンプルタンパク質の見かけの分子量及び
等電点の決定の精度を高めることができる。このことは、例えば二次元電気泳動
法のような、マーカーがいずれもサンプルタンパク質と同時に分離されなければ
ならないという性質をもつ技術において、特に有用である。
【0045】 別の態様においては、サンプルタンパク質の切断剤による処理によって得られ
た断片化ペプチドの見かけの分子量及び等電点の推定において、V197ポリペプチ
ド又は断片化ペプチド分子量マーカーを、分子量及び等電点マーカーとして用い
ることができる。当然ながら、V197ポリペプチド分子量マーカー及びそのペプチ
ド断片を用いてサンプルタンパク質及び断片化ペプチドの分子量及び等電点の決
定を行うために多くの異なる技術を用いることができ、この態様が本発明の範囲
を限定するものではないことは理解されよう。
【0046】 本発明に包含されるV197ポリペプチド分子量マーカーは、それらが発現される
宿主細胞に応じて分子量が変化し得る。様々な細胞の種類でのV197ポリペプチド
分子量マーカー及びそのペプチド断片のグリコシル化により、修飾の程度に応じ
た、それらのマーカーの分子量の変化が生じ得る。V197ポリペプチド分子量マー
カーのサイズは、前記ポリペプチドの細胞外の部分に由来するV197ポリペプチド
の断片において最も不均質となり得る。一貫性のある分子量マーカーは、膜貫通
領域及び細胞質内領域にその全体が由来するポリペプチドを用いるか、N-グリカ
ナーゼで前処理することにより糖鎖結合を取り除くか、又は細菌の宿主で前記ポ
リペプチドを発現させることによって得ることができる。
【0047】 V197とその対向構造物との相互作用により、V197とV197対向構造物との会合を
妨げ、かつV197又はその対向構造物の活性を阻害する小分子をスクリーニングす
ることができる。例えば、SUNYで開発された酵母2ハイブリッドシステム(Fields
らに付与された米国特許第5,283,173号に記載されている)を用いて、以下のよう
にV197のインヒビターをスクリーニングすることができる。V197及びその対向構
造物、またはそれらの相互作用の原因となるそれらの部分を、Gal4 DNA結合ドメ
イン及びGal 4転写活性化ドメインにそれぞれ融合し、ヒスチジンを欠くプレー ト上での増殖についてGal4の活性に依存する菌株に導入することができる。IL-1
インヒビターを特定するために、増殖を妨げる化合物をスクリーニングすること
ができる。あるいは、V197とV197対向構造物との相互作用が増殖を阻害し、その
相互作用の阻害によって増殖を生じさせることができるようにスクリーニングを
改変することができる。V197の阻害をスクリーニングする別のin vitroの方法は
、化合物の一方(V197かその対向構造物の何れか)をマイクロタイタープレートの
ウェルに固定し、かつもう一方の化合物に容易に検出される指示薬を結合する方
法である。その相互作用のインヒビターは、検出可能な指示薬が存在しないこと
によってウェルから特定する。
【0048】 さらに本発明のV197ポリペプチドは、V197インヒビターの構造をベースにした
設計のために有用である。そのような設計は、そのようなV197ポリペプチドの三
次元構造を決定する過程と、その三次元構造を基質の結合する可能性のある部位
について分析する過程と、推定上の反応性部位を有する分子を合成する過程と、
その分子の阻害活性を測定する過程とを含む。
【0049】 これにより、V197ポリペプチドに免疫反応性の抗体、特にV197ポリペプチドに
対するモノクローナル抗体が本発明により利用可能となる。そのような抗体は、
in vivoでのV197ポリペプチド活性の阻害、及びサンプル中のV197ポリペプチド の存在の検出のために有用であり得る。
【0050】 本明細書において、用語「V197ポリペプチド」は、配列番号2のアミノ酸配列1
-153を有するタンパク質、及びそのようなアミノ酸配列と高度な類似性(少なく とも90%の同一性)を有するタンパク質で生物学的に活性なものを包含するポリペ
プチドの属である。加えて、V197ポリペプチドは、配列番号1のヌクレオチド1-4
62の遺伝子産物である。
【0051】 本発明の単離され精製されたV197ポリペプチドは、グリコシル化されていない
場合、約16,986ダルトンの分子量を有する。V197ポリペプチドのアミノ末端及び
カルボキシ末端の両方に追加のペプチド配列を融合することにより、V197ポリペ
プチドの分子量を変化させ得ることは理解されよう。V197ポリペプチドのアミノ
末端及びカルボキシ末端への追加のペプチド配列の融合は、V197ポリペプチドの
発現を増加させるため、又は前記タンパク質の精製の助けとするために用いるこ
とができる。
【0052】 V197ポリペプチドのアミノ末端及びカルボキシ末端への追加のペプチド配列の
融合によって、酵素又は化学的処理によって生成されたV197ポリペプチドの断片
化ペプチドの、通常は全てではなく一部が変化するということが理解されよう。
【0053】 また、分子生物学上の日常的な公知の技術を用いてV197ポリペプチドに突然変
異を導入することができるということが理解されよう。さらに、特異的な酵素に
よってタンパク分解により切断される部位、又は化学的に誘発される特異的な断
片化方法によって切断される部位を取り除くように突然変異を設計することがで
きることが理解されよう。また、そのような部位の除去によって、特異的な酵素
又は化学的方法で断片化するときにV197ポリペプチドのペプチドフィンガープリ
ントが変化するということも理解されよう。
【0054】 本明細書において使用する用語「単離され精製された」は、V197ポリペプチド
分子量マーカー又はその断片が、例えば組換え宿主細胞培地の精製産物として、
又は非組換え体起源の精製産物として、他のタンパク質又はポリペプチドと実質
的に会合していない状態にあることを意味する。本明細書において使用する用語
「実質的に精製された」は、V197ポリペプチド分子量マーカー又はその断片を含
み、特異的な抗体を用いて除去できる既知のタンパク質の存在を除いて他のタン
パク質又はポリペプチドと実質的に会合していない混合物をいい、実質的に精製
されたV197ポリペプチド又はその断片は分子量マーカーとして用いることができ
る。用語「精製された」は、いずれも本明細書に記載したような、「単離され精
製された」形態のV197ポリペプチド、又は「実質的に精製された」形態のV197ポ
リペプチドのいずれかである。
【0055】 「ヌクレオチド配列」は、実質的に精製された形態に少なくとも一旦単離され
た(即ち内在性の物質で汚染されていない)DNA又はRNAに由来する、独立した断片
の形態又はより大きい核酸構築物の成分として、標準的な生化学的方法(例えば 、その概略がSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed.,
Cold Spring harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)に記載され ているような方法)によってその成分ヌクレオチド配列の特定、操作、及び回収 が可能となる量または濃度のヌクレオチド分子である。そのような配列は、通常
真核生物の遺伝子に存在する内部非翻訳配列、即ちイントロンによって中断され
ないオープンリーディングフレームの形態で提供されるのが好ましい。非翻訳DN
Aの配列は、それがコード領域の操作又は発現を妨げることがないようにオープ ンリーディングフレームの5'末端又は3'末端側に存在し得る。
【0056】 本明細書でいうV197ポリペプチド「変異体」は、元のV197ポリペプチドに実質
的に相同であるが、1個又は複数の欠失、挿入、又は置換のために天然のV197ポ リペプチド(ヒト、マウス、又は他の哺乳動物)の配列とは異なるアミノ酸配列を
有するポリペプチドである。変異体アミノ酸配列は、好ましくは天然のV197ポリ
ペプチドアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性、最も好ましくは少なくとも90%
同一性を有するものである。同一性のパーセンテージは、例えば、University o
f Wisconsin Genetics Computer Group (UWGCG)から入手できる、Devereuxら(Nu
cl. Acids Res. 12:387, 1984)によって書かれたGAPコンピュータプログラム、 バージョン6.0を用いて配列情報を比較することにより決定することができる。G
APプログラムは、Smith及びWaterman(Adv. Appl. Math 2:482, 1981)によって改
良された、Needlesman及びWunsch(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)のアラインメン
ト方法を利用する。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメータとしては、(
1) ヌクレオチドの単一比較マトリックス(一致について1の値、不一致について0
の値を有する)、及びSchwartz及びDayhoff, eds., Atlas of Protein Sequence
and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp.353-358, 1979
に記載された、Gribskov及びBurgess, Nucl. Acids Res. 14:6745, 1986の加重 比較マトリックス、(2) 各ギャップに対する3.0のペナルティ、及び各ギャップ の各シンボルに対する追加の0.10のペナルティ、(3) エンドギャップに対してペ
ナルティ無し、というパラメータが挙げられる。
【0057】 変異体は保存的に置換された配列を有していることがあり、これは所与のアミ
ノ酸残基が、類似の生理化学的な特性を有する残基で置換されたことを意味する
。保存的な置換の例としては、ある脂肪族残基から別の脂肪族残基への置換、例
えばIle、Val、Leu、又はAlaからその中の別のものへの置換、又はある極性残基
から別の極性残基への置換、例えばLysとArgとの間の置換、GluとAspとの間の置
換、又はGlnとAsnとの間の置換等が挙げられる。他のそのような保存的置換、例
えば、類似の疎水性の特性を有する全領域の置換もよく知られている。天然のV1
97変異体も本発明に包含される。そのような変異体の例としては、選択的mRNAス
プライシング事象又はV197ポリペプチドのタンパク分解性の切断によって生じた
タンパク質等が挙げられる。タンパク分解に起因する変化としては、例えばV197
ポリペプチドからの1個又は複数の末端アミノ酸(通常は1個〜5個の末端アミノ酸
)のタンパク分解による除去に起因する、異なる種類の宿主細胞における発現時 のN末端又はC末端の相違が挙げられる。
【0058】 上述のように、本発明は、組換え体あるいは非組換え体の、単離され精製され
た、即ち均質なV197ポリペプチドを提供する。分子量マーカーとして使用可能な
天然のV197ポリペプチドの変異体及び誘導体は、天然V197ポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列を変異させることによって得ることができる。天然のアミ
ノ酸配列の変更は様々な慣用の方法の何れかによって達成することができる。変
異は、天然配列の断片への連結を可能にする制限部位が隣接した、変異した配列
を含むオリゴヌクレオチドを合成することによって特異的な遺伝子座に導入する
ことができる。連結の後、得られた再構築配列は、所望のアミノ酸の挿入、置換
、又は欠失を含む類似体をコードする。
【0059】 あるいは、オリゴヌクレオチドを用いる部位特異的突然変異誘発法を利用して
遺伝子の変更を導入し、所定のコドンが置換、欠失、又は挿入によって変化し得
るものとすることができる。上述のような変異を生じさせる方法の例はWalderら
(Gene 42:133, 1986); Bauerら(Gene 37:73, 1985); Craik (BioTechnique, Jan
uary 1985, 12-19); Smithら(Genetic Engineering: Principles and Methods,
Plenum Press, 1981); Kunkel (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488. 1985); K
unkelら(Methods in enzymol. 154:367, 1987)及び米国特許第4,518,584号及び 第4,737,462号に記載されており、これら全ては引用により本明細書の一部とす る。
【0060】 V197ポリペプチドを、例えばグリコシル基、ポリエチレングリコール(PEG)基 、脂質、リン酸、アセチル基等のような他の化学基部分との共有結合又は凝集性
コンジュゲートを形成することによって修飾し、V197ポリペプチド誘導体を生成
することができる。V197ポリペプチドの共有結合性の誘導体は、V197ポリペプチ
ドのアミノ酸側鎖上、又はV197ポリペプチドのN末端又はC末端、又はその細胞外
ドメイン上の官能基に化学基部分を結合させることによって調製できる。本発明
の範囲内の他のV197ポリペプチドの誘導体としては、例えばN末端又はC末端への
融合のような組換え体培地における合成による、他のタンパク質又はポリペプチ
ドとV197ポリペプチド又はペプチド断片との共有結合又は凝集性コンジュゲート
がある。例えば、そのようなコンジュゲートは、V197ポリペプチドのN末端にお けるシグナル又はリーダーポリペプチド配列(例えばサッカロミセスのα因子リ ーダー)を含み得る。シグナル又はリーダーペプチドは、翻訳と同時又は翻訳後 に、そのコンジュゲートをその合成の部位から、細胞膜又は細胞壁の内側又は外
側の部位への移動を誘導する。
【0061】 V197ポリペプチドコンジュゲートは、V197ポリペプチドの精製及び同定を促進
するために付加されたペプチドを有し得る。そのようなペプチドとしては、例え
ば、米国特許第5,011,912号及びHoppら, Bio/Technology 6:1204, 1988に記載さ
れているようなポリHis又は抗原性同定用ペプチド等が挙げられる。
【0062】 さらに本発明は、関連する天然のグリコシル化パターンを有するか、又は有し
ていないV197ポリペプチドを包含する。酵母又は哺乳動物の発現系(例えばCOS-1
又はCOS-7細胞)において発現されるV197ポリペプチドは、発現系の選択に応じて
、分子量及びグリコシル化パターンについて天然V197ポリペプチドと類似してい
るか、あるいは有意に異なっているものであり得る。例えば大腸菌のような細菌
の発現系でV197ポリペプチドを発現させることによって、非グリコシル化分子が
得られる。グリコシル基は、慣用の方法、具体的にはグリコペプチダーゼを用い
る方法によって取り除くことができる。通常、グリコシル化V197ポリペプチドは
、モル過剰量のグリコペプチダーゼと共にインキュベートすることができる(Boe
hringer Mannheim)。
【0063】 アミノ酸残基もしくは配列の様々な付加もしくは置換、又は末端もしくは内部
の残基もしくは配列の様々な欠失をコードする等価なDNA構築物が本発明に包含 される。例えば、V197ポリペプチドの細胞外ドメインにおけるNグリコシル化部 位を、グリコシル化を防止するように改変して、哺乳動物又は酵母の発現系にお
ける糖質の結合を減らした類似体の発現を可能にすることができる。真核生物の
ポリペプチドにおけるNグリコシル化部位は、アミノ酸トリプレットAsn-X-Yによ
り特徴付けられ、ここでXはPro以外のあらゆるアミノ酸であり、YはSer又はThr である。これらのトリプレットをコードするヌクレオチド配列に対して適切な置
換、付加、又は欠失を与えることによって、Asn側鎖における糖質残基の付加を 防止することができる。例えばAsnが異なるアミノ酸で置換されるように選択さ れた、一本鎖ヌクレオチドの変異は、Nグリコシル化部位を不活性化するために 十分である。タンパク質におけるNグリコシル化部位を不活性化するための公知 の方法としては、米国特許第5,071,972号及び欧州特許276,846に記載された方法
が挙げられ、これらは引用により本明細書の一部とする。
【0064】 別の例では、生物学的活性のために必要ではないCys残基をコードする配列を 改変し、Cys残基を除去するか他のアミノ酸で置換して、再生時に正しくない分 子間ジスルフィド架橋を形成することを防止することができる。KEX2プロテアー
ゼ活性が存在する酵母における発現を促進するために、隣接する二塩基性のアミ
ノ酸残基の修飾によって他の等価物を調製することができる。欧州特許212,914 には、タンパク質におけるKEX2プロテアーゼプロセシング部位を不活性化するた
めに部位特異的突然変異誘発を利用することが開示されている。KEX2プロテアー
ゼプロセシング部位は、残基を欠失、付加、又は置換させることによって不活性
化され、Arg-Arg、Arg-Lys、及びLys-Arg対を改変して隣接する塩基性残基の発 生を排除する。Lys-Lys対はKEX2による切断を非常に受け難く、またArg-Lys又は
Lys-ArgからLys-Lysへの変換は、保存的で、KEX2部位を不活性化するために好ま
しい方法である。
【0065】 さらに本発明は、配列番号1のヌクレオチド配列に由来する単離された断片及 びオリゴヌクレオチドを包含する。また本発明は、これらの断片及びオリゴヌク
レオチドでコードされるポリペプチドを包含する。
【0066】 本発明の範囲内の核酸配列として、ここに開示した元のV197ヌクレオチド配列
と中程度又は高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし、かつV197ポリペ
プチドをコードする、単離されたDNA及びRNA配列がある。本明細書において、当
業者に公知で、SambrookらMolecular Cloning: A Laboratory Manual, 2 ed. Vo
l. 1, pp. 1.101-104, Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)によって
定義されている、中程度のストリンジェンシーの条件としては、ニトロセルロー
スフィルタ用の予洗溶液、5X SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTA (pH8.0)と、42℃で50
%ホルムアミド、6X SSCのハイブリダイゼーション条件(又は42℃で50%ホルムア ミドに入れた、例えばスタークス溶液のような他の類似のハイブリダイゼーショ
ン溶液)と、約60℃、0.5X SSC、0.1% SDSの洗浄条件とを使用する。高ストリン ジェンシー条件は、上述のハイブリダイゼーション条件に、約68℃、0.2X SSC、
0.1% SDSの洗浄を加えたものと定義される。温度及び洗浄溶液の塩濃度は、例え
ばプローブの長さのような因子に基づき必要に応じて変えることができるという
ことを当業者に理解されよう。
【0067】 同一のアミノ酸を2種類以上のコドンがコードし得るという、公知の遺伝暗号 の縮退のため、DNA配列は、配列番号1に示すものとは異なるが、依然として配列
番号2のアミノ酸配列を有するV197ポリペプチドをコードするものであり得る。 そのような変異体DNA配列は、(例えばPCR増幅の際に生ずる)サイレント変異から
得られ、又は意図的な元の配列での変異誘発の産物であり得る。
【0068】 従って、本発明は、(a) 天然の哺乳動物のV197遺伝子のコード領域に由来する
DNA、(b) 配列番号1のヌクレオチド配列1-462を含むcDNA、(c) 中程度のストリ ンジェンシーの条件の下で(a)のDNAとハイブリダイズし得、かつV197ポリペプチ
ドをコードするDNA、及び(d) (a)、(b)、又は(c)に定義されたDNAの遺伝暗号が 縮退し、かつV197ポリペプチドをコードするDNAから選択された、V197ポリペプ チドをコードする等価で単離されたDNA配列を提供する。そのようなDNA等価物の
配列によってコードされるV197ポリペプチドは、本発明に包含される。
【0069】 配列番号1のDNA配列と等価なDNAは、配列番号2のアミノ酸配列1-153を含むポ リペプチドをコードする二本鎖の天然DNA配列と、中程度のストリンジェンシー 条件下でハイブリダイズする。そのようなDNAによってコードされるV197ポリペ プチドの例としては、以下に限定するものではないが、上述のような、不活性化
Nグリコシル化部位、不活性化プロテアーゼプロセシング部位、又は保存的アミ ノ酸置換を含むV197ポリペプチド断片及びV197ポリペプチド等が挙げられる。配
列番号1のDNAに相補的な分子にハイブリダイズする、他の哺乳動物種由来のDNA によってコードされるV197ポリペプチドも包含される。
【0070】 本発明の抗V197ポリペプチド抗体のようなV197ポリペプチドに結合するタンパ
ク質を、その表面上においてV197ポリペプチドを発現する細胞の特定、分離、又
は精製に適した、カラムクロマトグラフィーマトリックス又は類似の基質のよう
な固相に結合することができる。V197ポリペプチドに結合するタンパク質の固相
接触面への付着は任意の手段によって達成することができ、例えば磁性微粒子を
V197ポリペプチドに結合するタンパク質でコーティングし、磁界によってインキ
ュベーション用容器に保持することができる。細胞混合物の懸濁液を、その上に
V197ポリペプチドに結合するタンパク質を有する固相と接触させる。その表面上
にV197ポリペプチドを有する細胞は、固定されたV197ポリペプチド結合タンパク
質に結合し、次に結合しない細胞を洗い流す。そのようなV197ポリペプチドを発
現する細胞を溶液から精製、スクリーニング、又は分離するために、このアフィ
ニティ結合法が役立つ。固相から陽性として選択された細胞を切り離す方法は公
知であり、例えば酵素を用いる方法がある。そのような酵素は、その細胞に対し
て非毒性かつ非障害性であるものが好ましく、細胞表面結合パートナーの切断を
誘導するものが好ましい。
【0071】 あるいは、初めにV197ポリペプチド発現細胞を含む可能性のある細胞混合物を
、ビオチン標識したV197ポリペプチド結合タンパク質と共にインキュベートする
ことができる。インキュベーション時間は、一般的には、V197ポリペプチドへの
十分な結合を確実にするための時間として少なくとも1時間である。次に得られ た混合物をアビジンをコーティングしたビーズを詰めたカラムに通すことにより
、アビジンに対するビオチンの高い親和性により、V197ポリペプチド結合細胞の
ビーズへの結合が生ずる。アビジンをコーティングしたビーズを用いることは公
知である。BerensonらJ. Cell. Biochem., 10D:239 (1986)を参照されたい。結 合していない材料の洗浄及び結合した細胞の放出は、慣用の方法を用いて行う。
【0072】 上述の方法において、適切なV197ポリペプチド結合タンパク質は、抗V197ポリ
ペプチド抗体、及びV197ポリペプチドが高い親和性で結合し得る他のタンパク質
である。好ましいV197ポリペプチド結合タンパク質は、抗V197ポリペプチドモノ
クローナル抗体である。
【0073】 V197ポリペプチドは、例えば共有結合又は非共有結合で結合した二量体又は三
量体のようなオリゴマーとして存在し得る。オリゴマーは、異なるV197ポリペプ
チド上のシステイン残基間に形成されたジスルフィド結合によって結合され得る
。本発明のある態様においては、V197ポリペプチドを抗体(例えばIgG1)のFc領域
にV197ポリペプチドの生物学的活性を妨げないように融合することによってV197
ポリペプチド二量体を形成する。Fcポリペプチドは、(細胞外ドメインのみを含 む)可溶性V197ポリペプチドのC末端に融合するのが好ましい。(Fcドメインを含 む)抗体由来のポリペプチドの様々な部分に融合された異種ポリペプチドを含む 融合タンパク質の一般的な調製については、例えばAshkenaziら(PNAS USA 88:10
535, 1991)及びByneら(Nature 344:677, 1990)に記載されており、これらの文献
はこの引用により本発明の一部とする。V197ポリペプチド:Fc融合タンパク質を コードする遺伝子融合物は、適当な発現ベクターに挿入する。V197ポリペプチド
:Fc融合タンパク質は抗体分子に非常によく似た形態で組立られることができ、 鎖間ジスルフィド結合がFcポリペプチド間に形成され、二価のV197ポリペプチド
が生成される。融合タンパク質が抗体の重鎖及び軽鎖の両方で形成されている場
合、4つのV197ポリペプチド細胞外領域を有するV197ポリペプチドオリゴマーを 形成することが可能である。あるいは、ペプチドリンカーで2つの可溶性V197ポ リペプチドドメインを結合することができる。
【0074】 V197ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え発現ベクターは、周知の
方法を用いて作製することができる。前記発現ベクターは、例えば哺乳動物、微
生物、ウイルス、又は昆虫の遺伝子に由来するもののような、適当な転写又は翻
訳調節ヌクレオチド配列に機能可能なように結合されたV197 DNA配列を含む。調
節配列の例としては、転写プロモーター、オペレーター、又はエンハンサー、mR
NAリボソーム結合部位、及び転写及び翻訳の開始及び終結を調節する適当な配列
等が挙げられる。ヌクレオチド配列は、その調節配列がV197 DNA配列に機能的に
関連している場合、「機能可能なように結合」されたものとする。従って、プロ
モーターヌクレオチド配列がV197 DNA配列の転写を調節する場合、そのプロモー
ターヌクレオチド配列は、V197 DNA配列に機能可能なように結合されている。複
製起点によって通常与えられる所望の宿主細胞において複製する能力、及びそれ
によって形質転換体が特定される選択遺伝子をさらに発現ベクターに導入するこ
とができる。
【0075】 さらに、V197ポリペプチドと天然には結合していない適当なシグナルペプチド
をコードする配列を、発現ベクターに導入することができる。例えば、シグナル
ペプチド(分泌性リーダー)のDNA配列をフレーム内でV197ヌクレオチド配列に融 合し、V197ポリペプチドが、最初はそのシグナルペプチドを含む融合タンパク質
として翻訳されるようにすることができる。目的の宿主細胞において機能を発揮
するシグナルペプチドは、V197ポリペプチドの細胞外分泌を増加させる。このシ
グナルペプチドは、V197ポリペプチドの細胞からの分泌時にV197ポリペプチドか
ら切り離され得る。
【0076】 V197ポリペプチドの発現のための適当な宿主細胞としては、原核生物、酵母、
又は高等な真核生物の細胞等が挙げられる。細菌、真菌、酵母、及び哺乳動物の
細胞の宿主と共に用いるために適したクローニング・発現用ベクターは、例えば
PouwelsらCloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York, (1985
)に記載されている。ここに開示されるDNA構築物に由来するRNAを用いてV197ポ リペプチドを生成するために、無細胞の翻訳系を用いることもできる。
【0077】 原核生物としては、例えば大腸菌又はバチルスのようなグラム陰性又はグラム
陽性の微生物が挙げられる。翻訳のための適当な原核生物の宿主細胞としては、
例えば大腸菌、枯草菌、サルモネラチフィムリウム、及びシュードモナス属、ス
トレプトミセス属、及びブドウ球菌属中の他の様々な種等が挙げられる。大腸菌
のような原核生物の宿主細胞において、V197ポリペプチドは、その原核生物の宿
主細胞における組換えポリペプチドの発現を促進するN末端メチオニン残基を有 し得る。そのN末端Metは、発現された組換えV197ポリペプチドから切断すること
ができる。
【0078】 原核生物の宿主細胞で使用するための発現ベクターは、1個又は複数の表現型 選択マーカー遺伝子を含む。表現型選択マーカー遺伝子は、例えば、独立栄養の
要求を与えるか、抗生物質耐性を与えるタンパク質をコードする遺伝子である。
原核生物の宿主細胞のために有用な発現ベクターの例としては、例えばクローニ
ングベクターpBR322 (ATCC 37017)のような市販のプラスミドに由来するものが 挙げられる。pBR322は、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性のための遺伝子
を有し、従って形質転換された細胞を特定するための簡単な手段を提供している
。pBR322を用いて発現ベクターを構築するため、pBR322ベクターに適当なプロモ
ーター及びV197 DNA配列を挿入する。他の市販のベクターとしては、例えばpKK2
23-3 (Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)及びpGEM1 (Promega Biote
c, Madison, WI, USA)等が挙げらえる。他の市販のベクターとしては、タンパク
質の発現のために特別に設計されたもの、即ちマルトース結合タンパク質に融合
されたタンパク質の発現のために用いられるpMAL-p2及びpMAL-c2ベクター(New E
ngland Biolabs, Beverly, MA, USA)がある。
【0079】 組換え原核生物の宿主細胞発現ベクターのために一般的に用いられるプロモー
ター配列としては、βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター
システム(Changら, Nature 275:615, 1978; 及びGoeddelら, Nature 281:544, 1
979)、トリプトファン(trp)プロモーターシステム(Goeddelら, Nucl. Acids Res
. 8:4057, 1980; 及びEP-A-36776)、及びtacプロモーター(Maniatis, Molecular
Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, p. 412, 19
82)等が挙げられる。特に有用な原核生物の宿主細胞発現系は、ファージλPLプ ロモーター及びcI857ts易熱性リプレッサー配列を用いたものである。λPLプロ モーターの誘導体を導入した、American Type Culture Collectionから入手可能
なプラスミドベクターとしては、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9 (ATCC 37092) に存在)、及びpPLc28(大腸菌RR1 (ATCC 53082)に存在)が挙げられる。
【0080】 V197 DNAは、通常の細菌性発現ベクターの複数のクローニング部位にフレーム
内にクローン化することができる。理想的には、前記ベクターは、クローニング
部位の上流に誘導性プロモーターを有し、インデューサーを付加することによっ
て、研究者による選択時に組換えタンパク質の高レベルの産生が生ずることにな
る。いくつかのタンパク質の場合には、プロモーターと目的の遺伝子との間に融
合パートナー(例えばヘキサヒスチジン)をコードするコドンを導入することによ
って発現レベルを高めてもよい。得られる「発現プラスミド」は、様々な大腸菌
株において増殖させることができる。
【0081】 組換えタンパク質の発現のため、細菌細胞を、所定の光学密度に達するまで増
殖培地において増殖させる。次にその組換えタンパク質の発現を、例えばlacオ ペレーター/プロモーターを含むプラスミドからのタンパク質の発現を活性化す
るIPTG (イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド)を加えることによって誘 導する。誘導(一般的には1-4時間)の後、例えば4℃で20分間、5,000 x Gで遠心 分離してペレット化することにより細胞を回収する。
【0082】 発現されたタンパク質の回収のためには、ペレット化細胞を、10倍量の50 mM
Tris-HCl (pH 8)/1 M NaClに再懸濁し、次にフレンチプレスに2、3回通すことが
できる。最も高レベルで発現された組換えタンパク質は、封入体として知られる
不溶性の凝集塊を形成する。封入体は、4℃で20分間、5,000 x Gで遠心分離して
ペレット化することにより、可溶性タンパク質から精製することができる。封入
体ペレットを、50 mM Tris-HCl (pH 8)/1% Triton X-100で洗浄し、次に50 mM T
ris-HCl (pH 8)/8 M尿素/ 0.1 M DTTに溶解する。溶解され得ない全ての物質は 、遠心分離(20℃で20分間、10,000 x G)によって除去する。目的のタンパク質は
、大抵の場合、得られた上清において最も豊富に存在するタンパク質である。こ
のタンパク質を、50 mM Tris-HCl (pH 8)/5 mM CaCl2/5 mM Zn(OAc)2/1 mM GSSG
/0.1 mM GSHに対して透析することによって活性な立体構造に「再折り畳み」さ せることができる。再折り畳みの後、例えばイオン交換又はゲル濾過のような様
々なクロマトグラフィー法によって精製を行うことができる。いくつかのプロト
コルでは、最初の精製を再折り畳みの前に行うことがある。一例として、ヘキサ
ヒスチジン標識した融合タンパク質を固定化ニッケル上で部分的に精製すること
ができる。
【0083】 上述の精製及び再折り畳み方法では、タンパク質が封入体から最もよく回収さ
れることを仮定しているが、多くの組換えタンパク質が細胞溶解物の溶解性分画
から最もよく精製されるということは当業者には理解されよう。これらの場合に
は、再折り畳みは不要であることが多く、標準的なクロマトグラフィー法によっ
て直接精製を行うことができる。
【0084】 別法では、V197ポリペプチドを、酵母宿主細胞、好ましくはサッカロミセス属
(例えばサッカロミセスセレビシエ)から発現させることができる。酵母の他の属
、例えばピチア属、クルイベロミセスラクチス(Kluyveromyces lactis)属、又は
クライベロミセス属を用いることもできる。酵母ベクターは、多くの場合、2μ 酵母プラスミドからの複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、 ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、及び選択マーカー遺伝子
を含む。酵母ベクターのための適当なプロモーター配列としては、特に、メタロ
チオネイン、3-ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzemanら, J. Biol. Chem. 255:
2073, 1980)、又は例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲ
ナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナ
ーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピ ルビン酸キナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、グルコースリン酸イ
ソメラーゼ、及びグルコキナーゼのような他の糖分解酵素(Hessら, J. Adv. Enz
yme Reg. 7:149, 1968; 及びHollandら, Biochem. 17:4900, 1978)等のプロモー
ターが挙げられる。酵母での発現において使用するための他の適当なベクター及
びプロモーターはさらにHitzaman, EPA-73,657又はFleerら, Gene, 107:285-195
(1991); 及びvan den Bergら, Bio/Technology, 8:135-139 (1990)に記載され ている。他には、Russellら(J. Biol. Chem. 258:2674, 1982)及びBreierら(Nat
ure 300:724, 1982)に記載のグルコース抑制性ADH2プロモーターがある。酵母と
大腸菌の両方で複製可能なシャトルベクターは、大腸菌における複製及び選択の
ためにpBR322からのDNA配列(Ampr遺伝子及び複製起点)を上述の酵母ベクターに 挿入することによって作製できる。
【0085】 V197ポリペプチドの分泌を誘導するために、酵母α因子リーダー配列を用いる
ことができる。α因子リーダー配列は、多くの場合、プロモーター配列と構造遺
伝子配列との間に挿入される。例えば、Kurjanら, Cell 30:933, 1982; Bitter ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:5330, 1984; 米国特許第4,546,082号; 及 びEP 324,274を参照されたい。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促進
するのに適した他のリーダー配列は当業者によく知られている。リーダー配列は
、その3’末端近傍を1個又は複数の制限部位を含むように改変することができる
。これによって、リーダー配列の構造遺伝子への融合が容易になる。
【0086】 酵母の形質転換のプロトコルは当業者に周知である。そのようなプロトコルの
1つが、Hinnenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1929, 1978に記載されてい る。Hinnenらのプロトコルでは、0.67%の酵母窒素塩基、0.5%のカザミノ酸、2% のグルコース、10μg/mlのアデニン、及び20μg/mlのウラシルからなる選択培地
においてTrp+形質転換体を選択する。
【0087】 ADH2プロモーター配列を含むベクターによって形質転換された酵母宿主細胞は
、「リッチな」培地における発現の誘導のために増殖させることができる。リッ
チな培地の例としては、80μg/mlのアデニン及び80μg/mlのウラシルを加えた、
1%の酵母抽出物、2%のペプトン、及び1%のグルコースからなるものがある。ADH2
プロモーターの抑制解除は、グルコースが培地から無くなったときに起こる。
【0088】 組換えV197ポリペプチドを発現させるために、哺乳動物又は昆虫宿主細胞培地
系を用いることもできる。昆虫細胞における異種のタンパク質の産生のためのバ
キュロウイルス系は、Luckow及びSummers, Bio/Technology 6:47 (1988)におい て再検討されている。哺乳動物を起源とする確立された細胞系を用いることもで
きる。適当な哺乳動物の宿主細胞系の例としては、サル腎細胞(ATCC CRL 1651) のCOS-7系(Gluzmanら, Cell 23:175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC C
CL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、及びBHK(ATCC CRL
10)細胞系や、McMahanら(EMBO J. 10: 2821, 1991)に記載のようなアフリカミ ドリザル腎臓細胞系CVI (ATCC CCL 70)に由来するCV-1/EBNA-1細胞系(CRL 10478
)等が挙げられる。
【0089】 DNAを哺乳動物細胞に導入するための確立された方法は、(Kaufman, R.J., Lar
ge Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp. 15-69)に記載されている。例え ばLipofectamine (Gibco/BRL)又はLopofectaminePlusのような市販の試薬を用い
る別のプロトコルを用いて、細胞をトランスフェクトすることができる(Felgner
ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7417, 1987)。さらに、例えばSambro
okら Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2 ed. Vol. 1-3, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 1989)に記載のような慣用の方法により、エレクト ロポレーションを用いて哺乳動物細胞をトランスフェクトすることができる。安
定的な形質転換体の選択は、選択の方法として細胞障害性薬に対する耐性を利用
して行うことができる。Kaufmanら, Meth. in Enzymology 185:487-511, 1990に
は、例えばジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)耐性のようないくつかの選択方式につい
て記載されている。DHFR選択のために適当な宿主菌株は、DHFRを欠く、CHO株DX-
B11であり得る(Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220,
1980)。DHFR cDNAを発現するプラスミドを、菌株DX-B11に導入することができ 、かつそのプラスミドを含む細胞のみが適当な選択培地で増殖することができる
。発現ベクターに導入することができる他の選択マーカーとして、例えばG418及
びハイグロマイシンBのような抗生剤に対する耐性を与えるcDNAが挙げられる。 そのベクターを含む細胞を、それらの化合物に対する耐性に基づいて選択するこ
とができる。
【0090】 哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写及び翻訳調節配列は、ウイルスの
ゲノムから切り出すことができる。一般的に用いられるプロモーター配列及びエ
ンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サルウイルス40(SV
40)、及びヒトサイトメガロウイルスに由来するものである。SV40ウイルスのゲ ノムに由来するDNA配列、例えばSV40複製起点、初期及び後期プロモーター、エ ンハンサー、及びスプライス部位、及びポリアデニル化部位を用いて、哺乳動物
宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝子エレメントを提供す
ることができる。ウイルスの初期及び後期プロモーターは、両者が、ウイルスの
ゲノムからウイルスの複製起点も含み得る断片として容易に得られることから特
に有用である(Fiersら, Nature 273:113, 1978; Kaufman, Meth. in Enzymology
, 1990)。より小さい又はより大きいSV40断片も、SV40ウイルス複製起点に位置 するHind III部位からBgl I部位まで延びる約250bpの配列が含まれている限り用
いることができる。
【0091】 哺乳動物の発現ベクターからの異種遺伝子の発現を改善することが示されてい
る別の調節配列としては、例えばCHO細胞に由来する発現増強配列エレメント(EA
SE) (Morrisら, Animal Cell Technology, 1997, pp. 529-534)や、アデノウイ ルス2に由来するVA遺伝子RNA及び3部分構造のリーダー(TPL) (Gingerasら, J. B
iol. Chem. 257:13475-13491, 1982)のようなエレメントが挙げられる。ウイル ス起源の内部リボソーム侵入部位(IRES)の配列によって、2シストロン性mRNAが 効率的に翻訳され得るようになる(Oh及びSarnow, Current Opinion in Genetics
and Development 3:295-300, 1993; Rameshら, Nucleic Acids Research 24:26
97-2700, 1996)。異種cDNAをジシストロン性mRNAの一部として発現させ、次に選
択マーカー(例えばDHFR)の遺伝子を発現させることにより、宿主トランスフェク
ト性及び異種cDNAの発現が向上することが分かった(Kaufman, Meth. in Enzymol
ogy, 1990)。ジシストロン性mRNAを用いる発現ベクターの例としては、Mosserら
, Biotechniques 22:150-161, 1997に記載のpTR-DC/GFP、及びMorrisら, Animal
Cell Technology, 1997, pp. 529-534に記載のp2A5I等が挙げられる。
【0092】 有用な高レベル発現用ベクターpCAVNOTは、Mosleyら, Cell 59:335-348, 1989
に記載されている。哺乳動物宿主細胞において用いるための他の発現ベクターは
、Okayama及びBerg (Mol. Cell. Biol. 3:280, 1983)に記載のように作製するこ
とができる。C127マウス乳腺上皮細胞における哺乳動物のcDNAの安定的な高レベ
ルの発現のために有用な系は、実質的にCosmanら (Mol. Immunol. 23:935, 1986
)に記載されたように構築することができる。Cosmanら, Nature 312:768, 1984 に記載の有用な高レベル発現ベクターPMLSV N1/N4は、ATCC 39890として寄託さ れている。別の有用な哺乳動物用発現ベクターは、EP-A-0367566、及び1991年5 月16日出願の米国特許出願07/701,415号に記載されており、これらは引用により
本明細書の一部とする。ベクターは、レトロウイルスに由来するものであり得る
。天然のシグナル配列の代わりに、異種のシグナル配列、例えば米国特許第4,96
5,195号に記載のIL-7のシグナル配列、Cosmanら, Nature 312:768(1984)に記載 のIL-2受容体のシグナル配列、EP367,566に記載のIL-4シグナルペプチド、米国 特許第4,968,607号に記載のI型IL-1受容体シグナルペプチド、及びEP 460,846に
記載のH型IL-1受容体シグナルペプチド等を加えることができる。
【0093】 本発明の単離され精製されたV197ポリペプチド分子量マーカーは、上述のよう
な組換え発現系から製造、又は天然の細胞から精製することができる。V197ポリ
ペプチドは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)によって分析し たとき1本のタンパク質バンドによって示されるように、実質的に精製すること ができる。
【0094】 V197ポリペプチドの製造のための方法の1つにおいては、V197ポリペプチドの 発現を促進するに十分な条件の下でV197ポリペプチドをコードするDNA配列を含 む発現ベクターで形質転換した宿主細胞を培養する。次に、用いられた発現系に
応じて、V197ポリペプチドを培地又は細胞抽出物から回収する。当業者に周知の
ように、組換えタンパク質を精製する方法は、例えば使用される宿主細胞の種類
のような因子や、その組換えタンパク質が培地に分泌されるか否かということに
応じて変わってくる。例えば、その組換えタンパク質を分泌する発現系を用いる
場合、初めに培地を、例えばAmicon又はMillipore Pellicon限外濾過ユニットの
ような市販のタンパク質濃縮フィルタを用いて濃縮することができる。あるいは
、例えば側基のジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックス又は基質の
ような、陰イオン交換樹脂を用いることができる。マトリックスは、タンパク質
の精製において一般的に用いられる、アクリルアミド、アガロース、デキストラ
ン、セルロース又は他の種類のマトリックスであり得る。あるいは、陽イオン交
換法を用いることができる。適当な陽イオン交換体としては、スルホプロピル基
又はカルボキシメチル基を含む様々な不溶性マトリックスがある。好ましいのは
スルホプロピル基である。最後に、疎水性の逆相高速液体クロマトグラフィー(R
P-HPLC)用媒質(例えば側基のメチル基又は他の脂肪属基を有するシリカゲル)を 用いて1回又は複数回のRP-HPLC法を用いて、V197ポリペプチドをさらに精製する
ことができる。上述の精製過程のいくつか又は全てを様々な組合せることが周知
であり、それを用いて単離され精製された組換えタンパク質を提供することがで
きる。
【0095】 発現されたV197ポリペプチドをアフィニティ精製するために、例えばV197ポリ
ペプチドに対して産生されたモノクローナル抗体のようなV197ポリペプチド結合
タンパク質を含むアフィニティカラムを用いることができる。例えば高塩濃度の
溶出バッファー中で慣用の技術を使用し、その後使用のためより低い塩濃度のバ
ッファーに透析するか、又はpHもしくは他の成分を使用されるアフィニティマト
リックスに応じて変えることによってアフィニティカラムからV197ポリペプチド
を除去することができる。
【0096】 細菌の培養において製造された組換えタンパク質は、通常は、初めに宿主細胞
を破砕し、遠心分離し、不溶性ポリペプチドの場合には細胞ペレットから、可溶
性ポリペプチドの場合には上清から抽出し、次に1回又は複数回の濃縮、塩析、 イオン交換、アフィニティ精製又はサイズ排除クロマトグラフィ法を行うことに
よって単離する。最後に、最終的な精製過程のためにRP-HPLCを用いることがで きる。微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的破砕、又は細胞溶
解剤の使用等の慣用の方法の何れかによって破砕することができる。
【0097】 精製を簡単にするために、形質転換された酵母宿主細胞を用い、分泌されるポ
リペプチドとしてV197ポリペプチドを発現させることが好ましい。酵母宿主細胞
の発酵物から分泌された組換えポリペプチドは、Urdalら(J. Chromatog. 296:17
1, 1984)に記載の方法に類似の方法によって精製することができる。Urdalらは 、分離用HPLCカラム上で組換えヒトIL-2を精製するための2回連続の逆相HPLC法 について記している。
【0098】 V197ポリペプチド分子量マーカーは、沈降法、ゲル電気泳動法、クロマトグラ
フィー、及び質量分析法等の方法により分析することができる。V197ポリペプチ
ドは分子量マーカーとして機能し得、そのような分析技術を用いてサンプルタン
パク質の分子量を決定する際の助けとなる。サンプルタンパク質の分子量の決定
はそのサンプルタンパク質を特定する助けとなる。
【0099】 V197ポリペプチドを、化学的及び酵素的手段によってペプチドに断片化するこ
とができる。化学的断片化としては、メチオニン残基において特異的な切断が生
ずるように、中性又は酸性の条件の下で臭化シアンを用いて切断する方法が挙げ
られる(E. Gross, Methods in Enz. 11:238-255, 1967)。この方法には、別の方
法、例えばシステイン残基を非反応性の種に転換するためのカルボキシメチル化
段階を含めることができる。酵素による断片化としては、例えばアスパラギニル
エンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、アクロモバクタープロテ
アーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼA
sp-N、又はエンドプロテイナーゼLys-Cのようなプロテアーゼを、慣用の条件の 下で用いて、特異的なアミノ酸残基における切断を生じさせる方法がある。アス
パラギニルエンドペプチダーゼは、V197ポリペプチド内に存在するアスパラギン
残基のカルボキシル側を特異的に切断することができる。アルギニルエンドペプ
チダーゼは、V197ポリペプチド内に存在するアルギニン残基のカルボキシル側を
特異的に切断することができる。アクロモバクタープロテアーゼIは、V197ポリ ペプチド内に存在するリジン残基のカルボキシル側を特異的に切断することがで
きる(Sakiyama及びNakat, 米国特許第5,248,599号; T. Masakiら, Biochim. Bio
phys. Acta 660:44-50, 1981; T. Masakiら, Biochim. Biophys. Acta 660:55,
1981)。トリプシンは、V197ポリペプチド内に存在するアルギニン残基及びリジ ン残基のカルボキシル側を特異的に切断することができる。黄色ブドウ球菌V8プ
ロテアーゼは、V197ポリペプチド内に存在するアスパラギン酸残基及びグルタミ
ン酸残基のカルボキシル側を特異的に切断することができる(D. W. Cleveland,
J. Biol. Chem. 3:1102-1106, 1977)。エンドプロテイナーゼAsp-Nは、V197ポリ
ペプチド内に存在するアスパラギン残基のアミノ末端側を特異的に切断すること
ができる。エンドプロテイナーゼLys-Cは、V197ポリペプチド内に存在するリ ジン残基のカルボキシル側を特異的に切断することができる。V197ポリペプチド
を特異的なペプチド分子量マーカーのユニークなセットに特異的に断片化するた
めに、他の酵素処理及び化学的処理も同様に用いることができる。
【0100】 得られた断片化ペプチドを、沈降法、電気泳動法、クロマトグラフィー、及び
質量分析法等の方法で分析することができる。V197ポリペプチドに由来する断片
化ペプチドは、そのような分析技術を用いることによって、サンプルタンパク質
の分子量の決定の助けとなる分子量マーカーとしての役目を果たすことができる
。そのような分子量の決定はそのサンプルタンパク質を特定する助けとなる。V1
97断片化ペプチド分子量マーカーは、10個〜152個のアミノ酸からなるサイズで あるのが好ましい。より好ましくは、V197断片化ペプチド分子量マーカーは、10
個〜100個のアミノ酸からなるサイズである。さらに好ましくは、V197断片化ペ プチド分子量マーカーのサイズは、10個〜50個のアミノ酸からなるサイズ、特に
10個〜35個のアミノ酸からなるサイズである。最も好ましいのは、10個〜20個の
アミノ酸からなるV197断片化ペプチド分子量マーカーである。
【0101】 さらに、例えば断片化反応の時間又は温度を変えることによる、V197ポリペプ
チドの特異的なペプチドへの漸進的な断片化の分析(D. W. Clevelandら, J. Bio
l. Chem. 252:1102-1106, 1977)を、サンプルタンパク質の切断の程度のコント ロールとして利用することができる。例えば、同一の条件下で同一の量のV197ポ
リペプチドとサンプルタンパク質とを切断することにより、断片化の程度を直接
比較することが可能となる。V197ポリペプチドの完全な断片化を生ずる条件によ
って、サンプルタンパク質の完全な断片化を生じさせることができる。
【0102】 さらに、V197ポリペプチド及びその断片化ペプチドは、ユニークな荷電特性を
有しており、従って、等電点電気泳動等の技術を用いてサンプルタンパク質又は
断片化ペプチドの等電点を決定する際の助けとなる特異的なマーカーとしての役
目を果たし得る。等電点電気泳動の技術は、例えばゲル電気泳動法等の他の技術
を組合せて、分子量と電荷とに基づいてタンパク質を同時に分離することができ
る。そのような組合せの一例としては、二次元電気泳動法(T.D. Brock及びM.T.
Madigan, Biology of Microorganisms 76-77(Prentice Hall, 6d ed. 1991)との
組合せがある。V197ポリペプチド及びその断片化ペプチドを、そのような分析に
おいてマーカーとして用いて、サンプルタンパク質又は断片化ペプチドの等電点
及び分子量の両方を決定する際の助けとすることができる。
【0103】 サンプルタンパク質の見かけの分子量及び等電点の決定の際の助けとなるキッ
トを、V197ポリペプチド及びそのペプチド断片から構成することができる。キッ
トは、サンプルタンパク質の断片化の程度を評価するのにも役立つ。そのような
キットの構成は変更することができるが、一般的にはV197ポリペプチド及び断片
化ペプチド分子量マーカーを含む。また、そのようなキットは断片化の必要な部
位を取り除いたV197ポリペプチドを含み得る。さらに、前記キットは化学的又は
酵素的切断によるV197及びサンプルタンパク質の特異的切断のための試薬を含み
得る。さらにキットは、V197ポリペプチド又はその断片に対して誘導される抗体
を含み得る。
【0104】 (二重鎖を形成する)標的V197 mRNA配列、又は(三重らせんを形成する)二重鎖D
NAらせん中のV197配列に結合し得る、(RNA又はDNA何れかの)一本鎖核酸配列を含
むアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを本発明により製造することがで
きる。本発明のアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、V197 cDNA(配列
番号1)のコード領域の断片を含む。そのような断片は、通常、少なくとも約14ヌ
クレオチド、好ましくは約14〜約30ヌクレオチドを含む。所定のタンパク質のcD
NA配列に基づいてアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを生成する方法は
、例えばStein及びCohen, Cancer Res. 48:2659, 1988及びvan der Krolら, Bio
Techniques 6:958, 1988)に記載されている。
【0105】 アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合により、
二重鎖の分解促進や転写又は翻訳の早期の終結等のいくつかの手段の1つ又は他 の手段によって翻訳(RNA)又は転写(DNA)を阻害する複合体が形成される。従って
、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてV197ポリペプチドの発現をブロック
することができる。さらにアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾
された糖鎖−ホスホジエステルバックボーン(又は例えばWO91/06629に記載され ているような他の糖鎖結合)を有するオリゴヌクレオチドを含み、そのような糖 鎖結合は内在性ヌクレアーゼに対する耐性を有する。そのような耐性糖鎖結合を
有するオリゴヌクレオチドは、in vivoで安定(即ち酵素による分解に対して耐性
を有する)であるが、標的ヌクレオチド配列に特異的に結合し得る配列を有する 。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例としては、例えばWO90/1
0448に記載されているもののような有機部分、及び例えばポリ(L-リジン)のよう
な該オリゴヌクレオチドの標的核酸配列への親和性を高める他の成分に共有結合
で結合したオリゴヌクレオチド等がある。さらに、エリプチシンのようなインタ
ーカレート剤、及びアルキル化剤又は金属複合体を、センス又はアンチセンスオ
リゴヌクレオチドに付着させて、標的ヌクレオチド配列に対するそのアンチセン
ス又はセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を改変することができる。
【0106】 アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを、例えばCaPO4-媒介DNAトラン スフェクション、エレクトロポレーション等の遺伝子導入方法、又はエプスタイ
ン・バールウイルスのような遺伝子導入ベクターを用いることによって標的核酸
配列を含む細胞内に導入することができる。好ましくは、アンチセンス又はセン
スオリゴヌクレオチドは、そのアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドを適
当なレトロウイルスベクターに挿入し、次にin vivo又はex vivoの何れかで挿入
された配列を含むレトロウイルスベクターと細胞とを接触させることにより、標
的核酸配列を含む細胞に導入する。適当なレトロウイルスベクターとしては、以
下に限定するものではないが、マウスレトロウイルスM-MuLV、N2(M-MuLVに由来 するレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B、及びDCT5Cと指称される二重コピーベ
クター(PCT出願US90/02656参照)等が挙げられる。
【0107】 センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO91/04753に記載のように、
リガンド結合分子とのコンジュゲート形成によって標的ヌクレオチド配列を含む
細胞に導入することもできる。適当なリガンド結合分子としては、以下に限定す
るものではないが、細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、又は細胞表
面受容体に結合する他のリガンド等が挙げられる。リガンド結合分子の結合は、
そのリガンド結合分子が対応する分子又は受容体に結合する能力を実質的に妨げ
たり、又はセンス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド又はその結合した形態の
細胞への移入を阻害しないことが好ましい。
【0108】 あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドを、WO90/10448に記載
のように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により、標的核酸配列を含む
細胞に導入することができる。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂
質複合体は、内在性リパーゼによって細胞内で解離しているのが好ましい。
【0109】 また、単離され精製されたV197ポリペプチド又はその断片はIL-1及びTNFシグ ナル伝達を阻害する治療薬としてそれ自体有用であり得る。V197ポリペプチドは
、例えばそのタンパク質をリポソームに封入したり、そのタンパク質を特異的な
種類の細胞を標的とするモノクローナル抗体に結合することのような周知の手段
によって細胞内環境に導入することができる。
【0110】 V197 DNA、V197ポリペプチド、及びV197ペプチドに対する抗体を、様々な研究
プロトコルにおいて試薬として用いることができる。そのような研究プロトコル
のサンプルは、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratotry Manual, 2 ed.
Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)に記載されている。
例えば、これらの試薬は、RNA又はタンパク質の細胞特異的又は組織特異的な発 現に対するマーカーとしての役目を果たし得る。同様に、これらの試薬は、V197
RNA又はポリペプチドの構成的又は一過性の発現を研究するために用いることが
できる。V197 DNAは、V197 DNAの染色体上の位置を決定するため、及びこの染色
体上の位置に関連して遺伝子をマッピングするために用いることができる。また
、V197 DNAは、例えば遺伝子フィンガープリント法のような技術を用いることに
よって遺伝子の異種性及び遺伝を調べたり、遺伝病に関連するリスクを特定する
ためにも用いることができる。さらに、V197 DNAを用いて、V197 DNAに関連する
追加の遺伝子を特定したり、配列の比較に基づいて進化系統樹を確立することが
できる。例えばサザンブロット法や免疫ブロット法のようなポジティブスクリー
ニング法及びサブトラクションのようなネガティブスクリーニング法によって、
V197 DNA又はポリペプチドと相同的な遺伝子やタンパク質を選択するために、V1
97 DNA及びポリペプチドを用いることができる。
【0111】 また、V197ポリペプチドを試薬として用いて、(a) V197ポリペプチドが調節す
るあらゆるタンパク質、及び(b) それが相互作用し得る他のタンパク質を特定す
ることができる。V197ポリペプチドは、組換えタンパク質をアフィニティマトリ
ックスに結合することにより、又はそれを2ハイブリッド系においてベイト(bait
)として用いることによって使用することができる。V197ポリペプチド及びその 断片は、IL-1シグナル伝達経路の研究における試薬、IL-1シグナル伝達を阻害す
る試薬として用いることができる。
【0112】 治療薬として用いる場合、V197ポリペプチドは、公知の方法によって医薬品組
成物に配合することができる。V197ポリペプチドを、単体の活性物質として又は
他の公知の活性物質と共に、医薬上許容される希釈剤(例えばTris-HC1、酢酸塩 、リン酸塩)、保存剤(例えばチメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、 乳化剤、可溶化剤、アジュバント、及び/又は担体と混合して組合せることがで
きる。適当な担体及びそれらの剤形は、Remington’s Pharmaceutical Sciences
, 16th ed. 1980, Mack Publishing Coに記載されている。加えて、そのような 組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合体化したV197ポリ ペプチド、又はポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル等のような重合化合物
に導入したV197ポリペプチド、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単
ラメラ又は多重ラメラ小胞、赤血球影、又は球状赤血球内に導入したV197ポリペ
プチドを含み得る。そのような組成物は、V197ポリペプチドの物理的状態、溶解
度、安定度、in vivoでの放出速度、in vivoでのクリアランス速度に影響を及ぼ
す。
【0113】 本発明のある形態においては、V197ポリペプチド、及びV197のアミノ酸配列に
基づいたペプチドを用いて、V197ポリペプチドい特異的に結合する抗体を生成す
ることができる。用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、
F(ab’)2及びFabフラグメントのようのそれらの断片、及び任意の組換えによっ て製造された結合相手を含む意味である。抗体は、それらがV197ポリペプチドに
約107 M-1以上のKaで結合する場合、特異的に結合するものと定義される。結合 のパートナー又は抗体の親和性は、例えばScatchardら, Ann. N.Y Acad. Sci.,
51:660(1949)に記載のような従来の技術を用いることによって容易に決定できる
【0114】 ポリクローナル抗体は、例えばウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、
ウサギ、マウス、又はラット等の様々な起源から、周知の方法を用いて容易に生
成することができる。通常、精製されたV197ポリペプチド、又は適当にコンジュ
ゲートされる、V197ポリペプチドのアミノ酸配列に基づいたペプチドを、一般的
には非経口的注射によって宿主動物に投与する。V197ポリペプチドの免疫原性は
、例えばフロイント完全アジュバント又はフロイント不完全アジュバントのよう
なアジュバントを用いることによって高めることができる。追加免疫の後、少量
の血清サンプルを回収し、V197ポリペプチドに対する反応性をアッセイする。そ
のような決定のために役立つ様々なアッセイの例としては、Antibodies: A Labo
ratory Manual, Harlow及びLane(eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press
, 1988に記載されているアッセイ、並びに向流免疫電気泳動法(CIEP)、放射免疫
アッセイ、放射免疫沈降法、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ドットブロットアッ セイ、及びサンドイッチアッセイ等の方法等が挙げられる。米国特許第4,376,11
0号及び第4,486,530号を参照されたい。
【0115】 モノクローナル抗体は、周知の方法を用いて容易に製造することができる。例
えば、米国特許RE 32,011、第4,902,614号、第4,543,439号、及び第4,411,993号
; Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analy
ses, Plenum Press, Kennett, Mckearn, 及びBechtol (eds.), 1980に記載の方 法を参照されたい。概略を説明すると、例えばマウスのようなホストの動物に、
単離され精製されたV197ポリペプチド又はコンジュゲートしたV197ポリペプチド
を、所望に応じてアジュバントと共に、少なくとも1回、好ましくは約3週間間隔
で少なくとも2回、腹腔内に注射する。次にマウス血清を、慣用のドットブロッ ト技術又は抗体捕捉法(ABC)によってアッセイし、何れの動物が最もよく融合す るものかを決定する。約2〜3週間後に、そのマウスにV197ポリペプチド又は結合
したV197ポリペプチドの静脈内追加免疫を施す。その後マウスを犠牲にし、確立
されたプロトコルに従って、脾細胞を、例えばAg8.653(ATCC)のような市販のミ エローマ細胞に融合させる。概略を説明すると、そのミエローマ細胞を、培養液
内で数回洗浄し、約3の脾細胞に1のミエローマ細胞の比でマウス脾細胞に融合す
る。融合剤は、例えばポリエチレングリコール(PEG)のような、当分野で用いら れる任意の適当な薬剤であり得る。融合物を、融合した細胞の選択的増殖が可能
な培養液を含むプレートに播く。次にその融合した細胞を、約8日間にわたって 増殖させる。得られたハイブリドーマから上清を収集し、予めヤギ抗マウスIgで
コーティングしたプレートに加える。洗浄の後、標識した、例えば 125I-V197ポ
リペプチドを各ウェルに加えて、次にインキュベートする。次にオートラジオグ
ラフィーによって陽性のウェルを検出する。陽性のクローンは大量の培養液中で
増殖させることができ、次いで上清をProtein Aカラム(Pharmacia)で精製する。
【0116】 本発明のモノクローナル抗体は、例えばAlting-Meesら, “Monoclonal Antibo
dy Expression Libraries: A Rapid Alternative to Hybridomas”, Strategies
in Molecular Biology 3:1-9(1990)に記載のような別の技術を用いて製造する ことができる。上記文献は引用により本明細書の一部とする。同様に、結合相手
は、組換えDNA技術を用いて、特異的に結合する抗体をコードする遺伝子の可変 領域を導入することによって作製することができる。そのような技術は、Larric
kら, Biotechnology, 7:394(1989)に記載されている。
【0117】 その他の種類の「抗体」は、当分野での通常の知識と組合せて、本明細書に開
示された情報を用いて製造することができる。例えば、V197ポリペプチドに特異
的に結合し得るヒト抗体のエレメントを含むように組換えた抗体も本発明に包含
される。
【0118】 一旦単離され精製されると、V197ポリペプチドに対する抗体は確立されたアッ
セイのプロトコルを用いてサンプル中のV197ポリペプチドの存在を検出するため
に用いることができる。さらに、本発明の抗体を治療的に用い、V197ポリペプチ
ドに結合させ、in vivoでその活性を阻害することができる。
【0119】 本発明の精製されたV197ポリペプチドにより、V197ポリペプチドのインヒビタ
ーの発見が容易になる。V197ポリペプチドのインヒビターである可能性のあるも
のをスクリーニングする際に精製されたV197ポリペプチドを使用することは重要
であり、これによって汚染物質との妨害反応を排除あるいは減少させることがで
きる。
【0120】 さらに、V197ポリペプチドをV197ポリペプチド・インヒビターの構造に基づく
設計のために用いることができる。そのような構造の基づく設計は、「論理的医
薬分子設計」としても知られている。V197ポリペプチドは、例えば、何れもよく
知られた方法であるX線結晶構造分析、核磁気共鳴、又はホモロジーモデリング によって三次元的に分析することができる。インヒビターの設計の補助とするた
めの分子モデリングソフトウェアシステムにおいてV197ポリペプチドの構造の情
報の使用すること、及びインヒビター−V197ポリペプチド相互作用も、本発明に
包含される。そのようなコンピュータに補助されたモデリングや医薬分子設計で
は、例えば化学的立体構造分析、分子の静電ポテンシャル、タンパク質の折り畳
み等のような情報を利用することができる。例えば、金属プロテアーゼのクラス
特異的インヒビターの設計では、大抵の場合、触媒作用的な亜鉛原子をキレート
化又は結合しようと試みることに焦点が合わせられてきた。通常、合成インヒビ
ターは、特異的なプロテアーゼの特異性ポケットに適合するべく設計された一連
の他の基が結合した負に荷電した部分を含むように設計される。本発明の特異的
な方法では、基質に結合する可能性の高い部位についてV197ポリペプチドの三次
元構造を分析し、予想される反応部位を導入した新たな分子を合成し、かつその
新たな分子を上述のようにアッセイする。
【0121】 本明細書は、その中の引用例の教示に照らして最もよく理解される。引用例は
、その引用により本明細書の一部とする。本明細書に記載の実施例は、発明の形
態を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
当業者であれば、多くの他の形態が、請求の範囲に記載の本発明に包含されると
いうことが理解されよう。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトV197 DNAのヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。
【図2】 ヒトV197ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月17日(2000.7.17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/08 4H045 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A G01N 27/416 G01N 27/46 386 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA01 GA11 HA11 4B029 AA07 AA23 BB15 BB17 CC01 FA01 FA12 4B063 QA11 QQ42 QQ79 QR32 QR48 QS28 QS36 QX02 4B064 AG01 CA19 CC24 DA13 4B065 AA93Y AB01 AC14 BA01 BD45 CA24 CA25 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA76 EA50 FA74

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1のDNA配列を含む単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号2の配列を含むアミノ酸配列をコードする単離され た核酸分子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の核酸配列を含む変性した二本鎖DN
    Aのいずれかの鎖と、60℃で0.5XSSC、0.1%SDSの洗浄条件で、42℃で50%ホルムア
    ミド及び6XSSC中の中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする単 離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 単離された核酸分子がin vitro突然変異誘発によって配列番
    号1から誘導されたものである請求項3に記載の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 配列番号1から遺伝暗号の縮重の結果として生じた単離され た核酸分子。
  6. 【請求項6】 ヒトV197 DNA、ヒトV197 DNAの対立遺伝子変異体またはV197
    DNAの種ホモログである単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、5及び6に記載の核酸分子からなる群から選
    択される核酸分子の発現を誘導する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の核酸分子の発現を誘導する組換えベクター
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の核酸分子の発現を誘導する組換えベクター
  10. 【請求項10】 請求項1、2、5及び6に記載の核酸分子からなる群から
    選択される核酸分子によりコードされる単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 SDS-PAGEで決定して約17kDの分子量を有する請求項10に
    記載の単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 グリコシル化されていない形の請求項10に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載の核酸分子によりコードされた単離された
    ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 グリコシル化されていない形の請求項13に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項4に記載の核酸分子によりコードされた単離された
    ポリペプチド。
  16. 【請求項16】 グリコシル化されていない形の請求項15に記載の単離さ
    れたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載のポリペプチドに結合する単離された抗
    体。
  18. 【請求項18】 抗体がモノクローナル抗体である請求項17に記載の単離
    された抗体。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載のポリペプチドに結合する単離された抗
    体。
  20. 【請求項20】 抗体がモノクローナル抗体である請求項19に記載の単離
    された抗体。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載のポリペプチドに結合する単離された抗
    体。
  22. 【請求項22】 抗体がモノクローナル抗体である請求項21に記載の単離
    された抗体。
  23. 【請求項23】 請求項7に記載のベクターによりトランスフェクトまたは
    形質導入された宿主細胞。
  24. 【請求項24】 発現を促進する条件の下で請求項23に記載の宿主細胞を
    培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV197ポリペプチドの製造方
    法。
  25. 【請求項25】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞及び動物細胞
    からなる群から選択される請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項8に記載のベクターによりトランスフェクトまたは
    形質導入された宿主細胞。
  27. 【請求項27】 発現を促進する条件の下で請求項26に記載の宿主細胞を
    培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV197ポリペプチドの製造方
    法。
  28. 【請求項28】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞及び動物細胞
    からなる群から選択される請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項9に記載のベクターによりトランスフェクトまたは
    形質導入された宿主細胞。
  30. 【請求項30】 発現を促進する条件の下で請求項29に記載の宿主細胞を
    培養し、培地からポリペプチドを回収することを含むV197ポリペプチドの製造方
    法。
  31. 【請求項31】 宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞及び動物細胞
    からなる群から選択される請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 サンプルタンパク質の分子量を請求項10に記載のポリペ
    プチドの分子量と比較することを含むサンプルタンパク質の分子量を測定する方
    法であって、分子量の比較が、サンプルタンパク質とポリペプチドとをアクリル
    アミドゲルに適用し、電流を使用してサンプルタンパク質とポリペプチドとを分
    離し、サンプルタンパク質とポリペプチドとを染色する検出試薬をゲルに適用す
    ることを含む前記方法。
  33. 【請求項33】 サンプルタンパク質のペプチド断片の分子量を測定するた
    めのキットであって、 容器、 請求項10に記載のポリペプチド、 アスパラギニルエンドペプチダーゼ、アルギニルエンドペプチダーゼ、アクロ
    モバクタープロテアーゼI、トリプシン、黄色ブドウ球菌V8プロテアーゼ、エン ドプロテイナーゼAsp-N及びエンドプロテイナーゼLys-Cからなる群から選択され
    る少なくとも1の酵素、 選択された酵素による酵素切断部位が除去された、in vitro突然変異誘発によ
    り前記ポリペプチドから誘導された変異ポリペプチド、及び 選択された酵素での酵素切断により前記ペプチドから誘導された断片化ペプチ
    ドを含み、 前記ポリペプチド及び前記サンプルタンパク質を選択されたプロテアーゼに接
    触させ、タンパク質、ポリペプチド及び断片化ペプチドをアクリルアミドゲルに
    適用し、電流を使用してタンパク質、ポリペプチド及び断片化ペプチドを分離し
    、タンパク質、ポリペプチド及び断片化ペプチドを染色する検出試薬をゲルに適
    用することによりタンパク質、ポリペプチド及び断片化ペプチドを可視化するも
    のである前記キット。
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